JP4334665B2 - 化粧材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の内装、建具の表面化粧、車両の内装等に用いられる化粧シート及びそれを用いた化粧材に関するものである。特に、化粧シートを用いて真空成形により成形品表面を装飾する場合においても、良好な表面装飾ができるように真空成形適性を改良したものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の壁、天井等の内装、家具、キャビネット等の表面装飾材として用いられる化粧シートは、その基材シートにポリ塩化ビニルシートが多く使用されている。
例えば、ポリ塩化ビニルシートに木目模様等を印刷し、これに透明なポリ塩化ビニルシートを積層したものや、更に、透明なポリ塩化ビニルシートにエンボス加工を施したものがある。
また、ポリ塩化ビニルシートに代わるものとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂シートを使用した化粧シートが提案されている(特開昭54ー62255号公報参照)。
【0003】
また、アクリル樹脂シートを用いた化粧シートとして、基材シートにアクリル樹脂シートを用い、表面にポリオレフィン系樹脂シートを用いたもの、又は基材シートにポリ塩化ビニルシートを用い、表面にアクリル樹脂シートを用いた化粧シートも使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ポリ塩化ビニル製のシートを用いた化粧シートは、廃棄されて焼却された場合、塩酸ガスやダイオキシンの発生の恐れがあると言われているため、使用後の廃棄処理に問題がある。また、耐熱性が不足するとか、可塑剤のブリードアウトにより表面が汚染される等の問題があった。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂シートを使用した化粧シートは、極性基を持たないため、絵柄層を形成する場合、印刷インキとの接着力を向上させるために、オレフィン系樹脂シートの表面にコロナ放電処理やプライマー層を形成する方法等の易接着層を設ける必要があった。
更に、ポリオレフィン系樹脂シートを用いた化粧シートは、真空成形により成形品表面を装飾する場合、ポリ塩化ビニルを用いた化粧シートに比較して真空成形適性が劣る等の問題があった。
【0005】
また、表面にアクリル樹脂フィルムを用いた化粧シートは、凹凸形状を有する立体成形品の表面装飾に用いた場合、真空成形により形成された絞り部分が熱をかけることにより戻りが生じたり、表面の艶の変化が生じたりする。
また、アクリル樹脂フィルムを基材フィルムに用いた場合、アクリル樹脂フィルムが耐溶剤性が悪いため、印刷適性に劣る。例えば、ベタ印刷後に3着色刷りした場合、フィルムの膨潤により見当合わせが困難である。
更に、基材フィルムにアクリル樹脂フィルムを用い、表面フィルムにポリオレフィン樹脂フィルムを用いた場合、伸度が乏しく、真空成形により立体成形品の表面装飾を行う際、複雑な形状の成形品には困難である。
【0006】
以上のように、従来の化粧シートは、一長一短があり必ずしも満足できるものではない。
通常、建築物の壁、天井等の内装、家具、キャビネット等の表面装飾材として用いられる化粧シートには、下記のような機能が要求される。
(1)ポリ塩化ビニルを用いた化粧シートと同等の熱成形適性。
特に、温度変化に伴う一定荷重時の伸度の変化がポリ塩化ビニルと同等の緩やかに連続的に変化すること。また、加熱→冷却→加熱の繰り返しの温度変化に対しても物性の劣化が少ないこと。
(2)耐クリープ変形性。
外装材や内装材には建具や家具による一定荷重が長時間かけられる場合が多く、クリープ変形が生じると、荷重部分がめくれたり剥がれたりする。従って、極力クリープ変形が生じない材料であることが求められる。
(3)耐寒折り曲げ強度。
寒冷地でVカット加工(化粧シートを積層した化粧材を折り曲げ加工をした際に、化粧材にV字状の溝を形成して折り曲げ加工を行うこと、以下単にVカット加工という)等の折り曲げ加工を行う際に、応力緩和が不十分な場合は、折り曲げ部に白化、亀裂、破断等が生じる。
【0007】
(4)耐有機溶剤性。
化粧シートと被着体を接着する際、接着剤中の溶剤により化粧シートが膨潤、変形するのを防止する。多層構造の化粧シートの場合も同様である。
(5)破断時伸度、耐衝撃強度。
Vカット加工時の折り曲げ部の亀裂を防止するために、この特性が要求される。
(6)適度な曲げ弾性率をもつ。
曲げ加工部での化粧シートの追従性が十分であるために必要とされる。
(7)透明性が良好。
(8)エンボス加工等に伴う加熱と冷却によっても、再結晶による白化、濁りが生じないこと。
(9)易接着性。
(10)耐候性に優れる。
【0008】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂及びアクリル樹脂を用いた従来の化粧シートのもつ問題点を解消することを目的として鋭意研究した結果、非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂シートとポリオレフィン系樹脂フィルムを組み合わせることにより、ポリ塩化ビニル系樹脂を用いた化粧シートと同等の熱成形性、耐候性、透明性、及び被着体との易接着性をもつ化粧シートが得られることを見い出し、本発明に到った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、化粧材に用いる化粧シートの構成を以下のようにした。着色基材シート、絵柄層、透明な保護層、及びトップコート層からなる化粧シートにおいて、前記着色基材シートが、着色剤が添加された非結晶性のポリエチレンテレフタレート樹脂からなり、前記透明な保護層が紫外線吸収剤と光安定剤を含むアイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合系からなり、アタクチックポリプロピレンの含有量が10〜90重量%でアイソタクチックポリプロピレンの含有量が90〜10重量%である複合立体構造を有する軟質ポリプロピレン系樹脂からなる構成の真空成形用化粧シートを、該真空成形用化粧シートの前記着色基材シート側が表面に凹部を有する立体成形物の該凹部を有する面に真空成形することにより前記凹部を含めた立体成形物表面に沿って貼着していることを特徴とする化粧材とした。また、前記真空成形用化粧シートを構成する前記着色基材シートの前記絵柄層が形成された面と反対面に易接着層を形成したことを特徴とする化粧材とした。
【0010】
