JP2000251944A - 非水電解液二次電池及び非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池及び非水電解液二次電池の製造方法

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JP2000251944A
JP2000251944A JP11260711A JP26071199A JP2000251944A JP 2000251944 A JP2000251944 A JP 2000251944A JP 11260711 A JP11260711 A JP 11260711A JP 26071199 A JP26071199 A JP 26071199A JP 2000251944 A JP2000251944 A JP 2000251944A
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隆久 大崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極群に非水電解液が溶液もしくは液状の状
態で含浸されている非水電解液二次電池において、大電
流特性およびサイクル特性が向上され、かつ薄型化を図
ることが可能な非水電解液二次電池を提供する。 【解決手段】 正極と、負極と、前記正極及び前記負極
の間に配置され、空気透過率が600秒/100cm3
以下の多孔質シートを含むセパレータとを備える電極群
2;前記電極群2に含浸される非水電解液;前記電極群
2が収納される外装材1;を具備し、前記正極及び前記
セパレータは、各々の空隙に保持された接着性を有する
高分子により接着され、前記負極及び前記セパレータは
各々の空隙に保持された接着性を有する高分子により接
着されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池及び非水電解液二次電池の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】現在、携帯電話などの携帯機器向けの非
水電解液二次電池として、薄型リチウムイオン二次電池
が商品化されている。この電池は、正極にリチウムコバ
ルト酸化物(LiCoO2)、負極に黒鉛質材料や炭素
質材料、電解液にリチウム塩を溶解した有機溶媒、セパ
レータに多孔質膜が用いられている。
【0003】携帯機器の薄型化に伴って電池の厚さを薄
くすることが要望されているものの、厚さ4mm以下の
薄型リチウムイオン二次電池の実用化は困難である。こ
のため、従来よりポリマー電解質を用いたカードタイプ
のリチウム二次電池が提案され、実用化開発が進められ
ている。
【0004】しかしながら、ポリマー電解質を用いたリ
チウム二次電池は、非水電解液が保持されたゲル状ポリ
マーを含むため、非水電解液を用いるリチウム二次電池
に比べて電極界面のインピーダンスが大きく、かつリチ
ウムイオン伝導度が低いという問題点がある。また、ポ
リマー電解質の機械的強度を保つために電解質の厚さを
従来のセパレータに比べて厚くする必要があることか
ら、エネルギー密度が低下するという問題点を生じる。
【0005】従って、ポリマー電解質を用いたリチウム
二次電池は、非水電解液が溶液もしくは液状の状態で含
浸されている薄型リチウム二次電池に比べて体積エネル
ギー密度、サイクル寿命及び大電流特性が劣るという問
題点がある。
【0006】一方、特開平10−177865号の公開
公報の特許請求の範囲には、正極と、負極と、電解液を
保持した対向面を有するセパレータと、電解液相、電解
液を含有する高分子ゲル相及び高分子固相の混相からな
り、かつ上記セパレータの対向面に上記正極及び負極を
接合する接着性樹脂層とを備えたリチウムイオン二次電
池が記載されている。また、特開平10−189054
号の公開公報の特許請求の範囲には、主成分ポリフッ化
ビニリデンを溶媒に溶解してなるバインダー樹脂溶液を
セパレータに塗布する工程、このセパレータ上に電極を
重ね合わせ、密着させたまま乾燥し溶剤を蒸発させて電
池積層体を形成する工程、この電池積層体に電解液を含
浸させる工程を備えたリチウムイオン二次電池の製造方
法が記載されている。さらに、特開平10−17260
6号の公開公報の特許請求の範囲には、正極と、負極
と、前記正極及び前記負極の間に配置され、リチウムイ
オンを含む電解液を保持するセパレータと、前記電解液
を保持し、前記正極、負極及びセパレータを接合する多
孔性の接着性樹脂層とを具備したリチウムイオン二次電
池が開示されている。
【0007】しかしながら、各公報に開示されたリチウ
ムイオン二次電池は、内部抵抗が高くなるため、サイク
ル寿命及び大電流放電特性が劣るという問題点を有す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電極
群に非水電解液が溶液もしくは液状の状態で含浸されて
いる非水電解液二次電池において、大電流特性およびサ
イクル特性が向上され、かつ薄型化を図ることが可能な
非水電解液二次電池を提供しようとするものである。
【0009】本発明の目的は、電極群に非水電解液が溶
液もしくは液状の状態で含浸されている非水電解液二次
電池において、大電流特性およびサイクル特性の向上
と、薄型化を図ることが可能な非水電解液二次電池の製
造方法を提供しようとするものである。
【0010】本発明の目的は、電極群に非水電解液が溶
液もしくは液状の状態で含浸されている非水電解液二次
電池において、サイクル特性が向上され、かつ薄型化を
図ることが可能な非水電解液二次電池を提供しようとす
るものである。
【0011】本発明の目的は、電極群に非水電解液が溶
液もしくは液状の状態で含浸されている非水電解液二次
電池において、サイクル特性の向上と、薄型化を図るこ
とが可能な非水電解液二次電池の製造方法を提供しよう
とするものである。
【0012】また、本発明の目的は、内部短絡発生率が
低減され、かつ大電流特性およびサイクル特性が向上さ
れた非水電解液二次電池を提供しようとするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、正極
と、負極と、前記正極及び前記負極の間に配置され、空
気透過率が600秒/100cm3以下の多孔質シート
を含むセパレータとを備える電極群;前記電極群に含浸
される非水電解液;前記電極群が収納される外装材;を
具備し、前記正極及び前記セパレータは、各々の空隙に
保持された接着性を有する高分子により接着され、前記
負極及び前記セパレータは各々の空隙に保持された接着
性を有する高分子により接着されていることを特徴とす
る非水電解液二次電池が提供される。
【0014】本発明によれば、正極と、負極と、前記正
極及び前記負極を隔絶するためのセパレータとを有する
電極群;前記電極群を収納するための外装材;前記電極
群に含浸される非水電解液;を具備し、前記正極及び前
記セパレータは、これらの内部及び境界に点在した接着
性を有する高分子により接着され、前記負極及び前記セ
パレータは、これらの内部及び境界に点在した接着性を
有する高分子により接着されていることを特徴とする非
水電解液二次電池が提供される。
【0015】本発明によれば、正極及び負極をその間に
セパレータを介して渦巻き状に捲回した後、径方向に圧
縮した構造を有する電極群と、前記電極群に含浸される
非水電解液と、前記電極群が収納されるフィルム製外装
材とを具備し、前記電極群は、積層構造が露出している
面が下記(1)式を満たす形状を有することを特徴とす
る非水電解液二次電池が提供される。
【0016】 0.9≦L2/L1≦1.2 …(1) 前記(1)式において、前記L2は前記面のうち湾曲積
層領域を除いた領域における最多層部の厚さであり、前
記L1は前記湾曲積層領域を除いた領域の端部のうち層
数が前記L2と等しい端部の厚さである。
【0017】本発明によれば、正極、負極及びセパレー
タからなる積層物を2回以上折り曲げた構造を有する電
極群と、前記電極群に含浸される非水電解液と、前記電
極群が収納されるフィルム製外装材とを具備し、前記電
極群は、積層構造が露出している面が下記(2)式を満
たす形状を有することを特徴とする非水電解液二次電池
が提供される。
【0018】 0.9≦L4/L3≦1.2 …(2) 前記(2)式において、前記L4は前記面のうち折り曲
げ積層領域を除いた領域における最多層部の厚さであ
り、前記L3は前記折り曲げ積層領域を除いた領域の端
部のうち層数が前記L4と等しい端部の厚さである。
【0019】本発明によれば、正極及び負極をその間に
セパレータを介して渦巻き状に捲回した後、径方向に圧
縮した構造を有する電極群と、前記電極群に含浸される
非水電解液と、前記電極群が収納されるフィルム製外装
材とを具備し、前記正極及び前記セパレータは、これら
の内部及び境界に点在した接着性を有する高分子により
接着され、前記負極及び前記セパレータは、これらの内
部及び境界に点在した接着性を有する高分子により接着
され、かつ前記電極群は、積層構造が露出している面が
下記(1)式を満たす形状を有することを特徴とする非
水電解液二次電池が提供される。
【0020】 0.9≦L2/L1≦1.2 …(1) 前記(1)式において、前記L2は前記面のうち湾曲積
層領域を除いた領域における最多層部の厚さであり、前
記L1は前記湾曲積層領域を除いた領域の端部のうち層
数が前記L2と等しい端部の厚さである。
【0021】本発明によれば、正極、負極及びセパレー
タからなる積層物を2回以上折り曲げた構造を有する電
極群と、前記電極群に含浸される非水電解液と、前記電
極群が収納されるフィルム製外装材とを具備し、前記正
極及び前記セパレータは、これらの内部及び境界に点在
した接着性を有する高分子により接着され、前記負極及
び前記セパレータは、これらの内部及び境界に点在した
接着性を有する高分子により接着され、かつ前記電極群
は、積層構造が露出している面が下記(2)式を満たす
形状を有することを特徴とする非水電解液二次電池が提
供される。
【0022】 0.9≦L4/L3≦1.2 …(2) 前記(2)式において、前記L4は前記面のうち折り曲
げ積層領域を除いた領域における最多層部の厚さであ
り、前記L3は前記折り曲げ積層領域を除いた領域の端
部のうち層数が前記L4と等しい端部の厚さである。
【0023】本発明によれば、少なくとも1枚の正極
と、少なくとも1枚の負極と、少なくとも1枚のセパレ
ータと、前記正極と前記セパレータの間及び前記負極と
前記セパレータの間それぞれに介装される少なくとも2
枚の接着層とが積層された構造を有する電極群;前記電
極群に含浸される非水電解液;前記電極群が収納される
フィルム製外装材;を具備し、前記セパレータは、接着
性を有する高分子を10重量%以下(0重量%を含む)
含み、かつその端部が前記正極及び前記負極のうち少な
くとも一方の電極の端部に比べて突出していることを特
徴とする非水電解液二次電池が提供される。
【0024】本発明によれば、正極と負極の間にセパレ
ータを介在させて電極群を作製する工程と、接着性を有
する高分子が溶解された溶液を前記電極群に含浸させる
工程と、前記電極群を成形する工程と、前記電極群に非
水電解液を含浸させる工程とを具備することを特徴とす
る非水電解液二次電池の製造方法が提供される。
【0025】本発明によれば、正極と負極の間に、ポリ
オレフィン及びセルロースから選ばれる少なくとも1種
類の材料からなるセパレータを介在させて電極群を作製
する工程と、前記電極群を加熱しながら成形する工程
と、前記電極群に非水電解液を含浸させる工程とを具備
することを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法が
提供される。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明に係る第1の非水電解液二
次電池は、正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間
に配置され、空気透過率が600秒/100cm3以下
の多孔質シートからなるセパレータとを備える電極群;
前記電極群に含浸される非水電解液;前記電極群が収納
される外装材;を具備する。
【0027】前記正極及び前記セパレータは、各々の空
隙に保持された接着性を有する高分子により接着されて
いる。また、前記負極及び前記セパレータは各々の空隙
に保持された接着性を有する高分子により接着されてい
る。
【0028】本発明に係る第2の非水電解液二次電池
は、正極と、負極と、前記正極及び前記負極を電気的に
隔絶するためのセパレータとを有する電極群;前記電極
群を収納するための外装材;前記電極群に含浸される非
水電解液;を具備する。
【0029】前記正極及び前記セパレータは、これらの
内部及び境界に点在した接着性を有する高分子により接
着されている。また、前記負極及び前記セパレータは、
これらの内部及び境界に点在した接着性を有する高分子
により接着されている。
【0030】なお、前記正極及び前記負極のうち少なく
とも一方の電極が複数存在するとき、複数の電極のうち
の一つとセパレータとの境界に前記接着性を有する高分
子が存在するよりは、各電極とセパレータとの境界の一
部に前記接着性を有する高分子の一部が存在する方が望
ましい。
【0031】以下、前記正極、前記負極、前記セパレー
タ、前記非水電解液及び前記外装材について詳しく説明
する。
【0032】1)正極 この正極は、活物質を含む正極層が集電体の片面もしく
は両面に担持された構造を有する。前記正極は、空隙に
接着性を有する高分子を保持する。
【0033】前記正極層は、正極活物質及び導電剤を含
む。また、前記正極層は、接着性を有する高分子の他
に、正極活物質を結着する結着剤を含む。
【0034】前記正極活物質としては、種々の酸化物、
例えば二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物、
リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有コバルト酸
化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウム
含有鉄酸化物、リチウムを含むバナジウム酸化物や、二
硫化チタン、二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物
などを挙げることができる。中でも、リチウム含有コバ
ルト酸化物(例えば、LiCoO2 )、リチウム含有ニ
ッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.2
2 )、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn
2 4 、LiMnO2 )を用いると、高電圧が得られる
ために好ましい。
【0035】前記導電剤としては、例えば、アセチレン
ブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることがで
きる。前記正極の導電材の含有量は、正極活物質80〜
95重量%の際に3〜20重量%の範囲にすることが好
ましい。
【0036】前記結着剤は、活物質を集電体に保持さ
せ、かつ活物質同士をつなぐ機能を有する。前記結着剤
としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EP
DM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリフ
ッ化ビニリデン(PVdF)等を用いることができる。
【0037】前記接着性を有する高分子は、非水電解液
を保持した状態で高い接着性を維持できるものであるこ
とが望ましい。さらに、かかる高分子は、リチウムイオ
ン伝導性が高いとなお好ましい。非水電解液を保持した
状態で高い接着性を有し、かつリチウムイオン伝導性が
高い高分子としては、例えば、ポリアクリロニトリル
(PAN)、ポリアクリレート(PMMA)、ポリフッ
化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニル(PVC)
及びポリエチレンオキサイド(PEO)から選ばれる1
種以上のポリマー等を用いることができる。中でも、P
VdFが好ましい。PVdFは、非水電解液を保持する
ことができ、非水電解液を含むと一部ゲル化を生じるた
め、正極中のイオン伝導性をより向上することができ
る。
【0038】前記接着性高分子は、前記正極内において
多孔質構造をとることが好ましい。多孔質構造を有する
接着性高分子は、非水電解液を保持することができるた
め、正極の非水電解液保持量を増加させることができ
る。
【0039】前記正極の結着剤及び接着性を有する高分
子の含有量は、1〜10重量%の範囲内であることが好
ましい。
【0040】前記集電体としては、多孔質構造の導電性
基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができ
る。これら導電性基板は、例えば、アルミニウム、ステ
ンレス、またはニッケルから形成することができる。
【0041】特に、前記集電体としては、直径3mm以
下の孔が10cm2 当り1個以上の割合で存在する二次
元的な多孔質構造を有する導電性基板を用いることが好
ましい。すなわち、導電性基板に開口された孔の直径が
3mmよりも大きくなると、十分な正極強度が得られな
くなる恐れがある。一方、直径3mm以下の孔の存在割
合が前記範囲よりも少なくなると、電極群に非水電解液
を均一に浸透させることが困難になるため、十分なサイ
クル寿命が得られなくなる恐れがある。孔の直径は、
0.1〜1mmの範囲にすることがより好ましい。ま
た、孔の存在割合は、10cm2 当り10〜20個の範
囲にすることがより好ましい。
【0042】前述した直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を
有する導電性基板は、厚さを15〜100μmの範囲に
することが好ましい。厚さを15μm未満にすると、十
分な正極強度が得られなくなる恐れがある。一方、厚さ
が100μmを越えると、電池重量および電極群の厚さ
が増加し、薄型二次電池の重量エネルギー密度や、体積
エネルギー密度を十分に高くすることが困難になる恐れ
がある。厚さのより好ましい範囲は、30〜80μmで
ある。
【0043】2)負極 前記負極は、負極層が集電体の片面もしくは両面に担持
された構造を有する。前記負極は、空隙に接着性を有す
る高分子を保持する。
【0044】前記負極層は、リチウムイオンを吸蔵・放
出する炭素質物を含む。また、前記負極層は、接着性を
有する高分子の他に、負極材料を結着する結着剤を含ん
でいても良い。
【0045】前記活物質としては、例えば、リチウムイ
オンを吸蔵・放出する炭素質物を挙げることができる。
前記炭素質物としては、黒鉛、コークス、炭素繊維、球
状炭素などの黒鉛質材料もしくは炭素質材料、熱硬化性
樹脂、等方性ピッチ、メソフェーズピッチ、メソフェー
ズピッチ系炭素繊維、メソフェーズ小球体など(特に、
メソフェーズピッチ系炭素繊維が好ましい)に500〜
3000℃で熱処理を施すことにより得られる黒鉛質材
料または炭素質材料等を挙げることができる。中でも、
前記熱処理の温度を2000℃以上にすることにより得
られ、(002)面の面間隔d002 が0.340nm以
下である黒鉛結晶を有する黒鉛質材料を用いるのが好ま
しい。このような黒鉛質材料を炭素質物として含む負極
を備えた非水電解液二次電池は、電池容量および大電流
特性を大幅に向上することができる。前記面間隔d002
は、0.336nm以下であることが更に好ましい。
【0046】前記負極の前記炭素質物の含有量は、負極
を作製した状態で5〜20g/m2の範囲にすることが
好ましい。
【0047】前記結着剤は、活物質を集電体に保持さ
せ、かつ活物質同士をつなぐ機能を有する。前記結着剤
としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EP
DM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリフ
ッ化ビニリデン(PVdF)、カルボキシメチルセルロ
ース(CMC)等を用いることができる。
【0048】前記接着性を有する高分子は、非水電解液
を保持した状態で高い接着性を維持できるものであるこ
とが望ましい。さらに、かかる高分子は、リチウムイオ
ン伝導性が高いとなお好ましい。非水電解液を保持した
状態で高い接着性を有し、かつリチウムイオン伝導性が
高い高分子としては、前述した正極で説明したのと同様
なものを挙げることができる。中でも、ポリフッ化ビニ
リデンが好ましい。ポリフッ化ビニリデンは、非水電解
液を保持することができ、非水電解液を含むと一部ゲル
化を生じるため、負極中のイオン伝導性をより向上する
ことができる。
【0049】前記接着性高分子は、前記負極内において
多孔質構造をとることが好ましい。多孔質構造を有する
接着性高分子は、非水電解液を保持することができるた
め、負極の非水電解液保持量を増加させることができ
る。
【0050】前記負極の結着剤及び接着性を有する高分
子の含有量は、1〜10重量%の範囲内であることが好
ましい。
【0051】前記集電体としては、多孔質構造の導電性
基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができ
る。これら導電性基板は、例えば、銅、ステンレス、ま
たはニッケルから形成することができる。
【0052】特に、前記集電体としては、直径3mm以
下の孔が10cm2 当り1個以上の割合で存在する二次
元的な多孔質構造を有する導電性基板を用いることが好
ましい。すなわち、導電性基板の孔の直径が3mmより
も大きくなると、十分な負極強度が得られなくなる恐れ
がある。一方、直径3mm以下の孔の存在割合が前記範
囲よりも少なくなると、電極群に非水電解液を均一に浸
透させることが困難になるため、十分なサイクル寿命が
得られなくなる恐れがある。孔の直径は、0.1〜1m
mの範囲にすることがより好ましい。また、孔の存在割
合は、10cm 2 当り10〜20個の範囲にすることが
より好ましい。
