JP2000230138A - ポリプロピレン用水系付着促進剤およびこれを用いたポリプロピレン素材の塗装方法 - Google Patents
ポリプロピレン用水系付着促進剤およびこれを用いたポリプロピレン素材の塗装方法Info
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Abstract
材への塗料付着性を高めるための水系付着促進剤および
これを用いたポリプロピレン素材の塗装方法を提供す
る。 【解決手段】 ポリプロピレン用水系付着促進剤は、塩
素化ポリプロピレン部分と、この塩素化ポリプロピレン
部分に結合したマレイン酸無水物部分とを含み、塩素含
有率15〜25重量%、マレイン酸無水物部分含有量1
〜5重量%である変性塩素化ポリプロピレンと、アミン
中和水溶性樹脂と、濡れ性改善剤と、水とを含む水系付
着促進剤であって、前記変性塩素化ポリプロピレンの配
合割合が変性塩素化ポリプロピレンおよびアミン中和水
溶性樹脂の合計の25〜90重量%、濡れ性改善剤の配
合割合が水系付着促進剤全体の2.5〜6.0重量%、
固形分量が水系付着促進剤全体の2〜10重量%である
ことを特徴とする。ポリプロピレン素材の塗装方法は、
ポリプロピレン素材を予め洗浄しておいて、上記水系付
着促進剤を塗布し、乾燥させる前処理工程と、前記前処
理工程後の素材に塗装する塗装工程とを含む方法であ
る。
Description
素材に対する塗料付着性改善のための水系付着促進剤お
よびこれを用いたポリプロピレン素材の塗装方法に関す
る。
比較的安価で成形性および耐薬品性等の物性に優れてい
るため、自動車産業を含む産業界で広く用いられてお
り、その使用量は、再利用が可能で価格も低いことか
ら、増加傾向にある。ポリプロピレン素材は、たとえ
ば、自動車外装部品として、バンパー、モール等の外装
部品に用いられているが、耐候性を向上させると同時に
意匠性を付与するために、その表面を塗装するのが通常
である。
その塗装に当たっては、素材に対し、まず、水系洗浄剤
による脱脂と、界面活性剤で濡れ性を高める前処理とを
行った後、プライマーの塗布および焼付けを行ってお
き、その後、塗装を行うようにする。ここで、プライマ
ーの塗布は、塗料の付着性を高めるため行われるが、使
用したプライマー量の実に約70%が塗布中に吹き棄て
られ有効に使用されないのが現状であり、塗布費用を高
くする原因になっていた。しかも、プライマーの塗布後
にこれの焼付けが必要であり、大きな焼付炉が必要で、
設備費用が高く付くという問題もあった。
うことなく、ポリプロピレン素材の塗装を行う方法の開
発が期待されている。
する課題は、プライマー塗装に代わってポリプロピレン
素材への塗料付着性を高めるための水系付着促進剤およ
びこれを用いたポリプロピレン素材の塗装方法を提供す
ることである。
を解決するために、種々の検討、実験を重ねた結果、ポ
リプロピレン素材に対する付着性が高い変性塩素化ポリ
プロピレンと、耐水性の高いアミン中和水溶性樹脂と、
濡れ性改善剤とを含む組成物であれば、ポリプロピレン
素材に対する塗料の付着性を高めることができること、
その結果、プライマー塗装を省略することができること
とを見出し、本発明に到達した。
付着促進剤は、塩素化ポリプロピレン部分と、この塩素
化ポリプロピレン部分に結合したマレイン酸無水物部分
とを含み、塩素含有率15〜25重量%、マレイン酸無
水物部分含有量1〜5重量%である変性塩素化ポリプロ