即ち、本発明の化粧材に用いる真空成形用化粧シートは、基材シートとして、非結晶性ポリエチレンテレフタレートからなる着色シートを用い、表面の保護フィルムとして透明なアイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合系からなる複合立体構造を有する軟質ポリプロピレン系樹脂を使用し、その表面フィルムと基材シートの中間に印刷等により絵柄層を設け、その両方のフィルムを熱融着法又は接着剤により積層したことを特徴とするものである。そして、真空成形用化粧シートを上記構成にすることにより、真空成形適性を改良して、従来のポリ塩化ビニルフィルムを用いた化粧シートと同等な熱成形性を有するようにしたものである。また、保護層の上にトップコート層を設けて、化粧シートの耐摩耗性、耐候性、耐擦傷性、耐汚染性等の物性を向上させ、更に、トップコート層に抗菌剤を添加して防菌性及び防カビ性を付与したものである。また、被着体との接着性を良好にするために、裏面に易接着層を形成すると共に、前記真空成形用化粧シートを凹凸表面を有する被着体に真空成形することにより貼着して化粧材とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照にしながら本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の化粧シートの一例を示した模式断面図である。
図2は本発明の化粧シートの別の態様で、透明な保護層にポリオレフィンフィルム(以下POフィルムという)用いた場合の模式断面図である。
図3は本発明の化粧シートの別の態様で、透明な保護層にアクリル樹脂フィルム(以下アクリルフィルムという)用いた場合の模式断面図である。
図4は本発明の化粧シートの別の態様で、透明な保護層にPOフィルムを用い、更に、その表面にトップコート層設け、裏面に易接着層を設けたときの模式断面図である。
図5は本発明の化粧シートの別の態様で、トップコート層に抗菌剤を添加したときの模式断面図である。
【0012】
図6は本発明の化粧材の一例で、化粧シートの保護層にPOフィルムを用いたときの化粧材の模式断面図である。
図7は本発明の化粧材の別の態様で、化粧シートの保護層にアクリルフィルムを用いたときの化粧材の模式断面図である。
図8は本発明の化粧シートを作製するときの説明図である。
図9は本発明の化粧シートで、トップコート層に抗菌剤を添加した化粧シート(以下抗菌性化粧シートとする)を作製するときの説明図である。
図10は保護層にアクリルフィルムを用いた化粧シートを作製し、その化粧シートを被着体に貼着して化粧材を作製するときの説明図である。
【0013】
図11は実施例1により化粧シートを作製するときの説明図である。
図12は実施例2により化粧シートを作製するときの説明図である。
図13は実施例3により化粧シートを作製するときの説明図である。
図14は真空成形適性試験により化粧シートの良否を判定するときの説明図である。
【0014】
本発明の化粧シート1は、図1に示すように、基本的には、着色基材シート11として非結晶性ポリエチレンテレフタレートからなる着色シートを用い、その着色基材シート11に印刷等により絵柄層12を設け、透明な保護層13として透明なPOフィルム又はアクリルフィルムを用いて、この印刷シートと透明なフィルム(保護層)を熱融着(又は接着剤)により積層したものである。
また、化粧シート1の別な態様として、図2に示すように、着色基材シート11に絵柄層12を設け、この着色基材シート11に接着剤を用いてPOフィルム13aをラミネートして化粧シート1としたものがある。
また、透明な保護層13としてアクリルフィルムを用いる場合は、図3に示すように、絵柄層12を形成した着色基材シート11の上に易接着層15を形成し、アクリルフィルム13bを熱融着して化粧シート1としたものである。
【0015】
更に、化粧シート1の別な態様として、図4に示すように、表面の耐摩耗性、耐擦傷性、耐候性、耐汚染性等の物性を向上させるために、保護層としてのPOフィルム13a(又はアクリルフィルム)の上にトップコート層16を形成し、積層シートの裏面に被着体との接着性を向上させるために、易接着層15を形成したものもある。
また、図5に示すように、表面のトップコート層16に抗菌剤17を添加して、防菌性及び防カビ性を付与した抗菌性化粧シート1aとすることもある。
尚、図5に示した抗菌性化粧シート1aは、透明な保護層13としてPOフィルムを用い、その上に抗菌剤17を含有するトップコート層16を形成した構成となっているが、透明な保護層13としてアクリルフィルムを用いた場合も、前記と同様に、抗菌剤17を含有するトップコート層16を形成することができる。
【0016】
そして、本発明の化粧材2は、図6及び図7に示すように、前記化粧シート1を合板、成形品等の被着体20に貼着して作製したものである。
即ち、図6に示すように、着色基材シート11に絵柄層12、接着剤層14、POフィルム13a、トップコート層16を積層した化粧シート1を、化粧シート1の裏面に形成した易接着層15を介して、被着体20に熱融着又は接着剤を用いて接着して化粧材2とするものである。
また、着色基材シート11に絵柄層12、易接着層14、アクリルフィルム13b、トップコート層16を積層した化粧シート1を、前記と同様に接着して化粧材2とするものである。
尚、図5に示すように、トップコート層16として抗菌剤17を含有するトップコート層16を形成した化粧シート1を用いれば、表面に防菌性及び防カビ性を有する化粧材を得ることができる。
【0017】
本発明に用いられる着色基材シートとしては非結晶性ポリエチレンテレフタレートに着色剤を添加してシート化したものが使用される。
非結晶性ポリエチレンテレフタレートとしては、イーストマンケミカル社のPETG(商品名)、三井・デュポンポリケミカル(株)のシーラーPT(商品名)が使用できるが、イーストマンケミカル社のPETG(商品名)が好適である。
また、非結晶性ポリエチレンテレフタレートのシート(又はフィルム)として、鐘紡(株)、帝人(株)、東洋紡績(株)、ポリテック(株)等から販売されているAーPETシート(又はフィルム)も使用できる。
【0018】
イーストマンケミカル社のPETGは、ポリエチレンテレフタレート(以下PETとする)のエチレングリコール成分の一部を、1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換したもので、テレフタル酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールの共重合体であり、エチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールの成分比を変えることによりPETの結晶性をなくしたものである。
そして、PETGを用いて作製した着色シートは、低温時の衝撃強度に優れており、加工性がよいので、常温で白化せずに折り曲げ加工ができる。
また、ガラス転移点は約81℃で、70℃から粘着性を帯び、約130〜140℃でヒートシールが可能である。
従って、本発明において表面の保護層として用いるポリオレフィンフィルムやアクリルフィルムと熱融着が可能である。
【0019】
上記非結晶性ポリエチレンテレフタレートに添加される着色剤は、基材シートに化粧シートとしての必要な色彩をもたせるものであり、必要に応じて、顔料又は染料からなる着色剤が使用される。
非結晶性ポリエチレンテレフタレートの着色は、用途に応じて透明着色、不透明着色が用いられるが、一般的には、被着体の表面を隠蔽することが必要であり、着色不透明が好ましい。
着色剤として、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、バンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー等の有機顔料あるいは染料、アルミニウム、真珠等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸亜鉛等、の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。
