JP2000289145A - 複合体及びその製造方法 - Google Patents

複合体及びその製造方法

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JP2000289145A JP2000019735A JP2000019735A JP2000289145A JP 2000289145 A JP2000289145 A JP 2000289145A JP 2000019735 A JP2000019735 A JP 2000019735A JP 2000019735 A JP2000019735 A JP 2000019735A JP 2000289145 A JP2000289145 A JP 2000289145A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属板上に熱可塑性材料を射出成形すること
により短時間に効率よく、密着性よく一体化され、電子
機器などの収納に用いる蓋付きガスケットなどの用途に
好適な複合体を提供すること。 【解決手段】 金属板と、その上に順次設けられた
(A)層及び(B)層の二つの熱可塑性材料層を有し、
上記(A)層として、(B)層の熱可塑性材料と熱融着
しうる熱可塑性材料を用い、かつ金属板と(A)層とが
密着しているとともに、(A)層と(B)層とが熱融着
し、一体化してなる複合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板と熱可塑性
材料とからなる複合体及びその製造方法に関する。さら
に詳しくは、本発明は、金属板に予め接着剤を塗布して
おくことにより、熱可塑性材料を射出成形して金属板と
熱可塑性材料とが密着性よく一体化され、電子機器など
の収納に用いる蓋付きガスケットなどの用途に好適な複
合体、及びこのものを容易に、かつ効率よく製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の発達はめざましく、こ
れら電子機器は半導体を利用した集積回路を用い、しか
も基板上にプリント配線されたものであって、小型化、
軽量化が図られている。これらの電子機器は水分や塵等
を嫌うものであり、電子機器を収納するケースのシール
性は電子機器の性能及び耐久性にとって重要な要素とな
っている。
【0003】電子機器等を収納するケースは箱体と蓋体
とで構成され、箱体と蓋体とはこれらの合わせ面に加硫
ゴム,発泡ウレタン及び熱可塑性材料等からなるガスケ
ットを挟んで一体化されている。通常、ガスケットは、
蓋体に固定された蓋付きガスケットの形態を採り、ガス
ケットを蓋体に接着する良い方法がないため、この固定
は、(1)ガスケットを両面テープで蓋体に固定する方
法、(2)蓋体に孔を開け、蓋体の両面からこの孔を挟
んでガスケット材を固定する方法などにより行われてい
る。このガスケット付き蓋体は箱体にネジで固定され
る。従って、ガスケットが蓋体に接着していることによ
りネジでの固定作業は著しく容易になる。前記(1)の
両面テープでガスケットを蓋体に固定する方法として
は、通常、両面テープが貼付されたシート状ガスケット
材をガスケット形状に打ち抜き、このガスケットを蓋体
に固定する方法がとられている。しかしながら、この方
法においては、打ち抜かれた後のシート状ガスケット材
の大半が廃材として廃棄される上、ガスケット材をガス
ケット形状に打ち抜いた後に蓋体に固定するので工程が
煩雑となり、製造コストが高くつくのを免れないという
問題がある。また、孔のあいた蓋体をガスケット材で挟
み込む方法により製造された蓋付きガスケットは、ガス
ケット材が蓋体の上部に露出するものであるため、近年
の電子機器部品の小型化に伴って狭くなった電子機器本
体のスペースにこの蓋体を入れ込む際に、蓋体の上部に
露出したガスケット材が捲くれたりする場合があり、こ
の捲くれがシール性不良を起こす原因となるという問題
がある。さらに、このような方法で作製した蓋付きガス
ケットをハードディスクドライブ装置において使用した
場合、ハードディスクの回転による振動を抑えることが
できないという問題がある。
【0004】一方、通常熱可塑性材料と蓋体である金属
板との接着は、熱可塑性シートの表面をコロナ放電等に
より接着処理した後、エポキシ系又はウレタン系のよう
な接着剤を用いて貼り合わせる方法により行われている
が、作業が煩雑で接着剤による発ガスの問題もあり、電
子機器用のガスケットには適用できない。また、作業の
簡略化を図るために接着性の熱可塑性材料を射出して、
直接接着する方法も考えられる。しかしながら、この様
な接着性の材料は、通常硬めにしても、射出すると大き
くなってしまうためガスケットとしてはそのまま使用で
きない。このため、ハードディスクの蓋体用のガスケッ
