JP2002100406A - ポリマーリチウム二次電池及びその製造方法 - Google Patents

ポリマーリチウム二次電池及びその製造方法

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JP2002100406A
JP2002100406A JP2000291045A JP2000291045A JP2002100406A JP 2002100406 A JP2002100406 A JP 2002100406A JP 2000291045 A JP2000291045 A JP 2000291045A JP 2000291045 A JP2000291045 A JP 2000291045A JP 2002100406 A JP2002100406 A JP 2002100406A
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Masahiro Iwahisa
正裕 岩久
Seiji Hibino
聖二 日比野
Koji Kano
幸司 加納
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造時の内部短絡発生率が低く、放電容量及
びサイクル寿命が向上されたポリマーリチウム二次電池
を提供することを目的とする。 【解決手段】 正極と、負極と、前記正極及び前記負極
の間に介在されるセパレータ13と、前記正極、前記負
極及び前記セパレータ13中に含有されると共に前記正
極と前記セパレータ13の境界並びに前記負極と前記セ
パレータ13の境界に点在し、物理架橋型ポリマー及び
化学架橋型ポリマーを含むゲル電解質9とを具備するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーリチウム
二次電池及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の発展に伴い、小型で軽
量、且つエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放電が
可能な電気化学デバイスの開発が要望されている。この
ような電気化学デバイスとしては、リチウムまたはリチ
ウム合金を活物質とする負極と、モリブデン、バナジウ
ム、チタンあるいはニオブなどの酸化物、硫化物もしく
はセレン化合物を活物質として含む正極と、非水電解液
とを具備したリチウム二次電池が知られている。
【0003】また、最近では、負極にリチウムイオンを
吸蔵・放出する炭素質材料(例えば、コークス、黒鉛、
炭素繊維、樹脂焼成体、熱分解気相炭素)を含むものを
用い、かつ正極としてリチウムコバルト酸化物やリチウ
ムマンガン複合酸化物を含むものを用いるリチウム二次
電池の開発、商品化が活発に行われている。
【0004】ところで、二次電池の更なる軽量化及び小
型化を目的として、ポリマーリチウム二次電池が開発さ
れている。このポリマーリチウム二次電池の一例が米国
特許公報第5,296,318号に開示されている。前
記米国特許公報に開示されているポリマーリチウム二次
電池は、活物質、非水電解液及びこの電解液を保持する
ポリマーを含む正極層が集電体に担持された構造の正極
と、リチウムを吸蔵・放出する炭素質材料、非水電解液
及びこの電解液を保持するポリマーを含む負極層が集電
体に担持された構造の負極と、前記正負極の間に配置さ
れ、非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含
むゲル状固体電解質とを備えるものである。このような
ポリマーリチウム二次電池は、非水電解液がポリマーに
保持されていることから実質的に液体成分を含まず、か
つ正負極とセパレータが一体化されているため、外装体
としてラミネートフィルムのような簡易なものを用いる
ことができる。このため、前記二次電池は、薄型、軽量
で、かつ安全性に優れるという特長を有する。
【0005】また、特開平11−67273号の公開公
報には、多孔質膜からなるセパレータの孔内及び表面に
ゲル状の電解液を含有させたリチウム二次電池が開示さ
れている。このゲル状の電解液は、電解液含浸型高分子
電解質であり、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル
酸メチル、ポリビニレンカーボネート及びポリエチレン
オキサイドのうちの少なくとも1種類の高分子化合物を
含有する。
【0006】しかしながら、前記高分子化合物を含有す
るゲル状電解液を備えたリチウム二次電池は、時間の経
過あるいは温度上昇によりゲルの架橋点の緩和が生じる
ため、ゲル電解液の強度低下による内部短絡や、液状化
したゲル電解液の漏洩という問題点を有する。
【0007】一方、特開平11−86630号の公開公
報には、架橋したポリマーに、非水電解液で膨潤したポ
リフッ化ビニリデンまたはそのコポリマーを保持させて
固体状に形成したゲル電解質が開示されている。架橋し
たポリマーは、2官能以上のアクリロイル基を有する放
射線重合性のモノマーを重合させて形成されるか、もし
