JPH1122778A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

流体封入式防振装置

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JPH1122778A
JPH1122778A JP17974197A JP17974197A JPH1122778A JP H1122778 A JPH1122778 A JP H1122778A JP 17974197 A JP17974197 A JP 17974197A JP 17974197 A JP17974197 A JP 17974197A JP H1122778 A JPH1122778 A JP H1122778A
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fluid
orifice
orifice passage
passage
vibration
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JP17974197A
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Inventor
Hiroaki Hori
浩晃 堀
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁体によって選択的に連通される複数のオリ
フィス通路を備えた流体封入式防振装置において、制限
されたオリフィス形成用スペース内で、各オリフィス通
路のチューニング自由度を拡張せしめること。 【解決手段】 弁体112によって選択的に連通される
複数の各オリフィス通路90,92上、それぞれ弾性膜
96,104を配設した。それにより、各オリフィス通
路90,92のチューニングを、通路長さや通路断面積
の変更だけでなく、弾性膜96,104の弾性特性を調
節することによっても行い得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に封入された非圧縮性流体
の共振作用等の流動作用を利用して防振効果を得るよう
にした流体封入式防振装置に係り、特に、互いに異なる
チューニングが施された複数のオリフィス通路を備え、
それらのオリフィス通路を弁体によって選択的に連通せ
しめることにより、防振特性を切り換えるようにした流
体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】防振連結される部材間に介装される防振連
結体や防振支持体等の防振装置の一種として、従来か
ら、特開平3−103637号公報や実開平5−406
38号公報等に記載されているように、第一の取付部材
と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結する一方、該
第一の取付部材と該第二の取付部材の間への振動入力に
よって相対的な圧力差が生ぜしめられる、非圧縮性流体
が封入された複数の流体室を形成し、それらの流体室を
相互に連通するオリフィス通路を複数設けると共に、か
かる複数のオリフィス通路を選択的に連通せしめる弁体
を設けてなる構造の流体封入式防振装置が、知られてい
る。このような流体封入式防振装置では、弁体によるオ
リフィス通路の切換制御を外部から行うことにより、状
況に応じた防振特性の切り換えが可能であることから、
例えば、自動車用エンジンマウントに適用して、車両の
停車時と走行時で弁体を切り換えることにより、停車時
に要求されるアイドル振動等に対する防振効果と、走行
時に要求されるシェイクやこもり音等に対する防振効果
との、両立等も容易に達成可能となるのである。
【0003】ところで、オリフィス通路を通じて流動せ
しめられる流体の共振作用等に基づく防振効果は、各オ
リフィス通路がチューニングされた、比較的狭い特定周
波数域の入力振動に対してのみ有効に発揮されるもので
ある。そのために、各オリフィス通路は、防振を目的と
する振動周波数に応じて、流体室の壁ばね剛性等も考慮
しつつ、その長さや断面積が、それぞれ適当に設定され
て、チューニングが施される。具体的には、一般に、オ
リフィス通路の通路断面積:Aと通路長さ:Lの比:A
/Lの値が、チューニング周波数が高くなる程、大きく
なるように設定される。
【0004】ところが、防振装置は、その配設スペース
等の点からサイズ制限を受けることが多く、オリフィス
通路の形成スペースを充分に確保することが必ずしも容
易でない。特に、複数のオリフィス通路を形成する場合
には、オリフィス通路の形成スペースが、相互に制限さ
れてしまう。
【0005】そのために、各オリフィス通路の通路断面
積:Aと通路長さ:Lを目標値に設定することが困難と
なって、各オリフィス通路を防振すべき振動周波数に応
じてチューニングすることが難しい場合があり、目的と
する防振特性を、必ずしも充分に得ることができない場
合があった。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、弁体の切換操作によって選択的に機能せし
められる複数のオリフィス通路を備え、かかるオリフィ
ス通路の形成スペースが制限された場合でも、各オリフ
ィス通路のチューニング自由度が充分に確保され得て、
目的とする防振特性を有利に得ることの出来る、改良さ