トには、この方法は採られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、金属板と熱可塑性材料とが射出成形によって
密着性よく一体化され、かつ制振性などの性能に優れ、
電子機器などの収納に用いる蓋付きガスケットなどの用
途に好適な複合体を、煩雑な工程を必要とせずに、簡単
な方法で提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する複合体を開発すべく鋭意研究を重ね
た結果、その上に設けられる熱可塑性材料と熱融着しう
る熱可塑性材料からなる層を、塗装により金属板上に設
け、さらにその上に、所望の熱可塑性材料からなる層を
熱融着により設けてなる複合体が、その目的に適合しる
ことを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成
したものである。すなわち、本発明は、金属板と、その
上に順次設けられた(A)層及び(B)層の二つの熱可
塑性材料層を有し、それらが一体化されてなる複合体に
おいて、上記(A)層として、(B)層の熱可塑性材料
と熱融着しうる熱可塑性材料を用い、かつ金属板と
(A)層とが塗装により密着しているとともに、(A)
層と(B)層とが熱融着していることを特徴とする複合
体を提供するものである。また、前記複合体は、金属板
上に、(A)層を、その上に設けられる(B)層の熱可
塑性材料と熱融着しうる熱可塑性材料を塗装することに
より設け、次いでこの(A)層に所望の熱可塑性材料を
熱融着させ、(B)層を形成することを特徴とする複合
体の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の複合体は、金属板と、そ
の上に順次設けられた(A)層と(B)層の二つの熱可
塑性材料層を有し、それらが一体化されてなるものであ
る。上記金属板としては、特に制限はなく、例えば冷延
鋼板,亜鉛めっき鋼板,アルミニウム/亜鉛合金めっき
鋼板,ステンレス鋼板,アルミニウム板,アルミニウム
合金板,マグネシウム板,マグネシウム合金板などの中
から、複合体の用途に応じて適宜選択して用いることが
できる。これらの金属板としては、安価で、耐食性に優
れる無電解ニッケルめっき処理を施した金属板が好適で
ある。この無電解ニッケルめっき処理方法としては、従
来金属素材に適用されている公知の方法、例えば硫酸ニ
ッケル,次亜リン酸ナトリウム,乳酸,プロピオン酸な
どを適当な割合で含有するpH4.0〜5.0程度て、かつ
温度85〜95℃程度の水溶液からなる無電解ニッケル
めっき浴中に、金属板を浸漬する方法などを用いること
ができる。本発明で用いられる金属板の厚さは、複合体
の用途に応じて適宜選定されるが、通常0.1〜2mm、
好ましくは0.2〜1mmの範囲である。
【0008】この金属板上に設けられる(A)層は、そ
の上に設けられる(B)層の熱可塑性材料と熱融着しう
る熱可塑性材料からなる層である。この(A)層の熱可
塑性材料としては、例えばポリオレフィン系樹脂,ポリ
スチレン系樹脂,アクリル系樹脂などの中から、(B)
層に用いられる熱可塑性材料の種類に応じて、適宜選定
される。例えば、(B)層にスチレン系熱可塑性エラス
トマーを使用する場合には、(A)層の熱可塑性材料と
して、ポリオレフィン系樹脂の変性体を用いるのが有利
である。この場合、ポリオレフィン系樹脂としては、例
えば、エチレン;プロピレン;ブテン−1;3−メチル
ペンテン−1;4−メチルペンテン−1などのα−オレ
フィンの単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこれ
らと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体などが
挙げられる。代表例としては、高密度,中密度,低密度
ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン,エチレン−
酢酸ビニル共重合体,エチレン−アクリル酸エチル共重
合体などのポリエチレン類、プロピレン単独重合体,プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体やランダム共重合
体,プロピレン−エチレン−ジエン化合物共重合体など
のポリプロピレン類、ポリブテン−1,ポリ4−メチル
ペンテン−1などを挙げることができる。また、金属と
の接着性を上げるため、これらの樹脂に酸無水物基やカ
ルボキシル基、カルボン酸エステル基、クロルスルホン
基等の官能基又はハロゲン等の付いたものも有効に使用
することができる。
【0009】本発明においては、この(A)層は、塗装
により、金属板上に密着性よく設けられる。この際、塗
装は、通常使用する熱可塑性材料の軟化点又は融点近傍
の温度で行われる。該(A)層の厚さは、通常3〜10
