JP2000223720A - 半導体素子およびライフタイム制御方法 - Google Patents

半導体素子およびライフタイム制御方法

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JP2000223720A
JP2000223720A JP11021637A JP2163799A JP2000223720A JP 2000223720 A JP2000223720 A JP 2000223720A JP 11021637 A JP11021637 A JP 11021637A JP 2163799 A JP2163799 A JP 2163799A JP 2000223720 A JP2000223720 A JP 2000223720A
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cathode
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JP11021637A
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English (en)
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Shinichi Yamada
真一 山田
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 逆回復終了時の急激な電流低下を緩和し、ス
パイク電圧を抑制する。 【解決手段】 極めて低濃度のn型半導体から成る基板
の一方の端部にp型アノード層2、他方の端部にはn+
型カソード層3を形成し、前記p型アノード層2とn+
型カソード層3との間にi層1を形成して成る半導体素
子において、前記i層1とn+型カソード層3との間
に、n型カソード層3よりも低濃度のn型不純物層6を
形成する。前記n型不純物層6の距離Wnは前記i層1
の距離Wiと比較して十分短くする。また、前記半導体
素子の設計耐圧Vbを得る必要があるため、最大電界強
度をEmax、i層1とn型不純物層6との濃度差によ
って電界の傾きが変化する際の電界強度をEinf、電
界が0になった際のWiからの距離をWn’(Wn’<
Wn)として、下記の式が成り立つようにする。 Vb=(Emax+Einf)Wi/2+EinfWn’
/2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力変換装置に使
われる半導体素子、特にpinダイオードに関し、電流
減少による静電誘導を低減して、安定した動作を可能に
した半導体素子およびライフタイム制御方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】pinダイオードは、電力変換装置に広
く使われ、高耐圧と低い順方向電圧降下とを実現するこ
とができる半導体素子である。
【0003】図18A(概略構成図),B(不純物濃度分
布図)は、一般的に知られているpinダイオードの説
明図を示すものである。図18において、符号2は、極
めて低濃度のn型半導体から成る基板(一般的には、n
型半導体から成る基板)の一方の端部に設けられたp型
半導体から成るアノード層(アノード領域;以下、p型
アノード層)を示すものであり、符号3は前記基板の他
方の端部に設けられた比較的高濃度のn型半導体から成
るカソード層(カソード領域;以下、n+型カソード層と
称する)を示すものである。符号1は、前記p型アノー
ド層2とn+型カソード層3との間に形成されたi層(真
性層)を示すものである。前記i層1,p型アノード層
2,n+型カソード層3によりpinダイオードが構成
される。
【0004】図18に示したようなpinダイオード
は、逆電圧印加時にi層が空乏化し、高い電圧が狭いi
層にて得られる。順方向特性においては、狭いi層にて
キャリアが充満し、低い電圧降下が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記pinダイオード
の逆回復特性において、図19の回路図に示すようにp
inダイオード4に有極性のスナバ回路5を接続した場
合、図20の電流(曲線ID)・電圧(曲線VD)波形図のよ
うな特性を示す。図20において、pinダイオードに
おける電流は、電流曲線IDにおける一点鎖線で囲まれ
た部分に示すように連続(点線部)ではなく、突然消滅
(実線部)していることが読み取れる。このような急峻な
di/dtにより、高い印加電圧の状態からスパイク状
の誘導電圧が重畳された状態になり、その誘導電圧が耐
圧を超えた場合には、ダイオードが破壊されてしまう。
【0006】図21は、pinダイオードにおける経過
時間に対する逆回復電流(逆方向電流;アノード電流)波
形図を示すものである。なお、図21中の点線部は、逆
方向電流が消滅する部分を示すものである。図21中の
電流曲線IAにおいて、a点はpinダイオードに順方
向電流が流れている部分、b点はpinダイオードの逆
方向電流が消滅する直前の部分、c点はpinダイオー
ドの逆方向電流が消滅した部分を示すものである。
【0007】図22,23,24は、それぞれ図21中
のa,b,c点における距離(pinダイオードにおけ
るp型アノード層側の端部からの距離)に対する電子濃
度分布図,ホール濃度分布図,電界強度分布図を示すも
のである。図22,23に示したように、逆回復終了時
にn+型カソード層付近のキャリア(電子およびホール)
