JP2017109880A - セリウム−ジルコニウム系複合酸化物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車排ガス浄化用に使用される際に曝される1100℃以上の高温環境下であっても、優れたOSC機能を発揮し、高いセリウム還元率を保持するセリウム−ジルコニウム系複合酸化物を提供すること。【解決手段】XRD(X線回折)の回折パターンにおいて、熱処理前には、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出されず、かつ水素を含む不活性雰囲気下で熱処理した後、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出され、検出されたピーク強度Ipの、2θ=29.5〜30.5°に検出された立方晶構造由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物のピーク強度Imに対するピーク強度比Ip/Imが0.001以上0.02以下であるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。【選択図】なし

Description

本発明は、セリウム−ジルコニウム系複合酸化物及びその製造方法に関する。
自動車排ガス浄化触媒の担体として用いられるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物においては、高分散に触媒成分を保持しやすいように高比表面積で微細な細孔を有することをはじめ、高温に曝される環境下であっても多孔性を維持することが求められる。さらに、前記担体において、高い酸素吸蔵放出能(Oxygen Storage Capacity; 以下OSCという。)が必要とされる。しかし、担体中にOSC機能を有するセリウム元素を多く含有すると、耐熱性が低下し、高温下において多孔性を維持することができないという問題がある。一方、耐熱性を向上させるためにジルコニウム元素の配合量を高くすると、十分なOSC機能を有しないという問題が生じてしまう。つまり、厳しい環境下であっても高い耐熱性とOSCの機能とを有している担体の開発が強く求められている。
特許文献1には、セリウム化合物、ジルコニウム化合物、及び貴金属化合物の混合溶液を作成し、前記混合溶液からセリウム、ジルコニウム、及び貴金属を含む固体物質を調製し、次いで、前記固体物質を還元性雰囲気中で焼成することを特徴とするパイロクロア型酸化物の製造方法、並びに、セリウム化合物、ジルコニウム化合物、及び貴金属化合物の混合溶液を作成し、前記混合溶液に還元剤を加えた後、前記混合溶液からセリウム、ジルコニウム、及び貴金属を含む固体物質を調製し、次いで、前記固体物質を非酸化性雰囲気中で焼成することを特徴とするパイロクロア型酸化物の製造方法が開示されている。しかしながら、前記特許文献1に開示されている方法により調製されたパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は耐熱性が低く、高温下で比表面積が大きく低下する。
特許文献2には、CeOとZrOとの複合酸化物であって、パイロクロア相、κ相又はこれら両相の中間相のいずれか1種以上の相を有し、かつ比表面積が20m/g以上であることを特徴とする複合酸化物が開示されている。しかしながら、前記特許文献2に開示されている複合酸化物は、立方相を有するセリウム−ジルコニウム系複合酸化物に比べ、高いOSCを示すが、不十分である。
特許文献3には、(1)溶融法由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物と(2)湿式法由来の二酸化セリウムとを混在させたことを特徴とし、溶融法由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物の結晶子径が50nm以上で、湿式法由来の二酸化セリウムの結晶子径が50nm未満である酸化セリウム−酸化ジルコニウム系複合酸化物が開示されている。しかしながら、前記特許文献3に開示されている酸化セリウム−酸化ジルコニウム系複合酸化物は、溶融法由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物中に含まれる、パイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物の結晶子径が大きく、OSCの応答性に問題が見られる。
特許文献4には、パイロクロア相を有し、比表面積が7.0m/g以上であり、結晶子径が100Å〜700Åであるセリア・ジルコニア複合酸化物を含む排気ガス浄化用触媒担体であって、XRD(X線回折)の回折パターンにおいて、2θ=28.8〜29.8°に存在するメインピークImに対する、2θ=13.7〜15.3°に存在するパイロクロア構造を示すピークIpのピーク強度比(Ip/Im)が0.03以上であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒担体が開示されており、前記特許文献4に開示されているセリア・ジルコニア複合酸化物は、低温(400℃付近)及び高温(800℃付近)のいずれの温度域でも優れたOSC能を発揮すると記載されている。しかしながら、このセリア・ジルコニア複合酸化物は、自動車排ガス浄化用に使用される際に曝される1000℃以上の環境では、優れたOSCが維持されず、さらに、セリウムの還元率が高いものの、結晶子径が大きく、特許文献3と同様の問題を有している。
特許文献5には、全細孔容積が少なくとも0.4ml/gで、10〜100nmの直径を有する細孔容積が0.25ml/g以上、かつ、100nm〜10μmの直径を有する細孔容積が0.2ml/g以下であって、1000℃で3時間熱処理後の全細孔容積が少なくとも0.35ml/gで、10〜100nmの直径を有する細孔容積が0.2ml/g以上、かつ、100nm〜10μmの直径を有する細孔容積が0.2ml/g以下であることを特徴とするセリウム−ジルコニウム系複合酸化物が開示されている。しかしながら、前記特許文献5に開示されているセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、1100℃の熱処理により細孔容積が著しく変化し、耐熱性が不十分であるという問題点を有する。
特許文献6には、ジルコニウム、セリウムおよび少なくとも1種の他の希土類の酸化物を含む酸化ジルコニウム−酸化セリウム系組成物であって、900℃で4時間の熱処理後に、細孔径が20〜40nmおよび80〜200nmの2つにピークを持つ細孔構造を有する複合酸化物が開示されている。しかしながら、前記特許文献6に開示されているバイモダル構造を有する酸化ジルコニウム−酸化セリウム系組成物は、1000℃で4時間の熱処理後の全細孔容積の変化率は60%、1100℃で4時間の熱処理後の全細孔容積の変化率は86%であり、熱処理により細孔容積が著しく変化し、耐熱性が不十分であるという問題点を有する。
特許文献7には、粒子であるジルコニア系多孔質体であって、(1)BJH法に基づく細孔分布において、20〜100nmの細孔径にピークを有し、測定した細孔分布曲線から求められるピークの半価幅をWとし、ピーク高さをPとしたときのP/W比が0.05以上であり、全細孔容量が0.5cm/g以上であり、(2)1000℃で12時間の熱処理後において、20〜100nmの細孔径にピークを有し、前記P/W比が0.03以上であり、少なくとも40m/gの比表面積を有し、全細孔容積が0.3cm/g以上である、ことを特徴とするジルコニア系多孔質体が開示されている。前記特許文献7に開示されているジルコニア系多孔質体の、1000℃で12時間の熱処理後の全細孔容積の変化率は40%であるが、1100℃の熱処理により細孔容積が著しく変化し、特許文献5と同様の問題を有している。
