JP2000266107A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

流体封入式防振装置

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JP2000266107A
JP2000266107A JP7044899A JP7044899A JP2000266107A JP 2000266107 A JP2000266107 A JP 2000266107A JP 7044899 A JP7044899 A JP 7044899A JP 7044899 A JP7044899 A JP 7044899A JP 2000266107 A JP2000266107 A JP 2000266107A
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orifice
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浩晃 堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第一のオリフィス通路と、それより低周波数
域にチューニングされた第二のオリフィス通路を、バル
ブ手段により選択的に機能せしめるようにした流体封入
式防振装置において、より広い周波数域の入力振動に対
する防振性能の向上を、コンパクトで簡単な構造をもっ
て実現すること。 【解決手段】 受圧室60と平衡室62の間に、第一の
オリフィス通路66と、それより低周波数域にチューニ
ングされた第二のオリフィス通路68を設けると共に、
第一のオリフィス通路66を連通/遮断するバルブ手段
102を設けた流体封入式防振装置10において、第一
のオリフィス通路66を通じての流体流動量を制限する
第一の流量制限手段76を、バルブ手段102よりも受
圧室60側に設けて、該第一のオリフィス通路66上に
おける第一の流量制限手段76とバルブ手段102の間
の領域を平衡室62に連通せしめる連通小孔120を形
成し、この連通小孔120を、第一のオリフィス通路6
6と第二のオリフィス通路68の中間周波数域にチュー
ニングした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に封入された流体の流動作
用を利用して防振効果を得るようにした流体封入式防振
装置に係り、特に複数のオリフィス通路を選択的に機能
せしめることにより、複数の異なる振動に対して有効な
防振効果を発揮し得る流体封入式防振装置に関するもの
である。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、
特開平8−21480号公報等に記載されているよう
に、入力振動によって弾性変形せしめられる本体ゴム弾
性体で壁部の一部が構成されて振動が入力される受圧室
と、変形容易な可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積
変化が許容される平衡室を形成し、それら受圧室と平衡
室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平
衡室をそれぞれ相互に連通する第一のオリフィス通路と
第二のオリフィス通路を設けて、第一のオリフィス通路
を第二のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニン
グすると共に、第一のオリフィス通路を連通状態と遮断
状態に切り換えるバルブ手段を設けた流体封入式防振装
置が、知られている。このような防振装置では、第一の
オリフィス通路を遮断せしめた状態下では、第二のオリ
フィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく
防振効果が発揮されると共に、第一のオリフィス通路を
連通せしめた状態下では、第一のオリフィス通路を流動
せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が発揮さ
れることから、第一及び第二のオリフィス通路がそれぞ
れチューニングされた複数の異なる振動に対して、何れ
も有効な防振効果を得ることが出来るのであり、それ
故、例えば、自動車用エンジンマウント等に適用し、第
一のオリフィス通路を走行こもり音等の高周波振動にチ
ューニングすると共に、第二のオリフィス通路をアイド
リング振動等の中周波数振動にチューニングすることに
よって、車両の走行時と停車時に入力される異なる振動
に対して、何れも有効な防振効果を得ることが可能とな
るのである。
【0003】ところで、自動車の特性や指向性等によっ
ては、エンジンマウント等に対してより高度な防振性能
が要求される場合があり、例えば、第一のオリフィス通
路による車両走行時のこもり音に対する防振効果を維持
しつつ、第一のオリフィス通路が遮断される車両停車時
において、アイドリング低次振動に対する防振効果と、
アイドリング高次振動に対する防振効果が、同時に要求
される場合がある。
【0004】ところが、上述の如き従来構造の防振装置
では、第二のオリフィス通路における流通抵抗が、チュ
ーニング周波数よりも高周波数域の振動入力時に著しく
大きくなるために、例えば、該第二のオリフィス通路を
アイドリング低次振動にチューニングすると、それより
も高周波数域となるアイドリング高次振動に対しては、
有効な防振効果を得ることが極めて難しいという問題が
あった。
【0005】なお、かかる問題に対処するために、例え
ば、第一及び第二のオリフィス通路に加えて、防振効果
が要求される更に別の周波数域にチューニングされたオ
リフィス通路を、追加して形成することも考えられる
が、新たなオリフィス通路を追加しようとすると、オリ
フィス通路の形成スペースの確保が難しく、また、互い
に異なるチューニングが施されて同時に開口せしめられ
た複数のオリフィス通路における流体流量を十分に確保
することが難しいという問題があり、必ずしも有効な方
策ではなかったのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、互いに異なる周波数域にチューニングされ
た第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路をバル
ブ手段で切り換えて、第一のオリフィス通路による防振
効果と第二のオリフィス通路による防振効果を選択的に
発揮せしめるようにした流体封入式防振装置において、
高周波側にチューニングされた第一のオリフィス通路に
よる防振効果を維持しつつ、該第一のオリフィス通路の
遮断状態下において、第二のオリフィス通路のチューニ
ング周波数域の入力振動だけでなく、それとは別の又は
広い周波数域の入力振動に対しても、有効な防振効果
が、簡単で且つコンパクトな構造をもって発揮され得る
ようにすることにある。
【0007】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本
発明の態様乃至は技術的特徴は、以下の記載のものに限
定されることなく、明細書全体および図面に記載の発明
思想に基づいて認識されるものであることが理解される
べきである。
【0008】本発明の第一の態様は、入力振動によって
弾性変形せしめられる本体ゴム弾性体で壁部の一部が構
成されて振動が入力される受圧室と、変形容易な可撓性
膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される平衡
