JP3729107B2 - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用等に基づいて防振効果が発揮され得る流体封入式防振装置に係り、例えば自動車用のエンジンマウントやボデーマウント等として好適に採用され得る流体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体として、防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付金具と、防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付金具を、本体ゴム弾性体で連結すると共に、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室と、可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された容積可変の平衡室を形成せしめて、それら受圧室と平衡室をオリフィス通路で相互に連通することにより、第一の取付金具と第二の取付金具の間への入力振動に対して、オリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果が発揮されるようにした流体封入式防振装置が、知られている。
【0003】
ところで、このような流体封入式防振装置では、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波側において、入力振動と受圧室の圧力変動の位相差の変化に伴って、オリフィス通路を流動せしめられる流体の反共振作用に基づく高動ばね化が惹起されることから、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域で防振性能が悪化してしまうという問題があった。
【0004】
そこで、オリフィス通路のチューニング周波数域よりも高周波数域の防振性能を改善するために、(a)特開昭57−9340号公報や実開平1−14941号公報,特開平1−49731号公報等に記載されているように、受圧室と平衡室の間で微小距離変位可能な可動板を、別体形成された独立部材として配設せしめた可動板タイプの液圧吸収機構と、(b)特開昭61−65934号公報や特開昭61−197836号公報,特開平4−321833号公報等に記載されているように、受圧室と平衡室の間で所定量の弾性変形が許容される可動膜を、外周縁部を拘束して配設せしめた可動膜タイプの液圧吸収機構が、それぞれ、提案されている。これらの液圧吸収機構においては、可動板乃至は可動膜の一方の面に及ぼされる受圧室圧力と他方の面に及ぼされる平衡室圧力の相対的な圧力変動に基づく可動板の変位乃至は可動膜の変形によって受圧室の圧力変動が吸収軽減されることにより、オリフィス通路のチューニング周波数域よりも高周波側の高動ばね化が軽減乃至は回避され得るのである。
【0005】
ところが、本発明者が検討した結果、そのような液圧吸収機構を採用するとオリフィス通路によって発揮される防振効果に悪影響が及ぼされるおそれのあること等が明らかとなったのであり、未だ改良の余地を有していたのである。
【0006】
すなわち、前者(a)の可動板タイプの液圧吸収機構を採用すると、オリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が有効に発揮される周波数域が狭くなり易く、後者(b)の可動膜タイプの液圧吸収機構を採用すると、オリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果の大きさ(例えば、減衰効果であれば減衰係数の最大値)が低下し易いという事実が明らかとなったのであり、何れの液圧吸収機構においても、オリフィス通路による所期の防振効果を十分に確保することが難しかったのである。
【0007】
また、後者(b)の可動膜タイプの液圧吸収機構を採用した場合には、前者(a)の可動板タイプの液圧吸収機構を採用した場合に比して、オリフィス通路のチューニング周波数域よりも高周波側における高動ばね化の軽減効果が小さい傾向にあることも明らかとなった。
【0008】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、オリフィス通路による防振効果を十分に確保しつつ、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域での高動ばね化をより効果的に抑えることの出来る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
【0009】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0010】
すなわち、前記(a)の可動板タイプおよび(b)の可動膜タイプの各液圧吸収機構について、本発明者が多くの実験と検討を重ねた結果、(a)可動板タイプの液圧吸収機構において、オリフィス通路による防振効果が有効に発揮される周波数域が狭くなる原因としては、入力振動周波数が高くなると可動板のバタツキ等により、受圧室と平衡室の間で可動板の外周側を回り込んだ短絡的な流体流動が生ぜしめられることによるものと考えられる一方、(b)可動膜タイプの液圧吸収機構においては、オリフィス通路のチューニング周波数より高周波側での高動ばね化を抑えるために可動膜のばね特性を柔らかくすることが望ましいが、可動膜を変形容易とすると、オリフィス通路のチューニング周波数域で受圧室の圧力変動が抑えられてオリフィス通路を通じての流体流動量が減少してしまうこととなり、オリフィス通路のチューニング周波数域でのオリフィス通路による防振特性とそれより高周波数域での高動ばね化の抑制が相反するために、それら両特性の両立が極めて困難であることに起因するものと考えられるという、新たな知見を得るに至った。
【0011】
