JP2003053188A - 金属粒子担持体及びカルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents
金属粒子担持体及びカルボン酸エステルの製造方法Info
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Abstract
る。 【解決手段】周期表第4周期から第6周期の2B族、3
B族、4B族、5B族、6B族及び第4周期8族の少な
くとも1種の第二元素と金とを含有する金属粒子が担体
上に担持された金属粒子担持体に係る。
Description
6周期の2B族、3B族、4B族、5B族、6B族及び
第4周期8族の少なくとも1種の第二元素とAuとを含
む新規な金属粒子担持体に関する。また、本発明は、か
かる金属粒子担持体からなる触媒及びこの触媒を用いる
カルボン酸エステルの製造方法に関する。
ル等のカルボン酸エステルは、各種の合成樹脂の原料と
なる重合用モノマーとして工業的に重要な化合物であ
る。
する方法としては、特に酸素の存在下にアルデヒド(ア
クロレイン、メタクロレイン等)とアルコール(メタノ
ール等)とを反応させる方法が知られている。そして、
この反応においては、触媒活性成分として特定の金属を
用い、これを担体上に担持させた触媒を用いることが知
られている。
コールを反応させてカルボン酸エステルを製造するにあ
たり、パラジウムと、鉛及び鉛化合物の少なくとも1種
とからなる触媒を用いることを特徴とするカルボン酸エ
ステルの製造方法が知られている(特公昭57−358
59号)また、アルデヒドとアルコールを含酸素ガス存
在下に反応させてカルボン酸エステルを製造するに際
し、金を担体上に担持した触媒の存在下に反応させるこ
とを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法が提案さ
れている(特開2000−154164)。
術で挙げられている触媒はいずれも触媒活性がなお低
く、十分なものとは言えない。上記のような酸化反応用
触媒として利用するためにはさらなる改良が必要とされ
ている。
粒子担持体を提供することにある。詳しくは、より触媒
活性に優れた酸化反応用触媒を提供することにある。
技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、
特定の金属粒子担持体が上記目的を達成できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
体及びカルボン酸エステルの製造方法に係るものであ
る。
族、3B族、4B族、5B族、6B族及び第4周期8族
の少なくとも1種の第二元素と金とを含有する金属粒子
が担体上に担持された金属粒子担持体。
族、3B族、4B族、5B族及び6B族の少なくとも1
種の第二元素と金とを含有する金属粒子が担体上に担持
された金属粒子担持体。
らびに第二元素及びその化合物の少なくとも1種を含む
担体を熱処理することによって得られる前記項1又は2
に記載の金属粒子担持体。
れてなる金担持体と、第二元素を含む化合物が溶解した
溶液との混合物を調製した後、当該混合物から回収され
た固形分を熱処理することによって得られる前記項1〜
3のいずれかに記載の金属粒子担持体。
前記項1〜4のいずれかに記載の金属粒子担持体。
少なくとも1種の元素を含む酸化物である前記項1〜5
のいずれかに記載の金属粒子担持体。
粒子担持体からなる酸化反応用触媒。
ールを反応させることによりカルボン酸エステルを合成
する反応に用いる、前記項1〜6のいずれかに記載の金
属粒子担持体からなる酸化反応用触媒。
存在下に、アルデヒドとアルコールを反応させることを
特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
である前記項1又は2に記載の金属粒子担持体。
項1又は2に記載の金属粒子担持体。
クロレインの少なくとも1種である前記項8記載の酸化
反応用触媒。
クロレインの少なくとも1種である前記項9記載の製造
方法。
ールの少なくとも1種である前記項8記載の酸化反応用
触媒。
ールの少なくとも1種である前記項9記載の製造方法。
ルビックアルデヒドの少なくとも1種、かつ、アルコー
ルが炭素数1〜4の1級アルコールの少なくとも1種で
ある前記項8記載の酸化反応用触媒。
ルビックアルデヒドの少なくとも1種、かつ、アルコー
ルが炭素数1〜4の1級アルコールの少なくとも1種で
ある前記項9記載の製造方法。
体と、第二元素を含む化合物が溶解した溶液との混合物
を調製した後、当該混合物から回収された固形分を熱処
理することによって得られる前記項1又は2に記載の金
属粒子担持体。
2B族、3B族、4B族、5B族、6B族及び第4周期
8族の少なくとも1種の第二元素と金とを含有する金属
粒子が担体上に担持された点に特徴を有する。
第一元素としてのAuと、第二元素とから主に構成され
る。すなわち、個々の金属粒子がいずれも第一元素及び
第二元素の双方を含有することが好ましい。また、本発
明所定の効果が得られる限り、金と第二元素が合金又は
金属間化合物を形成していても良い。
析便覧 改訂第5版」丸善(2001年))の第4から
第6周期の2B族、3B族、4B族、5B族及び6B族
の少なくとも1種を用いることができる。具体的には、
2B族(亜鉛族)としてZn、Cd、Hg、3B族(ホ
ウ素族)としてGa、In、Tl、4B族(炭素族)と
してGe、Sn、Pb、5B族(窒素族)としてAs、
Sb、Bi、6B族(酸素族)としてSe、Te、P
o、第4周期8族としては、Fe、Co、Ni等が例示
できる。本発明では、第二元素として少なくともPbを
含むことが好ましい。例えば、Au及びPbを含む金属
粒子が担体上に担持されている金属粒子担持体を好適に
用いることができる。
を妨げない範囲内で第二元素以外の元素又は不純物が含
まれていても良い。
は、所定の触媒活性が得られる限り限定的ではないが、
特に平均粒子径が6nm以下、特に5nmであることが
好ましい。この範囲内に設定すれば、より確実に優れた
触媒活性を得ることができる。なお、本発明における金
属粒子の平均粒子径は、担体上の金属粒子を透過型電子
顕微鏡(TEM)による観察により任意に選んだ120
個のうち、1)大きい順に上から10個及び2)小さい
順に下から10個の合計20個を除いた100個の粒子
径の算術平均値を示す。また、本発明の金属粒子の粒子
径分布の極大値が1〜6nm、特に1〜5nmの範囲に
あることが好ましい。粒子径の分布は狭い方が好まし
く、上記120個の粒子径の標準偏差(Standard Devia
tion)が2以下、特に1.5以下であることが好まし
い。
るものであれば特に限定されず、従来のカルボン酸エス
テル合成に用いられる触媒担体を用いることもできる。
例えば、金属酸化物(シリカ、アルミナ、チタニア、ジ
ルコニア、マグネシア等)、複合金属酸化物(シリカ・
アルミナ、チタニア・シリカ、シリカ・マグネシア
等)、ゼオライト(ZSM−5等)、メソポーラスシリ
ケート(MCM−41等)、天然鉱物(粘土、珪藻土、
軽石等)、炭素材料(活性炭、黒鉛等)の各種担体を挙
げることができる。
く、特にその比表面積(BET法)が通常50m2/g
以上、特に100m2/g以上であることがより好まし
い。担体の形状・大きさは限定的でなく、最終製品の用
途等に応じて適宜決定すれば良い。
い限り、他の成分が含まれていても良い。例えば、アル
カリ金属(Na、K等)、アルカリ土類金属(Ca、M
g等)が含まれていても良い。
製品の用途、担体の種類等に応じて適宜決定すれば良い
が、通常は担体100重量部に対して0.01〜20重
量部程度、好ましくは0.1〜10重量部とすることが
好ましい。
持量は、第二元素の種類、担体の種類等に応じて適宜決
定すれば良いが、通常は担体100重量部に対して0.
