JP2004330106A - 一酸化炭素変成用触媒及び該触媒を用いた一酸化炭素の変成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応温度が比較的低い低温反応領域における一酸化炭素変成用触媒として、従来用いられている銅系触媒に比べ、さらに高い低温活性を示しかつ触媒劣化が少なく、しかも、銅系触媒が持つ酸素に対する被毒性を有さない優れた触媒を提供する。
【解決手段】白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる触媒を用いる。
【選択図】なし
【解決手段】白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる触媒を用いる。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、300℃程度の低い温度領域でも一酸化炭素を効率的に変成でき、経時的な活性低下も少ない一酸化炭素変成用触媒、並びに、該触媒の存在下少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガス中の一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法、及び該触媒の存在下少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガスに酸素を導入して反応させることにより一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法に関する。このような低温活性に優れ寿命の長い触媒は、一酸化炭素と水蒸気から残存一酸化炭素の少ない高純度水素を製造する場合や水素ガス中に含まれる一酸化炭素を低減させる場合の有利な工業的技術手段となる。
【0002】
【従来の技術】
一酸化炭素と水蒸気とから水素を生成させる一酸化炭素変成反応は化学工業の重要な工程で古くから知られている。近年、需要の増大が予想される水素の供給法として、炭化水素あるいはアルコールなどを改質して水素を得る方法が広く研究されている。しかし、この方法で水素を発生させる際、使用する原料や改質の方法により濃度に違いはあるものの、一酸化炭素の副生が避けられず、この副生した一酸化炭素を低減するために、一酸化炭素変成反応が用いられる。
【0003】
従来、この一酸化炭素変成反応に用いられている触媒としては、反応温度が比較的低い低温シフト反応領域においては銅系触媒が、比較的高い高温シフト反応領域においては鉄−クロム系触媒が一般的に用いられてきた。
しかし、銅系触媒は、鉄−クロム系触媒に比較して低温領域での一酸化炭素変成活性が高いとはいえ、反応温度が300℃近くの低い温度になると触媒活性の低下が著しく、また経時的な触媒活性の低下も大きく、満足できるとは言い難い状況にあった。しかも、銅系触媒では使用前に還元処理を施して触媒を賦活する必要があり、その際起こる発熱により触媒層温度が上がるため温度管理に細心の注意を払わなければならないという問題があった。さらに、一度活性化しても、装置停止時に酸素が混入した場合、改めて賦活し直さなければならない欠点があった。
【0004】
炭化水素或いはアルコールなどを改質して得られる水素含有ガスを、定置型或いは車載型燃料電池等に用いる場合、燃料電池の種類によって、例えば固体高分子型燃料電池の場合、一般的に電極触媒がある濃度以上の一酸化炭素に曝され続けると劣化してしまうため、水素含有ガスを燃料電池に導入する以前に、何らかの方法を講じて共存している一酸化炭素を電極触媒に影響を与えない程度まで低減する必要がある。多くの場合、一酸化炭素は燃料電池のガス導入部の前に設置された水素精製装置で行われる選択的酸化反応によってppmオーダーまで低減されるが、この水素精製装置での一酸化炭素除去性能を長期間に亘って高い状態で保持するためには、改質器から出てくる水素含有ガス中の一酸化炭素そのものをできる限り低減させるとともに、選択的な一酸化炭素変成活性に優れた寿命の長い触媒が不可欠である。
【0005】
然るに、これら問題の解決に適う水素生成装置が提案されているが(例えば、特許文献1、2、3参照)、これらの技術において一酸化炭素濃度が効果的に低減されると記載されてはいるものの、触媒の使用量に関しては不明であり、その性能は明確ではない。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−302410号公報
【特許文献2】
特開2001−342005号公報
【特許文献3】
