JP2003093876A - カルボン酸エステル合成用触媒及びカルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents
カルボン酸エステル合成用触媒及びカルボン酸エステルの製造方法Info
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Abstract
用触媒を提供する。 【解決手段】1種又は2種以上のアルコールと酸素との
反応によりカルボン酸エステルを合成するために用いら
れる触媒であって、 1)Auからなる微粒子及び/又は 2)周期表第4から第6周期のIIB族、IIIB族、IVB
族、VB族及びVIB族の少なくとも1種の第二元素とA
uとからなる微粒子が担体上に担持されていることを特
徴とするカルボン酸エステル合成用触媒に係る。
Description
ル合成用触媒及びカルボン酸エステルの製造方法に関す
る。
ル等のカルボン酸エステルは、各種の合成樹脂の原料と
なる重合用モノマーとして工業的に重要な化合物であ
る。
する方法の一つとして、分子状酸素の存在下で酸素とア
ルコールとを反応させる方法が知られている。例えば、
下記の式(1)(分子間反応)及び式(2)(分子内反
応)に示す2種の反応が利用されている。
主体とする化合物が提案されている。例えば、パラジウ
ムと鉛、水銀、タリウム又はビスマスより選ばれた少な
くとも1種の元素とを含む金属間化合物を含有してなる
触媒が提案されている(特公昭62−7903号)。ま
た、液相懸濁パラジウム触媒も提案されている(日本化
学学会誌1973,pp.454〜458)。
術で挙げられている触媒はいずれも触媒活性がなお低
い。このため、前記の特公昭62−7903号に開示さ
れた技術のように、アルコールと同量又はそれよりも多
い量の触媒を用いなければならず、生産コストが高くな
らざるを得ない。このような点から、より効率的にカル
ボン酸エステルを合成するためにはさらなる改良が必要
とされている。
性に優れたカルボン酸エステル合成用触媒を提供するこ
とにある。
技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、
金微粒子を主体とする触媒が上記目的を達成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
ステル合成用触媒及びカルボン酸エステルの製造方法に
係るものである。
との反応によりカルボン酸エステルを合成するために用
いられる触媒であって、 1)Auからなる微粒子及び/又は 2)周期表第4から第6周期のIIB族、IIIB族、IVB
族、VB族及びVIB族の少なくとも1種の第二元素とA
uとからなる微粒子が担体上に担持されていることを特
徴とするカルボン酸エステル合成用触媒。
ある前記項1記載のカルボン酸エステル合成用触媒。
下、1種又は2種以上のアルコールと酸素との反応によ
りカルボン酸エステルを合成することを特徴とするカル
ボン酸エステルの製造方法。
媒 本発明のカルボン酸エステル合成用触媒は、1種又は2
種以上のアルコールと酸素との反応によりカルボン酸エ
ステルを合成するために用いられる触媒であって、 1)Auからなる微粒子及び/又は 2)周期表第4から第6周期のIIB族、IIIB族、IVB
族、VB族及びVIB族の少なくとも1種の第二元素とA
uとからなる微粒子が担体上に担持されていることを特
徴とする。
コールと酸素との反応によりカルボン酸エステルを合成
する場合に用いることができる。特に、本発明触媒によ
り製造できるカルボン酸エステルとしては、鎖状のカル
ボン酸エステルのほか、例えばラクトンのような環状の
カルボン酸エステルも包含される。 (1)触媒活性成分 本発明触媒における触媒活性成分としては、上記のよう
に、金単独からなる微粒子ならびに金と上記第二元素か
らなる微粒子の少なくとも1種の金属微粒子が用いられ
る。本発明では、金単独からなる微粒子と、金と第二元
素からなる微粒子とが混在していても良い。なお、本発
明では、これらの微粒子中には、本発明の効果を妨げな
い範囲内の不純物が含まれていても良い。
微粒子のいずれにも金と第二元素とが含まれていること
が望ましい。第二元素は、周期表第4から第6周期のII
B族、IIIB族、IVB族、VB族及びVIB族の少なくとも
1種である。具体的には、上記IIB族としてZn、C
d、Hg;IIIB族としてGa、In、Tl;IVB族と
してGe、Sn、Pb;VB族としてAs、Sb、B
i;VIB族としてSe、Te、Po等が例示される。本
発明では、周期表第4から第6周期のIIB族、IVB族、
VB族の少なくとも1種が好ましい。特に、Zn、Pb
及びBiの少なくとも1種が好ましい。
得られる限り、一部又は全部が合金、金属間化合物等を
形成していても良い。金と第二元素との含有比率は、特
に限定されず、例えば触媒の使用目的、使用条件等に応
じて適宜決定すれば良い。
粒子径をもつ粒子が好ましい。微粒子を触媒として使用
する際には、粒子表面に露出している構成元素が多いほ
ど高活性が期待できるため、安定性を考慮しながら小さ
い粒子径とすることが望ましい。かかる見地より、本発
明の微粒子では平均粒子径10nm以下(特に6nm以
下)であることが好ましい。平均粒子径を10nm以下
に規定することによって、いっそう高い触媒活性を得る
ことができる。平均粒子径の下限値は特に制限されない
が、物理的安定性の見地より約1nm程度とすれば良
い。
は、担体上の微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)によ
