JP4352300B2 - 複合酸化物とその製造方法及び排ガス浄化用助触媒 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充分な比表面積を有するとともに高い酸素吸蔵放出能(以下 OSCという)を有する排ガス浄化用助触媒と、その排ガス浄化用助触媒の担体として用いられる複合酸化物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より自動車の排ガス浄化用触媒として、排ガス中のCO及びHCの酸化とNOx の還元とを同時に行って浄化する三元触媒が用いられている。このような三元触媒としては、例えばコーディエライトなどからなる耐熱性ハニカム基材にγ-Al2O3からなる担体層を形成し、その担体層に白金(Pt)やロジウム(Rh)などの触媒金属を担持させたものが広く知られている。
【0003】
ところで排ガス浄化用触媒に用いられる担体の条件としては、比表面積が大きく耐熱性が高いことが挙げられ、一般には Al2O3、SiO2、ZrO2、TiO2などが用いられることが多い。また OSCをもつCeO2を助触媒として併用することで、排ガスの雰囲気変動を緩和することも行われている。
【0004】
ところが従来の排ガス浄化用触媒では、 800℃を超えるような高温にさらされると、シンタリングによる担体の比表面積の低下、触媒金属の粒成長が生じ、さらにはCeO2のもつ OSCも低下するために、浄化性能が著しく低下するという不具合があった。
【0005】
また近年の排ガス規制の強化により、エンジン始動からごく短い時間にも排ガスを浄化する必要性がきわめて高くなっている。そのためには、より低温で触媒を活性化し、排出規制成分を浄化しなければならない。中でもPtをCeO2に担持した助触媒は、低温からCOを浄化する性能に長けている。このような助触媒を用いれば、COが低温で着火されることによってPtのCO吸着被毒が緩和され、HCの着火性が向上する。また、これによって触媒表面の暖機が促進されるため、低温域からHCを浄化することができる。さらに、この助触媒では、水性ガスシフト反応によって低温域でH2が生成されるため、そのH2とNOx との反応により低温域からNOx を還元浄化することができる。
【0006】
しかし従来のCeO2にPtなどを担持した助触媒においては、実際の排ガス中における耐久性に乏しく、熱によってCeO2がシンタリングしてしまい実用的ではない。実際の排ガス中で使用するためには、CeO2の性質を失うことなく耐熱性を向上させる必要性がある。またCeO2のシンタリングに伴ってPtに粒成長が生じ活性が低下するため、担体上のPtの安定化が求められている。
【0007】
また担体にCeO2を含む三元触媒でも、高温にさらされるとCeO2によって発現される OSCが低下する。これはCeO2のシンタリング及び担持されている貴金属の粒成長と、貴金属の酸化、RhのCeO2への固溶などが原因である。そして OSCが低い(CeO2量が少ない)触媒においては、変動する雰囲気に貴金属がさらされやすく、貴金属の劣化(凝集や固溶)がさらに促進されてしまう。
【0008】
そこで特開平8-215569号公報には、金属アルコキシドから調製されたCeO2−ZrO2複合酸化物を用いる技術が開示されている。金属アルコキシドからゾルゲル法により調製されたCeO2−ZrO2複合酸化物は、CeとZrとが原子又は分子レベルで複合化されて固溶体となっているため、耐熱性が向上し初期から耐久後まで高い OSCが確保される。
【0009】
このような複合酸化物は、アルコキシド法、共沈法などにより複数の金属元素を含む酸化物前駆体を調製し、それを焼成することで製造することができる。中でも共沈法は、アルコキシド法などに比べて原料コストが安価であるため、得られる複合酸化物も安価となる利点があり、複合酸化物の製造に広く用いられている。
【0010】
ところが上記した特開平8-215569号公報に記載の複合酸化物では、 OSCがまだ不充分であり、さらなる OSCの向上が求められている。そこで特開平11−165067号公報には、セリウム(III)塩とジルコニウム(IV)塩を含む溶液から共沈法に
