JP2000193460A - 角速度検出装置 - Google Patents

角速度検出装置

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JP2000193460A JP11160135A JP16013599A JP2000193460A JP 2000193460 A JP2000193460 A JP 2000193460A JP 11160135 A JP11160135 A JP 11160135A JP 16013599 A JP16013599 A JP 16013599A JP 2000193460 A JP2000193460 A JP 2000193460A
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
    • G01C19/5719Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces using planar vibrating masses driven in a translation vibration along an axis

Abstract

(57)【要約】 【課題】 角速度検出装置における検出精度を向上させ
る。 【解決手段】 梁33−1〜33−4により連結された
振動子20及びY軸方向に分割されたメインフレーム3
0−1,30−2が、基板10上面から浮かせて設けられ
ている。メインフレーム30−1,30−2及び振動子
20は、駆動電極部51−1〜51−4によりX軸方向
に駆動される。X,Y両軸に直交するZ軸回りの角速度
により振動子20はY軸方向に振動し、このY軸方向の
振動を検出電極部53−1〜53−4に付与した高周波
信号を用いて測定することにより、角速度が検出され
る。駆動電極部51−1〜51−4を前記Y軸方向に分
割されたメインフレーム30−1,30−2にそれぞれ
設けて独立した駆動信号を付与することにより、メイン
フレーム30−1,30−2をX軸方向に正確に振動さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コリオリ力を利用
して物体の角速度を検出する角速度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば1998年発行の第1
6回センサシンポジウムのテクニカルダイジェスト第3
7頁〜第40頁(Technical Digest of the 16th Sympo
sium,1998,pp.37〜40)、特開平10−103960号
公報、及び1997年IEEE発行のトランスデューサ
(Trnsducer '97)第1129頁〜第1132頁に記載
されているように、基板に支持部材を介して接続されて
なり同基板上にて互いに直交するX軸方向及びY軸方向
に振動可能な振動部と、基板に設けられて振動部をX軸
方向に振動させるための駆動部と、基板に設けられて振
動部のY軸方向の振動を検出するための検出部とからな
り、振動部をX軸方向に振動させた状態で、X軸及びY
軸に直交したZ軸回りに作用する角速度を同振動部のY
軸方向の振動に基づいて検出する角速度検出装置はよく
知られている。
【0003】そして、前記IEEE発行のトランスデュ
ーサには、前記振動部を、基板に支持部材としての駆動
用梁を介して接続され同基板上にてX軸方向に振動可能
な方形状のフレームと、フレーム内に配置されるととも
に同フレームに支持部材としての検出用梁を介して接続
され基板上にてフレームに対してY軸方向に振動可能な
振動子とで構成し、フレームを駆動部により基板に対し
てX軸方向に駆動して振動子を基板に対してX軸方向に
振動させるとともに、振動子の基板に対するY軸方向の
振動を検出部により検出し、振動子にX軸方向以外の不
用な駆動力が伝達されないようにするとともに、Z軸回
りの角速度によって振動子がY軸方向に振動され易くし
て、角速度の検出精度を良好にすることも示されてい
る。また、前記特開平10−103960号公報には、
振動部をX軸方向に振動させるための駆動信号の一部が
Y軸方向に漏れ(以下、この漏れ振動をクロストークと
いう)、このクロストークがノイズとなって現れること
を防止するために、振動部をY軸方向に振動させる補正
部を設けて前記クロストークを打ち消す分だけ振動部を
Y軸方向に振動させるようにすることも示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の角速
度検出装置にあっては、前記クロストークによる角速度
の検出誤差ばかりではなく、振動部(振動子)、駆動
部、フレーム、梁などの加工のばらつきにより、振動部
(振動子)を安定して所望の方向(X軸方向に)に精度
よく振動させることができなかったり、振動子がコリオ
リ力に応じて安定して所望の方向(Y軸方向に)に精度
よく振動しなかったりするために、角速度の検出精度が
悪化するという問題があった。
【0005】また、方形状のフレームを駆動用梁を介し
て基板に接続するとともに、同フレームにその内側にて
検出用梁を介して振動子を接続したタイプの上記従来の
角速度検出装置にあっては、温度変化、外力などの外的
要因により基板が変形すると、この基板の変形に伴って
フレーム及び駆動用梁も変形するので、駆動用梁に内部
応力が発生して同駆動用梁のばね定数の非線形性が大き
くなったり、駆動用梁の変形量が制限されたりするため
に、振動子を安定して所望の方向(X軸方向に)に精度
よく振動させることができず、角速度の検出精度が悪化
するという問題もある。また、このタイプの角速度検出
装置にあっては、フレームの対向する2辺の各両端にそ
れぞれ駆動用梁が設けられているだけであるので、一つ
の梁に作用する応力が大きくなり過ぎて、駆動用梁のば
ね定数の非線形性が大きくなったり、駆動用梁の変形量
が制限されたりするために、振動子を安定かつ大振幅で
所望の方向(X軸方向に)に精度よく振動させることが
できず、角速度の検出精度が悪化するという問題もあ
る。
【0006】さらに、上記従来の角速度検出装置にあっ
ては、前記コリオリ力に応じた振動子のY軸方向の振動
及びクロストークはフレーム及び梁を介して基板にも入
力され、この入力された振動に対する反作用が基板から
フレーム及び梁を介して振動子に逆に入力される。そし
て、この振動子に入力された振動は検出角速度に対する
ノイズの原因となるので、前記振動子のコリオリ力に応
じたY軸方向の振動及びクロストークが大きくなると、
角速度の検出精度が悪化するという問題もある。
【0007】
【発明の大略】本発明は、上記問題に対処するためにな
されたもので、その目的は、前記加工のばらつき、梁の
非線形性、振動子のコリオリ力による振動による影響を
少なくして、検出誤差をできるだけ小さくするようにし
た角速度検出装置を提供することにある。
【0008】前記目的を達成するために、本発明の構成
上の特徴は、基板に支持部材を介して接続され同基板上
にて互いに直交するX軸方向及びY軸方向に振動可能な
振動部と、振動部を基板に対してX軸方向に振動させる
ための駆動部と、振動部の基板に対するY軸方向の振動
を検出するための検出部とを備え、振動部をX軸方向に
振動させた状態でX軸及びY軸に直交したZ軸回りに作
用する角速度を同振動部のY軸方向の振動に基づいて検
出する角速度検出装置において、前記駆動部を、Y軸方
向の異なる位置に配置されて振動部をX軸方向に独立し
て振動させることが可能な複数の分割駆動部で構成した
ことにある。
【0009】この場合、前記振動部を梁を介して接続し
たフレームと振動子とで構成し、前記複数の分割駆動部
はフレームを基板に対してX軸方向に駆動して振動子を
基板に対してX軸方向に振動させるように構成されると
ともに、前記検出部は振動子の基板に対するY軸方向の
振動を検出するように構成されるようにするとよい。
【0010】このように構成した本発明に係る角速度検
出装置においては、駆動部、フレームなどに加工のばら
つきがあって、駆動部によって振動部全体(又はフレー
ムを介して振動子全体)をY軸方向に沿ってX軸方向に
均一に振動させることができない場合、振動部(又はフ
レーム)に対する複数の分割駆動部による駆動力を異な
らせることにより、振動部全体(又はフレームを介して
振動子全体)をY軸方向に沿ってX軸方向に均一に振動
させることができる。その結果、本発明によれば、駆動
部の駆動による振動部(又はフレーム)の振動に対し
て、振動部(又はフレームを介した振動子)の振動に含
まれるY軸方向の不要な振動成分、X,Y両軸に直交す
るZ軸回りの不要な回転成分を減少させて、振動部(又
はフレームを介した振動子)を精度よくX軸方向に振動
させることができるので、Z軸回りの角速度の検出精度
が良好になる。
【0011】この場合、好ましくは、前記角速度検出装
置の使用にあたって、例えば複数の分割駆動部に対して
独立した駆動信号をそれぞれ供給するとともに、同複数
の駆動信号のうちの少なくとも一つの駆動信号による駆
動力を変更可能とする駆動信号発生回路を前記角速度検
出装置に接続するようにすればよい。
【0012】また、前記角速度検出装置において、好ま
しくは、前記各分割駆動部を、X軸方向の各同一直線上
に配置した一対の駆動電極でそれぞれ構成するとよい。
これによれば、各対をなす駆動電極により振動部がより
安定して駆動されることになるとともに、振動部のX軸
方向の振動をより安定させることができて、前記角速度
の検出精度をより良好にできる。
【0013】そして、この角速度検出装置の使用にあた
っては、複数の分割駆動部をそれぞれ構成する一対の駆
動電極に一組の駆動信号をそれぞれ対応させて複数組の
駆動信号を同複数の分割駆動部に供給するものであっ
て、各一組の駆動信号を互いに逆相に設定するととも
に、複数組の駆動信号のうちの少なくとも一組の駆動信
号による駆動力を変更可能とする駆動信号発生回路を、
前記角速度検出装置に接続することにより、複数の分割
駆動部による振動部に対する駆動力を前述の場合と同様
に調整できる。
【0014】また、本発明の他の構成上の特徴は、基板
に駆動用梁を介して接続され同基板に対してX軸方向に
振動可能に支持されたフレームと、フレームにその内側
にて検出用梁を介して接続され基板に対してX軸方向及
び同X軸と直交するY軸方向に振動可能に支持された振
動子と、フレームを基板に対してX軸方向に振動させる
ための駆動部と、振動子の基板に対するY軸方向の振動
を検出するための検出部とを備え、フレーム及び振動子
をX軸方向に振動させた状態でX軸及びY軸に直交した
Z軸回りに作用する角速度を同振動子のY軸方向の振動
に基づいて検出する角速度検出装置において、前記フレ
ームをY軸方向に複数に分割したことにある。
【0015】これによれば、温度変化、外力などの外的
要因により基板が変形しても、フレームはY軸方向に複
数に分割され、振動子を介して検出用梁によって互いに
振動可能すなわち弾性的に接続されているので、前記変
形が検出用梁によって吸収され、分割された複数のフレ
ームが互いに影響し合うことを抑制できるとともに、駆
動用梁の変形量を小さく抑えることができる。したがっ
て、前記外的要因による駆動用梁の内部応力を極めて小
さく抑えることができて、同駆動用梁のばね定数の線形
性を良好に保つことができるとともに、駆動用梁の最大
変形量を大きく保つことができるので、振動子を安定か
つ大振幅でX軸方向に精度よく振動させることができ、
角速度の検出精度を良好に保つことができる。
【0016】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
基板、駆動用梁、フレーム、検出用梁、振動子、駆動部
及び検出部を備えた角速度検出装置において、前記駆動
用梁を、前記フレームのX軸方向の中心位置に対して対
称位置にそれぞれ設けた一対の駆動用梁と、前記一対の
駆動用梁との間に設けた少なくとも他の一つの駆動用梁
とで構成したことにある。
【0017】これによれば、多くの駆動用梁によってフ
レームを基板に対して支持できるので、一つの駆動用梁
に作用する応力を小さく保つことができて、駆動用梁の
ばね定数の線形性を良好に保つことができるとともに、
駆動用梁の最大変形量を大きく保つことができるので、
振動子を安定かつ大振幅でX軸方向に精度よく振動させ
ることが可能となり、角速度の検出精度を向上させるこ
とができる。
【0018】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
のような角速度検出装置において、前記フレームを、X
軸方向に延びた部分を有するとともに検出用梁を介して
振動子を接続したメインフレームと、メインフレームの
X軸方向に延びた部分に沿って平行に延びたサブフレー
ムとで構成し、前記駆動用梁を、基板とサブフレームと
を接続して同サブフレームを同基板に対してX軸方向に
振動可能に支持する第1駆動用梁と、サブフレームとメ
インフレームとを接続してメインフレームを基板に対し
てX軸方向に振動可能に支持する第2駆動用梁とで構成
したことにある。
【0019】このように、メインフレームと基板との間
にサブフレームを設けた角速度検出装置においては、サ
ブフレームが駆動用梁の補強部材として作用するので、
駆動用梁の変形によるメインフレームのY軸方向の変位
が抑えられ、メインフレームを安定かつ大振幅でX軸方
向に精度よく振動させることができるようになる。そし
て、振動子もメインフレームを介して安定かつ大振幅で
X軸方向に精度よく振動させることが可能となり、角速
度の検出精度を向上させることができるようになる。
【0020】また、本発明の他の構成上の特徴は、基板
に駆動用梁を介して接続され同基板に対して振動可能に
支持されたフレームと、フレームに検出用梁を介して接
続され基板に対して振動可能に支持された振動子と、フ
レームを基板に対してX軸方向に駆動して振動子を同基
板に対してX軸方向に振動させるための駆動部と、X軸
に直交したY軸方向への振動子の基板に対する振動を検
出するための検出部とを備え、フレーム及び振動子をX
軸方向に振動させた状態でX軸及びY軸に直交したZ軸
回りに作用する角速度を同振動子のY軸方向の振動に基
づいて検出する角速度検出装置において、フレームの基
板に対するY軸方向の振動成分を取り出すための補正部
を設けたことにある。