る観察により任意に選んだ100個の粒子径の算術平均
値を示す。
終製品の用途、担体の種類等に応じて適宜決定すれば良
いが、通常は担体100重量部に対して0.01〜20
重量部程度、特に0.1〜10重量部とすることが好ま
しい。 (2)担体 担体としては、従来のカルボン酸エステル合成に用いら
れる触媒担体として用いられるもの又は市販品を使用す
ることができ、特に限定されない。また、公知の製法に
よって得られるものも使用できる。例えば、金属酸化物
(シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシ
ア等)、複合金属酸化物(シリカ・アルミナ、チタニア
・シリカ、シリカ・マグネシア等)、ゼオライト(ZS
M−5等)、メソポーラスシリケート(MCM−41
等)、天然鉱物(粘土、珪藻土、軽石等)の各種担体を
挙げることができる。
l、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、
Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの
少なくとも1種の元素を含む酸化物からなる無機酸化物
担体を好ましく用いることができる。上記酸化物は、単
体元素の酸化物が2以上混合された混合酸化物であって
も良いし、あるいは複酸化物(又は複合酸化物)であっ
ても良い。
i、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、
Zr、Nb、Sn、Pb、La及びCeの少なくとも1
種とSiとを含む無機酸化物担体を好ましく用いること
ができる。
いることができる。例えば、含浸法、共沈法、イオン交
換法、気相蒸着法、混練法、水熱合成法等が挙げられ
る。
Ca、Sr、Ba、Al、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Sn、P
b、La及びCeの少なくとも1種を含む水溶性化合物
の水溶液をシリカに含浸させた後、得られた含浸体を焼
成することによって得られる。かかる無機酸化物担体
は、触媒活性成分である微粒子をより確実に担持できる
とともに、微粒子との相乗的な作用によっていっそう高
い触媒活性を得ることができる。
ない。例えば、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物等の無機化合
物、カルボン酸塩、アルコキサイド、アセチルアセトナ
ート等の有機化合物が挙げられる。
定的でない。例えば、硝酸亜鉛、硝酸ランタン、硝酸
鉄、硝酸ニッケル、硝酸アルミニウム等の等の無機酸
塩、酢酸鉛、酢酸マグネシウム等の有機酸塩を挙げるこ
とができる。これらの塩は無水物又は水和物のいずれで
あっても良い。また、上記水溶液の濃度は、用いる水溶
性化合物の種類等に応じて適宜設定できる。
的ではないが、通常はシリカ100重量部に対して1〜
20重量部程度となるようにすれば良い。
ることが好ましく、特にその比表面積(BET法)が通
常50m2/g以上、特に100m2/g以上であること
がより好ましい。担体の形状・大きさは限定的でなく、
最終製品の用途等に応じて適宜決定すれば良い。 2.本発明触媒の製造方法 (1)金微粒子を担持する場合 金微粒子を担持する場合は、金微粒子を担体上に固定化
できる方法であれば特に限定されない。担持方法自体
は、例えば共沈法、析出沈殿法、含浸法、気相蒸着法等
の公知の方法を利用できる。本発明では、担持方法とし
て共沈法、析出沈殿法等を好適に使用でき、特に析出沈
殿法がより好ましい。析出沈殿法を用いて本発明触媒を
製造する場合、例えば、金を含む水溶性化合物の水溶液
と無機酸化物担体とを混合した後、回収された固形分を
焼成することによって本発明触媒を得ることができる。
れば限定されない。例えば、テトラクロロ金(III)酸
「H〔AuCl4〕」、テトラクロロ金(III)酸ナトリ
ウム「Na〔AuCl4〕」、ジシアノ金(I)酸カリウ
ム「K〔Au(CN)2〕」、ジエチルアミン金(III)
三塩化物「(C2H5)2NH〔AuCl3〕」等の錯体;
シアン化金(I)等の金化合物が挙げられる。これらの
化合物は少なくとも1種を用いることができる。
類等によって異なるが、通常は0.1〜100mmol
/L程度とすれば良い。また、上記水溶液のpHは、通
常5〜10程度、好ましくは6〜9の範囲内に設定すれ
ば良い。上記pHは、例えば水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア
等のアルカリにより調節することができる。また、必要
により、塩酸等の酸を使用することもできる。これらの
アルカリ又は酸は、必要に応じて水溶液の形態で使用し
ても良い。
加することもできる。界面活性剤は、上記水溶液に応じ
て公知のもの又は市販品の中から適宜選択すれば良い。
例えば、長鎖アルキルスルホン酸及びその塩、長鎖アル
キルベンゼンスルホン酸及びその塩、長鎖アルキルカル
ボン酸及びその塩、アリールカルボン酸及びその塩等の
アニオン性界面活性剤;長鎖アルキル4級アンモニウム
塩等のカチオン性界面活性剤;ポリアルキレングリコー
ル、ポリオキシエチレンノニルフェノール等のノニオン
性界面活性剤;等が挙げられる。これら界面活性剤は少
なくとも1種を用いることができる。本発明では、アニ
オン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が好まし
く、特にアニオン性界面活性剤が好ましい。アニオン性
界面活性剤の中でも、とりわけ、炭素数8以上の長鎖ア
ルキルスルホン酸及びその塩、炭素数8以上の長鎖アル