【0053】前述した直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を
有する導電性基板は、厚さを10〜50μmの範囲にす
ることが好ましい。厚さを10μm未満にすると、十分
な負極強度が得られなくなる恐れがある。一方、厚さが
50μmを越えると、電池重量および電極群の厚さが増
加し、薄型二次電池の重量エネルギー密度や、体積エネ
ルギー密度を十分に高くすることが困難になる恐れがあ
る。
【0054】前記負極の端部のうち少なくとも一端部を
前記正極に比べて突出させることが好ましい。このよう
な構成にすると、前記負極の端部への電流集中を緩和す
ることができ、サイクル寿命及び安全性を向上すること
ができる。中でも、前記負極の全ての端部を前記正極か
ら突出させることが望ましい。
【0055】前記負極としては、前述したリチウムイオ
ンを吸蔵・放出する炭素質物を含むものの他に、金属酸
化物か、金属硫化物か、もしくは金属窒化物を含むもの
や、リチウム金属またはリチウム合金からなるものを用
いることができる。
【0056】前記金属酸化物としては、例えば、スズ酸
化物、ケイ素酸化物、リチウムチタン酸化物、ニオブ酸
化物、タングステン酸化物等を挙げることができる。
【0057】前記金属硫化物としては、例えば、スズ硫
化物、チタン硫化物等を挙げることができる。
【0058】前記金属窒化物としては、例えば、リチウ
ムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガ
ン窒化物等を挙げることができる。
【0059】前記リチウム合金としては、例えば、リチ
ウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛
合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。
【0060】3)セパレータ このセパレータは、例えば、多孔質シートの空隙に少な
くとも接着性を有する高分子が保持されたものを用いる
ことができる。
【0061】前記多孔質シートとしては、例えば、多孔
質フィルム、もしくは不織布を用いることができる。前
記多孔質シートは、例えば、ポリオレフィン及びセルロ
ースから選ばれる少なくとも1種類の材料からなること
が好ましい。前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレンを挙げることができる。中
でも、ポリエチレンか、あるいはポリプロピレン、また
は両者からなる多孔質フィルムは、二次電池の安全性を
向上できるため、好ましい。
【0062】前記接着性を有する高分子は、非水電解液
を保持した状態で高い接着性を維持できるものであるこ
とが望ましい。さらに、かかる高分子は、リチウムイオ
ン伝導性が高いとなお好ましい。非水電解液を保持した
状態で高い接着性を有し、かつリチウムイオン伝導性が
高い高分子としては、前述した正極で説明したのと同様
なものを挙げることができる。中でも、ポリフッ化ビニ
リデンが好ましい。ポリフッ化ビニリデンは、非水電解
液を保持することができ、非水電解液を含むと一部ゲル
化を生じるため、セパレータのイオン伝導性をより向上
することができる。
【0063】前記接着性高分子は、前記セパレータ内に
おいて多孔質構造をとることが好ましい。多孔質構造を
有する接着性高分子は、非水電解液を保持することがで
きるため、セパレータの非水電解液保持量を増加させる
ことができる。
【0064】前記セパレータの接着性を有する高分子の
含有量は、10重量%以下にすることが好ましい。含有
量が10重量%を超えると、非水電解液のイオン伝導性
が低下する恐れがあるため、大電流放電特性及びサイク
ル寿命を十分に改善できなくなる恐れがある。より好ま
しい範囲は5重量%以下で、さらに好ましい範囲は1重
量%以下である。また、含有量の下限値は、1×10-5
にすることが好ましい。含有量が1×10-5重量%より
少なくなると、セパレータと正極との接着強度並びにセ
パレータと負極との接着強度を十分に高めることが困難
になる恐れがあるため、大電流放電特性及びサイクル寿
命を十分に改善できなくなる恐れがあるからである。よ
って、含有量は1×10-5〜10重量%の範囲にするこ
とが好ましい。下限値のより好ましい範囲は1×10-4
重量%で、さらに好ましい値は1×10-3重量%であ
る。
【0065】前記セパレータは、接着性を有する高分子
の濃度が均一でも良いが、接着性を有する高分子の濃度
にムラがあっても良い。中でも、内部の接着性を有する
高分子の濃度が、正極または負極と対向する表面におけ
る接着性を有する高分子の濃度に比べて低いことが望ま
しい。特に、セパレータの厚さ方向の中心部における接
着性を有する高分子の濃度が、正極または負極と対向す
る表面における接着性を有する高分子の濃度に比べて低
いことが好ましい。
【0066】前記多孔質シートの厚さは、30μm以下
にすることが好ましい。厚さが30μmを越えると、正
負極間の距離が大きくなって内部抵抗が大きくなる恐れ
がある。また、厚さの下限値は、5μmにすることが好
ましい。厚さを5μm未満にすると、セパレータの強度
が著しく低下して内部ショートが生じやすくなる恐れが
ある。厚さの上限値は、25μmにすることがより好ま
しく、また、下限値は10μmにすることがより好まし
い。
【0067】前記多孔質シートは、120℃、1時間で
の熱収縮率が20%以下であることが好ましい。前記熱
収縮率が20%を越えると、正負極およびセパレータの
接着強度を十分なものにすることが困難になる恐れがあ
る。前記熱収縮率は、15%以下にすることがより好ま
しい。
【0068】前記多孔質シートは、多孔度が30〜60
%の範囲であることが好ましい。これは次のような理由
によるものである。多孔度を30%未満にすると、セパ
レータにおいて高い電解液保持性を得ることが困難にな
る恐れがある。一方、多孔度が60%を越えると、十分
なセパレータ強度を得られなくなる恐れがある。多孔度
のより好ましい範囲は、35〜50%である。
【0069】前記多孔質シートは、空気透過率が600
秒/100cm3 以下であることが好ましい。空気透過
率が600秒/100cm3 を越えると、セパレータに
おいて高いリチウムイオン移動度を得ることが困難にな
る恐れがある。また、空気透過率の下限値は、100秒
/100cm3 にすることが好ましい。空気透過率を1
00秒/100cm3 未満にすると、十分なセパレータ
強度を得られなくなる恐れがあるからである。空気透過
率の上限値は500秒/100cm3 にすることがより
好ましく、更に好ましい範囲は400秒/100cm3
である。また、下限値は150秒/100cm3 にする
ことより好ましい。
【0070】前記セパレータの端部のうち少なくとも一
端を前記正極または前記負極に比べて突出させることが
好ましい。このような構成にすると、電池を誤って落下
させる等により電池に衝撃が加わった際や、100℃以
上の高温環境下で使用し、セパレータが熱収縮した際に
内部短絡が生じるのを抑制することができる。中でも、
セパレータの全ての端部を前記正極または前記負極に比
べて突出させることが望ましい。また、前記正極の少な
くとも一端部を前記負極に比べて突出させたり、あるい
は前記負極の少なくとも一端部を前記正極に比べて突出
させる場合、突出した電極端部に比べてセパレータの端
部を突き出させることが望ましい。特に、前記負極の少
なくとも一端部を前記正極に比べて突出させると共に、
突出した負極端部に比べてセパレータの端部を突出させ
ることが好ましい。
【0071】前記セパレータの端部のうち少なくとも一
端を前記正極または前記負極に比べて突出させる際、突
出長さは0.25〜2mmの範囲にすることが好まし
い。これは次のような理由によるものである。突出長さ
を0.25mmより短くすると、内部短絡発生率を低減
することが困難になる恐れがある。一方、突出長さが2
mmを超えると、電池の体積エネルギー密度が低下する
恐れがある。より好ましい範囲は、0.5〜1.5mm
である。但し、前記正極の少なくとも一端部を前記負極
に比べて突出させたり、あるいは前記負極の少なくとも
一端部を前記正極に比べて突出させる場合、突出長さは
突出した電極端部を基準にして設定する。
【0072】前記セパレータの端部のうち少なくとも一
端を前記正極または前記負極に比べて突出させる際、突
出した端部に接着性を有する高分子が保持されているこ
とが好ましい。このような構成にすると、突出している
セパレータ端部の強度を高めることができるため、内部
短絡発生率をさらに低減することができる。
【0073】前記正極、負極及びセパレータ中の接着性
を有する高分子の種類は、三者で同一にすることが好ま
しい。このような構成にすると、正極とセパレータの接
着強度及び負極とセパレータの接着強度を十分に高める
ことができるため、大電流放電特性及びサイクル特性を
更に向上することができる。
【0074】4)非水電解液 前記非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解することに
より調製される液体状電解液である。
【0075】前記非水溶媒としては、リチウム二次電池
の溶媒として公知の非水溶媒を用いることができ、特に
限定はされないが、プロピレンカーボネート(PC)や
エチレンカーボネート(EC)と前記PCやECより低
粘度であり且つドナー数が18以下である1種以上の非
水溶媒(以下第2溶媒と称す)との混合溶媒を主体とす
る非水溶媒を用いることが好ましい。
【0076】前記第2種の溶媒としては、例えば鎖状カ
ーボンが好ましく、中でもジメチルカーボネート(DM
C)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチル
カーボネート(DEC)、プロピオン酸エチル、プロピ
オン酸メチル、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、アセ
トニトリル(AN)、酢酸エチル(EA)、トルエン、
キシレンまたは、酢酸メチル(MA)などが挙げられ
る。これらの第2の溶媒は、単独または2種以上の混合
物の形態で用いることができる。特に、前記第2種の溶
媒はドナー数が16.5以下であることがより好まし
い。
【0077】前記第2溶媒の粘度は、25℃において2
8mp以下であることが好ましい。前記混合溶媒中の前
記エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネート
の配合量は、体積比率で10〜80%であることが好ま
しい。より好ましい前記エチレンカーボネートまたはプ
ロピレンカーボネートの配合量は体積比率で20〜75
%である。
【0078】前記混合溶媒のより好ましい組成は、EC
とMEC、ECとPCとMEC、ECとMECとDE
C、ECとMECとDMC、ECとMECとPCとDE
Cの混合溶媒で、MECの体積比率は30〜80%とす
ることが好ましい。より好ましいMECの体積比率は、
40〜70%の範囲である。
【0079】前記非水電解液に含まれる電解質として
は、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ
化リン酸リチウム(LiPF6 )、ホウフッ化リチウム
(LiBF4 )、六フッ化砒素リチウム(LiAs
6 )、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiC
3 SO3 )、ビストリフルオロメチルスルホニルイミ
ドリチウム[LiN(CF3 SO2 2 ]などのリチウ
ム塩(電解質)が挙げられる。中でもLiPF6 、Li
BF4 を用いるのが好ましい。
【0080】前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量
は、0.5〜2.0モル/1とすることが望ましい。
【0081】前記非水電解液の量は、電池単位容量10
0mAh当たり0.2〜0.6gにすることが好まし
い。これは次のような理由によるものである。非水電解
液量を0.2g/100mAh未満にすると、正極と負
極のイオン伝導度を十分に保つことができなくなる恐れ
がある。一方、非水電解液量が0.6g/100mAh
を越えると、電解液が多量になるため、フィルム製外装
材を用いた際に封止が困難になる恐れがある。非水電解
液量のより好ましい範囲は、0.4〜0.55g/10
0mAhである。
【0082】5)外装材 この外装材には、例えば、金属缶、または水分を遮断す
る機能を有するフィルムを用いることができる。前記フ
ィルムとしては、例えば、金属層と、前記金属層の少な
くとも一部に形成された可撓性を有する合成樹脂層とを
含むラミネートフィルムを挙げることができる。前記金
属層は、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、
ニッケル等を挙げることができる。中でも、軽量なアル
ミニウムが好ましい。また、前記合成樹脂としては、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることが
できる。
【0083】前記フィルム製外装材の厚さは50〜30
0μmの範囲内であることが好ましい。これは次のよう
な理由によるものである。厚さが50μmより薄いと、
変形や破損し易くなる。一方、厚さが300μmより厚
いと、高い重量エネルギー密度を得られなくなる恐れが
ある。厚さのさらに望ましい範囲は、80〜150μm
である。
【0084】前記フィルム製外装材を用いる場合、前記
電極群がその表面の少なくとも一部に形成された接着層
により前記外装材の内面に接着されていることが望まし
い。このような構成にすると、前記電極群の表面に前記
外装材を固定することができるため、電解液が電極群と
外装材の間に浸透するのを抑えることができる。
【0085】前記接着層は、接着性を有する高分子を含
むものが好ましい。前記接着性を有する高分子は、非水
電解液を保持した状態で高い接着性を維持できるもので
あることが望ましい。さらに、かかる高分子は、リチウ
ムイオン伝導性が高いとなお好ましい。非水電解液を保
持した状態で高い接着性を有し、かつリチウムイオン伝
導性が高い高分子としては、前述した正極で説明したの
と同様なものを挙げることができる。中でも、ポリフッ
化ビニリデンが好ましい。
【0086】前記接着層は、多孔質構造をとることが好
ましい。多孔質構造を有する接着層は、電極群の非水電
解液保持量を増加させることができる。
【0087】前記電池に含まれる接着性高分子の総量
は、電池容量100mAh当たり0.2〜6mgにする
ことが好ましい。これは次のような理由によるものであ
る。接着性を有する高分子の総量を電池容量100mA
h当たり0.2mg未満にすると、正極とセパレータの
接着強度及び負極とセパレータの接着強度を十分に向上
させることが困難になる恐れがある。一方、前記総量が
電池容量100mAh当たり6mgを越えると、二次電
池のリチウムイオン伝導度の低下や、内部抵抗の上昇を
招く恐れがあり、放電容量、大電流放電特性及び充放電
サイクル寿命を充分に改善することが困難になる恐れが
ある。接着性を有する高分子の総量のより好ましい範囲
は、電池容量100mAh当たり0.5〜3mgであ
る。
【0088】電池に含まれる接着性高分子の総量を電池
容量100mAh当たり0.2〜6mgにする際、非水
電解液の量を電池単位容量100mAh当たり0.2〜
0.6gにすることが好ましい。
【0089】以下、本発明に係わる第1、第2の非水電
解液二次電池の一例である薄型リチウムイオン二次電池
を図1〜図4を参照して説明する。
【0090】図1は本発明に係わる第1、第2の非水電
解液二次電池の一例を示す断面図、図2は図1のA部を
示す拡大断面図、図3は図1の二次電池における正極、
セパレータ及び負極の境界付近を示す模式図である。
【0091】図1に示すように、例えばラミネートフィ
ルムからなる外装材1は、電極群2を包囲している。前
記電極群2は、正極、負極及びセパレータからなる積層
物を渦巻き状に捲回し、得られた捲回物を径方向に圧縮
成形した構造を有する。前記積層物は、図2に示すよう
に、セパレータ3、正極層4、正極集電体5、正極層
4、セパレータ3、負極層6、負極集電体7、負極層
6、セパレータ3、正極層4、正極集電体5、正極層
4、セパレータ3,負極層6、及び負極集電体7がこの
順番に積層されたものからなる。前記電極群2は、最外
層に前記負極集電体7が位置している。前記電極群2の
表面は、接着部8が存在している。前記外装材1の内面
は、前記接着部8に接着されている。図3に示すよう
に、正極層4,セパレータ3及び負極層6の空隙には、
接着性を有する高分子9がそれぞれ保持されている。前
記正極及び前記セパレータ3は、前記正極層4、セパレ
ータ3並びに正極層4とセパレータ3の境界に点在した
接着性を有する高分子9により接着されている。一方、
前記負極及び前記セパレータ3は、前記負極層6、セパ
レータ3並びに負極層6とセパレータ3の境界に点在し
た接着性を有する高分子9により接着されている。非水
電解液は、前記外装材1内の前記電極群2に含浸されて
いる。帯状の正極リード10は、一端が前記電極群2の
前記正極集電体5に接続され、かつ他端が前記外装材1
から延出されている。一方、帯状の負極リード11は、
一端が前記電極群2の前記負極集電体7に接続され、か
つ他端が前記外装材1から延出されている。
【0092】また、前述した図1においては、複数の正
極及び負極を含む積層物を渦巻き状に捲回した後、径方
向に圧縮した構造を有する電極群を用いる例を説明した
が、図4に示すように1枚の正極12及び1枚の負極1
3をその間にセパレータ14を介して渦巻き状に捲回し
た後、径方向に圧縮した構造を有する電極群を用いても
良い。
【0093】また、前述した図1においては、正極及び
負極をその間にセパレータを介して渦巻き状に捲回した
後、径方向に圧縮した構造を有する電極群を用いる例を
説明したが、正極及び負極をセパレータを介して折り曲
げた構造を有する電極群を用いても良い。この一例を図
5に示す。図5に示すように、電極群は、正極12及び
負極13をその間にセパレータ14を介し、負極13同
士が接するように複数回(例えば5回)折り曲げた構造
を有する。
【0094】なお、前述した図1においては、電極群2
の表面全体に接着部8を形成したが、外装材1と電極群
2の間に非水電解液が浸透するのを抑制できるのであれ
ば、電極群2の表面の一部に形成されていても良い。中
でも、少なくとも最外周に接着部を形成することが好ま
しい。また、前述した折り曲げた構造を有する電極群の
場合、接着部は少なくとも側面に形成されていることが
望ましい。
【0095】本発明に係る第1,第2の非水電解液二次
電池は、例えば、以下に説明する方法で製造される。
【0096】(第1工程)正極及び負極の間に、接着性
を有する高分子未保持のセパレータとして多孔質シート
を介在させ、電極群を作製する。
【0097】前記電極群は、正極と負極をその間に接着
性を有する高分子未保持のセパレータを介して渦巻き状
に捲回するか、もしくは渦巻き状に捲回した後、径方向
に圧縮するか、あるいは正極と負極をその間に接着性を
有する高分子未保持のセパレータを介して複数回折り曲
げることにより作製されることが望ましい。このような
方法で作製すると、後述する第2工程において、正極、
負極及びセパレータに接着性を有する高分子の溶液を浸
透させつつ、正極とセパレータの境界及び負極とセパレ
ータの境界全体に前記溶液が浸透するのを防止すること
ができる。その結果、正極、負極及びセパレータに接着
性を有する高分子を点在させることが可能になると共
に、正極とセパレータの境界及び負極とセパレータの境
界に接着性を有する高分子を点在させることができる。
【0098】前記正極は、例えば、正極活物質に導電剤
および結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を集電
体に塗布、乾燥して薄板状にすることにより作製され
る。前記正極活物質、導電剤、結着剤及び集電体として
は、前述した(1)正極の欄で説明したのと同様なもの
を挙げることができる。
【0099】前記負極は、例えば、リチウムイオンを吸
蔵・放出する炭素質物と結着剤とを溶媒の存在下で混練
し、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、所
望の圧力で1回プレスもしくは2〜5回多段階プレスす
ることにより作製される。前記炭素質物、結着剤及び集
電体としては、前述した(2)負極の欄で説明したのと
同様なものを挙げることができる。
【0100】前記多孔質シートとしては、前述した
(3)セパレータの欄で説明したのと同様なものを用い
ることができる。
【0101】(第2工程)袋状のフィルム製外装材内に
前記電極群を積層面が前記外装材の開口部から見えるよ
うに収納する。溶媒に接着性を有する高分子を溶解させ
ることにより得られた溶液を前記外装材内の電極群に注
入し、前記溶液を前記電極群に含浸させる。
【0102】前記フィルム製外装材しては、前述した
(5)外装材の欄で説明したのと同様なものを挙げるこ
とができる。
【0103】前記接着性を有する高分子は、非水電解液
を保持した状態で高い接着性を維持できるものであるこ
とが望ましい。さらに、かかる高分子は、リチウムイオ
ン伝導性が高いとなお好ましい。非水電解液を保持した
状態で高い接着性を有し、かつリチウムイオン伝導性が
高い高分子としては、前述した正極で説明したのと同様
なものを挙げることができる。中でも、ポリフッ化ビニ
リデンが好ましい。
【0104】前記溶媒には、沸点が200℃以下の有機
溶媒を用いることが望ましい。かかる有機溶媒として
は、例えば、ジメチルフォルムアミド(沸点153℃)
を挙げることができる。有機溶媒の沸点が200℃を越
えると、後述する真空乾燥の温度を100℃以下にした
際、乾燥時間が長く掛かる恐れがある。また、有機溶媒
の沸点の下限値は、50℃にすることが好ましい。有機
溶媒の沸点を50℃未満にすると、前記溶液を電極群に
注入している間に前記有機溶媒が蒸発してしまう恐れが
ある。沸点の上限値は、180℃にすることがさらに好
ましく、また、沸点の下限値は100℃にすることがさ
らに好ましい。
【0105】前記溶液中の接着性高分子の濃度は、0.
