JP5069412B2 - パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法 - Google Patents

パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5069412B2
JP5069412B2 JP2005346695A JP2005346695A JP5069412B2 JP 5069412 B2 JP5069412 B2 JP 5069412B2 JP 2005346695 A JP2005346695 A JP 2005346695A JP 2005346695 A JP2005346695 A JP 2005346695A JP 5069412 B2 JP5069412 B2 JP 5069412B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
palladium
tellurium
catalyst
atoms
containing catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005346695A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007136434A (ja
Inventor
隆志 烏田
直子 松土
祐治 藤森
航 二宮
嘉之 姫野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2005346695A priority Critical patent/JP5069412B2/ja
Publication of JP2007136434A publication Critical patent/JP2007136434A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5069412B2 publication Critical patent/JP5069412B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

本発明は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造するためのパラジウム含有触媒およびその製造方法に関する。また本発明は、α,β−不飽和カルボン酸の製造方法に関する。
オレフィンを分子状酸素により液相酸化してα,β−不飽和アルデヒドおよびα,β−不飽和カルボン酸を製造するためのパラジウム含有触媒として、例えば、特許文献1には、パラジウム金属、およびその他の金属(鉛、ビスマス、タリウム等)を含有した触媒が提案されている。
特開昭56−59722号公報
本願発明者が特許文献1の実施例に記載された方法に準じて製造したパラジウム含有触媒を用いてイソブチレンからメタクリル酸を製造したところ、特許文献1に記載されている生成物以外に多様な副生成物(アセトン、酢酸、メタクリル酸メタリル等)およびポリマーやオリゴマーが多く副生することを見出した。特許文献1ではこれらの副生成物およびポリマーやオリゴマーを捕捉しておらず、これらの副生成物を含めた実際のメタクリル酸の選択率は特許文献1の実施例に記載されたものより低くなることが判明した。このように、特許文献1記載の方法で製造したパラジウム含有触媒のα,β−不飽和カルボン酸の選択率は未だ十分ではなく、より選択率の高いα,β−不飽和カルボン酸製造用触媒が望まれている。
また、活性が高くα,β−不飽和カルボン酸の生産性が高いα,β−不飽和カルボン酸製造用触媒が望まれている。
このパラジウム含有触媒は、α,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造するための触媒としても機能するが、その製造においても上記と同様にポリマーやオリゴマーが多く副生することが判明し、より選択率の高いα,β−不飽和カルボン酸製造用触媒が望まれている。
また、活性が高くα,β−不飽和カルボン酸の生産性が高いα,β−不飽和カルボン酸製造用触媒が望まれている。
したがって本発明の目的は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を高選択率または高生産的に製造するためのパラジウム含有触媒およびその製造方法、並びに、α,β−不飽和カルボン酸を高選択率または高生産的に製造する方法を提供することにある。
本発明は、パラジウム原子1モルに対してテルル原子0.001〜0.4モルを含有する、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造するためのパラジウム含有触媒の製造方法であって、酸化状態のパラジウム原子を含むパラジウム原料を還元剤で還元する工程を行った後に、テルル原子を含むテルル原料を添加する工程を有し、テルルを還元剤で還元しないパラジウム含有触媒の製造方法である。
また、本発明は、前記製造方法により得られたパラジウム含有触媒であって、パラジウム原子1モルに対してテルル原子0.001〜0.4モルを含有する、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造するためのパラジウム含有触媒であって、前記テルル原子のうち+4価のテルル原子の割合が20モル%以上であるパラジウム含有触媒である。
また、本発明は、前記パラジウム含有触媒を用いて、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相酸化するα,β−不飽和カルボン酸の製造方法である。
さらに、本発明は、前記製造方法によってパラジウム含有触媒を製造し、得られた触媒を用いて、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相酸化するα,β−不飽和カルボン酸の製造方法である。
