JP3914984B2 - 燃料改質ガスの水性ガスシフト反応用触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種燃料の改質水素ガスにおいて、一酸化炭素と水から二酸化炭素と水素を生成させる水性ガスシフト反応用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
水性ガスシフト反応は、工業的水素製造プロセスにおける重要な役割を担う反応であり、下記の反応式で示される。
【0003】
CO+H2O→CO2+H2
この反応は、メタノール合成プラント、アンモニア合成プラント等において、メタン改質ガス(H2+CO+CO2)の水素の増量、H2/CO比の調節のために用いられている。
【0004】
特に、高純度水素を必要とする場合は、通常この反応は次の2段反応で行なわれる。1段反応では、Fe-Cr混合酸化物触媒等の高温シフト触媒を用い、温度域310-450℃で反応を行うことにより、CO濃度を2〜3%まで減らすことができる。2段反応では、Cu-Zn-Al複合酸化物触媒等の低温シフト触媒を用い、温度域210-240℃で反応を行うことにより、CO濃度を1%以下まで減らすことができる。
【0005】
また、メタン、ガソリン等の各種燃料を用いる燃料電池では、次の過程により水素が製造される。
【0006】
燃料→[燃料改質器]→水素→[燃料電池セル]
上記燃料改質器における反応は、触媒を必要とし、通常は次の3段階の触媒反応で行われる。この触媒反応のうち、後の2つの反応(2)および(3)は、水素ガス中のCO除去が主目的となっている。特に、固体高分子形燃料電池においては燃料電池セルの電極触媒において、一酸化炭素濃度が数十ppm以上になると電極が被毒され、性能が大幅に落ちるため、CO除去が特に重要である。
(1)水蒸気改質反応(または部分酸化反応):各種燃料を水蒸気(または酸素)と反応させて、CO, CO2, H2, H2Oの混合ガスに改質する。
(2)水性ガスシフト反応(CO変成反応):なお残存するCOと水の反応により水素とCO2を生成する。
(3)CO選択酸化反応(又はメタン化反応):なお残存するCOを酸素又は水素と反応させ、CO2またはメタンとして除去する。
【0007】
水蒸気改質反応後のCO濃度は燃料の種類により大きく異なり、代表的な値としては、メタノールで0.8%、メタンで11%、エタノールで10〜14%、ガソリン等の長鎖炭化水素で20%と報告されている(L.F.Brown, Int. J. Hydrogen Energy, 26 (2001) 381)。いずれの燃料の場合にも、2段目の水性ガスシフト反応でCO濃度を1%以下、より好ましくは0.5%以下に低減し、3段目の反応でCO濃度を最終的に10ppmのレベルに低減する。
【0008】
上記燃料電池は、家庭用等の小型燃料電池への応用が試みられており、そのためには燃料改質器を小型化する必要性がある。しかし、2段反応(2)の水性ガスシフト反応は、1段反応(1)および3段反応(3)に比べて反応速度が遅いことから、大量の触媒を必要とするため燃料電池が大型化してしまう。そのため高速で反応する水性ガスシフト触媒が望まれている。
【0009】
高速で反応させるためには高温で反応を行なうことが有利であるが、水性ガスシフト反応は化学平衡による制約を受け、高温になるほど理論的に到達できるCO除去率の上限が低下してしまう。このため、CO濃度を減らす目的からは低温で反応を行なう必要が生じ、低温で高速に反応する触媒が望まれる。例えば、シフト反応器の出口の部分でCO濃度を0.5%以下にするためには、少なくとも反応器出口温度を200℃付近に設定する必要があり、できるだけ高い空間速度の条件でこの温度の平衡反応率に到達できる触媒が求められる。
【0010】
このような低温域でCO濃度を減少させることができる水性ガスシフト触媒としては、銅触媒がこれまで実績のある触媒として挙げられる。しかし、銅系触媒には、触媒の作動状態では銅は還元状態に保たれているが、燃料電池システムの運転停止の際に触媒と空気が接触し酸化銅となってしまい、再起動の際に酸化銅が還元され発熱するので触媒が熱劣化してしまう等の問題点がある。
【0011】