特開2002−60206号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、反応温度が比較的低い低温シフト反応領域における一酸化炭素変成用触媒として、従来用いられいる銅系触媒に比べて、さらに高い低温活性を示しかつ寿命の長い新たな触媒を提供することにある。また、併せて銅系触媒が持つ酸素に対する被毒性の問題を伴わない工業的に優れた触媒を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のごとき課題を有する一酸化炭素の変成方法について鋭意検討した結果、一般的に、銅系触媒に比較して低温活性が劣る貴金属触媒を含有させた、白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる触媒が、300℃程度の低い温度領域でも、銅系触媒に比べて高い活性を示し、より少ない触媒量においても、すなわち高負荷条件でも効率よく一酸化炭素濃度を低減でき、しかも銅系触媒に比較して経時的な活性低下を小さくできることを見いだした。また、この白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる触媒では、使用を開始するに際して触媒の賦活処理を必要としないばかりか、酸素を導入して反応させることにより、さらに効率よく一酸化炭素濃度を低減できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の(1)から(5)に示す、白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる一酸化炭素変成用触媒、並びに該触媒の存在下少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガス中の一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法、及び該触媒の存在下少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガスに酸素を導入し反応させることにより一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法に関するものである。
(1)白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる一酸化炭素変成用触媒。
(2)触媒中に含まれる白金量が、金属白金として、金属白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物の合計量に対して、1〜50重量%の範囲である(1)記載の一酸化炭素変成用触媒。
(3)触媒中に含まれるセリウム/ジルコニウムの原子比が、0.05〜20の範囲である(1)記載の一酸化炭素変成用触媒。
(4)(1)から(3)に記載の触媒の存在下、少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガス中の一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法。
(5)(1)から(3)に記載の触媒の存在下、少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガスに酸素を導入して反応させることにより一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における白金、セリウム、及びジルコニウムの原料に特に制限はないが、例えば、白金原料については、酸化白金、塩化白金酸及びそのアルカリ金属塩、白金アセチルアセトナート、並びにジニトロジアンミン白金等が使用できる。また、水に溶解させて触媒調製する場合は塩化白金酸カリウムを用いるのが好ましい。一方、セリウム及びジルコニウムについては、水に溶解させて触媒を調製する場合、硝酸塩を用いるのが好ましい。
【0011】
本発明の触媒中に含まれる白金含有量は、金属白金として、金属白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物の合計量に対して、1〜50重量%の範囲であることが好ましく、5〜30重量%であることがより好ましい。1重量%より少ない場合には活性の低下が認められ、50重量%より多い場合には貴金属である白金当たりの活性が低下することとなり経済的に不利となる。
また、セリウム/ジルコニウムの原子比は0.05〜20の範囲であることが好ましく、0.1〜10であることがより好ましい。セリウム/ジルコニウムの原子比が0.05より小さかったり、20より大きかった場合には一酸化炭素の変成活性が相対的に低くなる。
【0012】
本発明における白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる触媒の調製法に特に制限はない。セリウム及びジルコニウム成分を溶解させた水溶液と沈澱剤から共沈澱法によりセリウム−ジルコニウム複合酸化物前駆体を得、これを洗浄後に乾燥或いは焼成したものを白金塩、例えば塩化白金酸や塩化白金酸カリウム等の水溶液中に分散させ、ここへ沈澱剤或いは還元剤を用いて白金を析出させる方法、セリウム−ジルコニウム複合酸化物に白金を含浸させる方法、白金、セリウム、及びジルコニウムの3成分を溶解させた水溶液と沈澱剤から共沈澱法により沈澱を生成させる方法等がある。
【0013】
水溶液中で沈澱法により白金を析出させる場合、沈殿剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び炭酸水素ナトリウム等のアルカリ化合物が用いられる。沈澱物調製時の沈澱剤の添加量は、溶液中に含まれる白金塩の化学等量の1〜2倍、好ましくは1.1〜1.6倍が適当である。1倍を下回る場合は沈殿物の生成量が不充分となり、2倍を上回る場合には余剰となり経済的に不利となる。
