JPH05262066A - 感熱転写記録フィルム - Google Patents

感熱転写記録フィルム

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JPH05262066A
JPH05262066A JP4064872A JP6487292A JPH05262066A JP H05262066 A JPH05262066 A JP H05262066A JP 4064872 A JP4064872 A JP 4064872A JP 6487292 A JP6487292 A JP 6487292A JP H05262066 A JPH05262066 A JP H05262066A
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Japan
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silicone
film
back coat
thermosensible
recording film
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Kazuo Yokoyama
和夫 横山
Takashi Yamagishi
隆 山岸
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スティッキングがなく、サーマルヘッドとの
摺動性に優れ、且つバックコートからのシリコーンの転
写の少ない感熱転写記録フィルムを提供する。 【構成】 フィルム基材の一方に感熱転写記録層を有す
る感熱転写記録フィルムにおいて、サーマルヘッドと摺
動する面にバインダー樹脂に固定されたシリコーンとフ
ッ素系の界面活性剤を含むバックコート層を設けている
ことを特徴とする感熱転写記録フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱転写記録フィルムに
関し、さらに詳しくはサーマルヘッドと摺動する面にバ
インダー樹脂に固定されたシリコーンとフッ素の界面活
性剤を含むバックコート層を設けていることを特徴とす
る感熱転写記録フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ワークステーション、パーソナル
コンピューターを中心とした画像処理システム、CA
D、コンピューターグラフィックス等の進歩に伴い、画
像出力の末端としてのカラーハードコピーの技術の進歩
は著しいものがある。また、ビデオ、スチルカメラ等よ
りの出力としてもカラーハードコピーへのニーズは大き
い。
【0003】カラーハードコピーの技術として代表的な
ものとしては、従来の銀塩写真を用いる方法、インクジ
ェット、電子写真、熱転写法がある。この中で、熱転写
方法は操作が簡単で使いやすい上に、装置的にも単純で
小型化が容易であり、メンテナンスも簡単で、更に装置
自体が安価であるという長所をもっている。
【0004】熱転写方式は、熱溶融性インクまたは染料
を、サーマルヘッド、レーザービーム等を用いてイメー
ジワイズに加熱、受像体へ転写し、画像を形成するもの
であり、ライン状のサーマルヘッドを用いる方法が、現
在は、一般的である。
【0005】この方法ではサーマルヘッドとニップロー
ルにより、インクシートと受像体をニップし、インクシ
ートの裏側(インクとは反対側)からサーマルヘッドで
加熱を行い、密着させた受像体へ溶融性インクまたは染
料を転写し、画像を形成する。この為、インクシートの
サーマルヘッドと摺動する面には、加熱された状態での
摺動性能が要求される。
【0006】一方、サーマルヘッドからの加熱条件につ
いては、印字の高速化、昇華型プリンターへの対応な
ど、年々厳しくなってきている。
【0007】一般に支持体としては、コスト面、耐熱性
の面からポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる
ことが多い。しかし、この場合サーマルヘッドからの加
熱により、フィルムベースの表層部が溶融してサーマル
ヘッドに付着する、いわゆるスティッキングと呼ばれる
現象を発生する。これは、インクシートのスムースな走
行を妨げ、転写画像にノイズを生じ(スティックマー
ク)、ひどい場合インクシートが破れるものである。
【0008】また、芳香族ポリアミド等のより耐熱性に
優れたフィルムを用いることも有効であるが、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムに較べ、まだまだコスト的
に高く実用的でない。
【0009】そこで、一般にはサーマルヘッドと摺動す
る面(インク層と反対側)に、耐熱性と滑り性を兼ね備
えたバックコートを設けることが行われる。
【0010】この要求性能を満たすものとしては、シリ
コーンが良く知られている。ところが、一般にシリコー
ンは基材フィルムとの接着性に乏しく、ロール状に巻き
取られた際に反対面に転写を起こす。この反対面に転写
したシリコーンは、インク層をコーティングする際にハ
ジキ等の塗布故障を起こす原因となることが多い。
【0011】これを避けるために、バックコートに先立
ってインク層のコーティングを行うことが考えられる
が、この場合にはバックコートからインク層へのシリコ
ーンの転写が発生する。このインク層へ転写したシリコ
ーンは、プリント時にインクシートから受像体へのイン
ク転写を阻害、転写画像を不鮮明にする。
【0012】以上より、シリコーンの転写はインクシー
トの生産性、品質にとって重大な問題であり、これを抑
制することは、シリコーン系のバックコートを用いる際
の最大の課題である。
【0013】シリコーンの転写を防止する方法として、
シリコーンをバインダー中に分散させる方法が提案され
ている。しかし、シリコーンは他の樹脂との相溶性に乏
しく、経時により表面に移行し、やがて転写を起こすた
め充分な解決方法とはならない。
【0014】更に他の方法として、あらかじめグラフト
化されたシリコーングラフトポリマーの使用や、反応性
シリコーンを使用するなどして、バインダーにシリコー
ンを固定しようとする方法が提案されている。しかし、