0μm、好ましくは5〜30μmの範囲で選ばれる。本
発明の複合体においては、前記(A)層の上に、(B)
層として、熱可塑性材料層が熱融着により形成される。
この(B)層を構成する熱可塑性材料としては、特に制
限はなく、複合体の用途に応じて、各種材料の中から適
宜選択して用いることができる。例えば、複合体をシー
ル部材として用い、そのガスケット部が(B)層である
場合には、この(B)層を構成する熱可塑性材料として
は、JIS−A硬度が60゜未満の低硬度熱可塑性材料
が好ましい。低硬度熱可塑性材料としては、スチレン系
熱可塑性エラストマー,オレフィン系熱可塑性エラスト
マー,ウレタン系熱可塑性エラストマー,アクリル系熱
可塑性エラストマー等が挙げられる。特に電子機器を収
納するためのケースにおいては、水分や空気を確実に遮
断するとともにハロゲン系ガス及び酸性ガスの発生のな
い材料を用いることが好ましく、しかも、ケースの箱体
密着性及び粘着性の点から、JIS−A硬度60°未満
のものが好ましい。とりわけ15°〜45°のものが好
ましい。このような熱可塑性材料としては、スチレン系
熱可塑性エラストマーが好ましく、例えばスチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体(SBS),水素
添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
(SEBS),スチレン−イソプレンブロック共重合体
(SIR),スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体(SIS),水素添加スチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合体(SEPS)などが挙げられ
る。
【0010】このスチレン系熱可塑性エラストマーの具
体例としては、三菱化学社製のラバロンやクラレ社製の
セプトン及びアロン化成社製のエラストマーARがあ
り、前者の例としては例えばラバロンMJ4300B
(商標名,JIS−A硬度45゜)、ラバロンT320
C(商標名,JIS−A硬度15゜)、セプトン206
3(商標名,JIS−A硬度36゜)がある。スチレン
系熱可塑性エラストマーは、その成形にはEPDMゴム
やブチルゴムのように加硫を必要とせず、かつリサイク
ルが可能であるため、コストダウンへの寄与が極めて大
きい。また、オレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、エー・イー・エスジャパン(株)社のサントプレン
111−45(商標名,JIS−A硬度45゜)が挙げ
られる。(B)層を構成するこれらの熱可塑性材料は単
独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。本発明の複合体においては、前記(A)層の上に、
熱融着により設けられるこの(B)層の厚さとしては、
特に制限はなく、複合体の用途に応じて適宜選定される
が、通常0.1〜5mm、好ましくは、0.2〜2mmの範
囲である。
【0011】本発明においては、この(B)層の熱可塑
性材料層には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所
望により、酸化防止剤(老化防止剤),紫外線吸収剤,
光安定剤、さらには各種充填剤、具体的にはカーボンブ
ラック,タルク,硫酸バリウム,炭酸カルシウム,炭酸
マグネシウム,金属酸化物,マイカ,グラファイト,水
酸化アルミニウム,各種金属粉,木片,ガラス粉,セラ
ミックス粉,粒状又は粉末ポリマー,ガラスファイバ
ー,金属ファイバー,有機繊維などを含有させることが
できる。本発明の複合体としては、この(B)層がスチ
レン系熱可塑性エラストマーからなり、かつ前記(A)
層がポリオレフィン系樹脂からなるものが、特に好適で
ある。
【0012】次に、本発明の複合体の製造方法として
は、前記性状の複合体が得られる方法であればよく、特
に制限はないが、以下に示す本発明の方法に従えば、所
望の複合体を、簡単なプロセスで効率よく製造すること
ができる。本発明の方法においては、金属板、好ましく
は無電解ニッケルめっき処理が施された金属板上に、ま
ず(A)層を、その上に設けられる(B)層の熱可塑性
材料(以下、熱可塑性材料IIと称すことがある。)と熱
融着しうる熱可塑性材料(以下、熱可塑性材料Iと称す
ることがある。)を塗装することにより、形成させる。
金属板あるいは無電解ニッケルめっきした金属板には、
必要に応じてブラスト処理、ヘアーライン処理、エッチ
ング処理、クラックめっき処理、酸化処理、陽極酸化処
理、コロナ放電処理、プラズマ処理、プライマー塗装等
の表面処理を施してもよい。また、(A)層を形成させ
るには、環境上又は発ガス抑制の点から、熱可塑性材料