ピレンと、アミン中和水溶性樹脂と、濡れ性改善剤と、
水とを含む水系付着促進剤であって、前記変性塩素化ポ
リプロピレンの配合割合が変性塩素化ポリプロピレンお
よびアミン中和水溶性樹脂の合計の25〜90重量%、
濡れ性改善剤の配合割合が水系付着促進剤全体の2.5
〜6.0重量%、固形分量が水系付着促進剤全体の2〜
10重量%であることを特徴とする。
は、以下の前処理工程と塗装工程とを含む方法である。 前処理工程:ポリプロピレン素材を予め洗浄し、その後
に、塩素化ポリプロピレン部分と、この塩素化ポリプロ
ピレン部分に結合したマレイン酸無水物部分とを含み、
塩素含有率15〜25重量%、マレイン酸無水物部分含
有量1〜5重量%である変性塩素化ポリプロピレンと、
アミン中和水溶性樹脂と、濡れ性改善剤と、水とを含む
水系付着促進剤であって、前記変性塩素化ポリプロピレ
ンの配合割合が変性塩素化ポリプロピレンおよびアミン
中和水溶性樹脂の合計の25〜90重量%、濡れ性改善
剤の配合割合が水系付着促進剤全体の2.5〜6.0重
量%、固形分量が水系付着促進剤全体の2〜10重量%
であることを特徴とするポリプロピレン用水系付着促進
剤を、前記洗浄されたポリプロピレン素材に塗布し、乾
燥させる工程。
たポリプロピレン素材に塗装する工程。
着促進剤を構成する各成分を、以下に詳しく説明した
後、ポリプロピレン用水系付着促進剤およびポリプロピ
レン素材の塗装方法を説明する。変性塩素化ポリプロピレン 本発明で用いられる変性塩素化ポリプロピレンは、ポリ
プロピレン素材に対する付着性を高める成分である。変
性塩素化ポリプロピレンは、塩素化ポリプロピレン部分
と、この塩素化ポリプロピレン部分に結合したマレイン
酸無水物部分とを含むポリプロピレン誘導体であり、通
常、取扱性が高いエマルションにして用いられる。
1つの塩素原子で置換されたポリプロピレンからなる部
分である。また、マレイン酸無水物部分は、マレイン酸
無水物をグラフトして得られる部分であり、マレイン酸
無水物に由来する環状の酸無水物基および/または遊離
した2つのカルボキシル基を有している。
レンをマレイン酸無水物および塩素と反応させて内部変
性したものであり、たとえば、ポリプロピレンに対して
塩素およびマレイン酸無水物を反応させて製造される。
ここで、塩素およびマレイン酸無水物はどちらを先に反
応させてもよい。塩素との反応は、たとえば、ポリプロ
ピレンを含む溶液に塩素ガスを導入することによって行
われる。また、マレイン酸無水物との反応は、たとえ
ば、過酸化物の存在下、ポリプロピレン(または塩素化
ポリプロピレン)にマレイン酸無水物を反応させること
によって行われる。
は、15〜25重量%であり、好ましくは18〜22重
量%である。塩素含有率が15重量%未満であると、変
性塩素化ポリプロピレンの融点が高まり、容易に結晶化
し、乳化しにくくなって、得られる水系付着促進剤の貯
蔵安定性が低下する。他方、塩素含有率が25重量%を
超えると、変性塩素化ポリプロピレンが非結晶性になっ
て付着性および耐水性が低下する。
水物部分含有量は、1〜5重量%であり、好ましくは3
〜4.5重量%である。マレイン酸無水物部分含有量が
1重量%未満であると、乳化しにくくなって、得られる
水系付着促進剤の貯蔵安定性が低下する。他方、マレイ
ン酸無水物部分含有量が、5重量%を超えると、酸無水
物基が多くなりすぎて、付着性および耐水性が低下す
る。
量については、特に限定はないが、好ましくは20,0