最近では、このために白金等の貴金属をベースにした触媒が種々検討されており、中でもセリアに白金を担持した触媒が候補として種々検討されている。しかしながら、Zalcらは、Journal of Catalysis 206, 169−171 (2002)において、以下の重要な指摘をしている。(1)研究者の多くがシフト触媒の活性評価を一酸化炭素、水蒸気、希釈ガスのみから成る反応ガスを用いて行なっているが、これは、一酸化炭素、水蒸気の他に多量の水素や二酸化炭素が共存する改質ガスの組成とは大きく異なり、実用性評価に適さないこと。(2)実際に白金―セリア触媒を改質ガス組成において反応評価すると、例えば自動車のオンボードリフォーミング用を想定した場合に、反応速度が充分でなく、また、時間と共に活性が低下するため、実用性に乏しい。
【0012】
そのため、水性ガスシフト触媒の活性評価は、実用性評価に適した改質ガスの組成を有する混合ガスを用いて行うことが必要である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、水素の他に一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気を含む混合ガス中において、一酸化炭素と水蒸気から水素を生成する水性ガスシフト反応用触媒を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の従来技術の問題点に鑑みて、水性ガスシフト反応用触媒について鋭意研究を重ねた結果、金と特定の金属酸化物からなる触媒が、200℃付近、あるいはそれ以下の低温で、燃料改質ガスに相当する水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気及び希釈ガスからなる組成の混合ガス中に含まれるCOと水を反応させCO2と水素を生ずる水性ガスシフト反応に高い活性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明は下記の水性ガスシフト触媒を提供する。
【0016】
項1.陽イオンの電気陰性度が10〜14の範囲にある金属を含む金属酸化物と金とからなる燃料改質ガスの水性ガスシフト反応用触媒。
【0017】
項2.燃料改質ガスが、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水蒸気を含み、一酸化炭素濃度が1〜25vol%程度である混合ガスである項1に記載の触媒。
【0018】
項3.金属酸化物が、(i)酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる単一金属の金属酸化物、(ii)チタン、ジルコニウム、及びセリウムからなる群から選ばれる2種以上の金属の複合酸化物、あるいは(iii)(i)の少なくとも1種と(ii)の少なくとも1種の混合物である項1又は2に記載の触媒。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、金属酸化物及び金からなることを特徴とする、燃料改質ガスのCO濃度の低減を達成しうる水性ガスシフト反応用触媒に係る。
【0020】
本発明における金属酸化物としては、一般的に金を分散担持する目的で選ばれる酸化物種のうち、適度な酸塩基性を持つものが好ましい。水性ガスシフト反応の反応中間体といわれるギ酸塩種が触媒表面で安定に生成するためには、触媒表面がある程度塩基性である必要がある。一方、触媒表面から生成するCO2の脱離を促進し、反応ガス中に共存するCO2成分の触媒表面への再吸着を弱めるためには、触媒表面の塩基性が強すぎるのも好ましくない。
【0021】
酸化物の酸塩基性の指標として、田中らの提唱する金属陽イオンの電気陰性度(田中、尾崎、田丸、触媒、第6巻、p.262(1964))を用いた場合、陽イオンの電気陰性度が10〜14の範囲にある金属と酸素から構成される金属酸化物が担体として適することが分かった。これに該当する金属酸化物としては、Al2O3 (10.5), CeO2 (10.8), Cr2O3 (11.2), Cr2O3 (11.2), Ga2O3 (11.2), In2O3 (11.9), Co2O3 (12.6), Fe2O3 (12.6), NiO (12.6), ZrO2 (12.6), Bi2O3 (13.3), MnO2 (13.5), TiO2 (13.5)等が例示される。(括弧内の数字は酸化物中の金属陽イオンの電気陰性度を示す)。これらは、水性ガスシフト用金触媒の担体として適するが、電気陰性度がこれよりも小さい酸化物(例えばZnO(8.0))、或いは電気陰性度がこれよりも大きい酸化物(例えばSiO2 (16.2))を担体とした場合には活性が低くなる。
