JP4836330B2 - 金及びチタンを含有する触媒の調製法 - Google Patents

金及びチタンを含有する触媒の調製法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、米国国立標準・技術研究所から授与された受賞番号70NANB5H1143による援助を米国政府から受けて行ったものである。
【0002】
本発明は金及びチタンを含有する酸化触媒の調製法に関する。
金およびチタンを含有する触媒はオレフィンのオレフィンオキシドへのヒドロ酸化において有用である。たとえば、水素ならびに、金およびチタンを含有する触媒の存在下で酸素を用い、プロピレンを酸化してプロピレンオキシドを生成させることは公知である。プロピレンオキシドは、ポリウレタンの製造に用いられるプロピレングリコール及びポリエーテルポリオール製造用の工業的に重要な原料である。
【0003】
前記ヒドロ酸化法に用いられる触媒は、より具体的にはチタン含有担体上に金を含む。担体は、たとえばチタノシリケート、二酸化チタン、シリカ上に分散したチタン、及びある種の金属チタネートから選ぶことができる。任意に、該触媒は、触媒の性能を高めるために、アルカリ金属、アルカリ土金属、またはランタニド希土類金属のような促進剤金属をさらに含有することができる。このプロセス及び触媒組成物の代表的な先行技術にはPCT特許出願WO 98/00413、WO 98/00414、及びWO 98/00415がある。
【0004】
含浸法によって、チタノシリケート担体上に白金族金属を含むヒドロ酸化触媒を調製することは公知である。PCT特許出願WO 96/02323によって示されるこの種の技術は、チタノシリケート担体に白金族金属塩溶液を含浸させた後、その含浸担体を水素雰囲気中で還元して白金族金属の結合エネルギー状態を調整することを開示している。水素による還元は不利なことに高温を要することがあり、かつ還元を十分にうまく制御することができない。
【0005】
EP−A1−0,709,360のような他の技術は、析出沈殿法によって調製される、二酸化チタン上に付着させた金の超微粒子を含む触媒を教示している。この方法は、可溶性金塩の水溶液を調製し、pHを7ないし11に調整した後、溶液に二酸化チタンを加えることを含む。得られた複合体をか焼して二酸化チタン担体上に付着させた超微粒の元素状金粒子を得る。
【0006】
米国特許第4,839,327号およびEP−A1−0709,360に例示される他の、しかし関連する方法は共沈法を含む。ここで、pH値が7ないし11の金水溶液を、共沈物を得るように、同一pH範囲に調節した可溶性チタン塩水溶液に滴下する。共沈物をか焼して二酸化チタン上に付着させた金属状金を得る。
【0007】
米国特許第4,937,219号に例示され他の析出沈殿法では、アルカリ土金属と酸化チタンの混合物上に固定された超微粒状金粒子を含む触媒が調製される。この調製法は、ストロンチウムチタネートのようなアルカリ土金属−チタン化合物を、金化合物水溶液中に溶解または懸濁させ、pHを7ないし11に調整し、そして還元剤を滴下し、それによって超微粒の金粒子をアルカリ土金属チタネート上に沈殿させることを含む。還元剤はホルマリン、ヒドラジン、またはシトレート塩類と開示されている。この方法の変形が米国特許第5,051,394号にあり、この場合には金化合物及び水溶性チタン塩を含有する水溶液のpHをアルカリ化合物で調整して共沈物を得、それにカルボン酸またはその塩類を加える。このように処理された共沈物を加熱して酸化チタン上に付着させた金属状金を含む触媒を生成させる。
【0008】
前記の析出沈殿および共沈法はすべて、多くの欠点で不利を招く。とくに、先行技術の方法は、長時間にわたって付着条件の正確な制御を必要とする。さらに、還元体を用いる場合には、担体に付着させる前に、金粒子が溶解状態で還元されることがあり、これは金の非能率な使用をもたらす。担体上に付着させる金の正確な量に関する制御がうまく行かないので、付着溶液から不要の金を回収するための努力がさらに必要となる。さらにもっと不利なことは、先行技術の方法は温度に敏感である。該方法は多量の溶剤の使用及びpHの制御をも必要とする。最後に、先行技術の方法は担体への金粒子の接着不良をもたらすことがある。
【0009】
前記の点から考えて、チタン含有担体上に付着させた金を含む活性酸化触媒を調製する単純で、効果的かつ再現可能な方法を発見することが望ましいと思われる。その方法が付着沈殿および共沈法の欠点のないものであれば望ましいと思われる。該方法がペレット状または押出しチタン含有担体のような触媒の実際的形態に適用できそうであればより望ましいと思われる。該方法が金回収工程を必要としないならばさらにより望ましいであろう。このような方法は有利なことに触媒調製の努力及び費用を減少させ、同時に重要なことは金を保護する。
【0010】
本発明はチタン含有担体上に金を含む触媒組成物の製造法である。この方法は触媒組成物を調製するのに十分な条件の下で、触媒担体に金化合物および還元剤を含浸させることを含む。任意に、使用前に含浸担体を加熱することができる。本発明の触媒はチタンを含むので、触媒を調製するプロセス中にチタン源が存在しなければならない。担体および/または還元剤がチタンを含有するときには、この要件は満たされる。したがって、触媒を述べるのに用いられる「チタン含有担体」という言葉は、担体がチタニア、チタノシリケート、もしくは金属チタネートに見られるようにチタンを当初含有した態様、あるいはまた、還元剤から誘導されるチタンを当初チタンを含有しなかった担体上に分散させた、たとえばシリカ上に分散されたチタンのような態様;あるいはまた、はじめにチタンを含有した担体上に、還元剤から誘導したチタンを分散させた、たとえばチタニア上に分散したチタンのような態様を広範囲に包含する。
【0011】
さきに述べた本発明は、チタン含有担体上に付着させた金を含む酸化触媒の単純で効果的かつ再現可能な方法を有利にもたらす。有利なことに、本発明の方法は、先行技術の複雑で時間の掛かる付着沈殿及び共沈法とは異なり単純な含浸法を用いる。さらに、先行技術の方法と比べると、本発明の方法は有利なことに少量の溶剤を使用し、かつpHの制御を必要としない。さらにもっと有利なことには、本発明の方法は、担体上に付着させる金の量をよりよく制御できる。本発明の方法は金を有効に利用するので、先行技術の方法で必要とされるような未使用の金の回収は必要ない。別の利点として、本発明の方法を用いて、触媒の実際的形態、すなわちペレット化または押出担体を用いて触媒を調製することができる。最後に、水素雰囲気中で還元する先行技術の方法とは対照的に、本発明の方法では、担体に還元剤を含浸させることによって還元を簡単に達成させる。前記利点のすべては、原価効率的で工業目的により適する触媒の調製法を提供する。
【0012】
他の態様では、本発明はチタン含有担体上に金を含む触媒組成物である。触媒は触媒担体に金化合物および還元剤を含浸させることを含み、この場合に還元剤および/または担体はチタンを含み、含浸は触媒組成物を調製するのに十分な条件の下で行われる。任意に、使用前に触媒を加熱することができる。
【0013】
さきに示したように、チタン含有担体上に金を含む触媒はオレフィンのオレフィンオキシドへのヒドロ酸化に有用である。「ヒドロ酸化」という用語は水素の存在下で酸素を用いてオレフィンの酸化を行って、オレフィンオキシドを生成させることを意味する。このプロセスの共生物として水が生成するが、水は水素の直接燃焼によって生成させることもできる。本発明の好ましい方法によって金−チタン触媒を調製する場合はに、先行技術の方法によって調製した同様の組成物の触媒と比べて、有利なことにヒドロ酸化法では、触媒はより少ない量の水を生成する。前記の酸化プロセスの実例は、チタン含有担体上に金を含む触媒を用いるプロピレンのプロピレンオキシドへのヒドロ酸化法である。本発明の方法によって触媒を調製するときには、有利なことに触媒は、少なくとも0.2モルパーセントのプロピレン転化率において、80モルパーセントを上回る選択性でプロピレンオキシドを生成する。
【0014】