れた構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、本発明の特徴とするところは、第一の取付部材と第
二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結する一方、該第一
の取付部材と該第二の取付部材の間への振動入力によっ
て相対的な圧力差が生ぜしめられる、非圧縮性流体が封
入された複数の流体室を形成し、それらの流体室を相互
に連通するオリフィス通路を複数設けると共に、かかる
複数のオリフィス通路を選択的に連通せしめる弁体を設
けてなる流体封入式防振装置において、前記各オリフィ
ス通路上に、該オリフィス通路を仕切るようにして弾性
膜を配設し、該弾性膜の弾性変形に基づいて、該それぞ
れのオリフィス通路を通じての流体流動が許容されるよ
うにしたことにある。
【0008】このような本発明に従う構造とされた流体
封入式防振装置においては、オリフィス通路を通じて流
動せしめられる流体の流動特性に対して、弾性膜の弾性
特性による影響が及ぼされることとなり、オリフィス通
路を通じて流動せしめられる流体を含んでマス系が構成
された振動系におけるバネ系の一つとして、この弾性膜
の弾性特性も作用する。
【0009】従って、各オリフィス通路をチューニング
するに際して、各オリフィス通路の長さや断面積を変更
することだけでなく、各オリフィス通路に配設された弾
性膜のばね定数等の弾性特性を調節することによって
も、該オリフィス通路のチューニング周波数を変更,設
定することが出来る。それ故、マウントサイズの制限等
によってオリフィス通路の長さや断面積の設定許容範囲
が制限されている場合でも、弾性膜の弾性特性を調節す
ることによって、オリフィス通路のチューニング自由度
が大きく確保され得るのであり、目的とするマウント防
振特性が有利に且つ容易に実現され得て、防振すべき振
動に対して有効な防振効果を得ることが可能となるので
ある。
【0010】なお、弾性膜としては、封入流体に対する
耐蝕性や耐久性等を考慮して、適当な材質からなるゴム
弾性膜等が、好適に採用され得、弾性変形量を制限する
ために、ゴム弾性膜に頒布等を一体的に埋設すること等
も可能である。また、弾性膜の材質や形状等は、それが
配設されるオリフィス通路の長さや断面積等、更には流
体室の壁ばね剛性等をも考慮しつつ、各オリフィス通路
において要求される防振性能が発揮されるように、それ
ぞれのオリフィス通路毎に、適当に設定されることとな
る。なお、オリフィス通路は、2つ、或いは3つ以上設
けることが可能であり、その具体的な形状や構造は、要
求される防振特性や防振装置の構造等に応じて適宜に設
定されるものであって、何等、限定されるものでない。
また、オリフィス通路によって連通される流体室は、振
動入力時に相対的な内圧変化が生ぜしめられるものであ
れば良く、例えば、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成
されて振動入力時に内圧変動が生ぜしめられる受圧室
と、壁部の一部が可撓性膜で構成されて容積変化が許容
される平衡室とを組み合わせて採用したり、或いは相対
的に正負が逆となる一対の受圧室を組み合わせて採用す
ること等も可能である。更にまた、弁体は、各オリフィ
ス通路を連通/遮断し得るものであれば良く、オリフィ
ス通路の形態や防振装置の構造等に応じて、各種構造の
ものが適宜に採用され得、一軸回りの回転作動や一軸上
での往復作動によってオリフィス通路を選択的に開閉し
て連通せしめ得る、各種構造の弁体が適宜に採用可能で
ある。また、本発明は、実開平5−40638号公報等
に記載されている如き、主たる振動入力軸方向で対向位
置せしめられた第一の取付部材と第二の取付部材を備え
たマウントタイプの防振装置や、特開平3−10363
7号公報等に記載されている如き、径方向で対向位置せ
しめられた第一の取付部材と第二の取付部材を備えた円
筒タイプの防振装置等、各種の流体封入式防振装置に対
して適用され得る。
【0011】また、このような本発明に従う構造とされ
た流体封入式防振装置においては、請求項2に記載され
ているように、前記流体室間に形成されて、それら流体
室間での流体の移動を許容すると共に、前記各オリフィ
ス通路がチューニングされた周波数域の入力振動に対し
ては実質的に閉塞状態となる微細孔が、好適に採用され
得る。このような請求項2に記載の発明に従う構造とさ
れた流体封入式防振装置においては、比較的大きな衝撃
的荷重が入力された際、微細孔を通じての流体流動に基
づいて流体室の圧力が逃がされることにより、著しい高
ばね特性が軽減乃至は回避されることとなる。それ故、
たとえ全てのオリフィス通路を通じての流体流動量が、
可撓性膜で制限されている場合でも、衝撃的荷重に対す
る流体室圧力の衝撃的な上昇が回避されて、防振性能の
著しい低下や衝撃力による装置の損傷等が有利に防止さ
れ得るのである。なお、微細孔は、充分に小さく形成さ
れており、オリフィス通路による防振効果が発揮される
振動入力時には、極めて高い流通抵抗を示し、実質的に
閉塞状態となることから、オリフィス通路による防振特
性が阻害されるようなことはない。
【0012】更にまた、本発明に従う構造とされた流体
封入式防振装置においては、請求孔3に記載されている
ように、前記オリフィス通路によって相互に連通された
前記流体室間に形成されて、それらの流体室を連通せし
める、該オリフィス通路よりも低周波数域にチューニン
