JPH08218057A - パッキング材 - Google Patents

パッキング材

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Publication number
JPH08218057A
JPH08218057A JP2205395A JP2205395A JPH08218057A JP H08218057 A JPH08218057 A JP H08218057A JP 2205395 A JP2205395 A JP 2205395A JP 2205395 A JP2205395 A JP 2205395A JP H08218057 A JPH08218057 A JP H08218057A
Authority
JP
Japan
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adhesive
packing material
thermoplastic elastomer
styrene
type
Prior art date
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Pending
Application number
JP2205395A
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English (en)
Inventor
Takahiro Matsuse
貴裕 松瀬
Yuko Yamamoto
裕宏 山本
Shinichi Toyosawa
真一 豊澤
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2205395A priority Critical patent/JPH08218057A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低硬度で、へたり特性に優れ、ケースへの接
着を簡便に行なうことができる、製造工程の簡易なハー
ドディスクの防塵に適するパッキング材を提供する。 【構成】 ハードディスクのケースを構成する金属板
に、パッキング材成形用のモールドを配置し、モールド
内の金属板表面にカルボキシル基で変性したスチレン−
エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の如き
接着・粘着材料を塗布し、室温で乾燥して接着・粘着剤
層を形成した後、スチレン系熱可塑性エラストマー(J
IS A硬度15、永久圧縮歪み36%)の如き、JI
S A硬度10〜30、永久圧縮歪み50%以下の熱可
塑性エラストマーをモールド内に配置し、加熱加圧成形
し、パッキング材を得た。このパッキング材の金属板に
対する粘着力は2.0kg/25mm以上であった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパッキング材に係り、更
に詳しくは低硬度であり、へたり特性に優れ、金属部材
との接着・粘着力を有する、コンピュータのハードディ
スクの防塵用途に適するパッキング材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ等の電子機器類は高
性能化、小型化が進み、複雑な回路構造を有するように
なっており、僅かな塵によっても障害がおきるため、実
用上、防塵の必要性が高まっている。従来、防塵のため
に、ハードディスクそのものをそのケース内においてエ
ラストマーで密封していたが、ハードディスクの回転に
よる熱が内部に蓄積され、障害がおきるため、近年は、
防塵を目的としたパッキング材として、へたり特性の良
好さと、簡易性からウレタン発泡体が広く使用されてい
る。しかしながら、ウレタン発泡体はJIS A硬度で
50程度の硬さを有しており、防塵パッキンとしての締
めつけ力をある程度要しており、しかも、ハードディス
クのケースに取り付けるために、粘着テープ等の粘着手
段を必要としていた。締めつけ力を高くすることによ
り、パッキンのへたりが生じ、結果として防塵性が低下
することになる。このため、締めつけ力を低減すること
ができる低硬度でへたり特性に優れたパッキングを構成
することができ、しかも、ケースの取り付けに粘着部材
