JP3725929B2 - 熱転写記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はワープロ、プリンタ、ファクシミリ、バーコードプリンタなどに用いいられる熱転写記録媒体に関し、さらに詳しくは表面平滑度の低い紙(以下、ラフ紙という)に高精細の印像を転写しうる熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ラフ紙に良好な印字品位で印字可能な熱転写記録媒体(以下、ラフ紙対応熱転写記録媒体という)としては、基材上にワックスを主成分とする離型層を設け、その上に樹脂を主成分とする溶融粘度の高いバインダーに着色剤を分散した着色インク層を設けたものが使用されていた。
【0003】
この熱転写記録媒体を用いて印字するばあい、ラフ紙の凹凸部に橋掛け状に印像を転写することができるが、バインダーの溶融粘度が高いために印字の切れ性がわるくなるという問題点があった。
【0004】
この問題点を解決するために、着色インク層に微粒子を添加する方法がある。この方法による熱転写記録媒体においては、図3(従来の熱転写記録媒体の概略断面図)に示すように着色インク層12の表面近傍に微粒子13が存在する(表面から一部が突出した状態で存在する微粒子もある)。このような熱転写記録媒体9を用いてラフ紙7に印字すると、図4に示すように表面近傍に、または表面から一部が突出した状態で存在する微粒子13のために、印像が充分にラフ紙7に接着できず、印像の転写不良などが生じ、高精細の印像をうることができないという問題点があった。図3、4において、10は基材、11離型層を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の問題点に鑑み、ラフ紙に印字をするばあいでも、良好な印字品位で印字可能で、インクの転写性を劣化させることがなく、高精細の印像をうることができる熱転写記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基材の一方の面に離型層と、熱溶融性樹脂をバインダーの主成分とする着色インク層とが順次設けられている熱転写記録媒体において、前記離型層と着色インク層との間に、熱溶融性樹脂を主成分とするバインダーに微粒子が分散している微粒子含有層が設けられており、微粒子が部分的に微粒子含有層の表面より突出し着色インク層中に侵入していて、微粒子含有層の厚さをm(μm)、微粒子の平均粒子径をr(μm)、着色インク層の厚さをn(μm)とするばあい、m、r、nの関係が、n>r≧mで表すことができ、さらに微粒子含有層中の微粒子の含有量が、10〜40重量%の範囲内にあり且つ下記の条件を満足することを特徴とする熱転写記録媒体とするものである。
A.微粒子含有層の厚さmが0.2〜1.0μmの範囲である。
B.半数以上の微粒子が部分的に微粒子含有層の表面より突出し着色インク層中に侵入している。
C.着色インク層は着色剤と熱可塑性樹脂を主成分とするバインダーとからなる層である。
D:転写時に、微粒子含有層は着色インク層と一体となって転写する。
【0008】
ここで、前記微粒子含有層の厚さmは、図1に示すごとく、該層から着色インク層中に突出している微粒子が存在しない部分の厚さをいう。また、ここで、前記着色インク層の厚さnは、図1に示すごとく、該層中に微粒子含有層から侵入している微粒子の存在していない部分の厚さをいう。
【0009】
前記微粒子含有層の厚さおよび前記着色インク層の厚さの測定は、日本電子(株)製の走査型電子顕微鏡(JSM−T−330A)を用いて、それぞれの層の10000倍断面写真をとり、その写真から1μmおきに(ただし、微粒子含有層の厚さの計測においては、該層から突出している微粒子が存在している部分は除く。また、着色インク層の厚さの計測においては、微粒子含有層の微粒子が該層に侵入している部分は除く)5点の厚さを計測し平均値を取る方法によって行う。
【0010】
【発明の実施の形態】
基材の一方の面に離型層と、熱溶融性樹脂をバインダーの主成分とする着色インク層とが順次設けられている熱転写記録媒体において、前記離型層と着色インク層との間に、熱溶融性樹脂を主成分とするバインダーに微粒子が分散している微粒子含有層が設けられており、微粒子が部分的に微粒子含有層の表面より突出し着色インク層中に侵入していて、前記微粒子含有層の厚さをm(μm)、前記微粒子の平均粒子径をr(μm)、前記着色インク層の厚さをn(μm)とするばあい、m、r、nの関係が、n>r≧mで表すことができ且つ下記の条件を満足することを特徴とする本発明の熱転写記録媒体を用いて印字するばあい、着色インク層の切れ性がよく、かつ受像体がラフ紙であるばあいでもラフ紙の凹凸部に好ましい状態で橋掛け状に印像を転写することができるので、高精細の印像をうることができる。