グされた流体流路を、採用することも可能である。この
ような請求項3に記載の発明に従う構造とされた流体封
入式防振装置においては、オリフィス通路のチューニン
グ周波数よりも低周波数域の入力振動に対して、流体の
共振作用等の流動作用に基づいて有効な防振効果を発揮
し得る流体流路が、極めて簡単な構造をもって有利に実
現され得るのであり、防振装置の防振性能の更なる向上
が達成されるのである。なお、何れかのオリフィス通路
が連通状態とされていても、該オリフィス通路を通じて
の流体流動量が弾性膜によって制限されることから、流
体流路を通じての流体流動が有効に生ぜしめられて、有
効な防振効果が発揮され得る。
【0013】なお、流体流路は、常時、連通状態とされ
ていても、オリフィス通路よりも低周波数域にチューニ
ングされていることから、オリフィス通路による防振効
果が発揮される振動入力時には、充分に高い流通抵抗を
示すことから、オリフィス通路による防振特性が大幅に
阻害されるようなことはないが、より好適には、請求項
4に記載されているように、かかる流体流路を連通/遮
断する第二の弁体が設けられる。この第二の弁体を採用
すれば、流体流路を必要に応じて遮断することにより、
流体流路を通じての圧力の逃げが防止されて、オリフィ
ス通路を通じての流体流動量が一層有利に確保され、オ
リフィス通路による防振効果がより有効に発揮され得る
こととなる。なお、第二の弁体は、例えば、複数きオリ
フィス通路を選択的に連通せしめる弁体と一体的に形成
し、複数のオリフィス通路の切換えと連動して流体流路
を切り換えるようにした構成等が、特に有利に採用さ
れ、それによって、構造の簡略化が図られ得る。
【0014】また、このような流体流路を遮断し得る第
二の弁体を設ける場合には、好適には、請求項5に記載
されているように、衝撃的荷重の入力時における流体室
圧力の衝撃的な上昇を軽減乃至は回避するための、請求
項2に記載されている如き微細孔が、流体流路を該第二
の弁体で遮断せしめた状態下、該流体流路の該第二の弁
体による遮断部位に形成されるように構成される。流体
流路を連通せしめた状態下では、流体流路を通じての流
体流動によって、流体室圧力の衝撃的な上昇が回避され
るのであり、微細孔が、流体流路の形成スペースを利用
して有利に形成されるのである。
【0015】また、本発明において、オリフィス通路の
具体的構造や、オリフィス通路上における弾性膜の配設
位置等は、何等限定されるものでないが、例えば、請求
項6に記載されているように、前記流体室を、前記第二
の取付部材によって支持された仕切部材を挟んだ両側に
二つ形成すると共に、かかる仕切部材に対して、前記オ
リフィス通路を、それら二つの流体室間に跨がって互い
に並列的に2つ形成し、それら二つのオリフィス通路に
おける、該仕切部材を挟んだ両側に位置せしめられた、
互いに反対側の流体室への開口部位において、前記弾性
膜をそれぞれ配設した構造が、請求項1乃至5の何れか
に記載の流体封入式防振装置において、好適に採用され
得る。なお、特に、この請求項6に記載の構成は、筒状
部を有する第二の取付部材の一方の開口部側に所定距離
を隔てて第一の取付部材が配設されたマウントタイプの
防振装置に対して好適に採用され、第二の取付部材の内
部を軸方向両側に仕切るようにして、仕切部材が組み付
けられる。
【0016】このような請求項6に記載の発明に従う構
造とされた流体封入式防振装置においては、二つのオリ
フィス通路における各弾性膜が、互いに仕切部材の反対
面に配設されることから、その配設スペースが有利に確
保され得るのであり、弾性膜の大きさひいてはオリフィ
ス通路のチューニングの自由度が一層有利に確保され得
るのである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0018】先ず、図1〜3には、本発明の一実施形態
としての自動車用エンジンマウント10が、示されてい
る。このエンジンマウント10は、第一の取付部材とし
ての第一の取付金具12と、第二の取付部材としての第
二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16によって弾性
的に連結された構造を有しており、第一の取付金具12
がパワーユニットに、第二の取付金具14がボデー側
に、それぞれ取り付けられることによって、パワーユニ
ットをボデーに対して防振支持せしめるようになってい
る。なお、そのような装着状態下では、第一の取付金具
12と第二の取付金具14の間にパワーユニット荷重が
及ぼされて本体ゴム弾性体16が圧縮変形することによ
り、第一の取付金具12と第二の取付金具14が互いに
接近する方向(マウント軸方向である図1中の上下方
向)に所定量だけ変位して位置せしめられると共に、防
振すべき主たる振動が、第一の取付金具12と第二の取
付金具14の接近/離隔方向(マウント軸方向)に入力
されるようになっている。なお、以下の説明において、
上方及び下方とは、原則として、図1中の上下方向をい
うものとする。
【0019】より詳細には、第一の取付金具12は、略
円盤形状を有しており、その中央部分には、円形ロッド
形状の保持金具18が、軸方向下方に突出して固着され
ている。そして、この保持金具18の下端部に対して、
略ハット形状をもって軸直角方向に広がる傘金具20が
ボルト固定されている。また、保持金具18の上端部に
は、第一の取付金具12を貫通して上方に突出する第一
