JP2001276620A - 炭化水素改質用触媒 - Google Patents

炭化水素改質用触媒

Info

Publication number
JP2001276620A
JP2001276620A JP2000098911A JP2000098911A JP2001276620A JP 2001276620 A JP2001276620 A JP 2001276620A JP 2000098911 A JP2000098911 A JP 2000098911A JP 2000098911 A JP2000098911 A JP 2000098911A JP 2001276620 A JP2001276620 A JP 2001276620A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
hydrocarbon
spinel
hydrocarbon reforming
reforming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000098911A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Yokota
幸治 横田
Masayuki Fukui
雅幸 福井
Toshiyuki Tanaka
寿幸 田中
Akihiko Suda
明彦 須田
Toshio Yamamoto
敏生 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2000098911A priority Critical patent/JP2001276620A/ja
Publication of JP2001276620A publication Critical patent/JP2001276620A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間経過後においても、炭素析出およびメ
タン生成といった副反応の抑制を可能とし、従来技術で
はみられない“炭化水素の高転化率”を達成できる炭化
水素改質用触媒を提供する。 【解決手段】 炭化水素に空気および/または水蒸気を
混合し、該炭化水素を一酸化炭素および水素に転化する
ための触媒であって、該触媒を構成する成分が、ロジウ
ムと、化学式MgO・xAl23(x=0.8〜1.0)でかつ
実質上Al23の結晶構造が存在しないスピネルで構成
された炭化水素改質用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素改質用触
媒に関し、主として、炭化水素(又はアルコール)より一
酸化炭素(CO)及び水素(H2)を製造するための、特
に、後者の水素(H2)を効率良く製造するための炭化水
素改質用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】天然ガスなどの炭化水素と水蒸気から水
素を製造する方法(水蒸気改質)としては、Ni系触媒を
用いる方法が従来より一般的な工業的手法として確立さ
れている(例えば、触媒学会編 触媒講座第8巻 工業反
応I p263〜p273,講談社 1986発行)。この他にも、同様
のNi系触媒を用い、炭化水素に少量の空気を吹き込ん
で部分酸化させて水素を製造する方法(部分酸化)が知ら
れている。
【0003】これらの反応は、化学式で表現すると、以
下のように示すことができる。 ・水蒸気改質反応;C+xH2O→ xCO+(y/2+
x)H2 ・部分酸化反応 ;C+x/2O2→ xCO+ y/2
2
【0004】水素(H2),一酸化炭素(CO)を効率良く
製造するには、高温かつ高水蒸気圧が好ましいとされて
いる。その理由は、上記反応は平衡反応であるため、低
温、または、水蒸気あるいは酸素が不足すると、平衡が
左側に移行することになって右側へ片寄らず、また、メ
タン,炭酸ガス(CO2)あるいは炭素生成などの複反応
が進行し、目的成分(H2,CO)の収率が減少するため
である。
【0005】しかしながら、近年、炭酸ガス発生低減が
強く求められており、また、消費エネルギーの低減を目
的とする方向からは、上記平衡反応を右側に片寄らせ
ず、逆方向の左側に移行させることになる。すなわち、
大量に水蒸気を投入することは、水の気化に大量の熱エ
ネルギを浪費することになるからである。一方、部分酸
化において空気を多くすることは、COに留まらずCO
2になり、更にN2も増加するため、生成物中のCOのみ
ならずH2の濃度も低下する。
【0006】低温,低水蒸気分圧は、水素(H2),一酸
化炭素(CO)製造時の投入エネルギー低減につながる
が、もちろん化学平衡上好ましくない上に、炭素析出お
よびメタン生成などの副反応が増加すること、および、
温度を下げると、触媒の活性を低下させることがあっ
た。したがって、できるだけ低水蒸気分圧,低温で動作
