JP2004087325A - 非水電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池特性の劣化を抑制する。
【解決手段】負極と、正極と、非水電解質とからなり、負極及び/又は正極の接着剤として、0.5%以上、8.0%未満の範囲でクロロトリフルオロエチレンを共重合させたポリフッ化ビニリデンを用い、非水電解質の非水溶媒として、比誘電率が20以上の溶媒を1種類以上含み、これらの溶媒の合計の重量が全非水溶媒の重量に対して60%以上とすることによって、非水電解質が正極及び/又は負極に行き渡り、高いイオン伝導率が得られるため、電池特性が向上する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の比誘電率を有する非水溶媒を含有する非水電解質を備え、電池特性が大幅に改善された非水電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯型電子機器の電源として、充電可能な非水電解質二次電池が重要な位置を占めている。電子機器の小型軽量化を実現するためには、非水電解質二次電池の軽量、かつ小型化を図り、電子機器内の収納スペースを効率的に使うことが求められている。このような非水電解質二次電池としては、エネルギー密度、及び出力密度が大きいリチウムイオン二次電池やポリマーリチウム電池がある。
【0003】
これらの非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解質とを備えている。具体的に、正極の正極活物質、及び負極の負極活物質には、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料が用いられる。例えば、正極活物質としては、リチウム遷移金属酸化物等が挙げられ、具体的にLiCoO、LiNiO、LiNiCo(1−x)、LiMn等である。負極活物質としては、リチウム、及びその合金、炭素材料等が挙げられ、炭素材料としては主に黒鉛等が用いられる。
【0004】
非水電解質は、リチウムイオン二次電池の場合、非水溶媒に非水電解質塩を溶解させた非水電解液が用いられ、ポリマーリチウム電池の場合、非水電解液を高分子マトリックスでゲル化させた固体電解質が用いられる。非水電解質に用いられる非水溶媒は、誘電率及び粘性が高く、沸点が高い溶媒と、誘電率及び粘性が低く、沸点が低い溶媒とを混合して調製される。
【0005】
誘電率及び粘性が高く、沸点が高い溶媒としては、環状の炭酸エステルや環状のラクトン類等があり、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ガンマブチロラクトン,ガンマヴァレロラクトン等が挙げられる。これらの溶媒は、電解質塩を良く溶解するため、溶媒中のリチウムイオンの数を増やせるが、粘性が高いためリチウムイオンの移動度が小さくなる。
【0006】
誘電率及び粘性が小さく、沸点が低い溶媒としては、鎖状の炭酸エステル等があり、例えばジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。これらの非水溶媒は、電解質塩を溶かしにくいが、粘性が小さいためリチウムイオンの移動度が高くなる。
【0007】
したがって、非水電解液は、電解質塩を良く溶解し、適切な粘性を有するようにするため上述した誘電率及び粘性が高く、沸点が高い溶媒と、誘電率及び粘性が小さく、沸点が低い溶媒とを混合して調製される。しかしながら、ポリマーリチウム電池の場合では、非水電解液の選択に制限がある。非水電解液には、非水電解液を高分子マトリックスに含浸させるため、高分子マトリックスとの相溶性を有する非水溶媒を用いる必要がある。また、ポリマーリチウム電池の場合では、外装材として柔らかいアルミラミネートフィルムを用いることから、非水電解液の気化による外装材の膨張を防止するために、高沸点を有する非水溶媒を用いる必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この非水電解質二次電池では、非水電解質の非水溶媒として上述した混合溶媒を用いても、満足する電池特性が得られる非水電解質を作製することは困難である。すなわち、非水電解質二次電池においては、例えばマンガン乾電池や鉛電池、ニッケル水素電池等に用いられる水系の電解液のような高誘電率と低粘度とを両立させてイオン伝導率が大きくなるような非水電解質を得ることは困難である。
【0009】
このため、非水電解質二次電池では、上述した混合溶媒を用いた非水電解質を用いても、誘電率が高い溶媒及び誘電率が低い溶媒の特性を両立させることが難しく、例えばイオン伝導率が小さくなり内部抵抗が上昇し、特に大電流を流した時の電池特性、いわゆる負荷特性が低下してしまう。また、非水電解質二次電池では、低温環境下で用いられた場合、更にイオン伝導率が小さくなることから、更に電池特性が低下してしまう。
【0010】
このような問題を解決する方法は、例えば電池の厚みを薄くして電流を流れやすくすることで内部抵抗を抑え、負荷特性の低下を抑制する方法がある。しかしながら、このような方法では、例えば電極における集電体、セパレータ等の体積が増加してしまい、電池内部における活物質の割合が減少することから電池容量が低下するといった問題がある。
【0011】
したがって、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、正極及び/負極のイオン伝導率を高めることで、電池特性の向上を図った非水電解質電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明に係る非水電解質電池は、正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質電池において、正極及び/又は負極に含有される結着剤が、0.5%以上、8.0%未満の範囲でクロロトリフルオロエチレンを共重合させたポリフッ化ビニリデンであり、非水電解質の非水溶媒として、比誘電率が20以上の溶媒を1種類以上含み、この溶媒の合計の重量が全非水溶媒の重量に対して60%以上であることを特徴とする。
【0013】
以上のように構成された非水電解質電池では、ポリフッ化ビニリデンにクロロトリフルオロエチレンを0.5%以上、8.0%未満の範囲で共重合させることにより、比誘電率が20以上の溶媒、いわゆる比誘電率が高い溶媒に対し、ポリフッ化ビニリデンが高い膨潤性を示すようになることから、正極及び/又は負極に含有されている結着剤として含有される結着剤に比誘電率の高い溶媒を含む非水電解質が適切に取り込まれる。これにより、非水電解質電池では、正極及び/又は負極に、比誘電率が高い溶媒を含む非水電解質を満遍なく行き渡らせることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した非水電解質電池について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
