JP2004209408A - 炭化水素の改質用触媒及び炭化水素の改質方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記式で表される組成を有する複合酸化物及びNi、Mgを含む複合酸化物の一方又は両方にシリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類を加えた酸化物に、白金族元素を担持した複合酸化物のうち、少なくとも1種からなることを特徴とする炭化水素の改質用触媒、及びこれを用いた炭化水素の改質方法:aM・bNi・cMg・dO(式中、a、b、c、dは、モル比であり、a+b+c=1、0.02≦a≦0.99、0.01≦b≦0.99、0.01≦c≦0.97、dは、酸素が陽性元素と電気的中性を保つのに必要な数、Mは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn、Cd、Al、Siのうちから選ばれる少なくとも1種類の元素である。)
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素の高い反応速度での改質に有用な触媒及び炭化水素の改質方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、炭化水素の改質用触媒として最も多用されているニッケル/アルミナ系触媒(例えば、特公昭49−9312号公報等)は、アルミナ相が高温度域でα−アルミナ相に変化し、結晶成長も進行するため、比表面積が急激に低下し、これに応じて活性が低下する等の問題がある。
【0003】
また、これらの触媒は、ニッケルを多量に含み、触媒表面で炭素析出が起こりやすいので、それを防止するために、アルカリ成分としてカリウム化合物が添加されていることが多い。この場合には、使用中にカリウム化合物が反応装置、配管、その他に飛散して、腐食の発生等の問題がある。
【0004】
加えて上記触媒は、ニッケルの担持量は多いが、分散度が低く、活性金属が粗大析出しているため、高い反応速度で改質反応を進めることが困難であることや、被毒作用のある硫黄化合物を含有した炭化水素を改質する場合には、活性金属と硫黄との間で安定な化合物を生成して、硫黄被毒の影響を大きく受けるため、触媒活性が大幅に低下する等の問題がある。
【0005】
一方、アルミナに他の成分を添加して複合酸化物とした耐熱性担体を用いる方法も報告されている。例えば、アルミナにランタン、リチウムあるいはストロンチウムを含浸して調製したもの(米国特許第3966391号公報、同第4021185号公報、同第4061594号公報等)、また、アルミナに希土類塩からそれらの水酸化物を共沈させて調製したもの(特開昭63−175642号公報)、さらに、アルミナにマグネシアを添加して焼成したスピネル系のもの(特開昭55−139836号公報)等がある。
【0006】
これらは、いずれも多孔質の担体をまず調製し、含浸法(細孔内含浸法)により、その多孔体の細孔内にニッケル活性成分を担持させることを前提としたものであって、活性成分の微細分散に限界があるため、触媒活性の面で劣る。また、炭酸アルカリの高温蒸気による腐食性に対しても問題がある。
【0007】
ニッケル系以外の触媒として、アルミナ等にルテニウム、ロジウム、白金等の貴金属を担持した貴金属系触媒が知られている。この触媒は、貴金属成分の有する高い還元状態(金属状態)を保持し、且つ、炭素析出を抑制する性質を利用することにより、従来のニッケル系触媒と比較して、高い反応速度での改質が期待できること、及び、炭素の析出が少なく活性の維持も容易である、という特長を有する。しかしながら、この触媒は、ニッケル/アルミナ系触媒と同様、貴金属成分の分散度が低く、活性金属が粗大析出しているため、実際には、高い反応速度で改質反応を進めることが困難である。また、貴金属を多量に用いるため、高価になってしまい、経済的に不利という問題もある。
【0008】
こうした中、最近ニッケル/マグネシア系触媒が注目され、多くの報文及び特許が報告されている(特公昭46−43363号公報、特公昭55−50080号公報、特開昭63−137754号公報、特開昭63−248444号公報、触媒討論会講演予稿集, Vol.52, p.38 (1983)、Stud. Surf. Sci. Catal., Vol.119, p.861 (1998)、特開2000−469号公報、特開2002−173304号公報等)。このニッケル/マグネシア系触媒は、通常、ニッケル塩とマグネシウム塩の混合水溶液に沈殿剤を加えて、生成させた沈殿物を乾燥、焼成することにより調製される。この方法で得られる触媒は、MgOをマトリックスとし、一部のマグネシウムをニッケルで置換した固溶体複合酸化物を形成するものであり、その後の還元処理により、MgO中に含有された触媒活性金属種(ニッケル)が構造内部から表面に移動して凝集し、酸化物表面に金属クラスターとして、微細に分散した状態が形成される。従って、Niが高分散且つシンタリング耐性が高いため、高活性を示すと報告されている。しかしながら、本触媒の性能は、従来公知のニッケル/アルミナ系触媒と、ほぼ同等レベルにとどまっている。従って、さらに一層高い反応速度で炭化水素を改質することができる高性能な触媒を開発できれば、反応器の小型化やそれに伴った製造設備のコンパクト化が可能となり、合成ガスの製造コストを大幅に削減できることから、そのような高活性な触媒の開発が期待されている。