また、必要に応じて、無機充填剤を添加してもよく、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の粉末等が挙げられる。
【0020】
本発明の化粧シートに用いられる透明なPOフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プテンー1共重合体、プロピレン・ブテンー1共重合体、ポリブテン一1、ブテンー1・プロピレン・エチレン・3元共重合体、ブテンー1・ヘキセンー1・オクテンー1・3元共重合体、ポリメチルペンテン等の樹脂単独又は2種以上混合したものから作製されるフィルムが使用される。
本発明においては、上記ポリオレフィン樹脂の中で、アイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合系からなる複合立体構造を有する軟質ポリプロピレン系樹脂を成膜したもので、無色又は着色透明なフィルムが好適である。
この軟質ポリプロピレン系樹脂としては、(A)アタクチックポリプロピレンが10〜90重量%と、(B)アイソタクチックポリプロピレンが90〜10重量%とからなる軟質ポリプロピレンが使用される。
【0021】
(A)成分のアタクチックポリプロピレンとしては、(イ)マグネシウム、チタン、ハロゲン原子及び電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分、(ロ)有機アルミニウム化合物、及び(ハ)下記の一般式〔化1〕で表されるアルコキシ基含有芳香族化合物、の組み合わせからなる触媒の存在下でプロピレンを重合させることにより得られるもので、数平均分子量(Mn)が25,000以上で、且つ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が7以下で、沸騰ヘプタンに可溶性のポリプロピレンが用いられる。
【0022】
【化1】
Figure 0004334665
但し、式中のR1 は炭素数l〜20のアルキル基、R2 は炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロソ基、mは1〜6の整数、nは0又は1〜(6−m)の整数である。
【0023】
また、(B)成分のアイソタクチックポリプロピレンとしては、メルトインデックスが0.1〜4g/10分で、沸騰ヘプタンに不溶性のポリプロピレンが用いられる。
【0024】
上記軟質ポリプロピレン樹脂(アタクチックポリプロピレンとアイソタクチックポリプロピレンのブレンド樹脂)は、破断伸び(Tb )が400%以上、好ましくは500〜700%、100%伸長後の残留伸び(PS1oo )が80%以下、好ましくは50〜75%、及び破断時応力(MB )と降伏時応力(MY )との比(MB /MY )が1.0以上、好ましくはl.5〜3.5の範囲にあることが望ましい。
【0025】
上記軟質ポリプロピレン樹脂においては、(A)成分のアタクチックポリプロピレンは、沸騰ヘプタンに可溶性であって、数平均分子量(Mn)が25,000以上、好ましくは30,000〜60,000の範囲にあり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が7以下、好ましくは2〜6の範囲にあるものが用いられる。
このMnが25,000未満のものやMw/Mn比が7を超えるものでは、得られる樹脂における該アタクチックポリプロピレンの力学特性への寄与効果が十分に発揮されず、得られる樹脂の破断時応力(MB )と降伏時応力(MY )との比が1.0未満になったり、100%伸長後の残留伸び(PS100 )が80%を超えたりして、望ましくない。
【0026】
上記(A)成分のアタクチックポリプロピレンはプロピレンの単独重合体であってもよいし、プロピレン単位と40重量%以下、好ましくは30重量%以下の他の炭素数2〜30のα−オレフィン単位とを含有するプロピレン共重合体であってもよい。また、このアタクチックポリプロピレンは1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。このような(A)成分のアタクチックポリプロピレンは公知の方法(特公平6−23278号公報等)によって製造することができる。
【0027】
また、上記軟質ポリプロピレン樹脂における(B)成分のアイソタクチックポリプロピレンは、メルトインデックス(MI)が0.1〜4g/10分で、沸騰ヘプタンに不溶性の結晶性アイソタクチックポリプロピレンが用いられる。
メルトインデックスが0.1g/10分未満では溶融特性が低く、シート成形が困難になるし、4g/10分を超えると機械的強度が不充分となってVカット加工が良好に行えなくなる虞れがある。
【0028】
この(B)成分のアイソタクチックポリプロピレンとしては、アイソタクチックの立体規則性を有するプロピレン単独重合体であってもよいし、該立体規則性を有するプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。
この共重合体に用いられるα−オレフィンとしては、炭素数2〜8のもの、例えば、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、へプテン−1、オクテン−1などが好ましく、中でもエチレン及びブテン−1が好適である。
また、共重合体としては、前記の他のα−オレフィン単位を通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下含有するブロック共重合体やランダム共重合体が用いられる。
【0029】
この(B)成分のアイソタクチックポリプロピレンの好ましいものとしては、プロピレン単独重合体、及びエチレン単位1〜30重量%、好ましくは3〜25重量%を含有するプロピレンとエチレンとのランダム共重合体、又はブロック共重合体が挙げられる。
このようなアイソタクチックポリプロピレンの製造については、特に制限はなく、従来の結晶性ポリプロピレンの製造の中から任意の方法を選択して用いることができる。
上記軟質ポリプロピレン樹脂においては、この(B)成分のアイソタクチックポリプロピレンは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0030】
上記軟質ポリプロピレン樹脂においては、前記(A)成分のアタクチックポリプロピレンの含有量が、10〜90重量%、好ましくは25〜80重量%で、(B)成分のアイソタクチックポリプロピレンの含有量が、90〜l0重量%、好ましくは75〜20重量%になるような割合で用いられる。
【0031】
(A)成分の含有量が10重量%未満では、樹脂の降伏時応力(MY )が大きくなりすぎて、破断時応力(MB )と降伏時応力(MY )との比MB /MY が1.0未満となり、かつ100%伸長後の残留伸び(PS100 )も80%より大きくなって、本発明の目的が達成できなくなる。
一方、(A)成分の含有量が90重量%を超えると破断時応力(MB )が小さくなりすぎて、該MB /MY 比が1.0未満となり、かつ機械的強度が低下する虞れがある。
