JP2000281314A - 塩素の製造方法 - Google Patents

塩素の製造方法

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JP2000281314A
JP2000281314A JP11026493A JP2649399A JP2000281314A JP 2000281314 A JP2000281314 A JP 2000281314A JP 11026493 A JP11026493 A JP 11026493A JP 2649399 A JP2649399 A JP 2649399A JP 2000281314 A JP2000281314 A JP 2000281314A
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卓男 日比
Hiroaki Abekawa
弘明 阿部川
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航平 関
Tatsuya Suzuki
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Tetsuya Suzuta
哲也 鈴田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 塩化水素を酸化して塩素を製造する方法であ
って、活性の高い触媒を使用し、より少量の触媒でより
低い反応温度で塩素を製造可能な塩素の製造方法を提供
する。 【解決手段】 ルテニウム化合物を担体に担持し、これ
を液相で還元処理する工程を含み、次に酸化して得られ
る担持酸化ルテニウムであって、担体の単位重量当り、
OH基量を0.1×10-4〜30×10-4(mol/g
−担体)含有する酸化チタンを担体に使用した担持酸化
ルテニウム触媒を使用することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素の製造方法に
関する。更に詳しくは、本発明は、塩化水素を酸化して
塩素を製造する方法であって、活性の高い触媒を使用
し、より少量の触媒でより低い反応温度で塩素を製造で
きるという特徴を有する塩素の製造方法に関する。上記
の発明は、塩化水素を酸化して塩素を製造する方法に関
するものであるが、更に、その際に伝熱性の良い触媒系
を使用して触媒層からの反応熱の除熱を容易にすること
によって反応温度の制御を容易にすることができ、その
触媒系は固相の熱伝導度の高い化合物を含有させること
によって形成させることができるが、更に、工業的に充
分な反応速度を得るために、触媒系充填層全体を十分な
温度に保つことによって高い反応転化率を得ることがで
きる。
【0002】
【従来の技術】塩素は塩化ビニル、ホスゲンなどの原料
として有用であり、塩化水素の酸化によって得られるこ
ともよく知られている。たとえば、Cu系触媒を用いた
Deacon反応がよく知られている。また、たとえ
ば、英国特許第1,046,313号公報には、ルテニ
ウム化合物を含む触媒を用いて塩化水素を酸化する方法
が記載されていて、更に、ルテニウム化合物の中でも、
特に塩化ルテニウム(III)が有効であるとも記載され
ている。また、ルテニウム化合物を担体に担持して用い
る方法も記載されており、担体として、シリカゲル、ア
ルミナ、軽石、セラミック材料が例示されている。そし
て、実施例として、シリカに担持した塩化ルテニウム触
媒があげられている。しかしながら、該特許公報で述べ
られているシリカ担持塩化ルテニウム(III)触媒の調
製法を追試して調製した触媒を用いて、実験を行ったと
ころ、触媒成分であるルテニウム化合物の揮散が激し
く、工業的な使用には不都合であることがわかった。ま
た、たとえば、ヨーロッパ特許EP0184413A2
号公報には、酸化クロム触媒を用いて塩化水素を酸化す
る方法が記載されている。しかしながら、従来知られて
いる方法では触媒の活性が不十分で、高い反応温度が必
要となるという問題があった。
【0003】触媒の活性が低い場合にはより高い反応温
度が要求されるが、塩化水素を酸素によって酸化して塩
素を製造する反応は平衡反応であり、反応温度が高い場
合、平衡的に不利となり、塩化水素の平衡転化率が下が
る。よって、触媒が高活性であれば、反応温度を下げる
ことができるので、反応は平衡的に有利になり、より高
い塩化水素の転化率を得ることができる。また、反応温
度が高い場合は、触媒成分の揮散による活性低下を招く
恐れもあり、この点からも高活性で、低温で使用できる
触媒の開発が望まれていた。
【0004】工業的には触媒の活性が高いことと、触媒
に含有される単位ルテニウム重量あたりの活性が高いこ
との両方が要求される。触媒に含有される単位ルテニウ
ム重量あたりの活性が高いことによって、触媒に含有さ
れるルテニウムの量を少なくできるのでコスト的には有
利になる。活性の高い触媒を用い、より低温で反応を行
うことによって平衡的により有利な反応条件を選ぶこと
ができる。また、触媒の安定性の面でもより低温で反応
を行うことが好ましい。
【0005】塩化水素の酸化反応に用いられる触媒とし
ては、たとえば、塩化ルテニウムを担体に担持して乾燥
した後、水素気流中で加熱して担持金属ルテニウム触媒
を調製し、これを空気中で酸化して調製した、担持酸化
ルテニウム触媒があげられるが、塩化ルテニウムを水素
で還元した場合は、ルテニウムのシンタリングが生じ触
媒の活性が低下するという問題があった。触媒調製過程
でルテニウムがシンタリングを起こさずに担体上で担持
された酸化ルテニウムとなる調製方法が望ましいが、第
一には、水素によって高温で還元する方法ではなく、塩
基性化合物と還元性化合物の混合物又はアルカリと還元
性化合物の混合物などでルテニウム化合物を処理した後
に酸化してシンタリングを防止しながら担体上で酸化ル
テニウムにする方法が望まれていた。第二には、ルテニ
ウム化合物を完全に還元して酸化数0価にするのではな
く、酸化数1価以上4価未満の状態を経由した後に酸化
してシンタリングを防止しながら担体上で酸化ルテニウ
ムにする方法が望まれていた。第三には、ルテニウム化
合物を担体に担持した後に還元し、担持金属ルテニウム
触媒を調製し、これを酸化して、担持酸化ルテニウム触
媒を調製して、塩化水素の酸化反応に用いる場合、分散
度の高い担持金属ルテニウム触媒を調製して、高活性な
塩化水素酸化触媒を得る触媒調製方法の開発が望まれて
いた。次に、従来はアナターゼ結晶系又は非晶質の酸化
チタンを担体に使用した担持酸化ルテニウム触媒が、塩
化水素の酸化に高活性であったが、更に活性の高い触媒
の開発が望まれていた。
【0006】また、従来は担体の酸化チタンの表面OH
基含量が多すぎるものや少なすぎる担体では、活性の高
い触媒が得られなかったと共に、中には触媒活性の低下
が生じるという問題があった。更に、従来知られている
触媒を用い、より速い反応速度で、塩化水素の酸化反応
を行うと、発熱速度が大きいため発生した熱が十分除去
できず触媒層の温度が局所的に上昇して、反応温度の制
御が容易でないという問題があった。また、これらの触
媒を用いて反応を行うと、触媒層内に大きな温度分布が
生じる。高い触媒活性を得るためには触媒層の最高温度
を過度に上昇させなければならないが、触媒の上限温度
を超えることはできないので、全体を工業的に充分な反
応速度が得られる温度に保てないために、反応転化率が
低くなるといった問題があった。反応で発生した熱の除
去速度を大きくする方法としては、たとえば、触媒層容
積あたりの外部の冷却流体と接触する伝熱面積を大きく
する方法が知られている。しかし、伝熱面積を大きくす
ると反応器の価格が増大するという問題が生じる。一
方、触媒層を外部から冷却して熱を除去する際、熱は触
媒層から伝熱面を通って外部の冷却流体へと伝わるが、
触媒系の伝熱性を向上させると除熱速度が増大すること
が知られている。そこで反応温度の制御の困難さを回避
するため除熱速度を大きくできる伝熱性の良い触媒系の
開発が望まれていた。また、一般に、触媒活性成分の担
持された担体と不活性な成分が混合された場合には、た
とえば、1/2混合された場合には、体積あるいは重量
当りの活性は1/2になると広く考えられている。そこ
で、既に述べた様に伝熱性の良い触媒系の開発が望ま
れ、かつ体積あるいは重量当りの触媒活性が下がらない
活性の高い触媒系の開発が更に望まれている。また、一
般的に担持触媒は30〜200オングストロームの細孔
を有する担体に担持して調製されるために、反応の律速
が触媒細孔内拡散律速となるので、触媒の活性向上は難
しいことが知られている。そこで、触媒粒子の内部が使
われるようなマクロ細孔を有する触媒の開発が望まれて
いた。また、その結果、反応は触媒粒子の外表面近傍で
進行するので、触媒担体の外表面に担持された酸化ルテ
ニウムは反応に使われるが、触媒粒子の内部に担持され
た酸化ルテニウムは反応に使われないと考えられる。そ
こで、触媒の外表面に酸化ルテニウムを担持した触媒の
開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩化水素を
酸素によって酸化して塩素を製造する方法であって、活
性の高い触媒を使用し、より少量の触媒でより低い反応
温度で塩素を製造可能とする塩素の製造方法を提供する
点に存する。上記の発明は、塩化水素を酸化して塩素を
製造する方法に関するものであるが、更には以下の方法
を提供するものを含むものである。すなわち、伝熱性の
良い触媒系を使用して触媒層からの反応熱の除熱を容易
にすることによって反応温度の制御を容易にすることが
でき、その触媒系は固相の熱伝導度の高い化合物を含有
させることによって形成させることができるが、更に、
工業的に充分な反応速度を得るために、触媒系充填層全
体を十分な温度に保つことによって高い反応転化率を得
ることができる。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、塩
化水素を酸素によって酸化して塩素を製造する方法であ
って、次の(1)から(9)の中から選ばれるいずれか
1つの触媒を用いる塩素の製造方法に係るものである。 (1)ルテニウム化合物を担体に担持し、これを塩基性
化合物で処理する工程及び還元性化合物で処理する工程
を含み、次に酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒 (2)ルテニウム化合物を担体に担持し、これを還元剤
で処理する工程を含み、一旦酸化数1価以上4価未満の
ルテニウムとした後、酸化して得られる担持酸化ルテニ
ウム触媒 (3)ルテニウム化合物を担体に担持し、これを還元性
水素化化合物で還元し、次に酸化して得られる担持酸化
ルテニウム触媒 (4)ルチル結晶系の酸化チタンを含有する酸化チタン
を担体に使用した担持酸化ルテニウム触媒 (5)ルテニウム化合物を担体に担持し、これを液相で
還元処理する工程を含み、次に酸化して得られる担持酸
化ルテニウムであって、担体の単位重量当り、OH基量
を0.1×10-4〜30×10-4(mol/g−担体)
含有する酸化チタンを担体に使用した担持酸化ルテニウ
ム触媒 (6)触媒系が、少なくとも下記の(A)及び(B)を
含有し、該触媒系における(B)の含有量が10重量%
以上である触媒系 (A):触媒活性成分 (B):200〜500℃の範囲の少なくとも一点にお
いて測定される固相の熱伝導度が4W/m・℃以上であ
る化合物成分 (7)細孔半径が0.03マイクロメートルから8マイ
クロメートルのマクロ細孔である細孔を有する担持酸化
ルテニウム触媒 (8)担体の外表面に酸化ルテニウムを担持した外表面
担持触媒 (9)担体に酸化クロムを用いた担持ルテニウム触媒
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において使用される担持酸
化ルテニウム触媒(1)とは、ルテニウム化合物を担体
に担持し、これを塩基性化合物で処理する工程及び還元
性化合物で処理する工程を含み、次に酸化して得られる
担持酸化ルテニウム触媒である。一般的に工業的には、
担体に担持した形で使用される。
【0010】本発明において使用される担持酸化ルテニ
ウム触媒(2)とは、触媒として、ルテニウム化合物を
担体に担持し、これを還元剤で処理する工程を含み、一
旦酸化数1価以上4価未満のルテニウムとした後、酸化
して調製した担持酸化ルテニウム触媒である。
【0011】塩化水素の酸化反応に使用する担持酸化ル
テニウム触媒の調製法は種々あげられる。たとえば、塩
化ルテニウムを担体に担持してアルカリによって加水分
解した後、空気焼成して酸化数4価の酸化ルテニウムを
担体に担持した触媒を調製することもできるし、塩化ル
テニウムを担体に担持した後に種々の還元剤で還元して
0価のルテニウムとした後に空気焼成して酸化数4価の
酸化ルテニウムの担体された触媒を調製することもでき
る。また、たとえば、塩化ルテニウムを担体に担持した
後に、種々の還元性化合物と塩基性化合物の混合溶液で
処理するか、還元性化合物のアルカリ水溶液で処理する
か、種々の還元剤で処理するかして一旦酸化数1価以上
4価未満のルテニウム化合物とした後に空気焼成して酸
化数4価の酸化ルテニウムを担持した担持酸化ルテニウ
ムとする調製例もあげられるが、この調製方法で調製さ
れた触媒が塩化水素の酸化反応に最も活性な調製例とし
てあげられる。担体に担持されたルテニウム化合物を酸
化数1価以上4価未満とする方法は種々あげられるが、
還元性化合物と塩基性化合物の混合溶液で処理する方
法、還元性化合物のアルカリ水溶液で処理する方法、有
機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物、有機カリウ
ム化合物で処理する方法、有機アルミニウム化合物で処
理する方法、有機マグネシウム化合物で処理する方法、
水素で処理する方法など種々の方法があげられる。これ
らの還元剤を用いる場合、過剰に用いるとルテニウム化
合物は0価まで還元されてしまうので、適当な使用量を
用いる必要がある。
【0012】担持されたルテニウムの酸化数を測定する
方法としては種々あげられるが、たとえば、還元剤とし
てヒドラジンを用いる場合は、主として窒素が発生する
ので、窒素の発生量よりルテニウムの価数を決めること
ができる。以下に反応式を示す。 4RuCl3+3N24+12OH-→4Ru0+12Cl-+12H2O+3N2 (1) あるいは 4RuCl3+3N24→4Ru0+12Cl-+12H+
+3N2
【0013】また、たとえば、アルカリ水溶液条件下で
ルテニウム化合物をヒドラジンで還元すると、ルテニウ
ムの水酸化物が生成するので、真空中で脱水した後に元
素分析し、ルテニウムとルテニウムに結合している酸素
や塩素などの比率を測定することにより、ルテニウムの
酸化数を決定することもできる。ルテニウム化合物とし
て、塩化ルテニウムを使用した場合には、ルテニウムの
水酸化物及びその塩化物が生成するので、真空中で脱水
した後に元素分析し、ルテニウムに対する酸素と塩素の
比率を測定することにより、ルテニウムの酸化数を決定
することもできる。ここでは(1)式を用いて発生した
窒素量よりルテニウムの酸化数を決定した。
【0014】以下に、触媒(1)と(2)に共通する部
分について説明する。担体としては、酸化チタン、アル
ミナ、酸化ジルコニウム、シリカ、チタン複合酸化物、
ジルコニウム複合酸化物、アルミニウム複合酸化物、珪
素複合酸化物などの元素の酸化物、及び複合酸化物があ
げられ、好ましい担体は、酸化チタン、アルミナ、酸化
ジルコニウム、シリカで、更に好ましい担体は、酸化チ
タンである。
【0015】担体に担持するルテニウム化合物として
は、RuCl3、RuCl3水和物などのルテニウム塩化
物、K3RuCl6、〔RuCl63-、K2RuCl6
どのクロロルテニウム酸塩、〔RuCl5(H2O)4
2-、〔RuCl2(H2O)4+などのクロロルテニウム
酸塩水和物、K2RuO4などのルテニウム酸の塩、Ru
2OCl4、Ru2OCl5、Ru2OCl6などのルテニウ
ムオキシ塩化物、K2Ru2OCl10、Cs2Ru2OCl
4などのルテニウムオキシ塩化物の塩、〔Ru(NH3
62+、〔Ru(NH363+、〔Ru(NH35
2O〕2+などのルテニウムアンミン錯体、〔Ru(N
35Cl〕2+、〔Ru(NH36〕Cl2、〔Ru
(NH36〕Cl3、〔Ru(NH36〕Br3などのル
テニウムアンミン錯体の塩化物、臭化物、RuBr3
RuBr3水和物などのルテニウム臭化物、その他のル
テニウム有機アミン錯体、ルテニウムアセチルアセトナ
ート錯体、Ru(CO)5、Ru3(CO)12などのルテ
ニウムカルボニル錯体、[Ru3O(OCOCH3
6(H2O)3] OCOCH3水和物、Ru2(RCOO)
4Cl(R=炭素数1−3のアルキル基)などのルテニ
ウム有機酸塩、K2〔RuCl5NO)〕、〔Ru(NH
35(NO)〕Cl3、〔Ru(OH)(NH34(N
O)〕(NO32、 Ru(NO)(NO33などのル
テニウムニトロシル錯体、ルテニウムホスフィン錯体な
どの化合物などがあげられる。好ましいルテニウム化合
物としては、 RuCl3、RuCl3水和物などのルテ
ニウム塩化物、 RuBr3、RuBr3水和物などのル
テニウム臭化物などハロゲン化ルテニウム化合物があげ
られる。更に好ましくは、塩化ルテニウム水和物があげ
られる。
【0016】担体にルテニウム化合物を担持する方法と
しては、含浸法、平衡吸着法などがあげられる。
【0017】担体に担持したルテニウム化合物を処理す
る還元性化合物としてはヒドラジン、メタノール、エタ
ノール、ホルムアルデヒド、ヒドロキシルアミン又はぎ
酸があげられる。又は、ヒドラジン、メタノール、エタノ
ール、ホルムアルデヒド、ヒドロキシルアミン又はぎ酸
の水溶液又はアルコールなどの有機溶媒の溶液があげら
れるが、好ましくは、ヒドラジン、メタノール、エタノー
ル、ホルムアルデヒド及びヒドラジン、メタノール、エタ
ノール、ホルムアルデヒドの溶液があげられ、更に好ま
しくは、ヒドラジン及びヒドラジンの溶液があげられ
る。また、担体に担持したルテニウム化合物を処理する
還元性化合物としては酸化還元電位が−0.8〜0.5
Vの化合物もあげられ、その水溶液やアルコールなどの
有機溶媒の溶液もあげられる。ここでは酸化還元電位の
代りに標準電極電位を代用する。上記に例示した化合物
のうち、標準電極電位を示すとヒドラジンは、−0.2
3V、ホルムアルデヒドは、0.056V、ぎ酸は、−
0.199Vである。また、還元性化合物のアルカリ水
溶液を用いるのも好ましい方法である。
【0018】また、触媒(1)にあげられる塩基性化合
物としてはアンモニア及びアルキルアミン、ピリジン、
アニリン、トリメチルアミン、ヒドロキシルアミンなど
のアミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどのアルカリ金属炭酸
塩、四級アンモニウム塩のヒドロキシドなどがあげられ
る。また、触媒(2)にあげられる塩基性化合物として
はアンモニア及びアルキルアミン、ピリジン、アニリ
ン、トリメチルアミン、ヒドロキシルアミンなどのアミ
ン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸リチウムなどのアルカリ金属炭酸塩、四
級アンモニウム塩のヒドロキシド、トリエチルアルミニ
ウムなどのアルキルアルミニウムなどがあげられる。
【0019】担体に担持したルテニウム化合物を還元性
化合物で処理する方法としては、ルテニウム化合物を担
体に担持した後に乾燥し、還元性化合物、又は、還元性
化合物の溶液に浸漬したり、還元性化合物、又は、還元
性化合物の溶液を含浸したりする方法があげられる。ま
た、還元性化合物のアルカリ水溶液に浸漬するのも好ま
しい方法である。
【0020】還元性化合物又は還元性化合物のアルカリ
水溶液で処理した後にアルカリ金属塩化物を添加する方
法も好ましい方法である。
【0021】次いで、酸化する方法としては、空気中で
焼成する方法が例としてあげられる。
【0022】酸化ルテニウムと担体の重量比は、好まし
くは、0.1/99.9〜20.0/80.0であり、
より好ましくは、0.5/99.5〜15.0/85.
0であり、更により好ましくは1.0/99.0〜1
5.0/85.0である。酸化ルテニウムの比率が低す
ぎると活性が低くなる場合があり、酸化ルテニウムの比
率が高すぎると触媒の価格が高くなる場合がある。担持
する酸化ルテニウムとしては二酸化ルテニウム、水酸化
ルテニウム、などが例としてあげられる。
【0023】本発明に使用する担持酸化ルテニウム触媒
を調製する具体例として、以下の工程を含む調製方法を
あげることができる。 ルテニウム化合物担持工程:ルテニウム化合物を触媒担
体に担持する工程 アルカリ処理工程:ルテニウム化合物担持工程で得たも
のにアルカリを添加する工程 還元性化合物処理工程:アルカリ処理工程で得たものを
還元性化合物で処理する工程 酸化工程:還元性化合物処理工程で得たものを酸化する
工程 以上の工程でアルカリ処理工程と還元性化合物処理工程
を同時に行うために還元性化合物のアルカリ水溶液を用
いるのも好ましい方法である。
【0024】また、本発明に使用する担持酸化ルテニウ
ム触媒を調製する好ましい具体例として、以下の工程を
含む調製方法をあげることができる。 ハロゲン化ルテニウム化合物担持工程:ハロゲン化ルテ
ニウムを触媒担体に担持する工程 アルカリ処理工程:ルテニウム化合物担持工程で得たも
のにアルカリを添加する工程 還元性化合物処理工程:アルカリ処理工程で得たものを
ヒドラジン、メタノール、エタノール又はホルムアルデ
ヒドで処理する工程 酸化工程:還元性化合物処理工程で得たものを酸化する
工程 以上の工程でアルカリ処理工程と還元性化合物処理工程
を同時に行うために還元性化合物のアルカリ水溶液を用
いるのも好ましい方法である。
【0025】また、本発明に使用する担持酸化ルテニウ
ム触媒を調製するより好ましい具体例として、以下の工
程を含む調製法をあげることができる。 ハロゲン化ルテニウム担持工程:ハロゲン化ルテニウム
を触媒担体に担持する工程 アルカリ処理工程:ハロゲン化ルテニウム担持工程で得
たものにアルカリを添加する工程 ヒドラジン処理工程:アルカリ処理工程で得たものをヒ
ドラジンで処理する工程 酸化工程:ヒドラジン処理工程で得たものを酸化する工
程 以上の工程でアルカリ処理工程とヒドラジン処理工程を
同時に行うためにヒドラジンのアルカリ水溶液を用いる
のも好ましい方法である。
【0026】また、本発明に使用する担持酸化ルテニウ
ム触媒を調製する一層好ましい具体例として、以下の工
程を含む調製法をあげることができる。 ハロゲン化ルテニウム担持工程:ハロゲン化ルテニウム
を触媒担体に担持する工程 アルカリ処理工程:ハロゲン化ルテニウム担持工程で得
たものにアルカリを添加する工程 ヒドラジン処理工程:アルカリ処理工程で得たものをヒ
ドラジンで処理する工程 アルカリ金属塩化物添加工程:ヒドラジン処理工程で得
たものにアルカリ金属塩化物を添加する工程 酸化工程:アルカリ金属塩化物添加工程で得たものを酸
化する工程 以上の工程でアルカリ処理工程とヒドラジン処理工程を
同時に行うためにヒドラジンのアルカリ水溶液を用いる
のも好ましい方法である。
【0027】ハロゲン化ルテニウム担持工程は、ハロゲ
ン化ルテニウムを触媒担体に担持する工程である。担体
に担持するルテニウム化合物としては、既に例示した種
々のルテニウム化合物があげられるが、その中でも、R
uCl3、RuCl3水和物などのルテニウム塩化物、
RuBr3、RuBr3水和物などのルテニウム臭化物な
どルテニウムのハロゲン化物が好ましい例としてあげら
れる。好ましいハロゲン化ルテニウムとしては、 Ru
Cl3、RuCl3水和物などのルテニウム塩化物、 R
uBr3、RuBr3水和物などのルテニウム臭化物があ
げられる。更に好ましくは、塩化ルテニウム水和物があ
げられる。
【0028】ハロゲン化ルテニウム担持工程で使用され
るハロゲン化ルテニウムの量は、好ましい酸化ルテニウ
ムと担体の重量比に対応する量が通常使用される。すな
わち、既に例示した触媒担体に、ハロゲン化ルテニウム
の溶液を含浸させる、平衡吸着させるなどの方法で担持
する。溶媒としては水やアルコールなどの有機溶媒が使
用されるが、好ましくは水があげられる。次に含浸した
ものを乾燥することもできるし、乾燥せずにアルカリ処
理するすることもできるが、乾燥する方法が好ましい例
としてあげられる。含浸したものを乾燥する条件とし
て、好ましくは50〜200℃であり、好ましくは1〜
10時間である。
【0029】アルカリ処理工程はハロゲン化ルテニウム
担持工程で得たものにアルカリを添加する工程である。
アルカリ処理工程で使用されるアルカリはアルカリ金属
の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、及びアンモニア、炭
酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどの水溶液、
アルコールなどの有機溶媒の溶液などがあげられる。ア
ルカリとしては、好ましくはアルカリ金属の水酸化物、
炭酸塩、炭酸水素塩、が用いられる。溶媒としては水が
好ましく用いられる。アルカリの濃度は用いるアルカリ
によって異なるが、好ましくは0.1〜10mol/l
があげられる。
【0030】ハロゲン化ルテニウムとアルカリのモル比
はハロゲン化ルテニウム1モルに対してたとえば水酸化
ナトリウムであれば3モルが当量であるが、好ましくは
ハロゲン化ルテニウムの0.1〜20倍当量のアルカリ
が使用される。アルカリを添加する方法としては、アル
カリの溶液に含浸する、アルカリの溶液に浸漬するなど
の方法がある。アルカリの溶液に含浸する時間は通常6
0分以内であるが、含浸する時間が長いと触媒の活性が
低下するので、好ましくは、10分以内があげられる。
温度は好ましくは0〜100℃が用いられるが、より好
ましくは10〜60℃があげられる。
【0031】ヒドラジン処理工程はアルカリ処理工程で
得たものをヒドラジンで処理する工程である。ヒドラジ
ンで処理する方法としては、ヒドラジンの溶液に含浸す
る、ヒドラジンの溶液に浸漬するなどの方法がある。前
工程でアルカリ処理を行った担持ハロゲン化ルテニウム
とアルカリ溶液は混合された状態で、ヒドラジン溶液に
加えられてもかまわないし、アルカリ溶液を濾別してか
らヒドラジン溶液に加えてもかまわない。担持ハロゲン
化ルテニウムにアルカリを含浸した後、直ちにヒドラジ
ン溶液に加える方法が好ましい方法としてあげられる。
ヒドラジン処理工程で使用されるヒドラジンの濃度は、
好ましくは0.1mol/l以上があげられるが、ヒド
ラジン一水和物などのヒドラジン水和物をそのまま用い
てもよい。あるいはアルコールなどの有機溶媒の溶液と
して使用される。好ましくは、ヒドラジン水溶液あるい
はヒドラジン水和物が用いられる。ヒドラジンは無水物
も一水和物も使用できる。ハロゲン化ルテニウムとヒド
ラジンのモル比は、好ましくはハロゲン化ルテニウムの
0.1〜20倍モルが使用される。ヒドラジンの溶液に
浸漬する時間は好ましくは5分〜5時間があげられる
が、より好ましくは、10分〜2時間があげられる。温
度は、好ましくは0〜100℃があげられるが、より好
ましくは、10〜60℃があげられる。ヒドラジン溶液
に浸漬した後に好ましくは、処理した固体は溶液と濾別
される。
【0032】以上の工程でアルカリ処理工程とヒドラジ
ン処理工程を同時に行うためにヒドラジンのアルカリ水
溶液を用いるのも好ましい方法である。方法としては、