くはポリエーテル主鎖を有する多官能アクリレートを架
橋して形成されることが記載されている。
【0008】この架橋したポリマーは、化学的な結合で
架橋されているため、架橋強度が強く、このようなポリ
マーを含むゲル電解質は、強度及び電解液の保持性に優
れる反面、正極及び負極との密着性に劣り、正負極のよ
うな電極と電解質との界面抵抗が上昇するため、充放電
容量の低下を招く。そのうえ、電池形状の自由化という
ポリマーリチウム二次電池の利点が損なわれる。
【0009】また、特開2000−11757号の公開
公報には、リチウムイオンを含有する電解質(a)、ポ
リエチレングリコール系またはポリアクリロニトリル系
重合体(b)並びに電解質及び重合体を含有する有機溶
媒(c)からなる電解質含有重合体溶液と、単量体は前
記有機溶媒(c)に溶解するが重合体は前記有機溶媒
(c)に不溶である架橋重合体(d)が分子レベルで混
合されてなり、20℃におけるイオン伝導度が1.5×
10-3S/cm以上であるイオン伝導性ゲルが開示され
ている。
【0010】しかしながら、このようなイオン伝導性ゲ
ルが正極と負極の間に介在された電極群を備えたリチウ
ム二次電池において、電池のエネルギー密度を高くする
ためにイオン伝導性ゲルの厚さを薄くすると、電池製造
時に正負極間の短絡が生じやすくなる。また、負極表面
にリチウムデンドライトが析出しやすくなるため、負極
のリチウム吸蔵量が低下して二次電池の放電容量が低く
なると共に、充放電中の内部短絡発生率が高くなって二
次電池のサイクル寿命が低下する。
【0011】さらに、特開2000−164033号の
公開公報には、ポリアクリロニトリルと、化学結合によ
る三次元網目構造を有する高分子化合物と、電解質塩
と、この電解質塩を溶解する溶媒とを含む電解質を備え
た電池が開示されている。この公開公報には、正極と負
極の間にセパレータを配置し、正極とセパレータの間並
びに負極とセパレータの間に前記電解質を介在させる
か、もしくは正極と負極の間に直接前記電解質を介在さ
せると記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、正負極
とセパレータの間に電解質を介在させると、二次電池の
内部抵抗が高くなるため、サイクル寿命が低下する。ま
た、セパレータと電解質の厚さ分、電池の厚さが増加す
るため、電池のエネルギー密度の低下をもたらす。一
方、正極と負極の間に直接電解質を介在させると、製造
時の内部短絡や、リチウムデンドライトの析出による放
電容量とサイクル寿命の低下を招く。
【0013】本発明は、製造時の内部短絡発生率が低
く、放電容量及びサイクル寿命が向上されたポリマーリ
チウム二次電池及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係るポリマーリ
チウム二次電池は、正極と、負極と、前記正極及び前記
負極の間に介在されるセパレータと、前記正極、前記負
極及び前記セパレータ中に含有されると共に前記正極と
前記セパレータの境界並びに前記負極と前記セパレータ
の境界に点在し、物理架橋型ポリマー及び化学架橋型ポ
リマーを含むゲル電解質とを具備することを特徴とする
ものである。
【0015】また、本発明に係るポリマーリチウム二次
電池は、正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に
介在されるセパレータと、前記正極、前記負極及び前記
セパレータに含有されると共に前記正極と前記セパレー
タの境界並びに前記負極と前記セパレータの境界に点在
し、γ−ブチロラクトン及びプロピレンカーボネートの
うちの少なくとも一方を含む非水溶媒と物理架橋型ポリ
マーと化学架橋型ポリマーとを含むゲル電解質とを具備
することを特徴とするものである。
【0016】本発明に係るポリマーリチウム二次電池の
製造方法は、正極と負極の間にセパレータを介在させて
電極群を作製する工程と、物理架橋型ポリマー及び1分
子中に重合可能な官能基を2つ以上有するモノマーを含
有する液状のゲル電解質前駆体を前記電極群に含浸させ
る工程と、前記ゲル電解質前駆体をゲル化させる工程と
を具備することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係るポリマーリチウム二
次電池は、正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間
に介在されるセパレータと、前記正極、前記負極及び前
記セパレータの空隙に保持されると共に前記正極と前記
セパレータの境界並びに前記負極と前記セパレータの境
界に点在し、物理架橋型ポリマー及び化学架橋型ポリマ
ーを含むゲル電解質とを具備する発電要素並びに前記発
電要素が収納される外装体を備える。
【0018】以下、正極、負極、セパレータ、ゲル電解
質及び外装体について説明する。
【0019】1)正極 この正極は、活物質を含む正極層と、前記正極層が担持
される正極集電体とを有する。
【0020】この正極は、例えば、以下に説明する方法
で作製される。活物質、結着剤及び導電性材料をアセト
ンなどの有機溶媒中で混合して調製されたペーストを成