本発明のパラジウム含有触媒およびその製造方法によれば、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和アルデヒドおよびα,β−不飽和カルボン酸を製造した場合に、α,β−不飽和カルボン酸を高選択率または高生産的に製造できるパラジウム含有触媒を製造することができる。また、本発明の製造方法により得られたパラジウム含有触媒を用いて、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相酸化するα,β−不飽和カルボン酸の製造方法によれば、α,β−不飽和カルボン酸を高選択率または高生産的に製造することができる。
本発明のパラジウム含有触媒の製造方法は、パラジウム原子1モルに対してテルル原子0.001〜0.4モルを含有する触媒の製造方法であって、酸化状態のパラジウム原子を含むパラジウム原料を還元剤で還元する工程を行った後に、テルル原子を含むテルル原料を添加する工程を有する。このような製造方法により得られたパラジウム含有触媒を用いることで、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を高選択率または高生産的に製造することが可能となる。
α,β−不飽和カルボン酸を高選択率で製造するためには、パラジウム含有触媒が、パラジウム原子1モルに対してテルル原子0.002〜0.3モルを含有することが好ましく、0.003〜0.25モルを含有することがより好ましい。一方、α,β−不飽和カルボン酸を高生産的に製造するためには、パラジウム含有触媒がパラジウム原子1モルに対してテルル原子0.01〜0.09モルを含有することが好ましく、0.03〜0.06モルを含有することがより好ましい。
これら含有量は、パラジウム含有触媒の製造に使用するパラジウム原料及びテルル原料の配合比や調製条件等により調整可能である。パラジウム含有触媒中のテルル原子とパラジウム原子とのモル比(Te/Pd)は、製造後のパラジウム含有触媒に含まれるテルル原子とパラジウム原子の質量及び原子量から算出できる。パラジウム含有触媒中のテルル原子とパラジウム原子の質量は、以下の方法で測定できる。
A処理液の調製:パラジウム含有触媒0.2g、及び、所定量の濃硝酸、濃硫酸、過酸化水素水をテフロン(登録商標)製分解管にとり、マイクロ波加熱分解装置で溶解処理を行った。試料をろ過し、ろ液および洗浄水を合わせてメスフラスコにメスアップし、A処理液とした。
B処理液の調製:A処理での不溶解部を集めたろ紙を白金製ルツボに移し加熱・灰化した後、メタホウ酸リチウムを加えてガスバーナーで溶融した。冷却後に塩酸と少量の水をルツボに入れて溶解後、メスフラスコにメスアップし、B処理液とした。
得られたA処理液およびB処理液に含まれるテルル原子とパラジウム原子の質量を、ICP発光分析装置で定量し、両処理液中の質量の合計値をパラジウム含有触媒中のテルル原子とパラジウム原子の質量とする。
また、上記のようなパラジウム含有触媒は、非担持型でも良いが、パラジウム原子及びテルル原子が担体に担持されている担持型とすることが好ましい。担体としては、例えば、活性炭、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、マグネシア、カルシア、チタニアおよびジルコニア等を挙げることができるが、中でも活性炭、シリカ、アルミナが好ましい。好ましい担体の比表面積は担体の種類等により異なるので一概に言えないが、活性炭の場合、比表面積は100〜5000m2/gが好ましく、より好ましくは300〜4000m2/gである。シリカの場合、比表面積は50〜1500m2/gが好ましく、より好ましくは100〜1000m2/gである。担体の比表面積は、小さいほど有用成分(パラジウム原子)がより表面に担持された触媒の製造が可能となり、大きいほど有用成分が多く担持された触媒の製造が可能となる。
担持型のパラジウム含有触媒の場合のパラジウムの担持率は、担持前の担体に対して0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましい。
本発明のパラジウム含有触媒の製造方法では、まず、酸化状態のパラジウム原子を含むパラジウム原料を還元剤で還元する。その方法については、特に限定はされず、気相で行ってもよいが、液相中で行うことが好ましい。以下、液相中でパラジウム原料を還元する方法について説明する。
液相中の還元を行う際は、まず、パラジウム原料を溶媒に溶解または分散させ、次いで、その溶解液または分散液に還元剤を添加してパラジウム原料を還元する。
パラジウム原料としては、例えば、パラジウム塩、酸化パラジウム、酸化パラジウム合金、パラジウムブラック等を挙げることができるが、中でもパラジウム塩が好ましい。パラジウム塩としては、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、テトラアンミンパラジウム塩化物、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム等を挙げることができるが、中でも塩化パラジウム、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、テトラアンミンパラジウム塩化物が好ましい。
担持型のパラジウム含有触媒を製造する際は、用いる担体にパラジウム原料をあらかじめ担持させた状態とし、その担持された化合物を還元してもよいし、担持させる前にパラジウム原料を還元剤で還元してもよい。また、パラジウム還元物にテルル原料を添加した後に担体に担持させることもできるし、後述するようにパラジウム還元物を担体に担持させた後にテルル原料を添加してもよい。パラジウム原料は還元する前に焼成してパラジウム酸化物にすることが好ましい。
液相中の還元の際に使用する溶媒としては、水が一般的であるが、パラジウム原料及び還元剤の溶解性または担体の分散性によっては、1−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸、n−吉草酸、iso−吉草酸等の有機酸類;ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類等の有機溶媒、あるいはこの有機溶媒と水との混合溶媒も用いることができる。