【0009】
また、ニッケル/マグネシア系触媒は、炭化水素の改質用触媒として最も多用されているニッケル/アルミナ系触媒と同様、硫黄化合物を含有した炭化水素の改質に対しては、硫黄被毒による大幅な活性低下が起こるという致命的な欠点がある。しかしながら、ここで用いる原料炭化水素として、代表的なものに、油田、ガス田、炭田から採取されるメタンを主成分とする天然ガスが想定されるが、それらには、精製前の段階で硫黄化合物(主として硫化水素)が相当高濃度(例えば、数千ppm程度)に含有されている。従って、これらの炭化水素源を原料とした場合には、硫黄被毒による活性低下の小さい改質用触媒を開発することができれば、高度な脱硫設備が不要となって、脱硫コストの削減が可能となるため、工業的にさらに安価な合成ガスを得ることができることから、硫黄被毒耐性の高い高性能な触媒の開発が望まれている。
【0010】
【特許文献1】
特公昭49−9312号公報
【特許文献2】
米国特許第3966391号公報
【特許文献3】
米国特許第4021185号公報
【特許文献4】
米国特許第4061594号公報
【特許文献5】
特開昭63−175642号公報
【特許文献6】
特開昭55−139836号公報
【非特許文献1】
触媒討論会講演予稿集, Vol.52, p.38 (1983)
【非特許文献2】
Stud. Surf. Sci. Catal., Vol.119, p.861 (1998)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記従来触媒の問題点を解決し、炭化水素の高い反応速度での改質に好適で、且つ、硫化水素や硫化カルボニル等の硫黄化合物を含有した炭化水素の改質においても、硫黄被毒の影響を極力抑制して、高効率で行える触媒及び改質方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは、炭化水素及び硫黄化合物含有炭化水素の改質用触媒について鋭意検討した結果、Ni、Mgを含む酸化物へシリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加えた複合酸化物に、白金族元素を担持することにより、従来のニッケル/アルミナ系触媒、貴金属系触媒やニッケル/マグネシア系触媒と比較して、高い活性を示し、且つ、反応時間に対する活性低下が小さいことを見出した。また、Ni、Mg及び金属元素M(Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn、Cd、Al、Siから選ばれる少なくとも1種類の元素)を含む酸化物へシリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加えた複合酸化物に、白金族元素を担持することによっても、従来公知の触媒と比較して、高活性を示し、且つ、反応時間に対する活性低下が小さいことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、炭化水素の改質用触媒が、Ni、Mgを含む酸化物へシリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加えた複合酸化物に、白金族元素を担持したものや、Ni、Mg及び金属元素M(Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn、Cd、Al、Siから選ばれる少なくとも1種類の元素)を含む酸化物へシリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加えた複合酸化物に、白金族元素を担持したもの、さらに、前記シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物の含有量が1〜90質量%であること、加えて前記貴金属元素が白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウムから選ばれる少なくとも1種類の元素であって、その担持量が金属換算で0.01〜10質量%であること、を特徴とするものである。
【0013】
さらに、本発明者らは、硫黄化合物含有炭化水素の改質方法についても鋭意検討した結果、上記触媒の少なくとも1種を用いることにより、従来のニッケル/アルミナ系触媒、貴金属系触媒やニッケル/マグネシア系触媒と比較して、硫黄被毒による活性低下が少なく、且つ、反応時間に対する活性低下が小さいことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明の炭化水素の改質方法は、炭化水素若しくは硫黄化合物含有炭化水素に対して、上記改質用触媒の少なくとも1種を用いる方法であり、該改質条件が、炭化水素若しくは硫黄化合物含有炭化水素中の炭素のモル数に対して外部供給される改質剤のモル比が0.5〜6、炭化水素に対して外部供給される改質剤と共に酸素を反応器に導入して炭化水素の燃焼反応熱を利用する内部熱供給型改質反応であり、酸素雰囲気下、反応温度500〜1300℃、反応圧力0.1〜20MPaの各条件とすることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明につき、以下に詳細に述べる。
