JP5016920B2 - α,β−不飽和カルボン酸の製造方法 - Google Patents

α,β−不飽和カルボン酸の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液相酸化反応を行いα,β−不飽和カルボン酸を製造する方法に関する。
α,β−不飽和カルボン酸を製造する方法として、C3〜C6オレフィンおよび酸素を反応器に供給し、活性化パラジウム金属触媒の存在下、液相中でオレフィンを酸化してα,β−不飽和カルボン酸を得る方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開昭60−155148号公報
特許文献1では、反応を開始する際の触媒の活性化方法が示されているものの、反応の停止に関する方法は示されていない。設備の点検、補修等のため、C3〜C6オレフィンと酸素の供給を同時に停止して反応を停止する場合、反応停止後も反応器液相部に溶存する酸素により、貴金属触媒が酸化劣化するおそれがある。また、気化した未反応のC3〜C6オレフィンおよび酸素が反応器上部空間部分に蓄積し、反応器上部空間部分に可燃性ガスが存在した状態でさらに反応液中の溶存酸素が揮発することにより酸素濃度が上昇するため、爆発するおそれがある。
本発明は、貴金属触媒の存在下、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造する方法において、反応を停止する際の操業上の安全を確保でき、貴金属触媒の劣化を防止できる方法を提供することを目的とする。
本願発明の要旨は、
反応器内で、貴金属触媒の存在下、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化してα,β−不飽和カルボン酸とする酸化反応によってα,β−不飽和カルボン酸を製造する方法において、
前記反応器に不活性ガス及び還元剤を供給して、前記酸化反応を停止する停止工程を有することを特徴とするα,β−不飽和カルボン酸の製造方法である。
本願発明の好ましい態様の1つは、
前記酸化反応は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒド、溶媒および分子状酸素を反応器に供給して、連続的に行い、
前記停止工程において、不活性ガスを供給する前に分子状酸素の供給を停止することを特徴とする前記のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法である。前記停止工程において、不活性ガスを供給した後にオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの供給を停止することもできる
本願発明の好ましい態様の1つは、前記還元剤として、反応器内の温度と圧力において液状のオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを用いる。より好ましい態様の1つは、前記停止工程において反応器に供給する還元剤の量[g]が、反応器内の反応液容積V[L]を基準としてV×100〜V×2000である。
本発明により、貴金属触媒の存在下、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造する方法において、反応を停止する際の操業上の安全を確保でき、貴金属触媒の劣化を防止できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、液相中で、原料であるオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により酸化してα,β−不飽和カルボン酸とする酸化反応を、貴金属触媒の存在下で行う。このような酸化反応により、高選択率、高収率でα,β−不飽和カルボン酸が製造される。酸化反応は、連続式、バッチ式のいずれの形式で行ってもよいが、生産性の点で連続式が好ましい。
オレフィンとしては、炭素数3〜6のオレフィンが好ましく、例えば、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、2−ブテン等が挙げられる。α,β−不飽和アルデヒドとしては、例えば、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド(β−メチルアクロレイン)、シンナムアルデヒド(β−フェニルアクロレイン)等が挙げられる。
製造されるα,β−不飽和カルボン酸は、原料がオレフィンの場合、オレフィンの1つのメチル基がカルボキシ基となったα,β−不飽和カルボン酸であり、原料がα,β−不飽和アルデヒドの場合、α,β−不飽和アルデヒドのアルデヒド基がカルボキシ基となったα,β−不飽和カルボン酸である。具体的には、例えば、原料がプロピレンまたはアクロレインの場合はアクリル酸が得られ、原料がイソブチレンまたはメタクロレインの場合はメタクリル酸が得られる。
分子状酸素の源は、空気が経済的であり好ましいが、純酸素または純酸素と空気の混合ガスを用いることもでき、必要であれば、空気または純酸素を窒素、二酸化炭素、水蒸気等で希釈した混合ガスを用いることもできる。分子状酸素は、オートクレーブ等の反応器内に加圧状態で供給されることが好ましい。
酸化反応に用いる溶媒は特に限定されないが、水;t−ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−吉草酸、イソ吉草酸等の有機酸類;酢酸エチル、プロピオン酸メチル等の有機酸エステル類;ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素類;などが使用できる。中でも、炭素数2〜6の有機酸類、炭素数3〜6のケトン類、t−ブタノールが好ましい。溶媒は1種でもよく、2種以上の混合溶媒でもよい。
