JP2001026422A - 金含有複合体の製造方法 - Google Patents

金含有複合体の製造方法

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JP2001026422A
JP2001026422A JP2000097921A JP2000097921A JP2001026422A JP 2001026422 A JP2001026422 A JP 2001026422A JP 2000097921 A JP2000097921 A JP 2000097921A JP 2000097921 A JP2000097921 A JP 2000097921A JP 2001026422 A JP2001026422 A JP 2001026422A
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Toshio Hayashi
利生 林
Takahiro Inagaki
貴大 稲垣
Masahiro Wada
正大 和田
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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  • Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金超微粒子が備える特異的な性質を充分に引
き出すことにより、例えば、一酸化炭素や水素の酸化反
応(燃焼)、炭化水素の部分酸化反応や完全酸化反応
(燃焼)等の各種酸化反応や、各種還元反応等の触媒等
として好適に用いることができる金含有複合体の製造方
法を提供する。 【解決手段】 金含有複合体は、ハロゲン元素を含有し
ない金化合物(例えば、ジメチル金(III) アセチルアセ
トナート)と、金以外の金属を含有する金属化合物(例
えば、チタニルアセチルアセトナート)とを含む溶液か
ら溶媒を留去して得られる固形物を焼成するか、若しく
は、上記溶液に担体(例えば、シリカ)を添加すると共
に、該溶液から溶媒を留去して得られる固形物を焼成す
ることにより、製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、一酸化炭
素や水素の酸化反応(燃焼)、炭化水素の部分酸化反応
や完全酸化反応(燃焼)等の各種酸化反応や、各種還元
反応等の触媒等として、さらには、各種ガスセンサーや
電極材料等として好適に用いることができる金含有複合
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、粒子径が100nm以下(超微
粒子)の金は、それを超える粒子径(粗大粒子)の金と
は異なる挙動、即ち、特異的な物理的性質および化学的
性質を示すことが知られている(例えば、「超微粒子」
アグネ出版センター刊、1986年)。
【0003】ところが、超微粒子は、表面エネルギーが
大きく、凝集し易いために、その取り扱いが難しい。特
に、金は、パラジウムや白金等の他の貴金属と比較して
融点が低く、かつ、原子間の結合(金属結合)が強いた
めに、超微粒子がより一層凝集し易い。従って、金は、
超微粒子としての特徴(特異的な物理的性質および化学
的性質)を充分に引き出し、例えば各種酸化反応の触媒
として用いることが困難となっている。このため、超微
粒子の金(以下、金超微粒子と記す)が備える特異的な
性質(触媒性能)を利用した触媒の製造方法の確立が望
まれている。
【0004】従来より、該触媒の製造方法として、金超
微粒子を担体に担持してなる触媒の製造方法が種々提案
されている。例えば、特公平3−12934号公報や特
公平5−325号公報には、共沈法を採用した製造方法
が開示されており、特開平7−8797号公報には、析
出沈澱法を採用した製造方法が開示されており、特開平
9−122478号公報には、CVD法を採用した製造
方法が開示されており、特開平10−66870号公報
には、金化合物を含む溶液を担体に含浸させる含浸法を
採用した製造方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法においては、何れも、特定組成の担体を
用いなければならない、金超微粒子を担体に担持させ
る際に調製する、金化合物を含む溶液(水溶液)のpH
を厳密に制御しなければならない、該溶液に含まれる
金を、担体に全て担持させること(金化合物を全て利用
すること)ができない、得られる触媒における金微粒
子の粒子径が不均一である(超微粒子でないものが多く
含まれる)、等の問題点を有している。その上、含浸法
を採用した上記従来の製造方法においては、用いること
ができる担体が、遷移金属の酸化物や水酸化物(特定組
成を有する担体)に制約されるという問題点も有してい
る。
【0006】それゆえ、上記問題点を招来しない製造方
法、つまり、上記問題点を招来することなく、金超微粒
子(担持型金超微粒子)が備える特異的な性質(触媒性
能)を利用した触媒を製造することができる方法が嘱望
されている。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、金超微粒子が備える特異的
な性質を充分に引き出すことにより、例えば、各種酸化
反応や各種還元反応等の触媒等として、より具体的に
は、一酸化炭素や水素の酸化反応(燃焼);アルケン
(例えば、プロピレン等)等の炭化水素の部分酸化反応
や完全酸化反応(燃焼);アルコールのアルデヒドまた
はケトンへの酸化反応や脱水素反応;アルカンやアルケ
ンの水素化反応;二酸化炭素のメチルアルコールへの水
素化反応;一酸化窒素の窒素分子への還元反応;水性ガ
スシフト反応;水やアルコール、カルボン酸等の光分解
反応;等の各種有用な反応の触媒等として、さらには、
各種ガスセンサーや電極材料等として好適に用いること
ができる金含有複合体の製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、金含有
複合体の製造方法、並びに、該金含有複合体からなる触
媒について鋭意検討した。その結果、ハロゲン元素を含
有しない金化合物と、金以外の金属を含有する金属化合
物とを含む溶液から溶媒を留去して得られる固形物を焼
成するか、若しくは、上記溶液に担体を添加すると共
に、該溶液から溶媒を留去して得られる固形物を焼成す
ることにより、酸化反応や還元反応等の各種反応の触媒
等として、さらには、各種ガスセンサーや電極材料等と
して好適に用いることができる金含有複合体を製造する
ことができることを見い出して、本発明を完成させるに
至った。
【0009】また、金以外の金属を担持してなる担体
を、ハロゲン元素を含有しない金化合物を含む溶液に添
加すると共に、該溶液から溶媒を除去して得られる固形
物を焼成することにより、上記特性を有する金含有複合
体を製造することができることを見い出して、本発明を
完成させるに至った。
【0010】即ち、請求項1記載の発明の金含有複合体
の製造方法は、上記の課題を解決するために、ハロゲン
元素を含有しない金化合物と、金以外の金属を含有する
金属化合物とを含む溶液から溶媒を除去して得られる固
形物を焼成することを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明の金含有複合体の製造
方法は、上記の課題を解決するために、ハロゲン元素を
含有しない金化合物と、金以外の金属を含有する金属化
合物とを含む溶液に担体を添加すると共に、該溶液から
溶媒を除去して得られる固形物を焼成することを特徴と
している。
【0012】請求項3記載の発明の金含有複合体の製造
方法は、上記の課題を解決するために、金以外の金属を
担持してなる担体を、ハロゲン元素を含有しない金化合
物を含む溶液に添加すると共に、該溶液から溶媒を除去
して得られる固形物を焼成することを特徴としている。
【0013】請求項4記載の発明の金含有複合体の製造
方法は、上記の課題を解決するために、請求項2または
3記載の製造方法において、上記金以外の金属が、アル
カリ金属、アルカリ土類金属、及び遷移金属からなる群
より選択される少なくとも一種類の金属であることを特
徴としている。
【0014】請求項5記載の発明の金含有複合体の製造
方法は、上記の課題を解決するために、請求項1、2、
3、または4記載の製造方法において、上記溶媒がアル
コール類であることを特徴としている。
【0015】請求項6記載の発明の金含有複合体の製造
方法は、上記の課題を解決するために、請求項1、2、
3、4、または5記載の製造方法において、固形物を焼
成した後にさらに還元処理するか、若しくは、固形物を
還元性ガスの雰囲気下で焼成することを特徴としてい
る。
【0016】請求項7記載の発明の金含有複合体は、上
記の課題を解決するために、請求項1ないし6のいずれ
か一項に記載の製法によって得られ、酸化反応用触媒と
して用いられることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明にかかる金含有複合体の製
造方法(以下、製造方法Aと称する)は、ハロゲン元素
を含有しない金化合物(以下、金化合物と記す)と、金
以外の金属を含有する金属化合物(以下、金属化合物と
記す)とを含む溶液から溶媒を除去して得られる固形物
を焼成するか、若しくは、上記溶液に担体を添加すると
共に、該溶液から溶媒を除去して得られる固形物を焼成
する方法である。
【0018】また、本発明にかかる金含有複合体の他の
製造方法(以下、製造方法Bと称する)は、金以外の金
属を担持してなる担体を、ハロゲン元素を含有しない金
化合物を含む溶液に添加すると共に、該溶液から溶媒を
除去して得られる固形物を焼成する方法である。以下、
はじめに上記製造方法Aについて説明を行い、製造方法
Bに関しては、製造方法Aとの相違点のみを記載する。
【0019】本発明における上記の「金化合物」とは、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンを対アニオン
として含有しない金化合物を示す。従って、テトラクロ
ロ金(III) 酸「HAuCl4 」、塩化金(III) 「AuC
3 」、臭化金(III) 「AuBr3 」等の化合物は、対
アニオンとしてハロゲンを含有しているので、本発明に
おける「金化合物」の範疇には入らない。
【0020】該金化合物としては、具体的には、例え
ば、シアン化金化合物、有機金錯体、金酸化物、金水酸
化物、含イオウ金化合物、クラスター錯体等が挙げられ
る。より具体的には、金化合物としては、例えば、シア
ン化金(I) 「AuCN」、ジシアノ金(I) 酸カリウム
「K〔Au(CN)2 〕」、ジメチル金(III) アセチル
アセトナート「(CH3 2 Au(CH3 COCHCO
CH3 )」、(CH3 2Au(CF3 COCHCOC
3 )、(CH3 2 Au(CF3 COCHCOC
3 )、(C2 5 2 Au(CH3 COCHCOCH
3 )、(CH3 2 Au(C6 5 COCHCOC
