JP4041953B2 - 水素化用触媒及びアルコールの製造方法 - Google Patents

水素化用触媒及びアルコールの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素化用触媒及びアルコールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カルボニル化合物のカルボニル基を選択的に水素化して対応するアルコールを製造する方法、例えば、α,β−不飽和カルボニル化合物の水素化による不飽和アルコールの製法に関しては、分子状水素を水素化剤として用いて、固体触媒の存在下に気相において水素化を行う方法(Chem. Commun. 1999年、2151頁)、液相において均一又は不均一触媒の存在下に水素化を行う方法(Organometallics, 1991年、10巻、2126頁)等が知られている。これらの方法の内で、分子状水素を水素化剤として液相で不均一触媒の存在下に水素化反応を行う方法が最も簡便であり、経済性も高い方法と考えられるが、不飽和アルコールであるアリルアルコール類以外に、副生成物として飽和カルボニル化合物、飽和アルコール等が生成するという欠点がある。
【0003】
また、分子状水素を用いて液相で不飽和アルコールを製造する際に、Cu系触媒、Os系触媒等の存在下に水素化反応を行うと比較的高い選択率で不飽和アルコールが得られることが知られている(Tetrahedron Lett., 1969年、1579頁)。しかしながら、これらの触媒を用いる場合には、高温高圧下で反応を行う必要があるために、工業的な実用化には不利であり、しかもその触媒性能も充分とはいえない。
【0004】
また、α,β−不飽和カルボニル化合物であるクロトンアルデヒドを原料として、金超微粒子触媒の存在下に、溶媒を用いることなく、400〜500K程度の反応温度で1MPa程度の水素雰囲気中で部分水素化を行う方法が報告されている(第86回触媒討論会予稿集414頁、2000年9月)。しかしながら、この方法では、不飽和アルコールの選択率は充分ではなく、20%程度に過ぎない。
【0005】
芳香族カルボニル化合物の水素化による不飽和アルコールの製法としては、一般に、分子状水素を水素化剤として液相で不均一触媒の存在下に水素化反応を行う方法が知られている。しかしながら、この方法では、不飽和アルコールの選択性が十分ではなく、不飽和アルコールであるベンジルアルコール類以外に、副生成物として飽和カルボニル化合物、飽和アルコール、飽和炭化水素等が生成するという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、水素化用触媒として有用な触媒、特に、飽和カルボニル化合物、不飽和カルボニル化合物等のカルボニル基を選択的に水素化してアルコールを製造する反応において有用な触媒、及び該触媒を用いて選択性良く高収率でアルコールを製造する方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、VIII 族第6周期元素及びIB族元素を平均粒子系6nm以下の金属超微粒子として担体に担持してなる触媒は、何れか一方の元素のみを担持した触媒と比較すると、水素化用触媒として高活性であり、特に、カルボニル基の選択的水素化反応に対して、非常に高い触媒活性を有することを見出した。そして、該触媒の存在下に、カルボニル化合物を水素化する方法によれば、不飽和結合に対する水素の付加反応やその他の官能基の水素化反応を抑制して、カルボニル基のみを選択的に水素化して、高収率でアルコールを製造できることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、以下の水素化用触媒及びアルコールの製造方法を提供するものである。
1. VIII 族第6周期元素及びを平均粒子径6nm以下の金属超微粒子として担体に担持してなる水素化用触媒。
2. VIII 族第6周期元素及びを平均粒子径6nm以下の金属超微粒子として担体に担持してなるカルボニル基に対する水素化用触媒。
3. VIII 族第6周期元素がイリジウムである上記項1又は2に記載の水素化用触媒。
4. 上記項2又は3に記載の水素化用触媒の存在下に、カルボニル化合物を水素化剤と接触させることを特徴とするアルコールの製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
水素化用触媒
本発明の水素化用触媒は、VIII 族第6周期元素及びIB族元素を平均粒子系6nm以下の金属超微粒子として担体上に担持してなるものである。
【0010】
担体上に担持される成分の内で、VIII 族第6周期元素としては、イリジウム、オズミウム、白金などを例示でき、これらの元素を一種又は二種以上用いることができる。IB族元素としては、金、銀、銅等を例示でき、これらの元素を一種又は二種以上用いることができる。
