JP3563646B2 - 電気化学デバイス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマーリチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、あるいは電気二重層キャパシタのような電気化学デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の発展に伴い、小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放電が可能な電気化学デバイスの開発が要望されている。このような電気化学デバイスとしては、リチウムまたはリチウム合金を活物質とする負極と、集電体にモリブデン、バナジウム、チタンあるいはニオブなどの酸化物、硫化物もしくはセレン化合物を活物質として含む懸濁液を塗布し、乾燥し、加圧成形することにより正極層を形成した正極と、非水電解液とを具備した非水電解質二次電池が知られている。
【0003】
また、リチウムまたはリチウム合金を活物質とする負極の代わりに、集電体にリチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質材料(例えば、コークス、黒鉛、炭素繊維、樹脂焼成体、熱分解気相炭素)を含む懸濁液を塗布し、乾燥し、加圧成形を施すことにより負極層を形成した負極を用いた非水電解質二次電池が提案されている。前記二次電池は、デンドライド析出による負極特性の劣化を改善することができるため、電池寿命と安全性を向上することができる。
【0004】
しかしながら、このような二次電池は、負極層と集電体との密着性及び正極層と集電体との密着性が十分でないため、充放電サイクル時の容量維持率がまだ劣る。このようなことから、特開平7−201362号公報や特開平10−149810号公報には、集電体にフッ素系高分子化合物及び熱硬化性架橋剤を含有する下地層、あるいはエポキシ樹脂やウレタン樹脂からなる下塗層を形成することにより集電体と正負極層との密着性を向上させることが開示されている。
【0005】
しかしながら、フッ素系高分子化合物は集電体との接着性に劣り、一方、エポキシ樹脂やウレタン樹脂は正負極層との接着性が低いため、完全な解決に至っていない。
【0006】
一方、特開平10−233232号公報には、正極層、負極層及びセパレータをバインダ樹脂により接合することが開示されている。このバインダ樹脂には、正極や負極において従来から結着剤として使用されてきたものが用いられている。
【0007】
しかしながら、正極や負極で結着剤として使用されているバインダ樹脂により正極とセパレータ並びに負極とセパレータの接着強度を高めるには限界があり、また、接着強度を高めるために予め正極(または負極)とセパレータの間にバインダ樹脂層を形成する必要があり、製造が極めて困難なものであった。
【0008】
ところで、正極、負極及びセパレータに非水電解液を保持する機能を有するポリマーを添加したポリマーリチウム二次電池が知られている。
【0009】
このような電池は、例えば、以下に説明する方法で製造される。先ず、DBP(フタル酸ジブチル)のような後から除去することができる可塑剤と、ビニリデンフロライド[VDF]とヘキサフルオロプロピレン[HFP]の共重合体を溶媒の存在下で混合し、これをシート状に成形して非水電解液未含浸のセパレータを作製する。一方、活物質と、前記可塑剤と、VDF−HFP共重合体とを溶媒の存在下で混合し、これをシート状に成形し、得られたシートを集電体に積層することにより非水電解液未含浸の正極を作製する。また、前記可塑剤と、前記VDF−HFP共重合体と、リチウムイオンを吸蔵放出しうる炭素質材料とを溶媒の存在下で混合し、これをシート状に成形し、得られたシートを集電体に積層することにより非水電解液未含浸の負極を作製する。得られた正極、セパレータ、負極をこの順番に積層した後、これらを熱圧着により一体化させる。ひきつづき、積層物中の可塑剤を例えば溶媒抽出により除去した後、非水電解液を含浸させることにより前記電池を製造する。
【0010】
しかしながら、前記ポリマーリチウム二次電池は、正極層と集電体の接着強度並びに負極層と集電体の接着強度が低いため、熱圧着による一体化工程の中で一旦接着させても、充放電サイクルを繰り返す内に徐々に集電体からの剥離が進行し、充放電容量の低下や内部抵抗の上昇をもたらすという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、集電体と電極層との接着強度を改良することにより、内部抵抗が低く、充放電サイクル特性が良好な電気化学デバイスを提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる電気化学デバイスは、1対の電極と、この電極間に介装されるセパレータと、前記電極と前記セパレータの界面に存在する非水電解液とを具備する電気化学デバイスにおいて、
前記各電極は、結着機能を有するポリマーまたは結着剤と活物質とを含有する電極層と、前記電極層が担持される集電体とを備え、
前記電極のうち少なくとも一方は、前記電極層と前記集電体の間に、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤を含有する接着層が存在することを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る電気化学デバイスにおいて、前記非水電解液は、液状、ゲル状、もしくはポリマーに保持された状態で前記電極と前記セパレータの界面に存在している。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる電気化学デバイスの一例であるポリマーリチウム二次電池について詳細に説明する。
【0016】
このポリマーリチウム二次電池は、活物質、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む正極層及び前記正極層が担持される正極集電体を備える正極と、活物質、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む負極層及び前記負極層が担持される負極集電体を備える負極と、前記正極と前記負極の間に配置され、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含むセパレータとを有する発電要素;前記発電要素が収納される外装材;を具備する。
【0017】
前記発電要素において、前記正極、前記負極及び前記セパレータは、一体化されている。また、前記正極及び前記負極のうち少なくとも一方の電極は、架橋したポリビニルアセタール樹脂を含有する接着剤を含む。
【0018】
この正極、負極、セパレータおよび外装材について説明する。
【0019】
(1)正極
この正極には、例えば、活物質、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む正極層と正極集電体の間に、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤を含有する接着層が存在するものが採用される。
【0020】
前記正極活物質としては、種々の酸化物(例えばLiMn2 O4 などのリチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、例えばLiNiO2 などのリチウム含有ニッケル酸化物、例えばLiCoO2 などのリチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなど)や、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二硫化モリブテンなど)等を挙げることができる。中でも、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物を用いるのが好ましい。
【0021】
前記非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製される。
【0022】
前記非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。前記非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても良い。
【0023】
前記電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、ホウ四フッ化リチウム(LiBF4 )、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )等のリチウム塩を挙げることができる。
【0024】
前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.2mol/l〜2mol/lとすることが望ましい。
【0025】
