JPH0629137B2 - 金超微粒子固定化酸化チタンの製造法 - Google Patents

金超微粒子固定化酸化チタンの製造法

Info

Publication number
JPH0629137B2
JPH0629137B2 JP1232947A JP23294789A JPH0629137B2 JP H0629137 B2 JPH0629137 B2 JP H0629137B2 JP 1232947 A JP1232947 A JP 1232947A JP 23294789 A JP23294789 A JP 23294789A JP H0629137 B2 JPH0629137 B2 JP H0629137B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium oxide
gold
ultrafine
particles
hydrated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1232947A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0397623A (ja
Inventor
正毅 春田
哲彦 小林
年 坪田
佳子 中原
一 島川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology, Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP1232947A priority Critical patent/JPH0629137B2/ja
Publication of JPH0397623A publication Critical patent/JPH0397623A/ja
Publication of JPH0629137B2 publication Critical patent/JPH0629137B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は金超微粒子固定化酸化チタンの製造法に関し、
詳しくは金超微粒子が酸化チタン上に非常に高分散に担
持されており、低温酸化触媒,低温還元触媒,ガスセン
サー,顔料などに有効に利用することのできる金超微粒
子固定化酸化チタンを製造する方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、金は化学的活性に乏しい金属の代表と考えられて
きたが、これを粒径10nm以下の超微粒子状にして、
鉄,コバルト,ニッケル等の金属酸化物上に分散・担持
すると、極めて優れた触媒となることが、本発明者らに
よって報告されている(Chemistry Letters,pp405-408(1
987),表面化学8,407-414(1987)、Chemistry Express3,
159-162(1988),J.Catalysis 115,301-309(1989))。
このような金超微粒子固定化金属酸化物の調製法として
は、共沈法(特開昭60-238148号公報),均一析出
沈澱法(特開昭62-155937号公報),滴下中和沈澱法
(特開昭63-252908号公報),還元剤添加法(特開昭6
3-252908号公報),pH制御中和沈澱法(特開昭63-252
908号公報)等の方法が本発明者らによって開発されて
いる。
しかしながら、これらの方法にはそれぞれ一長一短があ
り、超微粒子状にして担持しうる金の重量や担体の種類
に制約があり、例えば化粧料やガスセンサーなどに用い
ることは事実上不可能であった。
このような従来の問題点を解消するものとして本発明者
らは先に、金超微粒子固定化酸化物を調製するに際し
て、金化合物と水溶性金属塩を溶解した水溶液を、アル
カリ性水溶液で中和して共沈物を得る際、または共沈物
の生成後に、カルボン酸またはその塩を添加,熟成し、
次いで加熱することにより、金超微粒子の凝集を抑制
し、極めて微細な金超微粒子を均一に強固に担持できる
ことを見出し、この知見に基づいて出願を行なっている
(特願平1-73603号(特開平2-252610号公報))。
この発明においては、水溶性金属塩として硫酸チタン,
三塩化チタンなどを用い、金化合物とともに共沈させて
金超微粒子固定化酸化物(酸化チタン)を調製してい
る。
このようにして得られた金超微粒子固定化酸化物は、酸
化触媒,還元触媒,ガスセンサー,顔料などとして優れ
た特性を有するものの、一酸化炭素酸化触媒活性は0℃
でも100%であったが、金超微粒子の高分散化の指標と
なる水素酸化触媒活性(転化率50%になる温度)は45〜