膜することにより正極シートを作製する。得られた正極
シートを集電体に積層し、加熱加圧を施すことにより前
記正極を得る。また、前記ペーストを集電体に塗布した
後、乾燥させ、加熱加圧を施すことによって前記正極を
作製しても良い。
【0021】前記正極活物質としては、種々の酸化物
(例えばLiMn2 4 などのリチウムマンガン複合酸
化物、二酸化マンガン、例えばLiNiO2 などのリチ
ウム含有ニッケル酸化物、例えばLiCoO2 などのリ
チウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバ
ルト酸化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムな
ど)や、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二
硫化モリブテンなど)等を挙げることができる。中で
も、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバル
ト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物を用いるのが好
ましい。
【0022】前記結着剤としては、例えば、ポリビニリ
デンフルオライド共重合体、スチレン・ブタジエン共重
合体、カルボキシメチルセルロース及びその誘導体等を
挙げることができる。前記結着剤は、非水電解液を保持
する機能を有することが好ましい。前記結着剤の中で
も、ポリビニリデンフルオライド共重合体(VdF―H
FP共重合体)が好ましい。
【0023】前記導電性材料としては、例えば、人造黒
鉛、カーボンブラック(例えばアセチレンブラックな
ど)、ニッケル粉末等を挙げることができる。
【0024】前記集電体としては、例えば、メッシュ、
エキスパンドメタル、パンチドメタル等の多孔質構造を
有するものか、あるいは金属板(例えば、金属箔)を用
いることができる。また、前記集電体は、アルミニウム
またはアルミニウム合金から形成されていることが好ま
しい。
【0025】2)負極 この負極は、活物質を含む負極層と、前記負極層が担持
される負極集電体とを有する。
【0026】この負極は、例えば、以下に説明する方法
で作製される。活物質及び結着剤をアセトンなどの有機
溶媒中で混合して調製されたペーストを成膜することに
より負極シートを作製する。得られた負極シートを集電
体に積層し、加熱加圧を施すことにより前記負極を作製
する。また、前記ペーストを集電体に塗布した後、乾燥
させ、加熱加圧を施すことによって前記負極を作製して
も良い。
【0027】前記負極活物質としては、リチウムイオン
を吸蔵・放出する炭素質材料を挙げることができる。か
かる炭素質材料としては、例えば、有機高分子化合物
(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セ
ルロース等)を焼成することにより得られるもの、コー
クスや、メソフェーズピッチを焼成することにより得ら
れるもの、人造グラファイト、天然グラファイト等に代
表される炭素質材料を挙げることができる。中でも、ア
ルゴンガスや窒素ガスのような不活性ガス雰囲気におい
て、500℃〜3000℃の温度で、常圧または減圧下
にて前記メソフェーズピッチを焼成して得られる炭素質
材料を用いるのが好ましい。
【0028】前記結着剤としては、前述した正極で説明
したものと同様なものが用いられる。前記結着剤の中で
も、ポリビニリデンフルオライド共重合体(VdF―H
FP共重合体)が好ましい。
【0029】なお、前記負極層は、人造グラファイト、
天然グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラ
ック、ケッチェンブラック、ニッケル粉末、ポリフェニ
レン誘導体の導電性材料、オレフィン系ポリマーや炭素
繊維等のフィラーを含むことを許容する。
【0030】前記集電体としては、例えば、メッシュ、
エキスパンドメタル、パンチドメタル等の多孔質構造を
有するものか、あるいは金属板(例えば、金属箔)を用
いることができる。また、前記集電体は、銅または銅合
金から形成されていることが好ましい。
【0031】3)セパレータ セパレータには、例えば、絶縁性の多孔質シートを使用
することができる。多孔質シートとしては、例えば、織
布、不織布、マイクロポーラスフィルム等を挙げること
ができる。多孔質シートを構成する絶縁材料には、例え
ば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなど)のような耐非水電解液性を有するものが望
ましい。前記多孔質シートは、1種類の絶縁材料から形
成されていても、あるいは2種類以上の絶縁材料から形
成されていても良い。
【0032】4)ゲル電解質 このゲル電解質は、リチウム塩のような電解質と、前記
電解質が溶解される非水溶媒と、物理架橋型ポリマー
と、化学架橋型ポリマーとを含む。前記ゲル電解質は、
前記正極、前記負極及び前記セパレータの空隙に保持さ
れると共に、前記正極と前記セパレータの境界並びに前
記負極と前記セパレータの境界に点在する。