好ましいアルカリの使用量と好ましいヒドラジンの使用
量を水溶液の形で混合したものに、ハロゲン化ルテニウ
ム担持工程で得られたものを徐々に加えて、5分〜5時
間処理する方法が好ましい方法としてあげられる。
【0033】より好ましい方法としては、アルカリ処理
工程及びヒドラジン処理工程で製造した固体を洗浄して
アルカリ及びヒドラジンを除去し、乾燥して、次のアル
カリ金属塩化物添加工程でアルカリ金属塩化物を添加し
た後、乾燥し、酸化する方法があげられる。
【0034】更に好ましい方法としては、アルカリ処理
工程及びヒドラジン処理工程で製造した固体を、アルカ
リ金属塩化物の水溶液で洗浄した後、乾燥し、酸化する
方法があげられる。この方法は、アルカリ及びヒドラジ
ンの除去とアルカリ金属塩化物の添加を同じ工程で行え
るため好ましい。
【0035】アルカリ金属塩化物添加工程はアルカリ処
理工程及びヒドラジン処理工程で得たものにアルカリ金
属塩化物を添加する工程である。この工程は、担持酸化
ルテニウム触媒を調製する上で必須の工程ではないが、
該工程を行うことによって触媒の活性が一層向上する。
すなわち、次の酸化工程で得られた固体を酸化するが、
その際に、アルカリ金属塩の存在下、アルカリ処理工程
及びヒドラジン処理した固体を酸化することにより高活
性な担持酸化ルテニウムに変換することが好ましい調製
例である。
【0036】アルカリ金属塩化物としては、塩化カリウ
ム、塩化ナトリウムなどのアルカリ金属の塩化物をあげ
ることができ、好ましくは塩化カリウム、塩化ナトリウ
ム、更に好ましくは塩化カリウムである。ここで、アル
カリ金属塩/ルテニウムのモル比は、0.01〜10が
好ましく、0.1〜5.0が更に好ましい。アルカリ金
属塩の使用量が過少であると十分な高活性触媒が得られ
ず、一方アルカリ金属塩の使用量が過多であると工業的
にコスト高を招く。
【0037】アルカリ金属塩化物の添加方法としては、
洗浄、乾燥されたアルカリ処理及びヒドラジン処理ルテ
ニウム担持物にアルカリ金属塩化物の水溶液を含浸する
方法があげられるが、アルカリ処理及びヒドラジン処理
されたルテニウム担持物を水で洗浄しないで、アルカリ
金属塩化物水溶液で洗浄して含浸する方法が更に好まし
い方法としてあげられる。
【0038】得られた固体の洗浄の際にpHを調整する
目的でアルカリ金属塩化物の水溶液に塩酸を添加するこ
ともできる。アルカリ金属塩化物の水溶液の濃度は好ま
しくは0.01〜10mol/lがあげられるが、より
好ましくは、0.1〜5mol/lがあげられる。
【0039】洗浄の目的はアルカリ及びヒドラジンを除
去することであるが、本発明の効果を損ねない範囲でア
ルカリ及びヒドラジンを残存させることもできる。
【0040】アルカリ金属塩化物を含浸した後、得られ
た固体は通常乾燥される。乾燥条件は、好ましくは50
〜200℃であり、好ましくは1〜10時間である。
【0041】酸化工程はアルカリ処理工程及びヒドラジ
ン処理工程で得られたものを酸化する工程(アルカリ金
属塩化物添加工程を用いない場合)であるか、又はアル
カリ金属塩化物添加工程で得たものを酸化する工程(ア
ルカリ金属塩化物添加工程を用いた場合)である。酸化
工程としては空気中で焼成する方法をあげることができ
る。酸素を含有する気体中で、アルカリ金属塩の存在
下、アルカリ処理及びヒドラジン処理したものを焼成す
ることにより高活性な担持酸化ルテニウムに酸化するこ
とが好ましい調製例である。酸素を含有する気体として
は、通常は空気があげられる。
【0042】焼成温度は、好ましくは100〜600℃
であり、より好ましくは280〜450℃である。焼成
温度が低すぎるとアルカリ処理及びヒドラジン処理によ
り生成した粒子が酸化ルテニウム前駆体のまま多く残存
し、触媒活性が不十分となる場合がある。また、焼成温
度が高すぎると酸化ルテニウム粒子の凝集が起こり、触
媒活性が低下する。焼成時間は、好ましくは30分〜1
0時間である。
【0043】この場合、アルカリ金属塩の存在下に焼成
することが重要である。この方法により、より細かい粒
子の酸化ルテニウムを生成し、アルカリ金属塩の実質的
な非存在下に焼成するのに比べて、より高い触媒活性を
得ることができる。
【0044】焼成により、担体に担持されたアルカリ処
理及びヒドラジン処理により生成した粒子は担持酸化ル
テニウム触媒に変換される。アルカリ処理及びヒドラジ
ン処理により生成した粒子が酸化ルテニウムに変換され
たことはX線回折やXPS(X線光電子分光)などの分
析により確認することができる。なお、アルカリ処理及
びヒドラジン処理により生成した粒子は、その実質上の
全量が酸化ルテニウムに変換されていることが好ましい
が、本発明の効果を損ねない範囲で、アルカリ処理及び
ヒドラジン処理により生成した粒子が残留していること
も許容され得る。
【0045】アルカリ処理及びヒドラジン処理をしたも
のを酸化処理をした後に、残存しているアルカリ金属塩
化物を水洗、乾燥する方法が好ましい調製方法である。
焼成時に含有されているアルカリ金属塩化物は水で十分
洗浄されることが好ましい。洗浄後のアルカリ金属塩化
物の残存量を測定する方法としては濾液に硝酸銀水溶液
を加えて白濁の有無を調べる方法がある。しかし本触媒
の触媒活性を損ねない範囲でアルカリ金属塩化物が残存
していてもかまわない。
【0046】洗浄した固体は次に乾燥することが好まし
い調製方法である。乾燥する条件は好ましくは50〜2
00℃であり、好ましくは1〜10時間である。
【0047】以上の工程で製造された担持酸化ルテニウ
ム触媒は高活性であり、塩化ルテニウムを水素で還元し
たものを酸化して調製した触媒よりも高活性であった。
また、従来の塩化ルテニウムをヒドラジン処理し、酸化
処理した触媒よりも、アルカリ前処理してヒドラジン処
理するか、あるいはアルカリ処理及びヒドラジン処理を
同時に行った後に、酸化処理した触媒の方が高活性であ
った。
【0048】本発明の触媒(3)において用いられる、
担体に担持したルテニウム化合物を還元性水素化化合物
で還元し、次に酸化して調製した担持酸化ルテニウム触
媒とは、酸化ルテニウムが担体に担持された担持酸化ル
テニウム触媒を含有する触媒である。一般的に工業的に
は、担体に担持した形で使用される。担体としては、本
発明の触媒(1)及び(2)において用いられる担体と
同じものが使用される。酸化ルテニウムと担体の重量比
は、本発明の触媒(1)及び(2)における比率と同じ
比率が使用される。担体に担持するルテニウム化合物と
しては本発明の触媒(1)及び(2)において用いられ
るルテニウム化合物が使用される。担体にルテニウム化
合物を担持する方法としては、含浸法、平衡吸着法など
があげられる。
【0049】担体に担持したルテニウム化合物を還元す
る還元性水素化化合物としては、NaBH4、Na22
6、Na2410、Na259、LiBH4、 K22
6、K3410、K259、Al(BH43などの水
素化ホウ素化合物、LiB〔CH(CH3)C25
3H、LiB(C253H、KB〔CH(CH3)C2
53H、KB〔CH(CH3)CH(CH323H、な
どの水素化ホウ素有機金属化合物、LiAlH、Na
H、LiH、KHなどの金属水素化物、〔(CH32
HCH22AlHなどの有機金属水素化物などがあげら
れる。好ましい還元剤としてはNaBH4、Na2
26、Na2410、Na259、LiBH4、 K2
26、K3410、K259などのアルカリ金属水素
化ホウ素化合物があげられる。更に好ましくはNaBH
4があげられる。
【0050】本発明の触媒(3)に用いる担持酸化ルテ
ニウム触媒を調製する好ましい例として、以下の工程を
含む調製法をあげることができる。 ルテニウム化合物担持工程:ルテニウム化合物を触媒担
体に担持する工程 還元工程:ルテニウム化合物担持工程で得たものを還元
性水素化化合物で還元する工程 酸化工程:還元工程で得たものを酸化する工程 あるいは、 ルテニウム化合物担持工程:ルテニウム化合物を触媒担
体に担持する工程 還元工程:ルテニウム化合物担持工程で得たものを還元
性水素化化合物で還元する工程 アルカリ金属塩化物添加工程:還元工程で得たものにア
ルカリ金属塩化物を添加する工程 酸化工程:アルカリ金属塩化物添加工程で得たものを酸
化する工程
【0051】発明の触媒(3)に用いる担持酸化ルテニ
ウム触媒を調製するより好ましい例として、以下の工程
を含む調製法をあげることができる。 ハロゲン化ルテニウム担持工程:ハロゲン化ルテニウム
を触媒担体に担持する工程 還元工程:ハロゲン化ルテニウム担持工程で得たものを
アルカリ金属水素化ホウ素化合物で還元する工程 酸化工程:還元工程で得たものを酸化する工程 あるいは、 ハロゲン化ルテニウム担持工程:ハロゲン化ルテニウム
を触媒担体に担持する工程 還元工程:ハロゲン化ルテニウム担持工程で得たものを
アルカリ金属水素化ホウ素化合物で還元する工程 アルカリ金属塩化物添加工程:還元工程で得たものにア
ルカリ金属塩化物を添加する工程 酸化工程:アルカリ金属塩化物添加工程で得たものを酸
化する工程
【0052】発明の触媒(3)に用いる担持酸化ルテニ
ウム触媒を調製するより一層好ましい例として、以下の
工程を含む調製法をあげることができる。 塩化ルテニウム担持工程:塩化ルテニウムを触媒担体に
担持する工程 還元工程:塩化ルテニウム担持工程で得たものを水素化
ホウ素ナトリウムで還元する工程 酸化工程:還元工程で得たものを酸化する工程 あるいは、 塩化ルテニウム担持工程:塩化ルテニウムを触媒担体に
担持する工程 還元工程:塩化ルテニウム担持工程で得たものを水素化
ホウ素ナトリウムで還元する工程 アルカリ金属塩化物添加工程:還元工程で得たものにア
ルカリ金属塩化物を添加する工程 酸化工程:アルカリ金属塩化物添加工程で得たものを酸
化する工程
【0053】以下に各工程の説明を述べる。塩化ルテニ
ウム担持工程は、塩化ルテニウムを触媒担体に担持する
工程である。塩化ルテニウム担持工程で使用される塩化
ルテニウムの量は、好ましい酸化ルテニウムと担体の重
量比に対応する量が通常使用される。すなわち、既に例
示した触媒担体に、塩化ルテニウムの溶液を担持させ
る。溶媒としては水やアルコールなどの有機溶媒が使用
されるが、好ましくは水があげられる。塩化ルテニウム
以外のルテニウム化合物を用いることもできるが、水に
溶解しない化合物を用いる場合には、溶解する有機溶
媒、たとえばヘキサン、テトラヒドロフランなどが溶媒
として使用される。次に、担持したものを乾燥すること
もできるし、乾燥せずに還元することもできるが、乾燥
する方法が好ましい例としてあげられる。担持したもの
を乾燥する条件として、好ましくは50〜200℃であ
り、好ましくは1〜10時間である。
【0054】還元工程は、塩化ルテニウム担持工程で得
たものを水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)で還元
する工程である。還元工程の方法としては、塩化ルテニ
ウム担持工程で得たものを水素化ホウ素ナトリウムの溶
液に浸す方法があげられる。水素化ホウ素ナトリウム溶
液としては水溶液、アルコールなどの有機溶媒の溶液な
どがあげられるが、水と有機溶媒の混合溶液も使用でき
る。好ましくは、水とアルコールの混合溶媒が使用さ
れ、更に好ましくは、水とエタノールの混合溶媒が使用
される。水素化ホウ素ナトリウムの溶液の濃度としては
通常0.05〜20重量%があげられ、好ましくは、
0.1〜10重量%があげられる。また、担持した塩化
ルテニウムに対する水素化ホウ素ナトリウムのモル比
は、通常1.0〜30があげられ、好ましくは2.0〜
15があげられる。触媒は還元された後、水で洗浄して
もよいし、次のアルカリ金属塩化物添加工程の操作であ
るアルカリ金属塩化物水溶液で洗浄する工程の操作を行
ってもよい。好ましくは、還元後水で洗浄し、乾燥する
方法があげられる。
【0055】水素化ホウ素ナトリウム以外の還元性化合
物で還元を行うこともできるが、その場合には非プロト
ン性の無水溶媒が好ましく使用される。たとえばトルエ
ン溶媒を用いて水素化ホウ素ナトリウム以外の還元性水
素化化合物でルテニウム化合物を担持したものを還元す
ることが例としてあげられる。アルカリ金属塩化物添加
工程は、還元工程で得たものにアルカリ金属塩化物を添
加する工程である。この工程は、本発明の触媒(1)及
び(2)において行われるアルカリ金属塩化物添加工程
と同様にして行われる。酸化工程は、還元工程で得たも
のを酸化する工程(アルカリ金属塩化物添加工程を用い
ない場合)であるか、又はアルカリ金属塩化物添加工程
で得たものを酸化する工程(アルカリ金属塩化物添加工
程を用いた場合)である。この工程は、本発明の触媒
(1)及び(2)において行われる酸化工程と同様にし
て行われる。焼成により、担体に担持された金属ルテニ
ウムは担持酸化ルテニウム触媒に変換される。金属ルテ
ニウムが酸化ルテニウムに変換されたことはX線回折や
XPS(X線光電子分光)などの分析により確認するこ
とができる。なお、金属ルテニウムは、その実質上の全
量が酸化ルテニウムに変換されていることが好ましい
が、本発明の効果を損ねない範囲で、金属ルテニウムが
残留していることも許容され得る。
【0056】担持金属ルテニウムを酸化した後に、残存
しているアルカリ金属塩化物を水洗、乾燥する方法が好
ましい調製方法である。焼成時に含有されているアルカ
リ金属塩化物は水で十分洗浄されることが好ましい。洗
浄後のアルカリ金属塩化物の残存量を測定する方法とし
ては濾液に硝酸銀水溶液を加えて白濁の有無を調べる方
法がある。しかし本触媒の触媒活性を損ねない範囲でア
ルカリ金属塩化物が残存していてもかまわない。
【0057】洗浄した固体は次に乾燥することが好まし
い調製方法である。乾燥する条件は好ましくは50〜2
00℃であり、好ましくは1〜10時間である。
【0058】以上の工程で製造された担持酸化ルテニウ
ム触媒は高活性であり、塩化水素を酸素によって酸化し
て塩素を製造する方法に卓効を示す。本発明の触媒
(4)に使用される担持酸化ルテニウム触媒とは、ルチ
ル結晶系の酸化チタンを含有する酸化チタンを担体に使
用した担持酸化ルテニウム触媒であるが、酸化チタンと
してはルチル結晶系、アナターゼ結晶系、非晶質などが
知られている。本発明において使用されるルチル結晶系
の酸化チタンを含有する酸化チタンとは、X線回折分析
法によって酸化チタン中のルチル結晶とアナターゼ結晶
の比率を測定し、そのうちルチル結晶を含有するものを
指す。測定方法については後で詳しく示す。本発明にお
いて使用する担体の化学組成が酸化チタン単独の場合は
X線回折分析法による酸化チタン中のルチル結晶とアナ
ターゼ結晶の比率からルチル結晶の割合が決定される
が、本発明においては酸化チタンと他の金属酸化物との
複合酸化物も含まれるので、その場合は次に示す方法に
よってルチル結晶の割合が決定される。酸化チタンと複
合化する酸化物としては元素の酸化物があげられるが、
好ましくは、アルミナ、酸化ジルコニウム、シリカなど
があげられる。複合酸化物中のルチル結晶の割合は、同
じくX線回折分析法による酸化チタン中のルチル結晶と
アナターゼ結晶の比率からルチル結晶の割合が決定され
るが、ルチル結晶を含むことが必要である。また、この
際、複合酸化物中の酸化チタン以外の酸化物の含量は0
〜60wt%の範囲である。好ましい担体としては酸化
チタン以外の金属酸化物を含まない酸化チタンがあげら
れる。
【0059】酸化チタンはルチル結晶を含むことが必要
であるが、好ましくは、ルチル結晶の比率は10%以上
のものであり、更に好ましくは30%以上のものがあげ
られる。より更に好ましくは80%以上のものがあげら
れる。
【0060】ルチル結晶を含む酸化チタンの調製法とし
ては種々あげられるが、一般的に次の調製例があげられ
る。たとえば、四塩化チタンを原料とする場合は、四塩
化チタンを氷冷した水に滴下溶解して、アンモニア水溶
液で中和し、水酸化チタン(オルトチタン酸)を生成さ
せる。その後、生成した沈殿を水洗して塩素イオンを除
去する。この際に、中和時の温度が20℃以上の高い温
度になる場合や、洗浄した後の酸化チタンに塩素イオン
が残存している場合には、焼成時に安定なルチル結晶系
への転移が起こりやすくなる。また、焼成温度も600
℃以上になるとルチル化が生じる(触媒調製化学、19
89年、211頁、講談社)。また、たとえば、四塩化
チタン蒸発器に酸素−窒素混合ガスを通じて反応ガスを
調製し、これを反応器に導入する。四塩化チタンと酸素
との反応は400℃付近から始まり、TiCl4−O2
の反応で生成する二酸化チタンはアナターゼ型が主であ
るが、反応温度が900℃以上になるとルチル型の生成
が見られる(触媒調製化学、1989年、89頁、講談
社)。また、たとえば、四塩化チタンを硫酸アンモニウ
ムの存在下に加水分解した後、焼成する方法(たとえ
ば、触媒工学講座10元素別触媒便覧、1978年、2
54頁、地人書館)、アナターゼ結晶系の酸化チタンを
焼成する方法(たとえば、金属酸化物と複合酸化物、1
980年、107頁、講談社)などがあげられる。ま
た、四塩化チタンの水溶液を加熱加水分解する方法によ
って、ルチル結晶形の酸化チタンを得ることができる。
更に、あらかじめ硫酸チタンや塩化チタンなどのチタン
化合物水溶液とルチル結晶系の酸化チタン粉末を混合し
ておき、加熱加水分解やアルカリ加水分解し、次いで、
500℃前後の低温で焼成することによってもルチル結
晶系の酸化チタンが生成する。
【0061】酸化チタン中のルチル結晶の割合を決定す
る方法は、X線回折分析法であるが、X線源としてはい
ろいろな線源が使用される。たとえば、銅のKα線など
があげられる。銅のKα線を使用した場合、ルチル結晶
の比率とアナターゼ結晶の比率はそれぞれ、(110)
面の2θ=27.5度の回折ピークの強度と、(10
1)面の2θ=25.3度の回折ピークの強度を用いて
決定する。本発明に使用する担体はルチル結晶のピーク
強度及びアナターゼ結晶のピーク強度を有する物、又
は、ルチル結晶のピーク強度を有する物である。すなわ
ち、ルチル結晶の回折ピーク及びアナターゼ結晶の回折
ピークの両方を有する物であってもよいし、ルチル結晶
の回折ピークのみを有する物であってもよい。好ましく
は、ルチル結晶のピーク強度とアナターゼ結晶のピーク
強度の合計に対するルチル結晶のピーク強度の割合が1
0%以上のものがあげられる。ルチル結晶系の酸化チタ
ンを含有する酸化チタン担体を使用した担持酸化ルテニ
ウム触媒においても担体に含有されるOH基量について
は本発明の触媒(5)と同様に好ましい量があげられ
る。その詳細については本発明の触媒(5)のところで
述べるが、触媒に用いる担体の酸化チタンのOH基量は
通常0.1×10-4〜30×10-4(mol/g−担
体)があげられ、好ましくは0.2×10-4〜20×1
-4(mol/g−担体)があげられ、更に好ましくは
3.0×10-4〜15×10-4(mol/g−担体)が
あげられる。
【0062】本発明の触媒(5)に使用される担持酸化
ルテニウム触媒とは、ルテニウム化合物を担体に担持
し、これを液相で還元処理する工程を含み、次に酸化し
て得られる担持酸化ルテニウムであって、担体の単位重
量当りのOH基量を0.1×10-4〜30×10-4(m
ol/g−担体)含有する酸化チタンを担体に使用した
担持酸化ルテニウム触媒であるが、担体としては、ルチ
ル結晶系、アナターゼ結晶系、非晶質などがあげられ
る。好ましくはルチル結晶系、アナターゼ結晶系があげ
られ、更に好ましくは、ルチル結晶系があげられる。一
般的に、酸化チタンの表面にはTiに結合するOHで表
される水酸基が存在することが知られている。本発明に
おいて使用される酸化チタンとは、OH基を含有するも
のであるが、その含量を測定する方法については後で詳
しく示す。本発明において使用する担体の化学組成が酸
化チタン単独の場合は酸化チタン中のOH基含量から決
定されるが、本発明においては酸化チタンと他の金属酸
化物との複合酸化物も含まれる。酸化チタンと複合化す
る酸化物としては元素の酸化物があげられるが、好まし
くは、アルミナ、酸化ジルコニウム、シリカなどがあげ
られる。また、この際、複合酸化物中の酸化チタン以外
の酸化物の含量は0〜60wt%の範囲である。この場
合も担体に含有される担体の単位重量あたりのOH基含
量は同じく後で詳しく示される測定方法で決定される。
好ましい担体としては酸化チタン以外の金属酸化物を含
まない酸化チタンがあげられる。
【0063】担体のOH基含量が多い場合は、担体と担
持酸化ルテニウムが反応し、不活性化する場合がある。
一方、担体のOH基含量が少ない場合は、担持酸化ルテ
ニウムのシンタリング及びその他の現象で、触媒の活性
が低下する場合がある。酸化チタンのOH基含量を決定
する方法は、種々あげられる。たとえば、熱重量法(T
G)を用いる方法があげられる。熱重量法を用いる場
合、温度を一定に保ち、試料中の余剰水分を除去した
後、昇温し、重量減少からOH基含量を測定する。この
方法では、試料量が少なく、精度の良い測定が難しい。
また、担体中に熱分解性の不純物が存在する場合、実際
のOH基含量が正確に求められないという欠点がある。
また、同様に試料の重量減少からOH基含量を測定する
灼熱減量測定(Igloss)を用いる場合は、試料量
を多くすれば精度の高い測定が可能であるが、熱重量法
の場合と同様、熱分解性不純物の影響を受ける。更に、
熱重量法や灼熱減量測定などから得られる重量減少量
は、触媒調製時に有効でないバルクのOH基含量まで含
まれてしまうという欠点がある。また、ナトリウムナフ
タレンを用いる方法があげられる。この方法では、試料
中のOH基と試薬のナトリウムナフタレンを反応させ、
ナトリウムナフタレンの適定量からOH基含量を測定す
る。この場合は、適定する試薬の濃度変化や微量の水分
が結果に大きく影響するため、試薬の保存状態によって
測定結果が影響を受けるので、精度のある値を出すこと
が非常に難しい。また、アルキルアルカリ金属による適
定法があげられる。アルキルアルカリ金属による適定法
としては、脱水された溶媒中に酸化チタン担体や酸化チ
タン担体粉を懸濁させておき、窒素雰囲気中でアルキル
アルカリ金属を滴下し、発生した炭化水素量から、酸化
チタンに含有されるOH基量を求める方法が好ましい方
法としてあげられる。その際に脱水された溶媒中に含有
される水とアルキルアルカリ金属が反応し、炭化水素が
発生するので、その量を測定値から差し引いて酸化チタ
ン中のOH基含量を求めなければならない。
【0064】最も好ましい方法としては、脱水トルエン
中に酸化チタン担体や酸化チタン担体粉を懸濁させてお
き、窒素雰囲気でメチルリチウムを滴下し、発生したメ
タンの量から酸化チタンに含有されているOH基含量を
求める方法があげられ、本願発明の請求項で規定してい
る酸化チタン担体中のOH基含量はこの方法で求めた値
である。測定手順としてはたとえば次のような方法があ
げられる。まず、試料をあらかじめ空気中150℃で、
2時間乾燥した後、デシケーター内で冷却する。その
後、窒素置換されたフラスコ内に試料を所定量移し、脱
水されたトルエンなどの有機溶媒に懸濁させる。発熱を
抑えるためフラスコを氷冷し、滴下漏斗からメチルリチ
ウムを滴下し、発生したガスを捕集し、測定した温度で
の体積を測定する。このようにして決定された触媒に用
いる担体酸化チタンのOH基量は通常0.1×10-4
30×10-4(mol/g−担体)であることが必要で
あるが、好ましくは0.2×10-4〜20×10-4(m
ol/g−担体)があげられ、更に好ましくは3.0×
10-4〜15×10-4(mol/g−担体)があげられ
る。酸化チタン担体に含有されるOH基含量を所定量に
する方法としては種々の方法があげられる。たとえば、
担体の焼成温度や焼成時間があげられる。酸化チタン担
体中のOH基は熱をかけることにより脱離するが、焼成
温度や焼成時間を変化させることによりOH基含量を制
御することができる。担体の焼成温度としては通常10
0〜1000℃、好ましくは150〜800℃があげら
れる。担体の焼成時間としては通常30分〜12時間が
あげられる。この場合、焼成温度の上昇や、焼成時間の
増加に伴い、担体の表面積が減少する点に注意しなけれ
ばならない。その他、酸化チタンを気相で製造すればO
H基含量の少ないものを製造することができるし、水溶
液などの水相から製造すればOH基含量の多いものを製
造することができる。また、担体のOH基をアルカリ処
理する方法、1,1,1−3,3,3−ヘキサメチルジ
シラザンなどを用いてOH基と反応させる方法などがあ
る。
【0065】本発明は上記の担体に担持した担持酸化ル
テニウム触媒を用いる塩素の製造方法であるが、酸化ル
テニウムと担体の重量比は、通常、0.1/99.9〜
20.0/80.0であり、好ましくは、0.5/9
9.5〜15.0/85.0であり、より好ましくは
1.0/99.0〜15.0/85.0である。酸化ル
テニウムの比率が低すぎると活性が低くなる場合があ
り、酸化ルテニウムの比率が高すぎると触媒の価格が高
くなる場合がある。担持する酸化ルテニウムとしては二
酸化ルテニウム、水酸化ルテニウム、などが例としてあ
げられる。
【0066】上記の担体を用いて担持酸化ルテニウム触
媒を調製する方法としては、ルテニウム化合物を担体に
担持し、これを液相で還元処理する工程を含み、次に酸
化して調製する方法であるが、液相で還元処理する工程
としては本発明の触媒(1)、(2)及び(3)におい
て行われる、液相で還元処理する方法や、次に例示する
方法があげられる。すなわち、既に述べたルテニウム化
合物を担体に担持したものを水相か有機溶媒に懸濁させ
ておいて水素を吹き込む方法、有機溶媒中でブチルリチ
ウムなどの有機リチウム化合物、あるいは有機ナトリウ
ム化合物、有機カリウム化合物で処理する方法、トリア
ルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物で処
理する方法、グリニャール試薬などの有機マグネシウム
化合物で処理する方法があげられる。また、種々の有機
金属化合物が使用でき、ナトリウムメトキシドなどのア
ルカリ金属アルコキシド、ナトリウムナフタレンなどの
アルカリ金属ナフタレン化合物、アジ化ナトリウムなど
のアジ化化合物、ナトリウムアミドなどのアルカリ金属
アミド化合物、有機カルシウム化合物、有機亜鉛化合
物、アルキルアルミニウムアルコキシドなどの有機アル
ミニウムアルコキシド、有機錫化合物、有機銅化合物、
有機ホウ素化合物、ボラン、ジボランなどのボラン類、
ナトリウムアンモニア溶液、一酸化炭素があげられる。
また、種々の有機化合物も使用することができ、ジアゾ
メタン、ヒドロキノン、蓚酸があげられる。
【0067】ルチル結晶系の酸化チタンを10%以上含
有する酸化チタンを担体に使用した担持酸化ルテニウム
触媒である塩素の製造方法があげられ、さらに好ましく
は、請求項1の触媒(1)、(2)、(3)が、ルチル
結晶系の酸化チタンを30%以上含有する酸化チタンを
担体に使用した担持酸化ルテニウム触媒である塩素の製
造方法があげられる。また、好ましくは、請求項1の触
媒(4)又は(5)が、ルテニウム化合物を担体に担持
し、これを還元性水素化化合物で還元した後、酸化して
得られる担持酸化ルテニウム触媒である塩素の製造方法
があげられる。また、好ましくは、請求項1の触媒
(4)又は(5)が、ルテニウム化合物を担体に担持
し、これを還元性化合物で処理した後、酸化して得られ
る担持酸化ルテニウム触媒である塩素の製造方法があげ
られる。さらに好ましくは、請求項1の触媒(4)又は
(5)が、ルテニウム化合物を担体に担持し、これを還
元性化合物のアルカリ溶液で処理した後、酸化して得ら
れる担持酸化ルテニウム触媒である塩素の製造方法があ
