JP4715999B2 - 水性ガスシフト反応用の触媒及びその製造方法 - Google Patents

水性ガスシフト反応用の触媒及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水性ガスシフト反応に好適に用いることができる触媒及びその製造方法に関するものである。
水性ガスシフト反応(CO+HO→CO+H)は、コークスや天然ガスなどの炭化水素及び水蒸気から得られる水性ガスに含まれるCOとHOの比率を変える、あるいはHの製造等のため、化学工業プロセスにおいて利用されている大変重要な反応である。
また、近年注目を浴びている燃料電池の燃料となる水素を、都市ガス等を改質して得る場合、副生したCOが燃料電池電極を被毒して発電効率が低下するため、この副生したCOを低減させる反応としてより高活性な水性ガスシフト反応に注目が集まっている。こうした水性ガスシフト反応の触媒は、一般に、150〜230℃程度の低温においては銅−亜鉛系や白金/アルミナ系が、350〜450℃程度の高温においては鉄−クロム系が使用される。
しかし、銅−亜鉛系触媒は、酸化やシンタリングによって短時間で失活してしまう問題点がある。またビーズ形状の場合には爆裂することもあり、使用に際して細心を払わなくてはならない。白金/アルミナ系触媒の耐熱性は高いが、高い活性を発現させるためには白金の担持量を多くする必要があるため触媒自体が非常に高価になってしまう問題点がある。さらには稀少な元素を大量に使用することによって枯渇問題やさらなる値段の高騰などの問題が懸念される。
また、鉄−クロム系触媒の耐熱性は高いが反応温度が高温であるため、平衡ガス組成のCO濃度がある一定基準より下がらないという問題点がある。また、これらの触媒を成形した触媒体は、高温で焼結させられないために、圧縮成型されることが多いが、この方法では摩擦や衝撃によって表面から徐々に粉体が脱落する粉化現象が起こりやすく、その粉による触媒反応管の閉塞や反応場圧の上昇が起こりやすくなってしまう。
上記問題点を克服した、大量の貴金属を使用しない高活性な触媒が得られれば、一定条件下の化学工業プロセスのみならず、特に変動条件下における種々の利用が期待され、燃料電池に使用される燃料の改質、即ち、電極触媒の触媒毒となるCOを燃料電池に有用な燃料の水素に転化させる利用が期待される。
また、通常触媒を使用するときは成型体として使用するので何らかの方法で成型体を作成する必要があり、触媒粉体を型に詰め、圧力をかける方法が広く用いられている。
鉄系触媒について記された特許文献を以下に示す。
特開平7−289900号公報 特開平9−57104号公報 特開2004−160433号公報
少量の貴金属でも高い活性を有する触媒は、現在最も要求されているところであるが、この要求を満たすような水性ガスシフト反応用の触媒は未だ提供されていない。
即ち、前記特許文献1〜3記載の技術は、活性金属成分を担持していない為、低温では活性が高いとは言い難いものである。また、前記特許文献1〜2記載の技術は、鉄と他の金属が固溶体を成していないので、より低活性である。よって水性ガスシフト反応に用いる触媒として優れた特性を有するとは言い難いものである。
本発明は、上記した特許文献1〜3に記載された従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、水性ガスシフト反応において、より活性の高い触媒及びその成型体を提供することを技術的課題とする。
本発明者らは、この点について鋭意検討を重ねたところ、特定の酸化物を使用し、成型体を作成することにより前記課題を解消できるとの知見を得て発明を完成するに至った。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、少なくとも鉄、m及び活性金属元素nからなる触媒で、鉄及びmが酸化物固溶体をなしており、mはMn,Co,Ti,Ni,Znの中から選ばれる1種または2種以上の元素であり、活性金属元素nははPt,Pd,Ir,Rh,Os,Ruの中から選ばれる1種または2種以上の活性金属元素であり、BET比表面積が50〜300m /gである水性ガスシフト反応用の触媒である(本発明1)。
また、本発明は、本発明1の触媒中のm元素の含有量が、触媒中の元素の比で0.01〜20mol%であることを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒である(本発明2)。
また、本発明は、本発明1又は2の触媒を構成する活性金属元素の存在量が0.001〜2mol%であることを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒である(本発明3)。
また、本発明は、本発明1乃至3のいずれかに記載の触媒において、アルミニウム、ジルコニウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、亜鉛、ランタン及びネオジウムの中から選ばれる1種または2種以上の異種金属元素の酸化物を、触媒に対して1〜900重量%含有させたことを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒である(本発明4)。