ここにおいて、本発明は、新たに得た上述の如き知見に基づいて完成されたものであって、その第一の態様は、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて該第一の取付部材と該第二の取付部材の間への振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室と、可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入する一方、該受圧室と該平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けると共に、該受圧室と該平衡室の間に可動ゴム板を配設せしめて、該可動ゴム板の一方の面に該受圧室の圧力が及ぼされると共に、該可動ゴム板の他方の面に該平衡室の圧力が及ぼされるようにして、該可動ゴム板の変位乃至は変形に基づいて振動入力時における該受圧室の小振幅な圧力変動を軽減せしめるようにした流体封入式防振装置において、前記可動ゴム板の中央部分を剛性の大きい可動板部とすると共に、該可動ゴム板の外周部分を剛性の小さい可動膜部とし、更に該可動膜部の外周縁部に該可動膜部よりも厚さ寸法が大きい環状の外周挟持部を一体形成する一方、該可動ゴム板を厚さ方向両側から保持せしめる保持部を前記第二の取付部材に設けて、前記可動板部の外周縁部を該保持部により全周に亘って厚さ方向に圧縮状態で挟み込んで弾性的に支持せしめると共に、前記外周挟持部を該保持部により全周に亘って厚さ方向に挟み込んで流体密に支持せしめ、更にかかる保持部に対して、該可動ゴム板における該可動板部と該可動膜部の各一方の面に前記受圧室の圧力を作用せしめる受圧室側通孔と、それら可動板部と可動膜部の各他方の面に前記平衡室の圧力を作用せしめる平衡室側通孔を、それぞれ設けたことを、特徴とする。
【0012】
すなわち、本態様においては、弾性変形量が大きくなり易い可動ゴム板の中央部分を剛性の大きい可動板部とし、かかる可動板部の外周縁部を保持部により弾性的に支持せしめたことによって、可動ゴム板に可動板的な特性を持たせ得たのであり、一方、可動ゴム板の外周部分を剛性の小さい可動膜部とし、かかる可動膜部の内外周縁部を、可動板部と外周挟持部において保持部に対して支持せしめたことにより、初期ばね特性が柔らかく且つ弾性変形量が小さく抑えられると共に、封入流体の回り込みによる受圧室と平衡室の短絡が防止される可動膜的な特性を可動ゴム板に対して併せ持たせ得たのである。
【0013】
これにより、本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、(i)オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域の振動入力時において、可動ゴム板における可動板部の微小変位と可動膜部の微小変形が容易に許容されて受圧室の圧力変動が効果的に吸収されることとなり、以て、オリフィス通路の流動抵抗の増大に起因する著しい高動ばね化が回避されて良好な防振効果が発揮され得るのであり、また一方、(ii)オリフィス通路のチューニング周波数域の振動入力時において、可動板部の変位量乃至は変形量が、可動板部自体の大きい剛性によって制限されると共に、可動板部と外周挟持部の間で可動膜部の自由長が小さくされて該可動膜部の変形量が制限されることとなり、しかも可動ゴム板の外周縁部を回り込んで受圧室と平衡室を短絡する流路の発生が防止されることから、受圧室に対して圧力変動が効率的に生ぜしめられてオリフィス通路を通じての流体流動量が十分に確保されることにより、オリフィス通路による所期の防振効果が有効に発揮され得るのである。
【0014】
従って、本態様に係る流体封入式防振装置においては、オリフィス通路がチューニングされた低周波数域では、オリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果が、広い周波数域に亘って有利に発揮され得ると共に、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高い周波数域における著しい高動ばね化が効果的に抑えられて、高周波数域においても、優れた防振効果(振動絶縁効果)が発揮され得るのである。より具体的には、本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、例えば、オリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、シェイクやそれより僅かに高い周波数域に生ぜしめられる低次のアイドリング振動などの低周波振動に対して、何れも、高減衰特性に基づく有効な防振効果を得ることが出来ると共に、より高周波数域に生ぜしめられる高次のアイドリング振動や低速こもり音等の高周波振動に対しても、可動ゴム板による液圧吸収作用に基づいて優れた振動絶縁効果を得ることが可能となるのである。
【0015】
なお、本態様において、「剛性の大きい可動板部」および「剛性の小さい可動膜部」は、それら可動板部と可動膜部の相対的な剛性差に関して可動膜部よりも可動板部の方が剛性が大きいことをいい、それら可動板部と可動膜部における絶対的な剛性の値は、限定されるものでなく、防振装置に要求される防振特性等を考慮して適宜に設定され得る。また、可動板部の外周縁部は、静置状態下において保持部により圧縮状態で弾性的に支持されていれば良く、かかる可動板部の外周縁部における保持部による圧縮量は、要求される防振特性等に応じて適宜に設定されるものであり、例えば、振動入力に伴って可動板部が変位せしめられた際に、かかる可動板部の弾性変形によって、可動板部の一方の面が保持部から離隔する程度に、可動板部の外周縁部における保持部による圧縮量が設定されていても良い。
【0016】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、前記可動板部の外周縁部よりも、前記外周挟持部を、より大きな厚さ方向の挟み込み力で支持せしめたことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、可動板部の微小な変位量を有利に確保しつつ、可動ゴム板の外周縁部を廻り込んで生ぜしめられる受圧室と平衡室の間での短絡流路の形成を一層効果的に防止することが出来るのである。
【0017】
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、前記可動板部の中央部分を厚さ方向に挟んだ両側にそれぞれ所定距離だけ離隔位置して、該可動板部の当接によって該可動板部の変位量を制限するストッパ部を、前記保持部によって形成したことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、可動板部の過大な変位乃至は変形が防止されることにより、可動ゴム板ひいては防振装置の耐久性の向上が図られ得る。