00〜100,000、さらに好ましくは30,000
〜80,000である。重量平均分子量が20,000
未満であると、上塗塗装時の溶剤に膨潤し、付着性が低
下するおそれがある。他方、重量平均分子量が100,
000を超えると、得られる水系付着促進剤の粘度が高
くなり、乳化しにくく、貯蔵安定性が低下するおそれが
ある。アミン中和水溶性樹脂 本発明で用いられるアミン中和水溶性樹脂は、アミン中
和することによって水溶性とした樹脂であり、耐水性の
高い造膜成分である。なお、たとえば、ポリエチレング
リコールやポリビニルピロリドン等のアミン中和で得ら
れたものでない水溶性樹脂の場合は、乾燥して造膜した
後も残存して水溶性を保持するため、その耐水性は低
い。それに対して、本発明で用いられるアミン中和水溶
性樹脂は、乾燥時にアミン類が揮発し、水溶性でなくな
るために耐水性が高くなる。
は、アミン中和された樹脂であれば、特に限定はなく、
たとえば、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹
脂等の樹脂をアミン類で中和したものを挙げることがで
き、これらのうちの1種または2種以上が使用される。
えば、アンモニア、トリエチルアミン、モノエタノール
アミン等を挙げることができ、これらのうちの1種また
は2種以上が使用される。濡れ性改善剤 本発明で用いられる濡れ性改善剤は、水をよくはじく性
質を有するポリプロピレン素材に対して水系付着促進剤
の濡れ性を高める成分である。これを使用することによ
って前述の変性塩素化ポリプロピレンおよびアミン中和
水溶性樹脂から得られる塗膜がポリプロピレン素材に良
く付着するようになる。
が、エチレングリコールヘキシルエーテル、ジメチルポ
リシロキサン・ポリエチレングリコールブロックポリマ
ー(ポリフローKL−245)等を挙げることができ、
これらのうちの1種または2種以上が使用される。これ
らのうちでも、エチレングリコールヘキシルエーテル
は、濡れ性を改善するとともに、乾燥時に揮発して、得
られる塗膜に残存しないので、耐水性を低下させること
はない。それに対して、通常、濡れ性を高めるために用
いられるアルキルフェニルポリエチレングリコール等で
は、乾燥時に揮発せず、そのまま塗膜に残存するので、
耐水性が低下する。その他の成分 本発明の水系付着促進剤は、適宜、アクリルエマルショ
ン、ウレタンエマルション、ポリ塩化ビニルエマルショ
ン等の樹脂エマルション;チタン白、カーボンブラック
等の無機顔料;タルク、沈降性バリウム等の体質顔料;
有機系の各種着色顔料等を配合したものでもよい。ポリプロピレン用水系付着促進剤および塗装方法 本発明のポリプロピレン用水系付着促進剤は、上記で詳
しく説明した、変性塩素化ポリプロピレンと、アミン中
和水溶性樹脂と、濡れ性改善剤と、水とを必須成分とし
て含み、必要に応じて、上記その他の成分を含むもので
あってもよい。これらの成分を配合する順序等について
は、特に限定はない。
に含まれる変性塩素化ポリプロピレンの配合割合は、変
性塩素化ポリプロピレンおよびアミン中和水溶性樹脂の
合計(固形分量合計)の25〜90重量%であり、好ま
しくは30〜50重量%である。変性塩素化ポリプロピ
レンの配合割合が25重量%未満であると、付着性およ
び耐水性が低下する。他方、変性塩素化ポリプロピレン
の配合割合が90重量%を超えると、造膜性とともに付
着性および耐水性も低下する。
剤全体の2.5〜6.0重量%であり、好ましくは3.