よって沈殿を形成し、その沈殿を不活性雰囲気又は非酸化性雰囲気下で 800〜1000℃に加熱保持する方法が記載されている。この方法によれば、得られる複合酸化物はパイロクロア相に帰属するX線回折ピークを有し、高い OSCを示す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
特開平11−165067号公報に記載の方法によれば、確かに高い OSCを有するCeO2−ZrO2複合酸化物が得られる。しかしながらこの方法では、 800〜1000℃に加熱保持しているためにCeO2−ZrO2複合酸化物の比表面積の低下が避けられず、排ガス浄化用助触媒として用いた場合には実用的な高い浄化活性を得ることは困難である。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、高い比表面積と高い OSCとが両立した排ガス浄化用助触媒を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決できる本発明の複合酸化物の特徴は、CeO2と、ZrO2と、CeO2及びZrO2と反応しない Al 2 O 3 の複合酸化物からなり、Ce及びZrが規則配列したパイロクロア相をもつことにある。
【0014】
CeO2とZrO2は少なくとも一部が互いに固溶した固溶体を形成していることが望ましい。
【0015】
また本発明の複合酸化物を製造できる本発明の複合酸化物の製造方法の特徴は、セリウム化合物と、ジルコニウム化合物と、アルミニウム化合物とを含む溶液に沈殿剤を添加して共沈法により沈殿物を生成し、沈殿物を焼成した後、還元性雰囲気中にて 800〜1200℃で加熱保持する還元処理を行うことにある。
【0016】
本発明の製造方法において、沈殿物の焼成前に、水又は水を含む溶液を分散媒とした懸濁状態または系内に水が充分に存在する状態で沈殿物の熟成処理を行うことが望ましい。この熟成処理は、0.11〜 0.2MPa の圧力及び 100〜 200℃の温度で処理する水熱処理であることが特に望ましい。
【0017】
そして本発明の排ガス浄化用助触媒の特徴は、本発明の複合酸化物に貴金属を担持してなることにある。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の複合酸化物の製造方法では、共沈後に焼成すると、少なくともCeO2−ZrO2複合酸化物と、CeO2及びZrO2と反応しない Al 2 O 3 が生成する。そしてCeO2及びZrO2と反応しない Al 2 O 3 CeO2−ZrO2複合酸化物の間に介在している。したがって、還元性雰囲気中にて 800〜1200℃で加熱保持する後述の還元処理の際には、CeO2−ZrO2複合酸化物と Al 2 O 3 互いに障壁となるために粒成長が抑制され、得られたパイロクロア相をもつ本発明の複合酸化物は高い比表面積を有する。
【0019】
そして本発明の複合酸化物は、Ce及びZrが規則配列したパイロクロア相を有しているため、特開平11−165067号公報に記載の複合酸化物と同様に高い OSCが発現される。したがって本発明の複合酸化物に貴金属を担持してなる本発明の排ガス浄化用助触媒によれば、高い比表面積と高い OSCとを併せ持ち、実用的な高い浄化活性が発現される。
【0021】
本発明の複合酸化物における各金属の構成比率は、Ce/Zr原子比が1/9〜9/1とすることが好ましく、3/7〜7/3とするのが特に好ましい。Ceがこの範囲より少ないと OSCが不足し、Zrがこの範囲より少ないとCeO2−ZrO2複合酸化物の安定性が低下するため比表面積が低くなってしまう。
【0022】
CeO2−ZrO2複合酸化物は、CeO2とZrO2とは少なくとも一部が互いに固溶していることが望ましい。これにより耐熱性がさらに向上し、比表面積の低下をさらに抑制できるとともにさらに高い OSCが発現される。
【0023】
また原子比でAl/(Ce+Zr)=1/5〜5/1の範囲が好ましく、1/3〜3/1の範囲が特に好ましい。Alがこの範囲より少ないと比表面積が低くなり、Alがこの範囲より多くなるとCeO2量が相対的に減少する結果 OSCが低くなってしまう。
【0024】