【0018】
また、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、前記可動ゴム板をゴム弾性材のみによって形成すると共に、該可動ゴム板の中央部分に形成された前記可動板部の肉厚寸法を、その全面に亘って、前記可動膜部の肉厚寸法の2倍以上としたことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、所定のゴム弾性材のみによって、可動板的な特性を備えた可動板部と可動膜的な特性を備えた可動膜部を、何れも有利に形成することが出来るのである。
【0019】
また、本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、前記可動板部の外周縁部に位置して、厚さ方向両側にそれぞれ突出する環状の弾性挟圧突起を一体形成して、該弾性挟圧突起を前記保持部で挟み込んで支持せしめたことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、弾性挟圧突起の突出先端部を保持部に当接させることによって、可動板部の外周縁部の保持部による弾性的な支持条件を容易に且つ安定して設定することが可能となって、防振特性の安定化が図られ得ると共に、弾性挟圧突起の形状や大きさを調節することによって、可動板部の外周縁部の保持部による支持条件、ひいては防振特性を、容易にチューニングすることが可能となる。
【0020】
また、本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、前記第二の取付部材に筒状部を設けて、該筒状部の一方の開口部側に前記第一の取付部材を配設すると共に、該第一の取付部材を該第二の取付部材に弾性連結する前記本体ゴム弾性体によって該筒状部の該一方の開口部を流体密に閉塞せしめる一方、該筒状部の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に閉塞せしめ、更に該筒状部に仕切部材を収容配置せしめて、該仕切部材を挟んだ一方の側に前記受圧室を形成すると共に、該仕切部材を挟んだ他方の側に前記平衡室を形成して、該仕切部材の外周部分に前記オリフィス通路を形成すると共に、該仕切部材の中央部分において前記可動ゴム板を配設せしめて、該仕切部材によって該可動ゴム板を支持せしめる前記保持部を構成したことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、オリフィス通路を形成する仕切部材を巧く利用して、可動ゴム板を支持せしめる保持部を構成することが出来るのであり、それによって、目的とする流体封入式防振装置が、簡単な構造とコンパクトなサイズで実現可能となる。
【0021】
また、本発明の第七の態様は、前記第一乃至第六の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、前記可動ゴム板の少なくとも一方の側に、該可動ゴム板の変位乃至は変形に伴って流体流動が生ぜしめられる第二のオリフィス通路を形成して、該第二のオリフィス通路を前記オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波側にチューニングしたことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、可動ゴム板の変形乃至は変位に伴って第二のオリフィス通路を通じての流体流動が生ぜしめられることとなり、かかる流体流動に基づいて、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域での防振効果が、一層有利に向上され得るのである。
【0022】
それ故、かかる第七の態様に従えば、例えば、自動車用エンジンマウントに対して本発明を適用にするに際して、オリフィス通路をシェイク等の低周波振動にチューニングする一方、第二のオリフィス通路を高次のアイドリング振動等の高周波振動にチューニングすることにより、シェイクに対して、オリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく高減衰効果を得ることが出来ると共に、高次のアイドリング振動に対して、第二のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく振動絶縁効果を、一層有利に得ることが出来るのである。なお、本態様において、第二のオリフィス通路は、可動ゴム板における可動板部と可動膜部の両方の面に圧力を作用せしめる受圧室側通孔および平衡室側通孔によって協働して形成されていることが望ましい。
【0023】
また、本発明の第八の態様は、前記第七の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置において、前記可動ゴム板と前記第二のオリフィス通路の間に、前記受圧室および前記平衡室の何れからも独立せしめられて、壁部の一部が該可動ゴム板で構成された所定容積の中間室を形成したことを、特徴とする。本態様においては、中間室を形成することによって、例えば、第二のオリフィス通路の形成位置や構造等に関しての設計自由度が向上されて、防振特性のチューニング自由度の向上が図られ得るのである。そこにおいて、かかる第二のオリフィス通路は、例えば、受圧室と平衡室を接続する前記オリフィス通路の長さ方向中間部分を中間室に連通せしめることにより、該オリフィス通路の一部を利用して、形成することも可能である。このようにオリフィス通路の一部を利用して第二のオリフィス通路を形成することにより、第二のオリフィス通路を簡単な構造と優れたスペース効率をもって形成することが出来るのである。
【0024】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0025】
