JP2002052343A - 酸化反応用触媒及びそれを用いたアセタール類の製造方法 - Google Patents

酸化反応用触媒及びそれを用いたアセタール類の製造方法

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JP2002052343A
JP2002052343A JP2000242326A JP2000242326A JP2002052343A JP 2002052343 A JP2002052343 A JP 2002052343A JP 2000242326 A JP2000242326 A JP 2000242326A JP 2000242326 A JP2000242326 A JP 2000242326A JP 2002052343 A JP2002052343 A JP 2002052343A
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Jun Tatsumi
準 辰巳
Yuichi Sato
裕一 佐藤
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒活性が高められてアルコール類を分子状
酸素の存在下で効率的にかつ簡便に酸化反応させること
ができ、しかも、反応後に反応溶液と触媒とを容易に分
離・精製することができる酸化反応用触媒媒、及び、そ
れを用いたアセタール類の製造方法を提供する。 【解決手段】 アルコール類を分子状酸素の存在下で酸
化反応させるための酸化反応用触媒であって、VIII族元
素より選ばれる少なくとも一種の元素が、担体上に固定
化されている酸化反応用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコール類を分
子状酸素の存在下で酸化反応させるための酸化反応用触
媒及びそれを用いたアセタール類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】第1級アルコール類は、分子状酸素の存
在下で酸化されると、通常はアルデヒド類を生成し、生
成したアルデヒド類とアルコール類とが反応することに
よりアセタール類が生成する。第2級アルコール類は、
分子状酸素の存在下で酸化されると、通常はケトン類を
生成し、生成したケトン類とアルコール類とが反応する
ことによりアセタール類が生成する。このように生成す
るアセタール類は、脱水剤、医薬品、香料、農薬、染
料、その他の化学品原料等に広く利用されている他、カ
ルボニル基等の保護剤としても用いられ、化学工業にと
って有用なものである。
【0003】ところで、アセタール類をアルコール類か
ら酸化反応を経由して製造する方法は、アルコール類が
安価に入手できることから工業的に有用である。しかし
ながら、通常はアルコール類を酸化した後に酸性溶液を
用いることによりアセタール類が生成することになるた
め、アセタール類が酸性で分解しやすいことに起因して
収率が低くなり、また、製造を行った後の酸性溶液の処
理が必要となり、工業的に好適な製造方法ではなかっ
た。更に、アルコール類を酸化してアルデヒド類やケト
ン類を生成する工程と、生成したアルデヒド類やケトン
類とアルコール類とを反応させる工程との2つの工程を
行わなければならないため、効率的かつ簡便にアセター
ル類を製造してより廉価に提供する工夫の余地があっ
た。
【0004】The Journal of Orga
nic Chemistry,32(1967)p.2
816−2819には、パラジウム等の酸化触媒を溶液
中に均一に混合してアルコール類の酸化を行うことによ
り、アルデヒド類等のカルボニル基を有する化合物が生
成すると共に、生成したアルデヒド類とアルコール類と
が反応することでアセタール類が生成することが開示さ
れている。このような触媒を用いると、アルコール類か
らアセタール類を1つの工程にて製造することができ
る。しかしながら、触媒を溶液中に均一に混合して反応
を行うため、反応後に触媒を除去する場合にはその操作
が煩雑となり、工業的に好適な製造方法ではなかった。
また、アセタール類の収率が低いため、触媒の活性をよ
り高めて効率的にアセタール類を製造してより廉価に提
供する工夫の余地があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、触媒活性が高められてアル
コール類を分子状酸素の存在下で効率的にかつ簡便に酸
化反応させることができ、しかも、反応後に反応溶液と
触媒とを容易に分離・精製することができる酸化反応用
触媒、及び、それを用いたアセタール類の製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルコール類
を分子状酸素の存在下で酸化反応させるための酸化反応
用触媒であって、VIII族元素より選ばれる少なくとも一
種の元素が、担体上に固定化されている酸化反応用触媒
である。
【0007】本発明者らは、アルコール類を分子状酸素
の存在下で酸化反応させるための酸化反応用触媒につい
ての問題点を綿密に精査したうえで鋭意研究を行った結
果、上述した酸化反応用触媒が、パラジウム及び/又は
ロジウム等のVIII族元素を担体上に固定化することによ
り極めて高い触媒活性を有することや、これらの元素か
ら形成される超微粒子が多くの活性点を有すること、金
と共存させることにより酸化反応に有利となること等に
起因して、アルコール類の酸化によるアセタール類やエ