A.微粒子含有層の厚さmが0.2〜1.0μmの範囲である。
B.半数以上の微粒子が部分的に微粒子含有層の表面より突出し着色インク層中に侵入している。
C.着色インク層は着色剤と熱可塑性樹脂を主成分とするバインダーとからなる層である。
D:転写時に、微粒子含有層は着色インク層と一体となって転写する。
【0012】
つぎに本発明の熱転写記録媒体を図を用いて詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の熱転写記録媒体の一実施例を示す概略部分断面図である。図1において、1は熱転写記録媒体、2は基材、3は離型層、4は微粒子含有層、5は微粒子、6は着色インク層を示す。
【0014】
微粒子含有層4は熱溶融性樹脂を主成分とするバインダーに微粒子5が分散しているものである。
【0015】
図1に示すように、好ましくは約半数以上の微粒子が部分的に微粒子含有層4の表面より突出し着色インク層6中に侵入していることが必要であり、そのためには該微粒子含有層の厚さより粒子径の大きい微粒子が含有されていればよい。微粒子含有層4の表面より微粒子5の一部が充分に突出するためには、微粒子5の平均粒子径(r)が微粒子含有層4の厚さ(m)以上であることが好ましい。
【0016】
前記微粒子の一部が微粒子含有層の表面から突出し、着色インク層6に侵入していることにより、着色インク層の破断強度が弱められる。この微粒子の着色インク層6への侵入により、とくに非加熱時の破断強度が弱くなるため、印字のときに加熱部と非加熱部分との境界での着色インク層の切れがよくなり、高精細の印字が可能となる。
【0017】
一方、微粒子5の粒子径が大きすぎると、着色インク層6を突き抜けて突出し、印像のラフ紙への接着性が損なわれる。そのため、微粒子5の平均粒子径(r)は着色インク層6の厚さ(n)未満であることが好ましい。
【0018】
微粒子5としては、有機物粒子または無機物粒子を用いることができる。前記有機物粒子としては、スチレン系樹脂、メタクリレート系樹脂、アクリレート系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂などの粒子やデンプン、セルロースパウダーなどがあげられる。また前記無機物粒子としては、シリカ、アルミナ、珪藻土、またはその他の各種無機顔料などがあげられる。微粒子5として、前記有機物粒子および無機物粒子より選ばれた2種以上の微粒子を併用してもよい。
【0019】
微粒子5の平均粒子径(r)は前記のとおり、微粒子含有層4の厚さ(m)以上であることが好ましいが、通常0.3〜10.0μmの範囲、なかんずく0.3〜3.0μmの範囲のものが好ましく使用される。微粒子の平均粒子径が前記の範囲より大きいばあい、着色インク層を厚くする必要が生じ、そのため転写感度の低下をきたす傾向があり、一方前記の範囲より小さいばあい、着色インク層の所望の切れ性がえられない傾向がある。
【0020】
また、前記微粒子の形状は球状であることが好ましいが、針状、板状または棒状であっても使用することができる。前記の形状が球状でないばあいの前記粒子径は、その形状の最長部分の値とする。
【0021】
微粒子含有層4のバインダーとしては熱溶融性樹脂または熱溶融性樹脂に必要によりワックスを混合したものが使用される。バインダー中における熱溶融性樹脂の含有量は80重量%以上、なかんづく90重量%以上が好ましい。
【0022】
前記微粒子含有層のバインダーとして用いられる熱溶融性樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン系共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニルアルコール系樹脂もしくは石油系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などの樹脂類、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴムもしくはクロロプレンゴムなどのエラストマー類などの1種または2種以上があげられる。
【0023】