3 )、CH3 AuP(CH3 3 、AuP(CH3
3 NO3 、AuP(PPh3 3 NO3 、AuCH
3 (PPh3 )、Au2 (CH3 6 、Au(CH3
3 (PPh3 )、等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。これら金化合物は、一種類のみを用いても
よく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の
金化合物のうち、ジメチル金(III) アセチルアセトナー
トが特に好ましい。尚、金化合物は、水和物となってい
てもよい。
【0021】本発明の製造方法Aにおける上記の「金属
化合物」とは、金以外の金属を含有し、かつ溶媒に溶解
する化合物を示す。本発明において「金以外の金属」と
は、具体的には、ランタン、セリウム等の希土類元素;
チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ジルコニウ
ム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン等の
前期遷移元素;鉄、コバルト、ニッケルの鉄族元素;ル
テニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジ
ウム、白金の白金族元素;銅、銀;アクチノイド;等の
遷移元素(遷移金属):リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属;マグネシ
ウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属;亜
鉛、カドミウム、水銀、ホウ素、アルミニウム、ガリウ
ム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、
砒素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルル等の周期
表IIB〜VIB元素;等の典型元素:が挙げられる。これ
ら「金以外の金属」は、一種類のみを用いてもよく、二
種類以上を併用してもよい。また、これら「金以外の金
属」のうち、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び遷
移金属からなる群より選択される少なくとも一種類の金
属を使用することがより好ましい。
【0022】該金属化合物としては、具体的には、例え
ば、上記「金以外の金属」を含有する、硝酸塩や硫酸塩
等の無機化合物;エチレンジアミン四酢酸塩等のキレー
ト化合物(キレート錯体);アセチルアセトナート錯体
等のβ−ジケトン錯体;シクロペンタジエニル錯体;有
機金属化合物;金属アルコキシド;金属シアン化物(シ
アノ錯体);等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。これら金属化合物は、一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を併用してもよい。尚、金属化合
物は、水和物となっていてもよい。
【0023】製造方法Aにおいて、溶液調製時における
金化合物と金属化合物とのモル比(金化合物/金属化合
物)は、両者の組成や組み合わせ、或いは所望する金含
有複合体の組成等に応じて設定すればよく、特に限定さ
れるものではないが、0.001〜1の範囲内がより好
ましい。本発明にかかる製造方法を採用することによ
り、上記モル比で以て、金含有複合体に、金と、金以外
の金属とが含まれることになる。
【0024】本発明にかかる製造方法において用いられ
る上記の溶媒は、金化合物および金属化合物を溶解して
溶液を形成することができる化合物であればよい。該溶
媒としては、具体的には、例えば、水;メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレン
グリコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラ
ヒドロフラン、ジイソブチルエーテル等のエーテル類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエス
テル類;ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素
類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;
ジクロロメタン、クロロホルム、エチレンジクロライド
等の含塩素液状有機化合物;等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。ただし、シリカやゼオライトな
ど酸化ケイ素を骨格とする担体を使用する場合には、上
記溶媒のうち、アルコール類、炭化水素類、エーテル類
がより好ましく、アルコール類がさらに好ましく、中で
もメチルアルコールが特に好ましい。この理由は定かで
はないが、焼成または還元処理過程における金の粒子径
の成長が抑えられ、最終的に金超微粒子を得ることが容
易となるためと考えられている。上記の溶媒は、一種類
のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよ
い。尚、溶媒の使用量は、金化合物および金属化合物を
溶解して溶液を形成することができる量であればよく、
特に限定されるものではない。
【0025】本発明にかかる製造方法Aにおいて必要に
応じて用いられる上記の担体は、特に限定されるもので
はなく、あらゆる種類のものが使用可能である。該担体
としては、高い比表面積を有するものがより好ましく、
高い比表面積を有する金属酸化物がさらに好ましい。本
発明において「高い比表面積」とは1m2 /g以上の比
表面積を指し、該比表面積は10m2 /g以上であるこ
とがより好ましく、50m2 /g以上であることがさら
に好ましい。担体の比表面積が小さすぎると、担体上で
の金の分散度が低下して金超微粒子を得ることができ
ず、この金含有複合体を触媒として用いた場合には、金
単位量当たりの比活性が低下する虞があり好ましくな
い。
【0026】尚、本発明において「担体の比表面積」と
は、容量法によって被測定体(担体)の窒素吸着等温線
をもとめ、該窒素吸着等温線を用いて、BETの吸着等
温式またはt−プロット法により算出される、通常一般
の比表面積を指す。
【0027】上記の担体としては、具体的には、例え
ば、酸化ケイ素(シリカ);酸化アルミニウム(アルミ
ナ)、酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウム(ジ
ルコニア)、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅等の金属酸化
物;ゼオライト、MCM41、シリカライト等の結晶性
酸化物;等が好適に使用される。これら担体は、一種類
のみを用いてもよく、必要に応じて二種類以上を併用し
てもよい。上記例示の担体のうちシリカは、その表面へ
の金超微粒子の接合(複合)が本来容易ではない。しか
し、金超微粒子は、金以外の金属の酸化物や水酸化物等
には接合がより容易であるため、シリカ、金以外の金
属、並びに金化合物を共存させれば、「金超微粒子」と
「金以外の金属の酸化物や水酸化物等」との接合体がシ
リカ上に容易に担持される。換言すれば、「金」が「金
以外の金属」を介してシリカ上に担持されることとな
り、目的とする触媒反応に対し好ましい性質を引き出す
ことが可能となる場合がある。すなわち、本願発明の方
法は、シリカ等の、本来金を超微粒子のかたちで担持さ
せることが困難な担体に対しても好適に適用することが
可能であるという利点を有する。尚、担体が成型体であ
る場合において、該成型体の形状や大きさ、成形方法等
は、特に限定されるものではない。
【0028】担体を用いる場合における金化合物と該担
体との量的関係は、最終的に担体に担持される担持量が
メタル状の金として1重量%以下であることが好まし
く、0.5重量%以下であることがより好ましく、0.
2重量%以下であることが特に好ましい。上記担持量が
小さいほど金超微粒子を得ることが容易になるが、この
金含有複合体を触媒として用いた場合には触媒性能が充
分でないことがあり、使用目的によって自ずと限界があ
る。また、該担持量が1重量%を超える場合には金の分
散度が低下して金超微粒子を得ることができない場合が
あり、この金含有複合体を触媒として用いれば、金単位
重量当たりの比活性が低下する虞がある。また、金化合
物と金属化合物とのモル比は、特に限定されるものでは
ないが、0.001〜1の範囲内がより好ましい。
【0029】製造方法Aにおいて、上記金化合物と、金
属化合物と、必要に応じて担体とを用いて固形物を得る
方法としては、具体的には、例えば、金化合物と金属化
合物とを溶媒に溶解させることによって溶液を調製した
後、該溶液から溶媒を除去する方法や、若しくは、上記
溶液に担体を添加すると共に、該溶液から溶媒を除去す
る方法などを採用することができる。溶媒に金化合物と
金属化合物とを溶解させる順序、つまり、溶液の調製方
法は、特に限定されるものではない。また、担体を用い
る場合には、溶液に担体を添加した後、該溶液から溶媒
を除去することが好ましい。添加された担体は、撹拌さ
れることにより溶液中に分散・懸濁されると共に、その
表面に金化合物と金属化合物とが析出する。さらに、溶
液から溶媒を除去する方法としては、具体的には、例え
ば、エバポレータ等を用いて、必要に応じて加温しなが
ら減圧状態で留去する方法;ろ過する方法;等を採用す
ることができるが、特に限定されるものではない。
【0030】以下、製造方法Aで担体を用いて固形物を
得る方法として、特に、含浸法、浸析法、並びにイオン
交換法を採用する場合を例に挙げて説明を行う。
【0031】上記の含浸法では、担体を、金化合物と金
属化合物とが均一に溶解されてなる溶液に投入後、一定
時間放置し、続いて溶媒を留去(除去)することによ
り、溶液中の金化合物と金属化合物とが付着あるいは結
合されてなる担体(固形物)が得られる。溶媒の留去
は、例えばエバポレータ等の装置を用いて減圧下または
常圧下で行うことができ、その際に加温してもよい。
【0032】上記の浸析法では、担体を、金化合物と金
属化合物とが均一に溶解されてなる溶液に投入後、一定
時間静置あるいは撹拌し、続いて溶液がろ過される。こ
れにより、溶液中の金化合物と金属化合物とが付着ある
いは結合されてなる担体(固形物)がろ別される。ろ別
された固形物は、必要に応じて適当な溶媒で洗浄しても
よい。
【0033】上記のイオン交換法では、イオン交換能を
有する担体を、金化合物と金属化合物とがそれぞれイオ
ンあるいはイオン性化合物として均一に溶解されてなる
溶液に投入後、一定時間静置あるいは撹拌し、続いて溶
液がろ過される。これにより、溶液中の金化合物と金属
化合物とが表面に結合されてなる担体(固形物:金含有
固形物)がろ別される。ろ別された固形物は、必要に応