【0011】
担体上に担持される金属超微粒子は、VIII 族第6周期元素又はIB族元素のいずれの元素からなるものであっても良いが、一個の金属超微粒子にVIII 族第6周期元素とIB族元素の両方の元素が含まれることが好ましい。特に、担持された金属超微粒子の内で、50%以上の金属超微粒子にVIII 族第6周期元素及びIB族元素の両元素が含まれることが好ましく、70%以上の金属超微粒子にVIII 族第6周期元素及びIB族元素の両元素が含まれることがより好ましく、全ての金属超微粒子にVIII 族第6周期元素及びIB族元素の両元素が含まれることが最も好ましい。VIII 族第6周期元素とIB族元素は、合金又は金属間化合物を形成していることが好ましい。
【0012】
この様に各金属超微粒子中にVIII 族第6周期元素及びIB族元素の両元素が含まれる場合に、特に高い触媒活性を示すものとなる。
【0013】
本発明の触媒では、VIII 族第6周期元素がイリジウムであることが好ましく、特に、金属超微粒子が、イリジウムと金からなることが好ましい。この様な成分を組み合わせて用いる場合に、特に、高い水素化活性を示すものとなる。
【0014】
該触媒では、担体に担持される金属超微粒子は、平均粒子径が6nm以下であることが必要であり、平均粒子径5nm程度以下であることが好ましい。この様な超微粒子を担体上に担持させる場合には、特に、担体との相乗的な効果により高い触媒活性を得ることができる。平均粒子径の下限値は特に制限されないが、物理的安定性の見地より約1nm程度とすれば良い。なお、該触媒における金属超微粒子の平均粒子径は、担体上の金属超微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、任意に選んだ100個の粒子径の算術平均値である。
【0015】
各元素の担持量は、最終製品の用途、担体の種類等に応じて適宜決定すれば良いが、VIII 族第6周期元素の担持量は、通常、担体100重量部に対して0.01〜20重量部程度とすることが好ましく、0.1〜10重量部とすることがより好ましい。また、IB族元素の担持量は、通常、担体100重量部に対して0.01〜20重量部程度、好ましくは0.1〜10重量部とすることが好ましい。
【0016】
VIII 族第6周期元素とIB族元素の割合は、それぞれ上記担持量の範囲内であれば限定的ではないが、通常は原子比として、VIII 族第6周期元素:IB族元素=1:0.01〜100程度、好ましくは1:0.1〜10、最も好ましくは1:0.2〜5とすればよい。この範囲内に設定することにより、優れた触媒活性を得ることができる。
【0017】
担体としては、上記の金属超微粒子を担持できるものであれば特に限定されず、従来の水素化反応用の触媒担体を用いることもできる。例えば、酸化物、金属酸化物、複合金属酸化物、ゼオライト、メソポーラスシリケート、活性炭等の各種担体を挙げることができる。そのうち、酸化物、金属酸化物、複合酸化物等を好適に用いることができる。例えば、Si、Al、Ti及びZrの少なくとも1種の元素を含む酸化物が好ましい。具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、シリカ・アルミナ、チタニア・シリカ、チタニア・ジルコニア、シリカ・マグネシア等が担体として好適に用いることができる。
【0018】
また、担体は多孔質であることが好ましく、特にその比表面積(BET法)が通常50m2/g以上、特に100m2/g以上であることがより好ましい。担体の形状・大きさは限定的でなく、最終製品の用途等に応じて適宜決定すれば良い。
【0019】
本発明の触媒には、本発明の効果を妨げない限り、他の成分が含まれていても良い。例えば、アルカリ金属(Na、K等)、アルカリ土類金属(Ca、Mg等)が含まれていても良い。
【0020】
本発明触媒の製造方法については、特に限定的ではなく、VIII 族第6周期元素及びIB族元素を金属超微粒子として担体上に担持できる方法であれば公知の方法を適宜適用できる。担持方法自体は、例えば共沈法、析出沈殿法、含浸法、気相蒸着法等の公知の方法を利用できる。これらの方法の内で、共沈法、析出沈殿法等が好ましく、特に析出沈殿法が好ましい。
【0021】
VIII 族第6周期元素とIB族元素を担体に担持させる順序については、特に限定的ではなく、両元素を同時に担持させてもよく(同時担持法)、或いは、いずれか一方の元素を担持させた後、他方の元素を担持させても良い(交互担持法)。特に、両元素を同時に担持させる方法が好ましい。
【0022】
以下、本発明の触媒の製造方法について、より詳細に説明する。
(1)同時担持法:
VIII 族第6周期元素を含む水溶性化合物とIB族元素を含む水溶性化合物を溶解した水溶液に担体を添加して該担体上にVIII 族第6周期元素とIB族元素を含む沈殿物を析出させた後、焼成することによって目的とする触媒を得ることができる。
