JP3602674B2 - 粘着性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粘着性樹脂組成物、より詳しくは、特定のブロック共重合体と多量の無機粒子を含有し、大きな比重を有する粘着性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴムに軟化剤および/または粘着付与樹脂を添加してなる樹脂組成物が制振材や吸音材として広く使用されている。これらの組成物は、一般に、振動体またはそれらの保護カバーに貼付けて用いられるが、樹脂組成物の比重が大きいほど、制振材や吸音材としての性能は一般に高いものとなる。そこで、上記の樹脂組成物にあっては、比重を調整することを目的として無機粒子が添加されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の樹脂組成物を制振材や吸音材として十分な性能を有するものとするためには、一般にその比重を高くすることが有効であることから、樹脂組成物にフェライト、硫酸バリウムなどの無機粒子を大量に添加することが行われている。しかしながら、制振材や吸音材としての用途に使用されている従来の樹脂組成物においては、大量の無機粒子を配合するためには、ゴムに対して軟化剤および/または粘着付与樹脂の添加量を増加させることが必要であり、ゴムの特性である柔軟性が損なわれてしまう。その結果、得られる樹脂組成物は、接着力は実用的なレベルであるものの粘着性に劣るものとなってしまい、振動体等に貼り付けて使用する上での実用性が低下してしまう。一方、樹脂組成物の粘着性を維持しようとすれば、軟化剤および/または粘着付与樹脂の添加量を多くすることができず、その結果、無機粒子の配合量に制限を受け、樹脂組成物の比重は十分に大きくはならず、制振材や吸音材としての性能が必ずしも満足できるものとはならない。
【0004】
本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、大きな比重を有するとともに、優れた粘着性を有する樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば上記の課題は、(a)ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを2個以上、およびオレフィン性重合体からなり、結晶融解熱が8cal/g以下である重合体ブロックBを1個以上有し、ビニル芳香族化合物の含有率が5〜50重量%の範囲にあり、数平均分子量が100,000以上であるブロック共重合体100重量部、
(b)非芳香族系ゴム用軟化剤300〜800重量部、
(c)粘着付与樹脂300〜1,500重量部、および
(d)真比重が2.5以上である無機粒子800重量部以上
からなる粘着性樹脂組成物を提供することによって解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着性樹脂組成物を構成するブロック共重合体(a)は、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを2個以上、およびオレフィン性重合体からなり、結晶融解熱が8cal/g以下である重合体ブロックBを1個以上有し、ビニル芳香族化合物の含有率が5〜50重量%の範囲にあり、数平均分子量が100,000以上であるブロック共重合体である。
【0007】
上記のブロック共重合体(a)における重合体ブロックAを構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−、m−またはp−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどが挙げられる。これらの中でも、スチレンおよびα−メチルスチレンが好ましく用いられる。これらのビニル芳香族化合物は単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0008】
ブロック共重合体(a)におけるビニル芳香族化合物の含有率は5〜50重量%の範囲内にあることが必要である。ブロック共重合体(a)におけるビニル芳香族化合物の含有率が5重量%より低い場合、ブロック共重合体(a)のゴム弾性が不十分であり、得られる粘着性樹脂組成物の接着力が低下する。一方、ブロック共重合体(a)におけるビニル芳香族化合物の含有率が50重量%より大きくなると、ブロック共重合体(a)は柔軟性が低下し、得られる粘着性樹脂組成物の粘着性が十分ではない。ブロック共重合体(a)におけるビニル芳香族化合物の含有率は10〜35重量%の範囲内にあることが好ましい。
【0009】