沈澱物調製時の温度は20〜90℃、好ましくは35〜85℃である。20℃より低い場合には沈澱熟成不足となり、90℃より高い場合には沈澱剤添加時の発熱やそれに伴なうスラリーの突沸の危険性が増す。
なお、沈澱法により得られた沈澱は沈澱剤や原料由来の塩化物やアルカリ金属等を除去するためイオン交換水、蒸留水などで洗浄するのが好ましい。
【0014】
上記のようにして得られた沈澱は、乾燥・焼成し、必要に応じ破砕して大きさを揃えて、或いは成型して使用される。また、スラリーの乾燥品、或いは乾燥・焼成したものを粉砕し、水に懸濁させ、必要に応じてアルミナゾルのようなバインダーを添加して、担体及び担体構造物に担持して使用することができる。この場合、担持後乾燥して、或いは再度焼成した上で使用することができる。
【0015】
本発明の触媒を用いることによって、少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガス中の一酸化炭素濃度を効率的に低減することができる。変成対象となるガスには水蒸気、一酸化炭素の他に、水素、二酸化炭素、窒素等のガスが含まれていてもなんらかまわない。
また、本発明において酸素を導入して反応させる場合、酸素含有ガスとして空気を用いることもできる。酸素濃度としては0.1〜5%が好ましく、0.2〜2%がよりこのましい。酸素濃度が0.1%を下回る場合は酸素導入効果が小さく、逆に5%を上回る場合には発熱が大きくなりすぎ危険を伴う可能性がある。
【0016】
【実施例】
本発明を以下の実施例により説明する。なお本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(触媒調製)
触媒A
無水炭酸ナトリウム121.5gを1000mLのイオン交換水とともに5Lの丸底フラスコに入れ溶解し60℃とした。これに、硝酸セリウム六水和物110.8gと硝酸ジルコニル二水和物67.5gをイオン交換水800mLに溶解し60℃とした溶液を注加し30分間攪拌した。得られたスラリー状の沈殿物を含む混合液を濾過し、沈澱をイオン交換水12Lで洗浄した。続いて80℃で乾燥し、その後、380℃にて2時間焼成することにより、セリウム/ジルコニウムの原子比が1となるセリウム−ジルコニウム複合酸化物72.9gを得た。
このセリウム−ジルコニウム複合酸化物の粉末15gを60℃の水500mLに分散させ、そこに塩化白金酸カリウム3.6gを含む60℃水溶液500mLを加えた。30分後に1NKOH水溶液17mLを加え、60℃で60分間攪拌した。その後濾過して、濾液中の塩素が1ppm以下になるまで水洗浄を繰り返した。そして80℃で乾燥させた後に、380℃で2時間焼成し、白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる触媒16.6gを得た。
この触媒をスラリー濃度25重量%の条件で湿式粉砕し、これにアルミナゾルを混合してスラリーとした後、コージェライト製のハニカム(400セル/平方センチ)に、浸漬、過剰分の吹き飛ばし、および乾燥という工程を繰り返し、乾燥後の触媒担持量が200g/Lになるように触媒を担持した。これを触媒Aとする。
【0017】
触媒B
無水炭酸ナトリウム121.9gを1000mLのイオン交換水とともに5Lの丸底フラスコに入れ溶解し60℃とした。これに硝酸セリウム六水和物217.0gをイオン交換水800mLに溶解し60℃とした溶液を注加し、30分間攪拌した。得られたスラリー状の沈殿物を含む混合液を濾過し、得られた沈澱をイオン交換水12Lで洗浄した。続いて80℃で乾燥し、その後、380℃にて2時間焼成することにより、酸化セリウム85gを得た。
この酸化セリウムの粉末15gを60℃の水500mLに分散させ、そこに塩化白金酸カリウム3.6gの60℃水溶液500mLを加えた。30分後に1NKOH水溶液17mLを加え、60℃にて60分間攪拌した。その後濾過して、濾液中の塩素が1ppm以下になるまで水洗浄を繰り返した。そして80℃で乾燥させた後に、380℃で2時間焼成し、白金−酸化セリウム触媒16.5gを得た。
この触媒をスラリー濃度25重量%の条件で湿式粉砕し、これにアルミナゾルを混合した後、コージェライト製のハニカム(400セル/平方センチ)に、浸漬、過剰分の吹き飛ばし、および乾燥という工程を繰り返し、乾燥後の触媒担持量が200g/Lになるように触媒を担持した。これを触媒Bとする。
【0018】
触媒C
無水炭酸ナトリウム177gを1000mLのイオン交換水とともに5Lの丸底フラスコに入れ溶解し40℃とした。ここに硫酸銅(5水塩)315gとホウ酸19.7gをイオン交換水800mLに溶解して40℃に調節した溶液を注加し、続いて酸化亜鉛77.0gをイオン交換水300mLに分散したスラリーを加え、直ちに炭酸ガスを6L/hの割合で吹き込んだ。1時間後80℃に昇温し30分保持した。炭酸ガスの吹き込みは2時間で停止し、次いで60℃まで冷却した。ここに硫酸アルミニウム49gをイオン交換水45mLに溶解した溶液と水酸化ナトリウム10.2gを70mLのイオン交換水に溶解した溶液とから調製したスラリーを加え20分間攪拌した。このように調製した混合スラリーを濾過し、0.05%の水酸化ナトリウム水溶液12Lとイオン交換水3Lで洗浄した。続いて80℃で乾燥後、焼成し、Cu−Zn−Al触媒190gを得た。この触媒をスラリー濃度25重量%の条件にて湿式粉砕した後、アルミナゾルを混合したスラリーにコージェライト製のハニカム(400セル/平方インチ)を浸漬、過剰分の吹き飛ばし、及び乾燥という工程を繰り返し、乾燥後の触媒担持量が200g/Lになるように触媒を担持した。これを触媒Cとする。