が消滅すると同時に、i層におけるホール濃度が急激に
低下しているために、図20に示したような急激な電流
の減少が起こることを判明した。
【0008】また、図24に示すようにpinダイオー
ドは、p型アノード層側の電界とは別にn+型カソード
層側においても電界(図24中の点線部)が生じてしま
い、それらp型アノード層側とn+型カソード層側との
各電界が互いに重なり合うために、n+型カソード層側
のキャリアが急激に減少してしまうことを読み取ること
ができる。
【0009】本発明は、前記課題に基づいて成されたも
のであり、逆回復終了時の電流の急激な電流低下を緩和
し、スパイク電圧の発生を抑制して、安定した動作が可
能なpinダイオード等の半導体素子およびライフタイ
ム制御方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題の解
決を図るために、第1発明は、低濃度のn型半導体から
成る基板の一方の端部にはp型半導体から成るアノード
層を形成すると共に、前記基板の他方の端部には比較的
高濃度のn型半導体から成るカソード層を形成し、前記
アノード層とカソード層との間にi層を形成して構成さ
れた半導体素子において、前記カソード層とi層との間
に、比較的低濃度のn型半導体から成る不純物層を設け
たことを特徴とする。
【0011】第2発明は、前記第1発明において、前記
不純物層の厚さは、前記i層の厚さと比較して薄くした
ことを特徴とする。
【0012】第3発明は、前記第1発明において、真空
の誘電率をε0、半導体材料の比誘電率をε、電子の電
荷量をq、バンドギャップをEg、前記i層の濃度をN
i、前記i層の厚さをWi、前記不純物層の濃度をN
n、前記不純物層の厚さをWn、前記不純物層における
電界が0の部分と前記Wiとの間の距離をWn’、最大
電界強度をEmax、前記i層とn型不純物層との濃度
差によって電界の傾きが変化する際の電界強度をEin
f、設計耐圧をVb、pi接合で得られる最大の耐電圧
値をVbmとして、前記Vbは(Emax+Einf)W
i/2+EinfWn’/2、前記Emaxは前記i層
の濃度Niの関数(2Vbm/(2ε0εVbm/qNi)
1/2)、前記EinfはEmax−qNiWi/ε0ε、
前記Wn’はEinf/(qNn/ε0ε)、前記Vbm
は60(1016/Ni)3/4×(Eg/1.1)3/2、となる
ようにし、前記WnからWn’を引いた距離が前記基板
のカソード側に生じる電界の厚さと比較して厚くするよ
うに、前記i層の濃度,厚さおよび前記不純物層の濃
度,厚さを設計したことを特徴とする。
【0013】第4発明は、低濃度のn型半導体から成る
基板の一方の端部にはp型半導体から成るアノード層を
形成すると共に、前記基板の他方の端部には比較的高濃
度のn型半導体から成るカソード層を形成し、前記アノ
ード層とカソード層との間にi層を形成して構成された
半導体素子において、前記i層とカソード層との間に、
それぞれ前記i層の濃度と比較して高濃度のn型半導体
から成る不純物層を複数段設けたことを特徴とする。
【0014】第5発明は、前記第4発明において、前記
不純物層は、前記i層の濃度Niと比較して高濃度のn
型半導体から成る第1不純物層と、前記第1不純物層と
比較して高濃度のn型半導体から成る第2不純物層と、
から成ることを特徴とする。
【0015】第6発明は、前記第4発明において、前記
不純物層をC段設け、前記i層の濃度をNi,厚さをW
iとし、半導体素子の深さ方向の任意の距離をx、その
xにおける電界をE(x),厚さをW(x),濃度をN(x)
し、C段目の不純物層の電界をE(c),厚さをW(c)
し、前記C段目の不純物層における電界が0の部分と前
記Wiとの間の距離をW(c)’とし、設計耐圧をVbと
して、下記の数式、
【0016】
【数4】
【0017】が成り立つようにすると共に、前記W(c)
からW(c)’を引いた距離が前記カソード側に生じる電
界の距離と比較して長くするように、前記W(x),N(x)
をそれぞれ設計したことを特徴とする。
【0018】第7発明は、前記第6発明において、真空
の誘電率をε0、半導体材料の比誘電率をε、電子の電
荷量をq、pi接合で得られる最大の耐電圧値をVbm
として、E(0)は(2Vbm/(2ε0εVbm/qNi)
1/2)、E(n)(n≠0)は、
【0019】
【数5】
【0020】となることを特徴とする。
【0021】第8発明は、前記第6または第7発明にお
いて、前記複数段の不純物層は、濃度分布の式が近似的
にガウス分布となるように基板の距離d0からピーク濃
度Nnの拡散を行って形成し、前記d0と、前記拡散に
よる濃度がi層の濃度Niの2倍になる部分との間の距
離をWdとして、
【0022】
【数6】
【0023】が成り立つようにし、前記N(x)の式にお
けるxの微小区間△xを前記設計耐圧Vbの式のW(x)
とすると共に、前記微小区間△xの濃度をN(x)として
求めた耐圧が設計耐圧となるように、前記Nn,d0,
Wdを設計したことを特徴とする。
【0024】第9発明は、低濃度のn型半導体から成る
基板の一方の端部にはp型半導体から成るアノード層を
形成すると共に、前記基板の他方の端部には比較的高濃
度のn型半導体から成るカソード層を形成し、前記アノ
ード層とカソード層との間にi層を形成して構成された
半導体素子のライフタイム制御方法において、電流の急
激な減少が起こる直前の印加電圧によって生じる電界
で、前記i層側の一端とカソード層との間のライフタイ
ムを長くするように、前記基板のアノード側から比較的