【0033】前記リチウム塩としては、例えば、過塩素
酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6 )、ホウ四フッ化リチウム(LiB
4 )、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリ
フルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3
3 )等を挙げることができる。
【0034】前記非水溶媒としては、例えば、エチレン
カーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(P
C)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボ
ネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、
エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラク
トン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,
2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、
ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2
−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。
前記非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して
使用してもよい。中でも、γ−ブチロラクトン及びプロ
ピレンカーボネートのうちの少なくとも一方を含む非水
溶媒が好ましい。このような非水溶媒を含むゲル電解質
は、低温における電池特性をさらに向上することがで
き、γ−ブチロラクトン及びプロピレンカーボネートが
高沸点の溶媒であることから溶媒の気化に伴う電池の膨
れを抑制することができ、さらに電池の内部抵抗の上昇
抑制とサイクル特性の向上を達成することができる。
【0035】前記リチウム塩の前記非水溶媒に対する溶
解量は、0.2mol/L〜2mol/Lとすることが
望ましい。
【0036】物理架橋型ポリマーとは、ポリマー分子同
士が化学的な結合によらずに架橋し得るポリマーを意味
する。化学的な結合によらない架橋とは、例えば、ポリ
マー分子同士の絡まり合いによる架橋などが挙げられ
る。物理架橋型ポリマーは、非水溶媒に溶解可能である
ことが望ましい。物理架橋型ポリマーとしては、ポリア
クリロニトリル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピ
レンオキサイド、アクリロニトリルモノマーを含むポリ
マー、エチレンオキサイドモノマーを含むポリマー等を
挙げることができる。アクリロニトリルモノマーを含む
ポリマーとしては、例えば、ポリアクリロニトリル−メ
チルアクリレート共重合体やポリアクリロニトリル−ビ
ニルアセテート共重合体のようなコポリマー等を挙げる
ことができる。アクリロニトリルモノマーを含むポリマ
ーにおけるアクリロニトリルモノマーの重合比率は50
%以上であることが望ましい。一方、エチレンオキサイ
ドモノマーを含むポリマーにおけるエチレンオキサイド
モノマーの重合比率は50%以上であることが望まし
い。物理架橋型ポリマーとしては、中でも、ポリアクリ
ロニトリル−メチルアクリレート共重合体、ポリアクリ
ロニトリル−ビニルアセテート共重合体が好ましい。
【0037】化学架橋型ポリマーとしては、1分子中に
重合可能な官能基を2つ以上有するモノマーを重合させ
て形成したポリマーを挙げることができる。1分子中の
重合可能な官能基数は、3以上であることがより好まし
い。重合可能な官能基のうち好ましいのは、アクリロイ
ル基及びアリル基である。1分子中に重合可能な官能基
を2つ以上有するモノマーとしては、例えば、エチレン
グリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート
等を挙げることができる。
【0038】ゲル電解質中の化学架橋型ポリマーの含有
量は、3〜10質量%の範囲内にすることが好ましい。
さらに好ましい含有量は、3〜5質量%の範囲内であ
る。これにより、電池の内部抵抗の上昇を最小限に抑え
つつ、ゲルの形態安定性をより高くすることができる。
【0039】5)外装体 この外装体は、例えば、水分に対してバリア機能を有す
るフィルム、金属等から形成することができる。本発明
に係るポリマーリチウム二次電池は、実質的に液体成分
を含まないため、フィルム製の外装体を使用することが
でき、電池の薄型化及び軽量化を図ることができる。か
かるフィルムとしては、例えば、少なくとも封止部に熱
融着性樹脂が配され、かつ内部にアルミニウム(Al)
のような金属薄膜を介在させたラミネートフィルム等を
挙げることができる。具体的には、封止部側から外面に
向けて積層した酸変性ポリプロピレン(PP)/ポリエ