01〜20重量部程度、好ましくは0.1〜10重量部
とすることが好ましい。
担持量の範囲内であれば限定的ではないが、通常は原子
比で金:第二元素=1:0.01〜100程度、好まし
くは1:0.1〜10、最も好ましくは1:0.2〜5
とする。この範囲内に設定することにより、いっそう優
れた触媒活性を得ることができる。
担持体が得られる限りその制限はない。例えば、金及び
その化合物の少なくとも1種ならびに第二元素及びその
化合物の少なくとも1種を含む担体を熱処理することに
よって得ることができる。金の化合物、第二元素の化合
物は、いずれも水酸化物、塩化物、カルボン酸塩、硝酸
塩、アルコキサイド、アセチルアトナート塩等のいずれ
であっても良い。
順序も限定的でなく、いずれが先であっても良いし、ま
た同時であっても良い。すなわち、以下に示す製法
(A)〜(C)のいずれの方法を用いることができる。
すなわち、(A)金を担体に担持した後、第二元素を担
持する方法、(B)第二元素を担体に担持した後、金を
担持する方法、(C)金と第二元素とを同時に担体に担
持する方法が適用できる。以下、各方法について説明す
る。
を担持する方法である。まず、金が担持されてなる金担
持体を製造する。金担持体の製法は限定的でなく、例え
ば共沈法、析出沈殿法、含浸法、気相蒸着法等の従来の
方法を適用できる。本発明では、共沈法、析出沈殿法等
が好ましく、この中でも析出沈殿法がより好ましい。
えば金化合物を含む水溶液に担体を共存させ、金含有沈
殿物を担体表面上に析出沈殿させた後、金含有沈殿物が
析出した担体を焼成することによって金担持体を得るこ
とができる。金含有沈殿物を担体表面上に析出沈殿させ
る場合には、上記水溶液の金濃度、温度、pH等の諸条
件を適宜制御すれば良い。また、金含有沈殿物が析出し
た担体は、必要に応じて、焼成に先立って水洗、乾燥等
を施しても良い。
れない。例えば、テトラクロロ金(III)酸「H〔Au
Cl4〕」、テトラクロロ金(III)酸ナトリウム「Na
〔AuCl4〕」、ジシアノ金(I)酸カリウム「K〔A
u(CN)2〕」、ジエチルアミン金(III)三塩化物
「(C2H5)2NH〔AuCl3〕」等の錯体;シアン化
金(I)等の金化合物が挙げられる。これらの化合物は
少なくとも1種を用いることができる。
類等によって異なるが、通常は0.1〜100mmol
/L程度とすれば良い。また、上記水溶液のpHは、通
常5〜10程度、好ましくは6〜9の範囲内に設定すれ
ば良い。上記pHは、例えば水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア
等のアルカリにより調節することができる。また、必要
により、塩酸等の酸を使用することもできる。これらの
アルカリ又は酸は、必要により水溶液の形態で使用して
も良い。
加することもできる。界面活性剤は、上記水溶液に応じ
て公知のもの又は市販品の中から適宜選択すれば良い。
例えば、長鎖アルキルスルホン酸及びその塩、長鎖アル
キルベンゼンスルホン酸及びその塩、長鎖アルキルカル
ボン酸及びその塩、アリールカルボン酸及びその塩等の
アニオン性界面活性剤;長鎖アルキル4級アンモニウム
塩等のカチオン性界面活性剤;ポリアルキレングリコー
ル、ポリオキシエチレンノニルフェノール等のノニオン
性界面活性剤;等が挙げられる。これら界面活性剤は少
なくとも1種を用いることができる。本発明では、アニ
オン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が好まし
く、特にアニオン性界面活性剤が好ましい。アニオン性
界面活性剤の中でも、とりわけ、炭素数8以上の長鎖ア
ルキルスルホン酸及びその塩、炭素数8以上の長鎖アル
キルベンゼンスルホン酸及びその塩、炭素数8以上の長
鎖アルキルカルボン酸及びその塩、アリールカルボン酸
及びその塩等がより好ましい。
いる界面活性剤の種類等により適宜決定することができ
るが、通常は界面活性剤の濃度が0.1〜10mmol
/L程度とすれば良い。
のような各種担体を用いることができる。担体は、顆粒
状、造粒体等のいずれの形態で使用しても良い。担体の
使用量は、上記水溶液の濃度、用いる担体の種類等に応
じて適宜設定すれば良い。上記水溶液と担体とを混合す
る際には、必要に応じて上記水溶液を加温しても良い。
この場合の温度は、通常10〜100℃程度とすれば良
い。また、上記水溶液と単体との混合時間は、担体の種
類、構成元素等によって変更できるが、通常は1分〜2
4時間程度、好ましくは10分〜3時間の範囲内で、金
を含む沈殿物ができるだけ多く担体上に担持されるよう
に設定すれば良い。担体の使用量は、所定の担持量とな
るように適宜設定すれば良い。
固形分を回収する。固形分の回収は、上澄液の回収によ
り行ったり、あるいは公知の固液分離法に従って実施す
ることができる。回収された固形分は、残留イオンが実
質的になくなるまでイオン交換水等で洗浄することが好
ましい。
応じて、焼成に先立って予め所定温度に加熱して乾燥し
ても良い。乾燥温度は、通常150℃未満とすれば良
い。焼成温度は、通常150〜800℃程度、好ましく
は200〜700℃、より好ましくは250〜600℃
とすれば良い。焼成雰囲気は空気(大気)中又は酸化性
雰囲気中でも良いし、あるいは窒素、アルゴンガス、ヘ
リウム等の不活性ガス雰囲気中、水素ガス、一酸化炭素
等の還元性雰囲気中のいずれであっても良い。また、焼
成時間は、焼成温度、固形分の大きさ等に応じて適宜決
定すれば良い。かかる焼成によって、金が担体表面に強
固に固定された所定の金担持体を得ることができる。
も1種を金担持体に担持した後、熱処理することにより
金と第二元素とを複合化させる。
に従って行うことができる。例えば、含浸法、イオン交
換法、気相蒸着法等が挙げられる。このうち、含浸法が
好適に使用できる。例えば、第二元素を含む化合物が溶
解した溶液と上記金担持体との混合物を調製した後、当
該混合物から回収された固形分を熱処理することにより
好適に第二元素を担持することができる。
されないが、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、塩化物等の無
機化合物、ギ酸塩、酢酸塩、β−ジケトン化合物、アル
コキサイド等の有機化合物を例示することができる。よ
り具体的には、酢酸鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、硝酸ビス
マス、ゲルマニウム(III)ブトキシド、ニッケルビス
マスアセチルアセトナート、酢酸鉄等を挙げることがで
きる。
第二元素を含む化合物及びそれが溶解する溶媒の組合せ
を用いることにより調製できる。溶媒としては特に限定
はないが、水、有機溶媒等を用いることができる。有機
溶媒としては、例えばアルコール。ケトン、芳香族炭化
水素、カルボン酸エステル、ニトリル等を挙げることが
できる。特に、水及びアルコール(特にメタノール及び
エタノール)の少なくとも1種を用いることが好まし
い。従って、上記組合せは、水又はアルコールに溶解す
る上記化合物を用いることが好ましい。例えば、第二元