また、本発明は、本発明1乃至3のいずれかに記載の触媒において、アルミニウム、ジルコニウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、亜鉛、ランタン及びネオジウムの中から選ばれる1種又は2種以上の異種金属元素の酸化物を、触媒に対して1〜900重量%含有し、さらに、活性金属元素を0.0001〜2mol%担持させたことを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒である(本発明5)。
また、本発明は、サポート材に、本発明1乃至5のいずれかに記載の触媒を存在させたことを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒体である(本発明6)。
また、本発明は、サポート材に、本発明1乃至5のいずれかに記載の触媒を存在させ、更に、活性金属元素を0.0001〜2mol%担持させたことを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒体である(本発明7)。
また、本発明は、アルカリ性溶液と、鉄、m及びnを含む溶液とを混合、熟成して得られる粒子を濾別、水洗した後、焼成することを特徴とする本発明1記載の水性ガスシフト反応用の触媒の製造方法である(本発明8)。
また、本発明は、アルカリ性溶液と、鉄、m及びnを含む溶液とを混合、熟成して得られる粒子を濾別、水洗した後、活性金属元素nを担持させ、焼成することを特徴とする前記請求項1記載の水性ガスシフト反応用の触媒の製造方法である(本発明9)。
また、本発明は、サポート材の表面にセラミックスを含むスラリーを塗布して焼成した後、請求項1乃至5のいずれかに記載の触媒を担持し、更に、活性金属元素を担持させることを特徴とする本発明6又は7記載の水性ガスシフト反応用の触媒体の製造方法である(本発明10)。
本発明に係る触媒は、少なくとも鉄及びmを含む酸化物固溶体を形成し、且つ、活性金属元素nを担持することで、水性ガスシフト反応をより効率よく行えるという優れた効果を奏する。
また、本発明4又は5に係るアルミニウム酸化物などを含有させた触媒は、水性ガスシフト反応時の粒子成長を抑制することができるので、より効率よく水性ガスシフト反応を行うことができる。
また、本発明6又は7に係るサポート材に触媒を存在させた場合には、触媒のほぼ全量が水性ガスシフト反応に寄与することができるので、触媒の機能を十分に発揮することができる。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
本発明に係る触媒は、鉄と、Mn,Co,Ti,Ni,Znの中から選ばれる1種または2種以上の元素(以下、「m」という。)とを必須成分とした固溶体酸化物に、Au,Ag,Cu,Pt,Fe,Pd,Ni,Ir,Rh,Co,Os,Ruの中から選ばれる1種または2種以上の活性金属元素nが存在する触媒からなる。
本発明に係る触媒は、鉄及びmを含む固溶体酸化物からなる担体に、活性金属元素nを担持させた触媒からなる水性ガスシフト反応用の触媒である。担体が固溶体を形成しなければ水性ガスシフト反応用の触媒として機能が十分ではない。
一般に、鉄とクロムの固溶体は高温水性ガスシフト用触媒として古くから用いられており、鉄とクロムが固溶体を成すことで酸素の貯蔵放出能が向上し、効率よく触媒反応が達成されるものであるが、水性ガスシフト反応において、その作用機構については充分解明されていない。本発明では、触媒として鉄及びmからなる酸化物固溶体とすることで、酸素の貯蔵放出能が向上し効率よく水性ガスシフト反応が行えると推察される。また、鉄及びmからなる酸化物固溶体とすることで、鉄酸化物単独の場合よりも高い比表面積をもつ担体を得ることができる。
本発明に係る触媒の結晶構造はスピネル型であることが好ましく、Feに基づくマグネタイト、γ−Feに基づくマグヘマイト、又は両者の混合体からなることが好ましい。
本発明に係る触媒の鉄元素のうち、価数が2価であるものの割合は、0〜40mol%の範囲内であることが好ましい。
なお、比表面積が増大すると担持した金属が高分散し、活性点が増加しやすくなり、活性が向上しやすくなることは知られており、酸素の貯蔵放出能の向上は、酸素原子の移動によって達成されるとされる水性ガスシフト反応活性の向上の要因となり得ると推察される。
本発明1〜3の触媒を構成するmの含有量は、触媒中の元素の比で0.01〜20mol%の範囲内であることが好ましい。mが前記範囲外の場合には、本発明の目的とする効果が得られない。より好ましくは0.5〜10mol%の範囲内である。
本発明に係る触媒の活性金属元素は、前記触媒の表面に担持させる形態又は、触媒中に含有させる形態のいずれの形態でもよく、好ましくは、触媒の表面に担持させる形態である。活性金属元素の存在量は、触媒中の元素の比で0.001〜5.0mol%が好ましく、より好ましくは0.01〜1.5mol%である。活性金属元素の存在量が前記範囲外の場合には、十分な活性を得ることができない。
本発明1〜3に係る触媒のBET比表面積は30m/g以上が好ましく、より好ましくは50m/g以上である。上限は300m/g程度である。