【0023】
VIII 族第6周期元素を含む水溶性化合物(以下、「VIII 族第6周期化合物」という)については、水溶性であれば特に限定されず、例えば、イリジウムを含む水溶性化合物としては、イリジウム金属、酸化イリジウム、三塩化イリジウム、三臭化イリジウム、硝酸イリジウム、ヘキサクロロイリジウム酸、ヘキサクロロイリジウム酸アンモニウム、ヘキサクロロイリジウム酸ナトリウム、テトラアンミンイリジウム塩化物、テトラアンミンイリジウム硝酸塩、トリス(アセチルアセトナート)イリジウム等を例示でき、オスミウムを含む水溶性化合物としては、酸化オスミウム、塩化オスミウム、臭化オスミウム、ヘキサクロロオスミウム酸、ヘキサクロロオスミウム酸ナトリウム等を例示でき、白金を含む水溶性化合物としては、白金金属、酸化白金、塩化白金、臭化白金、テトラクロロ白金酸ナトリウム、テトラクロロ白金酸カリウム、ヘキサクロロ白金酸、ジクロロジアミン白金、ジニトロジアミン白金、テトラアンミン白金塩化物、テトラアンミン白金水酸化物、ビス(アセチルアセトナト)白金、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金等を例示できる。これらの化合物は一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0024】
IB族元素を含む水溶性化合物(以下、「IB族化合物」という)についても、水溶性であれば特に限定されず、例えば、水溶性金化合物としては、テトラクロロ金(III) 酸「H〔AuCl4 〕」、テトラクロロ金(III) 酸ナトリウム「Na〔AuCl4 〕」、ジシアノ金(I) 酸カリウム「K〔Au(CN)2 〕」、ジエチルアミン金(III) 三塩化物「(C252 NH・〔AuCl3 〕」、シアン化金(I) 「AuCN」;等を例示でき、水溶性銀化合物としては、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、炭酸銀、酢酸銀、シアン化銀、硝酸銀、硫酸銀、酒石酸銀、リン酸銀、アセチルアセトナート銀等を例示でき、水溶性銅化合物としては、酢酸銅、アセチルアセトナート銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、シアン化銅、水酸化銅、硝酸銅、蓚酸銅、リン酸銅、硫酸銅、テトラアンミン銅錯体等を例示できる。IB族化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0025】
本発明触媒を製造するには、まず、VIII 族第6周期化合物とIB族化合物を水に溶解して水溶液を調製する。これらの化合物を溶解する方法については、特に限定はなく、各化合物を同時に溶解させてもよく、或いは、いずれか一方を溶解させた後、他方を溶解させても良い。この際の液温は、例えば、30〜80℃程度とすればよい。
【0026】
VIII 族第6周期化合物の使用量は、担体の種類や比表面積、形状、使用量等にもよるが、水溶液中のVIII 族第6周期化合物の濃度が0.01ミリモル/l〜10ミリモル/l程度の範囲内となる量が好ましい。上記の濃度範囲であれば、VIII 族第6周期化合物の沈澱物の析出量が充分となり、また、VIII 族第6周期化合物の凝集を防止することができるために沈澱物を超微粒子の状態で析出させることができる。従って、VIII 族第6周期化合物の沈澱物を担体上に担持させた後の水溶液中に残存する化合物の量を極めて少なくすることができる。
【0027】
IB族化合物の使用量についても、担体の種類や比表面積、形状、使用量等にもよるが、水溶液中のIB族化合物の濃度が0.01ミリモル/l〜10ミリモル/l程度の範囲内となる量が好ましい。上記の濃度範囲であれば、IB族化合物の沈澱物の析出量が充分となり、また、IB族化合物粒子の凝集を防止することができるために沈澱物を超微粒子の状態で析出させることができる。従って、IB族化合物の沈澱物を担体上に担持させた後の水溶液中に残存する化合物の量を極めて少なくすることができる。
【0028】
VIII 族第6周期化合物とIB族化合物を含有する水溶液のpHは、特に限定的ではないが、6〜10程度の範囲とすることが好ましい。該水溶液のpHを上記範囲に調整するには、アルカリ性を呈する化合物を適宜添加すればよい。この様な化合物としては、特に限定的ではないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等を用いることができる。これらの化合物は、固体状態として添加してもよく、或いは、水に溶解して添加しても良い。
【0029】