じて適当な溶媒で洗浄してもよい。
【0034】上記浸析法・イオン交換法において、担体
投入後の溶液を静置あるいは撹拌する際の温度は、使用
される金化合物や金属化合物の熱安定性を考慮して決め
られるが、一般には0℃〜150℃の範囲内であること
がより好ましい。また、上記溶液を静置あるいは撹拌す
る時間は特に限定されるものではないが、1秒〜24時
間の範囲内であることがより好ましい。また、金化合物
と金属化合物とを溶解する溶媒や、固形物を洗浄する溶
媒としては、水を好適に使用することができる。
【0035】上記の含浸法・浸析法・イオン交換法で使
用される溶液おける金化合物の濃度は特に限定されるも
のではないが、0.01mmol/L〜100mmol
/Lの範囲内であることがより好ましい。
【0036】上記の方法によって得られた固形物を、必
要に応じて乾燥した後、焼成することにより、本発明に
かかる金含有複合体が製造される。即ち、金化合物と金
属化合物とを含む溶液から溶媒を留去して得られる固形
物を焼成した場合には、金超微粒子と金属酸化物または
金属水酸化物とが複合されてなる金含有複合体、即ち、
金超微粒子が金属酸化物または金属水酸化物に均一に分
散した状態で固定化(複合化)されてなる金含有複合体
が得られる。一方、該溶液に担体を添加すると共に、該
溶液から溶媒を留去して得られる固形物を焼成した場合
には、金超微粒子と金属酸化物または金属水酸化物とが
複合された状態で担体に担持されてなる金含有複合体、
即ち、金超微粒子と、金属酸化物または金属水酸化物と
が複合された状態で、かつ、担体に均一に分散した状態
で固定化されてなる金含有複合体が得られる。
【0037】固形物の乾燥は、該固形物に残存する溶媒
等の軽沸点成分を、焼成に先立って除去するために行
う。固形物の乾燥は、0℃〜180℃程度の温度で、1
時間〜24時間程度行えば充分である。乾燥雰囲気は、
特に限定されるものではなく、空気中であってもよく、
窒素ガスやヘリウムガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガ
ス等の不活性ガス中であってもよく、或いは、水素ガス
等の還元性ガス中であってもよい。また、空気と不活性
ガスとの混合ガスや、不活性ガスと還元性ガスとの混合
ガス、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス、空気と酸素
ガスとの混合ガス、空気と不活性ガスと酸素ガスとの混
合ガス等の雰囲気下であってもよい。さらには、乾燥雰
囲気は、乾燥条件によっては、水蒸気を含む上記各種ガ
スの雰囲気下であってもよい。その上、乾燥雰囲気は、
乾燥条件によっては、上記各種ガスを用いない真空雰囲
気とすることもできる。尚、乾燥条件は、特に限定され
るものではない。また、固形物に軽沸点成分が残存して
いない場合には、溶媒を留去して得られる固形物を、乾
燥することなく焼成することもできる。
【0038】固形物の焼成は、製造方法Aにおいては該
固形物に含まれる金化合物を金(メタル)に変換すると
共に、金属化合物を金属酸化物または金属水酸化物に変
換する目的で行う。即ち、固形物を焼成することによ
り、金化合物をメタル状の金超微粒子とし、該金超微粒
子を金属酸化物または金属水酸化物に強固に固定化(複
合化)するか、若しくは、金超微粒子と、金属酸化物ま
たは金属水酸化物とを複合した状態で担体に強固に固定
化する。
【0039】固形物を焼成する際の温度は、100℃以
上であればよく、特に限定されるものではないが、10
0℃〜800℃の範囲内がより好ましく、150℃〜6
00℃の範囲内がさらに好ましく、180℃〜500℃
の範囲内が特に好ましい。焼成温度が100℃未満であ
ると、金化合物や金属化合物を構成する有機物が金含有
複合体に残存するおそれがある。一方、焼成温度が80
0℃を超えると、還元された金の粒子径が大きくなり、
超微粒子とならないおそれがある。つまり、金超微粒子
が備える特異的な性質(触媒性能等)を利用することが
できる金含有複合体が得られなくなるおそれがある。
【0040】焼成時間は、焼成温度等に応じて設定すれ
ばよく、特に限定されるものではないが、より好ましく
は1時間〜24時間程度、さらに好ましくは2時間〜6
時間程度行えば充分である。焼成雰囲気は、特に限定さ
れるものではなく、空気中であってもよく、窒素ガスや
ヘリウムガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の不活
性ガス中であってもよく、或いは、水素ガス等の還元性
ガス中であってもよい。また、空気と不活性ガスとの混
合ガスや、不活性ガスと還元性ガスとの混合ガス、不活
性ガスと酸素ガスとの混合ガス、空気と酸素ガスとの混
合ガス、空気と不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス等の
雰囲気下であってもよい。即ち、固形物を還元性ガスの
雰囲気下で焼成することができる。さらには、焼成雰囲
気は、焼成条件によっては、水蒸気を含む上記各種ガス
の雰囲気下であってもよい。その上、焼成雰囲気は、焼
成条件によっては、上記各種ガスを用いない真空雰囲気
とすることもできる。上記例示の焼成雰囲気のうち、酸
素ガスを含む上記各種ガスの雰囲気下がより好ましい。
酸素ガスの存在下で固形物を焼成すると、金化合物や金
属化合物を構成する有機物が完全酸化反応(燃焼)する
ので、該有機物を容易に除去することができる。尚、焼
成方法は、上記例示の方法にのみ限定されるものではな
い。
【0041】一方、上記の製造方法Bでは、はじめに、
製造方法Aの説明にて記載した「担体」が「金以外の金
属」を担持してなる金属担持担体(金以外の金属を担持
してなる担体)が調製される。この金属担持担体に担持
されている「金以外の金属」の化学的な形態は特に限定
されるものではなく、例えば、イオン、酸化物、水酸化
物の形態で担持されていてもよい。
【0042】金以外の金属を担体に担持させて金属担持
担体を調製する方法は特に限定されるものではなく、例
えば、含浸法、イオン交換法、ゾル−ゲル法などの従来
公知のあらゆる方法を採用することが可能である。ま
た、必要に応じて、上記金属担持担体を金化合物を含む
溶液に添加する以前に、該金属担持担体を300℃〜1
000℃の範囲内の温度で焼成してもよい。
【0043】上記金属担持担体として、具体的には、例
えば、リチウム−シリカ、セシウム−シリカ、マグネシ
ウム−シリカ、バリウム−シリカ、ランタン−シリカ、
チタン−シリカ(チタニア−シリカも含む)、ジルコニ
ウム−シリカ(ジルコニア−シリカも含む)、アルミニ
ウム−シリカ(アルミナ−シリカも含む)、銅−シリ
カ、亜鉛−シリカ、等のシリカ(担体)に金以外の金属
元素が担持されてなる金属担持担体;チタン−アルミ
ナ、パラジウム−アルミナ、等のアルミナ(担体)に金
以外の金属元素が担持されてなる金属担持担体;バナジ
ウム−チタニア、ルテニウム−チタニア、等のチタニア
(担体)に金以外の金属元素が担持されてなる金属担持
担体;チタン−MCM41、白金−Y型ゼオライト、等
のゼオライト(担体)に金以外の金属元素が担持されて
なる金属担持担体;等が好適に使用される。
【0044】上記金属担持担体を、ハロゲン元素を含有
しない金化合物を含む溶液に添加する工程においては、
使用される金化合物や、該金化合物を溶解する溶媒とし
て製造方法Aと同様のものを使用することができるの
で、その詳細な説明を省略する。尚、製造方法Bでは、
該溶媒が少なくとも金化合物を溶解可能であればよく、
製造方法Aにおける金属化合物を溶解可能か否かは問題
とならない。
【0045】なお、製造方法Bにおいて使用される金化
合物と金属担持担体とのモル比(金化合物/金属担持担
体)は、両者の組成や組み合わせ、或いは所望する金含
有複合体の組成等に応じて設定すればよく、特に限定さ
れるものではないが、0.00001〜0.01の範囲
内であることがより好ましい。
【0046】また、上記金属担持担体における「金以外
の金属」の含有量は特に限定されるものではないが、金
属酸化物として担持される場合には、担体に対して0.
01重量%〜10重量%の範囲内であることがより好ま
しい。金以外の金属の含有量が上記値の範囲外であれ
ば、該金属を担持させる効果が現れない場合がある。金
属担持担体において金以外の金属は、金属酸化物、金属
水酸化物、あるいはイオンとして、担体表面に一層以下
の厚さで、島状、あるいはイオン状態で存在することが
より望ましい。金以外の金属の担持量が多過ぎる場合、
より具体的には上記含有量が10重量%を超える場合に
は、担体表面において該金属が一層を超える厚さとな
り、金超微粒子を得ることが困難となる場合がある。
【0047】上記金化合物と金属担持担体とを用いて固
形物を得る工程では、上記製造方法Aにて担体が使用さ
れる場合と同様に、含浸法、浸析法、並びにイオン交換
法などの方法を採用し、金属担持担体を上記溶液に添加
後、該溶液から溶媒を除去すればよく、詳細な説明を省
略する。また、得られた固形物は、上記製造方法Aと同
様にして焼成すればよく、この焼成工程において金化合
物がメタル状の金超微粒子とされる。すなわち、金超微
粒子が金属担持担体に強固に固定化されてなる、本発明
にかかる金含有複合体が製造される。
【0048】ところで、本発明にかかる金含有複合体の
製造方法(製造方法A・B)、即ち、本発明における金
化合物を用いた製造方法を採用しないで、ハロゲン元素
を含有する金化合物(以下、ハロゲン含有金化合物と記
す)を用いた製造方法を採用した場合には、得られる金
含有複合体に含有される金の粒子はそのほとんどが直径
10nmを超え、その平均粒子径が100nm以上にな
りやすい。例えば、一般的に最も入手容易なハロゲン含
有金化合物であるテトラクロロ金(III) 酸を溶解してな
る水溶液に担体を添加し、該担体にテトラクロロ金(II
I) 酸を含浸させた後、乾燥・焼成する方法では、担持
される金の粒子は直径10nmを超え、その平均粒子径
は100nmを超えてしまう。従って、該方法では、金
超微粒子を調製することが困難であり、それゆえ、金超
微粒子が備える特異的な性質を充分に引き出すことがで
きる金含有複合体を製造することができない。ハロゲン
含有金化合物を用いた製造方法において金超微粒子が形
成されない理由について、以下に説明する。
【0049】金化合物(またはハロゲン含有金化合物)
に含有されている1価または3価の金(イオン)は、通
常、150℃以上の温度に曝すことによって、0価の金
(メタル)に変化する。本願発明者等が鋭意検討した結
果、金超微粒子を調製するためには、上記変化が生じる
際に、金と担体とが強い相互作用を築くことができるよ
うに条件を整えることが重要であると推察された。
【0050】ところが、ハロゲン含有金化合物は、ハロ
ゲンを対アニオンとして含有しており、金とハロゲンと
の結合が強固であるので、金(メタル)が生成する際
に、金と担体とが強い相互作用を築くことができない。
このため、金(メタル)が生成する際に、粒子が大きく