【0021】この場合、前記駆動用梁を、フレームを基
板に対しY軸方向に比べてX軸方向に振動し易く支持す
るように構成するとともに、前記検出用梁を、振動子を
フレームに対しX軸方向に比べてY軸方向に振動し易く
フレームに接続するように構成するとよい。
【0022】このように構成した本発明においては、フ
レームなどの加工のばらつきに起因し、駆動部によるX
軸方向の駆動によってフレームにはY軸方向の振動成分
が現れ、このフレームのY軸方向の振動成分が検出用梁
を介して振動子に伝達されて同振動子に角速度の検出に
とって誤差となる不要なY軸方向の振動成分が発生した
としても、補正部によって検出されるフレームの基板に
対するY軸方向の振動成分を用いて前記振動子のY軸方
向の不要な振動成分を除去できるので、角速度の検出精
度が良好となる。
【0023】この場合、この角速度検出装置の使用にあ
たって、検出部と補正部とを電気的に接続して、検出部
により検出された振動子のY軸方向の振動成分から補正
部により取り出したフレームのY軸方向の振動成分を除
去するようにすればよい。また、検出部により検出され
た振動子のY軸方向の振動成分から補正部により取り出
したフレームのY軸方向の振動成分を除去する演算回路
を設けるようにしてもよい。
【0024】また、本発明の他の構成上の特徴は、基板
に支持部材を介して接続され基板上にて互いに直交する
X軸方向及びY軸方向に振動可能な振動部と、振動部を
基板に対してX軸方向に振動させるための駆動部と、振
動部の基板に対するY軸方向の振動を検出するための検
出部とを備え、振動部をX軸方向に振動させた状態でX
軸及びY軸に直交したZ軸回りに作用する角速度を同振
動部のY軸方向の振動に基づいて検出する角速度検出装
置において、振動部のY軸方向の振動を抑制するための
サーボ部と、駆動部と協働して振動部を基板に対して所
定の振幅でX軸方向に振動させる駆動回路と、検出部と
協働して振動部の基板に対するY軸方向の振動を表す信
号を取り出す取り出し回路と、前記取り出した振動部の
Y軸方向の振動を表す信号に基づいて振動部のY軸方向
の振動を抑制するためのサーボ制御信号を形成し、同形
成したサーボ制御信号をサーボ部に供給して振動部のY
軸方向の振動を抑制するサーボ制御回路と、前記形成し
たサーボ制御信号に対応した信号を前記角速度を表す信
号として出力する出力回路とを設けたことにある。
【0025】この場合、前記サーボ制御回路を、例えば
前記取り出した振動部のY軸方向の振動を表す信号を入
力し、同入力した信号に応じて振動部のY軸方向の振動
を抑制するための交流サーボ制御信号をサーボ部に供給
して同振動部のY軸方向の振動を抑制するサーボ信号供
給回路で構成するとともに、前記出力回路を、前記交流
サーボ制御信号を同交流サーボ制御信号の振幅値に比例
した直流信号に変換する直流化回路で構成するようにす
るとよい。
【0026】また、前記サーボ制御回路を、駆動回路に
接続されて振動部の角速度による振動の位相に対応する
とともに所定の振幅を有する基準信号を形成する基準信
号形成回路と、前記取り出した振動部のY軸方向の振動
を表す信号を同信号の振幅値に比例した直流サーボ制御
信号に変換して出力する直流化回路と、前記基準信号の
振幅を前記直流サーボ制御信号に応じて制御し、同振幅
の制御された基準信号を前記サーボ部に供給して前記振
動部のY軸方向の振動を抑制するサーボ信号供給回路と
で構成し、前記出力回路は、前記直流サーボ制御信号を
前記角速度を表す信号として出力するように構成しても
よい。
【0027】これによれば、サーボ制御回路は、Z軸回
りに作用する角速度による振動部のY軸方向の振動を、
同振動の大きさに対応するサーボ制御信号(交流又は直
流サーボ制御信号)により抑制することになるので、振
動部のY軸方向の振動がなくなり、又はその振幅が極め
て小さくなる。一方、前記サーボ制御信号は、前記角速
度による振動部のY軸方向の振動に対応しているので、
同サーボ制御信号を角速度を表す信号として取り出すこ
とができる。その結果、角速度による振動部のY軸方向
の振動が基板を介して振動部に逆入力されることに伴う
ノイズの発生が防止され、角速度の検出精度を向上させ
ることができる。
【0028】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
基板、支持部材、振動部、駆動部、検出部、サーボ部、
駆動回路及び取り出し回路を備えた角速度検出装置にお
いて、駆動回路から入力した振動部の角速度による振動
に同期した信号と、取り出し回路から入力した振動部の
Y軸方向の振動を表す信号とに基づいて、角速度に応じ
た振動部のY軸方向の振動を抑制するための第1サーボ
制御信号を形成し、同形成した第1サーボ制御信号をサ
ーボ部に供給して前記角速度に応じた振動部のY軸方向
の振動を抑制する第1サーボ制御回路と、駆動回路から
入力した振動部の駆動によるY軸方向の漏れ振動に同期
した信号と、取り出し回路から入力した振動部のY軸方
向の振動を表す信号とに基づいて、前記漏れ振動を抑制
するための第2サーボ制御信号を形成し、同形成した第
2サーボ制御信号をサーボ部に供給して振動部の漏れ振
動を抑制する第2サーボ制御回路と、前記第1サーボ制
御信号に対応した信号を前記角速度を表す信号として出
力する出力回路とを設けたことにある。
【0029】この場合、前記第1サーボ制御回路を、駆
動回路から入力した振動部の角速度による振動に同期し
た信号の振幅を制御して所定の振幅を有する第1基準信
号を形成する第1基準信号形成回路と、前記取り出した
振動部のY軸方向の振動を表す信号を駆動回路から入力
した振動部の角速度による振動に同期した信号で同期検
波して、振動部の角速度によるY軸方向の振動の大きさ
に比例する第1サーボ制御信号を形成する第1同期検波
回路と、第1基準信号の振幅を第1サーボ制御信号に応じ
て制御し、同振幅の制御された第1基準信号をサーボ部
に供給して振動部の角速度によるY軸方向の振動を抑制
する第1サーボ制御信号供給回路とで構成するととも
に、前記第2サーボ制御回路を、駆動回路から入力した
振動部の駆動によるY軸方向の漏れ振動に同期した信号
の振幅を制御して所定の振幅を有する第2基準信号を形
成する第2基準信号形成回路と、前記取り出した振動部
のY軸方向の振動を表す信号を駆動回路から入力した振
動部の駆動によるY軸方向の漏れ振動に同期した信号で
同期検波して、振動部の駆動による漏れ振動の大きさに
比例する第2サーボ制御信号を形成する第2同期検波回
路と、第2基準信号の振幅を第2サーボ制御信号に応じ
て制御し、同振幅の制御された第2基準信号をサーボ部
に供給して振動部の駆動によるY軸方向の漏れ振動を抑
制する第2サーボ制御信号供給回路とで構成し、前記出
力回路は、第1サーボ制御信号を前記角速度を表す信号
としてを出力するように構成するとよい。
【0030】これによれば、第1サーボ制御回路は角速
度による振動部のY軸方向の振動を抑制するので、同角
速度による振動部のY軸方向の振動が基板を介して振動
部に逆入力されることに伴うノイズの発生が防止され
る。また、第2サーボ制御回路は振動部の駆動によるY
軸方向の漏れ振動を抑制するので、同駆動によるY軸方
向の漏れ振動の発生も防止される。したがって、角速度
の検出精度をより向上させることができる。また、前記
振動部の角速度による振動と駆動による漏れ振動は90
度の位相ずれを有しており、振動部のY軸方向の振動は
90度位相のずれた制御信号でサーボ制御されるので、
振動部の駆動振動周波数の全位相成分についてY軸方向
の振動がサーボ制御されることになり、サーボ制御が的
確に行われる。
【0031】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
第2サーボ制御回路を、前記駆動回路から前記振動部の
角速度による振動に同期した信号とは位相の異なる信号
を入力するとともに、前記取り出し回路から前記振動部
のY軸方向の振動を表す検出信号を入力し、同入力した
両信号に基づいて、前記位相の異なる信号に同期した前
記振動部のY軸方向の振動成分を抑制するための第2サ
ーボ制御信号を形成し、同形成した第2サーボ制御信号
を前記サーボ部に供給して前記位相の異なる信号に同期
した前記振動部のY軸方向の振動を抑制するように構成
したことにある。この場合、前記位相の異なる信号は、
例えば前記角速度による振動に同期した信号に対して9
0度位相の異なる信号である。
【0032】これによれば、前述した振動部のY軸方向
の漏れ振動の問題とは別に、第1サーボ制御回路及び第2
サーボ制御回路により、振動部のY軸方向の振動は異な
る位相(90度異なる位相)で抑制制御されることにな
る。このような位相の異なる2つのサーボ制御により、
振動部の駆動振動周波数の全位相成分についてY軸方向
の振動がサーボ制御されることになり、サーボ制御が的
確に行われる。
【0033】また、本発明の他の構成上の特徴は、サー
ボ制御を行って振動部のY軸方向の振動を抑制するよう
にした角速度検出装置において、振動部のY軸方向の振
動を表す信号の経路の上流部に所定周波数のダミー信号
を供給して同Y軸方向の振動を表す信号に同ダミー信号
を重畳し、前記ダミー信号を受信しないとき同経路の異
常を判定する異常判定回路を前記経路の下流部に設けた
ことにある。
【0034】これによれば、Y軸方向の振動を表す信号
の経路が断線していなければ、異常判定回路は前記経路
を通過したダミー信号を受信し、前記経路の一部が断線
すると、異常判定回路がダミー信号を受信しなくなって
同経路の異常を判定する。したがって、振動部のY軸方
向の振動がサーボ制御により抑制されて、振動部のY軸
方向の振動を表す信号の振幅が「0」又は極めて小さく
ても、前記ダミー信号の有無により、異常判定回路は前
記経路の断線による異常を遅滞なく検出することができ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】
a.第1実施形態 以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する
と、図1は同実施形態に係る半導体で構成した角速度検
出素子の平面図であり、図2は同素子の各部の断面図で
ある。なお、図1及び図2においては、基板10上面と
の間に隙間のある部材と隙間のない部材とで模様を異な
らせて示している。
【0036】この角速度検出素子は、水平面内にて互い
に直交したX,Y軸各方向の中心線に対してそれぞれ対
称に形成されており、シリコンで方形状に形成された基
板10上に、振動子20、一対のメインフレーム30−
1,30−2及び一対のサブフレーム30−3,30−
4をその上面から所定距離だけ隔てた水平面内に延設さ
せている。これらの振動子20及び各フレーム30−
1,30−2,30−3,30−4は、基板10上に振
動可能に支持された振動部を構成する。
【0037】振動子20は、X軸方向に振動している状
態で、X,Y両軸に直交するZ軸回りの角速度によって
同角速度の大きさに比例した振幅でY軸方向に振動する
もので、中央部に設けられて適当な質量を有するととも
にX軸及びY軸を各辺の延設方向とする方形状のマス部
21と、同マス部21の各対角位置からX軸方向に延設
された4つのアーム部22−1〜22−4とからなるほ
ぼH型に形成されている。マス部21、アーム部22−
1〜22−4などの幅広の部分には、複数の方形状の貫
通孔21aが設けられている。
【0038】メインフレーム30−1,30−2は、振
動子20をX軸方向に振動させるもので、振動子20の
アーム部22−1〜22−4のY軸方向外側位置にてX
軸方向にそれぞれ延設された幅広の長尺部31−1,3
1−2と、両長尺部31−1,31−2の両端にてそれ
らの両側にそれぞれY軸方向に短く延設された幅広の終
端部32−1〜32−4とからなるほぼI型にそれぞれ
形成されている。サブフレーム30−3,30−4も、
幅広に構成されていて、長尺部31−1,31−2の各
外側にてX軸方向にそれぞれ延設されている。これらの
メインフレーム30−1,30−2及びサブフレーム3
0−3,30−4においても、前記振動子20における
貫通孔21aと同様な貫通孔が設けられている。
【0039】この場合、メインフレーム30−1,30
−2における終端部32−1,32−3のY軸方向各内
側端及び終端部32−2,32−4のY軸方向各内側端
との各間には隙間がそれぞれ設けられている。このこと
は、メインフレーム30−1,30−2が振動子20の
全周囲を囲むことなく、Y軸方向に複数に分割されてい
ることを意味する。
【0040】メインフレーム30−1,30−2は、梁
33−1〜33−4により振動子20に連結されてい
る。梁33−1〜33−4も、基板10上面から所定距
離だけ隔てた水平面内にてX軸方向に延設されており、
各一端は振動子20のアーム部22−1〜22−4の根
元付近にそれぞれ接続され、各他端はメインフレーム3
0−1,30−2の各終端部32−1〜32−4にそれ
ぞれ接続されている。また、梁33−1〜33−4は、
振動子20のアーム部22−1〜22−4、メインフレ
ーム30−1,30−2の長尺部31−1,31−2及
び終端部32−1〜32−4の幅より細く構成されてい
る。これにより、メインフレーム30−1,30−2か
ら振動子20へY軸方向の振動が伝達され難くかつX軸
方向の振動が効率よく伝達されるようになるとともに、
振動子20がメインフレーム30−1,30−2に対し
X軸方向に比べてY軸方向に振動し易くなっている。す
なわち、梁33−1〜33−4は、振動子20を、基板
10、メインフレーム30−1,30−2及びサブフレ
ーム30−3,30−4に対してY軸方向に振動可能に
支持する機能を有する。
【0041】メインフレーム30−1は、アンカ41−
1,41−2、梁42−1,42−2、サブフレーム3
0−3及び梁43−1,43−2を介し、基板10に対
して振動可能に支持されている。アンカ41−1,41
−2は、図2(A)に示すように、メインフレーム30−
1の長尺部31−1の各外側位置にて、基板10の上面
に固着されている。アンカ41−1,41−2には梁4
2−1,42−2の各一端がそれぞれ接続されるととも
に、同梁42−1,42−2はアンカ41−1,41−
2からそれぞれY軸方向外側に延設されている。梁42
−1,42−2の各先端はサブフレーム30−3の内側