ステル類の生成を1つの工程で簡便に行うことを可能と
し、また、アルコール類からのアセタール類等の製造を
従来の触媒の2〜4倍の効率で行うことを可能とすると
共に、反応後に反応溶液と触媒とを容易に分離・精製す
ることを可能とするという劇的な効果が生じる事実に遭
遇し、本発明に到達したものである。以下に、本発明を
詳述する。
【0008】本発明の酸化反応用触媒は、アルコール類
を分子状酸素の存在下で酸化反応させるためものであ
る。上記アルコール類としては特に限定されないが、例
えば、分子内にアルコール性水酸基を1〜6個有してお
り、かつ、脂肪族又は芳香族基を有する、第1級アルコ
ール類または第2級アルコール類等が挙げられる。これ
らは、単独で用いても、または二種類以上を併用しても
よい。この中で好ましいものは、炭素数1〜18の第1
級アルコール類:メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、オクチル
アルコール、ベンジルアルコール、等。炭素数3〜18
の第2級アルコール類:iso−プロパノール、sec
−ブタノール等。炭素数2〜18のジオール類:エチレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、キシリレングリコール等であり、特
に好ましいものは、n−ブタノールやエチレングリコー
ルである。上記アルコールには、例えばエーテル基、チ
オエーテル基のような、反応に関与しない官能基が存在
していてもよい。
【0009】上記酸化反応においては、第一段反応とし
て、アルコール類の酸化によりアルデヒド類等のカルボ
ニル化合物が生成し、第二段反応として、生成したカル
ボニル化合物とアルコール類とが反応し、これらの第一
段反応と第二段反応とが同時的又は段階的に進行するこ
とにより、アルコール類が酸化されてアセタール類やエ
ステル類等が生成することになる。本発明の酸化反応用
触媒により、これらの第一段反応と第二段反応とを1つ
の工程により効率的に行うことが可能となる。すなわち
アルコール類を酸化反応させて中間生成物であるアルデ
ヒド類等を経由して直接アセタール類やエステル類等を
1回の反応操作により得ることができることになる。上
記酸化反応による生成物は、原料として用いるアルコー
ル類に対応して、通常は、以下の(1)〜(3)に記載
するようなものとなる。
【0010】(1)アルコール類が第一級アルコールで
ある場合、生成物には、アセタール類やエステル類の
他、第二段反応で未反応であったアルデヒド類や未反応
のアルコール類等が含まれる。 (2)アルコール類が第二級アルコールである場合、生
成物には、アセタール類の他、第二段反応で未反応であ
ったケトン類や未反応のアルコール類等が含まれる。 (3)アルコール類が脂肪族ジオールである場合、生成
物には、アセタール類等の他、第二段反応で未反応であ
ったアルデヒド類や未反応のアルコール類等が含まれ
る。この場合、生成するアセタール類が環を形成してい
る場合と、していない場合があり、エチレングリコール
等を用いるときには、生成するアセタール類は、環状ア
セタールとなる。
【0011】本発明では、アルコール類からアセタール
類やエステル類が1つの工程により効率的に得られるた
め、アルコール類からアセタール類やエステル類を製造
するために好適に適用されることになる。本発明ではま
た、生成物としてアセタール類を主成分として含むもの
を製造するために特に好適に適用されることになる。こ
の場合、酸化反応の反応条件等をアセタール類が主成分
として生成するように適宜設定することになる。本明細
書中において、「主成分として含む」とは、主たる成分
として含むことを意味し、付加的にその他の成分を含ん
でいても含んでいなくてもよいことを意味する。これら
の製造における反応例として、例えば、一般式(1)で
表される第一級アルコールであるn−ブタノールを使用
した場合の反応スキームを以下に示す。
【0012】
【化1】
【0013】上記反応スキームにおいて、(1)がn−
ブタノールであり、(2)がn−ブチルアルデヒドであ
り、(3)がブチルアルデヒドジブチルアセタールであ
り、(4)がブタン酸ブチルである。これらの中で、ア
セタール類である(3)やエステル類である(4)を目
的生成物とするときには、アルデヒド類である(2)が
中間生成物となる。また、アセタール類である(3)を
目的生成物とするときには、アルデヒド類である(2)
が中間生成物となり、エステル類である(4)が副生成
物となる。
【0014】本発明の酸化反応用触媒は、VIII族元素よ
り選ばれる少なくとも一種の元素が、担体上に固定化さ
れている。このようなものは、いわゆる担持体と呼ばれ
るものである。これにより、反応後に反応溶液と触媒と
を容易に分離・精製することができることになり、触媒
の再利用が容易となると共に、生成物中に触媒が残存し
にくくなるため、生成物の品質も向上することになる。
上記担持体の酸化反応用触媒中における含有割合として
は、例えば、主成分として含むことが好ましい。最も好
ましい形態は、上記酸化反応用触媒が上記担持体のみを
含むことである。また、上記酸化反応用触媒において
は、本発明の作用効果を奏する限り、VIII族元素及び後
述するIB族元素以外の元素が、担体上に固定化されて
いてもよい。
【0015】上記VIII族元素が2種以上の元素を含む場
合、それらの元素は同じ担体上に固定化されていてもよ
く、別々の担体上に固定化されていてもよい。本明細書
中において、「担体上」とは、担体の表面を意味し、担