【0016】
本発明の炭化水素の改質用触媒は、Ni、Mgを含む酸化物へシリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加えた複合酸化物に白金族元素を担持したものである。ここで、Niは金属の状態で改質反応の主触媒として機能し、Mgは金属酸化物の状態で存在して塩基性を示すため、マグネシア上の二酸化炭素からの吸着酸素種がNi上で析出する炭素を一酸化炭素として脱離させることにより、炭素析出を抑制する機能を有すると思われる。また、シリカ、アルミナ、ゼオライトの各酸化物は、これまで触媒担体として触媒反応場として利用されたり、固体酸触媒として炭化水素のアルキル化反応等に用いられることが多いが、本系のような炭化水素の改質反応に対して、触媒機能を示すという報告は、これまで全くなされていなかった。しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、シリカ、アルミナ、ゼオライトの各酸化物を添加することにより、さらに高い反応速度で改質反応が進行することを見出した。これは、シリカ、アルミナ、ゼオライトの各酸化物を複合酸化物に添加することにより、シリカ、アルミナ、ゼオライトの各酸化物がNi、Mgを含む結晶相を細かく分断して、酸化物固相中で高度に分散させること等により、各結晶相から表面に析出する活性種のNiが高度な分散状態になることで発現されたものと推察される。さらに、白金族元素は、金属の状態で改質反応の主触媒として機能するか、若しくは、隣接する活性金属種のNiの還元状態をより高めたり、反応進行中にNiが酸化されるのを防いで、金属状態を維持する機能を有すると思われる。
【0017】
また、本発明の炭化水素の改質用触媒は、Ni、Mg及び金属元素M(MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn、Cd、Al、Siから選ばれる少なくとも1種類の元素)を少なくとも含む複合酸化物に、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加えた複合酸化物である。ここで、Ni、Mg、白金族元素及びシリカ、アルミナ、ゼオライトの各酸化物の機能は、上述と同様である。一方、M又はその酸化物は、これまで担体として、あるいは、Mgと同様に、炭素析出を抑制する機能を有した助触媒として用いられることが多いが、主反応の反応速度を改善する助触媒作用を発揮するという知見は、これまで報告されていなかった。しかしながら、本発明者らが検討した結果、その添加により活性の向上が明確に認められ、M又はその酸化物は、触媒担体若しくは炭素析出を抑制する助触媒として機能しているのではなく、Niと同様に改質反応の主触媒として機能するか、若しくは、Niの触媒機能を促進する助触媒として機能しているものと推察される。
【0018】
さらに、上記複合酸化物中のシリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物の含有量が、1〜90質量%であることを特徴とする酸化物である。ここで、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物の添加量が、全量に対して1質量%未満の場合には、添加効果がほとんど見られず、添加量が90質量%を超える場合には、主触媒のNi量が極端に少ないため、十分な触媒活性が得られない恐れがある。また、上記複合酸化物中のシリカの添加量は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%である。
【0019】
加えて、上記酸化物に担持する白金族元素が、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウムから選ばれる少なくとも1種類の元素であって、その担持量が金属換算で0.01〜10質量%であることを特徴とするものである。ここで、白金族元素の担持量が、金属換算で0.01質量%未満の場合には、白金族元素の担持効果がほとんど現れずに触媒活性が十分でなく、また、担持量が10質量%を超える場合には、高価になってしまい、経済的に不利という問題もある。
【0020】
ここで、Ni、Mgを含む複合酸化物又はNi、Mg及び金属元素M(MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn、Cd、Al、Siから選ばれる少なくとも1種類の元素)を含む酸化物の調製方法を以下に例示するが、特にこれらに制限されるものではない。
【0021】
(A) 含浸担持法
ニッケル化合物を水又は有機溶媒に溶解させた溶液を、マグネシア(及び必要に応じてMの酸化物)粉末上に滴下する等、マグネシア(及びMの酸化物)粒子表面に、ニッケル化合物をインシピエントウエットネス法、蒸発乾固法等の通常の含浸法によって担持させ、触媒を調製する。
【0022】
このようにして調製した前駆体を50〜150℃において乾燥し、水又は有機溶媒を除去する。その際、有機溶媒を用いる場合には、経済性の面から有機溶媒を回収し、再使用することが望ましい。