キルベンゼンスルホン酸及びその塩、炭素数8以上の長
鎖アルキルカルボン酸及びその塩、アリールカルボン酸
及びその塩等がより好ましい。
いる界面活性剤の種類等により適宜決定することができ
るが、通常は界面活性剤の濃度が0.1〜10mmol
/L程度とすれば良い。
粒体等のいずれの形態で使用しても良い。上記担体の使
用量は、上記水溶液の濃度、用いる担体の種類等に応じ
て適宜設定すれば良い。上記水溶液と担体とを混合する
際には、必要に応じて上記水溶液を加温しても良い。こ
の場合の温度は、通常10〜100℃程度とすれば良
い。
の水溶液とを混合した後、固形分を回収する。固形分の
回収方法は限定的でなく、例えば上澄液の回収により行
ったり、あるいは公知の固液分離法に従って実施するこ
とができる。回収された固形分は、残留イオンが実質的
になくなるまでイオン交換水等で洗浄することが好まし
い。
を行う。必要に応じて、焼成に先立って予め所定温度に
加熱して乾燥しても良い。乾燥温度は、通常150℃未
満とすれば良い。焼成温度は、通常150〜800℃程
度、好ましくは200〜700℃、最も好ましくは25
0〜600℃とすれば良い。この温度範囲内で所定の微
粒子が得られるように適宜設定すれば良い。焼成雰囲気
は空気(大気)中又は酸化性雰囲気中でも良く、またア
ルゴンガス、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気中、水素ガ
ス等の還元性雰囲気中のいずれであっても良い。また、
焼成時間は、焼成温度、固形分の大きさ等に応じて適宜
決定すれば良い。かかる焼成によって、本発明の触媒を
得ることができる。
微粒子を担持した触媒にあっては、触媒表面を有機シリ
ル化処理しても良い。かかる処理によって触媒性能の向
上、寿命安定性の改善等を図ることが可能である。有機
シリル化処理自体は公知の方法を適用でき、例えばメト
キシトリメチルシラン、トリメチルシリルクロライド、
ヘキサメチルジシラザン等のシリル化剤を用いて気相法
又ろは液相法によって実施すれば良い。有機シリル化処
理は、後記の(2)(3)についても同様に適用でき
る。 (2)金と第二元素からなる微粒子を担持する場合この
場合は、第二元素と金からなる微粒子が担体上に固定化
できる限りその制限はない。例えば、金及びその化合物
の少なくとも1種ならびに第二元素及びその化合物の少
なくとも1種を含む担体を熱処理することによって得る
ことができる。金の化合物、第二元素の化合物は、いず
れも水酸化物、塩化物、カルボン酸塩、硝酸塩、アルコ
キサイド、アセチルアトナート塩等のいずれであっても
良い。
順序も限定的でなく、いずれが先であっても良いし、ま
た同時であっても良い。すなわち、以下に示す製法
(A)〜(C)のいずれの方法を用いることができる。
すなわち、(A)金を担体に担持した後、第二元素を担
持する方法、(B)第二元素を担体に担持した後、金を
担持する方法、(C)金と第二元素とを同時に担体に担
持する方法が適用できる。以下、各方法について説明す
る。
を担持する方法である。まず、金が担持されてなる金担
持体を製造する。金担持体の製法は限定的でなく、例え
ば共沈法、析出沈殿法、含浸法、気相蒸着法等の従来の
方法をいずれも適用できる。本発明では、前記(1)の
金微粒子を担持する方法と同様にすることが好ましい。
すなわち、金を含む水溶性化合物の水溶液と無機酸化物
担体とを混合した後、回収された固形分を焼成すること
によって金担持体を得ることができる。製造条件は前記
(1)と同様にすれば良い。
も1種を金担持体に担持した後、熱処理することにより
金と第二元素とを複合化させる。
に従って行うことができる。例えば、含浸法、イオン交
換法、気相蒸着法等が挙げられる。このうち、含浸法が
好適に使用できる。例えば、第二元素を含む化合物が溶
解した溶液と上記金担持体との混合物を調製した後、当
該混合物から回収された固形分を熱処理することにより
好適に第二元素を担持することができる。
されないが、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、塩化物等の無
機化合物、ギ酸塩、酢酸塩、アセチルアセトナート塩、
アルコキサイド等の有機化合物を例示することができ
る。より具体的には、酢酸鉛、硝酸亜鉛、硝酸ビスマス
等を挙げることができる。
第二元素を含む化合物及びそれが溶解する溶媒の組合せ
を用いることにより調製できる。溶媒としては特に限定
はないが、水、有機溶媒等を用いることができる。有機
溶媒としては、例えばアルコール。ケトン、芳香族炭化
水素、カルボン酸エステル、ニトリル等を挙げることが
できる。特に、水及びアルコール(特にメタノール及び
エタノール)の少なくとも1種を用いることが好まし
い。従って、上記組合せは、水又はアルコールに溶解す
る上記化合物を用いることが好ましい。例えば、第二元
素としてPbを用いる場合は、酢酸鉛(水和物でも良
い。)をメタノールに溶解させた溶液を好適に用いるこ
とができる。
二元素濃度は、上記化合物の種類、溶媒の種類等に応じ
て適宜決定できるが、通常は0.01〜10mmol/
L程度にすれば良い。
合物が溶解した溶液との混合割合は、上記溶液の濃度、
金又は第二元素の所望の担持量等に応じて適宜決定する
ことができる。
溶解した溶液との混合物を調製した後、当該混合物から
固形分を回収する。固形分の回収方法は限定的ではない
が、例えば第二元素を含む化合物を金担持体に担持され
るようにすれば良い。例えば、エバポレーター等により
溶媒を留去することが好ましい。
理温度は、得られる各金属粒子が金及び第二元素から構