を必要としないパッキング材が要望されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたことか
ら明らかなように、本発明の目的は、低硬度で、へたり
特性に優れ、ケースへの接着を簡便に行なうことができ
る、製造工程の簡易なハードディスクの防塵に適するパ
ッキング材を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは高分子材料
及びそれらの特性等に着目し、鋭意検討を重ねた結果、
前記目的が下記の手段により達成されることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0005】本発明のパッキング材は、JIS A硬度
が10〜30であり、永久圧縮歪みが50%以下であ
り、金属板に対する接着・粘着力が1.0kg/25m
m以上である熱可塑性エラストマーからなることを特徴
とする。
【0006】本発明の請求項2記載のパッキング材は、
JIS A硬度が10〜30であり、永久圧縮歪みが5
0%以下である熱可塑性エラストマーと、接着・粘着性
材料とを含み、金属板に対する接着・粘着力が1.0k
g/25mm以上である高分子材料からなることを特徴
とする。
【0007】本発明の請求項3記載のパッキング材は、
請求項2記載のパッキング材であって、前記熱可塑性エ
ラストマーからなる層と、前記接着・粘着性を有する高
分子材料からなる層とが、積層されてなることを特徴と
する。
【0008】本発明の請求項4記載のパッキング材は、
前記熱可塑性エラストマーが三次元連続の網状骨格構造
を有するものである、ことを特徴とする。キング材。
【0009】本発明の請求項5記載のパッキング材は、
前記熱可塑性エラストマーがブタジエン重合体の水素添
加物又はブタジエン−スチレン共重合体の水素添加物で
ある、ことを特徴とする。
【0010】本発明の請求項6記載のパッキング材は、
前記接着・粘着性材料が、分子内にカルボキシル基を有
するスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック
共重合体であることを特徴とする。
【0011】すなわち、本発明のパッキング材は、低硬
度でへたり特性の良好なエラストマーと接着・粘着性を
有する材料とを組み合わせることによって、本発明の目
的に応じた低硬度や粘着力を有するパッキング材を簡単
に得ることができる。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
JIS A硬度が10〜30であり、永久圧縮歪みが5
0%以下であり、金属板に対する接着・粘着力が1.0
kg/25mm以上である熱可塑性エラストマーとして
は、スチレン系(ブタジエンスチレン系、イソプレンス
チレン系等)、塩化ビニル系、オレフィン系(ブタジエ
ン系、イソプレン系、エチレンプロピレン系等)、エス
テル系、アミド系、ウレタン系などの各種熱可塑性エラ
ストマー、並びに、それらの水素添加物、その他による
変性物が挙げられる。さらに、スチレン系、ABS系、
オレフィン系(エチレン系、プロピレン系、エチレンプ
ロピレン系、エチレンスチレン系、プロピレンスチレン
系等)、アクリル酸エステル系(アクリル酸メチル系
等)、メタクリル酸エステル系(メタクリル酸メチル系
等)、カーボネート系、アセタール系、ナイロン系、ハ
ロゲン化ポリエーテル系(塩化ポリエテール系等)、ハ
ロゲン化オレフィン系(塩化ビニル系、四フッ化エチレ
ン系、フッ化−塩化エチレン系、フッ化エチレンプロピ
レン系等)、セルロース系(アセチルセルロース系、エ
チルセルロース系等)、ビニリデン系、ビニルブチラー
ル系、アルキレンオキサイド系(プロピレンオキサイド
系等)等の熱可塑性樹脂であって前記の物性を有するも
のも本発明の熱可塑性エラストマーとして用いることが
できる。また、本発明においては、前記熱可塑性エラス
トマーの分子内の一部に接着・粘着性を向上させる官能
基(例えば、COOH基、OH基、エポキシ基、無水マ
レイン酸等の酸無水物基等)を導入してなる変性熱可塑
性エラストマーを使用することもできる。
【0013】これら熱可塑性エラストマーは、JIS
A硬度で10〜30を有し、永久圧縮歪みが50%以下
であり、金属板に対する接着・粘着力が1.0kg/2
5mm以上であることが必要である。JIS A硬度で
10未満であると永久圧縮歪みが悪化し、30を超える
