JP4421913B2 - 炭化水素類製造用触媒の製造方法およびその触媒を用いた炭化水素類の製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、これらのルテニウム系触媒を用いたFT法では、上記灯軽油留分得率の向上を十分達成することができない。すなわち、上記ルテニウム系触媒は、オレフィン類の選択性には優れるが、触媒活性が低く、炭素数5以上の液状炭化水素留分(以下「C5+」と略称する)自体の得率は低いものである。
すなわち、本発明は、下記構成の炭化水素類製造用触媒の製造方法及び炭化水素類の製造方法である。
1.マンガン酸化物およびアルミニウム酸化物からなる担体にルテニウム化合物を担持した触媒前駆体を、150〜500℃で焼成処理することなくアンモニア水で処理する操作と、その後に空気中で150〜500℃で焼成処理する操作を行うことを特徴とする炭化水素類製造用触媒の製造方法。
2.触媒前駆体のルテニウム化合物の担持量が、触媒前駆体基準、金属換算で、0.5〜5質量%であることを特徴とする上記1に記載の触媒の製造方法。
3.触媒前駆体が、マンガン酸化物およびアルミニウム酸化物からなる担体にルテニウム化合物とアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及び希土類化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを担持した触媒前駆体であることを特徴とする上記1または2に記載の触媒の製造方法。
4.アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及び希土類化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の担持量が、触媒前駆体基準、酸化物換算で、0.01〜3質量%であることを特徴とする上記3に記載の触媒の製造方法。
5.触媒前駆体中のマンガン酸化物の割合が10〜70質量%であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の触媒の製造方法。
6.アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び希土類から選ばれる少なくとも1種の化合物が、ナトリウム化合物であることを特徴とする上記3〜5のいずれかに記載の触媒の製造方法。
7.上記1〜6のいずれかに記載の製造法で得られた触媒に、水素および一酸化炭素を主成分とする混合ガスを接触させることを特徴とする炭化水素類の製造方法。
本発明の触媒製造方法は、マンガン酸化物およびアルミニウム酸化物からなる担体に、ルテニウム化合物を担持後、乾燥して触媒前駆体を得る。この触媒前駆体をアルカリ性水溶液で処理する操作、その後、空気中で焼成処理をする操作を行うことを特徴とする。特に、上記二つの操作をこの順序で組み合わせて行うことが、本発明の目的を達成する上で技術的に重要である。以下、触媒および炭化水素類の製造方法を順次説明する。
本発明の触媒製造方法において、マンガン酸化物およびアルミニウム酸化物からなる担体のマンガン酸化物の例としては、MnO、Mn3O4、Mn2O3、MnO2などが好ましく挙げられる。また、硝酸マンガンや炭酸マンガン、酢酸マンガンなどの各種マンガン塩を出発物質とし、これから得られるマンガン酸化物を用いることもできる。例えば、硝酸マンガンを空気中焼成して得られるMn2O3などを好ましく使用できる。
アルミニウム酸化物の例としては、α、β、γ、η、θ、などの各種結晶状態のもの、あるいはジブサイト、バイアライト、ベーマイトなどのアルミニウム酸化物の水和物を用いることもできる。これらのアルミニウム酸化物は従来公知の方法で製造することができる。例えば、上記アルミニウム酸化物の水和物の熱分解により得られる。アルミニウム酸化物の水和物は、塩化アルミニウムや硝酸アルミニウム、アルミン酸アルカリなどの各種アルミニウム塩水溶液の加水分解や熱分解で得られる。ベーマイトのように結晶性の低いものを焼成して得られるアルミニウム酸化物(特に、γ−アルミニウム酸化物)は、バイヤライト、ジブサイト等のように結晶性の高いものを多く含むアルミニウム酸化物の水和物を焼成して得られるアルミニウム酸化物より、比表面積および細孔容積が大きく、好ましい。さらに、アルミニウムイソプロポキシドのようなアルミニウムアルコキシドを加水分解するゾルゲル法によって得られるアルミニウム酸化物も比表面積や、細孔容積が大きく好ましく用いることもできる。
なお、触媒の化学組成は誘導結合プラズマ質量分析法(ICP法)によって求めることができる。