素としてPbを用いる場合は、酢酸鉛(水和物でも良
い。)をメタノールに溶解させた溶液を好適に用いるこ
とができる。
二元素濃度は、上記化合物の種類、溶媒の種類等に応じ
て適宜決定できるが、通常は0.01〜10mmol/
L程度にすれば良い。
合物が溶解した溶液との混合割合は、上記溶液の濃度、
金又は第二元素の所望の担持量等に応じて適宜決定する
ことができる。
溶解した溶液との混合物を調製した後、当該混合物から
固形分を回収する。固形分の回収方法は限定的ではない
が、例えば第二元素を含む化合物を金担持体に担持され
るようにすれば良い。例えば、エバポレーター等により
溶媒を留去することが好ましい。
理温度は、得られる各金属粒子が金及び第二元素から構
成されるような温度とすれば良い。すなわち、最終的に
得られる金属粒子担持体を触媒として用いた場合に金と
第二元素との複合化による触媒活性が発現されるように
熱処理すれば良い。
よって異なるが一般的には50〜800℃程度、好まし
くは100〜600℃とすれば良い。
囲気、酸化性雰囲気、不活性雰囲気等のいずれでも良
い。還元性雰囲気とするためには、例えば水素、一酸化
炭素、アルコール等の還元性ガスのほか、これらの還元
性ガスを窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで希
釈した混合ガスを使用すれば良い。また、酸化性雰囲気
とするためには、酸素、空気等を含むガスを使用すれば
良い。不活性雰囲気とするためには、窒素、ヘリウム、
アルゴン等の不活性ガスを使用すれば良い。本発明で
は、特に還元性雰囲気とすることが望ましい。また、酸
化性雰囲気で熱処理した後、還元性雰囲気で熱処理する
こともできる。
って適宜変更することができるが、通常10分〜24時
間程度とすれば良い。
をさらに促進するために、上記熱処理に先立ってホルマ
リン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、ギ酸等の
還元剤を用いて固形分を還元処理しても良い。
金を担持する方法である。第二元素に担持する方法は限
定的でなく、例えば上記(A)と同様の方法を使用でき
る。すなわち、担体にまず上記(A)と同様の方法にて
第二元素を担持すれば良い。第二元素の原料、担持条件
等も、上記(A)で掲げたものと同様にすれば良い。
操作上好ましい付加的処理として、酸化性雰囲気下(空
気又は酸素を含むガスの存在下)300〜900℃程度
で焼成することにより第二元素を担体に強固に固定化す
ることができる。
の担持は、上記(A)と同様の方法にて実施できる。す
なわち、析出沈殿法等により金を担持した後、乾燥及び
焼成を上記(A)と同様にして実施すれば良い。また、
上記(A)と同様、金と第二元素との複合化をより十分
なものとするために、上記(A)と同様の還元性雰囲気
下での熱処理を行うことが望ましい。また、必要に応じ
て、さらに還元剤を用いた還元処理を組み合わせること
もできる。
持する方法である。その方法は、両者を同時に担持でき
れば限定されない。例えば、共沈法、析出沈殿法、含浸
法、気相蒸着法等の従来の方法が使用できる。いずれの
場合も、担体に金を担持する際に、系内に第二元素を含
む化合物を共存させることによって両者を同時に担持す
ることができる。さらに、両者を担持したものを上記の
方法(A)又は(B)と同様に熱処理及び/又は還元処
理を施すことにより、金及び第二元素を含む金属超微粒
子が担体上に担持された本発明触媒を得ることができ
る。
に使用することができる。析出沈殿法では、金を含む化
合物(例えば水酸化物)として析出し、沈殿を形成しや
すい条件(例えば、上記化合物が水酸化物である場合、
温度30〜100℃、pH5〜10、金濃度0.1〜1
00mmol/L)において、第二元素を含む化合物が
析出し、沈殿を形成するように制御することが望まし
い。この場合、第二元素を含む水溶性化合物を出発原料
として用い、その水溶液から第二元素を含む水酸化物と
して沈殿を形成させることが望ましい。また、沈殿形成
の際に、金と第二元素の各水酸化物が同時に沈殿を形成
し、金及び第二元素とをともに含有する水酸化物を生成
することが望ましい。これらの沈殿物は、さらに熱処理
及び/又は還元処理を施すことによって本発明触媒を得
ることができる。
化合物が有機溶媒中に溶解した溶液に担体を加え、必要
により有機溶媒の留去等を行うことにより、金化合物及
び第二元素を含む化合物を同時に担体上に付着させ、次
いで熱処理及び/又は還元処理を施すことによって本発
明触媒を得ることができる。典型例としては、金のアセ
チルアセトナート化合物(例えば、ジメチル金アセチル
アセトナート)と第二元素のアセチルアセトナート化合
物(例えば、ニッケルアセチルアセトナート)とを含有
するメタノール溶液を担体に含浸させ、メタノールを留
去した後、乾燥及び還元処理することによって、金及び
第二元素を含有する金合金超微粒子(例えば、Au−N
i合金超微粒子)が担体に担持された本発明触媒を得る
ことができる。
原料化合物、操作条件等は、前記ので示したものを適用
できる。
応用触媒として応用できる。特に、分子状酸素を用いた
有機化合物の部分酸化に広く有用である。アルコールや
アルデヒドの酸化、特に酸素の存在下におけるアルデヒ
ドとアルコールからのカルボン酸エステルの製造に好ま
しく用いることができる。2.カルボン酸エステルの製
造方法本発明のカルボン酸エステルの製造方法は、本発
明担持体からなる触媒と酸素の存在下に、アルデヒドと
アルコールを反応させることを特徴とする。すなわち、
酸素、アルテヒド及びアルコールを反応させる。
ルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、
イソブチルアルデヒド、グリオキザール、ピルビックア
ルデヒド等の炭素数1〜10の脂肪族アルデヒド;アク
ロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド等の炭
素数3〜10のα、β−不飽和アルデヒド;ベンズアル
デヒド、p−メトキシベンズアルデヒド、トルアルデヒ
ド、フタルアルデヒド等の炭素数6〜20の芳香族アル
デヒド等のほか、これらアルデヒドの誘導体が挙げられ
る。好ましくは、脂肪族アルデヒド、α、β−不飽和ア
ルデヒド等が使用できる。これらアルデヒドは、1種又
は2種以上で用いることができる。
タノール、イソプロパノール、オクタノール等の炭素数
1〜10の脂肪族アルコール;エチレングリコール、ブ
タンジオール等の炭素数2〜10のジオール;アリルア
ルコール、メタリルアルコール等の炭素数3〜10の脂
肪族不飽和アルコール;ベンジルアルコール等の芳香族
アルコール等が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜1
0の脂肪族アルコール等が好適に使用できる。これらア
ルコールは、1種又は2種以上で用いることができる。
ン酸エステルの種類等によって上記アルデヒド及びアル
コールを適宜選択すれば良い。例えば、メチルメタクリ