【0023】
次いで、得られたニッケル化合物担持マグネシア(−Mの酸化物)粉末を空気中900℃程度の焼成を行う。この温度は、ニッケル化合物の熱分解温度及びその速度、また、安全性の面等を考慮して決める。
【0024】
このようにして調製した酸化ニッケル担持マグネシア(及びMの酸化物)粉末はそのまま用いても良いが、通常の乾式成形機を用いて成形してもよい。この際の成形機としては、成形機であればいずれでも良く、例えば、打錠機、ブリケッティングマシン等の圧縮成形機等が好適に用いられる。また、その場合の成形体の形状は、球状、シリンダー状、リング状、小粒状等いずれでもよい。
【0025】
さらに、粒度の揃った粉体が必要な場合には、得られたタブレットを粉砕し、篩い分けして整粒する。ここでも、粉砕機は、特に制約するものではなく、例えば、乾式粉砕機が好適に用いられる。
【0026】
(B) 共沈−物理混合法
ニッケル化合物、マグネシウム化合物を所定の比に混合して、混合水溶液を作成し、その中へ沈殿剤としてカリウム化合物等を滴下し、pHを上げて、水酸化物の形で沈殿物を形成させた後、加温しながら沈殿溶液を攪拌し、熟成する。その沈殿溶液を吸引ろ過した後、熱水で過剰の沈殿剤の金属成分を洗浄し、50〜150℃において十分乾燥し、水分を除去する。
【0027】
次いで、得られた沈殿物を空気中1000℃程度の温度で固溶体化処理を行う。
【0028】
このようにして調製したニッケル/マグネシア固溶体酸化物に、必要に応じてMの酸化物粉末を所定の比となるように添加し、全体が均一になるよう、例えば、乳鉢等を用いて、十分混合する。また、これら混合物を空気中1000℃程度で焼成して、ニッケル/マグネシア固溶体酸化物へMの酸化物を固溶させても良い。
【0029】
この混合物をペレットとして用いる場合には、(A)に記載の方法等で成形する。また、最終的に粒度の揃った粉末が必要な場合は、さらに(A)と同様に粉砕し、整粒する。
【0030】
(C) 共沈法
ニッケル化合物、マグネシウム化合物、Mの化合物を所定の比に混合して、混合水溶液を作成する他は、(B)と同様にして、ニッケル、マグネシウム(さらに必要に応じてM)を含んだ水酸化物の沈殿物を調製し、乾燥、焼成を行って、複合酸化物を調製する。
【0031】
また、これら複合酸化物に、シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を複合させる場合には、例えば、上記(A)の含浸担持法において、マグネシア(及びMの酸化物)粉末へこれら酸化物を混合したものに、ニッケル化合物を含浸担持する、又は、(B)の共沈‐物理混合法において、共沈法で得られたニッケル/マグネシア固溶体酸化物(及びMの酸化物)粉末と共に、これら酸化物粉末を混合する、あるいは、(C)の共沈法において得られた複合酸化物に、これら酸化物のスラリーを添加、混合した後に乾燥する等、の各種調製方法によって得ることができるが、特にこれらに制限されるものではない。
【0032】
この複合酸化物をペレットとして用いる場合には、(A)に記載の方法等で成形する。また、最終的に粒度の揃った粉末が必要な場合は、さらに(A)と同様に粉砕し、整粒する。
【0033】
このようにして調製したNi、Mgを含む酸化物、若しくは、Ni、Mg及び金属元素M(MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn、Cd、Al、Siから選ばれる少なくとも1種類の元素)を含む酸化物に、白金族元素を担持する方法としては、例えば、白金族元素の化合物を用いたインシピエントウエットネス法、蒸発乾固法等の通常の含浸法やCVD法等を好適に用いることができるが、特にこれらに制限されるものではない。また、ここでの白金族元素の化合物には、その酸及び塩、塩化物、有機金属等の水や有機溶媒に十分に溶解するものであれば、いずれの形態のものも好適に使用することができ、例えば、白金化合物としては、塩化白金酸、塩化白金、白金アセチルアセトナート等が挙げられる。
【0034】
また、本発明の炭化水素又は硫黄化合物含有炭化水素の改質方法は、上述した複合酸化物の少なくとも1種を触媒として用い、炭化水素中の炭素のモル数に対して、外部供給される改質剤のモル比が0.5〜6、酸素共存の雰囲気下、反応温度500〜1300℃、反応圧力0.1〜20MPaの少なくとも1つの条件で改質反応を行うことが好ましい。
【0035】
ここで、炭化水素の改質に対して、白金族元素担持複合酸化物が高い反応速度で改質反応を進めることができる理由は、白金族元素の高い還元性により改質反応の主触媒として機能するか、又は、主触媒成分であるNiの還元度を高める(より金属状態に近づける)、若しくは、Niの反応進行に伴うカチオンへの酸化を防ぎ、金属状態を維持する等、活性種であるNiの触媒機能を促進する助触媒効果が発揮されるためと推察する。また、ニッケル/マグネシア系酸化物にシリカ、アルミナ、ゼオライトの酸化物が共存することにより、白金族元素で触媒機能が促進される活性金属のNiが、より高分散な状態で存在するためと推察する。
【0036】