また、(B)成分の比率を高くすることにより、得られる軟質ポリプロピレンのヤング率は高くなる。(A)成分と(B)成分の特に好ましい比率は1:1である。
【0032】
前記軟質ポリプロピレン系樹脂には、化粧シートの表面層として必要な機能を補強するために、必要に応じて各種添加剤、補強材、充填剤、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤等が添加される。
紫外線吸収剤、光安定剤は、樹脂により良好な耐候性(耐光性)を付与するためのものであり、その添加量は、通常、紫外線吸収剤、光安定剤共に、0.5〜10重量%程度である。
一般的には、紫外線吸収剤と光安定剤を併用するのが好ましい。
【0033】
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機物、又は、0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いることができる。
また、光安定剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、その他、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジル系ラジカル捕捉剤等が使用される。
【0034】
紫外線による劣化を防止し、更に耐候性を向上させるためには、他の光安定剤としてラジカル捕捉剤を添加することが好ましい。
このラジカル捕捉剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、その他、例えば、特公平4−82625号公報に開示されている化合物等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジル系ラジカル捕捉剤等が使用される。
【0035】
本発明に用いる軟質ポリプロピレン系樹脂フィルムは、前記のアイソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、その他の添加剤をブレンドしたものをカレンダー法等により成膜して、無色又は着色透明なフィルムとして使用される。
以上のようにして得られたフィルムは、本発明の化粧シートの保護層(表面フィルム)として各種条件を満足するものである。
フィルムの厚さは50〜200μmの範囲で使用されるが、好ましくは100μm程度である。
【0036】
本発明の透明な保護層に用いられるアクリルフィルムとしては、下記のアクリル系樹脂をカレンダー法等により所定の厚さに成膜したものが使用される。透明アクリルフィルムの厚さは、20〜100μmが好ましい。
アクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなるアクリル樹脂が使用される。(但し、ここで(メタ)アクリルとはアクリル又はメタアクリルを意味するものとし、以下同様の意味で用いるものとする。)
【0037】
以下に、本発明の化粧シートの製造方法について説明する。
先ず、前記非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂及び着色剤を用いて、公知の方法によりシート化して、図8(a)に示すように、着色基材シート11を作製する。
次に、図8(b)に示すように、着色基材シート11に絵柄層12を設けて印刷シート3とする。
【0038】
絵柄層は、化粧シートに意匠性を付与するために設けられるものであり、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷等公知の印刷法を用いて形成される。
絵柄層の模様としては、木目模様、石目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或いは全面べタ印刷等がある。
絵柄層を設ける印刷インキとしては、バインダーとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、等を一種又は二種以上混合した樹脂を用い、これに公知の顔料、染料、充填剤、その他の添加剤等を添加したものが用いられる。
透明なPOフィルム13aに直接印刷する場合は、バインダーとして塩素化ポリオレフィン、ポリウレタン、アクリル等は接着性の点で好ましいが、易接着性プライマー層を適当に選択して形成すれば、この他のバインダーを用いても十分な接着性を得ることができる。
インキの着色剤としては、前述のように、着色基材シートの着色剤として挙げたものが使用できる。
【0039】
一方、前述したアイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンからなる軟質ポリプロピレンを用いて、これに必要に応じて、紫外線吸収剤や光安定剤を添加してブレンド物を作り、これをカレンダー法等により所定の厚さの透明なフィルムを作製して、図8(c)に示すように、透明なPOフィルム13aとする。
【0040】
上記のようにして作製した絵柄層12を形成した着色基材シート11と透明なPOフィルム13aを、接着剤を用いてドライラミネーション法にて積層し、図8(d)に示すようにな化粧シート1を得る。
また、エンボスロール又はエンボス版を用いて、化粧シートの表面にエンボス模様を形成するには、印刷シート3と透明なPOフィルム13aを積層した後、、エンボス法によりエンボス模様を形成する。
絵柄層12を形成した着色基材シート11(印刷シート3)の上に透明なPOフィルムを積層する方法として、印刷シート3の絵柄層12の上に、前述した軟質ポリプロピレンをエクストルージョン法により溶融押し出してラミネートすることもできる。
更に、図8(e)に示すように、化粧シート1の耐摩耗性、耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性等を向上させるために、POフィルム13aの上にトップコート層16を形成し、化粧シート1の着色基材シート面には被着体との接着性を向上させるために、易接着層15が形成される。
【0041】
トップコート層に用いる樹脂としては、アクリル樹脂、フッ素基を含有する熱硬化性樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩素化ポリオレフィン、電離放射線硬化性樹脂等がが使用されるが、フッ素基を含有する熱硬化性樹脂、又は電離放射線硬化性樹脂が好ましい。
トップコート層の形成方法としては、グラビアコード、或いはロールコート、ナイフコート、エアーナイフ等の方法を用いることができる。
【0042】
本発明に用いられるフッ素基を含有する熱硬化性樹脂としては、フルオロオレフィン系重合体に硬化剤としてポリイソシアネート化合物等を配合してなるフッ素系熱硬化性樹脂、及び、低分子量のフッ素化合物を添加混合したフッ素添加二液硬化性ウレタン系樹脂が使用される。
フルオロオレフィン系重合体に硬化剤としてポリイソシアネート化合物等を配合してなるフッ素系熱硬化性樹脂としては、フルオロオレフィン単位に基づくフッ素含有量が10重量%以上で、且つ溶剤に可溶なヒドロキシル基を有するフッ素共重合体が挙げられる。
【0043】