の取付ボルト22が一体形成されており、この第一の取
付ボルト22によって、第一の取付金具12が、図示し
ないパワーユニットに対して固定的に取り付けられるよ
うになっている。
【0020】また、第二の取付金具14は、それぞれ大
径の略円筒形状を有する上筒金具24と中筒金具26、
更に有底円筒形状を有する下底金具28が、互いに軸方
向に重ね合わされて同一軸上に連結された構造とされて
おり、全体として深底有底の略円筒形状を有している。
そこにおいて、上筒金具24は、軸方向上端部におい
て、上方に向かって拡径するテーパ部30を有している
と共に、軸方向下端部において、径方向外方に広がるフ
ランジ部32を有している。また、下底金具28は、開
口周縁部において、径方向外方に広がるフランジ部34
を有していると共に、底壁部には、中央部分を貫通して
下方に突出する第二の取付ボルト36が固設されてお
り、この第二の取付ボルト36によって、第二の取付金
具14が、図示しないボデーに対して固定的に取り付け
られるようになっている。更にまた、中筒金具26は、
軸方向両端部にかしめ固定部38,38を有しており、
これらのかしめ固定部38,38によって、上筒金具2
4と下底金具28が相互に固定的に連結されることによ
り、全体として深底の有底円筒形状を有する第二の取付
金具14が形成されている。
【0021】そして、第二の取付金具14の開口方向に
所定距離を隔てて、第一の取付金具12が配設されてお
り、第一の取付金具12に固着された保持金具18が、
第二の取付金具14の開口部から軸方向に挿入されてい
る。また、このように軸方向に対向配置された第一の取
付金具12と第二の取付金具14の対向面間に本体ゴム
弾性体16が介装されている。この本体ゴム弾性体16
は、全体として略円錐台形状を有しており、小径側端面
に第一の取付金具12が、大径側端部外周面に第二の取
付金具14(上筒金具24)のテーパ部30が、それぞ
れ加硫接着されている。また、保持金具18は、本体ゴ
ム弾性体16の中心軸上を貫通して大径側端面に突出し
ており、保持金具18で支持された傘金具20が、上筒
金具24内で軸直角方向に広がって位置せしめられてい
る。
【0022】さらに、第二の取付金具14の内部には、
全体として円形ブロック形状を有する仕切部材40と、
薄肉円板形状を有するゴム弾性膜からなる可撓性膜とし
てのダイヤフラム42とが、互いに軸方向に重ね合わさ
れて収容されている。これら仕切部材40とダイヤフラ
ム42は、各外周縁部が、上筒金具24と下底金具28
の両フランジ部32,34間で軸方向に挟まれ、中筒金
具26の上下かしめ固定部38,38で軸方向に挟持さ
れることによって、第二の取付金具14の軸方向中間部
分に位置して軸直角方向に広がる状態で、第二の取付金
具14に対して固定的に組み付けられている。なお、ダ
イヤフラム42の外周縁部には、リング金具44が加硫
接着されており、第二の取付金具14による挟圧保持力
が有利に及ぼされるようになっている。
【0023】これにより、第二の取付金具14の内部に
おいて、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム42との間
が外部空間に対して密閉されて所定の非圧縮性流体が封
入されている。また、かかる流体封入領域が、軸方向中
間部分において、仕切部材40により二分されており、
以て、仕切部材40の上方には、壁部の一部が本体ゴム
弾性体16で構成されて振動入力時に内圧変化が生ぜし
められる受圧室54が形成されている一方、仕切部材4
0の下方には、壁部の一部がダイヤフラム42で構成さ
れて容積変化が容易に許容される平衡室56が形成され
ている。なお、封入流体としては、流体の共振作用等に
基づく防振効果が有効に発揮されるように、水やアルキ
レングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコー
ン油等の低粘性流体,特に0.1Pa・s以下の粘度を
有するものが、好適に採用される。要するに、本実施形
態では、これら受圧室54と平衡室56によって、二つ
の流体室が構成されている。
【0024】また、上筒金具24の内部には、略円筒形
状を有し、軸方向上端部において径方向内方に突出する
環状のストッパ部58が一体形成されたストッパ金具6
0が、内周面に沿って内挿されており、該ストッパ金具
60の軸方向下端部が径方向外方に屈曲されて、ダイヤ
フラム42と共に、第二の取付金具14によって固定的
に挟持されることによって、受圧室54の内部に収容配
置されている。なお、ストッパ部58は、緩衝ゴム層6
2によって覆われている。また、ストッパ金具60の組
付状態下、ストッパ部58は、第一の取付金具12によ
って支持された傘金具20の外周縁部に対して、軸方向
上方に対向位置せしめられており、傘金具20のストッ
パ部58への当接にて、第一の取付金具12と第二の取
付金具14が相対的に離隔するリバウンド方向における
本体ゴム弾性体16の変形量が制限されるようになって
いる。
【0025】なお、車両への装着状態下では、パワーユ
ニット荷重が及ぼされることにより、図1に示された状
態から、第一の取付金具12と第二の取付金具14が相
対的に接近方向に変位して、傘金具20がストッパ部5
8から軸方向下方に所定量だけ離隔位置せしめられるこ
とにより、車両の停車時や通常走行時には、傘金具20
とストッパ部58の干渉が回避されるようになってい