成長するので、金超微粒子が形成されない。
【0051】これに対し、本発明にかかる製造方法A・
Bにおいては、前記金化合物と金属化合物とを用いるの
で、金(メタル)が生成する際に、金と金以外の金属と
が原子レベルで強い相互作用を築くことができると推察
される。このため、金(メタル)が生成する際に、粒子
が大きく成長することが抑制されるので、金超微粒子が
効率的に形成される。つまり、担体上に、金超微粒子が
金属酸化物または金属水酸化物に均一に分散した状態で
固定化(複合化)されるか、若しくは、金超微粒子と、
金属酸化物または金属水酸化物とが複合された状態で、
かつ、担体に均一に分散した状態で固定化される。
【0052】上記の製造方法Aによって製造される金含
有複合体、つまり、本発明にかかる金含有複合体は、金
超微粒子が金属酸化物または金属水酸化物に均一に分散
された状態で固定化されてなっている。該金含有複合体
としては、具体的には、例えば、Au/Fe2 3 、A
u/TiO2 、Au/Mg(OH)2 、Au/Mn2
3 等が挙げられる。
【0053】若しくは、上記の製造方法Aによって製造
される金含有複合体、つまり、本発明にかかる金含有複
合体は、金超微粒子と、金属酸化物または金属水酸化物
とが複合された状態で、かつ、担体に均一に分散された
状態で固定化されてなっている。該金含有複合体として
は、具体的には、例えば、Au/TiO2 /SiO2
Au/Fe2 3 /Al2 3 、Au/CuO/SiO
2 、Au/PdO/ゼオライト等が挙げられる。本発明
にかかる製造方法Aは、用いる担体の種類(組成)を問
わないので、従来の製造方法においては用いることが困
難であった担体も用いることができる。
【0054】なお、本発明にかかる製造方法Bでも、例
えば、1)担体としてFe2 3 等の金属酸化物やMg
(OH)2 等の金属水酸化物を使用すること、または、
2)金属担持担体としてチタニア−シリカ等を使用する
ことにより、上記製造方法Aにて得られる金含有複合体
を同様の組成からなる金含有複合体を得ることができ
る。
【0055】上記金含有複合体に含有される金超微粒子
は、比較的狭い粒子径分布を有しており、その平均粒子
径は100nm以下であり、より好ましくは25nm以
下であり、さらに好ましくは10nm以下である。即
ち、本発明にかかる金含有複合体は、平均粒子径が10
0nm以下、より好ましくは25nm以下、さらに好ま
しくは10nm以下の金超微粒子を含有している。
【0056】本発明にかかる製造方法によれば、従来の
製造方法と比較して簡便に、かつ、不純物の混入を招来
することなく金含有複合体を製造することができる。さ
らに具体的には、本発明にかかる製造方法A・Bによれ
ば、特定組成の担体を用いる必要が無い、溶液のp
Hを調節する必要が無い、従って、pHの調節に用いた
アルカリ金属等の成分が金含有複合体に残存することが
無い、該溶液に含まれる金化合物を全て利用すること
ができる、得られる金含有複合体に含有される金超微
粒子の粒子径が均一になる、等の種々の効果を奏するこ
とができる。
【0057】さらに上記製造方法Bは従来法と比較して
再現性に優れるとともに、10nm以下の粒子径を有す
る金超微粒子を金属担持担体上に確実に担持(固定化)
させることが可能な方法である。また、該製造方法Bに
よれば、従来法では困難であった金属担持担体の金担持
量を制御することが容易となるという効果も併せて奏す
る。
【0058】製造方法Bは、金超微粒子の固定(金超微
粒子との複合化)が困難とされるされるシリカ系担持体
(金属担持担体の一種)に金超微粒子を固定する際に特
に効果的である。通常のシリカ担体(SiO2 )に対し
ては該製造方法Bによっても金超微粒子を担持させるこ
とは困難であるが、金以外の金属を担持してなるシリカ
(担体)を用いることにより、その表面に金超微粒子を
固定化することが容易となる。その理由は必ずしも明確
ではないが、シリカ表面と金メタルとは相互作用が小さ
く、そのままでは焼成あるいは還元過程において金粒子
が大きく成長してしまうが、金以外の金属の存在によ
り、シリカ表面と金メタルとの相互作用が増加する、あ
るいは、金の粒子径の増加が抑制されること等が考えら
れる。なお、金以外の金属としては、例えば、アルカリ
金属;アルカリ土類金属;チタンや銅などの遷移元素
(遷移金属);など、上記説明の金属が使用できる。
【0059】例えば、チタン原子(Ti:金以外の金
属)がシリカ(担体)に担持されてなる金属担持担体に
対し、本製造方法Bにより金超微粒子を固定することが
できるが、該シリカにおけるチタン原子の存在状態は、
通常チタニアと呼ばれる酸化物内でのチタン原子の存在
状態とは異なると考えられる。特にシリカの比表面積が
大きく、チタン原子の担持量が小さい場合には、チタン
原子はシリカマトリクスに高分散担持される必要があ
り、通常のチタニアとはその性質が全く異なり、アナタ
ーゼ構造やルチル構造等の結晶構造をとることができな
いとされている。
【0060】すなわち、チタニア(担体)に金超微粒子
が固定される機構と、例えば、チタン原子が高分散担持
されたシリカ(金属担持担体)に金超微粒子が固定され
る機構とでは全く異なると考えられる。よって、チタニ
アに対しては、金超微粒子の固定が比較的容易とされる
が、これをもってチタン原子が高分散担持されたシリカ
に対し、金超微粒子の固定が容易であるとは推測される
ものではない。
【0061】また、例えば、アルカリ金属を担持してな
るシリカ(金属担持担体)に対しても、製造方法Bによ
り金超微粒子を好適に固定することが可能であるが、こ
れもまた容易に想定される現象ではない。
【0062】なお、製造方法Bにて製造される金含有複
合体に関し、金属担持担体の金(メタル)担持量は特に
限定されるものではないが、金属担持担体重量をベース
として0.0002重量(質量)%を超え1.0重量%
以下の範囲内であることがより好ましく、0.001重
量%〜1.0重量%の範囲内であることがさらに好まし
く、0.005重量%〜0.5重量%の範囲内であるこ
とが特に好ましい。金担持量が金属担持担体重量をベー
スとして1.0重量%を超えると、金属担持担体に担持
される金の粒子径にばらつきが生じ、金超微粒子を含ん
でなる金含有複合物を得ることが困難となる虞がある。
そして、このような金含有複合体を触媒として使用すれ
ば、金単位量当たりの比活性が低くなってしまう。一
方、金担持量を少なくするにつれ、金超微粒子を含んで
なる金含有複合物を得ることが容易となるが、金担持量
が0.0002重量%未満となれば、触媒の比活性(触
媒の単位量当たりの活性)が低下してしまう虞がある。
【0063】本発明にかかる金含有複合体はいずれも、
金超微粒子が備える特異的な性質(触媒性能等)を充分
に引き出すことにより、例えば、各種酸化反応や各種還
元反応等の触媒等として、より具体的には、一酸化炭素
や水素の酸化反応(燃焼);アルケン(例えば、プロピ
レン等)等の炭化水素の部分酸化反応や完全酸化反応
(燃焼);アルコールのアルデヒドまたはケトンへの酸
化反応や脱水素反応;アルカンやアルケンの水素化反
応;二酸化炭素のメチルアルコールへの水素化反応;一
酸化窒素の窒素分子への還元反応;水性ガスシフト反
応;水やアルコール、カルボン酸等の光分解反応;等の
各種有用な反応の触媒等として、さらには、各種ガスセ
ンサーや電極材料等として好適に用いることができる。
【0064】特に製造方法Bにより得られた金含有複合
酸化物は、10nm以下の金超微粒子を有し、かつ該金
超微粒子が高比表面積を有する金属担持担体上に固定さ
れているという特性を有し、上記反応の中でも、一酸化
炭素や水素の酸化反応、並びに、炭化水素の部分酸化反
応や完全酸化反応、などの酸化反応に特に好適に使用可
能である。
【0065】尚、本発明にかかる金含有複合体を触媒と
して用いることができる反応は、上記例示の反応にのみ
限定されるものではない。また、金含有複合体を触媒と
して用いた場合の反応は、気相・液相の何方の反応形態
を採用することもできる。該反応の反応条件は、特に限
定されるものではない。
【0066】また、上記製造方法Aまたは製造方法Bで
得られた金含有複合体を還元処理することにより、金属
酸化物、金属水酸化物、または金属イオン等として存在
する金以外の金属をメタル状に変換することができる。
即ち、前記の固形物を焼成した後にさらに還元処理する
か、若しくは、固形物を還元性ガスの雰囲気下で乾燥お
よび/または焼成する(還元処理する)ことにより、金
属酸化物、金属水酸化物、または金属イオン等として存
在する金以外の金属を還元してメタル状の金属微粒子と
し、該金属微粒子と金超微粒子とを複合させて、微粒子
状の合金を形成することもできる。該還元処理を施すこ
とにより、本発明にかかる他の金含有複合体を得ること
ができる。もちろん、上記金属の性質にもよるが、焼成
および還元処理の条件や、還元剤を適切に選択すること
により、金を選択的にメタル状として金超微粒子のみを
得ることもできるし、金および金以外の金属の双方がメ
タル状になり金超微粒子および金属微粒子をともに存在
させることもでき、さらには、金と金属とからなる合金
微粒子を得ることもできる。また、金超微粒子;金属微
粒子;金と金属とからなる合金微粒子;の少なくとも2
つが共存してなるものも製造することができる。
【0067】固形物を焼成した後にさらに還元処理する
方法は、特に限定されるものではなく、例えば、焼成後
の固形物(金含有複合体)を、還元剤や還元性ガス等の
還元性化合物の存在下、気相または液相で処理する方法
等の、一般的な方法を適用することができる。液相で還
元処理する場合には、例えば、水素ガス、アルコール、
ホルマリン、或いは、ヒドラジンや水素化ホウ素ナトリ
ウム等の還元剤を用い、液相中に焼成後の固形物を懸濁
させて処理すればよい。一方、気相で還元処理する場合
には、例えば、水素ガスや一酸化炭素ガス、炭化水素ガ
ス、アルコールガス等の還元性ガスを用い、焼成前の固
形物を必要に応じて加温しながら処理すればよい。
【0068】金含有複合体に含有される金粒子(金超微
粒子、または、金と金以外の金属との合金超微粒子)に
おける金の割合は、特に限定されるものではないが、5
重量%以上であることがより好ましい。金の割合が5重
量%未満である場合には、金超微粒子が備える特異的な
性質(触媒性能等)を充分に引き出すことができない
(各種機能が発現しない)場合があり、従って、各種反
応の触媒、或いは、各種ガスセンサーや電極材料等とし
て好適に用いることができないおそれがある。
【0069】該金含有複合体としては、具体的には、例
えば、Au−Cu合金がシリカに均一に固定化された複
合体、Au−Pd合金がゼオライトに均一に固定化され
た複合体等が挙げられる。該金含有複合体は、上記酸化
反応や還元反応等の各種反応の触媒等として好適に用い
ることができる。
【0070】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。なお、以下に示す実施例および
比較例のうち、実施例1〜3、20と比較例1、2、6