前記ポリマーは、非水電解液を保持する機能の他に結着機能を有していることが望ましい。また、前記ポリマーは、熱可塑性を有することが好ましい。かかるポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体、前記誘導体を含むポリマー、スチレン・ブタジエン共重合体、カルボキシメチルセルロース及びその誘導体、ビニリデンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等を挙げることができる。前記ポリマーには、前述した種類の中から選ばれる1種類または2種以上を用いることができる。中でも、VdF―HFP共重合体が好ましい。前記共重合体において、VdFは共重合体の骨格部で機械的強度の向上に寄与し、HFPは共重合体に非晶質の状態で取り込まれ、非水電解液の保持と電解液中のリチウムイオン透過部として機能する。前記HFPの共重合割合は、前記共重合体の合成方法にも依存するが、通常、最大で20重量%前後である。
【0026】
前記正極層は、導電性を向上する観点から導電性材料をさらに含んでいてもよい。前記導電性材料としては、例えば、人造黒鉛、カーボンブラック(例えばアセチレンブラックなど)、ニッケル粉末等を挙げることができる。
【0027】
前記集電体としては、例えば、メッシュ、エキスパンドメタル、パンチドメタル等の多孔質構造を有するものか、あるいは金属板(例えば、金属箔)を用いることができる。また、前記集電体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されていることが好ましい。
【0028】
前記接着層に含まれる架橋したポリビニルアセタール樹脂は、例えば、酢酸ビニル樹脂をケン化して得られたポリビニルアルコールにアルデヒドを部分反応させてポリビニルアセタール樹脂を合成した後、これを架橋させることにより得られる。
【0029】
前記酢酸ビニル樹脂の平均重合度は、300〜5000にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。平均重合度を300未満にすると、架橋したポリビニルアセタール樹脂の耐非水電解液性と、接着層の緻密性(気体透過率)を十分に改善することが困難になる恐れがある。一方、平均重合度が5000を超えると、酢酸ビニル樹脂の溶解性が低下するため、ポリビニルアセタール樹脂の合成が困難になる恐れがある。
【0030】
前記ポリビニルアルコールには、完全ケン化物、または酢酸ビニル単量体を含むものを用いることができる。酢酸ビニル単量体を含むもののうち、ビニルアルコール単量体の重合度が高く、かつ水溶性に優れるものは、架橋したポリビニルアセタール樹脂の耐非水電解液性をより向上することができると共に、接着層の気体透過率を更に低くすることができるため、好ましい。
【0031】
前記アルデヒドとしては、例えば、グリオキサール及び脂肪族ポリアルデヒド、テレフタルアルデヒド及び芳香族ポリアルデヒド、ブチルアルデヒド等を用いることができる。多価アルデヒドは、ポリビニルアセタール樹脂の架橋剤を兼ねることができる。
【0032】
前記ポリビニルアルコールにアルデヒドを部分反応させて合成されたポリビニルアセタール樹脂は、アセタール結合を有する単量体(例えば、ビニルアセタール単量体)及びビニルアルコール単量体を含む。このポリビニルアセタール樹脂は、酢酸ビニル単量体を更に含むことが好ましい。酢酸ビニル単量体は、架橋したポリビニルアセタール樹脂の柔軟性を高める作用をなす。
【0033】
アセタール結合を有する単量体及びビニルアルコール単量体を含むポリビニルアセタール樹脂を架橋する際、ビニルアルコール単量体間の一部を架橋することが望ましい。このような架橋ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール結合を有する単量体が有機物(例えば、電極層)との接着性に優れ、ビニルアルコール単量体の水酸基が金属(例えば、集電体)との接着性に優れ、かつビニルアルコール単量体間の架橋構造が非水電解液への溶解を防止する機能を有するため、電極層及び集電体双方との接着性に優れると共に、高い耐非水電解液性を有する。
【0034】
前記架橋反応は、例えば、電子線の照射、架橋剤の使用により行うことができる。架橋剤としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート、多価アルデヒド等を挙げることができる。架橋剤には、前述した種類の中から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。また、架橋反応を行う際、分散溶媒が水単独であると発泡しやすいため、メタノール、エタノール等のアルコールと水との混合溶液を用いることが好ましい。以下に前記架橋剤を使用した架橋反応の一例を挙げるが、本発明はこれらの架橋反応に限定されるものではない。
【0035】
(1)フェノール樹脂からなる架橋剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂等を挙げることができる。下記化1には、フェノール樹脂の一例であるフェノールノボラック樹脂とポリビニルアセタール樹脂との架橋反応を示す。
【0036】
【化1】
【0037】
但し、上記化1のポリビニルアセタール樹脂において、xはビニルアルコール単量体の重合度、yは酢酸ビニル単量体の重合度、zはビニルアセタール単量体の重合度、R1は炭化水素基を示す。
【0038】
(2)メラミン樹脂からなる架橋剤としては、例えば、メラミン、メチロール化メラミン樹脂等を挙げることができる。下記化2には、メラミン樹脂の一例であるメラミンとポリビニルアセタール樹脂との架橋反応を示す。
【0039】
【化2】
【0040】
但し、上記化2のポリビニルアセタール樹脂において、xはビニルアルコール単量体の重合度、yは酢酸ビニル単量体の重合度、zはビニルアセタール単量体の重合度、R1は炭化水素基を示す。
【0041】
(3)エポキシ樹脂からなる架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。下記化3には、エポキシ樹脂の一例であるビスフェノールA型エポキシ樹脂とポリビニルアセタール樹脂との架橋反応を示す。この架橋反応は、4メチル無水ヘキサヒドロフタル酸のような酸無水物の存在下で行われる。
【0042】
【化3】
【0043】
但し、上記化3のポリビニルアセタール樹脂において、xはビニルアルコール単量体の重合度、yは酢酸ビニルの重合度、zはビニルアセタール単量体の重合度、R1は炭化水素基を示す。
【0044】
(4)ポリイソシアネートからなる架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。下記化4には、ポリイソシアネートの一例であるヘキサメチレンジイソシアネートとポリビニルアセタール樹脂との架橋反応を示す。
【0045】
【化4】
【0046】
但し、上記化4のポリビニルアセタール樹脂において、xはビニルアルコール単量体の重合度、yは酢酸ビニルの重合度、zはビニルアセタール単量体の重合度、R1は炭化水素基を示す。
【0047】
(5)多価アルデヒドからなる架橋剤としては、例えば、グリオキサール及び脂肪族ポリアルデヒド、テレフタルアルデヒド及び芳香族ポリアルデヒド等を挙げることができる。下記化5には、多価アルデヒドの一例であるグリオキサールとポリビニルアセタール樹脂との架橋反応を示す。
【0048】
【化5】
【0049】
但し、上記化5のポリビニルアセタール樹脂において、xはビニルアルコール単量体の重合度、yは酢酸ビニルの重合度、zはビニルアセタール単量体の重合度、R1は炭化水素基を示す。
【0050】
前述した架橋剤のうち、フェノール樹脂、多価アルデヒドが好ましい。かかる架橋剤を使用すると、ビニルアルコール単量体間をエーテル結合で架橋することができるため、架橋強度を高くすることができ、架橋したポリビニルアセタール樹脂の耐非水電解液性をより向上することができる。特に好ましいのは、多価アルデヒドである。多価アルデヒドを架橋剤として使用すると、架橋したポリビニルアセタール樹脂の合成を水系溶媒中で行うことができるため、製造コストを削減することができると共に、対環境対策面で有利である。
【0051】
前記導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラックのような炭素材料、アルミニウム、ニッケル、銅のような金属、酸化錫のような金属酸化物等を挙げることができる。前記導電材には、前述した種類の中から選ばれる1種類または2種以上を用いることができる。中でも、炭素材料が好ましい。
【0052】
前記接着層の厚さは、0.1〜2μmの範囲にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。厚さを0.1μm未満にすると、接着層の電解液拡散が早くなるため、集電体が非水電解液により腐食される恐れがある。このため、集電体と正極層との接着強度を十分に向上することが困難になる可能性がある。一方、厚さが2μmを超えると、電池の内部抵抗が高くなる恐れがあるため、充放電サイクル時の容量維持率を十分に高めることが困難になる可能性がある。厚さのより好ましい範囲は、0.5〜1.5μmである。
【0053】
前記導電剤を含有する接着層中の架橋したポリビニルアセタール樹脂の含有量は、60〜95体積%の範囲にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。前記含有量を60体積%未満にすると、集電体と正極層との接着強度を十分に向上することが困難になる恐れがある。一方、前記含有量が95体積%を超えると、接着層の導電率が低下し、電池の内部抵抗が増大し、充放電サイクル時の容量維持率を十分に高めることが困難になる可能性がある。含有量のより好ましい範囲は、70〜90体積%である。