非水電解質二次電池1(以下、電池1と記す。)は、ポリマーリチウム電池であって、図1に示すように、発電要素となる電池素子2と、電池素子2を収容する外装材3とから構成されている。電池素子2は、図2に示すように、長尺状に形成された正極4と、長尺状に形成された負極5と、正極4の両面及び負極5の両面に形成され、電解質塩と非水溶媒とを有する非水電解質6と、非水電解質6が形成された正極4と非水電解質6が形成された負極5との間に介在させるセパレータ7とからなる。電池素子2は、非水電解質6が形成された正極4と負極5との間にセパレータ7を介在させた状態で捲回されており、正極4に正極リード8が接続され、負極5に負極リード9が接続され、これら正極リード8と負極リード9とが一方端面に突出した構造となっている。これにより、電池1は、この電池素子2の一端面から突出している正極リード8と負極リード9とを外装材3に挟み込んだ状態で、電池素子2を外装材3に封入させた構造となっている。
【0016】
正極4は、図3に示すように、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有する正極合剤塗液を正極集電体10上に塗布した後、乾燥し、加圧することにより、正極集電体10上に正極合剤層11が形成された構造となっている。正極4には、正極集電体10が露出する不塗工部12が設けられており、この不塗工部12に正極リード8が正極集電体10の幅方向に突出するように接続されている。正極リード8は、例えばアルミニウム等の導電性金属からなる短冊状金属片等である。
【0017】
正極活物質には、リチウムと遷移金属とのリチウム複合酸化物を用いる。具体的に、正極活物質は、LiCoO、LiNiO、LiMnが挙げられる。また、正極活物質としては、上述したリチウム複合酸化物の遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体、具体的に、LiNi0.5Co0.5、LiNi0.8Co0.2等を用いる。
【0018】
結着剤には、クロロトリフルオロエチレン(以下、CTFEと記す。)を共重合させたポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFと記す。)を用いる。この結着剤は、PVdFにCTFEが共重合されることにより、例えば非水電解質に含まれる非水溶媒等を正極合剤層11に膨潤させやすくする。
【0019】
また、結着剤は、PVdFにCTFEが共重合されていることにより、結晶化度が低下して分子運動性が高まり、電池1に用いられた際の正極4のイオン伝導率を高くして電池特性を向上させるように作用する。また、結着剤は、結晶化度が低くなることにより、電池1が低温環境下で放電した場合でも正極4のイオン伝導率の低下が抑えられ、電池1の低温特性の低下を抑制するように作用する。
【0020】
この結着剤においては、PVdFにCTFEを0.5%以上、8.0%未満の範囲で共重合させている。PVdFに対してCTFEの共重合度を0.5%より少なく共重合させた場合、PVdFに対するCTFEの共重合度が低すぎるため、非水溶媒に対して高い膨潤性を示すことが困難になる。また、PVdFに対するCTFEの共重合度が低いため、結着剤の結晶化度を低くすることができず、正極4のイオン伝導率が低下してしまう。
【0021】
一方、PVdFに対してCTFEを8.0%以上共重合させた場合、PVdFに対してCTFEの共重合度が高すぎるため、非水溶媒が結着剤に膨潤しすぎて正極合剤層11にしわ等が発生してしまう。この場合、電池1では、結着剤に非水電解質6中の非水溶媒が膨潤しすぎたことで結着剤の結着性が低下し、例えば充放電の繰り返しによって正極合剤層11の剥がれや欠落等が生じ、電池特性が低下してしまう。
【0022】
したがって、結着剤においては、PVdFにCTFEを0.5%以上、8.0%未満の範囲で共重合させることによって、非水電解質6中の非水溶媒を適切に膨潤させて、イオン伝導率を高くすることができると共に、正極合剤層11に不具合を生じることを抑制することができる。
【0023】
PVdFにCTFEを共重合させる方法としては、PVdFと所定の触媒とを分散させた溶液にCTFEを添加して、所定の温度下で、所定の時間、懸濁重合させることによって、CTFEをPVdFに共重合させる方法がある。なお、PVdFにCTFEを共重合させる方法は、CTFEが0.5%以上、8.0%未満の範囲でPVdFに共重合されるようであれば、上述した方法の限定されない。
【0024】
負極5は、図4に示すように、負極活物質と、結着剤とを含有する負極合剤塗液を負極集電体13上に塗布した後に、乾燥し、加圧することにより、負極集電体13上に負極合剤層14が形成された構造となっている。負極5には、負極集電体13が露出する不塗工部15が設けられており、この不塗工部15に負極リード9が負極集電体13の幅方向に突出するように接続されている。負極リード9は、例えばニッケル等の導電性金属からなる短冊状金属片等である。
【0025】
負極活物質には、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能であり、具体的に平均粒径の異なる2種以上を混合した黒鉛を用いる。結着剤には、PVdFやスチレンブタジエンゴム等の公知の結着剤、若しくは正極4に用いた結着剤と同様の0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEを共重合させたPVdFを用いる。負極5では、結着剤として0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEを共重合させたPVdFを用いた場合、上述した正極4と同様に結着剤に非水電解質6に含まれる非水溶媒等を負極合剤層14に膨潤させやすくなる。
【0026】
非水電解質6は、比誘電率が20以上の溶媒、いわゆる比誘電率の高い溶媒を一種以上含有し、この比誘電率が高い溶媒の重量の合計が全溶媒の重量に対して60%以上である非水溶媒と、電解質塩とからなる非水電解液を高分子マトリックスに含浸させたものである。比誘電率が20以上の溶媒には、EC、PC、γ−ブチロラクトン、γ−ヴァレロラクトン、又はこれらの水素をハロゲンに置換した溶媒等がある。
【0027】
なお、非水溶媒には、上述した比誘電率が高い溶媒の他に、比誘電率の低い溶媒、例えばジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(MEC)、ジプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、又はこれらの水素をハロゲンに置換した溶媒等を含有させることも可能である。
【0028】
非水溶媒は、比誘電率が高い溶媒を一種以上含有し、比誘電率の高い溶媒の重量の合計が全溶媒の重量に対して60%以上であるため、比誘電率の高い溶媒の特性を示す。すなわち、この非水溶媒は、イオン伝導率が高く、粘性が高いといった特徴を有してする。また、比誘電率の高い溶媒の他に、比誘電率の低い溶媒を加えることによって粘性が低くなり、例えば電極に対する濡れ性を向上させる。このような非水溶媒を有する非水電解質が、CTFEが共重合されたPVdFの結着剤に良く膨潤して、正極及び/又は負極全体に行き渡るため、正極及び/又は負極のイオン伝導率が高くなり、電池1の電池特性が向上する。
【0029】
非水溶媒は、比誘電率の高い溶媒の重量の合計が全溶媒の重量に対して60%より少ない場合、高いイオン伝導率や粘性といった比誘電率の高い溶媒の特性を得ることが困難となる。また、このような非水溶媒を用いた場合には、比誘電率が低く、沸点の低い溶媒の重量が多いことにより、例えば熱等により非水溶媒が気化して、電池1が膨張してしまう。
【0030】