低加速電圧の電子線照射を行ったことを特徴とする。
【0025】第10発明は、前記第9発明において、前
記基板のアノード側から比較的低加速電圧の電子線照射
を行う代わりに、前記基板のカソード側から比較的高加
速電圧の電子線照射を行ったことを特徴とする。
【0026】第11発明は、低濃度のn型半導体から成
る基板の一方の端部にはp型半導体から成るアノード層
を形成すると共に、前記基板の他方の端部には比較的高
濃度のn型半導体から成るカソード層を形成し、前記ア
ノード層とカソード層との間にi層を形成して構成され
た半導体素子のライフタイム制御方法において、電子
線,プロトン,ヘリウム等の荷電粒子のうち、何れか1
種類の荷電粒子を前記基板に対して少なくとも2回以上
照射し、電流の急激な減少が起こる直前の印加電圧によ
って生じる電界で、i層側の一端とカソード層との間の
ライフタイムを長くするように制御したことを特徴とす
る。
【0027】第12発明は、前記第11発明において、
前記電子線,プロトン,ヘリウム等のの荷電粒子のう
ち、それぞれ異なる種類の荷電粒子を前記基板に対して
複数回照射したことを特徴とする。
【0028】第13発明は、前記第11または第12発
明において、前記荷電粒子は、前記基板のアノード側,
カソード側,またはアノード側およびカソード側に対し
て照射したことを特徴とする。
【0029】第14発明は、低濃度のn型半導体から成
る基板の一方の端部にはp型半導体から成るアノード層
を形成すると共に、前記基板の他方の端部には比較的高
濃度のn型半導体から成るカソード層を形成し、前記ア
ノード層とカソード層との間にi層を形成して構成され
た半導体素子のライフタイム制御方法において、前記i
層におけるアノード側とカソード側とにライフタイムの
短い層を設けることにより、電流の急激な減少が起こる
直前の印加電圧によって生じる電界で、i層側の一端と
カソード層との間のライフタイムを長くするように制御
したことを特徴とする。
【0030】第15発明は、前記第1〜第8発明におい
て、前記第9〜第14発明のライフタイム制御方法を適
用したことを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の第1〜第1
1形態を図面に基づいて説明する。
【0032】本発明の実施の第1〜第7形態は、逆回復
終了時の電流の急激な電流低下を緩和し、スパイク電圧
の発生を抑制したpinダイオードを検討したものであ
る。
【0033】まず、図1A(概略構成図),B(不純物濃
度分布図),C(耐圧印加時の電界強度分布図)は、本発
明の実施の第1形態におけるpinダイオードの説明図
を示すものである。図1において、符号6は、i層1と
+型カソード層3との間に形成されるn型半導体から
成る不純物層(n+型カソード層3よりも低濃度;以下、
n型不純物層と称する)を示すものである。
【0034】ここで、前記i層1における距離(厚さ)を
Wi、そのi層1の不純物濃度をNiとし、前記n型不
純物層6の距離をWn、そのn型不純物層6の不純物濃
度をNnとする。まず、前記WiとWnとにおいて、前
記Wnが長く(厚く)なり過ぎると順方向電圧降下の上昇
を招くため、前記Wnは前記Wiと比較して十分短く
(薄く)することが要求される。そのため、前記WiとW
nとにおいて、関係式Wi>>Wnが成り立つことが必要
である。
【0035】また、pinダイオードの設計耐圧Vbが
得られる必要がある。逆電圧の印加によって生じる電界
強度は、ポアソン方程式で表現することができ、耐圧が
最大電界強度Emaxにより決定されるように設計した
場合、pinダイオードにおいて近似的に下記の(1)式
が成り立つ必要がある。なお、Einfはi層1とn型
不純物層6との濃度差によって電界の傾きが変化する際
の電界強度をを示すものである。また、Wn’は電界が
0になった際のWiからの距離であり、そのWn’はW
nと比較して短いものとする。
【0036】 Vb=(Emax+Einf)Wi/2+EinfWn’/2 …… (1) 前記(1)式が成り立つ必要がある理由は、耐圧における
電界がn+型カソード層に達しないようにするためであ
る。
【0037】前記(1)式のEmaxは、下記のNiの関
数で表すことができる。なお、Vbmはi層1が十分に
長い場合に得られる最大の耐電圧値(p型アノード層と
i層との接合(pi接合)で得られる最大の耐電圧値)を
示すものである。
【0038】 (2Vbm/(2ε0εVbm/qNi)1/2) …… (2) また、Einfにおいては、 Emax−qNiWi/ε0ε …… (3) Wn’においては、 Einf/(qNn/ε0ε) …… (4) Vbmにおいては、 60(1016/Ni)3/4×(Eg/1.1)3/2 …… (5) と表すことができる。なお、前記ε0は真空の誘電率、
εは半導体材料の比誘電率、qは電子の電荷量、Egは
バンドギャップであるものとする。また、WnからW
n’を差し引いた距離は、カソード側に生じる電界の距
離と比較して長いものとする。
【0039】次に、本発明の実施の第2形態を説明す
る。前記図1に示したpinダイオードでNnの濃度と
Niの濃度との比が大きいと、i層1とn型不純物層6
との接合にて、図1に示すようなi層1とn+型カソー
ド層3との接合で起こる現象と同じ現象が生じ、スパイ
ク電圧が発生する場合がある。この場合、Nnの濃度を
薄くするとWnが長くなってしまい、順方向電圧降下の
上昇を招いてしまう。そこで、図2(詳細を後述する)の
本実施の第2形態に示すように、i層とn+型カソード
