JP4680705B2 - 化粧板 - Google Patents
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Description
この問題に対処するために、本件出願人は、熱硬化性樹脂を含浸させたガラス不織布からなる不織布層と、無機質骨材及び熱硬化性樹脂からなる混合樹脂層とを積層してなる芯材シートを複数枚積層してなる芯材層の表面に、メラミン樹脂を含浸させた化粧紙からなる表面化粧層を積層した化粧板を提案した(特許文献2参照)。
この問題に対処するために、本件出願人は、無機芯材、無機質骨材及び熱硬化性樹脂とよりなる芯材層の少なくとも一方の表面にステンレス板を積層してなる化粧板を提案した(特許文献3及び4参照)。
ところで、この表面にステンレス板を積層してなる化粧板は、通常の保存状況下では、一方の表面のみにステンレス板を積層してなる化粧板の場合、芯材層が吸湿することによって、化粧板に反り等の変形が生じ易く、このため、施工が困難となったり、施工後に不具合が発生する等の問題があった。
そして、これにより、施工が困難となったり、施工後に不具合が発生する等の問題の発生を未然に防止することができる。
この化粧板Pは、その表面に設けられたステンレス板1と、無機芯材、無機質骨材及び熱硬化性樹脂とよりなる芯材層2と、芯材層2の裏面に設けられた湿気を通過させない材料からなる保護層3とからなり、施工時、保護層3を取り外して施工するようにしたものであり、必要に応じて、不燃性を備えるようにしたものである。
この化粧板Pの厚みは、特に限定されるものではないが、2〜6mm、特に、2〜5mmの厚みであることが好ましい。この厚みであると、台所で使用される他の化粧板との段差をなくすことができ、台所周りを美しく仕上げることができる。
なお、ステンレス板1の厚みが0.1mm以上であると、芯材層2の表面に凹凸があっても、これがステンレス板1の表面にまで影響することを防止できるので、ステンレス板1の表面が凹凸になることはなく、凹凸のない美しい表面状態を有する化粧板Pとすることができる。すなわち、芯材層2は無機質骨材や無機芯材等を含むので、これらの影響で表面が凹凸になる可能性があるし、後述の混合樹脂層21の形成の際に凹凸となる可能性もあるので、ステンレス板1の厚みを0.1mm以上にしておくのが望ましい。一方、厚みを0.6mm以上にして耐熱性を向上させてもよいが、耐熱性は0.6mm厚で十分であり、かえって重さが重くなり取り扱い難くなるので、0.6mm以下が望ましい。そして、芯材層2として、後述の無機質骨材を含む熱硬化性樹脂が硬化したものを使用しているので、芯材層2自体がへこむことがなく、このため、比較的薄いステンレス板を使用してもステンレス板1が内側にへこむことがなく、化粧板Pの表面に凹凸が生じず、長期間に亘って美麗に保持することができる。
この弗素被膜層4の厚みは、特に限定されるものではないが、10〜100μmの厚さが好ましい。
このシリカ系被膜層4の厚みは、特に限定されるものではないが、10〜100μmの厚さが好ましい。
特に、シリカ系被膜層は、弗素系被膜層と比べても表面硬度が高く、鉛筆硬度で5以上の硬度、好ましくは8前後の硬度を有しているので、鍋などで擦っても傷が付くことがなく、台所に使用する場合においてはシリカ系被膜層が好ましく採用される。
また、無機質骨材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機化合物や炭酸カルシウム、タルク等の充填剤が使用される。
また、熱硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、フェノール樹脂等が使用される。
また、図2(B)に示すように、ガラス不織布に熱硬化性樹脂を含浸させた含浸無機芯材22の両面に、無機質骨材及び熱硬化性樹脂(さらに、必要に応じて添加剤)を混合した混合樹脂を塗布して混合樹脂層21を形成し、3層構造とした芯材シート20Bを用いることができる。
さらに、図2(C)に示すように、ガラス不織布に無機質骨材及び熱硬化性樹脂(さらに、必要に応じて他の添加剤)を混合した混合樹脂を含浸させた含浸無機芯材22の両面に、該混合樹脂を塗布して混合樹脂層21を形成した芯材シート20C(この場合、図示の3層構造のほか、2層構造とすることもできる。)を用いることもできる。
また、図2(D)に示すように、ガラス不織布に無機質骨材及び熱硬化性樹脂(さらに、必要に応じて他の添加剤)を混合した混合樹脂を含浸させ、1層構造とした芯材シート20Dを用いたり、図2(E)に示すように、無機質骨材及び熱硬化性樹脂を含浸させた含浸ガラス不織布(含浸無機芯材23)と、前記熱硬化性樹脂に無機骨材を混合した混合樹脂シート24とを適宜選択し、必要に応じて、組み合わせた芯材シート20Eを用いることができる。
また、無機質骨材には、含水した水酸化アルミニウム等の無機化合物の粉末を、さらに、無機芯材21内に浸入、含浸されるようにする場合には、粒径50μm以下のものを用いるのが好ましい。
さらに、この含水水酸化アルミニウム等の無機化合物と炭酸カルシウム等の充填剤を30〜10:70〜90の割合で混合したものも好ましく用いることができる。
なお、無機芯材に水酸化アルミニウム等の無機質骨材を含浸させる場合、無機質骨材の含有率は、層間の界面の接着性を考慮して、10重量%未満とすることが望ましい。