室を形成し、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封
入すると共に、それら受圧室と平衡室をそれぞれ相互に
連通する第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路
を設けて、該第一のオリフィス通路を該第二のオリフィ
ス通路よりも高周波数域にチューニングすると共に、該
第一のオリフィス通路を連通状態と遮断状態に切り換え
るバルブ手段を設けた流体封入式防振装置において、前
記第一のオリフィス通路を通じての流体流動量を制限す
る第一の流量制限手段を、前記バルブ手段よりも前記受
圧室側に位置して設けると共に、該バルブ手段による該
第一のオリフィス通路の遮断状態下で、該第一のオリフ
ィス通路における該第一の流量制限手段と該バルブ手段
の間の領域を前記平衡室側に連通せしめる連通小孔を形
成し、該連通小孔を前記第一のオリフィス通路と前記第
二のオリフィス通路の中間周波数域にチューニングした
ことを、特徴とする。
【0009】このような第一の態様に係る流体封入式防
振装置においては、第一のオリフィス通路をバルブ手段
で連通/遮断することにより、第一のオリフィス通路の
連通状態下では、第二のオリフィス通路よりも流通抵抗
が小さい第一のオリフィス通路を通じての流体流動が積
極的に生ぜしめられて、第一のオリフィス通路のチュー
ニング周波数域の振動に対して、該第一のオリフィス通
路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果
が有効に発揮される一方、第一のオリフィス通路の遮断
状態下では、第二のオリフィス通路を通じての流体流動
が積極的に生ぜしめられて、該第二のオリフィス通路の
チューニング周波数域の振動に対して、該第二のオリフ
ィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく防
振効果が有効に発揮される。加えて、第一のオリフィス
通路をバルブ手段で遮断せしめた状態下では、第一のオ
リフィス通路における第一の流量制限手段とバルブ手段
の間の領域が、連通小孔を通じて、平衡室に連通される
ことにより、この連通小孔を通じての流体流動が許容さ
れた状態となる。そして、この連通小孔を通じて流動せ
しめられる流体の共振作用に基づいて、第二のオリフィ
ス通路よりも高周波数域の振動に対して有効な防振効果
が発揮されるのであり、その際、連通小孔を通じての流
体流動量が第一の流量制限手段で制限されることによっ
て、第二のオリフィス通路による防振効果も有効に維持
され得る。
【0010】従って、本態様に係る流体封入式防振装置
においては、例えば、第一のオリフィス通路を走行こも
り音等の高周波数域にチューニングすると共に、第二の
オリフィス通路をアイドリング低次の中周波数域にチュ
ーニングし、更に連通小孔をアイドリング高次の中〜高
周波数域にチューニングすることによって、車両走行時
には、第一のオリフィス通路を連通状態とし、該第一の
オリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基
づいて走行こもり音に対する有効な防振効果を得ること
が出来ると共に、車両停止時には、第一のオリフィス通
路を遮断状態とし、第二のオリフィス通路を流動せしめ
られる流体の共振作用に基づいてアイドリング低次振動
に対する有効な防振効果を得ると共に、連通小孔を流動
せしめられる流体の共振作用に基づいてアイドリング高
次振動に対する有効な防振効果を得ることが出来るので
ある。
【0011】特に、本態様では、第二のオリフィス通路
のチューニング周波数よりも高周波数域における防振効
果を得るための流体流路としての連通小孔が、第一のオ
リフィス通路やバルブ手段,第一の流量制限手段等を有
効利用して形成されることから、簡単で且つコンパクト
な構造をもって、複数のまたは広い周波数域の振動に対
して有効な防振効果を発揮し得る流体封入式防振装置が
有利に実現され得るのである。
【0012】なお、上述の如き第一の態様において、バ
ルブ手段は、第一のオリフィス通路を連通/遮断し得る
ものであれば良く、例えば、仕切弁やバタフライ弁,回
転弁の如き、各種構造の弁機構などが好適に採用され得
る。また、第一の流量制限手段としては、例えば、第一
のオリフィス通路の流体流動方向への小変位が許容され
た状態で配設されて、変位量の制限位置で該第一のオリ
フィス通路を閉塞する可動板体や、外周縁部を固定的に
支持されて配設され、弾性変形によって第一のオリフィ
ス通路を通じての流体流動を許容するゴム弾性板等が、
好適に採用され得る。
【0013】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、
前記バルブ手段により、前記第一のオリフィス通路と前
記第二のオリフィス通路を択一的に連通せしめるように
したことを、特徴とする。このような本態様において
は、第一のオリフィス通路の連通状態下、第二のオリフ
ィス通路が遮断されることにより、第二のオリフィス通
路を常時連通させておく場合に比して、第一のオリフィ
ス通路を通じての流体流動量が有利に確保され得て、第
一のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用
に基づく防振効果が一層有利に発揮され得る。
【0014】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置に
おいて、前記連通小孔を、前記バルブ手段による前記第
一のオリフィス通路の連通/遮断状態にかかわらず、常
時開口せしめたことを、特徴とする。このような本態様
においては、連通小孔の開閉手段を設ける必要がなく、
構造の更なる簡略化と作動の安定化が図られ得る。しか
も、連通小孔が単純な貫通孔として形成され得ることか
ら、連通小孔の形成が容易であると共に、連通小孔の形
成に際して、位置や長さ,断面積等の設定自由度が大き
く確保され得るといった利点もある。
【0015】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至第三の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防
振装置において、前記連通小孔を、前記第一及び第二の
オリフィス通路の流路断面積よりも小さな流路断面積
と、それら第一及び第二のオリフィス通路の流路長さよ
りも小さな流路長さで形成したことを、特徴とする。こ
のような本態様においては、第一及び第二のオリフィス
通路の特性に対する悪影響を回避しつつ、連通小孔のチ
ューニング周波数を、第一のオリフィス通路のチューニ
ング周波数より低く、且つ第二のオリフィス通路のチュ
ーニング周波数よりも高く、設定することが容易とな
る。
【0016】また、本発明の第五の態様は、前記第一乃
至第四の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防
振装置において、前記連通小孔を、前記第二のオリフィ
ス通路上に開口せしめて、前記第一のオリフィス通路に
おける前記第一の流量制限手段と前記バルブ手段の間の
領域を、該第二のオリフィス通路を通じて、前記平衡室
に連通せしめたことを、特徴とする。このような本態様
においては、第一及び第二のオリフィス通路や連通小孔
の流路長さや断面積等の設計自由度が有利に確保される
のであり、特に、第一及び第二のオリフィス通路の流路
長さや断面積を大きく設定しつつ、流路長さや断面積の