層との間に複数段の不純物層を設けた構造のpinダイ
オードの検討を行った。
【0040】図2A(概略構成図),B(不純物濃度分布
図),C(耐圧印加時の電界強度分布図)は、本実施の第
2形態におけるpinダイオードの説明図を示すもので
ある。なお、図1に示すものと同様なものには同一符号
を付して、その詳細な説明を省略する。
【0041】図2において、符号7aは、i層1とn+
型カソード層3(後述する第2n型不純物層)との間に設
けられる第1n型不純物層を示すものであり、その第1
n型不純物層7aの不純物濃度は前記i層1の不純物濃
度よりも高いものとする。符号7bは、前記第1n型不
純物層7aとn+型カソード層3との間に設けられる第
2n型不純物層を示すものであり、その第2n型不純物
層7bの不純物濃度は第1n型不純物層7aの不純物濃
度よりも高く、且つ前記n+型カソード層3よりも低い
ものとする。前記第1n型不純物層7aおよび第2n型
不純物層7bの不純物濃度の比率は、スパイク電圧が発
生しないように制御される。
【0042】図2に示したpinダイオードの場合、i
層1とn+型カソード層3との間には2段のn型不純物
層(第1,第2n型不純物層)を形成して成るが、それら
n型不純物層を複数段にすることにより、順方向電圧降
下の上昇をより抑えることができる。例えば、前記複数
段のn型不純物層をC段にした際の耐圧Vbは、下記の
数式が成り立つようにする。
【0043】
【数7】
【0044】なお、前記W(c)からW(c)’を差し引いた
距離は、カソード側に生じる電界の距離と比較して長い
ものとし、xは半導体素子の深さ方向の任意の距離を示
すものである。また、E(0)は前記Emaxの式(前記
(2)式)で表すことができ、E(n)(n≠0)は下記の数
式で表すことができる。
【0045】
【数8】
【0046】次に、本発明の実施の第3形態を説明す
る。図3A(概略構成図),B(不純物濃度分布図),C
(耐圧印加時の電界強度分布図)は、本実施の第3形態に
おけるpinダイオードの説明図を示すものである。な
お、図1に示すものと同様なものには同一符号を付し
て、その詳細な説明を省略する。図3において、pin
ダイオードのカソード側にn型不純物によるブロードな
拡散を行って、i層1とn+型カソード層3との間にn
型拡散層8を形成する。前記n型拡散層8の不純物濃度
はガウス分布を示し、そのガウス分布は下記の数式で表
すことができる。
【0047】
【数9】
【0048】なお、前記(8)式におけるxの微小区間Δ
xは前記(6)式のW(x)とし、その際の不純物濃度をN
(x)とすると、前記(6)式と同様に耐圧を計算すること
ができ、その耐圧がpinダイオードの設計耐圧となる
ようにNn,d0,Wdを設計する。
【0049】前記(8)式より、xがd0のときにN(x)
=Nnとなることを読み取ることができる。前記d0は
-+接合(i層とn+型カソード層との接合)よりもカ
ソード側に位置するものとし、素子内部にある必要は無
い。また、前記のような条件では、一般的にカソード側
に対して不純物濃度が順次増加するような構造にするこ
とができる。なお、前記図3中の点線部は、前記(8)式
を考慮して不純物(n型不純物)を拡散させた際の不純物
濃度分布を示すものであり、さらにn型不純物を拡散さ
せた際の不純物濃度分布は実線部に示される。
【0050】次に、本発明の実施の第4形態を説明す
る。図4A(概略構成図),B(不純物濃度分布図),C
(耐圧印加時の電界強度分布図)は、本実施の第4形態に
おけるpinダイオードの説明図を示すものである。な
お、図1に示すものと同様なものには同一符号を付し
て、その詳細な説明を省略する。図4において、符号9
は、n型不純物層6とn+型カソード層3との間に設け
た比較的低濃度のn型半導体から成る不純物層(以下、
-型不純物層と称する)を示すものであり、そのn-
不純物層9の不純物濃度は前記n型不純物層6よりも低
くいものとする。
【0051】図4に示したpinダイオードの場合、n
-型不純物層9の不純物濃度Nn-はi層1の不純物濃度
Niよりも低くなっているが、例えば図5A(概略構成
図),B(不純物濃度分布図)に示すように、i層1の濃
度Niとn-型不純物層9の濃度Nn-とを等しくしてp
inダイオードを構成しても良い。また、図6A(概略
構成図),B(不純物濃度分布図)に示すように、n-型不
純物層9の濃度Nn-をi層1の濃度Niよりも高くし
ても良い。なお、前記pinダイオードにおける耐圧印
加時の電界は、n型不純物層6内あるいはn-型不純物
層9内に存在しても問題は無いが、その電界とカソード
側から生じる電界とが交わらないようにする必要があ
る。
【0052】次に、本発明の実施の第5形態を説明す
る。図7A(概略構成図),B(不純物濃度分布図)は、本
実施の第5形態におけるpinダイオードの説明図を示
すものである。なお、図2に示すものと同様なものには
同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。図7に
おいて、符号10は、pinダイオードにおける複数段
のn型不純物層(図7中では、第1n型不純物層7a,
第2n型不純物層7bの2段)とn+型カソード層3との
間に形成されたn-型不純物層を示すものである。
【0053】前記n-型不純物層10の不純物濃度は、
前記複数段のn型不純物層のうち最終段である第2n型
不純物層7b(C段の場合は第Cn型不純物層)の濃度
(濃度N(END))よりも低いものとし、例えばi層1の不
純物濃度Niよりも低くても良い。また、前記n-型不