電解質塩は、上述した非水溶媒に溶解するものであれば何れも用いることができ、例えば、LiPF、LiBF、Li(CFSO、LiN(CSO、LiClO等である。
【0031】
高分子マトリックスとしては、上述した非水電解質6を吸収してゲル化する高分子を用いる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリルニトリルを繰り返し単位として含む高分子である。なお、高分子マトリックスは、上述した高分子を1種又は複数種を混合して用いてもよい。
【0032】
セパレータ7は、負極5と正極4とを隔離して、両極の接触による内部短絡を防止すると共に、非水電解質6中のリチウムイオンを通過させるものである。セパレータ7は、電気的に安定であり、溶媒や活物質に対しても化学的に安定であり、電気伝導性がなければよい。このようなセパレータ7としては、高分子の不織布、多孔質フィルム、ガラスやセラミックスの遷移を紙状にしたものであり、中でも、多孔質ポリオレフィンフィルムがよい。このような多孔質ポリオレフィンフィルムを、ポリイミドやガラス、セラミックスの繊維等、耐熱性の材料と複合させたものでもよい。
【0033】
外装材3は、例えば絶縁層や金属層等が二層以上積層されて、ラミネート加工等により貼り合わされており、電池内面が絶縁層となるようになされている。絶縁層としては、正極リード8及び負極リード9に対して接着性を示す材料であれば特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン及びこれらの共重合体等、ポリオレフィン樹脂からなるものが透過性を低くでき、気密性に優れていることから用いられる。金属層としては、例えば、箔状、板状に成形されたアルミニウム、ステンレス、ニッケル、鉄等が用いられる。また、最外層には、例えばナイロン等からなる絶縁層を積層させることにより、破れや突き刺し等に対する強度を高くすることができる。
【0034】
以上のような構成の電池1は、次のようにして製造する。先ず、正極4を作製する。正極4を作製する際は、正極活物質と、結着剤としてCTFEを共重合させたPVdFと、導電剤とを含有する正極合剤塗液を調製し、この正極合剤塗液を例えばアルミニウム等からなる正極集電体10上に不塗工部12を設けるように均一に塗布し、乾燥することで正極合剤層11を形成し、所定の寸法に裁断する。次に、正極集電体10が露出している不塗工部12に正極リード8、例えば超音波溶接や、スポット溶接等により接合する。このようにして、帯状の正極4が作製される。
【0035】
次に、負極5を作製する。負極5を作製する際は、負極活物質と、結着剤としてCTFEを共重合させたPVdFとを含有する負極合剤塗液を調製し、この負極合剤塗液を例えば銅等からなる負極集電体13上の不塗工部15を設けるように均一に塗布し、乾燥することで負極合剤層14を形成し、所定の形状に裁断する。次に、負極集電体13が露出している不塗工部15に負極リード8、例えば超音波溶接や、スポット溶接等により接合する。このようにして、帯状の負極5が作製される。
【0036】
次に、以上のようにして作製された正極4の正極合剤層11の主面、及び負極5の負極合剤層14の主面に、ゲル状電解質からなる非水電解質6を形成させる。非水電解質6を形成する際は、比誘電率の高い溶媒を60%以上含む非水溶媒と、電解質塩とからなる非水電解液を調製し、この非水電解液と、高分子マトリックスと、希釈溶剤と混合してゾル状態の電解質溶液を作製する。次に、この電解質溶液を正極4の正極合剤層11の主面、及び負極5の負極合剤層14の主面に塗布する。
【0037】
このとき、正極合剤層11及び負極合剤層14に結着剤として含有されているCTFEを共重合させたPVdFが電解質溶液に対して、高い膨潤性を示すことから、正極合剤層11内に電解質溶液が十分含浸されることになる。次に、電解質溶液中の希釈溶媒を揮発させて、正極4の正極合剤層11の主面、及び負極5の負極合剤層14の主面に、層状に形成された非水電解質6が形成される。以上のようにして形成された非水電解質6は、正極合剤層11及び負極合剤層14に電解質溶液が十分含浸された状態で希釈溶媒が揮発されて形成されることから、正極合剤層11及び負極合剤層14に満遍なく行き渡り、正極活物質及び負極活物質との接触面積を大きくさせる。
【0038】
次に、以上にようにして非水電解質6が形成された正極4及び負極5とを非水電解質6が対向するように、セパレータ7を介して積層し、セパレータ7の長尺方向に扁平捲回して電池素子2を形成した。この際に、電池素子2の一方端面から正極リード8及び負極リード9が突出するようにさせる。
【0039】
次に、この電池素子2から突出されている正極リード8と負極リード9とを外部に導出させつつ、外装材3の内部に収納した。このとき、電池素子2には、正極リード8及び負極リード9と、外装材3との間に接着性を示すプロピレン等からなる樹脂片16を介在させる。これにより、電池1では、正極リード8及び負極リード9と、外装材3との間で短絡することや、気密性が低下すること等が防止される。
【0040】
次に、電池素子2を内部に収納した外装材3の周縁部を貼り合わせることにより、電池素子2が外装材3に封入される。このようにして、非水電解質としてゲル状電解質を用いた電池1が製造される。
【0041】
以上にようにして製造された電池1よれば、CTFEが共重合されたPVdFからなる結着剤が非水電解質6に含有される非水溶媒と膨潤しやすくなることから、比誘電率の高い溶媒を有する非水溶媒を含む非水電解質6が結着剤に適切に含浸され、非水電解質6を正極合剤層11及び負極合剤層14に満遍なく行き渡らせることができる。これにより、電池1では、正極4及び/又は負極5の活物質と非水電解質6との接触面積が大きくなって、正極4及び/又は負極5のイオン伝導率が高められ、電池特性を向上させることができる。
【0042】
また、電池1によれば、CTFEを共重合させたPVdFを結着剤として用いることによって、結着剤の結晶化度が低下し、この結着剤を含有する正極及び/負極のイオン伝導率が高められ、電池特性が向上される。
【0043】
更に、この電池1によれば、低温環境下で放電した場合でも、結着剤として用いるCTFEを共重合させたPVdFの結晶化度が低いことから、イオン伝導率の低下が抑えられ、良好な電池特性が得られるようになる。
【0044】
なお、上述した実施の形態では、電池1として、非水電解質6が形成された長尺状の正極4と、非水電解質6が形成された長尺状の負極5とをセパレータ7を介して積層し、捲回した電池素子2を用いたが、これに限定されるものではなく、正極と負極とをゲル状の非水電解質を介して積層してなる積層体型の電池素子、や捲回せずにいわゆるつづら折りされたつづら折り型の電極素子を用いてもよい。
【0045】
上述した実施の形態においては、非水電解質を用いたポリマーリチウム電池を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図5に示すような非水電解質二次電池30(以下、電池30と記す。)においても適用可能である。なお、電池30については、上述した電池1と同等な構成、部位についての説明を省略するとともに、図面においても同符号を付するものとする。
【0046】
この電池30は、発電要素となる電極体31と、電極体31を収容する外装缶32と、電解質塩と非水溶媒とからなる非水電解液33と、外装缶32を封口する電池蓋34とを有する。電池30は、電極体31を外装缶32に収納し、外装缶32に調製した非水電解液33を注入して、電池蓋34を外装缶32の開口部に溶接することにより封口された構造を有する。