貴金属触媒は、酸化反応の触媒となる貴金属を含む。貴金属としては、例えばパラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、銀、オスミウムを使用できる。中でもパラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金が好ましく、特にパラジウムが好ましい。貴金属は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
貴金属触媒は、貴金属以外に任意の金属(非貴金属)を含んでいてもよい。非貴金属としては、ビスマスやテルルが好ましい。非貴金属は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。触媒活性の点から、貴金属触媒に含まれる金属のうち非貴金属の比率は50原子%以下であることが好ましい。
貴金属触媒は、非担持型でも担持型でもよい。担持型の場合に使用する担体としては、例えば、活性炭、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、マグネシア、カルシア、チタニアおよびジルコニア等が挙げられる。中でも活性炭、シリカ、アルミナが好ましい。担体は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。担持型触媒の場合の貴金属担持率は、担持前の担体に対して0.1〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
また、原料や生成物の重合を防止するために、反応液中に重合防止剤を1〜10000ppm程度存在させることが好ましい。重合防止剤としては、例えばハイドロキノン、パラメトキシフェノール等のフェノール系化合物;N,N’−ジイソプロピルパラフェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチルパラフェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)パラフェニレンジアミン、フェノチアジン等のアミン系化合物;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系化合物;などが挙げられる。重合防止剤は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化反応の条件は、用いる溶媒および原料によって適宜選択されるが、好ましい条件を以下に説明する。
反応器内の液容積(V[L]とする)は反応器容積の10〜80%が好ましい。反応温度は、30〜200℃が好ましく、50〜150℃がより好ましい。反応圧力は、0〜10MPaGが好ましく、2〜7MPaGがより好ましい。貴金属触媒の使用量は、反応器内の液体に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、1〜15質量%がさらに好ましい。貴金属触媒は、反応液に懸濁させた状態で使用してもよいし、固定床で使用してもよい。
酸化反応を連続的に行う場合は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒド、溶媒および分子状酸素を連続的に供給する。各成分は、次の条件で連続的に供給することが好ましい。原料であるオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの供給量[g/h]は、V×10〜V×500が好ましい。溶媒の供給量[g/h]は、V×100〜V×2000が好ましい。分子状酸素の供給量[g/h]は、V×100〜V×2000が好ましい。また、分子状酸素の時間あたりの供給量は、原料であるオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒド1モルに対し、0.1〜20モルが好ましく、0.1〜5モルがより好ましい。
ここで、前記貴金属触媒の調製方法の好ましい態様を以下に示す。
まず、貴金属化合物と担体とを所望の順序または同時に溶媒へ加えて、担体が分散した分散液を調製する。次いで、この分散液に還元剤を加えて貴金属原子を還元するとともに担体に担持させる。
触媒調製の際に使用する貴金属化合物は特に限定されないが、酸化状態の貴金属原子を含む化合物が好ましい。例えば、貴金属の塩化物、酸化物、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、テトラアンミン錯体およびアセチルアセトナト錯体等が好ましく、中でも貴金属の塩化物、酢酸塩、硝酸塩がより好ましい。
非貴金属を含有する貴金属触媒を調製する場合は、貴金属化合物と、非貴金属の金属化合物とを併用すればよい。例えば、貴金属化合物を液相中で還元する際に、その溶媒に非貴金属の金属化合物を溶解させておく方法により、貴金属触媒中に非貴金属を含有させることができる。
触媒調製の際に使用する溶媒としては、水が好ましいが、貴金属化合物及び還元剤の溶解性並びに担体を用いた時の担体の分散性によっては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸、n−吉草酸、イソ吉草酸等の有機酸;ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等の有機溶媒を単独で又は複数組み合わせて用いてもよい。