小さな連通小孔を、簡単で且つコンパクトな構造で形成
することが可能となる。
【0017】また、本発明の第六の態様は、前記第一乃
至第五の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防
振装置において、前記第二のオリフィス通路を通じての
流体流動量を制限する第二の流量制限手段を設けたこと
を、特徴とする。このような本態様においては、第一の
オリフィス通路の連通状態下、第二のオリフィス通路を
通じての流体流動量が、単に流体流動抵抗だけでなく、
第二の流量制限手段でも制限されることから、第一のオ
リフィス通路を通じての流体流動量が一層有利に確保さ
れ得て、第一のオリフィス通路による防振効果の向上が
図られ得る。また、第一のオリフィス通路の遮断状態下
では、第二のオリフィス通路を通じての流体流動量が第
二の流量制限手段で制限されることにより、第一のオリ
フィス通路を利用して形成された連通小孔を通じての流
体流動量も確保され易くなり、連通小孔による防振効果
の向上も図られ得るのである。なお、第二の流量制限手
段としては、第一の流量制限手段と同様、例えば、第二
のオリフィス通路の流体流動方向への小変位が許容され
た状態で配設されて、変位量の制限位置で該第二のオリ
フィス通路を閉塞する可動板体や、外周縁部を固定的に
支持されて配設され、弾性変形によって第二のオリフィ
ス通路を通じての流体流動を許容するゴム弾性板等が、
好適に採用され得る。
【0018】また、本発明の第七の態様は、前記第六の
態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、
前記第二の流量制限手段を、前記第二のオリフィス通路
上で、前記バルブ手段よりも前記平衡室側に位置せしめ
たことを、特徴とする。このような本態様においては、
バルブ手段に対して、第二の流量制限手段が、第一のオ
リフィス通路上に配された第一の流量制限手段とは反対
側に位置して配されることから、第一の流量制限手段お
よび第二の流量制限手段の配設スペースを有利に且つ効
率的に確保することが可能となる。
【0019】また、本発明の第八の態様は、前記第七の
態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、
前記第二の流量制限手段を、前記第二のオリフィス通路
上における前記平衡室側への開口部に変位可能に配設さ
れて、変位量が制限されることにより、該第二のオリフ
ィス通路を通じての流体流動量を制限する可動部材で構
成すると共に、該可動部材を、前記第一のオリフィス通
路における前記平衡室側への開口部にまで広がって、該
第一のオリフィス通路および該第二のオリフィス通路の
両開口部を一体的に覆うように配設したことを、特徴と
する。このような本態様においては、第一及び第二のオ
リフィス通路における平衡室側への各開口部の形成スペ
ースと、第二の流量制限手段の配設スペースを、共に効
率的に確保することが出来、全体として防振装置のコン
パクト化が可能となる。
【0020】また、本発明の第九の態様は、前記第一乃
至第八の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防
振装置において、前記受圧室と前記平衡室を相互に連通
する第三のオリフィス通路を、前記第一のオリフィス通
路および前記第二のオリフィス通路から独立して形成
し、該第三のオリフィス通路を該第二のオリフィス通路
よりも低周波数域にチューニングしたことを、特徴とす
る。このような本態様においては、第三のオリフィス通
路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、第二
のオリフィス通路による防振効果が発揮される周波数域
よりも更に低周波数域において有効な防振効果を得るこ
とが出来る。それ故、例えば、第一のオリフィス通路を
走行こもり音等の高周波数域にチューニングすると共
に、第二のオリフィス通路をアイドリング低次の中周波
数域にチューニングし、更に連通小孔をアイドリング高
次の中〜高周波数域にチューニングする一方、第三のオ
リフィス通路をシェイク等の低周波数域にチューニング
することによって、車両停止時(アイドリング状態)に
は、第二のオリフィス通路と連通小孔を流動せしめられ
る流体の共振作用に基づいてアイドリング低次と高次の
振動に対する防振効果を得ることが出来ると共に、車両
走行時には、第一のオリフィス通路を流動せしめられる
流体の共振作用に基づく、走行こもり音等の高周波振動
に対する防振効果と、第三のオリフィス通路を流動せし
められる流体の共振作用に基づく、シェイク等の低周波
振動に対する防振効果を、それぞれ有効に得ることが可
能となるのである。
【0021】なお、かかる第九の態様において、第三の
オリフィス通路を連通/遮断するバルブ手段を設けても
良いが、かかる第三のオリフィス通路は、第一のオリフ
ィス通路や第二のオリフィス通路の連通/遮断状態にか
かわらず、常時連通状態としても良く、その場合でも、
各通路の流通抵抗の差等によって、第二及び第三のオリ
フィス通路や連通小孔における流体流量も有利に確保さ
れ得る。また、第一のオリフィス通路を通じての流体流
動量は、第一の流量制限手段で制限されることから、第
一のオリフィス通路と第三のオリフィス通路を同時に連
通させても、第三のオリフィス通路を通じての流体流動
量も十分に確保することが可能であり、第一のオリフィ
ス通路の遮断状態下では、連通小孔と第三のオリフィス
通路における流体流動量が共に有利に確保され得る。
【0022】さらに、かかる第九の態様においては、前
記第六の態様を組み合わせて採用し、第二のオリフィス
通路を通じての流体流動量を制限する第二の流量制限手
段を設けた構成が、好適に採用される。このような構成
に従えば、第一のオリフィス通路を遮断して、第二及び
第三のオリフィス通路を連通せしめた状態下、流通抵抗
が小さい第二のオリフィス通路と連通小孔を通じての流
体流動量が、第二の流量制限手段と第一の流量制限手段
でそれぞれ制限されて、第三のオリフィス通路を通じて
の流体流動量が有利に確保される。その結果、それら第
二のオリフィス通路と第三のオリフィス通路、更に連通
小孔による防振効果が、互いに異なる周波数域の振動に
対して有効に発揮され得るのである。具体的には、例え
ば、第三のオリフィス通路をアイドリング1次振動の周
波数域にチューニングすると共に、第二のオリフィス通
路をアイドリング3次振動の周波数域にチューニング
し、更に連通小孔をアイドリング6次振動の周波数域に
チューニングすることによって、車両停止時(アイドリ
ング状態)には、第三のオリフィス通路と第二のオリフ
ィス通路および連通小孔を流動せしめられる流体の共振
作用に基づいて、アイドリング低次〜高次に亘る広い周
波数域のアンドリング振動に対して、有効な防振効果を
得ることが可能となるのである。
【0023】また、本発明の第十の態様は、振動入力方
向に離間して配された第一の取付部材と第二の取付部材
を前記本体ゴム弾性体で連結し、該第二の取付部材によ
って支持された仕切部材を挟んで一方の側に前記受圧室
を形成すると共に、他方の側に前記平衡室を形成する一
方、該仕切部材において、前記第一のオリフィス通路
を、前記受圧室と前記平衡室の対向方向に直線的に貫通
して形成すると共に、前記第二のオリフィス通路を、該
第一のオリフィス通路に直交して交差する方向に形成
し、該第一のオリフィス通路と該第二のオリフィス通路
の交差点に前記バルブ手段を配設して、それら第一のオ
リフィス通路と第二のオリフィス通路を該バルブ手段で