【0019】
(一酸化炭素変成反応)
実施例1
管型反応器に触媒A 7.1gを充填し、窒素ガスを100mL/min.流通させながら反応器温度を200℃に昇温した。続いて窒素ガスの代わりに組成が一酸化炭素20%、二酸化炭素6%、水素74%のガスを100mL/min.の流速で導入し、続いて反応器手前の蒸発器を通じて水を供給し、入口ガスの組成が一酸化炭素15%、二酸化炭素4.5%、水素56.2%、水24.3%、GHSV(ガス空間速度)15513(h−1)となるよう調節した。次いで、各々15分を掛けて所定の反応器温度に昇温した後、反応を開始した。反応ガスの組成はガスクロマトグラフィにより分析した。結果を表1に示す。
【0020】
実施例2
管型反応器に触媒A 7.1gを充填し、窒素ガスを100mL/min.流通させながら反応器温度を200℃に昇温した。続いて窒素ガスの代わりに組成が一酸化炭素20%、二酸化炭素6%、水素74%のガスを100mL/min.の流速で導入し、続いて反応器手前の蒸発器を通じて水を供給し、入口ガスの組成が一酸化炭素15%、二酸化炭素4.5%、水素56.2%、水24.3%、GHSV15513(h−1)となるよう調節した。続いて空気を導入して入口ガスの組成が一酸化炭素14.3%、二酸化炭素4.3%、水素53.4%、酸素1%、窒素3.9%、水23.1%、GHSV 16317(h−1)となるよう調節した。次いで、各々15分を掛けて所定の反応器温度に昇温した後、反応を開始した。反応ガスの組成はガスクロマトグラフィにより分析した。結果を表1に示す。
【0021】
実施例3
管型反応器に触媒A 7.1gを充填し、反応器設定温度を300℃にした以外は実施例1と同様に反応を行い、反応成績の経時変化を調べた。結果を表2に示す。
【0022】
比較例1
触媒B 7.1gを用いた以外は実施例1と同様とした。結果を表1に示す。
【0023】
比較例2
触媒B 7.1gを用いた以外は実施例2と同様とした。結果を表1に示す。
【0024】
比較例3
管型反応器に触媒C 7.3gを充填し、窒素ガスを100mL/min.流通させながら反応器温度を200℃に昇温した。続いて窒素ガスの代わりに組成が一酸化炭素20%、二酸化炭素6%、水素74%のガスを100mL/min.の流速で導入し触媒の賦活処理を行った。触媒層の発熱がおさまった後、前記導入ガスの流量を高めてから、反応器手前の蒸発器を通じて水を供給し、入口ガスの組成が一酸化炭素15%、二酸化炭素4.5%、水素56.2%、水24.3%、GHSV 15513(h−1)となるよう調節した。次いで、各々15分を掛けて所定の反応器温度に昇温した後、反応を開始した。反応ガスの組成はガスクロマトグラフィにより分析した。結果を表1に示す。
【0025】
比較例4
管型反応器に触媒C 7.3gを充填し、窒素ガスを100mL/min.流通させながら反応器温度を200℃に昇温した。続いて窒素ガスの代わりに組成が一酸化炭素20%、二酸化炭素6%、水素74%のガスを100mL/min.の流速で導入し触媒の賦活処理を行った。触媒層の発熱がおさまった後、前記導入ガスの流量を高めてから、続いて反応器手前の蒸発器を通じて水を供給し、入口ガスの組成が一酸化炭素15%、二酸化炭素4.5%、水素56.2%、水24.3%、GHSV 15513(h−1)となるよう調節した。続いて空気を導入して入口ガスの組成が一酸化炭素14.3%、二酸化炭素4.3%、水素53.4%、酸素1%、窒素3.9%、水23.1%、GHSV 16317(h−1)となるよう調節した。次いで、各々15分を掛けて所定の反応器温度である250℃、300℃に昇温した後、反応を開始した。反応ガスの組成はガスクロマトグラフィにより分析した。結果を表1に示す。
【0026】
比較例5
管型反応器に触媒C 7.3gを充填し、反応器設定温度を300℃にした以外は比較例3と同様に反応を行い、一酸化炭素変成率(mol%)の経時変化を調べた。結果を表2に示す。
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の効果】
白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる本発明の触媒は、反応温度が比較的低い低温シフト反応領域に適した一酸化炭素変成用触媒として用いられている従来の銅系触媒に比べて、より高くかつ経時的低下も少ない優れた活性を有する。また、本触媒は、酸素に対する被毒性を有さないばかりか、酸素存在下で更に効率よく一酸化炭素を低減できる特性を有する。
このように、本触媒は、一酸化炭素変成用触媒として、低温かつ酸素の存在する雰囲気下で、連続的に繰り返し使用することができるため、その工業上に果たす役割は極めて大きい。
【発明の属する技術分野】