本発明1〜3に係る触媒のCO転化率は、後述する評価法において、30%以上が好ましく、より好ましくは50%以上である。
本発明4に係る触媒は、前記本発明1乃至3の触媒に、アルミニウム、ジルコニウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、亜鉛、ランタン及びネオジウムの中から選ばれる1種または2種以上の異種金属元素から成る酸化物(以下、「異種金属元素の酸化物」という。)を含有するものである。異種金属元素の酸化物が存在することによって、これらが障壁となり、水性ガスシフト反応時に本発明1乃至3の触媒を構成する粒子の成長を抑制し、触媒活性を高く保持することができる。
本発明4に係る触媒において、異種金属元素の酸化物の含有量は、本発明1〜3の触媒に対して、1〜900重量%含有することが好ましい。異種金属元素の酸化物の含有量が1重量%未満の場合には、障壁としての効果が得られず、900重量%を越える場合には、本発明1乃至3の触媒成分が少なくなるので、活性が低下してしまうため好ましくない。より好ましくは20〜800重量%である。
本発明4に係る触媒のBET比表面積は、前記本発明1〜3に係る触媒と同程度である。
本発明4に係る触媒のCO転化率は、後述する評価法において、40%以上が好ましく、より好ましくは60%以上である。
本発明5に係る触媒は、前記本発明4に係る触媒に対して、更に、Au,Ag,Cu,Pt,Fe,Pd,Ni,Ir,Rh,Co,Os,Ruの中から選ばれる1種または2種以上の活性金属元素を触媒に対し0.0001〜2mol%担持させた触媒であり、担持量はより好ましくは、0.01〜1mol%である。なお、触媒中の活性金属元素の全含有量は0.1〜1.5mol%が好ましい。
本発明5に係る触媒のCO転化率は、後述する評価法において、40%以上が好ましく、より好ましくは60%以上である。
本発明1乃至5に係る触媒は、使用する各用途に合わせて成形しても良い。形状やサイズは特に限定しないが、例えば、球状、円柱状、管状や、ハニカム体への塗布などでもよい。通常、球状や円柱状、管状の形状を持つ触媒体の場合のサイズは0.1〜30mm程度が好適である。条件によっては有機物や無機物などの各種バインダーを添加することで成形体の強度や細孔分布密度を調整しても良い。
本発明6に係る触媒体は、サポート材に本発明1乃至5に係るいずれかの触媒を付着・被覆したものである。
本発明におけるサポート材としては、鉄板、SUS管、ムライト、アルミナ、シリカ、コージェライト等から成る成型体であり、好ましくはシリカ、アルミナ、コージェライト等である。
なお、本発明においては、前記サポート材の表面をケイ素、アルミニウム、ジルコニウム等の酸化物又は水酸化物などであらかじめ被覆してもよい。
サポート材と本発明に係る触媒の線膨張係数の相違は少ないほど理想であり、好ましくは±1%以下、より好ましくは±0.5%以下が良い。
また、前記サポート材に本発明1乃至5の触媒を存在させることによって、触媒の使用量を減らすことができ、より安価な触媒を作成できる。
本発明7に係る触媒体は、サポート材に本発明1乃至5に係るいずれかの触媒を被覆し、且つ、Au,Ag,Cu,Pt,Fe,Pd,Ni,Ir,Rh,Co,Os,Ruの中から選ばれる1種または2種以上の活性金属元素を触媒に対し0.0001〜5.0重量%担持したものである。より好ましくは、0.01〜3重量%担持させた触媒である。なお、触媒体中の活性金属元素の全含有量は0.1〜4.0重量%が好ましい。
次に、本発明に係る触媒の製造法について述べる。
まず、本発明1乃至3に係る触媒は、アルカリ性溶液と、鉄及びmを含む溶液とを混合、熟成した後、濾別、水洗、乾燥し、次いで、200〜1300℃の温度範囲で加熱して触媒とする製造方法において、Au,Ag,Cu,Pt,Fe,Pd,Ni,Ir,Rh,Co,Os,Ruから選ばれる1種又は2種以上からなる活性金属元素の溶液を鉄などと同様に添加・混合する方法、又は、加熱後の酸化物固溶体に前記活性金属元素を担持する方法のいずれかによっても得ることができる。
鉄を含む溶液としては、第一硫酸鉄水溶液、第二硫酸鉄水溶液、第一塩化鉄水溶液、第二塩化鉄水溶液、硝酸鉄水溶液等であり、2価又は3価の鉄塩水溶液を用いればよい。また、2価又は3価の鉄塩水溶液を併用してもよく、併用する場合には2価鉄と3価鉄との割合が10:90〜90:10が好ましい。
熟成時のpHは3〜14が好ましく特に5〜13が好ましい。
加熱温度は、300〜800℃がより好ましい。また、加熱雰囲気は、大気中が好ましい。
鉄及びmからなる酸化物固溶体は、鉄及びmを含む水溶液を同時に混合し熟成するので、ここで生成した沈澱粒子は、元素の組成が均一な粒子になり、各元素が高分散し、固溶体を形成しやすくなる。
本発明においては、活性金属元素の水溶液を、鉄及びmを含む水溶液と同時、又は鉄などの複合化合物がスラリー状態のときに添加するので、活性金属元素が高分散しやすくなり、活性金属元素が高分散することによって活性金属元素の表面積が増加し、触媒活性が向上する。