と得られるパッキング材が硬くなり大きな締めつけ力を
要するため、パッキング材のへたりが起こり易くなる。
このため、防塵性が経時的に低下する虞があり好ましく
ない。
【0014】また、永久圧縮歪みが50%を超えるばあ
いも、同様に、へたりが起こり易くなり、防塵性が経時
的に低下する虞があるため好ましくない。本発明におい
ては、永久圧縮歪みはJIS K 6301の加硫ゴム
物理試験方法に準拠して測定される。
【0015】金属板に対する接着・粘着力は1.0kg
/25mm以上であることが必要であり、接着・粘着力
が1.0kg/25mm未満であると、ハードディスク
ケースを構成する金属との密着性が不十分となるため、
他の接着手段を併用する必要があり好ましくない。本発
明における金属板に対する接着・粘着力は、JISZ
0237 粘着テープ・粘着シート試験方法に準拠し
て、前記熱可塑性エラストマーを幅25mm、長さ約2
50mmのシート状に成形した試験片を用いて測定す
る。
【0016】前記の物性を有する熱可塑性エラストマー
の中でも、特に、結晶構造、凝集構造などの硬質ブロッ
クを形成しやすい部分と、アモルファス構造などの軟質
ブロックとを一緒にもち合わせているものが好ましい。
【0017】本発明における熱可塑性エラストマーに関
して、一部、特開平5−239256号公報及び特開平
5−194763号公報に記載されている。熱可塑性エ
ラストマーこの公報に媒体材として開示された三次元連
続の網状骨格構造を有するものが本発明においても、代
表的なものとして、好適に使用され、例えばブタジエン
重合体の水素添加物、ブタジエン−スチレン共重合体の
水素添加物及びエチレン−プロピレン系共重合体等が挙
げられ、中でも、ブタジエン重合体の水素添加物、ブタ
ジエン−スチレン共重合体の水素添加物が更に好まし
い。 1.前記ブタジエン重合体の水素添加物はこの重合体の
水素添加率が90%以上のものが好ましく用いられる。
この水素添加物は出発重合体であるブタジエン重合体の
1,4結合と1,2結合の組成及びその組成分布によ
り、種々の分子構造をとることができる。この分子構造
によって、水素添加物は1分子鎖中に結晶性、アモルフ
ァス性並びに結晶性とアモルファス性とを併せもつ特性
等種々の結晶特性のセグメントを含むことができる。
【0018】この水素添加物の結晶特性のセグメントは
具体的には(1)1,4結合ブタジエン単位の水素添加
に基づく、エチレン単位を主として含むエチレンブロッ
クからなる結晶性セグメント(S1)、(2)1,4結
合ブタジエン単位と1,2結合ブタジエン単位の水素添
加に基づく、各々エチレン単位とブチレン単位を主とし
て含むブロックからなるアモルファス性セグメント(S
2)等を挙げることができる。
【0019】本発明におけるブタジエン重合体の水素添
加物は結晶性とアモルファス性とを併せもつ結晶特性の
セグメントを有することが好ましい。
【0020】中でも、前記エチレンブロックからなる結
晶性セグメント(S1)と前記エチレン単位とブチレン
単位を含むブロックからなるアモルファス性セグメント
(S2)とを併せもつものが好ましい。この場合、1分
子鎖中の前記エチレンブロックは1つのブロックでも、
又は2つ以上のマルチブロックとして存在してもよい。
また、1分子鎖中の前記エチレンブロックの割合は5〜
80%、効果の点から、好ましくは10〜70%であ
る。さらに、この水素添加物の数平均分子量は3×10
4 以上、効果の点から、好ましくは5×104 以上であ
る。 2.前記ブタジエン−スチレン共重合体の水素添加物は
この共重合体の水素添加率が90%以上のものが好まし
く用いられる。この水素添加物は出発共重合体のブタジ
エン部の1,4結合、1,2結合及びスチレン部の組成
及びその組成分布により、種々の分子構造をとることが
できる。この分子構造によって、水素添加物は1分子鎖
中に結晶性、凝集性、アモルファス性、結晶性とアモル
ファス性とを併せもつ特性、凝集性とアモルファス性と
を併せもつ特性並びに結晶性と凝集性とアモルファス性
とを併せもつ特性等種々の結晶特性のセグメントを含む
ことができる。
【0021】この水素添加物の結晶特性のセグメントは
具体的には(1)1,4結合ブタジエン単位の水素添加
に基づく、エチレン単位を主として含むエチレンブロッ
クからなる結晶性セグメント(S1)、(2)1,4結
合ブタジエン単位と1,2結合ブタジエン単位の水素添