VIII 族第6周期化合物とIB族化合物を含有する水溶液には、該水溶液中に含まれる成分の分散性を向上させるために、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、例えば、長鎖アルキルスルホン酸およびその塩、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸およびその塩、長鎖アルキルカルボン酸およびその塩、アリールカルボン酸およびその塩等のアニオン性界面活性剤;長鎖アルキル四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフェノール等のノニオン性界面活性剤;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら界面活性剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の界面活性剤のうち、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤がより好ましく、アニオン性界面活性剤が特に好ましい。また、アニオン性界面活性剤のうち、炭素数が8以上の長鎖アルキルスルホン酸およびその塩、炭素数が8以上の長鎖アルキルベンゼンスルホン酸およびその塩、炭素数8以上の長鎖アルキルカルボン酸およびその塩、アリールカルボン酸およびその塩等がより好ましい。
【0030】
界面活性剤の使用量は、該界面活性剤やVIII 族第6周期化合物、IB族化合物、担体の種類、組み合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではないが、水溶液中の界面活性剤の濃度が0.1ミリモル/l〜10ミリモル/lの範囲内となる量がより好ましい。
【0031】
その後、該水溶液中に担体を添加し、撹拌することによって、担体が水溶液中に分散されて懸濁し、該担体上にVIII 族第6周期元素とIB族元素の沈殿物が析出する。この際の液温は、30〜80℃程度が好ましい。また、析出時間は、通常、10分〜5時間程度である。
【0032】
次いで、沈殿物が表面に付着した担体を、必要に応じて水洗した後、焼成することによって、目的とする触媒を得ることができる。焼成温度は、150〜800℃程度、好ましくは300〜800℃程度とすればよい。焼成方法は、特に限定されるものではない。例えば、焼成雰囲気は、特に限定されるものではなく、空気中であってもよく、窒素ガスやヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガス中であってもよく、或いは、水素ガス等の還元性ガス中であってもよい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。焼成することにより、VIII 族第6周期元素とIB族元素が担体表面に強固に固定化される。
【0033】
更に、焼成後、必要に応じて、還元処理を行うことによって、本発明の水素化用触媒を得ることができる。還元処理としては、(1)水素、一酸化炭素、アルコール(例えば、メタノール)等の還元性ガスを含むガスを100〜800℃程度、好ましくは150〜600℃程度の温度下に接触させる方法、及び(2)ホルマリン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、ギ酸等の還元剤を用いて、水媒体中で0〜100℃程度、好ましくは30〜80℃程度の温度下で還元処理を行い、その後50〜150℃程度の温度下に乾燥させる方法、の2種類の方法を好ましく利用できる。
(2)交互担持法:
VIII 族第6周期元素化合物及びIB族元素化合物の何れか一方を担体上に析出させた後、乾燥又は焼成し、その後、他方の化合物を担体上に析出させて、焼成し、必要に応じて還元処理することによって、目的とする触媒を得ることができる。
【0034】
IB族元素化合物を担体上に析出させる方法については、上記した同時析出法と同様の条件で析出沈殿法を適用することができる。
【0035】
VIII 族第6周期元素化合物を担体上に析出させる方法については、特に限定的でなく、従来方法に従って行うことができる。例えば、含浸法、イオン交換法、気相蒸着法等が挙げられる。このうち、含浸法が好適に使用できる。例えば、VIII 族第6周期元素化合物が溶解した溶液に担体を添加した後、当該溶液から固形分を回収することによって、VIII 族第6周期元素化合物を担体上に析出させることができる。
【0036】
VIII 族第6周期元素化合物が溶解した溶液は、該化合物及びそれが溶解する溶媒の組合せを用いることにより調製できる。溶媒としては特に限定はないが、水、有機溶媒等を用いることができる。有機溶媒としては、例えばアルコール。ケトン、芳香族炭化水素、カルボン酸エステル、ニトリル等を挙げることができる。特に、水及びアルコール(特にメタノール及びエタノール)の少なくとも1種を用いることが好ましい。従って、VIII 族第6周期元素化合物としては、水又はアルコールに溶解する化合物を用いることが好ましい。