先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、パワーユニット側に取り付けられる第一の取付部材としての第一の取付金具12とボデー側に取り付けられる第二の取付部材としての第二の取付金具14が、それらの間に介装された本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されており、パワーユニットとボデーの間に介装されて、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、本実施形態のエンジンマウント10においては、その装着状態下で、図1中の略上下方向にパワーユニット荷重が入力されると共に、図1中の略上下方向の振動に対して、有効な防振効果を発揮し得るようになっている。また、以下の説明において、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいうものとする。
【0026】
より詳細には、第一の取付金具12は、略円板形状を有しており、その中央には、上方に向って突出する取付ボルト18が固設されている。そして、かかる取付ボルト18によって、第一の取付金具12が、図示しない自動車のパワーユニット側に取り付けられるようになっている。
【0027】
一方、第二の取付金具14は、筒金具20と底金具22を含んで構成されており、全体として略有底円筒形状を呈している。筒金具20は、全体として大径円筒形状を有する筒状部24を備えており、該筒状部24の軸方向上端部には、上方に向って次第に拡径するテーパ部26が一体形成されていると共に、筒状部24の下側開口周縁部には、径方向外方に広がる段差部28を介して、該段差部28の外周縁部から軸方向下方に向って延びる円筒形状のかしめ部30が一体形成されている。
【0028】
また一方、底金具22は、全体として円形の略浅底皿形状を有しており、開口周縁部には、径方向外方に向かって広がる円環板状のフランジ部31が一体形成されている。そして、底金具22に対して、筒金具20が、軸方向上方から同一中心軸上に重ね合わせられて、底金具22のフランジ部31に対して筒金具20の段差部28が載置されて、筒金具20のかしめ部30が底金具22のフランジ部31に対してかしめ固定されており、それによって、全体として深底の略有底円筒形状を呈する第二の取付金具14が形成されている。
【0029】
また、第二の取付金具14には、底金具22における凹所の中央部分に貫通孔32が形成されており、かかる貫通孔32に取付ボルト34が圧入固定されて下方に突設されている。そして、この取付ボルト34によって、第二の取付金具14が、図示しない自動車のボデ−側に取り付けられるようになっている。
【0030】
さらに、第二の取付金具14には、その開口部側に離隔して第一の取付金具12が対向配置されており、それら第一の取付金具12と第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16によって、弾性的に連結されている。かかる本体ゴム弾性体16は、全体として略円錐台形状を有しており、その大径側端面には、中央部分に開口する大径の凹所36が形成されている。そして、本体ゴム弾性体16の小径側端面に対して、第一の取付金具12が重ね合せられて加硫接着されていると共に、本体ゴム弾性体16の大径側端部の外周面に対して、第二の取付金具14を構成する筒金具20におけるテーパ部26の内周面が重ね合せられて加硫接着されており、それによって、筒状部24の一方(軸方向上方)の開口部が流体密に覆蓋されている。また、筒金具20における筒状部24の内周面には、全体に亘って本体ゴム弾性体16と一体形成されたシールゴム38が被着されている。
【0031】
また、筒金具20における筒状部24の他方(軸方向下方)の開口部には、可撓性膜としてのダイヤフラム40が配設されている。このダイヤフラム40は、変形容易な薄肉のゴム膜で形成されており、全体として薄肉の略円板形状を呈していると共に、その外周縁部には、略円環板形状の固定金具42が加硫接着されている。なお、ダイヤフラム40の中央部分には、容易に変形が生ぜしめられるように弛みをもたせてある。そして、固定金具42が、筒金具20の段差部28に重ね合せられて、底金具22のフランジ部31と共に、かしめ部30によってかしめ固定されている。これによって、第二の取付金具14に対して固定金具42が固定的に組み付けられて、筒状部24の他方(軸方向下方)の開口部がダイヤフラム40で流体密に覆蓋されており、以て、第二の取付金具14の内部には、本体ゴム弾性体16に設けられた凹所36の内部を含んで、密閉領域が形成されている。そして、この密閉領域に対して水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等の非圧縮性流体が封入されている。なお、かかる非圧縮性流体としては、後述する流体の共振作用に基づく防振効果を有利に得るために、好ましくは粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体が採用される。なお、ダイヤフラム40と底金具22の間には、ダイヤフラム40の弾性変形を許容する空気室43が形成されている。
【0032】
また、第二の取付金具14には、筒状部24内に略逆カップ形状の仕切部材44が収容配置されている。この仕切部材44は、それぞれ合成樹脂や金属等の硬質材によって一体形成された、図2及び3に示されている如き略逆カップ形状の仕切部材本体46の上底部48に対して、図4及び5に示されている如き略円板形状の蓋部材50が上方から重ね合わされて固着された構造とされている。また、仕切部材本体46の筒壁部52の下端開口部には、外周縁部から軸方向下方に僅かに延び出して径方向外方に広がるフランジ状の固定片54が一体形成されている。そして、かかる仕切部材44は、仕切部材本体46の筒壁部52が第二の取付金具14を構成する筒金具20に対して軸方向下方から圧入されて、該筒壁部52がシールゴム38を介して筒金具20に密接されると共に、仕切部材本体46の固定片54が筒金具20の段差部28に重ね合わせられて、底金具22のフランジ部31と共にかしめ部30でかしめ固定されることによって、第二の取付金具14に対して固定的に組み付けられている。
【0033】
これにより、第二の取付金具14の内部に形成された密閉領域が仕切部材44によって上下に二分されており、以て、仕切部材44の上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づく圧力変動が生ぜしめられる受圧室56が形成されている一方、仕切部材44の下側には、壁部の一部がダイヤフラム40で構成されて、該ダイヤフラム40の弾性変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室58が形成されている。