また、二液硬化性ウレタン系樹脂に混合するフッ素系添加剤としては、分子中にアルキル基の水素原子がすべてフッ素原子に置換したパーフルオロアルキル基と親水性基もしくは親油性基をもつ界面活性剤である。
そして、このパーフルオロアルキル基の表面移行性を利用して樹脂の表面改質を行うものであって、同一分子内においてパーフルオロアルキル基を集合化させ、表面配向性を向上させたものであり、少量の添加で樹脂表面に移行し、樹脂表面をフッ素改質する。フッ素系界面活性剤の添加量としては、樹脂固形分に対して0.5〜1.0重量部の添加で樹脂表面はフッ素改質され、二液硬化性ウレタン系樹脂表面は撥水撥油化、耐汚染化、非粘着化される。
【0044】
本発明に用いられる電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に重合不飽和結合又はカチオン重合性官能基を有するプレポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモノマーを適宜混合した組成物で、電離放射線により硬化可能なものが用いられる。
尚、ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線の中で、分子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、電子線又は紫外線が用いられる。
【0045】
電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基又はチオールを2個以上有する単量体、プレポリマー、オリゴマーからなるものである。
これら、単量体、又はプレポリマーは単体で用いるか、又は数種類混合して用いる。
尚、ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタアクリロイル基の意味で用いており、以下(メタ)は同様の意味で用いるものとする。
【0046】
前記プレポリマー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類、カチオン重合型エポキシ化合物等が挙げられる。
分子量としては、通常250〜10,000程度のものが用いられる。ラジカル重合性不飽和基を有するポリマーとしては、上記ポリマーの重合度を10,000程度以上としたものが用いられる。
【0047】
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。
【0048】
カチオン重合性官能基を有する単量体の例としては、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量体が利用できる。チオール基を有する単量体の例としては、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等がある。
【0049】
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が使用できる。分子量としては、250〜100,000程度のものが用いられる。
【0050】
ラジカル重合性不飽和基を有する単官能単量体の例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量体、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0051】
ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量体の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0052】
電離放射線硬化性樹脂として紫外線又は可視光線にて硬化させる場合には、電離放射線硬化型樹脂中に光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。
また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることができる。
尚、これらの光重合開始剤の添加量としては、該電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。
【0053】
上記電離放射線硬化性樹脂に、必要に応じて各種添加剤を添加する場合がある。これらの添加剤としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の微粉末からなる体質顔料(充填剤)、線量、顔料等の着色剤等がある。
【0054】
電離放射線硬化性樹脂のコーティング法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ディップコート、シルクスクリーンコートによるベタコート、ワイヤーバーコート、コンマコート、スプレーコート、フロートコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる。その中でもグラビアコートが好ましい。
【0055】
電離放射線硬化性樹脂を硬化させる電離放射線照射装置としては、紫外線照射装置や電子線照射装置が用いられる。
紫外線照射装置としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の光源が使用される。紫外線の波長としては、通常、190〜380nmの波長領域が主として用いられる。
電子線照射装置としては、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型或いは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が用いられる。
【0056】
そして、電子線を照射する場合、加速電圧100〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVで照射し、吸収線量としては、通常、1〜300kGy(キログレイ)程度である。吸収線量が1kGy未満では、塗膜の硬化が不十分となり、又、照射量が300kGyを超えると硬化した塗膜及び基材が黄変したり、損傷したりする。
また、紫外線照射の場合、その照射量は50〜1000mJ/cm2 の範囲 が好ましい。
紫外線照射量が50mJ/cm2 未満では、塗膜の硬化が不十分となり、また、照射量が1000mJ/cm2 を超えると硬化した塗膜が黄変したりする。
また、電離放射線の照射方法として、先ず紫外線を照射して電離放射線硬化性樹脂を少なくとも表面が指触乾燥する程度以上に硬化させ、而る後に、電子線を照射して塗膜を完全に硬化させる方法もある。
【0057】
また、本発明の化粧シートの別の態様として、表面のトップコート層に抗菌剤を添加して、防菌性及び防カビ性を付与した化粧シートについて説明する。
図9(a)及び(b)に示すように、前述と同様に、非晶質ポリエチレンテレフタレートからなる着色基材シート11に絵柄層12を形成して印刷シート3を作製し、また、透明なPOフィルム13aを別途用意する。
次いで、印刷シート3と透明なPOフィルム13aを接着剤を用いてラミネートし、図9(c)に示すような積層シート4を作製する。
【0058】
次に、前記積層シート4のPOフィルム13a面に抗菌剤17を含有するトップコート層16を形成し、積層シート4の裏面(着色基材シート側)に易接着層15を形成して抗菌性化粧シート1aを作製する。
