JPH10114155A - 熱転写記録媒体 - Google Patents
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Abstract
による転写阻害や走行性阻害のない熱転写記録媒体を提
供する。 【解決手段】 基材の片面に着色剤と熱溶融性ビヒクル
とからなる熱溶融性インク層を有し、他方の面に耐熱性
樹脂からなる背面層を有する熱転写記録媒体において、
前記インク層および背面層にそれぞれ界面活性剤が含有
されており、インク層の熱溶融性ビヒクルのSP値とイ
ンク層に含有される界面活性剤のSP値の差の絶対値を
Aとし、背面層の耐熱性樹脂のSP値と背面層に含有さ
れる界面活性剤のSP値の差の絶対値をBとし、インク
層の界面活性剤のSP値と背面層の界面活性剤のSP値
の差の絶対値をCとするとき、つぎの関係があることを
特徴とする熱転写記録媒体。 A≧3 B≧3 C≧0 A>C B>C
Description
融性インク層を有し、他方の面に背面層を有する熱転写
記録媒体に関する。
録媒体は、熱溶融性インク層側に受容体を重ね、背面層
側からサーマルヘッドで加熱して、熱溶融性インクを受
容体に転移させて印像を形成するものである。
る、いわゆるスティック現象を防止することを主目的と
して設けられるものである。
のであり、たとえばシリコーン変性アクリル樹脂などの
シリコーン変性樹脂を基材に塗布したのち硬化して形成
したものが知られている。
脂で形成された背面層を有する熱転写記録媒体を用いて
印像を形成するばあい、加熱部位の熱溶融性インクが完
全に受容体上に転移せず、印像に欠けやボイドなどが発
生するという不具合があった。
ル状に巻かれた熱転写記録媒体では熱溶融性インク層と
背面層とが接触した状態にあるが、この状態で背面層を
構成するシリコーン変性樹脂のうち低分子量成分が熱溶
融性インク層の方に移行し、低分子量成分が移った部分
のインクは受容体に対する接着性がわるいから、結局イ
ンクが受容体に転移しないためであることが判明した。
さらに、このような転写阻害に加えて、インク層成分の
背面層への移行により背面層の滑り性の低下を招来し、
熱転写記録媒体の走行性が損なわれるという問題もあっ
た。
インク層成分の相手側への移行による転写阻害や走行阻
害のない熱転写記録媒体を提供することを課題とする。
片面に着色剤と熱溶融性ビヒクルとからなる熱溶融性イ
ンク層を有し、他方の面に耐熱性樹脂からなる背面層を
有する熱転写記録媒体において、前記インク層および背
面層にそれぞれ界面活性剤が含有されており、インク層
の熱溶融性ビヒクルのSP値とインク層に含有される界
面活性剤のSP値の差の絶対値をAとし、背面層の耐熱
性樹脂のSP値と背面層に含有される界面活性剤のSP
値の差の絶対値をBとし、インク層の界面活性剤のSP
値と背面層の界面活性剤のSP値の差の絶対値をCとす
るとき、つぎの関係があることを特徴とする熱転写記録
媒体に関する。
界面活性剤が同一である前記(1)項記載の熱転写記録
媒体に関する。
着色剤と熱溶融性ビヒクルとからなる熱溶融性インク層
を有し、他方の面に耐熱性樹脂からなる背面層を有する
熱転写記録媒体において、インク層に含有される界面活
性剤のSP値とインク層の熱溶融性ビヒクルのSP値の
差の絶対値A(以下、SP値差Aというばあいがある)
が、 A≧3 であり、かつ背面層に含有される界面活性剤のSP値と
背面層の耐熱性樹脂のSP値との差の絶対値B(以下、
SP値差Bというばあいがある)が、 B≧3 である。
れた界面活性剤は、インク層および背面層の主要成分と
の非相溶度が大きいから、それぞれの表面に移行する。
いて保存するばあい、インク層と背面層とが接触した状
態にある。その際、本発明においては、前記SP値差
A、Bと、インク層の界面活性剤のSP値と背面層の界
面活性剤のSP値との差の絶対値C(以下、SP値差C
というばあいがある)との間に、 A>C B>C の関係があるため、つぎの作用効果が奏される。
に含有され、その表面に移行した界面活性剤はインク層
の方に移行しやすくなり、一方A>Cであることによ
り、インク層に含有され、その表面に移行した界面活性
剤は背面層の方に移行しやすくなる。その結果、インク
層および背面層のそれぞれの成分は両層の界面に形成さ
れる界面活性剤のバリヤーにより、相手側への移行が阻
止される。
剤のそれらの表面への移行が不充分となる。
手側への移行を充分に阻止しえなくなる。