チレンテレフタレート(PET)/Al箔/PETのラ
ミネートフィルム;酸変性PE/ナイロン/Al箔/P
ETのラミネートフィルム;アイオノマー/Ni箔/P
E/PETのラミネートフィルム;エチレンビニルアセ
テート(EVA)/PE/Al箔/PETのラミネート
フィルム;アイオノマー/PET/Al箔/PETのラ
ミネートフィルム等を用いることができる。ここで、封
止部側の酸変性PE、酸変性PP、アイオノマー、EV
A以外のフィルムは防湿性、耐通気性、耐薬品性を担っ
ている。
【0040】本発明に係るポリマーリチウム二次電池
は、例えば、以下に説明する方法で製造することができ
る。
【0041】まず、正極と負極の間にセパレータを介在
させて電極群を作製する。一方、リチウム塩のような電
解質と、前記電解質が溶解される非水溶媒と、物理架橋
型ポリマーと、1分子中に重合可能な官能基を2つ以上
有するモノマーとを含有する液体状組成物からなるゲル
電解質前駆体を用意する。前記電極群を外装体内に収納
した後、ゲル電解質前駆体を注入し、ゲル電解質前駆体
を前記電極群に含浸させる。ひきつづき、前記外装体を
密封した後、加熱または電子線照射によりモノマーを重
合させると共に物理架橋型ポリマーを架橋させてゲル電
解質前駆体をゲル化させ、本発明に係るポリマーリチウ
ム二次電池を得る。
【0042】前記物理架橋型ポリマーの重量平均分子量
は、1000〜10万の範囲内にすることが好ましい。
これは次のような理由によるものである。重量平均分子
量を1000未満にすると、ゲル電解質前駆体のゲル化
が困難になったり、あるいはゲル電解質の形態安定性が
低下する恐れがある。一方、重量平均分子量が10万を
超えると、ゲル電解質前駆体の粘度が高くなって電極群
にゲル電解質前駆体を均一に含浸させることが困難にな
るため、高い放電容量と長寿命を得られなくなる恐れが
ある。
【0043】前記ゲル電解質前駆体中における1分子中
に重合可能な官能基を2つ以上有するモノマーの含有量
は、3〜10質量%の範囲内にすることが好ましい。さ
らに好ましい含有量は、3〜5質量%の範囲内である。
これにより、電池の内部抵抗の上昇を最小限に抑えつ
つ、ゲルの形態安定性をより高くすることができる。
【0044】前記ゲル電解質前駆体には、架橋剤及び重
合開始剤を添加することができる。
【0045】ゲル化の際の熱処理温度は、40〜100
℃の範囲内にすることが好ましい。これは次のような理
由によるものである。熱処理温度を40℃未満にする
と、ゲル電解質前駆体のゲル化が困難になる恐れがあ
る。一方、熱処理温度が100℃を超えると、正極、負
極及びセパレータのような電池構成要素に悪影響を及ぼ
す可能性がある。
【0046】以上説明した本発明に係るポリマーリチウ
ム二次電池は、正極と、負極と、前記正極及び前記負極
の間に介在されるセパレータと、前記正極、前記負極及
び前記セパレータ中に含有されると共に前記正極と前記
セパレータの境界並びに前記負極と前記セパレータの境
界に点在し、物理架橋型ポリマー及び化学架橋型ポリマ
ーを含むゲル電解質とを具備する。
【0047】このような二次電池によれば、正極、負極
及びセパレータ中のゲル電解質の分布が前述したような
特定の形態を持ち、かつ正極、負極並びにセパレータと
ゲル電解質との密着性を向上することができるため、充
放電サイクルの進行によってセパレータから正極及び負
極が剥離するのを抑制することができる。また、正極と
セパレータの境界並びに負極とセパレータの境界、これ
らの境界にゲル電解質が点在しているため、正極とセパ
レータの界面抵抗及び負極とセパレータの界面抵抗を低
くすることができる。その結果、放電容量を向上するこ
とができ、かつ充放電サイクルの進行に伴う内部抵抗の
上昇を抑制して充放電サイクル寿命を向上することがで
きる。
【0048】また、本発明に係る二次電池によれば、高
温環境下での使用や電池温度が上昇した際にゲル電解質
が液状化するのを防止することができる。さらに、正極
と負極の間にセパレータが介在されているため、製造時
の内部短絡を回避することができると共に、リチウムデ
ンドライトの析出を防止することができる。
【0049】本発明に係るポリマーリチウム二次電池の
製造方法は、正極と負極の間にセパレータを介在させて
電極群を作製する工程と、物理架橋型ポリマー及び1分
子中に重合可能な官能基を2つ以上有するモノマーを含
有する液状のゲル電解質前駆体を前記電極群に含浸させ
る工程と、前記ゲル電解質前駆体をゲル化させる工程と
を具備する。
【0050】このような製造方法によれば、正極とセパ
レータの境界並びに負極とセパレータの境界、これらの
境界全体にゲル電解質前駆体が浸透するのを回避しつ
つ、電極群の表面と電極群の空隙にゲル電解質前駆体を
保持させることができるため、二次電池の内部抵抗を最
小限に抑えつつ、正極とセパレータの密着強度及び負極
とセパレータの密着強度を向上することができる。従っ
て、放電容量が向上され、充放電サイクルの進行に伴う
内部抵抗の上昇が抑制され、かつサイクル寿命が改善さ
れたポリマーリチウム二次電池を実現することができ