76℃とまだ高いものであった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記従来の問題点を解決するためにさらに
研究を進めた結果、上記の如き共沈法ではなく、予め調
製した特定の性状を有する酸化チタンおよび/または水
和酸化チタンの超微粒子またはこれらをセラミック成型
体(ビーズ,ハニカム等)にウオッシュコートしたもの
に、直接、金を超微粒子状にして高分散に担持させる方
法を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
すなわち本発明は、結晶系が非晶質またはアナターゼ型
で、かつ平均粒子径が500Å以下である酸化チタンお
よび/または水和酸化チタンを、カルボン酸またはその
塩の存在下に、金化合物の中性水溶液に添加することに
より、酸化チタンおよび/または水和酸化チタン上に金
沈澱物を担持し、続いてこの担持物を加熱することを特
徴とする金超微粒子固定化酸化チタンの製造法を提供す
るものである。
本発明では、担体として酸化チタンまたは水和酸化チタ
ンあるいはこれらの混合物を用いる。
ここで酸化チタンまたは水和酸化チタンとしては、結晶
系が非晶質またはアナターゼ型のものが用いられる。こ
れ以外の結晶系のものが混在すると、触媒活性が低下す
るため好ましくない。
さらに、酸化チタンまたは水和酸化チタンとしては、平
均粒子径が500Å以下、好ましくは50〜400Åの
ものが用いられる。平均粒子径が500Åを超えたもの
であると、担体としての比表面積が低くなり、その結
果、触媒活性が低下するため好ましくない。
本発明においては、担体として上記の如き酸化チタンま
たは水和酸化チタンあるいはこれらの混合物を、ビー
ズ,ハニカム等のセラミック成型体にウオッシュコート
したものを用いてもよい。担体である酸化チタン超微粒
子をこのような成型体にコーティングすると、酸化チタ
ン超微粒子表面の露出部分が多くなるため、排ガス浄化
用触媒として効率のよい状態で使用することができる。
また、酸化チタンまたは水和酸化チタンとしては、比表
面積が50m/g以上、好ましくは100m/g以
上のものが用いられる。比表面積が50m/g未満の
ものであると、金を高分散に担持できるサイトが減少
し、その結果、触媒活性が低下するため好ましくない。
このような超微粒子状酸化チタンまたは水和酸化チタン
は、例えば特開昭61-201604号公報に記載された方法に
より得ることができる。
本発明では、まず金化合物を溶解させた水溶液を撹拌
下、pH5〜9、好ましくは6〜8に調整して、金化合物
の中性水溶液を調製する。第1図に示した如く、pHがこ
の範囲内で、一酸化炭素酸化触媒活性および水素酸化触
媒活性が高くなる。これは、金粒子がこのpH範囲内での
み微細な粒子で沈澱するからであると考えられる。
ここで金化合物として具体的には、例えば塩化金酸(HAu
Cl4),塩化金酸ナトリウム(NaAuCl4),シアン化金(AuC
N),シアン化金カリウム(K〔Au(CN)〕),三
塩化ジエチルアミン金酸〔(CNH・AUC
〕等の水溶性金塩が挙げられる。
また、上記水溶液の中和のために用いるアルカリ性水溶
液としては、通常、炭酸ナトリウム,水酸化ナトリウ
ム,炭酸カリウム,アンモニア等を含有する水溶液を用
いることができる。
さらに、金化合物水溶液は、金化合物の濃度を1×10-2
mol/l〜1×10-5mol/l程度とすることが好適である。ま
た、金化合物水溶液の温度は、20〜90℃とすること
が好ましい。
次に、このようにして得られた金化合物の中性水溶液
に、前記酸化チタンおよび/または水和酸化チタンを、
カルボン酸またはその塩の存在下に添加する。
より具体的には、このようにして得られた金化合物の中
性水溶液に、前記酸化チタンおよび/または水和酸化チ
タンを撹拌下投入した後、または投入する前に、カルボ
ン酸またはその塩を添加する。
この場合、添加直後のpHが5〜9、好ましくは6〜8に
なるように、カルボン酸またはその塩の種類と使用量を
調節する。pHがこの範囲内であると、一酸化炭素酸化触
媒活性および水素酸化触媒活性が高くなる。これは、金
粒子がこのpH範囲内でのみ微細な粒子で沈澱するからで
あると考えられる。カルボン酸の水素イオンでpHをこの
範囲内に調節する。
ここでカルボン酸またはその塩としては、グリコール酸
(HOOC・CH2OH),シュウ酸(HOOC・COOH),乳酸〔CH
CH(OH)・COOH〕,マロン酸(HOOC・CH2・COO
H),マレイン酸(HOOC・CH=CH・COOH),コハク酸(HOOC・CH2
・CH2・COOH),リンゴ酸〔HOOC・CH(OH)・CH2・COOH),酒石
酸〔HOOC・CH(OH)・COOH〕,クエン酸