体が細孔を有する多孔質のものである場合には、その細
孔表面も意味する。「固定化」とは、元素が物理的及び
/又は化学的手法により担体上に吸着、結合していれば
よく、いわゆる「担持」することを意味し、本発明で
は、ヘキサン中で常温・常圧下、3時間放置しても蛍光
X線を用いた分析でVIII族金属が検出されないことを意
味する。
【0016】上記VIII族元素は、アルコール類の酸化反
応の触媒活性種となるものであり、元素の周期表におい
てVIII族に属する元素を意味する。例えば、鉄、ルテニ
ウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、
ニッケル、パラジウム、白金等が挙げられる。
【0017】上記VIII族元素より選ばれる少なくとも一
種の元素の好ましい形態は、パラジウム及び/又はロジ
ウムである。この場合、VIII族元素より選ばれる少なく
とも一種の元素の中でパラジウム及び/又はロジウムを
主成分として含むことが好ましい。最も好ましい形態
は、VIII族元素より選ばれる少なくとも一種の元素がパ
ラジウム及び/又はロジウムのみを含むことである。
【0018】上記VIII族元素の担持量としては特に限定
されず、要求される触媒活性等に応じて適宜設定すれば
よく、例えば、担体100重量部に対して0.01〜5
0重量部であることが好ましい。0.01重量部未満で
あると、触媒活性が低くなるおそれがあり、50重量部
を超えると、触媒の製造コストが嵩むので、アセタール
類等を工業的に廉価に製造することができなくなるおそ
れがある。より好ましくは、0.1〜25重量部であ
り、更に好ましくは、0.5〜10重量部である。
【0019】上記酸化反応用触媒は、更に、IB族元素
より選ばれる少なくとも一種の元素が、担体上に固定化
されていることが好ましい。上記IB族元素は、助触媒
としての作用を有するものであり、VIII族元素より選ば
れる少なくとも一種の元素とIB族元素より選ばれる少
なくとも一種の元素とを含むことにより、触媒活性がよ
り向上することになる。上記IB族元素とは、元素の周
期表においてIB族に属する元素を意味する。例えば、
銅、銀、金等が挙げられる。これらのIB族元素は、VI
II族元素と同じ担体上に担持されることが好ましい。
【0020】上記IB族元素より選ばれる少なくとも一
種の元素の好ましい形態は、金である。この場合、IB
族元素より選ばれる少なくとも一種の元素の中で金を主
成分として含むことが好ましい。最も好ましい形態は、
IB族元素より選ばれる少なくとも一種の元素が金のみ
を含むことである。
【0021】上記IB族元素の担持量としては特に限定
されず、要求される触媒活性や、VIII族元素の担持量、
VIII族元素とIB族元素との組み合わせ等に応じて適宜
設定すればよく、例えば、担体100重量部に対して
0.01〜50重量部であることが好ましい。0.01
重量部未満であると、IB族元素を用いる効果が得られ
にくく、例えば、反応速度が遅くなり目的物が効率的に
得られないおそれがあり、50重量部を超えると、触媒
の製造コストが嵩むので、アセタール類等を工業的に廉
価に製造することができなくなるおそれがある。より好
ましくは、0.5〜10重量部であり、更に好ましく
は、1.0〜8.0重量部である。
【0022】上記VIII族元素及びIB族元素の形態とし
ては特に限定されず、例えば、元素がナノメートル(n
m)単位の粒子径の微粒子を形成していることが好まし
い。このような微粒子は、超微粒子と呼ばれるものであ
る。超微粒子を担体上に担持することにより、触媒の活
性点の数が特段に多くなって触媒活性がより向上するこ
とになる。このような超微粒子は、担体上の全体に均一
に分布していることが好ましい。
【0023】上記担体としては特に限定されず、例え
ば、無機化合物等が挙げられ、多孔質の無機化合物が好
ましい。上記多孔質の無機化合物としては特に限定され
ず、例えば、酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウ
ム(ジルコニア)、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミ
ニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシ
ア)、シリカ・アルミナ、シリカ・チタニア、チタニア
・ジルコニア、ゼオライト、珪藻土等の結晶性又は非結
晶性の金属酸化物や複合酸化物;粘土、活性炭等が挙げ
られる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併
用してもよい。上記無機化合物を2種以上用いる場合、
これらは各々の混合物として用いても、また一方が他方
に担持されていてもよい。尚、酸化チタン、酸化ジルコ
ニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機化合物
は、水和物となっていてもよい。また、酸化チタンの結
晶構造としては特に限定されず、例えば、非晶質又はア
ナターゼ型であることが好ましい。上記担体の形状等に
ついては限定されず、例えば任意の固体上に島状に存在
していても良い。
【0024】上記担体の比表面積としては特に限定され
ず、例えば、50m2 /g以上であることが好ましい。
50m2 /g未満であると、元素の担持量が少なくなる
ので、触媒活性が低下するおそれがある。上記担体の形
状や大きさ等や、担体が成型体である場合の成形方法等
は特に限定されるものではない。