る。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0052】図1は本発明に係るポリマーリチウム二次
電池に組み込まれる電極群を示す斜視図、図2は本発明
に係るポリマーリチウム二次電池の製造方法におけるゲ
ル電解質前駆体の注入工程を説明するための断面図、図
3は本発明に係るポリマーリチウム二次電池を示す平面
図、図4は本発明に係るポリマーリチウム二次電池にお
ける正極、セパレータ並びに負極との接合状態を示す模
式図である。
【0053】(実施例1) (正極作製)LiMn24で表わされるリチウムマンガ
ン複合酸化物78質量%と、カーボンブラックを5質量
%と、非水電解液を保持する機能を有する結着剤として
VdF−HFP共重合体粉末を17質量%とをアセトン
中で混合することによりペーストを調製した。得られた
ペーストをPETフィルム上に塗布し、正極層を作製し
た。得られた正極層をアルミニウム製エキスパンドメタ
ルからなる集電体の両面に配置し、熱ロールでプレスす
ることにより正極層を集電体に融着させた後、裁断する
ことにより厚さが130μmの正極を作製した。
【0054】(負極作製)メソフェーズピッチ炭素繊維
を83質量%と、非水電解液を保持する機能を有する結
着剤としてVdF−HFP共重合体粉末を17質量%と
をアセトン中で混合することによりペーストを調製し
た。得られたペーストをPETフィルム上に塗布し、負
極層を作製した。得られた負極層を銅製エキスパンドメ
タルからなる集電体の両面に配置し、熱ロールでプレス
することにより負極層を集電体に融着させた後、裁断す
ることにより厚さが150μmの負極を作製した。
【0055】(ゲル電解質前駆体の調製)エチレンカー
ボネート及びγ−ブチロラクトンを体積比1:2の割合
で混合した非水溶媒に、電解質としてのLiBF4をそ
の濃度が1mol/Lになるように溶解させ、非水電解
液を調製した。この非水電解液中に、物理架橋型ポリマ
ーとしてポリアクリロニトリル−メチルアクリレート共
重合体(重量平均分子量が50000)を5質量%と、
化学架橋型ポリマーの前駆体としてトリエチレングリコ
ールジメタクリレートを5質量%と、重合開始剤として
過酸化物系重合開始剤を0.25質量%とを添加し、混
合することにより液体状のゲル電解質前駆体を調製し
た。
【0056】(電池の組立)得られた正極を1枚、負極
を1枚及びセパレータとして厚さが30μmで、空孔率
が50%のポリエチレン製微孔フィルムを1枚用意し、
負極を包み込むようにセパレータを配置し、次いで正極
と積層した後、コイル状に捲回し、130℃に加熱した
剛性ロールで加熱加圧を施すことにより融着させた後、
正極リード1及び負極リード2を接続することにより、
図1に示す構造を有し、ゲル電解質未保持の発電要素3
を得た。
【0057】最外層からポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム、アルミニウム箔及び熱融着性樹脂
フィルムの順番に積層されたラミネートフィルムを二つ
に折り、二辺をヒートシールすることにより袋状に加工
し、外装体4を得た。この外装体4内に、図2に示すよ
うに、前記発電要素3を収納した。ひきつづき、前記外
装体4の開口部から前述したゲル電解質前駆体を注入
し、前記発電要素に前記ゲル電解質前駆体を含浸させ
た。次いで、前記外装体4の開口部を正極リード1及び
負極リード2を前記外装体4の外に延出させた状態でヒ
ートシールにより密封した。これを80℃で1時間加温
した後、室温で冷却することによりゲル電解質前駆体を
ゲル化させ、図3及び図4に示す構造を有し、容量が5
20mAhのポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0058】すなわち、ポリマーリチウム二次電池は、
正極と負極がセパレータを介して渦巻き状に捲回された
発電要素と、前記正極と電気的に接続される正極リード
1と、前記負極と電気的に接続される負極リード2とを
備える。前記発電要素は、ラミネートフィルムを袋状に
加工したものからなる外装体4内に収納されている。外
装体4におけるヒートシール部の境界線を点線で示す。
正極は、多孔質集電体5に、活物質粒子6、導電性材料
7及び結着剤(図示しない)を含む正極層8が担持され
たものであり、正極層8の空隙にゲル状電解質9が保持
されている。一方、負極は、多孔質集電体10に、炭素
繊維11及び結着剤(図示しない)を含む負極層12が
担持されたものであり、負極層12の空隙にゲル状電解
質9が保持されている。また、前記ゲル状電解質9は、
多孔質セパレータ13の空隙にも保持されると共に、発
電要素の最外周を被覆している。正極、負極及びセパレ
ータの空隙にゲル状電解質9が保持されているため、正
極層8とセパレータ13の境界並びに負極層12とセパ
レータ13の境界にはゲル状電解質9が点在することと
なる。
【0059】(実施例2)物理架橋型ポリマーをポリエ
チレンオキサイド(重量平均分子量が50000)とす
ること以外は、前述した実施例1と同様にしてポリマー
リチウム二次電池を製造した。
【0060】(実施例3)化学架橋型ポリマーの前駆体