る。また、そのような装着状態下においては、傘金具2
0の外周面とストッパ金具60の筒部内周面との間に、
環状の狭窄流路が形成されることとなり、振動入力時
に、受圧室54内で傘金具20が変位せしめられて狭窄
流路を通じての流体流動が生ぜしめられることにより、
かかる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、例えば
こもり音等の高周波振動に対する防振効果が発揮される
ようになっている。
【0026】更にまた、仕切部材40は、図4及び図5
に、単体での平面図および底面図が示されているよう
に、樹脂や金属等の硬質材料(本実施形態では、合成樹
脂)によって形成された厚肉円板形状の本体ブロック6
4に対して、軸方向両面にそれぞれ薄肉円板形状の上下
円板66,68が重ね合わされた構造とされている。そ
こにおいて、本体ブロック64には、上面に開口して中
心軸周りに周方向に一周弱の長さで円弧状に延びる上側
周溝70と、下面に開口して中心軸回りに周方向に一周
弱の長さで円弧状に延びる下側周溝72とが、形成され
ていると共に、それら上下周溝70,72が、周方向の
各一端部において、本体ブロック64を軸方向に貫通し
て延びる貫通路74によって、互いに接続されている。
そして、これら上下周溝70,72が上下円板66,6
8で覆蓋されることにより、貫通路74によって互いに
直列的に接続されて全体として周方向に一周以上の長さ
で延び、上下周溝70,72の各他端部(貫通路74に
よる接続側とは反対側の端部)において、上下円板6
6,68に形成された通孔76,78を通じて受圧室5
4と平衡室56に連通せしめられることにより、それら
受圧室54と平衡室56を相互に連通せしめる流体流路
80が、形成されている。
【0027】なお、この流体流路80は、流路断面積:
Aと流路長さ:Lの比:A/Lの値が小さく設定される
ことにより、内部を通じて流動せしめられる流体の共振
作用に基づいて、シェイク等の低周波振動に対して有効
な防振効果(減衰効果)が発揮されるようになってい
る。
【0028】さらに、仕切部材40の本体ブロック64
には、上下周溝70,72で囲まれた中央部分におい
て、内部を貫通して上下に開口し、上下円板66,68
に形成された通孔82,84,86,88を通じて、そ
れぞれ受圧室54と平衡室56に連通せしめられた第一
のオリフィス通路90と第二のオリフィス通路92が形
成されている。ここにおいて、第一のオリフィス通路9
0は、本体ブロック64の中央部分を軸方向に直線的に
延びて形成されている。また、第二のオリフィス通路9
2は、本体ブロック64の内部を径方向に直線的に延び
ると共に、その両端部が屈曲せしめられて本体ブロック
64の軸方向に延びて形成されている。
【0029】また、本体ブロック64には、第一のオリ
フィス通路90の受圧室54側への開口部分に位置し
て、略楕円形状を有する第一の凹所94が形成されてお
り、この第一の凹所94内に、楕円板形状の第一のゴム
弾性膜96が嵌め込まれて収容配置されている。なお、
第一のゴム弾性膜96は、外周縁部が厚肉の耳部98と
されており、この耳部98が、第一の凹所94の底面に
突設された環状の位置決め突起100に係止されると共
に、第一の凹所94の底面と上円板66との間で挟圧保
持されることによって、中央部分が第一の凹所94の底
面と上円板66との何れからも離隔して所定量の弾性変
形が許容され得る状態で、第一の凹所94内に位置決め
されている。それによって、第一のオリフィス通路90
が、受圧室54側への開口部近くにおいて、第一のゴム
弾性膜96によって流体密に仕切られており、受圧室5
4と平衡室56の間での第一のオリフィス通路90を通
じての流体流動が、第一のゴム弾性膜96の弾性変形に
基づいて、第一のゴム弾性膜96の弾性変形量に対応し
た流体量だけ、実質的に許容されるようになっている。
【0030】また一方、本体ブロック64における第二
のオリフィス通路92の平衡室56側への開口部分に
は、略楕円形状を有する第二の凹所102が形成されて
おり、この第二の凹所102内に、楕円板形状の第二の
ゴム弾性膜104が嵌め込まれて収容配置されている。
この第二のゴム弾性膜104も、第一のゴム弾性膜96
と同様に、外周縁部の厚肉化された耳部106が、第二
の凹所102の底面に突設された環状の位置決め突起1
08に係止されると共に、第二の凹所102の底面と下
円板68との間で挟圧保持されることによって、中央部
分が第二の凹所102の底面と下円板68との何れから
も離隔して所定量の弾性変形が許容され得る状態で、第
二の凹所102内に位置決めされている。それによっ
て、第二のオリフィス通路92が、平衡室56側への開
口部近くにおいて、第二のゴム弾性膜104によって流
体密に仕切られており、受圧室54と平衡室56の間で
の第二のオリフィス通路92を通じての流体流動が、第
二のゴム弾性膜104の弾性変形に基づいて、第二のゴ
ム弾性膜104の弾性変形量に対応した流体量だけ、実
質的に許容されるようになっている。
【0031】また、ここにおいて、第一のオリフィス通
路90は、通路断面積:Aと通路長さ:Lの比:A/L
の値が、充分に大きく設定されることにより、内部を通
じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、こも
り音等に相当する高周波振動に対して有効な防振効果