背面層に含有される界面活性剤とは同一でも異なっても
よい。すなわちSP値差Cは、 C≧0 であればよい。
活性剤がSP値の異なる2種以上の混合物であるばあい
は、つぎのように定義される平均値を混合物のSP値と
して使用する。
の界面活性剤成分の界面活性剤全量に対する重量比をW
iとするとき、混合物のSPavは、式:
なるばあいおよび背面層の耐熱性樹脂が2種以上の成分
からなるばあいも前記と同じようにして求めたSP値を
使用する。
合する界面活性剤、ビヒクル成分、耐熱性樹脂を2種以
上併用するばあい、併用する材料同士が実質的に相溶す
るのが好ましく、この点から、併用する材料のSP値差
が±3の範囲内にあるのがよい。
されないが、あまり大きすぎると界面活性剤の界面での
定着性に欠けるため、 A≦12 B≦12 C≦8 であるのが好ましい。
としては、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリ
セリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸アミド
などの非イオン性界面活性剤で固形ないし半固形のもの
が好ましいものとしてあげられる。液状の界面活性剤は
インク層、背面層の表面にブリードしたばあい、ベトつ
くので好ましくない。これら界面活性剤は単独で、また
は2種以上を混合して使用できる。インク層および背面
層に含有される界面活性剤は同一でも異なっていてもよ
いが、界面活性剤同士の良好な配向性をうる点から、同
一のものを用いるのが好ましい。
の含有量が少なすぎると、インク層成分または背面層成
分の相手側への移行を充分に阻止できず、一方多すぎる
と滑り性が低下する傾向にある。この観点から、界面活
性剤の背面層における含有量は0.1〜10重量%、な
かんづく0.5〜5重量%の範囲が好ましい。また界面
活性剤のインク層における含有量は0.1〜10重量
%、なかんづく0.5〜5重量%の範囲が好ましい。
て、シリコーン変性樹脂など離型性を有する低分子量成
分を含有するものを用いるばあいにとくに有効である。
かかるシリコーン変性樹脂としては、シリコーンで変性
した、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル酸エステ
ル系樹脂、スチレン−アクリレート系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリアミド系
樹脂などがあげられる。
リ(メタ)アクリレート系樹脂、スチレン−アクリレー
ト系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール
系樹脂などを使用するばあいも有効である。
を損なわない範囲内で、硬化剤、帯電防止剤、レベリン
グ剤などを適宜配合できる。
要により硬化剤、その他の配合剤を適宜の溶剤に溶解し
た塗工液を基材上に塗布し、乾燥することによって形成
できる。
様)は0.01〜1.0g/m2が好ましい。塗布量が
前記範囲より少ないと、スティック防止効果が充分でな
く、一方前記範囲より多いと、インク層への熱伝導がわ
るくなる。
剤と熱溶融性ビヒクルとからなるものである。熱溶融性
ビヒクルとしては熱可塑性樹脂および/またはワックス
類からなるものが使用できる。
ツロウ、ラノリン、カルナバワックス、キャンデリラワ
ックス、モンタンワックス、セレシンワックスなどの天
然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリ
ンワックスなどの石油系ワックス;酸化ワックス、エス
テルワックス、低分子量ポリエチレン、フィッシャート
ロプシュワックス、α−オレフィン−無水マレイン酸共
重合ワックスなどの合成ワックス;ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの
高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ドコサノールなど
の高級脂肪族アルコール;高級脂肪酸モノグリセリド、
ショ糖の脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル
などのエステル類;オレイルアミドなどのアミド類およ
びビスアミド類などの1種または2種以上が適宜使用で
きる。
ては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン系共