げられる。
【0068】本発明における触媒系は、少なくとも下記
の(A)及び(B)を含有し、該触媒系における(B)
の含有量が10重量%以上である触媒系である。 (A):触媒活性成分 (B):200〜500℃の範囲の少なくとも一点にお
いて測定される固相の熱伝導度が4W/m・℃以上であ
る化合物成分
【0069】本発明における触媒系とは、触媒層を形成
する充填物の全てを意味する。たとえば、触媒活性成分
を含む粒子はもちろんのこと、触媒活性成分を含まない
不活性な成分からなる粒子も包含する。触媒層には、固
定床触媒層、流動触媒層などがある。本発明における触
媒とは、触媒活性成分を含有する成形体もしくは粉体を
意味し、触媒層を形成する充填物のうち不活性な成形
体、粉体は含まない。
【0070】本発明における上記(A)の触媒活性成分
としては、銅あるいは、クロムあるいは、ルテニウムあ
るいは、これらの化合物などが一般に知られている。
【0071】触媒中の(A)成分の含有量は0.1〜9
0重量%であり、好ましくは0.2〜80重量%であ
る。(A)成分が過少であると触媒活性が低くなり、一
方(A)成分が過多であると触媒価格が高くなる。上記
(A)の触媒活性成分の例としては、ルテニウム化合物
があげられるが、ルテニウム化合物を使用すると高い活
性の触媒が得られるので好ましい。更に好ましくは酸化
ルテニウムがあげられ、より高い活性の触媒を調製する
ことができる。
【0072】また、(A)成分は触媒担体成分あるいは
(B)成分に担持された成分である事が触媒活性の点か
ら好ましい。(A)成分が、ルテニウムなどの高価な貴
金属化合物である場合、(A)成分を触媒担体成分ある
いは(B)成分に担持することにより少量の貴金属で高
い活性をあげることができるため、触媒コストの点よ
り、より大きな効果を得ることができる。更に好ましい
例としては触媒担体成分あるいは(B)成分に酸化ルテ
ニウムが担持された触媒があげられる。
【0073】本発明における(B)成分は、200〜5
00℃の範囲の少なくとも一点において測定される固相
の熱伝導度が4W/m・℃以上である化合物である。本
発明における化合物の固相の熱伝導度とは、結晶あるい
は無定形あるいはガラス状などの連続体において測定さ
れる熱伝導度である。たとえば化合物が結晶の場合、化
合物の固相の熱伝導度は、その結晶形において測定され
る。固相の熱伝導度は、たとえば、最新酸化物便覧−物
理化学的性質−、(モスクワ冶金出版所、1978
年)、Thermophysical PROPERT
IES of High Temperature S
olid Metals(Oxides and Th
eir Solutions and Mixture
s)(The Macmillan Company
1967年)などに記載されている。
【0074】固相の熱伝導度は、高いことが好ましく、
4W/m・℃以上であることが必要であるが、15W/
m・℃以上であることがより好ましい。(B)成分の好
ましい具体例としては、α−アルミナ、ルチル型二酸化
スズ、ルチル型酸化チタン、4窒化3珪素、炭化珪素な
どがあげられる。より好ましくは、α−アルミナがあげ
られる。不活性成分を添加すると、触媒の活性が低くな
る場合があるが、触媒活性を維持しつつ、伝熱性を向上
させる事のできる添加材を選択する事により、より工業
的に有利に反応を行う事ができる。α−アルミナを添加
する事により触媒活性を維持しつつ伝熱性を向上させる
事ができる為、触媒活性の点からも(B)成分の好まし
い具体例として、α−アルミナがあげられる。(B)成
分の含有量は、10重量%以上が好ましく、20重量%
以上であることがより好ましい。(B)成分を10重量
%以上含有した触媒系を用いることにより、反応熱の除
熱が良くなり、反応温度の制御が容易になる。また、工
業的に充分な反応速度で塩化水素を酸化できる温度で触
媒層全体を利用することができるために、高い反応転化
率が得られる。
【0075】次に、本発明における触媒担体成分の例と
しては、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、シ
リカ、チタン複合酸化物、ジルコニウム複合酸化物、ア
ルミニウム複合酸化物、珪素複合酸化物などの元素の酸
化物、及び複合酸化物があげられる。以上に例示した触
媒担体成分の中でも酸化チタンは触媒活性成分(A)と
してルテニウム化合物を用いた場合、高い触媒活性を示
すのでより好ましい触媒担体成分と言える。
【0076】触媒担体成分の物性が200〜500℃の
範囲の少なくとも一点において測定される固相の熱伝導
度が4W/m・℃以上である場合、該当する触媒担体成
分は(B)成分と見なされる。たとえば、酸化チタンの
場合、ルチル型、アナターゼ型などの結晶形が存在する
が、ルチル結晶形酸化チタンの固相の熱伝導度は200
℃で7.5W/m・℃であり、ルチル結晶形酸化チタン
は、(B)成分と見なされる。また、アルミナの場合、
α−アルミナ、γ−アルミナ等の結晶形を持つアルミナ
が知られているが、α−アルミナの固相の熱伝導度は2
00℃で23W/m・℃であり、α−アルミナは、
(B)成分と見なされる。すなわち、ルチル結晶形酸化
チタン、α−アルミナ等の触媒担体成分は、固相の熱伝
導度は200℃で4W/m・℃以上であり、(B)成分
と見なされる。しかし、酸化ジルコニウムの固相の熱伝
導度は400℃で2.05W/m・℃であり、(B)成
分とは見なされない。よって、触媒担体成分は、触媒活
性成分を担持する担体であるが、一部の(B)成分を包
含する関係にある。たとえば、4窒化3珪素は固相の熱
伝導度が200℃で約24W/m・℃であり、(B)成
分と見なされるが、表面積が低く、触媒活性成分(A)
を担持することができないため、触媒担体成分とは見な
されない。よって、(B)成分の中でも触媒活性成分
(A)を担持できないものは触媒担体成分ではない。以
上のように、触媒担体成分は(B)成分の一部を包含す
る関係にある。本発明に使用される触媒系は、(B)成
分を含有することによって伝熱性を向上させることがで
きるので、(B)成分は10重量%以上含有することが
好ましく、20重量%以上含有することにより伝熱性は
更に向上するので好ましい。
【0077】触媒活性成分を担持する際の担体の形状の
例としては、粉状あるいは球状、円柱状、押出し状、ス
プレードライ法によって得られるもの、などがあげられ
る。粉状の場合は、工業的に使用するには、球状、円柱
状、押出し状などに成形した後、使用する方法が一般的
である。
【0078】次に、(B)成分を含有する触媒系につい
て説明する。触媒系は(A)成分と(B)成分の2成分
から構成されるものであっても、(A)成分、(B)成
分及び触媒担体成分の3成分から構成されるものであっ
てもよい。また、成形助剤として使用される無機バイン
ダーなど、その他の成分が含まれていてもよい。第一の
例としては、(A)成分及び(B)成分から構成される
ものを一体に成形して得られる成形物を触媒として用い
る方法があげられ、たとえば、触媒活性成分(A)と
(B)成分を混合して無機バインダーを用いて成形した
後、焼成して触媒を調製する例があげられる。触媒が一
体に成形されているので反応器に充填しやすく好ましい
例としてあげられる。また、(A)成分、(B)成分及
び触媒担体成分から構成されるものを一体に成形して得
られる成形物を触媒として用いる方法があげられるが、
例としては、触媒活性成分(A)を微粒子触媒担体成分
と混合して高表面積の触媒とした後、(B)成分を加え
て無機バインダーを用いて成形した後、焼成した触媒が
例としてあげられるが、触媒が一体に成形されている上
に触媒活性も向上するので好ましい。また、(A)成分
が(B)成分に担持されたものから構成されるものとし
ては、比較的高い表面積を有している(B)成分に
(A)成分を担持すると高活性を示す触媒が得られる
が、これを無機バインダーを用いて成形した後、焼成し
た触媒が例としてあげられる。活性、伝熱性も良く、一
体に成形されており、充填もしやすい点からより好まし
い例としてあげられる。また、(A)成分が触媒担体成
分に担持されたものと、(B)成分から構成されたもの
としては、(A)成分が表面積の高い触媒担体成分に担
持された後に、(B)成分を添加して無機バインダーを
用いて成形した後、焼成し、一体に成形した触媒が例と
してあげられ、活性の高いものを調製することができ、
また、伝熱性も良いことから、より好ましい例としてあ
げられる。また、(A)成分が触媒担体成分と(B)成
分の混合物に担持されたものによって構成された触媒と
しては、触媒担体成分と(B)成分を混合した後に無機
バインダーを用いて成形し焼成した担体に(A)成分を
担持した触媒が例としてあげられ、活性も高く、伝熱性
も良く、更に好ましい触媒の例としてあげられる。第二
の例としては、(A)成分及び(B)成分から構成され
るものを一体に成形して得られる成形物と、(B)成分
から構成されるものを一体に成形して得られる成形物の
両成形物を触媒系として用いる方法があげられるが、た
とえば、(A)成分と(B)成分を混合して無機バイン
ダーを用いて成形した後、焼成した触媒と、(B)成分
を無機バインダーを用いて成形した後、焼成したものを
混合した触媒系を用いる例があげられるが、伝熱性が良
好で、好ましい例としてあげられる。(A)成分及び
(B)成分から構成されるものを一体に成形して得られ
る成形物としては、第一の例で示した成形物があげられ
る。また、(A)成分及び触媒担体成分から構成される
ものを一体に成形して得られる成形物と、(B)成分か
ら構成されるものを一体に成形して得られる成形物の両
成形物を触媒系として用いる方法があげられるが、たと
えば、(A)成分を触媒担体成分に担持して無機バイン
ダーを用いて成形した後、焼成した触媒と、(B)成分
をバインダーを用いて成形した後、焼成したものを混合
した触媒系を用いる例、触媒担体成分から構成されるも
のをバインダーを用いて成形した後(A)成分を担持し
て得られる成形物と(B)成分から構成されるものをバ
インダーを用いて成形した後、焼成して得られる成形物
の両成形物を混合した触媒系を用いる例があげられる
が、活性も良く、伝熱性も良く、好ましい方法としてあ
げられる。一般的に、(A)成分及び触媒担体成分から
構成される球状の成形物と球状のαアルミナの両成形物
を混合して触媒系として用いる方法が、より伝熱性も良
く、より好ましい例としてあげられる。
【0079】上記触媒のうち(B)成分がα−アルミナ
であることが好ましい触媒の例としてあげられる。上記
触媒のうち(A)成分がルテニウムを含有する成分であ
ることが好ましい触媒の例としてあげられる。更に好ま
しくは上記触媒のうち(A)成分が酸化ルテニウムであ
ることがあげられる。(A)成分がルテニウムを含有す
る成分である場合、触媒担体成分が酸化チタンであるこ
とが好ましい例としてあげられる。
【0080】本発明に用いる触媒は、塩化水素を酸素に
よって酸化して塩素を製造する触媒である。好ましい触
媒としてはDeacon触媒など触媒活性成分として銅
を含有する触媒、クロミアシリカ触媒など触媒活性成分
としてクロムを含有する触媒、触媒活性成分としてルテ
ニウムを含有する触媒があげられる。より好ましい触媒
としては、ルテニウムを含有する触媒があげられる。ル
テニウムは、高価であるため、担体に担持した担持ルテ
ニウム触媒を含有する触媒がより好ましい触媒としてあ
げられる。
【0081】担持ルテニウム触媒としては、たとえば担
持酸化ルテニウム触媒、担持金属ルテニウム触媒、ルテ
ニウム化合物を担持した触媒があげられる。
【0082】担持ルテニウム触媒としては、担持酸化ル
テニウム触媒が低いRu含量で高い活性を得ることがで
きるため好ましい。担持ルテニウム触媒の担体として
は、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、シリ
カ、チタン複合酸化物、ジルコニウム複合酸化物、アル
ミニウム複合酸化物、珪素複合酸化物などの元素の酸化
物、及び複合酸化物があげられる。好ましい触媒担体成
分は、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、シリ
カで、更に好ましい触媒担体成分は、酸化チタンであ
り、更に好ましい触媒担体成分は、ルチル型の結晶構造
を持つ酸化チタンである。
【0083】以下に担持酸化ルテニウム触媒について説
明する。酸化ルテニウムと担体の重量比は、通常、0.
1/99.9〜20.0/80.0であり、好ましく
は、0.2/99.8〜15.0/85.0であり、更
に好ましくは、0.5/99.5〜10.0/90.0
である。酸化ルテニウムの比率が低すぎると触媒活性が
低くなる場合が有り、酸化ルテニウムの比率が高すぎる
と触媒価格が高くなる。担持する酸化ルテニウムとして
は、二酸化ルテニウム、水酸化ルテニウム、などが例と
してあげられる。
【0084】以下に担持酸化ルテニウム触媒の調製方法
について説明する。触媒の調製方法は種々あげられる
が、以下に具体例として、4種類の調製方法を例示す
る。本発明には伝熱性の良い触媒を用いることができる
が、触媒の伝熱性を増加させる方法の例として、熱伝導
度の高い化合物を触媒に混合して触媒を調製する方法が
例としてあげられる。熱伝導度の高い化合物(B)成分
としては種々あげられるが、ここでは例としてα−アル
ミナを用いた方法をあげる。また、触媒担体成分として
は種々のものがあげられるが、ここでは酸化チタンを用
いた例をあげる。触媒担体成分にルテニウム化合物を担
持して触媒を調製するが、担持するルテニウム化合物は
調製方法によって種々のものが使用される。ここでは塩
化ルテニウムを使用した例をあげる。
【0085】4種類の調製方法の第一の例は、酸化チタ
ン粉末とα−アルミナ粉末を均一に混合して酸化チタン
ゾルを添加し担体を成形する。酸化チタンゾルを混合す
る比率としては、酸化チタンとα−アルミナの合計の重
量に対して、酸化チタンゾル中の酸化チタンとしての割
合が3〜30wt%が通常好ましい比率としてあげられ
る。成形方法としては球状に成形する方法、押し出し成
形する方法などがあげられる。成形体を乾燥した後、空
気中で焼成して担体を調製する。焼成温度としては、3
00〜800℃が通常好ましい温度としてあげられる。
この段階で伝熱性の良い担体ができる。次いで、塩化ル
テニウムの水溶液を含浸担持する。用いる塩化ルテニウ
ムの量は、好ましい酸化ルテニウムと担体の比率に相当
する塩化ルテニウムの量が使用される。次に、担持した
ものを乾燥する。乾燥したものを水素化ホウ素ナトリウ
ムなどの還元性水素化化合物で還元した後、酸化して担
持酸化ルテニウム触媒を調製するか、あるいは、ヒドラ
ジンなどの還元性化合物で処理した後、酸化して担持酸
化ルテニウム触媒を調製するが、その調製方法について
は後で詳しく説明する。
【0086】4種類の調製方法の第二の例は、酸化チタ
ン粉末とα−アルミナ粉末を均一に混合して、次いで、
塩化ルテニウムの水溶液を含浸担持する。用いる塩化ル
テニウムの量は、好ましい酸化ルテニウムと担体の比率
に相当する塩化ルテニウムの量が使用される。次に、担
持したものを乾燥する。乾燥したものを水素化ホウ素ナ
トリウムなどの還元性水素化化合物で還元するか、ある
いは、ヒドラジンなどの還元性化合物で処理するが、そ
の調製方法についてはあとで詳しく説明する。次に、酸
化チタンゾルを添加し担体を成形する。酸化チタンゾル
を混合する比率としては、第一の例で示した比率があげ
られる。次いで、乾燥した後、空気中で焼成してルテニ
ウムを酸化して、後で詳しく説明する担持酸化ルテニウ
ム触媒の製造方法と同様に水洗して触媒を調製する。こ
の段階で伝熱性の良い触媒ができる。
【0087】4種類の調製方法の第三の例は、酸化チタ
ンの粉末に塩化ルテニウムの水溶液を含浸担持する。用
いる塩化ルテニウムの量は、好ましい酸化ルテニウムと
担体の比率に相当する塩化ルテニウムの量が使用され
る。次に、担持したものを乾燥する。乾燥したものを水
素化ホウ素ナトリウムなどの還元性水素化化合物で還元
するか、あるいは、ヒドラジンなどの還元性化合物で処
理するが、その調製方法についてはあとで詳しく説明す
る。次ぎに、α−アルミナを均一に混合する。次いで、
酸化チタンゾルを添加し担体を成形する。酸化チタンゾ
ルを混合する比率としては、第一の例で示した比率があ
げられる。次いで、乾燥した後、空気中で焼成してルテ
ニウムを酸化して、後で詳しく説明する担持酸化ルテニ
ウム触媒の製造方法と同様に水洗して触媒を調製する。
この段階で伝熱性の良い触媒ができる。
【0088】4種類の調製方法の第四の例は、酸化チタ
ンの粉末に塩化ルテニウムの水溶液を含浸担持する。用
いる塩化ルテニウムの量は、好ましい酸化ルテニウムと
担体の比率に相当する塩化ルテニウムの量が使用され
る。次に、担持したものを乾燥する。乾燥したものを水
素化ホウ素ナトリウムなどの還元性水素化化合物で還元
した後、酸化して担持酸化ルテニウム触媒を調製する
か、あるいは、ヒドラジンなどの還元性化合物で処理し
た後、酸化して担持酸化ルテニウム触媒を調製するが、
その調製方法についてはあとで詳しく説明する。次ぎ
に、α−アルミナを均一に混合する。次いで、酸化チタ
ンゾルを添加し担体を成形する。酸化チタンゾルを混合
する比率としては、第一の例で示した比率があげられ
る。次いで、乾燥した後、空気中で焼成する。焼成温度
としては、300〜600℃が通常好ましい温度として
あげられる。次ぎに水洗して触媒を調製する。この段階
で伝熱性の良い触媒ができる。
【0089】本発明において用いられる担持酸化ルテニ
ウム触媒の調製方法としては、担体にルテニウム化合物
を担持し、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元性水素化
化合物で還元した後、酸化して担持酸化ルテニウム触媒
を調製するか、あるいは、ヒドラジンなどの還元性化合
物で処理した後、酸化して担持酸化ルテニウム触媒を調
製する方法が例としてあげられるが、本発明の触媒
(1)、(2)及び(3)の調製法があげられる。
【0090】本発明において用いられる担持酸化ルテニ
ウム触媒の調製方法の第一の例としては担体に担持した
ルテニウム化合物を還元性水素化化合物で還元し、次に
酸化して調製する方法があげられる。
【0091】担体に担持するルテニウム化合物として
は、本発明の触媒(1)、(2)及び(3)であげた化
合物が同様にあげられる。
【0092】担体に担持したルテニウム化合物を還元す
る還元性水素化化合物としては本発明の触媒(3)であ
げた化合物が同様に使用される。
【0093】本発明において使用される担持酸化ルテニ
ウム触媒の調製方法の第二の例としては、触媒担体に担
持したルテニウム化合物を還元性化合物で処理し、次に
酸化して調製する方法があげられる。
【0094】触媒担体に担持するルテニウム化合物とし
ては、本発明の触媒(1)、(2)及び(3)であげた
化合物が同様にあげられる。
【0095】担体に担持したルテニウム化合物を処理す
る還元性化合物としては本発明の触媒(1)及び(2)
であげた化合物が同様にあげられる。
【0096】以下に担持金属ルテニウム触媒の調製方法
について説明する。担持金属ルテニウム触媒としては、
担持酸化ルテニウム触媒の調製方法の第一の例で示した
ルテニウム化合物を同様に前述した担体に担持した後、
水素や担持酸化ルテニウム触媒の調製方法の第一の例で
示した水素化ホウ素ナトリウムなどの還元性水素化化合
物などの還元剤を用いて金属ルテニウムに還元する方
法、塩化ルテニウムを前述した担体に担持した後に、ア
ルカリ加水分解によりルテニウム水酸化物を担体上に生
成させ、これを水素等により還元する方法があげられる
が、市販のRu触媒でも良い。担体に担持された金属ル
テニウムにおける、金属ルテニウム/担体の比は、通常
0.1/99.9〜20/80であり、好ましくは、1
/99〜10/90である。金属ルテニウムの量が過少
であると触媒活性が低くなり、一方金属ルテニウムの量
が過多であると触媒価格が高くなる。
【0097】以下にルテニウム化合物を担持した触媒の
調製方法について説明する。ルテニウム化合物を担持し
た触媒としては、本発明の触媒(1)、(2)及び
(3)であげた化合物を同様に含むものである。担持方
法としては、含浸法、イオン交換法、沈殿担持法、共沈
法、混合法などがあげられるが、好ましくは含浸法、イ
オン交換法である。含浸法としては、たとえば、ルテニ
ウム化合物を溶解せしめた溶液に担体を懸濁させ、溶媒
を蒸発せしめ、乾燥することにより製造する方法があげ
られる。溶媒としては水、メタノール、有機溶媒などが
あげられる。担持触媒の乾燥は、温度が高すぎるとルテ
ニウム化合物の揮散が起きるため、減圧下では30〜2
00℃、窒素中では60〜400℃程度が好ましい。ま
た、空気中ではルテニウム化合物が酸素により酸化分解
されない温度が一般的である。乾燥時間は30分〜5時
間程度が好ましい。
【0098】以上の発明のうち、(A)触媒活性成分と
触媒担体成分と(B)200〜500℃の範囲の少なく
とも1点において測定される固相の熱伝導度が4W/m
・℃以上である化合物を含有して一体に成形して得られ
る成形物を含有する触媒を用いる触媒においては、
(A)成分と触媒担体成分から調製した触媒とほとんど
同じ重量当りの触媒活性を持つ触媒を、(A)成分、触
媒担体成分、(B)成分の3成分から一体に成形した触
媒において調製することに成功した。
【0099】本発明は、上記の触媒系を用いて、塩化水
素を酸素により酸化することにより塩素を得るものであ
る。上記の触媒系を用いて塩化水素を酸素により酸化す
ると、反応で生じた熱の除去速度が増大するため、反応
温度の制御が容易になり、工業的に充分な反応速度で塩
化水素を酸化できる温度で触媒層全体を有効に利用する
ことにより高い反応転化率が得られる。塩素を得るにあ
たり、反応方式としては固定床又は流動層等の流通方式
があげられ、通常固定床気相流通方式、気相流動層流通
方式などの気相反応が好ましく採用される。固定床式は
反応ガスと触媒の分離が不要であり、また、高転化率を
達成できるなどの利点がある。固定床は触媒粒子を反応
管内に充填し、発熱反応の場合は管外から冷却するが、
このような充填層では、粒子層の有効熱伝導度が管材料
の熱伝導度や管外流体での熱伝導度に比べて一般に小さ
いため、粒子層内での伝熱抵抗が管や管外の流体での伝
熱抵抗より大きく、粒子層での有効熱伝導度を増加させ
ることにより全体の伝熱速度を大きく向上させることが
できる。ここで粒子層の有効熱伝導度とは粒子層単位長
さ当たり1℃の温度差があるときの、その方向への粒子
層単位断面積当たりの伝熱速度を意味する。「熱的単位
操作―上」(丸善株式会社、1976年、136〜14
6頁)などによれば、粒子層の有効熱伝導度は充填粒子
の有効熱伝導度や管内に存在する流体の熱伝導度、また
流体が移動する場合はこの流速などに影響されることが
知られている。このうち、粒子の有効熱伝導度は粒子を
構成する成分(化合物)の固体の熱伝導度に大きく支配
されるため、熱伝導度の大きい成分を用いることによ
り、粒子の有効熱伝導度及び粒子層の有効熱伝導度が増
加し、塩化水素の酸化反応のような発熱反応では反応器
内で発生した熱の除去速度の向上に寄与する。このよう
なことから、本発明の効果は固定床式を採用した場合、
特に大きい。流動層方式は反応器内での伝熱が良く、固
定床とくらべて反応器内の温度分布幅を小さくできる利
点があるが、本発明による触媒系を使用することで更に
温度分布幅を小さくできる。伝熱性が良く除熱が容易な
触媒系を使用することにより、反応器内の触媒単位体積
当たりの伝熱面積を大きくせずに、上記の効果を得る事
ができる。たとえば、同じ反応容積の多管式の反応器で
比べると、管径を細くして伝熱面積を大きくすると、必
要な管の本数及び必要な材料の量が増え、反応器の価格
が高くなるが、伝熱性が良く除熱が容易な触媒系を使用
した場合、反応器の伝熱面積を大きくせずに反応温度の
制御をしやすくでき、安価な反応器を使用する事ができ
るため、工業的に有利である。
【0100】本発明の触媒(7)において用いられる触
媒の細孔半径が0.03〜8マイクロメートルのマクロ
細孔を有する担持酸化ルテニウム触媒とは、酸化ルテニ
ウムが担体に担持された担持酸化ルテニウム触媒を含有
する触媒である。一般的に工業的には、担体に担持した
形で使用される。
【0101】担体としては、酸化チタン、アルミナ、酸
化ジルコニウム、シリカ、チタン複合酸化物、ジルコニ
ウム複合酸化物、アルミニウム複合酸化物、珪素複合酸
化物などの元素の酸化物、及び複合酸化物があげられ、
好ましい担体は、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニ
ウム、シリカで、更に好ましい担体は、酸化チタンであ
る。酸化ルテニウムと担体の重量比は、通常、0.1/
99.9〜20.0/80.0であり、好ましくは、
0.5/99.5〜15.0/85.0であり、より好
ましくは1.0/99.0〜15.0/85.0であ
る。酸化ルテニウムの比率が低すぎると活性が低くなる
場合があり、酸化ルテニウムの比率が高すぎると触媒の
価格が高くなる場合がある。担持する酸化ルテニウムと
しては二酸化ルテニウム、水酸化ルテニウムなどが例と
してあげられる。
【0102】触媒の細孔半径が0.03〜8マイクロメ
ートルのマクロ細孔を有する触媒の調製法の例を以下に
述べる。酸化チタンなどの担体粉末に有機空隙剤や無機
空隙剤を混合して調製するが、まず、有機空隙剤を用い
る場合について例示する。有機空隙剤としては、結晶性
セルロース、繊維状セルロース、濾紙、パルプなどのセ
ルロースがあげられる。濾紙、パルプなどの繊維状セル
ロースが好ましい。酸化チタンなどの坦体粉末に水を加
えて、混練した後にセルロースなどの有機空隙剤を加え
よく混練する。次に、チタニアゾル、シリカゾル、アル
ミナゾルなどのバインダーを加えることもできるし、加
えないこともできる。加える方が好ましい例としてあげ
られる。ゾルの中ではチタニアゾルが好ましい例として
あげられる。ゾルを加えて混練した後に押しだし成型機
などにより適当な大きさに成形する。成形したものを乾
燥する。乾燥した後、空気で焼成してセルロースなどの
有機空隙剤を消失させる。焼成温度としては400〜7
00℃が好ましく、更に500℃〜600℃が好まし
い。担体を空気で焼成することによってセルロースなど
の有機空隙剤を燃焼させ、消失させて、0.03〜8マ
イクロメートルのマクロ細孔を担体に形成することがで
きる。担体粉末に対するセルロースなどの有機空隙剤の
重量比率は通常1/99〜40/60であり、好ましく
は5/95〜30/70があげられる。チタニアゾル、
シリカゾル、アルミナゾルに含まれるチタニア、シリ
カ、アルミナの担体粉末に対する重量比率は通常5/9
5〜40/60であり、好ましくは、10/90〜30
/70があげられる。
【0103】次に、無機空隙剤を用いる場合について例
示する。無機空隙剤としては、塩化ナトリウム、塩化カ
リウムなどのアルカリ金属塩化物、硫酸ナトリウム、硫
酸カリウムなどのアルカリ金属硫酸塩、硝酸カリウムな
どの高融点無機塩があげられる。好ましくは、アルカリ
金属の塩化物が、更に好ましくは塩化カリウム、塩化ナ
トリウムがあげられる。酸化チタンなどの担体粉末に水
を加えて混練した後に塩化カリウムなどの無機空隙剤の
水溶液を加えよく混練する。次に、チタニアゾル、シリ
カゾル、アルミナゾルなどのバインダーを加えることも
できるし、加えないこともできる。加える方法が好まし
い例としてあげられる。ゾルのなかではチタニアゾルが