(低動ばね効果)が発揮されるようになっている。ここ
において、第一のオリフィス通路90のチューニングに
際しては、封入流体の密度や粘性率,受圧室54や平衡
室56の壁ばね剛性等を考慮して行われることとなる
が、特に、第一のオリフィス通路90上に配設された第
一のゴム弾性膜96の弾性特性の影響を大きく受ける。
換言すれば、第一のゴム弾性膜96のばね定数を調節す
ることによって、第一のオリフィス通路90を通じて流
動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が有効
に発揮される周波数域を、適当に調節することが出来る
のである。
【0032】また一方、第二のオリフィス通路92は、
通路断面積:Aと通路長さ:Lの比:A/Lの値が、流
体流路80よりは大きいが、第一のオリフィス通路90
よりは小さく設定されることにより、その内部を通じて
流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、アイドル
振動等に相当する中周波振動に対して有効な防振効果
(低動ばね効果)が発揮されるようになっている。ここ
において、第二のオリフィス通路92のチューニングに
おいても、第一のオリフィス通路90と同様に、第二の
ゴム弾性膜104のばね定数を調節することによって、
第二のオリフィス通路92を通じて流動せしめられる流
体の共振作用に基づく防振効果が有効に発揮される周波
数域を、有利に調節することが出来るのである。
【0033】また、これら第一のオリフィス通路90と
第二のオリフィス通路92は、本体ブロック64内の中
央部分で互いに直交せしめられており、本体ブロック6
4には、この直交する中央部分を通って、第一及び第二
のオリフィス通路90,92の何れにも直交する径方向
に延びる円形断面のバルブ装着孔110が形成されてい
る。更に、このバルブ装着孔110は、流体流路80を
構成する貫通路74をも貫通して形成されている。そし
て、かかるバルブ装着孔110には、全体として略円形
ロッド形状を有する弁体としての回転バルブ112が内
挿され、中心軸回りに回転可能に嵌合装着されている。
【0034】この回転バルブ112には、第一及び第二
のオリフィス通路90,92の直交部位に位置せしめら
れる中央部分において、それら第一及び第二のオリフィ
ス通路90,92の断面形状と略同じ断面形状をもって
軸直角方向に貫通する第一のバルブ孔122が形成され
ていると共に、流体流路80上に位置せしめられる端部
近くにおいて、該流体流路80の断面形状と略同じ断面
形状をもって軸直角方向に貫通する第二のバルブ孔12
4が形成されている。なお、これら第一のバルブ孔12
2と第二のバルブ孔124は、互いに平行に延びるよう
に形成されている。また、第二のバルブ孔124の周壁
部には、第二のバルブ孔124の中央部の内面からそれ
ぞれ径方向外方に向かって、該第二のバルブ孔124と
直交する方向に貫通して延びる圧逃し孔126,126
が形成されている。これらの圧逃し孔126,126
は、流体流路80よりも充分に小さな流路断面積をもっ
て形成されており、第一,第二のオリフィス通路90,
92や流体流路80がチューニングされた周波数域の振
動入力時には、実質的に閉塞状態となる程の充分に大き
な流通抵抗を示すようになっている。
【0035】そして、この回転バルブ112は、図1〜
3に示されているように、第一及び第二のバルブ孔12
2,124が、マウント左右方向に向かって延びる第一
の回動位置と、図6〜7に示されているように、第一及
び第二のバルブ孔122,124が、マウント上下方向
に向かって延びる第二の回動位置との、二つの回動位置
に切り換えられるようになっている。かかる第一の回動
位置においては、第一のオリフィス通路90が回転バル
ブ112によって遮断される一方、第二のオリフィス通
路92が回転バルブ112における第一のバルブ孔12
2によって連通されるようになっている。また、流体流
路80は、回転バルブ112によって遮断されるように
なっている。従って、このような回転バルブ112の第
一の回動位置では、振動入力時に受圧室54と平衡室5
6の間に生ぜしめられる圧力差によって、それら両室5
4,56間で、専ら、第二のオリフィス通路92を通じ
ての流体流動が生ぜしめられることとなり、その結果、
第二のオリフィス通路92を流動せしめられる流体の共
振作用に基づいて、アイドル振動等の中周波振動に対し
て有効な防振効果が発揮されることとなる。
【0036】また一方、回転バルブ112の第二の回動
位置においては、第二のオリフィス通路92が回転バル
ブ112によって遮断される一方、第一のオリフィス通
路90が回転バルブ112における第一のバルブ孔12
2によって連通されるようになっている。また、流体流
路80も、回転バルブ112における第二のバルブ孔1
24によって連通されるようになっている。従って、こ
のような回転バルブ112の第二の回動位置では、振動
入力時に受圧室54と平衡室56の間に生ぜしめられる
圧力差によって、それら両室54,56間で、専ら、第
一のオリフィス通路90および流体流路80を通じての
流体流動が生ぜしめられることとなり、その結果、第一
のオリフィス通路90を流動せしめられる流体の共振作
用に基づいて、こもり音等の高周波振動に対して有効な
防振効果が発揮されると共に、流体流路80を流動せし
められる流体の共振作用に基づいて、シェイク等の低周