【0025】上記VIII族元素やIB族元素等の担持方法
としては特に限定されず、例えば、含浸法、沈澱法、イ
オン交換法、沈着法、蒸着法、析出沈殿法、共沈法等の
公知の方法を用いることができる。これらの中でも、担
体上でVIII族元素やIB族元素等が超微粒子を形成する
ことから、沈殿法、蒸着法、析出沈殿法、共沈法を用い
ることが好ましい。より好ましくは、析出沈殿法であ
る。上記担持方法において、2種以上の元素を担体上に
担持させる場合には、同時に担持させてもよく、いずれ
かを先に担持させた後に他方を担持させてもよい。
【0026】上記析出沈殿法としては、例えば、パラジ
ウム及び金を担持させる場合、(1)パラジウム化合
物、金化合物及び必要に応じて界面活性剤を含む水溶液
を調製し、(2)この水溶液に担体を浸漬し、必要に応
じて所定時間静置して、担体上にパラジウム沈殿物と金
沈殿物とを析出させ、(3)パラジウム沈殿物及び金沈
殿物が担持された担体(担持体)を取り出し、洗浄、乾
燥し、更に、担持体を所定温度で焼成することにより行
うことができる。このような(1)〜(3)の操作手順
により、本発明における担持体を得ることができる。こ
の場合も、パラジウムと金とを同時に担持させてもよ
く、いずれかを先に担持させた後に他方を担持させても
よい。
【0027】上記パラジウム化合物としては特に限定さ
れず、例えば、金属パラジウム、酸化パラジウム、硝酸
パラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウム、ヘキサ
クロロパラジウム酸アンモニウム、ヘキサクロロパラジ
ウム酸ナトリウム、ヘキサクロロパラジウム酸カリウ
ム、テトラクロロパラジウム酸アンモニウム、テトラク
ロロパラジウム酸ナトリウム、テトラクロロパラジウム
酸カリウム、テトラブロモパラジウム酸カリウム、テト
ラシアノパラジウム酸カリウム、塩化パラジウム、臭化
パラジウム、ヨウ化パラジウム、クロロカルボニルパラ
ジウム、ジニトロサルファイトパラジウム酸カリウム、
ジニトロジアミンパラジウム、テトラアンミンパラジウ
ム塩化物、テトラアンミンパラジウム硝酸塩、cis−
ジクロロジアミンパラジウム、trans−ジクロロジ
アミンパラジウム、ビストリフェニルホスフィンパラジ
ウムジクロライド、ジクロロ(エチレンジアミン)パラ
ジウム等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種類以上を併用してもよい。また、水和物となってい
てもよい。これらの中でも、例えば、硝酸パラジウム、
硫酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、テ
トラアンミンパラジウム塩化物等の水に溶解する化合物
を用いることが好ましい。より好ましくは、酢酸パラジ
ウム、テトラアンミンパラジウム塩化物である。
【0028】上記パラジウム化合物の使用量としては特
に限定されず、担体の種類や比表面積、形状、使用量等
により適宜選択すればよい。例えば、上記水溶液中のパ
ラジウム化合物の濃度が0.01〜1000mmol/
Lであることが好ましい。0.01mmol/Lより低
いと、パラジウム沈殿物の析出量が少なくなりすぎるお
それがあり、触媒活性が低くなるおそれがある。100
0mmol/Lより高いと、パラジウムが凝集しやすく
なるので、析出するパラジウム沈殿物の粒子径、すなわ
ち担体上のパラジウム粒子の粒子径が大きくなり過ぎる
おそれがある。より好ましくは0.05〜100mmo
l/Lであり、0.1〜20mmol/Lが特に好まし
い。
【0029】上記金化合物としては特に限定されず、例
えば、水に溶解するものとして、テトラクロロ金(II
I)酸「H〔AuCl4 〕」、テトラクロロ金(III)酸
ナトリウム「Na〔AuCl4 〕」、ジシアノ金(I)
酸カリウム「K〔Au(CN)2〕」、ジェチルアミン
金(III)三塩化物「(C252 NH・〔AuC
3〕」等の錯体;シアン化金(I)AuCN」等が挙
げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を
併用してもよい。また、水和物となっていてもよい。こ
れらの中でも、テトラクロロ金(III)酸を用いること
が好ましい。
【0030】上記金化合物の使用量としては特に限定さ
れず、担体の種類や比表面積、形状、使用量等により適
宜選択すればよい。例えば、上記水溶液中の金化合物の
濃度が0.01〜1000mmol/Lであることが好
ましい。0.01mmol/Lより低いと、金沈殿物の
析出量が少なくなりすぎるおそれがある。1000mm
ol/Lより高いと、金が凝集しやすくなるので、析出
する金沈殿物の粒子径、すなわち担体上の金粒子の粒子
径が大きくなり過ぎるおそれがある。より好ましくは
0.05〜100mmol/Lであり、0.1〜20m
mol/Lが特に好ましい。
【0031】上記界面活性剤としては特に限定されず、
例えば、長鎖アルキルスルホン酸及びその塩、長鎖アル
キルベンゼンスルホン酸及びその塩、長鎖アルキルカル
ボン酸及びその塩等のアニオン性界面活性剤;長鎖アル
キル四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ポ
リアルキレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフ
ェノール等のノニオン性界面活性剤等が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよ
い。これらの中でも、アニオン性界面活性剤、ノニオン
性界面活性剤を用いることが好ましい。より好ましく
は、アニオン性界面活性剤である。また、アニオン性界
面活性剤の中でも、炭素数が8以上の長鎖アルキル(ア
リール)スルホン酸及びその塩、長鎖アルキル(アリー
ル)カルボン酸及びその塩を用いることが好ましい。上
記(1)の操作において、水溶液が界面活性剤を含むも
のであると、例えば、担体が成型体である場合、又は、
担体表面の等電位点が比較的低い場合等においても、担
体上にパラジウム沈殿物、金沈殿物を多く析出させるこ
とができる。
【0032】上記界面活性剤の使用量としては特に限定
されず、界面活性剤の種類、パラジウム化合物、金化合
物、担体の種類、これらの組み合わせ等に応じて設定す
れはよい。例えば、水溶液中の濃度が0.01〜100
0mmol/Lであることが好ましい。0.01mmo
l/Lよりも低いと、界面活性剤を用いることにより得
られる効果が乏しくなるおそれがある。1000mmo
l/Lよりも高くしても、更なる効果は殆ど期待できな
い上、パラジウム沈澱物及び金沈澱物を析出させた担持
体を洗浄する洗浄操作が煩雑となる。より好ましくは
0.05〜100mmol/Lである。
【0033】上記析出沈殿法において、金及びロジウム
のみを担持させる場合には、上記(1)〜(3)の操作
手順において、パラジウム化合物の代わりにロジウム化
合物を用いればよい。この場合も、金とロジウムとを同
時に担持させてもよく、いずれかを先に担持させた後に
他方を担持させてもよい。これにより、酸化チタン担持
金及びロジウム等を得ることができる。
【0034】上記の触媒を調製する際に用いられるロジ
ウム化合物としては特に限定されず、具体的には、例え
ば、金属ロジウム、酸化ロジウム、硝酸ロジウム、硫酸
ロジウム、酢酸ロジウム、ヘキサクロロロジウム酸アン
モニウム、ヘキサクロロロジウム酸ナトリウム、ヘキサ
クロロロジウム酸カリウム、テトラアセタトジアクアジ
ロジウム、ヘキサブロモロジウム酸カリウム、ヘキサニ
トロロジウム酸カリウム、ヘキサシアノロジウム酸カリ
ウム、塩化ロジウム、臭化ロジウム、ヨウ化ロジウム、
ロジウムカルボニル、クロロカルボニルロジウム、ヘキ
サアンミンロジウム塩化物、トリス(エチレンジアミ
ン)ロジウム塩化物、ヘキサアンミンロジウム硝酸塩、
トリストリフェニルホスフィンロジウムクロライド等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。これらロ
ジウム化合物は、一種類のみを用いてもよく、また、二
種類以上を併用してもよい。上記例示のロジウム化合物
のうち、水に溶解する化合物がより好ましく、硝酸ロジ
ウム、硫酸ロジウム、塩化ロジウム、およびヘキサアン
ミンロジウム塩化物がより好ましく、ヘキサアンミンロ
ジウム塩化物が特に好ましい。尚、ロジウム化合物は、
水和物となっていてもよい。
【0035】上記ロジウム化合物の使用量としては特に
限定されず、担体の種類や比表面積、形状、使用量等に
より適宜選択すればよい。例えば、上記水溶液中のロジ
ウム化合物の濃度が0.01〜1000mmol/Lで
あることが好ましい。0.01mmol/Lより低い
と、ロジウム沈殿物の析出量が少なくなりすぎるおそれ
があり、触媒活性が低くなるおそれがある。1000m
mol/Lより高いと、ロジウムが凝集しやすくなるの
で、析出するロジウム沈殿物の粒子径、すなわち担体上
のロジウム粒子の粒子径が大きくなり過ぎるおそれがあ
る。より好ましくは0.05〜100mmol/Lであ
り、0.1〜20mmol/Lが特に好ましい。
【0036】上記(1)の操作において、水溶液の調製
方法としては特に限定されず、例えば、水にパラジウム
化合物、金化合物及び界面活性剤を溶解させると共に、
必要に応じてそのpHを調整することにより行うことが
できる。また、このとき、必要に応じて加温してもよ
い。上記水溶液のpHは、6〜10とすることが好まし
い。水溶液のpHを上記の範囲内に調節することによ
り、超微粒子状のパラジウム沈殿物及び金沈澱物を生成
させることができる。このように水溶液のpHを調整す
る方法としては特に限定されず、例えば、アルカリ性を
呈する化合物や酸性を呈する化合物を適宜添加すること
により行うことができる。
【0037】上記アルカリ性を呈する化合物としては特
に限定されず、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等
が挙げられる。上記酸性を呈する化合物としては特に限
定されず、例えば、塩酸、硫酸、酢酸等が挙げられる。
これらの化合物は単独で用いてもよく、2種類以上を併
用してもよい。また、これらの化合物の添加方法として
は、例えば、固体状で添加してもよく、水に溶解させた
状態で添加してもよい。
【0038】上記(2)の操作において、水溶液に担体
を浸漬するには、水溶液を攪拌しながら担体を添加する
ことが好ましい。浸漬された担体は、攪拌されることに
より、水溶液中に分散・懸濁されると共に、その表面、
すなわち担体上にパラジウム沈澱物、金沈澱物等が析出
する。このような沈殿物としては、例えば、水酸化物、
超微粒子等が挙げられ、比較的狭い粒子径分布を有して
いる。
【0039】上記析出条件としては特に限定されず、例
えば、析出温度が、30〜80℃程度であることが好ま
しく、析出時間が、10分間〜3時間程度であることが
好ましい。また、必要に応じて、析出量を増加させるた