好ましい例としてあげられる。ゾルを加えて混練した後
に押し出し成形機などにより適当な大きさに成形する。
成形したものを乾燥する。乾燥した後に焼成して担体を
焼結させる。焼成雰囲気は空気、窒素などがあげられる
が、空気が好ましい。焼成温度は400〜700℃が好
ましく、更に500〜600℃が好ましい。次いで、室
温まで冷却した後に担体を十分水洗して担体中に含まれ
ている無機塩を除去することができる。水洗によって塩
化カリウム、塩化ナトリウムが除去できたかを確認する
方法としては、硝酸銀水溶液を用いて白濁の有無を調べ
る方法があげられる。水洗した後に担体を乾燥すること
によって0.01マイクロメートルから0.4マイクロ
メートルのマクロ細孔を担体に形成することができる。
担体粉末に対する無機塩などの無機空隙剤の重量比率は
通常5/95〜40/60であり、好ましくは5/95
〜30/70があげられる。チタニアゾル、シリカゾ
ル、アルミナゾルに含まれるチタニア、シリカ、アルミ
ナの担体粉末に対する重量比率は通常5/95〜40/
60であり、好ましくは、5/95〜30/70があげ
られる。以上の様にしてマクロ細孔を有する触媒担体が
調製される。
【0104】以上の有機空隙剤と無機空隙剤のうちより
好ましく使用される空隙剤は有機空隙剤があげられる。
【0105】次に、担持酸化ルテニウム触媒の調製法の
例については、以下の通りである。触媒の細孔半径が
0.03〜8マイクロメートルのマクロ細孔を有する担
持酸化ルテニウム触媒の調製例としては、すなわち、既
に述べたマクロ細孔を有する触媒担体の調製例で調製さ
れた担体を用いて、本発明の触媒(1)、(2)及び
(3)において行われる触媒調製方法と同様にして行わ
れる。本発明の触媒(7)は触媒の細孔半径が0.03
〜8マイクロメートルのマクロ細孔を有する担持酸化ル
テニウム触媒を用いることを特徴とするが、マクロ細孔
の細孔径分布の測定は水銀圧入法によって測定すること
ができる。マクロ細孔は多数存在することが好ましい
が、これまでに述べた方法で形成できる細孔半径は通常
0.03〜8マイクロメートルであり、更に好ましいマ
クロ細孔半径は、0.03〜6マイクロメートルがあげ
られる。また、そのマクロ細孔の細孔容量は大きいこと
が好ましい。マクロ細孔である細孔を有する担持酸化ル
テニウム触媒とは30〜200オングストロームの累積
細孔容量に対して、0.03〜6マイクロメートルの累
積細孔容量の比率が0.2/1.0以上である触媒が好
ましく、更に好ましくは0.29/1.0以上である触
媒があげられる。また、担体のマクロ細孔半径はルテニ
ウム化合物の担持によって大きく変化することがないの
で、担体のマクロ細孔径を測定することで触媒のマクロ
細孔として代用することができる。
【0106】本発明の触媒(8)として、担体の外表面
に酸化ルテニウムを担持した外表面担持触媒も用いるこ
とができる。本発明において用いられる担持酸化ルテニ
ウム触媒とは、マクロ細孔を有する担持酸化ルテニウム
の項で述べた酸化ルテニウムの含量と同じ含量が好まし
く使用され、また、同じ担体が好ましく使用される。す
なわち、酸化ルテニウムが担体に担持された担持酸化ル
テニウム触媒を含有する触媒である。一般的に工業的に
は、担体に担持した形で使用される。
【0107】担体としては、酸化チタン、アルミナ、酸
化ジルコニウム、シリカ、チタン複合酸化物、ジルコニ
ウム複合酸化物、アルミニウム複合酸化物、珪素複合酸
化物などの元素の酸化物、及び複合酸化物があげられ、
好ましい担体は、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニ
ウム、シリカで、更に好ましい担体は、酸化チタンであ
る。酸化ルテニウムと担体の重量比は、通常、0.1/
99.9〜20.0/80.0であり、好ましくは、
0.5/99.5〜15.0/85.0であり、より好
ましくは1.0/99.0〜15.0/85.0であ
る。酸化ルテニウムの比率が低すぎると活性が低くなる
場合があり、酸化ルテニウムの比率が高すぎると触媒の
価格が高くなる場合がある。担持する酸化ルテニウムと
しては二酸化ルテニウム、水酸化ルテニウム、などが例
としてあげられる。
【0108】酸化ルテニウムを担体の外表面に担持する
方法としては種々あげられる。たとえば、γ−アルミナ
担体に塩化ルテニウムを含浸させると外表面に担持され
るので、酸化ルテニウムを外表面に担持した触媒を調製
することは比較的に容易である。しかし、酸化チタンな
どの担体に塩化ルテニウムを含浸させると内部まで浸透
するので、担体の外表面に担持させるのは容易ではな
い。そこで、酸化ルテニウムを担体の外表面に担持する
方法は種々考案されている。たとえば、担体に塩化ルテ
ニウムをスプレーして担持する方法などがあげられる。
酸化ルテニウムを酸化チタンなどの担体の外表面に担持
する方法としては公知の方法のいずれを用いてもかまわ
ない。我々は、以下に述べるアルカリ前含浸法によって
塩化ルテニウムを酸化チタンなどの担体の外表面に良好
に担持することができることを見いだしたので、調製例
を示して説明する。すなわち、まず、適当な粒径の酸化
チタンなどの担体に水酸化カリウムなどのアルカリ金属
水酸化物や炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムな
どのアルカリの水溶液を含浸させる。この際にアルカリ
の種類やアルカリの濃度、及び、担持する塩化ルテニウ
ムの量、塩化ルテニウムを含浸してから乾燥するまでの
時間を変えることによって担体に担持される表面の塩化
ルテニウムの層の厚さが決められる。たとえば、水酸化
カリウムを用いた場合、含浸する水溶液の濃度を0.1
規定から2.0規定まで変化させることによって塩化ル
テニウムの含浸される層の厚さを変化させることができ
る。次に、アルカリの水溶液を担体に含浸させた後に担
体を乾燥する。次に、塩化ルテニウムの溶液を担体に含
浸させる。溶液としては水溶液、アルコールなどの有機
溶媒の溶液、あるいは、水と有機溶媒の混合溶液などが
使用できるが、エタノールなどの有機溶媒の溶液が好ま
しい。次いで、塩化ルテニウムを含浸させた担体を乾燥
して、アルカリで加水分解して水酸化ルテニウムとし酸
化ルテニウムとする方法や、担持した塩化ルテニウムを
還元して一旦金属ルテニウムとし、酸化して酸化ルテニ
ウムとする方法などがあげられるが、担持酸化ルテニウ
ム触媒を調製する方法については、次の方法があげられ
る。即ち、例として、塩化ルテニウムを担体の外表面に
担持する方法を以上にのべたが、塩化ルテニウムを担持
したものを次に、担持酸化ルテニウム触媒にする調製法
の例については、以下の通りである。既に述べた塩化ル
テニウムを担体の外表面に担持したものを用いて、本発
明の触媒(1)、(2)及び(3)において行われる触
媒調製方法と同様にして行われる。以上の様にして担体
の外表面に酸化ルテニウムを担持した触媒を調製するこ
とができる。
【0109】アルカリの水溶液を担体に前含浸する工程
において好ましく用いられるアルカリの種類は水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水
素アンモニウムがあげられる。担体に含浸するアルカリ
の濃度は通常0.01〜4.0規定があげられるが、好
ましくは、0.1〜3.0規定があげられる。塩化ルテ
ニウムをアルカリ前含浸した担体に含浸してから乾燥す
るまでの時間が長い場合には、塩化ルテニウムが担体内
部まで含浸されるので、用いるアルカリの種類、濃度に
よって適当な時間を選定しなければならないが、通常含
浸した後直ちに乾燥するかないしは、120分までに放
置後に乾燥する。好ましくは含浸した後直ちに乾燥する
かないしは、30分まで放置後に乾燥する。
【0110】本発明の触媒は担体の外表面に酸化ルテニ
ウムを担持した外表面担持触媒であるが、酸化ルテニウ
ムを担持する層の厚さは担体の表面を基点として担体粒
子の中心までの長さの70%までが通常好ましく使用さ
れる範囲であり、より好ましくは担体の表面を基点とし
て担体粒子の中心までの長さの60%までがあげられ
る。酸化ルテニウムの担持される層の厚さを測定する方
法としては担持酸化ルテニウム触媒の粒子の中心を通る
平面で切断し目盛り付きルーペで測定する方法、同様に
切断し、X線マイクロアナライザー(EPMA)で測定
する方法などがあげられる。また、担体に塩化ルテニウ
ムを含浸し乾燥することによってルテニウム成分は担体
に固定化されるので、ルテニウム成分が触媒調製工程で
大きく移動することはない。そこで、塩化ルテニウムを
含浸し乾燥した段階で塩化ルテニウムが担持された層の
厚さを測定することで酸化ルテニウムの層の厚さとして
代用することができる。
【0111】以上のように、本発明の触媒(7)である
触媒の細孔半径が0.03マイクロメートルから8マイ
クロメートルのマクロ細孔を有する担持酸化ルテニウム
触媒を用いる塩素の製造方法と、本発明の触媒(8)で
ある担体の外表面に酸化ルテニウムを担持した外表面担
持触媒を用いる塩素の製造方法を組み合わせて、マクロ
細孔を有する触媒担体に酸化ルテニウムを外表面担持し
た触媒を用いる方法も好ましい方法である。本発明の触
媒(9)において用いられる担体に酸化クロムを用いた
担持ルテニウム触媒とは、酸化クロム担体にルテニウム
を担持した触媒である。
【0112】担持するルテニウムとしては、酸化ルテニ
ウム、塩化ルテニウム、金属ルテニウムなどがあげられ
る。また、塩化ルテニウムや金属ルテニウムを担体に担
持した固体を焼成して得られる触媒も使用することもで
きる。好ましい触媒としては、酸化クロム担持酸化ルテ
ニウム触媒、酸化クロム担持塩化ルテニウム触媒、酸化
クロム担持塩化ルテニウムを焼成して得られる触媒、酸
化クロム担持金属ルテニウム触媒、酸化クロム担持金属
ルテニウムを焼成して得られる触媒があげられる。更に
好ましい触媒としては、酸化クロム担持酸化ルテニウム
触媒、酸化クロム担持塩化ルテニウムを焼成して得られ
る触媒があげられる。更に好ましい触媒としては、酸化
クロム担持水酸化ルテニウムを焼成して得られる酸化ク
ロム担持酸化ルテニウム触媒、酸化クロム担持塩化ルテ
ニウムを焼成して得られる触媒があげられる。
【0113】ルテニウムの担持方法としては、含浸法、
イオン交換法、沈殿担持法などがあげられるが、好まし
くは含浸法、沈殿担持法である。ルテニウムの担体に対
する重量比は、通常、0.1/99.9〜20/80の
間であり、好ましくは0.5/99.5〜10/90の
間である。ルテニウムの量が、過少であると活性が低く
なる場合がある。一方、ルテニウムの量が過多であると
触媒価格が高くなる場合がある。
【0114】ルテニウムを担体に担持した固体を焼成す
る方法としては、酸素を含む気体中で200〜500℃
に加熱する方法があげられる。酸素を含む気体として
は、空気及び窒素で希釈した空気があげられる。好まし
い焼成温度は280〜500℃であり、更に好ましい焼
成温度は300〜450℃である。焼成時間は通常30
分〜10時間である。
【0115】なお、ルテニウム化合物以外の第三成分を
添加してもよく、第三成分としては、パラジウム化合
物、銅化合物、クロム化合物、バナジウム化合物、ニッ
ケル化合物、アルカリ金属化合物、稀土類化合物、マン
ガン化合物、アルカリ土類化合物などがあげられる。第
三成分の添加量は、担体に対する比率で0.1〜10重
量%であることが好ましい。
【0116】酸化クロム担体としては、酸化クロム単
味、あるいは酸化クロムと元素の酸化物の混合物、ある
いはクロム複合酸化物を意味する。酸化クロムと混合す
る元素の酸化物としては、アルミナ、シリカ、シリカア
ルミナ、ゼオライト、ケイソウ土、酸化チタン、あるい
は酸化ジルコニウムなどがあげられる。クロム複合酸化
物としては、クロミアシリカ、クロミアアルミナ、クロ
ミアチタニア、クロミアジルコニアなどがあげられる。
添加物の酸化クロムに対する重量比は、通常、0/10
0〜50/50の間であり、好ましくは0/100〜3
0/70の間である。クロム複合酸化物に含有されるク
ロムは酸化クロムとして通常10重量%以上であり、好
ましくは50重量%以上である。
【0117】好ましい酸化クロム担体としては、酸化ク
ロム及びクロミアチタニアがあげられる。更に好ましい
酸化クロム担体としては、酸化クロム単味があげられ
る。
【0118】酸化クロム担体は粉末状で使用することも
できるし、成型して使用することもできる。酸化クロム
担体は市販のものでもよいし、クロム化合物を用いて調
製してもよい。
【0119】触媒の調製方法としては種々あげられる。
たとえば、酸化クロム担持塩化ルテニウムを焼成して得
られる触媒としては、次の調製方法があげられる。すな
わち、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・nH2
O)などの塩化ルテニウムを溶媒に溶解し、酸化クロム
担体に含浸させて、乾燥させ、焼成する方法があげられ
る。
【0120】塩化ルテニウムを溶解させる溶媒として
は、水、塩酸やメタノールなどの有機溶媒があげられる
が、水あるいは塩酸が好ましい。含浸する塩化ルテニウ
ムの量としては、ルテニウムに換算して通常0.1〜2
0重量%であり、好ましくは0.5〜10重量%であ
る。乾燥温度としては、50〜100℃があげられる。
焼成温度は、通常200〜600℃であるが、好ましく
は280〜500℃があげられ、更に好ましくは300
〜450℃があげられる。焼成雰囲気としては、酸素、
窒素を含む気体があげられるが、好ましくは酸素を含む
気体があげらる。酸素を含む気体としては、通常空気が
好ましい例としてあげられる。焼成時間は30分〜10
時間が通常である。
【0121】つぎに酸化クロム担持酸化ルテニウム触媒
の調製方法としては、次の調製方法があげられる。すな
わち、市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・nH2
O)などの塩化ルテニウムを溶媒に溶解した溶液に、酸
化クロム担体を懸濁させておき、アルカリを加えて塩化
ルテニウムを加水分解して水酸化ルテニウムとして担体
上に沈殿担持させた後、これを酸化して酸化クロム担持
酸化ルテニウム触媒とする方法があげられる。塩化ルテ
ニウムを溶解させる溶媒としては、水、塩酸水溶液やメ
タノールなどの有機溶媒があげられるが、水あるいは塩
酸水溶液が好ましい。
【0122】アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化
物、アンモニア、アルカリ金属の炭酸塩、アンモニアの
炭酸塩などの水溶液があげられるが、好ましくはアルカ
リ金属の水酸化物の水溶液があげられる。
【0123】担持した水酸化ルテニウムの酸化方法とし
ては、空気中で焼成する方法が好ましい例としてがあげ
られる。
【0124】焼成温度は、280〜500℃が好まし
く、300〜450℃が更に好ましい。焼成は2段階で
行うこともでき、2段階で焼成を行う場合は、1段階目
は150〜300℃の低温で行うことが好ましい。焼成
時間は30分〜10時間が通常である。
【0125】担持する酸化ルテニウムの量としては、ル
テニウムに換算して通常0.1〜20重量%であり、好
ましくは0.5〜10重量%である。
【0126】酸化クロム担持酸化ルテニウム触媒の調製
方法としては、次の調製方法も例としてあげられる。
【0127】すなわち、塩化ルテニウム水溶液を酸化ク
ロム担体を含浸させておき、アルカリを加えて塩化ルテ
ニウムを加水分解して水酸化ルテニウムとして担体上に
析出させた後、これを空気中で焼成する方法が好ましい
例としてあげられる。アルカリとしては、アルカリ金属
の水酸化物、アンモニア、アルカリ金属の炭酸塩、アン
モニアの炭酸塩などの水溶液があげられるが、好ましく
はアルカリ金属の水酸化物の水溶液があげられる。ま
た、焼成条件としては、前記の条件が好ましい例として
あげられる。
【0128】以上述べた通り、酸化クロム担持酸化ルテ
ニウム触媒としては、担体上に水酸化ルテニウムを担持
して空気焼成した触媒が好ましい例としてあげられる。
【0129】なお、ルテニウム化合物が酸化ルテニウム
に変換されたことはX線回折やXPS(X線光電子分
光)などの分析により確認することができる。
【0130】酸化クロム担持金属ルテニウム触媒の調製
方法としては、たとえば塩化ルテニウム水溶液を酸化ク
ロム担体を含浸させた後、水素などの還元剤で還元する
方法があげられ、たとえば、市販の塩化ルテニウム水和
物(RuCl3・nH2O)などの塩化ルテニウムを溶媒
に溶解した溶液を酸化クロム担体を含浸させて乾燥させ
た後、水素を含有する気体中で焼成して還元したり、あ
るいは水素化ホウ素ナトリウムやヒドラジンなどの還元
剤で還元するなどして、調製する方法が好ましい方法と
してあげられる。
【0131】酸化クロム担持金属ルテニウムを焼成した
触媒としては、次の調製方法が例としてあげられる。す
なわち、上記の酸化クロム担持金属ルテニウムを酸素を
含む気体中で焼成する方法が好ましい調製例としてあげ
られる。焼成温度は、280〜500℃が好ましく、3
00〜450℃が更に好ましい。焼成時間は30分〜1
0時間が通常である。
【0132】本発明は、上記の触媒を用いて、塩化水素
を酸素により酸化することにより塩素を得るものであ
る。塩素を得るにあたり、反応方式としては固定床又は
流動層等の流通方式があげられ、通常固定床気相流通方
式、気相流動層流通方式などの気相反応が好ましく採用
される。固定床式は反応ガスと触媒の分離が不要であ
り、原料ガスと触媒の接触を十分行うことができるので
高転化率を達成できるなどの利点がある。また、流動層
方式は反応器内の除熱を十分に行うことができ、反応器
内の温度分布幅を小さくできる利点がある。
【0133】反応温度は、高温の場合、高酸化状態のル
テニウム酸化物の揮散が生じるのでより低い温度で反応
することが望まれ、100〜500℃が好ましく、より
好ましくは200〜400℃があげられ、更に好ましく
は200〜380℃があげられる。反応圧は通常大気圧
〜50気圧程度である。酸素原料としては、空気をその
まま使用してもよいし、純酸素を使用してもよいが、好
ましくは不活性な窒素ガスを装置外に放出する際に他の
成分も同時に放出されるので不活性ガスを含まない純酸
素があげられる。塩化水素に対する酸素の理論モル量は
1/4モルであるが、理論量の0.1〜10倍供給する
のが通常である。また、触媒の使用量は、固定床気相流
通方式の場合で、大気圧下原料塩化水素の供給速度との
比GHSVで表わすと、通常10〜20000h-1程度
である。
【0134】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例より限定されるもの
ではない。 実施例1 次の方法により触媒を調製した。すなわち、あらかじめ
市販の塩化ルテニウム(RuCl3・nH2O、Ru含量
37.3wt%)0.81gを6.4gの純水に溶解し
て水溶液を調製し、酸化チタン粉末(日本アエロジル社
製、P25)20.0gに含浸した。次に含浸したもの
を、60℃で2時間乾燥した。乾燥した粉末を乳鉢でよ
く粉砕し、ダークグリーン色の粉末20.3gを得た。
この操作と同様の操作を9回繰り返し、183.8gの
ダークグリーン色の粉末を得た。次に、この粉末のうち
10.4gを室温で2Nに調製した水酸化カリウム溶液
2.1gと純水30.1gからなる混合溶液に超音波洗
浄機中で1分間浸漬した。次に浸漬したものと溶液との
懸濁液に、室温でヒドラジン1水和物溶液0.61gと
純水5.0gからなる溶液を、窒素中、超音波をかけな
がら注加した。注加した際に溶液に発泡が観察された。
発砲がなくなるまで15分間放置した後、上澄み液を濾
別により除去した。次に500mlの純水を加え、30
分間洗浄した後、濾別した。この操作を5回くりかえし
た。この時の1回目の洗浄液のpHは9.1、5回目の
洗浄液のpHは7.4であった。濾別した粉末に2mo
l/l塩化カリウム溶液を加えて撹拌した後に再び粉末
を濾別した。この操作を3回繰り返した。加えた塩化カ
リウム溶液の量は1回目54.4g、2回目52.1
g、3回目52.9gであった。水酸化カリウム溶液に
浸す操作からの手順を同様に6回繰り返し、107gの
ケーキを得た。得られたケーキの内53.1gを60℃
で4時間乾燥し、灰色粉末34.1gを得た。次いで、
得られた粉末を空気中で、室温から350℃まで1時間
で昇温し、同温度で3時間焼成した。焼成後、500m
lの純水を加えて攪拌した後、触媒を濾別した。この操
作を21回繰り返し、洗液に硝酸銀水溶液を滴下し、塩
化カリウムの残存していないことを確認した。次いで、
この触媒を60℃で4時間乾燥することにより、28.
0gの青灰色粉末を得た。得られた粉末を成形し、8.
6〜16.0メッシュとすることで、酸化チタン担持酸
化ルテニウム触媒を得た。なお、酸化ルテニウム含量の
計算値は、RuO2/(RuO2+TiO2)×100=
1.9重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、R
u/(RuO2+TiO2)×100=1.5重量%であ
った。使用した酸化チタン粉末を以下の条件でX線回折
分析を行った。 装置 ローターフレックスRU200B(リガク社製) X線 Cu Kα線 X線出力 40kV−40mA 発散スリット 1° 散乱スリット 1° 受光スリット 0.15mm 走査速度 1°/min 走査範囲 5.0〜75.0° カウンターモノクロメーター 湾曲結晶モノクロメーター使用 2θ=27.4°のルチル結晶のピーク強度381cp
sと2θ=25.3°のアナターゼ結晶のピーク強度1
914cpsとの合計値に対するルチルピーク強度(2
θ=27.4°、381cps)の割合は17%であっ
た。これからルチル結晶の含量は17%であった。この
ようにして得られた酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒
17.8gを同一のガラス反応管に2つのゾーンに分割
して充填した。ガラス反応管の内径は15mmで内部に
外径6mmの熱電対保護管を入れた。上部のゾーンは酸
化チタン担持酸化ルテニウム触媒5.9gと2mm球の
市販のα−アルミナ担体(ニッカトー(株)製、SSA9
95)23.6gをよく混合することにより触媒を希釈
して充填した。下部のゾーンは酸化チタン担持酸化ルテ
ニウム触媒11.9gを希釈せずに充填した。塩化水素
ガスを96ml/min、酸素ガスを53ml/min
(いずれも0℃、1気圧換算)常圧下に上部から下部へ
流通させ供給した。ガラス反応管の上部のゾーンを電気
炉で加熱し、内温(ホットスポット)を361℃とし
た。同様に下部のゾーンを内温(ホットスポット)を2
95℃とした。反応開始4.5時間後の時点で、反応管
出口のガスを30%ヨウ化カリウム水溶液に流通させる
ことによりサンプリングを行い、ヨウ素滴定法及び中和
滴定法によりそれぞれ塩素の生成量及び未反応塩化水素
量を測定した。その結果、塩化水素の転化率は93.0
%であった。また、塩化水素ガスを146ml/mi
n、酸素ガスを74ml/min(いずれも0℃、1気
圧換算)常圧下に供給し、上部のゾーンの内温を360
℃とし、下部のゾーンの内温を300℃とした以外は前
述の反応方法に準拠して行ったところ、反応開始4.5
時間後の時点で塩化水素の転化率は91.6%であっ
た。
【0135】実施例2 次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化
ルテニウム水和物(RuCl3・nH2O、Ru含量3
5.5重量%)3.52gを純水7.6gに溶解し、よ
く撹拌して塩化ルテニウム水溶液を得た。得られた水溶
液を、1〜2mmφの球形の酸化チタン担体(堺化学工
業(株) CS−300S−12、アナターゼ結晶形)
25.0gに滴下して加え、塩化ルテニウムを含浸担持
した。担持したものを空気中60℃で4時間し、酸化チ
タン担持塩化ルテニウム28.0gを得た。得られた酸
化チタン担持塩化ルテニウム28.0gのうち4.0g
を室温で2mol/lに調整した水酸化カリウム水溶液
2.4gと純水1.2gの混合溶液に1分間浸漬した。
次に浸漬したものを室温、窒素雰囲気下で溶液ごとヒド
ラジン一水和物0.67gに注加した。注加した際に溶
液に発泡が観察された。発泡がなくなるまで約15分間
放置した後、純水4.0gを注加し攪拌した。次にデカ
ンテーションにより上澄み液を除去した。次に2mol
/lに調整した塩化カリウム水溶液30mlを加え注加
後攪拌し、デカンテーションにより上澄み液を除去し
た。この操作を6回繰り返すことで塩化カリウム水溶液
洗浄を行った。次に洗浄したものを空気中60℃で4時
間乾燥し、塩化カリウムを含む灰色の球状の固体を得
た。次に、得られた固体を空気中で室温から350℃ま
で約1時間で昇温し同温度で3時間焼成し球形の固体を
得た。得られた固体に0.5lの純水を加え、攪拌した
後、30分放置し、濾過することにより水洗を行った。
この操作を4回繰り返した。水洗時間は約4時間であっ
た。水洗したものを空気中60℃で4時間乾燥すること
により3.73gの黒色球状の酸化チタン担持酸化ルテ
ニウム触媒を得た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値
は、RuO2/(RuO2+TiO2)×100=6.1重
量%であった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/(R
uO2+TiO2)×100=4.7重量%であった。こ
の様にして得られた酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒
2.5gと1〜2mmφの球状の酸化チタン(CS−3
00S−12堺化学工業(株))5gをよく混合すること
により触媒を希釈し、石英製反応管(内径12mm)に
充填した。塩化水素ガスを192ml/min、酸素ガ
スを184ml/min(いずれも0℃、1気圧換算)
常圧下に供給した。石英反応管を電気炉で加熱し、内温
(ホットスポット)を300℃とした。反応開始1.8
時間後の時点で、反応管出口のガスを30重量%ヨウ化
カリウム水溶液に流通させることによりサンプリングを
行い、ヨウ素滴定法及び中和滴定法によりそれぞれ塩素
の生成量及び未反応塩化水素量を測定した。下式により
求めた単位触媒重量当りの塩素の生成活性は3.68×
10-4mol/min・g−触媒であった。 単位触媒重量当りの塩素生成活性(mol/min・g
−触媒)=単位時間当りの出口塩素生成量(mol/m
in)/触媒重量(g) 下式により求めた単位Ru重量当りの塩素の生成活性は
78.4×10-4mol/min・g−Ruであった。 単位Ru重量当りの塩素生成活性(mol/min・g
−Ru)=単位時間当りの出口塩素生成量(mol/m
in)/Ru重量(g)
【0136】実施例3 次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化
ルテニウム水和物(RuCl3・nH2O、Ru含量3
5.5wt%)3.52gを純水7.6gに溶解し、よ
く撹拌して塩化ルテニウム水溶液を得た。得られた水溶
液を、1〜2mmφの球形の酸化チタン担体(堺化学工
業(株) CS−300S−12)25.0gに滴下し
て加え、塩化ルテニウムを含浸担持した。担持したもの
を空気中60℃で4時間し、酸化チタン担持塩化ルテニ
ウム28.1gを得た。得られた酸化チタン担持塩化ル
テニウム28.1gのうち4.0gを室温で2mol/
lに調整した水酸化カリウム水溶液2.4gと純水1.
