JP2000238441A - 熱転写フィルム - Google Patents

熱転写フィルム

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JP2000238441A
JP2000238441A JP11040285A JP4028599A JP2000238441A JP 2000238441 A JP2000238441 A JP 2000238441A JP 11040285 A JP11040285 A JP 11040285A JP 4028599 A JP4028599 A JP 4028599A JP 2000238441 A JP2000238441 A JP 2000238441A
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Naoko Kitaura
直子 北浦
Masanobu Hida
正信 肥田
Akihiko Konno
昭彦 今野
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染料層の溶融や剥離、バックコート層の溶融
や剥離等を防止する。 【解決手段】 基材と、上記基材の一方の面上に形成さ
れた第1の接着層と、上記第1の接着層上に形成された
染料層と、上記基材の他方の面上に形成された第2の接
着層と、上記第2の接着層上に形成されたバックコート
層とを備える。そして、本発明の熱転写フィルムは、上
記第1の接着層と上記第2の接着層との少なくとも一方
にアルミニウムキレート化合物が添加されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基材シートの一方、
又は両面に接着層を有する熱転写フィルムに関し、基材
シートとインク層、又は基材シートとバックコート層と
の接着性を向上させることにより、熱転写受容紙との印
画時(特に中高濃度パターン印画時)に、サーマルヘッ
ドからの加熱によって起こるインク層の溶融や剥離、バ
ックコート層の溶融や剥離等を防止できる優れた熱転写
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラーで連続的な階調表現が
可能である熱転写記録方式が、ビデオ画像信号やデジタ
ル画像をハードコピーする技術として注目されている。
【0003】この熱転写記録方法においては、通常、例
えば、ポリエステル等のプラスチック基材上に、昇華性
染料又は熱拡散性染料がバインダー樹脂に分散してなる
染料層が形成された熱転写フィルムと、染料受容性樹脂
からなる染料受容層が基材上に形成されてなる印画紙と
を使用して、画像形成が行われている。
【0004】そして、その画像形成においては、熱転写
フィルムの熱転写染料層を印画紙の染料受容層に重ね合
わせ、熱転写フィルムの熱転写染料層とは反対側からサ
ーマルヘッドにより熱転写フィルムを加熱し、熱転写染
料層中の染料を印画紙の染料受容層に移行させることに
より行われる。
【0005】このとき、熱転写フィルムのサーマルヘッ
ドと接触する側の面には、低濃度印画から高濃度印画ま
で安定して低摩擦であることが要求され、一般に、熱転
写フィルムがサーマルヘッドに融着することを防止し、
スムーズな走行性を付与するために、熱転写染料層が形
成される面とは反対側の面にバックコート層が設けられ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱転写フィルムでは、印画時に、サーマルヘッドからの
熱によって、染料層が溶融又は剥離してしまったり、バ
ックコート層が剥離してしまうこと等が問題となってい
る。染料層が溶融又は剥離すると、染料層が印画紙と融
着を起こして、安定な印画が行えない。また、バックコ
ート層が剥離すると、熱転写フィルムの走行性が低下し
てしまう。
【0007】このような、染料層の溶融又は剥離、バッ
クコート層の剥離は、中高濃度パターン等の印画時に特
に多く発生し、解決が望まれていた。
【0008】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、染料層の溶融や剥離、バックコ
ート層の溶融や剥離等を防止した熱転写フィルムを提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の熱転写フィルム
は、基材と、上記基材の一方の面上に形成された第1の
接着層と、上記第1の接着層上に形成された染料層と、
上記基材の他方の面上に形成された第2の接着層と、上
記第2の接着層上に形成されたバックコート層とを備え
る。そして、本発明の熱転写フィルムは、上記第1の接
着層と上記第2の接着層との少なくとも一方にアルミニ