する“高活性でかつ炭素析出の少ない触媒”が求められ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】炭化水素改質用触媒に
おいて、炭素析出およびメタン生成といった副反応の抑
制は、担体の酸性質を消滅させることにある。触媒担体
としては、後記するように、MgAl24(スピネル)が
用いられ、通常、このようなスピネルは、アルミナ(A
23)とマグネシア(MgO)、あるいは、それらの前
駆体を等モル反応させて製造される。
【0008】スピネルは、等モル以外の組成にすると、
過剰な成分が分相し析出する。特に過剰のアルミナを加
えた場合には、アルミナが析出する。アルミナには、い
くつかの結晶形が知られており、低温で生成する水酸化
アルミニウムやγ-Al23 は、両性物質として知られ
ており、すなわち、酸性も有するため、前記副反応は抑
制できない。一方、高温で生成するα-Al23は、ほ
ぼ中性酸化物とみなすことができ、炭素析出は押えられ
るものの、高温にさらされると、Al23およびMgA
24は、共に凝集するため、比表面積が低下し、活性
の高い触媒は製造できなくなるという問題があった。
【0009】従来、炭化水素改質用触媒としては、例え
ば、前掲の“触媒講座第8巻 工業反応I”の第268頁に
は、「担体としてMgAl24(スピネル)を用い、これ
にニッケル(Ni)を担持させた水蒸気改質用触媒」につ
いて記載されている。また、特開昭52−74591号
公報には、「担体として化学式MgAl24で示される
スピネルを用い、この担体に白金(Pt)および/または
ロジウム(Rh)を担持させた炭化水素燃料改質触媒」に
ついて、特開昭57−24639号公報には、「担体と
してマグネシア・アルミナ・スピネルの多孔質体を用
い、この担体に酸化セリウムおよびロジウムを担持させ
た水蒸気改質用触媒」について開示されている。
【0010】しかしながら、従来の上記炭化水素改質用
触媒では、後記する本発明のように炭化水素の高転化率
を達成し得るものではなかった。具体的に説明すると、
従来の上記触媒では、800℃,24時間使用後の炭化
水素の転化率が85%未満であって、後記する本発明の
ように、80%以上の転化率を達成できるものではなか
った。
【0011】本発明者等は、長時間使用しても(長時間
経過後においても)、炭化水素の転化率が低下しない炭
化水素改質用触媒を提供することを意図して鋭意研究を
重ねた結果、特定の物性値を有するスピネル担体、特
に、高温時においても高比表面積を保持することがで
き、かつ、アルミナを実質上含まないスピネル担体を見
い出して本発明を完成したものである。
【0012】すなわち、本発明は、第一に、長時間使用
しても(長時間経過後でも)、炭化水素の転化率が低下し
ない炭化水素改質用触媒を提供することを目的とし、第
二に、高温時においても高比表面積を保持することがで
き、炭素析出およびメタン生成といった副反応の抑制を
可能とする高活性の炭化水素改質用触媒を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決する手段】そして、本発明の特徴点(発明
を特定する事項)は、「炭化水素に空気および/または
水蒸気を混合し、該炭化水素を一酸化炭素(CO)および
水素(H2)に転化するための触媒であって、800℃,
24時間使用後の炭化水素の転化率が85%以上を有す
る炭化水素改質用触媒」(請求項1)であり、また、「前
記800℃,24時間使用後の炭化水素の転化率が実質
的に変化しない炭化水素改質用触媒」(請求項2)であ
り、これによって、従来技術ではみられない“炭化水素
の高転化率”を達成し得る炭化水素改質用触媒を提供す
ることができる。
【0014】前記炭化水素は、天然ガス,LPG,ガソ
リン,軽油の気体もしくは液体であって、主として燃料
として用いられる炭化水素であるが(請求項3)、本発明
は、このような炭化水素のみに限定するものではなく、
後記するように、アルコールも対象とすることができ、
これも本発明に包含されるものである。
【0015】また、本発明は、前記請求項1,請求項2
の炭化水素改質用触媒を構成する成分として、 ・触媒金属および化学式MgO・xAl23からなるス
ピネルで構成されていること(請求項4)、 ・触媒金属,化学式MgO・xAl23からなるスピネ
ルおよび酸化ジルコニウム(ZrO2)で構成されている
こと(請求項5)、を特徴(発明を特定する事項)とし、こ
れによって、前記第一,第二の目的とする炭化水素改質
用触媒を提供することができる。
【0016】そして、前記請求項4,請求項5の炭化水
素改質用触媒において、 ・触媒金属がロジウム(Rh)であること(請求項6)、 ・ロジウム(Rh)は、その平均粒子径が5nm以下であ
ること(請求項7)、を特徴(発明を特定する事項)とし、
このように、触媒金属としてロジウム(Rh)を用いるこ
とにより、特に炭素析出およびメタン生成といった副反
応の抑制を可能とする高活性の炭化水素改質用触媒を提
供することができる。
【0017】また、本発明は、前記請求項4,請求項5