成されるような温度とすれば良い。すなわち、最終的に
得られる担持物を触媒として用いた場合に金と第二元素
との複合化による触媒活性が発現されるように熱処理す
れば良い。
よって異なるが一般的には50〜800℃程度、好まし
くは100〜600℃とすれば良い。
囲気、酸化性雰囲気、不活性雰囲気等のいずれでも良
い。還元性雰囲気とするためには、例えば水素、一酸化
炭素、アルコール等の還元性ガスのほか、これらの還元
性ガスを窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで希
釈した混合ガスを使用すれば良い。また、酸化性雰囲気
とするためには、酸素、空気等を含むガスを使用すれば
良い。不活性雰囲気とするためには、窒素、ヘリウム、
アルゴン等の不活性ガスを使用すれば良い。本発明で
は、特に還元性雰囲気とすることが望ましい。また、酸
化性雰囲気で熱処理した後、還元性雰囲気で熱処理する
こともできる。
って適宜変更することができるが、通常10分〜24時
間程度とすれば良い。
をさらに促進するために、上記熱処理に先立ってホルマ
リン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、ギ酸等の
還元剤を用いて固形分を還元処理しても良い。
金を担持する方法である。第二元素に担持する方法は限
定的でなく、例えば上記(A)と同様の方法を使用でき
る。すなわち、担体にまず上記(A)と同様の方法にて
第二元素を担持すれば良い。第二元素の原料、担持条件
等も、上記(A)で掲げた条件と同様にすれば良い。
操作上好ましい付加的処理として、酸化性雰囲気下(空
気又は酸素を含むガスの存在下)300〜900℃程度
で焼成することにより第二元素を担体に強固に固定化す
ることができる。
の担持は、上記(A)と同様の方法にて実施できる。す
なわち、析出沈殿法等により金を担持した後、乾燥及び
焼成を上記(A)と同様にして実施すれば良い。また、
上記(A)と同様、金と第二元素との複合化をより十分
なものとするために、上記(A)と同様の還元性雰囲気
下での熱処理を行うことが望ましい。また、必要に応じ
て、さらに還元剤を用いた還元処理を組み合わせること
もできる。
持する方法である。例えば、析出沈殿法により金と第二
元素とを同時に担体に担持することができる。具体的に
は、上記(A)において析出沈殿法により金を担体に担
持させる場合に、系内に第二元素を含む化合物を共存さ
せることによって、両者を担持することができる。さら
に、両者を担持したものを上記(A)(B)と同様に熱
処理を実施できる。 (3)金微粒子と、第二元素と金とからなる微粒子とを
担持する場合 この場合は、前記(1)及び(2)の方法を適宜組み合
わせれば良い。例えば、前記(2)の方法により第二元
素と金とからなる微粒子とを担体に担持した後、前記
(1)の方法でさらに金微粒子を担持することができ
る。 3.カルボン酸エステルの製造方法 本発明のカルボン酸エステルの製造方法は、本発明触媒
の存在下、1種又は2種以上のアルコールと酸素との反
応によりカルボン酸エステルを合成することを特徴とす
る。
よりカルボン酸エステルを生成するものであれば限定さ
れず、公知のカルボン酸エステル合成の原料として用い
られるアルコールも使用できる。アルコールは、1価ア
ルコール及び多価アルコールのいずれであっても良い。
また、アルコールは第一級アルコールが好ましい。多価
アルコールは、第一級アルコールを分子内に1つ以上含
んでいれば第二級アルコールを分子内に含んでいても良
い。すなわち、多価アルコールは、第一級アルコールを
分子内に1つ以上含んでいるものが好ましい。これらア
ルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n
−プロパノール、オクタノール等の炭素数1〜10の脂
肪族アルコール;1,2−エタンジオール、1,2−プ
ロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等の炭素数2
〜10のジオール;ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール等の分子内にエーテル結合を有する炭素数
2〜10のアルコール;アリルアルコール、メタリルア
ルコール等の炭素数3〜10の脂肪族不飽和アルコー
ル;ベンジルアルコール等の芳香族アルコール等が挙げ
られる。好ましくは、炭素数1〜10の脂肪族アルコー
ル等が使用できる。これらアルコールは、1種又は2種
以上で用いることができる。
ールの種類を特定することにより、目的とするカルボン
酸エステルを得ることができる。すなわち、アルコール
は、目的とするカルボン酸エステルの種類等によって適
宜選択すれば良い。例えば、a)酢酸エチルを合成する
場合:エタノール、b)ヒドロキシ酢酸2−ヒドロキシ
エチルを合成する場合:エチレングリコール、c)1,
4−ジオキサン−2−オンを合成する場合:ジエチレン
グリコール、d)グリコール酸メチルを合成する場合:
エチレングリコールとメタノール、e)ピルピン酸メチ
ル及び乳酸メチル(混合物)を合成する場合:プロピレ
ングリコールとメタノールをそれぞれ原料として使用す
ることができる。
コールの使用量は、各反応に応じて適宜決定とすれば良
い。例えば、エチレングリコール及びメタノールを酸素
と反応させてグリコール酸メチルを合成する場合には、
エチレングリコール及びメタノールをモル比で1:1を
基準とすれば良い。
応を本発明触媒の存在下に行う。上記反応は、液相反
応、気相反応等のいずれであっても良い。酸素(酸素ガ