また、硫黄化合物含有炭化水素の改質に対し、白金族元素担持複合酸化物が高い活性を示す理由は、複合酸化物表面に存在する活性金属であるNiが金属の状態で高分散することにより、安定且つ不活性なニッケル硫化物の形成が困難になるため、若しくは、Mの硫黄に対する反応性がNiよりも高く、ニッケル硫化物の形成を抑制する効果が発揮されるためと推察する。
【0037】
さらに、炭化水素中の炭素のモル数に対する外部供給される改質剤(水蒸気や二酸化炭素等)のモル比については、炭化水素若しくは硫黄化合物含有炭化水素が、適度な濃度の改質剤と高効率に改質反応を進められることが好ましく、この比が0.5未満であると、炭化水素に対する改質剤の量が不足して、改質活性が高くならなかったり、炭素析出が増大する恐れがあり、6を超える場合には、過剰に加えられた改質剤により、触媒自体が酸化されて活性が劣化したり、エネルギー効率が低下してしまう恐れが高くなる。
【0038】
また、炭化水素の改質反応は大きな吸熱反応であるため、通常は反応器の外壁をバーナーで加熱することで反応熱を供給しているが、伝熱効率が悪く反応速度が熱供給律速になってしまう恐れがあり、高い反応速度条件下で反応を進めることができない恐れが高くなる。そこで、上記改質剤と同時に酸素を系内に導入し、炭化水素の燃焼反応を反応器内で進行させて、その反応熱を改質反応に利用する内部熱供給型改質反応を進めることにより、熱供給律速を解消して、本発明の高速改質触媒の機能を有効に発揮できるようになることから、上記改質剤と共に酸素を導入することが好適である。ここで、上記改質剤と共に反応器に導入する酸素の量に関しては、炭化水素中の炭素のモル数に対して酸素のモル比が、0.01〜1.5であることが好ましく、この比が0.01未満であると、燃焼反応の起こる割合が不足して反応熱が不十分なため、熱供給が律速になって、高い反応速度が得られない恐れがあり、1.5を超える場合には、過剰に加えられた酸素により、改質されるべき炭化水素の多くが燃焼されて、改質反応の起こる割合が小さくなり、合成ガスや炭化水素を十分に得られない恐れが高くなる。また、上記改質剤と共に用いる酸素のモル比は、より好ましくは0.05〜1.0である。
【0039】
反応温度については、炭化水素若しくは硫黄化合物含有炭化水素が高効率で改質されて、高い生産性で合成ガスを製造するのが好ましく、500℃より低温で反応を進行させた場合、炭化水素の改質反応が吸熱反応であるため平衡転化率が下がること、及び反応速度が下がること等の理由から、触媒活性が大きく低下することがある。また、1300℃を超える温度で反応させた場合には、触媒のシンタリングが起こる恐れがあることや、反応器を構成する材料への負担が大きく、反応器を長期にわたり安定に運転することが困難になること、反応器に用いる材料が非常に高価になるという問題が生ずることがある。
【0040】
反応圧力については、炭化水素又は硫黄化合物含有炭化水素の改質反応が、高い生産性且つコンパクトな装置で、改質可能な加圧下で行なうのが好ましいが、20MPaを超える圧力下では、平衡転化率が下がり、反応効率を高められないという問題や、炭素析出が起こりやすくなる恐れがあり、また、装置のコンパクト化は図れるものの、その圧力に備えた高圧用設備、反応器用材料が必要となり、設備費が高価になるという問題が生ずることがある。一方、0.1MPa未満の圧力下では、平衡的には有利な方向ではあるものの、生産性が高くならないという問題や、高圧反応へ供給する場合には、合成ガスをそのまま供給できないという問題がある。また、本改質反応で得られる合成ガスをメタノール合成やフィッシャー−トロプシュ合成等に利用する場合には、各々の反応圧力と等しい圧力で改質するのが好ましい。
【0041】
本発明における炭化水素又は硫黄化合物含有炭化水素の改質用触媒を構成する各元素に関しては、いろいろな機能を有すると思われるが、現在のところ主な機能として以下のように考察する。すなわち、白金族元素担持複合酸化物中の主触媒成分であるNiは、複合酸化物中に金属状態で高分散しているため、高い反応速度条件下でも高効率に改質反応を進めることが可能であり、且つ、硫黄化合物が含まれる雰囲気下であっても、高い活性を発現する。また、Mgは、酸化物の状態で存在して高塩基性を示し、炭素析出速度を大幅に抑制して、触媒活性の長寿命化に大きな役割を果たす。また、Mは、一般的な触媒の担体や炭素析出を抑制する助触媒としての機能ではなく、改質反応の主触媒か、又は、Niの触媒機能を促進する助触媒としての機能を発揮するものと考えられる。また、Ni−Mg複合酸化物及びNi−Mg−M複合酸化物の一方又は両方に、シリカ、アルミナ、ジルコニアの各酸化物を添加した複合酸化物中のシリカ、アルミナ、ジルコニアの各酸化物は、複合酸化物固相内でNi含有酸化物相が高度に分散した状態を形成し、各Ni含有酸化物相から固相析出するNiをより高分散させることが可能になる機能を発揮するものと考えられる。さらに、白金族元素は、改質反応の主触媒か、又は、Niの還元状態をさらに高め、且つ、反応進行過程でもその高い状態を維持する等の触媒機能を促進する助触媒としての機能を発揮するものと考えられる。
【0042】
【実施例】
(実施例1)