2gの混合溶液に1分間浸漬した。次に浸漬したものを
室温、窒素雰囲気下で溶液と共にヒドラジン一水和物
0.67gに注加した。注加した際に溶液に発泡が観察
された。発泡がなくなるまで約15分間放置した後、純
水30mlを加え注加後攪拌し、デカンテーションによ
り上澄み液を除去した。この操作を6回繰り返すことで
水洗を行った。次に洗浄したものを空気中60℃で4時
間乾燥した。乾燥した固体に、1.4mol/lに調整
した塩化カリウム水溶液1.3gを含浸した後、空気中
60℃で0.5時間乾燥し、塩化カリウムを含む灰色の
球状の固体を得た。塩化カリウムとルテニウムのモル比
の計算値は1.0であった。次に空気中で室温から35
0℃まで約1時間で昇温し同温度で3時間焼成し、球形
の固体を得た。得られた固体に0.5lの純水を加え、
濾過することにより水洗を行った。この操作を4回繰り
返した。水洗時間は約4時間であった。水洗したものを
空気中60℃で4時間乾燥することにより3.65gの
黒色球状の酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒を得た。
なお、酸化ルテニウム含量の計算値は、RuO2/(Ru
2+TiO2)×100=6.1重量%であった。ルテ
ニウム含量の計算値は、Ru/(RuO2+TiO2)×
100=4.7重量%であった。この様にして得られた
酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒を実施例2と同様に
反応管に2.5g充填し、実施例2の反応方法に準拠し
て反応を行った。反応開始1.8時間後の時点で、単位
触媒重量当りの塩素の生成活性は3.63×10 -4mo
l/min・g−触媒であった。単位Ru触媒重量当り
の塩素の生成活性は77.3×10-4mol/min・
g−Ruであった。
【0137】実施例4 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(堺化学(株)、STR−60N、100%ルチル結
晶系)50.0gに純水33.4gと酸化チタンゾル
(堺化学(株)CSB,TiO2含量38wt%)6.6g
を加え混練した。混練したものに、室温で乾燥空気を吹
きかけ、担体が適当な粘度になるまで乾燥した。このと
き乾燥したことによる水の減少量は0.2gであった。
この混合物を1.5mmφのヌードル状に押出し成型し
た。次いで、空気中、60℃で4時間乾燥し、白色のヌ
ードル状酸化チタン46.3gを得た。次いで、空気中
で、室温から500℃まで1.3時間で昇温し、同温度
で3時間焼成した。焼成後、ヌードル状固体を5mm程
度の長さに切り揃えることにより、白色押出し状酸化チ
タン担体45.3gを得た。次いで、この担体40.0
gに市販の塩化ルテニウム(RuCl3・nH2O、Ru
含量37.3wt%)3.23gと21.9gの純水に
溶解して調製した水溶液を含浸し、60℃で2時間乾燥
した。次いで、得られた固体を室温で2N水酸化カリウ
ム溶液16.7gと純水241g、ヒドラジン1水和物
4.1gからなる溶液中に浸した。浸すと同時に発泡が
起きた。80分後、上澄液を濾別により除去した。つい
で、得られた固体に500mlの純水を加えて、30分
間洗浄した後、濾別した。この操作を5回くりかえし
た。この時の1回目の洗浄液のpHは9.2、5回目の
洗浄液のpHは7.2であった。濾別した固体に0.5
mol/l塩化カリウム溶液50gを加えて撹拌した後
に再び固体を濾別した。この操作を3回繰り返した。得
られた固体を60℃で4時間乾燥し、灰色固体を得た。
次いで、空気中で、室温から350℃まで1時間で昇温
し、同温度で3時間焼成した。焼成後、500mlの純
水を加えて攪拌した後、固体を濾別した。この操作を1
0回繰り返し、洗液に硝酸銀水溶液を滴下し、塩化カリ
ウムの残存していないことを確認した。次いで、この固
体を60℃で4時間乾燥することにより、41.1gの
青灰色押出し状酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒を得
た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は、RuO2
(RuO2+TiO2)×100=3.8重量%であっ
た。ルテニウム含量の計算値は、Ru/(RuO2+T
iO2)×100=2.9重量%であった。調製した酸
化チタン担体を実施例1と同様の条件でX線回折分析を
行った。2θ=27.4°のルチル結晶のピーク強度1
389cpsと、2θ=25.3°のアナターゼ結晶の
ピーク強度40cpsとの合計値に対する、ルチルピー
ク強度(2θ=27.4°、1389cps)の割合は
97%であった。これからルチル結晶形の含量は97%
であった。このようにして得られた酸化チタン担持酸化
ルテニウム触媒2.5gを2mm球の市販のα−アルミ
ナ担体(ニッカトー(株)製、SSA995)10gとよ
く混合することにより触媒を希釈して石英製反応管(内
径12mm)に充填し、酸素ガスを192ml/min
で流通させ、内温を298℃とした以外は実施例2の反
応方法に準拠して行った。反応開始2.3時間後の時点
での単位触媒重量当りの塩素の生成活性は8.88×1
-4mol/min・g−触媒であった。
【0138】実施例5 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(堺化学(株)、STR−60N、100%ルチル結
晶系)15.0gを、市販の塩化ルテニウム(RuCl
3・nH2O、Ru含量37.3wt%)2.01gと2
6.7gの純水からなる水溶液に浸漬し、次いで、減圧
下、50℃、4時間でエバポレートした。次に、60℃
で2時間乾燥した。乾燥後、触媒をよく粉砕し、黒色の
粉末を得た。この粉末を室温で、窒素雰囲気下、2N水
酸化カリウム溶液10.4gと純水69.9g、ヒドラ
ジン1水和物2.53gからなる溶液中に浸した。浸す
と同時に発泡が起きた。1時間の処理中、発泡した気体
を捕集し、体積を測定したところ、標準状態で74ml
であった。次に、上澄液を濾別により除去した。次い
で、得られた粉末に500mlの純水を加えて、30分
間洗浄した後、濾別した。この操作を5回くりかえし
た。この時の1回目の洗浄液のpHは9.4、5回目の
洗浄液のpHは7.1であった。濾別した粉末に2mo
l/l塩化カリウム溶液50gを加えて撹拌した後に再
び粉末を濾別した。この操作を3回繰り返した。得られ
たケーキを60℃で4時間乾燥し、黒茶色粉末を得た。
次いで、得られた粉末を空気中で、室温から350℃ま
で1時間で昇温し、同温度で3時間焼成した。焼成後、
500mlの純水を加えて攪拌した後、粉末を濾別し
た。この操作を5回繰り返し、洗液に硝酸銀水溶液を滴
下し、塩化カリウムの残存していないことを確認した。
次いで、この粉末を60℃で4時間乾燥することによ
り、14.5gの黒色粉末を得た。得られた粉末を成形
し、8.6〜16.0メッシュとすることで、酸化チタ
ン担持酸化ルテニウム触媒を得た。なお、酸化ルテニウ
ム含量の計算値は、RuO2/(RuO2+TiO2)×
100=6.2重量%であった。ルテニウム含量の計算
値は、Ru/(RuO2+TiO2)×100=4.7重
量%であった。使用した酸化チタン粉末(STR−60
N)を実施例1と同様の条件でX線回折分析を行った結
果、2θ=27.4°のルチル結晶のピーク強度101
5cpsであった。2θ=25.3°のアナターゼ結晶
のピーク強度認められなかった。よって、ルチル結晶形
の含量は100%であった。また、担体のOH基含量を
以下の様にして測定した。すなわち、試料をあらかじめ
空気中150℃で、2時間乾燥した後、デシケーター内
で冷却した。その後、窒素置換されたフラスコ内に試料
を1.06g移し、脱水されたトルエン溶媒40mlに
懸濁させた。発熱を抑えるためフラスコを氷冷し、滴下
漏斗からメチルリチウム5mlを滴下したところ、メタ
ンガスが52ml発生した。また、試料を入れずにトル
エンを40mlとし、同様の操作をしたところ、メタン
ガスが30ml発生した。この時の温度は24℃であっ
た。下記式(1)を用いてOH基含量Q(mol/g−
担体)を計算したところ、 Q=(V−V0)/(22400×(273+T)/273)/W (1) V:発生ガス量(ml) 測定中に発生したメタンガス
の温度Tでの容積 V0:ブランク発生ガス量(ml) 測定試料を入れず
に測定したときの測定系内の残存水分から発生する温度
Tでのメタンガス量 T:測定温度(℃) W:試料量(g) 8.5×10-4(mol/g−担体)であった。更に、
ヒドラジン処理により生じた窒素の量から還元されたR
uの価数を下式(2)により決定した。 1/4N24→e-+H++1/4N2↑ (1) となり、本発明ではルテニウムの価数を(1)式で決定
した。反応(1)が進行した場合のRuの価数は Ru価数=3−((V/22400×4)/N) (2) V:生成ガス量(ml) N:Ruの含量(mol) で表され、Ru価数は1.22となった。Ruは1.2
2価に還元されていた。一方、上式の反応以外に下式の 9/2N24→e-+5NH3+3H++2N2↑ (3) 反応(3)も知られている。このようにして得られた酸
化チタン担持酸化ルテニウム触媒2.5gを2mm球の
市販のα−アルミナ担体(ニッカトー(株)製、SSA9
95)10gとよく混合することにより触媒を希釈して
石英製反応管(内径12mm)に充填し、酸素ガスを1
92ml/minで流通させた以外は実施例2の反応方
法に準拠して行った。反応開始2.2時間後の時点での
単位触媒重量当りの塩素の生成活性は5.1×10-4
ol/min・g−触媒であった。
【0139】実施例6 次の方法により触媒を調製した。すなわち、1〜2mm
の球形の酸化チタン担体(堺化学工業(株)CS−30
0S−12、アナターゼ結晶系)5.0gに、あらかじ
め塩化ルテニウム(RuCl3・nH2O、Ru含量3
5.5%)0.71gを1.7gの純水に溶解した溶液
を含浸し、60℃で2時間乾燥した。次いで、水素化ホ
ウ素ナトリウム(NaBH4)0.84gと純水4.1
gとエタノール22.1gからなる溶液を調製し、氷浴
で十分冷却したのち、既に調製済みの塩化ルテニウムを
担持した酸化チタンを加え、塩化ルテニウムを還元し
た。このとき溶液の発泡が見られた。発泡がおさまって
から、還元処理した固体を濾別した。次に、500ml
の純水で30分間洗浄し再度、固体を濾別した。この操
作を5回繰り返した。次に、この固体を60℃で4時間
乾燥した。5.2gの黒色固体が得られた。次いで、こ
の固体に、塩化カリウム0.19gを純水3.05gに
溶解した溶液を2回に分けて含浸した。塩化カリウム水
溶液の含浸量は1回目1.72gであった。60℃で1
時間乾燥後、2回目1.52gを含浸した。得られた固
体を60℃で4時間乾燥した。乾燥したものを空気中で
350℃まで1時間で昇温し、同温度で3時間焼成し
た。次に、得られた固体を500mlの純水で30分間
洗浄し濾別した。この操作を5回繰り返した。濾液に硝
酸銀水溶液を滴下して、塩化カリウムが残存していない
ことを確認した。洗浄した後、固体を60℃で4時間乾
燥して、球形の黒色の酸化チタン担持酸化ルテニウム触
媒5.1gが得られた。得られた触媒の細孔半径は0.
004マイクロメートルから0.02マイクロメートル
であった。この触媒の水銀圧入法による細孔分布曲線は
図1に示されている。なお、酸化ルテニウム含量の計算
値は、RuO2/(RuO2+TiO2)×100=6.
2重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/
(RuO2+TiO2)×100=4.7重量%であっ
た。また、使用した酸化チタン粉末を実施例1と同様の
条件でX線回折分析を行った結果、2θ=25.3°の
アナターゼ結晶のピーク強度1824cpsに対し、2
θ=27.4°のルチル結晶のピークは認められなかっ
た。これからルチル結晶の含量は0%であった。また、
試料量を2.56gとした以外は実施例5と同様の条件
で担体のOH基含量を測定したところ、86mlのメタ
ンガスが発生した。担体のOH基含量は、9.0×10
-4(mol/g−担体)であった。このようにして得ら
れた酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒2.5gを実施
例2と同様に反応管に充填し、塩化水素ガスを187m
l/min、酸素ガスを199ml/minで流通させ
た以外は実施例2に準拠して反応を行った。反応開始
2.0時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素の生成
活性は3.92×10-4mol/min・g−触媒であ
った。
【0140】実施例7 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(日本アエロジル社製、P25)10.1gに、あ
らかじめ市販の塩化ルテニウム(RuCl3・nH2O、
Ru含量37.3wt%)0.41gを3.5gの純水
に溶解して調製した水溶液を含浸し、次に、60℃で2
時間乾燥した。乾燥した粉末を乳鉢でよく粉砕し、ダー
クグリーン色の粉末を得た。この粉末を水素化ホウ素ナ
トリウムで還元するために水素化ホウ素ナトリウム0.
50gをエタノール100gに溶解した溶液を調製し、
氷浴で冷却した。この水素化ホウ素ナトリウム溶液に、
塩化ルテニウムを担持した酸化チタンを全量撹拌しなが
ら加えた。加えると同時に発泡が起きた。1時間後、上
澄み液をデカンテーションにより除去した。次に得られ
た粉末に500mlの純水を加え、30分間洗浄した
後、濾別した。この操作を5回くりかえした。この時の
1回目の洗浄液のpHは9.3、5回目の洗浄液のpH
は4.2であった。濾別した粉末に2mol/l塩化カ
リウム溶液を加えて撹拌した後に再び粉末を濾別した。
この操作を3回繰り返した。加えた塩化カリウム溶液の
量は1回目48.1g、2回目52.9g、3回目4
7.2gであった。得られたケーキを60℃で4時間乾
燥し、灰色粉末を得た。次いで、得られた粉末を空気中
で、室温から350℃まで1時間で昇温し、同温度で3
時間焼成した。焼成後、500mlの純水を加えて攪拌
した後、粉末を濾別した。この操作を5回繰り返し、洗
液に硝酸銀水溶液を滴下し、塩化カリウムの残存してい
ないことを確認した。次いで、このケーキを60℃で4
時間乾燥することにより、9.2gの青灰色粉末を得
た。得られた粉末を成形し、8.6〜16.0メッシュ
とすることで、酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒を得
た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は、RuO2
(RuO2+TiO2)×100=1.9重量%であっ
た。ルテニウム含量の計算値は、Ru/(RuO2+T
iO2)×100=1.5重量%であった。このように
して得られた酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒2.5
gを実施例2と同様に反応管に充填し、塩化水素ガスを
195ml/min、酸素ガスを198ml/minで
流通させた以外は実施例2に準拠して反応を行った。反
応開始2.0時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素
の生成活性は5.56×10 -4mol/min・g−触
媒であった。
【0141】実施例8 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(日本アエロジル社製、P25)10.1gに、あ
らかじめ市販の塩化ルテニウム(RuCl3・nH2O、
Ru含量37.3wt%)0.40gを3.4gの純水
に溶解して調製した水溶液を含浸し、次に、得られた粉
末を60℃で2時間乾燥した。乾燥した粉末を乳鉢でよ
く粉砕し、ダークグリーン色の粉末を得た。この粉末を
室温で2N水酸化カリウム溶液2.1gと純水30.2
gからなる溶液中に浸しフラスコを超音波洗浄機に入れ
ながら攪拌した。1分後、室温、窒素中で攪拌中の懸濁
液にヒドラジン1水和物0.59gと純水5.1gから
なる溶液を加え、ヒドラジンで処理した。加えると同時
に発泡が起きた。15分後、上澄液を濾別した。次に、
得られた粉末に500mlの純水を加えて、30分間洗
浄した後、濾別した。この操作を5回くりかえした。こ
の時の1回目の洗浄液のpHは7.8、5回目の洗浄液
のpHは6.0であった。濾別した粉末に2mol/l
塩化カリウム溶液を加えて撹拌した後に再び粉末を濾別
した。この操作を3回繰り返した。加えた塩化カリウム
溶液の量は1回目53.6g、2回目62.4g、3回
目39.4gであった。得られたケーキを60℃で4時
間乾燥し、ベージュ色粉末を得た。次いで、乾燥した粉
末を空気中で、室温から350℃まで1時間で昇温し、
同温度で3時間焼成した。焼成後、500mlの純水を
加えて攪拌した後、粉末を濾別した。この操作を5回繰
り返し、洗液に硝酸銀水溶液を滴下し、塩化カリウムの
残存していないことを確認した。次いで、この触媒を6
0℃で4時間乾燥することにより、8.4gの青灰色粉
末を得た。得られた粉末を成形し、8.6〜16.0メ
ッシュとすることで、酸化チタン担持酸化ルテニウム触
媒を得た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は、Ru
2/(RuO2+TiO2)×100=1.9重量%で
あった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/(RuO2
+TiO2)×100=1.4重量%であった。使用し
た酸化チタン粉末を実施例1と同様の条件でX線回折分
析を行った結果、ルチル結晶の含量は17%であっ
た。。また、試料量を4.08g、トルエン量を80m
lとした以外は実施例5と同様の条件で担体のOH基含
量を測定したところ、88mlのメタンガスが発生し
た。担体のOH基含量は、2.8×10-4(mol/g
−担体)であった。このようにして得られた酸化チタン
担持酸化ルテニウム触媒2.5gを実施例2と同様に反
応管に充填し、塩化水素ガスを187ml/min、酸
素ガスを199ml/minで流通させ、内温を301
℃とした以外は実施例2の反応方法に準拠して行った。
反応開始2.0時間後の時点での単位触媒重量当りの塩
素の生成活性は5.33×10-4mol/min・g−
触媒であった。
【0142】実施例9 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(日本アエロジル社製、P25)19.7gに、あ
らかじめ市販の塩化ルテニウム(RuCl3・nH2O、
Ru含量37.3wt%)0.81gを6.0gの純水
に溶解して調製した水溶液を含浸し、次に、60℃で2
時間乾燥した。乾燥した粉末を乳鉢でよく粉砕し、ダー
クグリーン色の粉末を得た。この粉末を水素化ホウ素ナ
トリウムで還元するために水素化ホウ素ナトリウム1.
00gをエタノール200gに溶解した溶液を調製し、
氷浴で冷却した。この水素化ホウ素ナトリウム溶液に、
塩化ルテニウムを担持した酸化チタンを全量撹拌しなが
ら加えた。加えると同時に発泡が起きた。1時間後、上
澄み液をデカンテーションにより除去した。次に得られ
た粉末に500mlの純水を加え、30分間洗浄した
後、濾別した。この操作を5回くりかえした。この時の
1回目の洗浄液のpHは9.8、5回目の洗浄液のpH
は6.6であった。得られたケーキを60℃で4時間乾
燥した。青灰色の粉末18.0gを得た。次に、得られ
た粉末に塩化カリウム0.66gと純水9.0gからな
る水溶液を含浸し、60℃で4時間乾燥した。次いで、
空気中で、室温から350℃まで1時間で昇温し、同温
度で3時間焼成した。焼成後、500mlの純水を加え
て攪拌した後、粉末を濾別した。この操作を5回繰り返
し、洗液に硝酸銀水溶液を滴下し、塩化カリウムの残存
していないことを確認した。次いで、この粉末を60℃
で4時間乾燥することにより、17.3gの青灰色粉末
を得た。得られた粉末を成形し、8.6〜16.0メッ
シュとすることで、酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒
を得た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は、RuO
2/(RuO2+TiO2)×100=2.0重量%であ
った。ルテニウム含量の計算値は、Ru/(RuO2
TiO2)×100=1.5重量%であった。使用した
酸化チタン粉末を実施例1と同様の条件でX線回折分析
を行った結果、ルチル結晶の含量は17%であった。。
このようにして得られた酸化チタン担持酸化ルテニウム
触媒2.5gを実施例2と同様に反応管に充填し、塩化
水素ガスを195ml/min、酸素ガスを198ml
/minで流通させ、内温を299℃とした以外は実施
例2の反応方法に準拠して行った。反応開始2.0時間
後の時点での単位触媒重量当りの塩素の生成活性は4.
41×10-4mol/min・g−触媒であった。
【0143】実施例10 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(堺化学(株)、STR−60N、100%ルチル結
晶系)を、あらかじめ空気中で室温から500℃まで
1.4時間で昇温し、同温度で3時間焼成した。次い
で、焼成したもの15.1gを市販の塩化ルテニウム
(RuCl3・nH2O、Ru含量37.3wt%)0.
61gと26.7gの純水からなる水溶液に浸漬し、次
いで、減圧下、50℃、4時間でエバポレートした。次
に、60℃で2時間乾燥した。乾燥した粉末をよく粉砕
し、ダークグリーン色の粉末を得た。この粉末を室温、
窒素雰囲気下で2N水酸化カリウム溶液3.2gと純水
52.6g、ヒドラジン1水和物0.77gからなる溶
液中に浸し、処理した。加えると同時に発泡が起きた。
1時間後、上澄液を濾別した。ついで得られた粉末に5
00mlの純水を加えて、30分間洗浄した後、濾別し
た。この操作を7回くりかえした。この時の1回目の洗
浄液のpHは9.9、7回目の洗浄液のpHは7.5で
あった。濾別した粉末に2.0mol/l塩化カリウム
溶液50gを加えて撹拌した後に再び粉末を濾別した。
この操作を3回繰り返した。得られたケーキを60℃で
4時間乾燥し、赤灰色粉末を得た。次いで、空気中で、
室温から350℃まで1時間で昇温し、同温度で3時間
焼成した。焼成後、500mlの純水を加えて攪拌した
後、粉末を濾別した。この操作を5回繰り返し、洗液に
硝酸銀水溶液を滴下し、塩化カリウムの残存していない
ことを確認した。次いで、この粉末を60℃で4時間乾
燥することにより、13.9gの青灰色粉末を得た。得
られた粉末を成形し、8.6〜16.0メッシュとする
ことで、酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒を得た。な
お、酸化ルテニウム含量の計算値は、RuO2/(Ru
2+TiO2)×100=1.9重量%であった。ルテ
ニウム含量の計算値は、Ru/(RuO2+TiO2)×
100=1.5重量%であった。また、試料量を1.3
1gとした以外は実施例5と同様の条件で担体のOH基
含量を測定したところ、48mlのメタンガスが発生し
た。担体のOH基含量は、5.6×10-4(mol/g
−担体)であった。このようにして得られた酸化チタン
担持酸化ルテニウム触媒2.5gを2mm球の市販のα
−アルミナ担体(ニッカトー(株)製、SSA995)1
0gとよく混合することにより触媒を希釈して石英製反
応管(内径12mm)に充填し、酸素ガスを192ml
/minで流通させた以外は実施例2の反応方法に準拠
して行った。反応開始2.0時間後の時点での単位触媒
重量当りの塩素の生成活性は4.27×10-4mol/
min・g−触媒であった。
【0144】実施例11 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(堺化学(株)、STR−60N、100%ルチル結
晶系)を、あらかじめ空気中で室温から700℃まで
1.9時間で昇温し、同温度で3時間焼成した。次い
で、焼成したもの15.0gを市販の塩化ルテニウム
(RuCl3・nH2O、Ru含量37.3wt%)0.
61gと26.7gの純水からなる水溶液に浸漬し、次
いで、減圧下、50℃、4時間でエバポレートした。次
に、60℃で2時間乾燥した。乾燥した粉末をよく粉砕
し、ダークグリーン色の粉末を得た。この粉末を室温、
窒素雰囲気下で2N水酸化カリウム溶液3.2gと純水
52.7g、ヒドラジン1水和物0.77gからなる溶
液中に浸した。浸すと同時に発泡が起きた。1時間後、
上澄液を濾別した。ついで得られた粉末に500mlの
純水を加えて、30分間洗浄した後、濾別した。この操
作を7回くりかえした。この時の1回目の洗浄液のpH
は9.9、7回目の洗浄液のpHは7.5であった。濾
別した粉末に2.0mol/l塩化カリウム溶液50g
を加えて撹拌した後に再び粉末を濾別した。この操作を
3回繰り返した。得られたケーキを60℃で4時間乾燥
し、灰色粉末を得た。次いで、得られた粉末を空気中
で、室温から350℃まで1時間で昇温し、同温度で3
時間焼成した。焼成後、500mlの純水を加えて攪拌
した後、粉末を濾別した。この操作を5回繰り返し、洗
液に硝酸銀水溶液を滴下し、塩化カリウムの残存してい
ないことを確認した。次いで、この粉末を60℃で4時
間乾燥することにより、13.5gの青灰色粉末を得
た。得られた粉末を成形し、8.6〜16.0メッシュ
とすることで、酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒を得
た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は、RuO2
(RuO2+TiO2)×100=2.0重量%であっ
た。ルテニウム含量の計算値は、Ru/(RuO2+T
iO2)×100=1.5重量%であった。また、試料
量を2.02gとした以外は実施例5と同様の条件で担
体のOH基含量を測定したところ、46mlのメタンガ
スが発生した。担体のOH基含量は、3.3×10
-4(mol/g−担体)であった。このようにして得ら
れた酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒2.5gを2m
m球の市販のα−アルミナ担体(ニッカトー(株)製、S
SA995)10gとよく混合することにより触媒を希
釈して石英製反応管(内径12mm)に充填し、酸素ガ
スを192ml/minで流通させた以外は実施例2の
反応方法に準拠して行った。反応開始2.0時間後の時
点での単位触媒重量当りの塩素の生成活性は4.32×
10-4mol/min・g−触媒であった。
【0145】実施例12 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(堺化学(株)、STR−60N、100%ルチル結
晶系)120gに純水76.3gと酸化チタンゾル(堺
化学(株)CSB,TiO2含量38wt%)15.8gを
加え混練した。混練したものに、室温で乾燥空気を吹き
かけ、担体が適当な粘度になるまで乾燥した。乾燥した
ことによる水の減少量は10.5gであった。この混合
物を1.5mmφのヌードル状に押出し成形した。次い
で、空気中、60℃で4時間乾燥し、白色のヌードル状
酸化チタン119gを得た。次いで、空気中で、室温か
ら500℃まで1.4時間で昇温し、同温度で3時間焼
成した。焼成後、ヌードル状固体を5mm程度の長さに
切り揃えることにより、白色押出状酸化チタン担体11
5gを得た。次いで、得られた担体50.0gに、市販
の塩化ルテニウム(RuCl3・nH2O、Ru含量3
7.3wt%)2.04gと27.0gの純水に溶解し
て調製した水溶液を含浸し、60℃で2時間乾燥した。
次いで、得られた固体を室温で2N水酸化カリウム溶液
10.5gと純水300g、ヒドラジン1水和物2.5
7gからなる溶液中に浸し、15分毎に攪拌し、1時間
浸漬した。浸すと同時に発泡が起きた。還元した後、上
澄み液を濾別により除去した。次いで、得られた固体に
500mlの純水を加えて、30分間洗浄した後、濾別
した。この操作を5回くりかえした。この時の1回目の
洗浄液のpHは8.8、5回目の洗浄液のpHは6.8
であった。濾別した押出状固体に0.5mol/l塩化
カリウム溶液100gを加えて撹拌した後に再び押出状
固体を濾別した。この操作を3回繰り返した。得られた
固体を60℃で4時間乾燥し、灰色固体を得た。次い
で、空気中で、室温から350℃まで1時間で昇温し、
同温度で3時間焼成した。焼成後、500mlの純水を
加えて攪拌した後、固体を濾別した。この操作を5回繰
り返し、洗液に硝酸銀水溶液を滴下し、塩化カリウムの
残存していないことを確認した。次いで、この押出状固
体を60℃で4時間乾燥することにより、50.7gの
青灰色押出状酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒を得
た。更に、含浸工程からの操作を同様に繰り返し、5
0.8gの青灰色押出状酸化チタン担持酸化ルテニウム
触媒を得、これらを混合し、101.5gの青灰色押出
状酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒を得た。なお、
(A)触媒活性成分である酸化ルテニウム含量の計算値
は、RuO2/(RuO2+TiO2(ルチル結晶形)+
TiO2(バインダー))×100=2.0重量%であ
った。ルテニウム含量の計算値は、Ru/( RuO2
TiO2(ルチル結晶形)+TiO2(バインダー))×
100=1.5重量%であった。200℃における固相
の熱伝導度が7.5W/m・℃で、(B)成分であるル
チル結晶形酸化チタンの計算値は、TiO2(ルチル結
晶形)/( RuO2+TiO2(ルチル結晶形)+Ti
2(バインダー))×100=93.4重量%であっ
た。使用した酸化チタン担体を実施例1と同様の条件で
X線回折分析を行った結果、ルチル結晶の含量は97%
であった。このようにして得られた酸化チタン担持酸化
ルテニウム触媒2.5gを2mm球の市販のα−アルミ
ナ担体(ニッカトー(株)製、SSA995)10gとよ
く混合することにより触媒を希釈して石英製反応管(内
径12mm)に充填し、酸素ガスを206ml/min
で流通させた以外は実施例2の反応方法に準拠して行っ
た。反応開始2.0時間後の時点での単位触媒重量当り
の塩素の生成活性は4.83×10-4mol/min・
g−触媒であった。
【0146】実施例13 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(テイカ(株)、MT−600B、ルチル結晶系)1
0.0gを市販の塩化ルテニウム(RuCl3・nH
2O、Ru含量37.3wt%)0.41gと17.8
gの純水からなる水溶液に浸漬し、次いで、減圧下、4
0℃、2時間でエバポレートした。次に、60℃で2時
間乾燥した。乾燥後、触媒をよく粉砕し、ダークグリー
ン色の粉末を得た。この粉末を室温で2N水酸化カリウ
ム溶液2.1gと純水30.0gからなる溶液中に浸し
攪拌した。1分後、室温、窒素雰囲気下、攪拌中の懸濁
液にヒドラジン1水和物0.59gと純水5.0gから
なる溶液を加え、ヒドラジンで処理した。加えると同時
に発泡が起きた。1時間後、上澄液を濾別した。つい
で、得られた粉末に500mlの純水を加えて、30分
間洗浄した後、濾別した。この操作を5回くりかえし
た。この時の1回目の洗浄液のpHは8.8、5回目の
洗浄液のpHは7.4であった。濾別した粉末に2mo
l/l塩化カリウム溶液50gを加えて撹拌した後に再
び粉末を濾別した。この操作を3回繰り返した。得られ
たケーキを60℃で4時間乾燥し、ベージュ色粉末を得
た。次いで、空気中で、室温から350℃まで1時間で
昇温し、同温度で3時間焼成した。焼成後、500ml
の純水を加えて攪拌した後、粉末を濾別した。この操作
を5回繰り返し、洗液に硝酸銀水溶液を滴下し、塩化カ
リウムの残存していないことを確認した。次いで、この
粉末を60℃で4時間乾燥することにより、9.23g
の青灰色粉末を得た。得られた粉末を成形し、8.6〜
16.0メッシュとすることで、酸化チタン担持酸化ル
テニウム触媒を得た。なお、酸化ルテニウム含量の計算
値は、RuO2/(RuO2+TiO2)×100=2.