択一的に連通せしめるようにする一方、前記第三のオリ
フィス通路を、該仕切部材の外周部分を周方向に延びる
ように形成したことを、特徴とする。
【0024】このような本態様においては、高周波数域
にチューニングされた第一のオリフィス通路とそれより
も低い周波数域にチューニングされた第二のオリフィス
通路が、優れたスペース効率をもって形成され得ると共
に、それら第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通
路を択一的に連通せしめるバルブ手段も、優れたスペー
ス効率をもって組み付けることが出来る。特に、本態様
においては、バルブ手段として、ロータリ弁等の回転バ
ルブが好適に採用され、それによって、バルブ手段の配
設スペースの更なる効率化が可能となる。また、本態様
においては、連通小孔を、第一のオリフィス通路上でバ
ルブ手段よりも受圧室側に位置する部分と、第二のオリ
フィス通路上でバルブ手段よりも平衡室側に位置する部
分の間に跨がって形成した構成が好適に採用され、それ
によって、流体流路の全体をコンパクトに形成すること
が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0026】先ず、図1〜4には、本発明の一実施形態
としての自動車用エンジンマウント10が示されてい
る。このエンジンマウント10は、第一の取付部材とし
ての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二
の取付金具14が、互いに離間して対向配置されている
と共に、対向面間に介装された本体ゴム弾性体16によ
って弾性的に連結されている。そして、かかるエンジン
マウント10は、第一の取付金具12と第二の取付金具
14において、それらの一方がパワーユニット側に、他
方がボデー側に、それぞれ固定的に取り付けられること
によって、パワーユニットをボデーに対して防振支持せ
しめるようになっている。また、そのような装着状態
下、このエンジンマウント10には、第一の取付金具1
2と第二の取付金具14の略対向方向である図1中の略
上下方向にパワーユニット重量が及ぼされて、第一の取
付金具12と第二の取付金具14が互いに接近する方向
に本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられると共に、
それら第一の取付金具12と第二の取付金具14の略対
向方向に、防振すべき主たる振動が入力される。なお、
以下の説明中、上下方向とは、原則として図1中の上下
方向をいう。
【0027】より詳細には、第一の取付金具12は、略
円板形状を有しており、その外周縁部には、周上の一箇
所において、径方向外方に突出して第二の取付金具14
側に向かって屈曲して延び出し、先端部分が鉤状に屈曲
されたストッパ突部18が一体形成されている。また、
第一の取付金具12の下面中央には、略カップ形状の支
持金具20が、開口部において重ね合わされて溶着され
ている。更にまた、第一の取付金具12の中央には、上
方に向かって突出する取付ボルト22が固設されてお
り、この取付ボルト22によって、第一の取付金具12
が、図示しない自動車のパワーユニットに取り付けられ
るようになっている。
【0028】一方、第二の取付金具14は、大径の略円
筒形状を有する筒金具24と、大径浅底の略有底円筒形
状を有する底金具26によって形成されている。筒金具
24は、軸方向上端部が上方に向かって拡径するテーパ
部28とされている一方、軸方向下端部には、径方向外
方に広がる段差部30が形成されていると共に、該段差
部30の外周縁部から軸方向下方に延びる大径筒状のか
しめ部32が一体形成されている。また、筒金具24に
おけるテーパ部28の開口周縁部には、周上の一箇所に
おいて、径方向外方に突出して補強金具34で補強され
た当接突部36が一体形成されている。また一方、底金
具26の開口周縁部には、径方向外方に広がるフランジ
状部38が一体形成されている。そして、筒金具24の
下側開口部に底金具26が重ね合わされて、底金具26
のフランジ状部38に対して、筒金具24のかしめ部3
2がかしめ固定されており、以て、第二の取付金具14
が、全体として深底の略有底円筒形状をもって形成され
ている。なお、底金具26の底部中央には、下方に向か
って突出する取付ボルト40が固設されており、この取
付ボルト40によって、第二の取付金具14が、図示し
ない自動車のボデーに取り付けられるようになってい
る。
【0029】そして、第二の取付金具14が、軸方向上
方に向かって開口するように配設されていると共に、こ
の第二の取付金具14の開口部側に離間して、第一の取
付金具12が、第二の取付金具14と略同一中心軸上に
配設されている。而して、これら第一の取付金具12と
第二の取付金具14の間に本体ゴム弾性体16が配設さ
れており、この本体ゴム弾性体16によって、第一の取
付金具12と第二の取付金具14が弾性的に連結されて
いる。かかる本体ゴム弾性体16は、全体として略円錐
台形状を有しており、その小径側端面に第一の取付金具
12が重ね合わされ、支持金具20が小径側端面から差
し込まれて埋入された状態で、それら第一の取付金具1
2と支持金具20が本体ゴム弾性体16に加硫接着され
ている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面
には、第二の取付金具14を構成する筒金具24におけ
るテーパ部28の内周面が重ね合わされて加硫接着され
ている。要するに、本実施形態では、本体ゴム弾性体1
6が、第一の取付金具12および支持金具20と筒金具
24を備えた一体加硫成形品として形成されており、筒
金具24の軸方向上側の開口部が、本体ゴム弾性体16
によって流体密に閉塞されているのである。
【0030】なお、かかる一体加硫成形品において、第
一の取付金具12側における支持金具20のテーパ付外
周面と、第二の取付金具14側における筒金具24のテ
ーパ部28は、離間して対向する略平行面とされてお
り、それらの対向面間に本体ゴム弾性体16が介在され
ることにより、パワーユニット重量等の荷重が本体ゴム
弾性体16に対して圧縮力として有効に作用せしめられ
るようにされている。また、かかる一体加硫成形品にお
いて、本体ゴム弾性体16の大径側端面には、大径凹所
42が形成されて、筒金具24内に開口せしめられてい
ると共に、筒金具24の内周面には、略全面に亘って広
がる薄肉のシールゴム層42が、本体ゴム弾性体16と
一体的に形成されている。更にまた、第二の取付金具1
4の当接突部36の表面には、緩衝ゴム44が形成され
ていると共に、この当接突部36を覆うように、第一の
取付金具12のストッパ突部18が位置合わせされてい
る。そして、入力される振動荷重等によって第一の取付
金具12と第二の取付金具14が、大きく相対変位せし
められた際、ストッパ突部18が、緩衝ゴム44を介し
て、当接突部36に当接せしめられることによって、そ
れら第一の取付金具12と第二の取付金具14の相対変
位量、ひいては本体ゴム弾性体16の弾性変形量を制限
するストッパ機能が発揮されるようになっている。
【0031】さらに、かかる一体加硫成形品には、筒金
具24の軸方向下側開口部から仕切部材46と、可撓性
膜としてのダイヤフラム48が、順次、挿入されて嵌め
込まれ、第二の取付金具14に対して固定的に組み付け
られている。仕切部材46は、金属や合成樹脂等の硬質
材で形成されており、筒金具24よりも僅かに小径の略
円形ブロック形状を有している。また、仕切部材46に
おける軸方向下端の外周縁部には、軸方向下方に向かっ