酢酸ニッケルと硝酸マグネシウムを、ニッケルとマグネシウムのモル比が1:9になるように精秤して、60℃の加温下で混合水溶液を調製したものに、60℃に加温した炭酸カリウム水溶液を加え、スターラーで十分に攪拌した。その後、60℃で保持したまま、1時間攪拌を続けて、熟成を行った後、吸引ろ過を行い、80℃の純水で十分に洗浄を行った。洗浄後に得られた沈殿物を120℃で12時間乾燥後、空気中950℃にて20時間焼成を行い、ニッケル/マグネシア固溶体酸化物を得た。
【0043】
この固溶体酸化物粉末に、高純度シリカ粉末を同じ質量精秤して添加、十分に混合し、圧縮成形器を用いてこの混合物を600kg/cm2でプレスした後、十分に粉砕して100〜300メッシュ(63μm〜150μm)に整粒することにより、Ni−Mg−Si複合酸化物を調製した。このようにして得られた酸化物粉末に対して、金属換算で0.1質量%となるよう調整した塩化白金酸水溶液を含浸し、120℃で12時間乾燥させた後、500℃で3時間焼成することにより、0.1質量%Pt担持Ni−Mg−Si複合酸化物を調製した。
【0044】
この触媒粉末約1gを、予め管内部の中央位置に石英皿を取りつけた石英製反応管へ充填し、反応管を流動床型反応器の所定の位置にセットした。
【0045】
改質反応を始める前に、まず反応器をアルゴンガス雰囲気下で900℃まで昇温した後、水素ガスを50ml/min流しながら、900℃で30分間還元処理を行った。メタンガス、水素ガス、アルゴンガスを、メタン50モル%、水素30モル%、二酸化炭素5モル%、アルゴン15モル%になるように調整後、表1に示すような種々の濃度の硫化水素を含有するように添加し、さらにメタンと改質剤(水蒸気+二酸化炭素)のモル比が以下に示す割合になるようにウオーターポンプを調節して、反応管内に供給した。ここで、反応条件は以下のとおりである。
【0046】
水蒸気改質の反応温度 : 500〜1300℃
水蒸気改質の反応圧力 : 0.1〜20MPa
硫化水素濃度 : 0〜2000ppm
改質剤(水蒸気+二酸化炭素)/メタン比 : 0.5〜6
水蒸気改質反応のW/F(触媒重量/ガス流量) : 0.5〜5gh/mol
反応生成ガスの成分に関しては、流動床型反応器の出口から排出された生成ガスを、一旦氷温トラップを経由させた後、ガスクロマトグラフィー(ヒューレットパッカード製HP6890)に注入して、分析を行った。ガスクロマトグラフィーで用いたカラムには、UnibeadsC60/80(GLサイエンス製)を、検出器にはTCDを用いた。改質反応の反応度合は、メタン転化率で判断し、そのメタン転化率は、出口ガス中の各成分の濃度より、以下の式により算出した。
【0047】
【数1】
【0048】
各種条件での改質反応後のメタン転化率は、以下の表1のようになった。
【0049】
【表1】
【0050】
表1のNo.1、2の結果、本測定条件下では、W/Fの変化に対して活性がほとんど変化せず、高い反応速度で改質反応が行われることが判明した。また、No.4、5の結果は、改質剤/メタン比を大きく変化させても、本測定条件下では、改質反応率がほぼ一定で、改質剤の量によらず高い反応率で反応が進むことを示唆している。さらに、No.6、7の結果は、H2Sを一定濃度随伴した雰囲気下で反応温度を大きく変化させた場合、温度により反応率は変化したものの、500℃の低温でも比較的高い反応率で改質が進むことを表している。また、No.8の結果より、H2Sを高濃度(2000ppm程度)に随伴した雰囲気下でも、ある程度高い活性を維持したまま、改質反応が進んでいることがわかる。
【0051】
(実施例2)
実施例1と同様にして、ニッケル/マグネシア固溶体酸化物を調製した後、シリカゾル(触媒化成工業製)を、触媒中のSiO2が20質量%(以下、触媒”A”)、50質量%(以下、触媒”B”)、70質量%(以下、触媒”C”)の割合になるように添加し、スラリーを調製した。その後、平均粒径が約50μmになるような条件で噴霧乾燥を行い、そこで得られた粉末を空気中950℃で20時間焼成を行った。さらに、得られた固溶体酸化物を粉砕して、100〜300メッシュ(63μm〜150μm)に整粒した。このようにして得られた複合酸化物への白金担持は、実施例1と全く同様に行った。この白金担持複合酸化物粉末を用いた改質反応についても、実施例1と全く同様に行った。各反応条件でのメタン転化率を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
表2より、白金担持Ni−Mg−Siの複合酸化物は、シリカの添加量により多少メタン転化率が変化するが、上記のいずれの触媒でも、その転化率の値は非常に高い。また、シリカの炭化水素及び硫黄化合物含有炭化水素の改質反応に対する触媒活性の向上効果が明確に認められる。したがって、本白金担持複合酸化物触媒は、炭化水素の改質用触媒として非常に有望である。
【0054】
(実施例3)
実施例1と同様にして、Ni−Mg−Si複合酸化物を調製した後、0.01質量%、0.3質量%、2質量%、5質量%、10質量%となるよう調製した塩化白金酸水溶液を含浸して、以下実施例1と同様にして、各々0.01質量%Pt担持Ni−Mg−Si複合酸化物(以下、触媒”D”)、0.3質量%Pt担持Ni−Mg−Si複合酸化物(以下、触媒”E”)、2質量%Pt担持Ni−Mg−Si複合酸化物(以下、触媒”F”)、5質量%Pt担持Ni−Mg−Si複合酸化物(以下、触媒”G”)、10質量%Pt担持Ni−Mg−Si複合酸化物(以下、触媒”H”)を調製した。これらの白金担持複合酸化物粉末を用いた改質反応についても、実施例1と全く同様に行った。各反応条件でのメタン転化率を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】