1〜2.5重量%の範囲にすることが好ましい。これは
次のような理由によるものである。前記濃度を0.1重
量%未満にすると、正極とセパレータ並びに負極とセパ
レータを十分な強度で接着することが困難になる恐れが
ある。一方、前記濃度が2.5重量%を越えると、非水
電解液を保持できるだけの十分な多孔度を得ることが困
難になって電極の界面インピーダンスが著しく大きくな
る恐れがある。界面インピーダンスが増大すると、容量
及び大電流放電特性が大幅に低下する。濃度のより好ま
しい範囲は、0.5〜1.5重量%である。
【0106】前記溶液の注入量は、前記溶液の接着性高
分子の濃度が0.1〜2.5重量%である場合、電池容
量100mAh当たり0.2〜2mlの範囲にすること
が好ましい。これは次のような理由によるものである。
前記注入量を0.2ml未満にすると、正極とセパレー
タの接着強度及び負極とセパレータの接着強度を十分に
向上させることが困難になる恐れがある。一方、前記注
入量が2mlを越えると、二次電池のリチウムイオン伝
導度の低下や、内部抵抗の上昇を招く恐れがあり、放電
容量、大電流放電特性及び充放電サイクル寿命を改善す
ることが困難になる恐れがある。前記注入量のより好ま
しい範囲は、電池容量100mAh当たり0.3〜1m
lである。
【0107】(第3工程)前記電極群を所定厚にプレス
成形しながら常圧下、または真空を含む減圧下で乾燥を
施すことにより前記溶液中の溶媒を蒸発させる。この工
程により、前記正極、負極及びセパレータの空隙内に接
着性を有する高分子が保持され、前記正極、負極及びセ
パレータは一体化される。また、前記接着性を有する高
分子の一部は、前記正極と前記セパレータの境界及び前
記負極と前記セパレータの境界に点在する。なお、この
工程により前記電極群中に含まれる水分の除去を同時に
行うことができる。
【0108】なお、前記電極群は、微量の溶媒を含むこ
とを許容する。
【0109】成形は、前述したプレス成形の代わりに、
成形型への填め込みにより行うことができる。
【0110】前記電極群の乾燥は、例えば、常圧下、減
圧下、あるいは真空下で加熱を施すことにより行うこと
ができる。中でも、減圧加熱、真空加熱が好ましい。
【0111】前記乾燥は、100℃以下で行うことが好
ましい。これは次のような理由によるものである。乾燥
の温度が100℃を越えると、前記セパレータが大幅に
熱収縮する恐れがある。熱収縮が大きくなると、セパレ
ータが反るため、正極、負極及びセパレータを強固に接
着することが困難になる。また、前述した熱収縮は、ポ
リエチレンまたはポリプロピレンを含む多孔質フィルム
をセパレータとして用いる場合に顕著に生じやすい。乾
燥の温度が低くなるほどセパレータの熱収縮を抑制でき
るものの、乾燥の温度を40℃未満にすると、十分に溶
媒を蒸発させることが困難になる恐れがある。このた
め、乾燥温度は、40〜100℃にすることがより好ま
しい。さらに好ましい範囲は、60〜90℃である。
【0112】(第4工程)前記外装材内の電極群に非水
電解液を注入した後、前記外装材の開口部を封止するこ
とにより薄型非水電解液二次電池を製造する。
【0113】前記非水電解液としては、前述した第1の
非水電解液二次電池で説明したのと同様なものを用いる
ことができる。
【0114】前述した製造方法においては、外装材に電
極群を収納してから接着性を有する高分子が溶解された
溶液の注入を行ったが、外装材に収納せずに前記溶液の
注入を行っても良い。この場合、まず、正極と負極の間
にセパレータを介在させて電極群を作製する。前記電極
群に前記溶液を含浸させた後、前記電極群を成形しなが
ら乾燥を施すことにより前記溶液の溶媒を蒸発させる。
このような電極群を外装材に収納した後、非水電解液を
注入し、封口等を行うことにより薄型の非水電解液二次
電池を製造することができる。
【0115】また、前述した製造方法においては、乾燥
と成形を同時に行ったが、乾燥は、いつ行っても良く、
例えば、成形前や、成形後に行うことができる。
【0116】なお、セパレータの内部における接着性を
有する高分子の濃度を、正極または負極と対向する表面
における接着性を有する高分子の濃度に比べて低くする
のは、例えば、表面の空隙率が内部に比べて高いセパレ
ータを使用したり、あるいは正極とセパレータの境界及
び負極とセパレータの境界に存在する隙間の量を多くす
ることにより行うことができる。
【0117】本発明に係る第3の非水電解液二次電池
は、正極及び負極をその間にセパレータを介して渦巻き
状に捲回した後、径方向に圧縮した構造を有する電極群
と、前記電極群に含浸される非水電解液と、前記電極群
が収納されるフィルム製外装材とを具備する。また、前
記電極群は、積層構造が露出している面が下記(1)式
を満たす形状を有する。
【0118】 0.9≦L2/L1≦1.2 …(1) 前記(1)式において、前記L2は前記面のうち湾曲積
層領域を除いた領域における最多層部の厚さであり、前
記L1は前記湾曲積層領域を除いた領域の端部のうち層
数が前記L2と等しい端部の厚さである。
【0119】本発明に係る第3の非水電解液二次電池の
一例を図6〜図7を参照して説明する。
【0120】図6は本発明に係る第3の非水電解液二次
電池の一例を示す断面図、図7は図6のB部を示す拡大
断面図である。
【0121】フィルム製外装材21は、電極群22を包
囲している。前記電極群22は、正極、負極及びセパレ
ータからなる積層物を渦巻き状に捲回し、得られた捲回
物を径方向に圧縮した構造を有する。前記積層物は、図
7に示すように、セパレータ23、正極層24、正極集
電体25、正極層24、セパレータ23、負極層26、
負極集電体27、負極層26、セパレータ23、正極層
24、正極集電体25、正極層24、セパレータ23,
負極層26、及び負極集電体27がこの順番に積層され
たものからなる。前記電極群22は、最外層に前記負極
集電体27が位置している。非水電解液は、前記外装材
21内の前記電極群22に含浸されている。帯状の正極
リード28は、一端が前記電極群22の前記正極集電体
25に接続され、かつ他端が前記外装材21から延出さ
れている。一方、帯状の負極リード29は、一端が前記
電極群22の前記負極集電体27に接続され、かつ他端
が前記外装材21から延出されている。
【0122】前記電極群22は、積層構造が露出してい
る面(捲回軸に垂直な面)が下記(1)式を満足する形
状を有する。
【0123】 0.9≦L2/L1≦1.2 …(1) 前記(1)式において、前記L2は、前記面のうち層が
ほぼ並行に積層されている領域Xにおける最多層部の厚
さである。また、前記L1は前記領域Xの端部のうち層
数が前記L2と等しい端部の厚さである。一方、前記領
域Xの両端部に位置する領域Yでは、層が湾曲してい
る。なお、層数は、正極、負極及びセパレータの積層数
の合計を意味する。
【0124】本発明に係る二次電池は、組立後、充電
後、もしくは放電後のうち少なくともいずれかの状態に
おいて、電極群の積層構造が露出している面が前述した
(1)式を満足するものである。中でも、少なくとも充
電後、電極群の積層構造が露出している面が前述した
(1)式を満足していることが望ましい。
【0125】前記L2/L1の比を前記範囲に規定するの
は次のような理由によるものである。フィルム製外装材
は、金属缶からなる外装材と異なり、電極群を挟み込
む、もしくは加圧する効果がほとんどない。このため、
前記L2/L1の比が1.2を超えると、充放電サイクル
初期からの正極とセパレータ、あるいは負極とセパレー
タの接触が不十分になるばかりか、充放電サイクルの進
行に伴って接触面積がさらに低下する。その結果、負極
においてリチウムの析出が起こりやすくなるため、長寿
命を得られなくなる。一方、前記L2/L1の比を0.9
未満にすると、電極群の空隙率が不足するため、電極群
の非水電解液保持量が減少し、充放電サイクル寿命を向
上させることが困難になる。前記L2/L1の比のさらに
好ましい範囲は、0.95〜1.1である。
【0126】前記非水電解液及び前記フィルム製外装材
としては、前述した第1の非水電解液二次電池で説明し
たのと同様なものを用いることができる。
【0127】以下、前記正極、負極及びセパレータにつ
いて説明する (1)正極 この正極は、集電体と、前記集電体の片面もしくは両面
に担持され、かつ活物質及び結着剤を含む正極層とを備
える。
【0128】前記正極活物質としては、前述した第1、
第2の非水電解液二次電池の正極で説明したのと同様な
ものを挙げることができる。
【0129】前記結着剤は、活物質を集電体に保持さ
せ、かつ活物質同士をつなぐ機能を有する。前記結着剤
としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EP
DM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)及びポリ
フッ化ビニリデン(PVdF)から選ばれる1種以上の
ポリマー等を用いることができる。
【0130】前記正極の結着剤の含有量は、2〜7重量
%の範囲にすることが好ましい。
【0131】前記正極層は、さらに導電剤を含むことが
好ましい。前記導電剤としては、前述した第1、2の非
水電解液二次電池の正極で説明したのと同様なものを挙
げることができる。前記正極の導電材の含有量は、正極
活物質80〜95重量%の際に3〜20重量%の範囲に
することが好ましい。
【0132】前記集電体としては、多孔質構造の導電性
基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができ
る。これら導電性基板は、例えば、アルミニウム、ステ
ンレス、またはニッケルから形成することができる。
【0133】特に、前記集電体としては、直径3mm以
下の孔が10cm2 当り1個以上の割合で存在する二次
元的な多孔質構造を有する導電性基板を用いることが好
ましい。すなわち、導電性基板に開口された孔の直径が
3mmよりも大きくなると、十分な正極強度が得られな
くなる恐れがある。一方、直径3mm以下の孔の存在割
合が前記範囲よりも少なくなると、電極群に非水電解液
を均一に浸透させることが困難になるため、十分なサイ
クル寿命が得られなくなる恐れがある。孔の直径は、
0.1〜1mmの範囲にすることがより好ましい。ま
た、孔の存在割合は、10cm2 当り10〜20個の範
囲にすることがより好ましい。
【0134】前述した直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を
有する導電性基板は、厚さを15〜100μmの範囲に
することが好ましい。厚さを15μm未満にすると、十
分な正極強度が得られなくなる恐れがある。一方、厚さ
が100μmを越えると、電池重量および電極群の厚さ
が増加し、薄型二次電池の重量エネルギー密度や、体積
エネルギー密度を十分に高くすることが困難になる恐れ
がある。厚さのより好ましい範囲は、30〜80μmで
ある。
【0135】前記正極は、例えば、正極活物質に導電剤
および結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を集電
体に塗布、乾燥して薄板状にすることにより作製され
る。
【0136】(2)負極 前記負極は、集電体と、前記集電体の片面もしくは両面
に担持され、活物質及び結着剤を含む負極層とを備え
る。
【0137】前記活物質としては、前述した第1、2の
非水電解液二次電池の負極で説明したのと同様なものを
挙げることができる。
【0138】前記結着剤は、活物質を集電体に保持さ
せ、かつ活物質同士をつなぐ機能を有する。前記結着剤
としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EP
DM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリフ
ッ化ビニリデン(PVdF)及びカルボキシメチルセル
ロース(CMC)等から選ばれる少なくとも1種類のポ
リマーを用いることができる。前記活物質として前記炭
素質物を用いる際、前記負極の前記結着剤の含有量は、
負極を作製した状態で2〜10重量%の範囲にすること
が好ましい。
【0139】前記集電体としては、多孔質構造の導電性
基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができ
る。これら導電性基板は、例えば、銅、ステンレス、ま
たはニッケルから形成することができる。
【0140】特に、前記集電体としては、直径3mm以
下の孔が10cm2 当り1個以上の割合で存在する二次
元的な多孔質構造を有する導電性基板を用いることが好
ましい。すなわち、導電性基板の孔の直径が3mmより
も大きくなると、十分な負極強度が得られなくなる恐れ
がある。一方、直径3mm以下の孔の存在割合が前記範
囲よりも少なくなると、電極群に非水電解液を均一に浸
透させることが困難になるため、十分なサイクル寿命が
得られなくなる恐れがある。孔の直径は、0.1〜1m
mの範囲にすることがより好ましい。また、孔の存在割
合は、10cm 2 当り10〜20個の範囲にすることが
より好ましい。
【0141】前述した直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を
有する導電性基板は、厚さを10〜50μmの範囲にす
ることが好ましい。厚さを10μm未満にすると、十分
な負極強度が得られなくなる恐れがある。一方、厚さが
50μmを越えると、電池重量および電極群の厚さが増
加し、薄型二次電池の重量エネルギー密度や、体積エネ
ルギー密度を十分に高くすることが困難になる恐れがあ
る。
【0142】前記負極の端部のうち少なくとも一端部を
前記正極に比べて突出させることが好ましい。このよう
な構成にすると、前記負極の端部への電流集中を緩和す
ることができ、サイクル寿命及び安全性を向上すること
ができる。中でも、前記負極の全ての端部を前記正極か
ら突出させることが望ましい。
【0143】前記負極は、例えば、リチウムイオンを吸
蔵・放出する炭素質物と結着剤とを溶媒の存在下で混練
し、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、所
望の圧力で1回プレスもしくは2〜5回多段階プレスす
ることにより作製することができる。
【0144】前記負極としては、前述したリチウムイオ
ンを吸蔵・放出する炭素質物を含むものの他に、金属酸
化物か、金属硫化物か、もしくは金属窒化物を含むもの
や、リチウム金属またはリチウム合金からなるものを用
いることができる。
【0145】前記金属酸化物、前記金属硫化物、前記金
属窒化物、前記リチウム合金としては、前述した第1、
2の非水電解液二次電池の負極で説明したのと同様なも
のを挙げることができる。
【0146】(3)セパレータ 前記セパレータとしては、例えば、多孔質シートを用い
ることができる。
【0147】前記多孔質シートとしては、例えば、多孔
質フィルム、もしくは不織布を用いることができる。前
記多孔質シートは、例えば、ポリオレフィン及びセルロ
ースから選ばれる少なくとも1種類の材料からなること
が好ましい。前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレンを挙げることができる。中
でも、ポリエチレンか、あるいはポリプロピレン、また
は両者からなる多孔質フィルムは、二次電池の安全性を
向上できるため、好ましい。
【0148】前記多孔質シートの厚さは、30μm以下
にすることが好ましい。厚さが30μmを越えると、正
負極間の距離が大きくなって内部抵抗が大きくなる恐れ
がある。また、厚さの下限値は、5μmにすることが好
ましい。厚さを5μm未満にすると、セパレータの強度
が著しく低下して内部ショートが生じやすくなる恐れが
ある。厚さの上限値は、25μmにすることがより好ま
しく、また、下限値は10μmにすることがより好まし
い。
【0149】前記多孔質シートは、120℃、1時間で
の熱収縮率が20%以下であることが好ましい。前記熱
収縮率が20%を越えると、正負極およびセパレータの
接触を十分なものにすることが困難になる恐れがある。
前記熱収縮率は、15%以下にすることがより好まし
い。
【0150】前記多孔質シートは、多孔度が30〜60
%の範囲であることが好ましい。これは次のような理由
によるものである。多孔度を30%未満にすると、セパ
レータにおいて高い電解液保持性を得ることが困難にな
る恐れがある。一方、多孔度が60%を越えると、十分
なセパレータ強度を得られなくなる恐れがある。多孔度
のより好ましい範囲は、35〜50%である。
【0151】前記多孔質シートは、空気透過率が600
秒/100cm3 以下であることが好ましい。空気透過
率が600秒/100cm3 を越えると、セパレータに
おいて高いリチウムイオン移動度を得ることが困難にな
る恐れがある。また、空気透過率の下限値は、100秒
/100cm3 にすることが好ましい。空気透過率を1
00秒/100cm3 未満にすると、十分なセパレータ
強度を得られなくなる恐れがあるからである。空気透過
率の上限値は500秒/100cm3 にすることがより
好ましく、更に好ましい範囲は400秒/100cm3
である。また、下限値は150秒/100cm3 にする
ことより好ましい。
【0152】前記セパレータは、接着性を有する高分子
を微量含むことを許容する。このセパレータを含む電極
群中の接着性高分子の含有量は、0.1重量%以下(0
重量%を含む)にすることが好ましい。前記含有量が
0.1重量%を超えると、セパレータのリチウムイオン
伝導度が低下する恐れがある。
【0153】前記セパレータの端部のうち少なくとも一
端を前記正極または前記負極に比べて突出させることが
好ましい。このような構成にすると、電池を誤って落下
させる等により電池に衝撃が加わった際や、100℃以
上の高温環境下で使用し、セパレータが熱収縮した際に
内部短絡が生じるのを抑制することができる。中でも、
セパレータの全ての端部を前記正極または前記負極に比
べて突出させることが望ましい。また、前記正極の少な
くとも一端部を前記負極に比べて突出させたり、あるい
は前記負極の少なくとも一端部を前記正極に比べて突出
させる場合、突出した電極端部に比べてセパレータの端
部を突き出させることが望ましい。特に、前記負極の少
なくとも一端部を前記正極に比べて突出させると共に、
突出した負極端部に比べてセパレータの端部を突出させ
ることが好ましい。
【0154】前記セパレータの端部のうち少なくとも一
端を前記正極または前記負極に比べて突出させる際、突
出長さは0.25〜2mmの範囲にすることが好まし
い。これは次のような理由によるものである。突出長さ
を0.25mmより短くすると、内部短絡発生率を低減
することが困難になる恐れがある。一方、突出長さが2
mmを超えると、電池の体積エネルギー密度が低下する
恐れがある。より好ましい範囲は、0.5〜1.5mm
である。但し、前記正極の少なくとも一端部を前記負極
に比べて突出させたり、あるいは前記負極の少なくとも
一端部を前記正極に比べて突出させる場合、突出長さは
突出した電極端部を基準にして設定する。
【0155】なお、前述した図6においては、電極群2
2の巻き終わり端部を領域Xの端部に配置したが、電極
群22の巻き終わり端部の位置はどこにあっても良い。
例えば、巻き終わり端部を領域Xの中央付近に配置した
り、あるいは湾曲積層領域Yに配置することができる。
【0156】また、前述した図6においては、複数の正
極及び複数の負極を用いて電極群を構成したが、1枚の
正極及び1枚の負極をその間にセパレータを介して渦巻
き状に捲回した後、径方向に圧縮した構造を有する電極
群に適用することができる。
【0157】本発明に係る第4の非水電解液二次電池
は、正極及び負極がセパレータを介して2回以上折り曲
げられた構造を有する電極群と、前記電極群に含浸され
る非水電解液と、前記電極群が収納されるフィルム製外
装材とを具備する。また、前記電極群は、積層構造が露
出している面が下記(2)式を満たす形状を有すること
を特徴とする非水電解液二次電池。
【0158】 0.9≦L4/L3≦1.2 …(2) 前記(2)式において、前記L4は前記面のうち折り曲
げ積層領域を除いた領域における最多層部の厚さであ
り、前記L3は前記折り曲げ積層領域を除いた領域の端
部のうち層数が前記L4と等しい端部の厚さである。
【0159】本発明に係る第4の非水電解液二次電池の
一例を図8〜図9を参照して説明する。
【0160】図8は本発明に係る第4の非水電解液二次
電池の一例を示す断面図、図9は図8のC部を示す拡大
断面図である。
【0161】フィルム製外装材31は、電極群32を包
囲している。前記電極群32は、図9に示すようなセパ
レータ33、正極集電体34、正極層35、セパレータ
33、負極層36及び負極集電体37がこの順番に積層
された帯状積層物を負極集電体37同士が接するように
6回折り曲げることにより作製される。非水電解液は、
前記外装材31内の前記電極群32に含浸されている。
帯状の正極リード38は、一端が前記電極群32の前記
正極集電体34に接続され、かつ他端が前記外装材31
から延出されている。一方、帯状の負極リード39は、
一端が前記電極群32の前記負極集電体37に接続さ
れ、かつ他端が前記外装材31から延出されている。