【0047】
電極体31は、図6に示すように、長尺の正極35と、長尺の負極36との間にセパレータ7を介して扁平状に多数回捲回して、一方の端面から正極35に取り付けられた正極リード8が突出されており、最外周に負極集電体37が露出した構造となっている。電極体31において、最外周に露出させた負極集電体37と、電池31とを接触させることにより導通することから、負極36に集電のための例えば端子やリード等を取り付ける必要がないため電池の製造が簡略化される。一方、電極体31において、正極リード8が電池蓋34と電気的に接続されることによって、導通が図られる。
【0048】
正極35は、上述した電池1の正極4と同様の構成となっており、正極合剤層11が正極集電体10上に形成されている。結着剤には、上述した電池1の正極4に用いた結着剤と同様に、0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEを共重合させたPVdFを用いる。
【0049】
これにより、正極35では、結着剤が非水電解液33に高い膨潤性を示すことから非水電解液33を正極合剤層11に行き渡らせることができる。
【0050】
負極36は、負極活物質と、結着剤とを含有する負極合剤層14が負極集電体37上に形成されている。負極36は、上述した電池1の負極5と同様の負極集電体37、負極活物質、及びPVdFにCTFEを共重合させた結着剤を用いる。
【0051】
これにより、負極36では、結着剤が非水電解液33に高い膨潤性を示すことから、非水電解液33を負極合剤層14に行き渡らせることができる。
【0052】
外装缶32は、例えば矩形状、扁平円状とする筒状容器であり、鉄、ステンレス、ニッケル、アルミニウム等の導電性金属からなり、例えば、鉄で形成された場合には、その表面にニッケルめっき等が設けられている。
【0053】
非水電解液33は、上述した電池1に用いられる非水電解液と同様に、比誘電率が20以上の溶媒、すなわち比誘電率の高い溶媒を一種以上含有し、比誘電率の高い溶媒の重量の合計が全非水溶媒中に占める重量が60%以上とした非水溶媒に、LiPFやLiBF等の電解質塩を溶解させて調製されている。
【0054】
非水溶媒は、比誘電率が高い溶媒を一種以上含有し、比誘電率の高い溶媒の重量の合計が全溶媒の重量に対して60%としていることから、比誘電率が高い溶媒の特徴を有する。すなわち、非水溶媒は、イオン伝導率及び粘性が高いといった特徴を有している。
【0055】
非水溶媒は、比誘電率の高い溶媒の重量の合計が全非水溶媒の重量に対して60%より少ない場合、比誘電率の高い溶媒の特徴を得ることが困難となる。また、このような非水溶媒を用いた場合には、比誘電率が低く、沸点の低い溶媒が多いことからり、例えば熱等により非水溶媒が気化して、電池30が膨張してしまう。
【0056】
電池蓋34は、封口板材38の略中心部に端子部39が絶縁ガスケット40を介して嵌合された構造となっている。封口板材38は、外装缶32が負極36と電気的に接続されている場合、例えば鉄、ステンレス、ニッケル等で形成されることになる。特に、封口板材38を鉄で形成した場合、その表面にニッケルめっき等が設けられている。端子部39は、正極リード8が接続される場合には、例えばアルミニウム等で形成されることになる。絶縁ガスケット40は、例えばポリプロピレン等の絶縁樹脂が用いられる。
【0057】
そして、以上のような構成の電池30は、次のようにして製造される。先ず、正極35を上述した電池1の正極4と同様にして作製した。
【0058】
次に、負極38を作製した。負極38は、負極集電体13が露出する不塗工部14を上述した負極5よりも長くして、この不塗工部14を負極リード9とし、短冊状金属片のリードを設けずに、上述した負極5と同様にして作製した。
【0059】
次に、以上のようにして作製された正極35及び負極38とを、長尺状のセパレータ7を介して積層し、扁平状に多数回捲回することにより電極体31を作製する。このとき、電極体31は、セパレータ7の幅方向の一端面から正極リード8を突出させ、最外周に負極集電体13が露出するように捲回された構造である。
【0060】
次に、外装缶32の底部に絶縁板41を挿入し、更に正極リード8が突出している側の電極体31の端面に絶縁板41を載置させた状態で電極体31を外装缶32に収納する。次に、正極リード8の端部を電池蓋34に接合する。
【0061】
次に、電極体31が収納された外装缶32に非水電解液33を注入する。この時に、正極及び/又は負極に非水電解液33が含浸される。次に、外装缶32の封口部と、電池蓋34の封口板材38の周縁部とを、例えばレーザ溶接等によって隙間なく溶接し、密封する。これにより、外装缶32及び封口板材38は、負極36と導通することとなり、電池30の外部負極となる。また、端子部39は正極35と導通することとなり、電池30の外部正極となる。このようにして、電池30が製造される。
【0062】
以上のようにして製造される電池30によれば、上述した電池1と同様に、正極4及び/又は負極5の結着剤に、0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEを共重合させたPVdFを用いることによって、結着剤が非水電解質33に含有される非水溶媒と膨潤しやすくなることから、比誘電率の高い溶媒を含む非水電解質33が結着剤に適切に含浸され、非水電解質33を正極合剤層11及び/又は負極合剤層14に満遍なく行き渡らせることができる。これにより、電池30では、正極4及び/又は負極5のイオン伝導率が高められ、電池特性を向上させることができる。
【0063】
また、電池30によれば、CTFEの共重合させたPVdFを結着剤として用いることによって、結着剤の結晶化度が低下し、この結着剤を含有する正極4及び/又は負極5のイオン伝導率が高められて電池特性を向上できる。
【0064】
更に、この電池30によれば、低温環境下で放電された場合でも、結着剤として用いるCTFEを共重合させたPVdFの結晶化度が低いことから、イオン伝導率の低下が抑えられ、良好な電池特性が得られる。
【0065】
【実施例】
以下、本発明を適用した非水電解質二次電池としてゲル状電解質を用いたポリマーリチウム二次電池を実際に作製したサンプルについて説明する。
【0066】
サンプル1
サンプル1では、先ず、正極を作製した。正極を作製する際は、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO)を92重量%と、結着剤として粉末状のCTFEを0.5wt%共重合させたPVdFを3重量%と、導電剤として粉末状の黒鉛を5重量%と、溶媒としてN−メチルピロリドン(以下、NMPと記す。)とを加えて、プラネタリーミキサーによって混練して分散を行い、正極合剤塗液を作製した。次に、塗工装置を用いて正極集電体となるアルミニウム箔の両面に均一に塗布して、100℃、減圧状態で24時間乾燥させて正極合剤層を形成した後に、ロールプレス機で圧縮成型し、幅48mm、長さ300mmに裁断し、端部にアルミニウムリボンを正極リードとして溶接した。以上のようにして、正極を作製した。
【0067】