とは上記説明の製造方法Aに関するものであり、実施例
4〜19と比較例3〜5とは上記説明の製造方法Bに関
するものである。
【0071】〔実施例1〕ジメチル金(III) アセチルア
セトナート(金化合物)0.083g(0.25ミリモ
ル)、および、チタニルアセチルアセトナート(金属化
合物)1.63g(6.24ミリモル)をメチルアルコ
ール(溶媒)に溶解してなる溶液200mlに、担体と
してのシリカ(市販品)50gを浸漬した。その後、エ
バポレータを用いてメチルアルコールを減圧状態で留去
した。得られた固形物を120℃で10時間乾燥させ
た。次いで、該固形物を、空気中で300℃、3時間焼
成した。
【0072】これにより、金超微粒子と酸化チタンとが
複合された状態でシリカに均一に固定化されてなる金含
有複合体、即ち、本発明にかかる金含有複合体を得た。
金含有複合体を蛍光X線分析した結果、該金含有複合体
における金の担持量は約0.1重量%であり、チタンの
担持量は約1.0重量%(TiO2 換算)であった。ま
た、金含有複合体に含有される金粒子の大きさを透過型
電子顕微鏡にて観察したところ、該金粒子の平均粒子径
は25nm以下であった。
【0073】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として用いて、プロピレンの部分酸化反応を行った。即
ち、得られた金含有複合体2.5mlを内径10mmの
ステンレス製反応管に充填した後、該反応管を200℃
のオイル浴に浸漬した。次いで、反応管内に、トリメチ
ルメトキシシラン蒸気を約25容量%の割合で含むアル
ゴンガス(混合ガス)を流量100ml/分で約30分
間、同温度で流通させることにより、金含有複合体のシ
リル化処理を行った。その後、アルゴンガスを流量10
0ml/分で約10分間、同温度で流通させた。
【0074】上記の操作後、触媒層を200℃に保持し
た反応管内に、プロピレン、水素、酸素、およびアルゴ
ンを体積比(プロピレン/水素/酸素/アルゴン)10
/10/10/70の割合で含む原料ガスを、空間速度
2,000hr-1で供給した。これにより、プロピレン
を常圧で連続的に部分酸化反応させた。
【0075】反応開始1時間後に、反応管出口の生成ガ
スを採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)を用い
て、その組成を分析した。その結果、プロピレンの転化
率は3.2%であり、反応生成物であるプロピレンオキ
シドへの選択率は92%であった。従って、プロピレン
オキシドの収率は2.9%であった。
【0076】〔比較例1〕ジメチル金(III) アセチルア
セトナートの代わりに、テトラクロロ金(III) 酸・4水
塩0.103g(0.25ミリモル)を用いた以外は、
実施例1と同様の操作を行うことにより、比較用の金含
有複合体を得た。つまり、本発明における「金化合物」
の範疇に入らないテトラクロロ金(III) 酸・4水塩を用
いて、比較用金含有複合体を得た。
【0077】比較用金含有複合体を蛍光X線分析した結
果、該比較用金含有複合体における金の担持量は約0.
1重量%であり、チタンの担持量は約1.0重量%(T
iO2 換算)であった。また、比較用金含有複合体に含
有される金粒子の大きさを透過型電子顕微鏡にて観察し
たところ、該金粒子の平均粒子径は100nmを超えて
いた。
【0078】次に、上記比較用金含有複合体を酸化反応
用触媒として用いて、実施例1と同一の反応条件・方法
でプロピレンの部分酸化反応を行い、反応開始1時間後
の生成ガスの組成を分析した。その結果、プロピレンオ
キシドの収率は0.3%であった。
【0079】〔実施例2〕ジメチル金(III) アセチルア
セトナート(金化合物)0.033g(0.1ミリモ
ル)、および、チタニルアセチルアセトナート(金属化
合物)7.83g(30ミリモル)をメチルアルコール
(溶媒)に溶解してなる溶液300mlを調製し、続い
てエバポレータを用いて上記溶液からメチルアルコール
を減圧状態で留去した。得られた固形物を、空気中で4
00℃、3時間焼成することにより、金超微粒子がチタ
ニアに担持されてなる金含有複合体(Au−Ti
2 )、即ち、本発明にかかる金含有複合体を得た。
【0080】金含有複合体を蛍光X線分析した結果、該
金含有複合体における金の担持量(含有量)は0.8重
量%であった。また、金含有複合体に含有される金超微
粒子の大きさを透過型電子顕微鏡にて観察したところ、
粒子径10nm以下のものが存在することが確認され
た。
【0081】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として用いて、プロピレンの部分酸化反応を行った。即
ち、得られた金含有複合体1gを内径8mmのガラス製
反応管に充填した後、前処理として該反応管を電気ヒー
ターにて280℃に加温しながら、反応管内に空気を1
00ml/分の流量で約20分間流通させた。
【0082】次いで、反応管を130℃のオイル浴に浸
漬し、該反応管内に、プロピレン、水素、酸素、および
アルゴンを体積比(プロピレン/水素/酸素/アルゴ
ン)10/10/10/70の割合で含む原料ガスを、
空間速度1,000hr-1で供給した。これにより、プ
ロピレンを常圧で連続的に部分酸化反応させた。
【0083】反応開始10分後に、反応管出口の生成ガ
スを採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)を用い
て、その組成を分析した。この分析結果から、プロピレ
ンの部分酸化反応生成物であるプロピレンオキシドの収
率をもとめたところ、0.9%であった。
【0084】〔実施例3〕ジメチル金(III) アセチルア
セトナート0.50g(1.51ミリモル)、および、
銅アセチルアセトナート(金属化合物)3.29g(1
2.4ミリモル)をメチルアルコールに溶解してなる溶
液500mlに、シリカ(市販品)100gを浸漬し
た。その後、エバポレータを用いてメチルアルコールを
減圧状態で留去した。得られた固形物を120℃で10
時間乾燥させた。次いで、該固形物を、空気中で300
℃、3時間焼成した。
【0085】これにより、金超微粒子と酸化銅とが複合
された状態でシリカに均一に固定化されてなる金含有複
合体、即ち、本発明にかかる金含有複合体を得た。金含
有複合体を蛍光X線分析した結果、該金含有複合体にお
ける金の担持量は約0.3重量%であり、銅の担持量は
約1.0重量%(CuO換算)であった。また、金含有
複合体に含有される金粒子の大きさを透過型電子顕微鏡
にて観察したところ、該金粒子の平均粒子径は25nm
以下であった。
【0086】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として用いて、プロピレンの部分酸化反応を行った。即
ち、得られた金含有複合体2.5mlを内径10mmの
ステンレス製反応管に充填した後、該反応管を電気炉に
入れて触媒層を280℃に加熱した。その後、該反応管
内に、プロピレン、酸素、およびヘリウムを体積比(プ
ロピレン/酸素/ヘリウム)20/10/70の割合で
含む原料ガスを、空間速度800hr-1で供給した。こ
れにより、プロピレンを常圧で連続的に部分酸化反応さ
せた。
【0087】反応開始1時間後に、反応管出口の生成ガ
スを採取し、ガスクロマトグラフィーを用いて、その組
成を分析した。その結果、プロピレンの転化率は10.
8%であり、反応生成物であるアクロレインへの選択率
は84%であった。従って、アクロレインの収率は9.
1%であった。
【0088】〔比較例2〕ジメチル金(III) アセチルア
セトナート、銅アセチルアセトナートおよびメチルアル
コールの代わりに、テトラクロロ金(III) 酸・4水塩
0.620g(1.51ミリモル)、硝酸銅・3水和物
2.99g(12.4ミリモル)および水を用いた以外
は、実施例2と同様の操作を行うことにより、比較用の
金含有複合体を得た。つまり、本発明における「金化合
物」の範疇に入らないテトラクロロ金(III) 酸・4水塩
を用いて、比較用金含有複合体を得た。
【0089】比較用金含有複合体を蛍光X線分析した結
果、該比較用金含有複合体における金の担持量は約0.
3重量%であり、銅の担持量は約1.0重量%(CuO
換算)であった。また、比較用金含有複合体に含有され
る金粒子の大きさを透過型電子顕微鏡にて観察したとこ
ろ、該金粒子の平均粒子径は100nmを超えていた。
【0090】次に、上記比較用金含有複合体を酸化反応
用触媒として用いて、実施例3と同一の反応条件・方法
でプロピレンの部分酸化反応を行い、反応開始1時間後
の生成ガスの組成を分析した。その結果、アクロレイン
の収率は3.4%であった。
【0091】〔実施例4〕金化合物としてのジメチル金
(III) アセチルアセトナート0.0326g(0.10
mmol)を溶解してなるメチルアルコール溶液40m
lに、金属担持担体としてのTi−SiO2 (市販シリ
カ(10〜20メッシュ:担体)にTi(金以外の金
属)を担持させ、空気中900℃で焼成したもの;比表
面積288m2 /g)20gを浸漬し、エバポレータを
用いて常圧下でメチルアルコールを留去した。続いて、
得られた固形物を、空気中で300℃・3時間の条件で
焼成することにより、金およびチタンがシリカ(酸化ケ
イ素)に担持(固定)されてなる金含有複合体(Au−
Ti−SiO2 )を得た。蛍光X線分析法で分析した、
この金含有複合体に占めるTi(チタニア換算)および
金(メタル換算)の含有量(担持量)は、順に、0.5
重量%、0.10重量%であった。また、該金含有複合
体を透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、担持さ
れた金超微粒子には粒子径10nm以下のものが存在す
ることが確認された。
【0092】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として、プロピレンの部分酸化反応を行った。すなわ
ち、得られた金含有複合体2.5ml(cc)を内径1
0mmのステンレス製反応管に充填した後、該反応管を
200℃のオイル浴に浸漬した。続いて、アルゴンガス
を流量100ml/分で約10分間、同温度で流通させ
た。
【0093】上記の操作後、触媒層を200℃に保持し
た反応管内に、プロピレン、水素、酸素、およびアルゴ
ンを体積比(プロピレン/水素/酸素/アルゴン)10
/10/10/70の割合で含む原料ガス(混合ガス)
を、空間速度2,000hr-1で供給した。これによ
り、プロピレンを常圧で連続的に部分酸化反応させた。
【0094】反応開始1時間後に、反応管出口の生成ガ
スを採取し、ガスクロマトグラフィーを用いてその組成
を分析した。この分析結果から、プロピレンの部分酸化
反応生成物であるプロピレンオキシドの収率をもとめた
ところ、2.1%であった。
【0095】〔比較例3〕ハロゲンを対アニオンとして
有する、テトラクロロ金(III) 酸0.0340g(0.