ここに開示した本発明はチタン含有担体上に金を含む触媒組成物の調製法に関する。この方法は、触媒組成物を調製するのに十分な条件の下で、触媒担体に金化合物および還元剤を含浸させることを含む。チタンはここに記載する触媒組成物の重要な要素であるので、触媒を調製するプロセスにおいてチタン源が必要である。したがって、二酸化チタンを含む担体に示されるように、担体はチタンをもたらすことができる。あるいはまた、チタノセンのようなオルガノチタン化合物、またはチタニルアセチルアセトネートのようなチタン配位化合物の還元剤に示されるように、還元剤がチタンをもたらすことができる。あるいはまた、担体と還元剤の両方がチタン源となることができる。他の態様では、含浸工程に続き、使用前に触媒を加熱する。
【0015】
本発明の好ましい態様では、該方法は、チタン含有担体上に金を含む触媒組成物を調製するのに十分な条件の下で、チタンを含有する担体に、チタンを含有しない金化合物及び還元剤を含浸させることを含む。含浸工程に続き、使用前に任意に触媒を加熱することができる。
【0016】
本発明の他の好ましい態様では、該方法は、チタン含有担体上に金を含む触媒組成物を調製するのに十分な条件の下で、チタンを含有しない触媒担体に、金化合物及びチタン含有還元剤を含浸させることを含む。チタン含有還元剤は好ましくはオルガノチタン化合物及びチタン配位化合物から選ばれる。同様に、含浸工程後かつ使用前に任意に触媒を加熱することができる。
【0017】
本発明の第3の好ましい態様では、触媒はさらに、少なくとも1種の促進剤金属を含む。酸化プロセスにおいて触媒の生産性を高める金属又は金属イオンを促進剤として用いることができる。促進剤金属については、後でさらに詳しく説明する。促進剤金属を含有する触媒を調製する場合に、触媒組成物を調製するのに十分な条件の下で、担体に、金化合物、少くとも1種の促進剤金属化合物、および還元剤を含浸させる。さきに述べたように、還元剤または触媒担体のいずれかまたは両方がチタンを含有する。含浸後かつ使用前に、任意に触媒を加熱することができる。
【0018】
さらに他の好ましい態様では、含浸工程後かつ任意の加熱工程前に、担体を洗浄する。洗浄によって望ましい促進剤金属イオンが除かれる場合には、さらに本発明の他の好ましい態様において、洗浄工程後かつ任意の加熱工程前に担体を促進剤金属イオン溶液で処理して、担体上に促進剤金属イオンの供給を補充することができる。
【0019】
さきに述べたように、本発明の方法によって調製するのが好ましい触媒は金及びチタン含有担体を含む。任意に、触媒は好ましくは、周期表中の第1族、第2族、銀、ランタニド希土類、及びアクチニド金属ならびにこれらの混合物から選ばれる少くとも1種の促進剤金属をさらに含むことができる。金は、X線光電子分光法で測定して、約+3から0にわたる酸化状態で存在することができる。本発明の方法で用いられる還元剤は金の少くとも一部を約+3の酸化状態から約+3未満の酸化状態に転化させると考えられる。金は、担体表面に分散したイオンもしくは帯電クラスター、および/または分離金粒子、および/または金−促進剤金属混合粒子、および/または金原子もしくは原子のクラスターとして存在することができる。金粒子は高分解能透過型電子顕微鏡法(HR−TEM)および/またはミー散乱法で見える場合もあれば見えない場合もある。金粒子の平均粒径は好ましくは500Å未満、より好ましくは200Å未満、もっとも好ましくは100Å未満である。チタンは、X線光電子分光法及びX線吸収分光法によって測定すると、典型的に正の酸化状態で存在する。
【0020】
チタン含有担体上の金充填量は、ここに記載した、水素の存在下で酸素を用いてオレフィンをオレフィンオキシドに酸化するヒドロ酸化法において生成した触媒が活性でありさえすれば、任意の充填量であることができる。金の充填量は金及び担体の総重量を基準にして、通常0.001重量パーセント(100万分の10部)を上回る。金充填量は、金及び担体の総重量を基準にして、好ましくは0.005重量パーセントを上回り、より好ましくは0.010重量パーセントを上回る。金充填量は通常20重量パーセントを下回る。金充填量は好ましくは10.0重量パーセントを下回り、より好ましくは5.0重量パーセントを下回る。
【0021】
含浸法は、例えばCharles N.SatterfieldのHeterogeneous Catalysis in Practice,McGraw−Hill Book Company,New York,1980,pp.82−84に記載されているように、当該技術分野では公知である。この方法では、問題の可溶性化合物または問題のイオンの可溶性化合物を含有する溶液で担体を湿潤させる。本発明の場合には、金化合物および還元剤を含有する溶液を使用する。含浸は、必要に応じて、湿潤開始時点、または湿潤の少ない時点、または過剰の溶液により湿潤の多大な時点に行うことができる。好ましくは、含浸は湿潤開始時点または湿潤の少ない時点に行う。付着温度は典型的に外界温度(21℃と考える)ないし約100℃、好ましくは約21℃ないし約50℃にわたる。付着は通常外界圧力で行う。担体は複数の含浸で処理することができる。含浸のさらに詳細については後で述べる。
【0022】
可溶化して含浸溶液となることができる任意の金化合物を本発明の方法で適切に用いることができる。水性及び非水性溶剤を用いることができる。可溶性金化合物の非限定例には塩化金酸、塩化金酸ナトリウム、塩化金酸カリウム、シアン化金、金シアン化カリウム、三塩化金酸ジエチルアミン、酢酸金、ハロゲン化アルキル金、好ましくは塩化物のみならず金酸リチウム、金酸ナトリウム、金酸カリウム、金酸ルビジウム、および金酸セシウムを含む金酸アルカリ塩がある。好ましくは、金化合物は塩化金酸またはその塩である。ハロゲン化アルキル金、好ましくは塩化物が非水性溶剤とともに適切に用いられる。典型的には、含浸溶液中の可溶性金化合物のモル濃度は0.001Mないし可溶性金化合物の飽和点、好ましくは0.005Mないし1.0Mである。
【0023】
可溶化して含浸溶液となることができる還元剤を本発明の方法において適切に用いることができる。還元剤は2種類:チタンを含有しないものとチタンを含有するものに分類することができる。前者の種類では、還元剤は典型的に酸化させることができる有機化合物である。可溶性有機還元剤の非限定例にはカルボン酸及びその塩類、アルコール類及びそのアルコキシド塩類、糖類、アルカノールアミン類、ならびにアルキルアミン類がある。この種類の実例となる特定例(ただし非限定)には酢酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、ケイ皮酸、ならびにアルカリ及びアルカリ土類酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、及びケイ皮酸塩のみならずアルカリグルコネート、グルコース、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エタノールアミン、及びイソプロピルアミンがある。好ましくは、還元剤はC6-20糖類、C2-20カルボン酸、C1-15脂肪族アルコール類、C1-15アルキルアミン、前記糖類、カルボン酸、およびアルコール類のアルカリおよびアルカリ土類塩、ならびに任意の前記化合物の混合物から選ばれる。もっとも好ましくは、還元剤はメタノール、エタノール、イソプロパノール、エタノールアミン、酢酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、ケイ皮酸、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、ケイ皮酸ナトリウム、及びこれらの混合物から選ばれる。典型的には、含浸溶液中の有機還元剤のモル濃度は0.001Mないし還元剤の飽和点、好ましくは0.005Mないし1.0Mにわたる。本発明の他の態様では、含浸溶液の溶剤は、メタノール及びエタノールのようなアルコール類の場合のように、還元剤として機能することもできる。
【0024】