【0034】
また、仕切部材44には、仕切部材本体46の筒壁部52に対して、外周面に開口して周方向に略螺旋状に一周以上の長さで延びる周方向溝59が形成されている。そして、かかる周方向溝59の外周側の開口が全長に亘って筒金具20により流体密に覆蓋されており、該周方向溝59の一方の端部が連通孔60を通じて軸方向上面に開口せしめられて受圧室56に接続されていると共に、他方の端部が連通孔62を通じて軸方向下面に開口せしめられて平衡室58に接続されている。これにより、第二の取付金具14における筒金具20の内周面に沿って周方向に2周弱の長さで延びて、受圧室56と平衡室58を相互に接続するオリフィス通路64が形成されている。
【0035】
さらに、仕切部材本体46の上底部48の中央には、軸方向上方に向かって開口する嵌合凹所66が、上底部48の略全体に亘る大きさで形成されており、この嵌合凹所66に対して、略円板形状を有する蓋部材50が嵌着固定されている。また、これら上底部48と蓋部材50の軸方向対向面には、それぞれ、対向面側に開口する大径の円形収容凹所68,70が形成されていると共に、それら円形収容凹所68,70の外周壁部によって、僅かな挟持隙間76を隔てて軸方向で対向位置せしめられる円環状の挟持部72,74が形成されている。
【0036】
なお、上底部48における円形収容凹所68の底壁部78と、蓋部材50における円形収容凹所70の上底壁部80は、何れも、中央部分が軸方向外方に向かって突出せしめられた略浅底皿形状とされており、それら底壁部78と上底壁部80の対向面間距離が、外周部分よりも中央部分で大きくされている。また、上底部48の底壁部78と蓋部材50の上底壁部80には、板厚方向に貫通した平衡室側通孔および受圧室側通孔としての通孔82,84が形成されており、これらの通孔82,84を通じて、円形収容凹所68,70が、平衡室58と受圧室56に連通せしめられている。なお、円形収容凹所70を受圧室56に連通せしめる蓋部材50の通孔84と、円形収容凹所68を平衡室58に連通せしめる上底部48の通孔82は、何れも、底壁部78と上底壁部80の各中央部分と外周部分にそれぞれ独立して形成された複数の貫通孔によって構成されている。更にまた、円環状の挟持部72,74の対向面間に形成された挟持隙間76は、内周部分よりも外周部分の方が隙間寸法が大きくされていると共に、内周縁部が径方向内方に向かって円形収容凹所68,70に開口せしめられている。
【0037】
また、これら仕切部材本体46の上底部48と蓋部材50に形成された円形収容凹所68,70には、ゴム弾性板86が収容されて、軸直角方向に広がって配設されている。このゴム弾性板86は、図6及び7にも示されているように、封入流体に対する耐性や要求される防振特性等を考慮して選択された天然ゴム等の公知のゴム弾性材のみからなるゴム弾性体の一体成形品によって形成されており、中央部分が厚肉円板形状を有する可動板部としての厚肉部90とされていると共に、外周部分が薄肉円環板形状を有する可動膜部としての薄肉部92とされており、厚肉部90の外周面上の厚さ方向略中央から薄肉部92が径方向外方に向かって突設されている。これら厚肉部90および薄肉部92は、それぞれ、全体に亘って略一定の厚さ寸法で軸直角方向に広がっており、厚肉部90の肉厚寸法が、薄肉部92の肉厚寸法の好ましくは2倍以上、より好ましくは2〜4倍に設定されている。
【0038】
更にまた、厚肉部90は、その外径寸法が仕切部材44に形成された円形収容凹所68,70の内径寸法よりも小さくされており、好ましくは該円形収容凹所68,70の内径寸法の60〜95%、より好ましくは同内径寸法の70〜90%の外径寸法とされている。また、厚肉部90の外周縁部には、軸方向両側に向かってそれぞれ所定高さで突出する弾性挟圧突起としての弾性突条94,94が、略山形断面で周方向全周に亘って連続して延びる環状形態をもって一体成形されている。また一方、薄肉部92の外径寸法は、円形収容凹所68,70の内径寸法よりも大きくされていると共に、薄肉部92の外周縁部には、薄肉部92よりも厚肉で軸方向両側に突出して周方向全周に亘って連続して延びる外周挟持部としての環状挟持部96が一体成形されている。
【0039】
また、厚肉部90の肉厚寸法は、円形収容凹所68,70を挟んで対向位置せしめられた底壁部78と上底壁部80の中央部分における対向面間距離よりも小さくされていると共に、厚肉部90の外周縁部において表裏両側に突設された弾性突条94,94の各突出先端部間の寸法が、底壁部78と上底壁部80の外周部分における対向面間距離よりも大きくされており、各弾性突条94,94の突出先端部が底壁部78と上底壁部80に対して当接せしめられている。これにより、厚肉部90の外周縁部が、弾性突条94,94を介して肉厚方向に所定の圧縮力を及ぼされた状態で、仕切部材44によって弾性的に支持されて配設されており、かかる配設状態下、厚肉部90の中央部分には、底壁部78と上底壁部80の対向面間において、弾性突条94,94や厚肉部90自体の弾性に基づいて、軸方向での弾性変位乃至は弾性変形が許容されるようになっている。
【0040】
更にまた、環状挟持部96は、軸方向の厚さ寸法が、挟持部72,74間に形成された挟持隙間76の内法寸法よりも所定量だけ大きくされており、それによって、環状挟持部96が、軸方向に所定の圧縮力を及ぼされた状態で、仕切部材44によって弾性的に支持されている。また、薄肉部92の肉厚寸法は、円形収容凹所68,70を挟んで対向位置せしめられた底壁部78と上底壁部80の対向面間距離よりも十分に小さくされている。これによって、薄肉部92は、その内外周縁部を、それぞれ、厚肉部90の外周縁部と環状挟持部96を介して、仕切部材44によって支持されており、以て、かかる薄肉部92は、それ自体の弾性に基づいて、底壁部78と上底壁部80の対向面間で軸方向の弾性変形が許容されるようになっている。
【0041】
