JP4513559B2 - センサ回路 - Google Patents

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本発明は、オフセット電圧の以上を検出できるセンサ回路に関するものである。
従来より、ジャイロセンサ等のように左右一対の振動子が備えられたセンサ装置が知られている。このようなセンサ装置に用いられるセンサ回路においては、例えば、各振動子それぞれの検出信号をチャージアンプで電圧変換させたのち、差動増幅回路によって電圧変換後のそれぞれの検出信号の差動出力を得て、その後、同期検波回路やローパスフィルタ(以下、LPF)および零点・感度温度特性調整回路を通過させたものとセンサ出力として用いている。
このようなセンサ回路では、センサ装置の用途等に応じて、差動増幅回路での差動出力が所定値となるように設定されることになるが、この差動出力のオフセット電圧が異常になる場合がある。例えば、振動子とチャージアンプとを電気的に接続するボンディングワイヤが断線した場合等に、オフセット電圧が異常となる。
このため、差動出力に基づいて、オフセット電圧が異常になっていることを検出する異常検出回路をセンサ回路に備えることが提案されている。この回路は、具体的には図5のような回路構成となっている。なお、図5において、入力信号は上述した差動増幅回路の差動出力を示しており、交流信号になる。
この図に示されるように、入力信号がLPF100に入力されたのち、このLPF100を通過後の信号がウィンドウコンパレータ101に入力され、上限しきい値VRHと下限しきい値VRLと比較されるようになっている。そして、LPFを通過後の信号がこれら上限しきい値VRHと下限しきい値VRLの間の範囲に入っている場合にはダイアグ信号が出力されず、その範囲から外れている場合にはダイアグ信号が出力されるようになっている。
しかしながら、上記従来のセンサ回路では、交流信号となる差動出力をLPFによって平滑化するようになっているため、LPFの時定数を十分に大きくしなければならない。このため、オフセット電圧の異常を検出するまでに遅延が生じるという問題、また、時定数以内で収束するような一時的なオフセット電圧の異常を検出できないという問題が発生することが判った。これらの問題について、図6および図7を用いて詳細に説明する。
図6および図7は、共に、図5に示した従来のセンサ回路に備えられる異常検出回路の回路構成を詳細に示したものであり、図6はLPFを非反転タイプとしたものの回路構成、図7は、LPFを反転タイプとしたものの回路構成を示している。
入力信号の振幅をVa、直流成分をVdc、周波数をfdとし、その角周波数をωdとすると、角周波数ωdは次式で表される。
(数1)
ωd=2・π・fd …数式(1)
したがって、入力信号VINは下記の式で表すことができる。
(数2)
VIN(t)=Va・sin(ωd・t)+Vdc …数式(2)
ここでいう入力信号の直流成分がオフセット電圧の異常の検出に用いられるものである。図6および図7において、LPFの出力電圧をVLPFとし、図7においてLPFの基準電圧として使用される電圧をVREF(一般的にはVREF=VCC/2が用いられる)とすると、LPFを非反転タイプとした場合と反転タイプとした場合、それぞれにおいて、VLPFは以下のように示される。
非反転タイプの場合:
(数3)
VLPF=Vdc …数式(3)
反転タイプの場合:
(数4)
VLPF=2・VREF−Vdc …数式(4)
これらの電圧がウィンドウコンパレータ101に入力され、ウィンドウコンパレータ101に備えられた2つのコンパレータ101a、101bによって、電圧VRHおよびこの電圧よりも低い電圧VRLとそれぞれ比較される。そして、コンパレータ101aの方では電圧VRHよりもVLPFが高くなるとローレベル、コンパレータ101bの方では電圧VRLよりもVLPFが低くなるとローレベルが出力されるようになっている。このため、いずれか一方のコンパレータ101a、101bでもローレベルになるとアンド回路101cからローレベルが出力され、ダイアグ信号とされるようになっている。なお、電圧VRHおよび電圧VRLは、ウィンドウコンパレータ101内に備えられた分圧抵抗101d〜101fによって電源電圧VCCを分圧することで形成されたものである。
すなわち、図6および図7における入力信号に対するVLPFは図8のように示され、VREFを中心として設定される電圧VRL〜VRHの範囲(正常電圧範囲)内に、VLPFとVREFとの差ΔVdcが入っているか否かが判定されることになる。