(HOOC・CH・C(OH)(COOH)・CH
COOH〕およびそれらのカリウム,ナトリウム,マグ
ネシウム,ストロンチウム,バリウム,マンガン,コバ
ルト,ニッケル等の塩を挙げることができる。
カルボン酸またはその塩の添加量は、使用する化合物の
種類,添加方法等に応じて変わり得るが、通常、担持す
べき金のモル数に対して1倍モル以上とすればよく、解
離しにくい化合物の場合には30倍モル程度まで添加す
ることもできる。
また、解離しやすいカルボン酸塩、例えばクエン酸3ナ
トリウムを使う場合には、水溶液のpHがNa+イオンの追
加で大きく変動しない範囲に抑えるようにする。
なお、酸化チタンおよび/または水和酸化チタンを金化
合物の中性水溶液に投入した後に、カルボン酸またはそ
の塩を添加する場合は、酸化チタンおよび/または水和
酸化チタンを金化合物の中性水溶液に投入した後、1時
間程度以内、好ましくは30分程度以内に、カルボン酸
またはその塩を添加することが好ましい。
カルボン酸またはその塩の具体的な添加方法および添加
量については、水溶液のpH、カルボン酸またはその塩の
解離平衡等を考慮して決定すればよく、水溶液中におい
て、解離して生じるカルボン酸イオンが0.0001mol/l〜
0.01mol/lの範囲となるようにすることが好ましい。カ
ルボン酸イオン量が0.01mol/lを超えると、カルボン酸
イオン量が酸化チタンおよび/または水和酸化チタンの
表面にほぼ全面的に吸着され、液相内に残存する金錯イ
オンの吸着を阻害してしまう。また、液相中で金錯イオ
ンを還元してコロイド状金粒子を生成してしまうので、
酸化チタンおよび/または水和酸化チタン上に有効に担
持される金の量が減少するという問題を生じる。一方、
カルボン酸イオンの濃度が0.0001mol/l未満であると、
酸化チタンおよび/または水和酸化チタンに吸着される
カルボン酸イオンの量が少なく、金水酸化物の凝集を防
ぐ効果を充分に発揮することができない。
カルボン酸塩として、例えばクエン酸ナトリウムのよう
に解離しやすいものを用いる場合には、一度に大量に添
加すると、クエン酸イオンの液相濃度が一時的に0.01mo
l/lを超えるので、徐々に添加することが好ましい。
但し、クエン酸マグネシウムの場合は、解離しにくいの
で、一度に全量添加してもその一部しかクエン酸イオン
として解離しないので、極めて取扱いが容易である。例
えば、pH=9.6ではクエン酸イオンとクエン酸マグネシ
ウムとの比は、1:17であり、添加したクエン酸マグ
ネシウムの1/18だけが、クエン酸イオンに解離す
る。このクエン酸イオンが、沈澱物上に吸着され、液相
から消失すると、その分だけ解離が起こり、クエン酸イ
オンが補給される。このように、解離平衡とpHを考慮し
て、クエン酸イオンの濃度が常に0.0001mol/l〜0.01mol
/lの範囲となるように制御すればよい。
本発明の方法では、上記した操作終了後、得られた溶液
を30分程度以上撹拌して熟成することが好ましい。熟成
終了時の溶液のpHは6〜9程度とすることがより好まし
い。
本発明では、金化合物の水溶液およびカルボン酸または
その塩の添加操作は、20〜90℃程度の液温で行なうこと
が好ましい。
金化合物の使用量は、酸化チタンおよび/または水和酸
化チタン上に担持させる金超微粒子の量によって決定さ
れる。担持量の上限は、使用する酸化チタンおよび/ま
たは水和酸化チタンの種類やその形状,比表面積等によ
って異なるが、通常は全金属中の金の原子%で0.5〜10
%(1〜40重量%)程度まで担持させることができる。
このようにして、酸化チタンおよび/または水和酸化チ
タン上に金沈澱物を担持する。
続いて、上記した方法で得られた金化合物担持酸化チタ
ンおよび/または水和酸化チタンを、充分に水洗後、加
熱することによって、生成した金の水酸化物が分解され
て金となり、酸化チタンおよび/または水和酸化チタン
上に金が均一に超微粒子として析出し、強度に固定され
る。なお、この際の加熱温度は100〜800℃程度が好まし
く、加熱時間は1〜24時間程度とすればよい。
以上の如き本発明の方法によって得られる金超微粒子固
定化酸化チタンおよび/または水和酸化チタンでは、金
超微粒子の粒子径が小さく、かつ粒径分布が狭くなり、
金超微粒子が酸化チタンおよび/または水和酸化チタン
上に均一に担持されたものとなる。
第1図は、カルボン酸またはその塩により調整した金化
合物の水溶液の熟成時のpHに対して、得られた金超微粒
子固定化酸化チタンおよび/または水和酸化チタンの酸
化触媒活性に及ぼす影響を示したグラフである。図中、
縦軸のT1/2〔H〕,T1/2〔CO〕はそれぞれ
水素または一酸化炭素の転化率が50%となる温度を示
す。なお、T1/2〔CO〕のpH6〜9の範囲では0℃