特許文献8には、ジルコニアを主成分とし、セリアを5重量%以上及びセリア以外の希土類金属酸化物を1〜30重量%含有し、1000℃で3時間熱処理後の比表面積が50m/g以上、かつ、複合酸化物に含まれるセリアの還元率が80%以上であることを特徴とするジルコニア系複合酸化物が開示されている。しかしながら、前記特許文献8に開示されているジルコニア系複合酸化物は、熱処理後の還元率が低いという問題点を有している。
特許文献9には、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタンならびイットリウム、ガドリニウムおよびサマリウムから選択される別の希土類金属の酸化物から構成され、900℃で4時間熱処理後に少なくとも80%の還元率を有する複合酸化物が開示されている。しかしながら、前記特許文献9に開示されている複合酸化物は、熱処理温度が900℃に過ぎず、実用化で求められるこれより高温の環境下では十分に効果が期待できない。
特開2003−246624号公報 特開2005−170774号公報 国際公開第2011/108457号 特開2014−057904号公報 特開2009−249275号公報 特表2013−525255号公報 特許第5744274号公報 特開2008−024581号公報 特開2012−180271号公報
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、自動車排ガス浄化用に使用される際に曝される1100℃以上の高温環境下であっても、優れたOSC機能を発揮し、高いセリウム還元率を保持するセリウム−ジルコニウム系複合酸化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、1100℃以上の高温環境下であっても、優れたOSC機能を発揮し、高いセリウム還元率を保持するセリウム−ジルコニウム系複合酸化物を開発すべく鋭意検討した結果、複合酸化物中にセリウム及びジルコニウムを高分散させることにより、立方晶構造を有するセリウム−ジルコニウム系複合酸化物中もしくは表面に、超微細なパイロクロア構造を含有するセリウム−ジルコニウム系複合酸化物が得られ、前記目的を達成できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明は、下記項1〜項15に示すセリウム−ジルコニウム系複合酸化物及びその製造方法に係る。
項1. XRD(X線回折)の回折パターンにおいて、熱処理前には、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出されず、かつ水素を含む不活性雰囲気下で熱処理した後、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出され、検出されたピーク強度Ipの、2θ=29.5〜30.5°に検出された立方晶構造由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物のピーク強度Imに対するピーク強度比Ip/Imが0.001以上0.02以下であるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項2. XRD(X線回折)の回折パターンにおいて、熱処理前には、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出されず、かつ水素を含む不活性雰囲気下で熱処理した後、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出され、検出されたピーク強度Ipの、2θ=29.5〜30.5°に検出された立方晶構造由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物のピーク強度Imに対するピーク強度比Ip/Imが0.005以上0.015以下であるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項3. XRD(X線回折)の回折パターンにおいて、熱処理前には、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出されず、かつ水素を含む不活性雰囲気下で熱処理した後、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出され、検出されたピーク強度Ipの、2θ=29.5〜30.5°に検出された立方晶構造由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物のピーク強度Imに対するピーク強度比Ip/Imが0.008以上0.012以下であるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項4. 水素を含む不活性雰囲気下で熱処理した後、XRDの回折角2θ=14.4〜15.5°のピークより算出した前記パイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物の結晶子径が1nm以上9nm以下である、上記項1から上記項3のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項5. 不活性雰囲気下において1100℃で12時間熱処理し、さらに大気雰囲気下において1100℃で12時間熱処理した後の90nm以下の直径を有する細孔容積の、前記熱処理前の90nm以下の直径を有する細孔容積に対する変化率が70%以下であり、かつ前記熱処理後のモード細孔径が10nm以上90nm以下である、上記項1から上記項4のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項6. 大気雰囲気下において1100℃で12時間熱処理した後の90nm以下の直径を有する細孔容積の、前記熱処理前の90nm以下の直径を有する細孔容積に対する変化率が66%以下であり、かつ前記熱処理後のモード細孔径が10nm以上90nm以下である、上記項1から上記項5のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項7. セリウム及びプロメチウムを除く希土類元素の酸化物のいずれか1種以上を含む、上記項1から上記項6のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項8. 前記希土類元素の酸化物の含有量が0.1%以上50%以下である、上記項1から上記項7のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項9. 遷移金属元素の酸化物のいずれか1種以上を含む、上記項1から上記項8のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項10. 前記遷移金属元素の酸化物の含有量が0.1%以上10%以下である、上記項1から上記項9のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項11. Al、In、Si、SnおよびBiの酸化物のいずれか1種以上を含む、上記項1から上記項10のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項12. 前記Al、In、Si、SnおよびBiのいずれか1種以上の酸化物の含有量が0.1%以上50%以下である、上記項1から上記項11のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項13. アルカリ土類金属元素の酸化物のいずれか1種以上を含む、上記項1から上記項12のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項14. 前記アルカリ土類金属元素の酸化物の含有量が0.1%以上10%以下である、上記項1から上記項13のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
項15.