純物層10は、図8A(概略構成図),B(不純物濃度分
布図)に示すように複数段(図8中では、第1n-型不純
物層10a,第2n-型不純物層10bの2段)であって
も良い。
【0054】次に、本発明の実施の第6形態を説明す
る。図3に示したpinダイオードの場合では、d0は
-+接合よりもカソード側に位置し、素子内部に位置
する必要は無いと記載したが、そのd0がn-+接合よ
りもアノード側に位置した場合においても問題は無い。
例えば図9A(概略構成図),B(不純物濃度分布図)のp
inダイオードの説明図に示すように、d0がn-+
合よりもアノード側に位置した場合、n型不純物層11
の不純物濃度Nn1(n型不純物層11における不純物
濃度の最大値)よりも極めて低い部分(図9中の符号11
a)が形成される。また、極端な一例として、図10A
(概略構成図),B(不純物濃度分布図)に示すように、図
9中のn型不純物層11とn+型カソード層3との間に
i層1よりも不純物濃度の低いn-型不純物層12を形
成した場合においても、図3に示したpinダイオード
と同様の効果が得られる。
【0055】次に、本発明の実施の第7形態を説明す
る。図11A(概略構成図),B(不純物濃度分布図)は、
本実施の第7形態におけるpinダイオードの説明図を
示すものである。なお、図1に示すものと同様なものに
は同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。図1
1において、符号13a,13bは、それぞれ不純物濃
度が異なり、エピタキシャル成長あるいは基板の張り合
わせによりi層1とn+型カソード層3との間に形成さ
れる第1,第2n型不純物層(不純物濃度;第1n型不
純物層13a>第2n型不純物層13b)を示すもので
ある。符号14a,14bは、それぞれ不純物濃度が異
なり、エピタキシャル成長あるいは基板の張り合わせに
より前記第2n型不純物層13bとn+型カソード層3
との間に形成される第1,第2n-型不純物層(不純物濃
度;第1n-型不純物層14a>第2n-型不純物層14
b)を示すものである。
【0056】図11に示したpinダイオードのよう
に、エピタキシャル成長あるいは基板の張り合わせによ
り、i層とn+型カソード層との間にn型不純物層およ
び濃度の薄いn-型不純物層を複数個形成することによ
り、図3に示したpinダイオードと同様の効果が得ら
れる。なお、図11に示したようなpinダイオードに
おいて、i層とn+型カソード層との間に形成される比
較的濃い濃度の不純物層(図11中では第1n型不純物
層13a,第2n-型不純物層14b)は、拡散により形
成しても良い。
【0057】次に、pinダイオードにおける逆回復終
了時の急激な電流低下を緩和する方法として、pinダ
イオードにおけるn+型カソード付近のライフタイム
を、n+型カソード層以外の領域におけるライフタイム
と比較して長くする方法を説明する。
【0058】図12は、厚さが500μmのpinダイ
オードにおいて、種々の加速エネルギーで電子線照射し
た際のシリコン中の深さに対する吸収量(規格化した吸
収量)分布特性図であり、電子銃とシリコン(基板)との
間に90cmのエアギャップが存在したモデルのシミュ
レーション結果を示すものである。前記吸収量とライフ
タイムとは強い相関を有し、その吸収量が大きくなるほ
どライフタイムは短くなる。そのため、図12により、
加速エネルギーに対するライフタイム分布を読み取るこ
とができる。
【0059】図12に示すように、電子線の加速電圧が
0.5MeVの場合(曲線a)、pinダイオードにおけ
る照射される側の表面(深さ0μm;以下、照射面と称
する)に近くなるほどライフタイムは短く、その照射面
から遠くなるに連れて電子線によるライフタイムの影響
が無くなることを読み取れる。前記加速電圧が1MeV
(曲線b)の場合には、pinダイオードにおける照射面
からの深さ200μm付近が最もライフタイムが短くな
り、その深さ200μm付近から遠くなるに連れてライ
フタイムが長くなっていることを読み取れる。前記加速
電圧が2MeV(曲線c),5MeV(曲線d)の場合に
は、pinダイオードにおける照射面から遠くなるに連
れてライフタイムがそれぞれ短くなっていることを読み
取れる。
【0060】図12に示したようなライフタイム分布に
よりpinダイオードの厚さを考慮し、pinダイオー
ドにおけるn型カソード層付近のライフタイムを長くす
る電子線の照射方法について、本発明の実施の第8形態
により説明する。
【0061】本実施の第8形態における電子線照射方法
は、図13A(概略構成図),B(不純物濃度分布図),C
(吸収量分布図)に示すように、pinダイオードにおけ
るp型アノード層2側の端部から中加速電圧および低加
速電圧の電子線を照射する。または、図14A(概略構
成図),B(不純物濃度分布図),C(吸収量分布図)の説
明図に示すように、pinダイオードにおけるn+型カ
ソード層3側の端部から中加速電圧または高加速電圧の
電子線を照射しても良い。
【0062】図13,14に示すように、比較的低い加
速電圧の電子線をpinダイオードにおけるp型アノー
ド層2側の端部から照射する、または比較的高い加速電
圧の電子線をpinダイオードにおけるn+型カソード
層3側の端部から照射することにより、pinダイオー
ドにおけるライフタイムを制御することが可能となる。
なお、本実施の第8形態におけるpinダイオードのラ
イフタイムを長くする位置は、電流の急激な減少が起こ
る直前の印加電圧によって生じる電界において、i層1
