JP2022168227A - 化粧シート及び化粧部材 - Google Patents

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Takashi Orihara
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Abstract

【課題】化粧シートの耐候性を維持するとともに、耐久性の低下を抑制することが可能な、化粧シート及び化粧部材を提供する。【解決手段】基材2の一方の面に、絵柄層6と、接着層8と、熱可塑性樹脂層10と、表面保護層4がこの順に積層され、基材2の他方の面にプライマー層14が積層された化粧シート1と、基材2の表面保護層4と対向する面と反対側の面の側に配置された基板を備える化粧部材100であって、表面保護層4は、アクリル系樹脂組成物を主成分として形成され、且つ20[℃]の雰囲気下にて応力が10[N/mm2]以上30[N/mm2]以下の範囲内であるポリイソシアネートによって架橋されている。【選択図】図2

Description

本発明は、建築物の床面、壁面、天井等の内装、家具、各種キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧、車両内装等に用いられる化粧シート及び化粧部材に関する。
従来、各種の建築用資材に用いられる化粧シートは、一般的に、表面保護層が最表面に形成されている。表面保護層を形成する目的としては、耐候性、耐傷性、耐汚染性の向上、表面の艶の調節等があるが、特に、耐候性の向上は、表面保護層の最も大きな役割である。近年、住宅の長期保証が常識となりつつあるなかで、化粧シートの耐候性を向上させることは、大きな課題となっている。
化粧シートの耐候性を向上させるためには、表面保護層自体も耐候性に優れている必要がある。このため、例えば、特許文献1に開示されているように、表面保護層の材料としてアクリル系樹脂を用いるとともに、表面保護層に紫外線吸収剤等の耐候剤を添加する技術がある。
特開2008-238444号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている技術では、例えば、化粧シートに折り曲げ等の後加工を行った場合に、加工した部分にクラックが発生し、クラックが入った箇所から化粧シートの劣化が促進されて、耐久性が低下するという問題点がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、耐久性の低下を抑制することが可能な、化粧シート及び化粧部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材と、
前記基材に積層された表面保護層と、を備える化粧シートであって、
前記表面保護層は、アクリル系樹脂組成物を主成分として形成され、且つ20℃の雰囲気下にて応力が10(N/mm)以上30(N/mm)以下の範囲内であるポリイソシアネートによって架橋されており、
前記応力は、JIS K 6251に準拠して作製したダンベル状1号形の前記化粧シートの試験片を、23℃以上25℃以下の雰囲気下において、前記表面保護層の成形方向に対して垂直な方向へ引張速度4mm/minで延伸率100%以上200%以下の範囲内まで延伸させることで測定され、
前記アクリル系樹脂組成物に対する前記ポリイソシアネートの添加量は、NCO/OH=1.0以上2.0以下の範囲内であることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様は、化粧シートと、前記基材の前記表面保護層と対向する面と反対側の面の側に配置された基板と、を備える化粧部材であって、
前記基板は、木質系材料または金属系材料を用いて形成されていることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、表面保護層に柔軟性を付与することが可能となるため、折り曲げ加工やラッピング加工時に加わるテンションで化粧シートが伸びた場合であっても、表面保護層に発生する損傷を低減させることが可能となる。
このため、化粧シートの耐候性を維持するとともに、耐久性の低下を抑制することが可能な、化粧シート及び化粧部材を提供することが可能となる。
本発明の第一実施形態の化粧シートを表す断面図である。 本発明の第一実施形態の化粧部材を表す断面図である。 本発明の変形例の化粧シートを表す断面図である。
図面を参照して、本発明の第一実施形態を以下において説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係や、各層の厚さの比率等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