の炭化水素改質用触媒において、 ・MgO・xAl23からなるスピネルは、xの値が
0.8〜1.0で、かつ、実質上Al23の結晶構造が
存在しないこと(請求項8)、 ・スピネルは、格子定数が8.063〜8.085Åで
あるMgAl24スピネル結晶構造を有する単相からな
ること(請求項9)、 ・スピネルは、100nm以下の細孔分布において、中
心細孔径が5〜50nmの範囲であること(請求項1
0)、 ・スピネルは、100nm以下の細孔容積の80%以上
が中心細孔径の±10nmの範囲に存在すること(請求
項11)、を特徴(発明を特定する事項)とし、これによ
って、前記第一,第二の目的とする炭化水素改質用触媒
を提供することができる。
【0018】更に、本発明は、前記請求項4,請求項5
の炭化水素改質用触媒において、 ・スピネルは、触媒金属の高温時均一分散状態を保持す
るため、高温時においても高比表面積を有していること
(請求項12)、 ・前記比表面積として、800℃,5時間以上の熱処理
後の比表面積が80m2/g以上であること(請求項1
3)、を特徴(発明を特定する事項)とし、これによっ
て、前記第一,第二の目的とする炭化水素改質用触媒を
提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明は、前記したとおり、従来技術では
みられない“炭化水素の高転化率”を達成し得る炭化水
素改質用触媒を提供するものであり、そして、該触媒の
担体として、特定の“MgO・xAl23(スピネル)”
を用いること、特に、高温時においても高比表面積を保
持し得るスピネルを見い出した。以下に、該スピネルに
ついて、その製造方法を含めて詳細に説明する。
【0020】高比表面積のMgO・xAl23(スピネ
ル)を製造する方法としては、原料を均一に混合するこ
とがポイントであり、(1)金属アルコキシドなどを用い
るゾルゲル法、(2)例えば、硝酸マグネシウムと硝酸ア
ルミニウムなどの混合水溶液と、アンモニア水を用いる
共沈法、(3)例えば、水酸化アルミニウムゲルに酢酸マ
グネシウム溶液を混合し、焼成する方法などが例示でき
る。
【0021】いずれの方法においても、焼成温度は50
0〜900℃の範囲で行うことが好ましい。高温ほどス
ピネルへの転換は促進される。すなわち、900℃を超
える焼成温度では、未反応のAl23,MgOの部分は
消失するものの、スピネルの結晶は成長し、比表面積が
低下するため、触媒活性が低下するので好ましくない。
また、500℃未満では、完全なスピネルが生成し難
く、生成するとしても非常に長時間の焼成が必要とな
り、効率的ではない。したがって、500〜900℃の
温度で焼成することにより、非常に微粒子、すなわち高
比表面積のスピネルが形成される。
【0022】化学式MgO・xAl23からなるスピネ
ルとして、“x”の値は、0.8〜1.0が好ましい。
1を超えると、過剰のAl23は、焼成してもγ型とな
るため、触媒の炭素析出の原因となる。また、0.8未
満では、過剰のMgOが析出し、Al23とは異なり、
炭素析出の問題は無いけれども、比表面積低下による活
性低下要因となるので、少なくとも0.8以上が好まし
い。より好ましくは、0.95以上である。
【0023】上記の方法で合成されるスピネルは、細孔
直径が5〜50nmの非常に細かい細孔を有し、比表面
積も大きい担体となる。本発明の目的を満たすには、少
なくとも80m2/g以上であることが必要である。
【0024】さらに、スピネルは、長時間高温に曝され
ると凝集する性質があるため、このような場合は、スピ
ネルと反応せず、かつ、炭素析出の要因とならない物質
をスピネル微粒子の粒界に介在させることにより、凝集
を防ぐことができる。このための物質としては、ZrO
2,CeO2やLa23などの希土類酸化物、あるいは、
MgOを見い出した。これらの前駆物質(水酸化物,ゾ
ルなど)を、スピネル粉末に対して、5重量%以下の割
合で湿式混合し、乾燥後焼成することで、目的の触媒担
体が得られる。
【0025】ここで希土類酸化物およびMgOは、触媒
使用中にAl23が分離しても、その微量のAl23
反応することで、炭素析出を防止する効果が期待でき、
また、ZrO2やCeO2のゾルは、ハニカムへコートす
る場合の粘結剤の役割も有している。したがって、目的
に応じて上記の1種以上を組み合わせて用いることがで
きる。特にZrO2ゾルを用いる場合は、pH8以上の
アルカリ性のものが好適である。また、その添加量は、
重量比で2〜30%が好ましい。2%未満では、上記効
果が期待し難く、一方、30%を超えると、ZrO2
高温で凝集するため、比表面積は、使用中に低下するこ
とになるので、好ましくない。
【0026】触媒成分としては、ロジウム(Rh)が好ま
しい。白金(Pt)あるいはニッケル(Ni)では、炭素析
出あるいはスピネル担体と反応する(失活する)ので好ま
しくない。ロジウム(Rh)の担持量は、担体に対して
0.05〜5重量%が好ましい。また、ロジウム(Rh)