一方、ブロック共重合体(a)におけるオレフィン性重合体からなる重合体ブロックBは、ブロック共重合体(a)のソフトセグメントであり、その結晶融解熱が8cal/g以下であることが必要である。重合体ブロックBの結晶融解熱が8cal/gを越えると、得られる粘着性樹脂組成物は、後述する非芳香族系ゴム用軟化剤のブリードを生じるので好ましくない。重合体ブロックBの結晶融解熱は7cal/g以下であることが好ましい。
なお、重合体ブロックBの構造は、結晶融解熱が上記の範囲内となるような構造である限り、特に制限されないが、例えば、アルキル分岐の割合などを適宜調節することにより、結晶融解熱が上記の範囲内にある重合体ブロックBとすることができる。
【0010】
オレフィン性重合体からなる重合体ブロックBとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンまたはこれらの混合物の重合体の水素添加物の他、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィンの重合体などが挙げられる。
これらの中でも、重合体ブロックBとして好ましいものは、1,3−ブタジエン、イソプレンまたはこれらの混合物の重合体の水素添加物である。
【0011】
重合体ブロックBが1,3−ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンの重合体の水素添加物である場合、該共役ジエンに基づく炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加されていることが、耐熱性に優れた粘着性樹脂組成物を得ることができるので好ましい。
また、重合体ブロックBが1,3−ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンの重合体の水素添加物である場合、重合体ブロックBにおける1,2−結合および3,4−結合の含有量は50モル%以下であることが好ましい。
【0012】
ブロック共重合体(a)の数平均分子量は100,000以上であることが必要である。ここで言う数平均分子量とはゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記する)で測定された、ポリスチレン換算の数平均分子量である。
本発明では、100,000以上といった大きな数平均分子量を有するブロック共重合体(a)を使用することにより、後述の非芳香族系ゴム用軟化剤(b)および粘着付与樹脂(c)の配合量を多くしても得られる樹脂組成物の粘着性が損なわれることはない。その結果、粘着性を維持したまま、後述の無機粒子(d)を多量に配合することが可能となり、高比重の粘着性樹脂組成物を得ることができる。
ブロック共重合体(a)の数平均分子量は、好ましくは100,000〜1,000,000であり、より好ましくは150,000〜500,000である。
また、ブロック共重合体(a)は、上記の重合体ブロックAを2個以上、かつ重合体ブロックBを1個以上有していることが必要である。ブロック共重合体(a)が重合体ブロックAおよび重合体ブロックBをそれぞれ1個ずつ有するジブロック型である場合には、そのゴム弾性が不十分であり、粘着性樹脂組成物の接着力が低下する。
【0013】
ブロック共重合体(a)の分子構造は、直鎖状、分岐状あるいはこれらの任意の組合わせのいずれであってもよい。また、ブロック共重合体(a)は、その特性が失われない限り、分子末端または分子鎖中に水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
【0014】
ブロック共重合体(a)の製造方法としては、従来から公知の方法を特に制限なく利用することができ、アニオン重合法により得られた重合体を水素添加する方法、カチオン重合などのイオン重合法、チーグラー重合法、シングルサイト重合法、ラジカル重合法など、いずれの方法を用いてもよい。
【0015】
本発明の粘着性樹脂組成物を構成する非芳香族系ゴム用軟化剤(b)としては、従来から公知のものを特に制限なく用いることができ、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、ホワイトオイル、ミネラルオイル、エチレンとα−オレフィンのオリゴマーおよび流動パラフィンなどが挙げられるが、これらの中でもパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルが好ましい。
非芳香族系ゴム用軟化剤(b)は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0016】