【0054】
前記接着層中の導電剤の含有量は、5〜40体積%の範囲にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。前記含有量を5体積%未満にすると、接着層により集電体と正極層の導通が阻害される恐れがあるため、充放電サイクル時に高い容量維持率を得られなくなる恐れがある。一方、前記含有量が40体積%を超えると、集電体や電極層との接着力の低下、並びに接着層そのものが脆くなるため、剥離を生じる可能性がある。含有量のより好ましい範囲は、10〜30体積%である。
【0055】
なお、本発明においては、負極中に架橋したポリビニルアセタール樹脂が含有されている場合、正極として架橋したポリビニルアセタール樹脂を含まないもの(例えば、正極集電体に直に正極層が担持されたもの)を用いることを許容する。
【0056】
(2)負極
この負極には、例えば、活物質、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む負極層と負極集電体の間に、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤を含有する接着層が存在するものが採用される。
【0057】
前記負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質材料を挙げることができる。かかる炭素質材料としては、例えば、有機高分子化合物(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を焼成することにより得られるもの、コークスや、メソフェーズピッチを焼成することにより得られるもの、人造グラファイト、天然グラファイト等に代表される炭素質材料を挙げることができる。中でも、アルゴンガスや窒素ガスのような不活性ガス雰囲気において、500℃〜3000℃の温度で、常圧または減圧下にて前記メソフェーズピッチを焼成して得られる炭素質材料を用いるのが好ましい。
【0058】
前記非水電解液及びこの電解液を保持する機能を有するポリマーとしては、前述した正極で説明したものと同様なものが用いられる。
【0059】
なお、前記負極層は、人造グラファイト、天然グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ニッケル粉末、ポリフェニレン誘導体の導電性材料、オレフィン系ポリマーや炭素繊維等のフィラーを含むことを許容する。
【0060】
前記集電体としては、例えば、メッシュ、エキスパンドメタル、パンチドメタル等の多孔質構造を有するものか、あるいは金属板(例えば、金属箔)を用いることができる。また、前記集電体は、銅または銅合金から形成されていることが好ましい。
【0061】
前記接着層に含まれる架橋したポリビニルアセタール樹脂は、例えば、酢酸ビニル樹脂をケン化して得られたポリビニルアルコールにアルデヒドを部分反応させてポリビニルアセタール樹脂を合成した後、これを架橋させることにより得られる。
【0062】
前記酢酸ビニル樹脂の平均重合度は、前述した正極で説明したのと同様な理由により300〜5000にすることが好ましい。
【0063】
前記ポリビニルアルコールには、完全ケン化物、または酢酸ビニル単量体を含むものを用いることができる。酢酸ビニル単量体を含むもののうち、ビニルアルコール単量体の重合度が高く、かつ水溶性に優れるものは、架橋したポリビニルアセタール樹脂の耐非水電解液性をより向上することができると共に、接着層の気体透過率を更に低くすることができるため、好ましい。
【0064】
前記アルデヒドとしては、前述した正極で説明したのと同様なものを用いることができる。
【0065】
前記ポリビニルアルコールにアルデヒドを部分反応させて合成されたポリビニルアセタール樹脂は、アセタール結合を有する単量体(例えば、ビニルアセタール単量体)及びビニルアルコール単量体を含む。このポリビニルアセタール樹脂は、酢酸ビニル単量体を更に含むことが好ましい。酢酸ビニル単量体は、架橋したポリビニルアセタール樹脂の柔軟性を高める作用をなす。
【0066】
アセタール結合を有する単量体及びビニルアルコール単量体を含むポリビニルアセタール樹脂を架橋する際、ビニルアルコール単量体間の一部を架橋することが望ましい。このような架橋ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール結合を有する単量体が有機物(例えば、電極層)との接着性に優れ、ビニルアルコール単量体の水酸基が金属(例えば、集電体)との接着性に優れ、かつビニルアルコール単量体間の架橋構造が非水電解液への溶解を防止する機能を有するため、電極層及び集電体双方との接着性に優れると共に、高い耐非水電解液性を有する。
【0067】
前記架橋反応は、例えば、電子線の照射、架橋剤の使用により行うことができる。架橋剤としては、前述した正極で説明したのと同様なものを挙げることができる。また、架橋反応を行う際、分散溶媒が水単独であると発泡しやすいため、メタノール、エタノール等のアルコールと水との混合溶液を用いることが好ましい。
【0068】
前述した架橋剤のうち、フェノール樹脂、多価アルデヒドが好ましい。かかる架橋剤が好ましいのは、前述した正極で説明したのと同様な理由によるものである。特に好ましいのは、多価アルデヒドである。多価アルデヒドが特に好ましいのは、前述した正極で説明したのと同様な理由によるものである。
【0069】
前記導電剤としては、前述した正極で説明したのと同様なものを挙げることができる。中でも、炭素材料が好ましい。
【0070】
前記接着層の厚さは、0.1〜2μmの範囲にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。厚さを0.1μm未満にすると、接着層の電解液拡散が早くなるため、集電体が非水電解液により腐食される恐れがある。このため、集電体と負極層との接着強度を十分に向上することが困難になる恐れがある。一方、厚さが2μmを超えると、電池の内部抵抗が高くなる恐れがあるため、充放電サイクル時の容量維持率を十分に高めることが困難になる可能性がある。厚さのより好ましい範囲は、0.5〜1.5μmである。
【0071】
前記導電剤を含有する接着層中の架橋したポリビニルアセタール樹脂の含有量は、60〜95体積%の範囲にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。前記含有量を60体積%未満にすると、集電体と負極層との接着強度を十分に向上することが困難になる恐れがある。一方、前記含有量が95体積%を超えると、接着層の導電率が低下し、電池の内部抵抗が増大し、充放電サイクル時の容量維持率を十分に高めることが困難になる可能性がある。含有量のより好ましい範囲は、70〜90体積%である。
【0072】
前記接着層中の導電剤の含有量は、5〜40体積%の範囲にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。前記含有量を5体積%未満にすると、接着層により集電体と負極層の導通が阻害される恐れがあるため、充放電サイクル時に高い容量維持率を得られなくなる恐れがある。一方、前記含有量が40体積%を超えると、集電体や電極層との接着力の低下、並びに接着層そのものが脆くなるため、剥離を生じる可能性がある。含有量のより好ましい範囲は、10〜30体積%である。
【0073】
なお、本発明においては、正極中に架橋したポリビニルアセタール樹脂が含有されている場合、負極として架橋したポリビニルアセタール樹脂を含まないもの(例えば、負極集電体に直に負極層が担持されたもの)を用いることを許容する。
【0074】
(3)セパレータ
このセパレータは、非水電解液およびこの電解液を保持するポリマーを含む。
【0075】
前記非水電解液及び前記ポリマーとしては、前述した正極で説明したものと同様なものが用いられる。
【0076】
前記セパレータは、その強度を向上させる観点から、補強材をさらに含むことが好ましい。前記補強材としては、例えば、結晶性シリカ、溶融シリカなどの無機フィラー等を用いることができる。
【0077】
(4)外装材
この外装材には、金属缶、または水分に対してバリア機能を有するフィルムを用いることができる。かかるフィルム製外装材としては、例えば、少なくとも封止部に熱融着性樹脂が配され、かつ内部にアルミニウム(Al)のような金属薄膜を介在させたラミネートフィルム等を挙げることができる。具体的には、封止部側から外面に向けて積層した酸変性ポリプロピレン(PP)/ポリエチレンテレフタレート(PET)/Al箔/PETのラミネートフィルム;酸変性PE/ナイロン/Al箔/PETのラミネートフィルム;アイオノマー/Ni箔/PE/PETのラミネートフィルム;エチレンビニルアセテート(EVA)/PE/Al箔/PETのラミネートフィルム;アイオノマー/PET/Al箔/PETのラミネートフィルム等を用いることができる。ここで、封止部側の酸変性PE、酸変性PP、アイオノマー、EVA以外のフィルムは防湿性、耐通気性、耐薬品性を担っている。
【0078】
本発明に係るポリマーリチウム二次電池は、例えば、以下に説明する方法で製造することができる。まず、非水電解液未含浸の正極、負極及びセパレータを以下に説明する方法で作製する。
【0079】