本発明は、300℃程度の低い温度領域でも一酸化炭素を効率的に変成でき、経時的な活性低下も少ない一酸化炭素変成用触媒、並びに、該触媒の存在下少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガス中の一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法、及び該触媒の存在下少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガスに酸素を導入して反応させることにより一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法に関する。このような低温活性に優れ寿命の長い触媒は、一酸化炭素と水蒸気から残存一酸化炭素の少ない高純度水素を製造する場合や水素ガス中に含まれる一酸化炭素を低減させる場合の有利な工業的技術手段となる。
【0002】
【従来の技術】
一酸化炭素と水蒸気とから水素を生成させる一酸化炭素変成反応は化学工業の重要な工程で古くから知られている。近年、需要の増大が予想される水素の供給法として、炭化水素あるいはアルコールなどを改質して水素を得る方法が広く研究されている。しかし、この方法で水素を発生させる際、使用する原料や改質の方法により濃度に違いはあるものの、一酸化炭素の副生が避けられず、この副生した一酸化炭素を低減するために、一酸化炭素変成反応が用いられる。
【0003】
従来、この一酸化炭素変成反応に用いられている触媒としては、反応温度が比較的低い低温シフト反応領域においては銅系触媒が、比較的高い高温シフト反応領域においては鉄−クロム系触媒が一般的に用いられてきた。
しかし、銅系触媒は、鉄−クロム系触媒に比較して低温領域での一酸化炭素変成活性が高いとはいえ、反応温度が300℃近くの低い温度になると触媒活性の低下が著しく、また経時的な触媒活性の低下も大きく、満足できるとは言い難い状況にあった。しかも、銅系触媒では使用前に還元処理を施して触媒を賦活する必要があり、その際起こる発熱により触媒層温度が上がるため温度管理に細心の注意を払わなければならないという問題があった。さらに、一度活性化しても、装置停止時に酸素が混入した場合、改めて賦活し直さなければならない欠点があった。
【0004】
炭化水素或いはアルコールなどを改質して得られる水素含有ガスを、定置型或いは車載型燃料電池等に用いる場合、燃料電池の種類によって、例えば固体高分子型燃料電池の場合、一般的に電極触媒がある濃度以上の一酸化炭素に曝され続けると劣化してしまうため、水素含有ガスを燃料電池に導入する以前に、何らかの方法を講じて共存している一酸化炭素を電極触媒に影響を与えない程度まで低減する必要がある。多くの場合、一酸化炭素は燃料電池のガス導入部の前に設置された水素精製装置で行われる選択的酸化反応によってppmオーダーまで低減されるが、この水素精製装置での一酸化炭素除去性能を長期間に亘って高い状態で保持するためには、改質器から出てくる水素含有ガス中の一酸化炭素そのものをできる限り低減させるとともに、選択的な一酸化炭素変成活性に優れた寿命の長い触媒が不可欠である。
【0005】
然るに、これら問題の解決に適う水素生成装置が提案されているが(例えば、特許文献1、2、3参照)、これらの技術において一酸化炭素濃度が効果的に低減されると記載されてはいるものの、触媒の使用量に関しては不明であり、その性能は明確ではない。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−302410号公報
【特許文献2】
特開2001−342005号公報
【特許文献3】
特開2002−60206号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、反応温度が比較的低い低温シフト反応領域における一酸化炭素変成用触媒として、従来用いられいる銅系触媒に比べて、さらに高い低温活性を示しかつ寿命の長い新たな触媒を提供することにある。また、併せて銅系触媒が持つ酸素に対する被毒性の問題を伴わない工業的に優れた触媒を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のごとき課題を有する一酸化炭素の変成方法について鋭意検討した結果、一般的に、銅系触媒に比較して低温活性が劣る貴金属触媒を含有させた、白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる触媒が、300℃程度の低い温度領域でも、銅系触媒に比べて高い活性を示し、より少ない触媒量においても、すなわち高負荷条件でも効率よく一酸化炭素濃度を低減でき、しかも銅系触媒に比較して経時的な活性低下を小さくできることを見いだした。また、この白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる触媒では、使用を開始するに際して触媒の賦活処理を必要としないばかりか、酸素を導入して反応させることにより、さらに効率よく一酸化炭素濃度を低減できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の(1)から(5)に示す、白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる一酸化炭素変成用触媒、並びに該触媒の存在下少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガス中の一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法、及び該触媒の存在下少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガスに酸素を導入し反応させることにより一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法に関するものである。