重合樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、
塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニルアルコー
ル系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系
樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジ
エンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリイ
ソブチレン、ポリブテンなどの1種または2種以上が適
宜使用できる。
ンブラックをはじめとして、各種有機、無機の顔料、染
料が使用できる。
的を損なわない範囲内で、分散剤、帯電防止剤、レベリ
ング剤などを適宜配合できる。
界面活性剤、必要により硬化剤、その他の配合剤を適宜
の溶剤(水系溶剤を含む)に溶解、分散した塗工液を基
材上に塗布し、乾燥することによって形成できる。また
ホットメルトコーティングによっても形成できる。
2が適当である。
の種の熱転写記録媒体の基材として使用されているもの
がとくに制限なく使用可能であり、たとえばポリエチレ
ンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート
フィルム、ポリアリレートフィルムなどのポリエステル
フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィ
ルム、アラミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、
ポリイミドフィルム、セロハンなどのプラスチックフィ
ルム、グラシン紙、コンデンサー紙などの高密度紙など
で、厚さが1.5〜10μm程度のものが好ましく用い
られる。
間に離型層を設けてもよい。
置態様としても各種のものが採用でき、たとえば単一色
のインク層を配置しただけのものであってもよく、2種
以上の色のインク層(たとえばイエロー、マゼンタ、シ
アンのインク層および必要によりブラックのインク層)
を並置してもよい。
本発明はこれに限定されるものではない。
の片面に下記処方1aまたは処方1bの背面層塗工液を
塗布し、乾燥して塗布量0.3g/m2の背面層を形成
した。
の背面層と反対側の面上に下記処方のワックス混合物を
ホットメルトコーティングして塗布量1.0g/m2の
離型層を形成した。
熱溶融性インク層用の塗工液を塗布し、乾燥して塗布量
1.0g/m2の熱溶融性インク層を形成し、熱転写記
録媒体をえた。
7mmにスリットしながら、コアに巻回し、ロール状の
インクリボンを作成した。
RHの条件下で48時間放置したのち、熱転写プリンタ
ー(日本電気(株)製文豪JX5500)に装着し、受
容紙(熱転写用紙)にデューティ10%の市松パターン
の印像を形成し、転写性および走行性をつぎのようにし
て評価した。結果を表1に示す。
転写されたインクの面積の本来転写すべきインクの面積
に対する割合(%)(以下、転写率という)を求め、転
写性をつぎの基準で評価した。
の1巻の連続走行実験を前記印字条件で行ない、つぎの
基準で評価した。
ある。 ×‥‥‥途中で走行が不安定になる。
面層成分やインク層成分の相手側への移行による転写阻
害や走行性阻害が防止されており、欠けやボイドのない
鮮明な印像が形成できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 基材の片面に着色剤と熱溶融性ビヒクル
とからなる熱溶融性インク層を有し、他方の面に耐熱性
樹脂からなる背面層を有する熱転写記録媒体において、
前記インク層および背面層にそれぞれ界面活性剤が含有
されており、インク層の熱溶融性ビヒクルのSP値とイ
ンク層に含有される界面活性剤のSP値の差の絶対値を
Aとし、背面層の耐熱性樹脂のSP値と背面層に含有さ
れる界面活性剤のSP値の差の絶対値をBとし、インク
層の界面活性剤のSP値と背面層の界面活性剤のSP値
の差の絶対値をCとするとき、つぎの関係があることを
特徴とする熱転写記録媒体。 A≧3 B≧3 C≧0 A>C B>C - 【請求項2】 インク層と背面層に含有される界面活性
剤が同一である請求項1記載の熱転写記録媒体。
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