活性金属元素の種類によってはアルカリ性溶液と活性金属元素の溶液を混合しても活性金属元素が沈殿しにくい元素も存在するため、そのような元素は含浸法によって担持させることが好ましい。
活性金属元素を含浸法によって担持させた場合でも、本発明においては、鉄及びmが固溶した酸化物であるので、高い触媒活性を有するものである。
本発明4に係る触媒は、前記製造方法で得られた触媒とアルミナなどの異種金属元素の酸化物とを混合して得ることができる。
前記混合は、乾式混合、湿式混合のいずれでもよい。
本発明5に係る触媒は、前記製造方法で得られた触媒とアルミナなどの異種金属元素の酸化物とを混合した後、含浸法などにより活性金属元素を担持させることができる。
触媒は通常、触媒を成形した触媒体として使用されることが多く、その製造方法も多岐にわたる。一般的な触媒体の製法としては触媒粉体を型に詰めて加圧成型する方法、ケーキ状の触媒を押し出し機によって押し出しその後焼成する方法、若しくは触媒粉体をパンに入れ転動させて造粒する方法等が挙げられる。
しかし、実際に触媒を使用する場合、触媒反応に用いられるガスは主に触媒体の表面付近で反応し、触媒体内部にまでは侵入しにくい。よって触媒体内部の触媒成分は触媒反応に十分に寄与することができなくなる。特に、触媒が高価な材料からなる場合、触媒体内部の触媒は無駄になることとなる。
そこで、本発明10では、セラミックス又はメタル等のサポート材の表面に、前記本発明1〜5のいずれかの触媒を含むスラリーを、必要により、セラミックスを含むスラリーとともに塗布、焼成してコーティングさせることで、サポート材表面に触媒成分の相を形成させ、触媒成分を有効に活用することができる。
本発明においては、サポート材上にアルミナ等のセラミックスをコーティングさせた後に、前記本発明1〜5のいずれかの触媒をコーティングさせる、若しくは、前記本発明1〜5のいずれかの触媒をコーティングさせた後にセラミックスをごく薄くコーティングさせてもよく、さらに多層にコーティングさせてもよい。サポート材上にセラミックスをコーティングさせた後に前記本発明1〜5のいずれかの触媒をコーティングさせることで、サポート材上に触媒をより強固にコーティングさせることができる。
サポート材上に前記本発明1〜5の触媒をコーティングさせた後にごく薄くセラミックスをコーティングする場合は、触媒体同士又は容器などと接触したときの磨耗によって前記触媒が剥離するのを防ぐことができる。この場合、コーティングするセラミックスが多孔質でなければ触媒成分まで反応ガスが届かない。
従来の方法でも本発明1〜5の触媒をコーティングできるが、金属水溶液に浸しているので触媒層を厚くすることが難しく、触媒層の紛化も起こり易い。担体元素と触媒原料との化学反応により別相の生成も起こり予想以上の活性劣化も起こる。また、触媒層にある程度の厚みがないと十分な触媒活性が得られない。しかし、本発明においては触媒を含有するスラリーを塗布することができるため、触媒層を容易に厚くでき、粉化も抑制できる。
次に、本発明に係る触媒を用いた水性ガスシフト反応について述べる。
本発明に係る触媒の存在下で、水及び一酸化炭素を50℃〜800℃の温度範囲で反応させることで、水素と二酸化炭素が得られる。触媒の存在割合は水と一酸化炭素を合わせたガス空間速度で100/h以上が好ましい。
<作用>
本発明において、鉄及びmを含む酸化物固溶体からなる担体に、Au,Ag,Cu,Pt,Fe,Pd,Ni,Ir,Rh,Co,Os,Ruの中から選ばれる1種または2種以上の活性金属元素を存在させた触媒は、より高い活性を示す。
また、本発明においては、鉄にmを固溶させることによって、mが固溶しておらず単独の化合物で存在する触媒に対し、比表面積の増加又は触媒の酸素の貯蔵放出能が向上することによって、高い触媒活性が達成される。
本発明においては、鉄とmが固溶体を形成し結晶構造がスピネル型であることによって、酸素の貯蔵放出能が向上し、効率よく水性ガスシフト反応が行えると推察される。
なお、比表面積が増大すると担持した活性金属元素が高分散し、活性点が増加しやすくなり、活性が向上しやすくなることは一般的によく知られており、酸素の貯蔵放出能の向上は、酸素原子の移動によって達成されるとされる水性ガスシフト反応において、触媒活性の向上の要因になり得ると推察される。
鉄などの固溶体に活性金属元素を担持させる方法として、活性金属元素の塩を含有する水溶液に乾燥させた鉄などの複合体を浸し、蒸発乾固させる含浸法が一般的であり、本発明においても同様に活性金属元素を含浸法によって担持してもよい。
さらに、上記触媒にアルミナなどを添加することによって、アルミナなどが前記本発明1〜3の触媒の障壁となり、製造時やシフト反応時に本発明1〜3の触媒粒子の成長又は焼結を抑制することができる。
触媒粉体を圧縮成型して触媒体とする方法が一般的であるが、この方法では粉化がおこりやすい。これに対し、安価なサポート材(シリカなどの成型体)の表面に前記本発明1〜5の触媒をコーティングすることによって、触媒の使用量を減らすことができ、より安価な触媒を作成できる。さらに、触媒層を容易に厚くでき、粉化も起こりにくい触媒成型体を得ることができる。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