て円筒状に延び出し、その突出先端部が径方向外方に屈
曲されることにより、フランジ状部50が一体形成され
ている。そして、この仕切部材46は、筒金具24に挿
入されて、外周面がシールゴム層42を介して筒金具2
4に密着されていると共に、フランジ状部50が、筒金
具24の段差部30に重ね合わされて、底金具26のフ
ランジ状部38と共にかしめ部32でかしめ固定される
ことにより、第二の取付金具14に対して固定的に取り
付けられている。また、ダイヤフラム48は、変形容易
な薄肉のゴム膜で形成されており、中央部分には、容易
に変形するように弛みをもたせてあると共に、外周縁部
には、略円環板形状の固定金具52が加硫接着されてい
る。そして、このダイヤフラム48は、筒金具24に挿
入されて、固定金具52が、筒金具24の段差部30に
重ね合わされ、底金具26のフランジ状部38と共にか
しめ固定されることにより、第二の取付金具14の下側
開口部を流体密に覆蓋する状態で取り付けられている。
なお、固定金具52の表面には、第二の取付金具14に
よるかしめ固定部位を流体密にシールするシールゴム層
53が形成されている。
【0032】これにより、筒金具24の両側開口部が、
本体ゴム弾性体16とダイヤフラム48で流体密に覆蓋
されて、内部に非圧縮性流体が封入された流体室54が
形成されている。なお、封入される非圧縮性流体として
は、例えば水やアルキレングリコール,ポリアルキレン
グリコール,シリコーン油等が採用され得、特に後述す
る流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るため
に、0.1Pa・s以下の低粘性流体が好適に採用され
る。また、非圧縮性流体の注入は、例えば、一体加硫成
形品に対する仕切部材46とダイヤフラム48の組付け
を流体中で行うことによって、流体室54の形成と同時
に行うことも可能であるが、本実施形態では、一体加硫
成形品に対する仕切部材46およびダイヤフラム48の
組付けを大気中に行った後、ダイヤフラム48に加硫接
着された固定金具52に穿孔された注入孔56を通じて
非圧縮性流体を流体室54に注入し、その後、該注入孔
56をブラインドリベット58で封止することによっ
て、非圧縮性流体が充填されている。
【0033】また、かかる流体室54は、筒金具24の
軸方向中間部分に配された仕切部材46によって流体密
に二分されており、以て、仕切部材46の上側には、壁
部の一部が本体ゴム弾性体16で構成された受圧室60
が形成されている一方、仕切部材46の下側には、壁部
の一部がダイヤフラム48で構成された平衡室62が形
成されている。即ち、受圧室60は、第一の取付金具1
2と第二の取付金具14の間への振動入力時に、本体ゴ
ム弾性体16の弾性変形に基づいて振動が入力されて圧
力変化が生ぜしめられる一方、平衡室62は、ダイヤフ
ラム48の変形によって容積変化が容易に許容されるこ
とにより圧力変化が吸収,回避されるようになっている
のである。なお、ダイヤフラム48を挟んで平衡室62
と反対側には、ダイヤフラム48と底金具26の間に位
置して、ダイヤフラム48の変形を許容する空気室64
が形成されている。
【0034】さらに、受圧室60と平衡室62を仕切る
仕切部材46には、それら受圧室60と平衡室62を相
互に連通して両室60,62間での流体流動を許容する
第一のオリフィス通路66と第二のオリフィス通路6
8,第三のオリフィス通路70が、互いに実質的に独立
して形成されている。そして、振動入力時に受圧室60
と平衡室62の間に生ぜしめられる圧力差に基づいて、
各オリフィス通路66,68,70を通じての流体流動
が生ぜしめられることにより、各オリフィス通路66,
68,70のチューニングに応じた周波数域の入力振動
に対して、流体の共振作用に基づく防振効果が発揮され
るようになっている。
【0035】詳細には、先ず、仕切部材46の上面およ
び下面の中央部分には、上凹所72および下凹所74が
形成されていると共に、仕切部材46の上面には、薄肉
円板形状の蓋金具78が重ね合わされて、上凹所72が
覆蓋されている。なお、蓋金具78には、上凹所72を
受圧室60に開口せしめる開口窓80,80が形成され
ている。また、上凹所72には、第一の流量制限手段と
しての第一のゴム膜76が配設されており、厚肉の外周
縁部が、凹所72の底面と蓋金具78の間で挟持される
ことにより、該第一のゴム膜76の中央部分が、上凹所
72内で弾性変形可能に配設されている。これにより、
上凹所72内が、第一のゴム膜76によって、底部側と
開口部側とに流体密に二分されていると共に、該第一の
ゴム膜76の上面に対して、受圧室60の内圧が、開口
窓80,80を通じて及ぼされるようになっている。
【0036】また一方、下凹所74には、第二の流量制
限手段としての第二のゴム膜82が配設されている。こ
の第二のゴム膜82は、外周縁部に略環状の固定板金具
84が加硫接着されており、該固定板金具84が下凹所
74の底面に重ね合わされて固定ボルト85で固着され
ることにより、第二のゴム膜82が、下凹所74の底面
から所定距離だけ離間して該下凹所74の開口を流体密
に覆う状態で、固定板金具84で支持されている。そし
て、かかる配設状態下、第二のゴム膜82は、弾性変形
が許容されていると共に、その下面が、平衡室62に直
接に晒されている。
【0037】ここにおいて、本実施形態では、第一のゴ
ム膜76の中央部分が、厚肉化されて、仕切部材46の
上凹所72の底面と蓋金具78に略当接され変位規制さ
れていると共に、第一のゴム膜76よりも第二のゴム膜
82の方が、肉厚寸法が小さく、且つ自由長が大きくさ
れている。これにより、第一のゴム膜76よりも第二の
ゴム膜82の方が、ばね定数が小さく、容易に弾性変形
が許容されるようになっている。また、これら第一のゴ
ム膜76および第二のゴム膜82は、主にそれ自身のば
ね剛性によって、変形に伴う変位量が制限されるように
なっており、第一のゴム膜76よりも第二のゴム膜82
には、大きな変位量が許容され得るようになっている。
【0038】また、仕切部材46には、中心軸上を略矩
形断面をもって直線的に延びる軸方向孔86が形成され
ており、該軸方向孔86の両側が、上凹所72と下凹所
74の各中央に開口せしめられている。これにより、軸
方向孔86と上下凹所72,74を含んで、受圧室60
と平衡室62の間に跨がって延び、第一及び第二のゴム
膜76,82の弾性変形に基づいて、それら両室60,
62間での流体流動を許容する第一のオリフィス通路6
6が形成されている。特に、本実施形態では、かかる第
一のオリフィス通路66が、その内部を流動せしめられ
る流体の共振作用に基づいて、走行こもり音等の高周波
振動に対して有効な防振効果を発揮し得るようにチュー
ニングされている。なお、かかるチューニングは、例え
ば、受圧室60や平衡室62の壁ばね剛性と、第一及び
第二のゴム膜76,82のばね剛性、封入流体の密度等
を考慮して、軸方向孔86の断面積:A1と長さ:L1
の比:A1/L1を調節することによって、行うことが
出来る。また、第一のオリフィス通路66を通じての流
体流動量は、第一及び第二のゴム膜76,82の弾性、
特にばね定数が大きい第一のゴム膜76の弾性によっ
て、制限されるようになっている。
【0039】更にまた、仕切部材46には、軸方向中間
部分を直径方向に向かって略矩形断面で直線的に延びる
径方向孔90が形成されており、該径方向孔90の両端
開口が筒金具24で流体密に覆蓋されていると共に、該
径方向孔90の径方向両端部近くには、径方向孔90か