ウムキレート化合物が添加されていることを特徴とす
る。
【0010】上述したような本発明に係る熱転写フィル
ムでは、上記第1の接着層と上記第2の接着層との少な
くとも一方にアルミニウムキレート化合物が添加されて
いるので、接着層の安定性が向上する。その結果、印画
時に、サーマルヘッドからの熱による染料層の融着や剥
離、又はバックコート層の剥離が抑制される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0012】本実施の形態に係る熱転写フィルム1は、
図1に示すように、シート状の基材2と、基材2の一方
の面上に形成された第1の接着層3と、上記第1の接着
層3上に形成された染料層4と、上記基材2の他方の面
上に形成された第2の接着層5と、上記第2の接着層5
上に形成されたバックコート層6とから構成される。
【0013】基材2としては、この種の熱転写フィルム
の基材として用いられている公知の有機樹脂フィルムを
使用することができる。上記の有機樹脂フィルムとして
は、具体的に例えばポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等
からなるフィルムが挙げられる。
【0014】第1の接着層3及び第2の接着層5は、耐
熱性樹脂からなる。この耐熱性樹脂としては、この種の
熱転写フィルムのバックコート層6に用いられている公
知の耐熱性樹脂を使用することができる。バックコート
層6に用いられる耐熱性樹脂としては、具体的に例えば
ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹
脂、セルロース系樹脂、又はこれらの共重合体等が挙げ
られる。
【0015】そして、この第1の接着層3及び第2の接
着層5は、その少なくとも一方にアルミニウムキレート
化合物が添加されている。第1の接着層3及び第2の接
着層5の少なくとも一方にアルミニウムキレート化合物
を添加することで、接着層中の耐熱性樹脂の反応性、安
定性を向上することができる。
【0016】その結果、第1の接着層3中にアルミニウ
ムキレート化合物を添加することで、印画時に、サーマ
ルヘッドからの熱による染料層4の融着や剥離を抑制し
て、安定に画像形成を行うことができる。また、第2の
接着層5中にアルミニウムキレート化合物を添加するこ
とで、印画時に、バックコート層6の融着や剥離を抑制
することにより、プリンタ内において熱転写フィルム1
に良好な搬送性、走行性を付与することができる。
【0017】第1の接着層3又は第2の接着層5中に添
加されるアルミニウムキレート化合物としては、エチル
アセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、ア
ルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキ
ルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、
アルミニウムアセチルアセトネートビス(エチルアセト
アセテート)等が挙げられる。
【0018】このようなアルミニウムキレート化合物
は、第1の接着層3又は第2の接着層5中の耐熱性樹脂
等の不揮発性成分に対して0.1重量%より多く、50
重量%以下の範囲で添加されていることが好ましい。
【0019】アルミニウムキレート化合物の添加量が、
接着層中の不揮発性成分に対して0.1重量%以下であ
ると、接着層中の耐熱性樹脂の反応性、安定性を向上さ
せて、染料層4、バックコート層6の融着や剥離を抑制
する効果が十分でない。また、アルミニウムキレート化
合物の添加量が、接着層中の不揮発性成分に対して50
重量%以上であると、接着層中の耐熱性樹脂の反応性、
安定性を却って低下させてしまい、染料層4、バックコ
ート層6の融着や剥離を引き起こしやすくする要因とな
るので好ましくない。
【0020】従って、アルミニウムキレート化合物の添
加量を、第1の接着層3又は第2の接着層5中の耐熱性
樹脂等の不揮発性成分に対して0.1重量%より多く、
50重量%以下の範囲とすることで、接着層中の耐熱性
樹脂の反応性、安定性を向上させて、染料層4、バック
コート層6の融着や剥離を十分に抑制することができ
る。
【0021】また、上述したようなアルミニウムキレー
ト化合物が添加された第1の接着層3又は第2の接着層
5の厚みは、0.05μm〜2μmであることが好まし
い。
【0022】アルミニウムキレート化合物が添加された
第1の接着層3又は第2の接着層5の厚みが0.05μ
mよりも薄いと、基材2と染料層4、又は基材2とバッ
クコート層6とを接着する力が十分でなく、印画時に染
料層4又はバックコート層6が剥離する原因となってし
まう。また、アルミニウムキレート化合物が添加された