0重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/
(RuO2+TiO2)×100=1.5重量%であっ
た。このようにして得られた酸化チタン担持酸化ルテニ
ウム触媒2.5gを1mm球の市販のα−アルミナ担体
(ニッカトー(株)製、SSA995)5gとよく混合す
ることにより触媒を希釈して石英製反応管(内径12m
m)に充填し、塩化水素ガスを211ml/min、酸
素ガスを211ml/minで流通させた以外は実施例
2の反応方法に準拠して行った。反応開始1.8時間後
の時点での単位触媒重量当りの塩素の生成活性は4.4
0×10-4mol/min・g−触媒であった。
【0147】実施例14 次の方法により触媒を調製した。すなわち、純水270
gと30wt%硫酸チタン溶液(和光純薬社製)134
gを室温混合した。得られた溶液に酸化チタン粉末(石
原産業社製、PT−101、ルチル結晶系)10.0g
を室温混合した。次いで、得られた懸濁液をオイルバス
を用いて、攪拌下、102℃に加熱し7時間かけて加熱
加水分解した。加水分解後、反応液を室温まで冷却し、
一晩放置した後、濾別した。得られた白色沈殿に0.5
Lの純水を加え、30分間洗浄した後、濾別した。この
操作を8回繰り返した。次に、得られた沈殿を60℃で
4時間乾燥し、25.0gの白色粉末を得た。この粉末
を、空気中で、300℃まで1時間で昇温し同温度で5
時間焼成することにより、23.2gの白色固体を得
た。更に、この粉末のうち、20.2gを分取し、空気
中で、500℃まで1.4時間で昇温し、同温度で3時
間焼成することにより、19.5gの白色固体を得た。
得られた固体を粉砕し、酸化チタン粉末を得た。得られ
た酸化チタン粉末9.5gにあらかじめ市販の塩化ルテ
ニウム(RuCl3・nH2O、Ru含量37.3wt
%)1.27gと9.5gの純水から調製した水溶液を
含浸し、次いで、減圧下、40℃、2時間でエバポレー
トした。次に、60℃で2時間乾燥した。乾燥した粉末
を乳鉢でよく粉砕し、黒色の粉末を得た。この粉末を、
室温で2N水酸化カリウム溶液6.6gと純水28.5
gからなる溶液に浸し、攪拌した。一分後、室温、窒素
雰囲気下、攪拌中の懸濁液にヒドラジン1水和物1.8
3gと純水4.8gからなる溶液を加え、ヒドラジンで
処理した。加えると同時に発泡が起きた。1時間後、上
澄液を濾別した。ついで得られた粉末に500mlの純
水を加えて、30分間洗浄した後、濾別した。この操作
を5回くりかえした。この時の1回目の洗浄液のpHは
8.2、5回目の洗浄液のpHは6.6であった。濾別
した粉末に2mol/l塩化カリウム溶液48gを加え
て撹拌した後に再び粉末を濾別した。この操作を3回繰
り返した。得られたケーキを60℃で4時間乾燥し、黒
色粉末10.2gを得た。次いで、空気中で、室温から
350℃まで1時間で昇温し、同温度で3時間焼成し
た。焼成後、500mlの純水を加えて攪拌した後、粉
末を濾別した。この操作を5回繰り返し、洗液に硝酸銀
水溶液を滴下し、塩化カリウムの残存していないことを
確認した。次いで、この粉末を60℃で4時間乾燥する
ことにより、8.9gの黒色粉末を得た。得られた粉末
を成形し、8.6〜16.0メッシュとすることで、酸
化チタン担持酸化ルテニウム触媒を得た。なお、酸化ル
テニウム含量の計算値は、RuO2/(RuO2+TiO
2)×100=6.2重量%であった。ルテニウム含量
の計算値は、Ru/(RuO2+TiO2)×100=
4.7重量%であった。使用した酸化チタン粉末を実施
例1と同様の条件でX線回折分析を行った結果、2θ=
27.4°のルチル結晶のピーク強度は1497cps
であった。2θ=25.3°のアナターゼ結晶のピーク
強度は認められなかった。ルチル結晶の含量は100%
であった。また、試料量を2.36gとした以外は実施
例5と同様の条件で担体のOH基含量を測定したとこ
ろ、51mlのメタンガスが発生した。担体のOH基含
量は、3.7×10-4(mol/g−担体)であった。
このようにして得られた酸化チタン担持酸化ルテニウム
触媒2.5gを2mm球の市販のα−アルミナ担体(ニ
ッカトー(株)製、SSA995)10gとよく混合する
ことにより触媒を希釈して石英製反応管(内径12m
m)に充填し、塩化水素をガスを211ml/minで
流通させ、酸素ガスを211ml/minで流通させた
以外は実施例2の反応方法に準拠して行った。反応開始
2.3時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素の生成
活性は8.18×10-4mol/min・g−触媒であ
った。
【0148】実施例15 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(堺化学(株)、100%ルチル結晶形)を、あらか
じめ空気中で室温から500℃まで1.4時間で昇温
し、同温度で3時間焼成した。次いで、焼成したもの1
0.0gを市販の塩化ルテニウム(RuCl3・nH
2O、Ru含量37.3wt%)1.34gと17.8
gの純水からなる水溶液に浸漬し、次いで、減圧下、4
0℃、2時間でエバポレートした。次に、60℃で2時
間乾燥した。乾燥した粉末をよく粉砕し、黒茶色の粉末
を得た。この粉末を室温で、2N水酸化カリウム溶液
6.9gと純水30.0gからなる溶液中に浸し攪拌し
た。1分後、室温、窒素雰囲気下、攪拌中の懸濁液にヒ
ドラジン1水和物1.93gと純水5.0gからなる溶
液を加え、ヒドラジンで処理した。加えると同時に発泡
が起きた。1時間後、上澄液を濾別により除去した。次
いで、得られた粉末に500mlの純水を加えて、30
分間洗浄した後、濾別した。この操作を5回くりかえし
た。この時の1回目の洗浄液のpHは8.7、5回目の
洗浄液のpHは7.4であった。濾別した粉末に2mo
l/l塩化カリウム溶液50gを加えて撹拌した後に再
び粉末を濾別した。この操作を3回繰り返した。得られ
たケーキを60℃で4時間乾燥し、黒色粉末を得た。次
いで、空気中で、室温から350℃まで1時間で昇温
し、同温度で3時間焼成した。焼成後、500mlの純
水を加えて攪拌した後、粉末を濾別した。この操作を5
回繰り返し、洗液に硝酸銀水溶液を滴下し、塩化カリウ
ムの残存していないことを確認した。次いで、この粉末
を60℃で4時間乾燥することにより、9.7gの黒色
粉末を得た。得られた粉末を成形し、8.6〜16.0
メッシュとすることで、酸化チタン担持酸化ルテニウム
触媒を得た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は、R
uO2/(RuO2+TiO2)×100=6.2重量%
であった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/(RuO
2+TiO2)×100=4.7重量%であった。使用し
た酸化チタン粉末を実施例1と同様の条件でX線回折分
析を行った結果、2θ=27.4°のルチル結晶のピー
ク強度907cpsであった。2θ=25.3°のアナ
ターゼ結晶のピーク強度は認められなかった。ルチル結
晶の含量は100%であった。また、試料量を1.64
gとした以外は実施例5と同様の条件で担体のOH基含
量を測定したところ、54mlのメタンガスが発生し
た。担体のOH基含量は、6.0×10-4(mol/g
−担体)であった。このようにして得られた酸化チタン
担持酸化ルテニウム触媒2.5gを2mm球の市販のα
−アルミナ担体(ニッカトー(株)製、SSA995)1
0gとよく混合することにより触媒を希釈して石英製反
応管(内径12mm)に充填し、塩化水素ガスを211
ml/min、酸素ガスを211ml/minで流通さ
せた以外は実施例2の反応方法に準拠して行った。反応
開始1.8時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素の
生成活性は7.85×10-4mol/min・g−触媒
であった。
【0149】実施例16 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(堺化学工業(株)製、SSP−HJ、アナターゼ結
晶系)10.1gに、あらかじめ市販の塩化ルテニウム
(RuCl3・nH2O、Ru含量37.3wt%)1.
35gを4.5gの純水に溶解して調製した水溶液を含
浸し、次に、含浸したものを60℃で2時間乾燥した。
乾燥した粉末を乳鉢でよく粉砕し、黒色の粉末を得た。
この粉末を水素化ホウ素ナトリウムで還元するために水
素化ホウ素ナトリウム1.65gをエタノール330g
に溶解した溶液を調製し、氷浴で冷却した。この水素化
ホウ素ナトリウム溶液に、塩化ルテニウムを担持した酸
化チタンを全量撹拌しながら加えた。加えると同時に発
泡が起きた。1時間後、上澄み液をデカンテーションに
より除去した。次に得られた粉末に500mlの純水を
加え、30分間洗浄した後、濾別した。この操作を5回
くりかえした。この時の1回目の洗浄液のpHは9.
3、5回目の洗浄液のpHは5.3であった。得られた
ケーキを60℃で4時間乾燥した。黒色の粉末9.8g
を得た。次に、得られた粉末に塩化カリウム1.21g
と純水4.2gからなる水溶液を含浸した。次に、含浸
したものを60℃で4時間乾燥した。次いで、得られた
粉末を空気中で、室温から350℃まで1時間で昇温
し、同温度で3時間焼成した。焼成後、500mlの純
水を加えて攪拌した後、粉末を濾別した。この操作を5
回繰り返し、洗液に硝酸銀水溶液を滴下し、塩化カリウ
ムの残存していないことを確認した。次いで、この粉末
を60℃で4時間乾燥することにより、9.3gの黒色
粉末を得た。得られた粉末を成形し、8.6〜16.0
メッシュとすることで、酸化チタン担持酸化ルテニウム
触媒を得た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は、R
uO2/(RuO2+TiO2)×100=6.1重量%
であった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/(RuO
2+TiO2)×100=4.7重量%であった。また、
試料量を1.79gとした以外は実施例5と同様の条件
で担体のOH基含量を測定したところ、111mlのメ
タンガスが発生した。担体のOH基含量は、18.6×
10-4(mol/g−担体)であった。このようにして
得られた酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒2.5gを
実施例2と同様に反応管に充填し、塩化水素ガスを18
7ml/min、酸素ガスを199ml/minで流通
させた以外は実施例2の反応方法に準拠して行った。反
応開始2.0時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素
の生成活性は3.59×10-4mol/min・g−触
媒であった。
【0150】実施例17 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(日本アエロジル社製、P25)10.0gに、あ
らかじめ市販の塩化ルテニウム(RuCl3・nH2O、
Ru含量37.3wt%)1.34gを4.8gの純水
に溶解して調製した水溶液を含浸し、次に、60℃で2
時間乾燥した。乾燥した粉末を乳鉢でよく粉砕し、黒色
の粉末を得た。この粉末を水素化ホウ素ナトリウムで還
元するために水素化ホウ素ナトリウム1.66gをエタ
ノール330gに溶解した溶液を調製し、氷浴で冷却し
た。この水素化ホウ素ナトリウム溶液に、塩化ルテニウ
ムを担持した酸化チタンを全量撹拌しながら加えた。加
えると同時に発泡が起きた。1時間後、上澄み液をデカ
ンテーションにより除去した。次に、得られた粉末に5
00mlの純水を加え、30分間洗浄した後、濾別し
た。この操作を9回くりかえした。この時の1回目の洗
浄液のpHは9.6、9回目の洗浄液のpHは7.7で
あった。得られたケーキを60℃で4時間乾燥し、黒色
の粉末を得た。次に、得られた粉末に塩化カリウム1.
22gと純水4.7gからなる水溶液を含浸した。次に
含浸したものを60℃で4時間乾燥した。次いで、得ら
れた粉末を空気中で、室温から350℃まで1時間で昇
温し、同温度で3時間焼成した。焼成後、500mlの
純水を加えて攪拌した後、粉末を濾別した。この操作を
5回繰り返し、洗液に硝酸銀水溶液を滴下し、塩化カリ
ウムの残存していないことを確認した。次いで、この粉
末を60℃で4時間乾燥することにより、9.5gの黒
色粉末を得た。得られた粉末を成形し、8.6〜16.
0メッシュとすることで、酸化チタン担持酸化ルテニウ
ム触媒を得た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は、
RuO2/(RuO2+TiO2)×100=6.2重量
%であった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/(Ru
2+TiO2)×100=4.7重量%であった。使用
した酸化チタン粉末を実施例1と同様の条件でX線回折
分析を行った結果、ルチル結晶の含量は17%であっ
た。このようにして得られた酸化チタン担持酸化ルテニ
ウム触媒2.5gを実施例2と同様に反応管に充填し、
塩化水素ガスを195ml/min、酸素ガスを198
ml/minで流通させ、内温を299℃とした以外は
実施例2に準拠して行った。反応開始2.0時間後の時
点で、単位触媒重量当りの塩素の生成活性は4.31×
10-4mol/min・g−触媒であった。
【0151】実施例18 次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の10
0%ルチル型酸化チタン粉末( 堺化学(株)製、ST
R−60N)60.0gとα−アルミナ粉末(住友化学
工業(株) AL31−03)60.0gをよく混合し
た。混合したものに38重量%TiO2ゾル(堺化学
(株)CSB)15.8gと純水50gの混合溶液を添
加し、混合した。つぎに適当な粘度になるまで、室温で
空気気流下で乾燥した。乾燥した後よく混練した。乾燥
により、減少した重量は14gであった。つぎに混練し
たものを1.5mmΦのヌードル状に押出した後、乾燥
器を用いて空気中60℃で4時間乾燥した。乾燥したも
のの重量は、101gであった。つぎにマッフル炉を用
い、空気中で室温から500℃まで1.4hで昇温し、
同温度で3時間焼成し、酸化チタン−α−アルミナ担体
99.5gを得た。同様の操作を1回繰返し、酸化チタ
ン−α−アルミナ担体218gを得た。つぎに、得られ
たヌードル状の酸化チタン−α−アルミナ担体を5mm
の長さに切り揃え、押出状酸化チタン−α−アルミナ担
体を得た。つぎに、市販の塩化ルテニウム水和物(Ru
Cl3・nH2O、Ru含量37.3重量%)2.03g
を純水14.6gに溶解し、よく撹拌して塩化ルテニウ
ム水溶液を得た。得られた水溶液を、酸化チタン−α−
アルミナ押出し成形担体50.0gに滴下して加え、塩
化ルテニウムを含浸担持した。担持したものを空気中6
0℃で2時間乾燥し、酸化チタン−α−アルミナ担持塩
化ルテニウムを得た。得られた酸化チタン−α−アルミ
ナ担持塩化ルテニウムを、窒素中、室温で2mol/l
に調整した水酸化カリウム水溶液10.5gと純水30
0gとヒドラジン一水和物2.54gの混合溶液に加
え、15分毎に攪拌し、1時間浸漬した。浸漬した際に
溶液中に発泡が観察された。還元した後、ガラスフィル
ターを用いてろ過した。次にガラスフィルターに0.5
Lの純水を加え、30分放置した後、再びろ過した。こ
の操作を5回繰り返し、茶白色の押出し状固体を得た。
次に得られた押出し状固体に0.5mol/lに調整し
たKCl水溶液100gを加え、30分放置した後、吸
引ろ過した。同様の操作を3回繰り返した。次に、得ら
れた押出し状固体を空気中で60℃で4時間乾燥し、次
に空気中350℃まで1時間で昇温し、同温度で3時間
焼成した。焼成したものに0.5Lの純水を加え、攪拌
し、更に30分間放置した後、ガラスフィルターを用い
てろ過した。ろ液に0.2mol/lの硝酸銀水溶液を
加えても、白濁しなくなるまで、5時間かけて、この操
作を5回繰り返し、加えた塩化カリウムを除去した。次
に、空気中60℃で4時間乾燥し、青灰色の酸化チタン
−α―アルミナ担持酸化ルテニウム触媒50.0gを得
た。同様の担持操作を4回繰返し、酸化チタン−α―ア
ルミナ担持酸化ルテニウム触媒200gを得た。この様
にして得られた酸化チタン−α―アルミナ担持酸化ルテ
ニウム触媒の活性を測定するため以下のような活性評価
反応を行った。すなわち、得られた酸化チタン−α−ア
ルミナ担持酸化ルテニウム触媒2.5gを2mmφ球状の
α−アルミナ(ニッカトー(株) SSA995)10
gで希釈し、石英製反応管(内径12mm)に充填し
た。酸素ガスを192ml/minを供給した以外は、
実施例2の活性評価の方法に準拠して反応を行った。反
応開始2.0時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素
の生成活性は、4.62×10-4mol/min・g−
触媒であった。次に、酸化チタン−α−アルミナ担持酸
化ルテニウム触媒の反応温度の制御性について評価を行
った。すなわち、得られた酸化チタン−α−アルミナ担
持酸化ルテニウム成形触媒40.6gを反応管の外径2
9mmΦ、内径25mmΦの熱電対用鞘管(外径6mm
Φ)付のニッケル製反応管に充填した。触媒層の長さは
9.2cmで、触媒層の体積は42.5mlであった。
なお、(A)触媒活性成分である酸化ルテニウム含量の
計算値は、RuO2/(RuO2+TiO2(ルチル結晶
形)+α−Al23+TiO2(バインダー))×10
0=2.0重量%であった。200℃における固相の熱
伝導度が7.5W/m・℃で、(B)成分であるルチル
結晶形酸化チタン含量の計算値は、TiO2(ルチル結
晶形)/(RuO2+TiO2(ルチル結晶形)+α−A
23+TiO2(バインダー))×100=47重量
%であった。200℃における固相の熱伝導度が23W
/m・℃で、(B)成分であるα−アルミナ含量の計算
値は、α−Al23/(RuO2+TiO2(ルチル結晶
形)+α−Al23+TiO2(バインダー))×10
0=47重量%であった。また、本触媒を成形するため
に用いた、TiO2(バインダー)含量の計算値は、
4.7重量%であった。つぎに、ニッケル製反応管を亜
硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの塩浴で加熱し、塩化水
素ガスを0.88Nl/min、酸素を0.53Nl/
min供給した。反応開始3.7時間後、塩浴の温度2
60℃の時、触媒層入口から3cmのところで触媒層の
最高温度を示し、内温(ホットスポット)が301℃で
安定した。反応管出口のガスを30%ヨウ化カリウム水
溶液に流通させることによりサンプリングを行い、ヨウ
素滴定法及び中和滴定法によりそれぞれ塩素の生成量及
び未反応塩化水素量を測定した結果、塩化水素の転化率
は50.4%であった。更に5時間50分かけて浴温を
11℃上昇させ、271℃で一定にしたところ、内温が
331.4℃で安定した。更に10分後も浴温271℃
一定で、内温331.5℃で安定しており、温度制御良
好であった。更に1時間15分かけて浴温を8℃上昇さ
せ、279℃で一定にしたところ、内温が351.9℃
で安定した。更に10分後も浴温279℃一定で、内温
351.9℃で安定しており、温度制御良好であった。
【0152】実施例19 次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化
ルテニウム水和物(RuCl3・nH2O、Ru含量3
7.3重量%)0.81gを純水6.4gに溶解し、よ
く撹拌して塩化ルテニウム水溶液を得た。得られた水溶
液を、粉末状の酸化チタン担体(日本アエロジル(株)
P−25、83%アナターゼ結晶形)20.0gに滴
下して加え、塩化ルテニウムを含浸担持した。この酸化
チタン担持塩化ルテニウム粉末をすりつぶし、全体の色
が均一に黄緑色になるまでよく混合した。担持したもの
を空気中60℃で2時間乾燥し、酸化チタン担持塩化ル
テニウム20.2gを得た。同様の操作を2回繰り返
し、酸化チタン担持塩化ルテニウム40.4gを得た。
得られた酸化チタン担持塩化ルテニウム40.4gを窒
素中、室温で2mol/lに調整した水酸化カリウム水
溶液8.36gと純水140gとヒドラジン一水和物溶
液2.14gの混合溶液に攪拌しながら加え、そのまま
室温で60分間攪拌した。次に、ガラスフィルターを用
いてろ過し、肌色のケーキを得た。次に得られたケーキ
に0.5Lの純水を加え、再びガラスフィルターを用い
てろ過した。この操作を5回繰り返し茶白色のケーキを
得た。次に得られたケーキに0.25mol/lに調整
したKCl水溶液200gを加え、30分放置した後、
吸引ろ過した。この操作を3回繰り返し、茶白色のケー
キを得た。次に、得られたケーキを空気中60℃で4時
間乾燥した後、乳鉢を用いて粉砕し緑灰色の粉末39.
4gを得た。次に、得られた緑灰色の粉末8.0gとα
−アルミナ粉末(住友化学工業(株) AES−12)
8.0gをよく混合した。混合したものに38重量%T
iO2ゾル(堺化学(株)CSB)2.1gと純水4.
0gを添加し、十分に混合した。つぎに適当な粘度にな
るまで純水を添加しよく混練した。添加した純水の量は
0.45gであった。つぎに混練したものを1.5mm
Φのヌードル状に押出した後、乾燥器を用いて空気中6
0℃で4時間乾燥した。乾燥したものの重量は、5.9
3gであった。つぎにマッフル炉を用い、空気中で室温
から350℃まで1hで昇温し、同温度で3時間焼成し
た。次にこれに0.5Lの純水を加え、ガラスフィルタ
ーを用いてろ過した。この操作を5回繰り返し、青灰色
の固体を得た。得られた固体を乾燥器を用いて空気中6
0℃で4時間乾燥し、触媒5.86gを得た。得られた
触媒を約5mmの長さに切り揃え、青灰色の、酸化チタ
ン担持酸化ルテニウムにα−アルミナを混合して押出し
成形した触媒を得た。なお、(A)触媒活性成分である
酸化ルテニウム含量の計算値は、RuO2/(RuO2
TiO2(触媒担体成分)+α−Al23+TiO2(バ
インダー))×100=1.0重量%であった。200
℃における固相の熱伝導度が23W/m・℃で、(B)
成分であるα−アルミナ含量の計算値は、α−Al23
/(RuO2+TiO2(触媒担体成分)+α−Al23
+TiO2(バインダー))×100=47.1重量%で
あった。また、本触媒を成形するために用いた、TiO
2(バインダー)含量の計算値は、4.8重量%であっ
た。この様にして得られた酸化チタン担持酸化ルテニウ
ムにα−アルミナを混合して押出し成形した触媒2.5
gを1mmφ球状のα−アルミナ(ニッカトー(株)SS
A995)5gで希釈し石英製反応管(内径12mm)
に充填し、塩化水素ガスを211ml/min、酸素ガ
スを211ml/minで流通させた以外は実施例2の
活性評価方法に準拠して反応を行った。反応開始1.8
時間後の時点での単位重量当りの塩素の生成活性は3.