0〜4.0重量%である。濡れ性改善剤の配合割合が
2.5重量%未満であると、ポリプロピレン素材が水系
付着促進剤をはじき、均一に塗布できなくなる。他方、
濡れ性改善剤の配合割合が6.0重量%を超えると、水
系付着促進剤の貯蔵安定性が低下し、変性塩素化ポリプ
ロピレンが凝集し、沈澱する。
の固形分量は、その加熱残分を意味し、水系付着促進剤
全体の2〜10重量%であり、好ましくは4〜6重量%
である。固形分量が2重量%未満であると、水系付着促
進剤から得られる塗膜の膜厚が薄くなりすぎ、付着性お
よび耐水性が低下する。他方、固形分量が10重量%を
超えると、水系付着促進剤の塗布後に流れ跡が残り、得
られた塗膜に凹凸が生じるため、外観が好ましくない。
は、前処理工程と、上塗り塗料を塗装する塗装工程とを
含む塗装方法である。前処理工程は、ポリプロピレン素
材を洗浄した後、上記水系付着促進剤を塗布し、乾燥さ
せる工程である。
工程において、たとえば、以下の(1)〜(3)の工程
を経て準備される。 (1)ポリプロピレン素材を60〜80℃の温水でスプ
レー洗浄する工程。
で脱脂を行う工程。 (3)上記(2)の後、脱イオン水でスプレー洗浄して
アルカリ性洗浄剤を洗い流す工程。
ロピレン素材に、水系付着促進剤を塗布し、乾燥させる
ことによって、ポリプロピレン素材の表面に水系付着促
進剤の塗膜が形成されるようになる。上記塗布は、流し
塗り法、スプレー法、浸漬法およびシャワー法のうちの
少なくとも1つの方法で行うことができる。特定の部品
の塗布方法は、経済性、製造性および品質を考慮して選
択される。ある部品では、塗布後にポリプロピレン素材
を垂直に保持し、その後に乾燥させることが好ましい。
別の部品、極端には、塗布後に保管および/または吊っ
た状態の素材では、ポリプロピレン素材を、乾燥時に垂
直に対して好ましくは約10°〜約20°、さらに好ま
しくは約10°〜約15°の角度をもって保持されるの
がよい。
促進させるための条件内の雰囲気を持続させることが好
ましい。このような保持条件としては、たとえば、約1
5℃〜約30℃の温度および約40%〜約70%の相対
湿度が好ましく、約20℃〜約25℃の温度および約4
0%〜約70%の相対湿度が最も好ましい。このような
保持工程は、一般には塗膜中の溶剤を適当量揮発させる
フラッシュ状態と呼ばれる。
も特に限定はなく、熱風乾燥炉、遠赤外線炉、近赤外線
炉等を用いて、通常、約60℃〜約120℃、約5分間
〜約15分間の条件で乾燥が行われる。このようにして
得られる水系付着促進剤の乾燥膜厚は、0.1〜1μm
が好ましい。
り塗料を塗装する工程であり、上塗り塗料を塗布、乾燥
することによって行われる。上塗り塗料の種類について
は特に限定はないが、たとえば、一液メラミン焼付塗
料、二液ウレタン塗料、一液ラッカー塗料等が挙げられ
る。
限定はないが、スプレー塗装が好ましい。上塗り塗料を
塗布後に乾燥する方法についても特に限定はなく、熱風
乾燥炉、遠赤外線炉、近赤外線炉等を用いて、通常、7
0〜120℃、20〜60分間の条件で乾燥が行われ
る。このようにして得られる上塗り塗料の乾燥膜厚につ
いては特に限定はないが、15〜60μmが好ましい。
工程で上記水系付着促進剤を用いることによって、プラ
イマー塗装を省略することができるようになる。したが
って、塗装工程での生産性が大幅に向上する。
を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。以下
で、「部」は「重量部」を表す。
マルション(塩素含有率16重量%、マレイン酸無水物
部分含有量1.5重量%、加熱後に残る固形分量30重
量%)6部(6部中の固形分量1.8部)と、アミン中
和水溶性樹脂としての水溶性ウレタン(三洋化成社製、