【0162】前記電極群32は、積層構造が露出してい
る面が下記(2)式を満たす形状を有する。
【0163】 0.9≦L4/L3≦1.2 …(2) 前記(2)式において、前記L4は前記面における任意
の折り返し点P1と次の折り返し点P2との間の領域X1
のうちの最多層部の高さであり、前記L3は前記折り返
し点P1,折り返し点P2を通る厚さのうち層数が前記L
4と等しい方の厚さである。なお、折り返し点は、正
極、負極及びセパレータからなる帯状積層物を折り曲げ
ていった際に前記積層物同士が重なり始める点をいう。
また、折り返し点P1,折り返し点P2は、前記領域X1
に折り曲げ積層領域Y1が含まれないように選択する。
一方、層数は、正極、負極及びセパレータの積層数の合
計を意味する。
【0164】本発明に係る二次電池は、組立後、充電
後、もしくは放電後のうち少なくともいずれかの状態に
おいて、電極群の積層面が前述した(2)式を満足する
ものである。中でも、少なくとも充電後、電極群の積層
面が前述した(2)式を満足していることが望ましい。
【0165】前記L4/L3の比を前記範囲に規定するの
は次のような理由によるものである。フィルム製外装材
は、金属缶からなる外装材と異なり、電極群を挟み込
む、もしくは加圧する効果がほとんどない。このため、
前記L4/L3の比が1.2を超えると、充放電サイクル
初期からの正極とセパレータ、あるいは負極とセパレー
タの接触が不十分になるばかりか、充放電サイクルの進
行に伴って接触面積がさらに低下する。その結果、負極
においてリチウムの析出が起こりやすくなるため、長寿
命を得られなくなる。一方、前記L4/L3の比を0.9
未満にすると、電極群の空隙率が不足するため、電極群
の非水電解液保持量が減少し、充放電サイクル寿命を向
上させることが困難になる。前記L4/L3の比のさらに
好ましい範囲は、0.95〜1.1である。
【0166】前記正極、前記負極、前記セパレータ、前
記非水電解液及び前記フィルム製外装材としては、前述
した第3の非水電解液二次電池で説明したのと同様なも
のを用いることができる。
【0167】なお、前述した図8においては、正極、負
極及びセパレータからなる帯状積層物の両端部が電極群
の折り曲げ部と重なる例を説明したが、前記帯状積層物
の両端部の位置は特に限定されない。例えば、前記帯状
積層物の両端部を電極群の領域X1に重ねることができ
る。また、前記帯状積層物の2つの端部は、互いに異な
る位置にあっても良い。
【0168】前述した図8においては、1枚の正極及び
1枚の負極をその間にセパレータを介し、負極同士が接
するように複数回折り曲げることにより電極群を構成し
たが、セパレータ、正極、セパレータ及び負極をこの順
番に積層し、得られた積層物をセパレータが接するよう
に複数回折り曲げることにより電極群を構成しても良
い。
【0169】この第3、第4の非水電解液二次電池は、
例えば、以下に説明する方法で製造される。
【0170】(第1工程)以下の(a)〜(c)に説明
する方法により電極群を作製する。
【0171】(a)正極及び負極をその間にセパレータ
を介在させて渦巻き状に捲回する。
【0172】(b)正極及び負極をその間にセパレータ
を介在させて渦巻き状に捲回した後、径方向に圧縮す
る。
【0173】(c)正極及び負極をその間にセパレータ
を介在させて2回以上折り曲げる。
【0174】前記正極、負極及びセパレータとしては、
前述した第3の非水電解液二次電池で説明したのと同様
なものを用いることができる。
【0175】(第2工程)袋状のフィルム製外装材内に
前記電極群を収納する。
【0176】前記外装材としては、前述した第3の非水
電解液二次電池で説明したのと同様なものを用いること
ができる。
【0177】(第3工程)前記電極群を40〜120℃
に加熱しながら成形する。
【0178】前記成形は、前記電極群が前記(a)の方
法で作製される場合には径方向に、前記電極群が前記
(b)または(c)の方法で作製される場合には積層方
向に圧縮されるように行う。
【0179】前記成形は、例えば、プレス成形、あるい
は成形型への填め込み等により行うことができる。
【0180】電極群の成形を行う際に前記電極群の加熱
を行う理由を説明する。前記電極群では、正極及び負極
がセパレータと直に接しており、また前記セパレータ中
に接着性を有する高分子がほとんど含まれていない。こ
の電極群に常温で成形を行うと、成形後にスプリングバ
ックが生じる、つまり正極とセパレータ、及び負極とセ
パレータの間に隙間が生じる。その結果、L2/L1の比
及びL4/L3の比が1.2より大きくなる。前記電極群
に40℃以上で成形を行うことによって、正極及び負極
に含まれる結着剤を熱硬化させることができるため、電
極群の硬度を高めることができる。その結果、成形後の
スプリングバックを抑制することができるため、L2
1の比及びL4/L3の比を1.2以下にすることがで
きる。一方、前記電極群の温度が120℃を超えると、
セパレータが大幅に熱収縮する恐れがある。より好まし
い温度は、60〜100℃である。
【0181】前述した特定温度に加熱しながらの成形
は、例えば、常圧下、もしくは減圧下、あるいは真空下
で行うことができる。減圧下、あるいは真空下で行う
と、電極群からの水分除去効率が向上されるため、望ま
しい。
【0182】前記成形をプレス成形により行う場合、プ
レス圧は、0.01〜20kg/cm2の範囲にするこ
とが好ましい。これは次のような理由によるものであ
る。プレス圧を0.01kg/cm2より低くすると、
2/L1の比及びL4/L3の比が1.2より大きくな
る。一方、プレス圧が20kg/cm2より高いと、L2
/L1の比及びL4/L3の比が0.9より小さくなる。
【0183】(第4工程)前記外装材内の電極群に非水
電解液を注入した後、前記外装材の開口部を封止するこ
とにより前述した第3,第4の非水電解液二次電池が得
られる。
【0184】前述した製造方法においては、外装材に電
極群を収納してから電極群を特定温度に加熱しつつ成形
したが、外装材に収納する前に前述した加熱成形を行っ
ても良い。この場合、まず、前述した第1の工程により
電極群を作製する。前記電極群を40〜120℃に加熱
しながら成形する。次いで、前記電極群をフィルム製外
装材に収納した後、非水電解液を注入し、封口等を行う
ことにより前述した第3,第4の非水電解液二次電池を
製造することができる。
【0185】また、正極及び負極をその間にセパレータ
を介して積層することにより電極群を作製した後、前記
電極群を加熱しつつ、その積層方向に沿って成形を施
し、得られた電極群及び非水電解液を外装材に収納し、
非水電解液二次電池を組み立てることによって、正極、
負極及びセパレータを長期間に亘って充分に接触させて
おくことができるため、大電流放電特性並びにサイクル
特性に優れる非水電解液二次電池を実現することができ
る。なお、このような方法においては、電極群の加熱温
度が40℃以下であっても優れた特性を得ることができ
る。
【0186】本発明に係る第5の非水電解液二次電池
は、正極及び負極をその間にセパレータを介して渦巻き
状に捲回した後、径方向に圧縮した構造を有する電極群
と、前記電極群に含浸される非水電解液と、前記電極群
が収納されるフィルム製外装材とを具備する。前記正極
及び前記セパレータは、これらの内部及び境界に点在し
た接着性を有する高分子により接着され、前記負極及び
前記セパレータは、これらの内部及び境界に点在した接
着性を有する高分子により接着されている。また、前記
電極群は、積層構造が露出している面が前述した(1)
式を満たす形状を有する。
【0187】前記正極、前記負極、前記セパレータ、前
記非水電解液及び前記フィルム製外装材としては、前述
した第1、2の非水電解液二次電池で説明したのと同様
なものを用いることができる。
【0188】本発明に係る第6の非水電解液二次電池
は、正極、負極及びセパレータからなる積層物を2回以
上折り曲げた構造を有する電極群と、前記電極群に含浸
される非水電解液と、前記電極群が収納されるフィルム
製外装材とを具備する。前記正極及び前記セパレータ
は、これらの内部及び境界に点在した接着性を有する高
分子により接着され、前記負極及び前記セパレータは、
これらの内部及び境界に点在した接着性を有する高分子
により接着されている。前記電極群は、積層構造が露出
している面が前述した(2)式を満たす形状を有する。
【0189】前記正極、前記負極、前記セパレータ、前
記非水電解液及び前記フィルム製外装材としては、前述
した第1、2の非水電解液二次電池で説明したのと同様
なものを用いることができる。
【0190】この第5,6の非水電解液二次電池は、以
下に説明する方法で製造される。
【0191】(第1工程)以下の(a)〜(c)に説明
する方法により電極群を作製する。
【0192】(a)正極及び負極をその間にセパレータ
を介在させて渦巻き状に捲回する。
【0193】(b)正極及び負極をその間にセパレータ
を介在させて渦巻き状に捲回した後、径方向に圧縮す
る。
【0194】(c)正極及び負極をその間にセパレータ
を介在させて2回以上折り曲げる。
【0195】前記正極、前記負極及び前記セパレータ
は、前述した非水電解液二次電池の製造方法で説明した
のと同様なものを用いる。
【0196】このような方法で作製された電極群には、
後述する第2工程において、正極とセパレータの境界及
び負極とセパレータの境界全体に接着性を有する高分子
の溶液が浸透するのを防止しつつ、正極、負極及びセパ
レータに前記溶液を浸透させることができる。その結
果、正極、負極及びセパレータに接着性を有する高分子
を点在させることが可能になると共に、正極とセパレー
タの境界及び負極とセパレータの境界に接着性を有する
高分子を点在させることができる。
【0197】(第2工程)袋状のフィルム製外装材内に
前記電極群を収納する。この際、前記電極群の積層面が
前記外装材の開口部から見えることが望ましい。溶媒に
接着性を有する高分子を溶解させることにより得られた
溶液を前記外装材内の電極群に注入し、前記溶液を前記
電極群に含浸させる。
【0198】前記フィルム製外装材、前記接着性を有す
る高分子及び前記溶媒としては、前述した非水電解液二
次電池の製造方法で説明したのと同様なものを用いるこ
とができる。
【0199】(第3工程)前記電極群を40〜120℃
に加熱しながら成形する。
【0200】この工程により、L2/L1の比及びL4
3の比が0.9〜1.2になる。また、正極、負極及
びセパレータが接着されると共に、電極群が外装材の内
面に接着される。さらに、前記溶液中の溶媒が蒸発する
ため、前記電極群に含まれる接着性を有する高分子の一
部または全部が多孔質構造になる。また、前記電極群中
に含まれる水分が除去される。
【0201】なお、前記電極群は、微量の溶媒を含むこ
とを許容する。
【0202】前記成形は、前記電極群が前記(a)の方
法で作製される場合には径方向に、前記電極群が前記
(b)または(c)の方法で作製される場合には積層方
向に圧縮されるように行う。
【0203】前記成形は、例えば、プレス成形、あるい
は成形型への填め込み等により行うことができる。
【0204】電極群の成形を行う際に前記電極群の加熱
を行う理由を説明する。前記電極群では、接着性を有す
る高分子が正極とセパレータの境界及び負極とセパレー
タの境界に点在している。この電極群に常温で成形を行
うと、成形後にスプリングバックが生じる、つまり正極
とセパレータ、及び負極とセパレータの間に隙間が生じ
る。その結果、L2/L1の比及びL4/L3の比が1.2
より大きくなる。前記電極群に40℃以上で成形を行う
ことによって、正極及び負極に含まれる結着剤及び接着
性を有する高分子を熱硬化させることができるため、電
極群の硬度を高めることができる。その結果、成形後の
スプリングバックを抑制することができるため、L2
1の比及びL4/L3の比を1.2以下にすることがで
きる。一方、前記電極群の温度が120℃を超えると、
セパレータが大幅に熱収縮する恐れがある。より好まし
い温度は、60〜100℃である。
【0205】前述した特定温度に加熱しながらの成形
は、例えば、常圧下、もしくは減圧下、あるいは真空下
で行うことができる。減圧下、あるいは真空下で行う
と、電極群からの水分除去効率が向上されるため、望ま
しい。
【0206】前記成形をプレス成形により行う場合、プ
レス圧は、0.01〜20kg/cm2の範囲にするこ
とが好ましい。これは次のような理由によるものであ
る。プレス圧を0.01kg/cm2より低くすると、
2/L1の比及びL4/L3の比が1.2より大きくな
る。一方、プレス圧が20kg/cm2より高いと、L2
/L1の比及びL4/L3の比が0.9より小さくなる。
【0207】(第4工程)前記外装材内の電極群に非水
電解液を注入した後、前記外装材の開口部を封止するこ
とにより第5,6の非水電解液二次電池を製造する。
【0208】前述した製造方法においては、外装材に電
極群を収納してから接着性を有する高分子が溶解された
溶液の注入を行ったが、外装材に収納せずに前記溶液の
注入を行っても良い。この場合、まず、正極と負極の間
にセパレータを介在させて電極群を作製する。前記電極
群に前記溶液を含浸させた後、前記電極群を40〜12
0℃に加熱しながら成形することにより前記溶液の溶媒
を蒸発させる。このような電極群を外装材に収納した
後、非水電解液を注入し、封口等を行うことにより第
5,6の非水電解液二次電池を製造することができる。
【0209】本発明に係る第7の非水電解液二次電池
は、少なくとも1枚の正極と、少なくとも1枚の負極
と、少なくとも1枚のセパレータと、前記正極と前記セ
パレータの間及び前記負極と前記セパレータの間それぞ
れに介装される少なくとも2枚の接着層とが積層された
構造を有する電極群;前記電極群に含浸される非水電解
液;前記電極群が収納されるフィルム製外装材;を具備
する。
【0210】前記セパレータは、接着性を有する高分子
を10重量%以下含む。また、前記セパレータの全ての
端部は、前記正極の端部または前記負極の端部に比べて
突出している。
【0211】前記正極、前記負極、前記非水電解液及び
前記フィルム製外装材としては、前述した第3の非水電
解液二次電池で説明したのと同様なものを用いることが
できる。以下、前記セパレータ及び前記接着層について
説明する。
【0212】(1)セパレータ 前記セパレータは、接着性を有する高分子が保持された
多孔質シートからなる。前記セパレータの接着性を有す
る高分子の含有量は10重量%以下(0重量%を含む)
である。また、前記セパレータの全ての端部は、前記正
極の端部または前記負極の端部に比べて突出している。
【0213】前記多孔質シートとしては、前述した第
1、2の非水電解液二次電池のセパレータにおいて説明
したのと同様なものを用いることができる。
【0214】前記接着性を有する高分子としては、前述
した第1、2の非水電解液二次電池のセパレータにおい
て説明したのと同様なものを用いることができる。
【0215】前記セパレータの接着性を有する高分子の
含有量を前記範囲に規定するのは次のような理由による
ものである。含有量を10重量%より多くすると、二次
電池の内部抵抗が高くなるため、サイクル寿命を向上す
ることが困難になる。より好ましい範囲は5重量%以下
で、さらに好ましい範囲は1重量%以下である。また、
接着性を有する高分子の含有量を1×10-5重量%以上
にすることによって、正極とセパレータの接着強度並び
に負極とセパレータの接着強度を向上することができ
る。含有量のより好ましい下限値は1×10-4重量%
で、さらに好ましい範囲は1×10-3重量%である。
【0216】前記セパレータは、接着性を有する高分子
が均一に存在していても良いが、接着性を有する高分子
の濃度にムラがあっても良い。中でも、内部の接着性を
有する高分子の濃度が、正極または負極と対向する表面
における接着性を有する高分子の濃度に比べて低いこと
が望ましい。特に、セパレータの厚さ方向の中心部にお
ける接着性を有する高分子の濃度が、正極または負極と
対向する表面における接着性を有する高分子の濃度に比
べて低いことが好ましい。
【0217】前記正極の少なくとも一端部を前記負極に
比べて突出させたり、あるいは前記負極の少なくとも一
端部を前記正極に比べて突出させる場合、突出した方の
電極に比べてセパレータの全ての端部を突き出させるこ
とが望ましい。このような構成にすると、内部短絡発生
率をより一層低減することができる。特に、前記負極の
少なくとも一端部を前記正極に比べて突出させると共
に、前記負極に比べてセパレータの全ての端部を突出さ
せることが好ましい。このような構成にすると、内部短
絡発生率のより一層の低減と、サイクル寿命の更なる向
上とを図ることができる。
【0218】前記セパレータの端部には、前記接着性を
有する高分子が保持されていることが好ましい。このよ
うな構成にすると、突出しているセパレータ端部の強度
を高めることができるため、内部短絡発生率をさらに低
減することができる。
【0219】前記セパレータの端部の突出長さは0.2
5〜2mmの範囲にすることが好ましい。これは次のよ
うな理由によるものである。突出長さを0.25mmよ
り短くすると、内部短絡発生率を低減することが困難に
なる恐れがある。一方、突出長さが2mmを超えると、
電池の体積エネルギー密度が低下する恐れがある。より
好ましい範囲は、0.5〜1.5mmである。但し、前
記正極の少なくとも一端部を前記負極に比べて突出させ
たり、あるいは前記負極の少なくとも一端部を前記正極
に比べて突出させる場合、突出長さは突出した電極端部
を基準にして設定する。
【0220】(2)接着層 この接着層は、接着性を有する高分子を含む。前記接着
性を有する高分子としては、前述した第1,2の非水電
解液二次電池の正極で説明したのと同様なものを挙げる
ことができる。
【0221】前記接着層は、多孔質構造をとることが好
ましい。多孔質構造を有する接着層は、電極群の非水電
解液保持量を増加させることができる。
【0222】以下、本発明に係わる第7の非水電解液二
次電池の一例である薄型リチウムイオン二次電池を図1
0及び図11を参照して詳細に説明する。
【0223】フィルム製外装材41内には、積層構造型
の電極群42が収納されている。前記電極群42は、例
えば多孔質導電性基板からなる集電体43に正極層44
が担持された構造を有する正極45と、例えば多孔質導
電性基板からなる集電体46に負極層47が担持された
構造を有する負極48と、前記正極層44及び前記負極
層47にそれぞれ接着された多孔質の接着層49a,4
9bと、両面に前記多孔質の接着層49a,49bが接
着されているセパレータ50とから構成される。前記負
極48の全ての端部は、前記正極45に比べて突出して
いる。一方、前記セパレータ50は、10重量%以下
(0重量%を含む)の接着性高分子を含み、かつその全
ての端部が前記負極48に比べて突出している。非水電
解液は、前記外装材41内に収容されている。正極端子
51は、一端が前記正極45に接続され、かつ他端が前
記外装材41から延出されている。一方、負極端子52
は、一端が前記負極48に接続され、かつ他端が前記外
装材41から延出されている。
【0224】以上説明した本発明に係る第1の非水電解
液二次電池によれば、接着性を有する高分子を少なくと
も正極とセパレータで囲まれる空隙と、負極とセパレー
タで囲まれる空隙と、正負極及びセパレータ内それぞれ
の空隙とに保持させることができるため、電極群の少な
くとも内部に接着性高分子を三次元網状に分布させるこ
とができる。その結果、セパレータの一方の面に正極を
直接接触させ、かつ他方の面に負極を直接接触させつ
つ、正極、負極及びセパレータを一体化することができ
るため、フィルム状外装材を用いた場合にも正負極及び
セパレータの密着性を十分に確保することができると共
に、接着性高分子に起因する内部抵抗の上昇を抑制する
ことができる。さらに、前記セパレータが、空気透過率
が600秒/100cm3以下の多孔質シートに少なく
とも接着性を有する高分子が保持されたものを含むこと
によって、前記セパレータのリチウムイオン伝導度を高
くすることができる。その結果、容量、大電流特性及び
サイクル寿命が向上された非水電解液二次電池を提供す
ることができる。また、フィルム状外装材を用いること
が可能であるため、厚さが例えば4mm以下と薄く、容
量、大電流特性及びサイクル寿命に優れた薄型の非水電
解液二次電池を実現することができる。
【0225】前記フィルム状外装材を用いる場合、前記
電極群の表面のうち少なくとも一部に接着層を形成する
ことによって、前記外装材を前記電極群に固定すること
ができる。その結果、前記外装材と前記電極群の間に非
水電解液が浸透するのを抑制することができる。
【0226】前記接着性を有する高分子の総量を電池容
量100mAh当たり0.2〜6mgの範囲にすること
によって、内部抵抗を低く抑えつつ、正極、負極及びセ
パレータの密着性をより改善することができる。その結
果、前記二次電池の大電流特性及びサイクル寿命をより
改善することができる。
【0227】前記セパレータの厚さを30μm以下にす
ることによって、前記二次電池の内部抵抗をさらに低く
することができるため、前記二次電池の大電流特性及び
サイクル寿命をより向上することができる。
【0228】また、前記セパレータの120℃、1時間