いずれの場合にも未反応のシリコーンやグラフトから分
解したフリーのシリコーンが残っており、シリコーンの
転写を問題無いレベルにまで抑えることは困難であっ
た。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、サー
マルヘッドとの摺動性に優れ、スティッキングの発生が
無く、且つバックコートからのシリコーンの転写の少な
い感熱転写記録フィルムを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、フィルム基材
の一方に感熱転写記録層を有する感熱転写記録フィルム
において、サーマルヘッドと摺動する面にバインダー樹
脂に固定されたシリコーンとフッ素系の界面活性剤を含
むバックコート層を設けていることを特徴とする感熱転
写記録フィルムである。
【0017】本発明においてバインダー樹脂に固定され
たシリコーンとは、バックコート層のバインダー樹脂に
化学結合しているシリコーン成分のことである。
【0018】例えば、グラフト化されたシリコーン共重
合体を用いる方法、反応性のシリコーンを使用してバイ
ンダーと反応させる方法、さらには多官能性の化合物に
よりバインダーにシリコーンを固定させる方法等を用い
て固定させることができる。このシリコーンがバックコ
ートのサーマルヘッドに対する摺動性を発現させるもの
であり、シリコーン成分と非シリコーン成分との固形分
の重量比としては、1/100〜100/100(シリ
コーン/非シリコーン)が好ましい。また、バックコー
トの塗布量としては0.1〜5g/m2 が好ましい。更
に好ましくは、0.3〜1.5g/m2 である。
【0019】グラフト化したシリコーン共重合体として
は、アクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリビニルア
セタール、セルロース系ポリマー等にポリジメチルシロ
キサンがグラフト化された構造のものを使用することが
好ましい。
【0020】反応性シリコーンとしては、末端にヒドロ
キシ基、アミノ基、カルボキシ基等を導入しているシリ
コーンが好ましい。バインダーとしては、アクリル、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリアミト、ポリイミド、
ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、セルロ
ース系ポリマー等を好ましく用いることができる。
【0021】多官能性のシリコーン固定化化合物として
は、イソシアネート類、エポキシ類等、通常架橋剤と呼
ばれる化合物の多くを使用することができる。
【0022】本発明において、フッ素系の界面活性剤は
シリコーンの転写を抑制する作用を示す。このフッ素系
の界面活性剤の作用のメカニズムについては、はっきり
とはしていないが、バックコート表面に移行したフッ素
系の界面活性剤が、やはり表面近傍に有るフリーで転写
性のシリコーンをトラップするのではないかと思われ
る。フッ素化合物とシリコーンは同程度の低い表面エネ
ルギーを示すものであり、両者が何等かの相互作用を示
すことは想像される。また、固定されたシリコーンは、
フリーのシリコーンに較べて表面ー移行するのが遅く、
フリーのシリコーンのみが選択的に失活するものと想像
される。
【0023】フッ素系の界面活性剤は、塗布直前に塗料
に加剤されるのが好ましいが、工程との兼ねあいによ
り、これに限定されるものではない。
【0024】フッ素系の界面活性剤としては、市販のも
のを特に制限なく使用することができる。特に好ましく
使用できるのは、3M社製のフロラードFC430、4
31である。使用する量としては、シリコーンに対し
て、固形分の重量比で1/10〜1/100(フッ素系
の界面活性剤/シリコーン)で用いることが好ましい。
【0025】本発明においては、バックコートにイソシ
アネート類、エポキシ類等の架橋剤を併用することが好
ましい。これらの化合物は、耐熱性を良くするとともに
基板フィルムとの接着性を良くする効果がある。
【0026】本発明においては、また、バックコートに
フィラーまたはマット剤として、シリカ、タルク、炭酸
カルシウム、チッ化ケイ素、酸化チタン等の無機微粒
子、フッ素樹脂系、シリコーン樹脂系、ベンゾグアナミ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機系微粒子を
用いることができる。かかる微粒子の粒子径について
は、特に制限はないが、好ましいのは0.1μm〜2μ
mである。
【0027】本発明においては、また、バックコートに
帯電防止剤を用いることができる。かかる帯電防止剤と
しては、市販のイオン伝導型の界面活性剤タイプ、酸化
スズ、カーボンブラック、ポリアニリン等の電子伝導タ
イプのいずれをも特に制限なく使用することができる。
【0028】本発明においては、さらにまたバックコー
トにワックス類、リン酸エステル、高級直鎖脂肪酸エス
テル等の潤滑剤を補助的に併用することができる。
【0029】本発明において基材フィルムとしては、ポ
リエチレンテレフタレートフィルムを用いるのが好まし
い。また、ポリエチレンナフタレートフィルム、芳香族
ポリアミドフィルム等の耐熱性に優れたフィルムを使用
することも有効である。かかる基材フィルムは、バック
コート層との接着性を高める目的で、下引き処理やコロ
ナ処理を行うことができる。
【0030】フィルムの厚みは特に制限を受けないが、
好ましいのは2〜20μmである。
【0031】本発明においてインク層としては、公知の
溶融転写インク、昇華型インクを特に制限なく使用する
ことができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により更に具体的に本発明を説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0033】
【実施例1】厚み5.5μmの二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルムに下記組成のバックコートを塗布
量(ドライ)1g/m2 でマイヤーバーを用いて塗布し