ら分岐して軸方向に延びる接続孔92,94が形成され
ている。そして、径方向孔90の一方の端部側が、接続
孔92を通じて、蓋金具78に開口形成された窓部96
から受圧室60に開口されていると共に、径方向孔90
の他方の端部側が、接続孔94を通じて、下凹所74に
開口せしめられている。これにより、径方向孔90と接
続孔92,94および下凹所74を含んで、受圧室60
と平衡室62の間に跨がって延び、第二のゴム膜82の
弾性変形に基づいて、それら両室60,62間での流体
流動を許容する第二のオリフィス通路68が形成されて
いる。特に、本実施形態では、かかる第二のオリフィス
通路68が、その内部を流動せしめられる流体の共振作
用に基づいて、例えばアイドリング低次振動に対して有
効な防振効果を発揮し得るようにチューニングされてい
る。なお、かかるチューニングは、第一のオリフィス通
路66と同様、例えば、受圧室60や平衡室62の壁ば
ね剛性と、第二のゴム膜82のばね剛性、封入流体の密
度等を考慮して、径方向孔90や接続孔92,94の断
面積:A2と長さ:L2の比:A2/L2を調節するこ
とによって、行うことが出来る。また、第二のオリフィ
ス通路68を通じての流体流動量は、第二のゴム膜82
の弾性によって、制限されるようになっている。
【0040】また、仕切部材46においては、第一のオ
リフィス通路66と第二のオリフィス通路68が、各通
路長さ方向略中央部分で互いに直交して交差しており、
この交差点上を、それら第一及び第二のオリフィス通路
66,68の何れとも直交する径方向に、仕切部材46
を貫通して直線的に延びるバルブ装着孔100が形成さ
れている。そして、このバルブ装着孔100に対して、
バルブ手段としてのロータリバルブ本体102が挿入さ
れて組み付けられている。このロータリバルブ本体10
2は、中空円筒形状を有しており、バルブ装着孔100
に嵌め込まれて、バルブ装着孔100に圧入されたバル
ブ押え板103で抜け出し不能に、且つ中心軸回りに回
動可能に組み付けられている。また、ロータリバルブ本
体102の筒壁部には、径方向一方向で対向位置する部
分を内外に貫通する略矩形状の連通孔104,104が
形成されており、ロータリバルブ本体102の回動位置
に応じてこれらの連通孔104,104が、バルブ装着
孔100の内周面における軸方向孔86の開口部と、径
方向孔90の開口部との、何れかに択一的に位置合わせ
されて連通せしめられるようになっている。
【0041】さらに、ロータリバルブ本体102には、
軸方向一方の側に延びる駆動軸105が一体形成されて
おり、この駆動軸105が、仕切部材46を貫通して外
周面に突設されている。また、ステッピングモータ10
6が、第二の取付金具14の外部に配設されて、ブラケ
ット108を介して、筒金具24に固着されており、こ
のステッピングモータ106の出力軸110が、筒金具
24に設けられた挿通窓111を通じて挿入されて、ロ
ータリバルブ本体102の駆動軸105に連結されてい
る。これにより、ロータリバルブ本体102が、ステッ
ピングモータ106で回動せしめられて、第一のオリフ
ィス通路66を連通し且つ第二のオリフィス通路68を
遮断する回動位置と、第二のオリフィス通路68を連通
し且つ第一のオリフィス通路66を遮断する回動位置と
に、択一的に位置決めされるようになっている。なお、
ステッピングモータ106の作動は、防振すべき振動の
入力状態に応じて、例えば、自動車の走行状態に対応し
た信号(例えば、速度信号やシフトポジション信号等)
に基づいて制御されることとなる。
【0042】また、仕切部材46には、上面に開口して
外周部分を周方向に一周弱の長さで延びる凹溝112が
設けられており、この凹溝112が蓋金具78で覆蓋さ
れると共に、該凹溝112の周方向一端部が、蓋金具7
8に貫設された連通孔114を通じて受圧室60に開口
されている一方、該凹溝112の周方向他端部が、仕切
部材46の軸方向に貫設された接続孔116を通じて、
平衡室62に開口せしめられている。これにより、凹溝
112と連通孔114,接続孔116を含んで、受圧室
60と平衡室62の間に跨がって延び、それら両室6
0,62間での流体流動を許容する第三のオリフィス通
路70が形成されている。なお、この第三のオリフィス
通路70は、本実施形態では、常時、連通状態で形成さ
れている。
【0043】特に、本実施形態では、かかる第三のオリ
フィス通路70が、その内部を流動せしめられる流体の
共振作用に基づいて、例えばシェイク振動に対して有効
な防振効果を発揮し得るようにチューニングされてい
る。特に、本実施形態では、シェイク振動とアイドリン
グ1次振動が近い周波数域に存在することを考慮し、か
かる第三のオリフィス通路70が、その内部を流動せし
められる流体の共振作用に基づいて、シェイク振動に対
する減衰効果を発揮し得ると共に、アイドリング1次振
動に対しても低動ばねによる振動絶縁効果を発揮し得る
ように、チューニングされている。なお、かかるチュー
ニングは、第一及び第二のオリフィス通路66,68と
同様、例えば、受圧室60や平衡室62の壁ばね剛性
と、封入流体の密度等を考慮して、凹溝112や連通孔
114,接続孔116の断面積:A3と長さ:L3の
比:A3/L3を調節することによって、行うことが出
来る。
【0044】加えて、仕切部材46には、第一のオリフ
ィス通路66を構成する上凹所72の底壁部を軸方向に
直線的に貫通して延び、第一のゴム膜76で覆蓋された
上凹所の内部を、第二のオリフィス通路68を構成する
径方向孔90上に直接に連通せしめる連通小孔120が
形成されている。即ち、径方向孔90は、上凹所72の
下方を横切るように形成されており、それら上凹所72
と径方向孔90の隔壁部分に対して、連通小孔120が
形成されているのである。また、第二のオリフィス通路
68上における連通小孔120の開口は、バルブ装着孔
100よりも平衡室62側に位置せしめられている。こ
れにより、連通小孔120によって、第一のオリフィス
通路66におけるロータリバルブ本体102の配設位置
よりも受圧室60側と、第二のオリフィス通路68にお
けるロータリバルブ本体102の配設位置よりも平衡室
62側とが、常時連通されている。
【0045】従って、ロータリバルブ本体102で第一
のオリフィス通路66を遮断し、第二のオリフィス通路
68を連通せしめた状態下においても、第一のオリフィ
ス通路66の上凹所72が、連通小孔120を通じ、第
二のオリフィス通路68の一部を利用して、下凹所74
内に連通されている。そして、振動入力時に、受圧室6
0と平衡室62の圧力差により、第二のオリフィス通路
68を通じての流体流動と共に、第一及び第二のゴム膜
76,82の弾性変形に基づいて、連通小孔120を通
じての流体流動も生ぜしめられるようになっている。
【0046】ここにおいて、かかる連通小孔120は、
第一のオリフィス通路66と第二のオリフィス通路68
の中間の周波数域にチューニングされており、特に本実
施形態では、連通小孔120の内部を通じて流動せしめ
られる流体の共振作用に基づいて、アイドリング6次等
のアイドリンク高次振動に対して有効な防振効果が発揮
されるように、チューニングされている。なお、かかる
チューニングは、第一及び第二のオリフィス通路66,
68と同様、例えば、受圧室60や平衡室62の壁ばね
剛性と、第一及び第二のゴム膜76,82のばね剛性や
封入流体の密度等を考慮して、連通小孔120の断面
積:A4と長さ:L4の比:A4/L4を調節すること
によって、行うことが出来る。また、連通小孔120を
通じての流体流動量は、第一及び第二のゴム膜76,8