端にそれぞれ接続されており、サブフレーム30−3に
は、同フレーム30−3のY軸方向内側に延設された梁
43−1,43−2の各一端がそれぞれ接続されてい
る。梁43−1,43−2の各他端はメインフレーム3
0−1の長尺部31−1の外側端にそれぞれ接続されて
いる。梁42−1,42−2,43−1,43−2は、
振動子20、メインフレーム30−1,30−2及びサ
ブフレーム30−3,30−4と同様に、基板10から
所定距離だけ上方に浮いて設けられており、梁33−
1,33−2と同様に狭い幅に構成されている。
【0042】メインフレーム30−2は、アンカ41−
3,41−4、梁42−3,42−4、サブフレーム3
0−4及び梁43−3,43−4を介し、基板10に対
して振動可能に支持されている。これらのアンカ41−
3,41−4、梁42−3,42−4、サブフレーム3
0−4及び梁43−3,43−4は、アンカ41−1,
41−2、梁42−1,42−2、サブフレーム30−
3及び梁43−1,43−2とY軸方向の中心線に対し
て対称かつそれぞれ同様に構成されている。これらの構
成により、メインフレーム30−1,30−2は、基板
10に対しX軸方向に振動し易くかつY軸方向に振動し
難く支持されている。すなわち、梁42−1〜42−
4,43−1〜43−4は、メインフレーム30−1,
30−2、サブフレーム30−3,30−4及び振動子
20を基板10に対してX軸方向に振動可能に支持する
機能を有する。また、サブフレーム30−3,30−4
は、補強部材として作用して、梁42−1〜42−4,
43−1〜43−4をX軸方向以外に変形し難くする。
なお、これらのアンカ41−1〜41−4、梁42−1
〜42−4,43−1〜43−4,33−1〜33−4
が、振動部(振動子20及びフレーム30−1〜30−
4)を基板10に対して振動可能に支持する支持部材を
構成する。
【0043】また、基板10上には、メインフレーム3
0−1,30−2を基板10に対してX軸方向に駆動す
るための駆動電極部51−1〜51−4と、前記メイン
フレーム30−1,30−2の基板10に対するX軸方
向の駆動をモニタするための駆動モニタ電極部52−1
〜52−4と、振動子20の基板10に対するY軸方向
の振動を検出するための検出電極部53−1〜53−4
とが設けられている。
【0044】駆動電極部51−1〜51−4は、メイン
フレーム30−1,30−2の終端部32−1〜32−
4の各X軸方向外側位置にて同終端部32−1〜32−
4に向けてX軸方向に延設した複数の電極指を有する櫛
歯状電極51a1〜51a4をそれぞれ備えている。各
櫛歯状電極51a1〜51a4は、図2(B)に示すよう
に、同電極51a1〜51a4に接続されたパッド部5
1b1〜51b4と共にそれぞれ一体的に形成されて基
板10の上面に固着されており、パッド部51b1〜5
1b4の上面には、導電金属(例えばアルミニウム)で
形成された電極パッド51c1〜51c4がそれぞれ設
けられている。終端部32−1〜32−4には、X軸方
向外側に向けて延設した複数の電極指からなる櫛歯状電
極32a1〜32a4が櫛歯状電極51a1〜51a4
に対向してそれぞれ設けられている。櫛歯状電極32a
1〜32a4は、終端部32−1〜32−4と一体的に
形成されて基板10の上面から所定距離だけ浮かして設
けられており、同電極32a1〜32a4の各電極指は
櫛歯状電極51a1〜51a4の各隣合う電極指の幅方
向中心位置に侵入して同隣合う電極指に対向している。
【0045】駆動モニタ電極部52−1〜52−4は、
メインフレーム30−1,30−2の終端部32−1〜
32−4の各X軸方向内側位置にて同終端部32−1〜
32−4に向けてX軸方向に延設した複数の電極指を有
する櫛歯状電極52a1〜52a4をそれぞれ備えてい
る。各櫛歯状電極52a1〜52a4は、図2(B)及び
図2(C)に示すように、同電極52a1〜52a4に接
続されたパッド部52b1〜52b4と共にそれぞれ一
体的に形成されて基板10の上面に固着されており、パ
ッド部52b1〜52b4の上面には、導電金属(例え
ばアルミニウム)で形成された電極パッド52c1〜5
2c4がそれぞれ設けられている。終端部32−1〜3
2−4には、X軸方向内側に向けて延設した複数の電極
指からなる櫛歯状電極32b1〜32b4が櫛歯状電極
52a1〜52a4に対向してそれぞれ設けられてい
る。櫛歯状電極32b1〜32b4は、終端部32−1
〜32−4と一体的に形成されて基板10の上面から所
定距離だけ浮かして設けられており、同電極32b1〜
32b4の各電極指は櫛歯状電極52a1〜52a4の
各隣合う電極指の幅方向中心位置に侵入して同隣合う電
極指に対向している。
【0046】検出電極部53−1〜53−4は、マス部
21の各外側位置にてX軸方向内外両側に延設された複
数の電極指を有する櫛歯状電極53a1〜53a4をそ
れぞれ備えている。各櫛歯状電極53a1〜53a4
は、図2(D)に示すように、同電極53a1〜53a4
に接続されたパッド部53b1〜53b4と共にそれぞ
れ一体的に形成されて基板10の上面に固着されてお
り、パッド部53b1〜53b4の上面には、導電金属
(例えばアルミニウム)で形成された電極パッド53c
1〜53c4がそれぞれ設けられている。振動子20の
マス部21には、X軸方向外側に向けて延設した複数の
電極指からなる櫛歯状電極21a1〜21a4が櫛歯状
電極53a1〜53a4の各一方に対向してそれぞれ設
けられている。振動子20のアーム部22−1〜22−
4の中間部にも、X軸方向内側に向けて延設した複数の
電極指からなる櫛歯状電極22a1〜22a4が櫛歯状
電極53a1〜53a4の各他方に対向してそれぞれ設
けられている。櫛歯状電極21a1〜21a4,22a
1〜22a4は、マス部21及びアーム部22−1〜2
2−4と一体的に形成されて基板10の上面から所定距
離だけ浮かして設けられており、同電極21a1〜21
a4,22a1〜22a4の各電極指は櫛歯状電極53
a1〜53a4の各隣合う電極指間に侵入して同隣合う
電極指に対向している。この場合、櫛歯状電極21a1
〜21a4,22a1〜22a4の各電極指は櫛歯状電
極53a1〜53a4の隣合う各電極指の幅方向中心位
置から一方にずれて設けられている。
【0047】さらに、基板10上には、振動子20に梁
33−3,33−4、メインフレーム30−2、梁43
−3,43−4、サブフレーム30−4、梁42−3及
びアンカ41−3を介して電気的に接続されたパッド部
20aが設けられている。パッド部20aは、アンカ4
1−3と一体的に形成されて基板10の上面に固着され
ており、パッド部20aの上面には、導電金属(例えば
アルミニウム)で形成された電極パッド20bが設けら
れている。
【0048】次に、上記構成の角速度検出素子の製造方
法を、図2を参照しながら簡単に説明しておく。まず、
単結晶シリコン層Aの上面上にシリコン酸化膜Bを介し
て単結晶シリコン層Cを設けたSOI(Silicon−On−In
sulator)基板を用意し、単結晶シリコン層Cにリン、ボ
ロン等の不純物をドーピングして同層Cを低抵抗化す
る。以下、この層を低抵抗層Cという。次に、図1の模
様を付けた部分(ただし、振動子20の貫通孔21a、
メインフレーム30−1,30−2及びサブフレーム3
0−3,30−4の貫通孔を除く)及び各種電極指部分
をレジスト膜にてマスクして、単結晶シリコン層Cを反
応性イオンエッチング等でエッチングして、シリコン酸
化膜B上に、アンカ41−1〜41−4、各種櫛歯状電
極51a1〜51a4、52a1〜52a4、53a1
〜53a4、及び各種パッド部20a、51b1〜51
b4、52b1〜52b4、53b1〜53b4など
(上記に基板10と固着されているとして説明した部
分)を形成する。
【0049】次に、前記形成した部分以外の部分に残存
する酸化シリコン膜Bをフッ酸水溶液などでエッチング
して除去し、振動子20、梁33−1〜33−4、メイ
ンフレーム30−1,30−2、サブフレーム30−
3,30−4、梁42−1〜42−4,43−1〜43
−2及び櫛歯状電極32a1〜32a4,32b1〜3
2b4,21a1〜21a4,22a1〜22a4(上
記に基板10から所定距離だけ浮いているとして説明し
た部分)を形成する。そして、各種パッド部20a、5
1b1〜51b4、52b1〜52b4、53b1〜5
3b4上に、アルミニウム等を蒸着して電極パッド20
b、51c1〜51c4、52c1〜52c4、53c
1〜53c4を形成する。したがって、基板10上に形
成された上述した各部分は基板10とは絶縁された低抵
抗層Cで構成されるとともに、振動子20、梁33−1
〜33−4、メインフレーム30−1,30−2、サブ
フレーム30−3,30−4、梁42−1〜42−4,
43−1〜43−4及び櫛歯状電極32a1〜32a
4,32b1〜32b4,21a1〜21a4,22a
1〜22a4が、基板10から所定距離だけ浮いて位置
するとともにアンカ41−1〜41−4により基板10
に振動可能に支持された構造となる。
【0050】上記のように構成した角速度検出素子を用
いて角速度を検出するための電気回路装置について説明
すると、図3は同電気回路装置をブロック図により示し
ている。
【0051】検出電極部53−1,53−2の電極パッ
ド53c1,53c2には高周波発振器61が接続され
ており、同発振器61は、振動子20の共振周波数より
も極めて高い周波数f1の検出用信号E1sin(2πf1t)
を同パッド53c1,53c2に供給する。この高周波
発振器61には位相反転回路61aが接続されており、
同回路61aは前記検出用信号E1sin(2πf1t)の位相
を反転した検出用信号E1sin(2πf1t+π)を検出電極
部53−3,53−4の電極パッド53c3,53c4
に供給する。
【0052】駆動モニタ電極部52−1,52−3の電
極パッド52c1,52c3には高周波発振器62が接
続されており、同発振器62は、振動子20の共振周波
数よりも極めて高くかつ前記周波数f1とは異なる周波
数f2のモニタ用信号E2sin(2πf2t)を同パッド52
c1,52c3に供給する。高周波発振器62には位相
反転回路62aが接続されており、同回路62aはモニ
タ用信号E2sin(2πf2t)の位相を反転したモニタ用信
号E2sin(2πf2t+π)を駆動モニタ電極部52−2,
52−4の電極パッド52c2,52c4に供給する。
これにより、振動子20のX,Y軸方向の各振動をE0xs
in(2πf0t),E0ysin(2πf0t)で表すと、電極パッ
ド20bから出力されて振動子20のX,Y両軸方向の
各振動をそれぞれ表す信号は、E2・E0x・sin(2πf0t)・
sin(2πf2t),E1・E0y・sin(2πf0t)・sin(2πf1
t)となる。なお、周波数f0は、振動子20の共振周波
数近傍の周波数である。
【0053】駆動電極部51−1〜51−4の各電極パ
ッド51c1〜51c4には、駆動回路70が接続され
ている。駆動回路70は、電極パッド20bから増幅器
63を介して入力した信号に基づいて駆動信号を形成し
て各電極パッド51c1〜51c4に供給する。
【0054】駆動回路70は、増幅器63に直列接続さ
れた復調回路71、移相回路72及び利得制御回路73
を備えているとともに、復調回路71に接続されて利得
制御回路73の利得を制御する検波回路74を備えてい
る。復調回路71は、電極パッド20bから出力された
信号を周波数f2で同期検波して(周波数2πf2の信号
の振幅エンベロープを取り出して)、振動子20のX軸
方向の振動成分を表す信号E0xsin(2πf0t)を出力す
る。移相回路72は、振動子20の振動を表す検出信号
が振動子20を駆動するための信号に対してπ/2(=
1/8πf0秒に相当)だけ遅れることを補正するため
に、入力信号の位相をπ/2だけ進めて出力する。検波
回路74は、前記復調回路71からの信号を周波数f0
で同期検波して(振動子20のX軸方向の振動成分の振
幅エンベロープを取り出して)、振動子20のX軸方向
の振動成分の振幅を表す信号E0xを出力する。利得制御
回路73は、移相回路72及び利得制御回路73の入力
信号の振幅(振動子20のX軸方向の振動成分の振幅)
が一定となるように、移相回路72からの出力信号の利
得を検波回路74からの信号E0xに応じて制御して出力
する、すなわち検波回路74からの信号が大きくなるに
したがって利得制御回路73の出力信号の振幅が小さく
なるように制御して出力する。
【0055】また、駆動回路70は、利得制御回路73
の出力に接続された加算器75−1,75−3も備えて
いるとともに、利得制御回路73に位相反転回路73a
を介して接続された加算器75−2,75−4も備えて
いる。位相反転回路73aは、利得制御回路73からの
信号を位相反転して出力する。加算器75−1,75−
2には可変調整される直流電圧ETを出力する可変電圧源
回路76aが接続されるとともに、加算器75−3,7
5−4には固定された直流電圧EBを出力する定電圧源回
路76bが接続されている。
【0056】加算器75−1は、利得制御回路73から
の信号E0x'sin(2πf0t)と可変電圧源回路76aから
の直流電圧信号ETとを加算して、加算電圧ET+E0x'sin
(2πf0t)を駆動電極部51−1の電極パッド51c
1に供給する。加算器75−2は、位相反転回路73a
からの信号E0x'sin(2πf0t+π)と可変電圧源回路7
6aからの直流電圧信号ETとを加算して、加算電圧ET
E0x'sin(2πf0t+π)を駆動電極部51−2の電極パ
ッド51c2に供給する。加算器75−3は、利得制御
回路73からの信号E0x'sin(2πf0t)と定電圧源回路
76bからの直流電圧信号EBとを加算して、加算電圧EB
+E0x'sin(2πf0t)を駆動電極部51−3の電極パッ
ド51c3に供給する。加算器75−4は、位相反転回
路73aからの信号E0x'sin(2πf0t+π)と定電圧源
回路76bからの直流電圧信号EBとを加算して、加算電
圧EB+E0x'sin(2πf0t+π)を駆動電極部51−4の
電極パッド51c4に供給する。
【0057】また、増幅器63には、直列接続された復
調回路81、検波回路82及び増幅器83からなる出力
回路80が接続されている。復調回路81は、電極パッ