【0037】
溶液中のVIII 族第6周期元素化合物の濃度は、該化合物の種類、溶媒の種類等に応じて適宜決定できるが、通常は0.01〜10mmol/l程度とすれば良い。
【0038】
VIII 族第6周期元素化合物が溶解した溶液から固形分を回収する方法は限定的ではないが、VIII 族第6周期元素化合物が担体に析出するようにすれば良い。例えば、エバポレーター等により溶媒を留去することが好ましい。
【0039】
上記した方法によって、担体上にVIII 族第6周期元素化合物とIB族元素化合物を順次に析出させた後、焼成することによって、VIII 族第6周期元素とIB族元素が金属超微粒子として担持された触媒を得ることができる。焼成条件については、上記した同時担持法と同様でよい。更に、その後、必要に応じて、上記した同時担持法と同様にして還元処理を行うことが好ましい。
【0040】
尚、VIII 族第6周期元素化合物及びIB族元素化合物の何れか一方を担体上に析出させた後、他方の化合物を担体上に析出させる前に、担体を乾燥又は焼成するが、この場合の条件については、特に限定的ではなく、空気中で常温又は150℃程度以下の加熱下に乾燥する方法や、上記した焼成と同様の条件で焼成する方法等を適用できる。
以上の同時担持法又は交互担持法によって、本発明の水素化用触媒を得ることができる。
【0041】
得られた触媒は、水素化用触媒として有用であり、従来の固体触媒使用時に比べて低温低圧という温和な反応条件下において、水素化反応に対して高活性且つ高選択性という優れた性能を発揮するものである。特に、該触媒は、カルボニル化合物を水素化する際に、カルボニル基を選択的に水素化してアルコールとする反応に対して、高い選択性と高活性を有するものである。
【0042】
以下、本発明触媒を用いるアルコールの製造方法について説明する。
アルコールの製造方法
(1)原料化合物
本発明のアルコールの製造方法では、原料としては、カルボニル基を有する化合物であれば特に限定はなく使用できる。例えば、飽和カルボニル化合物、不飽和カルボニル化合物等を使用でき、これらを混合して用いてもよい。
【0043】
これらの内で、飽和カルボニル化合物としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、グリオキザール、ピルビックアルデヒド等のアルデヒド類や、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等を例示できる。
【0044】
不飽和カルボニル化合物としては、α,β−不飽和カルボニル化合物、芳香族カルボニル化合物等の不飽和カルボニル化合物を用いることができ、特に、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、3−メチル−2−ブテナール、シンナミルアルデヒド等の炭素数3〜10程度のα,β−不飽和アルデヒド類、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド、フルフラール等の炭素数6〜20程度の芳香族アルデヒド類等を原料とする場合には、選択性良く、高収率で対応する不飽和アルコールを製造することができ、特に、アクロレイン、メタクロレイン、ベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が好ましい。
(2)反応条件
カルボニル化合物の水素化反応は、気相反応又は液相反応として行うことができる。
【0045】
カルボニル化合物の水素化反応を気相反応として行う場合には、水素化剤とカルボニル化合物を含む原料ガスを、本発明の水素化用触媒に接触させることによって、カルボニル基の水素化反応を選択的に進行させて、対応するアルコールとすることができる。
【0046】
原料ガスと本発明触媒とを接触させる方法については特に限定的ではなく、例えば、反応装置に触媒を充填し、反応装置内に原料ガスを流通させる方法を好適に採用することができる。これにより、目的物であるアルコールを含む反応ガスを得ることができる。
【0047】
水素化剤としては、メタノール等のアルコール類、分子状水素等を用いることができ、特に分子状水素を用いる場合に、最も簡便で経済性良く水素化反応を行うことができる。
【0048】
原料ガスは、必要に応じて、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガスによって希釈されていてもよい。不活性ガスの使用量は限定的ではなく、原料ガスの組成、用いる触媒の種類等の応じて適宜設定することができる。反応方式は特に限定されないが、上記水素化反応がいわゆる気相不均一反応であることから、連続方式が好適である。
【0049】