また、前記微粒子含有層のバインダーとしては熱溶融性樹脂に必要により混合されるワックスとしては、木ろう、密ろう、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシンワックスなどの天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、酸化ワックス、エステルワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックスまたはα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体ワックスなどの合成ワックス、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸などの高級脂肪酸などの1種または2種以上があげられる。
【0024】
前記熱溶融性樹脂および必要によりワックスを適宜の溶媒に溶解し、前記微粒子を分散させて微粒子含有層塗工液とし、該塗工液を離型層3の上に塗布し、乾燥させることにより微粒子含有層をうる。
【0025】
前記微粒子含有層中の前記微粒子の含有量は、10〜40重量%の範囲内にあることが好ましい。前記微粒子の含有量が前記の範囲未満のばあい、所期の効果がえられない傾向があり、一方前記範囲より多いばあい、正常な塗工膜を形成しえない傾向がある。
【0026】
前記溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、キシレンまたはメタノールなどがあげられる。
【0027】
前記微粒子含有層の厚さは、0.2〜1.0μmの範囲内にあることが好ましい。前記微粒子含有層の厚さが前記の範囲より厚いばあい、感度不足となる傾向があり、一方前記の範囲より薄いばあい、所期の効果がえられない傾向がある。
【0028】
基材2としては、熱転写時の熱に耐えうるものであればよく、たとえば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、アラミドフィルム、その他この種のインクリボンの基材用フィルムとして一般に使用されている各種のプラスチックフィルムが使用できる。またコンデンサーペーパーのような高密度の薄い紙を使用してもよい。基材の厚さは熱伝導を良好にする点から1〜10μm程度、なかんずく2〜7μm程度が好ましい。
【0029】
基材として前記プラスチックフィルムを使用するばあい、その背面(加熱ヘッドに摺接する側の面)にシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース樹脂、あるいはこれらによって変性された、たとえばシリコーン変性ウレタン樹脂など各種の耐熱性樹脂、あるいはこれら耐熱性樹脂に滑剤を混合したものなどからなる、従来から知られているスティック防止層を設けてもよい。
【0030】
離型層3はワックスを主成分とする熱溶融性材料からなる層であり、必要により熱溶融性樹脂を配合してもよい。
【0031】
前記ワックスとしては、たとえば木ろう、蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシンワックスなどの天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス;酸化ワックス、エステルワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合ワックスなどの合成ワックス;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ドコサノールなどの高級脂肪族アルコール;高級脂肪酸モノグリセリド、ショ糖の脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステルなどのエステル類;ステアリン酸アミド、オレイルアミドなどのアミド類およびビスアミド類などの1種または2種以上が使用できる。
【0032】
前記熱溶融性樹脂(エラストマーを含む)としては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン系共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリブデンなどの1種または2種以上が使用できる。
【0033】
前記離型層におけるワックスの含有量は80重量%以上が好ましく、必要により配合する熱溶融性樹脂の含有量は20重量%以下が好ましい。
【0034】
前記離型層は前記ワックスおよび必要により前記熱溶融性樹脂を溶剤溶液、分散液、エマルジョンなどの形態で基材上に塗布、乾燥することによって形成できる。離型層の塗布量(乾燥塗布量をいう、以下同様)は0.2〜1.5g/m2 程度が適当である。
【0035】