で転化率が100%となっており、極めて活性が高いこと
が判る。水素の転化温度もpH6〜8の範囲で最低とな
り、この範囲で最も活性が高いことが判る。
また、第2図はクエン酸マグネシウムの添加量と、触媒
活性との関係を示したグラフである。図中、水溶液のpH
が8.5の場合はクエン酸マグネシウムの添加量がHAuCl4
のモル数の6倍以上では触媒活性が高い水準で飽和し、
pHが7の場合は3倍以上では触媒活性が高い水準で飽和
していることを示している。
第2図からは、カルボン酸またはその塩の添加量が、担
持すべき金のモル数に対し、約5倍モル以上であると、
水素酸化触媒活性が高水準で一定になることが判る。
さらに、第3図は担体中の金含有量が金超微粒子固定化
酸化チタンおよび/または水和酸化チタンの酸化触媒活
性に及ぼす影響を示したグラフである。担体中の金含有
量が1atm%以上であれば、一酸化炭素酸化触媒活性,
水素触媒活性ともに高水準で飽和することが判る。な
お、図中において水素(H)の触媒活性を示すグラフ
の肩に付された数字は、クエン酸マグネシウムの金に対
する添加モル数を示したものである。
本発明の方法で得られる金を高分散に担持した酸化チタ
ンおよび/または水和酸化チタンは、低温酸化触媒,低
温還元触媒,ガスセンサー,顔料等の各種用途に使用す
ることができる。
例えば、本発明の金超微粒子固定化酸化チタンおよび/
または水和酸化チタンは、300℃以下の比較的低温で水
素,一酸化炭素,メタノール,プロパン等の燃料を広い
濃度範囲で燃焼できるので微粒子状のまま、あるいはこ
れらをビーズ,ハニカム等のセラミック成型体にウオッ
シュコートしたものに、直接、金を超微粒子状で高分散
に担持させて、触媒燃焼方式の各種暖房器や厨房用加熱
器用の酸化触媒体として用いることができる。また、石
油ストーブ,石油ファンヒーター,ガスファンヒーター
用排ガス浄化触媒体として、空調機器用空気浄化フィル
ターとして利用することができる。その他、塗料工業等
における溶剤酸化処理用触媒体や工場排ガス用触媒体な
どとして用いることができる。
ここで酸化触媒として用いる場合には、金を0.5〜10原
子%程度含む金超微粒子固定化酸化チタンおよび/また
は水和酸化チタンが好ましい。特に一酸化炭素を0℃以
下の温度で酸化する場合には金水酸化物を担持した前駆
体を200〜500℃程度の温度で加熱したものが好ましい。
また、本発明の金超微粒子固定化酸化チタンおよび/ま
たは水和酸化チタンは、NO,NO2等の窒素酸化物を水素,
一酸化炭素等で還元するための触媒としても有用であ
る。
さらに、本発明の金超微粒子固定化酸化チタンおよび/
または水和酸化チタンは、室温前後の比較的低い温度に
おいても極めて高い酸化触媒活性を有するので、水素,
一酸化炭素,メタノール,炭化水素等の可燃性ガスに対
するセンサー素子としても利用することができる。可燃
性ガスセンサー素子として利用するには、例えば、コイ
ル状の白金線等を金超微粒子固定化酸化チタンおよび/
または水和酸化チタンの焼結体で被覆するか、あるいは
板状のサーミスタ上に厚膜状の金超微粒子固定化酸化チ
タンおよび/または水和酸化チタン層を形成させるなど
すればよい。これらのセンサー素子が、可燃性ガスを含
む空気に触れると、センサー素子表面で、可燃性ガスが
燃焼し、燃焼熱が発生する。このため、粒状物で被覆し
た白金線では、白金線の温度が上昇して、電気抵抗が高
くなるので、可燃性ガスを検知することができる。ま
た、サーミスタ上に厚膜を形成する場合には、燃焼後の
温度上昇を直接サーミスタで検出することができる。
また、本発明の金超微粒子固定化酸化チタンおよび/ま
たは水和酸化チタンは、金超微粒子の粒子径,形状等に
より特有の赤紫,青紫,紺色等を呈するので、化粧料,
絵の具,釉薬などの顔料としても使用することができ
る。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により詳しく説明する。
製造例(超微粒子状酸化チタンの製造) 原料のチタンテトライソプロポキサイド〔Ti(O−i
〕を189g/hrで、キャリアーガスとしての
窒素ガス1.05Nm3/hrとともに、130℃に加熱したベーパ
ライザーに導入し、原料を完全に気化せしめた。
一方、1200g/hrの水を窒素ガス2.26Nm3/hrとともに、45
0℃に加熱したベーパライザーに導入し、加熱水蒸気を
調製した。この加熱水蒸気を、気化させた原料と同時
に、内径30mmの反応器に導入し、260℃で加水分解反応
を行なわせ、超微粒子状の酸化チタンを得た。
この超微粒子を電子顕微鏡により観察したところ、一次
粒子径(平均粒子径)200Åであった。
また、この超微粒子はX線回折パターンによって、非晶