触媒の使用量は、各元素の担持量、カルボニル化合物の種類、反応条件等に応じて適宜設定すればよい。例えば、液相反応として行う場合には、全液量に対して0.01〜20重量%程度の触媒使用量とすることが好ましく、0.1〜10重量%程度の触媒使用量とすることがより好ましい。また、気相反応として行う場合には、反応系に供給される全ガス量の空間速度(SV)を、100〜1000hr-1・ml/g・cat(触媒1g当たりの空間速度)程度の範囲内とすることが好ましい。
【0050】
水素化剤の使用量も特に限定されないが、分子状水素を用いる場合には、一般的に水素とアルデヒド化合物との比(水素/アルデヒド化合物)が1/10〜10/1程度の範囲内となるようにすることが適当である。
【0051】
反応温度は、アルデヒド化合物の種類、触媒とアルデヒド化合物の組み合わせ等に応じて適宜設定すればよいが、従来の固体触媒使用時に比べて低温化できることが本発明の触媒を使用する有利な点の一つである。例えば、気相反応の場合には、0〜500℃程度とすることがが好ましく、50〜300℃程度とすることがより好ましい。
【0052】
反応圧力は、反応温度等の反応条件に応じて適宜決めればよい。液相反応として行う場合には、従来の固体触媒使用時に比べて低圧化できることが本発明の触媒を使用する有利な点の一つであり、0.01〜10MPa程度とすることが好ましく、0.1〜5MPa程度とすることがより好ましい。また、気相反応として行う場合には、一般的には、アルデヒド化合物及び水素化剤が気体で存在し得る圧力とすればよい。
【0053】
カルボニル化合物の水素化反応を液相反応として行う場合には、特に、溶媒中で水素化反応を行うことが好ましい。本発明触媒の存在下に溶媒中で水素化反応を行うことによって、カルボニル化合物のカルボニル基のみを選択性良く水素化して、高い選択率で対応するアルコールを得ることができる。しかも、高圧や高温を要することなく、比較的低温低圧の穏和な条件下においても、高選択率且つ高転化率で目的とするアルコールを製造することができる。
【0054】
溶媒としては、原料であるカルボニル化合物を溶解でき、且つ水素化反応に関与しないものであれば特に限定なく使用できる。この様な溶媒の具体例としては、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−オクタノール、1,2−エタンジオール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、塩化ベンゼン等のハロゲン化合物等を使用できる。これらの内で、特に、メタノール、2−プロパノール等の脂肪族飽和アルコール類及び水を一種単独又は二種以上混合して用いることが好ましい。
【0055】
溶媒を用いる場合には、原料とするカルボニル化合物は、溶媒中に溶解させて反応に供する。カルボニル化合物の濃度については特に限定的ではないが、通常、0.1〜60重量%程度とすることが好ましく、1〜30重量%程度とすることがより好ましい。
【0056】
カルボニル化合物の水素化反応は、水素化剤として、金属水素化物、分子状水素等を用いて、溶媒中で公知の方法に従って行えばよい。これらの水素化剤の内で、金属水素化物としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウム、水素化アルミニウムリチウム等を例示できる。これらの水素化剤の内で、特に分子状水素を用いる場合に、最も簡便で経済性良く水素化反応を行うことができる。
【0057】
水素化反応の方法については、特に限定されるものではなく、連続式、回分式、半回分式のいずれの方法で行っても良く、必要に応じて、撹拌下に反応を行えばよい。
【0058】
以下、分子状水素を用いる溶媒中での水素化反応について、より具体的に説明する。
【0059】
触媒の使用方法については、特に限定はなく、反応時に原料であるカルボニル化合物と水素が触媒に充分に接触できる方法であればよい。
【0060】
例えば、回分式で反応を行う場合には、溶媒中に原料と共に触媒を一括して仕込み、撹拌下に反応を行えばよい。また、連続式で反応を行う場合には、溶媒中に原料とともに触媒を仕込み、これを連続的に反応装置に供給するか、或いは反応装置に予め触媒を仕込んでおき、ここに原料を含む溶媒を連続的に供給すればよい。反応装置に触媒を仕込む場合には、反応装置は、固定床、流動床、懸濁床等いずれの形態でも良い。
【0061】
触媒の使用量については、特に限定的ではなく、原料の種類、触媒の種類、極性溶媒の種類等や反応条件等に応じて適宜決めればよいが、例えば、溶媒中に原料と共に触媒を仕込む場合には、触媒の使用量については特に限定的ではないが、通常、全溶液量に対して0.01〜50重量%程度とすることが好ましく、0.1〜20重量%程度とすることがより好ましい。また、触媒を仕込んだ反応装置に原料を含む溶液と水素を連続的に供給する方法、例えば、反応装置に何らかの方法で触媒を固定或いは充填したところに原料を含む溶液と水素を連続的に供給する方法では、溶液の触媒層での平均滞留時間又は接触時間は1秒〜2時間程度であることが好ましく、10秒〜30分程度であることがより好ましい。