更に、以下に示す第一実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(化粧シート1の構成)
図1を用いて、化粧シート1の構成について説明する。
図1中に表すように、化粧シート1は、基材2と、表面保護層4と、絵柄層6と、接着層8と、熱可塑性樹脂層10と、プライマー層14を備えている。
化粧シート1の厚さは、40[μm]以上300[μm]以下の範囲内である。
化粧シート1の厚さとは、基材2、表面保護層4、絵柄層6、接着層8、熱可塑性樹脂層10、プライマー層14の全ての厚さを総合した厚さ(総厚さ)である。
また、化粧シート1には、ラッピング加工が施されている。
(基材2の構成)
図1を参照して、基材2の詳細な構成を説明する。
基材2は、ポリオレフィン樹脂系を含有する着色熱可塑性樹脂を用いて形成されている。
(表面保護層4の構成)
図1を参照して、表面保護層4の詳細な構成を説明する。
表面保護層4は、化粧シート1に絵柄を付与する層であり、図1中に表すように、絵柄層6と、接着層8及び熱可塑性樹脂層10を間に挟んで、基材2の一方の面(図1中では、上側の面)に積層されている。
表面保護層4が形成する絵柄模様の種類には、特に制約はなく、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学図形、文字、記号等を単独で、または、二種類以上を組み合わせて形成してもよい。
また、表面保護層4は、アクリル系樹脂組成物を主成分として形成されており、さらに、20[℃]の雰囲気下にて応力が10[N/mm]以上30[N/mm]以下の範囲内であるポリイソシアネートによって架橋されている。なお、ポリイソシアネートとしては、例えば、HDIでヌレート構造を持つイソシアネートを用いることが可能である。
アクリル系樹脂組成物に対するポリイソシアネートの添加量は、例えば、NCO/OH=1.0以上2.0以下の範囲内となる量に設定する。
第一実施形態では、一例として、アクリル系樹脂組成物に対するポリイソシアネートの添加量を、NCO/OH=1.0以上1.5以下の範囲内となる量に設定する場合について説明する。
また、表面保護層4は、フィラーを含む。
表面保護層4が含むフィラーとしては、例えば、無機化合物を用いる。
表面保護層4の厚さは、2[μm]以上20[μm]以下の範囲内である。
以上の構成により、表面保護層4は、以下の条件下においても、亀裂が入らない構成となっている。
・条件
試験片:「JIS K 6251」に準拠して作製したダンベル状1号形。
雰囲気:の試験片を、23[℃]以上25[℃]以下の雰囲気下。
引っ張り試験の方法:表面保護層4の成形方向に対して垂直な方向へ、引張速度4[mm/min]で、延伸率100[%]以上200[%]以下の範囲内まで延伸させる。
また、表面保護層4の基材2と対向する面と反対側の面(図1中では、上側の面)には、凹凸模様12が形成されている。
(絵柄層6の構成)
絵柄層6は、インキを含有する層であり、基材2と表面保護層4との間において、基材2の一方の面に積層されている。
絵柄層6が含有するインキとしては、例えば、凸版インキ、平板インキ、凹版のグラビアインキ、孔版のスクリーンインキ等を用いることが可能である。また、絵柄層6が含有するインキとしては、媒体の系から、例えば、オイルインキ、ソルベントインキ、水性インキのいずれかを用いることが可能である。
絵柄層6が含有するインキに用いる樹脂成分としては、例えば、カゼイン、デン粉、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性塩、ラテックス、ポリエチレン系ディスパージゴンのいずれかを用いることが可能である。
水溶性塩としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩;スチレン-マレイン酸系共重合体の水溶性塩や、インブチレン-マレイン酸系共重合体の水溶性塩(メタ)アクリルエステル系(共)重合体の水溶性塩を用いることが可能である。これに加え、水溶性塩としては、例えば、スチレン-(メタ)アクリルエステル系共重合体の水溶性塩を用いることが可能である。
ラテックスとしては、例えば、水溶性アルキッド樹脂等;スチレン-ブタジェン共重合体ラテックス、(メタ)アクリルエステル系共重合体ラテックス、スチレン-(メタ)アクリルエステル系共重合体ラテックスを用いることが可能である。これに加え、ラテックスとしては、例えば、(メタ)アクリルエステル-ブタジェン系共重合体ラテックス、エチレン-酢酸ビニル系共重合体ラテックス、エチレン-(メタ)アクリルエステル系共重合体ラテックスを用いることが可能である。