非水電解液未含浸の正極は、例えば、以下に説明する方法で作製される。酢酸ビニル樹脂をケン化して得られるポリビニルアルコールをアルデヒドと部分反応させて作製したポリビニルアセタール樹脂、導電剤及び架橋剤を溶媒に分散させ、接着層形成溶液を得る。集電体に前記溶液を塗布し、加熱乾燥を行うことにより前記ポリビニルアセタール樹脂を前記架橋剤で架橋させ、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤を含む接着層を形成する。一方、活物質、非水電解液を保持する機能を有するポリマー、導電材料及び可塑剤をアセトンなどの有機溶媒中で混合して調製されたペーストを成膜することにより正極シートを作製する。得られた正極シートを前記集電体の接着層に積層し、加熱加圧を施すことにより前記正極を得る。また、前記ペーストを前記集電体の接着層に塗布した後、乾燥させ、加熱加圧を施すことによって前記正極を作製しても良い。
【0080】
接着層形成溶液の塗布量は、溶液の固形分濃度を10体積%とした際に集電体片面につき1〜20g/m2の範囲にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。塗布量を1g/m2未満にすると、接着層の電解液拡散が早くなるため、集電体が非水電解液により腐食される恐れがある。このため、集電体と正極層との接着強度を十分に向上することが困難になる可能性がある。一方、塗布量が20g/m2を超えると、電池の内部抵抗が高くなる恐れがあるため、充放電サイクル時の容量維持率を十分に高めることが困難になる可能性がある。
【0081】
非水電解液未含浸の負極は、例えば、以下に説明する方法で作製される。まず、集電体に接着層を前述した正極で説明したのと同様にして形成する。活物質、非水電解液を保持する機能を有するポリマー及び可塑剤をアセトンなどの有機溶媒中で混合して調製されたペーストを成膜することにより負極シートを作製する。得られた負極シートを前記集電体の接着層に積層し、加熱加圧を施すことにより前記負極を作製する。また、前記ペーストを前記集電体の接着層に塗布した後、乾燥させ、加熱加圧を施すことによって前記負極を作製しても良い。
【0082】
接着層形成溶液の塗布量は、溶液の固形分濃度を10体積%とした際に集電体片面につき1〜20g/m2の範囲にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。塗布量を1g/m2未満にすると、接着層の電解液拡散が早くなるため、集電体が非水電解液により腐食される恐れがある。このため、集電体と負極層との接着強度を十分に向上することが困難になる可能性がある。一方、塗布量が20g/m2を超えると、電池の内部抵抗が高くなる恐れがあるため、充放電サイクル時の容量維持率を十分に高めることが困難になる可能性がある。
【0083】
非水電解液未含浸のセパレータは、例えば、非水電解液を保持する機能を有するポリマー、可塑剤及び補強材をアセトンなどの有機溶媒中で混合してペーストを調製し、成膜する作製される。
【0084】
前記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジメチル(DMP)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)等を挙げることができる。前記可塑剤には、前記種類のものから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0085】
ひきつづき、非水電解液未含浸の正極と非水電解液未含浸の負極の間に非水電解液未含浸のセパレータを配置した後、加熱加圧を施してこれらを一体化することにより積層物を作製する。次いで、積層物から可塑剤を例えば溶媒抽出により除去した後、非水電解液を含浸させ、外装材により密封することにより本発明に係るポリマーリチウム二次電池が得られる。
【0086】
本発明に係るポリマーリチウム二次電池においては、正極及び負極のうち少なくともいずれか一方の電極とセパレータの境界の少なくとも一部に、架橋したポリビニルアセタール樹脂を含む接着層が存在していることが好ましい。このような構成によれば、充放電サイクルの進行に伴って電極とセパレータとの接触面積が減少するのを抑制することができるため、内部抵抗の上昇をさらに抑えることができ、充放電サイクル寿命をより向上することができる。また、この二次電池は、例えば、以下に説明する方法で製造される。すなわち、前記非水電解液未含浸の正極及び前記非水電解液未含浸の負極の間に前記非水電解液未含浸のセパレータを介装し、加熱加圧を施して一体化した後、捲回することにより非水電解液未含浸の発電要素を作製する。得られた発電要素から可塑剤を例えば溶媒抽出により除去する。ひきつづき、酢酸ビニル樹脂をケン化して得られるポリビニルアルコールを多価アルデヒドと部分反応させて作製したポリビニルアセタール樹脂を溶媒に分散させ、この分散液を前記発電要素に含浸させた後、加熱乾燥を施すことにより前記ポリビニルアセタール樹脂を前記多価アルデヒドで架橋させ、正極及びセパレータをこれらの境界に点在する架橋ポリビニルアセタール樹脂で接着すると共に、負極及びセパレータをこれらの境界に点在する架橋ポリビニルアセタール樹脂で接着する。次いで、前記発電要素に非水電解液を含浸させた後、外装材に密封することにより前記二次電池を得る。
【0087】
次いで、本発明に係る電気化学デバイスの別な例であるリチウムイオン二次電池について説明する。
【0088】
このリチウムイオン二次電池は、活物質及び結着剤を含む正極層及び前記正極層が担持される正極集電体を備える正極と、活物質及び結着剤を含む負極層及び前記負極層が担持される負極集電体を備える負極と、前記正極と前記負極の間に配置されるセパレータとを有する電極群;前記電極群に含浸される非水電解液;前記電極群が収納される外装材;を具備する。
【0089】
前記正極及び前記負極のうち少なくとも一方の電極は、架橋したポリビニルアセタール樹脂を含有する接着剤を含む。
【0090】
この正極、負極、セパレータおよび外装材について説明する。
【0091】
(1)正極
この正極には、例えば、活物質及び結着剤を含む正極層と正極集電体の間に、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤を含有する接着層が存在するものが採用される。
【0092】
前記正極活物質としては、前述したポリマーリチウム二次電池の正極で説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0093】
前記結着剤は、活物質を集電体に保持させ、かつ活物質同士をつなぐ機能を有する。前記結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)から選ばれる1種以上のポリマー等を用いることができる。
【0094】
前記正極層は、さらに導電剤を含むことが好ましい。前記導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
【0095】
前記集電体としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができる。これら導電性基板は、例えば、アルミニウム、ステンレス、またはニッケルから形成することができる。
【0096】
前記接着層は、前述したポリマーリチウム二次電池の正極で説明したのと同様なものを用いることができる。
【0097】
前記正極は、例えば、以下に説明する方法で作製される。まず、前述したポリマーリチウム二次電池の非水電解液未含浸の正極を作製する際に説明したのと同様にして集電体に接着層を形成する。次いで、正極活物質に導電剤および結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を前記集電体の接着層に塗布、乾燥して薄板状にすることにより前記正極を作製する。
【0098】
(2)負極
前記負極には、例えば、活物質及び結着剤を含む負極層と負極集電体の間に、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤を含有する接着層が存在するものが採用される。
【0099】
前記活物質としては、前述したポリマーリチウム二次電池の負極において説明したのと同様なものが用いられる。
【0100】
前記結着剤は、活物質を集電体に保持させ、かつ活物質同士をつなぐ機能を有する。前記結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)等から選ばれる少なくとも1種類のポリマーを用いることができる。
【0101】
前記集電体としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができる。これら導電性基板は、例えば、銅、ステンレス、またはニッケルから形成することができる。
【0102】
前記接着層は、前述したポリマーリチウム二次電池の正極で説明したのと同様なものを用いることができる。
【0103】
前記負極は、例えば、以下に説明する方法で作製される。まず、前述したポリマーリチウム二次電池の非水電解液未含浸の負極を作製する際に説明したのと同様にして集電体に接着層を形成する。次いで、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物と結着剤とを溶媒の存在下で混練し、得られた懸濁物を前記集電体の接着層に塗布し、乾燥した後、所望の圧力で1回プレスもしくは2〜5回多段階プレスすることにより前記負極を作製する。