触媒を構成する金属元素、ジルコニウム、マンガン、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、亜鉛、ランタン、ネオジウム、アルミニウム、鉄、Au,Ag,Cu,Pt,Pd,Ni,Ir,Rh,Co,Os,Ruの含有量は、該触媒を酸で溶解し、「プラズマ発光分光分析装置 SPS4000(セイコー電子工業(株))」で測定して求めた。
BET比表面積値は、窒素によるBET法により測定した。
相の同定は、X線回折測定で行った。X線回折装置は「X線回折装置RINT−2500(理学電機(株)製)」(管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:300mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サンプリング幅:0.020°、走査速度:2°/min、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受光スリット:0.50mm)を使用した。
実施例1
第一硫酸鉄、第二硫酸鉄及び二塩化マンガンに純水を加えて500mlとしてよく撹拌したものを溶液1−1とし、苛性ソーダを水に溶解し500mlとしたものを溶液1−2とする。なお、第一硫酸鉄と第二硫酸鉄との鉄のモル比は1:2とした。溶液1−2を60℃に加熱して攪拌しておき、そこに溶液1−1を投入し、80℃で3時間熟成した。得られた沈殿物を濾過、洗浄し、400℃で1時間焼成した。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
白金、鉄、マンガンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
XRD測定では、得られた触媒はFeに帰属され、格子定数のうちa軸長は8.3543Åであって後出する比較例1より増加しており、マンガン化合物に起因するピークもみられないことから、マンガンが固溶していることが確認された。
実施例2
二塩化マンガンの変わりに二塩化コバルトを使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、コバルトの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
XRD測定によって求めた触媒の格子定数のうちa軸長は、8.3486Åであって後出する比較例1より減少しており、コバルト化合物に起因するピークもみられないことから、コバルトが固溶していることが確認された。
実施例3
二塩化マンガンの変わりに四塩化チタンを使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
XRD測定によって求めた触媒の格子定数のうちa軸長は、8.3422Åであって後出する比較例1より減少しており、チタン化合物に起因するピークもみられないことから、チタンが固溶していることが確認された。
実施例4
二塩化マンガンの変わりに二塩化ニッケルを使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、ニッケルの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
XRD測定によって求めた触媒の格子定数のうちa軸長は、8.3434Åであって後出する比較例1より減少しており、ニッケル化合物に起因するピークもみられないことから、ニッケルが固溶していることが確認された。
実施例5
二塩化マンガンの変わりに二塩化亜鉛を使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、亜鉛の組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
XRD測定によって求めた触媒の格子定数のうちa軸長は、8.3491Åであって後出する比較例1より減少しており、亜鉛化合物に起因するピークもみられないことから、亜鉛が固溶していることが確認された。
実施例6
二塩化マンガンの変わりに四塩化チタンを、ジニトロジアンミン白金の変わりに硝酸ロジウムを使用して実施例1と同様に合成した。ロジウム、鉄、チタンのmol%は0.4:96.6:3であった。
実施例7
二塩化マンガンの変わりに四塩化チタンを、ジニトロジアンミン白金の変わりに硝酸パラジウムを使用して実施例1と同様に合成した。パラジウム、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
実施例8
二塩化マンガンの変わりに四塩化チタンを、ジニトロジアンミン白金の変わりに硝酸ルテニウムを使用して実施例1と同様に合成した。ルテニウム、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
実施例9
二塩化マンガンの変わりに四塩化チタンを使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.2:96.8:3であった。
実施例10