このような異常検出回路では、平滑化後に残るリップル(fd成分)が小さくなるようにするのが望ましい。また、LPF100のカットオフ周波数fcは、入力信号の周波数fdより十分に小さくする必要がある。このため、LPF100の時定数を大きくせざるを得ず、オフセット電圧の異常を検出するまでに遅延が生じ、また、時定数以内という短い時間で収束するような一時的なオフセット電圧の異常を検出できなくなるのである。
本発明は上記点に鑑みて、オフセット電圧の異常を検出する際に遅延が生じることを防止できるセンサ回路を提供することを第1の目的とする。また、短い時間で収束するような一時的なオフセット電圧の異常を検出できるセンサ回路を提供することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、差動増幅手段(33)の出力を入力信号として、該入力信号における交流成分を抽出する交流成分抽出手段(41)と、交流成分抽出手段(41)が抽出した入力信号の交流成分を入力信号から取り除くことにより入力信号の直流成分を抽出する直流成分抽出手段(42)と、直流成分抽出手段(42)によって抽出された入力信号の直流成分が上限しきい値(VRH)と下限しきい値(VRL)の間の範囲に入っているか否かにより、オフセット電圧の異常を検出する判定手段(43)とを備えた異常検出回路が備えられていることを特徴としている。
このように、交流成分抽出手段(41)にて入力信号から交流成分を抽出し、直流成分抽出手段(42)にて入力信号から交流成分を取り除くことにより、入力信号の直流成分を抽出するようにしている。これにより、オフセット電圧の異常の検出に用いられる入力信号の直流成分を抽出することが可能となり、オフセット電圧の異常を検出することが可能となる。
そして、このような構成によれば、従来のようにLPFの時定数を大きくしなければならない等の制約を受けないため、オフセット電圧の異常を検出する際に遅延が生じることを防止でき、また、短い時間で収束するような一時的なオフセット電圧の異常を検出できるセンサ回路とすることが可能となる。
また、請求項1に記載の発明では、交流成分抽出手段(41)としてハイパスフィルタを用い、ハイパスフィルタを、オペアンプ(41a)と、入力信号が入力される端子とオペアンプ(41a)における反転入力端子との間に備えられた第1コンデンサ(41b)と、オペアンプ(41a)における反転入力端子と出力端子との間に接続された第2コンデンサ(41c)と、コンデンサ(41c)に対して並列接続された抵抗(41d、41e)とを有した構成とし、オペアンプ(41a)における非反転入力端子に基準電圧(VREF)が入力されるような構成にすることを特徴としている。
これにより、入力信号がハイパスフィルタに入力されると、該ハイパスフィルタにより、入力信号の交流成分の位相が反転した信号を抽出することができる。
請求項に記載の発明では、抵抗(41d、41e)は、互いに直列接続された第1抵抗(41d)と第2抵抗(41e)とを有して構成され、第1抵抗(41d)と第2抵抗(41e)の間に、第3抵抗(41f)を介して基準電圧(VREF)が印加されるように構成されていることを特徴としている。
このような構成において、第3抵抗(41f)の抵抗値を小さくすれば、第1、第2抵抗(41d、41e)の抵抗値も小さく済ませることが可能となる。
また、請求項に示されるように、第3抵抗(41f)に代えてコンデンサ(41g)を用いることも可能である。この場合、コンデンサ(41g)は、VrefやGND、VCCなどのような安定的な所定電圧に接続されるようにすれば良い。
請求項に記載の発明では、直流成分抽出手段(42)は、入力信号に対して、ハイパスフィルタによって抽出された入力信号の交流成分を足し合わせることにより、入力信号の直流成分を抽出する加算器であることを特徴としている。
このように、ハイパスフィルタによって入力信号の交流成分の位相が反転した信号が抽出される場合、入力信号に対してそれを足し合わせれば、入力信号の直流成分を抽出することができる。したがって、この場合には直流成分抽出手段(42)を加算器とすれば良い。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態を適用した異常検出装置を備えるセンサ回路のブロック構成を図1に示す。以下、この図を参照して本実施形態におけるセンサ回路について説明する。
図1に示されるように、振動子10と、駆動回路20と、ヨー検出回路30と、異常検出回路40とが備えられ、これらによりセンサ回路が構成されている。