(1)セリウム原料及びジルコニウム原料の塩を溶媒に溶解し、原料塩溶液を得る第1工程、
(2)オートクレーブ中で、温度100℃以上の前記原料塩溶液に硫酸塩化剤を添加し、セリウム−ジルコニウム系複合硫酸塩を得る第2工程、
(3)セリウム及びプロメチウムを除く希土類元素、遷移金属元素、アルカリ土類金属、Al、In、Si、SnおよびBiからなる群から選択される少なくとも1種の元素の塩溶液と前記セリウム−ジルコニウム系複合硫酸塩とを混合する第3工程、
(4)混合溶液を中和し、セリウム−ジルコニウム系複合水酸化物を得る第4工程、及び
(5)前記セリウム−ジルコニウム系複合水酸化物を焼成し、セリウム−ジルコニウム系複合酸化物を得る第5工程
を含む、セリウム−ジルコニウム系複合酸化物の製造方法。
本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、XRD(X線回折)の回折パターンにおいて、水素を含む不活性雰囲気下で熱処理した後、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出され、検出されたピーク強度Ipの、2θ=29.5〜30.5°に検出された立方晶構造由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物のピーク強度Imに対するピーク強度比Ip/Imが0.001以上0.02以下であることにより、過酷な条件に曝された後であっても、優れたOSC機能を発揮し、高いセリウム還元率を保持することができる。これは、微細なパイロクロア構造の複合酸化物が、セリウム−ジルコニウム系複合酸化物中もしくは表面に存在し、セリウムとジルコニウムとが規則配列しているパイロクロア構造の複合酸化物において、結晶子径が小さいほど、高還元率で、OSC機能が高くなり、セリウム由来のOSC機能が十分発揮されることによる。また、ジルコニウム及びセリウムが十分に分散しているため、ジルコニアの機能の1つである耐熱性を有するとともに、高温及び不活性雰囲気中という厳しい環境に曝されても、高いセリウムの還元率を保持することができる。
さらに、本発明の製造方法を用いると、セリウム及びジルコニウムの前駆体を十分に混合することにより高い分散性を有しつつ、耐熱性を有し、XRD(X線回折)の回折パターンにおいて、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出され、検出されたピーク強度Ipの、2θ=29.5〜30.5°に検出された立方晶構造由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物のピーク強度Imに対するピーク強度比Ip/Imが0.001以上0.02以下であるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物とすることができるため、セリウムのOSC機能を引き出すことができ、十分な還元率を有するセリウム−ジルコニウム系複合酸化物を得ることができる。
実施例1及び比較例1のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物のXRD分析によるX線チャートである。 本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物を製造する工程の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物及びその製造方法について詳細に説明する。
本発明の実施の形態について詳細に説明すれば以下のとおりであるが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、本明細書中に記載された非特許文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。また本明細書中の「A〜B」は「A以上、B以下」を意味し、例えば明細書中で「0.5重量%〜30重量%」と記載されていれば「0.5重量%以上、30重量%以下」を示す。また本明細書中の「及び/又は」は、いずれか一方又は両方を意味する。また、本明細書で挙げられている各種物性は、特に断りの無い限り後述する実施例に記載の方法により測定した値を意味する。なお、本発明において、「%」とは、特に断りがない場合、「重量%=質量%」を示す。
1.セリウム−ジルコニウム系複合酸化物について
(1)XRD測定におけるピーク強度
本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、XRD(X線回折)の回折パターンにおいて、熱処理前には、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出されず、かつ水素を含む不活性雰囲気下で熱処理した後、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出され、検出されたピーク強度Ipの、2θ=29.5〜30.5°に検出された立方晶構造由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物のピーク強度Imに対するピーク強度比Ip/Imが0.001以上0.02以下であるという特徴を具備する。このような特徴を有するセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、細孔径及び細孔容積の変化率が低く、担体としての耐熱性を十分に有する。
通常、複合酸化物の熱処理前後における結晶構造の変化については、X線回析装置を用いたX線回折法(XRD)により判断することができる。例えば、複合酸化物のXRDで得られたX線チャートにおいて、2θ=15°付近にピークが認められた場合は、複合酸化物の結晶構造はパイロクロア相を含んでいることが知られている。なお、XRDで得られたX線チャートからの具体的な結晶構造の解析については、後述の実施例で詳述する。
本発明において、XRD(X線回折)の回折パターンにおける前記パイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークは、2θ=14.4〜15.5°、好ましくは14.6〜15.3°、さらに好ましくは14.8〜15.1°の範囲に存在する。
本発明において、前記ピークの強度比Ip/Imは、0.001以上0.02以下であり、好ましくは、0.005以上0.015以下であり、さらに好ましくは0.008以上0.012以下である。前記ピークの強度比Ip/Imが、0.001以上0.02以下の範囲内であれば、パイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム系複合酸化物が適度に分散して存在し、より効率的にOSC機能を引き出すことができる。
さらに複数の結晶相が混在する試料では、回折線の強度を比較することにより、それぞれの結晶構造を有する複合酸化物の存在比を知ることができる。強度比Ip/Imがこの範囲を外れたときは、(Ip/Imが、0.001に満たない場合)パイロクロア構造の存在自体が検出できない、もしくは(Ip/Imが、0.02を超える場合)耐熱性が乏しくなり、一定の比表面積を維持できず、その結果、触媒用担体として十分な機能を発揮できない。