非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の使用量は、ブロック共重合体(a)100重量部に対し、300重量部から800重量部の範囲内であることが必要である。非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の使用量が、ブロック共重合体(a)100重量部に対して300重量部より少ないと、後述の粘着付与樹脂(c)および無機粒子(d)との混練が困難で均一な粘着性樹脂組成物を得ることができない。一方、非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の使用量が、ブロック共重合体(a)100重量部に対して800重量部を越えると非芳香族系ゴム用軟化剤(b)のブリードが生じ、好ましくない。
非芳香族系ゴム用軟化剤(b)の使用量は、ブロック共重合体(a)100重量部に対し、400重量部から600重量部の範囲内であることが好ましい。
【0017】
また、本発明の粘着性樹脂組成物を構成する粘着付与樹脂(c)としては、従来から粘着性樹脂組成物において粘着付与樹脂として使用されているものを特に制限なく使用することができ、例えば、クマロン・インデン樹脂、p−第三−ブチルフェノール・アセチレン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、テルペン・フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、合成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・脂環族系石油樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂、オレフィンやジオレフィンなどの不飽和炭化水素の重合体、水素添加炭化水素樹脂、脂環族系水添樹脂、ロジンのペンタエリスリトールエステル、ロジンのグリセロールエステル、水素添加ロジン、水素添加ロジンのメチルエステル、水素添加ロジンのトリエチレングリコールエステル、水素添加ロジンのペンタエリストリトールエステル、テレピン系粘着付与剤、水素添加テルペン樹脂などが挙げられるが、水素添加テルペン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、水素添加炭化水素樹脂、脂環族系水添樹脂などが好ましい。
【0018】
粘着付与樹脂(c)の使用量は、ブロック共重合体(a)100重量部に対し、300重量部から1,500重量部の範囲内であることが必要である。粘着付与樹脂(c)の使用量が、ブロック共重合体(a)100重量部に対して300重量部より少ないと、得られる粘着性樹脂組成物の粘着力が十分ではなく、一方、1,500重量部を超えると、ブロック共重合体(a)の割合が相対的に低くなり過ぎ、そのゴム弾性が粘着性樹脂組成物の物性に十分に反映されず、接着力が低下してしまうので好ましくない。
【0019】
本発明の粘着性樹脂組成物を構成する無機粒子(d)としては、真比重が2.5以上であることが必要である。真比重が2.5未満の無機粒子を使用した場合には、得られる粘着性樹脂組成物の比重は小さく、制振材や吸音材としての性能が十分ではない。無機粒子(d)の真比重の上限値は、特に制限されるものではないが、12以下であることが、より均一な組成物を得ることができるので好ましい。無機粒子(d)の真比重は4以上10以下であることがより好ましい。
無機粒子(d)としては、従来公知のものを特に制限なく用いることができ、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉化炭酸カルシウム、クレー(けい酸アルミニウム)、焼成クレー、シラン改質クレー、タルク、シリカ、ウォラストナイト、ゼオライト、けい藻土、けい砂、軽石粉、スレート粉、アルミナ・ホワイト、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、酸化チタン、亜鉛華、鉛白、バライト、亜鉛末、フェライトなどが挙げられるが、これらの中でも硫酸バリウム、重質炭酸カルシウム、フェライトなどが好ましい。
【0020】
無機粒子(d)の形状は、層状、繊維状、針状、粒状、板状などのいずれの形状であってもよい。また無機粒子(d)の粒子径は、特に制限されるものではないが、0.1〜100μmであることが好ましく、0.3〜50μmであることがより好ましい。
無機粒子(d)としては、市販されているものを使用してもよいし、粒子径の大きなものをグラインダー、乳ばち等を用いて適宜粉砕したものを使用してもよい。また、無機粒子(d)は一種類のものを使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。
【0021】
無機粒子(d)の使用量は、ブロック共重合体(a)100重量部に対して800重量部以上であることが必要である。無機粒子(d)の使用量がブロック共重合体(a)100重量部に対して800重量部より少ないと、得られた粘着性樹脂組成物の比重が小さく、制振効果、吸音効果が低くなるので好ましくない。無機粒子(d)の使用量の上限値は、特に制限されるものではないが、混練のしやすさ等の観点から、粘着性樹脂組成物全体における割合として90重量%以下であることが好ましく、85重量%以下であることがより好ましい。