10ミリモル)を溶解してなる水溶液40mlに、実施
例3で使用したTi−SiO2 を20g浸漬し、エバポ
レータを用いて水を留去し、続いて、得られた固形成分
を空気中で300℃・3時間の条件で焼成することによ
り、金およびチタンがシリカに担持されてなる比較用金
含有複合体(Au−Ti−SiO2)を得た。蛍光X線
分析法で分析した、この比較用金含有複合体に占めるA
u(メタル換算)およびTi(チタニア換算)の担持量
は、順に、0.10重量%、0.5重量%であった。ま
た、該比較用金含有複合体を透過型電子顕微鏡を用いて
観察したところ、粒子径が10nm以下の金超微粒子は
担持されていないことが確認された。
【0096】次に、上記比較用金含有複合体を酸化反応
用触媒とした以外は、上記実施例4と同一の条件でプロ
ピレンの部分酸化反応、並びに生成ガスのガスクロマト
グラフィーによる分析を行い、プロピレンオキシドの収
率をもとめた。該収率は0.1%未満であり、上記実施
例4の結果と比較して明らかに低かった。
【0097】〔実施例5〕金化合物としてのジメチル金
(III) アセチルアセトナート0.0133g(0.04
1ミリモル)を溶解してなるメチルアルコール溶液10
0mlに、金属担持担体としてのMg−Ti−SiO2
(市販シリカ(10〜20メッシュ:担体)にMg及び
Ti(金以外の金属)を担持させ、空気中900℃で焼
成したもの;比表面積246m2 /g)50gを浸漬
し、エバポレータを用いて常圧下でメチルアルコールを
留去した。続いて、得られた固形物を、空気中で400
℃・3時間の条件で焼成することにより、金、マグネシ
ウム、並びにチタンがシリカに担持されてなる金含有複
合体(Au−Mg−Ti−SiO2 )を得た。蛍光X線
分析法で分析した、この金含有複合体に占めるAu、M
g(それぞれメタル換算)、並びにTi(チタニア換
算)の含有量は、順に、0.016重量%、0.075
重量%、0.5重量%であった。また、該金含有複合体
を透過型電子顕微鏡を用いて観察し、担持された金超微
粒子には粒子径10nm以下のものが存在することが確
認された。
【0098】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
とした以外は、上記実施例4と同一の条件でプロピレン
の部分酸化反応、並びに生成ガスのガスクロマトグラフ
ィーによる分析を行い、プロピレンオキシドの収率をも
とめた。該収率は、4.1%であった。
【0099】〔実施例6〕金化合物としてのジメチル金
(III) アセチルアセトナート0.0330g(0.10
2ミリモル)を溶解してなるメチルアルコール溶液10
0mlに、金属担持担体としてのNa−Mg−Ti−S
iO2 (市販シリカ(10〜20メッシュ:担体)にN
a、Mg並びにTi(金以外の金属)を担持させ、空気
中900℃で焼成したもの;比表面積234m2 /g)
50gを浸漬し、エバポレータを用いて常圧下でメチル
アルコールを留去した。続いて、得られた固形物を、空
気中で400℃・3時間の条件で焼成することにより、
金、ナトリウム、マグネシウム、並びにチタンがシリカ
に担持されてなる金含有複合体(Au−Na−Mg−T
i−SiO2 )を得た。蛍光X線分析法で分析した、こ
の金含有複合体におけるAu、Na、Mg(それぞれメ
タル換算)、並びにTi(チタニア換算)の含有量は、
順に、0.04重量%、0.005重量%、0.075
重量%、0.5重量%であった。また、該金含有複合体
を透過型電子顕微鏡を用いて観察し、担持された金超微
粒子には粒子径10nm以下のものが存在することが確
認された。
【0100】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
とした以外は、上記実施例4と同一の条件でプロピレン
の部分酸化反応、並びに生成ガスのガスクロマトグラフ
ィーによる分析を行い、プロピレンオキシドの収率をも
とめた。該収率は5.6%とであった。
【0101】〔実施例7〕金化合物としてのジメチル金
(III) アセチルアセトナート0.053g(0.16ミ
リモル)を溶解してなるメチルアルコール溶液50ml
に、金属担持担体としてのLi−Ba−Ti−SiO2
(市販シリカ(10〜20メッシュ:担体)に、Li、
Ba、並びにTi(金以外の金属)を担持させ、空気中
600℃で焼成したもの;比表面積423m2 /g)2
0gを浸漬し、エバポレータを用いて常圧下でメチルア
ルコールを留去した。続いて、得られた固形物を、空気
中で300℃・3時間の条件で焼成することにより、
金、リチウム、バリウム、並びにチタンがシリカに担持
されてなる金含有複合体(Au−Li−Ba−Ti−S
iO2 )を得た。蛍光X線分析法で分析した、この金含
有複合体におけるAu、Li、Ba(それぞれメタル換
算)、並びにTi(チタニア換算)の含有量は、順に、
0.16重量%、0.01重量%、0.40重量%、
0.5重量%であった。また、該金含有複合体を透過型
電子顕微鏡を用いて観察し、担持された金超微粒子には
粒子径10nm以下のものが存在することが確認され
た。
【0102】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
とした以外は、上記実施例4と同一の条件でプロピレン
の部分酸化反応、並びに生成ガスのガスクロマトグラフ
ィーによる分析を行い、プロピレンオキシドの収率をも
とめた。該収率は1.5%であった。
【0103】〔実施例8〕金化合物としてのジメチル金
(III) アセチルアセトナート0.0053g(0.01
6ミリモル)を溶解してなるトルエン溶液100ml
に、金属担持担体としてのLa−Ti−SiO2 (市販
シリカ(10〜20メッシュ:担体)に、LaおよびT
iを担持させ、空気中600℃で焼成したもの;比表面
積272m2/g)40gを浸漬し、エバポレータを用
いて常圧下でトルエンを留去した。続いて、得られた固
形物を、空気中で300℃・3時間の条件で焼成するこ
とにより、金、ランタン、並びにチタンがシリカに担持
されてなる金含有複合体(Au−La−Ti−Si
2 )を得た。蛍光X線分析法で分析した、この金含有
複合体におけるAu、La、並びにTiの含有量は、順
に、0.008重量%、0.22重量%、1.0重量%
であった。また、該金含有複合体を透過型電子顕微鏡を
用いて観察し、担持された金超微粒子には粒子径10n
m以下のものが存在することが確認された。
【0104】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
とした以外は、上記実施例4と同一の条件でプロピレン
の部分酸化反応、並びに生成ガスのガスクロマトグラフ
ィーによる分析を行い、プロピレンオキシドの収率をも
とめた。該収率は1.3%であった。
【0105】〔実施例9〕金化合物としてのジメチル金
(III) アセチルアセトナート0.0106g(0.03
2ミリモル)を溶解してなるアセトニトリル溶液40m
lに、金属担持担体としてのTi−SiO2 (市販シリ
カ(10〜20メッシュ:担体)にTi(金属以外の金
属)を担持させ、空気中1000℃で焼成したもの;比
表面積181m2 /g)20gを浸漬し、エバポレータ
を用いて常圧下でアセトニトリルを留去した。
【0106】続いて、得られた固形物5mlを内径10
mmのステンレス製反応管に充填した後、該反応管を2
00℃のオイル浴に浸漬した。次いで、反応管内に、一
酸化炭素とアルゴンとを体積比1:99で含んでなる混
合ガス(還元性ガス)を流量200ml/分で約2時
間、同温度で流通させることにより、該固形物に対し焼
成処理と同時に還元処理を施した。こうして、金および
チタンがシリカに担持されてなる金含有複合体(Au−
Ti−SiO2 )を得た。蛍光X線分析法で分析した、
この金含有複合体におけるAu(メタル換算)およびT
i(チタニア換算)の含有量は、順に、0.032重量
%、1.0重量%であった。また、該金含有複合体を透
過型電子顕微鏡を用いて観察し、担持された金超微粒子
には粒子径10nm以下のものが存在することが確認さ
れた。
【0107】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
とし、原料ガスとしてプロピレン、水素、酸素、および
アルゴンを体積比(プロピレン/水素/酸素/アルゴ
ン)22/10/8/60の割合で含む混合ガスを使用
した以外は、上記実施例4と同一の条件でプロピレンの
部分酸化反応、並びに生成ガスのガスクロマトグラフィ
ーによる分析を行い、プロピレンオキシドの収率をもと
めた。該収率は1.4%であった。
【0108】〔実施例10〕金化合物としてのジメチル
金(III) アセチルアセトナート0.016g(0.04
9ミリモル)を溶解してなるジエチルエーテル溶液40
mlに、金属担持担体としてのCa−Ti−SiO
2 (市販シリカ(10〜20メッシュ:担体)にCaお
よびTi(金以外の金属)を担持させ、空気中1000
℃で焼成したもの;比表面積76m2 /g)20gを浸
漬し、エバポレータを用いて常圧下でジエチルエーテル
を留去した。
【0109】続いて、得られた固形物5mlを内径10
mmのステンレス製反応管に充填した後、該反応管を2
00℃のオイル浴に浸漬した。次いで、反応管内に、水
素とアルゴンとを体積比1:99で含んでなる混合ガス
(還元性ガス)を流量200ml/分で約1時間、同温
度で流通させることにより、該固形物に対し焼成処理と
同時に還元処理を施した。こうして、金、カルシウム、
並びにチタンがシリカに担持されてなる金含有複合体
(Au−Ca−Ti−SiO2 )を得た。蛍光X線分析
法で分析した、この金含有複合体におけるAu(メタル
換算)およびTi(チタニア換算)の含有量は、順に、
0.048重量%、0.5重量%であった。また、該金
含有複合体を透過型電子顕微鏡を用いて観察し、担持さ
れた金超微粒子には粒子径10nm以下のものが存在す
ることが確認された。
【0110】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