加に基づく、各々エチレン単位とブチレン単位を主とし
て含むブロックからなるアモルファス性セグメント(S
2)、(3)スチレン単位を主として含むスチレンブロ
ックからなる凝集性セグメント(S3)、(4)1,2
結合ブタジエン単位とスチレン単位の水素添加に基づ
く、各々ブチレン単位とスチレン単位を主として含むブ
ロックからなるアモルファス性セグメント(S4)、
(5)1,4結合ブタジエン単位と1,2結合ブタジエ
ン単位とスチレン単位の水素添加に基づく、各々エチレ
ン単位とブチレン単位とスチレン単位を主として含むブ
ロックからなるアモルファス性セグメント(S5)等を
挙げることができる。
【0022】本発明におけるブタジエン−スチレン共重
合体の水素添加物は結晶性とアモルファス性とを併せも
つ特性、凝集性とアモルファス性とを併せもつ特性並び
に結晶性と凝集性とアモルファス性とを併せもつ特性等
の結晶特性のセグメントを有することが好ましい。
【0023】中でも、次の水素添加物等が好ましく用い
られる。 2−1.前記エチレンブロックからなる結晶性セグメン
ト(S1)と前記エチレン単位とブチレン単位とスチレ
ン単位を含むブロックからなるアモルファス性セグメン
ト(S5)とを併せもつ水素添加物。この場合、1分子
鎖中の前記エチレンブロックは1つのブロックでも、又
は2つ以上のマルチブロックとして存在してもよい。ま
た、1分子鎖中の前記エチレンブロックの割合は5〜8
0%、効果の点から、好ましくは10〜70%である。
さらに、この水素添加物の数平均分子量は3×104
上、効果の点から、好ましくは5×104 以上である。 2−2.前記スチレンブロックからなる凝集性セグメン
ト(S3)と前記エチレン単位とブチレン単位を含むブ
ロックからなるアモルファス性セグメント(S2)とを
併せもつ水素添加物。この場合、1分子鎖中の前記スチ
レンブロックは2つ以上のマルチブロックとして存在す
ることが好ましい。また、1分子鎖中の前記スチレンブ
ロックの割合は5〜60%、効果の点から、好ましくは
10〜50%である。さらに、この水素添加物の数平均
分子量は3×104 以上、効果の点から、好ましくは5
×104 以上である。 2−3.前記エチレンブロックからなる結晶性セグメン
ト(S1)と前記スチレンブロックからなる凝集性セグ
メント(S3)と前記エチレン単位とブチレン単位を含
むブロックからなるアモルファス性セグメント(S2)
及び/又は前記エチレン単位とブチレン単位とスチレン
単位を含むブロックからなるアモルファス性セグメント
(S5)とを併せもつ水素添加物。この場合、1分子鎖
中の前記エチレンブロック、前記スチレンブロック及び
前記アモルファス性セグメントはいずれも1つのブロッ
クでも、又は2つ以上のマルチブロックとして存在して
もよい。また、1分子鎖中の前記アモルファス性セグメ
ントの割合は20〜90%、効果の点から、好ましくは
30〜85%である。さらに、この水素添加物の数平均
分子量は3×104 以上、効果の点から、好ましくは5
×104 以上である。 3.前記エチレン−プロピレン系共重合体にはエチレン
−プロピレン二元共重合体及びエチレン−プロピレン−
ジエン三元共重合体が好適に含まれる。好ましいエチレ
ン−プロピレン系共重合体としては、エチレン単位を主
として含むエチレンブロックからなる結晶性セグメント
の割合が5〜60%、効果の点から7〜50%である共
重合体及びプロピレン単位を主として含むプロピレンブ
ロックからなる結晶性セグメントの割合が5〜60%、
効果の点から7〜50%である共重合体等を挙げること
ができる。
【0024】これらブタジエン重合体の水素添加物、ブ
タジエン−スチレン共重合体の水素添加物及びエチレン
−プロピレン系共重合体等のような各種熱可塑性エラス
トマーは主に単独で用いられるが、2種以上をブレンド
して用いてもよい。
【0025】また、本発明の請求項2記載のパッキング
材は、JIS A硬度が10〜30であり、永久圧縮歪
みが50%以下である熱可塑性エラストマーと、接着・
粘着性材料とを含み、金属板に対する接着・粘着力が
1.0kg/25mm以上である高分子材料からなるこ
とを特徴するものであり、この第2の発明における熱可
塑性エラストマーは、JIS A硬度が10〜30であ
り、永久圧縮歪みが50%以下であることを要する。
【0026】本発明のJIS A硬度が10〜30であ
り、永久圧縮歪みが50%以下である熱可塑性エラスト