第1の接着層3又は第2の接着層5の厚みが2μmより
も厚いと、印画濃度が低下してしまう他、サーマルヘッ
ドや印画紙との摩擦が大きくなり、走行性が低下してし
まう。従って、アルミニウムキレート化合物が添加され
た第1の接着層3又は第2の接着層5の厚みを0.05
μm〜2μmとすることで、高品質な画像を形成するこ
とができ、さらに、安定した良好な走行性を付与するこ
とができる。
【0023】なお、このバックコート層6中には、必要
に応じてポリイソシアネート等の硬化剤を配合すること
もできる。バックコート層6中に硬化剤を配合すること
で、バックコート層6の耐熱性を向上することができ
る。
【0024】染料層4は、基材2の一方の面上に形成さ
れた第1の接着層3上に形成され、昇華性染料がバイン
ダー樹脂中に分散してなる。
【0025】染料層4に含有される昇華性染料として
は、この種の熱転写フィルムに用いられている公知のも
のを使用できる。上記の昇華性染料としては、例えば、
イエロー染料としてはアゾ系、ジスアゾ系、メチン系、
スチリル系、ピリドン・アゾ系等及びその混合系が挙げ
られる。また、マゼンタ染料としてはアゾ系、アントラ
キノン系、スチリル系、複素環系アゾ色素等及びその混
合系が挙げられる。また、シアン染料としてはアントラ
キノン系、ナフトキノン系、複素環系アゾ色素、インド
アニリン系等及びその混合系が挙げられる。
【0026】また、染料層4に含有されるバインダー樹
脂としては、この種の熱転写フィルム1の染料層4に用
いられている公知のものを使用できる。上記のバインダ
ー樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂、フェ
ノール樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0027】バックコート層6は、基材2の他方の面上
に形成された第2の接着層5上に形成され、樹脂からな
る。バックコート層6に用いられる樹脂としては、この
種の熱転写フィルムのバックコート層に用いられている
公知の樹脂を使用することができる。バックコート層6
に用いられる樹脂として具体的には、例えばウレタン樹
脂、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂等が挙げられる。
【0028】以上、説明したような本実施の形態に係る
熱転写フィルム1では、第1の接着層3又は第2の接着
層5の少なくとも一方にアルミニウムキレート化合物が
添加されているので、当該接着層中の耐熱性樹脂の反応
性、安定性を向上することができる。その結果、この熱
転写フィルム1では、印画時に、サーマルヘッドからの
熱による染料層4の融着や剥離を抑制して、安定に画像
形成を行うことができる。また、この熱転写フィルム1
では、印画時に、バックコート層6の融着や剥離を抑制
することにより、プリンタ内において熱転写フィルム1
に良好な搬送性、走行性を付与することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するべく、熱転写
フィルムを作製し、その特性を評価した。
【0030】〈実施例1〉まず、厚さ6μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムの両面に、次の組成の接着
層塗料を、厚さ0.1μmになるように塗布し、120
℃で2分間乾燥することにより接着層を形成した。
【0031】 ・接着層塗料組成 ポリエステルポリウレタン 50重量部 (DN3870、日本ポリウレタン工業(株)製) アルミニウムキレート化合物 10重量部 (アルミキレートD、川研ファインケミカル(株)製) 3官能型ポリイソシアネート系架橋剤 3重量部 (コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0032】次に、両面に接着層が形成されたポリエチ
レンテレフタレートフィルムの一方の面に、次の組成の
バックコート層塗料を塗布し、バックコート層を形成し
た。
【0033】 ・バックコート層塗料組成 ポリビニルブチラール 10重量部 (エスレックBX55Z、積水化学工業(株)製) ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム 7重量部 (GAFAC RD-720、東邦化学工業(株)製) 炭酸カルシウム 1重量部 (白艶華DD、白石カルシウム(株)製) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0034】次に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの他方の面に、次の組成のインク塗料をそれぞれ塗布