振動子10は、センシング手段に相当するもので、平面内で可動なセンサエレメント(図示せず)を備えており、センサエレメントが駆動振動を行っている際に可動平面と直交する軸を中心とした回転が発生すると、コリオリ力によって、駆動振動の方向と直交する方向にもセンサエレメントが振動するようになっている。この振動子10は、コリオリ力による振動に応じた出力(第1、第2検知信号)を発生させると共に、センサエレメントが的確に駆動振動しているかを検出するために駆動振動に応じた出力を発生させるようになっている。
駆動回路20は、振動子10におけるセンサエレメントを振動させるためのものである。この駆動回路20には、高電圧発生回路21、チャージアンプ22、位相シフタ23、振幅一定制御部24、駆動バッファ25が含まれている。
高電圧発生回路21は、電源電圧を昇圧することにより、電源電圧より高いバイアス電圧を発生するもので、このバイアス電圧はセンサエレメントと共に、駆動バッファ25にも電源として供給される。
チャージアンプ22は、振動子10から、振動子10におけるセンサエレメントの駆動振動に応じた検知信号(以下、駆動振動検知信号という)を受け取り、それを電圧変換するものである。このチャージアンプ22での電圧変換後の駆動振動検知信号が振幅一定制御部24および位相シフタ23に入力されるようになっている。
位相シフタ23は、駆動信号の位相を調整するためのものである。駆動振動の振幅はできるだけ大きくほうが、センサのS/Nを向上することができるので望ましい。そのため、センサエレメントはセンサエレメントの共振周波数で駆動される。共振周波数で駆動された場合、駆動力、すなわち駆動信号に対して、センサエレメントの変位、すなわち駆動振動検知信号は90°位相が遅れる。この位相のズレを修復するために、駆動振動検知信号の位相を調整し、駆動信号の位相に合わせなければならない。このため、位相シフタ23によって、駆動振動検知信号の位相が補正され、その結果、それに基づいて形成される駆動信号の位相が調整されるようになっている。また、センサエレメントの共振周波数が、駆動信号の周波数fdとなる。
振幅一定制御部24は、駆動振動検知信号から現在のセンサエレメントの振幅を検知すると共に、その振幅が一定となるような駆動信号を発生させるための交流信号を駆動バッファ25に出力するものである。
駆動バッファ25は、振幅一定制御部24が出力した信号を増幅する。その出力が駆動信号としてセンサエレメントに印加される。
また、ヨー検出回路30は、振動子10の検出信号に基づいてセンサ出力を得るためのものである。このヨー検出回路30には、2つのチャージアンプ31、32と、差動増幅回路33と、同期検波回路34、LPF35および0点・感度調整回路36が備えられている。
2つのチャージアンプ31、32は、一対の振動子10それぞれから、センサエレメントに対して可動平面と直交する軸を中心とした回転が加わったときに発生する振動に応じた検知信号(以下、ヨー検知信号という)を受け取り、それを電圧変換するものであり、それぞれ第1、第2電圧変換手段に相当するものである。これら各チャージアンプでの電圧変換後のヨー検知信号が差動増幅回路33に入力されるようになっている。
差動増幅回路33は、各チャージアンプ31、32で電圧変化されたヨー検知信号の差動出力を発生させる差動増幅手段に相当するものである。この差動増幅回路33の差動出力が同期検波回路34に入力されるようになっていると共に、異常検出回路40における入力信号として用いられるようになっている。この差動増幅回路33の差動出力は、直流成分となる所定のオフセット電圧を含む交流信号となる。
同期検波回路34は、位相シフタ23によって調整された位相に基づいて、差動増幅回路33の差動出力から周波数fdと同期する成分を通過させ、LPF35に出力するものである。
LPF35は、同期検波回路34を通過後の信号のうち、所定周波数以下の成分のみを抽出するものである。
0点・感度調整回路36は、LPF35を通過した後の信号を、所望の0点・感度になるように増幅・調整するとともに、必要に応じて、0点・感度の温度特性も調整するものであり、この0点・感度調整回路36で増幅・調整された後の信号がセンサ出力として用いられる。
そして、異常検出回路40は、オフセット電圧の異常を検出するためのものである。この異常検出回路40には、ハイパスフィルタ(以下、HPFという)41、差動出力回路42およびウィンドウコンパレータ43が備えられている。