波振動に対して有効な防振効果が発揮されることとな
る。
【0037】なお、回転バルブ112の回転作動は、電
気モータ116によって行われるようになっており、車
両の走行状態等に応じて外部から電気モータ116の作
動を制御することによって、エンジンマウント10の防
振特性を切り換えることが出来るようになっている。即
ち、回転バルブ112は、その軸方向一方の端部が、バ
ルブ装着孔110の底部によって、中心軸回りに摺動可
能に位置決め支持されている一方、軸方向他方の端部
が、小径とされてバルブ装着孔110から突出し、中筒
金具26に形成された透孔113を通じて、第二の取付
金具14の径方向外方にまで突出せしめられている。そ
して、この回転バルブ112の突出部114の先端に対
して、電気モータ116の出力軸118が嵌着されてお
り、電気モータ116によって回転バルブ112が中心
軸回りに回動作動せしめられるようになっている。な
お、電気モータ116としては、回転バルブ112の回
転位置を確実に制御できるように、ステッピング・モー
タ等が好適に採用され、第二の取付金具14に対して、
ボルト等により固定的に取り付けられる。また、回転バ
ルブ112の突出部114には、円環形状のシール部材
120が外嵌装着されており、バルブ装着孔110の開
口部分が流体密にシールされている。
【0038】従って、上述の如き構造とされたエンジン
マウント10においては、車両の走行状態等に応じて、
第一のオリフィス通路90と第二のオリフィス通路92
を択一的に開口,連通せしめると共に、流体流路80を
選択的に開口,連通せしめることが出来るのであり、そ
れによって第一のオリフィス通路90や第二のオリフィ
ス通路92,流体流路80を通じて流動せしめられる流
体の共振作用に基づく防振効果を、入力振動に応じて、
選択的に発揮せしめることが出来るのである。
【0039】そこにおいて、第一のオリフィス通路90
と第二のオリフィス通路92は、何れも、オリフィス通
路上に配設されたゴム弾性膜96,104のばね特性を
調節することによって、チューニング周波数、即ちオリ
フィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく
防振効果が有効に発揮され得る周波数域を調節すること
が出来ることから、限られたスペース内で、限られた通
路断面積や通路長さの設定範囲内で、各オリフィス通路
90,92を、防振を目的とする周波数域に対して有利
に且つ容易にチューニングすることが出来るのであり、
それ故、マウントサイズの大型化等を伴うことなく、防
振すべき振動に対して極めて有効な防振効果を有利に得
ることが出来るのである。
【0040】しかも、このように第一及び第二のオリフ
ィス通路90,92における目的とするチューニング
が、小さなスペース内で有利に達成されることから、流
体流路80の形成スペースも効率的に確保されることと
なり、その結果、流体流路80のチューニングも容易と
なって、流体流路80を通じて流動せしめられる流体の
共振作用に基づく防振効果も、目的とする入力振動に対
して有効に発揮されるのである。
【0041】また、本実施形態のエンジンマウント10
においては、第一のゴム弾性膜96が第一のオリフィス
通路90における受圧室54への開口部側に、第二のゴ
ム弾性膜104が第二のオリフィス通路92における平
衡室56への開口部側に、それぞれ配設されていること
から、仕切部材40におけるゴム弾性膜96,104き
配設スペースが効率的に確保され得るのであり、ゴム弾
性膜96,104の大きさの設定自由度、ひいてはゴム
弾性膜96,104のばね特性の調節の容易性がより有
利に確保されるといった効果がある。
【0042】また、本実施形態のエンジンマウント10
では、第一及び第二のオリフィス通路90,92の開閉
作動に連動して、流体流路80も開閉されることから、
流体流路80による防振効果が要求されない車両停車時
に流体流路80が遮断されることにより、第二のオリフ
ィス通路92を通じての流体流動量が一層有利に確保さ
れて、流体の共振作用に基づくアイドル振動に対する防
振効果がより有効に発揮されるといった効果もある。
【0043】更にまた、本実施形態のエンジンマウント
10では、第一及び第二のオリフィス通路90,92を
通じての流体流動量が、ゴム弾性膜96,104によっ
て制限されることとなるが、受圧室54と平衡室56
は、流体流路80か或いは圧逃し孔126,126によ
って、連通状態に維持されるようになっていることか
ら、例えば段差乗越え荷重やクランキング荷重等の過大
な衝撃的荷重が入力された際にも、受圧室54の著しい
内圧上昇が軽減されて、衝撃的振動の車体側への伝達等
が有利に軽減されるといった効果がある。
【0044】以上、本発明の一実施形態について詳述し
てきたが、これは文字通りの例示であんて、本発明は、
かかる実施形態におけるエンジンマウントの具体的構造
にのみ限定して解釈されるものでは決してない。
【0045】例えば、ゴム弾性膜が配設されていない流
体流路80は、必ずしも設ける必要はない。
【0046】また、オリフィス通路の数は、限定される
ものでなく、互いに異なる周波数域にチューニングされ
た三つ以上のオリフィス通路を形成することも可能であ
る。
【0047】更にまた、オリフィス通路の中間部分に、
ゴム弾性膜を配設したり、オリフィス通路上に複数のゴ
ム弾性膜を配設することによってオリフィス通路のチュ
ーニング範囲の更なる拡張を図ることも可能である。