担体上の有機還元剤の充填量は、ここに記載するヒドロ酸化プロセスにおいて生成した触媒が活性でありさえすれば、広範囲にわたることができる。有機還元剤対金のモル比は通常0.5:1を上回り、好ましくは1:1を上回る。本発明の二三の態様では、有機還元剤対金のモル比は100:1を下回り、好ましくは20:1を下回る。本発明の他の態様において、たとえば、還元剤が含浸溶剤としても機能する場合に、有機還元剤対金のモル比は10,000:1を上回ることがあり、とくに金の濃度が低い場合には無限大に近づくことさえある。
【0025】
第2の種類では、還元剤自体がチタンを、より具体的にはオルガノチタン化合物またはチタン配位化合物として含有する。「オルガノチタン化合物」という用語はチタン−炭素σ−結合またはチタン−炭素π−結合を含有する化合物と定義される。チタン−炭素σ−結合は、たとえば二塩化ジメチルチタンのようなアルキルチタン化合物に見られる。チタン−炭素π−結合は、たとえば、チタノセンのような、シクロペンタジエニルチタン化合物及びアリールチタン化合物に見られる。「チタン配位化合物」という用語はアルキルアミン、アルコキシレートまたはカルボキシレートのような中性またはアニオン性原子価の有機分子に結合されたチタン原子またはイオンを含有する化合物と定義される。典型的に、中性又はイオン性有機分子は電子のドナー対を含有する。オルガノチタン化合物またはチタン配位化合物は、化合物の有機成分が酸化できさえすれば、本発明の方法に用いることができる。適切なチタン含有還元剤の非限定例にはチタンイソプロポキシド、チタンプロポキシド、チタンエトキシド、チタンブトキシド、及びチタングリコレートのようなチタンアルコキシド;チタンオキサレート、チタンラクテート、チタンシトレート、及びチタニルアセチルアセトネートのようなチタンカルボキシレート;およびジシクロペンタジエンチタンジクロリドのようなハロゲン化ジシクロペンタジエニルチタン、ならびに他のハロゲン化オルガノチタノセンがある。好ましくは、オルガノチタン化合物はシクロペンタジエニルチタン化合物及びアルキルチタン化合物から選ばれる。好ましくは、チタン配位化合物はチタンアルコキシド及びチタンカルボキシレートから選ばれる。典型的に、含浸溶液中のチタン含有還元剤のモル濃度は0.001Mないし有機チタン化合物の飽和点、好ましくは0.005Mないし1.0Mにわたる。
【0026】
担体上のチタン含有還元剤の充填量は、ここに記載するヒドロ酸化プロセスにおいて生成した触媒が活性でありさえすれば、広範囲にわたることができる。通常、チタン含有還元剤は、所望のチタン充填量まで担体に充填することができる。チタン充填量は担体の重量を基準にして、通常0.02重量パーセントを上回り、好ましくは0.1重量パーセントを上回り、より好ましくは0.5重量パーセントを上回る。チタン充填量は担体の重量を基準にして、通常20重量パーセントを下回り、好ましくは10重量パーセントを下回る。
【0027】
含浸溶液を調製するのに適当な溶剤には広範囲に無機及び有機溶剤ならびにその混合物があり、この場合に溶解させる化合物は可溶性でありかつ安定である。通常、最後に担体から含浸溶剤が除かれるので、溶剤は容易に蒸発しなければならない。適当な溶剤の非限定例には水、脂肪族アルコール類およびポリオール、脂肪族及び芳香族炭化水素、ケトン類、エーテル類、およびこれらの混合物がある。金化合物にとって水およびアルコール類が好ましい溶剤であり、有機還元剤としても好ましいであろう。しかし、水がオルガノチタン化合物またはチタン配位化合物と反応するときには、化合物を非反応性有機溶剤に可溶化させるのが好ましい。前記のように、アルコール類のような溶剤は、還元剤として機能することもできる。
【0028】
還元剤がチタンを含有しないときには、チタン含有担体が必要である。チタン含有担体は下記に示すものを含む種々の形態を取ることができる。
a.二酸化チタン
無定形および結晶性二酸化チタンをチタン含有担体として適切に用いることができる。結晶相にはアナターゼ、ルチル、及びブルッカイトがある。この部類に含まれるものにシリカ及びアルミナのような金属酸化物に担持された二酸化チタンを含む複合体がある。
b.金属チタネート
金属チタネートを含む化学量論的及び非化学量論的化合物を触媒担体として適切に用いることもできる。金属チタネートは結晶性または無定形であることができる。好ましくは、金属チタネートは促進剤金属チタネートから選ばれ、その非限定例には第1族、第2族、ならびにランタニド及びアクチニド金属のチタネートがある。より好ましくは、促進剤金属チタネートはマグネシウムチタネート、カルシウムチタネート、バリウムチタネート、ストロンチウムチタネート、ナトリウムチタネート、カリウムチタネート、及びエルビウム、ルテチウム、トリウム及びウラニウムのチタネートから選ばれる。
c.チタノシリケート
好ましくは多孔質である結晶性及び無定形チタノシリケートも担体として適切に用いられる。チタノシリケートはSiO4 4+からなる骨格構造を有し、この場合にケイ素原子の一部がチタンで置換される。多孔質チタノシリケートの骨格構造内に細孔および/またはチャンネルの規則的又は不規則的組織が存在する。「ケージ」と呼ぶ空孔が存在することもできる。細孔は隔離している場合も相互連続している場合もあり、そして一、二、または三次元であることができる。細孔はより好ましくはミクロ細孔またはメソ細孔もしくはこれらの多少の混合物である。本明細書で用いるミクロ細孔は約4Åないし約20Åにわたる細孔径(または垂直断面が非円形の場合には限界寸法)を有し、一方メソ細孔は約20Åを上回り約200Åまでの範囲の細孔径または限界寸法を有する。ミクロ細孔とマソ細孔の合計容積が総細孔容積の好ましくは70パーセント以上、より好ましくは80パーセント以上を占める。細孔容積の残りは細孔径が200Åを上回るマクロ細孔を含む。マクロ細孔には粒子または微結晶間の空間も含まれる。
【0029】
細孔径(または限界寸法)、細孔径分布、及び多孔質チタノシリケートの表面積は吸着等温線及び細孔容積の測定によって得ることができる。典型的には、測定は粉末状のチタノシリケートについて、吸着質として77Kの窒素または88Kのアルゴンを用い、かつMicromeritics ASAP 2000装置のような適当な吸着分析装置を用いて行う。ミクロ細孔容積の測定は直径が約4Åないし約20Åの範囲の細孔の吸着容積から得られる。同様に、メソ細孔容積の測定は直径が約20Åないし約200Åの範囲の細孔の吸着容積から得られる。吸着等温線の形状から、多孔度の種類、たとえばミクロ細孔またはメソ細孔の定性的同定を行うことができる。さらに、多孔度の増大を表面積の増大と相関させることができる。細孔径(または臨界寸法)はCharles N.SatterfieldがHeterogeneous Catalysis in Practice,McGraw−Hill Book Company,New York,1980,pp.106−114に記載した式を用いて、データから計算することができる。
【0030】
さらに、結晶性多孔質チタノシリケートは、当該物質のXRDパターンをすでに出版されている標準と比較するか、または単結晶のXRDパターンを解析して、骨格構造、及び細孔が存在する場合には、細孔形状及び細孔径を求めることによるX線回折法(XRD)によって同定することができる。
【0031】
本発明の方法に適切に用いられる多孔質チタノシリケートの非限定例には多孔質無定形チタノシリケート;多孔質層状チタノシリケート;チタンシリカライト−1(TS−1)、チタンシリカライト−2(TS−2)、チタノシリケート ベータ(Ti−ベータ)、チタノシリケートZSM−12(Ti−ZSM−12)及びチタノシリケートZSM−48(Ti−ZSM−48)のような結晶質ミクロ細孔チタノシリケート;のみならずTi−MCM−41のようなメソ細孔チタノシリケートがある。
【0032】