マーとしては、スチレン系(ブタジエンスチレン系、イ
ソプレンスチレン系等)、塩化ビニル系、オレフィン系
(ブタジエン系、イソプレン系、エチレンプロピレン系
等)、エステル系、アミド系、ウレタン系などの各種熱
可塑性エラストマー、並びに、それらの水素添加物、そ
の他による変性物が挙げられる。さらに、スチレン系、
ABS系、オレフィン系(エチレン系、プロピレン系、
エチレンプロピレン系、エチレンスチレン系、プロピレ
ンスチレン系等)、アクリル酸エステル系(アクリル酸
メチル系等)、メタクリル酸エステル系(メタクリル酸
メチル系等)、カーボネート系、アセタール系、ナイロ
ン系、ハロゲン化ポリエーテル系(塩化ポリエテール系
等)、ハロゲン化オレフィン系(塩化ビニル系、四フッ
化エチレン系、フッ化−塩化エチレン系、フッ化エチレ
ンプロピレン系等)、セルロース系(アセチルセルロー
ス系、エチルセルロース系等)、ビニリデン系、ビニル
ブチラール系、アルキレンオキサイド系(プロピレンオ
キサイド系等)等の熱可塑性樹脂であって前記の物性を
有するものも本発明の熱可塑性エラストマーとして用い
ることができる。
【0027】前記の物性を有する熱可塑性エラストマー
の中でも、特に、本発明の請求項1に用いられる熱可塑
性エラストマーとして詳細に説明した、結晶構造、凝集
構造などの硬質ブロックを形成しやすい部分と、アモル
ファス構造などの軟質ブロックとを一緒にもち合わせて
いるものが、本発明の請求項2に用いられる熱可塑性エ
ラストマーとしてもまた、好ましく用いられる。その代
表的なものとして、前記と同様に、例えばブタジエン重
合体の水素添加物、ブタジエン−スチレン共重合体の水
素添加物及びエチレン−プロピレン系共重合体等が挙げ
られ、中でも、ブタジエン重合体の水素添加物、ブタジ
エン−スチレン共重合体の水素添加物が更に好ましい。
【0028】本発明において前記熱可塑性エラストマー
と組み合わせて用いられる接着・粘着性材料としては、
前記熱可塑性エラストマーとの親和性を有するものであ
れば特に制限はなく、前記熱可塑性エラストマーとハー
ドディスクドライブのケースを構成する金属材料との間
に接着・粘着層として積層されるか、又は、前記熱可塑
性エラストマー中に混合されることによって、ガスケッ
トを形成する高分子材料の接着・粘着性を向上しうる材
料であれば、いずれも使用することができる。
【0029】接着・粘着性材料としては、例えば、前記
熱可塑性エラストマーの分子内にCOOH基、OH基、
エポキシ基、無水マレイン酸等の酸無水物基等を導入し
て接着・粘着性を向上させたもの、フェノール系樹脂、
ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂系接着剤等が挙げられ
る。
【0030】接着・粘着性材料は、ディスクケースを構
成する金属材料に予め塗布することによって接着・粘着
層を形成し、該層に前記熱可塑性エラストマーで成形し
たパッキング材を積層した後、加熱圧着してもよく、予
め接着・粘着性材料と熱可塑性エラストマーとを混合し
た後、得られた高分子材料でパッキング材を成形しても
よい。予め接着・粘着性材料を金属材料表面に塗布して
接着・粘着層を形成する場合には、接着・粘着性材料を
キシレン等の溶媒に溶解して塗布することができる。
【0031】予め接着・粘着性材料と熱可塑性エラスト
マーとを混合する場合の両者の溶解度パラメーター値の
差は3以下、効果の点から好ましくは2.5以下となる
よう、両材料が選択されることが好ましい。この差が3
を超えた場合には、接着・粘着性材料を溶媒に溶解して
混合することが好ましい。接着・粘着性材料は熱可塑性
材料に対して5〜30重量%程度混合されることが好ま
しい。5重量%未満であると粘着力が不十分であり、3
0重量%を超えると永久圧縮歪みが大きくなり、パッキ
ング材が変形しやすくなるためいずれも好ましくない。
【0032】かくして得られた高分子材料は、鋼板に対
する接着・粘着力が1.0kg/25mm以上であるこ
とが必要である。接着・粘着力が1.0kg/25mm
未満であると、ハードディスクケースを構成する金属と
の密着性が不十分となるため、他の接着手段を併用する
必要があり好ましくない。本発明における鋼板に対する
接着・粘着力は、前記のJIS Z 0237に準拠し
て、高分子材料を幅25mm、長さ約250mmのシー