側の一端とn+型カソード層3との間である。そのた
め、単に素子全体でカソード側のライフタイムを長くす
れば良いというものではない。
【0063】本実施の第8形態におけるライフタイム制
御方法は電子線を照射したものであるが、その電子線以
外にプロトン,ヘリウム等の荷電粒子の照射を行う場合
には、半値幅が狭くなってしまうため、高い加速電圧に
より前記半値幅を広げる、または素子に対して種々の方
向から照射を行うことにより、前記電子線の照射と同様
の効果が得られる。そこで、プロトン,ヘリウム等の荷
電粒子の照射によるライフタイム制御方法において、本
発明の実施の第9〜第11形態により説明する。
【0064】本実施の第9形態におけるライフタイム制
御方法は、図15A(概略構成図),B(不純物濃度分布
図),C(吸収量分布図)に示すように、pinダイオー
ドにおけるp型アノード層2側の端部から、同じ種類の
荷電粒子を複数回照射(複合照射)する。なお、図15に
示すライフタイム制御方法の場合、そのpinダイオー
ドにおけるp型アノード層2側の端部からのみ複合照射
が行われているが、その複合照射をpinダイオードに
おけるn+型カソード層3側の端部から、或いは前記2
回の複合照射をそれぞれ別の方向(pinダイオードの
p型アノード層2側およびn+型カソード層3側の端部)
から行っても良い。
【0065】前記照射深さを調整するには、加速電圧を
変化させる、或いは照射源と被照射源との間にシリコン
またはアルミニウム等から成る板を介在させ、その板の
厚さを種々調整することにより行われる。その際、電流
の急激な減少が起こる直前の印加電圧によって生じる電
界において、i層1側の一端とn+型カソード3層との
間の領域の吸収量は、そのi層1側の一端からn+型カ
ソード層3との間の領域以外の部分と比較して少なくな
るようにpinダイオードの設計を行う。
【0066】本実施の第10形態におけるライフタイム
制御方法は、図16A(概略構成図),B(不純物濃度分
布図),C(吸収量分布図)に示すように、pinダイオ
ードにおけるp型アノード層2側の端部からそれぞれ異
なる種類の荷電粒子(プロトン,ヘリウム等)を複合照射
する。なお、図16に示すライフタイム制御方法の場
合、そのpinダイオードにおけるp型アノード層2側
の端部からのみ複合照射が行われているが、その複合照
射をpinダイオードにおけるn+型カソード層3側の
端部、或いは複合照射をそれぞれ別の方向(pinダイ
オードのp型アノード層2側およびn+型カソード層3
側の端部)から行っても良い。
【0067】前記複合照射における照射深さを調整する
には、加速電圧を変化させる、或いは照射源と被照射体
との間にシリコンまたはアルミニウム等から成る板を介
在させ、その板の厚さを種々調整することにより行われ
る。その際、電流の急激な減少が起こる直前の印加電圧
によって生じる電界において、i層1側の一端とn+
カソード層3との間の領域の吸収量は、そのi層1側の
一端とn+型カソード層3との間の領域以外の部分と比
較して少なくなるようにpinダイオードの設計を行
う。
【0068】本実施の第10形態におけるライフタイム
制御方法以外で、金または白金等のライフタイムキラー
をpinダイオードにおけるp型アノード層2側の端部
から拡散することにより、電流の急激な減少が起こる直
前の印加電圧によって生じる電界において、i層1側の
一端とn+型カソード層3との間の領域のライフタイム
を長くする方法においても、本実施の第10形態におけ
る照射方法と同様の効果が得られる。
【0069】次に、本発明の実施の第11形態における
ライフタイム制御方法を、図17A(概略構成図),B
(不純物濃度分布図),C(吸収量分布図)の説明図に基づ
いて説明する。なお、図13に示すものと同様なものに
は同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0070】pinダイオードにおける導通時のキャリ
ア分布は、ホールの供給源となるアノード層の濃度、電
子の供給源となるカソード層の濃度、そしてライフタイ
ムによって決定される。そこで、図17に示すように、
pinダイオードにおけるp型アノード層2側の端部と
+型カソード層3側の端部とから荷電粒子を照射し
て、荷電粒子の吸収分布曲線αで示すように、pinダ
イオードのi層1におけるp型アノード層2側とn+
カソード層3側とにライフタイムの短い層をそれぞれ設
けることにより、それら2つのライフタイムの短い層間
にあるi層1の不純物濃度は低くなる。なお、図17中
の曲線βは導通時のキャリア濃度分布、曲線γは前記の
ライフタイム制御を行わない時のキャリア濃度分布を示
すものである。
【0071】図17に示すようなキャリア濃度分布によ
り、電流の急激な減少が起こる直前の印加電圧によって
生じる電界において、i層1側の一端とn+型カソード
層3との間の領域のキャリア濃度が高くなるように、前
記pinダイオードのp型アノード層2側の端部とn+
型カソード層3側の端部とからの荷電粒子照射の位置お
よび強度を制御する。前記のように、荷電粒子照射の位
置および強度を制御することにより、pinダイオード
における逆回復電流を良好に制御することができる。
【0072】以上示したことから、本実施の第1〜第7
形態によるpinダイオードにおいて、本実施の第8〜
第11形態に示すライフタイムの制御方法を適用するこ
とにより、設計耐圧と逆回復時の急峻な電流減少による
誘導電圧をより低減することができ、pinダイオード
の動作をより安定させる効果が得られる。
【0073】