触媒調製の際に使用する還元剤は特に限定されないが、例えば、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、水素化ホウ素ナトリウム、水素、蟻酸、蟻酸の塩、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1,3−ブタジエン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、シクロヘキセン、アリルアルコール、メタリルアルコール、アクロレインおよびメタクロレイン等が挙げられる。
還元温度は、用いる貴金属化合物や還元剤等により異なるが、−5〜150℃が好ましく、15〜80℃がより好ましい。還元時間は、0.1〜4時間が好ましく、0.25〜3時間がより好ましく、0.5〜2時間がさらに好ましい。
還元により析出した貴金属触媒は、水、溶媒等で洗浄して塩化物、酢酸根、硝酸根、硫酸根等の貴金属化合物由来の不純物を除去することが好ましい。
このようにして得られた貴金属触媒を用いて酸化反応を行うことが好ましい。
本発明においては、上述の酸化反応を行った後、反応器に不活性ガスを供給して、反応を停止する(停止工程)。酸化反応を連続的に行った場合は、停止工程において不活性ガスを供給する前に分子状酸素の供給を停止することが好ましい。このように、酸化反応を停止する際に、反応器に不活性ガスを供給することによって、反応器内の分子状酸素を反応器外に追い出し、反応器上部空間部分のガス中の酸素濃度が上昇して爆発する危険性を回避すること、および分子状酸素による貴金属触媒の劣化を防止することができる。
不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素、あるいはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガス等が挙げられる。
反応器に供給する不活性ガスの供給位置は特に限定されないが、貴金属触媒の周辺に存在する分子状酸素をより効率的に反応器外に追い出すために、反応器内の液相部に供給することが好ましい。
反応器に供給する不活性ガスの0℃、1atmでの総容積は、反応器内の反応液容積の1〜1000倍量であることが好ましく、2〜100倍量であることがより好ましい。また、反応器に供給する不活性ガスの0℃、1atmでの総容積が、前記反応器容積の1〜1000倍量であることが好ましく、2〜100倍量であることがより好ましい。これにより、反応液および反応器上部空間部分を含めた反応器内の酸素濃度を低下させることができ、貴金属触媒の酸化による劣化および爆発危険性の回避を同時に達成できる。
さらに、酸化反応を連続的に行った場合、反応器に供給する不活性ガスの供給速度は、速やかに反応器内の分子状酸素を反応器外に追い出すことができる点で、分子状酸素の供給速度の1〜100倍であることが好ましく、1〜10倍であることがより好ましい。また、停止工程において、不活性ガスを供給した後に、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの供給を停止することができる。
不活性ガスの供給により達成する反応器内の酸素濃度は、10容量%以下が好ましく、1容量%以下がより好ましく、0.01容量%以下がさらに好ましい。
反応器に供給する不活性ガスは、停止工程が完結するまでの間で供給することが好ましい。停止工程が完結するまでの間、不活性ガスを、連続的または断続的に供給することができる。速やかに反応を停止させるために、不活性ガスを連続的に供給することが好ましい。
停止工程において、反応器にさらに還元剤を供給し、貴金属触媒の周辺を還元性雰囲気にすることが好ましい。供給する還元剤の量[g]は、貴金属触媒の酸化による劣化を防止する点から、反応器内の反応液容積(V[L]とする)を基準としてV×100〜V×2000が好ましく、V×110〜V×1000がより好ましい。
還元剤としては、上述した触媒調製の際に使用する還元剤が挙げられるが、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドが好ましい。反応を停止した後再度反応を開始する際に、主反応に影響を及ぼすことなく安定した反応開始操作が可能になる点で、α,β−不飽和カルボン酸を製造する酸化反応の原料であるオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを還元剤として用いることがより好ましい。また、供給する還元剤により液相中の貴金属触媒を還元性雰囲気にする点から、反応器内の温度及び圧力において液状の還元剤、特に反応器内の温度及び圧力において液状のオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドであることが好ましい。
反応液中の還元剤の濃度は特に限定されないが、酸化反応を再開する場合に安定した反応開始操作が可能になる点で、さらには、反応器内の還元能が低下することなく貴金属触媒の酸化を防止する点で0.1〜50質量%が好ましく、1.0〜20質量%がより好ましい。
反応器への不活性ガスの供給を開始した後、または開始と同時に、反応器内の温度を低下させることが好ましい。また、反応器への不活性ガスの供給を開始し還元剤の供給を開始した後に反応器内の温度を低下させることがより好ましい。
反応器内の酸素濃度および温度が十分に低下した後、反応器内の圧力を常圧まで戻し、停止工程を完結させる。反応器内の温度が50℃以下、かつ反応器内の酸素濃度が1容積%以下となった時点で、反応器内の圧力を常圧まで戻すことが好ましい。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(触媒調製)