ド20bから出力された信号を周波数f1で同期検波し
て(周波数f1の信号の振幅エンベロープを取り出し
て)、振動子20のY軸方向の振動成分を表す信号E0ys
in(2πf0t)を出力する。検波回路82は、前記復調
回路81からの信号を周波数f0で同期検波して(振動
子20のY軸方向の振動成分の振幅エンベロープを取り
出して)、振動子20のY軸方向の振動成分の振幅を表
す信号E0yを出力する。増幅器83は、前記信号E0yを入
力して出力端子OUTから振動子20のY軸方向の振動
の大きさを表す直流信号を出力する。
【0058】上記のように構成した第1実施形態におい
ては、図3に示すように角速度検出素子を電気回路装置
に接続して角速度検出装置を構成した後、同装置の出荷
前にZ軸回りの角速度を「0」にした状態で出力端子O
UTから振動子20のY軸方向の振動の大きさを表す信
号を取り出す。この場合、角速度「0」であるから、前
記出力信号は「0」であるはずであるが、「0」でなけ
れば可変電圧源回路76aを調整することにより直流電
圧信号ETを変更して、同出力信号が「0」になるように
する。
【0059】この点について説明を加えると、駆動電極
部51−1,51−2には駆動電圧信号ET+E0x'sin(2
πf0t),ET+E0x'sin(2πf0t+π)=ET−E0x'sin
(2πf0t)が印加されるとともに、駆動電極部51−
3,51−4には駆動電圧信号EB+E0x'sin(2πf
0t),EB+E0x'sin(2πf0t+π)=EB−E0x'sin(2π
0t)が印加されている。角速度検出素子が精度よく構
成されている場合には、可変電圧源回路76aからの直
流電圧信号ETと定電圧源回路76bからの直流電圧信号
EBとを等しく設定すれば、メインフレーム30−1,3
0−2には静電引力による均等な力がX軸方向に作用
し、同メインフレーム30−1,30−2は振動周波数
0でX軸方向に同期するとともに同一振幅でそれぞれ
振動するはずである。そして、この振動は、梁33−1
〜33−4を介して振動子20にも伝達され、同振動子
20はX軸方向にしか振動しないはずである。したがっ
て、出力端子OUTから取り出された振動子20のY軸
方向の振動の大きさを表す信号は「0」になるはずであ
る。
【0060】なお、この場合、高周波発振器62、位相
反転回路62a及び駆動モニタ電極部52−1〜52−
4の作用により、X軸方向の振動成分を表す信号E2・E0x
・sin(2πf0t)・sin(2πf2t)が電極パッド20b及
び増幅器63を介して駆動回路70に供給される。そし
て、駆動回路70を構成する復調回路71、検波回路7
4、移相回路72及び利得制御回路73は、移相回路7
2及び利得制御回路73の入力信号E0xsin(2πf
0t)、すなわち電極パッド20bからのX軸方向の前記
振動成分が時間的に常に一定になるように作用するの
で、振動子20はX軸方向に常に一定振幅で振動する。
【0061】一方、角速度検出素子の各部分のばらつ
き、特にメインフレーム30−1,30−2、梁33−
1〜33−4及び駆動電極部51−1〜51−4などの
加工上のばらつきにより、メインフレーム30−1,3
0−2がX軸方向に均等に駆動されない場合には、前記
両直流電圧信号ET,EBが等しくても、振動子20にY軸
方向の振動が発生する。ここで、メインフレーム30−
1,30−2への各駆動力F1,F2に着目すると、駆動
力F1は、前記駆動電圧信号ET+E0x'sin(2πf0t),E
T−E0x'sin(2πf0t)によるもので、Kを比例定数と
すると下記数1で表される。
【0062】
【数1】 F1=K・{(ET+E0x'sin(2πf0t))2−(ET−E0x'sin(2πf0t))2} =4・K・ET・E0x'sin(2πf0t)
【0063】また、駆動力F2は、前記駆動電圧信号EB
+E0x'sin(2πf0t),EB−E0x'sin(2πf0t)による
もので、下記数2で表される。
【0064】
【数2】 F1=K・{(EB+E0x'sin(2πf0t))2−(EB−E0x'sin(2πf0t))2} =4・K・EB・E0x'sin(2πf0t)
【0065】これらの数1,数2からも理解できるよう
に、可変電圧源回路76aから出力される直流電圧信号
ETの大きさを変更することにより、メインフレーム30
−1,30−2に対する両駆動力の大きさを調整するこ
とができる。したがって、振動子20及びメインフレー
ム30−1,30−2のY軸方向の振動成分を除去でき
る。
【0066】このように、上記第1実施形態によれば、
振動子20及びメインフレーム30−1,30−2をX
軸方向に駆動するための駆動電極部51−1〜51−4
を複数に分割するとともに、各駆動電極部51−1〜5
1−4に加えられる駆動電圧信号を独立して可変調整す
るようにしたので、メインフレーム30−1,30−
2、梁33−1〜33−4及び駆動電極部51−1〜5
1−4などに加工上のばらつきがあっても、同加工上の
ばらつきによる振動子20のY軸方向の漏れ振動を簡単
に除去できる。
【0067】次に、前記調整を終えた角速度検出装置を
使ってZ軸回りの角速度を検出する動作について説明す
る。まず、この角速度検出装置を角速度を検出しようと
する物体に固定して、前述のように電気回路装置を作動
させる。この状態で、Z軸回りに角速度が作用すると、
振動子20はコリオリ力によって前記角速度に比例した
振幅でY軸方向に振動し始める。
【0068】この場合、振動子20のY軸方向への振動
により検出電極部53−1〜53−4の静電容量が前記
振動に応じて変化する。そして、この静電容量の変化
は、高周波発振器61及び位相反転回路61aから出力
された検出用信号E1sin(2πf 1t),E1sin(2πf1
+π)=−E1sin(2πf1tπ)の振幅を変調した信号、
すなわちE1・E0y・sin(2πf0t)・sin(2πf1t)となっ
て電極パッド20bに現れ、増幅器63を介して出力回
路80に出力される。出力回路80は、復調回路81、
検波回路82及び増幅器83の作用により、出力端子O
UTから前記振動子20のY軸方向の振動の大きさを表
す信号E0yを出力する。そして、このY軸方向の振動の
大きさはZ軸回りの角速度に比例するので、同角速度を
表す検出信号が出力端子OUTから出力されることにな
る。
【0069】上述したように、この第1実施形態に係る
角速度検出素子においては、振動子20、メインフレー
ム30−1,30−2及びサブフレーム30−3,30
−4は、駆動用梁(支持部材)として機能するY軸方向
に延設された梁42−1〜42−4,43−1〜43−
4により、基板10上にX軸方向に振動可能に支持され
ると同時に、振動子20は、検出用梁(支持部材)とし
て機能するX軸方向に延設された梁33−1〜33−4
により、基板10上にY軸方向に振動可能に支持され
る。そして、基板10上には、Y軸方向の異なる位置に
配置されて振動子20、メインフレーム30−1,30
−2及びサブフレーム30−3,30−4を独立してX
軸方向に駆動可能な駆動電極部51−1〜51−4が設
けられており、これらの駆動電極部51−1〜51−4
による各駆動力が駆動回路70によって調整されるよう
になっているので、角速度検出素子の各部に加工上のば
らつきがあっても、振動子20、メインフレーム30−
1,30−2及びサブフレーム30−3,30−4のX
軸方向の振動が精度よくかつ安定して確保され、Z軸回
りの角速度も精度よく検出される。
【0070】また、上述のように、メインフレーム30
−1,30−2は振動子20の全周囲を囲むことなくY
軸方向に複数に分割され、振動子20を介して梁33−
1〜33−4によって弾性的に接続されているので、温
度変化、外力などの外的要因によりY軸方向に反りが発
生するなど基板10が変形しても、同変形が梁33−1
〜33−4によって吸収され、メインフレーム30−
1,30−2が互いに影響し合うことを抑制することが
できるとともに、梁42−1〜42−4,43−1〜4
3−4の各変形量を小さく抑えることができる。したが
って、前記外的要因による梁42−1〜42−4,43
−1〜43−4における内部応力の発生を極めて小さく
抑えることができて、駆動用梁のばね定数の線形性を良
好に保つことができるとともに、同梁42−1〜42−
4,43−1〜43−4の最大変形量を大きくすること
ができるので、振動子20を安定かつ大振幅でX軸方向
に精度よく振動させることができ、この点においても、
前記Z軸回りの角速度の検出精度を高めることができ
る。
【0071】b.第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態に係る角速度検出装置につ
いて説明すると、図4は上記図1と同様な手法で示した
第2実施形態に係る角速度検出素子の平面図である。
【0072】この角速度検出素子は、上記第1実施形態
の角速度検出素子に、駆動によるメインフレーム30−
1,30−2の斜め振動(Y軸方向の振動成分)の影響
を打ち消すための補正電極部54−1〜54−4を設け
たことを特徴としている。他の部分に関しては、上記第
1実施形態と同じであるので、同一符号を付してその説
明を省略する。
【0073】補正電極部54−1〜54−4は、メイン
フレーム30−1,30−2の各終端部32−1〜32
−4のY軸方向内側部分にてX軸方向内外両側にそれぞ
れ設けられて、X軸方向に延設した複数の電極指を有す
る櫛歯状電極54a1〜54a4をそれぞれ備えてい
る。各櫛歯状電極54a1〜54a4は、同電極54a
1〜54a4に接続されたパッド部54b1〜54b4
と共にそれぞれ一体的に形成されて基板10の上面に固
着されており、パッド部54b1〜54b4の上面に
は、導電金属(例えばアルミニウム)で形成された電極
パッド54c1〜54c4がそれぞれ設けられている。
メインフレーム30−1,30−2の各終端部32−1
〜32−4のY軸方向内側部分には、X軸方向内外両側
に向けて延設した複数の電極指からなる櫛歯状電極32
c1〜32c4が櫛歯状電極54a1〜54a4に対向
してそれぞれ設けられている。櫛歯状電極32c1〜3
2c4は、メインフレーム30−1,30−2と一体的
に形成されて基板10の上面から所定距離だけ浮かして
設けられており、同電極32c1〜32c4の各電極指
は櫛歯状電極54a1〜54a4の各隣合う電極指間に
侵入して同隣合う電極指に対向している。
【0074】この場合も、櫛歯状電極32c1〜32c
4の各電極指は櫛歯状電極54a1〜54a4の隣合う
各電極指の幅方向中心位置から一方にずれて設けられて
いるが、この場合には、櫛歯状電極32c1〜32c4
の各電極指のずれ方向は、上述した検出電極部53−1
〜53−4における各櫛歯状電極54a1〜54a4の
電極指に対する櫛歯状電極21a1〜21a4,22a
1〜22a4の電極指のずれ方向とは逆になっている。
したがって、この場合には、メインフレーム30−1,
30−2のY軸方向の変位による補正電極部54−1〜
54−4の容量(キャパシタンス)変化は、振動子20
の前記と同じY軸方向の変位による検出電極部53−1
〜53−4の容量変化と逆に変化する。すなわち、メイ
ンフレーム30−1,30−2と振動子20のY軸同一
方向の変位に対して、補正電極部54−1〜54−4の
容量が増加(又は減少)するときには、検出電極部53
−1〜53−4の容量は減少(又は増加)する。なお、
メインフレーム30−1,30−2のY軸方向の不要な
振動によってもたらされる補正電極部54−1〜54−
4の容量変化が、振動子20のY軸方向の不要な振動に
よってもたらされる検出電極部53−1〜53−4の容
量変化に対して反対かつ同じ大きさになるように、補正
電極部54−1〜54−4及び検出電極部53−1〜5
3−4を構成しておく必要がある。
【0075】次に、この角速度検出素子に接続される第
1電気回路装置について説明すると、図5は同電気回路
装置をブロック図により示している。この電気回路装置
においては、補正電極部54−1,54−2のための電
極パッド54c1,54c2が、検出電極部53−1,
53−2のための電極パッド53c1,53c2と共通
に高周波発振器61の出力に接続されている。また、補
正電極部54−3,54−4のための電極パッド54c
3,54c4が、検出電極部53−3,53−4のため
の電極パッド53c3,53c4と共通に位相反転回路
61aの出力に接続されている。他の回路については、
上記第1実施形態の場合と同じであるので、同一符号を
付して説明を省略する。
【0076】このように構成した第2実施形態に係る角
速度検出装置においても、上記第1実施形態と場合と同
様にZ軸回りの角速度が検出されるが、この場合には、
補正電極部54−1〜54−4は次のように機能する。
【0077】すなわち、駆動電極部51−1〜51−4
の駆動によってメインフレーム30−1,30−2及び
振動子20が基板10に対してX軸から傾いた斜め方向
に振動している場合、Z軸回りの角速度が「0」であっ
てもY軸方向の振動成分が出力端子OUTには現れてし
まう。しかし、この場合、高周波発振器61からの検出
用の高周波信号は、検出電極部53−1,53−2の櫛
歯状電極53a1,53a2に供給されるとともに補正
電極部54−1,54−2の櫛歯状電極54a1,54
a2にも供給され、また位相反転回路61aからの前記
高周波信号の位相を反転した信号は、検出電極部53−
3,53−4の櫛歯状電極53a3,53a4に供給さ
れるとともに補正電極部54−3,54−4の櫛歯状電
極54a3,54a4にも供給されている。そして、前
述のように、メインフレーム30−1,30−2と振動
子20のY軸同一方向の変位に対して、補正電極部54
−1〜54−4の容量は検出電極部53−1〜53−4
の容量と逆に変化するように構成されているので、振動
子20及びメインフレーム30−1,30−2が同時に
X軸から傾いた斜め方向に振動すると、振動子20のY
軸方向の振動成分によってもたらされる検出電極部53
−1〜53−4の容量変化から、メインフレーム30−
1,30−2のY軸方向の振動成分によってもたらされ
る補正電極部54−1〜54−4の容量変化分が除去さ
れる。
【0078】一方、メインフレーム30−1,30−2
は支持部材としての梁42−1〜42−4,43−1〜