TS−1の細孔構造は、2つの相互連続したほゞ円筒形で約5Å径の10環細孔(10−ring pores)を含む。10環細孔は総計10個の四面体(SiO4 4-おびTiO4 4-)からなる。チタンシリカライトおよびその特有のXRDパターンは米国特許第4,410,501号に示されている。TS−1は工業的に得ることができるが、米国特許第4,410,501号に記載されている方法に従って合成することもできる。他の調製法が下記に示されている:A.Tuel,Zeolites,1996,16pp.108−117;S.GontierおよびA.TuelによるZeolites,1996,16,pp.184−195;A.TuelおよびY.Ben Taaritによる Zeolites,1993,13,pp.357−364;A.Teul,Y.Ben Taarit及びC.Naccacheによる Zeolites,1993,13,pp.454−461;A.Tuel及びY.Ben Taaritによる Zeolites,1994,14,pp.272−281;ならびにA.Tuel及びY.Ben Taaritによる Microporous Materials,1993,1,pp.179−189。
【0033】
TS−2の細孔構造は三次元の10環ミクロ細孔組織を含む。TS−2は下記参考文献に記載されている方法によって合成することができる:J.Sudhakar ReddyおよびR.Kumar,Zeolites,1992,12,pp.95−100;J.Sudhakar Reddy及びR.Kumarによる Jounal of Catalysis,1991,130,pp.440−446;ならびにA.Tuel及びY.Ben Taaritによる Applied Catal.A,General,1993,102,pp.69−77。
【0034】
Ti−ベータの細孔構造は、2つの相互連続したほぼ円筒形で約7Å径の12環細孔を含む。チタノシリケート ベータの構造及び調製法は下記参考文献に記載されている:PCT特許出願WO 94/02245(1994);M.A.Camblor,A.CormaおよびJ.H.Perez−Pariente,Zeolites,1993,13,pp.82−87;ならびにM.S.Rigutto,R.de Ruiter,J.P.M.Niederer,およびH.van Bekkum,Stud.Surf.Sci.Cat.,1994,84,pp.224−2251。
【0035】
Ti−ZSM−12の細孔構造は、前記S.Gontier及びA.Tuelが述べているように、寸法が5.6×7.7Åの一次元12環チャンネル組織を1つ含む。
【0036】
Ti−ZSM−48の細孔構造はR.SzostakがHandbook of Molecular Sieves,Chapman&Hall,New York,1992,pp.551−553に記載しているように寸法が5.3Å×5.6Åの一次元10環チャンネル組織を1つ含む。Ti−ZSM−48の調製法及び性質に関する他の参考文献にはC.B.Dartt,C.B.Khouw,H.X.Li,およびM.E.Davis,Microporous M aterials,1994,2,pp.425−437;ならびにA.TuelおよびY.Ben Taarit,Zeolites,1996,15,pp.164−170がある。
【0037】
Ti−MCM−41はアルミノシリケートMCM−41と同形の六方晶相である。MCM−41中のチャンネルは直径が約28Åから100Åにわたる一次元チャンネルである。Ti−MCM−41は下記引用文に記載されているように調製することができる:S.GontierおよびA.tuel,Zeolites,1996,15,pp.601−610;ならびにM.D.Alba,Z.Luan,およびJ.Klinowski,J.Phys.Chem.,1996,100,pp.2178−2182。
【0038】
チタノシリケート中のケイ素対チタンの原子比(Si:Ti)はここに記載するヒドロ酸化法において活性ありかつ選択的なエポキシ化触媒をもたらす任意の比であることができる。一般に有利なSi:Ti原子比は約5:1以上、好ましくは約10:1以上である。一般に有利なSi:Ti原子比は約200:1以下、好ましくは約100:1以下である。ここで定義するSi:Ti原子比はかさばり比(bulk ratio)を指すことに注意されたい。
d.シリカ上に分散したチタン
本発明の触媒の他の適当な担体はシリカ上に分散したチタンを含み、その種々の担体を工業的に得ることができる。あるいはまた、この種の担体をPCT特許出願WO 98/00415に記載されている方法によって調製することもできる。後者の参考文献では、実質的に無秩序相のシリカ表面上にチタンイオンを分散させる。「実質的に」という用語は約80重量パーセントを上回るチタンが無秩序相で存在することを意味する。好ましくは85重量パーセントを上回り、さらにより好ましくは90重量パーセントを上回り、もっとも好ましくは95重量パーセントを上回るチタンが無秩序相で存在する。この結果は担体中に典型的には20重量パーセントを下回り、好ましくは15重量パーセントを下回り、さらにより好ましくは10重量パーセントを下回り、もっとも好ましくは5重量パーセントを下回るチタンが秩序結晶形態で、具体的には結晶性二酸化チタンとして存在することを意味する。したがって、典型的な形態では担体は結晶性二酸化チタンを実質的に含まず、もっとも好ましい形態では、結晶性二酸化チタンを本質的に含まない。触媒中の金及びチタンの像を作らせるのに高分解能透過型電子顕微鏡法(HR−TEM)及びエネルギー分散型X線分光分析法(EDX)を用いることができる。
【0039】
無秩序チタン相はHR−TEMおよび/またはラマン分光法によって、バルク結晶性二酸化チタンと区別することができる。さらに、無秩序相は明瞭なX線回折(XRD)パターンを示さない。しかし、XRDは結晶性二酸化チタンを検知する点では感度が良くない。したがって、二酸化チタンのバルク結晶相の特徴的なXRDパターンの欠如はこの相が担体中に存在しないという決定的な証拠ではない。紫外−可視部拡散反射分光法(UV−VIS DRS)は無秩序チタン相と結晶性二酸化チタンを区別することができる第3の分析法である。典型的には、無秩序相を同定するために、HR−TEM、ラマン、またはUV−VIS DRSのいずれかを用いることができる。さらに、無秩序相を同定するために、HR−TEM、ラマンおよび/またはHR−TEMとともに補足的にチタンK端X線吸収端構造(XANES)分光法を用いることができる。これらの方法はWO 98/00415に記載されている。
【0040】
シリカ上のチタン充填量は本発明の方法において活性な触媒を生じる任意な量であることができる。チタン充填量はシリカの重量を基準にして典型的には0.02重量パーセントを上回り、好ましくは0.1重量パーセントを上回る。チタン充填量はシリカの重量を基準にして典型的には、20重量パーセントを下回り、好ましくは10重量パーセントを下回る。
e.促進剤金属シリケート上に分散したチタン
本発明の触媒のさらに他の適当な担体は促進剤金属シリケート上に分散したチタンを含む。促進剤金属シリケートを含む化学量論的および非化学量論的化合物を用いることができる。任意の無定形または結晶性促進剤金属シリケートが適当に用いられる。好ましい促進剤金属シリケートには第1族、第2族、ランタニド希土類、及びアクチニド金属、ならびにこれらの混合物がある。好ましい促進剤金属シリケートの非限定例にはケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸エルビウム、及びケイ酸ルテチウムがある。チタンを前記(d)項に記載したと同様な方法で促進剤金属シリケート上に分散させることができる。前記(d)項に記載したような分析法を用いて分散チタン相を同定することができる。
f.担体混合物
前記担体a−eの配合物または混合物を本発明の触媒に用いることができる。
【0041】
還元剤がチタン源をもたらす場合には、本発明の方法において、チタンを含む担体およびチタンを含まない担体を含む混成触媒担体を用いることができる。混成触媒担体は当業者には周知である。適当な非限定例にはシリカ、アルミナ、アルミノシリケートのような金属ケイ酸塩、マグネシア、炭素、ジルコニア、チタニア、およびこれらの混合物がある。還元剤がチタン源となる場合には、触媒担体がシリカであるのが好ましい。
【0042】