トップコート層16に用いる樹脂としては、前述のトップコート層に用いた樹脂が使用され、抗菌剤としては下記のものが使用される。
【0059】
上記トップコート層に用いられる抗菌剤としては、一般に市販されている工業用抗菌剤が使用できる。
抗菌剤には有機系抗菌剤と無機系抗菌剤があり、本発明においてはいずれも使用することができる。
▲1▼ 無機系抗菌剤として、特公昭63ー54013号公報、特開平4ー300975号公報、特許第2529574号公報等に開示されているゼオライト、アパタイト、ガラス、シリカゲル、リン酸塩、リン酸ジルコニウム等のイオン交換可能なイオンの一部又は全部を、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、水銀、コバルト、アンモニウム等のイオンで置換したイオン交換体がある。
中でも、ゼオライト、リン酸ジルコニウムのイオン交換可能なイオンの一部を銀イオンで置換したものが、安全性や実積面から望ましい。
ゼオライト、リン酸ジルコニウムに担持させた金属イオンの含有量としては、銀イオンの場合は0.1〜15重量%、銅又は亜鉛イオンの場合は0.1〜8重量%が好ましい。
また、上記金属イオンで置換したイオン交換体を更にアンモニウムイオンで置換したものもある。(特公平4ー28646号公報、特許第2529574号公報等に開示)
【0060】
▲2▼ 抗菌性を有する有機化合物としては、p−アミノベンゼンスルホンアミド、スルファチアゾール、スルファピリジン、スルファピダイアジン等のスルファ剤、ジメチルジチオカルバメート、エチレンビスチオカルバメート、等のジチオカルバミン酸塩、2−(2−フリル)−3−(5−ニトロ−2−フリル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0061】
▲3▼ 抗菌性及び防黴性を有する有機化合物としては、10,10′−オキシビスフェノキシアルシン、トリメトキシシリルプロピルオクタデシルアンモニウムクロライド、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2,3,5,6,−チトクロロ−4−(メチルチオ)−フタルイミド、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フロルイミド、グリセオフルビン、トリコマイシン、アンホテリシンB等がある。
【0062】
▲4▼ 抗生物質としては、フェノキシメチルペニシリン、ジクロキサシリン等のペニシリン、セファロチン、セファゾリン等のセファロスポリン、硫酸ストレプトマイシン、パロモマイシン(硫酸塩)等のストレプトマイシン、エリスロマイシン、ジョサマイシン等のエリスロマイシン、テトラサイクリン、硝酸ロリテトラサイクリン等のテトラサイクリン、クロランフェニコール、チアンフェニコールアミン酢酸エステル塩酸塩等のクロランフェニコール等がある。
【0063】
上記抗菌剤を含有量するトップコート層を形成する場合、抗菌剤の含有量は0.01〜10重量%の範囲で使用されるが、好ましくは0.1〜3.0重量%の範囲である。
抗菌剤の含有量が0.01重量%未満では十分な抗菌作用が得られない。また、含有量が10重量%を超える場合は、これ以上添加してもそれほど抗菌効果は高まらず、経済的なデメリットが大きくなる。又、透明性が悪くなる場合がある。
抗菌剤を含有するトップコート層の厚さは3〜10μの範囲で形成する方がよい。抗菌剤を含有するトップコート層の厚さが3μ以下では加工上の問題があり、実用的でなくなる。
また、10μを超える場合は、10μ以下で十分な抗菌性能を発揮させることができるので、経済的に不利となる。
【0064】
本発明の化粧シートは、各種被着体に積層して化粧材として使用され、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いることができる。
本発明の化粧材は以下のように作製される。
即ち、前述のように、図10(a)に示すように、着色基材シート11に絵柄層12及び易接着層15を形成して印刷シート3を作製する。
次に、透明な保護層として透明なアクリルフィルムを用いて、図10(b)に示すように、前記印刷フィルムとアクリルフィルム13bを熱融着によりラミネートして積層シート4を作製する。
次いで、図10(c)に示すように、アクリルフィルム13bの上に、トップコート層16を形成し、裏面の着色基材シート11に易接着層15を形成して化粧シート1を得る。
次に、上記化粧シート1を、図10(d)に示すように、合板、立体成形品等の被着体20に着色基材シート側を貼着して、化粧材2を作製する。
【0065】
被着体としては各種素材の平板、曲面板等の板材、シート(或いはフィルム)、或いは各種立体形状物品(成形品)が対象となる。
例えば、射出成形品等の曲面を有する成形品に対しても、本発明の化粧シートを接着することができる。
被着体として立体成形品が使用される場合は、多くは真空成形法が用いられるが、本発明の化粧シートは、立体成形品のR部分、又は逆R部分にも接着性が良く、良好な表面化粧を行うことができる。
更に、凹凸のある表面に対しても、凹部に絞り込まれ、且つその絞り込まれた部分が加熱により戻りを生じることもなく、化粧シートにより優れた凹凸表面を形成することができる。
【0066】
被着体として、板材或いはシート(フィルム)のいずれにも用いられる素材としては、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木材板、木質繊維板等の水質板、鉄、アルミニウム等の金属、アクリル、ポリカーボネート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ABS、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂が挙げられる。
【0067】
これら各種被着体への積層方法としては、例えば、次の▲1▼〜▲5▼の方法を挙げることができる。即ち、
▲1▼ 接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラーで加圧して積層する方法、
▲2▼ 特公昭50−19132号公報、特公昭43−27488号公報等に記載されるように、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に挿入して、両金型を閉じ、雄型のゲートから溶融樹脂を射出充填した後、冷却して樹脂成形品の成形と同時にその表面に化粧シートを接着積層する、いわゆる射出成形同時ラミネート法、
▲3▼ 特公昭56−45768号公報、特公昭60−58014号公報等に記載されるように、化粧シートを成形品の表面に接着剤を介して対向なしいは載置し、成形品側からの真空吸引による圧力差により化粧シートを成形品表面に積層する、いわゆる真空プレス積層方法、
【0068】
▲4▼ 特公昭61−5895号公報、特公平3−2666号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状基材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して供給しつつ、多数の向きの異なるローラーにより、柱状体を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層してゆく、いわゆるラッピング加工方法、