質であることが確認された。さらに、窒素ガスを用いた
BET法により比表面積を調べたところ、130m2/gであ
った。
実施例1 塩化金酸(HAuCl4・4H2O)0.273g(0.00066モル)を、120℃
の水で溶解した水溶液に、炭酸ナトリウム(Na2CO3)水溶
液を滴下して、pHを6.9とした。続いて、上記製造例で
得られた超微粒子状の酸化チタンを真空乾燥した酸化チ
タン超微粒子1.0gを加え、5分後、クエン酸マグネシ
ウム(Mg3(C6H5O7)2)飽和水溶液(6.0g/)を100ml(ク
エン酸イオン0.00066×6モル)添加し、1時間撹拌を
続けながら、熟成した。熟成終了時の水溶液のpHは7.8
であった。得られたスラリーを濾過し、充分に水洗後、
真空乾燥し、さらに空気中において400℃で5時間焼成
することにより、Au担持TiO2(原子比:Au/Ti=1/19)触
媒を得た。
この触媒を70〜120メッシュにふるい分けしたものを、
0.20g用い、一酸化炭素または水素を1容積%含む空気
混合ガスを67ml/分で流通させて、一酸化炭素または水
素に対する酸化触媒活性を調べた。その結果を、酸化反
応率が50%になる温度(T1/2〔CO〕,T
1/2〔H〕)で第1表に示した。
実施例2 実施例1において、酸化チタン超微粒子として製造例で
得られた超微粒子状の酸化チタンを120℃で1時間乾燥
したものを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作
を行なった。結果を第1表に示す。
実施例3 実施例1において、酸化チタン超微粒子として製造例で
得られた超微粒子状の酸化チタンを550℃で1時間焼成
したものを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作
を行なった。この酸化チタン超微粒子の結晶系はアナタ
ーゼ型であった。結果を第1表に示す。
比較例1 実施例1において、酸化チタン超微粒子として製造例で
得られた超微粒子状の酸化チタンを1200℃で1時間焼成
したものを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作
を行なった。この酸化チタン超微粒子の結晶系はルチル
型であった。結果を第1表に示す。
比較例2 実施例1において、酸化チタン超微粒子として西独デグ
サ社製の酸化チタン超微粒子(P−25,結晶系:アナ
ターゼ+ルチル型)を使用したこと以外は、実施例1と
同様の操作を行なった。結果を第1表に示す。
比較例3 実施例1において、酸化チタン超微粒子として大工試製
高純度酸化チタン超微粒子(結晶系:アナターゼ+ルチ
ル型)を使用したこと以外は、実施例1と同様の操作を
行なった。結果を第1表に示す。
比較例4 実施例1において、酸化チタン超微粒子として製造例で
得られた超微粒子状の酸化チタンを1200℃で10時間焼
成したものを使用したこと以外は、実施例1と同様の操
作を行なった。この酸化チタン超微粒子の結晶系はルチ
ル型であり、焼結が進み、その粒子径は800Åとなっ
ていた。結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の製造法によれば、金超微粒子が酸化チタンおよ
び/または水和酸化チタン上に非常に高分散に担持され
る。
この金超微粒子固定化酸化チタンおよび/または水和酸
化チタンは、低い温度で水素,一酸化炭素,メタノー
ル,プロパン等の燃料を広い濃度範囲で燃焼できるの
で、触媒燃焼方式の各種暖房器や厨房用加熱器用の酸化
触媒として有用であり、排ガス浄化触媒,ガスセンサー
素子に用いられる他に、還元触媒としても用いることが
できる。特に、50m2/g以上の比表面積を有する固定化酸
化チタンおよび/または水和酸化チタンを用いた場合、
触媒活性に優れたものとなる。
さらに、この金超微粒子固定化酸化チタンおよび/また
は水和酸化チタンは、特有の色調を有するので、化粧
料,絵具,釉薬などの顔料としても有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、カルボン酸またはその塩により調整した金化
合物の水溶液の熟成時のpHに対して、得られた金超微粒
子固定化酸化チタンおよび/または水和酸化チタンの酸
化触媒活性に及ぼす影響を示したグラフである。 また、第2図はクエン酸マグネシウムの添加量と、触媒
活性との関係を示したグラフである。 さらに、第3図は担体中の金含有量が金超微粒子固定化
酸化チタンおよび/または水和酸化チタンの酸化触媒活
性に及ぼす影響を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島川 一 千葉県君津郡袖ケ浦町上泉1280番地 出光 興産株式会社内 審査官 石井 良夫