ス)は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸
化炭素ガス等の不活性ガスで希釈されていても良い。ま
た、酸素は、空気を用いることもできる。酸素の反応系
への供給方法は特に限定されず、公知の方法を適用でき
る。
式、半回分式等のいずれであっても良く、特に限定され
るものではない。触媒は、反応形態として回分式を採用
する場合には、反応装置に原料とともに一括して仕込め
ば良い。また、反応形態として連続式を採用する場合に
は、反応装置に予め上記触媒を充填しておくか、あるい
は反応装置に原料とともに触媒を連続的に仕込めば良
い。触媒は、固定床、流動床、懸濁床等のいずれの形態
であっても良い。
種類、触媒の種類(組成等)、反応条件等に応じて適宜
決定すれば良い。反応時間は特に限定されるものではな
く、設定した条件により異なるが、通常は反応時間又は
滞留時間(反応器内滞留液量/液供給量)として0.5
〜20時間程度とすれば良い。
ができる。溶媒を用いることにより、目的とするカルボ
ン酸エステルを効率良く製造できる場合がある。使用で
きる溶媒としては、原料であるアルコールを溶解し、反
応条件下で自ら反応しにくいものであれば限定的でな
く、アルコールの種類、反応条件等に応じて適宜選択す
れば良い。例えば、水のほか、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;トル
エン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;塩化
メチレン、クロロホルム、二塩化エチレン等のハロゲン
含有化合物等を挙げることができる。溶媒の使用量は、
溶媒の種類、アルコールの種類、触媒の種類等に応じて
適宜設定すれば良い。
アルコールの種類、触媒の種類等に応じて適宜決定すれ
ば良い。反応温度は、通常0〜180℃程度、好ましく
は20〜150℃、より好ましくは50〜120℃とす
れば良い。この範囲内の温度に設定することにより、い
っそう効率的に反応を進行させることができる。反応圧
力は、減圧、常圧又は加圧のいずれであっても良いが、
通常は0.05〜2MPa(ゲージ圧)の範囲内が好適
である。また、反応系のpHは、副生成物抑制等の見地
よりpH6〜9程度とすることが望ましい。pH調節の
ために、例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属
化合物(カルボン酸塩)を反応系への添加剤として使用
することもできる。
た後、生成したカルボン酸エステルを公知の分離精製手
段等を用いて回収すれば良い。触媒の分離方法は公知の
方法に従えば良い。例えば、反応系が触媒(固形分)と
反応生成物(液状成分)からなる場合は、ろ過、遠心分
離等の公知の固液分離方法を用いて触媒と反応生成物を
分離することができる。このようにして得られるカルボ
ン酸エステルは、従来法で得られるカルボン酸エステル
と同様の用途に使用することができる。
が担体上に担持されていることから、アルコールと酸素
との反応によりカルボン酸エステルを合成するための触
媒として従来より優れた触媒活性を発揮することができ
る。しかも、繰り返し使用しても、従来技術のように容
易に性能劣化せず、比較的高い活性を維持することがで
きる。
徴を一層明確にする。但し、本発明の範囲は、実施例の
範囲に限定されるものではない。
選択率及び収率は、次の各式に基づいて算出した。
ル数、B:残存アルコールのモル数、C:生成したカル
ボン酸エステルのモル数をそれぞれ示す。) 実施例1 (1)触媒の調製 Au担持 濃度20mmol/Lのテトラクロロ金酸水溶液0.5
リットルを65〜70℃に保持しながら、0.5N水酸
化ナトリウム水溶液を用いてpH7に調節した。この水
溶液に市販γ−アルミナ(製品名「ネオビード」水沢化
学製)40gを撹拌下に投入し、65〜70℃に保持し
ながら1時間撹拌を続けた。その後、静置して上澄液を
除去し、残った金固定化物にイオン交換水0.8リット
ルを加えて室温で5分間撹拌した後、上澄液を除去する
という洗浄工程を3回繰り返した。ろ過によって得られ
た金固定化物を100℃で10時間乾燥し、さらに空気
中400℃で3時間焼成することにより、アルミナ担体
上に金が担持された金担持物(Au/γ−アルミナ)を
得た。
0mlに金担持物10gを加えた後、エバポレータにて
常圧下でメタノールを留去した。残った固体を内径10
mmのガラス製管に充填し、充填層を350℃に加温し
ながら水素10%及びアルゴン90%からなる混合ガス
を流量6L/hで6時間流通させた。こうして金と鉛と
を含有する金属微粒子をアルミナ担体上に担持させたP
b−Au/γ−アルミナ触媒を得た。
X線分析により測定した結果、担体に対してそれぞれ
4.6重量%及び4.0重量%であった。また、この触
媒の金属微粒子の状態分析を透過型電子顕微鏡(TE
M)(装置名「HF−2000」日立製作所、加速電圧
200kV)(以下同じ。))で調べた。その結果、金
属微粒子がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散
しており、粒子径2〜3nm付近に極大をもつ狭い粒子
径分布を示し、平均粒子径が5nm以下であることが確
認できた。また、金属微粒子1個ごとの組成分析をラン
ダムで行ったところ、いずれの金属微粒子にも金と鉛の
両方の成分が検出された。 (2)カルボン酸エステルの合成 前記(1)で得られたPb−Au/γ−アルミナ触媒を
用いてカルボン酸エステルの合成を行った。
メタリルアルコール3g、メタノール24g及び上記触
媒1gを入れて密封した。次いで、系内を酸素にて0.