液相中の還元の際に使用する還元剤としては、少なくとも酸化状態のパラジウム原子を還元する能力を有するものであれば何れも使用できる。例えば、エタノール、2−プロパノール、ホルムアルデヒド、ヒドラジン、ギ酸、シュウ酸、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化カルシウム、水素、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン等が挙げられる。中でも、エタノール、2−プロパノール、ホルムアルデヒド、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、水素、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテンおよびイソブチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。2種類以上の還元剤を併用してもよい。
ただし、還元剤として、硫黄が含まれていない化合物を用いることが好ましい。ここで、硫黄が含まれていない化合物とは、化合物の構造中に硫黄元素が含まれないこと、即ち硫黄含有化合物でないことを意味し、硫黄や硫黄化合物が少量の不純物として含まれる化合物は含まない。本発明では、以下のように還元を比較的低温で行うことが好ましいため、硫黄含有化合物である還元剤を使用すると、担体、パラジウム原料等に硫黄が強く吸着し、得られるパラジウム含有触媒の活性が低下することがある。
還元剤の添加方法は特に限定されないが、例えば、還元剤を滴下しながら還元を行う方法、還元剤を全量加えた後に還元を行う方法等が挙げられる。還元時の系の温度および還元時間は、還元方法、用いる溶媒および還元剤等により異なるので一概に言えないが、液相還元法の場合、還元温度は0〜100℃、還元時間は0.5〜24時間とすることが好ましい。
以上のようにして、パラジウム原料を還元剤を用いて還元することができる。この還元によりパラジウム原料に含まれるパラジウム原子の大部分が、酸化状態から金属状態に変化する。還元により得られたパラジウム還元物は、水、溶媒等で洗浄することが好ましい。水、溶媒等での洗浄により、例えば、塩化物、酢酸根、硝酸根、硫酸根等のパラジウム原料由来の不純物および未反応の還元剤等が除去される。洗浄の方法および回数は特に限定されないが、不純物および未反応の還元剤によっては、パラジウム原子へのテルル原子の担持を阻害する恐れがあるため、不純物および未反応の還元剤を十分除去できる程度に洗浄することが好ましい。
本発明のパラジウム含有触媒の製造方法では、次に、前記パラジウム還元物にテルル原子を含むテルル原料を添加する。テルル原料の添加する方法については、特に限定はされないが、パラジウム原料を還元剤で還元した後に、テルル原料を添加することが重要である。例えば、還元により得られたパラジウム還元物を水などの溶媒に分散させた分散液に、テルル原料を水などの溶媒に溶解または分散させた溶解液または分散液を添加する手法が好ましい。
テルル原料としては、例えば、テルル塩、テルル酸およびその塩、亜テルル酸およびその塩、酸化テルル、酸化テルル合金、金属テルル等を挙げることができる。テルル塩としては、例えば、テルル化水素、四塩化テルル、二塩化テルル、六フッ化テルル、四ヨウ化テルル、四臭化テルル、二臭化テルル等を挙げることができる。テルル酸塩としては、例えば、テルル酸ナトリウム、テルル酸カリウム等を挙げることができる。亜テルル酸塩としては、例えば、亜テルル酸ナトリウム、亜テルル酸カリウム等を挙げることができる。中でもテルル塩、テルル酸およびその塩、亜テルル酸およびその塩、酸化テルルが好ましい。溶解性の良いテルル原料を溶媒に溶解させて前記パラジウム還元物に添加することが、好ましい。テルル原料に含まれるテルル原子は、酸化状態でも還元状態でも金属状態でもよい。
パラジウム含有触媒中のテルル原子の電子状態としては、高生産性の点で+4価の酸化状態が好ましい。パラジウム含有触媒中に含まれる全テルル原子のうち+4価のテルル原子の割合は、20モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましく、50モル%以上が更に好ましい。パラジウム含有触媒中に含まれる全テルル原子が+4価の酸化状態であることが好ましい。触媒反応は、触媒表面上で起こるため、触媒表面上の情報を得ることが重要である。本発明では、テルル原子の電子状態を得る手段として、表面状態の原子の電子状態を調べるのに適したXPS(X線光電子分光分析装置)を用いて行った。なお、このようなテルル原子の電子状態を満足するパラジウム含有触媒は、本発明の製造方法で得られたものに限られないが、本発明の製造方法により容易に得ることができる。
前記パラジウム還元物にテルル原子を含むテルル原料を添加した後は、熱処理を行うことが好ましい。熱処理を行うことで、前記パラジウム還元物内に含まれるヒドリドにより、テルル原料の一部が還元されると推察される。熱処理の温度は50〜100℃が好ましく、60〜95℃がより好ましい。
熱処理の時間としては、30分以上が好ましく、60分以上がより好ましく、90分以上がより更に好ましく、10時間以下が好ましく、8時間以下がより好ましく、6時間以下が更に好ましい。
再現性良く高生産性触媒を製造することが可能となる点で熱処理の時間を十分とり、テルル原子を飽和するまでパラジウム触媒中に取込むことが好ましい。
テルル原料を溶解または分散させる溶媒としては、水が一般的であるが、パラジウム原料を溶解または分散させる溶媒と同様の有機溶媒等を用いても良い。前記パラジウム還元物にテルル原料を添加する場合は、溶媒量を変えることにより、パラジウム原子へのテルル原子の取り込まれ量を制御することができる。例えば同一のテルル原子仕込み量では、溶媒量が少ないほど平衡的にテルル原子の取り込まれる量が高くなるので、溶媒量を変えることにより、テルル原子の取り込まれ量を制御することができる。