着色インク層6は着色剤と熱溶融性樹脂を主成分とするバインダーとからなる層である。
【0036】
前記着色インク層に用いられる熱溶融性樹脂としてはメルトインデックスが2500/190℃以下、なかんづく1100/190℃以下のものが好ましい。メルトインデックスが2500/190℃より大きいと、ラフ紙に対する印字性が低下する傾向にある。メルトインデックスが小さくなりすぎると、着色剤の分散性がわるくなるなどの不具合が生じるので、メルトインデックスが15/190℃以上のものが好ましい。
【0037】
全バインダー中には、熱溶融性樹脂、なかんずくメルトインデックスが2500/190℃以下(より好ましくは1100/190℃以下)の熱溶融性樹脂が70重量%以上含有されるのが好ましい。熱溶融性樹脂の含有量が70重量%未満になると、ラフ紙に対する印字性が低下する傾向がある。バインダーには必要によりワックスを含有させてもよいが、その含有量は10重量%以下とするのが好ましい。
【0038】
前記熱溶融性樹脂(エラストマーを含む)としては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン系共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム類、ポリイソブチレン、ポリブデンなどの1種または2種以上が前記メルトインデックスを満足するように適宜選択使用できる。
【0039】
前記ワックスとしては、たとえば木ろう、蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシンワックスなどの天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス;酸化ワックス、エステルワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合ワックスなどの合成ワックス;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ドコサノールなどの高級脂肪族アルコール;高級脂肪酸モノグリセリド、ショ糖の脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステルなどのエステル類;ステアリン酸アミド、オレイルアミドなどのアミド類およびビスアミド類などの1種または2種以上が使用できる。
【0040】
着色インク層の着色剤としては、カーボンブラックをはじめとして、各種の有機、無機の顔料が使用できる。着色剤のインク層中における含有量は10〜30重量%程度が適当である。
【0041】
前記着色インク層は、前記熱溶融性樹脂および必要によりワックスを適宜の溶剤に溶解し、これに着色剤を分散せしめた塗工液を前記微粒子含有層上に塗布、乾燥することによって形成できる。着色インク層の厚さは、印字濃度および転写感度を確保する点から、1.0〜3.0μmが適当である。
【0042】
本発明の好ましい実施態様においては、微粒子含有層の厚さ(m)が0.2〜1.0μm、着色インク層の厚さ(n)が1.0〜3.0μm、微粒子の平均粒子径(r)が0.3〜3.0μmである。
【0043】
本発明の熱転写記録媒体を用いて、ラフ紙に印像を転写した状態を図2に示す。図2はラフ紙に転写された印像の状態の説明図(概略部分断面図)である。図2において、7はラフ紙、8はラフ紙に転写された印像、4aは転写された微粒子含有層、6aは転写された着色インク層、5は微粒子を示す。前記印像はラフ紙に転写されたばあいでも、ラフ紙側に突出した粒子が存在せず、ラフ紙側の表面が平滑であり、ラフ紙に対する接着性がよい。
【0044】
つぎに実施例および比較例をあげて本発明を説明する。
【0045】
実施例1〜2および比較例1〜2裏面に厚さ0.1μmのシリコーン樹脂系スティック防止層を設けた厚さ3.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの表面に、パラフインワックス(融点75℃)の水性エマルジョンを塗布し、60℃で乾燥して、塗布量1.0g/m2 の離型層を形成した。
【0046】
表1に示される処方の微粒子含有インク塗工液を調製し、この塗工液を前記離型層上に塗布し、60℃で乾燥して、塗布量0.5g/m2 の微粒子含有層を形成した。前記微粒子含有層の厚さは0.5μmであった。なお比較例1〜2では微粒子含有層を設けなかった。
【0047】
つぎに表1に示される着色インク塗工液を調製し、この塗工液を前記微粒子含有層上に塗布し、60℃で乾燥して、塗布量1.5/m2 の着色インク層を形成した。前記着色インク層の厚さは1.5μmであった。