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶系が非晶質またはアナターゼ型で、か
    つ平均粒子径が500Å以下である酸化チタンおよび/
    または水和酸化チタンを、カルボン酸またはその塩の存
    在下に、金化合物の中性水溶液に添加することにより、
    酸化チタンおよび/または水和酸化チタン上に金沈澱物
    を担持し、続いてこの担持物を加熱することを特徴とす
    る金超微粒子固定化酸化チタンの製造法。
  2. 【請求項2】酸化チタンおよび/または水和酸化チタン
    が、50m/g以上の比表面積を有するものである請
    求項(1)記載の金超微粒子固定化酸化チタンの製造法。
JP1232947A 1989-09-11 1989-09-11 金超微粒子固定化酸化チタンの製造法 Expired - Lifetime JPH0629137B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1232947A JPH0629137B2 (ja) 1989-09-11 1989-09-11 金超微粒子固定化酸化チタンの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1232947A JPH0629137B2 (ja) 1989-09-11 1989-09-11 金超微粒子固定化酸化チタンの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0397623A JPH0397623A (ja) 1991-04-23
JPH0629137B2 true JPH0629137B2 (ja) 1994-04-20

Family

ID=16947351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1232947A Expired - Lifetime JPH0629137B2 (ja) 1989-09-11 1989-09-11 金超微粒子固定化酸化チタンの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0629137B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002540919A (ja) * 1999-04-08 2002-12-03 ザ ダウ ケミカル カンパニー 金及びチタンを含有する触媒の調製法

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3897483B2 (ja) * 1999-03-31 2007-03-22 トヨタ自動車株式会社 排ガス浄化用触媒とその製造方法及び排ガス浄化方法
US6821923B1 (en) 1999-04-08 2004-11-23 Dow Global Technologies Inc. Method of preparing a catalyst containing gold and titanium
FR2813025B1 (fr) * 2000-08-17 2002-11-29 Inst Francais Du Petrole Materiaux comportant des groupements organiques contenant du phosphore lie par l'intermediaire d'atomes d'oxygenes a un oxyde mineral
DE10049803A1 (de) * 2000-10-09 2002-04-18 Bayer Ag Kompositpartikel
JP3752529B2 (ja) * 2001-03-14 2006-03-08 独立行政法人産業技術総合研究所 イリジウム担持物質、イリジウム担持方法およびイリジウム担持触媒
JP3914984B2 (ja) * 2002-08-01 2007-05-16 独立行政法人産業技術総合研究所 燃料改質ガスの水性ガスシフト反応用触媒
US8058202B2 (en) 2005-01-04 2011-11-15 3M Innovative Properties Company Heterogeneous, composite, carbonaceous catalyst system and methods that use catalytically active gold
JP5596910B2 (ja) * 2008-06-27 2014-09-24 株式会社Nbcメッシュテック 複合化酸化触媒担持体及びその製造方法