ト状に成形した試験片を用いて測定する。
【0033】前記特定の熱可塑性エラストマー単独又は
熱可塑性エラストマーと接着・粘着性材料とを含む高分
子材料をパッキング材に成形する方法としては、公知の
熱可塑性エラストマーの成形方法を用いることができ
る。例えば、射出成形、インジェクション成形、熱プレ
ス成形等の方法が挙げられる。なかでも、成形エネルギ
ーの低減の観点から、射出成形が好ましく用いられる。
【0034】本発明のパッキング材を構成する熱可塑性
エラストマー又は高分子材料には、必要に応じて、更
に、次のような充填材を配合してもよい。例えば、カー
ボンブラック、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファ
イト、水酸化アルミニウム等の鱗片状無機充填剤、各種
の金属粉、木片、ガラス粉、セラミックス粉、粒状ない
し粉末ポリマー等の粒状ないし粉末状固体充填剤、その
他各種の天然又は人工の短繊維、長繊維(例えば、ガラ
スファイバー、金属ファイバー、その他各種のポリマー
ファイバー等)等を配合することができる。これらは、
特にハードディスクドライブ用のパッキング材として用
いられる場合、使用される電子機器の機能に悪影響を及
ぼさない限りにおいて任意に使用することができる。
【0035】本発明のパッキング材は、特に、高い防塵
性を要求されるハードディスクドライブ用のパッキング
材として好適に用いられるが、その他にも、通常のガス
ケット、パッキングとして、気密性を要求される部位の
いずれにも好適に使用することができる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが本発明の主旨を越えないかぎり、本実施例に
限定されるものではない。
【0037】図1は、本発明のハードディスクドライブ
用パッキング材の態様を示す斜視図である。パッキング
材10は、アルミニウム製のハードディスクドライブケ
ースのベース12上に密着されて配置されており、中央
の空隙部分に、磁気ディスク、磁気ヘッド、アクチュエ
ータ等の機器が配置され、開放上部がアルミニウム製の
カバー(図示せず)で閉成されて、ケース内に収納され
る。 〔実施例1〕熱可塑性エラストマーとして、スチレン系
熱可塑性エラストマー(三菱化学社製 ラバロンT32
0C:商品名、JIS A硬度15、永久圧縮歪み36
%)を、接着・粘着材料として、カルボキシル基で変性
したスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック
共重合体(旭化成社製 タフテックM1913:商品
名)を用いた。接着・粘着材料は予めキシレンに溶解し
10%溶液としたものを用いた。
【0038】アルミニウム製の板上に、パッキング材を
成形するためのモールドを配置し、その形状に合わせ
て、前記のキシレンに溶解した接着・粘着材料をアルミ
ニウム製の板上に2回塗布し、約1時間室温で乾燥させ
た。その後、予めリボン状に成形した前記スチレン系熱
可塑性エラストマーをモールド内に配置し、そのままの
状態で180℃の天板によって5分間予熱し、温度を1
80℃に保持しながら、1kg/cm2 の圧力を掛けて
3分間成形、接着を行った。モールドを除去し、アルミ
ニウム板上に密着したパッキング材を得た。室温まで放
冷したのち、前記アルミニウム板とパッキング材との接
着・粘着力を、前記JIS Z 0237に準拠して測
定したところ、2.0kg/25mmであった。
【0039】このパッキング材をハードディスクドライ
ブ装置内に配置して、30日間使用した後も、目視によ
るパッキング材のへたりは観察されなかった。また、使
用中の防塵性は良好であった。
【0040】〔実施例2〕実施例1で用いたスチレン系
熱可塑性エラストマーに接着・粘着材料であるタフテッ
クM1913を20重量%配合し、プラベンダーで混合
し(150℃、50〜70r.p.m.、5分間)、高
分子材料を得た。この高分子材料を実施例1におけるの
と同様にして、アルミニウム板上でパッキング材を成形
した。室温まで放冷したのち、前記アルミニウム板とパ
ッキング材との接着・粘着力を、実施例1と同様に測定
したところ、1.0kg/25mmであった。
【0041】このパッキング材をハードディスクドライ
ブ装置内に配置して、30日間使用した後も、目視によ
るパッキング材のへたりは観察されなかった。また、使