2の弾性、特にばね定数が大きい第一のゴム膜76の弾
性によって、制限されるようになっている。即ち、第二
のオリフィス通路68と連通小孔120の両方が連通状
態とされた場合には、流通抵抗が小さい連通小孔120
を通じての流体流動量が第一のゴム膜76で制限される
ことにより、第二のオリフィス通路68を通じての流体
流動量も十分に確保されるようになっているのである。
【0047】従って、上述の如き構造とされたエンジン
マウント10においては、ロータリバルブ本体102の
回動位置を切り換えることによって、マウント防振特性
を変更することが出来るのである。具体的には、車両走
行状態下では、ロータリバルブ本体102を、図示され
ている如き、第一のオリフィス通路66を連通し、且つ
第二のオリフィス通路68を遮断する回動位置に保持せ
しめる一方、車両停止(アイドリング)状態下では、ロ
ータリバルブ102を、図示された位置から90度だけ
回動させて、第二のオリフィス通路68を連通し、且つ
第一のオリフィス通路66を遮断する回動位置に保持せ
しめる。
【0048】それにより、車両走行状態下では、第一の
オリフィス通路66を流動せしめられる流体の共振作用
に基づいて、走行こもり音等の高周波振動に対して有効
な防振効果(振動絶縁効果)が発揮されると共に、第三
のオリフィス通路70を流動せしめられる流体の共振作
用に基づいて、シェイク等の低周波振動に対して有効な
防振効果(減衰効果)が発揮されるのである。なお、第
一のオリフィス通路66よりも第三のオリフィス通路7
0の方が流体流動抵抗が大きいが、第一及び第二のゴム
膜76,82で第一のオリフィス通路66の流体流量が
制限されることにより、第三のオリフィス通路70を通
じての流体流量も有利に確保され得る。
【0049】また一方、車両停止状態下では、受圧室6
0と平衡室62の間において、第三のオリフィス通路7
0と第二のオリフィス通路68および連通小孔120
の、三つの流体流路を通じての流体流動が許容される。
また、第三のオリフィス通路70よりも流体流動抵抗が
小さい第二のオリフィス通路68を通じての流体流量が
第二のゴム膜82で制限されると共に、第二のオリフィ
ス通路68よりも更に流体流動抵抗が小さい連通小孔1
20を通じての流体流量が第一及び第二のゴム膜76,
82でより小さく制限されることにより、それら第三の
オリフィス通路70と第二のオリフィス通路68および
連通小孔120の、三つの流体流路における流体流動量
が、何れも有利に確保され得ることとなる。
【0050】その結果、第三のオリフィス通路70を流
動せしめられる流体の共振作用に基づいて、アイドリン
グ1次振動等のアイドリング低周波振動に対して有効な
防振効果が発揮されると共に、第二のオリフィス通路6
8を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、アイ
ドリング3次振動等のアイドリング中周波振動に対して
有効な防振効果が発揮されるのであり、更に、連通小孔
120を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、
アンドリング6次振動等のアイドリング高周波振動に対
して有効な防振効果が発揮されるのである。それ故、こ
れら三つの流体流路による防振効果が何れも有効に発揮
されることにより、極めて広い周波数域に亘る振動に対
して、優れた防振効果を安定して得ることが出来るので
ある。
【0051】また、上述の如き構造とされたエンジンマ
ウント10においては、連通小孔120を含む流体流路
が、第三のオリフィス通路70を構成する上凹所72や
第一のゴム膜76等を利用して形成されていることに加
えて、連通小孔120が、特定の相対位置構造をもって
形成された第一のオリフィス通路66と第二のオリフィ
ス通路68を短絡する構造をもって形成されているこ
と、更に、第一のオリフィス通路66と第二のオリフィ
ス通路68が交差する形態をもって形成されて、それら
の交差点上にロータリバルブ本体102が配設されてい
ること等によって、第一,第二及び第三のオリフィス通
路66,68,70と連通小孔120が、コンパクトで
且つ簡単な構造をもって有利に形成されているのであ
る。
【0052】更にまた、かかるエンジンマウント10に
おいては、仕切部材46の上面側に第一のゴム膜76が
配設されていると共に、仕切部材46の下面側に第二の
ゴム膜82が配設されていることから、それら第一及び
第二のゴム膜76,82の厚さや面積(自由長)等を、
仕切部材46の大型化等を伴うことなく、有利に確保す
ることが出来、チューニング自由度とコンパクト化の両
立が有利に図られ得る。
【0053】以上、本発明の実施形態について、詳述し
てきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、
かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、
限定的に解釈されるものでない。
【0054】例えば、第一,第二及び第三のオリフィス
通路66,68,70や連通小孔120は、要求される
防振特性等に応じて、長さや断面積等を含む形状や構造
を適宜に変更されるものであり、決して前記実施形態の
ものに限定されるものでない。
【0055】また、連通小孔は、第一のオリフィス通路
66の遮断状態下で形成されれば良く、例えば、第二の
オリフィス通路68を介することなく、かかる連通小孔
を、直接に、下凹所74内や平衡室62に開口,連通さ
せても良い。
【0056】或いは、ロータリバルブ本体102を中実
ロッド形状とすると共に、第一のオリフィス通路66を
連通せしめる接続孔と直交する径方向に延びる小径の貫
通小孔を形成し、第一のオリフィス通路66のロータリ
バルブ本体102による遮断状態下で、該ロータリバル
ブ本体102に形成された貫通小孔により、第一のオリ
フィス通路66上に連通小孔を発現せしめるようにする
ことも可能である。なお、その場合には、第二のオリフ
ィス通路68をロータリバルブ本体102で遮断せしめ
た状態下で、第二のオリフィス通路68上に連通小孔が
形成されないように、第一のオリフィス通路66と第二
のオリフィス通路68をロータリバルブ本体102の軸
方向にずらせて交差しないようにし、ロータリバルブ本
体102に対して、第一のオリフィス通路66を連通/
遮断するための接続孔と、第二のオリフィス通路68を
連通/遮断するための接続孔を、互いに軸方向にずらせ
て独立して形成することが望ましい。
【0057】また、第三のオリフィス通路70や、第二
のゴム膜82等は、何れも、マウントに要求される防振
特性等に応じて採用されるものであり、必ずしも設ける
必要はない。
【0058】更にまた、第二のオリフィス通路68は、
必ずしもバルブ手段で開閉される必要はなく、常時、連
通状態とされていても良い。特に、第三のオリフィス通
路70を形成しない場合や、本実施形態の如く第二のオ
リフィス通路68を通じての流体流動量を制限する第二
のゴム膜82を採用する場合には、第二のオリフィス通
路68を、第一のオリフィス通路66と択一的に連通し
なくても、各流体流路によって或る程度の防振効果を得
ることが可能である。
【0059】さらに、前記実施形態では、第一の取付金
具12と第二の取付金具14が、振動入力方向一方向に
離間して対向位置せしめられると共に、それらの対向面
間に本体ゴム弾性体16が介装された構造の防振装置に
対して、本発明を適用したものの一具体例を示したが、
その他、本発明は、軸部材と、該軸部材の径方向外方に