3MPaに加圧した後、撹拌下90℃に加温し、この温
度を3時間保持した。その間、上記内圧を維持できるよ
うに酸素を供給し続けた。その後、冷却し、開封し、反
応物をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、
メタリルアルコールの転化率86%、生成物であるメタ
クリル酸メチルの選択率及び収率はそれぞれ81%及び
70%であった。
α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル3gを用いたほ
かは、実施例1(2)と同様にしてカルボン酸エステル
の合成を行った。その結果、α−ヒドロキシメチルアク
リル酸メチルの転化率26%、生成物であるメチレンマ
ロン酸ジメチルの選択率及び収率はそれぞれ88%及び
23%であった。
エチレングリコール3gを用いたほかは、実施例1
(2)と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行っ
た。その結果、エチレングリコールの転化率43%、生
成物であるグリコール酸メチルの選択率及び収率はそれ
ぞれ84%及び36%であった。
1,3−プロパンジオール3gを用いたほかは、実施例
1(2)と同様にしてカルボン酸エステルの合成を行っ
た。その結果、1,3−プロパンジオールの転化率36
%、生成物であるマロン酸ジメチルの選択率及び収率は
それぞれ85%及び31%であった。
を、市販のシリカ担体(製品名「キャリアクトQ−1
0」富士シリシア製)10gに温浴上にて含浸させた。
その後、120℃で120分乾燥し、さらに空気中60
0℃で4時間焼成した。これにより、ランタンがシリカ
担体上に担持されたLa−シリカ担持体を得た。
0mlを65〜70℃に保持しながら、0.5N水酸化
ナトリウム水溶液を用いてpH7に調節した。この水溶
液に上記担体5gを撹拌下に投入し、65〜70℃に保
持しながら1時間撹拌を続けた。その後、静置して上澄
液を除去し、残った金固定化物にイオン交換水0.8リ
ットルを加えて室温で5分間撹拌した後、上澄液を除去
するという洗浄工程を3回繰り返した。ろ過によって得
られた金固定化物を100℃で10時間乾燥し、さらに
空気中400℃で3時間焼成することにより、La−シ
リカ担体上に金が担持された触媒(Au/La−シリ
カ)を得た。
を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対してそれ
ぞれ8.4重量%及び10.1重量%であった。また、
この触媒の金属微粒子の状態分析をTEMで調べた。そ
の結果、金属微粒子がほとんどすべて5nm以下の粒子
径で高分散しており、その平均粒子径が明らかに5nm
以下であることが確認できた。 (2)カルボン酸エステルの合成 前記(1)で得られたAu/La−シリカ触媒を用いて
カルボン酸エステルの合成を行った。
エタノール15g及び上記触媒0.5gを入れて密封し
た。次いで、系内を酸素にて0.2MPaに加圧した
後、撹拌下100℃に加温し、この温度を4時間保持し
た。その間、上記内圧を維持できるように酸素を供給し
続けた。その後、冷却し、開封し、反応物をガスクロマ
トグラフィーで分析した。その結果、エタノールの転化
率18%、生成物である酢酸エチルの選択率及び収率は
それぞれ90%及び16%であった。
を用い、市販シリカ担体(製品名「キャリアクトQ−1
5」富士シリシア化学製)10gに温浴上でアルミニウ
ム化合物を含浸担持した。その後、得られた含浸物を1
20℃で12時間乾燥し、さらに空気中600℃で4時
間焼成した。これにより、アルミニウムがシリカに担持
されたAl−シリカ担持体を得た。
液250mlを65〜70℃に保持しながら、0.5m
ol/L水酸化カリウム水溶液を用いて上記水溶液をp
H7に調節した。この水溶液に上記Al−シリカ担持体
10gを撹拌下に投入し、65〜70℃に保持しながら
1時間撹拌を続けた。その後、静置して上澄液を除去
し、残った固形物にイオン交換水0.8Lを加えて室温
で5分間撹拌した後、上澄液を除去するという洗浄工程
を3回繰り返した。ろ過によって得られた金固定化物を
100℃で10時間乾燥し、さらに空気中400℃で3
時間焼成した。その後、酢酸鉛3水塩0.93g含有す
るメタノール溶液25mlを加え、常圧下エバポレータ
ーにてメタノールを除去した後、メタノール蒸気10〜
20%含む窒素ガスを流量約7.5L/時で400℃で
4時間流通させた。こうして金及び鉛を含有する金属粒
子がAl−シリカ担体に担持された担持物(Pb−Au
/Al/シリカ)を得た。この組成物における金及び鉛
の担持量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対
してそれぞれ4.5重量%及び5.0重量%であった。
担体(Al/シリカ)中のAl含有量は、5.0重量%
であった。
過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金属種
がすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、平均粒
子径が5nm以下であることが確認できた。さらに、金
属粒子1個ごとの組成を調べた結果、どの金属粒子にも
金と鉛の両方の成分が検出された。 (2)カルボン酸エステルの合成 前記(1)で得られた触媒(Pb−Au/Al/シリ