アルカリ金属化合物等の金属化合物としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、イットリウム、セリウム、ランタン等の塩化物、炭酸塩、硝酸塩等が挙げられ、中でも、炭酸ナトリウムや硝酸ナトリウム等のナトリウム化合物が好ましい。
次に、本発明の炭化水素類の製造方法について説明する。
本発明の炭化水素類の製造方法においては、上記の如くして調製された触媒を用い、FT反応に供する。FT反応の反応器の形式に関しては、固定床、流動床、懸濁床、スラリー床などが挙げられ、その一例として、以下に、スラリー床による炭化水素類の製造方法を記載する。なお、スラリー床にて触媒の活性評価を行う場合は、触媒の形状としては粉末状が好ましく、触媒粒子分布として好ましい範囲は0.5μm以上150μm、さらに好ましくは0.5μm以上120μm、もっとも好ましくは1.0μm以上105μmである。スラリー床反応形式の場合は液状の炭化水素中などに触媒を分散させて使用する。この際、触媒粒子分布が上記範囲であると、粒子の大きさが適切であるので、反応容器内の触媒濃度を保持することが容易であり、触媒微粒子が下流側に溢出する可能性が少なく、また反応容器内全体に触媒粒子が均一に分散し反応活性が維持される。
この還元処理は、触媒を液状炭化水素類に分散させたスラリー状態で還元性ガスと接触させる方法でも、炭化水素類を用いず単に触媒に還元性ガスを通気、接触させる方法でも好ましく行うことができる。
前者の方法における触媒を分散させる液状炭化水素類としては、処理条件下において液状のものであれば、オレフィン類、アルカン類、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素を始めとする種々の炭化水素類を使用できる。また、含酸素、含窒素等のヘテロ元素を含む炭化水素であっても良い。これらの炭化水素類の炭素数は、処理条件下において液状のものであれば特に制限する必要はないが、一般にC6〜C40のものが好ましく、C9〜C40のものがより好ましく、C9〜C35のものが最も好ましい。炭素数が上記範囲の炭化水素類であれば、蒸気圧が適度であり処理条件幅が広く、かつ還元性ガスの溶解度も高く十分な還元処理が可能である。
触媒量が上記範囲であれば、触媒の還元効率が高く、かつ炭化水素類に触媒を分散させたスラリーの粘性が適度で気泡分散が良好であり、触媒の還元が十分なされる。なお、触媒の還元効率の低下を防ぐ方法として、還元性ガスの通気量を減少させる方法があるが、還元性ガスの通気量を低下させると気(還元性ガス)−液(溶媒)−固(触媒)の分散が損なわれるため好ましくない。
この還元処理には、水素を主成分とする還元性ガスを好ましく用いることができる。
用いる還元性ガスには、水素以外の成分、例えば水蒸気、窒素、希ガスなどを、還元を妨げない範囲である程度の量を含んでいても良い。
この還元処理は、上記処理温度と共に、水素分圧および処理時間にも影響されるが、水素分圧は、0.1〜10MPaが好ましく、0.5〜6MPaがより好ましく、1〜5MPaが最も好ましい。
還元処理時間は、触媒量、水素通気量等によっても異なるが、触媒の活性化を十分とするために、一般に、0.1〜72時間が好ましく、1〜48時間がより好ましく、4〜48時間が最も好ましい。なお、72時間を超える長時間還元処理しても、触媒に与える悪影響は無いが、触媒性能の向上も見られないのに処理コストが嵩むなどの好ましくない問題を生じる。
触媒量が上記範囲であれば、触媒の活性が高く、かつ炭化水素類に触媒を分散させたスラリーの粘性が適度で気泡分散が良好であり、触媒の反応活性が十分得られる。なお、反応活性の低下を防ぐ方法として、合成ガスの通気量を減少させる方法があるが、合成ガスの通気量を低下させると気(合成ガス)−液(溶媒)−固(触媒)の分散が損なわれるため好ましくない。
〔CO転化率〕
CO転化率=[(単位時間当たりの原料ガス中のCOモル数)−(単位時間当たりの出口ガス中のCOモル数)]/単位時間当たりの原料ガス中のCOモル数×100(%)
〔連鎖成長確率(α)〕
炭素数nの炭化水素の生成物中の質量分率をMn、連鎖成長確率をαとした場合、シュルツ・フローリー分布に従うと、下式のような関係が成り立つ。従って、log(Mn/n)とnをプロットしたときの傾きlog αからα値を算出する。
log(Mn/n)=log((1−α)2/α)+n・logα
〔C5+の生産性〕
C5+の生産性は、触媒重量当たりの単位時間におけるC5+の生成量を指し、下式で定義される。
C5+の生産性=C5+生産量[g]/触媒重量[kg]/[hr]