任意に、本発明の触媒は少くとも1種の促進剤金属を含有することができる。本発明の酸化プロセスにおいて触媒の性能を高める金属又は金属イオンを促進剤金属として用いることができる。改善性能に寄与する因子には、たとえば、酸化させる化合物の転化率の増大、目的酸化生成物に対する選択性の増大、水のような副生物の生成減少、及び触媒寿命の増大がある。適当な促進剤金属の非限定例には、CRC Handbook of Chemistry and Physics,第75版,CRC Press,1994に記載されているように、元素周期表の第1族ないし第12族金属のみならず希土類ランタニド及びアクチニド金属がある。好ましくは、促進剤金属は銀、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウムを含む周期表第1族金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムを含む第2族金属;セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウムを含むランタニド希土類金属;ならびにアクチニド金属、具体的にはトリウム及びウラニウムから選ばれる。より好ましくは、促進剤金属は銀、マグネシウム、カルシウム、バリウム、エルビウム、ルテチウム、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、またはこれらの混合物である。典型的には、促進剤金属の酸化状態は+1ないし+7にわたるが、金属種も存在することができる。銀は+1のイオン、元素状金属、または金との合金として存在することができる。
【0043】
担体上に付着する促進剤金属の総量は、触媒の総重量を基準にして典型的には0.01重量パーセントを上回り、好ましくは0.10重量パーセントを上回り、より好ましくは0.15重量パーセントを上回る。担体上に付着する促進剤金属の総量は、触媒の総重量を基準にして通常20重量パーセントを下回り、好ましくは15重量パーセントを下回り、より好ましくは10重量パーセンを下回る。当業者は、促進剤金属チタネートまたはシリケートを用いるときには、促進剤金属の重量パーセントははるかに大きく、たとえば80重量パーセントほどになり得ることを理解しよう。好ましい態様では、促進剤金属が白金族金属のような第8族金属の場合には、第8族金属の総濃度は全触媒組成物の約0.01重量パーセントを下回る。
【0044】
促進剤金属は、可溶性促進剤金属塩を含有する水性また有機溶液から触媒担体に含浸させる。例えば、促進剤金属の硝酸塩、ハロゲン化物、炭酸塩、ホウ酸塩、ならびに、たとえば酢酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩およびケイ皮酸塩を含むカルボン酸塩、およびこれらの混合物を含む適当な溶解度を有する任意の促進剤金属塩類を用いることができる。水は好ましい溶剤であるが、アルコール類、エステル類、ケトン類、ならびに脂肪族および芳香族炭化水素のような有機溶剤を用いることもできる。含浸溶液中の可溶性促進剤金属塩のモル濃度は典型的には0.001Mないし飽和点、好ましくは0.005Mないし0.5Mに及ぶ。
【0045】
担体への金化合物、還元剤、及び任意の促進剤金属の含浸は、本発明の触媒を生成させる順序に行うことができる。たとえば、金化合物をチタン含有担体上にまず含浸させた後、還元剤を含浸させるか、または還元剤をまず含浸させた後金化合物を含浸させるように順序を逆にすることもできる。担体がチタンを含有し、そして還元剤は含有しない場合には、金化合物より先に還元剤をチタン含有担体に含浸させるのが好ましい。担体がチタンを含有せず、そして還元剤は含有する場合には、チタン含有還元剤より前に金化合物を付着させるのが好ましい。この後者の好ましい態様は、達成される水対オレフィンオキシドの低モル比で立証されるように、ヒドロ酸化法において水素を有効に利用する触媒をもたらす。金化合物および/または還元剤の含浸前、含浸後、または含浸と同時に促進剤金属化合物を含浸させることができる。好ましい態様では、金化合物及び還元剤と同時に促進剤金属化合物を付着させる。この好ましい態様は水対プロピレンオキシドの低モル比によって立証されるように、ヒドロ酸化プロセスにおいて水素の高能率をも生じる。各含浸後、湿潤担体を典型的には空気中、または必要に応じて、窒素またはヘリウムのような不活性雰囲気中、または真空中で乾燥して溶剤を除く。乾燥は外界温度(21℃と考える)ないし150℃の温度で行う。
【0046】
最後の含浸及び乾燥後、任意に担体を洗浄することができる。洗浄工程は典型的に溶剤中に含浸担体を浸漬して、空気中の外界温度で、30分ないし最大10時間にわたる間、懸濁物を撹拌することを含む。過剰の還元剤および/または存在することが公知の好ましくないイオンを溶解できる溶剤が許容可能な洗浄液となる。水が好ましい溶剤であるが、有機溶剤を用いることもできる。含浸担体1グラム当たり通常約10mlないし最大200mlの洗浄液が用いられる。洗浄工程は必要に応じて1度または反復して行うことができる。
【0047】
任意の洗浄工程に続き、含浸担体を任意に、1種以上の促進剤金属イオン溶液で処理することができる。この工程は、先の洗浄中に失われたかも知れない望ましい促進剤金属イオンを補充するように機能する。この処理は単に、望ましい促進剤金属イオンを含有する溶液中に含浸担体を浸漬することを含む。溶液のモル濃度は0.001Mないし使用する促進剤金属化合物の飽和点、好ましくは0.005Mないし0.5Mに及ぶことができる。
【0048】
最終の任意の工程として、使用前に含浸担体を加熱することができる。この任意の加熱は、酸素もしくは空気のような酸素含有気体中、または窒素のような不活性雰囲気中、または水素のような還元性雰囲気中で行うことができる。この任意の加熱は典型的には100℃ないし800℃、好ましくは120℃ないし750℃の温度で行われる。あるいはまた、含浸触媒を酸化反応器中で、ヘリウム、ならびに任意に、炭化水素、たとえば酸化されたオレフィン、水素、及び酸素から選ばれる1種以上の化合物のような不活性ガスを含む雰囲気中で、外界温度(21℃と考える)ないし600℃の温度で、コンディショニングすることができる。
【0049】
前記触媒は、PCT特許出願WO 98/00413、WO 98/00414、およびWO 98/00415に記載されたと同様のヒドロ酸化法に有用である。これらの方法では、水素、金−チタン触媒、及び任意に希釈剤の存在下でオレフィンを酸素と接触させて、対応するオレフィンオキシドを得る。モノオレフィン、ジオレフィンおよび種々の有機部分で置換されたオレフィンを含む、3個以上の炭素原子を含有するオレフィンを用いることができる。好ましいオレフィンにはC3-12オレフィンがある。C3-8オレフィンがより好ましく、プロピレンがもっとも好ましい。供給流中のオレフィンの量は、オレフィン、酸素、水素、及び任意の希釈剤の総モル数を基準にして、典型的には1モルパーセントを上回り、好ましくは10モルパーセントを上回り、より好ましくは20モルパーセントを上回る。オレフィンの量は、オレフィン、酸素、水素、及び任意の希釈剤の総モル数を基準にして、典型的には99モルパーセントを下回り、好ましくは85モルパーセントを下回り、より好ましくは70モルパーセントを下回る。供給流中の酸素の量は、オレフィン、水素、酸素、及び任意の希釈剤の総モル数を基準にして好ましくは0.01モルパーセントを上回り、より好ましくは1モルパーセントを上回り、もっとも好ましくは5モルパーセントを上回る。酸素の量は、オレフィン、水素、酸素、及び任意の希釈剤の総モル数を基準にして好ましくは30モルパーセントを下回り、より好ましくは25モルパーセントを下回り、もっとも好ましくは20モルパーセントを下回る。供給流中の水素の適当な量は、オレフィン、水素、酸素、及び任意の希釈剤の総モル数を基準にして典型的には0.01モルパーセントを上回り、好ましくは0.1モルパーセントを上回り、より好ましくは3モルパーセントを上回る。水素の適当な量は、オレフィン、水素、酸素、及び任意の希釈剤の総モル数を基準にして典型的には50モルパーセントを下回り、好ましくは30モルパーセントを下回り、より好ましくは20モルパーセントを下回る。