【発明の効果】以上示したように本発明によれば、順方
向電圧降下の増大がほとんど無い状態で、設計耐圧と逆
回復時の急峻な電流減少をより効果的に緩和し、その電
流減少による誘導電圧を低減することができ、安定した
ダイオードの動作を実現することができる。このような
効果は、拡散プロセスを用いた場合においても得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態におけるpinダイオ
ードの説明図。
【図2】本発明の実施の第2形態におけるpinダイオ
ードの説明図。
【図3】本発明の実施の第3形態におけるpinダイオ
ードの説明図。
【図4】本発明の実施の第4形態におけるpinダイオ
ード(Ni>Nn-)の説明図。
【図5】本発明の実施の第4形態におけるpinダイオ
ード(Ni=Nn-)の説明図。
【図6】本発明の実施の第4形態におけるpinダイオ
ード(Ni<Nn-)の説明図。
【図7】本発明の実施の第5形態におけるpinダイオ
ード(n-型不純物層10)の説明図。
【図8】本発明の実施の第5形態におけるpinダイオ
ード(n-型不純物層10a,10b)の説明図。
【図9】本発明の実施の第6形態におけるpinダイオ
ード(n型不純物層11のみ)の説明図。
【図10】本発明の実施の第6形態におけるpinダイ
オード(n型不純物層11とn-型不純物層12)の説明
図。
【図11】本発明の実施の第7形態におけるpinダイ
オードの説明図。
【図12】シリコン中の深さに対する吸収量分布図。
【図13】本発明の実施の第8形態におけるライフタイ
ム制御方法(アノード側)の説明図。
【図14】本発明の実施の第8形態におけるライフタイ
ム制御方法(カソード側)の説明図。
【図15】本発明の実施の第9形態におけるライフタイ
ム制御方法の説明図。
【図16】本発明の実施の第10形態におけるライフタ
イム制御方法の説明図。
【図17】本発明の実施の第11形態におけるライフタ
イム制御方法の説明図。
【図18】一般的に知られているpinダイオードの説
明図。
【図19】スナバ回路を用いたpinダイオードの回路
図。
【図20】一般的に知られているpinダイオードの電
流・電圧波形図。
【図21】一般的に知られているpinダイオードのア
ノード電流特性図。
【図22】一般的に知られているpinダイオードの電
子濃度特性図。
【図23】一般的に知られているpinダイオードホー
ル濃度特性図。
【図24】一般的に知られているpinダイオード電界
強度特性図。
【符号の説明】
1…i層 2…p型アノード層 3…n+型カソード層 6,11…n型不純物層 7a,13a…第1n型不純物層 7b,13b…第2n型不純物層 8…n型拡散層 9,10,12…n-型不純物層 10a,14a…第1n-型不純物層 10b,14b…第2n-型不純物層

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低濃度のn型半導体から成る基板の一方
    の端部にはp型半導体から成るアノード層を形成すると
    共に、前記基板の他方の端部には比較的高濃度のn型半
    導体から成るカソード層を形成し、前記アノード層とカ
    ソード層との間にi層を形成して構成された半導体素子
    において、 前記カソード層とi層との間に、前記カソード層と比較
    して低濃度のn型半導体から成る不純物層を設けたこと
    を特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 前記不純物層の厚さは、前記i層の厚さ
    と比較して薄くしたことを特徴とする請求項1記載の半
    導体素子。
  3. 【請求項3】 真空の誘電率をε0、半導体材料の比誘
    電率をε、電子の電荷量をq、バンドギャップをEg、
    前記i層の濃度をNi、前記i層の厚さをWi、前記不
    純物層の濃度をNn、前記不純物層の厚さをWn、前記
    不純物層における電界が0の部分と前記Wiとの間の距
    離をWn’、最大電界強度をEmax、前記i層とn型
    不純物層との濃度差によって電界の傾きが変化する際の
    電界強度をEinf、設計耐圧をVb、前記アノード層
    とi層との接合で得られる最大の耐電圧値をVbmとし
    て 前記Vbは(Emax+Einf)Wi/2+EinfW
    n’/2、 前記Emaxは前記i層の濃度Niの関数(2Vbm/
    (2ε0εVbm/qNi)1/2)、 前記EinfはEmax−qNiWi/ε0ε、 前記Wn’はEinf/(qNn/ε0ε)、 前記Vbmは60(1016/Ni)3/4×(Eg/1.1)
    3/2、となるようにし、 前記WnからWn’を引いた距離が前記基板のカソード
    側に生じる電界の厚さと比較して厚くするように、前記
    i層の濃度,厚さおよび前記不純物層の濃度,厚さを設
    計したことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  4. 【請求項4】 低濃度のn型半導体から成る基板の一方
    の端部にはp型半導体から成るアノード層を形成すると
    共に、前記基板の他方の端部には比較的高濃度のn型半
    導体から成るカソード層を形成し、前記アノード層とカ
    ソード層との間にi層を形成して構成された半導体素子
    において、 前記i層とカソード層との間に、それぞれ前記i層の濃
    度と比較して高濃度のn型半導体から成る不純物層を複
    数段設けたことを特徴とする半導体素子。