熱硬化性樹脂の含有量が、20重量%より多いと、所期の不燃性の性質が得にくくなり、反対に、10重量%より少ないと、結合力(接着力)が小さく、成形性が悪くなる。
一方、芯材シート20全体には、無機質骨材が90〜80重量%含有されることとなるので、芯材シート20を含む本実施例の化粧板Pを不燃性にすることができる。
クラフト紙には、100〜250g/m2のクラフト紙を好適に用いることができる。
そして、このクラフト紙に、熱硬化性樹脂を、例えば、20〜100重量%程度含浸させることにより、樹脂含浸紙25、26を得ることができる。
これにより、ステンレス板1及び保護層3を積層する前工程において、芯材層2の表面側と裏面側との吸湿量をバランスさせ、芯材層2に反り等の変形が生ずることを防止するとともに、芯材層2とステンレス板1及び保護層3との密着性を高め、積層を確実に行うことができる。
なお、保護層3は、芯材層2の裏面側からの吸湿量を抑制し(芯材層2の裏面側からの吸湿量を、ステンレス板1を積層した表面側からの吸湿量とバランスさせ)、化粧板Pに反り等の変形が生ずることを防止することを目的とするものである(後述のステンレス板1の表面に形成した被膜層4の表面に設けられる保護層6と異なり、芯材層2の裏面側に傷が付くことを防止することを目的とするものではない)ことから、芯材層2の裏面全体に貼り付けられている。そして、取り外した保護層を簡易に処理することができるように、保護層6と比較して、厚みの薄い合成樹脂フィルムを好適に用いることができる。
この保護層6は、化粧板Pの製造、保管及び施工時にステンレス板1の表面に形成した被膜層4(及びステンレス板1)の表面に傷が付くことを防止するためのもので、保護層6には、具体的には、シート状材料、より具体的には、ポリエチレン樹脂等の合成樹脂フィルム(通常、50〜200μm、より好ましくは、70〜150μm程度の厚みの合成樹脂フィルム)やポリエチレン樹脂等の合成樹脂をラミネート加工した紙などのシート状材料を好適に用いることができる。
[試験条件]
・温度:5℃〜60℃/5時間/1サイクル
・繰り返し数:10回
・サンプル:
サンプルA(本実施例);ステンレス板1(有)、保護層3(有)
サンプルB(参考例);ステンレス板1(有)、保護層3(無)
サンプルC(参考例);ステンレス板1(無)、保護層3(無)、表面の樹脂含浸紙としてチタン含有化粧紙を使用
・サンプルサイズ:910×1210mm
[試験方法]
・サンプルを平面上に平置きし、上記試験条件でヒートサイクルをかける。
・ヒートサイクルをかけた後、サンプルを平面上にステンレス板1又は化粧紙を上面側及び下面側となるようにして平置きして、表1に示す8個の測定位置について反り量[mm]を測定する。
[試験の評価基準]
・○(良):反り量が10mm未満
・×(不良):反り量が10mm以上
一方、保護層3を設けていないサンプルB(参考例)は、評価基準の10mm以上であり、反り変形を生じる化粧板となった。
これらのことにより、保護層3が反り防止に著しい効果を発揮することがわかった。
なお、ステンレス板を積層していないサンプルC(参考例)は、反りがほとんどないことを確認した。
[試験条件]
・温度:5℃〜60℃/5時間/1サイクル(ここで、防火予防条例に規定される距離でコンロを使用した場合に、化粧板Pの表面温度が60℃に達するため、温度を5℃〜60℃に設定した。)
・繰り返し数:250回
・サンプル:ステンレス板1(有)、保護層3(有)
・サンプルサイズ:910×1820mm
[試験方法]
・サンプルの化粧板Pから保護層3を取り外し、化粧板Pの裏面を構成する樹脂含浸紙26の面に、図3に示すように、仮止め用の両面接着テープ7及びウレタン樹脂系接着剤(製品名:タキロン社製タキボンド5)8を施した後、鉛直面からなる下地材(石膏ボード)上に接着し、上記試験条件でヒートサイクルをかける。
・ヒートサイクルをかけた後、下地材(石膏ボード)上に接着されたサンプルの剥がれ、浮き、膨れ、亀裂、その他不具合を検証する。
[試験の評価基準]
・○(良):剥がれ、浮き、膨れ、亀裂、その他不具合のいずれもなし
・×(不良):剥がれ、浮き、膨れ、亀裂、その他不具合のいずれかが有る
そして、これにより、施工が困難となったり、施工後に不具合が発生する等の問題の発生を未然に防止することができる。
1 ステンレス板
2 芯材層
20、20A、20B、20C、20D、20E 芯材シート
21 混合樹脂層
22 含浸無機芯材
23 含浸ガラス不織布
24 混合樹脂シート
25、26 樹脂含浸紙
3 保護層
4 被膜層
5 接着剤層
6 保護層
Claims (1)
- 無機芯材、無機質骨材及び熱硬化性樹脂とよりなる芯材層の表面側にステンレス板を積層してなる化粧板において、前記ステンレス板を積層した側及びそれと反対側の芯材層の表層及び裏層に樹脂含浸紙を配し、化粧板の裏面を構成する前記芯材層の裏層に配した樹脂含浸紙の裏側の面に直に湿気を通過させない合成樹脂フィルム又は合成樹脂をラミネート加工した紙からなる保護層を積層し、施工時、該保護層を取り外して施工するものであることを特徴とする化粧板。
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