レートを合成する場合には、アルデヒドとしてメタクロ
レイン、アルコールとしてメタノールを用いれば良い。
に限定されないが、アルデヒド/アルコールのモル比で
10〜1/200程度が好ましく、特に1/2〜1/5
0の範囲がより好ましい。上記範囲内であれば、より効
率的にカルボン酸エステルを合成することが可能にな
る。
反応を本発明担持体からなる触媒と酸素(分子状酸素)
の存在下に行う。
れであっても良い。酸素(酸素ガス)は、窒素ガス、ア
ルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガス等の不活性
ガスで希釈されていても良い。また、酸素、空気等の酸
素含有ガスを用いることもできる。酸素含有ガスの反応
系への供給方法は特に限定されず、公知の方法を採用で
きる。特に、液中へのバブリング等を好適に用いること
ができる。
式、半回分式等のいずれであっても良く、特に限定され
るものではない。触媒は、反応形態として回分式を採用
する場合には、反応装置に原料とともに一括して仕込め
ば良い。また、反応形態として連続式を採用する場合に
は、反応装置に予め上記触媒を充填しておくか、あるい
は反応装置に原料とともに触媒を連続的に仕込めば良
い。触媒は、固定床、流動床、懸濁床等のいずれの形態
であっても良い。
ールとの組合せ、触媒の種類、反応条件等に応じて適宜
決定すれば良い。反応時間は特に限定されるものではな
く、設定した条件により異なるが、通常は反応時間又は
滞留時間(反応器内滞留液量/液供給量)として0.5
〜20時間程度とすれば良い。
ヒドとアルコールとの組合せ、触媒の種類等に応じて適
宜決定すれば良い。反応温度は、通常0〜180℃程
度、好ましくは20〜150℃とすれば良い。この範囲
内の温度に設定することにより、いっそう効率的に反応
を進行させることができる。反応圧力は、減圧、常圧又
は加圧のいずれであっても良いが、通常は0.05〜5
MPa(ゲージ圧)、特に0.1〜2MPaの範囲内が
好適である。反応器流出ガスの酸素濃度が爆発範囲(8
%)を超えないように全圧を設定すれば良い。また、反
応系のpHは、副生成物抑制等の見地よりpH6〜9程
度とすることが望ましい。pH調節のために、例えばア
ルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物(カルボン
酸塩)を反応系への添加剤として使用することもでき
る。
た後、生成したカルボン酸エステルを公知の分離精製手
段等を用いて回収すれば良い。触媒の分離方法は公知の
方法に従えば良い。例えば、反応系が触媒(固形分)と
反応生成物(液状成分)からなる場合は、ろ過、遠心分
離等の公知の固液分離方法を用いて触媒と反応生成物を
分離することができる。
ステルは、従来技術で得られるカルボン酸エステルと同
様の用途に使用することができる。例えば、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル等のカルボン酸エステ
ルは、各種アクリル樹脂の原料となる重合用モノマーと
して有用である。
と第二元素とを含む金属粒子が担体上に担持されている
ことから、酸化反応用の触媒として使用する場合には従
来より優れた触媒活性を発揮することができる。しか
も、繰り返し使用しても、従来技術のように容易に性能
劣化せず、高い活性を維持することができる。これらの
点については、本発明担持体をアルデヒドとアルコール
からカルボン酸エステルを合成する反応に触媒として用
いる場合に特に有効である。
徴を一層明確にする。但し、本発明の範囲は、実施例の
範囲に限定されるものではない。
定等は、次のような方法で実施した。(1)金超微粒子
又は金属超微粒子の担持量 蛍光X線分析により測定した。 (2)金超微粒子又は金属超微粒子の平均粒子径 透過型電子顕微鏡(TEM)(装置名「HF−200
0」日立製作所、加速電圧200kV)で粒子径を観察
し、付属のX線分析装置により粒子の成分分析を行っ
た。 (3)反応生成物の定量 ガスクロマトグラフィー及び/又は液体クロマトグラフ
ィーにより、反応液中の反応生成物の成分を定量分析し
た。 (4)転化率、選択率及び収率 転化率、選択率及び収率は、それぞれ次の各式に基づい
て算出した。
仕込みアルコールのモル数、B:残存アルデヒドのモル
数、C:生成したカルボン酸エステルのモル数をそれぞ
れ示す。) 実施例1 (1)金属粒子担持体の調製 Au担持 濃度20mmol/Lのテトラクロロ金酸水溶液0.5
Lを65〜70℃に保持しながら、0.5mol/L水
酸化ナトリウム水溶液を用いて上記水溶液をpH7に調
節した。この水溶液に市販γ−アルミナ(商品名「AC
−12R」住友化学製)40gを撹拌下に投入し、65
〜70℃に保持しながら1時間撹拌を続けた。その後、
静置して上澄液を除去し、残った金固定化物にイオン交
換水0.8Lを加えて室温で5分間撹拌した後、上澄液
を除去するという洗浄工程を3回繰り返した。ろ過によ
って得られた金固定化物を100℃で10時間乾燥し、
さらに空気中400℃で3時間焼成することにより、γ
−アルミナ上に金が担持された金担持体(Au/γ−ア
ルミナ)を得た。この担持体における金の担持量を測定
した結果、担体に対して4.6重量%であった。
上記の金担持体10gを加えた後、エバポレータにて
常温下メタノールを留去した。残った固体を内径10m
mのガラス製管に充填し、充填層を450℃に加温しな
がら水素10%及びアルゴン90%からなる混合ガスを
毎時6Lの流量で3時間流通させた。こうして金と鉛と
を含有する金属粒子をアルミナ担体上に担持させた金属
粒子担持体(Pb−Au/γ−アルミナ)を得た。この
担持体における鉛の担持量を蛍光X線分析により測定し
た結果、担体に対して4.0重量%であった。
子径を調べた結果、金属種がすべて5nm以下の粒子径
で高分散しており、粒子径2〜3nm付近に極大をもつ
狭い粒子径分布を示し、平均粒子径が5nm以下である
ことが確認された。さらに、金属粒子1個ごとの組成を
調べた結果、どの金属粒子にも金と鉛の両方の成分が検
出された。 (2)カルボン酸エステルの製造 前記(1)で得られた金属粒子担持体(Pb−Au/γ
−アルミナ)を触媒として用いてカルボン酸エステルの
製造を行った。
メタクロレイン3ml、メタノール15ml及び上記金
属粒子担持体(Pb−Au/γ−アルミナ)0.5gを
入れて密封した。次いで、系内を酸素にて0.3MPa
に加圧した後、撹拌下80℃に加温し、この温度を1時
間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液と
をろ過により分離し、上記反応液を分析した結果、メタ
クロレインの転化率60%、メチルメタクリレートの選
択率及び収率はそれぞれ91%及び55%、単位触媒重
量当たりのメチルメタクリレート生成活性は39.6m
ol/h/kg−触媒であった。
74gから0.46gに変更したほかは同様の操作によ
り、金及び鉛を含有する金属粒子がアルミナ担体に担持
された金属粒子担持体を得た。この金属粒子担持体にお
ける金及び鉛の含有量はそれぞれ4.6重量%及び2.