カ)を用いてカルボン酸エステルの合成を行った。
エチレングリコール1.5g、ジオキサン15ml及び
上記組成物(Pb−Au/Al/シリカ)0.5gを入
れて密封した。次いで、系内を酸素にて0.3MPaに
加圧した後、撹拌下80℃に加温し、この温度を1時間
保持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液とを
ろ過により分離し、反応液をガスクロマトグラフィーで
分析した。その結果、エチレングリコールの転化率25
%、生成物であるグリコール酸ヒドロキシエチルの選択
率及び収率はそれぞれ91%及び23%であった。
液(10mM)250mlを攪拌下60℃に加温した。
市販のチタニア(商品名「P−25」日本アエロジル
製)10gを加えた後、0.5mol/L水酸化ナトリ
ウム水溶液を用いてpH6〜7に維持しながら1時間攪
拌を続けた。その後、固形分をろ過して500mlのイ
オン交換水にて3回水洗した。得られた固形分を空気中
500℃で4時間焼成した後、水素20%窒素80%の
混合ガスを流量6L/時で流通させながら450℃で4
時間処理した。こうして金及びビスマスを含有する金属
粒子がチタニア担体に担持された担持物(Au−Bi/
チタニア)を得た。この担持物における金及び鉛の担持
量を蛍光X線分析により測定した結果、担体に対してそ
れぞれ4.5重量%及び1.6重量%であった。
過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金属種
がすべて3〜6nmの粒子径で高分散しており、平均粒
子径が6nm以下であることが確認できた。さらに、金
属粒子1個ごとの組成を調べた結果、どの金属粒子にも
金とビスマスの両方の成分が検出された。
を用いてカルボン酸エステルの合成を行った。
ジエチレングリコール1.5g、ジイソプロピルエーテ
ル20ml及び上記組成物(Au−Bi/チタニア)
0.5gを入れて密封した。次いで、系内を酸素にて
0.3MPaに加圧した後、撹拌下90℃に加温し、こ
の温度を4時間保持した。その後、冷却し、開封し、触
媒と反応液とをろ過により分離し、反応液をガスクロマ
トグラフィーで分析した。その結果、ジエチレングリコ
ールの転化率24%、生成物である1,4−ジオキサン
−2−オンの選択率及び収率はそれぞれ88%及び21
%であった。
市販シリカ担体(製品名「キャリアクトQ−15」富士
シリシア化学製)10gに温浴上で亜鉛化合物を含浸担
持した。その後、得られた含浸物を120℃で12時間
乾燥し、さらに空気中600℃で4時間焼成した。これ
により、亜鉛がシリカに担持されたZn−シリカ担持体
を得た。
液200mlを65〜70℃に保持しながら、0.5m
ol/L水酸化カリウム水溶液を用いて上記水溶液をp
H7に調節した。この水溶液に上記Zn−シリカ担持体
10gを撹拌下に投入し、65〜70℃に保持しながら
1時間撹拌を続けた。その後、静置して上澄液を除去
し、残った金固定化物にイオン交換水0.8Lを加えて
室温で5分間撹拌した後、上澄液を除去するという洗浄
工程を3回繰り返した。ろ過によって得られた金固定化
物を100℃で10時間乾燥し、さらに空気中450℃
で3時間焼成した。さらに、金と亜鉛との複合化を促進
するために水素10%及びアルゴン90%からなる混合
ガスを用いて500℃で4時間還元処理を行った。こう
して金及び亜鉛を含有する金属粒子がシリカ担体に担持
された担持物(Au/Zn/シリカ)を得た。この組成
物における金及び亜鉛の担持量を蛍光X線分析により測
定した結果、担体に対してそれぞれ3.2重量%及び
3.3重量%であった。
過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。その結果、金属種
がすべて2〜6nmの粒子径で高分散しており、平均粒
子径が6nm以下であることが確認できた。さらに、金
属粒子1個ごとの組成を調べた結果、どの金属粒子にも
金と亜鉛の両方の成分が検出された。 (2)カルボン酸エステルの合成 前記(1)で得られた担持物(Au/Zn/シリカ)を
用いてカルボン酸エステルの合成を行った。
1,6−ヘキサンジオール1.5g、トルエン15ml
及び上記組成物(Au/Zn/シリカ)1.0gを入れ
て密封した。次いで、系内を酸素にて0.3MPaに加
圧した後、撹拌下65℃に加温し、この温度を5時間保
持した。その後、冷却し、開封し、触媒と反応液とをろ
過により分離し、反応液をガスクロマトグラフィーで分
析した。その結果、1,6−ヘキサンジオールの転化率
18%、生成物であるε−カプロラクトンの選択率及び
収率はそれぞれ82%及び15%であった。
lを65〜70℃に保持しながら、0.5N水酸化ナト
リウム水溶液を用いてpH7に調節した。この水溶液に
市販チタニア担体(ノートン社製、アナターゼ型チタニ
ア)10gを撹拌下に投入し、65〜70℃及びpH7
〜8に保持しながら1時間撹拌を続けた。その後、静置
して上澄液を除去し、残った金固定化物にイオン交換水
0.8リットルを加えて室温で5分間撹拌した後、上澄
液を除去するという洗浄工程を3回繰り返した。ろ過に
よって得られた金固定化物を100℃で10時間乾燥
し、さらに空気中400℃で3時間焼成することによ
り、チタニア担体上に金が担持された金担持物(Au/
チタニア)を得た。
により測定した結果、担体に対して4.7重量%であっ