【0022】
さらに、本発明の粘着性樹脂組成物には、発明の主旨を損なわない範囲内で、必要に応じ、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などを配合することができる。
【0023】
さらに、本発明の粘着性樹脂組成物は、その改質を目的として、ガラス繊維、カーボン繊維、熱老化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、発泡剤、顔料、染料、増白剤などを添加することができる。
【0024】
本発明の粘着性樹脂組成物を製造する方法としては、従来から公知の方法が特に制限なく用いられるが、均一な組成物を得るためには、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、オープンロール、ニーダー等の混練機を用いて各成分を混練することが好ましい。また、各構成成分をヘンシェルミキサー、タンブラーのような混合機を用いてあらかじめブレンドし、次いで該混合物を上記の混練機を用いて混練することにより均質な粘着性樹脂組成物を得ることもできる。
【0025】
本発明の粘着性樹脂組成物は、例えば、射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形、カレンダー成形などの従来公知の方法を用いて種々の形状の成形品に加工することができる。中でも、望ましい成形法は、押出成形、カレンダー成形である。
【0026】
本発明の粘着性樹脂組成物は、1.4以上といった大きな比重を有しているので、十分な制振性、吸音性を示す。また、本発明の粘着性樹脂組成物は粘着性にも優れており、かかる特長を生かして、各種の振動、音源部分に容易に貼り付けて利用することができる。具体的には、モーター、スピーカーなどの電機製品のハウジング部分及び配管、住宅の床や壁、自動車のエンジンルーム、室内、床、ボディーパネル、電線被覆、配管被覆、バッキングロール、野球のバットやテニスラケット等のスポーツ用品へ貼り付けて使用する制振材として使用される。また、本発明の粘着性樹脂組成物は、上記の用途の他にも、道路舗装材、防水シートなどの幅広い用途に使用することが出来る。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の参考例において、重合体の数平均分子量はGPC測定によって求めたポリスチレン換算の数平均分子量であり、水添率は1 H−NMR法によって測定したものである。また、DSC(走査型示差熱測定)により、ブロック共重合体の重合体ブロックBに対応する吸熱ピーク曲線の面積を求め、ブロック共重合体の単位重量当りに換算して、重合体ブロックBの結晶融解熱とした。
【0028】
また、以下の実施例および比較例においては、得られた樹脂組成物の物性は次の方法により評価した。
【0029】
(比重)
JIS K−6350に準拠して測定した。
【0030】
(粘着性)
粘着性樹脂組成物をシート状(サイズ:50mm×50mm×1mm)に成形し、得られたシートを人差し指で軽く押さえ、粘着性の有無を評価した。
粘着感がある場合を○、無い場合を×とした。
【0031】
(剪断接着力)
粘着性樹脂組成物をシート状に成形し、得られたシートを50mm×100mm×10mmのサイズの鋼板に圧着し、厚さが圧着前のシートの厚さの1/2になるまで荷重を負荷して圧縮し、そのまま1分間保持した。荷重を解放した後、1時間放置した。引張試験機を用いて、引っ張り速度200mm/分で引張った際の最大応力を、貼り付け面積で除し、剪断接着力を求めた。
【0032】
(耐ブリード性)
粘着性樹脂組成物をシート状に成形し、得られたシートに上質紙を張り合わせ、軟化剤の滲み出しの状態を観察した。滲み出しが無い場合を○、ある場合を×とした。
【0033】
参考例1(ブロック共重合体の製造)
攪拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン70Kg、充分に脱水したスチレン1,500gおよびsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(濃度:10重量%)38gを加え、60℃で60分間重合し、次いでイソプレン7,000gを加えて60分間、さらにスチレン1,500gを加えて60分間重合し、スチレン−イソプレン−スチレン型ブロック共重合体を合成した。このブロック共重合体のシクロヘキサン溶液に、ブロック共重合体に対して1重量%となる量のパラジウム触媒を加え、50kg/cm2 の水素雰囲気下で水素添加を行い、イソプレン部分が選択的に水素添加された、スチレン−イソプレン−スチレン型ブロック共重合体の水素添加物を得た。得られた水素添加物の物性値を表1に示す。以下、参考例1で得られたスチレン−イソプレン−スチレン型ブロック共重合体の水素添加物をブロック共重合体1と略称する。