43−4の作用によりY軸方向に振動し難く構成されて
いるとともに、振動子20は支持部材としての梁33−
1〜33−4の作用によってX軸方向にはメインフレー
ム30−1,30−2と一体的に振動し易く、かつY軸
方向にはメインフレーム30−1,30−2と独立に振
動し易く構成されている。したがって、Z軸回りの角速
度に対しては、コリオリ力によって振動子20のみが同
コリオリ力に比例してY軸方向に振動する。その結果、
基板10上の各部品、特に前記メインフレーム30−
1,30−2の加工上のばらつきによって振動子20が
X軸から傾いた方向に駆動されても、前記駆動による振
動子20の傾いた方向への振動による影響が除去され、
角速度が精度よく検出されるようになる。
【0079】次に、前記第2実施形態に係る角速度検出
素子に接続される第2電気回路装置について説明する
と、図6は同電気回路装置をブロック図により示してい
る。
【0080】この電気回路装置においては、補正電極部
54−1,54−2のための電極パッド54c1,54
c2は、高周波発振器64の出力に接続されている。補
正電極部54−3,54−4のための電極パッド54c
3,54c4は、高周波発振器64の出力を位相反転す
る位相反転回路64aの出力に接続されている。高周波
発振器64及び位相反転回路64aは、補正電極部54
−1,54−2の容量変化を検出するためのもので、同
発振器64は、振動子20の共振周波数よりも極めて高
くかつ高周波発振器61,62の各発振周波数f1,f2
とは異なる周波数f3の補正電極用信号E3sin(2πf
3t)を出力する。
【0081】また、この電気回路装置においては、増幅
器63の出力に上記復調回路81、検波回路82及び増
幅器83と並列に、復調回路84、検波回路85及び増
幅器86が接続されている。復調回路84は、電極パッ
ド20bから出力された信号を周波数f3で同期検波し
て(周波数f3の信号の振幅エンベロープを取り出し
て)、メインフレーム30−1,30−2のY軸方向の
振動成分を表す信号E3ysin(2πf0t)を出力する。検
波回路85は、前記復調回路84からの信号を周波数f
0で同期検波して(メインフレーム30−1,30−2
のY軸方向の振動成分の振幅エンベロープを取り出し
て)、メインフレーム30−1,30−2のY軸方向の
振動成分の振幅を表す信号E3yを出力する。また、増幅
器83,86と出力端子OUTの間には、増幅器83の
出力値E0yから増幅器86の出力値E3yを減算して出力す
る減算器87が接続されている。
【0082】このように構成した角速度検出装置におい
ても、上記第1実施形態と場合と同様にZ軸回りの角速
度が検出されるが、この場合も、補正電極部54−1〜
54−4によって検出されたメインフレーム30−1,
30−2のY軸方向の振動成分を用いて、駆動による振
動子20のY軸方向の振動成分が除去される。
【0083】すなわち、駆動電極部51−1〜51−4
の駆動によってメインフレーム30−1,30−2及び
振動子20が基板10に対してX軸から傾いた斜め方向
に振動している場合、この斜め方向の振動におけるメイ
ンフレーム30−1,30−2のY軸方向の振動成分の
振幅値が、復調回路84、検波回路85及び増幅器86
の作用により出力値E3yとして取り出される。そして、
減算器87により、振動子20のY軸方向の振動の大き
さを表す増幅器83の出力値E0yから前記出力値E3yが減
算されて出力端子OUTから出力される。一方、増幅器
83から取り出された振動子20のY軸方向の振動を表
す出力値E0yには、Z軸回りの角速度による振動成分に
加えて、前記メインフレーム30−1,30−2の斜め
方向の振動による不要な振動成分も含まれており、この
不要な振動成分が減算器87の減算によって除去される
ことになる。
【0084】したがって、この第2電気回路装置を用い
た角速度検出装置においても、基板10上の各部品、特
に前記メインフレーム30−1,30−2の加工上のば
らつきによって振動子20がX軸から傾いた方向に駆動
されても、前記駆動による振動子20の傾いた方向への
振動による影響が除去され、角速度が精度よく検出され
るようになる。
【0085】なお、上記第2実施形態に係る角速度検出
装置の第1電気回路装置においては、前記メインフレー
ム30−1,30−2のY軸方向の不要な振動によって
もたらされる補正電極部54−1〜54−4の容量変化
が、前記振動子20のY軸方向の不要な振動によっても
たらされる検出電極部53−1〜53−4の容量変化に
対して反対かつ同じ大きさになるように、補正電極部5
4−1〜54−4及び検出電極部53−1〜53−4を
構成する必要がある。しかし、第2電気回路装置によれ
ば、増幅器83,86の利得を調整することにより、前
記補正電極部54−1〜54−4及び検出電極部53−
1〜53−4の各容量変化の大きさが異なっていても、
前記振動子20のY軸方向の不要な振動成分を除去でき
る。
【0086】また、この第2電気回路装置に角速度検出
素子を適用する場合には、前記補正電極部54−1〜5
4−4の容量変化と検出電極部53−1〜53−4の容
量変化とを反対にする必要もない。したがって、この場
合、櫛歯状電極54a1〜54a4の隣合う各電極指の
幅方向中心位置に対して櫛歯状電極32c1〜32c4
の各電極指をずらす方向と、櫛歯状電極53a1〜53
a4の隣合う各電極指の幅方向中心位置に対して櫛歯状
電極21a1〜21a4,22a1〜22a4の各電極
指をずらす方向とを一致させるようにしても、反対にす
るようにしてもよい。
【0087】c.第3実施形態 次に、本発明の第3実施形態に係る角速度検出装置につ
いて説明すると、図7は上記図1及び図4と同様な手法
で示した第3実施形態に係る角速度検出素子の平面図で
ある。
【0088】この角速度検出素子は、上記第2実施形態
の角速度検出素子と比べて、メインフレーム30−1,
30−2及びサブフレーム30−3,30−4の基板1
0に対する支持構造が異なる点、振動子20の共振周波
数を調整するための調整電極部55−1〜55−4を設
けた点、及び振動子20のY軸方向の振動を打ち消すた
めのサーボ電極部56−1〜56−4を設けた点で異な
る。また、上記第2実施形態の角速度検出素子の補正電
極部54−1〜54−4のためのパット部54b1〜5
4b4を省略して、検出電極部53−1〜53−4のパ
ット部53b1〜53b4には補正電極部54−1〜5
4−4もそれぞれ共通に接続されている。このことは、
上記第2実施形態の第1電気回路装置(図5)の場合の
ように、検出電極部53−1〜53−4のパット部53
b1〜53b4と、補正電極部54−1〜54−4のた
めのパット部54b1〜54b4とを基板10外で接続
した場合と動作上は等価であることを意味する。他の部
分に関しては、上記第2実施形態と同じであるので、同
一符号を付してその説明を省略する。
【0089】まず、メインフレーム30−1,30−2
及びサブフレーム30−3,30−4の基板10に対す
る支持構造について説明する。上記第2実施形態と同様
なアンカ41−1及び梁42−1,43−1からなる1
組の支持部材と、アンカ41−2及び梁42−2,43
−2からなる1組の支持部材との間に、アンカ44−1
及び梁45−1,46−1からなる1組の支持部材と、
アンカ44−2及び梁45−2,46−2からなる1組
の支持部材とがそれぞれ設けられている。
【0090】梁45−1,45−2はY軸方向に延設さ
れており、それらの各内側端はアンカ44−1,44−
2にそれぞれ接続され、それらの各外側端はサブフレー
ム30−3の内側端にそれぞれ接続されている。梁46
−1,46−2もY軸方向に延設されており、それらの
各内側端はメインフレーム30−1の長尺部31−1の
外側端にそれぞれ接続され、それらの各外側端はサブフ
レーム30−3の内側端にそれぞれ接続されている。ま
た、梁45−1,45−2,46−1,46−2も、梁
42−1,42−2,43−1,43−2と同様に、狭
い幅に構成されて基板10から所定距離だけ上方に浮い
て設けられている。
【0091】この場合、梁42−1及び梁42−2は、
サブフレーム30−3の両端部に同フレーム30−3及
びメインフレーム30−1のX軸方向中心位置に対して
対称にそれぞれ設けられており、梁43−1,45−
1,46−1及び梁43−2,45−2,46−2もサ
ブフレーム30−3及びメインフレーム30−1のX軸
方向中心位置に対して対称にそれぞれ設けられている。
これらの全ての梁42−1,42−2,43−1,43
−2,45−1,45−2,46−1,46−2は、長
さ、幅など構造的に同一であり、同一のばね定数を有す
るように構成されている。なお、前記全ての梁42−
1,42−2,43−1,43−2,45−1,45−
2,46−1,46−2を、X軸方向にほぼ等間隔に配
置すると好ましい。
【0092】さらに、全ての梁42−1,42−2,4
3−1,43−2,45−1,45−2,46−1,4
6−2が、同一のばね定数でメインフレーム30−1及
びサブフレーム30−3をX軸方向に正確に振動させる
ために、接続部の構造も工夫されている。この構造につ
いて、梁45−1,46−1を例にして図8を用いて説
明する。梁45−1とアンカ44−1との接続部と、梁
46−1とメインフレーム30−1の長尺部31−1と
の接続部の構造を合わせるために、アンカ44−1は、
基盤10に固着された固着部44a1と、基板10の上
面から浮かせて設けた固着部44a1のX軸方向幅に等
しい接続部44b1とにより構成されている。長尺部3
1−1側には、アンカ44−1のX軸方向幅に等しい接
続部31a1が基板10の上面から浮かせて形成されて
いる。これらの両接続部44b1,31a1には、共に
同一形状の貫通孔44b11,31a11が設けられて
いるとともに、両貫通孔44b11,31a11のX軸
方向の各数も等しく設定されている。他のアンカ41−
1,41−2,44−2及び梁42−1,42−2,4
3−1,43−2,45−2,46−2についても、前
記アンカ44−1及び梁45−1,46−1と同様に構
成されている。
【0093】また、メインフレーム30−2及びサブフ
レーム30−4側にも、この角速度検出素子のY軸方向
中心位置に対して対称に、前記アンカ41−1,41−
2,44−1,44−2及び梁42−1,42−2,4
3−1,43−2,45−1,45−2,46−1,4
6−2からなる支持部材と同様なアンカ41−3,41
−4,44−3,44−4及び梁42−3,42−4,
43−3,43−4,45−3,45−4,46−3,
46−4からなる支持部材が設けられている。
【0094】このように、この第3実施形態において
は、振動子20及びメインフレーム30−1,30−2
をX軸方向に振動させるために多くの駆動用の梁42−
1〜42−4,43−1〜43−4,45−1〜45−
4,46−1〜46−4を設けたので、前記振動子20
及びメインフレーム30−1,30−2の振動の際にも
一つの梁に作用する応力を小さく保つことができる。し
たがって、梁42−1〜42−4,43−1〜43−
4,45−1〜45−4,46−1〜46−4のばね定
数の線形性を良好に保つことができるとともに、それら
の最大変形量を大きく保つことができるので、振動子2
0を安定かつ大振幅でX軸方向に精度よく振動させるこ
とが可能となり、角速度の検出精度を向上させることが
できる。なお、この第3実施形態では、メインフレーム
30−1及びメインフレーム30−2を支持する梁及び
アンカからなる各支持部材の組数をそれぞれ4組とした
が、この各支持部材の組数を3組又は5組以上にしても
よい。
【0095】また、この第3実施形態においては、各梁
42−1〜42−4,43−1〜43−4,45−1〜
45−4,46−1〜46−4の接続構造もほぼ同じに
したので、前記振動子20及びメインフレーム30−
1,30−2の振動の際にも各梁に作用する応力を均等
にすることができる。これにより、梁42−1〜42−
4,43−1〜43−4,45−1〜45−4,46−
1〜46−4のばね定数の線形性を良好に保つととも
に、それらの最大変形量を大きく保つことができるよう
になり、また振動子20及びメインフレーム30−1,
30−2のX軸方向の正確かつ安定した振動を確保する
ことにもなるので、角速度の検出精度が向上する。さら
に、サブフレーム30−3,30−4は、メインフレー
ム30−1,30−2のX軸方向以外の変位に対する梁
42−1〜42−4,43−1〜43−4,45−1〜
45−4,46−1〜46−4の補強部材として作用す
るので、振動子20及びメインフレーム30−1,30
−2のX軸方向の正確かつ安定した振動が確保され、角
速度の検出精度が向上する。
【0096】次に、調整電極部55−1〜55−4及び
サーボ電極部56−1〜56−4について説明する。調
整電極部55−1〜55−4は、振動子20のマス部2
1のX軸方向各外側であって基板10のY軸方向中央部
にそれぞれ設けられて、X軸方向に延設した各一対の電
極指55a1〜55a4をそれぞれ備えている。電極指
55a1,55a3は、同電極指55a1,55a3に
共通に接続されたパッド部56b1と共にそれぞれ一体
的に形成されて基板10の上面に固着されている。電極
指55a2,55a4は、同電極指55a2,55a4
に共通に接続されたパッド部55b2と共にそれぞれ一
体的に形成されて基板10の上面に固着されている。パ
ッド部55b1,55b2上面には、導電金属(例えば
アルミニウム)で形成された電極パッド55c1,55
c2がそれぞれ設けられている。
【0097】各一対の電極指55a1〜55a4には、
振動子20と一体的振動するとともにX軸方向に延設さ
れた各一対の電極指23a1〜23a4がY軸方向に対
向して設けられている。電極指23a1〜23a4は、
振動子20のマス部21のX軸方向両側から同X軸方向
に突出したT字部23−1〜23−4の各Y軸方向内側
端に一体的にそれぞれ形成されている。T字部23−1
〜23−4及び電極指23a1〜23a4は、振動子2
0と一体的に形成されて基板10の上面から所定距離だ
け浮かして設けられている。
【0098】サーボ電極部56−1〜56−4は、各検
出電極部53−1〜53−4のY軸方向内側にそれぞれ
設けられて、X軸方向に延設した各一対の電極指56a
1〜56a4をそれぞれ備えている。各一対の電極指5