【0048】さらに、各オリフィス通路を開閉して選択
的に連通せしめる弁体の具体的構造は、例示のものに限
定されるものでなく、オリフィス通路の形態等に応じて
適宜に変更され得るのであり、例えば、直線的に往復動
せしめられる弁体等を採用することも可能である。
【0049】加えて、前記実施形態では、本発明を自動
車用エンジンマウントに適用したものの具体例を示した
が、その他、本発明は、自動車用ボデーマウントやデフ
マウント,サスペンションブッシュ等、或いは自動車以
外の各種装置に用いられる防振装置に対して、何れも、
適用可能であることは、勿論である。
【0050】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0051】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、ス
ペース上の理由等によってオリフィス通路の長さや断面
積の設定許容範囲が制限される場合でも、各オリフィス
通路に配設された弾性膜の弾性特性を調節することによ
ってチューニングすることが可能で、各オリフィス通路
のチューニング自由度が大きく確保され得るのであり、
それ故、マウントサイズの大型化等を伴うことなく、複
数のオリフィス通路に対してそれぞれ目的とするチュー
ニングが付与され得て、優れたマウント防振特性が有利
に且つ容易に実現され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのエンジンマウント
を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面に相当する要部縦断面
図である。
【図3】図1における III−III 断面に相当する要部縦
断面図である。
【図4】図1に示されたエンジンマウントを構成する仕
切部材を示す平面図である。
【図5】図1に示されたエンジンマウントを構成する仕
切部材を示す底面図である。
【図6】図1に示されたエンジンマウントの別の作動状
態を示す、図2に対応する要部縦断面図である。
【図7】図1に示されたエンジンマウントの別の作動状
態を示す、図3に対応する要部縦断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 本体ゴム弾性体 40 仕切部材 42 ダイヤフラム 54 受圧室 56 平衡室 80 流体流路 90 第一のオリフィス通路 92 第二のオリフィス通路 96 第一のゴム弾性膜 104 第二のゴム弾性膜 112 回転バルブ 116 電気モータ 122 第一のバルブ孔 124 第二のバルブ孔 126 圧逃し孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の取付部材と第二の取付部材を本体
    ゴム弾性体で連結する一方、該第一の取付部材と該第二
    の取付部材の間への振動入力によって相対的な圧力差が
    生ぜしめられる、非圧縮性流体が封入された複数の流体
    室を形成し、それらの流体室を相互に連通するオリフィ
    ス通路を複数設けると共に、かかる複数のオリフィス通
    路を選択的に連通せしめる弁体を設けてなる流体封入式
    防振装置において、 前記各オリフィス通路上に、該オリフィス通路を仕切る
    ようにして弾性膜を配設し、該弾性膜の弾性変形に基づ
    いて、該それぞれのオリフィス通路を通じての流体流動
    が許容されるようにしたことを特徴とする流体封入式防
    振装置。
  2. 【請求項2】 前記流体室間において、前記各オリフィ
    ス通路がチューニングされた周波数域の入力振動に対し
    ては実質的に閉塞状態となる微細孔が形成されている請
    求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 【請求項3】 前記オリフィス通路によって相互に連通
    された前記流体室間において、該オリフィス通路よりも
    低周波数域にチューニングされた流体流路が形成されて
    いる請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 【請求項4】 前記流体流路を連通/遮断する第二の弁
    体が設けられている請求項3に記載の流体封入式防振装
    置。
  5. 【請求項5】 前記流体流路を前記第二の弁体で遮断せ
    しめた状態下、該流体流路の該第二の弁体による遮断部
    位において、前記各オリフィス通路がチューニングされ
    た周波数域の入力振動に対しては実質的に閉塞状態とな
    る微細孔が形成されるようになっている請求項4に記載
    の流体封入式防振装置。
  6. 【請求項6】 前記流体室を、前記第二の取付部材によ
    って支持された仕切部材を挟んだ両側に二つ形成すると
    共に、かかる仕切部材に対して、前記オリフィス通路
    を、それら二つの流体室間に跨がって互いに並列的に2
    つ形成し、それら二つのオリフィス通路における、該仕
    切部材を挟んだ両側に位置せしめられた、互いに反対側
    の流体室への開口部位において、前記弾性膜がそれぞれ
    配設されている請求項1乃至5の何れかに記載の流体封
    入式防振装置。
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