【0022】
これらの酸化物群の中で、より好ましくはチタン、ジルコニウム、及びセリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属酸化物が挙げられる。具体的には、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び酸化セリウムからなる群から選ばれる単一金属の金属酸化物、チタン、ジルコニウム、及びセリウムからなる群から選ばれる2種以上の金属の複合酸化物等が挙げられる。必要に応じて、上記の単一金属の金属酸化物の少なくとも1種と複合酸化物の少なくとも1種の混合物を用いることも可能である。このうち、好ましくは、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、セリウム−ジルコニウム複合酸化物、セリウム−ランタン複合酸化物等が挙げられ、より好ましくは、酸化チタン、酸化セリウム、セリウム−ジルコニウム複合酸化物等が挙げられ、とりわけ、高い触媒活性及び安定性の点から、酸化チタン、酸化セリウム、セリウム−ジルコニウム複合酸化物が特に好ましい。
【0023】
金属酸化物の形状は特に限定的ではなく、例えば、粉体状の他、予め成型した状態で用いることや各種の支持体に固定した状態で用いることもできる。
【0024】
また、本発明の水性ガスシフト反応用触媒としては、金属酸化物上に金を固定化した金固定化酸化物が特に好ましい。この様に金を酸化物上に固定化したものは、金と酸化物との接触面積が多くなり、優れた触媒性能を発揮することができる。酸化物上に金を固定化する場合にも、金は、平均粒径2〜10nm程度の微粒子状であることが好ましく、平均粒径2〜4nm程度であることがより好ましい。
【0025】
金属酸化物上に金を固定化する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、
・含浸法(G. C. Bond and P. A. Sermon, Gold Bull. 102 (1973) 6等)
・共沈法(特開昭60-238148号公報等)
・析出沈殿法(特開昭62-155937号公報、特開平3-97623号、特開昭63-252908号公報、特開平2-252610号公報等)
・コロイド混合法(Tsubota S., Nakamura T., Tanaka K., and Haruta M., Catal. Lett., 56 (1998) 131)
・気相グラフティング法(特開平9-122478号公報)
・液相グラフティング(Okumura M., and Haruta M., Chem. Lett., (2000) 396)
等が挙げられる。
【0026】
出発材料として次の様な化合物が挙げられる。金の前駆体としては、例えば、金の水溶性化合物(例えば、塩化金酸)、アセチルアセトナト錯体(例えば、金アセチルアセトナト錯体等)等の加熱により気化する化合物が挙げられる。
【0027】
金属酸化物の原料としては、例えば、各種金属の硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物等が挙げられる。具体的には、硝酸セリウム、硝酸ジルコニウム等の硝酸塩、硫酸チタン等の硫酸塩、塩化セリウム、三塩化チタン、四塩化チタン等の塩化物等が挙げられる。
【0028】
上記に挙げた公知の方法により、沈澱を析出させた後、沈殿物を乾燥する。金を最終的に金属の状態にするためには、沈殿物を酸素雰囲気中または還元性ガス中で熱処理すればよい。酸素雰囲気下とは、空気下、あるいは酸素を窒素、ヘリウム、アルゴン等で希釈した混合気体下をいう。還元性ガスとしては、例えば、窒素ガスで希釈した1〜10vol%程度の水素ガス、一酸化炭素ガス等を用いることができる。熱処理温度は、公知の還元条件の範囲から適宜選択すればよく、通常室温〜600℃程度が好ましく、安定かつ微細な金粒子を得るためには、200〜400℃程度がより好ましい。熱処理時間は、例えば、1〜12時間程度が好ましい。