05×10-4mol/min・g−触媒であった。次
に、酸化チタン担持酸化ルテニウムにα−アルミナを混
合して押出し成形した触媒の反応温度の制御性について
評価を行った。すなわち、酸化チタン担持酸化ルテニウ
ムにα−アルミナを混合して押出し成形した触媒5gを
α−アルミナ球による希釈をせずに、石英製反応管(外
径15mm、内径12mm)に充填した。塩化水素ガス
を192ml/min、酸素ガスを192ml/min
供給した。石英反応管を、電気炉で加熱し、内温(ホッ
トスポット)を300℃とした。反応1.8時間後の塩
化水素の転化率は21%であった。炉温を1℃づつ徐々
に上昇させた。反応開始5.7時間後、内温328℃で
安定した。つぎに炉温を32分間かけて3℃上昇させた
ところ、内温335℃で安定し、温度制御良好であっ
た。
【0153】実施例20 次の方法により触媒を調製した。すなわち、1〜2mm
φの球形の酸化チタン担持5重量%金属ルテニウム触媒
6.02g(N.E.ケムキャット社製、酸化チタンは
(アナターゼ結晶形)に、0.5mol/lに調製した
塩化カリウム水溶液を触媒の表面に水が浮き出るまで含
浸した後、空気中60℃で10分〜1時間乾燥した。こ
の操作を2回繰り返した。塩化カリウム水溶液の含浸量
は1回目3.04g、2回目2.89gで合計は5.9
3gであった。塩化カリウムとルテニウムのモル比の計
算値は1.0であった。次にこの固体を空気中60℃で
4時間乾燥し、更に、空気中で室温から350℃まで約
1時間で昇温し、同温度で3時間焼成して球形の固体を
得た。得られた固体に0.5lの純水を加え、室温で1
分間攪拌した後、濾過し、再び固体を得た。この操作を
4回繰り返した後、空気中60℃で4時間乾燥すること
により5.89gの青黒色球状の触媒を得た。得られた
酸化チタン担持6.6重量%酸化ルテニウム触媒2.5
gを球状のまま実施例2と同様に石英反応管に充填し
て、塩化水素ガス(187ml/min)と酸素ガス
(199ml/min)を反応管に供給させたこと以外
は、実施例2に記載された反応方法に準拠して反応を行
った。反応開始から2.0時間後の時点での単位触媒重
量当りの塩素の生成活性は、4.07×10-4mol/
min・g−触媒であった。次に、上記の触媒調製方法
と同様の方法で酸化チタン担持6.6重量%酸化ルテニ
ウム触媒10gを調製し、酸化チタン担持酸化ルテニウ
ム触媒成形物とα−アルミナ成形物からなる混合触媒系
について、十分な反応転化率が達成されるかどうかを評
価した。触媒層全体が充分な温度に維持され、塩化水素
の酸化が望ましい反応速度で行われた場合に、十分な反
応転化率が得られる。得られた酸化チタン担持6.6重
量%酸化ルテニウム触媒成形物9.84g(10ml)
とα―アルミナ(ニッカトー(株)製 SSA995
2mm球)65.3g(30ml)を良く混合し、石英
反応管(反応管の外径:25mmΦ、熱電対用鞘管の外
径:4mmΦ)に充填した。触媒層の充填長は11cmで
あった。なお、触媒活性成分(A)である酸化ルテニウ
ム含量の計算値は、RuO2/(RuO2+TiO2(触
媒担体成分)+α−Al23)×100=0.86重量
%であった。200℃における固相の熱伝導度が23W
/m・℃で、(B)成分であるα−アルミナ含量の計算
値は、α−Al23/(RuO2+TiO2(触媒担体成
分)+α−Al23)×100=86.9重量%であっ
た。石英反応管を電気炉で加熱し、塩化水素ガス(59
3ml/min)と酸素ガス(300ml/min)を
供給した。塩化水素と酸素の供給開始から1時間15分
後、電気炉の温度が306℃で、触媒層の最高温度(ホ
ットスポット)は触媒層の入口から4.5cmの位置に
あり、内温は391℃で安定した。、触媒層の温度分布
は第5図に示す通りとなった。反応管出口のガスを30
%ヨウ化カリウム水溶液に流通させることによりサンプ
リングを行い、ヨウ素滴定法及び中和滴定法によりそれ
ぞれ塩素の生成量及び未反応塩化水素量を測定した結
果、塩化水素の転化率は74.9%、塩素の生成効率は
14.9モル塩素/l−触媒系・hであった。
【0154】実施例21 酸化チタン担持酸化ルテニウム成形物とα−アルミナ成
形物からなる混合触媒系の反応温度の制御性について評
価を行った。すなわち、実施例20と同様の調製法で得
られた酸化チタン(アナターゼ結晶形)担持6.6重量
%酸化ルテニウム触媒80.1gにα−アルミナ(ニッ
カトー(株)製 SSA995 2mm球)88.3gを
良く混合し、反応管の内径18mmΦ、熱電対用鞘管の外
径5mmΦのニッケル製反応管に充填した。触媒系の充填
長は54cmであった。なお、(A)触媒活性成分であ
る酸化ルテニウム含量の計算値は、RuO2/(RuO2
+TiO2(触媒担体成分)+α−Al23)×100
=3.2重量%であった。200℃における固相の熱伝
導度が23W/m・℃で、(B)成分であるα−アルミ
ナ含量の計算値は、α−Al23/(RuO2+TiO2
(触媒担体成分)+α−Al23)×100=52.4
重量%であった。つぎに、ニッケル製反応管を亜硝酸ナ
トリウムと硝酸カリウムの塩浴で加熱し、塩化水素ガス
を6.1l/min、酸素ガスを3.05l/min供
給した。反応開始1.6時間後、塩浴の温度280℃の
時、触媒系の入口から10cmのところで最高温度を示
し、内温(ホットスポット)が291℃で安定した。つ
ぎに浴温を43分かけて21℃上昇させ、浴温を301
℃で一定にしたところ、内温が322℃で安定した。更
に1時間40分かけて浴温を14℃上昇させ、315℃
で一定にしたところ、内温が355℃で安定した。更に
15分後も浴温315℃一定で、内温355℃で安定し
ており、温度制御良好であった。
【0155】実施例22 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(触媒化成(株)No.1、アナターゼ結晶系)3
0.0gに結晶性セルロース(MERCK社製)9.0
gを混合し、酸化チタンゾル(堺化学(株)CSB,T
iO2含量38wt%)24.4g及び純水25.4g
を加え混練した。混練したものを60℃で乾燥し、適当
な粘度にして棒状に成型した。次いで、この棒状固体を
60℃で4時間乾燥し、48.8gの白色固体を得た。
得られた固体を空気中で500℃まで3時間で昇温した
後、同温度で5時間焼成し、白色の棒状酸化チタン担体
37.1gを得た。次に、得られた固体を破砕して、
8.6〜16メッシュの27.0gの固体を得た。この
ようにして得られた酸化チタン担体を15.0g分取
し、これに市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3
nH2O、Ru含量37.3%)2.05gを純水9.0
gに溶解して調製した水溶液を含浸させた後、空気中6
0℃で4時間乾燥し、塩化ルテニウムを担持した。塩化
ルテニウムを担持した酸化チタンの中から5.5gを分
取した。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(NaB
4)1.11gと純水4.0gとエタノール42.1
gからなる溶液を調製し、氷浴で十分冷却したのち、塩
化ルテニウムを担持した酸化チタン担体を5.5g加
え、塩化ルテニウムを還元した。このとき溶液に発泡が
見られた。発泡がおさまった後、還元処理した固体を濾
別した。次に、得られた固体を500mlの純水で30
分間洗浄し再度、固体を濾別した。この操作を5回繰り
返した。次に、この固体を60℃で4時間乾燥し、5.
0gの青黒色固体を得た。次いで、この固体に、塩化カ
リウム0.60gを純水2.9gに溶解した溶液を含浸
させ、60℃で4時間乾燥した。乾燥したものを空気中
で350℃まで1時間で昇温し、同温度で3時間焼成し
た。次に、焼成した固体を500mlの純水で30分間
洗浄し濾別した。この操作を5回繰り返した。濾液に硝
酸銀水溶液を滴下して、塩化カリウムが残存していない
ことを確認した。洗浄した後、固体を60℃で4時間乾
燥して、8.6〜16メッシュの青黒色の酸化チタン担
持酸化ルテニウム触媒5.1gが得られた。得られた触
媒のマクロ細孔半径は0.04マイクロメートルから
0.4マイクロメートルであった。この触媒の水銀圧入
法による細孔分布曲線は図2に示されている。なお、酸
化ルテニウム含量の計算値は、RuO2/(RuO2+T
iO2)×100=6.3重量%であった。ルテニウム
含量の計算値は、Ru/(RuO2+TiO2)×100
=4.8重量%であった。このようにして得られた酸化
チタン担持酸化ルテニウム触媒2.5gを実施例2と同
様に反応管に充填し、塩化水素ガスを187ml/mi
n、酸素ガスを199ml/minで流通させ、内温を
301℃とした以外は実施例2に準拠して反応を行っ
た。反応開始2.0時間後の時点での単位触媒重量当り
の塩素の生成活性は4.87×10-4mol/min・
g−触媒であった。
【0156】実施例23 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(触媒化成(株)No.1)26.5gに繊維状セ
ルロース(東洋濾紙社製、濾紙5B)8.0gを純水分
散させたものを混合し、酸化チタンゾル(堺化学(株)
CSB,TiO 2含量38wt%)20.9g及び純水
を加え混練した。混練したものを60℃で乾燥し、適当
な粘度にして棒状に成型した。次いで、この棒状固体を
60℃で4時間乾燥し、41.1gの白色固体を得た。
得られた固体を空気中で500℃まで3時間で昇温した
後、同温度で5時間焼成し、白色の棒状酸化チタン担体
31.5gを得た。次に、得られた固体を破砕し、8.
6〜16メッシュの20.4gの固体を得た。このよう
にして得られた酸化チタン担体を5.0g分取し、これ
に市販の塩化ルテニウム水和物(RuCl3・nH2O、
Ru含量35.5%)0.73gを純水2.8gに溶解
して調製した水溶液を含浸させた後、空気中60℃で2
時間乾燥し、塩化ルテニウムを担持した。次いで、水素
化ホウ素ナトリウム(NaBH 4)0.52gと純水
2.0gとエタノール40.0gからなる溶液を調製
し、氷浴で十分冷却したのち、既に調製済みの塩化ルテ
ニウムを担持した酸化チタンを加え、塩化ルテニウムを
還元した。このとき溶液に発泡が見られた。発泡がおさ
まった後、デカンテーションにより上澄み液を除去し
た。還元処理した固体に200mlの純水を加えデカンテ
ーションした。この操作を5回繰り返した。次に、20
0mlの純水を加えた後、pHは9.4であった。この溶
液に0.1NHClを4.0g注加し、pHを7.1に
し、デカンテーションした。次に、500mlの純水で
30分間洗浄し再度、固体を濾別した。この操作を5回
繰り返した。5回目の濾液のpHは、7.1であった。
次に、この固体を60℃で4時間乾燥し、5.0gの青
黒色固体を得た。次いで、この固体に、塩化カリウム
0.20gを純水2.8gに溶解した溶液を含浸させ、
60℃で4時間乾燥した。乾燥したものを空気中で35
0℃まで1時間で昇温し、同温度で3時間焼成した。次
に、焼成した固体を500mlの純水で30分間洗浄し
濾別した。この操作を5回繰り返した。濾液に硝酸銀水
溶液を滴下して、塩化カリウムが残存していないことを
確認した。洗浄した後、固体を60℃で4時間乾燥し
て、8.6〜16メッシュの青黒色の酸化チタン担持酸
化ルテニウム触媒4.9gが得られた。得られた触媒の
マクロ細孔半径は0.04マイクロメートルから5マイ
クロメートルであった。この触媒の水銀圧入法による細
孔分布曲線は図3に示されている。なお、酸化ルテニウ
ム含量の計算値は、RuO2/(RuO2+TiO2)×
100=6.3重量%であった。ルテニウム含量の計算
値は、Ru/(RuO2+TiO2)×100=4.8重
量%であった。このようにして得られた酸化チタン担持
酸化ルテニウム触媒2.5gを実施例2と同様に反応管
に充填し、塩化水素ガスを187ml/min、酸素ガ
スを199ml/minで流通させた以外は実施例2に
準拠して行った。反応開始2.0時間後の時点での単位
触媒重量当りの塩素の生成活性は4.62×10-4mo
l/min・g−触媒であった。
【0157】実施例24 次の方法により触媒を調製した。すなわち、酸化チタン
粉末(触媒化成(株)No.1)40.3gに繊維状セ
ルロース(東洋濾紙社製、濾紙5B)12.8gを純水
分散させたものを混合し、酸化チタンゾル(堺化学
(株)CSB,TiO2含量38wt%)31.5g及
び純水を加え混練した。混練したものを60℃で乾燥
し、適当な粘度にして棒状に成型した。次いで、この棒
状固体を60℃で4時間乾燥し、64.3gの白色固体
を得た。得られた固体を空気中で500℃まで3時間で
昇温した後、同温度で5時間焼成し、白色の棒状酸化チ
タン担体48.5gを得た。次に、得られた固体を破砕
し、8.6〜16メッシュの28.0gの固体を得た。
このようにして得られた酸化チタン担体を5.1g分取
し、これに0.5N水酸化カリウム溶液を担体の表面に
水が浮き出るまで含浸した後、空気中60℃で2時間乾
燥した。この時、加えた水酸化カリウム溶液の含浸量は
3.6gであった。得られた担体に市販の塩化ルテニウ
ム水和物(RuCl3・nH2O、Ru含量35.5%)
0.71gをエタノール3.0gに溶解した液を含浸さ
せた後、ただちに空気中60℃で2時間乾燥し、塩化ル
テニウムを担持した。次いで、水素化ホウ素ナトリウム
(NaBH4)0.55gと純水2.0gとエタノール
42.3gからなる溶液を調製し、氷浴で十分冷却した
のち、既に調製済みの酸化チタン担持塩化ルテニウムを
加え、塩化ルテニウムを還元した。このとき溶液に発泡
が見られた。発泡がおさまった後、デカンテーションに
より上澄み液を除去した。還元処理した固体に200ml
の純水を加えデカンテーションした。この操作を5回繰
り返した。次に、200mlの純水を加えた後、pHは
9.2であった。この溶液に0.1NHClを3.6g
注加し、pHを6.7にし、デカンテーションした。次
に、500mlの純水で30分間洗浄し再度、固体を濾
別した。この操作を5回繰り返した。次に、この固体を
60℃で4時間乾燥し、5.2gの青黒色固体を得た。
次いで、この固体に、塩化カリウム0.63gを純水
3.2gに溶解した溶液を含浸させ、60℃で4時間乾
燥した。乾燥したものを空気中で350℃まで1時間で
昇温し、同温度で3時間焼成した。次に、焼成した固体
を500mlの純水で30分間洗浄し濾別した。この操
作を5回繰り返した。濾液に硝酸銀水溶液を滴下して、
塩化カリウムが残存していないことを確認した。洗浄し
た後、固体を60℃で4時間乾燥して、8.6〜16メ
ッシュの青黒色の酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒
5.1gが得られた。得られた触媒のマクロ細孔半径は
0.04マイクロメートルから6マイクロメートルであ
った。この触媒の水銀圧入法による細孔分布曲線は図4
に示されている。また、目盛り付きルーペでRuO2
の厚さを測定したところ、酸化ルテニウムは外表面から
0.3mmに担持されていた。測定した触媒の粒径は
1.5mmであった。なお、酸化ルテニウム含量の計算
値は、RuO2/(RuO2+TiO2)×100=6.
2重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/
(RuO2+TiO2)×100=4.7重量%であっ
た。このようにして得られた酸化チタン担持酸化ルテニ
ウム触媒2.5gを実施例2と同様に反応管に充填し、
塩化水素ガスを195ml/min、酸素ガスを198
ml/min流通させた以外は実施例2に準拠して行っ
た。反応開始2.0時間後の時点での単位触媒重量当り
の塩素の生成活性は4.30×10-4mol/min・
g−触媒であった。
【0158】実施例25 次の方法により触媒を調製した。すなわち、1〜2mm
φの球形の酸化チタン担体(堺化学CS300S−1
2)5.1gに2mol/l炭酸水素アンモニウム溶液
を触媒の表面に水が浮き出るまで含浸した後、空気中6
0℃で2時間乾燥した。得られた担体に市販の塩化ルテ
ニウム水和物(RuCl3・nH2O、Ru含量35.5
%)0.71gをエタノール2.2gに溶解して調製し
た溶液を含浸させた後、ただちに空気中60℃で2時間
乾燥し、塩化ルテニウムを担持した。乾燥後、次いで、
水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)0.50gとエ
タノール60.9gからなる溶液を調製し、氷浴で十分
冷却したのち、既に調製済みの酸化チタン担持塩化ルテ
ニウムを加え、塩化ルテニウムを還元した。このとき溶
液に発泡が見られた。発泡がおさまった後、デカンテー
ションにより上澄み液を除去した。還元処理した固体に
200mlの純水を加えデカンテーションした。この操作
を5回繰り返した。次に、200mlの純水を加えた後の
pHは4.5であった。加えた純水をデカンテーション
により除去した。次に、500mlの純水で30分間洗
浄し再度、固体を濾別した。この操作を5回繰り返し
た。5回目の洗浄液のpHは5.2であった。次に、こ
の固体を60℃で4時間乾燥し、5.4gの青黒色固体
を得た。次いで、この固体に、塩化カリウム0.19g
を純水1.9gに溶解した溶液を含浸させ、60℃で4
時間乾燥した。乾燥したものを空気中で350℃まで1
時間で昇温し、同温度で3時間焼成した。次に、焼成し
た固体を500mlの純水で30分間洗浄し濾別した。
この操作を5回繰り返した。濾液に硝酸銀水溶液を滴下
して、塩化カリウムが残存していないことを確認した。
洗浄した後、固体を60℃で4時間乾燥して黒色の球状
酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒5.4gが得られ
た。 EPMAでRuO2層の厚さを測定したところ、酸
化ルテニウムは外表面から0.15〜0.25mmの範
囲に担持されていた。測定した触媒の粒径は1.4〜
1.6mmであった。なお、酸化ルテニウム含量の計算
値は、RuO2/(RuO2+TiO2)×100=6.
1重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/
(RuO2+TiO2)×100=4.6重量%であっ
た。このようにして得られた酸化チタン担持酸化ルテニ
ウム触媒2.5gを実施例2と同様に反応管に充填し、
塩化水素ガスを187ml/min、酸素ガスを199
ml/minで流通させ、内温を302℃とした以外は
実施例2に準拠して行った。反応開始2.0時間後の時
点での単位触媒重量当りの塩素の生成活性は4.47×
10-4mol/min・g−触媒であった。
【0159】実施例26 次の方法により触媒を調製した。すなわち、1〜2mm
φの球形の酸化チタン担体(堺化学CS300S−1
2)5.0gに2mol/l炭酸アンモニウム溶液を触
媒の表面に水が浮き出るまで含浸した後、空気中60℃
で2時間乾燥した。得られた担体に市販の塩化ルテニウ
ム水和物(RuCl3・nH2O、Ru含量35.5%)
0.70gをエタノール1.5gに溶解して調製した溶
液を含浸させた後、ただちに空気中60℃で2時間乾燥
し、塩化ルテニウムを担持した。次いで、水素化ホウ素
ナトリウム(NaBH4)0.50gと純水2.1gと
エタノール41.1gからなる溶液を調製し、氷浴で十
分冷却したのち、既に調製済みの酸化チタン担持塩化ル
テニウムを加え、塩化ルテニウムを還元した。このとき
溶液に発泡が見られた。発泡がおさまった後、デカンテ
ーションにより上澄み液を除去した。還元処理した固体
に200mlの純水を加えデカンテーションした。この操
作を5回繰り返した。次に、200mlの純水を加えた後
のpHは3.9であった。加えた純水をデカンテーショ
ンにより除去した。次に、500mlの純水で30分間
洗浄し再度、固体を濾別した。この操作を5回繰り返し
た。5回目の洗浄液のpHは5.6であった。次に、こ
の固体を60℃で4時間乾燥し、5.3gの黒色固体を
得た。次いで、この固体に、塩化カリウム0.19gを
純水1.9gに溶解した溶液を含浸させ、60℃で4時
間乾燥した。乾燥したものを空気中で350℃まで1時
間で昇温し、同温度で3時間焼成した。次に、焼成した
固体を500mlの純水で30分間洗浄し濾別した。こ
の操作を5回繰り返した。濾液に硝酸銀水溶液を滴下し
て、塩化カリウムが残存していないことを確認した。洗
浄した後、固体を60℃で4時間乾燥した。黒色の球状
酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒5.2gが得られ
た。 EPMAでRuO2層の厚さを測定したところ、酸
化ルテニウムは外表面から0.19〜0.30mmの範
囲に担持されていた。測定した触媒の粒径は1.5〜
1.6mmであった。なお、酸化ルテニウム含量の計算
値は、RuO2/(RuO2+TiO2)×100=6.
2重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/
(RuO2+TiO2)×100=4.7重量%であっ
た。このようにして得られた酸化チタン担持酸化ルテニ
ウム触媒2.5gを実施例2と同様に反応管に充填し、
塩化水素ガスを187ml/min、酸素ガスを199
ml/minで流通させた以外は実施例2に準拠して行
った。反応開始2.0時間後の時点での単位触媒重量当
りの塩素の生成活性は4.34×10-4mol/min
・g−触媒であった。
【0160】実施例27 次の方法により触媒を調製した。すなわち、1〜2mm
φの球形の酸化チタン担体(堺化学CS300S−1
2)5.0gに2.0N水酸化カリウム溶液を担体の表
面に水が浮き出るまで含浸した後、空気中60℃で2時
間乾燥した。得られた担体に市販の塩化ルテニウム水和
物(RuCl3・nH2O、Ru含量35.5%)0.7
1gをエタノール3.0gに溶解して調製した溶液を含
浸させた後、ただちに空気中60℃で2時間乾燥し、塩
化ルテニウムを担持した。次いで、水素化ホウ素ナトリ
ウム(NaBH4)0.57gと純水2.0gとエタノ
ール42.5gからなる溶液を調製し、氷浴で十分冷却
したのち、既に調製済みの酸化チタン担持塩化ルテニウ
ムを加え、塩化ルテニウムを還元した。このとき溶液に
発泡が見られた。発泡がおさまった後、デカンテーショ
ンにより上澄み液を除去した。還元処理した固体に20
0mlの純水を加えデカンテーションした。この操作を5
回繰り返した。次に、500mlの純水で30分間洗浄
し再度、固体を濾別した。この操作を5回繰り返した。
ついで、この固体を60℃で4時間乾燥し、5.1gの
黒色固体を得た。次いで、この固体に、塩化カリウム
0.19gを純水1.8gに溶解した溶液を含浸させ、
60℃で4時間乾燥した。乾燥したものを空気中で35
0℃まで1時間で昇温し、同温度で3時間焼成した。次
に、焼成した固体を500mlの純水で30分間洗浄し
濾別した。この操作を5回繰り返した。濾液に硝酸銀水
溶液を滴下して、塩化カリウムが残存していないことを
確認した。洗浄した後、固体を60℃で4時間乾燥し
た。黒色の球状酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒5.
1gが得られた。 EPMAでRuO2層の厚さを測定し
たところ、酸化ルテニウムは外表面から0.11〜0.
18mmの範囲に担持されていた。測定した触媒の粒径
は1.5〜1.7mmであった。なお、酸化ルテニウム
含量の計算値は、RuO2/(RuO2+TiO2)×1
00=6.2重量%であった。ルテニウム含量の計算値
は、Ru/(RuO2+TiO2)×100=4.7重量
%であった。このようにして得られた酸化チタン担持酸
化ルテニウム触媒2.5gを実施例2と同様に反応管に
充填し、塩化水素ガスを187ml/min、酸素ガス
を199ml/minで流通させた以外は実施例2に準
拠して行った。反応開始2.0時間後の時点での単位触
媒重量当りの塩素の生成活性は4.29×10-4mol
/min・g−触媒であった。
【0161】実施例28 次の方法により触媒を調製した。すなわち、硝酸クロム
9水和物122gを純水600mlに溶解し、次いで4
2℃まで昇温して、撹拌下25重量%のアンモニア水1
30gを2時間かけて滴下し、同温度で30分間撹拌を
続けた。生成した沈殿を減圧ろ過し、純水1lを加えて
攪拌した後、再び減圧ろ過した。この操作を5回繰り返
して沈殿を洗浄した後、60℃で乾燥し、青緑色の固体
を得た。得られた青緑色の固体を粉砕した後、空気中で
室温から375℃まで1時間で昇温し、同温度で3時間
焼成することにより黒色の酸化クロム粉末23.5gを
得た。次に純水2.16gに市販の塩化ルテニウムRu
Cl3・nH2O(Ru含量35.5重量%)を0.89
g溶解し、塩化ルテニウム水溶液を得た。得られた水溶
液の内1.64gを、前述の酸化クロム粉末6.0gに
酸化クロム担体の細孔内がほぼ水溶液で浸るまで滴下し
た後、60℃で乾燥した。次に、残りの塩化ルテニウム
水溶液1.40gを再び酸化クロム担体に滴下すること
により、塩化ルテニウム全量を含浸担持し、黒色の粉末
を得た。得られた黒色粉末を空気中60℃で乾燥した
後、空気中で室温から350℃まで1時間で昇温し、同
温度で3時間焼成することにより黒色の粉末6.3gを
得た。得られた粉末を12〜18.5メッシュに成形し
て酸化クロム担持塩化ルテニウムを焼成した触媒を得
た。なお、酸化ルテニウム換算での含量の計算値は、R
uO2 /(RuO2 +Cr23 )×100=6.5重
量%であった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/(R
uO2 + Cr23 )×100=4.9重量%であっ
た。このようにして得られた酸化クロム担持塩化ルテニ
ウムを焼成した触媒2.5gを12〜18.5メッシュ
にそろえた酸化チタン5gとよく混合することにより触
媒を希釈して石英製反応管(内径12mm)に充填し、
塩化水素ガスを200ml/min、酸素ガスを200
ml/minで流通させ、内温を301℃とした以外は
実施例2に準拠して反応を行った。反応開始2.2時間
後の時点での単位触媒重量当りの塩素の生成活性は6.
1×10-4mol/min・g−触媒であった。単位R
u重量当りの塩素の生成活性は124×10-4mol/
min・g−Ruであった。
【0162】実施例29 次の方法により触媒を調製した。すなわち、0.1mo
l/lの塩酸水溶液1000mlに、市販の塩化ルテニ
ウムRuCl3・nH2O(Ru含量35.5重量%)
1.10gを溶解し、30分間放置した。次に、この溶
液に実施例28で得られた酸化クロム粉末7.5gを懸
濁させ、攪拌しながら、0.1mol/lの水酸化カリ
ウム水溶液を加えて、pH4.5に調節し、ルテニウム
を酸化クロムに沈殿担持した。次に、この懸濁液をpH
4.5に調節しながら、60℃に加熱し5時間攪拌し
た。攪拌終了後、40℃以下に放冷し、減圧ろ過した
後、60℃で乾燥し固体を得た。得られた固体を粉砕し
た後、空気中で室温から170℃まで1時間で昇温し、
同温度で8時間焼成した。次に、同じく空気中で室温か
ら375℃まで1時間で昇温し、同温度で8時間焼成し
た。得られた黒色粉末7.6gをガラスフィルターを使
い、1日かけて0.5lの純水で10回洗浄した後、空
気中60℃で8時間かけて乾燥し黒色の粉末7.1gを
得た。この粉末を成形し、12〜18.5メッシュとす
ることにより、酸化クロム担持酸化ルテニウム触媒を得
た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は、RuO2
(RuO2 +Cr23)×100=6.4重量%であっ
た。ルテニウム含量の計算値は、Ru/(RuO2
Cr23)×100=4.9重量%であった。このよう
にして得られた酸化クロム担持酸化ルテニウム触媒2.
5gを12〜18.5メッシュにそろえた酸化チタン担
体5gとよく混合することにより触媒を希釈して石英製
反応管(内径12mm)に充填し、塩化水素ガスを18
7ml/min、酸素ガスを194ml/minで流通
させた以外は実施例2の反応方法に準拠して反応を行っ
た。反応開始2.0時間後の時点で、単位触媒重量当り
の塩素の生成活性は4.75×10-4mol/min・
g−触媒であった。単位Ru触媒重量当りの塩素の生成
活性は97.6×10-4mol/min・g−Ruであ
った。
【0163】比較例1 次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販の塩化
ルテニウム水和物(RuCl3・3H2O 、Ru含量3
5.5重量%)0.70g を純水4.0g に溶解した。
水溶液をよく撹拌した後、12〜18.5メッシュにそ
ろえ、空気中500℃で1時間乾燥したシリカ(富士シ
リシア(株)製 キャリアクトG−10)5.0gに滴
下して加え、塩化ルテニウムを含浸担持した。担持した
ものを100ml/minの窒素気流下、室温から10
0℃まで30分で昇温し、同温度で2時間乾燥した後、
室温まで放冷し、黒色固体を得た。得られた固体を10
0ml/minの空気気流下、室温から250℃まで1
時間30分で昇温し、同温度で3時間乾燥した後、室温
まで放冷し、5.37gの黒色のシリカ担持塩化ルテニ
ウム触媒を得た。なお、ルテニウム含量の計算値は、R
u/(RuCl3・3H2O+SiO2)×100=4.