テルル原料を添加した後は、上述したパラジウム原料の還元に使用する還元剤と同様の還元剤を用いて、再度還元しても良い。ただし、触媒中に含まれる全テルル原子のうち+4価のテルル原子の割合が20モル%以上となって、α,β−不飽和カルボン酸を高生産的に製造できる点で、テルル原料添加後には、還元剤により還元を行わない方が好ましい。
本発明では、上記のようなパラジウム原料及びテルル原料を適宜選択して、パラジウム含有触媒を製造するための原料として用いる。これらの原料の配合比は、パラジウム含有触媒中のパラジウム原子とテルル原子との比が目的とする値となるように適宜選択する。
本発明のパラジウム含有触媒は、パラジウム原子及びテルル原子を含有するものであるが、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、鉛、ビスマス、タリウム、水銀、炭素等の他の原子を1種または2種以上含有することもできる。そのようなパラジウム含有触媒は、他の原子を含む原料の共存下でパラジウム原料の還元を行うことで得ることができる。また、パラジウム原料を還元した後、他の原子を含む原料を添加する方法でもよい。この添加時期は、テルル原料の添加より前でも後でもよく、テルル原料の添加と同時でもよい。高い触媒活性を発現させる観点から、パラジウム含有触媒の質量(担持型の場合は担体の質量を引いた質量)のうち、パラジウム原子とテルル原子との合計が25質量%以上であることが好ましい。
以上のような方法で得られたパラジウム含有触媒は、液相酸化反応に使用する前に、水、溶媒等で洗浄することが好ましい。水、溶媒等での洗浄により、例えば、塩化物、酢酸根、硝酸根、硫酸根等のパラジウム原料およびテルル原料由来の不純物が除去される。洗浄の方法および回数は特に限定されないが、不純物の種類によってはオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの液相酸化反応を阻害する恐れがあるため、不純物を十分除去できる程度に洗浄することが好ましい。洗浄された触媒は、ろ別または遠心分離などにより回収した後、そのまま反応に用いてもよい。
また、回収された触媒を乾燥してもよい。乾燥方法は特に限定されないが、通常は乾燥機を用いて空気中または不活性ガス中で乾燥する。乾燥された触媒は、必要に応じて液相酸化反応に使用する前に活性化することもできる。活性化の方法には特に限定されないが、例えば、水素気流中の還元雰囲気下で熱処理する方法が挙げられる。この方法によれば、パラジウム原子表面の酸化皮膜と洗浄で取り除けなかった不純物を除去することができる。製造された触媒の物性は、BET表面積測定、XRD測定、COパルス吸着法、TEM測定等により確認できる。
次に、本発明の製造方法で得られたパラジウム含有触媒を用いて、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造する方法について説明する。
原料のオレフィンとしては、例えば、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン等が挙げられるが、中でもプロピレンおよびイソブチレンが好適である。原料のオレフィンは、不純物として飽和炭化水素および/または低級飽和アルデヒド等を少量含んでいてもよい。製造されるα,β−不飽和カルボン酸は、オレフィンと同一炭素骨格を有するα,β−不飽和カルボン酸である。具体的には、原料がプロピレンの場合アクリル酸が得られ、原料がイソブチレンの場合メタクリル酸が得られる。
原料のα,β−不飽和アルデヒドとしては、例えば、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド(β−メチルアクロレイン)、シンナムアルデヒド(β−フェニルアクロレイン)等が挙げられる。中でもアクロレインおよびメタクロレインが好適である。原料のα,β−不飽和アルデヒドは、不純物として飽和炭化水素および/または低級飽和アルデヒド等を少量含んでいてもよい。製造されるα,β−不飽和カルボン酸は、α,β−不飽和アルデヒドのアルデヒド基がカルボキシル基に変化したα,β−不飽和カルボン酸である。具体的には、原料がアクロレインの場合アクリル酸が得られ、原料がメタクロレインの場合メタクリル酸が得られる。
液相酸化反応は連続式、バッチ式の何れの形式で行ってもよいが、生産性を考慮すると工業的には連続式が好ましい。
液相酸化反応に用いる分子状酸素の源は、空気が経済的であり好ましいが、純酸素または純酸素と空気の混合ガスを用いることもでき、必要であれば、空気または純酸素を窒素、二酸化炭素、水蒸気等で希釈した混合ガスを用いることもできる。この空気等のガスは、通常オートクレーブ等の反応容器内に加圧状態で供給される。
液相酸化反応に用いる溶媒としては、例えば、t−ブタノール、シクロヘキサノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、酢酸エチルおよびプロピオン酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも1つの有機溶媒を用いることが好ましい。中でも、t−ブタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸およびiso−吉草酸からなる群から選ばれる少なくとも1つの有機溶媒がより好ましい。また、α,β−不飽和カルボン酸をより選択率よく製造するために、これら有機溶媒に水を共存させることが好ましい。共存させる水の量は特に限定されないが、有機溶媒と水の合計質量に対して2質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、70質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以下である。有機溶媒と水の混合物は均一な状態であることが望ましいが、不均一な状態であっても差し支えない。