(1)白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる一酸化炭素変成用触媒。
(2)触媒中に含まれる白金量が、金属白金として、金属白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物の合計量に対して、1〜50重量%の範囲である(1)記載の一酸化炭素変成用触媒。
(3)触媒中に含まれるセリウム/ジルコニウムの原子比が、0.05〜20の範囲である(1)記載の一酸化炭素変成用触媒。
(4)(1)から(3)に記載の触媒の存在下、少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガス中の一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法。
(5)(1)から(3)に記載の触媒の存在下、少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガスに酸素を導入して反応させることにより一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における白金、セリウム、及びジルコニウムの原料に特に制限はないが、例えば、白金原料については、酸化白金、塩化白金酸及びそのアルカリ金属塩、白金アセチルアセトナート、並びにジニトロジアンミン白金等が使用できる。また、水に溶解させて触媒調製する場合は塩化白金酸カリウムを用いるのが好ましい。一方、セリウム及びジルコニウムについては、水に溶解させて触媒を調製する場合、硝酸塩を用いるのが好ましい。
【0011】
本発明の触媒中に含まれる白金含有量は、金属白金として、金属白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物の合計量に対して、1〜50重量%の範囲であることが好ましく、5〜30重量%であることがより好ましい。1重量%より少ない場合には活性の低下が認められ、50重量%より多い場合には貴金属である白金当たりの活性が低下することとなり経済的に不利となる。
また、セリウム/ジルコニウムの原子比は0.05〜20の範囲であることが好ましく、0.1〜10であることがより好ましい。セリウム/ジルコニウムの原子比が0.05より小さかったり、20より大きかった場合には一酸化炭素の変成活性が相対的に低くなる。
【0012】
本発明における白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる触媒の調製法に特に制限はない。セリウム及びジルコニウム成分を溶解させた水溶液と沈澱剤から共沈澱法によりセリウム−ジルコニウム複合酸化物前駆体を得、これを洗浄後に乾燥或いは焼成したものを白金塩、例えば塩化白金酸や塩化白金酸カリウム等の水溶液中に分散させ、ここへ沈澱剤或いは還元剤を用いて白金を析出させる方法、セリウム−ジルコニウム複合酸化物に白金を含浸させる方法、白金、セリウム、及びジルコニウムの3成分を溶解させた水溶液と沈澱剤から共沈澱法により沈澱を生成させる方法等がある。
【0013】
水溶液中で沈澱法により白金を析出させる場合、沈殿剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び炭酸水素ナトリウム等のアルカリ化合物が用いられる。沈澱物調製時の沈澱剤の添加量は、溶液中に含まれる白金塩の化学等量の1〜2倍、好ましくは1.1〜1.6倍が適当である。1倍を下回る場合は沈殿物の生成量が不充分となり、2倍を上回る場合には余剰となり経済的に不利となる。
沈澱物調製時の温度は20〜90℃、好ましくは35〜85℃である。20℃より低い場合には沈澱熟成不足となり、90℃より高い場合には沈澱剤添加時の発熱やそれに伴なうスラリーの突沸の危険性が増す。
なお、沈澱法により得られた沈澱は沈澱剤や原料由来の塩化物やアルカリ金属等を除去するためイオン交換水、蒸留水などで洗浄するのが好ましい。
【0014】
上記のようにして得られた沈澱は、乾燥・焼成し、必要に応じ破砕して大きさを揃えて、或いは成型して使用される。また、スラリーの乾燥品、或いは乾燥・焼成したものを粉砕し、水に懸濁させ、必要に応じてアルミナゾルのようなバインダーを添加して、担体及び担体構造物に担持して使用することができる。この場合、担持後乾燥して、或いは再度焼成した上で使用することができる。
【0015】
本発明の触媒を用いることによって、少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガス中の一酸化炭素濃度を効率的に低減することができる。変成対象となるガスには水蒸気、一酸化炭素の他に、水素、二酸化炭素、窒素等のガスが含まれていてもなんらかまわない。