(2)パイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物の結晶子径Dp
本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、上記XRD測定において、2θ=14.4〜15.5°のピークの測定結果を次のScherrerの式に当てはめ、算出した前記パイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物の結晶子径Dpが1nm以上9nm以下という特徴を具備する。
Dp=K×λ/βcosθ
ここで、Dpはパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物の結晶子径、λはX線の波長、θは回折角、Kは形状因子とよばれる定数、βは装置による回折線の広がりを補正したあとのピーク幅である。
前記結晶子径Dpは、好ましくは1.5nm以上8nm以下、より好ましくは2nm以上7nm以下、さらに好ましくは2.5nm以上5nm以下である。結晶子径が1nm未満では、パイロクロア構造の存在自体が検出できない。9nmより大きくなると、パイロクロア構造の結晶性が高く、粒子が大きくなるため、セリウムのOSC機能が低くなる。
(3)90nm以下の直径を有する細孔容積の変化率
90nm以下の直径を有する細孔容積の変化率とは、次の計算式から算出される数値をいう。
90nm以下の直径を有する細孔容積の変化率(%)=
[(熱処理前の90nm以下の直径を有する細孔容積−熱処理後の90nm以下の直径を有する細孔容積)/(熱処理前の90nm以下の直径を有する細孔容積)]×100
ここで、90nm以下の直径を有する細孔容積とは、90nm以下の直径を有する細孔の容積の総和をいう。
本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物において、不活性雰囲気下において1100℃で12時間熱処理し、さらに大気雰囲気下において1100℃で12時間熱処理した後の90nm以下の直径を有する細孔容積の、前記熱処理前の90nm以下の直径を有する細孔容積に対する変化率は、通常70%以下、好ましくは65%以下、さらに好ましくは60%以下である。
また、本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物において、大気雰囲気下において1100℃で12時間熱処理した後の90nm以下の直径を有する細孔容積の、前記熱処理前の90nm以下の直径を有する細孔容積に対する変化率は、通常66%以下、好ましくは、60%以下、さらに好ましくは55%以下である。
90nm以下の直径を有する細孔容積の変化率が少ないほど耐熱性が高くなる。本発明においては、上記の不活性雰囲気下において1100℃で12時間熱処理し、さらに大気雰囲気下において1100℃で12時間熱処理する前後の90nm以下の直径を有する細孔容積の変化率が70%以下を外れる場合、または上記の大気雰囲気下において1100℃で12時間熱処理する前後の90nm以下の直径を有する細孔容積の変化率が66%以下を外れる場合は、耐熱性が乏しくなり、一定の比表面積を維持できず、その結果、触媒用担体として十分な機能を発揮できない。
(4)モード細孔径の変化
モード細孔径とは、分布の最頻値に対応する細孔径をいう。
本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物において、不活性雰囲気下において1100℃で12時間熱処理し、さらに大気雰囲気下において1100℃で12時間熱処理した後、モード細孔径は通常10nm以上90nm以下、好ましくは20nm以上85nm以下、さらに好ましくは30nm以上80nm以下である。
本発明において、上記モード細孔径が10nm未満の場合、反応ガスの活性サイト(貴金属/OSC材料もしくは高比表面積耐熱性担体)へのガス拡散抵抗が大きくなり、総括反応速度が低下し、その結果、触媒性能が低下する。モード細孔径が90nmより大きい場合、比表面積及び細孔容積が低下することにより、貴金属の分散度が低下し、活性サイト数が大きく低下するとともに貴金属の凝集が促進され、その結果、触媒性能が大きく低下する。
(5)セリウムの還元率
本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物の、不活性雰囲気下において1100℃で12時間熱処理し、さらに大気雰囲気下において1100℃で12時間熱処理した後のセリウムの還元率は、80%以上であり、好ましくはセリウムの還元率が82%以上、さらに好ましくは84%以上である。
ここで、セリウムの還元率とは、セリウムの理論酸素放出量に対して、本発明におけるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物が放出した酸素量の割合から算出したものである。
セリウムの還元率(%)=
[(本発明におけるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物の酸素放出量)/(セリウムの理論酸素放出量)]×100
本発明におけるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物の酸素放出量は、次のように測定することができる。酸素の放出開始温度と放出量については、H−TPRと称される水素を利用した昇温還元法(Temperature Programmed Reduction)により求めることができる。この測定では、市販の測定装置(MicrotracBEL Corp.,「BelCat−B−215」)を用いることができる。
(6)第三の元素
本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、セリウム、及びジルコニウムに加えて、これら以外の元素(第三の元素)の酸化物を含むことができる。安定化剤となる第三の元素を共存させることで、本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、より高い耐熱性を有することができる。第三の元素として、例えば、セリウム及びプロメチウムを除く希土類元素、遷移金属元素、アルカリ土類金属、Al、In、Si、SnおよびBi等を挙げることができる。
前記セリウム及びプロメチウムを除く希土類元素としては、例えば、Y、Sc及びLa、Pr、Nd等のランタノイド元素が挙げられ、好ましくは、La、Pr、Nd、Yである。複合酸化物に含まれるセリウム及びプロメチウムを除く希土類元素は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。本発明において、これらの第三の元素の酸化物を添加することにより、本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、OSC機能、または耐熱性がさらに高まる。