本発明の複合酸化物は、さらに希土類元素酸化物を含み、希土類元素酸化物の70mol%以上が Al2O3中に固溶していることが望ましい。これにより Al2O3の耐熱性が向上するとともに、希土類元素酸化物の固溶によるCeO2の OSCの低下を抑制することができる。希土類元素酸化物の90mol%以上が Al2O3中に固溶していることがさらに望ましい。この希土類元素酸化物としては、La,Nd,Sm,Prなどの酸化物が例示されるが、 La2O3が最も好ましい。
【0025】
なお希土類元素酸化物を含む場合には、希土類元素原子数とAl原子数の合計を前記した原子比Al/(Ce+Zr)のAlとし、CeO2−ZrO2複合酸化物との組成比を上述の原子比範囲とすればよい。
【0026】
そして本発明の複合酸化物は、上記の特有の構成を有しているために後述の還元処理後あるいは高温耐久後にも、10〜60m2/gと従来の(Ce,Zr)O2系助触媒に比べ大きな比表面積を有している。
【0027】
本発明の複合酸化物を製造できる本発明の複合酸化物の製造方法では、セリウム化合物と、ジルコニウム化合物と、アルミニウム化合物とを含む溶液に沈殿剤を添加して共沈法により沈殿物を生成し、得られた沈殿物を焼成した後、還元性雰囲気中にて 800〜1200℃で加熱保持する還元処理を行っている。
【0028】
セリウム化合物及びジルコニウム化合物としては、硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの水溶性化合物を用いることができる。また沈殿剤は、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩などを用いることができる。セリウム化合物及びジルコニウム化合物が共存する混合水溶液から共沈させた後に焼成してCeO2及びZrO2を生成してもよいし、CeO2前駆体の沈殿とZrO2前駆体の沈殿をそれぞれ形成しこの2種類の沈殿を混合してから焼成することもできる。
【0029】
沈殿の析出方法には様々な調節方法があり、アンモニア水などを瞬時に添加し強撹拌する方法や、過酸化水素などを加えることで酸化物前駆体の沈殿し始めるpHを調節した後、アンモニア水などで沈殿を析出させる方法などがある。またアンモニア水などで中和させる際にかかる時間を充分に長くし、好ましくは10分以上で中和させる方法や、pHをモニターしながら段階的に中和する又は所定のpHに保つような緩衝溶液を添加する方法などがある。
【0030】
沈殿を生成する過程において、常に1000/秒以上のせん断速度で撹拌することが望ましい。これにより生成する酸化物前駆体の粒径を微細化することができ、複合酸化物の粒径をより小さくすることができる。なお酸化物前駆体の粒径は3μm以下とすることが望ましい。粒径がこれより大きくなると、生成する複合酸化物の粒径が大きくなりすぎて比表面積の低下により活性が低下してしまう。
【0031】
この製造方法で得られた複合酸化物は、一般に平均直径50nm以下の微粒子状をなすCeO2及びZrO2が凝集した平均粒径が20μm以下の凝集粒子からなり、CeO2とZrO2は少なくとも一部が固溶体を形成している。
【0032】
本発明の製造方法において、沈殿物の焼成前に、水又は水を含む溶液を分散媒とした懸濁状態または系内に水が充分に存在する状態で、沈殿物の熟成処理を行うことが望ましい。この熟成処理を行うことによって、得られる複合酸化物の粒径が揃えられるため、粒成長の駆動力の一つである表面分圧が揃い、還元処理時の粒成長をさらに抑制することができる。
【0033】
熟成処理は、系内に水分が充分に存在している状態で、沈殿を含む溶液ごとオートクレーブなどの耐圧、耐熱容器中で加熱して行い、その後溶媒を蒸発させ、焼成することで行うことができる。あるいは濾別された沈殿物を水蒸気の存在下で焼成してもよい。この場合は、飽和水蒸気雰囲気で焼成することが好ましく、 100〜 200℃で、さらに好ましくは 100〜 150℃で行う水熱処理が特に望ましい。 100℃未満の加温では熟成の促進効果が小さく、熟成に要する時間が長大となる。また 200℃より高い温度では、10気圧以上に耐えうる合成装置が必要となり、設備コストが高くなる。
【0034】
上記した熟成処理を行った場合には、加温の熱によって溶解・再析出が促進されるとともに粒子の成長が生じる。この場合は、酸塩の全てを中和できる当量以上の塩基で中和することが望ましい。これにより酸化物前駆体がより均一に熟成され、細孔が効果的に形成されるとともに、CeO2−ZrO2固溶体の生成がさらに促進される。