【0104】
(3)セパレータ
前記セパレータとしては、例えば、多孔質シートを用いることができる。
【0105】
前記多孔質シートとしては、例えば、多孔質フィルム、もしくは不織布を用いることができる。前記多孔質シートは、例えば、ポリオレフィン及びセルロースから選ばれる少なくとも1種類の材料からなることが好ましい。前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンを挙げることができる。中でも、ポリエチレンか、あるいはポリプロピレン、または両者からなる多孔質フィルムは、二次電池の安全性を向上できるため、好ましい。
【0106】
(4)外装材
この外装材には、金属缶、あるいは水分に対してバリア機能を有するフィルムを用いることができる。前記フィルム製外装材としては、前述したポリマーリチウム二次電池で説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0107】
本発明に係るリチウムイオン二次電池においては、正極及び負極のうち少なくともいずれか一方の電極とセパレータの境界の少なくとも一部に、架橋したポリビニルアセタール樹脂を含む接着層が存在していることが好ましい。このような構成によれば、充放電サイクルの進行に伴って電極とセパレータとの接触面積が減少するのを抑制することができるため、内部抵抗の上昇をさらに抑えることができ、充放電サイクル寿命を向上することができる。また、この二次電池は、例えば、以下に説明する方法で製造される。すなわち、前記正極及び前記負極の間に前記セパレータを介装して渦巻き状に捲回することにより電極群を作製する。酢酸ビニル樹脂をケン化して得られるポリビニルアルコールを多価アルデヒドと部分反応させて作製したポリビニルアセタール樹脂を溶媒に分散させ、この分散液を前記電極群に含浸させた後、加熱乾燥を施すことにより前記ポリビニルアセタール樹脂を前記多価アルデヒドで架橋させ、正極及びセパレータをこれらの境界に点在する架橋ポリビニルアセタール樹脂で接着すると共に、負極及びセパレータをこれらの境界に点在する架橋ポリビニルアセタール樹脂で接着する。この電極群及び非水電解液を外装材に収納することにより前記二次電池を得る。
【0108】
以上詳述した本発明に係る電気化学デバイスは、1対の電極と、この電極間に介装されるセパレータと、前記電極と前記セパレータの界面に存在する非水電解液とを具備する。前記各電極は、電極層及び前記電極層が担持される集電体を備える。また、前記電極のうち少なくとも一方は、架橋したポリビニルアセタール樹脂を含有する接着剤を含む
ポリビニルアセタール樹脂は、電極層のような有機物及び集電体のような金属双方との接着性に優れる。しかしながら、ポリビニルアセタール樹脂は、架橋しない状態ではメタノールなどの低級アルコール類やアセトンなどのケトン類に代表される極性有機溶剤を始め、エチレンカーボネート(EC)などのリチウム二次電池の非水溶媒に使用される炭酸エステル系非プロトン極性溶媒に極めて容易に溶解する。このため、非水電解液を備える電気化学デバイスにポリビニルアセタール樹脂を用いることは、本来不可能なことであった。
【0109】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルアセタール樹脂を架橋させると、非水電解液に対する耐久性とポリビニルアセタール樹脂が本来有している極めて高性能の接着性を両立することが可能で、この架橋したポリビニルアセタール樹脂を電極に含有させる、例えば、電極層と集電体の間に架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤を含有する接着層を形成することによって、架橋したポリビニルアセタール樹脂の優れた接着性及び耐非水電解液性の他に、接着層が緻密(気体透過率が低い)なために集電体が非水電解液により腐食されるのを防止することができるため、充放電サイクルの進行に伴って集電体から電極層が剥離するのを抑制できることを見出した。従って、電極のうち少なくとも1種類に架橋したポリビニルアセタール樹脂を含有させることによって、内部抵抗の上昇を抑制することができ、充放電時の容量維持率を向上することができる。
【0110】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0111】
(実施例1)
<接着層形成溶液の調製>
まず、重合度約600と約1100の2種類の酢酸ビニル樹脂を重量比で1:1に混ぜた樹脂をケン化して酢酸ビニル単量体を含むポリビニルアルコールを得た。このビニルアルコールを多価アルデヒドであるグリオキサールと部分反応させ、ビニルアセタール単量体、ビニルアルコール単量体及び酢酸ビニル単量体を含むポリビニルアセタール樹脂を得た。このポリビニルアセタール樹脂75重量%と、アセチレンブラック25重量%とを水:エタノールの重量比が1:1の混合溶媒中で混合・分散し、接着層形成溶液を調製した。
【0112】
<正極の作製>
LiCoO2を65重量%と、カーボンブラック7重量%と、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VDF−HFP)の共重合体9重量%と、可塑剤{フタル酸ジブチル(DBP)}19重量%とをN,N−ジメチルホルムアミド中で混合し、ペーストを調製した。得られたペーストをポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、厚さが250μm、幅が250mmとなるように塗布し、シート化し、60mmの長さに切り出し、正極シートを作製した。
【0113】
一方、アルミニウム製エキスパンドメタルからなる集電体の両面に前記接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は2g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記多価アルデヒドで架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.5μmの接着層を形成した。前記接着層において、架橋したポリビニルアセタール樹脂の含有量は80体積%で、アセチレンブラックの含有量は20体積%であった。
【0114】
前記集電体の前記接着層に前記正極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱庄着することにより非水電解液未含浸の正極を作製した。
【0115】
<負極の作製>
メソフェーズピッチ炭素繊維65重量%と、カーボンブラック1重量%と、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VDF−HFP)の共重合体8重量%と、可塑剤(フタル酸ジブチル(DBP))26重量%とをN,N−ジメチルホルムアミド中で混合し、ペーストを調製した。得られたぺーストをポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、厚さが120μm、幅が260mmとなるように塗布し、シート化し、65mmの長さに切り出し、負極シートを作製した。
【0116】
一方、銅製パンチドメタルからなる集電体の両面に前記接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は2g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記多価アルデヒドで架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.5μmの接着層を形成した。前記接着層における架橋したポリビニルアセタール樹脂及びアセチレンブラックの含有量は、前述した正極で説明したのと同様である。
【0117】
前記集電体の前記接着層に前記負極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱圧着することにより非水電解液未含浸の負極を作製した。
【0118】
<セパレータの作製>
ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VDF−HFP)の共重合体30重量%と、疎水化処理したコロイダルシリカ35重量%と、可塑剤(フタル酸ジブチル(DBP))35重量%とをN,N−ジメチルホルムアミド中で混合し、ペースト状にした。得られたペーストをポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、厚さが50μm、幅が260mmとなるように塗布し、シート化し、65mmの長さに切り出し、非水電解液未含浸のセパレータを作製した。
【0119】
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)が体積比で2:1の割合で混合された非水溶媒に電解質としてLiPF6をその濃度が1mol/Lになるように溶解させて非水電解液を調製した。
【0120】
<電池の組立>
非水電解液未含浸の正極を2枚、非水電解液未含浸の負極を1枚及び非水電解液未含浸のセパレータを2枚用意し、これらを前記正極及び前記負極の間に前記セパレータが介在されるように積層し、145℃に加熱した剛性ロールで加熱加圧を施すことにより正負極及びセパレータを融着させ、一体化し、非水電解液未含浸の発電要素を得た。
【0121】