前記遷移金属元素としては、特に限定されず、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびW等が例示される。複合酸化物に含まれる遷移金属元素は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。特に、遷移金属元素としては、Mn、Fe、Co、Ni及びCuからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。本発明において、これらの第三の元素の酸化物を添加することにより、本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、OSC機能がさらに高まる、または固体酸性質等の助触媒機能が付与される。
前記アルカリ土類金属としては、Mg、Ca、Sr、Ba等が例示される。複合酸化物に含まれるアルカリ土類金属は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。本発明において、これらの第三の元素の酸化物を添加することにより、本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、固体塩基性質等の助触媒機能が付与される。
また、第三の元素として、上述した元素の他に、Al、In、Si、SnおよびBi等を挙げることができる。本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、これらの元素の酸化物を含むことができる。複合酸化物に含まれるこれらの元素の酸化物は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。本発明において、これらの第三の元素の酸化物を添加することにより、本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、OSC機能、耐熱性がさらに高まる、または固体酸性質等の助触媒機能が付与される。
(7)第三の元素の配合量
本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物は、上述した第三の元素(セリウム及びプロメチウムを除く希土類元素、遷移金属元素、アルカリ土類金属、Al、In、Si、Sn、およびBiからなる群から選択される少なくとも1種)の酸化物を0.1%以上50%以下含有することができる。好ましくは、1%以上30%以下、さらに好ましくは1.5%以上20%以下である。
具体的な第三の元素の酸化物の配合量として、セリウム及びプロメチウムを除く希土類元素の酸化物の配合量は0.1%以上50%以下であることが好ましく、遷移金属元素の酸化物の配合量は0.1%以上10%以下であることが好ましく、Al、In、Si、SnおよびBiのいずれか1種以上の酸化物の配合量は0.1%以上50%以下であることが好ましく、アルカリ土類金属元素の酸化物の配合量は0.1%以上10%以下であることが好ましい。
2.セリウム−ジルコニウム系複合酸化物の製造方法について
本発明のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物の製造方法は、
(1)セリウム原料及びジルコニウム原料の塩を溶媒に溶解し、原料塩溶液を得る第1工程、
(2)オートクレーブ中で、温度100℃以上の前記原料塩溶液に硫酸塩化剤を添加し、セリウム−ジルコニウム系複合硫酸塩を得る第2工程、
(3)セリウム及びプロメチウムを除く希土類元素、遷移金属元素、アルカリ土類金属、Al、In、Si、SnおよびBiからなる群から選択される少なくとも1種の元素の塩溶液と前記セリウム−ジルコニウム系複合硫酸塩とを混合する第3工程、
(4)混合溶液を中和し、セリウム−ジルコニウム系複合水酸化物を得る第4工程、及び
(5)前記セリウム−ジルコニウム系複合水酸化物を焼成し、セリウム−ジルコニウム系複合酸化物を得る第5工程
を含むことを特徴とする。この第1工程から第5工程を含む製造方法のフローチャートを図2に示す。
以下、各工程について説明する。
(1)第1工程
第1工程では、セリウム原料及びジルコニウム原料の塩を溶媒に溶解し、原料塩溶液を得る。
本発明で用いるセリウム原料の塩としては、水溶性の3価のセリウム塩であれば特に限定されず、硝酸セリウム、塩化セリウム、酢酸セリウム等が例示される。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。残留する不純物を考慮に入れると、硝酸セリウムが好ましい。
本発明で用いるジルコニウム原料の塩としては、ジルコニウムイオンを供給するものであればよく、例えばオキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム等が例示される。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。この中でも、工業的規模での生産性が優れているという見地より、オキシ塩化ジルコニウムを用いることが好ましい。
溶媒としては、用いるジルコニウム塩の種類等に応じて適宜選択すればよく、通常は水(純水、イオン交換水、以下、同様)を用いることが望ましい。
セリウム塩溶液の濃度は、特に制限されず、一般的には溶媒1000g中に酸化セリウム(CeO)として5〜250g、特に20〜150gとすることが望ましい。
ジルコニウム塩溶液の濃度は、特に制限されず、一般的には溶媒1000g中に酸化ジルコニウム(ZrO)として5〜250g、特に20〜150gとすることが望ましい。
(2)第2工程
第2工程では、オートクレーブ中で、温度100℃以上の前記原料塩溶液に硫酸塩化剤を添加し、セリウム−ジルコニウム系複合硫酸塩を得る。
本発明で用いる硫酸塩化剤としては、セリウムイオン及びジルコニウムイオンと反応して硫酸塩を生成させるもの(すなわち、硫酸塩化させるもの)であればよく、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム等が例示される。硫酸塩化剤は、例えば粉末状、溶液状等のいずれの形態であってもよい。この中でも溶液(特に水溶液)として用いることが好ましい。溶液として使用する場合の濃度は適宜設定することができる。
硫酸塩化剤は、硫酸根(SO 2−)/ ZrOの重量比が0.3〜0.5となるように添加し、そして、混合液のフリーの酸濃度は1.2〜2.2N(規定)とすることが好ましい。フリーの酸としては、特に限定されるものではなく、例えば、硫酸、硝酸、塩酸等が例示される。これらの中で、塩酸が工業的規模での生産性が優れているという見地より好ましい。
硫酸塩化剤の濃度は、特に制限されず、一般的には溶媒1000g中に5〜250g、特に20〜150gとすることが望ましい。
本工程においては、ジルコニウム及びセリウムがイオン化している状態で硫酸塩化剤を添加する点に特徴がある。従来方法では、ジルコニウムが硫酸塩となった後でセリウム元素を添加するが、本発明においては、ジルコニウムがイオン化状態、つまり硫酸塩の前駆体であるところにセリウム元素を添加する。この工程によりジルコニウム酸化物前駆体及びセリウム酸化物前駆体が十分に混ざり合い、セリウムのOSC機能を引き出すことに寄与するだけでなく、結晶構造においても微細なパイロクロア相を作りだすことにつながる。
(3)第3工程