の配合量を2質量%にすること以外は、前述した実施例
1と同様にしてポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0061】(実施例4)化学架橋型ポリマーの前駆体
の配合量を12質量%にすること以外は、前述した実施
例1と同様にしてポリマーリチウム二次電池を製造し
た。
【0062】(実施例5)ゲル化のための熱処理条件を
120℃、30分とすること以外は、前述した実施例1
と同様にしてポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0063】(実施例6)ゲル化のための熱処理条件を
35℃、120分とすること以外は、前述した実施例1
と同様にしてポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0064】(実施例7)非水電解液の非水溶媒とし
て、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートが
体積比で1:2の割合で混合された混合溶媒を用いるこ
と以外は、前述した実施例1と同様にしてポリマーリチ
ウム二次電池を製造した。
【0065】(実施例8)非水電解液の非水溶媒とし
て、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートが体
積比で1:2の割合で混合された混合溶媒を用いること
以外は、前述した実施例1と同様にしてポリマーリチウ
ム二次電池を製造した。
【0066】(実施例9)化学架橋型ポリマーの前駆体
として、3官能性末端アクリロイル変性アルキレンオキ
シド変性体を用いること以外は、前述した実施例1と同
様にしてポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0067】(比較例1) <ゲル電解質前駆体の調製>前述した実施例1で説明し
たのと同様な非水電解液中に物理架橋型ポリマーとして
ポリアクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体
(重量平均分子量が50000)を10質量%添加し、
ゲル電解質前駆体を調製した。
【0068】<電池の組立て>このようなゲル電解質前
駆体を用いること以外は、前述した実施例1と同様にし
てポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0069】(比較例2) <ゲル電解質前駆体の調製>前述した実施例1で説明し
たのと同様な非水電解液中に化学架橋型ポリマー前駆体
としてトリエチレングリコールジメタクリレートを10
質量%と重合開始剤として過酸化物系重合開始剤を0.
25質量%とを添加し、ゲル電解質前駆体を調製した。
【0070】<電池の組立て>このようなゲル電解質前
駆体を用いること以外は、前述した実施例1と同様にし
てポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0071】(比較例3)実施例1で説明したのと同様
なゲル電解質前駆体を、厚さが30μmになるようにド
クターブレードを用いて実施例1で説明したのと同様な
正極及び負極の表面に塗布した後、80℃で1時間加温
することにより、正極及び負極上にゲル電解質層を形成
した。このような正極及び負極をコイル状に捲回し、剛
性ロールで加熱加圧を施すことにより熱融着させた後、
正負極リードを接続することにより発電要素を作製し
た。
【0072】前述した実施例1で説明したのと同様な外
装体内に前記発電要素を収納し、前記外装体の開口部を
正極リード及び負極リードを前記外装体の外に延出させ
た状態でヒートシールにより密封し、容量が520mA
hのポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0073】(比較例4)実施例1で説明したのと同様
なゲル電解質前駆体を、厚さが15μmになるようにド
クターブレードを用いて実施例1で説明したのと同様な
セパレータの両面に塗布した後、80℃で1時間加温す
ることにより、セパレータ上にゲル電解質層を形成し
た。このようなセパレータを実施例1で説明したのと同
様に負極を包み込むように配置し、次いで正極を積層し
た後、コイル状に捲回し、剛性ロールで加熱加圧を施す
ことにより熱融着させた後、正負極リードを接続するこ
とにより発電要素を作製した。
【0074】前述した実施例1で説明したのと同様な外
装体内に前記発電要素を収納し、前記外装体の開口部を
正極リード及び負極リードを前記外装体の外に延出させ
た状態でヒートシールにより密封し、容量が520mA
hのポリマーリチウム二次電池を製造した。
【0075】得られた実施例1〜9及び比較例1〜4の
二次電池について、100個製造した際に電池製造工程
で内部短絡を生じた個数を測定し、その結果を下記表1
に示す。
【0076】また、実施例1〜9及び比較例1〜4の二
次電池について、1.0Cで4.2Vまで充電した後、
1.0Cで3.0Vまで放電する充放電サイクル試験を
行い、100サイクル目及び300サイクル目の抵抗値
を測定し、その結果を下記表1に示す。さらに、1サイ