液相酸化反応の原料であるオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの濃度は、反応器内に存在する溶媒に対して0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量がより好ましい。
分子状酸素の使用量は、原料であるオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒド1モルに対して0.1モル以上が好ましく、より好ましくは0.2モル以上、さらに好ましくは0.3モル以上であり、20モル以下が好ましく、より好ましくは15モル以下、さらに好ましくは10モル以下である。
触媒は液相酸化を行う反応液に懸濁させた状態で使用されることが好ましいが、固定床で使用してもよい。触媒の使用量は、反応器内に存在する溶液に対して0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
反応温度および反応圧力は、用いる溶媒および原料によって適宜選択される。反応温度は30〜200℃が好ましく、50〜150℃がより好ましい。また、反応圧力は0〜10MPa(ゲージ圧;以下、圧力の表記は全てゲージ圧表記とする)が好ましく、0.5〜5MPaがより好ましい。
以下、本発明について実施例、比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。下記の実施例および比較例中の「部」は質量部である。
(触媒中のテルル原子とパラジウム原子とのモル比(Te/Pd)の測定)
調製後の触媒に含まれるテルル原子とパラジウム原子の質量及び原子量から算出した。なお、触媒中のテルル原子とパラジウム原子の質量は、以下の方法で測定した。
A処理液の調製:触媒0.2g、及び、所定量の濃硝酸、濃硫酸、過酸化水素水をテフロン(登録商標)製分解管にとり、マイクロ波加熱分解装置(CEM社製、MARS5(商品名))で溶解処理を行った。試料をろ過し、ろ液および洗浄水を合わせてメスフラスコにメスアップし、A処理液とした。
B処理液の調製:A処理での不溶解部を集めたろ紙を白金製ルツボに移し加熱・灰化した後、メタホウ酸リチウムを加えてガスバーナーで溶融した。冷却後に塩酸と少量の水をルツボに入れて溶解後、メスフラスコにメスアップし、B処理液とした。
得られたA処理液およびB処理液に含まれるテルル原子とパラジウム原子の質量を、ICP発光分析装置(サーモエレメンタル製、IRIS−Advantage(商品名))で定量し、両処理液中の質量の合計値を触媒中のテルル原子とパラジウム原子の質量とした。
(触媒中のテルル原子の電子状態測定)
調製後の触媒中に含まれるテルル原子の電子状態は、XPS測定装置(VG社製、ESCA−LAB220iXL(商品名))で分析を行った。具体的には、触媒粉をSEM観察用カーボンテープ上に固定し、XPS測定装置内で1×10-6Pa以下に真空排気を行った。測定は、X線源に単色化AlKα線を用いて、チャージアップ抑制のため低エネルギー電子線を照射しながら、ステップ0.1V、スキャン回数100回、パスエネルギー20eVの条件にて行った。結合エネルギーは、シリカ担体のSi2pを103.6eVとして補正した。各標準物質(H6TeO6、TeO2、金属Te)の測定結果より、Te6+、Te4+、Te0、の結合エネルギーは、それぞれ、578.0eV、576.0eV、573.5eVであった。
触媒中に含まれる全テルル原子のうち、Te6+、Te4+、Te0のそれぞれの割合は、XPS測定装置に付随の解析プログラムEclipseを用いて、半値幅固定(半値幅=2.0)、ピーク位置固定(Te6+=578.0eV、Te4+=576.0eV、Te0=573.5eV)の条件でピーク分割を行い、各ピーク面積より求めた。
Te6+の割合=S(Te6+)/(S(Te6+)+S(Te4+)+S(Te0))
Te4+の割合=S(Te4+)/(S(Te6+)+S(Te4+)+S(Te0))
Te0の割合=S(Te0)/(S(Te6+)+S(Te4+)+S(Te0))
ここで、S(Te6+)、S(Te4+)、S(Te0)は、それぞれ、Te6+、Te4+、Te0のピーク面積である。なお、Te原子の価数は、+6価、+4価、0価以外に−2価も存在するが、本実施例ではTe-2は観測されなかった。
(α,β−不飽和カルボン酸の製造における原料、生成物および副生物の分析)
α,β−不飽和カルボン酸の製造における原料および生成物の分析はガスクロマトグラフィーを用いて行った。なお、オレフィンの反応率、α,β−不飽和アルデヒドの選択率、α,β−不飽和カルボン酸の選択率及び生産性は以下のように定義される。
オレフィンの反応率(%) =(B/A)×100
α,β−不飽和アルデヒドの選択率(%) =(C/B)×100
α,β−不飽和カルボン酸の選択率(%) =(D/B)×100
α,β−不飽和カルボン酸の生産性(g/g−Pd・h)=E/(G×F)
ここで、Aは供給したオレフィンのモル数、Bは反応したオレフィンのモル数、Cは生成したα,β−不飽和アルデヒドのモル数、Dは生成したα,β−不飽和カルボン酸のモル数、Eは生成したα,β−不飽和カルボン酸の質量(単位:g)、Fは反応に使用したPdの質量(単位:g)、Gは反応時間(単位:h)である。
[実施例1]
(触媒調製)
工程1:硝酸パラジウム溶液(N.E.ケムキャット製、Pd含有率23.14質量%)64.82部(Pd15g)に純水150部を加えた混合溶液を調製した。シリカ担体(比表面積450m2/g、細孔容積0.68cc/g)75.0部に上記混合溶液を浸漬させた後にエバポレーションを行った。その後、空気中200℃で3時間焼成を行った。得られたシリカ担体に37質量%ホルムアルデヒド水溶液150部を加えた。70℃に加熱し、2時間攪拌保持し、吸引ろ過後純水でろ過洗浄して、金属状態のパラジウム原子が担持されたシリカ担体を得た。