また、絵柄層6が含有するインキに、顔料を組み合わせて配合することで、絵柄の表現を豊かにすることが可能となる。また、絵柄層6が含有するインキに、紫外線吸収剤や光安定剤等を添加することで、耐候性を良好にすることも可能となる。
絵柄の印刷方法としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷等、既知の印刷方法を用いることが可能である。
特に、全面に同一の色を着色する場合には、上述した印刷方法の他に、コーティングの手法や装置を用いてもよい。
(接着層8の構成)
接着層8は、ウレタン系の接着剤を用いて形成された層であり、基材2と表面保護層4との間において、絵柄層6の基材2と対向する面と反対側の面(図1中では、上側の面)に積層されている。
接着層8を形成する方法は、特に限定されるものではない。例えば、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムースコート、コンマコート等を用いることが可能である。
(熱可塑性樹脂層10の構成)
熱可塑性樹脂層10は、熱可塑性樹脂を用いて形成された層であり、基材2と表面保護層4との間において、接着層8の絵柄層6と対向する面と反対側の面(図1中では、上側の面)に積層されている。
また、熱可塑性樹脂層10は、化粧材の意匠性を高める目的で設けられ、基材2の一方の面を全面に亘って被覆する一様且つ均一な層である。
また、熱可塑性樹脂層10は、着色透明で形成し、下地が持っている模様を活かす構成とする。また、熱可塑性樹脂層10は、フィルムが白色であることを活かす場合には、無色透明で形成してもよい。
(プライマー層14の構成)
プライマー層14は、プライマー(下塗り剤)を基材2の他方の面(図1中では、下側の面)に塗布することで、基材2の他方の面に積層されている。
プライマーは、基材2の接着性を改善するために塗布する、不揮発分の少ない低粘度液体である。プライマー層14の上に接着剤を塗布する場合には、プライマーが充分に乾いたところで接着剤を塗り重ねる。プライマーの種類は、被着材や接着剤の種類に応じて異なる。
(化粧部材100の構成)
図1を参照しつつ、図2を用いて、化粧部材100の構成を説明する。
図2中に表すように、化粧部材100(樹脂含浸化粧部材)は、例えば、板状に形成されており、化粧シート1と、基板20を備えている。
基板20は、化粧シート1のうち、プライマー層14を間に挟んで、基材2の他方の面に配置されている。
また、基板20は、木質系材料、または、金属系材料を用いて形成されている。
木質系材料としては、木材単板、合板、集成材、パーティクルボード、中密度繊維板、硬質繊維板等を用いることが可能である。
金属系材料としては、鋼板、真鍮板、アルミニウム板、ジュラルミン板、ステンレス板等を用いることが可能である。
また、基板20は、折り曲げ加工が施されている構造、または、三次元の構造を有している。
基板20に化粧シート1を積層する際には、必要に応じて適宜選択した接着剤を介して積層しても良いし、接着剤等を介さずに直接積層しても良い。
化粧シート1を基板20に積層して接着するための方法としては、金属板を当接して平圧プレスする方法や、円圧式の連続ラミネート方式を用いることも可能である。特に、金属製無端ベルトを使用した連続ラミネート方式を用いると、表面の反りや波打ち等が無く、さらに、層間の密着性が良く、稠密に硬化一体化された高品質の化粧部材100を、高速度で連続的に製造することが可能となる。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第一実施形態の効果)
第一実施形態の化粧シート1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)表面保護層4が、アクリル系樹脂組成物を主成分として形成され、且つ20[℃]の雰囲気下にて応力が10[N/mm]以上30[N/mm]以下の範囲内であるポリイソシアネートによって架橋されている。
このため、表面保護層4に柔軟性を付与することが可能となり、折り曲げ加工やラッピング加工時に加わるテンションで化粧シート1が伸びた場合であっても、表面保護層4に発生する損傷を低減させることが可能となる。
その結果、化粧シート1の耐候性を維持するとともに、耐久性の低下を抑制することが可能な、化粧シート1を提供することが可能となる。
また、従来では、化粧シート1の耐候性を向上させるためには、耐候剤の添加量を増加させる必要があったが、耐候剤の種類によってはブリードアウトの懸念があるという問題や、コストが増加するため、添加量を増やすことには限界があった。また、それらの問題を回避したとしても、経時的な変化による耐候剤の分解によって性能が失活してしまい、所望の性能が得られず、長期の耐候性が得られない等の問題があった。