し、120℃で2分間乾燥することにより染料層を形成
して、厚さ1.0μmの熱転写フィルムを作製した。
【0035】 ・イエローインク塗料組成 イエロー染料 100重量部 (ESC-155、住友化学社製) ポリビニルブチラール 100重量部 (3000K、電気化学工業社製) メチルエチルケトン 900重量部 トルエン 900重量部 ・マゼンタインク用染料組成 マゼンタ染料 50重量部 (ESC-451、住友化学社製) ポリビニルブチラール 50重量部 (3000K、電気化学工業社製) メチルエチルケトン 900重量部 トルエン 900重量部 ・シアンインク用染料組成 シアン染料 100重量部 (フォロンブルーSR-PI、サンド社製) ポリビニルブチラール 100重量部 (3000K、電気化学工業社製) メチルエチルケトン 900重量部 トルエン 900重量部
【0036】〈実施例2〉接着層塗料として、次の組成
のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱転
写フィルムを作製した。
【0037】 ・接着層塗料組成 ポリエステルポリウレタン 50重量部 (DN3870、日本ポリウレタン工業(株)製) アルミニウムキレート化合物 0.01重量部 (アルミキレートD、川研ファインケミカル(株)製) 3官能型ポリイソシアネート系架橋剤 3重量部 (コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0038】〈実施例3〉接着層塗料として、次の組成
のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱転
写フィルムを作製した。
【0039】 ・接着層塗料組成 ポリエステルポリウレタン 50重量部 (DN3870、日本ポリウレタン工業(株)製) アルミニウムキレート化合物 1重量部 (アルミキレートD、川研ファインケミカル(株)製) 3官能型ポリイソシアネート系架橋剤 3重量部 (コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0040】〈実施例4〉接着層塗料として、次の組成
のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱転
写フィルムを作製した。
【0041】 ・接着層塗料組成 ポリエステルポリウレタン 50重量部 (DN3870、日本ポリウレタン工業(株)製) アルミニウムキレート化合物 25重量部 (アルミキレートD、川研ファインケミカル(株)製) 3官能型ポリイソシアネート系架橋剤 3重量部 (コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0042】〈実施例5〉接着層塗料として、次の組成
のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱転
写フィルムを作製した。
【0043】 ・接着層塗料組成 ポリエステルポリウレタン 50重量部 (DN3870、日本ポリウレタン工業(株)製) アルミニウムキレート化合物 35重量部 (アルミキレートD、川研ファインケミカル(株)製) 3官能型ポリイソシアネート系架橋剤 3重量部 (コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0044】〈実施例6〉接着層塗料として、次の組成
のものを用い、接着層の厚みを0.02μmとしたこと
以外は、実施例1と同様にして熱転写フィルムを作製し
た。
【0045】 ・接着層塗料組成 ポリエステルポリウレタン 50重量部 (DN3870、日本ポリウレタン工業(株)製) アルミニウムキレート化合物 10重量部 (アルミキレートD、川研ファインケミカル(株)製) 3官能型ポリイソシアネート系架橋剤 3重量部 (コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0046】〈実施例7〉接着層塗料として、次の組成
のものを用い、接着層の厚みを0.05μmとしたこと
以外は、実施例1と同様にして熱転写フィルムを作製し
た。
【0047】 ・接着層塗料組成 ポリエステルポリウレタン 50重量部 (DN3870、日本ポリウレタン工業(株)製) アルミニウムキレート化合物 10重量部 (アルミキレートD、川研ファインケミカル(株)製) 3官能型ポリイソシアネート系架橋剤 3重量部 (コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0048】〈実施例8〉接着層塗料として、次の組成
のものを用い、接着層の厚みを2.0μmとしたこと以
外は、実施例1と同様にして熱転写フィルムを作製し