なお、薄肉部92の外周部分は、挟持部72,74間の挟持隙間76内において弾性的に圧縮された状態で配設されていても良く、或いは僅かな間隙を隔てて非圧縮状態で配設されていても良い。また、円形収容凹所68,70を画成する底壁部78および上底壁部80における通孔82,84は、底壁部78および上底壁部80における弾性突条94の当接部位を避けて、該弾性突条94の当接部位の内周側と外周側にそれぞれ独立して形成されており、それによって、ゴム弾性板86の弾性突条94,94が、それぞれ、全周に亘って上底壁部80および底壁部78に当接せしめられていると共に、ゴム弾性板86の厚肉部90と薄肉部92の各上下両面に対して、それぞれ、上底壁部80と底壁部78に形成された通孔84,82を通じて、受圧室56の圧力と平衡室58の圧力が及ぼされるようになっている。また、ゴム弾性板86を厚さ方向に挟んだ両側には、底壁部78と上底壁部80がそれぞれ所定距離だけ離隔して位置せしめられており、これらの底壁部78と上底壁部80によって、厚肉部90の過大な変位量乃至は変形量を制限するストッパ部が形成されている。
【0042】
上述の如き構造とされたエンジンマウント10においては、前述の如き自動車への装着状態下で第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に略軸方向の振動が入力されると、本体ゴム弾性体16の弾性変形に伴って受圧室56に圧力変動が及ぼされることとなり、その結果、受圧室56と平衡室58の圧力差に基づいて、それら両室56,58間に跨がって形成されたオリフィス通路64に流体流動が生ぜしめられることとなると共に、それら両室56,58間に配設されたゴム弾性板86に対して弾性変形乃至は弾性変位が生ぜしめられることとなる。
【0043】
ここにおいて、本実施形態では、オリフィス通路64を通じて流動せしめられる流体の共振作用がエンジンシェイクや低次のアイドリング振動等に相当する10Hz前後の低周波数域に生ぜしめられるように、オリフィス通路64の通路長さや断面積等がチューニングされており、それ故、低周波数域の入力振動に対しては、オリフィス通路64を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて優れた減衰効果が発揮され得るのである。
【0044】
なお、低周波数域の振動入力時には、受圧室56と平衡室58の圧力差に基づく外力がゴム弾性板86にも及ぼされるが、厚肉部90の弾性変形乃至は弾性変位は、十分に厚肉とされた厚肉部90自体の剛性によって抑えられると共に、薄肉部92の弾性変形も、その内外周縁部が厚肉部90と環状支持部96によって略拘束されて径方向の自由長が小さく設定されることによって抑えられ得ることから、振幅の大きい低周波振動に伴う受圧室56の圧力変動を吸収してしまう程に大きなゴム弾性板86の変位乃至は変形が防止され得ることとなり、以て、受圧室56と平衡室58の間での圧力変動が効率的に生ぜしめられて、オリフィス通路64を通じて流動せしめられる流体流量が十分に確保されることにより、オリフィス通路64を流動せしめられる流体の共振作用に基づく、上述の如き所期の防振効果が、十分に大きな減衰係数をもって有利に発揮され得るのである。
【0045】
しかも、ゴム弾性板86は、その外周縁部が環状挟持部96の挟圧でシールされていることによって、ゴム弾性板86の外周側を回り込む受圧室56と平衡室58の短絡も有利に防止され得ることから、そのような短絡流路の発生に起因する受圧室56と平衡室58の間での圧力変動の低下も回避され得て、オリフィス通路64を流動せしめられる流体の共振作用に基づく上述の如き防振効果が、十分に広い周波数域に亘ってより効果的に且つ安定して発揮され得るのである。
【0046】
また一方、15Hz〜数十Hzに亘る高次のアイドリング振動や低速こもり音等の高周波振動の入力時には、オリフィス通路64を通じての流体流動抵抗が位相差の変化等によって著しく大きくなって動ばね定数が増大する傾向にあるが、振幅の小さい高周波振動に伴う受圧室56の圧力変動は、ゴム弾性板86における厚肉部90の変位乃至は変形に加えて、薄肉部92の変形が生ぜしめられることによって、効果的に軽減乃至は解消され得るのであり、それによって、受圧室56の圧力変動が有利に軽減乃至は解消され得ることとなり、高周波数域での動ばね定数の増大が抑えられて、低動ばね特性に基づいて優れた防振効果が発揮され得るのである。
【0047】
なお、本実施形態では、高周波振動の振動入力時に、厚肉部90の外周縁部に設けられた弾性突条94,94の底壁部78や上底壁部80への当接状態が維持されるようになっているが、要求される防振特性に応じて、振動入力時に弾性突条94,94が底壁部78や上底壁部80から離隔せしめられる程度に、それら弾性突条94,94に対する底壁部78や上底壁部80の当接力を設定しても良い。
【0048】
また、本実施形態では、仕切部材44の外周部分にオリフィス通路64が形成されていると共に、仕切部材44の中央部分にゴム弾性板86が配設されていることから、オリフィス通路64の通路長さの設定自由度が有利に確保され得ると共に、ゴム弾性板86の配設スペースをより効率的に確保することが可能となる。
【0049】
因みに、上述の如き構造とされたエンジンマウント10の防振性能の周波数特性を測定した結果を、実施例として、図8に示す。なお、かかる測定試験に際しては、装着状態下でエンジンマウント10に及ぼされるパワーユニットの分担支持荷重に相当する静的な初期荷重(1400N)を及ぼした状態下で、加振手段により第一の取付金具12の中心軸方向に及ぼす加振力を、振幅を0.05mmで略一定として周波数スイープせしめて、第二の取付金具14の振動状態を検出することによって測定した。また、比較例として、厚肉部(90)を設けずに全体を薄肉部(92)とすることにより、全体に亘って仕切部材44で拘束されない自由な弾性変形が許容されるようにした、従来の可動膜タイプのゴム弾性板を採用した構造のエンジンマウントを採用し、かかるエンジンマウントについて、本実施例と同様な防振性能の測定を行った結果を、比較例として、図8に併せ示す。
【0050】
図8に示された測定結果から明らかなように、本実施例のエンジンマウント10(実施例)では、低次のアイドリング振動やエンジンシェイク等が発現する低周波数域(8〜12Hz)において、高い減衰係数が確保されていることが認められると共に、高次のアイドリング振動や走行こもり音等が発現する高周波数域(25〜35Hz)において、高動ばね化が抑えられて低動ばね特性が発揮されていることが認められる。これに対して、比較例のエンジンマウントでは、低周波数域において十分に大きな減衰係数が発揮されていないことが認められると共に、高周波数域において、大きな高動ばね化が惹起されていることが認められる。
【0051】