【0050】
希釈剤は本発明のプロセスを阻害しない気体または液体であることができる。気相法において、適当な気体希釈剤にはヘリウム、窒素、アルゴン、メタン、二酸化炭素、水蒸気、及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。液相法の場合には、希釈剤は、酸化に安定かつ熱に安定な液体であることができる。適当な液体希釈剤には、クロロベンゼンおよびジクロロベンゼンのような塩素化芳香族炭化水素、好ましくは塩素化ベンゼン類;塩素化脂肪族アルコール、好ましくはクロロプロパノールのようなC1-10塩素化アルカノール;さらに液体ポリエーテル、ポリエステルおよびポリアルコールがある。気体希釈剤を用いる場合には、供給流中の希釈剤の量は、オレフィン、酸素、水素、および希釈剤の総モル数を基準にして典型的には約0モルパーセントを上回り、好ましくは0.1モルパーセントを上回り、より好ましくは15モルパーセントを上回る。気体希釈剤の量は、オレフィン、酸素、水素、および希釈剤の総モル数を基準にして典型的には90モルパーセントを下回り、好ましくは80モルパーセントを下回り、より好ましくは70モルパーセントを下回る。液体希釈剤を用いる場合には、供給流中の希釈剤の量は、オレフィンおよび希釈剤の合計重量を基準にして典型的には0重量パーセントを上回り、好ましくは5重量パーセントを上回る。液体希釈剤の量は、オレフィンおよび希釈剤の合計重量を基準にして典型的には99重量パーセントを下回り、好ましくは95重量パーセントを下回る。
【0051】
ヒドロ酸化法は気相または液相プロセスに適する通常設計の反応器内で行うことができる。通常、このプロセスは外界温度(21℃と考える)を上回りかつ250℃を下回る温度で行われる。本発明の好ましい方法によって調製された触媒は、先行技術の方法によって調製された同様の触媒よりも有利なことに生成水分量が少ないので、本発明の触媒を使用するヒドロ酸化法は通例よりも高温で行うことができる。その温度は好ましくは70℃を上回り、より好ましくは120℃を上回る。その温度は通常250℃を下回り、好ましくは225℃を下回る。高温における操作によって生成熱から水蒸気の残余(credit)が得られる。したがって、水蒸気から得られる熱を用いて、水からオレフィンオキシドを分離させるような補足的プロセスを駆動させる総合プラントの設計に、ヒドロ酸化法を組み入れることができる。
【0052】
ヒドロ酸化法の圧力は好ましくは大気圧ないし400psig(2758kPa)、より好ましくは150psig(1034kPA)ないし250psig(1724kPa)にわたる。気相法の場合には、オレフィンの毎時気体空間速度(GHSV)は広範囲にわたることができるが、毎時触媒1ml当たり典型的にはオレフィン10mlを上回り、好ましくは100h-1を上回り、より好ましくは1,000h-1を上回る。オレフィンのGHSVは典型的には50,000h-1を下回り、好ましくは35,000h-1を下回り、より好ましくは20,000h-1を下回る。酸素、水素、および希釈剤成分の毎時気体空間速度は、オレフィンの空間速度から、所望の相対的モル比を考慮に入れて求めることができる。
【0053】
典型的には0.1モルパーセントを上回り、好ましくは0.3モルパーセントを上回り、より好ましくは0.4モルパーセントを上回るオレフィン転化率が得られる。「オレフィン転化率」という用語は、反応して生成物を得る供給流中のオレフィンのモルパーセントと定義される。典型的には60モルパーセントを上回り、好ましくは70モルパーセントを上回り、より好ましくは80モルパーセントを上回り、もっとも好ましくは90モルパーセントを上回るオレフィンオキシドに対する選択性が得られる。「オレフィンに対する選択性」という用語はオレフィンオキシド生成物を得る反応オレフィンのモルパーセントと定義される。
【0054】
ヒドロ酸化プロセスにおいて良好な水素効率を達成することが望ましい。水対オレフォンコキシドのモル比をできるだけ低く達成することによって水素効率を最大にすることができる。本発明の方法において、水対オレフィンオキシドのモル比は典型的には2:1を上回るが、典型的には35:1を下回る。本発明の好ましい態様において、水対プロピレンオキシドのモル比は好適には10:1未満、より好ましくは5:1未満である。
【0055】
金−チタン触媒の活性が許容できないほど低いレベルに低下した場合には、触媒を容易に再生させることができる。1つの再生法は、水素、酸素、および/または水、ならびに任意に不活性ガスを含有する再生ガス中で、150℃ないし500℃の温度、好ましくは200℃ないし400℃の温度において不活性触媒を加熱することを含む。好ましくは、水素、酸素、および/または水が再生ガスの2ないし100モルパーセントを占める。適当な不活性ガスは非反応性で、例えば窒素、ヘリウム、およびアルゴンがある。
【0056】
下記実施例を考察することによって、本発明をさらに明らかにするが、この実施例は本発明の使用を単に例示するためのものである。本発明の他の態様は本明細書の考察、または開示される本発明の実施によって当業者には明らかになろう。特に断らなければすべての百分率はモルパーセント単位である。
実施例1(参考例)
塩化金酸ナトリウム(NaAuCl4・xH2O,0.28g)を脱イオン水(42ml)に溶解した。丸底フラスコ(100ml)にシリカ球(2mm径,孔径30nm,27.41g)を入れて、回転蒸発噐で真空(30mmHg)中、60℃に1時間加熱した。真空中、60℃で溶液をフラスコ内に徐々に供給することによってシリカを塩化金酸ナトリウムで含浸させた。乾燥固体が得られるまで、フラスコを脱気した。乾燥固体をフラスコから取出して60℃、12時間風乾した。
【0057】
チタニルアセチルアセトネート(0.27g)をメタノール(22.5ml)に溶解した。さきに調製した金処理シリカ球(9.0g)を丸底フラスコ(50ml)に入れ、80℃の湯浴において回転蒸発噐で2時間脱気した。チタニルアセチルアセトネート溶液を真空下、室温でシリカに徐々に加えた。フラスコを80℃の湯浴に戻し、真空中で3時間回転した。フラスコから固体を取出し、メタノール(55ml)で洗い、濾過して室温で乾燥した。試料をオーブンに入れ、下記か焼方法を用いて空気中でか焼した:5時間で室温から550℃に加熱し、550℃に3時間保持し、そして室温に冷却して、チタン含有担体上に金を含む触媒を得た。金充填量、0.5重量パーセント;チタン充填量、0.5重量パーセント;Na:Au原子比,1:1(中性子放射化分析(NAA)により測定)。
【0058】
上記のように調製した触媒を、プロピレンのプロピレンオキシドへのヒドロ酸化において試験した。触媒(2g)を固定層連続流反応器(10cm3)に充填してヘリウム、酸素、水素、およびプロピレンをフローさせた。供給流組成は水素10パーセント、酸素10パーセント、およびプロピレン20パーセントで、残りがヘリウムであった。プロピレン、酸素およびヘリウムは純粋なフローとして用い、水素はヘリウムと混合して20H2/80He(容積/容積)混合物とした。総流量は160cm3/分(オレフィンGHSV 480h-1)であった。圧力は大気圧;プロセス温度は160℃であった。生成物をオンラインのガスクロマトグラフ(ChrompackTMPoraplotTMSカラム、25m)を用いて分析して、表1に示す結果を得た。
【0059】
【表1】
Figure 0004836330
【0060】
a.PP=プロピレン;PO=プロピレンオキシド
b.供給流:プロピレン20パーセント、水素10パーセント、酸素10パーセント、残りヘリウム。触媒、2g;総流量 160cm3/分;オレフィンGHSV 480h-1;圧力 大気圧。
【0061】
c.供給流:プロピレン19.8パーセント、水素9.8パーセント、酸素10.1パーセント、残りヘリウム。触媒、3g;総流量 160cm3/分;オレフィンGHSV 320h-1;圧力 大気圧。
【0062】
d.水素気流中300℃で再生後。