▲5▼ 実公大15−31122号公報、特開昭48−47972号公報等に記載されるように、先ず化粧シートを板状基材に接着剤層を介して積層し、次いで板状基材の化粧シートとは反対側の面に、化粧シートと板状基材との界面に到達するように、断面がV字状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着剤を塗布した上で、該溝を折り曲げ、箱体又は柱状体を成形するいわゆる、Vカット又はUカット加工方法等が挙げられる。
【0069】
特に、本発明の化粧シートを凹凸立体物に貼り合わせる方法としては、前記方法の中で、ラッピング加工法、射出成形同時ラミネート法、真空プレス積層方法、等が好ましい。
以上のようにして作製した化粧材は、各種用途に使用することができる。
例えば、壁、天井、床等の建築物の内装、窓枠、扉、手すり等の建具の表面化粧、家具又は弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車等の車両の内装、航空機の内装、窓硝子の化粧等に利用できる。
そのために、化粧シートが直接素材等に接着できない場合は、適当な易接着層又は接着剤層を介して被着体に接着する。
しかし、化粧シートが熱融着等で被着体に接着可能な場合は、易接着層又は接着剤層は省略してもよい。
【0070】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
先ず、非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂としてイーストマンケミカル社のPETG(商品名)を用い、これに着色剤を添加して着色樹脂を調製し、この着色PETGを用いて押出し法によりシートを作製し、厚さ60μmの不透明な着色基材シート11を得た。
次いで、この着色基材シート11に、木目柄をグラビア印刷して絵柄層12を形成し、更にその絵柄層12の上にアクリル系樹脂からなるプライマー液を塗工して易接着層14を形成して、図11(a)に示すような印刷シート3を作製した。
【0071】
一方、図11(b)に示すように、透明な保護層として、鐘淵化学工業(株)製のポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルム(グレードSD004)で、厚さ50μmの透明なアクリルフィルム13bを用意した。
【0072】
次に、図11(c)に示すように、上記印刷フィルム3とアクリルフィルム13bを重ね合わせ、エンボス版を用いてダブリングエンボス法により、印刷フィルム3とアクリルフィルム13bを加熱、加圧して熱融着すると共に、アクリルフィルム13bにエンボス模様18を形成して、図11(c)に示すように、エンボス積層シート5を作製した。
【0073】
次いで、上記エンボス模様18を形成した透明なアクリルフィルム13bにワイピング加工により二液硬化型のワイピングインキ(昭和インク工業(株)製)を塗布し、図11(d)に示すように、エンボス凹部18aに着色インキ19を充填した。
更に、ワイピング加工したアクリルフィルムの上に、フッ素系アクリルウレタン樹脂をバインダーとするオーバープリントインキ(昭和インク工業(株)製、OPFインキと硬化剤を100:12の割合で混合したもの)をコーティングして、図11(e)に示すように、トップコート層16を形成し、次いで、化粧シート裏面の着色基材シート11に、前記と同様にアクリル系樹脂からなる易接着層15を形成して、化粧シート1を作製した。
【0074】
(実施例2)
先ず、実施例1と同様に、非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂としてイーストマンケミカル社のPETG(商品名)を用いて、厚さ60μmの不透明な着色基材シート11を得た。
次いで、この着色基材シート11に、実施例1と同様に、絵柄層12及び易接着層15を形成して、図12(a)に示すような印刷シート3を作製した。
【0075】
また、実施例1と同様に、図12(b)に示すように、厚さ50μmの透明なアクリルフィルム13bを用意し、このアクリルフィルム13bと印刷シート3をダブリングエンボス法により積層して、図12(c)に示すように、エンボス積層シート5を作製した。
次いで、実施例1と同様に、上記エンボス模様18を形成した透明なアクリルフィルム13bにワイピング加工により、図12(d)に示すように、エンボス凹部18aに着色インキ19を充填した。
【0076】
次に、有機系抗菌剤(モートン・チオコール社製、バイナジン)を添加したオーバープリントインキ(昭和インク工業(株)製、抗菌OPインキと硬化剤を100:5の割合で混合したもの)をコーティングして、図12(e)に示すように、抗菌剤17を1重量%含有するトップコート層16を形成し、更に、化粧シートの裏面の着色基材シート11に、アクリル系樹脂からなる易接着層15を形成して、図12(e)に示すように、抗菌性化粧シート1aを作製した。
【0077】
(実施例3)
実施例1と同じ着色基材シートを用いて、この着色基材シート11に、実施例1と同様に絵柄層12を形成して、図13(a)に示すような印刷シート3を作製した。
一方、透明な保護層として、アイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンを1:1の割合でブレンドした樹脂に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を3000ppm、光安定剤としてヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を5000ppm添加したブレンド樹脂を用いて、カレンダー法により厚さ60μmの透明な軟質ポリプロピレンフィルム(以下軟質PPフィルム13cとする)を作製した。
【0078】
次に、図13(c)に示すように、上記印刷フィルム3と透明な軟質PPフィルム13cを接着剤を用いてドライラミネーション法によりラミネートして積層シートを作製し、この積層シートの透明な軟質PPフィルム13c面にエンボスロールを用いてエンボス模様18を形成して、図13(c)に示すように、エンボス積層シート5を作製した。
次いで、実施例2と同様に、上記エンボス模様18を形成した透明な軟質PPフィルム13cにワイピング加工により、図13(d)に示すように、エンボス凹部18aに着色インキ19を充填した。
更にその上に、実施例2と同様に、有機系抗菌剤を添加したオーバープリントインキをコーティングして、図13(e)に示すように、抗菌剤17を1重量%含有するトップコート層16を形成し、次いで、化粧シートの裏面の着色基材シート11に易接着層15を形成して、抗菌性化粧シート1aを作製した。
【0079】
(比較例1)
保護層の表面フィルムとして、延伸倍率3倍の透明な二軸延伸アイソタクチックポリプロピレンフィルム(厚さ100μm)、基材シートとして、延伸倍率3倍の着色不透明な二軸延伸アイソタクチックポリプロピレンシート(厚さ80μm)を用い、実施例3と同様に化粧シートを作製した。