の出発塩として、硝酸塩あるいはアンミン錯体などのハ
ロゲン(塩素など)を含まないものが好ましい。例えば、
塩化ロジウムを使用した場合、担体に塩素が残り、炭素
析出の要因となるからである。
【0027】炭化水素としては、天然ガス,LPG,ガ
ソリン,軽油の気体もしくは液体であって、主として燃
料として用いられる炭化水素が好ましいが、本発明は、
このような炭化水素のみに限定するものではなく、上記
以外の炭化水素は勿論のこと、それ以外の、例えばアル
コールの改質用触媒としても使用することができ、これ
も本発明に包含されるものである。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、
本発明を具体的に説明する。
【0029】(実施例)酢酸マグネシウム4水和物38
重量部とアルミニウムイソプロポキシド72重量部(モ
ル比でMg:Al=1:2)およびイソプロピルアルコ
ール400重量部とを混合し、乾燥空気気流中で撹拌し
ながら80℃で2時間還流した。その後、60重量部の
脱イオン水を滴下して加水分解させ、さらに80℃で2
時間還流を続けて加水分解を完結させた後、室温まで放
冷した。次に、ロータリーエバポレータを用いて温浴上
でアルコールを除去し、残さを室温で24時間風乾し
た。その後、乾燥空気気流中850℃で5時間焼成し、
スピネル担体を得た。
【0030】この方法で作製したスピネル担体は、比表
面積が115m2/gの物性値を有するものであった。
また、XRDからは、MgAl24の単一相であること
を確認した。さらに、格子定数は、8.083Åであっ
た。また、中心細孔径は、100nm以下の細孔分布に
おいて、15nmであり、100nm以下の細孔容積の
82%が、中心細孔径の±10nmの範囲に存在してい
た。なお、中心細孔径および細孔容積の測定は、水銀圧
入法により行った。
【0031】得られたスピネル担体に、Rh金属として
2重量%になるように、硝酸ロジウム水溶液を含浸さ
せ、400℃で2時間空気気流中で焼成して、触媒を得
た。X線回折による測定の結果、担持されたロジウム
(Rh)の平均粒子径は2nmであった。
【0032】(比較例1)平均粒径5μmのγ-Al2
3100重量部,重質酸化マグネシウム39.5重量
部,脱イオン水80重量部およびデキストリン20重量
部をボールミルにて4時間混合した。12時間,110
℃で乾燥した後、空気中1200℃で焼成して担体を得
た。この担体の比表面積は3m2/gであり、粉末X線
解析の結果から、僅かな未反応のMgOとα-Al23
を観測した。得られた担体に、前記実施例と同様の方法
でRhを担持し、触媒を得た。
【0033】(比較例2)前記γ-Al23(平均粒径5
μmのγ-Al23)を担体として使用し、この担体に、
前記実施例と同様の方法でRhを担持し、触媒を得た。
【0034】(改質反応試験その1)前記実施例,比較
例1,比較例2の各触媒を圧粉整形し、0.5〜1.2mmの
粒状に整形した各触媒2ml用意した。そして、「イソ
オクタン:3.6%,水蒸気:28.5%,空気:67.9%」組
成のガスを用い、このガスを2L/分(標準状態換算)の
流速および800℃の温度で改質反応を行い、約3時間毎
に触媒出口ガスをガスクロマトグラフで測定し、イソオ
クタンの添加率を求めた。この試験結果の最終値(イソ
オクタンの添加率)を表1に示し、また、各時間毎の試
験結果を図1にグラフ化した。
【0035】
【表1】
【0036】表1および図1から明らかなように、実施
例の触媒によれば、800℃での改質反応を31.8時間経過
した後であっても、イソオクタンの転化率は“100%”
であり、このように長時間経過しても、転化率の変化が
認められなかった。一方、比較例1の触媒では、31.8時
間経過後で“81.1%”、比較例2の触媒では、24時間経
過後で“53%”の添加率を示した。この事実から、実施
例の触媒は、比較例1,比較例2の各触媒に比して、は
るかに高い活性および耐久性を有していることがわかっ
た。また、実施例の触媒では、31.8時間経過後であって
も、表面に炭素析出が認められなかった。一方、比較例
1,2の触媒では、炭素析出が認められ、このことが劣
化の要因と思われる。
【0037】(改質反応試験その2)前記改質反応試験
その1と同様、実施例および比較例1の各触媒を圧粉整
形し、0.5〜1.2mmの粒状に整形した各触媒2ml用意
した。そして、「プロピレン:2.63%,水蒸気:54.6
%,空気:43.1%」組成のガスを用い、このガスを2L
/分(標準状態換算)の流速で、かつ触媒への注入ガスの
温度を、200℃から800℃まで毎分5℃の速度で連続的に
昇温しながら、改質処理を行った。触媒出口のガスをガ
スクロマトグラフで約7分毎に測定し、イソオクタンの
残存率(%)を求めた。この試験結果をまとめて図2にグ
ラフ化した。また、表2には、400℃における実施例お
よび比較例1の試験結果を数値で示した。
【0038】
【表2】
【0039】表2および図2から明らかなように、比較