HPF41は、所定周波数以上の信号成分を通過させるものであるが、ここでは上述した入力信号から交流成分のみを抽出する交流成分抽出手段として用いられている。このHPF41のコーナー周波数は、入力信号の周波数fdよりも小さくなるように設計されている。本実施形態では、具体的には、HPF41は、入力信号の位相を反転させると共に、反転させた後の信号の直流成分を後述する基準電圧VREFと一致させるようになっている。
差動出力回路42は、入力信号とこの入力信号をHPF41を通過させた後の信号とに基づいて、入力信号から交流成分を取り除き、直流成分のみを抽出する直流成分抽出手段にとして用いられるものである。本実施形態では、この差動出力回路42は、入力信号からHPF41を通過させた後の信号を足し合わせることで、位相が反転した交流信号同士を打ち消しあわせ、直流成分のみが残るようにしている。
ウィンドウコンパレータ43は、差動出力回路42の差動出力、つまり入力信号の直流成分を上限しきい値VRHと下限しきい値VRLと比較する判定手段として用いられるものである。入力信号の直流成分が上限しきい値VRHと下限しきい値VRLの間の範囲に入っていれば、ウィンドウコンパレータ43からダイアグ信号が出力されず、その範囲から外れている場合にはウィンドウコンパレータ43からダイアグ信号が出力されるようになっている。
図2に、上記のように構成されたセンサ回路における異常検出回路の具体的な回路構成の一例を示す。
この図に示されるように、HPF41は、オペアンプ41aと、入力信号が入力される端子とオペアンプ41aの反転入力端子との間に接続されるコンデンサ(第1コンデンサ)41bと、オペアンプ41aにおける反転入力端子と出力端子との間において互いに並列接続されたコンデンサ(第2コンデンサ)41cを有するラインと抵抗(第1、第2抵抗)41d、41eを有するラインとを有して構成されている。オペアンプ41aの非反転入力端子には、基準電圧VREFが印加されるようになっており、抵抗41dと抵抗41eとの間にも、抵抗(第3抵抗)41fを介して基準電圧VREFが印加されるようになっている。
このように構成されるHPF41では、オペアンプ41aの出力は、入力信号における交流成分の位相が反転し、直流成分がVREFと一致した信号となる。このオペアンプ41aの出力がHPF41の出力とされる。
また、差動出力回路42は、オペアンプ42aと、オペアンプ42aの反転入力端子とHPF41におけるオペアンプ41aの出力端子との間に接続される抵抗42bと、入力信号が入力される端子とオペアンプ42aの反転入力端子との間に接続される抵抗42cと、オペアンプ42aの反転入力端子と出力端子との間に接続される抵抗42dとを備えた構成となっている。
このように構成される差動出力回路42は、加算器として働き、HPF41の出力と入力信号とを足し合わせたものを出力するようになっている。以下、この差動出力回路42の出力を異常検出信号という。
ウィンドウコンパレータ43は、電源電圧VCCを上限しきい値VRHと下限しきい値VRLとに分割する3つの分圧抵抗43a〜43cと、2つのコンパレータ43d、43eと、アンド回路43fとを備えて構成されている。
このように構成されるウィンドウコンパレータ43では、2つのコンパレータ43d、43eによって、電圧VRHおよび電圧VRLとそれぞれ比較される。そして、コンパレータ43dの方では電圧VRHよりも異常検出信号の電圧が高くなるとローレベル、コンパレータ43eの方では電圧VRLよりも異常検出信号の電圧が低くなるとローレベルが出力されるようになっている。このため、いずれか一方のコンパレータ43d、43eでもローレベルになるとアンド回路43fからローレベルが出力され、ダイアグ信号とされるようになっている。
次に、以上のように構成されるセンサ回路の作動について説明するが、本実施形態に示したセンサ回路のうち異常検出回路40以外に関しては従来から用いられているものであるため、ここでは異常検出回路40の作動についてのみ説明する。
まず、ヨー検出回路30における差動増幅回路33の差動出力が発生させられると、それが入力信号としてHPF41および差動出力回路42に入力される。そして、HPF41から入力信号に応じた出力が発生させられると共に、差動出力回路42からHPF41の出力および入力信号に応じた出力が発生させられる。
このとき、HPF41の出力電圧VHPFは、コンデンサ41bとコンデンサ41cの容量値をそれぞれCI、CFとし、入力信号の振幅をVa、入力信号の直流成分をVdc、周波数をfdとし、入力信号の角周波数をωdとすると、次式のように表される。
(数5)
VHPF(t)=−(CI/CF)・Va・sin(ωd・t)+VREF
…数式(5)