めに、析出する沈澱物の粒子径が大きくなりすぎない程
度において、析出操作を繰り返し行うこともできる。
【0040】上記(2)の操作により、パラジウム沈澱
物及び金沈澱物が、担体上に効率的に析出されたパラジ
ウム及び金担持体を得ることができる。尚、パラジウム
及び金担持体は、必要に応じて水洗し、その表面に付着
している界面活性剤を除去してもよい。
【0041】上記(3)の操作において、担持体を焼成
することにより、パラジウム微粒子、金微粒子が担体上
に強固に固定化される。また、パラジウム沈殿物、金沈
澱物が水酸化物である場合には、加熱によって分解され
て超微粒子となる。上記焼成を行う温度としては特に限
定されず、例えば、150〜800℃、具体的には、上
記パラジウム及び金担持体を、空気中で150〜800
℃、好ましくは300〜800℃に加熱し、焼成する。
このような焼成方法としては、例えば、焼成雰囲気は、
空気中であってもよく、窒素ガスやヘリウムガス、アル
ゴンガス等の不活性ガス中であってもよく、水素ガス等
の還元性ガス中であってもよい。また、加熱時間は、加
熱温度に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるも
のではない。例えば、空気中で焼成した後、取り出した
ものを水素ガス気流下で還元すると、触媒の活性が向上
する、反応液への金属成分の溶出が抑制されるなどの効
果が期待できる。
【0042】本発明はまた、アルコール類を分子状酸素
の存在下で酸化反応させてアセタール類を製造する方法
であって、上記酸化反応は、上記酸化反応用触媒を用い
て行うアセタール類の製造方法でもある。
【0043】上記製造方法において、原料のアルコール
類や、生成するアセタール類が液体状である場合には、
特に溶媒を用いなくてもよいが、両者を均一に混合する
ことができない場合や、酸化反応が激しい場合等には、
反応に対して不活性な溶媒を用いて希釈してもよい。上
記溶媒としては特に限定されず、例えば、ペンタン、ヘ
キサン等の脂肪族飽和炭化水素等が挙げられる。
【0044】上記酸化反応は、分子状酸素として酸素ガ
スの存在下、液相でも気相でも実施可能で、液相で実施
する場合、固定床流通系、懸濁床回分式、懸濁床半回分
式、いずれの方法でもよい。これらの方法において、酸
化反応用触媒の供給方法としては、例えば、回分式の場
合には、反応装置に原料と共に一括して仕込めばよく、
固定床流通系の場合には、反応装置に予め充填しておけ
ばよい。
【0045】上記酸素ガスは、窒素ガス、ヘリウムガ
ス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガスによ
って希釈されていてもよい。また、酸素含有ガスとして
空気を用いることもできる。酸素ガスの反応系への供給
方法としては特に限定されるものではない。
【0046】本酸化反応には、上記触媒の他に、必要で
あれば触媒活性を更に向上させる為に添加剤を用いても
良い。用いられる添加剤としては、具体的には、周期表
IIA族、IIIA族、VIA族、IB族、IIB族、VB族、V
III族、およびアルカリ金属からなる群より選ばれる少
なくとも一種の元素を含んでいればよく、好ましくは、
ビスマス、モリブデン、鉄、ニッケル、亜鉛、銅、ラン
タン、アルカリ土類金属、およびアルカリ金属からなる
群より選ばれる少なくとも一種の元素を含んでいればよ
い。
【0047】該添加剤としては、具体的には、酢酸ビス
マス、酢酸酸化ビスマス、フッ化ビスマス、塩化ビスマ
ス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、酸化ビスマス、水
酸化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、硝酸ビスマス、塩
基性炭酸ビスマス、等のビスマス化合物;モリブデン
酸、モリブデン酸ナトリウム、ホウ化モリブデン、塩化
モリブデン、酸化モリブデン、リンモリブデン酸(モリ
ブドリン酸)、ケイモリブデン酸(モリブドケイ酸)、
酸化モリブデンアセチルアセトナート、モリブデンヘキ
サカルボニル、等のモリブデン化合物;硝酸鉄、硫酸
鉄、リン酸鉄、塩化鉄、臭化鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、
鉄アセチルアセトナート、等の鉄化合物;酢酸ニッケ
ル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、炭酸ニッケル、酸化
ニッケル、水酸化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケ
ル、シアン化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナー
ト、等のニッケル化合物;酢酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜
鉛、ヨウ化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸
亜鉛、リン酸亜鉛、シアン化亜鉛、亜鉛アセチルアセト
ナート、等の亜鉛化合物;酢酸銅、塩化銅、臭化銅、炭
酸銅、酸化銅、水酸化銅、硝酸銅、硫酸銅、シアン化
銅、銅アセチルアセトナート、等の銅化合物;酢酸ラン
タン、シュウ酸ランタン、塩化ランタン、臭化ランタ
ン、炭酸ランタン、酸化ランタン、硝酸ランタン、硫酸
ランタン、ランタンアセチルアセトナート、等のランタ
ン化合物;アルカリ金属の酢酸塩や硝酸塩、硫酸塩、ハ