この発電要素からDBPをメタノールによる溶媒抽出で除去した後、乾燥させた。次いで、前記発電要素に正負極リードを接続した後、前記組成の非水電解液を含浸させ、最外層からポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、アルミニウム箔及び熱融着性樹脂フィルムの順番に積層されたラミネートフィルムからなる外装材で密封することにより、図1及び図2に示す構造を有するポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0122】
すなわち、ポリマーリチウム二次電池は、正極1と、負極2と、前記正極1及び前記負極2の間に配置される電解質層3とが一体化されたものを主体とする発電要素を備える。前記正極1は、多孔質集電体4と、前記集電体4の両面に接着された正極層5とからなる。一方、前記負極2は、多孔質集電体6と、前記集電体6の両面に接着された負極層7とからなる。帯状の正極端子8は、前記各正極1の集電体4を帯状に延出したものである。一方、帯状の負極端子9は、前記負極2の集電体6を帯状に延出したものである。例えば帯状アルミニウム板からなる正極リード10は、前記2つの正極端子8と接続されている。例えば帯状銅板からなる負極リード(図示しない)は、前記負極端子9と接続されている。このような構成の発電要素は、水分に対してバリア機能を有する外装材11内に前記正極リード10及び前記負極リードが前記外装材11から延出した状態で密封されている。
【0123】
(実施例2)
<正極の作製>
アルミニウム製エキスパンドメタルからなる集電体の両面に前記接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は1g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記多価アルデヒドで架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.3μmの接着層を形成した。前記接着層における架橋したポリビニルアセタール樹脂及びアセチレンブラックの含有量は、前述した実施例1の正極で説明したのと同様である。
【0124】
前記集電体の前記接着層に前述した実施例1で説明したのと同様な正極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱庄着することにより非水電解液未含浸の正極を作製した。
【0125】
<負極の作製>
銅製パンチドメタルからなる集電体の両面に前記接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は1g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記多価アルデヒドで架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.3μmの接着層を形成した。前記接着層における架橋したポリビニルアセタール樹脂及びアセチレンブラックの含有量は、前述した実施例1の正極で説明したのと同様である。
【0126】
前記集電体の前記接着層に前述した実施例1で説明したのと同様な負極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱圧着することにより非水電解液未含浸の負極を作製した。
【0127】
<電池の組立>
非水電解液未含浸の正極及び非水電解液未含浸の負極をその間に実施例1で説明したのと同様な非水電解液未含浸のセパレータを介在して平巻き状に捲回した後、厚さが3.5mmになるように平板状に押しつぶした。次いで、前記発電要素中のDBPをメタノールによる溶媒抽出で除去した後、乾燥させた。ひきつづき、重合度が約1100の酢酸ビニル樹脂をケン化し、酢酸ビニル単量体を含むポリビニルアルコールを作製した。このポリビニルアルコールを多価アルデヒドである1,6−ヘキサンジアルデヒドと部分反応させ、ビニルアセタール単量体、ビニルアルコール単量体及び酢酸ビニル単量体を含むポリビニルアセタール樹脂を得た。このポリビニルアセタール樹脂を水・エタノール混合溶液(重量比1:1)に溶解した1%溶液に、前記発電要素を浸漬した後、前記発電要素を前記溶液から引き上げ、前記発電要素の外部に付着した余分な溶液を取り除いた。ひきつづき、前記発電要素を80℃で真空加熱乾燥してポリビニルアセタール樹脂を熱架橋しつつ溶媒を除去し、正極とセパレータの境界に架橋したポリビニルアセタール樹脂を点在させて正極とセパレータを接着させると共に、負極とセパレータの境界に架橋したポリビニルアセタール樹脂を点在させて負極とセパレータを接着させた。
【0128】
次いで、前記発電要素に正負極リードを接続した後、前記組成の非水電解液を含浸させ、最外層からポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、アルミニウム箔及び熱融着性樹脂フィルムの順番に積層されたラミネートフィルムからなる外装材で密封することにより、ポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0129】
(実施例3)
<電池の組立>
前述した実施例2で説明したのと同様な非水電解液未含浸の正極及び負極をその間に前述した実施例1で説明したのと同様な非水電解液未含浸のセパレータを介在して平巻き状に捲回した後、厚さが3.5mmになるように平板状に押しつぶした。
【0130】
この発電要素からDBPをメタノールによる溶媒抽出で除去した後、乾燥させた。次いで、前記発電要素を金属缶からなる外装材に収納し、前記組成の非水電解液を注入することにより、ポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0131】
(実施例4)
<接着層形成溶液の調製>
まず、重合度約600と約1100の2種類の酢酸ビニル樹脂を重量比で1:1に混ぜた樹脂をケン化して酢酸ビニル単量体を含むポリビニルアルコールを得た。このビニルアルコールをアルデヒドであるブチルアルデヒドと部分反応させ、ビニルアセタール単量体、ビニルアルコール単量体及び酢酸ビニル単量体を含むポリビニルアセタール樹脂を得た。このポリビニルアセタール樹脂を60重量%と、アセチレンブラック25重量%と、レゾール樹脂(フェノール樹脂架橋剤)15重量%とを水:エタノールの重量比が1:4の混合溶媒中で混合・分散し、接着層形成溶液を調製した。
【0132】
<正極の作製>
アルミニウム製エキスパンドメタルからなる集電体の両面に前記接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は2g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記フェノール樹脂で架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.8μmの接着層を形成した。前記接着層において、架橋したポリビニルアセタール樹脂の含有量は85体積%で、アセチレンブラックの含有量は15体積%であった。
【0133】
前記集電体の前記接着層に前述した実施例1で説明したのと同様な正極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱庄着することにより非水電解液未含浸の正極を作製した。
【0134】
<負極の作製>
銅製パンチドメタルからなる集電体の両面に前記接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は2g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記フェノール樹脂で架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.6μmの接着層を形成した。前記接着層における架橋したポリビニルアセタール樹脂及びアセチレンブラックの含有量は、前述した正極で説明した通りである。
【0135】
前記集電体の前記接着層に前述した実施例1で説明したのと同様な負極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱圧着することにより非水電解液未含浸の負極を作製した。
【0136】
この正極及び負極を用いること以外は、前述した実施例1と同様にしてポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0137】
(実施例5)
<接着層形成溶液の調製>
まず、重合度約600と約1100の2種類の酢酸ビニル樹脂を重量比で1:1に混ぜた樹脂をケン化して酢酸ビニル単量体を含むポリビニルアルコールを得た。このビニルアルコールをアルデヒドであるブチルアルデヒドと部分反応させ、ビニルアセタール単量体、ビニルアルコール単量体及び酢酸ビニル単量体を含むポリビニルアセタール樹脂を得た。このポリビニルアセタール樹脂を50重量%と、アセチレンブラック30重量%と、シュウ酸1重量%と、トリメチロールメラミン(メラミン樹脂架橋剤)19重量%とを水:エタノールの重量比が1:1の混合溶媒中で混合・分散し、接着層形成溶液を調製した。
【0138】
<正極の作製>