また、本発明において酸素を導入して反応させる場合、酸素含有ガスとして空気を用いることもできる。酸素濃度としては0.1〜5%が好ましく、0.2〜2%がよりこのましい。酸素濃度が0.1%を下回る場合は酸素導入効果が小さく、逆に5%を上回る場合には発熱が大きくなりすぎ危険を伴う可能性がある。
【0016】
【実施例】
本発明を以下の実施例により説明する。なお本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(触媒調製)
触媒A
無水炭酸ナトリウム121.5gを1000mLのイオン交換水とともに5Lの丸底フラスコに入れ溶解し60℃とした。これに、硝酸セリウム六水和物110.8gと硝酸ジルコニル二水和物67.5gをイオン交換水800mLに溶解し60℃とした溶液を注加し30分間攪拌した。得られたスラリー状の沈殿物を含む混合液を濾過し、沈澱をイオン交換水12Lで洗浄した。続いて80℃で乾燥し、その後、380℃にて2時間焼成することにより、セリウム/ジルコニウムの原子比が1となるセリウム−ジルコニウム複合酸化物72.9gを得た。
このセリウム−ジルコニウム複合酸化物の粉末15gを60℃の水500mLに分散させ、そこに塩化白金酸カリウム3.6gを含む60℃水溶液500mLを加えた。30分後に1NKOH水溶液17mLを加え、60℃で60分間攪拌した。その後濾過して、濾液中の塩素が1ppm以下になるまで水洗浄を繰り返した。そして80℃で乾燥させた後に、380℃で2時間焼成し、白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる触媒16.6gを得た。
この触媒をスラリー濃度25重量%の条件で湿式粉砕し、これにアルミナゾルを混合してスラリーとした後、コージェライト製のハニカム(400セル/平方センチ)に、浸漬、過剰分の吹き飛ばし、および乾燥という工程を繰り返し、乾燥後の触媒担持量が200g/Lになるように触媒を担持した。これを触媒Aとする。
【0017】
触媒B
無水炭酸ナトリウム121.9gを1000mLのイオン交換水とともに5Lの丸底フラスコに入れ溶解し60℃とした。これに硝酸セリウム六水和物217.0gをイオン交換水800mLに溶解し60℃とした溶液を注加し、30分間攪拌した。得られたスラリー状の沈殿物を含む混合液を濾過し、得られた沈澱をイオン交換水12Lで洗浄した。続いて80℃で乾燥し、その後、380℃にて2時間焼成することにより、酸化セリウム85gを得た。
この酸化セリウムの粉末15gを60℃の水500mLに分散させ、そこに塩化白金酸カリウム3.6gの60℃水溶液500mLを加えた。30分後に1NKOH水溶液17mLを加え、60℃にて60分間攪拌した。その後濾過して、濾液中の塩素が1ppm以下になるまで水洗浄を繰り返した。そして80℃で乾燥させた後に、380℃で2時間焼成し、白金−酸化セリウム触媒16.5gを得た。
この触媒をスラリー濃度25重量%の条件で湿式粉砕し、これにアルミナゾルを混合した後、コージェライト製のハニカム(400セル/平方センチ)に、浸漬、過剰分の吹き飛ばし、および乾燥という工程を繰り返し、乾燥後の触媒担持量が200g/Lになるように触媒を担持した。これを触媒Bとする。
【0018】
触媒C
無水炭酸ナトリウム177gを1000mLのイオン交換水とともに5Lの丸底フラスコに入れ溶解し40℃とした。ここに硫酸銅(5水塩)315gとホウ酸19.7gをイオン交換水800mLに溶解して40℃に調節した溶液を注加し、続いて酸化亜鉛77.0gをイオン交換水300mLに分散したスラリーを加え、直ちに炭酸ガスを6L/hの割合で吹き込んだ。1時間後80℃に昇温し30分保持した。炭酸ガスの吹き込みは2時間で停止し、次いで60℃まで冷却した。ここに硫酸アルミニウム49gをイオン交換水45mLに溶解した溶液と水酸化ナトリウム10.2gを70mLのイオン交換水に溶解した溶液とから調製したスラリーを加え20分間攪拌した。このように調製した混合スラリーを濾過し、0.05%の水酸化ナトリウム水溶液12Lとイオン交換水3Lで洗浄した。続いて80℃で乾燥後、焼成し、Cu−Zn−Al触媒190gを得た。この触媒をスラリー濃度25重量%の条件にて湿式粉砕した後、アルミナゾルを混合したスラリーにコージェライト製のハニカム(400セル/平方インチ)を浸漬、過剰分の吹き飛ばし、及び乾燥という工程を繰り返し、乾燥後の触媒担持量が200g/Lになるように触媒を担持した。これを触媒Cとする。
【0019】
(一酸化炭素変成反応)
実施例1
管型反応器に触媒A 7.1gを充填し、窒素ガスを100mL/min.流通させながら反応器温度を200℃に昇温した。続いて窒素ガスの代わりに組成が一酸化炭素20%、二酸化炭素6%、水素74%のガスを100mL/min.の流速で導入し、続いて反応器手前の蒸発器を通じて水を供給し、入口ガスの組成が一酸化炭素15%、二酸化炭素4.5%、水素56.2%、水24.3%、GHSV(ガス空間速度)15513(h−1)となるよう調節した。次いで、各々15分を掛けて所定の反応器温度に昇温した後、反応を開始した。反応ガスの組成はガスクロマトグラフィにより分析した。結果を表1に示す。
【0020】