とした以外は、上記実施例9と同一の条件でプロピレン
の部分酸化反応、並びに生成ガスのガスクロマトグラフ
ィーによる分析を行い、プロピレンオキシドの収率をも
とめた。該収率は1.0%であった。
【0111】〔実施例11〕金化合物としてのジメチル
金(III) アセチルアセトナート0.232g(0.71
ミリモル)を溶解してなるメチルアルコール溶液100
mlに、金属担持担体としてのCs−Ti−SiO
2 (市販シリカ(10〜20メッシュ:担体)にCsお
よびTi(金以外の金属)を担持させ、空気中600℃
で焼成したもの;比表面積533m2 /g)50gを室
温にて1時間浸漬した。その後、金属担持担体が浸漬さ
れたメチルアルコール溶液100mlをろ過して固形物
をろ別し、該固形物を100mlのメチルアルコールで
3回洗浄した。
【0112】続いて、洗浄された固形物を、空気中で4
00℃・3時間の条件で焼成することにより、金、セシ
ウム、並びにチタンがシリカ(酸化ケイ素)に担持(固
定)されてなる金含有複合体(Au−Cs−Ti−Si
2 )を得た。蛍光X線分析法で分析した、この金含有
複合体におけるAu(メタル換算)およびTi(チタニ
ア換算)の含有量は、順に、0.26重量%、1.5重
量%であった。また、該金含有複合体を透過型電子顕微
鏡を用いて観察し、担持された金超微粒子には粒子径1
0nm以下のものが存在することが確認された。
【0113】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として、trans−2−ブテンの部分酸化反応を行っ
た。すなわち、得られた金含有複合体2.5mlを内径
10mmのステンレス製反応管に充填した後、該反応管
を200℃のオイル浴に浸漬した。続いて、アルゴンガ
スを流量100ml/分で約10分間、同温度で流通さ
せた。
【0114】上記の操作後、触媒層を200℃に保持し
た反応管内に、trans−2−ブテン、水素、酸素、
およびアルゴンを体積比(trans−2−ブテン/水
素/酸素/アルゴン)20/10/10/60の割合で
含む原料ガス(混合ガス)を、空間速度2,000hr
-1で供給した。これにより、trans−2−ブテンを
常圧で連続的に部分酸化反応させた。
【0115】反応開始1時間後に、反応管出口の生成ガ
スを採取し、ガスクロマトグラフィーを用いてその組成
を分析した。そして分析結果から、trans−2−ブ
テンの部分酸化反応生成物であるtrans−2,3−
ブテンオキシドの収率を、反応成績としてもとめた。該
収率は2.6%であった。
【0116】〔実施例12〕金化合物としてジメチル金
(III) アセチルアセトナートを0.020g(0.06
1ミリモル)、金属担持担体としてZn−Ti−SiO
2 (市販シリカ(10〜20メッシュ:担体)にZnお
よびTi(金以外の金属)を担持させ、空気中600℃
で焼成したもの;比表面積48m2 /g)を50g使用
した以外は、上記実施例11と同一の条件で金含有複合
体(Au−Zn−Ti−SiO2 )を得た。蛍光X線分
析法で分析した、この金含有複合体におけるAu(メタ
ル換算)およびTi(チタニア換算)の含有量は、順
に、0.023重量%、0.2重量%であった。また、
該金含有複合体を透過型電子顕微鏡を用いて観察し、担
持された金超微粒子には粒子径10nm以下のものが存
在することが確認された。
【0117】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
とした以外は、上記実施例11と同一の条件でtran
s−2−ブテンの部分酸化反応、並びに生成ガスのガス
クロマトグラフィーによる分析を行い、trans−
2,3−ブテンオキシドの収率をもとめた。該収率は
0.9%であった。
【0118】〔実施例13〕金化合物としてのジメチル
金(III) アセチルアセトナート0.132g(0.40
ミリモル)を溶解してなるメチルアルコール溶液50m
lに、金属担持担体としてのCu−SiO2 (市販シリ
カ(10〜20メッシュ:担体)にCu(金以外の金
属)を担持させ、空気中600℃で焼成したもの;比表
面積308m2/g)25gを浸漬し、エバポレータを
用いて常圧下でメチルアルコールを留去した。続いて、
得られた固形物を、空気中で400℃・5時間の条件で
焼成することにより、金および銅がシリカに担持されて
なる金含有複合体(Au−Cu−SiO2 )を得た。蛍
光X線分析法で分析した、この金含有複合体に占めるA
u(メタル換算)およびCu(一酸化銅換算)の含有量
(担持量)は、順に、0.32重量%、2.0重量%で
あった。また、該金含有複合体を透過型電子顕微鏡を用
いて観察し、担持された金超微粒子には粒子径10nm
以下のものが存在することが確認された。
【0119】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として、プロピレンの部分酸化反応を行った。すなわ
ち、得られた金含有複合体2.5mlを内径10mmの
ステンレス製反応管に充填した後、電気ヒーターにて触
媒層の温度が250℃になるように加熱した。続いて、
ヘリウムガスを流量100ml/分で約10分間、同温
度で流通させた。
【0120】上記の操作後、触媒層が250℃に保持さ
れた反応管内に、プロピレン、酸素、およびヘリウムを
体積比(プロピレン/酸素/ヘリウム)20/10/7
0の割合で含む原料ガス(混合ガス)を、空間速度80
0hr-1で供給した。これにより、プロピレンを常圧で
連続的に部分酸化反応させた。
【0121】反応開始1時間後に、反応管出口の生成ガ
スを採取し、ガスクロマトグラフィーを用いてその組成
を分析した。そして分析結果から、プロピレンの部分酸
化反応生成物であるアクロレインの収率を、反応成績と
してもとめた。該収率は6.9%であった。
【0122】〔比較例4〕ハロゲンを対アニオンとして
有する、テトラクロロ金(III) 酸0.0340g(0.
10ミリモル)を溶解してなる水溶液50mlに、実施
例13で使用したCu−SiO2 を25g浸漬し、エバ
ポレータを用いて水を留去し、続いて、得られた固形成
分を空気中で400℃・5時間の条件で焼成することに
より、比較用金含有複合体(Au−Cu−SiO2 )を
得た。蛍光X線分析法で分析した、この比較用金含有複
合体に占めるAu(メタル換算)およびCu(一酸化銅
換算)の担持量は、順に、0.32重量%、2.0重量
%であった。また、該比較用金含有複合体を透過型電子
顕微鏡を用いて観察したところ、粒子径が10nm以下
の金超微粒子は担持されていないことが確認された。
【0123】次に、上記比較用金含有複合体を酸化反応
用触媒とした以外は、上記実施例13と同一の条件でプ
ロピレンの部分酸化反応、並びに生成ガスのガスクロマ
トグラフィーによる分析を行い、アクロレインの収率を
もとめた。該収率は2.1%であり、実施例13の結果
と比較して明らかに低かった。
【0124】〔実施例14〕金属担持担体としてのSi
2 (市販シリカ:金以外の金属として、Na(アルカ
リ金属)がNa2 Oとして0.02重量%、Ca(アル
カリ土類金属)がCaOとして0.02重量%、Fe
(遷移金属)がFe2 3 として0.01重量%含有;
比表面積321m2 /g)20gに対して、ジメチル金
(III) アセチルアセトナート(金化合物)0.0166
gをメチルアルコール(溶媒)40mlに溶解してなる
溶液を投入した。その後、エバポレータを用いてメチル
アルコールを常圧下で留去した。得られた固形物を12
0℃で10時間乾燥させた。次いで、該固形物を、空気
中で400℃、3時間焼成することにより、金含有複合
体(Au−SiO2 )を得た。
【0125】得られた金含有複合体を蛍光X線分析法に
より分析した結果、該金含有複合体における金の担持量
(含有量)は0.05重量%であった。また、この金含
有複合体を透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、
粒子径10nm以下の金超微粒子が存在することが確認
された。
【0126】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として用いて、水素の酸化反応を行った。即ち、得られ
た金含有複合体2mlを内径8mmのガラス製反応管に
充填した後、該反応管内にアルゴンガスを流量2000
ml/時で約30分間、200℃で流通させた。
【0127】上記の操作後、触媒層を150℃に保持し
た反応管内に、水素、酸素、およびアルゴンを体積比
(水素/酸素/アルゴン)10/10/80の割合で含
む原料ガスを、空間速度2,000hr-1で供給した。
これにより、水素を常圧で連続的に酸化反応させた。
【0128】反応開始20分後に、反応管出口の生成ガ
スを採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)を用い
て、その組成を分析した。その結果、水素の転化率は1
5.6%であった。
【0129】〔実施例15〕金属担持担体としてNa−
SiO2 (実施例14と同じ市販シリカ(金属担持担
体)に、Na(アルカリ金属)をNa2 Oとして0.1
3重量%担持させたもの)20gを用いた以外は上記実
施例14と同様にして、金含有複合体を得た。得られた
金含有複合体を蛍光X線分析法により分析した結果、該
金含有複合体における金の担持量(含有量)は0.05
重量%であった。また、この金含有複合体を透過型電子
顕微鏡を用いて観察したところ、粒子径10nm以下の
金超微粒子が存在することが確認された。
【0130】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として用いて、上記実施例14と同様の条件で水素の酸
化反応を行った。そして、反応開始20分後に、反応管
出口の生成ガスを採取し、ガスクロマトグラフィー(G
C)を用いて、その組成を分析した。その結果、水素の
転化率は13.8%であった。
【0131】〔実施例16〕金属担持担体としてBa−
SiO2 (実施例14と同じ市販シリカ(金属担持担
体)に、Ba(アルカリ土類金属)をBaOとして0.