第3工程では、セリウム及びプロメチウムを除く希土類元素、遷移金属元素、アルカリ土類金属、Al、In、Si、Sn、およびBiからなる群から選択される少なくとも1種の元素の塩溶液と前記セリウム−ジルコニウム系複合硫酸塩とを混合する。
前記セリウム及びプロメチウムを除く希土類元素としては、例えば、Y、Sc及びLa、Pr、Nd等のランタノイド元素が挙げられ、好ましくは、La、Pr、Nd、Yである。複合酸化物に含まれるセリウム及びプロメチウムを除く希土類元素は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
前記遷移金属元素としては、特に限定されないが、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびW等が例示される。複合酸化物に含まれる遷移金属元素は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。特に、遷移金属元素としては、Mn、Fe、Co、Ni及びCuの群から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。
前記アルカリ土類金属としては、Mg、Ca、Sr、Ba等が例示される。複合酸化物に含まれるアルカリ土類金属は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
また、これらの元素の他にAl、In、Si、Sn、およびBiのいずれか1種の元素の酸化物を含んでもよい。複合酸化物に含まれるこれらの元素の酸化物は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
これらのセリウム及びジルコニウム以外の第三の元素は、水溶性のものであれば特に限定されず、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物等を使用することができる。後工程での不純物の混入を避けるためには硝酸塩が好ましい。
これらの金属塩を所定の割合で前記セリウム−ジルコニウム系複合硫酸塩と混合する。混合溶液中の金属塩濃度(不溶性の塩基性硫酸ジルコニウムも含む)は、酸化物換算で、0.1%以上50%以下、好ましくは、1%以上30%以下、さらに好ましくは1.5%以上20%以下である。0.1%未満では濃度が低く、添加効果が少なく、また50%を超えるとセリウム及びジルコニウム含有量が小さくなり、耐熱性及びOSCが低下するため好ましくない。
具体的な第三の元素の酸化物の配合量として、セリウム及びプロメチウムを除く希土類元素の酸化物の配合量は0.1%以上50%以下であることが好ましく、遷移金属元素の酸化物の配合量は0.1%以上10%以下であることが好ましく、Al、In、Si、SnおよびBiのいずれか1種以上の酸化物の配合量は0.1%以上50%以下であることが好ましく、アルカリ土類金属元素の酸化物の配合量は0.1%以上10%以下であることが好ましい。
(4)第4工程
第4工程では、混合溶液を中和し、セリウム−ジルコニウム系複合水酸化物を得る。
中和にはアルカリを使用する。アルカリとしては、特に限定されず、例えば、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等を挙げることができる。これらの中で、水酸化ナトリウムが、安価に工業的に使用できるという理由で好ましい。
使用するアルカリの濃度は特に限定されず、水で希釈し、通常20〜30%のものが用いられる。
アルカリの添加方法として、(1)混合溶液にアルカリ溶液を添加する、(2)アルカリ溶液に混合溶液を添加する、の2つの方法があり、いずれの方法を用いてもかまわない。
アルカリの添加量は、上記溶液から沈殿物を生成させることができれば特に限定されず、通常は上記溶液のpHが9以上、好ましくは11以上、さらに好ましくは12以上になるようにする。pHの上限は特に限定されず、14である。
中和反応終了後、セリウム−ジルコニウム系複合水酸化物含有溶液を35〜60℃で1時間以上保持することが好ましい。これにより、得られた沈殿が熟成され、濾別しやすくなる。
その後、生成したセリウム−ジルコニウム系複合水酸化物を固液分離法により回収する。固液分離法は、公知の方法を広く用いることができる。固液分離法として、例えば、濾過、遠心分離、デカンテーション等が挙げられる。
回収後、必要に応じてセリウム−ジルコニウム系複合水酸化物を水洗し、付着している不純物を除去することが好ましい。
なお、得られたセリウム−ジルコニウム系複合水酸化物は、さらに必要に応じて乾燥させることができる。乾燥方法は、公知の方法を広く用いることができ、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等が挙げられる。必要であれば、乾燥後に、粉砕処理、分級処理等を行うことができる。
(5)第5工程
第5工程では、前記セリウム−ジルコニウム系複合水酸化物を焼成し、セリウム−ジルコニウム系複合酸化物を得る。
焼成温度及び焼成時間は特に限定されず、通常は400〜900℃程度で、1〜5時間程度行う。焼成雰囲気は、特に限定されず、通常大気中又は酸化性雰囲気とすることができる。
なお、このようにして得られた複合酸化物は、必要に応じて、粉砕することができる。粉砕は、例えば、遊星ミル、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて行うことができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、各実施例及び比較例において得られた材料中には、不可避不純物として酸化ジルコニウムに対して酸化ハフニウムを1〜2重量%含有している。
(1)XRD測定
XRD測定は、RINT2500(Rigaku Corp.)を用い、以下の測定条件で行った。
・X線源:CuKα
・サンプリング間隔:0.01度
・スキャン速度:1.0度/分
・発散スリット(DS):1度
・発散縦制限スリット:5mm
・散乱スリット(SS):1度
・受光スリット(RS):0.3mm
・モノクロ受光スリット:0.8mm
・管電圧:50kV
・管電流:300mA
定性分析にはX線チャートと標準物質の回折データベース(International Centerfor DiffractionData)とを比較し同定した。
測定結果を次のScherrerの式に当てはめ、結晶子径Dpを求めた。
Dp=K×λ/βcosθ
ここで、Dpはパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物の結晶子径、λはX線の波長、θは回折角、Kは形状因子とよばれる定数、βは装置による回折線の広がりを補正したあとのピーク幅である。本発明では、2θ=14.4〜15.5°に検出された、パイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来の回折ピークの、回折角をθにあてはめ、算出した。
(2)90nm以下の直径を有する細孔容積及びモード細孔径
市販の測定装置(MicrotracBEL Corp.,「BelSorp−miniII」)を用い、BJH法により測定した。
(3)セリウムの還元率