5重量%であった。
施例1の(2)と同様にしてカルボン酸エステルの製造
を行った。生成した反応液を分析した結果、メタクロレ
インの転化率52%、メチルメタクリレートの選択率及
び収率はそれぞれ90%及び47%、単位触媒重量当た
りのメチルメタクリレート生成活性は33.9mol/
h/kg−触媒であった。
74gから1.39gに変更したほかは同様の操作によ
り、金及び鉛を含有する金属粒子がアルミナ担体に担持
された金属粒子担持体を得た。この金属粒子担持体にお
ける金及び鉛の含有量はそれぞれ4.6重量%及び7.
5重量%であった。
施例1の上記(2)と同様にしてカルボン酸エステルの
製造を行った。生成した反応液を分析した結果、メタク
ロレインの転化率58%、メチルメタクリレートの選択
率及び収率はそれぞれ88%及び51%、単位触媒重量
当たりのメチルメタクリレート生成活性は36.7mo
l/h/kg−触媒であった。
ルミナ)を触媒として用いて、実施例1の上記(2)と
同様にしてカルボン酸エステルの製造を行った。生成し
た反応液を分析した結果、メタクロレインの転化率24
%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ
81%及び19%、単位触媒重量当たりのメチルメタク
リレート生成活性は14.1mol/h/kg−触媒で
あった。この結果より、比較例1は、実施例1及び2よ
りも低活性であることから、実施例ではAuとPbとの
複合効果が発揮されていることがわかる。
ルミナ)10gに代えてγ−アルミナ(商品名「AC−
12R」住友化学製)10gを鉛担持体(Pb/γ−ア
ルミナ)を調製した。この鉛担持体を触媒として用いて
用い、実施例1の(2)と同様にしてカルボン酸エステ
ルの製造を行った。反応後の内容物を分析した結果、メ
タクロレインの転化率5%、メチルメタクリレートは生
成されず、その選択率及び収率はともに0%であった。
鉛担持体では、カルボン酸エステルが全く生成しないこ
とがわかる。
0.5g及び比較例2で調製した鉛担持体(Pb/γ−
アルミナ)0.5gを用い、実施例1の(2)と同様に
してカルボン酸エステルの製造を行った。生成した反応
液を分析した結果、メタクロレインの転化率27%、メ
チルメタクリレートの選択率及び収率はそれぞれ71%
及び19%、単位触媒重量当たりのメチルメタクリレー
ト生成活性は14.0mol/h/kg−触媒であっ
た。この結果より、金担持体と鉛担持体を組み合わせて
も比較例1と同様に低い活性しか得られないことがわか
る。
販シリカ担体(製品名「キャリアクトQ−10」富士シ
リシア化学製)10gに温浴上で鉛化合物を含浸担持し
た。その後、得られた含浸物を120℃で12時間乾燥
し、さらに空気中600℃で4時間焼成した。これによ
り、鉛がシリカに担持されたPb−シリカ担持体を得
た。
液1.0Lを65〜70℃に保持しながら、0.5mo
l/L水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7に調節し
た。この水溶液に上記Pb−シリカ担持体10gを撹拌
下に投入し、65〜70℃に保持しながら1時間撹拌を
続けた。その後、静置して上澄液を除去し、残った金固
定化物にイオン交換水0.8Lを加えて室温で5分間撹
拌した後、上澄液を除去するという洗浄工程を3回繰り
返した。ろ過によって得られた金固定化物を100℃で
10時間乾燥し、さらに空気中400℃で3時間焼成し
た。さらに、金と鉛との複合化を促進するために水素1
0%及び窒素90%からなる混合ガスを400℃で6時
間流通させた。こうして金及び鉛を含有する金属粒子が
シリカ担体に担持された金属粒子担持体(Au−Pb/
シリカ)を得た。この金属粒子担持体における金及び鉛
の担持量を測定した結果、担体に対してそれぞれ4.5
重量%及び4.9重量%であった。
子径を調べた結果、金属種がすべて5nm以下の粒子径
で高分散しており、平均粒子径が5nm以下であること
が確認された。さらに、金属粒子1個ごとの組成を調べ
た結果、どの金属粒子にも金と鉛の両方の成分が検出さ
れた。 (2)カルボン酸エステルの製造 前記(1)で得られた金属粒子担持体(Au−Pb/シ
リカ)を触媒として用いてカルボン酸エステルの製造を
行った。
メタクロレイン2ml、メタノール15ml及び上記金
属粒子担持体(Au−Pb/シリカ)0.5gを入れて
密封した。次いで、系内を酸素にて0.2MPaに加圧
した後、撹拌下80℃に加温し、この温度を2時間保持
した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液とをろ過
により分離し、反応液を分析した結果、メタクロレイン
の転化率96%、メチルメタクリレートの選択率及び収
率はそれぞれ88%及び84%、単位触媒重量当たりの
メチルメタクリレート生成活性は20.4mol/h/
kg−触媒であった。
わりにPbを担持していないシリカ(すなわち(1)
のシリカ)を用いたほかは、同様の操作により金がシリ
カに担持された金属粒子担持体を得た。この金属粒子担
持体における金の含有量は0.8重量%であった。
子径を調べた結果、金粒子径は10nm以上のものがほ
とんどであり、平均粒子径が6nmを上回ることが確認
された。
施例1の(2)と同様にしてカルボン酸エステルの製造
を行った。反応液を分析した結果、メタクロレインの転
化率8%、メチルメタクリレートの選択率及び収率はそ
れぞれ29%及び2%であった。
体を触媒として用い、実施例4の(2)と同様にしてカ
ルボン酸エステルの製造を行った。その結果、メタクロ
レインの転化率5%、メチルメタクリレートは生成せ
ず、その選択率及び収率はいずれも0%であった。
を用い、市販シリカ担体(製品名「キャリアクトQ−1
5」富士シリシア化学製)10gに温浴上でアルミニウ
ム化合物を含浸担持した。その後、得られた含浸物を1
20℃で12時間乾燥し、さらに空気中600℃で4時
間焼成した。これにより、アルミニウムがシリカに担持
されたAl−シリカ担持体を得た。
液250mlを65〜70℃に保持しながら、0.5m