6a1〜56a4は、同電極指56a1〜56a4に接
続されたパッド部56b1〜56b4と共にそれぞれ一
体的に形成されて基板10の上面に固着されており、パ
ッド部56b1〜56b4の上面には、導電金属(例え
ばアルミニウム)で形成された電極パッド56c1〜5
6c4がそれぞれ設けられている。
【0099】これらの各一対の電極指56a1〜56a
4には、T字部23−1〜23−4の各Y軸方向外側端
に一体的にそれぞれ形成された各一対の電極指23b1
〜23b4がY軸方向に対向して設けられている。電極
指23b1〜23b4も、振動子20と一体的に形成さ
れて基板10の上面から所定距離だけ浮かして設けられ
ている。
【0100】次に、この第3実施形態に係る角速度検出
素子に接続される第1電気回路装置について説明する
と、図9は同電気回路装置をブロック図により示してい
る。この電気回路装置において、検出電極部53−1及
び補正電極部54−1のための共通の電極パット53c
1と、検出電極部53−2及び補正電極部54−2のた
めの共通の電極パット53c2とには、上記高周波発振
器61が接続されている。検出電極部53−3及び補正
電極部54−3のための共通の電極パット53c3と、
検出電極部53−4及び補正電極部54−4のための共
通の電極パット53c4とには、上記位相反転回路61
aが接続されている。
【0101】調整電極部55−1,55−3のための共
通の電極パット55c1には直流可変電圧源65aが接
続されているとともに、調整電極部55−2,55−4
のための共通の電極パット55c2には直流可変電圧源
65bが接続されている。なお、これらの直流可変電圧
源65a,65bは、複数の電圧源で構成してもよい
が、単一の電圧源を共通に用いてもよい。
【0102】サーボ電極部56−1〜56−4の電極パ
ット56c1〜56c4には、サーボ制御回路90が接
続されている。サーボ制御回路90は、振動子20のY
軸方向の振動を抑制するためのもので、復調回路91、
サーボアンプ92及び位相反転回路93からなる。復調
回路91は、上記第2の実施形態の復調回路92と同じ
であり、振動子20のY軸方向の振動を表す信号を取り
出して、同信号を交流サーボ制御信号として出力する。
サーボアンプ92は、前記交流サーボ制御信号を所定の
ゲインで増幅して、振動子20のY軸方向の振動(Z軸
回りの角速度による振動子20のY軸方向の振動)を打
ち消すために、同ゲイン制御された交流サーボ制御信号
をサーボ電極部56−3,56−4の電極パット56c
3,56c4に供給する。位相反転回路93は、前記ゲ
インの制御された交流サーボ制御信号の位相を反転し
て、同位相反転した逆相の制御信号をサーボ電極部56
−1,56−2の電極パット56c1,56c2に供給
する。
【0103】出力回路80は、検波回路82a及び上記
直流用の増幅器83が接続されている。検波回路82a
は、サーボアンプ92から交流サーボ制御信号を入力す
るとともに、移相回路72から駆動による振動子20の
X軸方向の振動を表す信号を入力し、交流サーボ制御信
号を前記X軸方向の振動を表す信号で同期検波して振動
子20のY軸方向の振動の振幅すなわちZ軸回りの角速
度による振動子20のY軸方向の振動の大きさを表す直
流信号を出力する。ここで、移相回路72の出力信号を
利用するのは、同信号が振動子20のZ軸回りの角速度
によりもたらされるコリオリ力の位相と同期したもので
あり、交流サーボ制御信号すなわち振動子20のZ軸回
りの角速度に同期したものであるからである。他の回路
に関しては、上記第2実施形態の第1電気回路装置と同
じであるので、同回路と同一符号を付して説明を省略す
る。
【0104】このように構成した第3実施形態に係る角
速度検出装置においては、直流可変電圧源65a,65
bの電圧を変化させると、調整電極部55−1〜55−
4による静電引力の大きさが変化し、Y軸方向の力に対
する振動子20の変位量すなわち検出用の梁33−1〜
33−4のばね定数が変更される。その結果、振動子2
0のY軸方向の共振周波数が適宜調整される。
【0105】また、サーボ制御回路90はサーボ電極部
56−1〜56−4に交流サーボ制御信号を供給するの
で、サーボ電極部56−1〜56−4は振動子20のY
軸方向の振動すなわちZ軸回りの角速度による振動子2
0のY軸方向の振動を抑制する。理想的には、振動子2
0のY軸方向の振動の振幅を「0」に制御する。このと
き、サーボアンプ92は振動子20のY軸方向の振動を
打ち消すための信号すなわちZ軸回りの角速度による振
動子20のY軸方向の振動の大きさを振幅で表す信号を
出力しているので、検波回路82aは前記角速度の大き
さを表す直流信号を形成して増幅器83を介して出力す
る。したがって、実際には、振動子20はY軸方向に振
動していないにもかかわらず、Z軸回りの角速度の大き
さを表す信号が取り出されることになる。
【0106】その結果、この第3実施形態によれば、Z
軸回りの角速度による振動子20のY軸方向の振動が基
板10を介して振動子20に再入力することがなくな
り、この再入力に伴うノイズの発生が抑えられ、角速度
の検出精度を向上させることができる。
【0107】このようなサーボ制御について、図10の
サーボ制御の原理を表すブロック図を用いて簡単に説明
しておく。図中、FcはZ軸回りの角速度によって振動
子20にもたらされるY軸方向のコリオリ力を表し、F
sはサーボ力を表し、Rateは角速度を表し、Nは電気回
路入力部の電気的なノイズ量を表す。また、Qは振動子
20の共振のQを表し、Aはサーボアンプ92のゲイン
を表し、bはフィードバック量を表す。このブロック図
からも分かるように、角速度Rateは下記数3により表さ
れる。
【0108】
【数3】Rate=(N/Q+Fc)/(1/Q・A+b)
【0109】前記数3において、ゲインAを大きな値
(例えば、実質的に無限大と考えれる程度に大きな値)
に設定できれば、前記数3は下記数4のように変形され
る。
【0110】
【数4】Rate=Fc/b+N/Q・b
【0111】この数4において、第1項Fc/bは角速
度の検出感度を表し、第2項N/Qbはノイズ成分を表
す。ここで、前記のようなサーボ制御を行わない角速度
検出装置(図10のフィードバックループのないもの)
を想定すると、角速度Rateは下記数5のように表され
る。
【0112】
【数5】Rate=Fc・Q・A+N・A
【0113】この数5においても、第1項Fc・Q・Aは
角速度の検出感度を表し、第2項N・Aはノイズ成分を
表している。これらの数4,5を対比することにより、
サーボ制御を行わない場合には角速度の検出感度は振動
子20の共振のQに依存し、ゲインAをある程度大きく
してサーボ制御を行った場合には角速度の検出感度は振
動子20の共振のQに依存しないことが理解できる。し
たがって、振動子20のY軸方向の振動をサーボ制御す
る前記第3実施形態によれば、角速度の検出感度が振動
子20の共振のQに依存しなくなって、同検出感度を安
定させることができる。
【0114】次に、前記第3実施形態に係る角速度検出
素子に接続される第2電気回路装置について説明する。
この第2電気回路装置について説明する前に、前記第1
電気回路装置を用いた角速度検出装置の課題を説明して
おく。この種のサーボ制御においては、振動子20の共
振周波数(数〜数10KHz程度)近傍でサーボ制御を
行う必要がある。一方、この種の角速度検出素子におい
ては、図11(B)に示すように、機械的な位相遅れのた
めに周波数軸において大きな位相ずれが生じる。この位
相ずれのために、サーボループのゲインを大きく設定す
ると、位相ずれの大きな周波数域においてサーボ制御に
よる発振が生じてしまう。したがって、図11(A)に示
すように、サーボループのゲインをある程度小さく抑え
て安定したサーボ制御を実現する必要がある。このこと
は、前記数3におけるゲインAをある程度小さな値に抑
えざるを得ないことを意味し、その結果、前記数4で説
明したような角速度の検出感度が振動子20の共振のQ
に依存することになり、同検出感度を充分に安定させる
ことはできない。
【0115】このような課題のために考えられたのが第
2電気回路装置であり、同電気回路装置について図12
のブロック図を用いて説明する。この第2電気回路装置
は、前記第1電気回路装置に対して、出力回路80及び
サーボ制御回路90のみが相違するので、両回路80,
90についてのみ説明する。
【0116】サーボ制御回路90は、振幅制御回路94
a、検波回路95a、サーボアンプ96a及び乗算回路
97aからなって角速度に応じた振動子20のY軸方向
の振動を抑制するための第1サーボ制御回路と、振幅制
御回路94b、検波回路95b、サーボアンプ96b及
び乗算回路97bからなって振動子20の駆動によるY
軸方向の漏れ振動を抑制するための第2サーボ制御回路
とからなる。
【0117】振幅制御回路94aは、移相回路72の出
力であって振動子20に作用するコリオリ力に同期した
信号の振幅を予め決められた基準値に制御することによ
り、振動子20の角速度によるY軸方向の振動に同期し
た一定振幅の第1基準信号を形成する。検波回路95a
は、復調回路91の出力であって振動子20のY軸方向
の振動を表す信号を、移相回路72の出力であって振動
子20に作用するコリオリ力に同期した信号(振動子2
0の角速度によるY軸方向の振動に同期した信号)で同
期検波して、振動子20の角速度によるY軸方向の振動
の大きさに比例する第1直流サーボ制御信号を形成す
る。サーボアンプ96aは、第1直流サーボ制御信号を
所定のゲインで直流増幅して出力する。乗算回路97a
は、前記第1基準信号とゲイン調整された第1直流サー
ボ制御信号とを乗算することにより第1基準信号の振幅
を同ゲイン調整された第1直流サーボ制御信号に応じて
制御し、同振幅の制御された第1基準信号を振動子20
の角速度によるY軸方向の振動を抑制する制御信号とし
て出力する。
【0118】振幅制御回路94bは、復調回路71の出
力であって振動子20の駆動によるY軸方向の漏れ振動
に同期した信号(前記振動子20の角速度によるY軸方
向の振動に対して90度位相の遅れた信号)の振幅を予
め決められた基準値に制御することにより、振動子20
の駆動によるY軸方向の漏れ振動に同期した一定振幅の
第2基準信号を形成する。検波回路95bは、復調回路
91の出力であって振動子20のY軸方向の振動を表す
信号を、復調回路71の出力であって前記振動子20の
駆動によるY軸方向の漏れ振動に同期した信号で同期検
波して、振動子20の駆動による漏れ振動の大きさに比
例する第2直流サーボ制御信号を形成する。サーボアン
プ96bは、第2直流サーボ制御信号を所定のゲインで
直流増幅して出力する。乗算回路97bは、前記第2基
準信号とゲイン調整された第2直流サーボ制御信号とを
乗算することにより第2基準信号の振幅を同ゲイン調整
された第2直流サーボ制御信号に応じて制御し、同振幅
の制御された第2基準信号を振動子20の駆動によるY
軸方向の漏れ振動を抑制する制御信号として出力する。
【0119】乗算回路97a,97bの出力は加算回路
98に接続されており、加算回路98は両乗算回路97
a,97bの各出力を加算合成してサーボ電極部56−
3,56−4の電極パット56c3,56c4に供給す
る。位相反転回路93は、上記第1電気回路装置と同様
に、前記加算回路98による合成信号の位相を反転し
て、同位相反転した逆相の合成信号をサーボ電極部56
−1,56−2の電極パット56c1,56c2に供給
する。
【0120】また、出力回路80は、上記第1電気回路
装置と同様な増幅器83を備えていて、同増幅器83は
サーボアンプ96aの出力を直流増幅して出力する。
【0121】このように構成した第2電気回路装置にお
いては、第1サーボ制御回路は、角速度に応じた振動子
20のY軸方向の振動を抑制するので、同角速度による
振動子20のY軸方向の振動が基板10を介して振動子
20に逆入力されることに伴うノイズの発生が防止され
る。また、第2サーボ制御回路は、振動子20の駆動に
よるY軸方向の漏れ振動を抑制するので、同駆動による
Y軸方向の漏れ振動の発生も防止される。一方、サーボ
アンプ96aは、角速度による振動子20のY軸方向の
振動の大きさに比例した直流信号を出力するので、増幅
器83からは角速度を表す直流信号が得られる。
【0122】この第2電気回路装置によれば、サーボア
ンプ96a,96bの前に検波回路95a,95bをそ
れぞれ設けてサーボ制御信号の直流化を図っているの
で、センサの共振周波数帯域にてサーボ制御を行う必要
がなくなるため、前述した位相ずれの問題がなくなり、
上述したサーボループのゲインを大きく設定できる。こ
のことは、上記数3におけるゲインAを実質的に無限大
に設定できることを意味し、その結果、上記数4で説明
した角速度の検出感度が振動子20の共振のQには依存
しなくなり、同検出感度を安定させることができる。ま
た、増幅器63及び復調回路91により検出信号に位相
ずれが生じても、サーボ制御のゲインが変化するのみ
で、角速度の検出感度、オフセットなどには全く影響す
ることがない。
【0123】d.上記第3実施形態の異常判定について 上記第3実施形態においては、振動子20のY軸方向の
振動をサーボ制御することにより同振動を抑制するよう
にしているので、サーボ制御回路90内を通過する振動
子20のY軸方向の振動を表す信号は極めて小さなもの
である。したがって、サーボ制御回路90内に断線など
の異常が生じたために振動子20のY軸方向の振動を表
す信号が「0」になっているのか、前記振動子20のY
軸方向の振動抑制のために同Y軸方向の振動を表す信号
がほぼ「0」であるのかを判定することが難しい場合が
あり、前記異常の判定に遅れが生じることがある。な
お、前記断線異常は、検波回路82aの出力部、増幅器
83、サーボアンプ96a,96bの出力部などに設け
たローパスフィルタ、及び増幅器63、復調回路91な
どに設けたハイパスフィルタなどを構成する回路部品
(例えば、コンデンサ、抵抗)などの端子が開放した場
合に生じることが多い。
【0124】この異常判定装置について説明すると、図
13は第1の異常判定装置例をブロック図により示して
いる。この第1の異常判定装置例においては、振動子2
0のY軸方向の振動を表す検出信号の経路に、オペアン