二塩化マンガンの変わりに四塩化チタンを使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.6:96.4:3であった。
実施例11
第一硫酸鉄、第二硫酸鉄及び二塩化マンガンに加えて四塩化チタンを使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、マンガン、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:1:2であった。
実施例12
第一硫酸鉄、第二硫酸鉄、二塩化コバルト及び四塩化チタンを使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、コバルト、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:1:2であった。
実施例13
第一硫酸鉄、第二硫酸鉄、二塩化ニッケル及び四塩化チタンを使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、ニッケル、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:1:2であった。
実施例14
第一硫酸鉄、第二硫酸鉄、二塩化亜鉛及び四塩化チタンを使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、亜鉛、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:1:2であった。
実施例15
組成比を変化させた以外は、実施例1と同様に合成した。白金、鉄、マンガンの組成比(モル比)は0.4:94.6:5であった。
実施例16
二塩化マンガンの変わりに二塩化コバルトを使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、コバルトの組成比(モル比)は0.4:94.6:5であった。
実施例17
二塩化マンガンの変わりに四塩化チタンを使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:94.6:5であった。
実施例18
二塩化マンガンの変わりに二塩化ニッケルを使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、ニッケルの組成比(モル比)は0.4:94.6:5であった。
実施例19
二塩化マンガンの変わりに二塩化亜鉛を使用して実施例1と同様に合成した。白金、鉄、亜鉛の組成比(モル比)は0.4:94.6:5であった。
実施例20
硝酸ロジウム、第一硫酸鉄、第二硫酸鉄及び四塩化チタンに純水を加えて500mlとしてよく撹拌したものを溶液2−1とし、苛性ソーダを水に溶解し500mlとしたものを溶液2−2とする。溶液1−2を60℃に加熱して攪拌しておき、そこに溶液2−1を投入し、80℃で3時間熟成した。得られた沈殿物を濾過、洗浄し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
ロジウム、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
実施例21
硝酸ルテニウム、第一硫酸鉄、第二硫酸鉄及び四塩化チタンに純水を加えて500mlとしてよく撹拌したものを溶液3−1とし、苛性ソーダを水に溶解し500mlとしたものを溶液4−2とする。溶液1−2を60℃に加熱して攪拌しておき、そこに溶液5−1を投入し、80℃で3時間熟成した。得られた沈殿物を濾過、洗浄し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
ルテニウム、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
実施例22
第一硫酸鉄と第二硫酸鉄との鉄のモル比を1:1とした以外は実施例3と同様に合成した。白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
実施例22
第一硫酸鉄と第二硫酸鉄との鉄のモル比を2:1とした以外は実施例3と同様に合成した。白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
比較例1
第一硫酸鉄及び第二硫酸鉄に純水を加えて500mlとしてよく撹拌したものを溶液4−1とし、苛性ソーダを水に溶解し500mlとしたものを溶液4−2とする。なお、第一硫酸鉄と第二硫酸鉄との鉄のモル比は1:2とした。溶液4−2を60℃に加熱して攪拌しておき、そこに溶液4−1を投入し、80℃で3時間熟成した。得られた沈殿物を濾過、洗浄し、400℃で1時間焼成した。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
白金、鉄の組成比(モル比)は0.4:99.6であった。
XRD測定によって求めた触媒の格子定数のうちa軸長は、8.3515Åであった。
比較例2