た。また、この触媒の金属微粒子の状態分析をTEMで
調べた。その結果、金属微粒子がほとんどすべて5nm
以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径が明らかに
5nm以下であることが確認できた。 (2)カルボン酸エステルの合成 前記(1)で得られたAu/チタニア触媒を用いてカル
ボン酸エステルの合成を行った。
n−プロパノール15ml及び上記触媒0.5gを入れ
て密封した。次いで、系内を酸素にて0.3MPaに加
圧した後、撹拌下80℃に加温し、この温度を5時間保
持した。その間、上記内圧を維持できるように酸素を供
給し続けた。その後、冷却し、開封し、反応物をガスク
ロマトグラフィーで分析した。その結果、n−プロパノ
ールの転化率23%、生成物であるプロピオン酸プロピ
ルの選択率及び収率はそれぞれ81%及び19%であっ
た。
コニア(ノートン社製)を用いたほかは、実施例9
(1)と同様にしてAu/ジルコニア触媒を製造した。
金担持量を実施例9と同様にして測定した結果、担体に
対して4.4重量%であった。また、この触媒の金属微
粒子の状態分析をTEMで調べた。その結果、金属微粒
子がほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散してお
り、平均粒子径が明らかに5nm以下であることが確認
できた。 (2)カルボン酸エステルの合成 前記(1)で得られたAu/ジルコニア触媒を用いてカ
ルボン酸エステルの合成を行った。
n−ブタノール15ml及び上記触媒0.5gを入れて
密封した。次に、系内を酸素にて0.3MPaに加圧し
た後、撹拌下90℃に加温し、この温度を5時間保持し
た。その間、上記内圧を維持できるように酸素を供給し
続けた。その後、冷却し、開封し、反応物をガスクロマ
トグラフィーで分析した。その結果、n−ブタノールの
転化率28%、生成物であるn−酪酸ブチルの選択率及
び収率はそれぞれ79%及び22%であった。
物40.4gが溶解した水溶液500ml(70℃)
を、炭酸ナトリウム19.6gが溶解した水溶液500
ml(65〜70℃)に攪拌下約1分間で全量を注い
だ。得られた混合溶液を65〜70℃に保持しながら、
遠心分離により上澄液を除去した。1リットルのイオン
交換水を用いた攪拌洗浄(10分間)を3回繰り返し
た。得られた固形分を120℃で12時間乾燥し、さら
に空気中450℃で4時間焼成することにより、酸化鉄
担体上に金が担持された金担持物(Au/Fe2O3)を
得た。
により測定した結果、担体に対して4.8重量%であっ
た。また、この触媒の金属微粒子の状態分析をTEMで
調べた。その結果、金属微粒子がほとんどすべて5nm
以下の粒子径で高分散しており、平均粒子径が明らかに
5nm以下であることが確認できた。 (2)カルボン酸エステルの合成 前記(1)で得られたAu/Fe2O3触媒を用いてカル
ボン酸エステルの合成を行った。
3−ヒドロキシプロピオン酸エチル1.5g、エタノー
ル15ml及び上記触媒0.5gを入れて密封した。次
いで、系内を酸素にて0.3MPaに加圧した後、撹拌
下80℃に加温し、この温度を5時間保持した。その
間、上記内圧を維持できるように酸素を供給し続けた。
その後、冷却し、開封し、反応物をガスクロマトグラフ
ィーで分析した。その結果、3−ヒドロキシプロピオン
酸エチルの転化率19%、生成物であるマロン酸ジエス
テルの選択率及び収率はそれぞれ82%及び16%であ
った。
りに硝酸亜鉛6水和物29.8gを用い、またテトラク
ロロ金酸4水和物及び炭酸ナトリウムの使用量をそれぞ
れ0.51g及び13.2gとしたほかは、実施例11
(1)と同様にしてAu/ZnO触媒を製造した。金担
持量を実施例9と同様にして測定した結果、担体に対し
て2.9重量%であった。また、この触媒の金属微粒子
の状態分析をTEMで調べた。その結果、金属微粒子が
ほとんどすべて5nm以下の粒子径で高分散しており、
その平均粒子径が明らかに5nm以下であることが確認
できた。 (2)カルボン酸エステルの合成 前記(1)で得られたAu/ZnO触媒を用いてカルボ
ン酸エステルの合成を行った。
アリルアルコール15ml及び上記触媒0.5gを入れ
て密封した。次に、系内を酸素にて0.3MPaに加圧
した後、撹拌下85℃に加温し、この温度を5時間保持
した。その間、上記内圧を維持できるように酸素を供給
し続けた。その後、冷却し、開封し、反応物をガスクロ
マトグラフィーで分析した。その結果、アリルアルコー
ルの転化率23%、生成物であるアクリル酸アリルの選
択率及び収率はそれぞれ76%及び17%であった。
Claims (2)
- 【請求項1】1種又は2種以上のアルコールと酸素との
反応によりカルボン酸エステルを合成するために用いら
れる触媒であって、 1)Auからなる微粒子及び/又は 2)周期表第4から第6周期のIIB族、IIIB族、IVB
族、VB族及びVIB族の少なくとも1種の第二元素とA
uとからなる微粒子が担体上に担持されていることを特
徴とするカルボン酸エステル合成用触媒。 - 【請求項2】請求項1記載の触媒の存在下、1種又は2
種以上のアルコールと酸素との反応によりカルボン酸エ
ステルを合成することを特徴とするカルボン酸エステル
の製造方法。
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