【0048】
前記でえられた各熱転写記録媒体を幅12.7mmにスリットしながらコアに巻回してリボンロールを作製した。このリボンロールをカセットに装填し、このカセットを熱転写プリンター(松下電器産業(株)製U1P95)に装着し、つぎの印字条件で印字を行い、印字性(ドット再現性)を評価した。
【0049】
印字エネルギー:Max(プリンターの表示値)
印字速度:100cps
受容紙:XEROX#4024(ゼロックス社製、ベック平滑度28秒)
【0050】
1cm四方の面積内に2ドット飛ばしで1ドット印字を行ない、えられた印像を倍率30倍の光学顕微鏡で観察し、次式で示される転写率を求め、つぎの評価基準で評価した。結果を表1に示す。
【0051】
【数1】
【0052】
<評価基準>
3・・・転写率が90%以上
2・・・転写率が70%以上、90%未満
1・・・転写率が70%未満
【0053】
評価値が3であればドット再現性が優れており、評価値が2であれば実用上問題ない。
【0054】
【表1】
(重量部)
1 エチレンー酢酸ビニル共重合体樹脂(メルトインデックス400)
2 平均粒子径0.5μmのメラミン樹脂の粒子
4 平均粒子径1.0μmのSiO2の粒子
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、基材の一方の面に離型層と、熱溶融性樹脂をバインダーの主成分とする着色インク層とが順次設けられている熱転写記録媒体において、前記離型層と着色インク層との間に、熱溶融性樹脂を主成分とするバインダーに微粒子が分散している微粒子含有層が設けられ、微粒子が部分的に微粒子含有層の表面より突出し着色インク層中に侵入していて、微粒子含有層の厚さをm(μm)、微粒子の平均径をr(μm)、着色インク層の厚さをn(μm)とするばあい、m、r、nの関係が、n>r≧mで表すことができ且つ下記の条件を満足することを特徴とする熱転写記録媒体を用いて印字することにより、印字の切れ性がよく、受像体がラフ紙であるばあいでもラフ紙の凹凸部に好ましい状態で橋掛け状に印像を転写することができるので、高精細の印像をうることができる。
A.微粒子含有層の厚さmが0.2〜1.0μmの範囲である。
B.半数以上の微粒子が部分的に微粒子含有層の表面より突出し着色インク層中に侵入している。
C.着色インク層は着色剤と熱可塑性樹脂を主成分とするバインダーとからなる層である。
D:転写時に、微粒子含有層は着色インク層と一体となって転写する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写記録媒体の一実施例を示す概略部分断面図である。
【図2】本発明の熱転写記録媒体を用いて転写した印像の状態を説明するための説明図である。
【図3】従来の熱転写記録媒体を示す概略部分断面図である。
【図4】従来の熱転写記録媒体を用いて印像を転写するときの好ましくない状態を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 熱転写記録媒体
2 基材
3 離型層
4 微粒子含有層
4a 転写された微粒子含有層
5 微粒子
6 着色インク層
6a 転写された着色インク層
7 ラフ紙
8 ラフ紙に転写された印像
9 従来の熱転写記録媒体
10 基材
11 離型層
12 微粒子を含有する着色インク層
13 微粒子
m 微粒子含有層の厚さ
n 着色インク層の厚さ
Claims (1)
- 基材の一方の面に離型層と、熱溶融性樹脂をバインダーの主成分とする着色インク層とが順次設けられている熱転写記録媒体において、前記離型層と着色インク層との間に、熱溶融性樹脂を主成分とするバインダーに微粒子が分散している微粒子含有層が設けられており、微粒子が部分的に微粒子含有層の表面より突出し着色インク層中に侵入していて、微粒子含有層の厚さをm(μm)、微粒子の平均粒子径をr(μm)、着色インク層の厚さをn(μm)とするばあい、m、r、nの関係が、
n>r≧mで表すことができ、さらに微粒子含有層中の微粒子の含有量が、10〜40重量%の範囲内にあり且つ下記の条件を満足することを特徴とする熱転写記録媒体。
A.微粒子含有層の厚さmが0.2〜1.0μmの範囲である。
B.半数以上の微粒子が部分的に微粒子含有層の表面より突出し着色インク層中に侵入している。
C.着色インク層は着色剤と熱可塑性樹脂を主成分とするバインダーとからなる層である。
D:転写時に、微粒子含有層は着色インク層と一体となって転写する。
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