ユーコートUWS−145、加熱後に残る固形分量35
重量%)12部(12部中の固形分量4.2部)と、濡
れ性改善剤としてのエチレングリコールヘキシルエーテ
ル3部と、水79部とを、攪拌しながらこの順番に混合
して、全量100部の水系付着促進剤(1)を調製し
た。なお、変性塩素化ポリプロピレン/アミン中和水溶
性樹脂(固形分量比率)は30/70、エチレングリコ
ールヘキシルエーテルの配合割合は水系付着促進剤
(1)全体の3重量%、水系付着促進剤(1)の固形分
量は、その加熱残分から求めて、6重量%であった。
ン素材のスプレー洗浄を行った後、アルカリ性洗浄剤
(サーフクリーナーPL−1000、日本ペイント社
製)でスプレー洗浄脱脂を行い、次いで、室温の脱イオ
ン水でスプレー洗浄してアルカリ性洗浄剤を洗い流し
て、洗浄されたポリプロピレン素材を用意した。このポ
リプロピレン素材を水系付着促進剤(1)に浸漬し、1
分間室温で垂直に立てて放置した後、80℃で10分間
乾燥した。次に、上塗り塗料としてのイソシアネート硬
化型ポリエステル樹脂塗料(R−763、モートン・ニ
ッポン・コーティングズ社製)でスプレー塗装し、80
℃で40分間乾燥して塗装物(1)を得た。なお、乾燥
膜厚は15〜25μmであった。
の評価方法で行った。その結果を表1に示す。 〔評価方法〕 1.付着性 塗装物について、JIS K5400に準拠して碁盤目
セロテープ剥離試験を行った。2mm角の100個の碁
盤目を用意し、セロテープ剥離試験を行い、以下の評価
基準で評価した。
き取った後、1時間放置してから上記付着性の評価を行
った。評価基準は付着性と同じ。
これに水系付着促進剤で処理した後、垂直にし、80℃
で30分間乾燥して、流れ跡の有無を目視で、以下の評
価基準で評価した。
レン素材を浸漬し、凝集物の有無を目視で、以下の評価
基準で評価した。
塩素化ポリプロピレンエマルションの種類および配合量
や、水溶性ウレタンおよびエチレングリコールヘキシル
エーテルの配合量を、表1および2に示すものに変更す
る以外は、実施剤1と同様にして、それぞれ、水系付着
促進剤(2)〜(4)および比較水系付着促進剤(1)
〜(7)を調製し、物性評価を行った。変性塩素化ポリ
プロピレン/アミン中和水溶性樹脂(固形分量比率)、
エチレングリコールヘキシルエーテルの配合割合および
固形分量も、表1および2に示すとおりである。
も、付着性、耐水性、外観、貯蔵安定性に優れており、
従来のプライマー塗装工程を省くことができる。比較例
1および2では、変性塩素化ポリプロピレンの配合割合
が外れているため、付着性および耐水性が低下してい
る。比較例3では、変性塩素化ポリプロピレンの塩素含
有率が大きすぎるため、付着性および耐水性が低下して
いる。比較例4では、マレイン酸部分含有量が大きすぎ
るため、付着性および耐水性が低下している。比較例5
では、エチレングリコールヘキシルエーテルの配合割合
が大きすぎるため、貯蔵安定性が低下している。比較例
6では、固形分量が少なすぎるため、水系付着促進剤か
ら得られる塗膜が薄くなって付着性および耐水性が低下
している。比較例7では、固形分量が多すぎるため、水
系付着促進剤から得られる塗膜が厚くなって外観がよく
ない。
剤は、ポリプロピレン素材の塗装の前処理工程で用いる
ことによって、プライマー塗装の省略を可能とさせる。
このポリプロピレン用水系付着促進剤を用いれば、塗料
の付着性、塗膜の耐水性および外観が優れるようにな
る。
は、前処理工程で上記水系付着促進剤を用いるため、プ
ライマー塗装を省略することができて、塗装工程の生産
性を大幅に向上させることができる。さらに、この塗装
方法では、ポリプロピレン素材に付着しなかった前記水
系付着促進剤が、工程を通じて再生され、再利用される