次に、負極を作製した。負極を作製する際は、負極活物質としてメソフェーズ系球状黒鉛を90重量%と、結着剤として紛状ポリフッ化ビニリデンを10重量%と、NMPとを加えて、プラネタリーミキサーによって混練して分散を行い、負極合剤塗液を作製した。次に、塗工装置を用いて負極集電体となる銅箔の両面の両面に均一に塗布して、120℃、減圧状態で24時間乾燥させて負極合剤層を形成した後に、ロールプレス機で圧縮成型し、幅50mm、長さ310mmに裁断し、端部にニッケルリボンを正極リードとして溶接した。以上のようにして、負極を作製した。
【0068】
次に、以上のように作製された複数の正極及び負極の主面に非水電解質をそれぞれ形成した。非水電解質を形成する際は、比誘電率が20以上であるエチレンカーボネートを40重量%と、プロピレンカーボネートを60重量%とを混合させた非水溶媒に、この非水溶媒の重量に対してLiPFを0.78mol/kg溶解させた非水電解液を調製した。次に、この非水電解液と、ヘキサフルオロプロピレンを6%共重合させたPVdFと、ジメチルカーボネートとを混合攪拌してゾル状態の非水電解質溶液を作製した。次に、このゾル状電解質溶液を正極及び負極の主面に塗布して、非水溶媒を揮発させてゲル状電解質からなる非水電解質を正極及び負極の主面に形成させた。
【0069】
以上のように非水電解質が主面上に形成された正極と負極との間に、厚みが10μmの多孔質ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介在させた状態で、非水電解質が対向するように貼り合わせて正極の長尺方向に扁平捲回して電池素子を作製した。
【0070】
次に、電池素子に備わる正極リードと負極リードとを外部に導出させつつ、アルミ箔が一対の樹脂フィルムで挟まれてなる外装材の内部に収納した。このとき、電池素子は、正極リードと、負極リードと、外装材との間に接着性を示すプロピレン樹脂片を挟み込み、外装材に収納した。次に、電池素子を収納した外装材の周縁部をヒートシールにより貼り合わせることで電池素子を外装材に封入した。以上のようにして、ゲル状電解質を用いたポリマーリチウム電池を作製した。
【0071】
サンプル2
サンプル2では、正極を作製する際に、結着剤として粉末状のCTFEを2.0wt%共重合させたPVdFを用いて正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル1と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0072】
サンプル3
サンプル3では、正極を作製する際に、結着剤として粉末状のCTFEを4.0wt%共重合させたPVdFを用いて正極を作製した。また、非水電解液を作製する際は、比誘電率が20以上のECを45重量%と、PCを35重量%と、比誘電率が低いDECを20重量%とを混合した非水溶媒を用いて非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外は、サンプル1と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0073】
サンプル4
サンプル4では、正極を作製する際に、結着剤として粉末状のCTFEを4.0wt%共重合させたPVdFを用いて正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル1と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0074】
サンプル5
サンプル5では、非水電解液を作製する際に、比誘電率が20以上のECを45重量%と、PCを30重量%と、γ−ブチロラクトンを15重量%と、γ−ヴァレロラクトンを10重量%とを混合した非水溶媒を用いて非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外は、サンプル3と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0075】
サンプル6
サンプル6では、正極を作製する際に、結着剤として粉末状のCTFEを7.0wt%共重合させたPVdFを用いて正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル1と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0076】
サンプル7
サンプル7では、非水電解液を作製する際に、ECを60重量%と、PCを40重量%とを混合した非水溶媒を用いて非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外は、サンプル6と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0077】
サンプル8
サンプル8では、正極を作製する際に、CTFEが共重合されていないPVdFを結着剤として用いた正極を作製した。また、非水電解液を作製する際に、比誘電率が20以上のECを35重量%と、PCを20重量%と、比誘電率が低いMECを20重量%と、DECを25重量%とを混合した非水溶媒を用いて非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外は、サンプル1と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0078】
サンプル9
サンプル9では、正極を作製する際に、CTFEが共重合されていないPVdFを結着剤として用いた正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル1と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0079】
サンプル10
サンプル7では、正極を作製する際に、CTFEが共重合されていないPVdFを結着剤として用いた正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル7と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0080】
サンプル11
サンプル13では、非水電解液を作製する際に、比誘電率が20以上のECを45重量%と、PCを10重量%と、比誘電率が低いMEC20重量%と、DEC25重量%とを混合した非水溶媒を用いて非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外は、サンプル3と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0081】
サンプル12
サンプル12では、非水電解液を作製する際に、比誘電率が20以上のECを35重量%と、PCを20重量%と、比誘電率が低いDMCを15重量%と、DECを30重量%とを混合した非水溶媒を用いて非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外は、サンプル3と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0082】
サンプル13
サンプル15では、非水電解液を作製する際に、比誘電率が20以上のECを35重量%と、PCを20重量%と、比誘電率が低いMECを20重量%と、DECを25重量%とを混合した非水溶媒を用いて非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外は、サンプル6と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0083】