た。
【0049】 ・接着層塗料組成 ポリエステルポリウレタン 50重量部 (DN3870、日本ポリウレタン工業(株)製) アルミニウムキレート化合物 10重量部 (アルミキレートD、川研ファインケミカル(株)製) 3官能型ポリイソシアネート系架橋剤 3重量部 (コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0050】〈実施例9〉接着層塗料として、次の組成
のものを用い、接着層の厚みを2.3μmとしたこと以
外は、実施例1と同様にして熱転写フィルムを作製し
た。
【0051】 ・接着層塗料組成 ポリエステルポリウレタン 50重量部 (DN3870、日本ポリウレタン工業(株)製) アルミニウムキレート化合物 10重量部 (アルミキレートD、川研ファインケミカル(株)製) 3官能型ポリイソシアネート系架橋剤 3重量部 (コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0052】〈実施例10〉接着層塗料として、次の組
成のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱
転写フィルムを作製した。
【0053】 ・接着層塗料組成 ポリエステルポリウレタン 50重量部 (DN3870、日本ポリウレタン工業(株)製) アルミニウムキレート化合物 10重量部 (アルミキレートALCH、川研ファインケミカル(株)製) 3官能型ポリイソシアネート系架橋剤 3重量部 (コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0054】〈比較例〉接着層塗料として、次の組成の
ものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱転写
フィルムを作製した。
【0055】 ・接着層塗料組成 ポリエステルポリウレタン 50重量部 (DN3870、日本ポリウレタン工業(株)製) 3官能型ポリイソシアネート系架橋剤 3重量部 (コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製) メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 以上のようにして作製された実施例1〜実施例10及び
比較例の熱転写フィルムについて、セロファンテープに
よる剥離試験を行った。
【0056】セロファンテープによる剥離試験として
は、まず、ニチバン(株)製の幅18mmのセロファン
テープを15cmの長さに、熱転写フィルムの表面に貼
り付けた。次に、熱転写フィルムの表面に貼り付けられ
たセロファンテープに、2kgの重さの手動式荷重ロー
ルを用いて一定の荷重を与えた。その後、熱転写フィル
ムを固定した状態で、セロファンテープの一端を、当該
熱転写フィルムの主面と略垂直な方向に引っ張ることに
より、セロファンテープを熱転写フィルムから剥離し
た。
【0057】そして、上述したような剥離試験を10回
まで繰り返し、試験毎に剥離後の染料層又はバックコー
ト層の表面を目視により観察し、染料層又はバックコー
ト層の剥離状態を評価した。
【0058】その結果、1回〜4回の剥離試験で染料層
又はバックコート層が剥がれてしまった場合には×とし
た。また、5回〜7回の剥離試験で染料層又はバックコ
ート層が剥がれた場合には△とした。また、8回〜9回
の剥離試験で染料層又はバックコート層が剥がれた場合
には○とした。そして、10回の剥離試験を行っても染
料層又はバックコート層が剥がれなかった場合には◎と
した。
【0059】さらに、実施例1〜実施例10及び比較例
の熱転写フィルムについて印画試験を行った。
【0060】印画試験としては、昇華用熱転写型方式プ
リンタ(ソニー製、商品名UP−1800)を用いて、
熱転写フィルムを印画し、熱転写フィルムの表面を目視
で観察し、染料層又はバックコート層の融着、剥離状態
を評価した。
【0061】その結果、染料層又はバックコート層が全
体的に融着、剥離してしまい、印画ができない状態のと
きは×とした。また、染料層又はバックコート層に融
着、剥離が見られるものの、印画可能な状態であるとき
は△とした。また、染料層又はバックコート層に融着、
剥離が見られず、良好に印画できる状態のときは○とし
た。
【0062】以上のようにして行った、実施例1〜実施
例10及び比較例の熱転写フィルムについての剥離試験
及び印画試験の結果をまとめて表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1から、接着層にアルミニウムキレート
化合物を添加した実施例の熱転写フィルムでは、染料層
やバックコート層の融着や剥離が抑えられていることが