JP5134599B2 (ja) * 2008-08-25 2013-01-30 独立行政法人産業技術総合研究所 Coガスセンサ用の触媒、ペースト、およびcoガスセンサ
JP5397854B2 (ja) * 2009-07-08 2014-01-22 Nsマテリアルズ株式会社 酸化物コーティング酸化チタン含有液及びその製造方法
JP5912273B2 (ja) * 2010-03-19 2016-04-27 株式会社Nbcメッシュテック 抗ウイルス剤及びその製造方法
JP2014100638A (ja) * 2012-11-19 2014-06-05 Dainippon Printing Co Ltd 一酸化炭素浄化フィルタの製造方法、一酸化炭素浄化フィルタ及び一酸化炭素浄化装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002540919A (ja) * 1999-04-08 2002-12-03 ザ ダウ ケミカル カンパニー 金及びチタンを含有する触媒の調製法
KR100715136B1 (ko) * 1999-04-08 2007-05-10 다우 글로벌 테크놀로지스 인크. 금 및 티탄을 포함하는 촉매의 제조방법
JP4836330B2 (ja) * 1999-04-08 2011-12-14 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 金及びチタンを含有する触媒の調製法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0397623A (ja) 1991-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02252610A (ja) 金超微粒子固定化酸化物の製造法
CN108295848B (zh) 一种高分散纳米催化剂的制备方法
CN111389416A (zh) 一种基于水滑石结构的单原子催化剂及其制备方法
JP5920478B2 (ja) 複合光触媒および光触媒材
US4937219A (en) Ultra-fine gold particle-immobilized alkaline earth metal compounds and methods for production thereof
JP5326001B2 (ja) アルミナまたはオキシ水酸化アルミニウム基材上にランタンペロブスカイトを含む組成物、調製方法および触媒における使用
JP2832336B2 (ja) 金超微粒子固定化物質及びその製造方法
JP3749391B2 (ja) 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
US6051529A (en) Ceric oxide washcoat
JP5581314B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JPH0629137B2 (ja) 金超微粒子固定化酸化チタンの製造法
JPH0534284B2 (ja)
JP2012533499A (ja) 特有の多孔度を有する酸化セリウムおよび酸化ジルコニウムを含む組成物、この調製方法および触媒作用におけるこの使用
CN110538648B (zh) 一种花形多级孔结构类水滑石材料、催化剂的制备方法及该催化剂在丙烷脱氢中的应用
JP6674860B2 (ja) メタン化反応用触媒、メタン化反応用触媒の製造方法およびメタンの製造方法
JP2003277059A (ja) セリア−ジルコニア系複合酸化物
JP2004337840A (ja) 酸素吸蔵材料、該酸素吸蔵材料の製造法及び内燃機関の排ガス浄化用触媒
JP2615418B2 (ja) 金超微粒子固定化チタン系金属酸化物からなる酸化触媒、還元触媒、可燃性ガスセンサ素子および電極用触媒
JP4352300B2 (ja) 複合酸化物とその製造方法及び排ガス浄化用助触媒
JPH06100319A (ja) ペロブスカイト型構造複合酸化物およびその製造方法
JP2005111336A (ja) 耐熱性触媒およびその製造方法
CN110711579A (zh) 一种分解臭氧的银锰催化剂、其制备方法及用途
JPH0753577B2 (ja) 金超微粒子固定化チタン系酸化物の製造法
JPH10194733A (ja) 耐熱性遷移アルミナ及びその製造方法
JP5690372B2 (ja) 酸化鉄−ジルコニア系複合酸化物およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term