での熱収縮率を20%以下にすることによって、正極、
負極及びセパレータの密着性をより向上することができ
るため、前記二次電池の大電流特性及びサイクル寿命を
より向上することができる。
【0229】また、前記セパレータの多孔度を30〜6
0%にすることによって、セパレータの強度と電解液保
持性の双方を満足することができるため、前記二次電池
の大電流特性及びサイクル寿命をより向上することがで
きる。
【0230】また、前記負極として、リチウムイオンを
吸蔵・放出する炭素質物を含むものを用いることによっ
て、リチウム金属もしくはリチウム合金からなる負極を
備えた薄型の非水電解液二次電池において生じやすいリ
チウムデンドライドの問題を回避することができる。
【0231】さらに、前記炭素質物として、(002)
面の面間隔d002 が0.340nm以下である黒鉛結晶
を有するものを用いることによって、前記二次電池の容
量及び大電流特性をより向上することができる。
【0232】また、前記正極及び前記負極のうち少なく
ともいずれか一方の電極において、直径3mm以下の孔
が10cm2 当り1個以上の割合で存在する多孔質構造
を有する導電性基板を集電体として用いることによっ
て、必要な電極強度を確保しつつ、電極群に非水電解液
を均一に浸透させることができるため、前記二次電池の
サイクル寿命をより向上することができる。
【0233】本発明に係る第2の非水電解液二次電池
は、正極と、負極と、前記正極及び前記負極を隔絶する
ためのセパレータとを有する電極群;前記電極群を収納
するための外装材;前記電極群に含浸される非水電解
液;を具備する。前記正極及び前記セパレータは、これ
らの内部及び境界に点在した接着性を有する高分子によ
り接着されていると共に、前記負極及び前記セパレータ
は、これらの内部及び境界に点在した接着性を有する高
分子により接着されている。このような二次電池によれ
ば、正極の一部と負極の一部をセパレータに直に接触さ
せることができるために接着性高分子に起因する内部抵
抗を低減することができると共に、正極とセパレータの
接着強度並びに負極とセパレータの接着強度を向上させ
ることができる。接着強度が向上されるのは、前記電極
群の内部に接着性を有する高分子が三次元の網状に分布
しているためと推測される。その結果、容量、大電流特
性及びサイクル寿命が向上された非水電解液二次電池を
提供することができる。また、前記電極群は、フィルム
製外装材を用いた際に、正極、負極及びセパレータが充
分に接着された状態を長期間に亘り維持することができ
る。このため、厚さが例えば4mm以下と薄く、容量、
大電流特性及びサイクル寿命に優れた薄型の非水電解液
二次電池を実現することができる。
【0234】本発明に係る二次電池において、前記セパ
レータの接着性を有する高分子の含有量を10重量%以
下にすることによって、正極とセパレータとの接着強度
並びに負極とセパレータとの接着強度を高い値に維持し
つつ、非水電解液のイオン伝導性を高くすることができ
るため、大電流放電特性及びサイクル寿命をより向上す
ることができる。
【0235】本発明に係る二次電池において、前記セパ
レータの内部における接着性を有する高分子の濃度を正
極または負極と対向する面における接着性を有する高分
子の濃度に比べて低くすることによって、正極とセパレ
ータとの接着強度並びに負極とセパレータとの接着強度
を高い値に維持しつつ、内部抵抗を低減することができ
るため、大電流放電特性及びサイクル寿命をより向上す
ることができる。
【0236】本発明に係る二次電池において、前記接着
性を有する高分子の総量を電池容量100mAh当たり
0.2〜6mgの範囲にすることによって、内部抵抗を
低く抑えつつ、正極とセパレータとの接着強度並びに負
極とセパレータとの接着強度をより改善することができ
る。その結果、前記二次電池の大電流特性及びサイクル
寿命をより向上することができる。
【0237】本発明に係る二次電池において、前記接着
性を有する高分子の総量を電池容量100mAh当たり
0.2〜6mgの範囲にする際、前記非水電解液の量を
電池容量100mAh当たり0.2〜0.6gにするこ
とによって、大電流特性及びサイクル寿命をより向上す
ることができる他に、フィルム製外装材の使用が可能に
なるために薄型化を図ることができる。
【0238】本発明に係る二次電池において、外装材と
してフィルム製のものを用いる際、前記電極群の表面の
少なくとも一部に形成された接着層で前記電極群を前記
フィルム製外装材の内面に接着することによって、前記
外装材を前記電極群に固定することができる。その結
果、前記外装材と前記電極群の間に非水電解液が浸透す
るのを抑制することができる。
【0239】本発明に係る二次電池において、前記セパ
レータが、空気透過率が600秒/100cm3以下で
ある多孔質シートに少なくとも前記接着性を有する高分
子が保持されたものを含むことによって、前記セパレー
タのリチウムイオン伝導度を高くすることができる。そ
の結果、放電容量、大電流特性及び充放電サイクル寿命
を更に向上することができる。
【0240】前記セパレータの厚さを30μm以下にす
ることによって、前記二次電池の内部抵抗をさらに低く
することができるため、前記二次電池の大電流特性及び
サイクル寿命をより向上することができる。
【0241】また、前記セパレータの120℃、1時間
での熱収縮率を20%以下にすることによって、正極と
セパレータとの接着強度並びに負極とセパレータとの接
着強度をより向上することができるため、前記二次電池
の大電流特性及びサイクル寿命をさらに改善することが
できる。
【0242】また、前記セパレータの多孔度を30〜6
0%にすることによって、セパレータの強度と電解液保
持性の双方を満足することができるため、前記二次電池
の大電流特性及びサイクル寿命をより向上することがで
きる。
【0243】また、前記負極として、リチウムイオンを
吸蔵・放出する炭素質物を含むものを用いることによっ
て、リチウム金属もしくはリチウム合金からなる負極を
備えた薄型の非水電解液二次電池において生じやすいリ
チウムデンドライドの問題を回避することができる。
【0244】さらに、前記炭素質物として、(002)
面の面間隔d002 が0.340nm以下である黒鉛結晶
を有するものを用いることによって、前記二次電池の容
量及び大電流特性をより向上することができる。
【0245】また、前記正極及び前記負極のうち少なく
ともいずれか一方の電極において、直径3mm以下の孔
が10cm2 当り1個以上の割合で存在する多孔質構造
を有する導電性基板を集電体として用いることによっ
て、必要な電極強度を確保しつつ、電極群に非水電解液
を均一に浸透させることができるため、前記二次電池の
サイクル寿命をより向上することができる。
【0246】本発明に係る非水電解液二次電池の製造方
法によれば、正極と負極の間にセパレータを介在させて
作製した電極群に、接着性を有する高分子が溶解された
溶液を含浸させた後、前記電極群に成形を施すことによ
って、接着性高分子に起因する内部抵抗を低く抑えつ
つ、前記正極、前記負極及び前記セパレータを高い強度
で接着することができる。次いで、前記電極群に非水電
解液を含浸させ、これを所望の外装材に収納することに
よって、薄型にした場合にも優れたエネルギー密度、大
電流特性及びサイクル寿命を有する非水電解液二次電池
を簡単に製造することができる。
【0247】本発明に係る製造方法において、電極群を
フィルム製外装材に収納した状態で接着性を有する高分
子の溶液を注入することによって、内部抵抗の低減及び
接着強度の向上という効果が得られる他に、前記電極群
を前記フィルム製外装材の内面に接着することができ、
前記外装材を前記電極群に固定することができる。その
結果、非水電解液が前記電極群と前記外装材の間に浸透
するのを抑えることができる。
【0248】本発明に係る製造方法において、前記接着
性を有する高分子が溶解された溶液を含浸した電極群を
乾燥させると、前記溶液中の溶媒が蒸発し、接着性を有
する高分子からなる接着部が形成され、前記接着部の一
部または全部が多孔質構造になる。この接着部は、その
空隙に非水電解液を保持することができるため、リチウ
ムイオンの伝導に寄与することができる。その結果、二
次電池のリチウムイオン伝導度を向上することができる
ため、二次電池の放電容量、大電流放電特性及びサイク
ル寿命を改善することができる。
【0249】本発明に係る製造方法において、前記乾燥
の温度を100℃以下にすることによって、セパレー
タ、特にポリエチレンまたはポリプロピレンを含むセパ
レータの熱収縮を抑制することができる。その結果、正
極、負極及びセパレータの接着強度をより向上すること
ができるため、前記二次電池の大電流特性及びサイクル
寿命をより向上することができる。
【0250】また、前記乾燥を100℃以下で行う際
に、前記溶媒として沸点が200℃以下の有機溶媒を用
いることによって、溶媒の蒸発速度を向上することがで
きるため、セパレータに与える熱の影響をより小さなも
のにすることができ、正負極及びセパレータの接着強度
を更に高めることができる。
【0251】また、前記乾燥を100℃以下で行う際
に、前記セパレータの120℃、1時間での熱収縮率を
20%以下にすることによって、セパレータの熱収縮を
より小さくすることができるため、正負極及びセパレー
タの接着強度を更に高めることができる。
【0252】本発明に係る第3の非水電解液二次電池
は、正極及び負極をその間にセパレータを介して渦巻き
状に捲回した後、径方向に圧縮した構造を有する電極群
と、前記電極群に含浸される非水電解液と、前記電極群
が収納されるフィルム製外装材とを具備する。また、前
記電極群は、積層構造が露出している面が前述した
(1)式を満たす形状を有する。
【0253】すなわち、非水電解液二次電池の電極群
は、充放電サイクルの進行に伴い、積層方向に沿って膨
張・収縮を繰り返す。フィルム製外装材は、この膨張・
収縮を抑える効果が小さく、電極群の膨張・収縮にほぼ
追従して変形する。一方、接着性を有する高分子を含ま
ないセパレータは、非水電解液のイオン伝導度を高くす
ることができる。しかしながら、この接着性を有する高
分子を含まないセパレータを含む電極群の外装材として
フィルム製外装材を用いると、充放電サイクルの進行に
伴って正極、負極及びセパレータの接触面積が減少し、
内部抵抗が増加し、長寿命を得られなくなる。
【0254】本願発明によれば、フィルム製外装材を用
いた際に、正極、接着性を有する高分子を含まないセパ
レータ及び負極を長期間に亘って十分に接触させておく
ことができる。その結果、充放電サイクルの進行に伴う
内部インピーダンスの増加を抑制することができるた
め、充放電サイクル寿命を向上することができる。ま
た、前記二次電池は、高温貯蔵後の容量回復率を向上す
ることができる。さらに、前記フィルム製外装材の厚さ
を50〜300μmの範囲にしても長寿命を確保するこ
とができるため、薄型で、かつ長寿命な非水電解液二次
電池を提供することができる。
【0255】本発明に係る第3の非水電解液二次電池に
おいて、前記セパレータが空気透過率が600秒/10
0cm3以下の多孔質シートであることによって、前記
セパレータのリチウムイオン伝導度を高くすることがで
きる。その結果、放電容量及び充放電サイクル寿命を更
に向上することができる。
【0256】本発明に係る第3の非水電解液二次電池に
おいて、前記セパレータが、ポリオレフィン及びセルロ
ースから選ばれる少なくとも1種類の材料からなること
によって、前記セパレータの内部抵抗を低くすることが
でき、前記セパレータのリチウムイオン伝導度をより一
層向上することができる。その結果、前記二次電池の放
電容量及び充放電サイクル寿命を更に向上することがで
きる。
【0257】本発明に係る第4の非水電解液二次電池
は、正極及び負極がその間にセパレータを介して2回以
上折り曲げられた構造を有する電極群と、前記電極群に
含浸される非水電解液と、前記電極群が収納されるフィ
ルム製外装材とを具備する。前記電極群は、積層構造が
露出している面が前記(2)式を満たす形状を有する。
【0258】このような二次電池によれば、フィルム製
外装材内に収納された電極群において、正極、接着性を
有する高分子を含まないセパレータ及び負極を長期間に
亘って十分に接触させておくことができる。その結果、
充放電サイクルの進行に伴う内部インピーダンスの増加
を抑制することができるため、充放電サイクル寿命を向
上することができる。また、前記二次電池は、高温貯蔵
後の容量回復率を向上することができる。さらに、前記
フィルム製外装材の厚さを50〜300μmの範囲にし
ても長寿命を確保することができるため、薄型で、かつ
長寿命な非水電解液二次電池を提供することができる。
【0259】本発明に係る第4の非水電解液二次電池に
おいて、前記セパレータが空気透過率が600秒/10
0cm3以下の多孔質シートであることによって、前記
セパレータのリチウムイオン伝導度を高くすることがで
きる。その結果、放電容量及び充放電サイクル寿命を更
に向上することができる。
【0260】本発明に係る第4の非水電解液二次電池に
おいて、前記セパレータが、ポリオレフィン及びセルロ
ースから選ばれる少なくとも1種類の材料からなること
によって、前記セパレータの内部抵抗を低くすることが
でき、前記セパレータのリチウムイオン伝導度をより一
層向上することができる。その結果、前記二次電池の放
電容量及び充放電サイクル寿命を更に向上することがで
きる。
【0261】本発明に係る別の非水電解液二次電池の製
造方法は、正極及び負極の間にポリオレフィン及びセル
ロースから選ばれる少なくとも1種類の材料からなるセ
パレータを介在させて電極群を作製する工程と、前記電
極群を加熱しながら成形する工程と、前記電極群に非水
電解液を含浸させる工程とを具備する。このような方法
によれば、前記加熱成形工程において、前記正極及び負
極に含まれる結着剤を熱硬化させることができるため、
成形後、前記正極、前記負極及び前記セパレータが成形
前の厚さに復元しようとするのを回避することができ
る。その結果、前記正極、前記負極及び前記セパレータ
が充分に接触した状態にすることができると共に、充放
電サイクルの進行に伴って電極群の膨張・収縮が繰り返
されてもその状態を維持することができる。その結果、
充放電サイクルの進行に伴って内部抵抗が増加するのを
抑制することができるため、充放電サイクル寿命を向上
することができる。また、フィルム製外装材を用いた際
に、正極、負極及びセパレータが充分に接触した状態を
長期間に亘って維持することができるため、長寿命な薄
型非水電解液二次電池を実現することができる。。
【0262】本発明に係る製造方法において、前記電極
群を成形する際、前記電極群の温度を40〜120℃に
することによって、セパレータの大幅な熱収縮を回避し
つつ、正極、負極及びセパレータの接触状態をより改善
することができるため、サイクル寿命を更に向上するこ
とができる。
【0263】本発明に係る第5の非水電解液二次電池に
よれば、正極及び負極をその間にセパレータを介して渦
巻き状に捲回した後、径方向に圧縮した構造を有する電
極群と、前記電極群に含浸される非水電解液と、前記電
極群が収納されるフィルム製外装材とを具備する。前記
正極及び前記セパレータは、これらの内部及び境界に点
在した接着性を有する高分子により接着されていると共
に、前記負極及び前記セパレータは、これらの内部及び
境界に点在した接着性を有する高分子により接着されて
いる。また、前記電極群は、積層構造が露出している面
が前述した(1)式を満たす形状を有する。
【0264】このような二次電池によれば、電極群の内
部抵抗を低い値に維持しつつ、正極、負極及びセパレー
タを長期間に亘って充分に接触させておくことができ
る。その結果、二次電池の初期容量、サイクル寿命及び
大電流放電特性を飛躍的に向上させることができる。
【0265】本発明に係る第6の非水電解液二次電池に
よれば、正極、負極及びセパレータからなる積層物を2
回以上折り曲げた構造を有する電極群と、前記電極群に
含浸される非水電解液と、前記電極群が収納されるフィ
ルム製外装材とを具備する。前記正極及び前記セパレー
タは、これらの内部及び境界に点在した接着性を有する
高分子により接着されていると共に、前記負極及び前記
セパレータは、これらの内部及び境界に点在した接着性
を有する高分子により接着されている。前記電極群は、
積層構造が露出している面が前述した(2)式を満たす
形状を有する。
【0266】このような二次電池によれば、電極群の内
部抵抗を低い値に維持しつつ、正極、負極及びセパレー
タを長期間に亘って充分に接触させておくことができ
る。その結果、二次電池の初期容量、サイクル寿命及び
大電流放電特性を飛躍的に向上させることができる。
【0267】本発明に係る第7の非水電解液二次電池
は、少なくとも1枚の正極と、少なくとも1枚の負極
と、少なくとも1枚のセパレータと、前記正極と前記セ
パレータの間及び前記負極と前記セパレータの間それぞ
れに介装される少なくとも2枚の接着層とが積層された
構造を有する電極群;前記電極群に含浸される非水電解
液;前記電極群が収納されるフィルム製外装材;を具備
する。前記セパレータは、接着性を有する高分子を10
重量%以下(0重量%を含む)含み、かつその端部が前
記正極の端部または前記負極の端部に比べて突出してい
る。
【0268】このような二次電池によれば、誤って落下
させる等により電池に衝撃が加わった際と、高温環境下
で使用してセパレータに熱収縮が生じた際に内部短絡が
発生するのを抑制することができる。また、内部抵抗を
低減することができるため、充放電サイクル寿命を向上
することができる。
【0269】本発明に係る二次電池において、前記セパ
レータの突出長さを0.25〜2mmの範囲にすること
によって、高い体積エネルギー密度を維持しつつ、内部
短絡発生率をより低減することができる。
【0270】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明
する。
【0271】例1 <正極の作製>まず、リチウムコバルト酸化物(Lix
CoO2 ;但し、Xは0≦X≦1である)粉末91重量
%をアセチレンブラック3.5重量%、グラファイト
3.5重量%及びエチレンプロピレンジエンモノマ粉末
2重量%とトルエンを加えて共に混合し、10cm2
たり10個の割合で直径0.5mmの孔が存在する多孔
質アルミニウム箔(厚さが15μm)からなる集電体の
両面に塗布した後、プレスすることにより電極密度が3
g/cm3で、正極層が集電体の両面に担持された構造
の正極を2枚作製した。
【0272】<負極の作製>炭素質材料として3000
℃で熱処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維(繊維径
が8μm、平均繊維長が20μm、平均面間隔
(d002)が0.3360nm)の粉末を93重量%
と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)7
重量%とを混合し、これを10cm2当たり10個の割
合で直径0.5mmの孔が存在する多孔質銅箔(厚さが
15μm)からなる集電体の片面に塗布し、乾燥し、プ
レスすることにより電極密度が1.3g/cm3で、負
極層が集電体の片面に担持された構造の負極Aを作製し
た。また、前述した混合物を前記集電体の両面に塗布
し、乾燥し、プレスすることにより電極密度が1.3g
/cm3で、負極層が集電体の両面に担持された構造の
負極Bを作製した。
【0273】<セパレータ>厚さが25μmで、120
℃、1時間での熱収縮が20%で、多孔度が50%のポ
リエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータを4枚
用意した。
【0274】<非水電解液の調製>六フッ化リン酸リチ
ウム(LiPF6 )をエチレンカーボネート(EC)と
メチルエチルカーボネート(MEC)の混合溶媒(混合
体積比率1:2)に1モル/1溶解して非水電解液を調
製した。
【0275】<電極群の作製>得られた正極、負極A,
B及びセパレータを、セパレータ、正極、セパレータ、
負極B(負極層、負極集電体、負極層)、セパレータ、
正極、セパレータ及び負極A(負極層、前記負極集電
体)の順に積層し、得られた積層物を渦巻き状に捲回し
た後、偏平形状に成形して電極群を作製した。なお、積
層前に前記正極の集電体に帯状の正極リードを溶接し、
前記負極の集電体に帯状の負極リードを溶接した。
【0276】アルミ箔の両面をポリプロピレンで覆った
厚さ100μmのラミネートフィルムを袋状に成形し、
これに前記電極群を積層面が袋の開口部から見えるよう
に収納した。接着性を有する高分子であるポリアクリロ
ニトリル(PAN)を有機溶媒であるジメチルフォルム
アミド(沸点が153℃)に0.5重量%溶解させた。
得られた溶液を前記ラミネートフィルム内の電極群に電
池容量100mAh当たりの量が0.25mlとなるよ
うに注入し、前記溶液を前記電極群の内部に浸透させる
と共に、前記電極群の表面全体に付着させた。
【0277】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PANの総量は、
電池容量100mAh当たり1.25mgであった。な