た。
【0034】バックコート組成: ・シリコーングラフトポリマー 100重量部 (ダイアロマーSP71212%メチルエチルケトン溶
液大日精化工業社製) ・ポリイソシアネート 12重量部 (クロスネートD―7050%酢酸エチル溶液大日精化
工業社製) ・フッ素系界面活性剤 0.5重量部 (フロラードFC43150%酢酸エチル溶液3M社
製) ・メチルエチルケトン 104重量部 次いで、厚み3μmの昇華型感熱転写インク層を反対側
の面に設けた。
【0035】
【比較例1】実施例1の組成からフッ素系の界面活性剤
を除いた以外は、実施例1と同様に行って感熱転写記録
フィルムを作成した。
【0036】
【実施例2】厚み4.5μmの二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルムに下記組成のバックコートを塗布
量(ドライ)0.5g/m2 でマイヤーバーを用いて塗
布した。
【0037】バックコート組成: ・シリコーングラフトポリマー 100重量部 (サイマックUS35030%メチルエチルケトン溶液
東亜合成化学工業社製) ・ポリイソシアネート 2.5重量部 (コロネートHX 100%日本ポリウレタン工業製) ・フッ素系界面活性剤 2重量部 (フロラードFC43150%酢酸エチル溶液3M社
製) ・メチルエチルケトン 500重量部 次いで、厚み3μmの昇華型感熱転写インク層を反対側
の面に設けた。
【0038】
【比較例2】実施例2の組成からフッ素系の界面活性剤
を除いた以外は、実施例2と同様に行って感熱転写記録
フィルムを作成した。
【0039】
【実施例3】厚み5.5μmの二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルムに下記組成のバックコートを塗布
量(ドライ)1.0g/m2 でマイヤーバーを用いて塗
布した。
【0040】バックコート組成: ・ポリビニルブチラール 10重量部 (エスレックBX5積水化学製) ・ポリイソシアネート 4重量部 (コロネートHX 100%日本ポリウレタン製) ・末端アミノ変性反応性 シリコーンオイル 3重量部 (X―22―161B信越シリコーン製) ・フッ素系界面活性剤 0.5重量部 (フロラードFC43150%酢酸エチル溶液3M社
製) ・メチルエチルケトン 200重量部 次いで、厚み3μmの昇華型感熱転写インク層を反対側
の面に設けた。
【0041】
【比較例3】実施例3の組成からフッ素系の界面活性剤
を除いた以外は、実施例3と同様に行って感熱転写記録
フィルムを作成した。
【0042】上記実施例1〜3および比較例1〜3で作
成した感熱転写記録フィルムを、夫々昇華型ビデオプリ
ンター(日立VY―100)のインクシートカセットに
組込み、イエロー、マゼンタ、シアンのべたパターンを
プリントし、スティッキングの発生の有無、およびプリ
ント後のインクシートの状態を調べた。
【0043】いずれのフィルムにおいても、スティッキ
ングの発生はなく、インクシートの走行はスムースであ
り、またプリント後のインクシートに問題となるよう
な、シワ、破れは発生していなかった。
【0044】また、バックコートよりの転写の評価の
為、次の強制テストを行った。
【0045】即ち、インクシートのバックコートと未使
用の基材フィルムを重ねあわせ、加圧下(6kg/cm
2 )16時間経時させた後、剥離する。インクシートの
バックコートに接していた、未使用の基材フィルムの濡
れ性を測定することにより、バックコートからのシリコ
ーンの転写の程度を評価する。
【0046】この結果を表1に示すが、本発明のものは
非転写性にすぐれている。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の感熱転写
記録フィルムはスティッキングの発生がなく、プリント
時にスムースな走行を行い、且つバックコートからのシ
リコーンの転写が少ないため、安定に生産ができ、且つ
ノイズの無いプリントが可能なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム基材の一方に感熱転写記録層を
    有する感熱転写記録フィルムにおいて、サーマルヘッド
    と摺動する面にバインダー樹脂に固定されたシリコーン
    とフッ素系の界面活性剤を含むバックコート層を設けて
    いることを特徴とする感熱転写記録フィルム。
JP4064872A 1992-03-23 1992-03-23 感熱転写記録フィルム Pending JPH05262066A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4064872A JPH05262066A (ja) 1992-03-23 1992-03-23 感熱転写記録フィルム
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KR1019930004540A KR930019432A (ko) 1992-03-23 1993-03-23 열 전사 기록 필름
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Applications Claiming Priority (2)

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Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05262066A true JPH05262066A (ja) 1993-10-12

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ID=26405976

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US (1) US5397764A (ja)
EP (1) EP0562461B1 (ja)
JP (1) JPH05262066A (ja)
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