実施例1の含浸触媒は初期時間において160℃で0.36パーセントのプロピレン転化率および92パーセントのプロピレンオキシド選択性を生じた。水対プロピレンオキシドのモル比はわずか2.04:1であった。プロピレンオキシドの生産性は8.3gPO:kg触媒−時間と計算された。24時間のフロー後には、転化率が0.27モルパーセントおよび水対プロピレンオキシドのモル比が4.18:1であった。触媒は酸素(ヘリウム中20パーセント)気流中、450℃で再生したが、活性は低下しなかった。
実施例2(参考例)
シリカ(2−4mm球;表面積、360m2/g;平均細孔径、110Å)上に分散させたチタンを含む担体を下記方法によりか焼して残留有機物を除いた:4時間で80℃から300℃に上げ、300℃に2時間保ち、4時間で300℃から550℃に上げ、550℃に2時間保った後、80℃に冷却して室温の密閉バイアルに貯蔵した。か焼球(12.16g)を丸底フラスコに入れ、回転蒸発噐で室温において1時間脱気した。
【0063】
ナトリウムD−グルコネート(Aldrich,2.0760g)を2倍に脱イオンした水(18ml)に溶解した。真空下、回転蒸発噐で激しく回転しながら該グルコネート溶液を球に含浸させた。次いで球を真空中、水浴で下記のように乾燥した:室温に60分、35℃に30分、60℃に30分、次いで室温に冷却した。
【0064】
塩化金酸(HAuCl4・xH2O,0.3729g)を脱イオン水(18ml)に溶解した。この金溶液を真空中、回転蒸発噐で激しく撹拌しながら球に含浸させた。次いで含浸球を下記方法を用いて乾燥した:室温に60分、35℃に30分、60℃に30分、ついで室温に冷却した。乾燥中、色が黄色から緑紫色に変わることによって金の還元を認めることができた。ついで、触媒を室温に冷却して、窒素雰囲気中、80℃のオーブンで一夜間乾燥した。この間中に、触媒の色は完全に紫色に変わった。
【0065】
含浸させて乾燥した球(4.72g)を脱イオン水(50ml)に浸漬し、時折撹拌しながら30分放置した。水をデカントし、新しい水(50ml)を加えて、混合物をさらに30分間放置した。水をデカントし、もう一度新しい水(50ml)を加えて、混合物をさらに30分間放置した。最終洗浄時に、硝酸ナトリウム水溶液(水50ml中に0.9995g)を加えて、混合物を30分放置した。その後、混合物を濾過して、窒素雰囲気中、80℃で一夜間乾燥した。ついで、その物質を下記方法を用いて空気中でか焼して、本発明の触媒を得た:4時間で80℃から200℃に、4時間で200℃から500℃に、500℃に2時間保ち、次いで80℃に冷却して室温の密閉バイアルに貯蔵した。金充填量、1.32重量パーセント;チタン充填量、1.98重量パーセント;Na:Au原子比 4.6:1(NAAにより測定)。
【0066】
この触媒をプロピレンのプロピレンオキシドへのヒドロ酸化において、3gの触媒を使用し、かつ供給流がプロピレン19.8パーセント、酸素10.1パーセント、および水素9.8パーセントを含み、残りがヘリウムであった以外は、実施例1に記載したように試験した。結果を表1に示す。実施例2の含浸触媒は160℃において、0.40パーセントのプロピレン転化率、87パーセントのプロピレンオキシド選択性、および5.8gPO/kg触媒−時間の生産性を生じた。最大15時間のフローでは触媒の不活性化は認められなかった。180℃において、プロピレン転化率が0.64パーセント;プロピレンオキシド選択性が72パーセント;そして生産性が8.0gPO/kg触媒−時間であることが判明した。触媒は空気中において300℃で再生させた。水素雰囲気中の再生も有効であった。
実施例3(参考例)
シリカ(2−4mm球;表面積、360m2/g;平均細孔径、110Å)上に分散させたチタンを含有する担体を下記方法を用いてか焼した:4時間で80℃から300℃に、300℃に2時間保ち、ついで4時間で300℃から550℃に、550℃に2時間保ち、ついで80℃に冷却し、そして室温の密閉バイアルに貯蔵した。か焼球(12.12g)を回転蒸発噐で、室温において1時間脱気した。
【0067】
2倍に脱イオンした水(18ml)にクエン酸(Aldrich,0.7181g)および塩化ナトリウム(Fischer,0.1727g)を溶解した。真空の回転蒸発噐で激しく回転しながらこの溶液を球に含浸させた。次いで含浸球を下記加熱方法を用いて真空乾燥した:室温に60分、35℃に30分、60℃に30分、次いで室温に冷却した。塩化金酸(HAuCl4・xH2O,0.2996g)を脱イオン水(18ml)に溶解した。この金溶液を真空の回転蒸発噐で激しく回転しながら球に含浸させた。前記工程に示したように含浸球を乾燥した後、真空を解除した。この乾燥物質をさらに80℃の窒素雰囲気中で一夜間乾燥した後、下記加熱方法を用いて空気中で乾燥した:4時間で80℃から200℃に、4時間で200℃から500℃に、500℃に2時間保ち、ついで80℃に冷却し、そして室温の密閉バイアルに貯蔵して、本発明の触媒を得た。金充填量、1.08重量パーセント;チタン充填量、2.7重量パーセント;Na:Au原子比3.8:1(NAAにより測定)。
【0068】
この触媒を実施例2に記載したようにプロピレンのプロピレンコキシドへのヒドロ酸化において試験して、表1に示す結果を得た。160℃において、プロピレン転化率が0.24パーセント;プロピレンオキシド選択性が87パーセント;生産性が3.3gPO/kg触媒−時間であった。15時間のフローの間、不活性化は認められなかった。180℃において、転化率が0.47パーセント、選択性が68パーセント、そして生産性が5.2gPO/kg触媒−時間であった。水素雰囲気中、300℃で触媒を再生した後、160℃において触媒は0.45パーセントの転化率、85パーセントの選択性、および6.2gPO/kg触媒−時間の生産性を達成した。
実施例4(参考例)
シリカ(2−4mm球、表面積 360m2/g、平均細孔径 110Å)上に 分散させたチタンを含む担体を下記方法によりか焼して残留有機物を除いた:4時間で80℃から300℃に;300℃に2時間保ち;4時間で300℃から550℃に;550℃に2時間保ち;次いで80℃に冷却し、そして室温の密閉バイアルに貯蔵した。このか焼担体(25.23g)を丸底フラスコに入れて、回転蒸発噐で室温において2時間脱気した。カリウムD−グルコネート(Aldrich,99パーセント、4.513g)を2倍に脱イオンした水(36ml)に溶解してpHが7.94の溶液を得た。このグルコネート溶液を真空下、回転蒸発噐で激しく回転しながら担体に含浸させた。ついで担体を下記のように、水浴を用いて回転蒸発噐で真空乾燥した:室温に60分、35℃に30分、そして60℃に30分、次いで室温に冷却した。
【0069】
塩化金酸(Alfa Aesar,99.9パーセント,0.7583g)を2倍に脱イオンした水(36ml)に溶解して、pHが1.32の溶液を得た。この金溶液を真空下、回転蒸発噐で激しく回転しながらグルコネート含浸担体に含浸させた。次いでこの含浸担体を下記方法を用いて乾燥した:室温に90分、35℃に30分、60℃に30分、次いで室温に冷却した。初期の室温乾燥中に、担体は色が黄色から黄緑色に変わった。60℃において、担体粒子の一部が紫色に変わった。この乾燥物質を窒素雰囲気中80℃のオーブンで一夜間最終乾燥して、シリカ上に分散させたチタンを含む担体上に金を含む紫色の触媒を得た。
【0070】
前記のように調製した触媒(13.14g)を2倍に脱イオンした水(100ml)中に浸漬して、pHが4.14の混合物を得、それを時折撹拌しながら70分放置した(pH 3.88)。水をデカントして、新たな水(100ml)を加えた。混合物を1時間放置した(pH 4.48)。再び水をデカントし、新しい水(100ml)をもう一度加えて、混合物をさらに60分放置した(pH 5.06)。その後、混合物を濾過し、得られた触媒を80℃の窒素雰囲気中で一夜間乾燥した後、室温の密閉バイアルに貯蔵した。触媒組成:Au 1.11重量パーセント;Ti 1.80重量パーセント;K:Au 原子比、2.4:1(NAAにより測定)。
【0071】