お、接着性高分子(例えばPAN)の総量は、接着性高
分子溶液を含浸させる前の電極群と比較した際の重量増
加量から算出した。
【0278】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が4.1g(1
00mAh当たり0.41g)となるように注入し、前
述した図1、2に示す構造を有し、厚さが3mm、幅が
40mm、高さが70mmの薄型非水電解液二次電池を
組み立てた。
【0279】例2 負極としてアルミニウムを用いること以外は、例1と同
様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0280】例3 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例1で説明
したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の開
口部から見えるように収納した。接着性を有する高分子
であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を有機溶媒で
あるジメチルフォルムアミド(沸点が153℃)に0.
5重量%溶解させた。得られた溶液を前記ラミネートフ
ィルム内の電極群に電池容量100mAh当たりの量が
例1と同様となるように注入し、前記溶液を前記電極群
の内部に浸透させると共に、前記電極群の表面全体に付
着させた。
【0281】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に40℃で真空乾燥を24時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PVdFの総量
は、電池容量100mAh当たり1.15mgであっ
た。
【0282】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、前述した図1、2に示す構造を有
し、厚さが3mm、幅が40mm、高さが70mmの薄
型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0283】例4 真空乾燥の条件を80℃、12時間にすること以外は、
例3で説明したのと同様にして薄型非水電解液二次電池
を組み立てた。
【0284】例5 真空乾燥の条件を100℃、6時間にすること以外は、
例3で説明したのと同様にして薄型非水電解液二次電池
を組み立てた。
【0285】例6 負極としてアルミニウムを用いること以外は、例3と同
様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0286】例7 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例1で説明
したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の開
口部から見えるように収納した。接着性を有する高分子
であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を有機溶媒で
あるジメチルフォルムアミド(沸点が153℃)に0.
1重量%溶解させた。得られた溶液を前記ラミネートフ
ィルム内の電極群に電池容量100mAh当たりの量が
例1と同様となるように注入し、前記溶液を前記電極群
の内部に浸透させると共に、前記電極群の表面全体に付
着させた。
【0287】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PVdFの総量
は、電池容量100mAh当たり0.23mgであっ
た。
【0288】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、前述した図1に示す構造を有し、厚
さが3mm、幅が40mm、高さが70mmの薄型非水
電解液二次電池を組み立てた。
【0289】例8 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例1で説明
したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の開
口部から見えるように収納した。接着性を有する高分子
であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を有機溶媒で
あるジメチルフォルムアミド(沸点が153℃)に1重
量%溶解させた。得られた溶液を前記ラミネートフィル
ム内の電極群に電池容量100mAh当たりの量が例1
と同様となるように注入し、前記溶液を前記電極群の内
部に浸透させると共に、前記電極群の表面全体に付着さ
せた。
【0290】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PVdFの総量
は、電池容量100mAh当たり2.3mgであった。
【0291】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、前述した図1に示す構造を有し、厚
さが3mm、幅が40mm、高さが70mmの薄型非水
電解液二次電池を組み立てた。
【0292】例9 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例1で説明
したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の開
口部から見えるように収納した。接着性を有する高分子
であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を有機溶媒で
あるジメチルフォルムアミド(沸点が153℃)に2.
5重量%溶解させた。得られた溶液を前記ラミネートフ
ィルム内の電極群に電池容量100mAh当たりの量が
例1と同様となるように注入し、前記溶液を前記電極群
の内部に浸透させると共に、前記電極群の表面全体に付
着させた。
【0293】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PVdFの総量
は、電池容量100mAh当たり2.88mgであっ
た。
【0294】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、前述した図1に示す構造を有し、厚
さが3mm、幅が40mm、高さが70mmの薄型非水
電解液二次電池を組み立てた。
【0295】例10 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例1で説明
したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の開
口部から見えるように収納した。接着性を有する高分子
であるポリアクリレート(PMMA)を有機溶媒である
ジメチルフォルムアミド(沸点が153℃)に1重量%
溶解させた。得られた溶液を前記ラミネートフィルム内
の電極群に電池容量100mAh当たりの量が例1と同
様となるように注入し、前記溶液を前記電極群の内部に
浸透させると共に、前記電極群の表面全体に付着させ
た。
【0296】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PMMAの総量
は、電池容量100mAh当たり1.15mgであっ
た。
【0297】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、前述した図1に示す構造を有し、厚
さが3mm、幅が40mm、高さが70mmの薄型非水
電解液二次電池を組み立てた。
【0298】例11 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例1で説明
したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の開
口部から見えるように収納した。接着性を有する高分子
であるポリ塩化ビニル(PVC)を有機溶媒であるジメ
チルフォルムアミド(沸点が153℃)に0.5重量%
溶解させた。得られた溶液を前記ラミネートフィルム内
の電極群に電池容量100mAh当たりの量が例1と同
様となるように注入し、前記溶液を前記電極群の内部に
浸透させると共に、前記電極群の表面全体に付着させ
た。
【0299】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PVCの総量は、
電池容量100mAh当たり1.15mgであった。
【0300】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、前述した図1に示す構造を有し、厚
さが3mm、幅が40mm、高さが70mmの薄型非水
電解液二次電池を組み立てた。
【0301】例12 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例1で説明
したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の開
口部から見えるように収納した。接着性を有する高分子
であるポリエチレンオキサイド(PEO)を有機溶媒で
あるジメチルフォルムアミド(沸点が153℃)に0.
5重量%溶解させた。得られた溶液を前記ラミネートフ
ィルム内の電極群に電池容量100mAh当たりの量が
例1と同様となるように注入し、前記溶液を前記電極群
の内部に浸透させると共に、前記電極群の表面全体に付
着させた。
【0302】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PEOの総量は、
電池容量100mAh当たり1.15mgであった。
【0303】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、前述した図1に示す構造を有し、厚
さが3mm、幅が40mm、高さが70mmの薄型非水
電解液二次電池を組み立てた。
【0304】比較例1 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに前述した例
1で説明したのと同様にして作製された電極群を積層面
が袋の開口部から見えるように収納し、前記電極群に真
空乾燥を80℃で12時間施した。前記ラミネートフィ
ルム内の電極群に前記非水電解液を電池容量1Ah当た
りの量が例1と同様になるように注入し、前述した図1
に示す構造を有し、厚さが3mm、幅が40mm、高さ
が70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0305】比較例2 非水電解液の代わりにゲル電解質(ポリアクリロニトリ
ル(PAN)、LiPF6 、EC及びMECがモル比P
AN:LiPF6 :EC:MEC=16:5:55:2
4で混合されたもの)を不織布からなるセパレータに含
浸させて用い、かつ多孔質な接着層を形成しないこと以
外は、例1と同様にして薄型非水電解液二次電池を組み
立てた。
【0306】比較例3 接着性を有する高分子であるポリフッ化ビニリデン(P
VdF)を有機溶媒であるジメチルフォルムアミド(沸
点が153℃)に3重量%溶解させた。得られた溶液を
例1で説明したのと同様なセパレータの両面に塗布し
た。例1で説明したのと同様な正極及び負極A,Bの間
に前記セパレータを介在させ、積層物を作製した。前記
積層物を80℃で12時間真空乾燥を施すことにより正
極とセパレータ間及び負極とセパレータ間に多孔質な接
着層を形成した。次いで、前記積層物を渦巻き状に捲回
した後、偏平形状に成形して電極群を作製した。
【0307】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高さ
が70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0308】得られた例1,3〜5,7〜12及び比較
例1〜3の二次電池について、充電電流300mAで
4.2Vまで5時間充電した後、300mAで2.7V
まで放電する充放電サイクル試験を20℃の雰囲気にお
いて実施した。一方、例2、6の二次電池については、
充電電流300mAで4.0Vまで5時間充電した後、
300mAで2.7Vまで放電する充放電サイクル試験
を20℃の雰囲気において実施した。各充放電サイクル
試験における1サイクル目の放電容量(初期容量)及び
300サイクル時における容量維持率(前記初期容量に
対する)を下記表2に示す。
【0309】また、例1,3〜5,7〜12及び比較例
1〜3の二次電池について、充電電流300mAで4.
2Vまで5時間充電した後、2Cで2.7Vまで放電し
た際の放電容量を測定し、2C放電レートでの容量維持
率(2Cでの放電容量の前記初期容量に対する比率)を
算出し、その結果を下記表2に併記する。一方、例2,
6の二次電池については、充電電流300mAで4.0
Vまで5時間充電した後、2Cで2.7Vまで放電した
際の放電容量を測定して2C放電レートでの容量維持率
を算出し、その結果を下記表2に併記する。
【0310】
【表1】
【0311】
【表2】
【0312】表1〜2から明らかなように、例1〜例1
2の二次電池は、初期容量及びサイクル寿命に優れ、特
に2Cの大電流での放電容量を比較例1〜3の二次電池
に比べて改善できることがわかる。
【0313】これに対し、比較例1の二次電池は、初期
容量、サイクル寿命及び大電流放電容量が例1〜12に
比べて格段に低いことがわかる。一方、比較例2の二次
電池は、2Cの大電流での放電容量が例1〜12の二次
電池に比べて低いことがわかる。また、比較例3の二次
電池は、初期容量、サイクル寿命及び大電流放電容量が
例1〜12に比べて低いことがわかる。
【0314】また、例6〜9及び比較例1〜3の二次電
池について、セパレータの接着性高分子の含有量を測定
し、その結果を下記表3に示す。
【0315】
【表3】
【0316】さらに、例4,8及び比較例3の二次電池
について、セパレータの厚さ方向の中心部、正極と対向
する表面及び負極と対向する表面における接着性高分子
の濃度をそれぞれ測定し、その結果を下記表4に示す。
【0317】
【表4】
【0318】表4から明らかなように、例4,8の二次
電池に含まれるセパレータは、内部の接着性高分子濃度
が正極または負極と対向する表面における接着性高分子
濃度に比べて低いことがわかる。これに対し、比較例3
の二次電池に含まれるセパレータは、内部の接着性高分
子濃度が正極または負極と対向する表面における接着性
高分子濃度に比べて高いことがわかる。これは、比較例
3においては、接着性を有する高分子の溶液をセパレー
タに直接塗布したためである。
【0319】例12−1 セパレータとして、厚さが25μmで、120℃、1時
間での熱収縮が20%で、空気透過率が90sec/1
00cm3で、かつ多孔度が50%のポリエチレン製多
孔質フィルムを用いること以外は、例4と同様にして薄
型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0320】実施例12−2 セパレータの多孔質フィルムの空気透過率を580se
c/100cm3にすること以外は、前述した例12−
1と同様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0321】実施例12−3 セパレータの多孔質シートの空気透過率を400sec
/100cm3にすること以外は、前述した例12−1
と同様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0322】実施例12−4 セパレータの多孔質シートの空気透過率を150sec
/100cm3にすること以外は、前述した例12−1
と同様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0323】得られた例12−1〜12−4の二次電池
について、充電電流300mAで4.2Vまで5時間充
電した後、300mAで2.7Vまで放電する充放電サ
イクル試験を20℃の雰囲気において実施した。各充放
電サイクル試験における1サイクル目の放電容量(初期
容量)及び300サイクル時における容量維持率(前記
初期容量に対する)を下記表5に示す。
【0324】また、例12−1〜12−4の二次電池に
ついて、充電電流300mAで4.2Vまで5時間充電
した後、2Cで2.7Vまで放電した際の放電容量を測
定し、2Cでの放電容量の前記初期容量に対する比率を
算出し、その結果を2C放電レートでの容量維持率とし
て下記表5に併記する。
【0325】
【表5】
【0326】例13 <正極の作製>まず、リチウムコバルト酸化物(Lix
CoO2 )粉末91重量%をアセチレンブラック3.5
重量%、グラファイト3.5重量%及びエチレンプロピ
レンジエンモノマ粉末2重量%とトルエンを加えて共に
混合し、厚さが30μmのアルミニウム箔からなる集電
体の両面に塗布した後、プレスすることにより電極密度
が3g/cm3で、正極層が集電体の両面に担持された
構造の正極を作製した。
【0327】<負極の作製>炭素質材料として3000
℃で熱処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維(繊維径
が8μm、平均繊維長が20μm、平均面間隔
(d002)が0.3360nm)の粉末を93重量%
と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)7
重量%とを混合し、これを集電体としての厚さが15μ
mの銅箔の両面に塗布し、乾燥し、プレスすることによ
り電極密度が1.3g/cm3で、負極層が集電体の両
面に担持された構造の負極を作製した。
【0328】前記正極及び前記負極を厚さが15μmの
ポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレ―タを介
して渦巻き状に捲回することにより電極群を作製した。
【0329】次いで、前記電極群をステンレス製の有底
円筒状容器内に収納した。接着性を有する高分子である
ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を有機溶媒であるジ
メチルフォルムアミド(沸点が153℃)に0.1重量
%溶解させた。得られた溶液を前記容器内の電極群に電
池容量100mAh当たりの量が0.25mlとなるよ
うに注入し、前記溶液を前記電極群の内部に浸透させる
と共に、前記電極群の表面全体に付着させた。
【0330】次いで、前記容器内の電極群に80℃で真
空乾燥を12時間施すことにより前記有機溶媒を蒸発さ
せ、正極、負極及びセパレータの空隙に接着性を有する
高分子を保持させると共に、前記電極群の表面に多孔質
な接着部を形成した。PVdFの総量は、電池容量10
0mAh当たり0.23mgであった。
【0331】前記容器内の電極群に例1で説明したのと
同様な非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が3.8
gとなるように注入し、封口等を行うことにより円筒形
非水電解液二次電池を組み立てた。
【0332】比較例4 前述した例13で説明したのと同様な正極及び前記負極
を厚さが25μmのポリエチレン製多孔質フィルムから
なるセパレ―タを介して渦巻き状に捲回することにより
電極群を作製した。
【0333】次いで、前記電極群をステンレス製の有底
円筒状容器内に収納し、例1で説明したのと同様な非水
電解液を電池容量1Ah当たりの量が3.8gとなるよ
うに注入し、封口等を行うことにより円筒形非水電解液
二次電池を組み立てた。
【0334】得られた例13及び比較例4の二次電池に
ついて、充電電流800mAで4.2Vまで3時間充電
した後、800mAで2.7Vまで放電する充放電サイ
クル試験を20℃の雰囲気において実施した。各充放電
サイクル試験における1サイクル目の放電容量(初期容
量)及び300サイクル時における容量維持率(前記初
期容量に対する)を下記表6に示す。
【0335】また、例13及び比較例4の二次電池につ
いて、充電電流800mAで4.2Vまで3時間充電し
た後、2Cで2.7Vまで放電した際の放電容量を測定
し、2C放電レートでの容量維持率(2Cでの放電容量
の前記初期容量に対する比率)を算出し、その結果を下
記表6に併記する。
【0336】
【表6】
【0337】表6から明らかなように、例13の二次電
池は、比較例4の二次電池に比べて薄いセパレータの使
用が可能になると共に、初期容量、サイクル寿命及び大
電流放電特性が優れていることがわかる。
【0338】また、前述した実施例13においては、金
属製の有底円筒形容器を備える円筒形非水電解液二次電
池に適用した例を説明したが、金属製の有底矩形筒状容
器を備える角形非水電解液二次電池にも同様に適用する
ことができる。
【0339】例14 <正極の作製>まず、リチウムコバルト酸化物(Lix
CoO2 ;但し、Xは0≦X≦1である)粉末91重量
%をアセチレンブラック3.5重量%、グラファイト
3.5重量%及び結着剤としてエチレンプロピレンジエ
ンモノマ(EPDM)粉末2重量%とトルエンを加えて
共に混合し、10cm2当たり10個の割合で直径0.