48重量%担持させたもの)20gを用いた以外は上記
実施例14と同様にして、金含有複合体を得た。得られ
た金含有複合体を蛍光X線分析法により分析した結果、
該金含有複合体における金の担持量(含有量)は0.0
5重量%であった。また、この金含有複合体を透過型電
子顕微鏡を用いて観察したところ、粒子径10nm以下
の金超微粒子が存在することが確認された。
【0132】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として用いて、上記実施例14と同様の条件で水素の酸
化反応を行った。そして、反応開始20分後に、反応管
出口の生成ガスを採取し、ガスクロマトグラフィー(G
C)を用いて、その組成を分析した。その結果、水素の
転化率は29.4%であった。
【0133】〔実施例17〕溶媒としてメチルアルコー
ルに代えてアセトンを用いた以外は、上記実施例14と
同様にして金含有複合体を得た。得られた金含有複合体
を蛍光X線分析法により分析した結果、該金含有複合体
における金の担持量(含有量)は0.05重量%であっ
た。また、この金含有複合体を透過型電子顕微鏡を用い
て観察したところ、粒子径10nm以下の金超微粒子の
存在を確認することができなかった。
【0134】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として用いて、上記実施例14と同様の条件で水素の酸
化反応を行った。そして、反応開始20分後に、反応管
出口の生成ガスを採取し、ガスクロマトグラフィー(G
C)を用いて、その組成を分析した。その結果、水素の
転化率は3.2%であった。
【0135】〔比較例5〕金化合物としてテトラクロロ
金(III) 酸・4水塩0.021gを用いた以外は上記実
施例14と同様にして、金含有複合体を得た。得られた
金含有複合体を蛍光X線分析法により分析した結果、該
金含有複合体における金の担持量(含有量)は0.05
重量%であった。また、この金含有複合体を透過型電子
顕微鏡を用いて観察したところ、粒子径10nm以下の
金超微粒子の存在を確認することができなかった。
【0136】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として用いて、上記実施例14と同様の条件で水素の酸
化反応を行った。そして、反応開始20分後に、反応管
出口の生成ガスを採取し、ガスクロマトグラフィー(G
C)を用いて、その組成を分析した。その結果、水素の
転化率は0.4%と極めて低い値にとどまった。
【0137】〔実施例18〕金属担持担体としてZr−
SiO2 (実施例14と同じ市販シリカ(金属担持担
体)に、ジルコニウム(遷移金属)をZrO2 として
0.67重量%担持させたもの)20gを、また、溶媒
としてエチルアルコール40mlを用いた以外は上記実
施例14と同様にして、金含有複合体を得た。得られた
金含有複合体を蛍光X線分析法により分析した結果、該
金含有複合体における金の担持量(含有量)は0.1重
量%であった。また、この金含有複合体を透過型電子顕
微鏡を用いて観察したところ、粒子径10nm以下の金
超微粒子が存在することが確認された。
【0138】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として用いて、上記実施例14と同様の条件で水素の酸
化反応を行った。そして、反応開始20分後に、反応管
出口の生成ガスを採取し、ガスクロマトグラフィー(G
C)を用いて、その組成を分析した。その結果、水素の
転化率は32.4%であった。
【0139】〔実施例19〕金属担持担体としてFe−
SiO2 (実施例14と同じ市販シリカ(金属担持担
体)に、Fe(遷移金属)をFe2 3 として1.2重
量%担持させたもの)20gを、また、溶媒としてイソ
プロピルアルコール40mlを用いた以外は上記実施例
14と同様にして、金含有複合体を得た。得られた金含
有複合体を蛍光X線分析法により分析した結果、該金含
有複合体における金の担持量(含有量)は0.1重量%
であった。また、この金含有複合体を透過型電子顕微鏡
を用いて観察したところ、粒子径10nm以下の金超微
粒子が存在することが確認された。
【0140】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として用いて、上記実施例14と同様の条件で水素の酸
化反応を行った。そして、反応開始20分後に、反応管
出口の生成ガスを採取し、ガスクロマトグラフィー(G
C)を用いて、その組成を分析した。その結果、水素の
転化率は39.0%であった。
【0141】〔実施例20〕ジメチル金(III) アセチル
アセトナート(金化合物)0.133g(0.406ミ
リモル)、および、パラジウムアセチルアセトナート
(金属化合物)0.058g(0.19ミリモル)をメ
チルアルコール(溶媒)に溶解してなる溶液50ml
に、担体としてのSiO2 (市販シリカ、30−200
メッシュ、比表面積290m2 /g)20gを室温にて
10分間浸漬した。その後、エバポレータを用いて上記
溶液からメチルアルコールを留去した。得られた固形物
を、空気中で400℃、3時間焼成することにより、金
およびパラジウムがシリカに担持(固定)されてなる金
含有複合体(Au−Pd−SiO2 )を得た。蛍光X線
分析した、この金含有複合体におけるAu、及びPd
(それぞれメタル換算)の含有量は、順に、0.4重量
%、0.1重量%であった。また、該金含有複合体を電
子顕微鏡を用いて観察し、金単独、あるいは金とパラジ
ウムとからなる粒子径5nm以下の超微粒子が存在する
ことが確認された。
【0142】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として用いて、p−キシレンの部分酸化反応を行った。
即ち、得られた金含有複合体2.0g、p−キシレン5
g、酢酸24g、酢酸酸化ビスマス0.02g、並びに
酢酸カリウム0.2gを、容積100mlの回転式オー
トクレーブに仕込んで密封した。次いで、オートクレー
ブ内に酸素ガスを充填して、内部をゲージ圧10kgf
/cm2 (約9.8×105 Pa)に加圧した後、オー
トクレーブを140℃に加熱し、2.5時間反応させ
た。反応終了後、内容物を取り出して酸化反応用触媒を
除去した後、反応液をガスクロマトグラフィーを用いて
分析した。その結果、該反応液には、p−キシレンの部
分酸化反応生成物であるp−キシリレンジアセテート
0.59gと、p−メチルベンジルアセテート0.91
gとが含まれており、その収率(部分酸化反応生成物の
モル数/p−キシレンのモル数×100(%))は、p
−キシリレンジアセテートが5.6%、p−メチルベン
ジルアセテートが11.8%であった。
【0143】〔比較例6〕本発明における金化合物の範
疇に入らないテトラクロロ金(III)酸を0.138g
(0.406ミリモル)、及び塩化パラジウム0.03
3g(0.19ミリモル)を溶解してなる水溶液50m
lに、SiO2 (市販シリカ、30−200メッシュ、
比表面積290m2 /g)20gを室温にて10分間浸
漬した。その後、エバポレータを用いて上記水溶液から
水を留去した。得られた固形物を、120℃で12時間
乾燥後、空気中で400℃、3時間焼成することによ
り、金およびパラジウムがシリカに担持(固定)されて
なる金含有複合体(Au−Pd−SiO2 )を得た。蛍
光X線分析した、この金含有複合体におけるAu、及び
Pd(それぞれメタル換算)の含有量は、順に、0.4
重量%、0.1重量%であった。また、該金含有複合体
を電子顕微鏡を用いて観察したところ、金単独、あるい
は金とパラジウムとからなる粒子径5nm以下の超微粒
子を全く見いだすことができなかった。
【0144】次に、上記金含有複合体を酸化反応用触媒
として用いた以外は、上記実施例20と同様にしてp−
キシレンの部分酸化反応を行った。反応終了後、内容物
を取り出して酸化反応用触媒を除去した後、反応液をガ
スクロマトグラフィーを用いて分析した。その結果、該
反応液には、p−キシレンの部分酸化反応生成物であ
る、p−キシリレンジアセテート及びp−メチルベンジ
ルアセテートが殆ど含まれていなかった。即ち、本比較
例で得られた金含有複合体には触媒活性が殆どないこと
が判明した。
【0145】
【発明の効果】本発明にかかる製造方法によれば、酸化
反応や還元反応等の各種反応の触媒等として好適に用い
ることができる金含有複合体を、簡便に、かつ、不純物
の混入を招来することなく製造することができる。即
ち、本発明にかかる製造方法によれば、金超微粒子が備
える特異的な性質を充分に引き出すことにより、例え
ば、各種酸化反応や各種還元反応等の触媒等として、よ
り具体的には、一酸化炭素や水素の酸化反応(燃焼);
アルケン(例えば、プロピレン等)等の炭化水素の部分
酸化反応や完全酸化反応(燃焼);アルコールのアルデ
ヒドまたはケトンへの酸化反応や脱水素反応;アルカン
やアルケンの水素化反応;二酸化炭素のメチルアルコー
ルへの水素化反応;一酸化窒素の窒素分子への還元反
応;水性ガスシフト反応;水やアルコール、カルボン酸
等の光分解反応;等の各種有用な反応の触媒等として、
さらには、各種ガスセンサーや電極材料等として好適に
用いることができる金含有複合体を製造することができ
るという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 37/03 B01J 37/03 A 37/16 37/16 37/18 37/18 B22F 3/10 B22F 3/10 G 9/24 9/24 E C07C 45/35 C07C 45/35 47/22 47/22 F 67/08 67/08 69/157 69/157 G01N 33/20 G01N 33/20 G // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07D 301/10 C07D 301/10 G01N 23/04 G01N 23/04 23/223 23/223 27/12 27/12 C 27/16 27/16 B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン元素を含有しない金化合物と、金
    以外の金属を含有する金属化合物とを含む溶液から溶媒
    を除去して得られる固形物を焼成することを特徴とする
    金含有複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】ハロゲン元素を含有しない金化合物と、金
    以外の金属を含有する金属化合物とを含む溶液に担体を
    添加すると共に、該溶液から溶媒を除去して得られる固
    形物を焼成することを特徴とする金含有複合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】金以外の金属を担持してなる担体を、ハロ
    ゲン元素を含有しない金化合物を含む溶液に添加すると
    共に、該溶液から溶媒を除去して得られる固形物を焼成
    することを特徴とする金含有複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】上記金以外の金属が、アルカリ金属、アル
    カリ土類金属、及び遷移金属からなる群より選択される
    少なくとも一種類の金属であることを特徴とする請求項
    2または3に記載の金含有複合体の製造方法。
  5. 【請求項5】上記溶媒がアルコール類であることを特徴
    とする請求項1、2、3、または4記載の金含有複合体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】固形物を焼成した後にさらに還元処理する
    か、若しくは、固形物を還元性ガスの雰囲気下で焼成す
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、または5記
    載の金含有複合体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれか一項に記載の
    製法によって得られ、酸化反応用触媒として用いられる
    ことを特徴とする金含有複合体。
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