ol/L水酸化カリウム水溶液を用いて上記水溶液をp
H7に調節した。この水溶液に上記Al−シリカ担持体
10gを撹拌下に投入し、65〜70℃に保持しながら
1時間撹拌を続けた。その後、静置して上澄液を除去
し、残った固形物にイオン交換水0.8Lを加えて室温
で5分間撹拌した後、上澄液を除去するという洗浄工程
を3回繰り返した。ろ過によって得られた金固定化物を
100℃で10時間乾燥し、さらに空気中400℃で3
時間焼成した。その後、酢酸鉛3水塩0.93g含有す
るメタノール溶液25mlを加え、常圧下エバポレータ
ーにてメタノールを除去した後、メタノール蒸気10〜
20%含む窒素ガスを流量約7.5L/時で400℃で
4時間流通させた。こうして金及び鉛を含有する金属粒
子がAl−シリカ担体に担持された金属粒子担持体(P
b−Au/Al/シリカ)を得た。この金属粒子担持体
における金及び鉛の担持量を測定した結果、担体に対し
てそれぞれ4.5重量%及び5.0重量%であった。担
体(Al/シリカ)中のAl含有量は、5.0重量%で
あった。
子径を調べた結果、金属種がすべて5nm以下の粒子径
で高分散しており、平均粒子径が5nm以下であること
が確認された。さらに、金属粒子1個ごとの組成を調べ
た結果、どの金属粒子にも金と鉛の両方の成分が検出さ
れた。 (2)カルボン酸エステルの製造 前記(1)で得られた金属粒子担持体(Pb−Au/A
l/シリカ)を触媒として用いてカルボン酸エステルの
製造を行った。
メタクロレイン3ml、メタノール12ml及び上記金
属粒子担持体(Pb−Au/Al/シリカ)0.5gを
入れて密封した。次いで、系内を酸素にて0.3MPa
に加圧した後、撹拌下80℃に加温し、この温度を1時
間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液と
をろ過により分離し、反応液を分析した結果、メタクロ
レインの転化率81%、メチルメタクリレートの選択率
及び収率はそれぞれ86%及び70%、単位触媒重量当
たりのメチルメタクリレート生成活性は50.7mol
/h/kg−触媒であった。
原料をアクロレイン3ml及びメタノール13mlと
し、反応条件を70℃で4時間としたほかは、実施例5
と同様にしてカルボン酸エステルの製造を実施した。得
られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した。そ
の結果、アクロレインの転化率98%、メチルアクリレ
ートの選択率及び収率はそれぞれ87%及び85%、単
位触媒重量当たりのメチルアクリレート生成活性は1
9.1mol/h/kg−触媒であった。
原料を40%グリオキザール水溶液2g及びメタノール
15mlとしたほかは、実施例5と同様にしてカルボン
酸エステルの製造を実施した。得られた反応液を分析し
た結果、グリオキザールの転化率74%、グリオキシル
酸メチルの選択率及び収率はそれぞれ88%及び65
%、単位触媒重量当たりのグリオキシル酸メチル生成活
性は17.9mol/h/kg−触媒であった。
液(10mM)250mlを攪拌下60℃に加温した。
市販のチタニア(商品名「P−25」日本アエロジル
製)10gを加えた後、0.5mol/L水酸化ナトリ
ウム水溶液を用いてpH6〜7に維持しながら1時間攪
拌を続けた。その後、固形分をろ過して500mlのイ
オン交換水にて3回水洗した。得られた固形分を空気中
500℃で4時間焼成した後、水素20%窒素80%の
混合ガスを流量6L/時で流通させながら450℃で4
時間処理した。こうして金及びビスマスを含有する金属
粒子がチタニア担体に担持された金属粒子担持体(Au
−Bi/チタニア)を得た。この金属粒子担持体におけ
る金及び鉛の担持量を測定した結果、担体に対してそれ
ぞれ4.5重量%及び1.6重量%であった。
子径を調べた結果、金属種がすべて3〜6nmの粒子径
で高分散しており、平均粒子径が6nm以下であること
が確認された。さらに、金属粒子1個ごとの組成を調べ
た結果、どの金属粒子にも金とビスマスの両方の成分が
検出された。
タニア)を触媒として用いてカルボン酸エステルの製造
を行った。
ベンズアルデヒド3.0g、エタノール20ml及び上
記金属粒子担持体(Au−Bi/チタニア)0.5gを
入れて密封した。次いで、系内を酸素にて0.3MPa
に加圧した後、撹拌下90℃に加温し、この温度を4時
間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液と
をろ過により分離し、反応液を分析した結果、ベンズア
ルデヒドの転化率62%、カルボン酸エステルである安
息香酸エチルの選択率及び収率はそれぞれ75%及び4
7%、 実施例9 (1)金属粒子担持体の調製 Zn担持 硝酸亜鉛6水塩1.51g含む水溶液25mlを用い、
市販シリカ担体(製品名「キャリアクトQ−15」富士
シリシア化学製)10gに温浴上で亜鉛化合物を含浸担
持した。その後、得られた含浸物を120℃で12時間
乾燥し、さらに空気中600℃で4時間焼成した。これ
により、亜鉛がシリカに担持されたZn−シリカ担持体
を得た。
液200mlを65〜70℃に保持しながら、0.5m
ol/L水酸化カリウム水溶液を用いて上記水溶液をp
H7に調節した。この水溶液に上記Zn−シリカ担持体
10gを撹拌下に投入し、65〜70℃に保持しながら
1時間撹拌を続けた。その後、静置して上澄液を除去
し、残った金固定化物にイオン交換水0.8Lを加えて
室温で5分間撹拌した後、上澄液を除去するという洗浄
工程を3回繰り返した。ろ過によって得られた金固定化
物を100℃で10時間乾燥し、さらに空気中450℃
で3時間焼成した。さらに、金と亜鉛との複合化を促進
するために水素10%及びアルゴン90%からなる混合
ガスを用いて500℃で4時間還元処理を行った。こう
して金及び亜鉛を含有する金属粒子がシリカ担体に担持
された金属粒子担持体(Au/Zn/シリカ)を得た。
この金属粒子担持体における金及び亜鉛の担持量を測定
した結果、担体に対してそれぞれ3.2重量%及び3.