サンプル14
サンプル8では、正極を作製する際に、結着剤として粉末状のCTFEを9.0wt%共重合させたPVdFを用いて正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル1と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0084】
サンプル15
サンプル9では、正極を作製する際に、結着剤として粉末状のCTFEを11.0wt%共重合させたPVdFを3重量%用いて正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル1と同様にしてポリマーリチウム電池を作製した。
【0085】
そして、以上のように作製したサンプル1乃至サンプル15について、電池容量、負荷特性、低温特性、充放電サイクル特性、電池の膨れを測定した。以下、各サンプルにおける電池容量、負荷特性、低温特性、充放電サイクル特性、電池の膨れの評価結果を表1に示す。
【0086】
【表1】
Figure 2004087325
【0087】
表1において、各サンプルの電池容量、負荷特性、低温特性、充放電サイクル特性、電池の膨れの評価を次のようにして行った。電池容量は、各サンプルに対して0.5C、4.2V、6時間の充電条件で定電流定電圧充電を行った後に、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電を行い、このときの容量を電池容量とした。本実施例において、電池容量は、950mAhから1050mAhの範囲に入っていれば良品とする。
【0088】
負荷特性は、0.2Cで放電したときの放電容量に対する3Cで放電したときの放電容量の比率である。0.2Cで放電したときの放電容量は、上述した充電条件で充電を行った後に、0.2Cの電流値で3Vまで定電流放電を行ったときの容量である。3Cで放電したときの放電容量は、上述した充電条件で充電を行った後に、3Cの電流値で3Vまで定電流放電を行ったときの容量である。
【0089】
低温特性は、23℃の放電容量に対する−20℃の放電容量の比率である。23℃の放電容量は、上述した充電条件に充電を行った後に、23℃環境下で0.5Cの電流値で3Vまで定電流放電を行ったときの容量である。−20℃の放電容量は、上述した充電条件に充電を行った後に、−20℃環境下で0.5Cの電流値で3Vまで定電流放電を行ったときの容量である。
【0090】
充放電サイクル特性は、1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の比率である。1サイクル目の放電容量は、1.0C、4.2V、3時間の充電条件で定電流定電圧充電を行った後に、1.0Cの電流値で3Vまで定電流放電を行い、これを1サイクルとして、このときの容量である。500サイクル目の放電容量は、1サイクルを500回行ったときの容量である。なお、本実施例において、充放電サイクル特性は、70%以上を良品とした。
【0091】
電池の電池の膨れは、0.5C、4.3Vの充電条件で定電流定電圧充電を行い、80℃環境下で14日間保存した後に電池の厚さを測定し、保存前における電池の厚さ4mmに対する保存後における電池の厚さの増加分である。なお、本実施例において、電池の膨れは、0.5mm以下を合格とした。
【0092】
表1の結果から、0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEを共重合させたPVdFを結着剤に用いたサンプル1乃至サンプル7は、PVdFのみからなる結着剤を用いたサンプル8及びサンプル10と比べて低温特性、充放電サイクル特性が大きくなっていることが分かる。
【0093】
サンプル8及びサンプル10は、PVdFにCTFEが共重合されていないため、結着剤の結晶化度を低くすることができず、正極のイオン伝導率が低下するため、良好な充放電サイクル特性が得られない。また、サンプル8及びサンプル10は、低温保存されることによって、イオン伝導率が更に低下するため、内部抵抗が上がり負荷特性が低下してしまう。特に、サンプル8では、非水溶媒中の比誘電率が20以上の溶媒の含有量が60%より少ないため、比誘電率が低く、沸点の低い溶媒が多く含有されることから、この溶媒が熱により気化されて外装材が変形し、電池の膨れが大きくなる。
【0094】
これに対して、サンプル1乃至サンプル7は、0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEをPVdFに共重合させているので、結着剤に非水電解質中の非水溶媒がよく膨潤し、非水電解質が正極全体に行き渡るようになることから、正極活物質と非水電解質との接触面積が大きくなり充放電サイクル特性が向上する。また、サンプル1乃至サンプル7は、0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEをPVdFに共重合させているため、結着剤の結晶化度が低くなり、イオン伝導率が上がり、内部抵抗の上昇が抑えられる。更に、サンプル1乃至サンプル5は、低温環境下で放電された場合でも、結着剤の結晶化度が低いため、イオン伝導率の低下が抑制され低温特性の低下が抑えられる。
【0095】
また、表1に示す結果から、サンプル1乃至サンプル7は、CTFEを9%共重合させたサンプル14、及びCTFEを11%共重合させたサンプル15と比べて、充放電サイクル特性が大きく、電池の膨れが小さいことがわかる。
【0096】
サンプル14及びサンプル15では、CTFEの共重合度が高いため、結着剤に非水電解質中の非水溶媒が膨潤にしすぎて、正極合剤層中の結着剤が膨張して電池が膨れてしまう。また、サンプル14及びサンプル15では、結着剤の膨張により正極合剤層にしわが発生するため、結着剤の結着性が低下し、充放電の繰り返しによる正極合剤層の剥がれや欠落等が生じて、充放電サイクル特性が低下する。
【0097】
これらのサンプルに対して、サンプル1乃至サンプル7は、0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEをPVdFに共重合させているため、結着剤に対して非水電解質中の非水溶媒が適量、膨潤されることから、非水電解質が正極全体に行き渡るようになる。したがって、サンプル1乃至サンプル7では、イオン伝導率が高くなり、良好な充放電サイクルが得られるようになり、電池の膨張も抑えられる。
【0098】
更に、表1に示す結果から、サンプル3乃至サンプル7は、比誘電率が20以上の溶媒の非水溶媒中の含有率が60%以下のサンプル11乃至サンプル13と比べて、電池の膨れが小さいことが分かる。
【0099】
サンプル11乃至サンプル13は、全非水溶媒中の比誘電率が20以上の溶媒の含有量が60%より少ないため、比誘電率が低く、沸点の低い溶媒の重量が多くなるため、結着剤に膨潤してもイオン伝導率が上がらず、電池特性の向上が図られない。また、このような非水溶媒を用いた場合には、比誘電率が低く、沸点の低い溶媒が多く含有されることから、この非水溶媒が熱により気化して、外装材が変形し電池の膨れが大きくなる。
【0100】