なお、以下の実施例において、COおよびCH4の分析には、Active Carbon(60/80mesh)を分離カラムに用いた熱伝導度型ガスクロマトグラフ(TCD−GC)で行った。なお、原料ガスにはArを内部標準として10vol%添加した合成ガス(H2とCOの混合ガス)を用いた。なお、COおよびCH4のピーク位置、ピーク面積をArと比較することで定性および定量分析した。
C1〜C6炭化水素の分析には、Capillary Column(Al2O3/KCl PLOT)を分離カラムに用いた水素炎イオン化検出型ガスクロマトグラフ(FID−GC)を用い、TCD−GCと共通に分析できるCH4と比較して該炭化水素類の定性、定量分析を行った。
さらに、C5〜C40以上の炭化水素類の分析にはCapillary Column(TC−1)を分離カラムに用いた水素炎イオン化検出型ガスクロマトグラフ(FID−GC)を用い、軽質炭化水素(C1〜C6)と共通に分析できるC5およびC6と比較して該炭化水素類の定性、定量を行った。
触媒の化学成分の同定は、ICP(CQM-10000P、島津製作所製)により行った。
予め充分乾燥した酸化アルミニウム粉末(Pural SB, Condea製)に純水(以下水と略記)を滴下し、飽和吸水量を求めた。この時の飽和吸水量は0.9g/g−酸化アルミニウムだった。水3.48gに硝酸マンガン6水和物21.8gを溶解した水溶液を酸化アルミニウム3.77gに含浸させ、約3時間放置した後、空気中、110℃で乾燥し、マッフル炉にて空気中600℃で3時間焼成した。得られた酸化アルミニウムと酸化マンガンからなる担体に水3.48gに炭酸ナトリウム0.05gを溶解した水溶液を含浸した。これを、空気中、110℃で乾燥し、マッフル炉にて600℃で3時間焼成した。その後、酸化アルミニウムおよび酸化マンガンからなる担体にナトリウムを含浸した担体に、水3.48gに塩化ルテニウム(Ru Assay 41.5質量%)0.24gを溶解した水溶液を含浸し、1時間放置した後、空気中、110℃で乾燥した。これをメノウ乳鉢に移して粉砕し、触媒前駆体Aを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒前駆体Aの化学組成分析を行った結果、Ru金属換算で1.0質量%、Na2O換算で0.29質量%、Mn2O3は60.0質量%であった。
この触媒前駆体Aに100mlの0.05モル/リットルのアンモニア水を加えマグネチックスターラーで約1時間アルカリ水溶液処理した後ろ過し、300mlの水で洗浄ろ過した。これを空気中110℃で乾燥後、マッフル炉にて200℃で5時間焼成し、触媒Aを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒Aの化学組成分析を行った結果、触媒基準で、Ru金属換算で1.0質量%、Na2O換算で0.10質量%、Mn2O3は60.3質量%であった。
実施例1と同じ調製手法にて、酸化アルミニウム4.54gに硝酸マンガン18.16gを、次いで、炭酸ナトリウム0.1gを、次いで塩化ルテニウム0.48gを含浸させ、触媒前駆体Bを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒前駆体Bの化学組成分析を行った結果、Ru金属換算で2.0質量%、Na2O換算で0.58質量%、Mn2O3は50.0質量%であった。この触媒前駆体Bに100mlの0.08モル/リットルのアンモニア水を加えマグネチックスターラーで約1時間アルカリ水溶液処理した後、ろ過し、さらに300mlの水で洗浄ろ過した。これを空気中110℃で乾燥後、マッフル炉にて250℃で5時間焼成し、触媒Bを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒Bの化学組成分析を行った結果、触媒基準で、Ru金属換算で2.0質量%、Na2O換算で0.30質量%、Mn2O3は50.5質量%であった。
この触媒Bを実施例1と同様の方法でFT反応に供した。FT反応開始50時間後のCO転化率は約70%、CH4選択率は約3%、C5+選択率約93%、連鎖成長確率は0.91、およびC5+生産性は648g/kg/hrであった。
実施例1と同じ調製手法にて、酸化アルミニウム6.31gに硝酸マンガン10.9gを、次いで、炭酸ナトリウム0.15gを、次いで塩化ルテニウム0.72gを含浸させ、触媒前駆体Cを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒前駆体Cの化学組成分析を行った結果、Ru金属換算で3.0質量%、Na2O換算で0.88質量%、Mn2O3は30.0質量%であった。この触媒前駆体Cに100mlの0.1モル/リットルのアンモニア水を加えマグネチックスターラーで約1時間アルカリ水溶液処理した後ろ過し、300mlの水で洗浄ろ過した。さらに、これに100mlの0.1モル/リットルのアンモニア水を加えマグネチックスターラーで約1時間アルカリ水溶液処理した後ろ過し、300mlの水で洗浄ろ過した。これを空気中110℃で乾燥後、マッフル炉にて300℃で5時間焼成し、触媒Cを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒Cの化学組成分析を行った結果、触媒基準で、Ru金属換算で3.0質量%、Na2O換算で0.03質量%、Mn2O3は30.7質量%であった。