【0035】
本発明の特色をなす還元処理は、上記で得られた複合酸化物を還元性雰囲気中にて 800〜1200℃で加熱保持することで行う。加熱保持温度が 800℃より低いとパイロクロア相の生成が困難となり OSCが低下する。また1200℃より高くなると比表面積の低下が著しいため好ましくない。加熱保持温度を 800〜1200℃とすることで、CeとZrが規則配列したパイロクロア相をもち高い比表面積をもつ本発明の複合酸化物が得られる。
【0036】
そして還元処理される複合酸化物は、CeO2及びZrO2と反応しない Al 2 O 3 CeO2−ZrO2複合酸化物の間に介在しているので、 800〜1200℃という高温で還元処理を行っても還元処理の間の粒成長が抑制される。そのため得られた複合酸化物は、高い比表面積を有するとともに、CeとZrが規則配列したパイロクロア相を有している。
【0037】
還元性雰囲気は、不活性ガス雰囲気又は非酸化性雰囲気とすることもできるが、H2,COなどの還元性ガスを積極的に含む雰囲気とすることが望ましい。還元性ガスを含まないと、結晶格子からの酸素原子の脱離が充分に速く進行しないためパイロクロア相が充分に生成できず、高い OSCが得られない場合がある。
【0038】
さらに本発明の排ガス浄化用助触媒は、本発明の複合酸化物を担体とし、それに貴金属を担持してなる。貴金属としては、Pt,Rh,Pd,Ir,Ruなどから一種又は複数種選択して用いることができ、その担持量は従来の排ガス浄化用助触媒と同様でよい。また担持方法も、吸着担持法、吸水担持法など従来の担持法を利用することができる。
【0039】
そして本発明の排ガス浄化用助触媒では、高温耐久後も担体の比表面積が大きく、しかもCeとZrが規則配列したパイロクロア相を有しているので、高温耐久後も高い OSCを有しきわめて触媒化した高い活性を示す。
【0040】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
【0041】
(実施例1)
所定濃度の硝酸セリウム(III)の水溶液と、所定濃度のオキシ硝酸ジルコニル
の水溶液及び所定濃度の硝酸アルミニウムの水溶液をそれぞれ調製し、この3種の水溶液とセリウムイオンの 1.1倍モルのH2O2を含む過酸化水素水を混合して充分に撹拌した。
【0042】
この混合水溶液に全ての硝酸根を中和できる量の 1.2倍モルの NH3を含むアンモニア水を添加し、メカニカルスターラー及びホモジナイザで1時間撹拌した。ホモジナイザによれば、 1000/秒以上のせん断速度で撹拌される。得られた共沈物(酸化物前駆体)を濾過・洗浄し、大気中にて 300℃で3時間乾燥し、さらに 500℃で1時間焼成した。
【0043】
得られた酸化物粉末を、H2を5%含むN2気流中にて1000℃で5時間還元処理し、大気中にて 500℃で1時間処理して、本発明の複合酸化物粉末を調製した。この複合酸化物粉末の比表面積をN2吸着を用いた BET法(1点法)により測定し、結果を表1に示す。
【0044】
次に、得られた複合酸化物粉末に所定濃度のジニトロジアミン白金水溶液の所定量を含浸させ、蒸発乾固後 300℃で3時間焼成してPtを担持して本発明の助触媒粉末を調製した。Ptの担持量は1重量%である。
【0045】
この助触媒粉末15mgを秤量し、H2を10%含むN2ガスと、O2を5%含むN2ガスとを交互に流しながら、 500℃における熱重量分析を行って重量の減少量と増加量を測定した。そして両者の測定値から相当する酸素吸放出量を算出し、結果を表1に示す。また得られた複合酸化物粉末のX線回折チャートを図1に示す。
【0046】
(実施例2)
実施例1と同様にして得られた共沈物を、濾過する前に 0.12MPa, 110℃の条件で2時間水熱処理したこと以外は実施例1と同様にして酸化物粉末を得た。この酸化物粉末を用いたこと以外は実施例1と同様に還元処理して複合酸化物粉末を調製し、同様にPtを担持して助触媒粉末を調製した。
【0047】
得られた複合酸化物粉末の比表面積と助触媒粉末の酸素吸放出量を実施例1と同様に測定し、結果を表1に示す。また得られた複合酸化物粉末のX線回折チャートを図2に示す。