5mmの孔が存在する多孔質アルミニウム箔(厚さが1
5μm)からなる集電体の両面に塗布した後、プレスす
ることにより電極密度が3g/cm3の正極を作製し
た。
【0340】<負極の作製>炭素質材料として3000
℃で熱処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維(繊維径
が8μm、平均繊維長が20μm、平均面間隔
(d002)が0.3360nm)の粉末を93重量%
と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)7
重量%とを混合し、これを10cm2当たり10個の割
合で直径0.5mmの孔が存在する多孔質銅箔(厚さが
15μm)からなる集電体に塗布し、乾燥し、プレスす
ることにより電極密度が1.3g/cm3の負極を作製
した。
【0341】<セパレータ>厚さが25μmで、120
℃、1時間での熱収縮が20%で、多孔度が50%のポ
リエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータを用意
した。前記セパレータの長手方向に沿う長さは、前記正
極に比べて2mm長く、かつ前記負極に比べて1.5m
m長い。また、前記セパレータの長手方向と直交する長
さは、前記正極に比べて2mm長く、かつ前記負極に比
べて1.5mm長い。
【0342】<非水電解液の調製>六フッ化リン酸リチ
ウム(LiPF6 )をエチレンカーボネート(EC)と
メチルエチルカーボネート(MEC)の混合溶媒(混合
体積比率1:2)に1モル/1溶解して非水電解液を調
製した。
【0343】<電極群の作製>得られた正極の集電体に
帯状の正極リードを溶接し、また負極の集電体に帯状の
負極リードを溶接した。ひきつづき、正極、負極及びセ
パレータを、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順
に積層し、得られた積層物を最外周がセパレータとなる
ように渦巻き状に捲回した後、偏平形状に成形して電極
群を作製した。得られた電極群では、前記正極に比べて
前記負極が突出していると共に、前記負極に比べて前記
セパレータが突出していた。前記セパレータの各端部の
突出長さは、前記正極の各端部から測ると1mmで、前
記負極の各端部から測ると0.75mmであった。
【0344】アルミ箔の両面をポリプロピレンで覆った
厚さ100μmのラミネートフィルムを袋状に成形し、
これに前記電極群を積層面が袋の開口部から見えるよう
に収納した。接着性を有する高分子であるポリアクリロ
ニトリル(PAN)を有機溶媒であるジメチルフォルム
アミド(沸点が153℃)に0.5重量%溶解させた。
得られた溶液を前記ラミネートフィルム内の電極群に電
池容量100mAh当たりの量が0.25mlとなるよ
うに注入し、前記溶液を前記電極群の内部に浸透させる
と共に、前記電極群の表面全体に付着させた。
【0345】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PANの総量は、
電池容量100mAh当たり1.25mgであった。な
お、接着性高分子(例えばPAN)の総量は、接着性高
分子溶液を含浸させる前の電極群と比較した際の重量増
加量から算出した。
【0346】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が4.1g(1
00mAh当たりに換算すると0.41g)となるよう
に注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高さが70m
mの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0347】例15 負極としてアルミニウムを用いること以外は、例14と
同様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0348】例16 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例14で説
明したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の
開口部から見えるように収納した。接着性を有する高分
子であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を有機溶媒
であるジメチルフォルムアミド(沸点が153℃)に
0.5重量%溶解させた。得られた溶液を前記ラミネー
トフィルム内の電極群に電池容量100mAh当たりの
量が例14と同様となるように注入し、前記溶液を前記
電極群の内部に浸透させると共に、前記電極群の表面全
体に付着させた。
【0349】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に40℃で真空乾燥を24時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、前記有機溶媒を蒸発させ、正極、負
極及びセパレータの空隙に接着性を有する高分子を保持
させると共に、前記電極群の表面に多孔質な接着部を形
成した。PVdFの総量は、電池容量100mAh当た
り1.15mgであった。
【0350】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例14と同様
となるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高
さが70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0351】例17 真空乾燥の条件を80℃、12時間にすること以外は、
例16で説明したのと同様にして薄型非水電解液二次電
池を組み立てた。
【0352】例18 真空乾燥の条件を100℃、6時間にすること以外は、
例16で説明したのと同様にして薄型非水電解液二次電
池を組み立てた。
【0353】例19 負極としてアルミニウムを用いること以外は、例16と
同様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0354】例20 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例14で説
明したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の
開口部から見えるように収納した。接着性を有する高分
子であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を有機溶媒
であるジメチルフォルムアミド(沸点が153℃)に
0.1重量%溶解させた。得られた溶液を前記ラミネー
トフィルム内の電極群に電池容量100mAh当たりの
量が例14と同様となるように注入し、前記溶液を前記
電極群の内部に浸透させると共に、前記電極群の表面全
体に付着させた。
【0355】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PVdFの総量
は、電池容量100mAh当たり0.23mgであっ
た。
【0356】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例14と同様
となるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高
さが70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0357】例21 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例14で説
明したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の
開口部から見えるように収納した。接着性を有する高分
子であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を有機溶媒
であるジメチルフォルムアミド(沸点が153℃)に1
重量%溶解させた。得られた溶液を前記ラミネートフィ
ルム内の電極群に電池容量100mAh当たりの量が例
14と同様となるように注入し、前記溶液を前記電極群
の内部に浸透させると共に、前記電極群の表面全体に付
着させた。
【0358】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PVdFの総量
は、電池容量100mAh当たり2.3mgであった。
【0359】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例14と同様
となるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高
さが70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0360】例22 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例14で説
明したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の
開口部から見えるように収納した。接着性を有する高分
子であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を有機溶媒
であるジメチルフォルムアミド(沸点が153℃)に
2.5重量%溶解させた。得られた溶液を前記ラミネー
トフィルム内の電極群に電池容量100mAh当たりの
量が例14と同様となるように注入し、前記溶液を前記
電極群の内部に浸透させると共に、前記電極群の表面全
体に付着させた。
【0361】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PVdFの総量
は、電池容量100mAh当たり2.88mgであっ
た。
【0362】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例14と同様
となるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高
さが70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0363】例23 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例14で説
明したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の
開口部から見えるように収納した。接着性を有する高分
子であるポリアクリレート(PMMA)を有機溶媒であ
るジメチルフォルムアミド(沸点が153℃)に1重量
%溶解させた。得られた溶液を前記ラミネートフィルム
内の電極群に電池容量100mAh当たりの量が例14
と同様となるように注入し、前記溶液を前記電極群の内
部に浸透させると共に、前記電極群の表面全体に付着さ
せた。
【0364】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PMMAの総量
は、電池容量100mAh当たり1.15mgであっ
た。
【0365】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例14と同様
となるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高
さが70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0366】例24 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例14で説
明したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の
開口部から見えるように収納した。接着性を有する高分
子であるポリ塩化ビニル(PVC)を有機溶媒であるジ
メチルフォルムアミド(沸点が153℃)に0.5重量
%溶解させた。得られた溶液を前記ラミネートフィルム
内の電極群に電池容量100mAh当たりの量が例14
と同様となるように注入し、前記溶液を前記電極群の内
部に浸透させると共に、前記電極群の表面全体に付着さ
せた。
【0367】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PVCの総量は、
電池容量100mAh当たり1.15mgであった。
【0368】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例14と同様
となるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高
さが70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0369】例25 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例14で説
明したのと同様にして作製された電極群を積層面が袋の
開口部から見えるように収納した。接着性を有する高分
子であるポリエチレンオキサイド(PEO)を有機溶媒
であるジメチルフォルムアミド(沸点が153℃)に
0.5重量%溶解させた。得られた溶液を前記ラミネー
トフィルム内の電極群に電池容量100mAh当たりの
量が例14と同様となるように注入し、前記溶液を前記
電極群の内部に浸透させると共に、前記電極群の表面全
体に付着させた。
【0370】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記有
機溶媒を蒸発させ、正極、負極及びセパレータの空隙に
接着性を有する高分子を保持させると共に、前記電極群
の表面に多孔質な接着部を形成した。PEOの総量は、
電池容量100mAh当たり1.15mgであった。
【0371】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例14と同様
となるように注入し、前述した図1に示す構造を有し、
厚さが3mm、幅が40mm、高さが70mmの薄型非
水電解液二次電池を組み立てた。
【0372】比較例5 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに前述した例
14で説明したのと同様にして作製された電極群を積層
面が袋の開口部から見えるように収納し、前記電極群に
真空乾燥を80℃で12時間施した。前記ラミネートフ
ィルム内の電極群に前記非水電解液を電池容量1Ah当
たりの量が例14と同様になるように注入し、厚さが3
mm、幅が40mm、高さが70mmの薄型非水電解液
二次電池を組み立てた。
【0373】比較例6 非水電解液の代わりにゲル電解質(ポリアクリロニトリ
ル(PAN)、LiPF6 、EC及びMECがモル比P
AN:LiPF6 :EC:MEC=16:5:55:2
4で混合されたもの)を不織布に含浸させ、セパレータ
を作製した。
【0374】例14で説明したのと同様な正極及び負極
をその間に前記セパレータを介在して渦巻き状に捲回し
た後、偏平状に成形し、電極群を作製した。ラミネート
フィルムを袋状に成形したものに前記電極群を積層面が
袋の開口部から見えるように収納し、前記電極群に真空
乾燥を80℃で12時間施した。次いで、前記ラミネー
トフィルム内の電極群に前記非水電解液を電池容量1A
h当たりの量が例14と同様になるように注入し、厚さ
が3mm、幅が40mm、高さが70mmの薄型非水電
解液二次電池を組み立てた。
【0375】比較例7 接着性を有する高分子であるポリフッ化ビニリデン(P
VdF)を有機溶媒であるジメチルフォルムアミド(沸
点が153℃)に3重量%溶解させた。得られた溶液を
例14で説明したのと同様なセパレータの両面に塗布し
た。例14で説明したのと同様な正極及び負極の間に前
記セパレータを介在させ、積層物を作製した。前記積層
物を80℃で12時間真空乾燥を施すことにより正極と
セパレータ間及び負極とセパレータ間に多孔質な接着層
を形成した。次いで、前記積層物を渦巻き状に捲回した
後、偏平形状に成形して電極群を作製した。
【0376】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例14と同様
となるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高
さが70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
なお、前記セパレータ中の接着性高分子の含有量を測定
したところ、15重量%であった。
【0377】得られた例14,16〜18,20〜25
及び比較例5〜7の二次電池について、充電電流300
mAで4.2Vまで5時間充電した後、300mAで
2.7Vまで放電する充放電サイクル試験を20℃の雰
囲気において実施した。一方、例15、19の二次電池
については、充電電流300mAで4.0Vまで5時間
充電した後、300mAで2.7Vまで放電する充放電
サイクル試験を20℃の雰囲気において実施した。各充
放電サイクル試験における1サイクル目の放電容量(初
期容量)及び300サイクル時における容量維持率(前
記初期容量に対する)を下記表9に示す。
【0378】また、例14,16〜18,20〜25及
び比較例5〜7の二次電池について、充電電流300m
Aで4.2Vまで5時間充電した後、2Cで2.7Vま
で放電した際の放電容量を測定し、2Cでの放電容量の
前記初期容量に対する比率を算出し、その結果を2C放
電レートでの容量維持率として下記表9に併記する。一
方、例15,19の二次電池については、充電電流30
0mAで4.0Vまで5時間充電した後、2Cで2.7
Vまで放電した際の放電容量を測定して2C放電レート
での容量維持率を算出し、その結果を下記表9に併記す
る。
【0379】
【表7】
【0380】
【表8】
【0381】
【表9】
【0382】表7〜9から明らかなように、例14〜例
25の二次電池は、初期容量及びサイクル寿命に優れ、
特に2Cの大電流での放電容量を比較例5〜7の二次電
池に比べて改善できることがわかる。
【0383】これに対し、比較例5の二次電池は、初期
容量、サイクル寿命及び大電流放電容量が例14〜25
に比べて格段に低いことがわかる。一方、比較例6の二
次電池は、2Cの大電流での放電容量が例14〜25の
二次電池に比べて低いことがわかる。また、比較例7の
二次電池は、初期容量、サイクル寿命及び大電流放電容
量が例14〜25に比べて低いことがわかる。
【0384】また、前述した実施例14〜25では、正
極及び負極をセパレータを介して渦巻き状に捲回した
後、径方向に圧縮した構造を有する電極群を用いる例を
説明した。電極群の構造を前述した図5に示すように変
更する、つまり正極及び負極がセパレータを介して負極
同士が接するように6回折り曲げられた構造にすること
以外は、前述した例17と同様な薄型非水電解液二次電
池を組み立てたところ、電池容量は例17に比べて10
%程度減少したものの、その他の性能は例17と同等で
あった。
【0385】例26 例12−1で説明したのと同様にして電極群の作製及び
ラミネートフィルムへの収納を行った。次いで、接着性
を有する高分子の溶液の注入を行うことなく、80℃の
高温真空雰囲気において前記ラミネートフィルムに電極
群の厚さ方向に沿って10kg/cm2の圧力でプレス
を施すことにより、L2/L1が1.00である電極群を
作製した。
【0386】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高さ
が70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。前
記二次電池において、前記電極群中の接着性高分子の含
有量は0重量%であった。
【0387】例27〜例33及び比較例8 プレス圧を変更することによりL2/L1を下記表10に
示すように設定すること以外は、前述した例26と同様
にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0388】比較例9 例12−1で説明したのと同様にして電極群の作製及び
ラミネートフィルムへの収納を行った。次いで、接着性
を有する高分子の溶液の注入を行うことなく、25℃の
真空雰囲気において前記ラミネートフィルムに電極群の
厚さ方向に沿って0.001kg/cm2の圧力でプレ
スを施すことにより、L2/L1が1.30である電極群
を作製した。
【0389】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高さ
が70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0390】実施例34 セパレータの多孔質フィルムの空気透過率を580se
c/100cm3にすること以外は、前述した例26と
同様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0391】実施例35 セパレータの多孔質シートの空気透過率を400sec
/100cm3にすること以外は、前述した例26と同
様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0392】実施例36 セパレータの多孔質シートの空気透過率を150sec
/100cm3にすること以外は、前述した例26と同
様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0393】得られた例26〜36及び比較例8〜9の
二次電池について、1kHzでの内部インピーダンスを
測定し、その結果を下記表10に示す。また、前述した
例1で説明したのと同様な条件で充放電サイクル試験を
施し、1サイクル目の放電容量(初期容量)及び300
サイクル時における容量維持率(前記初期容量に対す
る)を下記表10に示す。
【0394】
【表10】
【0395】表10から明らかなように、L2/L1
0.90〜1.20である電極群を備える例26〜36
の二次電池は、L2/L1が前記範囲を外れる電極群を備
える比較例8,9の二次電池に比べて内部インピーダン
スが低く、初期容量及び300サイクル目の容量維持率
が高いことがわかる。
【0396】例37 例1で説明したのと同様な正極及び負極をその間に例1
2−1で説明したのと同様なセパレータを介在させ、負
極同士が接するように6回折り曲げることにより電極群
を作製した。例1で説明したのと同様なラミネートフィ
ルムを袋状にしたものに電極群を積層面が開口部から見
えるように収納した。
【0397】次いで、80℃の高温真空雰囲気において
前記ラミネートフィルムに電極群の厚さ方向に沿って1
0kg/cm2の圧力でプレスを施すことにより、L4
3が1.00である電極群を作製した。
【0398】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高さ
が70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。前
記二次電池において、前記電極群中の接着性高分子の含
有量は0重量%であった。
【0399】例38〜例44及び比較例10 プレス圧を変更することによりL4/L3を下記表11に
示すように設定すること以外は、前述した例37と同様
にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0400】比較例11 例37で説明したのと同様にして電極群の作製、ラミネ
ートフィルムへの収納を行った。次いで、25℃の真空
雰囲気において前記ラミネートフィルムに電極群の厚さ
方向に沿って0.001kg/cm2の圧力でプレスを
施すことにより、L4/L3が1.30である電極群を作
製した。
【0401】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高さ
が70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0402】例45 セパレータの多孔質フィルムの空気透過率を580se
c/100cm3にすること以外は、前述した例37と
同様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0403】例46 セパレータの多孔質シートの空気透過率を400sec
/100cm3にすること以外は、前述した例37と同
様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0404】例47 セパレータの多孔質シートの空気透過率を150sec
/100cm3にすること以外は、前述した例37と同
様にして薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0405】得られた例37〜47及び比較例10〜1
1の二次電池について、1kHzでの内部インピーダン
スを測定し、その結果を下記表11に示す。また、前述
した例1で説明したのと同様な条件で充放電サイクル試
験を施し、1サイクル目の放電容量(初期容量)及び3
00サイクル時における容量維持率(前記初期容量に対
する)を下記表11に示す。
【0406】
【表11】
【0407】表11から明らかなように、L4/L3
0.90〜1.20である電極群を備える例37〜47
の二次電池は、L4/L3が前記範囲を外れる電極群を備
える比較例10,11の二次電池に比べて内部インピー
ダンスが低く、初期容量及び300サイクル目の容量維
持率が高いことがわかる。
【0408】例48 ラミネートフィルムを袋状に成形したものに例12−1
で説明したのと同様にして作製された電極群を積層面が
袋の開口部から見えるように収納した。一方、接着性を
有する高分子であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)
を有機溶媒であるジメチルフォルムアミド(沸点が15
3℃)に0.5重量%溶解させた。得られた溶液を前記
ラミネートフィルム内の電極群に電池容量100mAh
当たりの量が0.2mlとなるように注入し、前記溶液
を前記電極群の内部に浸透させると共に、前記電極群の
表面全体に付着させた。
【0409】次いで、80℃の高温真空雰囲気において
前記ラミネートフィルムに電極群の厚さ方向に沿って
1.5kg/cm2の圧力でプレスを施すことにより、
2/L 1が1.02である電極群を作製した。また、こ
の工程により、前記有機溶媒が蒸発され、前記正極、前
記負極及び前記セパレータが互いに接着されると共に、
前記電極群の表面に多孔質な接着層を形成して前記電極
群が前記ラミネートフィルムの内面に接着した。
【0410】前記電極群において、前記正極及び前記セ
パレータは、これらの内部及び境界に点在した接着性を
有する高分子により接着されていた。また、前記負極及
び前記セパレータは、これらの内部及び境界に点在した
接着性を有する高分子により接着されていた。
【0411】前記ラミネートフィルム内の電極群に前記
非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が例1と同様と
なるように注入し、厚さが3mm、幅が40mm、高さ
が70mmの薄型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0412】例49 電極群の成形を成形型への填め込みにより行うこと以外
は、例48で説明したのと同様にして薄型非水電解液二
次電池を組み立てた。
【0413】得られた例48〜49の二次電池につい
て、前述したのと同様な条件で充放電サイクル試験を実
施した。各充放電サイクル試験における1サイクル目の
放電容量(初期容量)及び300サイクル時における容
量維持率を下記表12に示す。また、例48〜49の二
次電池について、前述した例1で説明したのと同様な条
件で2C放電レートでの容量維持率を算出し、その結果
を下記表12に併記する。
【0414】
【表12】
【0415】表12から明らかなように、例48,49
の二次電池は、例1〜12,14〜47の二次電池に比
べて、初期容量、300サイクル後の容量維持率及び2
C放電での容量維持率に優れることがわかる。
【0416】例50 例14で説明したのと同様な正極及び負極を用意した。
また、セパレータとして例12−1で説明したのと同様
なポリエチレン製多孔質フィルムを用意した。なお、前
記セパレータの寸法は、長手方向に沿う長さが前記正極
に比べて2mm長く、かつ前記負極に比べて1.5mm
長いと共に、長手方向と直交する長さが前記正極に比べ
て2mm長く、かつ前記負極に比べて1.5mm長いも
のであった。
【0417】<電極群の作製>接着性を有する高分子と
してポリアクリロニトリル(PAN)をジメチルフォル
ムアミド(沸点が153℃)溶液に1重量%溶解させ
た。得られた溶液を前記正極の正極層表面及び前記負極
の負極層表面に塗布し、この正極層表面と負極層表面の
間に前記セパレータを配置した。得られた積層物を80
℃で12時間真空乾燥させてジメチルフォルムアミドを
蒸発させることにより各電極層とセパレータの間に多孔
質の接着層を形成し、電極群を得た。得られた電極群で
は、前記正極に比べて前記負極が突出していると共に、
前記負極に比べて前記セパレータが突出していた。前記
セパレータの各端部の突出長さは、前記正極の各端部か
ら測ると1mmで、前記負極の各端部から測ると0.7
5mmであった。また、前記セパレータ中のPANの含
有量は、下記表13に示すようなものであった。
【0418】アルミ箔の両面をポリプロピレンで覆った
厚さ100μmのラミネートフィルム内に前記電極群を
収納した後、例1で説明したのと同様な非水電解液を電
池容量1Ah当たりの量が4.1g(100mAh当た
りに換算すると0.41g)となるように注入し、前述
した図10に示す構造を有し、厚さが3mm、幅が40
mm、高さが70mmの薄型非水電解液二次電池を組み
立てた。
【0419】例51〜54 接着性を有する高分子を下記表13に示す種類のポリマ
ーにすること以外は、前述した例50と同様な構成の薄
型非水電解液二次電池を組み立てた。
【0420】例55 厚さが0.1mmのアルミニウム板からなる負極を用い
ること以外は、前述した例50と同様な構成の薄型非水
電解液二次電池を組み立てた。
【0421】例56 セパレータ中のPANの含有量を0.4重量%にするこ
と以外は、前述した例50と同様にして薄型非水電解液
二次電池を組み立てた。
【0422】例57 セパレータ中のPANの含有量を0.3重量%にするこ
と以外は、前述した例50と同様にして薄型非水電解液
二次電池を組み立てた。
【0423】比較例12 接着性を有する高分子であるポリフッ化ビニリデン(P
VdF)を有機溶媒であるジメチルフォルムアミド(沸
点が153℃)に3重量%溶解させた。得られた溶液を
例50で説明したのと同様なセパレータの両面に塗布し
た。次いで、例50で説明したのと同様な正極及び負極
の間に前記セパレータを介在させ、積層物を作製した。
前記積層物を80℃で12時間真空乾燥を施すことによ
り正極とセパレータ間及び負極とセパレータ間に多孔質
な接着層を形成した。得られた電極群では、前記正極に
比べて前記負極が突出していると共に、前記負極に比べ
て前記セパレータが突出していた。前記セパレータの各
端部の突出長さは、前記正極の各端部から測ると1mm
で、前記負極の各端部から測ると0.75mmであっ
た。また、前記セパレータ中のPVdFの含有量は、下
記表13に示すようなものであった。
【0424】このような電極群を用いること以外は、前
述した例50で説明したのと同様にして、厚さが3m
m、幅が40mm、高さが70mmの薄型非水電解液二
次電池を組み立てた。
【0425】比較例13 正極、負極及びセパレータの縦横の長さを揃えて、正
極、負極及びセパレータのいずれも突出させなかったこ
と以外は、前述した比較例12と同様にして薄型非水電
解液二次電池を組み立てた。
【0426】得られた例50〜54、56〜57及び比
較例12〜13の二次電池について、充電電流300m
Aで4.2Vまで5時間充電した後、300mAで2.
7Vまで放電する充放電サイクル試験を20℃の雰囲気
において実施した。一方、例55の二次電池について
は、充電電流300mAで4.0Vまで5時間充電した
後、300mAで2.7Vまで放電する充放電サイクル
試験を20℃の雰囲気において実施した。各充放電サイ
クル試験における1サイクル目の放電容量(初期容量)
及び300サイクル時における容量維持率(前記初期容
量に対する)を下記表13に示す。
【0427】また、例50〜54,56〜57及び比較
例12〜13の二次電池について、充電電流300mA
で4.2Vまで5時間充電した後、2Cで2.7Vまで
放電した際の放電容量を測定し、2Cでの放電容量の前
記初期容量に対する比率を算出し、その結果を2C放電
レートでの容量維持率として下記表13に併記する。一
方、例55の二次電池については、充電電流300mA
で4.0Vまで5時間充電した後、2Cで2.7Vまで
放電した際の放電容量を測定して2C放電レートでの容
量維持率を算出し、その結果を下記表13に併記する。
【0428】さらに、例50〜57及び比較例12〜1
3の二次電池について、充電状態で90cmの高さから
コンクリートの床に落下させ、電池電圧変化及びインピ
ーダンス変化から内部短絡の有無を調べ、その結果を下
記表13に併記する。
【0429】
【表13】
【0430】表13から明らかなように、セパレータ中
の接着性を有する高分子の含有量が10重量%以下で、
かつセパレータの端部が正極及び負極に比べて突出して
いる例50〜例57の二次電池は、落下させた際に内部
短絡を生じる電池が皆無で、初期容量、300サイクル
後の容量維持率及び2Cで放電した際の容量維持率が高
いことがわかる。
【0431】これに対し、セパレータ中の接着性を有す
る高分子の含有量が10重量%を超えている比較例12
の二次電池は、落下させた際に内部短絡を生じる電池が
皆無であるものの、初期容量、300サイクル後の容量
維持率及び2Cで放電した際の容量維持率が例50〜5
7に比べて低いことがわかる。また、セパレータ中の接
着性を有する高分子の含有量が10重量%を超え、かつ
正極、負極及びセパレータの端部が揃っている比較例1
3の二次電池は、落下させた際に内部短絡を生じ、その
うえ初期容量、300サイクル後の容量維持率及び2C
で放電した際の容量維持率が例50〜57に比べて低い
ことがわかる。
【0432】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
放電容量、サイクル性能及び大電流放電特性が向上さ
れ、厚さ4mm以下の薄型構造にすることが可能な非水
電解液二次電池を提供することができる。
【0433】また、本発明によれば、放電容量、サイク
ル性能及び大電流放電特性の向上と、厚さ4mm以下の
薄型化とを簡単な方法で図ることが可能な非水電解液二
次電池の製造方法を提供することができる。
【0434】また、本発明によれば、放電容量及びサイ
クル特性が向上され、厚さ4mm以下の薄型構造にする
ことが可能な非水電解液二次電池を提供することができ
る。
【0435】また、本発明によれば、放電容量及びサイ
クル特性の向上と、厚さ4mm以下の薄型化とを簡単な
方法で図ることが可能な非水電解液二次電池の製造方法
を提供することができる。
【0436】また、本発明によれば、衝撃が加わった際
の内部短絡発生率が低減され、放電容量及びサイクル特
性が向上され、かつ厚さ4mm以下の薄型構造にするこ
とが可能な非水電解液二次電池を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第1、第2の非水電解液二次電
池の一例を示す断面図。
【図2】図1のA部を示す拡大断面図。
【図3】図1の二次電池における正極、セパレータ及び
負極の境界付近を示す模式図。
【図4】本発明に係わる第1、第2の非水電解液二次電
池に組み込まれる電極群の別な例を示す斜視図。
【図5】本発明に係わる第1、第2の非水電解液二次電
池に組み込まれる電極群の別な例を示す側面図。
【図6】本発明に係わる第3の非水電解液二次電池の一
例を示す断面図。
【図7】図6のB部を示す拡大断面図。
【図8】本発明に係わる第4の非水電解液二次電池の一
例を示す断面図。
【図9】図8のC部を示す拡大断面図。
【図10】本発明に係わる第7の非水電解液二次電池の
一例を示す断面図。
【図11】図10のD部を拡大断面図。
【符号の説明】
1…外装材、 2…電極群、 3…セパレータ、 4…正極層、 5…正極集電体、 6…負極層、 7…負極集電体、 8…接着部、 9…接着性を有する高分子、 21…外装材、 22…電極群、 31…外装材、 32…電極群、 41…外装材、 42…電極群、 49a…接着層、 49b…接着層。
フロントページの続き (72)発明者 大崎 隆久 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内 (72)発明者 神田 基 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内 Fターム(参考) 5H003 AA02 AA04 AA10 BA01 BA02 BA05 BB01 BB11 BC04 BC06 BD00 BD03 BD04 5H011 AA01 AA03 AA09 AA13 BB04 CC02 CC10 DD13 KK01 KK02 5H014 AA02 AA06 BB01 BB05 BB08 CC01 CC07 EE01 EE08 HH01 HH02 5H021 AA06 BB01 BB02 BB04 BB11 BB12 CC05 EE04 EE11 EE32 HH01 HH02 HH03 5H029 AJ03 AJ05 AJ12 AJ14 AK02 AK03 AK05 AL06 AL07 AM01 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ04 BJ14 BJ15 CJ02 CJ03 CJ05 CJ06 CJ07 CJ13 DJ02 DJ03 DJ04 DJ08 DJ12 DJ13 DJ14 DJ17 EJ01 EJ12 HJ01 HJ04 HJ09 HJ12 HJ13

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と、負極と、前記正極及び前記負極
    の間に配置され、空気透過率が600秒/100cm3
    以下の多孔質シートを含むセパレータとを備える電極
    群;前記電極群に含浸される非水電解液;前記電極群が
    収納される外装材;を具備し、 前記正極及び前記セパレータは、各々の空隙に保持され
    た接着性を有する高分子により接着され、前記負極及び
    前記セパレータは各々の空隙に保持された接着性を有す
    る高分子により接着されていることを特徴とする非水電
    解液二次電池。
  2. 【請求項2】 前記正極、前記負極及び前記セパレータ
    の空隙にそれぞれ保持される接着性を有する高分子は、
    組成が同一であることを特徴とする請求項1記載の非水
    電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 前記外装材は、フィルムからなることを
    特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 前記負極は、(002)面の面間隔d
    002が0.340nm以下である黒鉛結晶を有する炭素
    質物を含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解液
    二次電池。
  5. 【請求項5】 正極と、負極と、前記正極及び前記負極
    を隔絶するためのセパレータとを有する電極群;前記電
    極群を収納するための外装材;前記電極群に含浸される
    非水電解液;を具備し、 前記正極及び前記セパレータは、これらの内部及び境界
    に点在した接着性を有する高分子により接着され、前記
    負極及び前記セパレータは、これらの内部及び境界に点
    在した接着性を有する高分子により接着されていること
    を特徴とする非水電解液二次電池。
  6. 【請求項6】 前記セパレータは、空気透過率が600
    秒/100cm3以下の多孔質シートに少なくとも前記
    接着性を有する高分子が保持されたものを含むことを特
    徴とする請求項5記載の非水電解液二次電池。
  7. 【請求項7】 正極及び負極をその間にセパレータを介
    して渦巻き状に捲回した後、径方向に圧縮した構造を有
    する電極群と、 前記電極群に含浸される非水電解液と、 前記電極群が収納されるフィルム製外装材とを具備し、 前記電極群は、積層構造が露出している面が下記(1)
    式を満たす形状を有することを特徴とする非水電解液二
    次電池。 0.9≦L2/L1≦1.2 …(1) 前記(1)式において、前記L2は前記面のうち湾曲積
    層領域を除いた領域における最多層部の厚さであり、前
    記L1は前記湾曲積層領域を除いた領域の端部のうち層
    数が前記L2と等しい端部の厚さである。
  8. 【請求項8】 前記セパレータは、空気透過率が600
    秒/100cm3以下の多孔質シートからなることを特
    徴とする請求項7記載の非水電解液二次電池。
  9. 【請求項9】 前記セパレータは、ポリオレフィン及び
    セルロースから選ばれる少なくとも1種類の材料からな
    ることを特徴とする請求項7記載の非水電解液二次電
    池。
  10. 【請求項10】 前記負極は、(002)面の面間隔d
    002が0.340nm以下である黒鉛結晶を有する炭素
    質物を含むことを特徴とする請求項7記載の非水電解液
    二次電池。
  11. 【請求項11】 正極、負極及びセパレータからなる積
    層物を2回以上折り曲げた構造を有する電極群と、 前記電極群に含浸される非水電解液と、 前記電極群が収納されるフィルム製外装材とを具備し、 前記電極群は、積層構造が露出している面が下記(2)
    式を満たす形状を有することを特徴とする非水電解液二
    次電池。 0.9≦L4/L3≦1.2 …(2) 前記(2)式において、前記L4は前記面のうち折り曲
    げ積層領域を除いた領域における最多層部の厚さであ
    り、前記L3は前記折り曲げ積層領域を除いた領域の端
    部のうち層数が前記L4と等しい端部の厚さである。
  12. 【請求項12】 前記セパレータは、空気透過率が60
    0秒/100cm3以下の多孔質シートからなることを
    特徴とする請求項11記載の非水電解液二次電池。
  13. 【請求項13】 前記セパレータは、ポリオレフィン及
    びセルロースから選ばれる少なくとも1種類の材料から
    なることを特徴とする請求項11記載の非水電解液二次
    電池。
  14. 【請求項14】 正極及び負極をその間にセパレータを
    介して渦巻き状に捲回した後、径方向に圧縮した構造を
    有する電極群と、 前記電極群に含浸される非水電解液と、 前記電極群が収納されるフィルム製外装材とを具備し、 前記正極及び前記セパレータは、これらの内部及び境界
    に点在した接着性を有する高分子により接着され、前記
    負極及び前記セパレータは、これらの内部及び境界に点
    在した接着性を有する高分子により接着され、かつ前記
    電極群は、積層構造が露出している面が下記(1)式を
    満たす形状を有することを特徴とする非水電解液二次電
    池。 0.9≦L2/L1≦1.2 …(1) 前記(1)式において、前記L2は前記面のうち湾曲積
    層領域を除いた領域における最多層部の厚さであり、前
    記L1は前記湾曲積層領域を除いた領域の端部のうち層
    数が前記L2と等しい端部の厚さである。
  15. 【請求項15】 正極、負極及びセパレータからなる積
    層物を2回以上折り曲げた構造を有する電極群と、 前記電極群に含浸される非水電解液と、 前記電極群が収納されるフィルム製外装材とを具備し、 前記正極及び前記セパレータは、これらの内部及び境界
    に点在した接着性を有する高分子により接着され、前記
    負極及び前記セパレータは、これらの内部及び境界に点
    在した接着性を有する高分子により接着され、かつ前記
    電極群は、積層構造が露出している面が下記(2)式を
    満たす形状を有することを特徴とする非水電解液二次電
    池。 0.9≦L4/L3≦1.2 …(2) 前記(2)式において、前記L4は前記面のうち折り曲
    げ積層領域を除いた領域における最多層部の厚さであ
    り、前記L3は前記折り曲げ積層領域を除いた領域の端
    部のうち層数が前記L4と等しい端部の厚さである。
  16. 【請求項16】 少なくとも1枚の正極と、少なくとも
    1枚の負極と、少なくとも1枚のセパレータと、前記正
    極と前記セパレータの間及び前記負極と前記セパレータ
    の間それぞれに介装される少なくとも2枚の接着層とが
    積層された構造を有する電極群;前記電極群に含浸され
    る非水電解液;前記電極群が収納されるフィルム製外装
    材;を具備し、 前記セパレータは、接着性を有する高分子を10重量%
    以下(0重量%を含む)含み、かつその端部が前記正極
    及び前記負極のうち少なくとも一方の電極の端部に比べ
    て突出していることを特徴とする非水電解液二次電池。
  17. 【請求項17】 正極と負極の間にセパレータを介在さ
    せて電極群を作製する工程と、 接着性を有する高分子が溶解された溶液を前記電極群に
    含浸させる工程と、 前記電極群を成形する工程と、 前記電極群に非水電解液を含浸させる工程とを具備する
    ことを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記成形は、プレスか、もしくは成形
    型へのはめ込みにより行われることを特徴とする請求項
    17記載の非水電解液二次電池の製造方法。
  19. 【請求項19】 正極と負極の間に、ポリオレフィン及
    びセルロースから選ばれる少なくとも1種類の材料から
    なるセパレータを介在させて電極群を作製する工程と、 前記電極群を加熱しながら成形する工程と、 前記電極群に非水電解液を含浸させる工程とを具備する
    ことを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記成形は、プレスか、もしくは成形
    型へのはめ込みにより行われることを特徴とする請求項
    19記載の非水電解液二次電池の製造方法。
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