アルミニウム製エキスパンドメタルからなる集電体の両面に前記接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は2g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記メラミン樹脂で架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.5μmの接着層を形成した。前記接着層において、架橋したポリビニルアセタール樹脂の含有量は80体積%で、アセチレンブラックの含有量は20体積%であった。
【0139】
前記集電体の前記接着層に前述した実施例1で説明したのと同様な正極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱庄着することにより非水電解液未含浸の正極を作製した。
【0140】
<負極の作製>
銅製パンチドメタルからなる集電体の両面に前記接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は2g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記メラミン樹脂で架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.6μmの接着層を形成した。前記接着層における架橋したポリビニルアセタール樹脂及びアセチレンブラックの含有量は、前述した正極で説明した通りである。
【0141】
前記集電体の前記接着層に前述した実施例1で説明したのと同様な負極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱圧着することにより非水電解液未含浸の負極を作製した。
【0142】
この正極及び負極を用いること以外は、前述した実施例1と同様にしてポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0143】
(実施例6)
<接着層形成溶液の調製>
まず、重合度約600と約1100の2種類の酢酸ビニル樹脂を重量比で1:1に混ぜた樹脂をケン化して酢酸ビニル単量体を含むポリビニルアルコールを得た。このビニルアルコールをアルデヒドであるブチルアルデヒドと部分反応させ、ビニルアセタール単量体、ビニルアルコール単量体及び酢酸ビニル単量体を含むポリビニルアセタール樹脂を得た。このポリビニルアセタール樹脂を60重量%と、アセチレンブラック30重量%と、油化シェルエポキシ(株)製の商品名がエピコート828のエポキシ樹脂と4メチル無水ヘキサヒドロフタル酸の等量物10重量%とをアセトン:エタノールの重量比が5:1の混合溶媒中で混合・分散し、接着層形成溶液を調製した。
【0144】
<正極の作製>
アルミニウム製エキスパンドメタルからなる集電体の両面に前記接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は2g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記エポキシ樹脂で架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.6μmの接着層を形成した。前記接着層において、架橋したポリビニルアセタール樹脂の含有量は80体積%で、アセチレンブラックの含有量は20体積%であった。
【0145】
前記集電体の前記接着層に前述した実施例1で説明したのと同様な正極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱庄着することにより非水電解液未含浸の正極を作製した。
【0146】
<負極の作製>
銅製パンチドメタルからなる集電体の両面に前記接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は2g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記エポキシ樹脂で架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.5μmの接着層を形成した。前記接着層における架橋したポリビニルアセタール樹脂及びアセチレンブラックの含有量は、前述した正極で説明した通りである。
【0147】
前記集電体の前記接着層に前述した実施例1で説明したのと同様な負極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱圧着することにより非水電解液未含浸の負極を作製した。
【0148】
この正極及び負極を用いること以外は、前述した実施例1と同様にしてポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0149】
(実施例7)
<接着層形成溶液の調製>
まず、重合度約600と約1100の2種類の酢酸ビニル樹脂を重量比で1:1に混ぜた樹脂をケン化して酢酸ビニル単量体を含むポリビニルアルコールを得た。このビニルアルコールをアルデヒドであるブチルアルデヒドと部分反応させ、ビニルアセタール単量体、ビニルアルコール単量体及び酢酸ビニル単量体を含むポリビニルアセタール樹脂を得た。このポリビニルアセタール樹脂を70重量%と、アセチレンブラック25重量%と、ジフェニルメタンジイソシアネート(ポリイソシアネート架橋剤)5重量%とをアセトン中で混合・分散し、接着層形成溶液を調製した。
【0150】
<正極の作製>
アルミニウム製エキスパンドメタルからなる集電体の両面に前記接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は2g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記ポリイソシアネートで架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.5μmの接着層を形成した。前記接着層において、架橋したポリビニルアセタール樹脂の含有量は85体積%で、アセチレンブラックの含有量は15体積%であった。
【0151】
前記集電体の前記接着層に前述した実施例1で説明したのと同様な正極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱庄着することにより非水電解液未含浸の正極を作製した。
【0152】
<負極の作製>
銅製パンチドメタルからなる集電体の両面に前記接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は2g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記ポリイソシアネートで架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.5μmの接着層を形成した。前記接着層における架橋したポリビニルアセタール樹脂及びアセチレンブラックの含有量は、前述した正極で説明した通りである。
【0153】
前記集電体の前記接着層に前述した実施例1で説明したのと同様な負極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱圧着することにより非水電解液未含浸の負極を作製した。
【0154】
この正極及び負極を用いること以外は、前述した実施例1と同様にしてポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0155】
(実施例8)
<正極の作製>
厚さが20μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に前述した実施例1で説明したのと同様な接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は8g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記多価アルデヒドで架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.7μmの接着層を形成した。前記接着層における架橋したポリビニルアセタール樹脂及びアセチレンブラックの含有量は、前述した実施例1で説明した通りである。
【0156】
LiCoO2を88重量%と、アセチレンブラックを7重量%と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5重量%とをN−メチルピロリドン(以下、NMPと略記する)に分散させることにより調製した正極活物質ペーストを、前記正極集電体の前記接着層にドクターブレード法で厚さが100μm、幅が150mmとなるよう塗布し、シート化し、150mmの長さに切り出し、正極を作製した。
【0157】
<負極の作製>
厚さが12μmの銅箔からなる集電体の両面に前述した実施例1で説明したのと同様な接着層形成溶液を塗布し(各面の塗布量は8g/m2)、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記多価アルデヒドで架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.7μmの接着層を形成した。前記接着層における架橋したポリビニルアセタール樹脂及びアセチレンブラックの含有量は、前述した実施例1で説明した通りである。
【0158】
メソフェーズビッチ炭素繊維を95重量%と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5重量%をNMPに分散させ調製したペーストを、前記負極集電体の接着層にドクターブレード法で厚さ100μm、幅が150mmとなるように塗布し、シート化し、150mmの長さに切り出し、負極を作製した。