工程2:上記の調製手順により得られたシリカ担体を質量で15分割したものを水150部に分散させ、テルル酸0.065部(Te/Pd仕込みモル比は、0.030)を純水30部に溶解したテルル酸溶液を滴下した。滴下後の混合液を70℃に加熱し、120分攪拌保持(熱処理)し、吸引ろ過後水でろ過洗浄して、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。この触媒を更に2分割したものを下記に示す反応評価に用いた。触媒中のTe/Pd実測モル比は0.030であった。
(反応評価)
オートクレーブに上記の方法で得た触媒(Pd金属量0.5gに相当)と反応溶媒として75質量%t−ブタノール水溶液100部、p−メトキシフェノール0.02部を入れ、オートクレーブを密閉した。次いで、イソブチレンを2.75部導入し、攪拌(回転数1000rpm)を開始し、90℃まで昇温した。昇温完了後、オートクレーブに窒素を内圧2.3MPaまで導入した後、圧縮空気を内圧4.6MPaまで導入した。反応中に内圧が0.1MPa低下した時点で、酸素を導入して内圧を0.1MPa昇圧する操作を10回繰り返した。10回目の酸素導入後、内圧が0.1MPa低下した時点で反応を終了した。反応時間は53分であった。
反応終了後、氷浴でオートクレーブ内を氷冷した。オートクレーブのガス出口にガス捕集袋を取り付け、ガス出口を開栓して出てくるガスを回収しながら反応器内の圧力を開放した。オートクレーブから触媒入りの反応液を取り出し、メンブランフィルターで触媒を分離して、反応液を回収した。回収した反応液と捕集したガスをガスクロマトグラフィーにより分析し、反応率、選択率、および生産性を算出した。
[実施例2]
テルル酸の使用量を0.108部(Te/Pd仕込みモル比は、0.050)に変更した点以外は実施例1と同様に触媒調製を行い、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。このときの触媒中のTe/Pd実測モル比は0.040であった。この触媒を用いて実施例1と同様に反応評価を行った。
[実施例3]
テルル酸の使用量を0.216部(Te/Pd仕込みモル比は、0.100)に変更した点以外は実施例1と同様に触媒調製を行い、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。このときの触媒中のTe/Pd実測モル比は0.070であった。この触媒を用いて実施例1と同様に反応評価を行った。
[実施例4]
テルル酸の使用量を0.433部(Te/Pd仕込みモル比は、0.200)に変更した点以外は実施例1と同様に触媒調製を行い、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。このときの触媒中のTe/Pd実測モル比は0.075であった。この触媒を用いて実施例1と同様に反応評価を行った。
[実施例5]
テルル酸の使用量を0.649部(Te/Pd仕込みモル比は、0.300)に変更した点以外は実施例1と同様に触媒調製を行い、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。このときの触媒中のTe/Pd実測モル比は0.077であった。この触媒を用いて実施例1と同様に反応評価を行った。
[実施例6]
工程1で得られた、金属状態のパラジウム原子が担持されたシリカ担体を水40部に分散させた点、及びテルル酸の使用量を0.108部(Te/Pd仕込みモル比は、0.050)に変更した点以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。このときの触媒中のTe/Pd実測モル比は0.041であった。この触媒を用いて実施例1と同様に反応評価を行うとともに、別途XPS測定についても行った。
参考例1
テルル酸の使用量を0.649部(Te/Pd仕込みモル比は、0.300)に変更した点、及びテルル酸溶液を滴下した後すぐに37質量%ホルムアルデヒド水溶液90部を加えた点以外は実施例1と同様に触媒調製を行い、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。このときの触媒中のTe/Pd実測モル比は0.050であった。この触媒を用いて実施例1と同様に反応評価を行った。
参考例2
テルル酸の使用量を0.108部(Te/Pd仕込みモル比は、0.050)に変更した点、及びテルル酸溶液を滴下し70℃で120分攪拌保持(熱処理)した後、37質量%ホルムアルデヒド水溶液90部を加え、更に60分保持した点以外は実施例1と同様に触媒調製を行い、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。このときの触媒中のTe/Pd実測モル比は0.041であった。この触媒を用いて実施例1と同様に反応評価を行うとともに、別途XPS測定についても行った。
[実施例9]
テルル酸の使用量を0.108部(Te/Pd仕込みモル比は、0.050)に変更した点、及びテルル酸溶液を添加した後の熱処理時間を5分に変更した点以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。このときの触媒中のTe/Pd実測モル比は0.028であった。この触媒を用いて実施例1と同様に反応評価を行った。
[実施例10]
テルル酸の使用量を0.108部(Te/Pd仕込みモル比は、0.050)に変更した点、及びテルル酸溶液を添加した後の熱処理時間を15分に変更した点以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。このときの触媒中のTe/Pd実測モル比は0.035であった。この触媒を用いて実施例1と同様に反応評価を行った。
[実施例11]
テルル酸の使用量を0.108部(Te/Pd仕込みモル比は、0.050)に変更した点、及びテルル酸溶液を添加した後の熱処理時間を30分に変更した点以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。このときの触媒中のTe/Pd実測モル比は0.037であった。この触媒を用いて実施例1と同様に反応評価を行った。