表3より、白金担持Ni−Mg−Siの複合酸化物は、白金の担持量により多少メタン転化率が変化し、特に担持量が数%未満の場合には、担持量と共にメタン転化率が増加し、活性の改善が見られるが、担持量が数%オーダーになると転化率は担持量に依らずほぼ一定となった。その結果、上記のいずれの触媒も触媒活性が高く、本白金担持複合酸化物触媒は、炭化水素の改質用触媒として非常に有望である。
【0057】
(実施例4)
塩化白金酸水溶液の代わりに、塩化ルテニウム水溶液、塩化パラジウム水溶液、塩化ロジウム水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、各々0.1質量%Ru担持Ni−Mg−Si複合酸化物(以下、触媒”I”)、0.1質量%Pd担持Ni−Mg−Si複合酸化物(以下、触媒”J”)、0.1質量%Rh担持Ni−Mg−Si複合酸化物(以下、触媒”K”)を調製した。これらの白金族担持複合酸化物粉末を用いた改質反応についても、実施例1と全く同様に行った。各反応条件でのメタン転化率を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
表4より、各白金族元素担持Ni−Mg−Siの複合酸化物は、いずれの場合も同程度の高いメタン転化率を示したことから、白金族の元素の種類に依らず高い触媒活性を有することが判明し、白金族担持複合酸化物触媒は白金族元素として白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウムのいずれの元素を用いた場合でも、炭化水素の改質用触媒として非常に有望である。
【0060】
(実施例5)
塩化チタンと酢酸ニッケル、硝酸マグネシウムを、チタンとニッケルとマグネシウムのモル比が1:1:8になるように精秤して用いる他は、実施例1と同様にして、Ti−Ni−Mg−Si複合酸化物(以下、触媒”L”)を調製した。以下、同様にして、塩化酸化ジルコニウムを用いてZr−Ni−Mg−Si複合酸化物を、酸化ハフニウムを用いてHf−Ni−Mg−Si複合酸化物を、塩化バナジウムを用いてV−Ni−Mg−Si複合酸化物を、塩化ニオブを用いてNb−Ni−Mg−Si複合酸化物を、塩化タンタルを用いてTa−Ni−Mg−Si複合酸化物を、硝酸クロムを用いてCr−Ni−Mg−Si複合酸化物を調製した。これらの複合酸化物に対して、実施例1と同様にして、0.1質量%白金担持複合酸化物粉末調製した。ここで、各触媒をそれぞれ”M”、”N”、”O”、”P”、”Q”、”R”とする。これらの各種触媒を用いた改質反応についても、実施例1と全く同様に行った。各反応条件でのメタン転化率を表5に示す。
【0061】
【表5】
【0062】
表5より、各白金担持M−Ni−Mg−Siの複合酸化物は、いずれも触媒活性が高いことがわかる。また、表1と比較すると、Mの導入により、活性の改善が明確に認められる。本結果より、白金担持複合酸化物触媒は、炭化水素の改質用触媒として非常に有望である。
【0063】
(実施例6)
モリブデン酸アンモニウムと酢酸ニッケル、硝酸マグネシウムを、モリブデンとニッケルとマグネシウムのモル比が1:1:8になるように、精秤して用いる他は、実施例1と同様にして、Mo−Ni−Mg−Si複合酸化物を調製した。以下、同様にして、モリブデン酸アンモニウムの代わりに、タングステン酸アンモニウムを用いてW−Ni−Mg−Si複合酸化物を、酢酸マンガンを用いてMn−Ni−Mg−Si複合酸化物を、硝酸銅を用いてCu−Ni−Mg−Si複合酸化物を、硝酸亜鉛を用いてZn−Ni−Mg−Si複合酸化物を、硝酸カドミウムを用いてCd−Ni−Mg−Si複合酸化物を、硝酸アルミニウムを用いてAl−Ni−Mg−Si複合酸化物を、酢酸ケイ素を用いてSi−Ni−Mg複合酸化物をそれぞれ調製した。これらの複合酸化物に対して、実施例1と同様にして、0.1質量%白金担持複合酸化物粉末調製した。ここで、各触媒をそれぞれ”S”、”T”、”U”、”V”、”W”、”X”、”Y”、”Z”とする。これらの各種触媒を用いた改質反応についても、実施例1と全く同様に行った。各反応条件でのメタン転化率を表6に示す。
【0064】
【表6】
【0065】
表6より、各白金担持M−Ni−Mg−Siの複合酸化物は、いずれも触媒活性が高いことがわかる。また、表1と比較すると、Mの導入により、活性の改善が明確に認められる。本結果より、白金担持複合酸化物触媒は、炭化水素の改質用触媒として非常に有望である。
【0066】
(実施例7)
実施例5で得られたジルコニウム/ニッケル/マグネシウム複合酸化物(触媒”M”)に対して、シリカ粉末を1質量%となるように秤量して添加し、乳鉢で十分混合して、シリカ含有Zr−Ni−Mg複合酸化物を得た。この複合酸化物に、実施例1と同様にして、0.1質量%白金担持複合酸化物粉末調製した。この白金担持複合酸化物粉末を触媒”AA”とする。同様に、シリカ40質量%混合物、シリカ90質量%混合物、Y型ゼオライト10質量%混合物、γ−アルミナ45質量%混合物、シリカ40質量%及びγ−アルミナ10質量%をそれぞれ混合し、0.1質量%白金担持により調製した各酸化物粉末を、各々触媒”AB”、”AC”、”AD”、”AE”、”AF”とする。