【0034】
参考例2および3(ブロック共重合体の製造)
参考例1において、sec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(濃度:10重量%)の使用量を57g(参考例2)および114g(参考例3)に代えたこと以外は実施例1と同様にしてスチレン1,500g、イソプレン7,000gおよびスチレン1,500gの重合を行い、次いで得られたブロック共重合体の水素添加を行うことにより、イソプレン部分が選択的に水素添加された、スチレン−イソプレン−スチレン型ブロック共重合体の水素添加物を得た。得られた水素添加物の物性値を表1に示す。以下、参考例2および参考例3で得られたスチレン−イソプレン−スチレン型ブロック共重合体の水素添加物をそれぞれブロック共重合体2およびブロック共重合体3と略称する。
【0035】
参考例4(ブロック共重合体の製造)
参考例1において、イソプレン7000gに代えて、イソプレンとブタジエンの混合物〔イソプレン/ブタジエン=1/1(重量比)〕7,000gを使用したこと以外は、参考例1と同様の操作により、イソプレンとブタジエンの混合物からなる部分が選択的に水素添加された、スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体の水素添加物を得た。得られた水素添加物の物性値を表1に示す。以下、参考例4で得られたスチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体の水素添加物をブロック共重合体4と略称する。
【0036】
参考例5(ブロック共重合体の製造)
参考例1において、イソプレン7000gに代えて、ブタジエン7,000gを使用したこと以外は、参考例1と同様の操作により、ブタジエン部分が選択的に水素添加された、スチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体の水素添加物を得た。得られた水素添加物の物性値を表1に示す。以下、参考例5で得られたスチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体の水素添加物をブロック共重合体5と略称する。
【0037】
【表1】
【0038】
実施例1〜4および比較例1〜4
非芳香族系ゴム用軟化剤として、パラフィン系プロセスオイル〔ダイアナプロセスオイルPW−90(商品名)、出光興産(株)社製〕を、粘着付与樹脂として、水素添加炭化水素樹脂〔エスコレッツ5300(商品名)、トーネックス社製〕を、そして、無機粒子として硫酸バリウム〔B−54(商品名)、堺化学社製、真比重4.4、粒子径1.2μm〕および亜鉛華〔2種(グレード名)、堺化学社製、真比重5.6、粒子径0.5μm〕を使用し、上記の参考例で得られたブロック共重合体1〜5および酸化防止剤〔フェノール系酸化防止剤、イルガノックス1010(商品名)、チバガイギー社製〕と表2に示す配合に従って、容量5リットルのニーダーで混練温度180℃にて1時間混練し、粘着性樹脂組成物を得た。得られた粘着性樹脂組成物を150℃で、プレス成形して所定の形状とした後、前記の方法に従って、比重、粘着性、剪断接着力、耐ブリード性を測定した。結果を表2に併せて示す。
【0039】
【表2】
【0040】
表2から明らかなように、実施例1〜4で得られた粘着性樹脂組成物は、比重、粘着性、接着力、耐ブリード性が良好であったが、比較例1〜4で得られた粘着性樹脂組成物は、比重は良好であったが、実施例のものと比べ、粘着性、接着力、耐ブリード性に劣るものであった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、大きな比重を有するとともに、優れた粘着性を有する粘着性樹脂組成物が提供される。
Claims (1)
- (a)ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを2個以上、およびオレフィン性重合体からなり、結晶融解熱が8cal/g以下である重合体ブロックBを1個以上有し、ビニル芳香族化合物の含有率が5〜50重量%の範囲にあり、数平均分子量が100,000以上であるブロック共重合体100重量部、
(b)非芳香族系ゴム用軟化剤300〜800重量部、
(c)粘着付与樹脂300〜1,500重量部、および
(d)真比重が2.5以上である無機粒子800重量部以上
からなる粘着性樹脂組成物。
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