わかる。
【0065】しかしながら、接着層中に添加されるアル
ミニウムキレート化合物の量を当該接着層中の不揮発性
成分に対して0.1重量部よりも少なくした実施例2で
は、染料層やバックコート層の剥離がやや見られた。ま
た、アルミニウムキレート化合物の量を当該接着層中の
不揮発性成分に対して50重量%よりも多くした実施例
5では、染料層やバックコート層に融着や剥離が見られ
た。
【0066】一方、接着層中に添加されるアルミニウム
キレート化合物の量を、当該接着層中の不揮発性成分に
対して0.1重量%より多く、50重量%以下とした実
施例1、実施例3及び実施例4では染料層やバックコー
ト層の融着や剥離を特に効果的に抑えることができた。
【0067】また、アルミニウムキレート化合物が添加
された接着層の厚みを0.02μmとした実施例6で
は、染料層やバックコート層に融着や剥離がやや見られ
た。また、接着層の厚みを2.3μmとした実施例9で
は、印画時において、染料層やバックコート層に融着や
剥離が見られた。
【0068】一方、アルミニウムキレート化合物が添加
された接着層の厚みを0.05μm〜2μmとした実施
例7及び実施例8では、染料層やバックコート層の融着
や剥離を特に効果的に抑えることができた。
【0069】そして、実施例1と実施例10より、アル
ミニウムキレート化合物の構造に関わらず、接着層にア
ルミニウムキレート化合物を添加することで、本発明の
効果が得られることがわかる。
【0070】以上の結果より、接着層にアルミニウムキ
レート化合物を添加することにより、染料層やバックコ
ート層の融着や剥離を抑えることができることがわかっ
た。さらに、接着層中に添加されるアルミニウムキレー
ト化合物の量を、当該接着層中の不揮発性成分に対して
0.1重量%より多く、50重量%以下とすることで、
染料層やバックコート層の融着や剥離を特に効果的に抑
えられることがわかった。さらにまた、アルミニウムキ
レート化合物が添加された接着層の厚みを0.05μm
〜2μmとすることで、染料層やバックコート層の融着
や剥離を特に効果的に抑えられることがわかった。
【0071】
【発明の効果】本発明の熱転写フィルムでは、接着層中
にアルミニウムキレート化合物が添加されているので、
当該接着層中の耐熱性樹脂の反応性、安定性を向上する
ことができる。
【0072】その結果、本発明では、印画時にサーマル
ヘッドからの熱による染料層の融着や剥離を抑制して、
安定に画像形成を行うことができる熱転写フィルムを実
現することができる。また、本発明では、印画時にバッ
クコート層の融着や剥離を抑制することにより、プリン
タ内において良好な搬送性、走行性を付与した熱転写フ
ィルムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写フィルムの一構成例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 熱転写フィルム、 2 基材、 3 第1の接着
層、 4 染料層、 5第2の接着層、 6 バックコ
ート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今野 昭彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2H111 AA15 AA26 AA27 AA47 AA48 BA02 BA03 BA04 BA07 BA08 BA09 BA55 BA62

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、 上記基材の一方の面上に形成された第1の接着層と、 上記第1の接着層上に形成された染料層と、 上記基材の他方の面上に形成された第2の接着層と、 上記第2の接着層上に形成されたバックコート層とを備
    え、 上記第1の接着層と上記第2の接着層の少なくとも一方
    にアルミニウムキレート化合物が添加されていることを
    特徴とする熱転写フィルム。
  2. 【請求項2】 上記アルミニウムキレート化合物は、上
    記第1の接着層又は第2の接着層中の不揮発成分に対し
    て0.1重量%より多く、50重量%以下の範囲で添加
    されていることを特徴とする請求項1記載の熱転写フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 上記アルミニウムキレート化合物が添加
    された上記第1の接着層又は第2の接着層の厚みが、
    0.05μm〜2μmであることを特徴とする請求項1
    記載の熱転写フィルム。
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