セリウムの還元率は、セリウムによる酸素の放出量から算出した。セリウムによる酸素の放出量については、H2−TPRと称される水素を利用した昇温還元法(Temperature Programmed Reduction)により求めた。この測定では、市販の測定装置(MicrotracBEL Corp.,「BelCat−B−215」)を用いた。
測定条件は次のとおりである。
・測定温度:350℃
・酸素気流中酸化
・5%水素気流中において、100〜900℃(10℃/分)昇温
測定結果を次の数式に当てはめ、セリウムの還元率を求めた。
・セリウムの還元率=
(本発明におけるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物の酸素放出量)/(セリウムの理論酸素放出量)×100
[実施例1]
第1工程では、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学薬品株式会社 試薬特級 酸化ジルコニウム換算として45.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬工業株式会社 試薬特級 酸化セリウム換算として45.0g)を酸化物換算で3%になるようにイオン交換水に分散し、硝酸塩水溶液を調製した。第2工程では、オートクレーブ中で、温度150℃の前記硝酸塩水溶液に硫酸塩化剤を添加し、塩基性硫酸ジルコニウムと硫酸セリウムの複合塩を生成させた。第3工程では、硝酸ランタン(III)6水和物(和光純薬工業株式会社 99.9% 酸化ランタン換算として8.0g)、硝酸イットリウム(III)6水和物(和光純薬工業株式会社 99.9% 酸化イットリウム換算として2.0g)と前記複合硫酸塩を混合した。第4工程ではアルカリを用いて中和して、セリウム−ジルコニウム系複合水酸化物の沈殿物を得た。第5工程では、生成した沈殿物を固液分離後回収し、200℃で乾燥した後、電気炉において700℃で5時間焼成した。さらに、得られた酸化物をハンマーミルで粉砕した。
[実施例2]
第3工程で、硝酸ネオジム(III)6水和物(和光純薬 99.9% 酸化ネオジム換算として5.0g)、硝酸プラセオジム(III) 6水和物(和光純薬工業株式会社 99.9% 酸化プラセオジム換算として5.0g)を用いた以外は実施例1と同様とした。
[実施例3]
第1工程で、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学薬品株式会社 試薬特級 酸化ジルコニウム換算として60.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬工業株式会社 試薬特級 酸化セリウム換算として30.0g)を用いた以外は実施例1と同様とした。
[実施例4]
第1工程で、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学薬品株式会社 試薬特級 酸化ジルコニウム換算として38.0g)、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬工業株式会社 試薬特級 酸化セリウム換算として52.0g)を用いた以外は実施例1と同様とした。
[比較例1]
第1工程では、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学薬品株式会社 試薬特級 酸化ジルコニウム換算として45.0g)を酸化物換算で3%になるようにイオン交換水に分散し、硝酸塩水溶液を調製した。第2工程では、オートクレーブ中で、温度150℃の前記硝酸塩水溶液に硫酸塩化剤を添加し、塩基性硫酸ジルコニウム塩を生成させた。第3工程では、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬工業株式会社 試薬特級 酸化セリウム換算として45.0g)、硝酸ランタン(III)6水和物(和光純薬工業株式会社 99.9% 酸化ランタン換算として8.0g)、硝酸イットリウム(III)6水和物(和光純薬工業株式会社 99.9% 酸化イットリウム換算として2.0g)と前記塩基性硫酸ジルコニウム塩を混合した。第4工程ではアルカリを用いて中和して、セリウム−ジルコニウム系複合水酸化物の沈殿物を得た。第5工程では、生成した沈殿物を固液分離後回収し、200℃で乾燥した後、電気炉において700℃で5時間焼成した。さらに、得られた酸化物をハンマーミルで粉砕しサンプルとした。
[比較例2]
第3工程で、硝酸ネオジム(III)6水和物(和光純薬工業株式会社 99.9% 酸化ネオジム換算として5.0g)、硝酸プラセオジム(III) 6水和物(和光純薬工業株式会社 99.9% 酸化プラセオジム換算として5.0g)を用いた以外は比較例1と同様とした。
[比較例3]
第1工程で、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学薬品株式会社 試薬特級 酸化ジルコニウム換算として60.0g)、第3工程で、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬工業株式会社 試薬特級 酸化セリウム換算として30.0g)を用いた以外は比較例1と同様とした。
[比較例4]
第1工程で、オキシ硝酸ジルコニウム(三津和化学薬品株式会社 試薬特級 酸化ジルコニウム換算として38.0g)、第3工程で、硝酸セリウム(III)6水和物(和光純薬工業株式会社 試薬特級 酸化セリウム換算として52.0g)を用いた以外は比較例1と同様とした。
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られたセリウム−ジルコニウム系複合酸化物の組成を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られたセリウム−ジルコニウム系複合酸化物の、5%水素を含む不活性雰囲気下で950℃、10時間熱処理後のピーク強度Ip及びIm、強度比Ip/Im、並びに2θ=14.4〜15.5°のピークより算出したパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物の結晶子径Dpを表2に示す。また、実施例1及び比較例1のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物のXRD分析によるX線チャートを図1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られたセリウム−ジルコニウム系複合酸化物の、熱処理前と、不活性雰囲気下で1100℃、12時間熱処理し、さらに大気雰囲気下で1100℃、12時間熱処理した後の90nm以下の直径を有する細孔容積、90nm以下の直径を有する細孔容積の変化率、モード細孔径、理論酸素放出量、実測酸素放出量、及び熱処理後のセリウムの還元率を表3に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られたセリウム−ジルコニウム系複合酸化物の、大気雰囲気下における1100℃で12時間の熱処理前後の90nm以下の直径を有する細孔容積、90nm以下の直径を有する細孔容積の変化率、及びモード細孔径を表4に示す。
(参考例1〜4)