プOP1、抵抗R1,R2、コンデンサC1及び直流電
源DC1からなるローパスフィルタ101を介装してい
る。この信号経路の上流すなわちローパスフィルタ10
1の入力側には、抵抗R3を介してダミー信号発生回路
102が接続されている。ダミー信号発生回路102
は、ローパスフィルタ101のカットオフ周波数より高
くかつ前記検出信号に使用されないとともに同検出信号
に含まれない周波数の信号をダミー信号として出力し、
同ダミー信号を検出信号に抵抗R3を介して重畳する。
【0125】検出信号経路の下流すなわちローパスフィ
ルタ101の出力には、比較器COMP1,COMP
2、抵抗R4,R5,R6及びオア回路OR1からなり
異常判定回路を構成するウインドコンパレータ103が
接続されている。この場合、検出信号は抵抗R4,R
5,R6によって定まる第1及び第2基準電圧Vref1,
Vref2の間に収まるように設定されており、ダミー信号
は前記第1及び第2基準電圧Vref1,Vref2の範囲を超
える大振幅に設定されている。
【0126】この第1の異常判定装置例の動作を説明す
ると、コンデンサC1などの回路部品に断線異常が発生
していなくてローパスフィルタ101が正常に動作して
いれば、ダミー信号発生回路102から発生されたダミ
ー信号はローパスフィルタ101を通過しないので、ウ
インドコンパレータ103は検出信号に応答しないでオ
ア回路OR1から正常を表すローレベル信号を出力す
る。一方、コンデンサC1などの回路部品に断線異常が
発生してローパスフィルタ101が正常に動作しなくな
ると、ダミー信号はローパスフィルタ101を通過す
る。この場合、ウインドコンパレータ103はダミー信
号に応答してオア回路OR1から異常を表すハイレベル
信号を出力する。これにより、ウインドコンパレータ1
03は、ダミー信号の通過の有無によりローパスフィル
タ101を含む信号経路の異常を遅滞なく検出でき、同
ウインドコンパレータ103に接続されたフェイル処理
回路(図示しない)は前記信号経路の異常に遅滞なく対
処できる。
【0127】また、図14は第2の異常判定装置例をブ
ロック図により示しており、この装置例においては、振
動子20のY軸方向の振動を表す検出信号の経路に、オ
ペアンプOP2,OP3、抵抗R7,R8、R9、コン
デンサC2及び直流電源DC2からなるハイパスフィル
タ104を介装している。この信号経路の上流すなわち
ハイパスフィルタ104の入力側には、上記第1の異常
判定装置例と同様に抵抗R3を介してダミー信号発生回
路102が接続されている。この場合、ダミー信号発生
回路102は、ハイパスフィルタ104のカットオフ周
波数より高くかつ前記検出信号に使用されないとともに
同検出信号に含まれない周波数の信号をダミー信号とし
て出力し、同ダミー信号を検出信号に抵抗R3を介して
重畳する。
【0128】検出信号経路の下流すなわちハイパスフィ
ルタ104の出力には、検波回路105と、上記第1の
異常判定装置例と同様なウインドコンパレータ103と
が接続されている。これらの検波回路105及びウイン
ドコンパレータ103は異常判定回路を構成する。検波
回路105にはダミー信号も供給されており、同回路1
05はハイパスフィルタ104の出力をダミー信号で同
期検波して、同ダミー信号をその振幅を表す直流信号に
変換してウインドコンパレータ103に出力する。この
場合には、ダミー信号の振幅は、抵抗R4,R5,R6
に設定される第1及び第2基準電圧Vref1,Vref2の間
に収まるように設定されている。
【0129】この第2の異常判定装置例の動作を説明す
ると、コンデンサC2などの回路部品に断線異常が発生
していなくてハイパスフィルタ104が正常に動作して
いれば、ダミー信号発生回路102から出力されたダミ
ー信号はハイパスフィルタ104を通過する。そして、
検波回路105が前記ダミー信号を同期検波して直流電
圧信号を出力するので、ウインドコンパレータ103は
前記直流電圧信号に応答しないで正常を表すローレベル
信号を出力する。一方、コンデンサC2などの回路部品
に断線異常が発生すると、ダミー信号はハイパスフィル
タ104を通過しないので、ウインドコンパレータ10
3は、検波回路105から出力される「0」レベルの信
号に応答してオア回路OR1から異常を表すハイレベル
信号を出力する。これにより、ウインドコンパレータ1
03は、ダミー信号の通過の有無によりハイパスフィル
タ104を含む信号経路の異常を遅滞なく検出でき、同
ウインドコンパレータ103に接続されたフェイル処理
回路(図示しない)は前記信号経路の異常に遅滞なく対
処できる。
【0130】また、図15は第3の異常判定装置例をブ
ロック図により示している。この第3の異常判定装置例
においては、前記第2の異常判定装置例の検波回路10
5およびウインドコンパレータ103に代えて、周波数
検出回路106を用いている。周波数検出回路106
は、ダミー信号の周波数を検出することにより、同ダミ
ー信号の到来時にハイレベル信号を出力し、それ以外の
ときローレベル信号を出力する。この場合も、ダミー信
号は、ハイパスフィルタ104のカットオフ周波数より
高くかつ前記検出信号に使用されないとともに同検出信
号に含まれない周波数の信号である。
【0131】このように構成した第3の異常判定装置例
においても、コンデンサC2などの回路部品に断線異常
が発生していなくてハイパスフィルタ104が正常に動
作していれば、ダミー信号発生回路102から出力され
たダミー信号はハイパスフィルタ104を通過する。そ
して、周波数検出回路106がこのダミー信号の到来に
応答して正常を表すハイレベル信号を出力する。一方、
コンデンサC2などの回路部品に断線異常が発生する
と、ダミー信号はハイパスフィルタ104を通過しない
ので、周波数検出回路106は異常を表すローレベル信
号を出力する。これによっても、周波数検出回路106
は、ダミー信号の通過の有無によりハイパスフィルタ1
04を含む信号経路の異常を遅滞なく検出でき、同周波
数検出回路106に接続されたフェイル処理回路(図示
しない)は前記信号経路の異常に遅滞なく対処できる。
【0132】したがって、上記第1〜第3の異常判定装
置を用いれば、振動子20のY軸方向の振動がサーボ制
御により抑制されて、振動子20のY軸方向の振動を表
す信号の振幅が「0」又は極めて小さくても、前記ダミ
ー信号の有無により、前記経路の断線による異常を遅滞
なく検出することができる。
【0133】e.その他の変形例 なお、上記第1〜第3実施形態においては、メインフレ
ーム30−1,30−2を介して振動子20をX軸方向
に振動させるために、X軸方向の同一直線上に配置した
1対の駆動電極部51−1,51−2と、X軸方向の同
一直線上に配置した1対の駆動電極部51−3,51−
4とをY軸方向の異なる位置に設けるようにしたが、さ
らに、X軸方向の同一直線上に配置した他の1対又は複
数対の駆動電極部を前記駆動電極部51−1〜51−4
とはY軸方向の異なる位置に配置するようにしてもよ
い。この場合も、全ての対の駆動電極部に逆相の駆動信
号をそれぞれ供給するようにするとともに、少なくとも
一対の駆動電極部に対する駆動信号による駆動力を変更
可能にする。
【0134】また、上記第1〜第3実施形態において
は、加算器75−1,75−2に可変電圧源回路76a
を接続するとともに、加算器75−3,75−4には定
電圧源回路76aを接続するようにした。しかし、これ
らの可変電圧源回路76a及び定電圧源回路76bは、
駆動電極部51−1,51−2に印加される電圧と駆動
電極部51−3,51−4に印加される電圧とを相対的
に調整することができるようにするものであればよいの
で、加算器75−1,75−2に定電圧源回路を接続す
るとともに、加算器75−3,75−4に可変電圧源回
路を接続するようにしたり、両電圧源回路76a,76
bを共に可変にするようにしてもよい。
【0135】また、上記第1〜第3実施形態において
は、加算器75−1〜75−4により直流信号に利得制
御回路73及び位相反転回路73aからの交流信号を重
畳させて駆動電極部51−1〜51−4に対する駆動信
号としたが、利得制御回路73及び位相反転回路73a
からの交流信号を駆動電極部51−1〜51−4に対す
る駆動信号とするようにしてもよい。この場合、駆動電
極部51−1,51−2による駆動力と駆動電極部51
−3,51−4による駆動力とを相対的に変更可能とす
るために、駆動電極部51−1,51−2に対する前記
交流信号からなる駆動信号及び駆動電極部51−3,5
1−4に対する前記交流信号からなる駆動信号の少なく
とも一方の振幅値を変更可能とするとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る角速度検出素子
の平面図である。
【図2】 (A)〜(D)は図1の各部の断面図である。
【図3】 前記第1実施形態に係る角速度検出素子を用
いて角速度を検出するための電気回路装置のブロック図
である。
【図4】 本発明の第2実施形態に係る角速度検出素子
の平面図である。
【図5】 前記第2実施形態に係る角速度検出素子を用
いて角速度を検出するための第1電気回路装置のブロッ
ク図である。
【図6】 前記第2実施形態に係る角速度検出素子を用
いて角速度を検出するための第2電気回路装置のブロッ
ク図である。
【図7】 本発明の第3実施形態に係る角速度検出素子
の平面図である。
【図8】 図7のメインフレームの支持構造を詳細に示
す拡大部分図である。
【図9】 前記第3実施形態に係る角速度検出素子を用
いて角速度を検出するための第1電気回路装置のブロッ
ク図である。
【図10】 前記第3実施形態のサーボ制御の原理図を
示すブロック図である。
【図11】 (A)は前記サーボ制御におけるサーボルー
プゲインの周波数特性を示すグラフであり、(B)は同サ
ーボ制御におけるサーボループ位相の周波数特性を示す
グラフである。
【図12】 前記第3実施形態に係る角速度検出素子を
用いて角速度を検出するための第2電気回路装置のブロ
ック図である。
【図13】 前記第3実施形態のサーボ制御回路に組み
込まれるのに適した第1の異常判定回路装置を示すブロ
ック図である。
【図14】 前記第3実施形態のサーボ制御回路に組み
込まれるのに適した第2の異常判定回路装置を示すブロ
ック図である。
【図15】 前記第3実施形態のサーボ制御回路に組み
込まれるのに適した第3の異常判定回路装置を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
10…基板、20…振動子、30−1,30−2…メイ
ンフレーム、30−3,30−4…サブフレーム、33
−1〜33−4…梁(検出用梁)、41−1〜41−
4,44−1〜44−4…アンカ、42−1〜42−
4,43−1〜43−4,45−1〜45−4,46−
1〜46−4…梁(駆動用梁)、51−1〜51−4…
駆動電極部(駆動部)、52−1〜52−4…駆動モニ
タ電極部(駆動モニタ部)、53−1〜53−4…検出
電極部(検出部)、54−1〜54−4…補正電極部
(補正部)、55−1〜55−4…調整電極部(調整
部)、56−1〜56−4…サーボ電極部(サーボ
部)、61,62,64…高周波発振器、70…駆動回
路、71,81,84,91…復調回路、74,82,
82a,85,95a,95b…検波回路、75−1〜
75−4…加算器、76a…可変電圧源回路、76b…
定電圧源回路、80…出力回路、90…サーボ制御回
路、92,96a,96b…サーボアンプ、94a,9
4b…振幅制御回路、97a,97b…乗算回路、10
1…ローパスフィルタ、102…ダミー信号発生回路、
103…ウインドコンパレータ、104…ハイパスフィ
ルタ、105…検波回路、106…周波数検出回路。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に支持部材を介して接続され同基板
    上にて互いに直交するX軸方向及びY軸方向に振動可能
    な振動部と、前記振動部を前記基板に対してX軸方向に
    振動させるための駆動部と、前記振動部の前記基板に対
    するY軸方向の振動を検出するための検出部とを備え、
    前記振動部をX軸方向に振動させた状態でX軸及びY軸
    に直交したZ軸回りに作用する角速度を同振動部のY軸
    方向の振動に基づいて検出する角速度検出装置におい
    て、 前記駆動部を、Y軸方向の異なる位置に配置されて前記
    振動部をX軸方向に独立して振動させることが可能な複
    数の分割駆動部で構成したことを特徴とする角速度検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載した角速度検出装置
    において、 前記振動部を梁を介して接続したフレームと振動子とで
    構成し、 前記複数の分割駆動部は前記フレームを前記基板に対し
    てX軸方向に駆動して前記振動子を前記基板に対してX
    軸方向に振動させるように構成されるとともに、前記検
    出部は前記振動子の前記基板に対するY軸方向の振動を
    検出するように構成された角速度検出装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は2に記載した角速度検
    出装置において、 前記複数の分割駆動部に対して独立した駆動信号をそれ
    ぞれ供給するとともに、同複数の駆動信号のうちの少な
    くとも一つの駆動信号による駆動力を変更可能とする駆
    動信号発生回路を設けた角速度検出装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1又は2に記載した角速度検
    出装置において、 前記各分割駆動部を、前記X軸方向の各同一直線上に配
    置した一対の駆動電極でそれぞれ構成した角速度検出装
    置。
  5. 【請求項5】 前記請求項4に記載した角速度検出装置
    において、 前記複数の分割駆動部をそれぞれ構成する一対の駆動電
    極に一組の駆動信号をそれぞれ対応させて複数組の駆動
    信号を同複数の分割駆動部にそれぞれ供給するものであ
    って、各一組の駆動信号を互いに逆相に設定するととも
    に、複数組の駆動信号のうちの少なくとも一組の駆動信
    号による駆動力を変更可能とする駆動信号発生回路を設