ロゲン化物、酸化物、並びにアルカリ金属アセチルアセ
トナート、等のアルカリ金属化合物;アルカリ土類金属
の酢酸塩や硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、酸化物、並
びにアルカリ土類金属アセチルアセトナート、等のアル
カリ土類金属化合物;等が挙げられるが、特に限定され
るものではない。これら添加剤は、一種類のみを用いて
もよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示
の添加剤のうち、銅化合物、ビスマス化合物、アルカリ
金属化合物、およびアルカリ土類金属化合物がより好ま
しく、塩化銅(II)、硝酸銅(II)、酢酸銅(II)、酢
酸ビスマス、酢酸酸化ビスマス、硝酸ビスマス、酢酸カ
リウム、酢酸ナトリウム、酢酸セシウム、硝酸カリウ
ム、酢酸バリウム、および硝酸バリウムが特に好まし
い。尚、添加剤は水和物となっていてもよい。
【0048】上記触媒の使用量としては、例えば、懸濁
床であれば、使用するアルコール類に対して0.01〜
30重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。固
定床流通系では、単位触媒体積、単位時間当たりのアル
コール類の供給量として、0.1〜30、好ましくは
0.5〜15。気相反応を行う場合、単位触媒体積、単
位時間当たりのアルコール類の合計供給量として100
〜10000、好ましくは500〜5000、更に好ま
しくは、1000〜3000である。
【0049】上記酸化反応の条件としては特に限定され
ず、例えば、反応温度、反応圧力、反応時間等は、アル
コール類の種類やその組み合わせ、触媒の組成等に応じ
て適宜設定すればよい。例えば、反応温度としては、8
0〜200℃とすることが好ましい。80℃未満である
と、反応速度が遅くなりすぎ、酸化反応を効率的に行う
ことが困難となるおそれがあり、200℃を超えると、
燃焼反応や、過度の酸化反応等の副反応が起こり易くな
るので、酸化反応を効率的に行うことができなくなるお
それがある。反応圧力としては、減圧、常圧(大気
圧)、加圧のいずれであってもよいが、酸化反応に酸素
ガス、特に希釈されていない酸素ガスを用いる場合に
は、常圧〜4.90×106 Pa(ゲージ圧)とするこ
とが好ましい。また、酸化反応に空気を用いる場合に
は、酸素濃度を高く保つために、常圧〜9.81×10
6 Pa(ゲージ圧)とすることが好ましい。9.81×
106 Paを超えると、高圧に耐える反応設備等の設計
が工業的に困難となるおそれがある。
【0050】上記製造方法により、アセタール類を含む
反応溶液を得ることができるが、酸化反応用触媒を反応
装置に原料と共に仕込む場合に、反応後に酸化反応用触
媒を該反応溶液から分離する方法としては特に限定され
ず、例えば、該反応溶液を濾過することにより行うこと
ができる。また、酸化反応用触媒の精製方法や再生方法
としては特に限定されず、例えば、有機物等が付着等す
ることにより触媒活性が低下して劣化している場合に
は、溶媒で洗浄したり、再焼成したりして行うことがで
きる。
【0051】上記アセタール類を含む反応溶液に含まれ
る未反応物である原料のアルコール類、中間生成物(反
応中間体)や、必要に応じて使用される溶媒等は、例え
ば、アセタール類を単離する際に、併せて分離、回収す
ることができる。回収された未反応物等は、酸化反応の
原料として再利用することができる。これにより、アセ
タール類を、より一層効率的にかつ廉価に製造すること
ができることになる。
【0052】本発明の製造方法により、1つの工程にて
効率的にかつ簡便にアルコール類から高品質なアセター
ル類を高収率で製造することができることになる。この
ように製造されるアセタール類は、廉価であり、かつ高
品質であることから、脱水剤、医薬品、香料、農薬、染
料、その他の化学品原料や、カルボニル基等の保護剤と
して、広く工業的に好適に適用することができるもので
ある。
【0053】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0054】実施例1 金成分としてテトラクロロ金酸4水和物0.22gを水
200mlに溶解し、60℃に加温し金水溶液を調製し
た。この水溶液を水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH
8.5に調節した後、パラジウム成分としてテトラアン
ミンパラジウムジクロライド0.062gを溶解させ
た。さらに、60℃で酸化チタン(ノートン株式会社
製)5gを添加し、さらに同温で1時間撹拌すること
で、パラジウム及び金を固定化した。その後、パラジウ
ム−金−チタン固定化物を濾過し水洗して120℃で8
時間乾燥させた。次いで、該パラジウム−金−チタン固
定化物を空気中で400℃で3時間焼成することによ
り、酸化チタン担持パラジウム−金触媒を得た。該触媒
におけるパラジウムの含有量は0.5wt%、金の含有
量は、2.0wt%であった。
【0055】100mLオートクレーブ中に、n−ブタ
ノール20g(270mmol)、触媒として酸化チタ
ン担持パラジウム−金触媒1g(パラジウム0.047
mmol、金0.10mmol)、更に、助触媒とし
て、塩化銅(II)二水和物80mg(0.47mmo
l)を入れ、10%酸素含有窒素を9.81×105
a(ゲージ圧)(酸素分圧1.96×105 Pa)加圧
し、140℃に加温した後、80rpmで攪拌下、2.