クル目の放電容量を100として100サイクル目及び
300サイクル目のの容量維持率を比較し、その結果を
下記表1に示す。但し、このサイクル試験には、製造時
に内部短絡を生じたものを使用しなかった。
【0077】
【表1】 表1から明らかなように、物理架橋型ポリマー及び化学
架橋型ポリマーの混合物を含むゲル電解質が正極、負極
及びセパレータにそれぞれ含有され、かつ正極とセパレ
ータの境界並びに負極とセパレータの境界に前記ゲル電
解質が点在している実施例1〜9の二次電池は、内部短
絡発生数が皆無で、100サイクル後及び300サイク
ル後の内部抵抗が低く、かつ100サイクル後及び30
0サイクル後の容量維持率が高いことがわかる。
【0078】これに対し、物理架橋型ポリマーのみをゲ
ル化剤として含む比較例1の二次電池と、化学架橋型ポ
リマーのみをゲル化剤として含む比較例2の二次電池
は、実施例1〜9に比べて内部抵抗が高く、かつ容量維
持率が低いことがわかる。また、正極及び負極の間にゲ
ル電解質層を介在させた比較例3の二次電池は、内部抵
抗を低くできるものの、実施例1〜9に比べて内部短絡
発生数が多く、かつ容量維持率が低いことがわかる。一
方、正極とセパレータの間並びに負極とセパレータの間
にゲル電解質層を介在させた比較例4の二次電池は、実
施例1〜9に比べて内部抵抗が高く、かつ容量維持率が
低いことがわかる。
【0079】なお、前述した実施例では、正極及び負極
をその間にセパレータを介在して渦巻き状に捲回した
後、加圧により偏平状に成形した構造の発電要素に適用
した例を説明したが、正極及び負極をその間にセパレー
タを介在させて折り曲げることにより得られる偏平形状
の発電要素や、正極と負極をセパレータを介在させて積
層した構造の発電要素にも同様に適用することができ
る。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、内
部短絡が少なく、充放電サイクルの進行に伴う内部抵抗
の上昇が抑制され、かつ充放電サイクル寿命が長いポリ
マーリチウム二次電池及びその製造方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリマーリチウム二次電池に組み
込まれる電極群を示す斜視図。
【図2】に係るポリマーリチウム二次電池の製造方法に
おけるゲル電解質前駆体の注入工程を説明するための断
面図。
【図3】本発明に係るポリマーリチウム二次電池を示す
平面図。
【図4】本発明に係るポリマーリチウム二次電池におけ
る正極、セパレータ並びに負極との接合状態を示す模式
図。
【符号の説明】
1…正極リード、 2…負極リード、 4…外装体、 5…正極集電体、 6…活物質粒子、 7…導電性材料、 8…正極層、 9…ゲル電解質、 10…負極集電体、 11…炭素繊維、 12…負極層、 13…セパレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加納 幸司 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H021 EE15 EE33 HH10 5H029 AJ05 AK03 AL06 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ04 CJ11 CJ23 EJ12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と、負極と、前記正極及び前記負極
    の間に介在されるセパレータと、前記正極、前記負極及
    び前記セパレータ中に含有されると共に前記正極と前記
    セパレータの境界並びに前記負極と前記セパレータの境
    界に点在し、物理架橋型ポリマー及び化学架橋型ポリマ
    ーを含むゲル電解質とを具備することを特徴とするポリ
    マーリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 正極と、 負極と、 前記正極及び前記負極の間に介在されるセパレータと、 前記正極、前記負極及び前記セパレータに含有されると
    共に前記正極と前記セパレータの境界並びに前記負極と
    前記セパレータの境界に点在し、γ−ブチロラクトン及
    びプロピレンカーボネートのうちの少なくとも一方を含
    む非水溶媒と物理架橋型ポリマーと化学架橋型ポリマー
    とを含むゲル電解質とを具備することを特徴とするポリ
    マーリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 正極と負極の間にセパレータを介在させ
    て電極群を作製する工程と、 物理架橋型ポリマー及び1分子中に重合可能な官能基を
    2つ以上有するモノマーを含有する液状のゲル電解質前
    駆体を前記電極群に含浸させる工程と、 前記ゲル電解質前駆体をゲル化させる工程とを具備する
    ことを特徴とするポリマーリチウム二次電池の製造方
    法。
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