  5. 【請求項5】 前記不純物層は、前記i層の濃度Niと
    比較して高濃度のn型半導体から成る第1不純物層と、
    前記第1不純物層と比較して高濃度のn型半導体から成
    る第2不純物層と、から成ることを特徴とする請求項4
    記載の半導体素子。
  6. 【請求項6】 前記不純物層をC段設け、前記i層の濃
    度をNi,厚さをWiとし、前記基板の深さ方向の任意
    の距離をx、そのxにおける電界をE(x),厚さを
    (x),濃度をN(x)とし、C段目の不純物層の電界をE
    (c),厚さをW(c)とし、前記C段目の不純物層における
    電界が0の部分と前記Wiとの間の距離をW(c)’と
    し、設計耐圧をVbとして、下記の数式、 【数1】 が成り立つようにすると共に、前記W(c)からW(c)’を
    引いた距離が前記カソード側に生じる電界の距離と比較
    して長くするように、前記W(x),N(x)をそれぞれ設計
    したことを特徴とする請求項4記載の半導体素子。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の半導体素子において、 真空の誘電率をε0、半導体材料の比誘電率をε、電子
    の電荷量をq、前記アノード層とi層との接合で得られ
    る最大の耐電圧値をVbmとして、E(0)は(2Vbm/
    (2ε0εVbm/qNi)1/2)、E(n)(n≠0)は、 【数2】 となることを特徴とする半導体素子。
  8. 【請求項8】 前記複数段の不純物層は、濃度分布の式
    が近似的にガウス分布となるように基板の距離d0から
    ピーク濃度Nnの拡散を行って形成し、 前記d0と、前記拡散による濃度がi層の濃度Niの2
    倍になる部分との間の距離をWdとして、 【数3】 が成り立つようにし、 前記N(x)の式におけるxの微小区間△xを前記設計耐
    圧Vbの式のW(x)とすると共に、前記微小区間△xの
    濃度をN(x)として求めた耐圧が設計耐圧となるよう
    に、前記Nn,d0,Wdを設計したことを特徴とする
    請求項6または7記載の半導体素子。
  9. 【請求項9】 低濃度のn型半導体から成る基板の一方
    の端部にはp型半導体から成るアノード層を形成すると
    共に、前記基板の他方の端部には比較的高濃度のn型半
    導体から成るカソード層を形成し、前記アノード層とカ
    ソード層との間にi層を形成して構成された半導体素子
    のライフタイム制御方法において、 電流の急激な減少が起こる直前の印加電圧によって生じ
    る電界で、前記i層側の一端とカソード層との間のライ
    フタイムを長くするように、前記基板のアノード側から
    比較的低加速電圧の電子線照射を行ったことを特徴とす
    るライフタイム制御方法。
  10. 【請求項10】 前記基板のアノード側から比較的低加
    速電圧の電子線照射を行う代わりに、前記基板のカソー
    ド側から比較的高加速電圧の電子線照射を行ったことを
    特徴とする請求項9記載のライフタイム制御方法。
  11. 【請求項11】 低濃度のn型半導体から成る基板の一
    方の端部にはp型半導体から成るアノード層を形成する
    と共に、前記基板の他方の端部には比較的高濃度のn型
    半導体から成るカソード層を形成し、前記アノード層と
    カソード層との間にi層を形成して構成された半導躰素
    子のライフタイム制御方法において、 電子線,プロトン,ヘリウム等の荷電粒子のうち、何れ
    か1種類の荷電粒子を前記基板に対して少なくとも2回
    以上照射し、電流の急激な減少が起こる直前の印加電圧
    によって生じる電界で、i層側の一端とカソード層との
    間のライフタイムを長くするように制御したことを特徴
    とするライフタイム制御方法。
  12. 【請求項12】 前記電子線,プロトン,ヘリウム等の
    荷電粒子のうち、それぞれ異なる種類の荷電粒子を前記
    基板に対して複数回照射したことを特徴とする請求項1
    1記載のライフタイム制御方法。
  13. 【請求項13】 前記荷電粒子は、前記基板のアノード
    側,カソード側,またはアノード側およびカソード側に
    対して照射したことを特徴とする請求項11または12
    記載のライフタイム制御方法。
  14. 【請求項14】 低濃度のn型半導体から成る基板の一
    方の端部にはp型半導体から成るアノード層を形成する
    と共に、前記基板の他方の端部には比較的高濃度のn型
    半導体から成るカソード層を形成し、前記アノード層と
    カソード層との間にi層を形成して構成された半導体素
    子のライフタイム制御方法において、 前記i層におけるアノード側とカソード側とにライフタ
    イムの短い層を設けることにより、電流の急激な減少が
    起こる直前の印加電圧によって生じる電界で、i層側の
    一端とカソード層との間のライフタイムを長くするよう
    に制御したことを特徴とするライフタイム制御方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜8記載の半導体素子におい
    て、 請求項9〜14記載のライフタイム制御方法を適用した
    ことを特徴とする半導体素子。
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