【0067】
このようにして得られた複合酸化物粉末を用いた改質反応は、実施例1と全く同様に行った。各反応条件でのメタン添加率を表7に示す。
【0068】
【表7】
【0069】
表7より、Zr−Ni−Mg系酸化物へのシリカ、アルミナ、ゼオライト混合複合酸化物に対する0.1質量%Pt担持品は、シリカ、アルミナ、ゼオライトの添加量により多少メタン転化率が変化するが、上記のいずれの触媒でも、添加しない系と比べて、その転化率の値は向上し、シリカ、アルミナ、ゼオライトの添加効果が明確に認められる。
【0070】
(比較例1)
実施例1と同様にして、ニッケル/マグネシア系固溶体酸化物を調製した後、乳鉢で十分に粉砕して、100〜300メッシュ(63μm〜150μm)に整粒した。この酸化物粉末を用いて、実施例1と全く同様に改質反応を行った。各反応条件でのメタン転化率を表8に示す。
【0071】
【表8】
【0072】
表8より、ニッケル/マグネシア系固溶体触媒は、いずれの条件下でもメタン転化率が低く、触媒活性が十分ではないことがわかる。
【0073】
(比較例2)
実施例1と同様にして、ニッケル/マグネシア系固溶体酸化物を調製した後、乳鉢で十分に粉砕して、100〜300メッシュ(63μm〜150μm)に整粒した。この酸化物粉末に対して、0.1質量%となるよう調整した塩化白金酸水溶液を用い、実施例1と同様にして、0.1質量%Pt担持Ni−Mg複合酸化物を調製した。この酸化物粉末を用いて、実施例1と全く同様に改質反応を行った。各反応条件でのメタン転化率を表9に示す。
【0074】
【表9】
【0075】
表9より、白金担持ニッケル/マグネシア系触媒は、表8の白金を担持しないニッケル/マグネシア系触媒と比べれば、多少活性が向上するものの、各条件下での転化率はいずれも低く、原料ガス中に硫化水素が共存するか否かにかかわらず、十分な触媒性能とはいえないことがわかる。
【0076】
【発明の効果】
本発明は、炭化水素の高い反応速度での改質に有用な触媒、及び、硫黄化合物を含んだ炭化水素の改質方法を提供するものであり、本発明により、以下の効果が顕著に認められる。
i)炭化水素の改質に対して、高い反応速度での改質が可能であり、改質ガスの生産性が高い。
ii)硫黄化合物を高濃度に含有する硫黄被毒の過酷な条件下であっても、高い改質活性を発現する。
Claims (11)
- Ni、Mgを含む酸化物へシリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加えた複合酸化物に、白金族元素を担持してなることを特徴とする炭化水素の改質用触媒。
- Ni、Mg及び金属元素M(MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Cu、Zn、Cd、Al、Siから選ばれる少なくとも1種類の元素)を含む酸化物へシリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を加えた複合酸化物に、白金族元素を担持してなることを特徴とする炭化水素の改質用触媒。
- 前記シリカ、アルミナ、ゼオライトから選ばれる少なくとも1種類の酸化物の含有量が1〜90質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化水素の改質用触媒。
- 前記白金族元素が、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウムから選ばれる少なくとも1種類の元素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭化水素の改質用触媒。
- 前記白金族元素の含有量が、金属換算で0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭化水素の改質用触媒。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の触媒の少なくとも1種を用いて炭化水素を改質することを特徴とする炭化水素の改質方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の触媒の少なくとも1種を用いて硫黄化合物含有炭化水素を改質することを特徴とする炭化水素の改質方法。
- 前記炭化水素中の炭素のモル数に対して外部供給される改質剤のモル比が0.5〜6である請求項6又は7に記載の改質方法。
- 前記炭化水素に対して外部供給される改質剤と共に酸素を反応器に導入して炭化水素の燃焼反応熱を利用する内部熱供給型改質反応であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の改質方法。
- 前記炭化水素の改質反応の温度が500〜1300℃である請求項6又は7に記載の改質方法。
- 前記炭化水素の改質反応の圧力が0.1〜20MPaである請求項6又は7に記載の改質方法。
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