【0062】
分子状水素の供給方法としては、回分式で反応を行う場合には、水素圧が0.1〜10MPa程度、好ましくは0.2〜2MPa程度となるように、反応装置中に水素を供給し、更に、上記水素圧を反応期間中維持できるように、必要に応じて、水素を追加すればよい。また、連続式で反応を行う場合には、やはり水素圧が0.1〜10MPa程度、好ましくは0.2〜2MPa程度となるように、反応装置中に連続的に水素を供給すればよい。
【0063】
反応温度については、220℃程度以下という比較的低い温度において、高転化率且つ高選択率で目的とするアルコールを得ることができ、特に、副反応を抑制する点では、150℃程度以下とすることが好ましく、120℃程度以下とすることがより好ましい。また、反応温度の下限については特に限定的ではないが、十分な活性を得るためには、0℃程度以上とすることが適当であり、20℃程度以上とすることが好ましく、30℃程度以上とすることがより好ましい。
【0064】
反応時間については、特に限定的ではなく、各種反応条件によって変わり得るが、通常、反応時間又は滞留時間(反応器内滞留液量/液供給量)として0.5〜20時間の範囲内とすればよい。
【0065】
上記した方法によって反応を行った後、必要に応じて、ろ過、遠心分離等の公知の固液分離方法を用いて触媒を分離し、その後、公知の分離精製手段を用いて、生成したアルコールを回収することによって、目的とするアルコールを得ることができる。
【0066】
【発明の効果】
本発明触媒は、水素化用触媒として有用であり、従来の固体触媒使用時に比べて低温低圧という温和な反応条件下において、水素化反応に対して高活性且つ高選択性という優れた性能を発揮するものである。
【0067】
特に、本発明触媒は、アルデヒド化合物の水素化反応において、アルデヒド基のみを選択的に水素化して、対応するアルコールとする反応に対して、良好な選択性と高い活性を有するものである。
【0068】
このため、該触媒の存在下に、アルデヒド化合物を水素化することによって、不飽和アルデヒド化合物を原料とする場合や、反応系中にその他の官能基を有する化合物や不飽和化合物が含まれる場合であっても、不飽和結合に対する水素付加反応やその他の官能基に対する水素化反応を抑制して、高収率で対応するアルコールを得ることができる。
【0069】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0070】
実施例1
濃度10mmol/lのテトラクロロ金酸水溶液1リットルを65〜70℃に保持しながら、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH9に調節した。
【0071】
この水溶液にテトラアンミンイリジウム硝酸塩水溶液(Ir濃度10.7g/l)50gを添加した後、担体としてチタニア−シリカ(チタニア/シリカ(モル比)=7/3、50〜250メッシュ)20gを投入し、温度65〜70℃、pH7〜8に維持しながら、1時間攪拌を続けた。その後、この水溶液を静置して上澄み液を除去し、新たにイオン交換水600gを加えて、室温で5分間攪拌することによって水洗を行い、この操作を3回繰り返した後濾過した。
【0072】
得られた固形物を空気中120℃で10時間乾燥し、更に空気中400℃で4時間焼成した。この固形物をガラス製セルに充填し、水素10%及び窒素90%からなる混合ガスをセル内に通過させながら、350℃2時間の還元処理を行って、選択的水素化用触媒を作製した。
【0073】
得られた触媒について、蛍光X線によりIr及びAuの含有量を測定したところ、担体100重量部に対してIr1.8重量部及びAu2.3重量部であった。また、電子顕微鏡を用いて触媒に担持された金属超微粒子を観察したところ、粒子の大きさは、何れも2〜5nm程度の超微粒子であり、比較的均質な粒子径分布を有することが確認できた。また、各金属粒子のX線分析から、ほとんどの粒子がIr及びAuの両成分を含むことが判った。
【0074】
次に、100ml回転攪拌付オートクレーブに、メタクロレイン1.5ml、2−プロパノール15ml、及び上記触媒0.5gを仕込んで密封した。次いで、系内を水素にて1.5MPaに加圧した後、撹拌下に40℃に加温して3時間同温度に保った。
【0075】
その後、冷却して開封し、内容物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、メタクロレインの転化率96モル%、メタリルアルコールの選択率及び収率は、それぞれ、77モル%と74モル%であった。
【0076】
尚、本明細書において、転化率、選択率及び収率は、それぞれ、仕込みアルデヒドのモル数をA、残存アルデヒドのモル数をB、生成したアルコールのモル数をCで表した場合に、それぞれ下記式で定義されるものである。