離間して配された外筒部材を、それらの径方向対向面間
に介在せしめた本体ゴム弾性体で弾性連結せしめた構造
を有し、FF型自動車用エンジンマウント等に好適に用
いられる流体封入式の筒型マウントに対しても、適用可
能である。
【0060】加えて、前記実施形態では、本発明を自動
車用エンジンマウントに適用したものの一具体例を示し
たが、その他、本発明は、自動車用ボデーマウントやデ
フマウント等、或いは自動車以外の各種装置等における
防振装置に対して、何れも、同様に適用可能であること
は、勿論である。
【0061】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0062】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、互
いに異なる周波数域にチューニングされた第一のオリフ
ィス通路と第二のオリフィス通路によるそれぞれの防振
効果を、何れも、十分に確保しつつ、それら第一のオリ
フィス通路と第二のオリフィス通路の中間の周波数域に
チューニングされて、第一のオリフィス通路の遮断状態
下で機能せしめられる連通小孔を、第一のオリフィス通
路を有効に利用して形成せしめ得たのであり、それによ
って、コンパクトで簡単な構造を維持しつつ、より広い
又は複数の周波数域に亘る振動に対して、流体の共振作
用に基づく防振効果を得ることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての自動車用エンジン
マウントを示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1におけるIII −III 断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 本体ゴム弾性体 46 仕切部材 48 ダイヤフラム 60 受圧室 62 平衡室 66 第一のオリフィス通路 68 第二のオリフィス通路 70 第三のオリフィス通路 76 第一のゴム膜 82 第二のゴム膜 102 ロータリバルブ本体 120 連通小孔

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力振動によって弾性変形せしめられる
    本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動が入力さ
    れる受圧室と、変形容易な可撓性膜で壁部の一部が構成
    されて容積変化が許容される平衡室を形成し、それら受
    圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、それら
    受圧室と平衡室をそれぞれ相互に連通する第一のオリフ
    ィス通路と第二のオリフィス通路を設けて、該第一のオ
    リフィス通路を該第二のオリフィス通路よりも高周波数
    域にチューニングすると共に、該第一のオリフィス通路
    を連通状態と遮断状態に切り換えるバルブ手段を設けた
    流体封入式防振装置において、 前記第一のオリフィス通路を通じての流体流動量を制限
    する第一の流量制限手段を、前記バルブ手段よりも前記
    受圧室側に位置して設けると共に、該バルブ手段による
    該第一のオリフィス通路の遮断状態下で、該第一のオリ
    フィス通路における該第一の流量制限手段と該バルブ手
    段の間の領域を前記平衡室側に連通せしめる連通小孔を
    形成し、該連通小孔を前記第一のオリフィス通路と前記
    第二のオリフィス通路の中間周波数域にチューニングし
    たことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 【請求項2】 前記バルブ手段が、前記第一のオリフィ
    ス通路と前記第二のオリフィス通路を択一的に連通せし
    める請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 【請求項3】 前記連通小孔を、前記バルブ手段による
    前記第一のオリフィス通路の連通/遮断状態にかかわら
    ず、常時開口せしめた請求項1又は2に記載の流体封入
    式防振装置。
  4. 【請求項4】 前記連通小孔を、前記第一及び第二のオ
    リフィス通路の流路断面積よりも小さな流路断面積と、
    それら第一及び第二のオリフィス通路の流路長さよりも
    小さな流路長さで形成した請求項1乃至3の何れかに記
    載の流体封入式防振装置。
  5. 【請求項5】 前記連通小孔を、前記第二のオリフィス
    通路上に開口せしめて、前記第一のオリフィス通路にお
    ける前記第一の流量制限手段と前記バルブ手段の間の領
    域を、該第二のオリフィス通路を通じて、前記平衡室に
    連通せしめた請求項1乃至4の何れかに記載の流体封入
    式防振装置。
  6. 【請求項6】 前記第二のオリフィス通路を通じての流
    体流動量を制限する第二の流量制限手段を設けた請求項
    1乃至5の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  7. 【請求項7】 前記第二の流量制限手段を、前記第二の
    オリフィス通路上において、前記バルブ手段よりも前記
    平衡室側に位置せしめた請求項6に記載の流体封入式防
    振装置。
  8. 【請求項8】 前記第二の流量制限手段を、前記第二の
    オリフィス通路上における前記平衡室側への開口部に変
    位可能に配設されて、変位量が制限されることにより、
    該第二のオリフィス通路を通じての流体流動量を制限す
    る可動部材で構成すると共に、該可動部材を、前記第一
    のオリフィス通路における前記平衡室側への開口部にま
    で広がって、該第一のオリフィス通路および該第二のオ
    リフィス通路の両開口部を一体的に覆うように配設した
    請求項7に記載の流体封入式防振装置。
  9. 【請求項9】 前記受圧室と前記平衡室を相互に連通す
    る第三のオリフィス通路を、前記第一のオリフィス通路
    および前記第二のオリフィス通路から独立して形成し、
    該第三のオリフィス通路を該第二のオリフィス通路より
    も低周波数域にチューニングした請求項1乃至8の何れ
    かに記載の流体封入式防振装置。
  10. 【請求項10】 振動入力方向に離間して配された第一
    の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連
    結し、該第二の取付部材によって支持された仕切部材を
    挟んで一方の側に前記受圧室を形成すると共に、他方の
    側に前記平衡室を形成する一方、該仕切部材において、
    前記第一のオリフィス通路を、前記受圧室と前記平衡室
    の対向方向に直線的に貫通して形成すると共に、前記第
    二のオリフィス通路を、該第一のオリフィス通路に直交
    して交差する方向に形成し、該第一のオリフィス通路と
    該第二のオリフィス通路の交差点に前記バルブ手段を配
    設して、それら第一のオリフィス通路と第二のオリフィ
    ス通路を該バルブ手段で択一的に連通せしめるようにす
    る一方、前記第三のオリフィス通路を、該仕切部材の外
    周部分を周方向に延びるように形成した請求項9に記載
    の流体封入式防振装置。
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