例1の触媒では、400℃近傍の高温領域で初めてプロピ
レンの残存率が低下するのに対して、実施例の触媒で
は、300℃近傍でプロピレンの残存率の低下が認められ
た。この事実から、実施例の触媒は、比較例1の触媒に
比し、約100℃低温から反応させることができることが
わかった。
【0040】(改質反応試験その3)前記実施例および
比較例1の各触媒を圧粉整形し、0.5〜1.2mmの粒状に
整形した各触媒0.1gを用意した。そして、「C
4:5%,H2O:10%,窒素(N 2):バランス」組成の
ガスを用い、このガスを、流速1000ml/min
で、触媒への注入ガスの温度を20℃/minに昇温し
ながら、改質処理を行った。触媒出口のガスをガスクロ
マトグラフで測定し、メタン(CH4)の転化率(%)を求め
た。その試験結果を図3にグラフ化した。また、表3
に、750℃における実施例および比較例1の“メタン(CH
4)の転化率(%)”を数値で示した。
【0041】
【表3】
【0042】(改質反応試験その4)前記改質反応試験
その3と同様、実施例および比較例1の各触媒を圧粉整
形し、0.5〜1.2mmの粒状に整形した各触媒0.1gを
用意した。そして、「CH4:5%,H2O:7.5%,
2:2.5%,窒素(N2):バランス」組成のガスを用
い、このガスを、流速1000ml/minで、触媒への注
入ガスの温度を20℃/minに昇温しながら、改質処理
を行った。触媒出口のガスをガスクロマトグラフで測定
し、メタン(CH4)の転化率(%)を求めた。その試験結果
を図4にグラフ化した。また、表4に、750℃における
実施例および比較例1の“メタン(CH4)の転化率(%)”
を数値で示した。
【0043】
【表4】
【0044】前記改質反応試験その3およびその4は、
いずれも実施例,比較例1の触媒を用いたメタンの改質
反応試験であって、前者は“水蒸気改質反応試験例”で
あり、後者は“部分酸化を含む水蒸気改質反応試験例”
である。前記表3,4および図3,4から明らかなよう
に、実施例の触媒は、メタンに対しても高い性能を有す
るものであり、そして、比較例1の触媒に比し、極めて
高いメタン(CH4)の転化率を示すことがわかった。ま
た、改質反応試験その3とその4との対比から、少量の
酸素(空気)を加えた方が水蒸気量を低減でき、より高い
転化率を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したように、長時間
使用しても(長時間経過後でも)、炭化水素の転化率が低
下しない炭化水素改質用触媒を提供することができる。
すなわち、特定の物性値を有するMgO・xAl23
担体として使用することにより、炭素析出およびメタン
生成といった副反応の抑制を可能とし、従来技術ではみ
られない“炭化水素の高転化率”を達成できるという顕
著な効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例,比較例1,比較例2の各触媒に対する
改質反応試験その1の試験結果をグラフ化した図であ
り、イソオクタンの転化率と改質反応時間との関係を示
す図である。
【図2】実施例,比較例1の各触媒に対する改質反応試
験その2の試験結果をグラフ化した図であり、プロピレ
ンの残存率と改質反応温度との関係を示す図である。
【図3】実施例,比較例1の各触媒に対する改質反応試
験その3の試験結果をグラフ化した図であり、メタンの
添加率と改質反応温度との関係を示す図である。
【図4】実施例,比較例1の各触媒に対する改質反応試
験その4の試験結果をグラフ化した図であり、メタンの
添加率と改質反応温度との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 寿幸 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 須田 明彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 山本 敏生 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4G040 EA02 EA03 EA06 EB16 EC01 EC03 EC05 EC08 4G069 AA03 BA01A BA01B BA05A BA06A BA06B BB02A BB06A BB06B BC10A BC10B BC16A BC16B BC71A BC71B CC17 EC02X EC03X EC03Y EC04X EC04Y EC05X EC05Y EC12Y EC14X EC15X EC24 ED05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素に空気および/または水蒸気を
    混合し、該炭化水素を一酸化炭素(CO)および水素
    (H2)に転化するための触媒であって、800℃,24
    時間使用後の炭化水素の転化率が85%以上を有する、