【0029】
また、液相中で沈殿物を還元剤と接触させることにより還元する方法を採用することもできる。該液相としては、例えば、水、メタノール等が挙げられる。還元剤としては、例えば、ヒドラジン、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。反応温度は、例えば、室温〜100℃程度が好ましい。反応時間は、例えば、1分〜10時間程度が好ましい。
【0030】
本発明の触媒における、金の含有量は、触媒の合計量に対して、0.1〜30重量%程度であればよく、金属量当たりの活性の点から、0.1〜10重量%程度とするのが好ましい。
【0031】
本発明では、より実用的な形態で使用することを目的として、各種の形状の支持担体に上記触媒を担持させることもできる。支持担体としては、アルミナ、シリカ、コージライト、ゼオライト、酸化チタン等を例示できる。担体の形状は特に限定されず、例えば、粉末状、球状、粒状、ハニカム状、発泡体状、繊維状、布状、板状、リング状等現在触媒担体として一般に使用されている全ての形状が使用可能である。
【0032】
本発明の触媒は、主として、各種燃料(例えば、メタン、メタノール、エタノール、ガソリン等)を水蒸気(又は酸素)と反応させて生じる改質ガスの水性ガスシフト触媒として用いることができる。改質ガスとして具体的には、一酸化炭素、水蒸気、二酸化炭素、水素の4種のガスを含む混合ガスが挙げられ、さらに不活性気体(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等)で希釈されていてもよい。本発明の触媒は、改質ガス中の一酸化炭素濃度(vol%)を低減させて水素を生成する目的において、有効に用いることができる。本発明の触媒は、混合ガス中の一酸化炭素濃度が低濃度から高濃度の広い範囲で活性を示し、例えば、メタノール改質ガスで想定される1〜2vol%程度の濃度から、ガソリン改質ガスで想定される20〜25vol%程度の濃度の範囲まで、いずれの組成においても活性を示す。
【0033】
本発明の触媒を用いる水性ガスシフト反応の圧力は、特に限定的でなく、常圧から100気圧といった高圧条件まで用いることができる。また、使用温度としては、使用する金属酸化物の種類やその他の条件によって異なるが、例えば、100〜450℃程度であればよい。本発明の触媒は、特に、100℃〜200℃程度の反応温度において、従来の触媒よりも高い水性ガスシフト反応活性を示し、混合ガス中のCO低減の目的に有効に用いられる。また、空間速度の範囲も特に限定的ではなく、目的とするCO低減率にあわせて空間速度を設定すればよい。
【0034】
入口CO濃度や空間速度条件にもよるが、本発明の触媒を用いれば、反応温度100〜200℃程度において、改質ガス中の一酸化炭素濃度を10〜5000ppm程度に減らすことが可能である。
【0035】
【発明の効果】
本発明の水性ガスシフト反応触媒は、従来の触媒よりも100℃〜200℃程度の低温域においてCOの転化率が高く、水性ガスシフト反応器の小型化が可能となる。
【0036】
また、家庭用燃料電池システムなどでは、夜間の機器停止時に触媒が空気と接触し、銅などの金属種が酸化されて活性低下を導く原因となっていることが知られている。本発明触媒は、耐酸化性を有し、日常的に起動停止を繰り返す燃料電池機器への用途に対しても効果的に用いることができる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明瞭にするが、これにより本発明が限定されるものではない。
【0038】
実施例1
塩化金酸[HAuCl4 ・4H2 O]1ミリモルを500mlの蒸留水に溶解させ、KOH水溶液を滴下してpHを7に調節した。ここに、酸化セリウム粉末6.5gを加え、70℃で1時間撹拌した。この後、沈降物を蒸留水で充分に洗浄した後、乾燥し、空気中400℃で4時間焼成することにより、金担持酸化セリウム触媒[Au/CeO2 ,金担持量3wt%]を得た。続いて、得られた触媒を用いて、水性ガスシフト反応に対する活性を以下の方法で調べた。
【0039】