ため、経済的に有利である。
Claims (13)
- 【請求項1】塩素化ポリプロピレン部分と、この塩素化
ポリプロピレン部分に結合したマレイン酸無水物部分と
を含み、塩素含有率15〜25重量%、マレイン酸無水
物部分含有量1〜5重量%である変性塩素化ポリプロピ
レンと、アミン中和水溶性樹脂と、濡れ性改善剤と、水
とを含む水系付着促進剤であって、前記変性塩素化ポリ
プロピレンの配合割合が変性塩素化ポリプロピレンおよ
びアミン中和水溶性樹脂の合計の25〜90重量%、濡
れ性改善剤の配合割合が水系付着促進剤全体の2.5〜
6.0重量%、固形分量が水系付着促進剤全体の2〜1
0重量%であることを特徴とする、ポリプロピレン用水
系付着促進剤。 - 【請求項2】前記濡れ性改善剤がエチレングリコールヘ
キシルエーテルである、請求項1に記載のポリプロピレ
ン用水系付着促進剤。 - 【請求項3】ポリプロピレン素材を予め洗浄し、その後
に、塩素化ポリプロピレン部分と、この塩素化ポリプロ
ピレン部分に結合したマレイン酸無水物部分とを含み、
塩素含有率15〜25重量%、マレイン酸無水物部分含
有量1〜5重量%である変性塩素化ポリプロピレンと、
アミン中和水溶性樹脂と、濡れ性改善剤と、水とを含む
水系付着促進剤であって、前記変性塩素化ポリプロピレ
ンの配合割合が変性塩素化ポリプロピレンおよびアミン
中和水溶性樹脂の合計の25〜90重量%、濡れ性改善
剤の配合割合が水系付着促進剤全体の2.5〜6.0重
量%、固形分量が水系付着促進剤全体の2〜10重量%
であることを特徴とするポリプロピレン用水系付着促進
剤を、前記洗浄されたポリプロピレン素材に塗布し、乾
燥させる前処理工程と、 前記前処理工程後に前処理されたポリプロピレン素材に
塗装する塗装工程と、を含む、ポリプロピレン素材の塗
装方法。 - 【請求項4】前記濡れ性改善剤がエチレングリコールヘ
キシルエーテルである、請求項3に記載のポリプロピレ
ン素材の塗装方法。 - 【請求項5】前記ポリプロピレン用水系付着促進剤の塗
布を、流し塗り法、スプレー法、浸漬法およびシャワー
法のうちの少なくとも1つの方法で行う、請求項3また
は4に記載のポリプロピレン素材の塗装方法。 - 【請求項6】前記前処理されたポリプロピレン素材を前
記乾燥前に保持する保持工程をさらに含む、請求項3か
ら5までのいずれかに記載のポリプロピレン素材の塗装
方法。 - 【請求項7】前記保持工程を約15℃〜約30℃の温度
および約40%〜約70%の相対湿度の雰囲気下で行
う、請求項6に記載のポリプロピレン素材の塗装方法。 - 【請求項8】前記保持工程を約20℃〜約25℃の温度
および約40%〜約70%の相対湿度の雰囲気下で行
う、請求項6に記載のポリプロピレン素材の塗装方法。 - 【請求項9】前記前処理されたポリプロピレン素材が垂
直に保持される、請求項6から8までのいずれかに記載
のポリプロピレン素材の塗装方法。 - 【請求項10】前記前処理されたポリプロピレン素材が
垂直に対して約10〜約20°の角度をもって保持され
る、請求項6から8までのいずれかに記載のポリプロピ
レン素材の塗装方法。 - 【請求項11】前記ポリプロピレン素材に塗布時に付着
しなかった前記水系付着促進剤が再生され、再利用され
る、請求項3から10までのいずれかに記載のポリプロ
ピレン素材の塗装方法。 - 【請求項12】前記乾燥を約60℃〜約120℃の温度
で行う、請求項3から11までのいずれかに記載のポリ
プロピレン素材の塗装方法。 - 【請求項13】前記乾燥を約5分間〜約15分間の時間
で行う、請求項3から12までのいずれかに記載のポリ
プロピレン素材の塗装方法。
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