[実施例12]
テルル酸の使用量を0.108部(Te/Pd仕込みモル比は、0.050)に変更した点、及びテルル酸溶液を添加した後の熱処理時間を60分に変更した点以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。このときの触媒中のTe/Pd実測モル比は0.039であった。この触媒を用いて実施例1と同様に反応評価を行った。
[実施例13]
テルル酸の使用量を0.108部(Te/Pd仕込みモル比は、0.050)に変更した点、及びテルル酸溶液を添加した後の熱処理時間を240分に変更した点以外は、実施例1と同様に触媒調製を行い、パラジウム原子とテルル原子が担持されたシリカ担持型パラジウム含有触媒を得た。このときの触媒中のTe/Pd実測モル比は0.040であった。この触媒を用いて実施例1と同様に反応評価を行った。
[比較例1]
工程1で得られた、金属状態のパラジウム原子が担持されたシリカ担体(Te/Pd実測モル比は0)を、そのまま触媒として用いて、実施例1と同様に反応評価を行った。
以上の結果を表1及び表2に示す。本発明の製造方法で得られたパラジウム含有触媒を用いることでメタクリル酸が高選択率または高生産的に製造可能であることが分かった。
Figure 0005069412
Figure 0005069412


Claims (5)

  1. パラジウム原子1モルに対してテルル原子0.001〜0.4モルを含有する、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造するためのパラジウム含有触媒の製造方法であって、酸化状態のパラジウム原子を含むパラジウム原料を還元剤で還元する工程を行った後に、テルル原子を含むテルル原料を添加する工程を有し、テルルを還元剤で還元しないパラジウム含有触媒の製造方法。
  2. 前記テルル原子を含むテルル原料を添加する工程の後に、50〜100℃で30分以上熱処理を行う請求項1記載のパラジウム含有触媒の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により得られたパラジウム含有触媒であって、パラジウム原子1モルに対してテルル原子0.001〜0.4モルを含有する、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造するためのパラジウム含有触媒であって、前記テルル原子のうち+4価のテルル原子の割合が20モル%以上であるパラジウム含有触媒。
  4. 請求項3に記載のパラジウム含有触媒を用いて、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相酸化するα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の製造方法によってパラジウム含有触媒を製造し、得られた触媒を用いて、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素により液相酸化するα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
JP2005346695A 2005-10-20 2005-11-30 パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法 Active JP5069412B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005346695A JP5069412B2 (ja) 2005-10-20 2005-11-30 パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005305820 2005-10-20
JP2005305820 2005-10-20
JP2005346695A JP5069412B2 (ja) 2005-10-20 2005-11-30 パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007136434A JP2007136434A (ja) 2007-06-07
JP5069412B2 true JP5069412B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=38199921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005346695A Active JP5069412B2 (ja) 2005-10-20 2005-11-30 パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5069412B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5247081B2 (ja) * 2007-07-25 2013-07-24 三菱レイヨン株式会社 α,β−不飽和カルボン酸の製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004141863A (ja) * 2002-09-30 2004-05-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd パラジウム含有触媒の製造方法
JP2004217543A (ja) * 2003-01-10 2004-08-05 Tosoh Corp アルコキシベンズアルデヒド及び/又はアルコキシベンジルアセテートの製造方法
JP4248957B2 (ja) * 2003-07-18 2009-04-02 三菱化学株式会社 酸化用固体触媒の製造方法及び酸化的付加生成物の製造方法