第一硫酸鉄及び第二硫酸鉄に純水を加えて500mlとしてよく撹拌したものを溶液5−1とし、苛性ソーダを水に溶解し500mlとしたものを溶液5−2とする。なお、第一硫酸鉄と第二硫酸鉄との鉄のモル比は1:2とした。溶液5−2を60℃に加熱して攪拌しておき、そこに溶液5−1を投入し、80℃で3時間熟成した。得られた沈殿物を濾過、洗浄し、400℃で1時間焼成し、その後チタニアを混合した。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
XRD測定によって求めた触媒の格子定数のうちa軸長は、8.3514Åであり比較例1と同等であった。
比較例3
第一硫酸鉄及び第二硫酸鉄に純水を加えて500mlとしてよく撹拌したものを溶液5−1とし、苛性ソーダを水に溶解し500mlとしたものを溶液5−2とする。なお、第一硫酸鉄と第二硫酸鉄との鉄のモル比は1:2とした。溶液5−2を60℃に加熱して攪拌しておき、そこに溶液5−1を投入し、80℃で3時間熟成した。得られた沈殿物を濾過、洗浄し、400℃で1時間焼成し、その後酸化コバルトを混合した。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
白金、鉄、コバルトの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
XRD測定によって求めた触媒の格子定数のうちa軸長は、8.3513Åであり比較例1と同等であった。
比較例4
γ−アルミナにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
白金、アルミの組成比(モル比)は0.4:99.6であった。
実施例24
白金、鉄、チタンのmol比を0.35:96.6:3とした以外は、実施例3と同様な方法で製造した触媒とシリカとを重量比が50:50となるようによく混合した。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
実施例25
白金、鉄、チタンのmol比を0.35:96.6:3とした以外は、実施例3と同様な方法で製造した触媒とチタニアとを重量比が50:50となるようによく混合した。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
実施例26
白金、鉄、チタンのmol比を0.35:96.6:3とした以外は、実施例3と同様な方法で製造した触媒とアルミナとを重量比が50:50となるようによく混合した。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。最終的な白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
実施例27
白金、鉄、チタンのmol比を0.35:96.6:3とした以外は、実施例3と同様な方法で製造した触媒とアルミナとを重量比が75:25となるようによく混合した。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
実施例28
白金、鉄、チタンのmol比を0.35:96.6:3とした以外は、実施例3と同様な方法で製造した触媒とアルミナとを重量比が25:75となるようによく混合した。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
実施例29
実施例3と同様な方法で製造した触媒とシリカとを重量比が50:50となるようによく混合した。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
比較例5
白金、鉄、チタンのmol比を0.35:96.6:3とした以外は、実施例3と同様な方法で製造した触媒とアルミナとを重量比が5:95となるようによく混合した。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
白金、鉄、チタンの組成比(モル比)は0.4:96.6:3であった。
これらの触媒を、1から2mmに整粒した。この触媒の触媒層を電気炉で加熱し、所定の温度でCOが33体積%、水蒸気が67体積%のガスを空間速度(GHSV)20000h−1で流通させた。このときの出口ガス組成をガスクロマトグラフで測定した。
各触媒について、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、鉄、マンガン、コバルト、チタン、ニッケル、亜鉛のmol%、比表面積、200℃においてのCO転化率を表1に示した。
また、本発明3の、本発明1又は2の触媒にアルミニウム、ジルコニウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、亜鉛、ランタン及びネオジウムの中から選ばれる1種または2種以上の元素からなる酸化物を前記触媒に対して、0.001〜900重量%添加し、Au,Ag,Cu,Pt,Fe,Pd,Ni,Ir,Rh,Co,Os,Ruの中から選ばれる1種または2種以上の金属元素を0.0001〜5.0重量%担持させた触媒のCO転化率を表2に示した。
なお、CO転化率が100%にならないのは、反応平衡に依存するからである。
Figure 0004715999
Figure 0004715999