    けたことを特徴とする角速度検出装置。
  6. 【請求項6】 基板に駆動用梁を介して接続され同基板
    に対してX軸方向に振動可能に支持されたフレームと、
    前記フレームにその内側にて検出用梁を介して接続され
    前記基板に対してX軸方向及び同X軸と直交するY軸方
    向に振動可能に支持された振動子と、前記フレームを前
    記基板に対してX軸方向に振動させるための駆動部と、
    前記振動子の前記基板に対するY軸方向の振動を検出す
    るための検出部とを備え、前記フレーム及び振動子をX
    軸方向に振動させた状態でX軸及びY軸に直交したZ軸
    回りに作用する角速度を同振動子のY軸方向の振動に基
    づいて検出する角速度検出装置において、 前記フレームをY軸方向に複数に分割したことを特徴と
    する角速度検出装置。
  7. 【請求項7】 基板に駆動用梁を介して接続され同基板
    に対してX軸方向に振動可能に支持されたフレームと、
    前記フレームにその内側にて検出用梁を介して接続され
    前記基板に対してX軸方向及び同X軸と直交するY軸方
    向に振動可能に支持された振動子と、前記フレームを前
    記基板に対してX軸方向に振動させるための駆動部と、
    前記振動子の前記基板に対するY軸方向の振動を検出す
    るための検出部とを備え、前記フレーム及び振動子をX
    軸方向に振動させた状態でX軸及びY軸に直交したZ軸
    回りに作用する角速度を同振動子のY軸方向の振動に基
    づいて検出する角速度検出装置において、 前記駆動用梁を、前記フレームのX軸方向の中心位置に
    対して対称位置にそれぞれ設けた一対の駆動用梁と、前
    記一対の駆動用梁との間に設けた少なくとも他の一つの
    駆動用梁とで構成したことを特徴とする角速度検出装
    置。
  8. 【請求項8】 前記請求項6又は7に記載した角速度検
    出装置において、 前記フレームを、X軸方向に延びた部分を有するととも
    に前記検出用梁を介して前記振動子を接続したメインフ
    レームと、前記メインフレームのX軸方向に延びた部分
    に沿って平行に延びたサブフレームとで構成し、 前記駆動用梁を、前記基板と前記サブフレームとを接続
    して同サブフレームを同基板に対してX軸方向に振動可
    能に支持する第1駆動用梁と、前記サブフレームと前記
    メインフレームとを接続して前記メインフレームを前記
    基板に対してX軸方向に振動可能に支持する第2駆動用
    梁とで構成したことを特徴とする角速度検出装置。
  9. 【請求項9】 基板に駆動用梁を介して接続され同基板
    に対して振動可能に支持されたフレームと、前記フレー
    ムに検出用梁を介して接続され前記基板に対して振動可
    能に支持された振動子と、前記フレームを前記基板に対
    してX軸方向に駆動して前記振動子を同基板に対してX
    軸方向に振動させるための駆動部と、X軸に直交したY
    軸方向への前記振動子の前記基板に対する振動を検出す
    るための検出部とを備え、前記フレーム及び振動子をX
    軸方向に振動させた状態でX軸及びY軸に直交したZ軸
    回りに作用する角速度を同振動子のY軸方向の振動に基
    づいて検出する角速度検出装置において、 前記フレームの前記基板に対するY軸方向の振動成分を
    取り出すための補正部を設けたことを特徴とする角速度
    検出装置。
  10. 【請求項10】 前記請求項9に記載した角速度検出装
    置において、 前記駆動用梁を、前記フレームを前記基板に対しY軸方
    向に比べてX軸方向に振動し易く支持するように構成す
    るとともに、 前記検出用梁を、前記振動子を前記基板に対しX軸方向
    に比べてY軸方向に振動し易く前記フレームに接続する
    ように構成した角速度検出装置。
  11. 【請求項11】 前記請求項9又は10に記載した角速
    度検出装置において、 前記検出部と前記補正部とを電気的に接続して、前記検
    出部により検出される振動子のY軸方向の振動成分から
    前記補正部により取り出したフレームのY軸方向の振動
    成分を除去するようにしたことを特徴とする角速度検出
    装置。
  12. 【請求項12】 前記請求項9又は10に記載した角速
    度検出装置において、前記検出部により検出される振動
    子のY軸方向の振動成分から前記補正部により取り出し
    た前記フレームのY軸方向の振動成分を除去する演算回
    路を設けた角速度検出装置。
  13. 【請求項13】 基板に支持部材を介して接続され同基
    板上にて互いに直交するX軸方向及びY軸方向に振動可
    能な振動部と、前記振動部を前記基板に対してX軸方向
    に振動させるための駆動部と、前記振動部の前記基板に
    対するY軸方向の振動を検出するための検出部とを備
    え、前記振動部をX軸方向に振動させた状態でX軸及び
    Y軸に直交したZ軸回りに作用する角速度を同振動部の
    Y軸方向の振動に基づいて検出する角速度検出装置にお
    いて、 前記振動部のY軸方向の振動を抑制するためのサーボ部
    と、 前記駆動部と協働して前記振動部を前記基板に対して所
    定の振幅でX軸方向に振動させる駆動回路と、 前記検出部と協働して前記振動部の前記基板に対するY
    軸方向の振動を表す信号を取り出す取り出し回路と、 前記取り出した振動部のY軸方向の振動を表す信号に基
    づいて同振動部のY軸方向の振動を抑制するためのサー
    ボ制御信号を形成し、同形成したサーボ制御信号を前記
    サーボ部に供給して同振動部のY軸方向の振動を抑制す
    るサーボ制御回路と、 前記形成したサーボ制御信号に対応した信号を前記角速
    度を表す信号として出力する出力回路とを設けたことを
    特徴とする角速度検出装置。
  14. 【請求項14】 前記請求項13に記載した角速度検出
    装置において、 前記サーボ制御回路を、前記取り出した振動部のY軸方
    向の振動を表す信号を入力し、同入力した信号に応じて
    前記振動部のY軸方向の振動を抑制するための交流サー
    ボ制御信号を前記サーボ部に供給して同振動部のY軸方
    向の振動を抑制するサーボ信号供給回路で構成するとと
    もに、 前記出力回路を、前記交流サーボ制御信号を同交流サー
    ボ制御信号の振幅値に比例した直流信号に変換する直流
    化回路で構成した角速度検出装置。
  15. 【請求項15】 前記請求項13に記載した角速度検出
    装置において、 前記サーボ制御回路を、 前記駆動回路に接続されて前記振動部の角速度による振
    動の位相に対応するとともに所定の振幅を有する基準信
    号を形成する基準信号形成回路と、 前記取り出した振動部のY軸方向の振動を表す信号を同
    信号の振幅値に比例した直流サーボ制御信号に変換して
    出力する直流化回路と、 前記基準信号の振幅を前記直流サーボ制御信号に応じて
    制御し、同振幅の制御された基準信号を前記サーボ部に
    供給して前記振動部のY軸方向の振動を抑制するサーボ
    信号供給回路とで構成し、 前記出力回路は、前記直流サーボ制御信号を前記角速度
    を表す信号として出力するものである角速度検出装置。
  16. 【請求項16】 基板に支持部材を介して接続され同基
    板上にて互いに直交するX軸方向及びY軸方向に振動可
    能な振動部と、前記振動部を前記基板に対してX軸方向
    に振動させるための駆動部と、前記振動部の前記基板に
    対するY軸方向の振動を検出するための検出部とを備
    え、前記振動部をX軸方向に振動させた状態でX軸及び
    Y軸に直交したZ軸回りに作用する角速度を同振動部の
    Y軸方向の振動に基づいて検出する角速度検出装置にお
    いて、 前記振動部のY軸方向の振動を抑制するためのサーボ部
    と、 前記駆動部と協働して前記振動部を前記基板に対し所定
    の振幅でX軸方向に振動させる駆動回路と、 前記検出部と協働して前記振動部の前記基板に対するY
    軸方向の振動を表す信号を取り出す取り出し回路と、 前記駆動回路から入力した前記振動部の角速度による振
    動に同期した信号と、前記取り出し回路から入力した前
    記振動部のY軸方向の振動を表す信号とに基づいて、前
    記角速度に応じた前記振動部のY軸方向の振動を抑制す
    るための第1サーボ制御信号を形成し、同形成した第1サ
    ーボ制御信号を前記サーボ部に供給して前記角速度に応
    じた前記振動部のY軸方向の振動を抑制する第1サーボ
    制御回路と、 前記駆動回路から入力した前記振動部の駆動によるY軸
    方向の漏れ振動に同期した信号と、前記取り出し回路か
    ら入力した前記振動部のY軸方向の振動を表す信号とに
    基づいて、前記漏れ振動を抑制するための第2サーボ制
    御信号を形成し、同形成した第2サーボ制御信号を前記
    サーボ部に供給して前記振動部のY軸方向の漏れ振動を
    抑制する第2サーボ制御回路と、 前記第1サーボ制御信号に対応した信号を前記角速度を
    表す信号として出力する出力回路とを設けたことを特徴
    とする角速度検出装置。
  17. 【請求項17】 前記請求項16に記載した角速度検出
    装置において、 前記第1サーボ制御回路を、 前記駆動回路から入力した前記振動部の角速度による振
    動に同期した信号の振幅を制御して所定の振幅を有する
    第1基準信号を形成する第1基準信号形成回路と、 前記取り出した振動部のY軸方向の振動を表す信号を前
    記駆動回路から入力した前記振動部の角速度による振動
    に同期した信号で同期検波して、前記振動部の角速度に
    よるY軸方向の振動の大きさに比例する第1サーボ制御
    信号を形成する第1同期検波回路と、 前記第1基準信号の振幅を前記第1サーボ制御信号に応じ
    て制御し、同振幅の制御された第1基準信号を前記サー
    ボ部に供給して前記振動部の角速度によるY軸方向の振
    動を抑制する第1サーボ制御信号供給回路とで構成する
    とともに、 前記第2サーボ制御回路を、 前記駆動回路から入力した前記振動部の駆動によるY軸
    方向の漏れ振動に同期した信号の振幅を制御して所定の
    振幅を有する第2基準信号を形成する第2基準信号形成
    回路と、 前記取り出した振動部のY軸方向の振動を表す信号を前
    記駆動回路から入力した前記振動部の駆動によるY軸方
    向の漏れ振動に同期した信号で同期検波して、前記振動
    部の駆動による漏れ振動の大きさに比例する第2サーボ
    制御信号を形成する第2同期検波回路と、 前記第2基準信号の振幅を前記第2サーボ制御信号に応
    じて制御し、同振幅の制御された第2基準信号を前記サ
    ーボ部に供給して前記振動部の駆動によるY軸方向の漏
    れ振動を抑制する第2サーボ制御信号供給回路とで構成
    し、 前記出力回路は、第1サーボ制御信号を前記角速度を表
    す信号としてを出力するものである角速度検出装置。
  18. 【請求項18】 基板に支持部材を介して接続され同基
    板上にて互いに直交するX軸方向及びY軸方向に振動可
    能な振動部と、前記振動部を前記基板に対してX軸方向
    に振動させるための駆動部と、前記振動部の前記基板に
    対するY軸方向の振動を検出するための検出部とを備
    え、前記振動部をX軸方向に振動させた状態でX軸及び
    Y軸に直交したZ軸回りに作用する角速度を同振動部の
    Y軸方向の振動に基づいて検出する角速度検出装置にお
    いて、 前記振動部のY軸方向の振動を抑制するためのサーボ部
    と、 前記駆動部と協働して前記振動部を前記基板に対し所定
    の振幅でX軸方向に振動させる駆動回路と、 前記検出部と協働して前記振動部の前記基板に対するY
    軸方向の振動を表す信号を取り出す取り出し回路と、 前記駆動回路から前記振動部の角速度による振動に同期
    した信号を入力するとともに、前記取り出し回路から前
    記振動部のY軸方向の振動を表す信号を入力して、同入
    力した両信号に基づいて、前記角速度に応じた前記振動
    部のY軸方向の振動を抑制するための第1サーボ制御信
    号を形成し、同形成した第1サーボ制御信号を前記サー
    ボ部に供給して前記角速度に応じた前記振動部のY軸方
    向の振動を抑制する第1サーボ制御回路と、 前記駆動回路から前記振動部の角速度による振動に同期
    した信号とは位相の異なる信号を入力するとともに、前
    記取り出し回路から前記振動部のY軸方向の振動を表す
    検出信号を入力し、同入力した両信号に基づいて、前記
    位相の異なる信号に同期した前記振動部のY軸方向の振
    動成分を抑制するための第2サーボ制御信号を形成し、
    同形成した第2サーボ制御信号を前記サーボ部に供給し
    て前記位相の異なる信号に同期した前記振動部のY軸方
    向の振動成分を抑制する第2サーボ制御回路と、 前記第1サーボ制御信号に対応した信号を前記角速度を
    表す信号として出力する出力回路とを設けたことを特徴
    とする角速度検出装置。
  19. 【請求項19】 前記請求項18に記載した角速度検出
    装置において、 前記位相の異なる信号は、前記角速度による振動に同期
    した信号に対して90度位相の異なる信号である角速度
    検出装置。
  20. 【請求項20】 前記請求項13乃至19のいずれか一
    つに記載の角速度検出装置において、 前記振動部のY軸方向の振動を表す信号の経路の上流部
    に所定周波数のダミー信号を供給して同Y軸方向の振動
    を表す信号に同ダミー信号を重畳し、前記ダミー信号を
    受信しないとき同経路の異常を判定する異常判定回路を
    前記経路の下流部に設けたことを特徴とする角速度検出
    装置。
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