つまり、HPF41の出力電圧の交流成分は、その振幅が入力信号の振幅のCI/CF倍となり、その位相は入力信号の位相が反転したものとなる。また、HPF41の出力電圧の直流成分は、VREFとなる。
ただし、コンデンサ41cと並列に接続された、抵抗等の回路網の等価抵抗値RF、もしくは等価インピーダンスの絶対値|ZF|は、
(数6)
RF、|ZF|≫1/(ωd・CF) …数式(6)
となるように設定されている。
また、差動出力回路42の出力電圧VADD(t)は、抵抗42b、42c、42dの抵抗値をそれぞれRIA1、RIA2、RFAとすると、次式で表される。なお、次式において、VIN(t)は、上述した数式2で示したものである。
(数7)
VADD(t)=−[(RFA/RIA1)・(HPS(t)−VREF)−(RFA/RIA2)・(VIN(t)−VREF)]+VREF …数式(7)
したがって、数式2に示されるVIN(t)と数式5に示されるVHPF(t)とを数式7に代入して整理すると、次式が導き出される。
(数8)
VADD(t)=[(RFA/RIA1)・(CI/CF)−(RFA/RIA2)]・Va・sin(ωd・t)+(RFA/RIA2)・(VREF−Vdc)+VREF
…数式(8)
したがって、数式8におけるVIN(t)の振幅Vaの係数が0となるように、つまり、次式が成り立つように回路定数を設定すれば、異常検出信号の交流成分がキャンセルされる。
(数9)
(RFA/RIA1)・(CI/CF)=RFA/RIA2 …数式(9)
このように、数式9が成り立つような回路定数の設定が行われれば、数式7のうちの直流成分のみが残ることになり、数式8は次式のように表されることになる。
(数10)
VADD(t)=(RFA/RIA2)・(VREF−Vdc)+VREF
…数式(10)
すなわち、図2における入力信号に対するHPF41の出力および差動出力回路42の出力は図3のように示され、VREFを中心として設定される電圧VRL〜VRHの範囲(正常電圧範囲)内に、差動出力回路42の出力電圧VADDとVREFとの差ΔVdcが入っているか否かが判定されることになる。尚、図3では簡単のため数式10において、(RFA/RIA2)=1とした。(RFA/RIA2)が1でない場合は、それに応じて、電圧VRL〜VRHの範囲が設定される。
以上説明したように、本実施形態では、HPF41を用いて入力信号における交流成分の位相が反転したものを抽出し、入力信号とHPF41の出力信号とを足し合わせるようにしている。これにより、入力信号の交流成分とHPF41の出力信号の交流成分とが互いに打ち消しあい、入力信号における直流成分のみを残すことが可能となる。
これにより、オフセット電圧の異常の検出に用いられる入力信号の直流成分を抽出することが可能となり、オフセット電圧の異常を検出することが可能となる。そして、このような構成によれば、従来のようにLPFの時定数を大きくしなければならない等の制約を受けないため、オフセット電圧の異常を検出する際に遅延が生じることを防止でき、また、時定数以内で収束するような一時的なオフセット電圧の異常を検出できるセンサ回路とすることが可能となる。
なお、本実施形態において、コンデンサ41cに対して並列的に接続した抵抗41d、41eに関して、これら抵抗41d、41eの間に抵抗41fを接続したのは以下の理由による。
通常、HPFを構成する場合、抵抗41d、42eを単なる1つの抵抗で構成すれば済む。しかしながら、1つの抵抗のみによる場合、数式6よりその抵抗の抵抗値を非常に大きなものとしなければならなくなる。
これに対し、本実施形態のような構成とした場合、HPF41における抵抗41d、41eの抵抗値をそれぞれRF1、RF2とし、抵抗41fの抵抗値をRNとすると、これら各抵抗41d〜41fによる等価抵抗値RFは、次式で表される。
(数11)
RF=(RF1・RF2/RN)+RF1+RF2 …数式(11)
したがって、抵抗41fの抵抗値RNを小さくとれば、等価抵抗値RFを大きくすることが可能となる。これにより、各抵抗41d〜41fの抵抗値を小さく済ませることが可能となる。これは、各抵抗41d〜41fをICチップなどに作り込む際において、抵抗41d〜41fの占める面積を低減する上で有効であり、引いてはICチップの小型化を図れるという効果を得ることが可能となる。
上記の実施形態の場合、オペアンプ41aの出力が、抵抗41eと抵抗41fを介して、基準電圧VREFに帰還されているため、オペアンプ41aの入力オフセット電圧が(1+RF2/RN)倍に増幅されてオペアンプ41aから出力され、入力信号のオフセット電圧の検出精度が悪化することがある。