この触媒Cを実施例1と同様の方法でFT反応に供した。FT反応開始50時間後のCO転化率は約81%、CH4選択率は約3%、C5+選択率約93%、連鎖成長確率は0.90、およびC5+生産性は750g/kg/hrであった。
実施例1と同じ調製手法にて、酸化アルミニウム7.08gに硝酸マンガン7.27gを、次いで、炭酸ナトリウム0.21gを、次いで塩化ルテニウム0.96gを含浸させ、触媒前駆体Dを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒前駆体Dの化学組成分析を行った結果、Ru金属換算で4.0質量%、Na2O換算で1.19質量%、Mn2O3は20.0質量%であった。この触媒前駆体Dに100mlの0.15モル/リットルのアンモニア水を加えマグネチックスターラーで約1時間アルカリ水溶液処理した後ろ過し、300mlの水で洗浄ろ過した。これを空気中110℃で乾燥後、マッフル炉にて450℃で3時間焼成し、触媒Dを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒Dの化学組成分析を行った結果、触媒基準で、Ru金属換算で4.0質量%、Na2O換算で0.50質量%、Mn2O3は20.3質量%であった。
この触媒Dを実施例1と同様の方法でFT反応に供した。FT反応開始50時間後のCO転化率は約88%、CH4選択率は約4%、C5+選択率約90%、連鎖成長確率は0.90、およびC5+生産性は788g/kg/hrであった。
実施例1と同じ調製手法で、酸化アルミニウム6.28gに硝酸マンガン10.9gを、次いで、硝酸マグネシウム6水和物0.76gを、次いで塩化ルテニウム0.72gを含浸させ、触媒前駆体Eを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒前駆体Eの化学組成分析を行った結果、Ru金属換算で3.0質量%、MgO換算で1.20質量%、Mn2O3は30.0質量%であった。この触媒前駆体Eに100mlの0.10モル/リットルのアンモニア水を加えマグネチックスターラーで約1時間アルカリ水溶液処理した後ろ過し、300mlの水で洗浄ろ過した。これを空気中110℃で乾燥後、マッフル炉にて400℃で5時間焼成し、触媒Eを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒Eの化学組成分析を行った結果、触媒基準で、Ru金属換算で3.0質量%、MgO換算で0.40質量%、Mn2O3は30.3質量%であった。
この触媒Eを実施例1と同様の方法でFT反応に供した。FT反応開始50時間後のCO転化率は約85%、CH4選択率は約4%、C5+選択率約90%、連鎖成長確率は0.90、およびC5+生産性は761g/kg/hrであった。
実施例1と同じ調製手法で、酸化アルミニウム6.25gに硝酸マンガン10.9gを、次いで、硝酸ランタン6水和物0.4gを、次いで塩化ルテニウム0.72gを含浸させ、触媒前駆体Fを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒前駆体Fの化学組成分析を行った結果、Ru金属換算で3.0質量%、La2O3換算で1.50質量%、Mn2O3は30.0質量%であった。この触媒前駆体Fに100mlの0.10モル/リットルのアンモニア水を加えマグネチックスターラーで約1時間アルカリ水溶液処理した後ろ過し、300mlの水で洗浄ろ過した。これを空気中110℃で乾燥後、マッフル炉にて400℃で5時間焼成し、触媒Fを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒Fの化学組成分析を行った結果、触媒基準で、Ru金属換算で3.0質量%、La2O3換算で1.41質量%、Mn2O3は30.1質量%であった。
この触媒Fを実施例1と同様の方法でFT反応に供した。FT反応開始50時間後のCO転化率は約82%、CH4選択率は約5%、C5+選択率約90%、連鎖成長確率は0.90、およびC5+生産性は734g/kg/hrであった。