これに対し、第一実施形態の化粧シート1であれば、耐候剤の添加量を増加させる必要が無いため、ブリードアウトの懸念、コストの増加等の問題を解決することが可能となる。さらに、第一実施形態の化粧シート1であれば、表面保護層4に柔軟性を付与することが可能となるため、耐候性を維持可能な期間の短期化の問題を解決することが可能となる。
(2)表面保護層4が、フィラーを含む。
その結果、表面保護層4が含むフィラーによって、マット調意匠の再現が可能となる。これに加え、フィラーによる機能性、例えば、耐傷性能等を、表面保護層4に付与することが可能となる。
(3)表面保護層4の厚さが、2[μm]以上20[μm]以下の範囲内であり、化粧シート1の厚さが、40[μm]以上300[μm]以下の範囲内である。
その結果、製膜製に優れ、折り曲げ等の加工を行った場合であっても、表面保護層4にクラックが入らない化粧シート1を得ることが可能となる。
(4)基材2と表面保護層4との間において、基材2の一方の面から、インキを含有する絵柄層6と、接着層8と、熱可塑性樹脂層10と、がこの順に積層されている。これに加え、基材2が、ポリオレフィン樹脂系を含有する着色熱可塑性樹脂を用いて形成されている。さらに、基材2の他方の面に積層されたプライマー層14を備える。
その結果、化粧シート1に対し、耐久性、意匠性、基板密着性を向上させることが可能となる。
(5)表面保護層4の基材2と対向する面と反対側の面に、凹凸模様12が形成されている。
その結果、例えば、木目柄に対する木目導管模様や、梨地状等、所望する任意の模様状を、表面保護層4に形成することが可能となる。
また、第一実施形態の化粧部材100であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(6)化粧シート1と、基材2の表面保護層4と対向する面と反対側の面の側に配置された基板20を備え、基板20が、木質系材料または金属系材料を用いて形成されている。
その結果、化粧シート1と基板20との剥離を抑制することが可能な化粧部材100を提供することが可能となる。
これに加え、耐久性の低下を抑制することが可能な、化粧部材100を提供することが可能となる。
また、ブリードアウトの懸念、コストの増加等の問題を解決することが可能となる。さらに、耐候性を維持可能な期間の短期化の問題を解決することが可能となる。
(7)基板20が、折り曲げ加工が施されている構造、または、三次元の構造を有する。これに加え、化粧シート1には、ラッピング加工が施されている。
その結果、折り曲げ加工やラッピング加工等で表面保護層4に発生する損傷(亀裂等)を抑制することが可能な、化粧部材100を得ることが可能となる。
(第一実施形態の変形例)
(1)第一実施形態では、化粧シート1の構成を、基材2と、表面保護層4と、絵柄層6と、接着層8と、熱可塑性樹脂層10と、プライマー層14を備えている構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、化粧シート1の構成を、例えば、図3中に示すように、基材2と、表面保護層4を備えている構成としてもよい。
(2)第一実施形態では、化粧部材100の構成を、板状に形成されている構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、化粧部材100の構成を、ルーバー等の角材や、スパンドレル形状の部材等、平板以外の形状に形成されている構成としてもよい。
第一実施形態を参照しつつ、以下に記載する実施例により、実施例1及び実施例2の化粧シート1と、比較例1及び比較例2の化粧部材について説明する。
(実施例1)
実施例1の化粧シート1は、基材2の一方の面にコロナ放電処理を施した後、絵柄層6、接着層8、熱可塑性樹脂層10、表面保護層4をこの順に積層して形成した(図2を参照)。
化粧シート1の厚さは、135[μm]とした。
基材2は、着色ポリエチレン樹脂を材料として用い、厚さを55[μm]として形成した。
表面保護層4は、アクリル系樹脂組成物を主成分とし、柔軟性を付与したイソシアネート硬化剤(以下、改良硬化剤)を、アクリル系樹脂に対して10質量部添加(NCO/OH=1.0)することで架橋して形成した。
絵柄層6は、ウレタン系印刷インキを用いて形成した。
接着層8は、ウレタン系接着剤を用いて形成した。
熱可塑性樹脂層10は、ポリプロピレン(PP)を材料として用い、厚さを[70μm]として形成した。
また、基材2の他方の面には、コロナ放電処理を施した後に、厚さが[1μm]のプライマー層14を形成した。