    ことを特徴とする炭化水素改質用触媒。
  2. 【請求項2】 前記800℃,24時間使用後の炭化水
    素の転化率が実質的に変化しない、ことを特徴とする請
    求項1に記載の炭化水素改質用触媒。
  3. 【請求項3】 前記炭化水素は、天然ガス,LPG,ガ
    ソリン,軽油の気体もしくは液体であって、主として燃
    料として用いられる炭化水素である、ことを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の炭化水素改質用触媒。
  4. 【請求項4】 前記触媒を構成する成分が、触媒金属と
    化学式MgO・xAl23からなるスピネルで構成され
    ている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の炭化水素改質用触媒。
  5. 【請求項5】 前記触媒を構成する成分が、触媒金属,
    化学式MgO・xAl23からなるスピネルおよび酸化
    ジルコニウム(ZrO2)で構成されている、ことを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の炭化水素改質用
    触媒。
  6. 【請求項6】 前記触媒金属がロジウム(Rh)である、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の炭化
    水素改質用触媒。
  7. 【請求項7】 前記ロジウム(Rh)は、その平均粒子径
    が5nm以下である、ことを特徴とする請求項6に記載
    の炭化水素改質用触媒。
  8. 【請求項8】 前記MgO・xAl23からなるスピネ
    ルは、xの値が0.8〜1.0で、かつ、実質上Al2
    3の結晶構造が存在しない、ことを特徴とする請求項
    4または請求項5に記載の炭化水素改質用触媒。
  9. 【請求項9】 前記スピネルは、格子定数が8.063
    〜8.085ÅであるMgAl24スピネル結晶構造を
    有する単相からなる、ことを特徴とする請求項4または
    請求項5に記載の炭化水素改質用触媒。
  10. 【請求項10】 前記スピネルは、100nm以下の細
    孔分布において、中心細孔径が5〜50nmの範囲であ
    る、ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の
    炭化水素改質用触媒。
  11. 【請求項11】 前記スピネルは、100nm以下の細
    孔容積の80%以上が中心細孔径の±10nmの範囲に
    存在する、ことを特徴とする請求項4または請求項5に
    記載の炭化水素改質用触媒。
  12. 【請求項12】 前記スピネルは、前記触媒金属の高温
    時均一分散状態を保持するため、高温時においても高比
    表面積を有している、ことを特徴とする請求項4〜請求
    項11のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒。
  13. 【請求項13】 前記比表面積として、800℃,5時
    間以上の熱処理後の比表面積が80m2/g以上であ
    る、ことを特徴とする請求項12に記載の炭化水素改質
    用触媒。
JP2000098911A 2000-03-31 2000-03-31 炭化水素改質用触媒 Pending JP2001276620A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000098911A JP2001276620A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 炭化水素改質用触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000098911A JP2001276620A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 炭化水素改質用触媒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001276620A true JP2001276620A (ja) 2001-10-09

Family

ID=18613333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000098911A Pending JP2001276620A (ja) 2000-03-31 2000-03-31 炭化水素改質用触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001276620A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006062925A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Chiyoda Corp 合成ガスを製造するための反応器および合成ガスの製造方法