表1に示すとおり、本発明に係る触媒はいずれも反応温度が200℃であっても、高いCO転化率を有するものであることが確認された。従って、低い反応温度でも高いCO転化率を有するものである。
本発明の触媒と構成元素の重量比が同じであっても、固溶体となっていなければ高い活性を示さない。
表2より、本発明の触媒とアルミナ等を混合した触媒は、高い活性を示す。
実施例30
実施例22の触媒を、水ガラス及びPVAと共にカイコウして20%スラリーとした。アルミナの成型体をこのスラリーに浸し、触媒成分を担持後、成型体をスラリーから引き上げ、余分なスラリーを吹き飛ばし、乾燥させ、400℃にて焼成を行った。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
比較例6
アルミナの成型体を塩化鉄、塩化チタン水溶液に浸し、鉄及びチタンを担持後、成型体をこの水溶液から引き上げ、乾燥させ、400℃にて焼成を行った。これにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いて、含浸法により白金を担持し、400℃で1時間焼成した後、200℃で水素還元を行った。
比較例6では、水溶液を浸透させるので、アルミナ成型体上の触媒層を厚くすることが難しく、粉化がおこりやすい。これに対し、実施例28ではアルミナ成型体の表面に触媒スラリーを塗布することで、触媒層を容易に厚くでき、粉化も起こりにくい触媒成型体を得ることができる。
一般的な触媒の成型方法である粉体に圧力をかけて成型する方法に比べ、実施例28では前者ほどの高価な装置や金型を必要とせず、比較的安価な装置で済み、焼結させることで、粉化が起こりにくい触媒を得ることができる。
本発明に係る触媒は、鉄及びmを含む酸化物の固溶体に活性金属元素を存在させ、必要より、更に、アルミナなどを混合した触媒は、従来の触媒と比べ水性ガスシフト反応をより効率よく行え優れた効果を奏する。また、本発明の触媒成型体の作成方法を用いることでより、実用的な触媒成型体を得ることができる。

Claims (10)

  1. 少なくとも鉄、m及び活性金属元素nからなる触媒で、鉄及びmが酸化物固溶体をなしており、mはMn,Co,Ti,Ni,Znの中から選ばれる1種または2種以上の元素であり、活性金属元素nはPt,Pd,Ir,Rh,Os,Ruの中から選ばれる1種または2種以上の活性金属元素であり、BET比表面積が50〜300m /gであることを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒。
  2. 前記請求項1記載の触媒中のm元素の含有量が、触媒中の元素の比で0.01〜20mol%であることを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒。
  3. 前記請求項1又は2記載の触媒を構成する活性金属元素nの存在量が0.001〜2mol%であることを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の触媒において、アルミニウム、ジルコニウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、亜鉛、ランタン及びネオジウムの中から選ばれる1種または2種以上の異種金属元素の酸化物を、触媒に対して1〜900重量%含有させたことを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の触媒において、アルミニウム、ジルコニウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、亜鉛、ランタン及びネオジウムの中から選ばれる1種又は2種以上の異種金属元素の酸化物を、触媒に対して1〜900重量%含有し、さらに、活性金属元素を0.0001〜2mol%担持させたことを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒。
  6. サポート材に、前記請求項1乃至5のいずれかに記載の触媒を存在させたことを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒体。
  7. サポート材に、前記請求項1乃至5のいずれかに記載の触媒を存在させ、更に、活性金属元素を0.0001〜2mol%担持させたことを特徴とする水性ガスシフト反応用の触媒体。
  8. アルカリ性溶液と、鉄、m及びnを含む溶液とを混合、熟成して得られる粒子を濾別、水洗した後、焼成することを特徴とする前記請求項1記載の水性ガスシフト反応用の触媒の製造方法。
  9. アルカリ性溶液と、鉄、m及びnを含む溶液とを混合、熟成して得られる粒子を濾別、水洗した後、活性金属元素nを担持させ、焼成することを特徴とする前記請求項1記載の水性ガスシフト反応用の触媒の製造方法。
  10. サポート材の表面にセラミックスを含むスラリーを塗布して焼成した後、請求項1乃至5のいずれかに記載の触媒を担持し、更に、活性金属元素を担持させることを特徴とする前記請求項6又は7記載の水性ガスシフト反応用の触媒体の製造方法。
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