Iの水性エマルジョン液を用いてもよい。具体的には、
まず、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性材料Iを微
粉砕し、乳化剤などを用いる公知の方法に従って、エマ
ルジョン化することにより、熱可塑性材料Iを含有する
水性エマルジョン塗工液を調製して塗布してもよい。こ
の際、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応
じ、接着性の良いウレタン系やエポキシ系の接着成分を
添加してもよい。
【0013】次に、変性ポリオレフィン接着性樹脂溶液
を、金属板上に塗布した後の厚さが所望の値になるよう
に、はけ塗り,タンポ塗り,吹付塗り,ローラ塗り,流
し塗りなどの公知の手段によって塗布、乾燥することに
より、金属板上に(A)層が密着性よく形成される。こ
の接着性樹脂溶液の塗布は、発ガス防止及びコストダウ
ンという点から、ディスペンサー、パット印刷又はスク
リーン印刷等によってガスケット材料が接着する部分に
のみ塗布することが好ましい。次に、このようにして形
成された(A)層に、所望の熱可塑性材料II、例えばス
チレン系熱可塑性エラストマーなどを熱融着させて、
(B)層を形成させる。この(B)層の形成には、射出
インサート成形法が好ましく用いられる。例えば金型内
に、(A)層が設けられた金属板をセットし、これに熱
可塑性材料IIを射出注入して、該(A)層の熱可塑性材
料Iと熱可塑性材料IIを熱融着させることにより、
(A)層上に所望の厚さの(B)層を形成させる。な
お、プレス法により、熱融着させ、(A)層上に(B)
層を形成させる方法も用いることができる。
【0014】熱融着温度は、使用する熱可塑性材料I及
びIIの種類に応じて適宜選定される。例えば熱可塑性材
料Iとしてポリプロピレンを用い、かつ熱可塑性材料II
として、スチレン系熱可塑性エラストマーであるSEB
S又はSEPSを用いる場合、熱融着温度は170〜2
00℃程度である。このようにして、金属板と熱可塑性
材料が一体化してなる本発明の複合体が得られる。本発
明によれば、熱可塑性材料の物性を低下させることな
く、接着性樹脂溶液を塗布しておくだけで、ガスケット
用の熱可塑性材料を射出成形により容易に金属板と熱可
塑性材料とを一体化することができる。また、本発明の
複合体は、金属板が熱可塑性材料Iでラミネートされて
いるので制振性が良好であり、シール部材、特に電子機
器等に用いる蓋付きガスケットの用途に好適である。ま
た、熱可塑性材料Iや熱可塑性材料IIに導電性材料を混
入することにより、埃等のよごれの付着や電磁波漏れを
防止することができる。さらに、放熱性の良好な材料を
熱可塑性材料Iに混入することにより、内部で発生する
熱を外部に放熱することができるので、ハードディスク
における蓄熱を防ぐことができる。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1 厚さ5μmの無電解ニッケルめっき皮膜が設けられた厚
さ0.5mmのアルミニウム板上に、接着性変性ポリオレ
フィン溶液 ユニストールP−802(三菱化学社製;
マレイン酸変性、プロピレン、エチレン、ブテンの共重
合体)を塗布し、100℃で加熱処理を行い、厚さ30
μmの塗膜を有するアルミニウム板を作製した。次い
で、このアルミニウム板上の接着性樹脂塗膜の上に、ス
チレン系熱可塑性エラストマー(三菱化学社製,ラバロ
ンMJ4300B,JIS−A硬度45°)を0.5mm
の厚さに、射出成形機により、ノズル及びシリンダー温
度を180℃、インサートアルミニウム板の温度を室温
とした条件でインサート成形を行い、複合体を作製し
た。このようにして得られた複合体におけるスチレン系
熱可塑性エラストマーの剥離試験をJIS Z 023
7に準拠して行ったところ、スチレン系熱可塑性エラス
トマー自体の材料破壊又はアルミニウム板と接着性樹脂
塗膜との界面での剥離が生じたが、その際の剥離力は
1.6kg/25mm以上であり、本体にネジで固定す
るために十分な接着力であった。
【0016】比較例1 実施例1において、無電解ニッケルめっき処理アルミニ
ウム板上に、ポリプロピレン塗膜を設けることなしに、
該無電解ニッケルめっき処理アルミニウム板上に、直接
スチレン系熱可塑性エラストマーを、射出成形機により
インサート成形したが、接着しないために、金型からの
取り出し時に剥離してしまった。 実施例2 図1は、本発明の複合体の一形態である、ハードディス
クドライブ装置を収納するケース用の蓋付きガスケット
を示す斜視図である(本図は、蓋付きガスケットをシー
ル面側から見た図である。)。ガスケット1は金属製の
蓋体2の表面に密着されており、蓋体2は、ハードディ
スクドライブ装置収納ケースの蓋となっている。磁気デ