次に、図9には、本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウント106が示されている。なお、以下の説明において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0052】
より詳細には、本実施形態のエンジンマウント106には、仕切部材44の下側開口部に対して仕切金具108が固定的に組み付けられている。この仕切金具108は、全体として薄肉の逆カップ形状を有していると共に、開口周縁部には径方向外方に広がる円環板形状の鍔部110が一体形成されている。そして、かかる仕切金具108は、仕切部材本体46の筒壁部52に圧入されて、鍔部110が該筒壁部52の下端面に重ね合わせられることによって、仕切部材44の下側開口を流体密に閉塞する状態で嵌着固定されている。
【0053】
これにより、仕切部材44には、仕切部材本体46の上底部48と仕切金具108の対向面間において、受圧室56と平衡室58の何れからも独立して、非圧縮性流体が封入された中間室112が形成されている。なお、この中間室112には、上底部48に形成された複数の通孔82が、それぞれ、開口せしめられている。
【0054】
さらに、中間室112の周壁部を構成する仕切部材本体46の筒壁部52には、周方向溝59の底面に開口する接続孔114が貫設されており、この接続孔114によって、オリフィス通路64の長手方向中間部分が、中間室112に接続されている。これにより、中間室112は、接続孔114と、オリフィス通路64の平衡室58側の一部、および連通孔62を通じて、平衡室58に接続されているのであり、以て、かかるオリフィス通路64の平衡室58側の一部を利用して、中間室112と平衡室58の間での流体流動を許容する第二のオリフィス通路116が形成されている。
【0055】
また、かかる第二のオリフィス通路116は、オリフィス通路64と略同じ通路断面積とされると共に、オリフィス通路64よりも通路長さが短く設定されていることにより、オリフィス通路64よりも高周波数域にチューニングされており、特に本実施形態では、第二のオリフィス通路116を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、25〜30Hzの高次のアイドリング振動に対して低動ばね効果を発揮し得るように、該第二のオリフィス通路116の通路長さや断面積等が設定されている。
【0056】
このような構造とされたエンジンマウント106においても、第一の実施形態と同様な特定構造のゴム弾性板86を採用したことによって、第一の実施形態と同様な効果が、何れも有効に発揮され得るのであり、それに加えて、特に本実施形態では、高周波数域の振動入力時に受圧室56と平衡室58の間に惹起される相対的な圧力変動に基づいてゴム弾性板86の厚肉部90および薄肉部92が変位乃至は変形せしめられることにより、受圧室56と平衡室58の間での相対的な容積変化に伴い、中間室112を介して、第二のオリフィス通路116を通じての流体流動が生ぜしめられることから、かかる第二のオリフィス通路116を流動せしめられる流体の共振作用に基づく低動ばね効果を利用して、高周波振動に対してより一層優れた防振効果を得ることが可能となるのである。
【0057】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0058】
例えば、オリフィス通路および第二のオリフィス通路の断面形状や通路長さ等の構造、およびチューニング周波数等は、防振すべき振動周波数に応じて、適宜に、設定,変更されるものであり、前記第一及び第二の実施形態のものに限定されない。
【0059】
また、前記第二の実施形態では、第二のオリフィス通路116が、オリフィス通路84の一部を利用して形成されていたが、オリフィス通路の一部を利用しないで、即ち、オリフィス通路と独立した通路構造をもって並列的に第二のオリフィス通路を形成することも、勿論可能である。更にまた、要求される防振特性等によっては、第二のオリフィス通路116を、仕切部材44に形成される通孔82,84を利用して形成することも可能である。また、第二のオリフィス通路を、ゴム弾性板86に対して受圧室56側に形成しても良い。
【0060】
また、前記第一及び第二の実施形態では、可動ゴム板がゴム弾性材のみで形成されており、その中央部分の肉厚寸法が外周部分の肉厚寸法よりも大きくされることによって、可動ゴム板の中央部分に剛性の大きい可動板部としての厚肉部90が形成されていたが、例えば、可動ゴム板の中央部分に樹脂や金属等の硬質材からなるプレート等の補強材を固着して配設することによって、可動ゴム板の中央部分に剛性の大きい可動板部を形成するようにしても良く、そのような場合には、剛性の大きい中央部分を剛性の小さい外周部分よりも厚肉とする必要はない。
【0061】
また、前記第一及び第二の実施形態において、ゴム弾性板86の厚肉部90に形成された弾性突条94,94の大きさや形状、突出寸法等は、要求される防振特性等に応じて適宜に決定されるものであって何等限定されるものでない。更にまた、そのような弾性突条94,94は必ずしも設ける必要がなく、厚肉部90の外周縁部を仕切部材本体46の上底部48と蓋部材50で直接に弾性的に挟圧支持せしめるようにしてもよい。なお、その場合には、例えば、仕切部材本体46の上底部48と蓋部材50に対して環状の突条を突出形成して厚肉部90の外周縁部を弾性的に挟圧支持せしめることが望ましい。
【0062】
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用のエンジンマウントに適用したものの一具体例を示したが、その他、本発明は、各種の構造のエンジンマウント、或いはエンジンマウント以外の防振装置にも適用可能であり、例えば、特開平10−184770号公報等に記載されているようなFF型自動車用エンジンマウント等に用いられる円筒型の流体封入式防振装置にも、適用可能であることは勿論、自動車用ボデーマウントやデフマウントの他、自動車以外の各種装置における流体封入式防振装置に対しても、何れも同様に適用可能である。