5重量%であった。この様にして得られたシリカ担持塩
化ルテニウム触媒2.5g を酸化チタン担体で希釈せ
ず、実施例2と同様に反応管に充填し、塩化水素をガス
を202ml/min、酸素ガスを213ml/min
で流通させ、内温を300℃とした以外は実施例2に準
拠して反応を行った。反応開始1.7時間後の時点での
単位触媒重量当りの塩素の生成活性は0.49×10-4
mol/min・g−触媒であった。
【0164】比較例2 次の方法により触媒を調製した。すなわち、球状酸化チ
タン(堺化学工業(株)製、CS−300)を乳鉢で粉
砕し、粉状にしたもの8.0gと二酸化ルテニウム粉
(NEケムキャット(株)製)0.53gとを乳鉢です
りつぶしながらよく混合した後、12〜18.5メッシ
ュに成形して、酸化ルテニウム酸化チタン混合触媒を得
た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は6.2重量%
であった。ルテニウム含量の計算値は4.7重量%であ
った。この様にして得られた酸化ルテニウム酸化チタン
混合触媒2.5gを12〜18.5メッシュにそろえた
酸化チタン担体5gとよく混合することにより触媒を希
釈して石英製反応管(内径12mm)に充填し、塩化水
素ガスを199ml/min、酸素ガスを194ml/
minで流通させ、内温を299℃とした以外は実施例
2に準拠して行った。反応開始2.3時間後の時点での
単位触媒重量当りの塩素の生成活性は、0.83×10
-4mol/min・g−触媒であった。
【0165】比較例3 次の方法により触媒を調製した。すなわち、市販のオル
トけい酸テトラエチル41.7gを186mlのエタノ
ールに溶解し、室温で攪拌しながらチタニウムテトライ
ソプロポキシド56.8gを注加し、室温で30分間攪
拌した。次に、233mlの純水に酢酸0.14gを溶
解することで調製した0.01mol/l酢酸水溶液に
エタノール93mlをよく混合した水溶液を上記溶液に
滴下した。滴下するに従って白色の沈殿を生成した。滴
下終了後、同じく室温で30分間攪拌した後、攪拌した
まま加熱し102℃のオイルバス上で1時間リフラック
スさせた。この時の液温は80℃であった。次に、この
液を放冷した後グラスフィルターで濾過し、500ml
の純水で洗浄し、再度濾過した。この操作を2回繰り返
した後、空気中60℃で4時間乾燥し、室温〜550℃
まで1時間で昇温し同温度で3時間焼成することによ
り、27.4gの白色な固体を得た。得られた固体を粉
砕し、チタニアシリカ粉末を得た。得られたチタニアシ
リカ粉末8.0gに市販の塩化ルテニウム水和物( R
uCl3・3H2O 、Ru含量35.5重量%)1.1
3gを純水8.2gに溶解した液を含浸させた後、空気
中60℃で1時間乾燥し、塩化ルテニウムを担持した。
次に担持したものを水素50ml/min、窒素100
ml/minの混合気流下、室温から300℃まで1時
間30分で昇温し、同温度で1時間還元した後、室温ま
で放冷し、灰褐色のチタニアシリカ担持金属ルテニウム
粉末8.4gを得た。得られたチタニアシリカ担持金属
ルテニウム粉末8.4gを100ml/minの空気気
流下で、室温から600℃まで3時間20分で昇温し、
同温度で3時間焼成することにより、8.5gの灰色の
粉末を得た。得られた粉末を成形し、12〜18.5メ
ッシュとすることで、チタニアシリカ担持酸化ルテニウ
ム触媒を得た。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は、
RuO2/(RuO2+TiO2+SiO2)×100=
6.2重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、R
u/(RuO2+TiO2+SiO2)×100=4.7
重量%であった。この様にして得られたチタニアシリカ
担持酸化ルテニウム触媒2.5gを酸化チタン担体で希
釈せず、実施例2と同様に反応管に充填し、塩化水素ガ
スを180ml/min、酸素ガスを180ml/mi
nで流通させた以外は実施例2の反応方法に準拠して行
った。反応開始1.8時間後の時点での単位触媒重量当
りの塩素の生成活性は0.46×10-4mol/min
・g−触媒であった。
【0166】比較例4 次の方法により触媒を調製した。すなわち、硝酸クロム
9水和物60.3gを純水600mlに溶解し、次いで
45℃まで昇温して、撹拌下25重量%のアンモニア水
64.9gを1.5時間かけて滴下し、同温度で30分
間撹拌を続けた。生成した沈殿に純水3.3lを加えて
一夜放置し、沈降させた後、上澄をデカンテーションに
より除去した。次に、純水を2.7 l加えて30分間よ
く撹拌した。この操作を5回くり返して沈殿を洗浄した
後、デカンテーションにより上澄を除去し20重量%の
シリカゾルを49g添加し、撹拌した後、ロータリーエ
バポレーターで60℃で蒸発乾固せしめた。次に、60
℃で8時間乾燥し、更に120℃で6時間乾燥して緑色
の固体を得た。次いで、これを空気中600℃で3時間
焼成し、12〜18.5メッシュに成形してCr23
SiO2触媒を得た。この様にして得られたCr23
SiO2触媒2.5gを酸化チタン担体で希釈せず、実
施例2と同様に反応管に充填し、酸素ガスを200ml
/minで流通させ、内温を301℃とした以外は実施
例2に準拠して行った。反応開始3.7時間後の時点で
の単位触媒重量当りの塩素の生成活性は、0.19×1
-4mol/min・g触媒であった。
【0167】比較例5 次の方法により触媒を調製した。すなわち、1〜2mm
φの球形の酸化チタン担体(堺化学工業製、CS−30
0S−12)10.1gに、あらかじめ市販の塩化ルテ
ニウム(RuCl3・nH2O、Ru含量37.3重量
%)1.34gを3.7gの純水に溶解して調製した水
溶液を含浸し、次に、空気中60℃で4時間乾燥した。
黒褐色の固体が得られた。この固体を水素還元するため
に、水素(20ml/min)と窒素(200ml/m
in)の混合気流下室温から250℃まで2時間で昇温
し、同温度で8時間還元した。還元後、10.3gの黒
色固体が得られた。次に、得られた固体を空気中で35
0℃まで1時間で昇温し、同温度で3時間焼成した。1
0.6gの黒色の酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒が
得られた。なお、酸化ルテニウム含量の計算値は、Ru
2/(RuO2+TiO2)×100=6.1重量%で
あった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/(RuO2
+TiO2)×100=4.7重量%であった。使用し
た酸化チタン粉末を実施例1と同様の条件でX線回折分
析を行った結果、ルチル結晶の含量は0%であった。こ
の様にして得られた酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒
2.5g を実施例2と同様に反応管に充填し、塩化水素
ガスを187ml/min、酸素ガスを199ml/m
inで流通させた以外は実施例2に準拠して行った。反
応開始2.0時間後の時点での単位触媒重量当りの塩素
の生成活性は2.89×10-4mol/min・g−触
媒であった。
【0168】比較例6 次の方法により触媒を調製した。すなわち、1〜2mm
φの球形の5重量%担持金属ルテニウム酸化チタン触媒
10.0g(N.E.ケムキャット社製)に、0.5m
ol/l塩化カリウム水溶液を触媒の表面に水が浮き出
るまで含浸した後、空気中60℃で、1時間乾燥した。
この操作を2回繰り返した。塩化カリウム水溶液の含浸
量は1回目3.31g、2回目3.24gで合計は6.
55gであった。塩化カリウムとルテニウムのモル比の
計算値は0.66であった。乾燥したものを空気中で3
50℃まで1時間で昇温し、同温度で3時間焼成した。
次に、得られた固体を500mlの純水で30分間洗浄
し濾別した。この操作を5回繰り返した。濾液に硝酸銀
水溶液を滴下して、塩化カリウムが残存していないこと
を確認した。洗浄した後、固体を60℃で4時間乾燥し
て、黒色の球状酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒9.
9gが得られた。なお、酸化ルテニウム含量の計算値
は、RuO2/(RuO2+TiO2)×100=6.6
重量%であった。ルテニウム含量の計算値は、Ru/
(RuO2+TiO2)×100=5.0重量%であっ
た。このようにして得られた酸化チタン担持酸化ルテニ
ウム触媒2.5gを実施例2と同様に反応管に充填し、
塩化水素ガスを187ml/min、酸素ガスを199
ml/minで流通させた以外は実施例2の反応方法に
準拠して行った。反応開始2.0時間後の時点での単位
触媒重量当りの塩素の生成活性は4.03×10-4mo
l/min・g−触媒であった。
【0169】比較例7 実施例20と同様にして得られた酸化チタン(アナター
ゼ結晶形)担持6.6重量%酸化ルテニウム触媒40.
1gを実施例18と同じ反応管に充填し、同じ塩浴で加
熱した。触媒層の長さは9.2cmであった。なお、
(A)触媒活性成分である酸化ルテニウム含量の計算値
は6.6重量%であった。つぎに、実施例20の反応温
度の制御性についての評価方法に準拠して、反応を行っ
た。塩化水素ガスを0.88l/min、酸素ガスを
0.53l/min供給した。反応開始5.5時間後、
浴温276℃で一定にしたところ、内温(ホットスポッ
ト)が301.5℃で安定した。この時の塩化水素の転
化率は37%であった。更に50分後も浴温277℃一
定で、内温302.3℃で安定していた。つぎに55分
間かけ浴温を合計4℃上昇させ、281℃で一定にした
ところ、内温が348℃まで上昇し、反応温度の制御が
困難になった。内温が348℃まで上昇した時点で反応
ガスの供給を停止し、反応を終了した。
【0170】比較例8 α−アルミナの代わりに、SiO2の純度が99.99
%以上の高純度石英ボール(石英ガラス(227℃にお
ける固相の熱伝導度が1.6w/m・℃)製ニッカトー
(株)製 2mm球)65.3g(51ml)を用いたこ
と以外は実施例20に準拠して触媒系を得た。実施例2
0と同じ反応管に充填した触媒層の充填長は16.5c
mであった。なお、触媒活性成分(A)である酸化ルテ
ニウム含量の計算値は、RuO2/(RuO2+TiO2
(触媒担体成分)+SiO2)×100=0.86重量
%であった。使用した石英ガラスは、227℃における
固相の熱伝導度が1.6w/m・℃であるのでり、
(B)成分には該当しない。つぎに、触媒層の最高温度
(ホットスポット)が実施例20と同じ温度になるよう
に電気炉の温度を調整したこと以外は、実施例20に準
拠して反応を行った。塩化水素と酸素の供給開始から1
時間15分後、電気炉の温度が297℃で一定となり、
触媒層の最高温度(ホットスポット)は390で安定し
た。この時点で、触媒層の最高温度は触媒層の入口から
4cmの位置にあり、触媒層の温度分布は第6図に示す
通りとなった。実施例20と同様にして塩素の生成量及
び未反応塩化水素量を測定した結果、塩化水素の転化率
は62.3%、塩素の生成効率は8.1モル塩素/l−
触媒系・hであった。実施例20と比較例8の結果を下
表に示す。
【0171】
【表1】 *1 塩化水素転化率=単位時間当たりの生成塩素モル
数×2/単位時間当たりの供給塩化水素モル数×100 *2 塩素生成効率=単位時間当たりの生成塩素モル数
/充填触媒系体積
【0172】比較例9 実施例20と同様にして得られた酸化チタン担持6.6
重量%酸化ルテニウム触媒121gを実施例21と同じ
反応管に充填し、同じ塩浴で加熱した。触媒充填長は5
4cmであった。なお、触媒活性成分(A)である酸化
ルテニウム含量の計算値は6.6重量%であった。つぎ
に、実施例21の反応温度の制御性についての評価方法
に準拠して、反応を行った。塩化水素ガスを6.1l/
min、酸素ガスを3.05l/min供給した。反応
開始8.4時間後、浴温295.5℃で一定にしたとこ
ろ、内温(ホットスポット)が330℃で安定した。つ
ぎに23分間かけ浴温を合計5.5℃上昇させ、301
℃で一定にしたところ、内温が350℃まで上昇し、反
応温度の制御が困難になった。内温が350℃まで上昇
した時点で反応ガスの供給を停止し、反応を終了した。
【0173】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、塩
化水素を酸化して塩素を製造する方法であって、活性の
高い触媒を使用し、より少量の触媒でより低い反応温度
で塩素を製造可能な塩素の製造方法を提供することがで
きた。上記の発明は、塩化水素を酸化して塩素を製造す
る方法に関するものであるが、更に、その際に伝熱性の
良い触媒系を使用して触媒層からの反応熱の除熱を容易
にすることによって反応温度の制御を容易にすることが
でき、その触媒系は固相の熱伝導度の高い化合物を含有
させることによって形成させることができるが、更に、
工業的に充分な反応速度を得るために、触媒系充填層全
体を十分な温度に保つことによって高い反応転化率を得
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6で用いた触媒の水銀圧入法による細孔
分布曲線を示す図である。
【図2】実施例22で用いた触媒の水銀圧入法による細
孔分布曲線を示す図である。
【図3】実施例23で用いた触媒の水銀圧入法による細
孔分布曲線を示す図である。
【図4】実施例24で用いた触媒の水銀圧入法による細
孔分布曲線を示す図である。
【図5】実施例20で用いた触媒系の反応における触媒
層の温度分布を示す図である。
【図6】比較例8で用いた触媒系の反応における触媒層
の温度分布を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平10−99615 (32)優先日 平成10年4月10日(1998.4.10) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−110618 (32)優先日 平成10年4月21日(1998.4.21) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−128709 (32)優先日 平成10年5月12日(1998.5.12) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−350271 (32)優先日 平成10年12月9日(1998.12.9) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−1027 (32)優先日 平成11年1月6日(1999.1.6) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−18194 (32)優先日 平成11年1月27日(1999.1.27) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 関 航平 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 鈴木 達也 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 鈴田 哲也 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 岩永 清司 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 Fターム(参考) 4G069 AA01 AA03 AA08 BA01A BA01B BA04A BA04B BB04A BB04B BC58A BC58B BC70A BC70B BD12C CB81 DA06 EA01Y EA04Y EB18Y EC15X EC16X EC17X EC22X EC22Y ED10 FA02 FB39 FB45 FB46

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化水素を酸素によって酸化して塩素を
    製造する方法であって、次の(1)から(9)の中から
    選ばれるいずれか1つの触媒を用いる塩素の製造方法。 (1)ルテニウム化合物を担体に担持し、これを塩基性
    化合物で処理する工程及び還元性化合物で処理する工程
    を含み、次に酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒 (2)ルテニウム化合物を担体に担持し、これを還元剤
    で処理する工程を含み、一旦酸化数1価以上4価未満の
    ルテニウムとした後、酸化して得られる担持酸化ルテニ
    ウム触媒 (3)ルテニウム化合物を担体に担持し、これを還元性
    水素化化合物で還元し、次に酸化して得られる担持酸化
    ルテニウム触媒 (4)ルチル結晶系の酸化チタンを含有する酸化チタン
    を担体に使用した担持酸化ルテニウム触媒 (5)ルテニウム化合物を担体に担持し、これを液相で
    還元処理する工程を含み、次に酸化して得られる担持酸
    化ルテニウムであって、担体の単位重量当り、OH基量
    を0.1×10-4〜30×10-4(mol/g−担体)
    含有する酸化チタンを担体に使用した担持酸化ルテニウ
    ム触媒 (6)触媒系が、少なくとも下記の(A)及び(B)を
    含有し、該触媒系における(B)の含有量が10重量%
    以上である触媒系 (A):触媒活性成分 (B):200〜500℃の範囲の少なくとも一点にお
    いて測定される固相の熱伝導度が4W/m・℃以上であ
    る化合物成分 (7)細孔半径が0.03マイクロメートルから8マイ
    クロメートルのマクロ細孔である細孔を有する担持酸化
    ルテニウム触媒 (8)担体の外表面に酸化ルテニウムを担持した外表面
    担持触媒 (9)担体に酸化クロムを用いた担持ルテニウム触媒
  2. 【請求項2】 還元性化合物が、ヒドラジン、メタノー
    ル、エタノール、ホルムアルデヒド、ヒドロキシルアミ
    ン、ぎ酸及び酸化還元電位が−0.8〜0.5Vを示す
    化合物の群から選ばれる化合物である請求項1の(1)
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 触媒(2)が、ハロゲン化ルテニウム、
    クロロルテニウム酸塩、オキシルテニウム酸塩、ルテニ
    ウムオキシ塩化物、ルテニウムアンミン錯体、ルテニウ
    ムアンミン錯体の塩化物、アセチルアセトネート錯体、
    ルテニウム有機酸塩、ルテニウムニトロシル錯体からな
    る群から選ばれる少なくとも1種のルテニウム化合物を
    担体に担持し、これを還元剤で処理する工程を含み、一
    旦酸化数1価以上4価未満のルテニウムとした後、酸化
    して得られる担持酸化ルテニウム触媒である請求項1の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 触媒(2)が、ハロゲン化ルテニウム、
    クロロルテニウム酸塩、オキシルテニウム酸塩、ルテニ
    ウムオキシ塩化物、ルテニウムアンミン錯体、ルテニウ
    ムアンミン錯体の塩化物、アセチルアセトネート錯体、
    ルテニウム有機酸塩、ルテニウムニトロシル錯体からな
    る群から選ばれる少なくとも1種のルテニウム化合物を
    担体に担持し、塩基性化合物で処理する工程及び還元剤
    で処理する工程を含み、次に酸化して得られる担持酸化
    ルテニウム触媒である請求項1の製造方法。
  5. 【請求項5】 還元剤が、還元性化合物である請求項1
    の(2)の製造方法。
  6. 【請求項6】 触媒(1)又は(2)が、ハロゲン化ル
    テニウムを担体に担持し、ヒドラジン、メタノール、エ
    タノール又はホルムアルデヒドで処理し、次に酸化して
    得られた担持酸化ルテニウム触媒である請求項1の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 触媒(1)又は(2)が、ルテニウム化
    合物を担体に担持し、ヒドラジン、メタノール、エタノ
    ール又はホルムアルデヒドのアルカリ溶液で処理し、次
    に酸化して得られた担持酸化ルテニウム触媒である請求
    項1の製造方法。
  8. 【請求項8】 触媒(1)又は(2)が、ルテニウム化
    合物を担体に担持し、これをアルカリ処理した後、還元
    性化合物で処理し、次に酸化して調製した担持酸化ルテ
    ニウム触媒である請求項1の製造方法。
  9. 【請求項9】 触媒(1)又は(2)が、ルテニウム化
    合物を担体に担持し、これを還元性化合物のアルカリ溶
    液で処理し、次に酸化して調製した担持酸化ルテニウム
    触媒である請求項1の製造方法。
  10. 【請求項10】 触媒(1)又は(2)が、ハロゲン化
    ルテニウムを担体に担持し、これをアルカリ処理した
    後、ヒドラジン、メタノール、エタノール又はホルムア
    ルデヒドで処理し、次に酸化して調製した担持酸化ルテ
    ニウム触媒である請求項1の製造方法。
  11. 【請求項11】 触媒(1)又は(2)が、ハロゲン化
    ルテニウムを担体に担持し、ヒドラジン、メタノール、
    エタノール又はホルムアルデヒドのアルカリ溶液で処理
    し、次に酸化して調製した担持酸化ルテニウム触媒であ
    る請求項1の製造方法。
  12. 【請求項12】 触媒(1)又は(2)が、 ハロゲン化ルテニウムを担体に担持し、 これにアルカリを添加して処理した後に、 ヒドラジンで処理し、 次に酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒である請
    求項1の製造方法。
  13. 【請求項13】 触媒(1)又は(2)が、 ハロゲン化ルテニウムを担体に担持し、 これをヒドラジンのアルカリ溶液で処理した後、 酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒である請求項
    1の製造方法。
  14. 【請求項14】 触媒(1)又は(2)が、 ハロゲン化ルテニウムを担体に担持し、 これにアルカリを添加して処理した後に、 ヒドラジンで処理し、これにアルカリ金属塩化物を添加
    した後、 酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒である請求項
    1の製造方法。
  15. 【請求項15】 触媒(1)又は(2)が、 ハロゲン化ルテニウムを担体に担持し、 これをヒドラジンのアルカリ溶液で処理した後、 アルカリ金属塩化物を添加して、酸化して得られる担持
    酸化ルテニウム触媒である請求項1の製造方法。
  16. 【請求項16】 触媒(3)が、 ルテニウム化合物を担体に担持し、 これを還元性水素化化合物で還元した後、 酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒である請求項
    1の製造方法。
  17. 【請求項17】 触媒(3)が、 ルテニウム化合物を担体に担持し、 これを還元性水素化化合物で還元し、 これにアルカリ金属塩化物を添加した後、 酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒である請求項
    1の製造方法。
  18. 【請求項18】 触媒(3)が、 ハロゲン化ルテニウムを担体に担持し、 これをアルカリ金属水素化ホウ素化合物で還元した後、 酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒である請求項
    1の製造方法。
  19. 【請求項19】 触媒(3)が、 ハロゲン化ルテニウムを担体に担持し、 これをアルカリ金属水素化ホウ素化合物で還元し、 これにアルカリ金属塩化物を添加した後、 酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒である請求項
    1の製造方法。
  20. 【請求項20】 触媒(3)が、 塩化ルテニウムを担体に担持し、 これを水素化ホウ素ナトリウムで還元した後、 酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒である請求項
    1の製造方法。
  21. 【請求項21】 触媒(3)が、 塩化ルテニウムを担体に担持し、 これを水素化ホウ素ナトリウムで還元し、 これにアルカリ金属塩化物を添加した後、酸化して得ら
    れる担持酸化ルテニウム触媒である請求項1の製造方
    法。
  22. 【請求項22】 触媒(1)、(2)、(3)が、ルチ
    ル結晶系の酸化チタンを10%以上含有する酸化チタン
    を担体に使用した担持酸化ルテニウム触媒である請求項
    1の製造方法。
  23. 【請求項23】 触媒(1)、(2)、(3)が、ルチ
    ル結晶系の酸化チタンを30%以上含有する酸化チタン
    を担体に使用した担持酸化ルテニウム触媒である請求項
    1の製造方法。
  24. 【請求項24】 触媒(4)が、ルテニウム化合物を担
    体に担持し、これを液相で還元処理する工程を含み、次
    に酸化して得られる担持酸化ルテニウムであって、担体
    の単位重量当り、OH基量を0.1×10-4〜30×1
    -4(mol/g−担体)含有する酸化チタンを担体に
    使用した担持酸化ルテニウム触媒である請求項1の製造
    方法
  25. 【請求項25】 触媒(4)が、ルテニウム化合物を担
    体に担持し、これを液相で還元処理する工程を含み、次
    に酸化して得られる担持酸化ルテニウムであって、担体
    の単位重量当り、OH基量を0.2×10-4〜20×1
    -4(mol/g−担体)含有する酸化チタンを担体に
    使用した担持酸化ルテニウム触媒である請求項1の製造
    方法
  26. 【請求項26】 触媒(4)が、ルテニウム化合物を担
    体に担持し、これを液相で還元処理する工程を含み、次
    に酸化して得られる担持酸化ルテニウムであって、担体
    の単位重量当り、OH基量を3×10-4〜15×10-4
    (mol/g−担体)含有する酸化チタンを担体に使用
    した担持酸化ルテニウム触媒である請求項1の製造方
    法。
  27. 【請求項27】 触媒(4)、(5)が、ルチル結晶系
    の酸化チタンを10%以上含有する酸化チタンを担体に
    使用した担持酸化ルテニウム触媒である請求項1の製造
    方法。
  28. 【請求項28】 触媒(4)、(5)が、ルチル結晶系
    の酸化チタンを30%以上含有する酸化チタンを担体に
    使用した担持酸化ルテニウム触媒である請求項1の製造
    方法。
  29. 【請求項29】 触媒(5)が、ルテニウム化合物を担
    体に担持し、これを液相で還元処理する工程を含み、次
    に酸化して得られる担持酸化ルテニウムであって、担体
    の単位重量当り、OH基量を0.2×10-4〜20×1
    -4(mol/g−担体)含有する酸化チタンを担体に
    使用した担持酸化ルテニウム触媒である請求項1の製造
    方法。
  30. 【請求項30】 触媒(5)が、ルテニウム化合物を担
    体に担持し、これを液相で還元処理する工程を含み、次
    に酸化して得られる担持酸化ルテニウムであって、担体
    の単位重量当り、OH基量を3×10-4〜15×10-4
    (mol/g−担体)含有する酸化チタンを担体に使用
    した担持酸化ルテニウム触媒である請求項1の製造方
    法。
  31. 【請求項31】 触媒(4)又は(5)が、 ルテニウム化合物を担体に担持し、 これを還元性水素化化合物で還元した後、 酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒である請求項
    1の製造方法。
  32. 【請求項32】 触媒(4)又は(5)が、 ルテニウム化合物を担体に担持し、 これを還元性化合物で処理した後、 酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒である請求項
    1の製造方法。
  33. 【請求項33】 触媒(4)又は(5)が、 ルテニウム化合物を担体に担持し、 これを還元性化合物のアルカリ溶液で処理した後、 酸化して得られる担持酸化ルテニウム触媒である請求項
    1の製造方法。
  34. 【請求項34】 触媒系(6)が、少なくとも(A)成
    分、(B)成分及び触媒担体成分を含有する請求項1の
    製造方法。
  35. 【請求項35】 (A)成分及び(B)成分から構成さ
    れるものを一体に成形して得られる成形物を触媒として
    用いる請求項1の(6)の製造方法。
  36. 【請求項36】 (A)成分、(B)成分及び触媒担体
    成分から構成されるものを一体に成形して得られる成形
    物を触媒として用いる請求項1の(6)の製造方法。
  37. 【請求項37】 (A)成分が(B)成分に担持された
    ものから構成される請求項35の製造方法。
  38. 【請求項38】 (A)成分が触媒担体成分に担持され
    たものと、(B)成分から構成される請求項36の製造
    方法。
  39. 【請求項39】 (A)成分が触媒担体成分と(B)成
    分の混合物に担持されたものによって構成される請求項
    36の製造方法。
  40. 【請求項40】 (A)成分及び(B)成分から構成さ
    れるものを一体に成形して得られる成形物と、(B)成
    分から構成されるものを一体に成形して得られる成形物
    の両成形物を触媒系として用いる請求項1の(6)の製
    造方法。
  41. 【請求項41】 (A)成分及び触媒担体成分から構成
    されるものを一体に成形して得られる成形物と、(B)
    成分から構成されるものを一体に成形して得られる成形
    物の両成形物を触媒系として用いる請求項1の(6)の
    製造方法。
  42. 【請求項42】 (B)成分がα−アルミナである請求
    項1の(6)及び請求項34〜41のうちの一の請求項
    の製造方法。
  43. 【請求項43】 (A)成分がルテニウムを含有する成
    分である請求項1の(6)及び請求項34〜42のうち
    の一の請求項の製造方法。
  44. 【請求項44】 (A)成分が酸化ルテニウムを含有す
    る成分である請求項43の製造方法。
  45. 【請求項45】 (B)成分及び/又は触媒担体成分
    が、酸化チタンを含有する成分である請求項43〜44
    のうちの一の請求項の製造方法。
  46. 【請求項46】 触媒(7)が、担体の外表面に酸化ル
    テニウムを担持した外表面担持触媒である請求項1の製
    造方法。
  47. 【請求項47】 触媒(8)が、アルカリ前含浸法によ
    って調製された外表面担持触媒である請求項1の製造方
    法。
  48. 【請求項48】 触媒(9)が、酸化クロム担持酸化ル
    テニウム触媒である請求項1の製造方法。
  49. 【請求項49】 触媒(9)が、酸化クロム担持塩化ル
    テニウムを焼成して得られる触媒である請求項1の製造
    方法。
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