3重量%であった。
子径を調べた結果、金属種がすべて2〜6nmの粒子径
で高分散しており、平均粒子径が6nm以下であること
が確認された。さらに、金属粒子1個ごとの組成を調べ
た結果、どの金属粒子にも金と亜鉛の両方の成分が検出
された。 (2)カルボン酸エステルの製造 前記(1)で得られた金属粒子担持体(Au/Zn/シ
リカ)を触媒として用いてカルボン酸エステルの製造を
行った。
イソブチルアルデヒド3ml、エタノール20ml及び
上記金属粒子担持体(Au/Zn/シリカ)1.0gを
入れて密封した。次いで、系内を酸素にて0.3MPa
に加圧した後、撹拌下65℃に加温し、この温度を5時
間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液と
をろ過により分離し、反応液を分析した結果、イソブチ
ルアルデヒドの転化率94%、エチルイソブチレートの
選択率及び収率はそれぞれ89%及び84%であった。
アルミナ)を触媒として用いてカルボン酸エステルの合
成反応を繰り返し行った。
メタクロレイン3.0ml、メタノール13ml及び上
記金属粒子担持体(Pb−Au/γ−アルミナ)1.0
gを入れて密封した。次いで、系内を酸素にて0.3M
Paに加圧した後、撹拌下80℃に加温し、この温度を
1時間保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応
液とをろ過により分離した後、反応液を分析した結果、
メタクロレインの転化率は83%、メチルメタクリレー
トの選択率及び収率はそれぞれ88%及び73%、単位
触媒重量当たりのメチルメタクリレート生成活性は2
6.5mol/h/kg−触媒であった。
ン3.0ml及びメタノール13mlとともに再度10
0ml回転撹拌付きオートクレーブに仕込んで密封し、
上記と同様にして2回目の反応を行った。上記と同様に
して反応液の分析を行った。その結果、メタクロレイン
の転化率は79%、メチルメタクリレートの選択率及び
収率はそれぞれ86%及び68%、単位触媒重量当たり
のメチルメタクリレート生成活性は24.6mol/h
/kg−触媒であった。
回目の反応を実施し、上記と同様にそれぞれの反応液の
分析を行った。3回目の反応の結果は、メタクロレイン
の転化率は81%、メチルメタクリレートの選択率及び
収率はそれぞれ85%及び69%、単位触媒重量当たり
のメチルメタクリレート生成活性は25.0mol/h
/kg−触媒であった。4回目の反応の結果は、メタク
ロレインの転化率は80%、メチルメタクリレートの選
択率及び収率はそれぞれ86%及び69%、単位触媒重
量当たりのメチルメタクリレート生成活性は25.0m
ol/h/kg−触媒であった。
を酸化反応用触媒として用いる場合には、繰り返し反応
でも性能劣化せず、比較的高い触媒活性を維持できるこ
とがわかる。
アセチルアセトネートの75重量%プロパノール溶液)
30.4gにメタノールを加えて全量200mlとし
た。次いで、これに市販のシリカ担体(富士シリシア化
学製、比表面積179m2/g、100〜500メッシ
ュ)50gを加え、エバポレーターにより常圧80℃で
溶媒をできるだけ留去した。その後、固形分を120℃
で10時間乾燥し、次いで空気中600℃で4時間焼成
した。こうして得られたTi−シリカ担体について、蛍
光X線による分析を行った。その結果、シリカに対して
TiがTiO2として10重量%担持されていることを
確認した。この担体を用いて実施例2−1と同様の操作
によりAuを担持した。得られた金担持体2gにゲルマ
ニウム(III)n−ブトキシド(Glest 試薬)0.17
8gを含有するメタノール溶液20mlを含浸した。そ
の後、含浸物をガラス製チューブに充填し、水素と窒素
の混合ガス(水素:窒素=1:9(体積比))を流通し
ながら400℃で3時間水素還元処理を行った。こうし
てAuとGeを含有する金属粒子がTi−シリカ担体に
担持された担持体(Ge−Au/Ti−シリカ)を得
た。この金属粒子担持体におけるAu及びGeの担持量
を調べた結果、それぞれ4.2重量%及び2.0重量%
であった。また、この金属粒子担持体の金属粒子径を調
べた結果、平均粒子径は6nm以下であり、各金属粒子
にはAu及びGeのいずれの成分も検出された。 (2)カルボン酸エステルの製造 40重量%グリオキザール水溶液(和光純薬)60gに
1−ブタノール300gを加え、エバポレーターにより
常圧90℃にて大部分の水を1−ブタノールとの共沸組
成として留出させた。こうしてグリオキザールのブタノ
ール溶液(グリオキザール19.4重量%、ブタノール
80.6重量%含有)を得た。次いで、上記ブタノール
溶液5.17g、1−ブタノール8.90g及び上記の
金属担持体0.6gをコンデンサー付きオートクレーブ
に仕込み、攪拌下80℃で内圧0.5MPaに維持しな
がら、酸素と窒素の混合ガス(酸素:窒素=1:9(体
積比))を流量500ml/分で液中にバブリングしな
がら5時間反応を行った。反応後、得られた反応液を分
析した結果、グリオキザールの転化率87%、生成物で
あるグリオキシル酸1−ブチルの選択率73%及び収率
64%であった。
モン(III)n−ブトキシド(Glest 試薬)0.121
gを使用した以外は、実施例2−11と同様の操作によ
り、AuとSbを含有する微粒子がTi−シリカ担体に
担持された担持体(Sb−Au/Ti−シリカ)を得
た。この金属粒子担持体におけるAu及びSbの担持量
を調べた結果、それぞれ4.2重量%及び2.2重量%
であった。また、この金属粒子担持体の金属粒子径を調
べた結果、平均粒子径は6nm以下であり、各金属粒子
にはAu及びSbのいずれの成分も検出された。 (2)カルボン酸エステルの製造 実施例2−11で得られたグリオキザールのブタノール
溶液5.17g、1−オクタノール9.62g及び上記
金属粒子担持体0.6gをオートクレーブに仕込み、実
施例2−11と同様の操作で酸化反応を実施した。得ら
れた反応液を分析した結果、グリオキザールの転化率9
0%、生成物であるグリオキシル酸1−ブチル及びグリ
オキシル酸1−オクチルの総和の選択率74%及び収率
67%であった。 実施例13 (1)触媒の調製 実施例11で得られたTi−シリカ担体2gに酢酸イン
ジウム(III)(Aldrich 触媒)0.118gを含有す
る水溶液を含浸した。次いで、得られた含浸体を空気中
500℃で4時間焼成し、In−Ti−シリカ担体を得
た。上記担体を用いて実施例2−1と同様の操作により
Auを担持することにより、金担持体を得た。その後、
ガラス製チューブにこの金担持体を充填し、水素と窒素
の混合ガス(水素:窒素=1:9(体積比))を流通し
ながら400℃で3時間水素還元処理を行った。こうし
てAuとInを含有する金属粒子がTi−シリカ担体に
担持された担持体(In−Au/Ti−シリカ)を得
た。この金属粒子担持体におけるAu及びInの担持量