JP2005218953A (ja) * 2004-02-05 2005-08-18 Mitsubishi Rayon Co Ltd パラジウム含有触媒およびその製造方法、並びに、α,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP4846576B2 (ja) * 2004-06-04 2011-12-28 三菱レイヨン株式会社 パラジウム含有触媒およびその製造方法
JP4446807B2 (ja) * 2004-06-16 2010-04-07 三菱レイヨン株式会社 パラジウム含有触媒およびその製造方法、並びに、α,β−不飽和アルデヒドおよびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007136434A (ja) 2007-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101109801B1 (ko) 팔라듐 함유 촉매, 그 제조방법 및 그를 이용한 α,β-불포화 알데하이드 및 α,β-불포화 카복실산의 제조방법
WO2004037410A1 (ja) 炭素侵入型パラジウム金属、パラジウム触媒、及びこれらの製造方法、並びに、α,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP5017092B2 (ja) パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP4951235B2 (ja) パラジウム含有担持触媒、およびそれを用いたα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP4571872B2 (ja) 貴金属含有触媒、およびそれを用いたα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP4764174B2 (ja) 液相酸化用パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP2007090164A (ja) 貴金属含有触媒及びその製造方法、並びにそれを用いたα,β−不飽和カルボン酸及びα,β−不飽和カルボン酸無水物の製造方法
JP5069412B2 (ja) パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP4846625B2 (ja) パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP5804145B2 (ja) パラジウム含有触媒の製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP4446807B2 (ja) パラジウム含有触媒およびその製造方法、並びに、α,β−不飽和アルデヒドおよびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP5247081B2 (ja) α,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP4908328B2 (ja) パラジウム含有触媒およびその製造方法、並びに、α,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP5648520B2 (ja) α,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP4911361B2 (ja) パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP5084004B2 (ja) パラジウム含有担持触媒及びその製造方法、並びに、α,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP5416886B2 (ja) パラジウム含有担持触媒、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP4908332B2 (ja) 酸化触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP2005218953A (ja) パラジウム含有触媒およびその製造方法、並びに、α,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP5280239B2 (ja) パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP2013180242A (ja) パラジウム含有触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP5019586B2 (ja) α,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP2011104457A (ja) パラジウム含有担持触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP2009254956A (ja) パラジウム担持触媒、その製造方法、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP2012030140A (ja) パラジウム含有担持触媒の製造方法、パラジウム含有担持触媒、およびα,β−不飽和カルボン酸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20120228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120817

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5069412

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250