これらのサンプルに対して、サンプル3乃至サンプル7では、全非水溶媒中の比誘電率が20以上の溶媒の含有量が60%以上であるため、高い誘電率及び沸点を有する非水溶媒が含まれた非水電解質が、0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEをPVdFに共重合させた結着剤に適量に、膨潤する。したがって、サンプル3乃至サンプル7では、正極全体に非水電解質が行き渡り、正極のイオン伝導率が高くなるため、電池1の電池特性が向上し、電池の膨れも抑制される。
【0101】
次に、上述したサンプル1乃至サンプル15とは、非水電解質を非水電解液に変えて作製したサンプル16乃至サンプル30について説明する。
【0102】
サンプル16
サンプル16では、電池素子を作製する際に、サンプル1と同様にして作製した正極と、負極との間に厚さが20μmの多孔質ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介して扁平状に多数回捲回して、一方の端面から正極に取り付けられた正極リードが突出されており、最外周に負極集電体が露出した構造の電池素子を作製した。また、非水電解液を作製する際には、比誘電率が20以上のECを40重量%と、PCを25重量%と、比誘電率が低いDMCを35重量%とを混合した混合溶媒に、LiPFを1.38mol/kg溶解させた非水電解液を作製した。
【0103】
次に、以上のようにして作製した電池素子を表面にニッケルめっきが施された鉄製の外装缶の底部に絶縁板を挿入し、更に正極リードが突出している側の電池素子の端面にも絶縁板を載置させた状態で電池素子を外装缶に収納する。次に、正極リードの端部を電池蓋に接合する。
【0104】
次に、電池素子が収納された外装缶に作製した非水電解液を注入して、外装缶の封口部と、電池蓋の封口板材の周縁部とを溶接し、密封する。以上のこと以外は、サンプル1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0105】
サンプル17
サンプル17では、正極を作製する際に、サンプル2と同様にして正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル16と同様にして作製した。
【0106】
サンプル18
サンプル18は、正極を作製する際に、サンプル3と同様にして正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル16と同様にして作製した。
【0107】
サンプル19
サンプル19では、非水電解液を作製する際に、比誘電率が20以上のECを40重量%と、PCを10重量%と、γ−ブチロラクトンを15重量%と、γ−ヴァレロラクトンを10重量%と、比誘電率が低いDMCを10重量%と、MECを15重量%とを混合した非水溶媒を用いて、非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外は、サンプル18と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0108】
サンプル20
サンプル20では、非水電解液を作製する際に、比誘電率が20以上のECを50重量%と、PCを40重量%と、比誘電率が低いDECを10重量%とを混合した溶媒を用いて非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外は、サンプル18と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0109】
サンプル21
サンプル21では、正極を作製する際に、サンプル6と同様にして正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル16と同様にして作製した。
【0110】
サンプル22
サンプル22では、非水電解液を作製する際に、比誘電率が20以上のECを50重量%と、PCを30重量%と、比誘電率が低いMECを10重量%と、DECを10重量%とを混合した非水溶媒を用いて非水電解液を作製した。この非水電解液を用いて作製したこと以外は、サンプル21と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0111】
サンプル23
サンプル23は、非水電解液を作製する際に、比誘電率が20以上のECを35重量%と、PCを25重量%と、誘電率が低いMECを20重量%と、DECを25重量%とを混合した非水溶媒を用いて非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外はサンプル8と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0112】
サンプル24
サンプル24では、正極を作製する際に、サンプル23と同様にして正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル23と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0113】
サンプル25
サンプル25では、比誘電率が20以上のECを50重量%と、PCを30重量%と、誘電率が低いMECを10重量%と、DECを10重量%とを混合した非水溶媒を用いて非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外はサンプル23と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0114】
サンプル26
サンプル26では、比誘電率が20以上のECを40重量%と、誘電率が低いDMCを30重量%と、MECを20重量%、DECを10%とを混合した非水溶媒を用いて非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外はサンプル18と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0115】
サンプル27
サンプル27では、比誘電率が20以上のECを40重量%と、PCを5重量%と、γ−ブチロラクトンを5重量%と、γ−ヴァレロラクトンを5重量%と、比誘電率が低いDMCを20重量%と、MECを25重量%とを混合した非水溶媒を用いて、非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外は、サンプル26と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0116】
サンプル28
サンプル28では、比誘電率が20以上のECを35重量%と、PCを20重量%と、比誘電率が低いMECを20重量%と、DECを25重量%とを混合した非水溶媒を用いて、非水電解液を作製した。この非水電解液を用いたこと以外は、サンプル21と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0117】
サンプル29
サンプル29では、正極を作製する際に、サンプル14と同様にして正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル16と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0118】
サンプル30
サンプル30は、正極を作製する際に、サンプル15と同様にして正極を作製した。この正極を用いたこと以外は、サンプル16と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0119】