実施例2
管型反応器に触媒A 7.1gを充填し、窒素ガスを100mL/min.流通させながら反応器温度を200℃に昇温した。続いて窒素ガスの代わりに組成が一酸化炭素20%、二酸化炭素6%、水素74%のガスを100mL/min.の流速で導入し、続いて反応器手前の蒸発器を通じて水を供給し、入口ガスの組成が一酸化炭素15%、二酸化炭素4.5%、水素56.2%、水24.3%、GHSV15513(h−1)となるよう調節した。続いて空気を導入して入口ガスの組成が一酸化炭素14.3%、二酸化炭素4.3%、水素53.4%、酸素1%、窒素3.9%、水23.1%、GHSV 16317(h−1)となるよう調節した。次いで、各々15分を掛けて所定の反応器温度に昇温した後、反応を開始した。反応ガスの組成はガスクロマトグラフィにより分析した。結果を表1に示す。
【0021】
実施例3
管型反応器に触媒A 7.1gを充填し、反応器設定温度を300℃にした以外は実施例1と同様に反応を行い、反応成績の経時変化を調べた。結果を表2に示す。
【0022】
比較例1
触媒B 7.1gを用いた以外は実施例1と同様とした。結果を表1に示す。
【0023】
比較例2
触媒B 7.1gを用いた以外は実施例2と同様とした。結果を表1に示す。
【0024】
比較例3
管型反応器に触媒C 7.3gを充填し、窒素ガスを100mL/min.流通させながら反応器温度を200℃に昇温した。続いて窒素ガスの代わりに組成が一酸化炭素20%、二酸化炭素6%、水素74%のガスを100mL/min.の流速で導入し触媒の賦活処理を行った。触媒層の発熱がおさまった後、前記導入ガスの流量を高めてから、反応器手前の蒸発器を通じて水を供給し、入口ガスの組成が一酸化炭素15%、二酸化炭素4.5%、水素56.2%、水24.3%、GHSV 15513(h−1)となるよう調節した。次いで、各々15分を掛けて所定の反応器温度に昇温した後、反応を開始した。反応ガスの組成はガスクロマトグラフィにより分析した。結果を表1に示す。
【0025】
比較例4
管型反応器に触媒C 7.3gを充填し、窒素ガスを100mL/min.流通させながら反応器温度を200℃に昇温した。続いて窒素ガスの代わりに組成が一酸化炭素20%、二酸化炭素6%、水素74%のガスを100mL/min.の流速で導入し触媒の賦活処理を行った。触媒層の発熱がおさまった後、前記導入ガスの流量を高めてから、続いて反応器手前の蒸発器を通じて水を供給し、入口ガスの組成が一酸化炭素15%、二酸化炭素4.5%、水素56.2%、水24.3%、GHSV 15513(h−1)となるよう調節した。続いて空気を導入して入口ガスの組成が一酸化炭素14.3%、二酸化炭素4.3%、水素53.4%、酸素1%、窒素3.9%、水23.1%、GHSV 16317(h−1)となるよう調節した。次いで、各々15分を掛けて所定の反応器温度である250℃、300℃に昇温した後、反応を開始した。反応ガスの組成はガスクロマトグラフィにより分析した。結果を表1に示す。
【0026】
比較例5
管型反応器に触媒C 7.3gを充填し、反応器設定温度を300℃にした以外は比較例3と同様に反応を行い、一酸化炭素変成率(mol%)の経時変化を調べた。結果を表2に示す。
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の効果】
白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる本発明の触媒は、反応温度が比較的低い低温シフト反応領域に適した一酸化炭素変成用触媒として用いられている従来の銅系触媒に比べて、より高くかつ経時的低下も少ない優れた活性を有する。また、本触媒は、酸素に対する被毒性を有さないばかりか、酸素存在下で更に効率よく一酸化炭素を低減できる特性を有する。
このように、本触媒は、一酸化炭素変成用触媒として、低温かつ酸素の存在する雰囲気下で、連続的に繰り返し使用することができるため、その工業上に果たす役割は極めて大きい。
Claims (5)
- 白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物からなる一酸化炭素変成用触媒。
- 触媒中に含まれる白金量が、金属白金として、金属白金とセリウム−ジルコニウム複合酸化物の合計量に対して、1〜50重量%の範囲である請求項1記載の一酸化炭素変成用触媒。
- 触媒中に含まれるセリウム/ジルコニウムの原子比が、0.05〜20の範囲である請求項1記載の一酸化炭素変成用触媒。
- 請求項1から3に記載の触媒の存在下、少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガス中の一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法。
- 請求項1から3に記載の触媒の存在下、少なくとも水蒸気と一酸化炭素からなるガスに酸素を導入して反応させることにより一酸化炭素濃度を低減させる一酸化炭素の変成方法。
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2003
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