300℃の焼成処理を行わない以外は、実施例3と同様の方法で触媒前駆体Gおよび触媒Gを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒前駆体Gの化学組成分析を行った結果、Ru金属換算で3.0質量%、Na2O換算で0.88質量%、Mn2O3は30.0質量%であった。さらに、触媒Gの化学組成分析を行った結果、触媒基準で、Ru金属換算で3.0質量%、Na2O換算で0.03質量%、Mn2O3は31.0質量%であった。
この触媒Gを実施例1と同様の方法でFT反応に供した。FT反応開始50時間後のCO転化率は約50%、CH4選択率は約7%、C5+選択率約85%、連鎖成長確率は0.90、およびC5+生産性は423g/kg/hrであった。
アルカリ水溶液処理を行わない以外は、実施例3と同様の方法で触媒前駆体Hおよび触媒Hを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒前駆体Hの化学組成分析を行った結果、Ru金属換算で3.0質量%、Na2O金属換算で0.89質量%、Mn2O3は30.0質量%であった。さらに、触媒Hの化学組成分析を行った結果、触媒基準で、Ru金属換算で3.0質量%、Na2O換算で0.90質量%、Mn2O3は30.0質量%であった。
この触媒Hを実施例1と同様の方法でFT反応に供した。FT反応開始50時間後のCO転化率は約31%、CH4選択率は約25%、C5+選択率約57%、連鎖成長確率は0.72、およびC5+生産性は176g/kg/hrであった。
焼成処理をヘリウム気流中にて行った以外は、実施例3と同様の方法で触媒前駆体Iおよび触媒Iを得た。X線回折にて構造分析を行った結果、酸化マンガンはMn2O3であった。また、ICPにて触媒前駆体Iの化学組成分析を行った結果、Ru金属換算で3.0質量%、Na2O金属換算で0.88質量%、Mn2O3は30.0質量%であった。さらに、触媒Iの化学組成分析を行った結果、触媒基準で、Ru金属換算で3.0質量%、Na2O換算で0.03質量%、Mn2O3は30.5質量%であった。
この触媒Iを実施例1と同様の方法でFT反応に供した。FT反応開始50時間後のCO転化率は約52%、CH4選択率は約6%、C5+選択率約86%、連鎖成長確率は0.90、およびC5+生産性は445g/kg/hrであった。
上記実施例1〜4、および比較例1〜3の実験結果を表1および表2に示す。
Claims (7)
- マンガン酸化物およびアルミニウム酸化物からなる担体にルテニウム化合物を担持した触媒前駆体を、150〜500℃で焼成処理することなくアンモニア水で処理する操作と、その後に空気中で150〜500℃で焼成処理する操作を行うことを特徴とする炭化水素類製造用触媒の製造方法。
- 触媒前駆体のルテニウム化合物の担持量が、触媒前駆体基準、金属換算で、0.5〜5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の触媒の製造方法。
- 触媒前駆体が、マンガン酸化物およびアルミニウム酸化物からなる担体にルテニウム化合物とアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及び希土類化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを担持した触媒前駆体であることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒の製造方法。
- アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及び希土類化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の担持量が、触媒前駆体基準、酸化物換算で、0.01〜3質量%であることを特徴とする請求項3に記載の触媒の製造方法。
- 触媒前駆体中のマンガン酸化物の割合が10〜70質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の触媒の製造方法。
- アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び希土類から選ばれる少なくとも1種の化合物が、ナトリウム化合物であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の触媒の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造法で得られた触媒に、水素および一酸化炭素を主成分とする混合ガスを接触させることを特徴とする炭化水素類の製造方法。
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