(比較例2)
基材シートとして比較例1で用いたPPシートを用い、保護層として実施例1で用いたアクリルフィルムを用いて、実施例3と同様に化粧シートを作製した。
【0080】
(性能試験)
実施例1、2、3及び比較例1、2で作製した化粧シートについて、下記の試験を行ない、その性能を比較した。
【0081】
(真空成形適性試験)
図14(a)に示すように、サイズ100mm×100mmで厚さ30mmのラワン合板20aの中央表面に、角度90°で深さ5mmの溝を形成し、この溝を形成した合板20aの上に接着剤を塗布した化粧シート1を重ね、真空成形法にて化粧シート1を合板20aに接着した。
化粧シートを接着した合板を取り出し、表面及び断面を目視にて観察して、図14(b)に示すように、合板20aの溝に化粧シート1が綺麗に入り込んでいるのを○、図14(c)に示すように、化粧シート1が溝から浮いているのを×として判定した。
【0082】
(寒熱繰り返し試験)
上記真空成形法にて作成した化粧シートを接着した合板を試料として、この試料を80±3℃のオーブンに2時間、次に−20±3℃の冷凍庫に2時間、再度80±3℃のオーブンに2時間放置するのを繰り返し、これを10回繰り返した後、試料の表面及び断面を目視にて観察して、図14(b)に示すように、化粧シートが溝に挿入されているのを○、図14(c)に示すように、化粧シートが溝から浮いているのを×として判定した。
【0083】
実施例1、2、3及び比較例1、2で作製した化粧シートの上記性能試験の結果を表1に示した。
表1の結果から分かるように、実施例1、2、3で作製した化粧シートは、真空成形試験において、溝への入り込みが十分で、真空成形適性が良好であった。また、寒熱繰り返し試験においても、浮きは生じず、化粧シートとして満足できるものであった。
【0084】
【表1】
Figure 0004334665
【0085】
【発明の効果】
本発明の化粧材に用いる化粧シートは、基材シートに非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用し、表面の透明な保護層層としてPOフィルム又はアクリルフィルムを使用しているので、化粧シートが焼却処理された場合でも塩酸ガスやダイオキシン等の有害ガスが発生する恐れがなくなる。また、本発明の化粧材に用いる化粧シートは、基材シートに非結晶性ポリエチレンテレフタレートシート、表面の保護層にアイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合系の軟質ポリプロピレン、又はアクリルフィルムを使用しているので、真空成形適性に優れており、真空成形法により凹凸形状を有する立体成形物の表面装飾に利用した場合、凹部への入り込みがよく、優れた表面装飾ができる。従って、本発明の化粧材に用いる化粧シートは凹凸形状を有する立体成形物に対しても利用できることが予想できる。
【0086】
更に、本発明の化粧材に用いる化粧シートは加熱時の熱収縮が少ないため、凹凸形状を有する立体成形物の表面装飾に使用された場合、加熱、冷却を繰り返しても、立体成形物の凹部に入り込んだ化粧シートの浮き現象が見られず、表面の凹凸形状に戻りが見られない。即ち、化粧シートは耐候性にも優れたものである。そして、本発明の化粧材に用いる化粧シートには、エンボス加工とワイピング加工を施すことができるので、従来のポリ塩化ビニル樹脂を用いた化粧シートと同等の意匠性を付与することができる。
【0087】
また、本発明の化粧材に用いる抗菌性化粧シートは、プラスチック、紙、木材、金属板、無機系素材等あらゆる基材に貼付することによりその表面に抗菌性能を付与することができるので、室内水回り関係や高温多湿の場所及び病院その他衛生的な環境を必要とする場所で使用される各種備品(電気製品、キャビネット、各種器具等)に対し、抗菌性能を付与することができる。また、本発明の化粧材に用いる抗菌性化粧シートを、既存の電気製品、キャビネット、各種器具等に貼付することにより、抗菌性能を付与することができるので、細菌の汚染防止に経済的負担が少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの一例を示した模式断面図である。
【図2】本発明の化粧シートの別の態様で、透明な保護層にPOフィルムを用いた場合の模式断面図である。
【図3】本発明の化粧シートの別の態様で、透明な保護層にアクリルフィルムを用いた場合の模式断面図である。
【図4】本発明の化粧シートの別の態様で、透明な保護層にPOフィルムを用い、更に、その表面にトップコート層設け、裏面に易接着層を設けたときの模式断面図である。
【図5】本発明の化粧シートの別の態様で、トップコート層に抗菌剤を添加したときの模式断面図である。
【図6】本発明の化粧材の一例で、化粧シートの透明な保護層にPOフィルムを用いたときの化粧材の模式断面図である。
【図7】本発明の化粧材の別の態様で、化粧シートの透明な保護層にアクリルフィルムを用いたときの化粧材の模式断面図である。
【図8】本発明の化粧シートを作製するときの説明図である。
【図9】本発明の化粧シートで、トップコート層に抗菌剤を添加した化粧シートを作製するときの説明図である。
【図10】保護層にアクリルフィルムを用いた化粧シートを作製し、その化粧シートを被着体に貼着して化粧材を作製するときの説明図である。
【図11】実施例1により化粧シートを作製するときの説明図である。
【図12】実施例2により化粧シートを作製するときの説明図である。
【図13】実施例3により化粧シートを作製するときの説明図である。
【図14】真空成形適性試験により化粧シートの良否を判定するときの説明図である。
【符号の説明】
1 化粧シート
1a 抗菌性化粧シート
2 化粧材
3 印刷シート
4 積層シート
5 エンボス積層シート
11 着色基材シート
12 絵柄層
13 透明な保護層
13a POフィルム
13b アクリルフィルム
13c 軟質PPフィルム
14 接着剤層
15 易接着層
16 トップコート層
17 抗菌剤
18 エンボス模様
18a エンボス凹部
19 着色インキ
20 被着体
20a 合板

Claims (2)

  1. 着色基材シート、絵柄層、透明な保護層、及びトップコート層からなる化粧シートにおいて、前記着色基材シートが、着色剤が添加された非結晶性のポリエチレンテレフタレート樹脂からなり、前記透明な保護層が紫外線吸収剤と光安定剤を含むアイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合系からなり、アタクチックポリプロピレンの含有量が10〜90重量%でアイソタクチックポリプロピレンの含有量が90〜10重量%である複合立体構造を有する軟質ポリプロピレン系樹脂からなる構成の真空成形用化粧シートを、該真空成形用化粧シートの前記着色基材シート側が表面に凹部を有する立体成形物の該凹部を有する面に真空成形することにより前記凹部を含めた立体成形物表面に沿って貼着していることを特徴とする化粧材。
  2. 前記真空成形用化粧シートを構成する前記着色基材シートの前記絵柄層が形成された面と反対面に易接着層を形成したことを特徴とする請求項1に記載の化粧材
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