【0159】
<セパレータ>
厚さが25μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータを用意した。
【0160】
<電極群の作製>
前述した実施例2で説明したのと同様なポリビニルアセタール樹脂の1%溶液に負極/セパレータ/正極を渦巻き状に巻いた構造の電極群を浸漬し、十分に溶液を含浸させた後に引き上げ、電極体の外部に付着した余分な溶液を取り除いた。ひきつづき、前記電極群を80℃で真空加熱乾燥してアセタール樹脂を熱架橋しつつ溶媒を除去し、正極とセパレータの境界に架橋したポリビニルアセタール樹脂を点在させて正極とセパレータを接着させると共に、負極とセパレータの境界に架橋したポリビニルアセタール樹脂を点在させて負極とセパレータを接着させた。
【0161】
<電池の組立>
前記電極群を円筒状の金属容器に納め、これにエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートが体積比で1:2の割合で混合された非水溶媒に電解質としてLiPF6をその濃度が1mol/Lになるように溶解させた非水電解液を注入後、封口処理して、リチウムイオン二次電池を製造した。
【0162】
(実施例9)
前述した実施例8と同様な負極及び正極の間に前述した実施例8と同様なセパレータを介在して平巻き状に捲回した後、厚さ3.5mmの平板状に押しつぶした。この電極群に前述した実施例8で説明したのと同様にしてポリビニルアセタール樹脂溶液による処理を行った。この電極群に前述した実施例8と同様な組成の非水電解液を含浸させた後、最外層からポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、アルミニウム箔及び熱融着性樹脂フィルムの順番に積層されたラミネートフィルムからなる外装材で密封することにより、薄型のリチウムイオン二次電池を製造した。
【0163】
(比較例1)
<正極の作製>
アルミニウム製エキスパンドメタルからなる集電体に前述した実施例1で説明したのと同様な正極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱庄着することにより非水電解液未含浸の正極を作製した。
【0164】
<負極の作製>
銅製エキスパンドメタルからなる集電体に前述した実施例1で説明したのと同様な負極シートを積層し、120℃の熱ロールで加熱庄着することにより非水電解液未含浸の負極を作製した。
【0165】
このような正極及び負極を用いること以外は、前述した実施例1と同様にしてポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0166】
(比較例2)
<正極の作製>
前述した実施例8で説明したのと同様な正極活物質ペーストを、厚さが20μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面にドクターブレード法で厚さが100μm、幅が150mmとなるよう塗布し、シート化し、150mmの長さに切り出し、正極を作製した。
【0167】
<負極の作製>
前述した実施例8で説明したのと同様な負極活物質ペーストを、厚さが12μmの銅箔からなる集電体の両面にドクターブレード法で厚さ100μm、幅が150mmとなるように塗布し、シート化し、150mmの長さに切り出し、負極を作製した。
【0168】
このような正極及び負極を用いること以外は、前述した実施例8と同様にしてリチウムイオン二次電池を製造した。
【0169】
(比較例3)
前述した比較例2で説明したのと同様な正極及び負極を用いること以外は、前述した実施例9と同様にして薄型リチウムイオン二次電池を製造した。
【0170】
得られた実施例1〜9及び比較例1〜3の二次電池について、加速劣化試験として45℃の環境下で、1C(電池容量分を1時間で充電)の定電流、4.2Vの定電圧の充電、1C(電池容量分を1時間で放電)の定電流放電の充放電サイクル試験を施し、初期容量と比較した際の3サイクル目の容量維持率と200サイクル目の容量維持率を測定し、その結果を下記表1に示す。
【0171】
【表1】
【0172】
表1から明らかなように、架橋したポリビニルアセタール樹脂を含む正極及び負極を備えた実施例1〜10の二次電池は、前記樹脂を含まない正極及び負極を備えた比較例1〜3の二次電池に比べて、200サイクル目の放電容量維持率が高いことがわかる。
【0173】
(実施例10)
<集電体表面処理>
電気二重層キャパシタの集電体となるアルミニウム箔上に前述した実施例1で説明したのと同様な接着層形成溶液を6g/m2の厚さに塗布し、80℃で乾燥させることにより前記ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単量体間の一部を前記多価アルデヒドで架橋し、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤としてアセチレンブラックを含む厚さが0.5μmの接着層を形成した。前記接着層における架橋したポリビニルアセタール樹脂及びアセチレンブラックの含有量は、前述した実施例1で説明した通りである。
【0174】
<電気二重層キャパシタの作製>
分極性電極材料の微粉砕した活性炭と、VdF−HFPの共重合体をアセトン中で混合し、ペーストを得た。なお、活性炭微粉末、VdF−HFPの共重合体の配合比は、70重量%:30重量%にした。得られたペーストを前記アルミニウム箔の前記接着層上に塗布し、140℃、6kgf/cmでロールプレスして圧着した。
【0175】
破砕状溶融シリカのフィラー中での含有量が25重量%となるように、平均粒径5μmの破砕状溶融シリカと、平均粒径5mμmのコロイダルシリカ、VdF−HFPの共重合体粉末の重量比を1:3:3としてアセトン中で混合しペーストを得た。得られたペーストをPET基材上に塗布し、厚さ20μmの複合セパレータを得た。
【0176】
前記複合セパレータを、前記分極性電極によりサンドイッチ型に挟み込み、130℃に加熱した剛性ロールにて加熱圧着することにより、非水電解液未含浸の電気二重層キャパシタを製造した。
【0177】
得られた非水電解液未含浸の電気二重層キャパシタを、プロピレンカーボーネートにホウフッ化テトラエチルアンモニウムが1mol/Lになるように調製した非水電解液中に60分間浸漬し、熱可塑性樹脂層/アルミ箔/樹脂層からなるアルミラミネートフィルム製の袋に挿入し、端子が袋の外部に突出する状態で加熱することで封口した。
【0178】
得られた電気二重層キャパシタは、2V−1V間の充放電において、活性炭質量単位当たり26F/gの静電容量を得ることができた。また、実施例10の電気二重層キャパシタについて、初期容量と比較した際の100サイクル目の容量維持率と2000サイクル目の容量維持率を測定し、その結果を下記表2に示す。
【0179】
(比較例4)
集電体の表面に接着層を形成しないこと以外は、前述した実施例10で説明したのと同様にして電気二重層キャパシタを作製した。得られた電気二重層キャパシタは、2V−1V間の充放電において、活性炭質量単位当たり25.5F/gの静電容量を得ることができた。また、比較例4の電気二重層キャパシタについて、初期容量と比較した際の100サイクル目の容量維持率と2000サイクル目の容量維持率を測定し、その結果を下記表2に示す。
【0180】
【表2】
【0181】
表2から明らかなように、架橋したポリビニルアセタール樹脂を含む分極性電極を備えた実施例10の電気二重層キャパシタは、架橋したポリビニルアセタール樹脂を含まない分極性電極を備える比較例4の電気二重層キャパシタに比べて、2000サイクル目の放電容量維持率が高いことがわかる。
【0182】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、サイクル特性が向上された電気化学デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のポリマーリチウム二次電池を示す断面図。
【符号の説明】
1…正極、
2…負極、
3…セパレータ、
4…正極集電体、
5…正極層、
6…負極集電体、
7…負極層、
11…外装材。
Claims (2)
- 1対の電極と、この電極間に介装されるセパレータと、前記電極と前記セパレータの界面に存在する非水電解液とを具備する電気化学デバイスにおいて、
前記各電極は、結着機能を有するポリマーまたは結着剤と活物質とを含有する電極層と、前記電極層が担持される集電体とを備え、
前記電極のうち少なくとも一方は、前記電極層と前記集電体の間に、架橋したポリビニルアセタール樹脂及び導電剤を含有する接着層が存在することを特徴とする電気化学デバイス。 - 前記架橋したポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂を、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート及び多価アルデヒドよりなる群から選択される少なくとも一種類を含む架橋剤を用いて架橋させたものであることを特徴とする請求項1記載の電気化学デバイス。
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