上記触媒を0.12g用い、原料ガス(CO 1.3%、H2O 3.1%、CO2 0.4%、H2 5.0%、He 90.2%:体積比の混合ガス)を103ml/分の流量で常圧にて流通させ、反応ガス中で一旦350℃まで昇温して触媒を還元した後に各温度での水性ガスシフト反応に対する触媒活性を調べた。その結果を図1に示す。図1には反応温度に対し、触媒活性の指標としてCO転化率を示した。
【0040】
比較例1
市販のCu/ZnO/Al2O3触媒を用いて実施例1と同じ条件で反応を行なった。結果を図1に示す。
【0041】
比較例2
塩化白金酸[H2PtCl6・6H2 O]を塩化金酸の代わりに用いて実施例1と同様の条件で触媒を調製し、白金担持酸化セリウム触媒[Pt/CeO2 ,白金担持量3wt%]を得た。得られた触媒を用いて実施例1と同じ条件で反応を行なった。結果を図1に示す。
【0042】
実施例2
実施例1にて得た、金担持酸化セリウム触媒[Au/CeO2 ,金担持量3wt%]を用いて、水性ガスシフト反応に対する活性を以下の方法で調べた。
【0043】
上記触媒を0.3g用い、原料ガス(CO 12.2%、H2O 26.6%、CO2 4.9%、H2 56.3%体積比の混合ガス)を26ml/分の流量で常圧にて流通させ、反応ガス中で一旦350℃まで昇温して触媒を還元した後に各温度での水性ガスシフト反応に対する触媒活性を調べた。その結果を図2に示す。
【0044】
実施例3
酸化セリウム-酸化ジルコニウム複合酸化物を酸化セリウムの代わりに用いて実施例1と同様の条件で触媒を調製し、金担持酸化セリウム-酸化ジルコニウム複合酸化物触媒[Au/CeO2−ZrO2,金担持量3wt%]を得た。得られた触媒を用いて実施例2と同じ条件で反応を行なった。結果を図2に示す。
【0045】
実施例4
酸化ジルコニウムを酸化セリウムの代わりに用いて実施例1と同様の条件で触媒を調製し、金担持酸化ジルコニウム触媒[Au/ZrO2 ,金担持量3wt%]を得た。得られた触媒を用いて実施例2と同じ条件で反応を行なった。結果を図2に示す。
【0046】
比較例3
比較例2にて得た白金担持酸化セリウム触媒[Pt/CeO2 ,白金担持量3wt%]を用いて実施例2と同じ条件で反応を行なった。結果を図2に示す。
【0047】
これらの結果より、次に示すような本発明の触媒の特徴が明らかとなった。
(1)Au/CeO2は、工業用シフト触媒として広く用いられているCu/ZnO/Al2O3触媒よりもCO転化率が高い。
(2)Au/CeO2は、Pt/CeO2に比べて、低温(特に100〜200℃)で高いCO転化率を示していることが分かる。反応条件により異なるが、Pt/CeO2に比べAu/CeO2の方が50〜80℃程度低い反応温度で同じCO転化率を達成することができる。
(3)金触媒の担体としてCeO2-ZrO2やZrO2を用いた場合にも、250℃以下でPt/CeO2よりも高いCO転化率を達成することができる。
【0048】
以上より、本発明の触媒は、水性ガスシフト反応用触媒として有効であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】COを1.3%含む5種混合ガス(CO,CO2,H2,H2O,He)に対して、各種水性ガスシフト反応触媒を用いた場合の反応温度とCO転化率を表したグラフである。
【図2】COを12%含む4種混合ガス(CO,CO2,H2,H2O)に対して、各種水性ガスシフト反応触媒を用いた場合の反応温度とCO転化率を表したグラフである。
Claims (3)
- 平均粒径が2〜10nmの微粒子状である金を、酸化セリウム、酸化ジルコニウム又はセリウム−ジルコニウム複合酸化物上に固定化してなる燃料改質ガスの水性ガスシフト反応用触媒。
- 燃料改質ガスが、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水蒸気を含み、一酸化炭素濃度が1〜25vol%の混合ガスである請求項1に記載の触媒。
- 燃料改質ガスが、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水蒸気を含み、一酸化炭素濃度が1〜25vol%の混合ガスを請求項1記載の水性ガスシフト反応用触媒に接触させることを特徴とする、該改質ガス中の一酸化炭素濃度の低減方法。
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