製造工程において従来の電融法を用いてセリウム−ジルコニウム系複合酸化物を製造した。電融法で製造した参考例1〜4のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物の組成、粒子径及びOSCを表5に示す。なお、電融法で得られた粉末は単結晶を粉砕したものであり、得られた粉末もまた単結晶である。したがって得られた粉末の粒子径はその結晶子径を表している。粒子径が小さいほど、高いOSCを示す。
Ip:XRD測定において、2θ=14.4〜15.5°で検出されるピーク強度
Im:XRD測定において、2θ=29.5〜30.5°で検出されるピーク強度

Claims (15)

  1. XRD(X線回折)の回折パターンにおいて、熱処理前には、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出されず、かつ水素を含む不活性雰囲気下で熱処理した後、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出され、検出されたピーク強度Ipの、2θ=29.5〜30.5°に検出された立方晶構造由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物のピーク強度Imに対するピーク強度比Ip/Imが0.001以上0.02以下であるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  2. XRD(X線回折)の回折パターンにおいて、熱処理前には、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出されず、かつ水素を含む不活性雰囲気下で熱処理した後、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出され、検出されたピーク強度Ipの、2θ=29.5〜30.5°に検出された立方晶構造由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物のピーク強度Imに対するピーク強度比Ip/Imが0.005以上0.015以下であるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  3. XRD(X線回折)の回折パターンにおいて、熱処理前には、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出されず、かつ水素を含む不活性雰囲気下で熱処理した後、回折角2θ=14.4〜15.5°にパイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物由来のピークが検出され、検出されたピーク強度Ipの、2θ=29.5〜30.5°に検出された立方晶構造由来のセリウム−ジルコニウム複合酸化物のピーク強度Imに対するピーク強度比Ip/Imが0.008以上0.012以下であるセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  4. 水素を含む不活性雰囲気下で熱処理した後、XRDの回折角2θ=14.4〜15.5°のピークより算出した前記パイロクロア構造を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物の結晶子径が1nm以上9nm以下である、請求項1から請求項3のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  5. 不活性雰囲気下において1100℃で12時間熱処理し、さらに大気雰囲気下において1100℃で12時間熱処理した後の90nm以下の直径を有する細孔容積の、前記熱処理前の90nm以下の直径を有する細孔容積に対する変化率が70%以下であり、かつ前記熱処理後のモード細孔径が10nm以上90nm以下である、請求項1から請求項4のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  6. 大気雰囲気下において1100℃で12時間熱処理した後の90nm以下の直径を有する細孔容積の、前記熱処理前の90nm以下の直径を有する細孔容積に対する変化率が66%以下であり、かつ前記熱処理後のモード細孔径が10nm以上90nm以下である、請求項1から請求項5のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  7. セリウム及びプロメチウムを除く希土類元素の酸化物のいずれか1種以上を含む、請求項1から請求項6のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  8. 前記希土類元素の酸化物の含有量が0.1%以上50%以下である、請求項1から請求項7のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  9. 遷移金属元素の酸化物のいずれか1種以上を含む、請求項1から請求項8のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  10. 前記遷移金属元素の酸化物の含有量が0.1%以上10%以下である、請求項1から請求項9のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  11. Al、In、Si、SnおよびBiの酸化物のいずれか1種以上を含む、請求項1から請求項10のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  12. 前記Al、In、Si、SnおよびBiのいずれか1種以上の酸化物の含有量が0.1%以上50%以下である、請求項1から請求項11のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  13. アルカリ土類金属元素の酸化物のいずれか1種以上を含む、請求項1から請求項12のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  14. 前記アルカリ土類金属元素の酸化物の含有量が0.1%以上10%以下である、請求項1から請求項13のいずれかに記載のセリウム−ジルコニウム系複合酸化物。
  15. (1)セリウム原料及びジルコニウム原料の塩を溶媒に溶解し、原料塩溶液を得る第1工程、
    (2)オートクレーブ中で、温度100℃以上の前記原料塩溶液に硫酸塩化剤を添加し、セリウム−ジルコニウム系複合硫酸塩を得る第2工程、
    (3)セリウム及びプロメチウムを除く希土類元素、遷移金属元素、アルカリ土類金属、Al、In、Si、SnおよびBiからなる群から選択される少なくとも1種の元素の塩溶液と前記セリウム−ジルコニウム系複合硫酸塩とを混合する第3工程、
    (4)混合溶液を中和し、セリウム−ジルコニウム系複合水酸化物を得る第4工程、及び
    (5)前記セリウム−ジルコニウム系複合水酸化物を焼成し、セリウム−ジルコニウム系複合酸化物を得る第5工程
    を含む、セリウム−ジルコニウム系複合酸化物の製造方法。
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