【0077】
転化率(%)=(1−B/A)×100
選択率(%)={C/(A−B)}×100
収率(%) =(C/A)×100
実施例2
実施例1で得られた触媒を用い、メタクロレインに代えてアクロレインを用い、2−プロパノールに代えて水を溶媒として用いて、水素圧1.0MPa、反応温度80℃、反応時間3時間としたこと以外は、実施例1と同様にして水素化反応を行った。
【0078】
反応後、内容物をガスクロマトグラフィーによって分析したところ、アクロレインの転化率82モル%、アリルアルコールの選択率及び収率は、それぞれ、73モル%と60モル%であった。
【0079】
実施例3
濃度10mmol/lのテトラクロロ金酸水溶液0.5リットルを65〜70℃に保持しながら、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10に調節した。
【0080】
この水溶液にテトラアンミンイリジウム硝酸塩水溶液(Ir濃度10.7g/l)24gを添加した後、担体としてチタニア(サンゴバン社製アナターゼ、250〜500メッシュ)10gを投入し、更に、硝酸マグネシウム6水和物0.6gを添加した後、温度65〜70℃、pH7〜8に維持しながら、2時間攪拌を続けた。その後、この水溶液を静置して上澄み液を除去し、新たにイオン交換水300gを加えて、室温で5分間攪拌することによって水洗を行い、この操作を3回繰り返した後濾過した。
【0081】
得られた固形物を空気中100℃で10時間乾燥し、更に空気中450℃で3時間焼成した。更に、この固形物をガラス製セルに充填し、水素10%及び窒素90%からなる混合ガスをセル内に通過させながら、300℃3時間の還元処理を行って、水素化用触媒を作製した。
【0082】
得られた触媒について、蛍光X線によりIr及びAuの含有量を測定したところ、担体100重量部に対してIr1.2重量部及びAu6.9重量部であった。また、電子顕微鏡を用いて触媒に担持された金属超微粒子を観察したところ、粒子の大きさは、何れも2〜5nm程度の超微粒子であり、比較的均質な粒子径分布を有することが確認できた。また、各金属粒子のX線分析から、ほとんどの粒子がIr及びAuの両成分を含むことが判った。
【0083】
次に、100ml回転攪拌付オートクレーブに、クロトンアルデヒド1.5g、メタノール15ml、及び上記触媒0.5gを仕込んで密封した。次いで、系内を水素にて1.5MPaに加圧した後、撹拌下に60℃に加温して3時間同温度に保った。
【0084】
その後、冷却して開封し、内容物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、クロトンアルデヒドの転化率92モル%、クロチルアルコールの選択率及び収率は、それぞれ、81モル%と75モル%であった。
【0085】
実施例4
実施例3で得られた触媒を用い、クロトンアルデヒドに代えてベンズアルデヒドを用い、メタノールに代えて2−プロパノールを溶媒として用いて、水素圧1.0MPa、反応温度50℃、反応時間5時間としたこと以外は、実施例3と同様にして水素化反応を行った。
【0086】
反応後、内容物をガスクロマトグラフィーによって分析したところ、ベンズアルデヒドの転化率88モル%、ベンジルアルコールの選択率及び収率は、それぞれ、98モル%と86モル%であった。
【0087】
比較例1
実施例3における触媒の製造方法において、テトラクロロ金酸水溶液を用いることなく、その他は実施例3と同様の操作によって、チタニア上にIrのみが担持された触媒を得た。得られた触媒について、蛍光X線によりIrの含有量を調べたところ、担体100重量部に対してIr量1.6重量部であった。
【0088】
この触媒を用いて実施例3と同様の操作によってクロトンアルデヒドの水素化反応を行った。反応後、内容物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、クロトンアルデヒドの転化率36モル%、クロチルアルコールの選択率及び収率は、それぞれ、11モル%と4モル%であった。
【0089】
以上の結果を下記表1に示す。
【0090】
【表1】
Figure 0004041953

Claims (4)

  1. VIII 族第6周期元素及びを平均粒子径6nm以下の金属超微粒子として担体に担持してなる水素化用触媒。
  2. VIII 族第6周期元素及びを平均粒子径6nm以下の金属超微粒子として担体に担持してなるカルボニル基に対する水素化用触媒。
  3. VIII 族第6周期元素がイリジウムである請求項1又は2に記載の水素化用触媒。
  4. 請求項2又は3に記載の水素化用触媒の存在下に、カルボニル化合物を水素化剤と接触させることを特徴とするアルコールの製造方法。
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