を調べた結果、それぞれ3.7重量%及び2.3重量%
であった。また、この金属粒子担持体の金属粒子径を調
べた結果、平均粒子径は6nm以下であり、各金属粒子
にはAu及びInのいずれの成分も検出された。 (2)カルボン酸エステルの製造 メタクロレイン1.7g、メタノール11.9g及び上
記金属粒子担持体1gをオートクレーブに仕込み、内圧
を1MPaとしたほかは実施例2−11と同様の操作で
酸化反応を実施した。得られた反応物を分析した結果、
メタクロレインの転化率72%、生成物であるメタクリ
ル酸メチルの選択率89%及び収率64%であった。
テルル(東京化成試薬)0.10gを含有する硝酸水溶
液を含浸した。次いで、得られた含浸体を空気中500
℃で4時間焼成し、Te−Ti−シリカ担体を得た。上
記担体を用いて実施例2−1と同様の操作によりAuを
担持することにより、金担持体を得た。その後、ガラス
製チューブに上記金担持体を充填し、水素と窒素の混合
ガス(水素:窒素=1:9(体積比))を流通しながら
400℃で3時間水素還元処理を行った。こうしてAu
とTeを含有する金属粒子がTi−シリカ担体に担持さ
れた金属粒子担持体(Au−Te/Ti−シリカ)を得
た。この金属粒子担持体におけるAu及びTeの担持量
を調べた結果、それぞれ4.6重量%及び4.0重量%
であった。また、この金属粒子担持体の金属粒子の粒子
径を調べた結果、平均粒子径は6nm以下であり、各金
属粒子にはAu及びTeのいずれの成分も検出された。 (2)カルボン酸エステルの製造 ピルビックアルデヒド水溶液(和光純薬製、40重量%
水溶液)3g、エタノール20g及び上記金属粒子担持
体1gをオートクレーブに仕込み、実施例2−11と同
様の操作で酸化反応を実施した。得られた反応物を分析
した結果、ピルビックアルデヒドの転化率48%、生成
物であるピルビン酸エチルの選択率86%及び収率41
%であった。
5〜70℃に保持しながら、0.5N水酸化ナトリウム
水溶液を用いてpH6.2に調節した。この水溶液に実
施例1−23で得たTi−シリカ担体2gを加え、溶液
のpHが6となった後、酢酸ニッケル(II)・4水和物
(和光純薬製)0.21gを含有する水溶液50mlを
加えた。その後、70℃・pH6.2に保持しながら1
時間撹拌を続けた。その後、静置して上澄液を除去し、
残った固形分にイオン交換水0.8Lを加えて室温で5
分間撹拌した後、上澄液を除去するという洗浄工程を3
回繰り返した。ろ過によって得られた固形分を120℃
で10時間乾燥した。その後、ガラス製チューブに上記
固形分を充填し、水素と窒素の混合ガス(水素:窒素=
1:9(体積比))を流通しながら400℃で3時間水
素還元処理を行った。こうしてAuとNiを含有する金
属粒子がTi−シリカ担体に担持された金属担持体(A
u−Ni/Ti−シリカ)を得た。この金属粒子担持体
におけるAu及びNiの担持量を調べた結果、それぞれ
4.0重量%及び2.4重量%であった。また、この金
属粒子担持体の金属粒子径を調べた結果、平均粒子径は
6nm以下であり、各金属粒子にはAu及びNiのいず
れの成分も検出された。 (2)カルボン酸エステルの製造 触媒として上記金属粒子担持体を使用したほかは、実施
例11と同様の操作で酸化反応を実施した。得られた反
応物を分析した結果、グリオキザールの転化率94%、
生成物であるグリオキシル酸1−ブチルの選択率75%
及び収率71%であった。
薬製)0.22gを使用したほかは、実施例2−15と
同様にしてAuとCoを含有する金属粒子がTi−シリ
カ担体に担持された金属粒子担持体を得た。この金属粒
子担持体におけるAu及びCoの担持量を調べた結果、
それぞれ4.1重量%及び2.6重量%であった。ま
た、この金属粒子担持体の金属粒子径を調べた結果、平
均粒子径は6nm以下であり、各金属粒子にはAu及び
Coのいずれの成分も検出された。 (2)カルボン酸エステルの製造 ピルビックアルデヒド(和光純薬製、40重量%水溶
液)4g、メタノール20g及び上記金属粒子担持体1
gをオートクレーブに仕込み、実施例2−11と同様の
操作で酸化反応を実施した。得られた反応物を分析した
結果、ピルビックアルデヒドの転化率55%、生成物で
あるピルビン酸メチルの選択率81%及び収率45%で
あった。
I)アセチルアセトナート1.26gとを含有するメタ
ノール溶液25mlに、Al−シリカ(Al含有量5重
量%、シリカ担体、製品名「キャリアクトQ−30」富
士シリシア化学製)5gを加えた。エバポレーターによ
りメタノールを常圧下40℃で留去した。残渣を空気中
100℃で12時間乾燥させた後、空気中300℃で3
時間焼成した。これをガラス製チューブに充填し、水素
と窒素の混合ガス(水素:窒素=1:9(体積比))を
流通しながら450℃で3時間水素還元処理を行った。
こうしてAuとFeを含有する金属粒子がAl−シリカ
担体に担持された金属粒子担持体(Au−Fe/Al−
シリカ)を得た。この金属粒子担持体におけるAu及び
Feの担持量を調べた結果、それぞれ4.0重量%及び
4.1重量%であった。また、この金属粒子担持体の金
属粒子の粒子径を調べた結果、ほとんどすべてが6nm
以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径は6nm以
下であることが確認された。さらに、観察した各金属粒
子にはAu及びFeのいずれの成分も検出された。 (2)カルボン酸エステルの製造 前記(1)で得られた金属粒子担持体(Au−Fe/A
l−シリカ)を触媒として用いてカルボン酸エステルの
製造を行った。100ml回転撹拌付きオートクレーブ
にメタクロレイン3ml、メタノール15ml及び上記
金属粒子担持体1gを入れて密封した。次いで、系内を
酸素0.5MPa及び窒素0.3MPaに加圧した後、
撹拌下80℃に加温し、この温度を2時間保持した。反
応後、得られた反応液を分析した結果、メタクロレイン
の転化率72%、メチルメタクリレートの選択率及び収
率はそれぞれ85%及び61%であった。
Claims (4)
- 【請求項1】周期表第4周期から第6周期の2B族、3
B族、4B族、5B族、6B族及び第4周期8族の少な
くとも1種の第二元素と金とを含有する金属粒子が担体
上に担持された金属粒子担持体。 - 【請求項2】金及びその化合物の少なくとも1種ならび
に第二元素及びその化合物の少なくとも1種を含む担体
を熱処理することによって得られる請求項1記載の金属
粒子担持体。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載の金属粒子担持体か
らなる酸化反応用触媒。 - 【請求項4】請求項3記載の触媒と酸素の存在下に、ア
ルデヒドとアルコールを反応させることを特徴とするカ
ルボン酸エステルの製造方法。
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