88質量%n−吉草酸/12質量%水の混合溶液2640gに酢酸パラジウム(NEケミキャット社製)48gを溶解した。この溶液をオートクレーブに移し、活性炭240gを加え、オートクレーブを密閉し、液相部を撹拌しながらオートクレーブ内の気相部を窒素で置換し、その後液相部が5〜10℃になるよう冷却した。オートクレーブ内にプロピレンを内圧0.5MPaGまで導入した後、50℃でその温度で1時間撹拌を行った。その後、撹拌を止め、反応器内の圧力を開放した後、反応液を取り出した。窒素気流下で得られた反応液から沈殿物をろ別し、パラジウム担持触媒を得た。この触媒のパラジウム担持率は10質量%であった。
(反応器)
反応器として、内容積が4Lの撹拌槽型気液固接触反応器を用いた。該反応器は、反応器下部より分子状酸素を含むガスを連続的に供給できる装置、反応器内気相部の圧力を一定に保持するための圧力制御装置、及び液体の原料を連続的に供給できる装置を具備している。また、反応液は液相部の液面を一定に保ちつつ抜き出され、触媒をろ過した後、ろ液を連続的に系外に抜き出すことが可能な構造となっている。
(実施例1)
(酸化反応1回目)
該反応器にパラジウム担持触媒264gと75質量%t−ブタノール水溶液2.5Lを投入した後、窒素で4.8MPaGまで加圧した。イソブチレン250gを反応器に投入した後、75質量%t−ブタノール水溶液100質量部にイソブチレン25質量部を加えて調製した原料液を、反応器内の平均滞留時間が0.9時間になるように連続的に供給した。この時、反応器内液面を維持しながら反応液を抜き出し、触媒をろ過した後、ろ液を連続的に抜き出した。次に、空気を620NL/hrで連続的に供給するとともに、液相部の温度を90℃まで昇温して反応を開始した。反応開始後、91時間経過したところで連続的に抜き出していたろ液を分析したところ、反応成績は、イソブチレン転化率25.0%、メタクロレイン選択率50.3%、メタクリル酸選択率33.0%であった。この時、反応器上部空間部分より抜き出したガス中の酸素濃度は、4.3容量%であった。
なお、上記の原料および生成物の分析はガスクロマトグラフィーを用いて行った。イソブチレンの転化率、生成したメタクロレイン及びメタクリル酸の選択率は以下のように定義される。
イソブチレンの転化率(%) =(B/A)×100
メタクロレインの選択率(%) =(C/B)×100
メタクリル酸の選択率(%) =(D/B)×100
ここで、Aは供給したイソブチレンのモル数、Bは反応したイソブチレンのモル数、Cは生成したメタクロレインのモル数、Dは生成したメタクリル酸のモル数である。
(停止工程)
上記酸化反応終了後、空気の供給を停止し、反応器内のパラジウム担持触媒が分散した分散液容積の5.7倍量(0℃、1atm)の窒素を、620NL/hrで供給した。また、原料液の供給は、空気の供給を停止した後1.0hr継続し、その後停止した。この時、反応器上部空間部分より抜き出したガス中の酸素濃度は0.0容量%であった。このように、反応を停止する際の操業上の安全を確保できる。
(酸化反応2回目)
この後、再度、1回目の酸化反応と同様の酸化反応を実施した。反応開始後、91時間経過したところで連続的に抜き出していたろ液を分析したところ、反応成績は、イソブチレン転化率25.5%、メタクロレイン選択率43.5%、メタクリル酸選択率33.8%であった。このように、パラジウム担持属触媒の劣化を防止できる。この時、反応器上部空間部分より抜き出したガス中の酸素濃度は、5.2容量%であった。
(比較例1)
(酸化反応1回目)
実施例1と同様の方法で酸化反応を実施した。
(停止工程)
上記酸化反応終了後、空気および原料液の供給を同時に停止し、反応を停止する。この時、反応器上部空間部分より抜き出したガス中の酸素濃度が6.0容量%を超えてさらに上昇する。このように、反応を停止する際の操業上の安全を確保できない。
(酸化反応2回目)
この後、再度、1回目の酸化反応と同様の酸化反応を実施しても、パラジウム担持触媒は劣化しており、反応成績が低下する。

Claims (5)

  1. 反応器内で、貴金属触媒の存在下、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化してα,β−不飽和カルボン酸とする酸化反応によってα,β−不飽和カルボン酸を製造する方法において、
    前記反応器に不活性ガス及び還元剤を供給して、前記酸化反応を停止する停止工程を有することを特徴とするα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  2. 前記酸化反応は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒド、溶媒および分子状酸素を反応器に供給して、連続的に行い、
    前記停止工程において、不活性ガスを供給する前に分子状酸素の供給を停止することを特徴とする請求項1に記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  3. 前記停止工程において、不活性ガスを供給した後にオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの供給を停止することを特徴とする請求項2に記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  4. 前記還元剤が、反応器内の温度と圧力において液状のオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  5. 前記停止工程において反応器に供給する還元剤の量[g]が、反応器内の反応液容積V[L]を基準としてV×100〜V×2000であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
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