(実施例2)
実施例2の化粧シート1は、表面保護層4の構成を除き、実施例1の化粧シート1と同様の構成である。
表面保護層4は、アクリル系樹脂組成物を主成分とした。さらに、柔軟性を付与したイソシアネート硬化剤と柔軟性を付与していないイソシアネート硬化剤とを、1:1の比率で混合したものを、アクリル系樹脂に対して10質量部添加(NCO/OH=1.0)することで架橋して形成した。
(比較例1)
比較例1の化粧シートは、表面保護層4の構成を除き、実施例1の化粧シート1と同様の構成である。
表面保護層4は、アクリル系樹脂組成物を主成分とし、柔軟性を付与していないイソシアネート硬化剤を、アクリル系樹脂に対して10質量部添加(NCO/OH=1.0)することで架橋して形成した。
(比較例2)
比較例2の化粧シートは、表面保護層4の構成を除き、実施例1の化粧シート1と同様の構成である。
表面保護層4は、アクリル系樹脂組成物を主成分とし、柔軟性を付与したイソシアネート硬化剤を、アクリル系樹脂に対して30重量部(NCO/OH=3.0)添加することで架橋して形成した。
(比較例3)
比較例3の化粧シートは、表面保護層4の構成を除き、実施例1の化粧シート1と同様の構成である。
表面保護層4は、アクリル系樹脂組成物を主成分とし、柔軟性を付与していないイソシアネート硬化剤を、アクリル系樹脂に対して30重量部(NCO/OH=3.0)添加することで架橋して形成した。
(性能評価)
実施例1及び実施例2の化粧シート1と、比較例1から比較例3の化粧シートに対し、それぞれ、強度について性能評価を行った。評価結果は、表1中に表す。
Figure 2022168227000002
(評価結果)
表1中に表されるように、実施例1はダンベル引っ張り試験に対する強度が非常に良好(表中に「◎」で表す)であり、生産性が良好(表中に「○」で表す)であった。実施例2はダンベル引っ張り試験に対する強度が良好であり、生産性が非常に良好であった。
一方、比較例1は、ダンベル引っ張り試験に対する強度が悪く(表中に「×」で表す)、損傷を防止することが不可能であった。比較例2は、生産性が悪い(表中に「×」で表す)ことが確認された。さらに、比較例3は、ダンベル引っ張り試験に対する強度と、生産性が、共に悪いことが確認された。
したがって、実施例1及び実施例2の化粧シート1は、比較例1から比較例3の化粧シートよりも、耐久性及び生産性が良好であることが確認された。
本発明の化粧シート及び化粧部材は、建築物の床面、壁面、天井等の内装、家具、各種キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧、車両の内装等に用いる表面化粧用として利用が可能である。
1…化粧シート、2…基材、4…表面保護層、6…絵柄層、8…接着層、10…熱可塑性樹脂層、12…凹凸模様、14…プライマー層、20…基板、100…化粧部材

Claims (4)

  1. 基材と、
    前記基材に積層された表面保護層と、を備える化粧シートであって、
    前記表面保護層は、アクリル系樹脂組成物を主成分として形成され、且つ20℃の雰囲気下にて応力が10(N/mm)以上30(N/mm)以下の範囲内であるポリイソシアネートによって架橋されており、
    前記応力は、JIS K 6251に準拠して作製したダンベル状1号形の前記化粧シートの試験片を、23℃以上25℃以下の雰囲気下において、前記表面保護層の成形方向に対して垂直な方向へ引張速度4mm/minで延伸率100%以上200%以下の範囲内まで延伸させることで測定され、
    前記アクリル系樹脂組成物に対する前記ポリイソシアネートの添加量は、NCO/OH=1.0以上2.0以下の範囲内であることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記表面保護層は、フィラーを含むことを特徴とする請求項1に記載した化粧シート。
  3. 前記表面保護層の厚さが、2μm以上20μm以下の範囲内であり、
    前記化粧シートの厚さが、40μm以上300μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した化粧シート。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した化粧シートと、前記基材の前記表面保護層と対向する面と反対側の面の側に配置された基板と、を備える化粧部材であって、
    前記基板は、木質系材料または金属系材料を用いて形成されていることを特徴とする化
    粧部材。
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