【0063】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、中央部分に剛性の大きい可動板部を有すると共に、外周部分に剛性の小さい可動膜部を有する、特定構造の可動ゴム板を採用して、該可動ゴム板をオリフィス通路によって相互に連通せしめられた受圧室と平衡室の間に配設したことにより、オリフィス通路がチューニングされた低周波大振幅振動の入力時には、オリフィス通路による防振効果を効率的に且つ広い周波数域に亘って発揮せしめることが出来ると共に、オリフィス通路のチューニング周波数を超えた高周波小振幅振動の入力時には、動はね定数の増大が効果的に抑えられて低動ばね特性による防振効果が有利に発揮され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントを構成する仕切部材本体の平面図である。
【図3】図2におけるIII−III断面図である。
【図4】図1に示されたエンジンマウントを構成する蓋部材の平面図である。
【図5】図4におけるV−V断面図である。
【図6】図1に示されたエンジンマウントを構成するゴム弾性板の平面図である。
【図7】図6におけるVII−VII断面図である。
【図8】図1に示されたエンジンマウントの防振特性の周波数依存性を示すグラフである。
【図9】本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
40 ダイヤフラム
44 仕切部材
48 上底部
50 蓋部材
56 受圧室
58 平衡室
64 オリフィス通路
72 挟持部
74 挟持部
82 通孔
84 通孔
86 ゴム弾性板
90 厚肉部
92 薄肉部
96 環状挟持部

Claims (9)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて該第一の取付部材と該第二の取付部材の間への振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室と、可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入する一方、該受圧室と該平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けると共に、該受圧室と該平衡室の間に可動ゴム板を配設せしめて、該可動ゴム板の一方の面に該受圧室の圧力が及ぼされると共に、該可動ゴム板の他方の面に該平衡室の圧力が及ぼされるようにして、該可動ゴム板の変位乃至は変形に基づいて振動入力時における該受圧室の小振幅な圧力変動を軽減せしめるようにした流体封入式防振装置において、
    前記可動ゴム板の中央部分を剛性の大きい可動板部とすると共に、該可動ゴム板の外周部分を剛性の小さい可動膜部とし、更に該可動膜部の外周縁部に該可動膜部よりも厚さ寸法が大きい環状の外周挟持部を一体形成する一方、該可動ゴム板を厚さ方向両側から保持せしめる保持部を前記第二の取付部材に設けて、前記可動板部の外周縁部を該保持部により全周に亘って厚さ方向に圧縮状態で挟み込んで弾性的に支持せしめると共に、前記外周挟持部を該保持部により全周に亘って厚さ方向に挟み込んで流体密に支持せしめ、更にかかる保持部に対して、該可動ゴム板における該可動板部と該可動膜部の各一方の面に前記受圧室の圧力を作用せしめる受圧室側通孔と、それら可動板部と可動膜部の各他方の面に前記平衡室の圧力を作用せしめる平衡室側通孔を、それぞれ設けたことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記可動板部の外周縁部よりも、前記外周挟持部を、より大きな厚さ方向の挟み込み力で支持せしめた請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記可動板部の中央部分を厚さ方向に挟んだ両側にそれぞれ所定距離だけ離隔位置して、該可動板部の当接によって該可動板部の変位量を制限するストッパ部を、前記保持部によって形成した請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記可動ゴム板をゴム弾性材のみによって形成すると共に、該可動ゴム板の中央部分に形成された前記可動板部の肉厚寸法を、その全面に亘って、前記可動膜部の肉厚寸法の2倍以上とした請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記可動板部の外周縁部に位置して、厚さ方向両側にそれぞれ突出する環状の弾性挟圧突起を一体形成して、該弾性挟圧突起を前記保持部で挟み込んで支持せしめた請求項1乃至4の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記第二の取付部材に筒状部を設けて、該筒状部の一方の開口部側に前記第一の取付部材を配設すると共に、該第一の取付部材を該第二の取付部材に弾性連結する前記本体ゴム弾性体によって該筒状部の該一方の開口部を流体密に閉塞せしめる一方、該筒状部の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に閉塞せしめ、更に該筒状部に仕切部材を収容配置せしめて、該仕切部材を挟んだ一方の側に前記受圧室を形成すると共に、該仕切部材を挟んだ他方の側に前記平衡室を形成して、該仕切部材の外周部分に前記オリフィス通路を形成すると共に、該仕切部材の中央部分において前記可動ゴム板を配設せしめて、該仕切部材によって該可動ゴム板を支持せしめる前記保持部を構成した請求項1乃至5の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記可動ゴム板の少なくとも一方の側に、該可動ゴム板の変位乃至は変形に伴って流体流動が生ぜしめられる第二のオリフィス通路を形成して、該第二のオリフィス通路を前記オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波側にチューニングした請求項1乃至6の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  8. 前記可動ゴム板と前記第二のオリフィス通路の間に、前記受圧室および前記平衡室の何れからも独立せしめられて、壁部の一部が該可動ゴム板で構成された所定容積の中間室を形成した請求項7に記載の流体封入式防振装置。
  9. 前記オリフィス通路の長さ方向中間部分を前記中間室に連通せしめることにより、該オリフィス通路の一部を利用して前記第二のオリフィス通路を形成した請求項8に記載の流体封入式防振装置。
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