ィスク,磁気ヘッド,アクチュエーター等の機器が、ハ
ードディスクドライブ装置収納ケースにおける金属製箱
体側に配置され、これらの機器は該箱体(図示せず)と
上記蓋付きガスケットとで閉成されてハードディスクド
ライブ装置収納ケースに収納されている。
【0017】蓋体2として、厚さ5μmの無電解ニッケ
ルめっき皮膜を有する厚さ0.5mmのアルミニウム板上
に、実施例1と同様にして、厚さ30μmの変性ポリオ
レフィン塗膜(接着性変性ポリプロピレン ユニストー
ルR−300(三菱化学社製;マレイン酸変性)を形成
したものを用いた。次いで、このアルミニウム板上のポ
リプロピレン塗膜の上に、実施例1と同様にして、スチ
レン系熱可塑性エラストマーを0.5mmの厚さにインサ
ート成形してガスケット1を設け、蓋付きガスケットを
作製した。その際の剥離力(JIS Z 0237)は
1.4kg/25mmであり、本体にネジで固定するた
めに十分な接着力であった。このようにして作製した蓋
付きガスケットをガスケット部が箱体と対面するよう
に、ハードディスクドライブ装置収納ケースの蓋として
用い、30日間使用した後に目視によりガスケット部を
観察したところ、ガスケット部のへたりは認められず、
また、使用中の防塵性も良好であった。さらに、この蓋
付きガスケットのハードディスクドライブ装置における
制振性能を観察したところ、ハードディスクによる共振
は認められなかった。
【0018】比較例2 変性ポリオレフィン塗膜を設けなかったこと以外は、実
施例2と同様にして、スチレン系熱可塑性エラストマー
を固定するための孔を有する蓋体にスチレン系熱可塑性
エラストマーを射出成形して蓋付きガスケットを作製
し、ハードディスクドライブ装置における制振性能を観
察したところ、ハードディスクによる共振が認められ
た。この評価結果から明らかなように、本発明に係る蓋
付きガスケットは容易に製造することができ、しかもガ
スケットと蓋体との密着性が良好なので、この蓋付きガ
スケットをハードディスクドライブ装置収納ケースの蓋
として使用した場合、防塵性が良好であり、またガスケ
ットは低硬度の材料からなるため、長時間使用した後も
変形のないものであった。
【0019】
【発明の効果】本発明の複合体は、金属板に予め接着性
樹脂を塗布しておき、熱可塑性ガスケット材料を射出成
形することにより、密着性よく一体化され、かつ制振性
などの性能に優れ、電子機器などの収納に用いる蓋付き
ガスケットなどの用途に好適である。また、本発明の方
法によれば、上記複合体を、煩雑な工程を必要とせず、
効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る蓋付きガスケットの一例を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1:ガスケット 2:蓋体
フロントページの続き Fターム(参考) 3J040 AA01 AA12 BA01 EA15 EA17 EA43 EA48 FA01 FA06 HA01 HA15 4F100 AB01A AB10 AB16A AK03B AK12C AL05B AL09C AR00B AR00C CC00 EC032 EH362 EH461 EH71A GB48 JB16B JB16C JB16G JH02 JK06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板と、その上に順次設けられた
    (A)層及び(B)層の二つの熱可塑性材料層を有し、
    それらが一体化されてなる複合体において、上記(A)
    層として、(B)層の熱可塑性材料と熱融着しうる熱可
    塑性材料を用い、かつ金属板と(A)層とが密着してい
    るとともに、(A)層と(B)層とが熱融着しているこ
    とを特徴とする複合体。
  2. 【請求項2】 (A)層が変性ポリオレフィン系樹脂か
    らなり、かつ(B)層がスチレン系熱可塑性エラストマ
    ーからなる請求項1記載の複合体。
  3. 【請求項3】 金属板が、無電解ニッケルめっき処理が
    施されたものである請求項1又は2記載の複合体。
  4. 【請求項4】 シール部材として用いられる請求項1〜
    3のいずれかに記載の複合体。
  5. 【請求項5】 シール部材が、ハードディスクドライブ
    用蓋付きガスケットである請求項4記載の複合体。
  6. 【請求項6】 金属板上に、(A)層を、その上に設け
    られる(B)層の熱可塑性材料と熱融着しうる熱可塑性
    材料を塗装することにより設け、次いでこの(A)層に
    所望の熱可塑性材料を熱融着させ、(B)層を形成する
    ことを特徴とする複合体の製造方法。
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