JP2007313496A (ja) * 2006-01-16 2007-12-06 Toda Kogyo Corp 水蒸気改質用触媒の多孔質担体、水蒸気改質用触媒及び反応混合ガスの製造方法
JP2010018853A (ja) * 2008-07-11 2010-01-28 Taiheiyo Cement Corp セラミックス溶射膜及びそれを用いた耐食性部材
JP2011143361A (ja) * 2010-01-15 2011-07-28 Nikki Universal Co Ltd 炭化水素改質触媒、該触媒の製造方法および該触媒を用いる改質方法
CN103846108A (zh) * 2012-11-28 2014-06-11 中国石油化工股份有限公司 一种用于煤基合成气制代用天然气催化剂载体的制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006062925A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Chiyoda Corp 合成ガスを製造するための反応器および合成ガスの製造方法
JP4500628B2 (ja) * 2004-08-30 2010-07-14 千代田化工建設株式会社 合成ガスを製造するための反応器および合成ガスの製造方法
JP2007313496A (ja) * 2006-01-16 2007-12-06 Toda Kogyo Corp 水蒸気改質用触媒の多孔質担体、水蒸気改質用触媒及び反応混合ガスの製造方法
JP2010018853A (ja) * 2008-07-11 2010-01-28 Taiheiyo Cement Corp セラミックス溶射膜及びそれを用いた耐食性部材
JP2011143361A (ja) * 2010-01-15 2011-07-28 Nikki Universal Co Ltd 炭化水素改質触媒、該触媒の製造方法および該触媒を用いる改質方法
CN103846108A (zh) * 2012-11-28 2014-06-11 中国石油化工股份有限公司 一种用于煤基合成气制代用天然气催化剂载体的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102341170B (zh) 在氧化铝或氢氧化铝氧化物基底上包含镧钙钛矿的组合物、制备方法以及催化用途
US5134109A (en) Catalyst for reforming hydrocarbon with steam
US10010876B2 (en) Catalyst for high temperature steam reforming
JP2008540318A (ja) アルミナに基づいたペロブスカイトの触媒および触媒担体
JPH11314035A (ja) 触媒担体と触媒及びこれらの製造方法
JP4185952B2 (ja) 一酸化炭素除去触媒及びその製造方法並びに一酸化炭素除去装置
JP6830543B2 (ja) マンガンをドープしたニッケル−メタン化触媒
JP5327323B2 (ja) 炭化水素系ガス改質用触媒、その製造方法、および合成ガスの製造方法
JP2000000469A (ja) リホ―ミング用ニッケル系触媒およびこれを用いた合成ガスの製法
JPH06182201A (ja) 高温で安定な触媒及びその調製法ならびにその触媒を用いて化学反応を実施する方法
JP5105544B2 (ja) 水蒸気改質触媒
JP4724973B2 (ja) ジメチルエーテル改質触媒および該触媒を用いる水素含有ガス製造方法
JP2001276620A (ja) 炭化水素改質用触媒
JP4296430B2 (ja) 水性ガスシフト反応用の触媒及びその製造方法
JP4525909B2 (ja) 水性ガスシフト反応用触媒及びその製造方法、並びに水性ガスの製造方法
JP2004209408A (ja) 炭化水素の改質用触媒及び炭化水素の改質方法
JP4715999B2 (ja) 水性ガスシフト反応用の触媒及びその製造方法
JP4016100B2 (ja) 水性ガスシフト反応用触媒
JPS6012132A (ja) 耐熱性触媒およびその使用方法
JP4120862B2 (ja) Coシフト反応用触媒
JP2007203159A (ja) 炭化水素改質用触媒及びその製造方法、並びにその炭化水素改質用触媒を用いた水素の製造方法
JP4269560B2 (ja) 水素生成触媒
JP4514419B2 (ja) 炭化水素部分酸化用触媒、その製造方法および水素含有ガスの製造方法
JP2007054685A (ja) 水性ガスシフト反応用の触媒
JPH06134305A (ja) 耐熱性触媒およびその使用方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100209