【0048】
(比較例1)
還元処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして複合酸化物粉末を調製し、同様にPtを担持して助触媒粉末を調製した。
【0049】
得られた複合酸化物粉末の比表面積と助触媒粉末の酸素吸放出量を実施例1と同様に測定し、結果を表1に示す。また得られた複合酸化物粉末のX線回折チャートを図3に示す。
【0050】
(比較例2)
硝酸アルミニウムを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして複合酸化物粉末を調製し、同様にPtを担持して助触媒粉末を調製した。
【0051】
得られた複合酸化物粉末の比表面積と助触媒粉末の酸素吸放出量を実施例1と同様に測定し、結果を表1に示す。また得られた複合酸化物粉末のX線回折チャートを図1に示す。
【0052】
<評価>
【0053】
【表1】
Figure 0004352300
【0054】
図1〜4から、実施例1,2及び比較例2の複合酸化物では、比較例1には見られないパイロクロア相に帰属するピーク(2θ=37゜)が観察される。
【0055】
そして表1より、比較例1の複合酸化物及び助触媒は、実施例1,2及び比較例2に比べて比表面積は著しく高いものの OSCが低いことがわかる。すなわち比較例1では、還元処理を行わなかったために粒成長が生じていないものの、パイロクロア相が生成しなかったために充分な OSCが発現しなかったと考えられる。
【0056】
しかし実施例1,2では、比表面積は比較例1ほど高くないものの、比較例1より高い OSCを示し、これは還元処理に伴う比表面積の低下分を補うだけの活性がパイロクロア相の生成によって得られたためと考えられる。
【0057】
また比較例2の複合酸化物は、実施例1,2及び比較例1に比べて比表面積が著しく低い。これは Al2O3が介在しない複合酸化物を還元処理したことによって粒成長が生じたためと認められる。そのため比較例2の触媒ではパイロクロア相を含むにも関わらず実施例1,2よりも OSCが低くなっている。
【0058】
さらに実施例2は実施例1より高い比表面積と OSCを示し、複合酸化物の製造時に水熱処理を行うことが望ましいこともわかる。
【0059】
【発明の効果】
すなわち本発明の複合酸化物及び助触媒によれば、高温処理後でも高い比表面積と高い OSCを両立させることができ、これを用いた触媒は高い浄化活性を発現する。また本発明の製造方法によれば、本発明の複合酸化物を容易かつ確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の複合酸化物のX線回折チャートである。
【図2】実施例2の複合酸化物のX線回折チャートである。
【図3】比較例1の複合酸化物のX線回折チャートである。
【図4】比較例2の複合酸化物のX線回折チャートである。

Claims (6)

  1. CeO2と、ZrO2と、CeO2及びZrO2と反応しない Al 2 O 3 との複合酸化物からなり、Ce及びZrが規則配列したパイロクロア相をもつことを特徴とする複合酸化物。
  2. CeO2とZrO2は少なくとも一部が互いに固溶した固溶体を形成している請求項1に記載の複合酸化物。
  3. セリウム化合物と、ジルコニウム化合物と、アルミニウム化合物とを含む溶液に沈殿剤を添加して共沈法により沈殿物を生成し、該沈殿物を焼成した後、還元性雰囲気中にて 800〜1200℃で加熱保持する還元処理を行うことを特徴とする複合酸化物の製造方法。
  4. 前記沈殿物の焼成前に、水又は水を含む溶液を分散媒とした懸濁状態または系内に水が充分に存在する状態で沈殿物の熟成処理を行う請求項3に記載の複合酸化物の製造方法。
  5. 前記熟成処理は0.11〜 0.2MPa の圧力及び 100〜 200℃の温度で処理する水熱処理である請求項4に記載の複合酸化物の製造方法。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の複合酸化物に貴金属を担持してなることを特徴とする排ガス浄化用助触媒。
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