用中の防塵性は良好であった。 〔実施例3〕下記に示した材料で、油剤と熱可塑性エラ
ストマーとを高剪断型混合機で混合し(160℃、4,
000r.p.m.、1時間)、熱可塑性エラストマー
組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物の
硬度は、JIS A硬度で30、永久圧縮ひずみは45
%であった。
【0042】 材料 ──────────────────────────────── 油剤 ナフテン系オイル1) 熱可塑性エラストマー 水添SBR2)(数平均分子量10×104 ) (液体と媒体材との混合重量比 4) ──────────────────────────────── 1)日本サン石油社製 サンセン430 2)ポリブタジエンとブタジエン/スチレンランダム共重合体との2ブロッ ク共重合体を水添して得られた、ポリエチレンとエチレン/スチレンランダ ム共重合体との2ブロック共重合体。
【0043】接着・粘着性材料として、実施例1と同様
のタフテックM1913を用い、実施例1と同様にして
予めアルミニウム板に塗布して接着・粘着層を形成させ
た。その後、前記の如くして得られた熱可塑性エラスト
マー組成物をリボン状に成形し、実施例1と同様にして
パッキング材を得た。これを室温まで放冷したのち、ア
ルミニウム板とパッキング材との接着・粘着力を、実施
例1と同様に測定したところ、1.0kg/25mmで
あった。
【0044】このパッキング材をハードディスクドライ
ブ装置内に配置して、30日間使用した後も、目視によ
るパッキング材のへたりは観察されなかった。また、使
用中の防塵性は良好であった。
【0045】前記各実施例の評価結果から明らかなよう
に、本発明のパッキング材は、製造が簡単で、しかも、
ケースである金属板との密着性、防塵性が良好で、低硬
度で、長時間使用後も変形がないことがわかった。
【0046】
【発明の効果】本発明のパッキング材は上記構成とした
ので、低硬度で、へたり特性に優れ、ケースへの接着を
簡便に行なうことができ、しかも、製造工程が簡易で、
ハードディスクの防塵に適するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハードディスクドライブ用パッキ
ング材の態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 パッキング材 12 ハードディスクドライブケースのベース

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS A硬度が10〜30であり、永
    久圧縮歪みが50%以下であり、金属板に対する接着・
    粘着力が1.0kg/25mm以上である熱可塑性エラ
    ストマーからなることを特徴とするパッキング材。
  2. 【請求項2】 JIS A硬度が10〜30であり、永
    久圧縮歪みが50%以下である熱可塑性エラストマー
    と、接着・粘着性材料とを含み、金属板に対する接着・
    粘着力が1.0kg/25mm以上である高分子材料か
    らなることを特徴とするパッキング材。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性エラストマーからなる層
    と、前記接着・粘着性材料からなる層とが、積層されて
    なることを特徴とする請求項2記載のパッキング材。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性エラストマーが三次元連続
    の網状骨格構造を有するものである、ことを特徴とする
    請求項1又は2記載のパッキング材。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性エラストマーがブタジエン
    重合体の水素添加物又はブタジエン−スチレン共重合体
    の水素添加物である、ことを特徴とする請求項1又は2
    記載のパッキング材。
  6. 【請求項6】 前記接着・粘着性材料が、分子内にカル
    ボキシル基を有するスチレン−エチレン−ブチレン−ス
    チレンブロック共重合体であることを特徴とする請求項
    1又は2記載のパッキング材。
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