そして、以上のように作製したサンプル16乃至サンプル30について、電池容量、負荷特性、低温特性、充放電サイクル特性、電池の膨れを測定した。
【0120】
以下、各サンプルにおける電池容量、負荷特性、低温特性、充放電サイクル特性、電池の膨れの評価結果を表2に示す。なお、電池容量、負荷特性、低温特性、充放電サイクル特性、電池の膨れの評価方法は、サンプル1乃至サンプル15の評価方法と同様である。
【0121】
【表2】
Figure 2004087325
【0122】
表2の結果から、サンプル16乃至サンプル22は、PVdFにCTFEが共重合されていないサンプル23乃至サンプル30に対して、低温特性及びサイクル特性が大きいことが分かる。
【0123】
サンプル23乃至サンプル25は、PVdFにCTFEが共重合されていないため、結着剤の結晶化度を低くすることができず、正極のイオン伝導率が低下するため、良好な充放電サイクル特性が得られない。また、サンプル23及びサンプル25は、低温保存されることによって、イオン伝導率が更に低下するため、内部抵抗が上がり負荷特性及び充放電サイクル特性が低下してしまう。更に、サンプル23では、非水溶媒中の比誘電率が20以上の溶媒の含有量が60%より少ないため、比誘電率が低く、沸点の低い溶媒が非水溶媒中に多く含有されることから、この溶媒の気化により電池が膨張して電池の膨れが大きくなる。
【0124】
これに対して、サンプル23乃至サンプル30は、0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEをPVdFに共重合させているので、結着剤の結晶化度が低くなり、イオン伝導率が向上するため、内部抵抗の上昇が抑えられる。また、サンプル23乃至サンプル30は、0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEをPVdFに共重合されているため、結着剤に非水電解質中の非水溶媒がよく膨潤し、非水電解質が正極全体に行き渡るようになることから、正極活物質と非水電解質との接触面積が大きくなり充放電サイクル特性が向上する。更に、サンプル16乃至サンプル22は、低温環境下で放電された場合でも、結着剤の結晶化度が低いため、イオン伝導率の低下が抑制され低温特性の低下が抑えられる。
【0125】
また、表1に示す結果から、サンプル16乃至サンプル22は、CTFEを9%共重合させたサンプル29、及びCTFEを11%共重合させたサンプル30と比べて、充放電サイクル特性が大きく、電池の膨れが小さいことが分かる。
【0126】
サンプル29及びサンプル30では、CTFEの共重合度が高いため、結着剤に非水電解質中の非水溶媒が膨潤しすぎて、正極合剤層中の結着剤が膨張して電池が膨れてしまう。また、サンプル29及びサンプル30では、結着剤の膨張により正極合剤層にしわが発生するため、結着剤の結着性が低下し、充放電の繰り返すことにより正極合剤層が剥がれや欠落等が生じて、充放電サイクル特性が低下する。
【0127】
これらのサンプルに対して、サンプル16乃至サンプル22は、0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEをPVdFに共重合させているため、結着剤に対して非水電解質中の非水溶媒が適量、膨潤されることから、非水電解質が正極全体に行き渡るようになる。これにより、サンプル16乃至サンプル22では、イオン伝導率が高くなり、良好な充放電サイクル得られ、電池の膨張も抑制される。
【0128】
更に、表2に示す結果から、サンプル16乃至サンプル22は、比誘電率が20以上の溶媒の非水溶媒中の含有率が60%以下のサンプル26乃至サンプル28と比べて、電池の膨れが小さいことが分かる。
【0129】
サンプル26乃至サンプル28は、全非水溶媒中の比誘電率が20以上の溶媒の含有量が60%より少ないため、比誘電率が低く、沸点の低い溶媒の重量が多いため、結着剤に膨潤してもイオン伝導率が上がらず、電池特性の向上が図られない。また、このような非水溶媒を用いた場合には、比誘電率が低く、沸点の低い溶媒が多く含有されることから、この非水溶媒が気化して、電池の膨れが大きくなる。
【0130】
これらのサンプルに対して、サンプル18乃至サンプル22では、非水電解質中の比誘電率が20以上の溶媒の含有量が60%以上であるため、高い誘電率及び沸点を有する非水溶媒が含まれた非水電解質が、CTFEが共重合されたPVdFの結着剤に適量に、膨潤する。したがって、サンプル18乃至サンプル22では、正極全体に非水電解質が行き渡り、正極のイオン伝導率が高くなるため、電池1の電池特性が向上し、電池の膨れも抑制される。
【0131】
以上のことから、非水電解質二次電池の結着剤として、0.5%以上、8.0%未満の範囲でCTFEを共重合させたPVdFを用い、比誘電率が20以上の溶媒を1種類以上含み、上記溶媒の合計の重量が全非水溶媒の重量に対して60%以上の非水溶媒を用いることによって、電池特性の低下が抑制された非水電解質二次電池を作製する上で有効であることが明らかである。
【0132】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明は、PVdFにCTFEが共重合されていることにより、比誘電率が20以上の溶媒、すなわち比誘電率が高い溶媒を含む非水電解質を正極及び/又は負極に満遍なく行き渡らせることができる。したがって、本発明によれば、比誘電率の高い非水溶媒により、正極及び/又は負極にイオン伝導率が高められて電池特性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解質二次電池の斜視図である。
【図2】同非水電解質二次電池に用いられる電池素子を示す斜視図である。
【図3】同非水電解質二次電池に用いられる正極の斜視図である。
【図4】同非水電解質二次電池に用いられる負極の斜視図である。
【図5】同非水電解質二次電池の内部構造を示す断面図である。
【図6】同非水電解質二次電池に用いられる電池素子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 非水電解質電池、2 電池素子、3 外装材、4 正極、5 負極、6 非水電解質、7 セパレータ、8 正極リード、9 負極リード、16 樹脂片

Claims (2)

  1. 正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質電池において、
    上記正極及び/又は上記負極に含有される結着剤が、0.5%以上、8.0%未満の範囲でクロロトリフルオロエチレンを共重合させたポリフッ化ビニリデンであり、
    上記非水電解質は、非水溶媒として、比誘電率が20以上の溶媒を1種類以上含み、上記溶媒の合計の重量が全非水溶媒の重量に対して60%以上であることを特徴とする非水電解質電池。
  2. 上記非水電解質は、上記非水溶媒としてエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ガンマヴァレロラクトンの中から2種類以上を含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。
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