5時間反応させた。室温まで冷却した後、内容物をガス
クロマトグラフィーにて分析した。分析の結果、ブチル
アルデヒドジブチルアセタール4.5mmol(95.
74mmol/mmol パラジウム)が得られたこと
が分かった。
【0056】実施例2 金成分としてテトラクロロ金酸4水和物0.22gとヘ
キサアンミンロジウム3塩化物0.30gを水200m
lに溶解し、60℃に加温し金及びロジウム水溶液を調
製した。この水溶液を水酸化ナトリウム水溶液を用いて
pH8.5に調節した後、60℃で酸化チタン(ノート
ン株式会社製)5gを添加し、さらに同温で1時間撹拌
することで、ロジウム及び金を固定化した。その後、ロ
ジウム金−酸化チタン固定化物を濾過し水洗して120
℃で8時間乾燥させた。次いで、該ロジウム金−酸化チ
タン固定化物を空気中で400℃で3時間焼成すること
により、酸化チタン担持ロジウム金触媒を得た。該触媒
におけるロジウムの含有量は1.9wt%、金の含有量
は2.0wt%であった。
【0057】触媒として、酸化チタン担持ロジウム金
(ロジウム0.19mmol、金0.10mmol)を
用い、助触媒を用いなかったこと、反応時間を3.5時
間としたこと以外は、実施例1と同様にして反応を行っ
た。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、ブチル
アルデヒドジブチルアセタール5.4mmol(27.
51mmol/mmol ロジウム)が得られたことが
分かった。
【0058】比較例1 触媒として、塩化パラジウム(II)0.5mmolを
用い、更に、銅化合物として硝酸銅(II)二水和物
0.25mmolを用いたこと、反応時間を2時間とし
たこと以外は、実施例1と同様にして反応を行った。ガ
スクロマトグラフィーによる分析の結果、ブチルアルデ
ヒドジブチルアセタール10.42mmol(20.8
3mmol/mmol パラジウム)が得られたことが
分かった。
【0059】実施例1及び実施例2で用いた酸化反応用
触媒は、触媒活性種であるパラジウム又はロジウムが担
体に担持されているので、触媒を溶液中に均一に混合し
て反応させる、いわゆる均一系で用いた比較例1に比べ
て、使用したパラジウム又はロジウム当たりのアセター
ル類の生成量が多く、反応効率が高かった。
【0060】
【発明の効果】本発明の酸化反応用触媒は、上述のよう
な構成からなるので、触媒活性が高められてアルコール
類を分子状酸素の存在下で効率的にかつ簡便に酸化反応
させることができ、しかも、反応後に反応溶液と触媒と
を容易に分離・精製することができるものであり、アセ
タール類の製造に好適に適用することができるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA03 BA04A BA04B BB02A BB02B BB08B BC30A BC31B BC33A BC33B BC65A BC69A BC71A BC71B BC72A BC72B CB19 DA08 EA01Y 4H006 AA02 AC43 BA05 BA24 BA25 BA82 BE30 GN30 GP01 4H039 CA61 CD10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール類を分子状酸素の存在下で酸
    化反応させるための酸化反応用触媒であって、VIII族元
    素より選ばれる少なくとも一種の元素が、担体上に固定
    化されていることを特徴とする酸化反応用触媒。
  2. 【請求項2】 前記VIII族元素より選ばれる少なくとも
    一種の元素は、パラジウム及び/又はロジウムであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の酸化反応用触媒。
  3. 【請求項3】 更に、IB族元素より選ばれる少なくと
    も一種の元素が、担体上に固定化されていることを特徴
    とする請求項1又は2記載の酸化反応用触媒。
  4. 【請求項4】 前記IB族元素より選ばれる少なくとも
    一種の元素は、金であることを特徴とする請求項3記載
    の酸化反応用触媒。
  5. 【請求項5】 アルコール類を分子状酸素の存在下で酸
    化反応させてアセタール類を製造する方法であって、該
    酸化反応は、請求項1、2、3又は4記載の酸化反応用
    触媒を用いて行うことを特徴とするアセタール類の製造
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004181358A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Nippon Shokubai Co Ltd 液相反応用金担持触媒及びカルボン酸エステルの製造方法
JP2004181357A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Nippon Shokubai Co Ltd 金微粒子の剥離抑制方法
JP2009249290A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology アセタールの製造方法
JP2011522014A (ja) * 2008-06-03 2011-07-28 アルケマ フランス アルコールの選択的酸化によるジアルコキシアルカンの合成法

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