この触媒(3g)を、さきに実施例2に述べたように、プロピレンのプロピレンオキシドへのヒドロ酸化において試験した。プロセス条件および結果を表1に示す。140℃ないし160℃のプロセス温度において、0.25ないし0.36のプロピレン転化率および80パーセントを上回るプロピレンオキシド選択性を得た。触媒は300℃の水素雰囲気中で効果的に再生された。
実施例5
14Lの蓋付ステンレス鋼容器を乾燥窒素で15分間パージした。テトラ(エチル)オルトシリケート(11,276g)をこの容器に移した。激しく撹拌しながらチタンブトキシド(236.4g)をこのシリケートに加えた。得られた溶液を、窒素でパージしながらて絶えず撹拌して91℃に加熱し、2時間の総加熱時間の間この温度に保った。次いで氷浴で2時間の間、溶液を1.9℃に冷却した。低アルカリ含量(Na 20ppm未満)のテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9874g、TPAOH 40%)を16ガロンのポリプロピレン容器に入れた。撹拌しながら脱イオン水(5814g)を、このTPAOH溶液に加えた。この容器を氷浴に入れた。さらに、急速な冷却および良好な温度制御を得るために、TPAOH溶液を外部ステンレス鋼1/4インチ(0.6cmm)コイルを経てドライアイス−アセトン浴(温度 約−25℃)に圧入した。溶液は−4℃に冷却された。この冷アルコキシド溶液を150ml/分の速度で16ガロン容器に圧入した。混合物の温度は徐々に上がり、アルコキシド溶液の約半分を加えた後に−2℃に達した。最後に、撹拌しながら混合物に脱イオン水(5432g)を加えた。最終混合物の温度は8.2℃であった。この混合物を室温で18時間撹拌した。その後、ステンレス鋼オートクレーブ内で200rpmの撹拌を行いながら水熱合成を行った。オートクレーブを160℃に加熱して、この温度に4日間保持した。次いで反応器を室温に冷却して、生成物を反応器から圧出させた。生成物は多量の有機層を含み、それを混合物の残部から分離させた。この水性乳状液のpHを硝酸(1.5N)で約8.7に調整し、3000rpmの遠心分離によって生成物を回収した。固体を脱イオン水に再分散させて、再び遠心分離した。得られた固体を110℃で12時間乾燥した後、空気吹込みオーブンでか焼した。この物質を550℃に5時間加熱した後、550℃に5時間加熱した。粉末のX線回折分析の結果、この物質はMFI構造タイプの純粋なチタノシリケート相であった。
【0072】
さきに調製したチタン含有担体(30g)を575℃の空気中で8時間か焼して室温に冷却した。メタノール(35g)中に塩化金酸(0.035g)および酢酸ナトリウム(0.5g)を含む溶液を調製した。さらさらになるまで試料を室温で真空乾燥した後、100℃で2時間真空加熱して、本発明の触媒を得た。
【0073】
この触媒(30g)を、総流量が15.0L/分;圧力が210psig(1448kPa);そして反応器の外殻温度が160℃であった以外は実施例1に記載したように、プロピレンのプロピレンオキシドへのヒドロ酸化において評価した。初期に、触媒をヘリウム雰囲気中で140℃、5時間加熱し;次いでプロピレンおよび水素を10分間導入し;次に酸素をフローに加えた。プロピレンオキシドを1時間定常速度で生成させた後、160℃の操作温度まで15℃間隔で温度に勾配を設けた。96パーセントのプロピレンオキシドに対する選択性 および5.2の水対OPモル比とともに3.2パーセントのプロピレン転化率が得られた。
実施例6
実施例5で調製した結晶性チタンシリケート(15g)を空気中、600℃で8時間か焼して、室温に冷却した。酢酸ナトリウムを含有するメタノール溶液(メタノール25g中に0.20g)を調製し、この溶液に塩化金酸を含有する別のメタノール溶液(メタノール5g中に0.06g)を加えた。得られた溶液を用いて、湿潤初期の時点にチタンシリケートを含浸させた。ついで含浸シリケートを真空オーブンで30分間乾燥した後、60℃のオーブンで1時間加熱して、チタン含有担体上に金を含む触媒を得た。高分解能透過型電子顕微鏡法で若干の金粒子を見ることができた。ミー散乱法は金属状金の弱いバンドを示した。X線光電子分光法で測定されるように、金の総含有量中60重量パーセントが金属状金であった。
【0074】
実施例5と同様にプロピレンのプロピレンオキシドへのヒドロ酸化においてこの触媒(3.0g)を評価した。供給流はプロピレン(35パーセント)、水素(10パーセント)、酸素(10パーセント)を含み、残りはヘリウムであった。毎分1,500標準立方センチメートル(sccm)の総流量においてプロセス条件は225psig(1551kPa)であった。170℃の温度において、99パーセントのプロピレン選択性および3.2の水対POモル比とともにプロピレン転化率が1.5パーセントであった。

Claims (12)

  1. チタン含有担体上に金を含む、プロピレンのプロピレンオキシドへのヒドロ酸化用触媒組成物の調製法において、該方法が
    金化合物及び還元剤を含む溶液を、沈殿させることなく触媒担体に含浸させ、この場合に該触媒担体がチタンを含み、該還元剤がチタンを含まず、
    少なくとも1種の促進剤を該触媒担体に含浸させ、この場合に該促進剤が周期表中の第1族、第2族、ランタニド希土類金属およびこれらの混合物から選択される促進剤金属である、前記方法。
  2. 該金化合物が、塩化金酸、塩化金酸ナトリウム、塩化金酸カリウム、シアン化金、金シアン化カリウム、三塩化金酸ジエチルアミン、酢酸金、ハロゲン化アルキル金、および金酸アルカリ塩から選ばれる請求項1記載の方法。
  3. 該金充填量が該金および担体の総重量を基準にして100万分の10重量部を上回る請求項1または2記載の方法。
  4. 該還元剤が、糖類、カルボン酸およびその塩類、アルコール類およびそのアルコキシド塩類、アルカノールアミン類、アルキルアミン類、ならびにこれらの混合物から選ばれる有機化合物である請求項1ないし3のいずれか1つの項記載の方法。
  5. 該還元剤が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エタノールアミン、酢酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、ケイ皮酸、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ケイ皮酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウム、およびこれらの混合物から選ばれる請求項4記載の方法。
  6. 還元剤対金のモル比が0.5:1を上回る請求項1ないし5のいずれか1つの項記載の方法。
  7. 該担体上の該チタン充填量が、該担体の重量を基準にして、0.02重量パーセントを上回り、かつ20重量パーセントを下回る請求項1ないしのいずれか1つの項記載の方法。
  8. 促進剤金属の該総濃度が、該触媒の総重量を基準にして、0.01重量パーセントを上回り、かつ20重量パーセントを下回る範囲にある請求項1ないしのいずれか1つの項記載の方法。
  9. 含浸後に該担体を洗浄し、そして、洗浄後に少なくとも1種の促進剤金属を含有する溶液で該担体を処理する請求項1ないしのいずれか1つの項記載の方法。
  10. 該含浸を、21℃ないし100℃の温度において、水、有機溶剤およびこれらの混合物から選ばれる溶剤による湿潤開始時点または湿潤の少ない時点に行う請求項1ないし9のいずれか1つの項記載の方法。
  11. 含浸ならびに、洗浄および促進剤金属による処理の工程後に、該触媒を、酸素もしくは酸素含有気体中、または不活性雰囲気中、または還元性雰囲気中で、250℃を上回り、かつ800℃を下回る温度に加熱する請求項1ないし10のいずれか1つの項記載の方法。
  12. 水素およびチタン含有担体上に金を含む触媒の存在下で、該プロピレンオキシドを調製するのに十分な条件の下において、プロピレンを酸素と接触させることを含む、プロピレンをプロピレンオキシドに酸化させる方法であって、請求項1ないし11のいずれか1つの項記載の方法によって該触媒を調製する、前記方法
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