図4のように、抵抗41fを、コンデンサ41gに置換えれば、オペアンプ41aの出力から基準電圧VREFへ直流成分が帰還されないので、オペアンプ41aの入力オフセット電圧が増幅されてオペアンプ41aから出力されることはなく、入力信号のオフセット電圧の検出精度の悪化を防ぐことができる。
入力信号の角周波数をωd、コンデンサ41gの容量値をCNとすると、抵抗41d、41eとコンデンサ41gによる等価インピーダンスZFは、次式で表される。
(数12)
ZF=j・ωd・RF1・RF2・CN+RF1+RF2 …数式(12)
したがって、コンデンサ41gの容量値CNにより、等価インピーダンスZFの絶対値を大きくすることが可能である。さらに、オペアンプ41aの入力オフセット電圧の影響は、抵抗41d、41eのみの場合と同じあり、入力信号のオフセット電圧の検出精度を悪化させることなく、ICチップの小型化を図ることが可能である。
尚、コンデンサ41gにおける抵抗41d、42eと接続されていない方の端子は、基準電圧VREFに限らず、GND,VCCなど安定した電位の節点に接続されていればよい。
(他の実施形態)
上記実施形態では、HPF41によって入力信号の交流成分の位相が反転したものを形成するようにしているが、必ずしも位相が反転していなければならない訳ではない。すなわち、入力信号から交流成分を取り除くために、その交流成分を示す信号を作り出せばよく、仮に位相が一致する非反転の信号を形成するのであれば、差動出力回路42を減算器として機能させれば良い。なお、このような非反転のHPF自体の回路構成は、周知であるため、ここでは省略する。
また、上記実施形態ではHPF41を用いたが、上記のように入力信号の交流成分を示す信号が作り出せる交流成分形成回路であれば、他のバンドパスフィルタであっても構わない。
また、ここではジャイロセンサに用いられるようなセンサ回路を例に挙げて説明したが、他のセンサ回路にも本発明を適用することができる。
本発明の第1実施形態におけるセンサ回路の回路構成を示す図である。 図1に示したセンサ回路における異常検出回路の回路構成の一例を示した図である。 入力信号に対するHPFの出力および差動出力回路の出力の関係を示した図である。 図1に示したセンサ回路における異常検出回路の回路構成の他の例を示した図である。 従来のセンサ回路の回路構成を示す図である。 図5に示した従来のセンサ回路に備えられる異常検出回路の回路構成を詳細に示したものであり、LPFを非反転タイプとしたものの回路構成を示した図である。 図5に示した従来のセンサ回路に備えられる異常検出回路の回路構成を詳細に示したものであり、LPFを反転タイプとしたものの回路構成を示した図である。 入力信号に対するVLPFの関係を示した図である。
符号の説明
10…振動子、20…駆動回路、30…ヨー検出回路、40…異常検出回路、
41…HPF、41a…オペアンプ、41b…コンデンサ、41c…コンデンサ、
41d〜41f…抵抗、41g…コンデンサ、42…差動出力回路、
42a…オペアンプ、42b〜42d…抵抗、43…ウィンドウコンパレータ。

Claims (4)

  1. 物理量に応じた第1、第2検知信号を出力するセンシング手段(10)と、
    前記第1、第2検知信号を電圧変換する第1、第2電圧変換手段(31、32)と、
    前記第1、第2電圧変換手段(31、32)によって電圧変換された前記第1、第2検知信号の差動を取る差動増幅手段(33)と、
    前記差動増幅手段(33)の出力を入力信号として、該入力信号における交流成分を抽出する交流成分抽出手段(41)と、
    前記交流成分抽出手段(41)が抽出した前記入力信号の交流成分を前記入力信号から取り除くことにより前記入力信号の直流成分を抽出する直流成分抽出手段(42)と、
    前記直流成分抽出手段(42)によって抽出された前記入力信号の直流成分が上限しきい値(VRH)と下限しきい値(VRL)の間の範囲に入っているか否かにより、オフセット電圧の異常を検出する判定手段(43)と、を備え、
    前記交流成分抽出手段(41)は、ハイパスフィルタであり、該ハイパスフィルタは、
    オペアンプ(41a)と、
    前記入力信号が入力される端子と前記オペアンプ(41a)における反転入力端子との間に備えられた第1コンデンサ(41b)と、
    前記オペアンプ(41a)における反転入力端子と出力端子との間に接続された第2コンデンサ(41c)と、
    前記コンデンサ(41c)に対して並列接続された抵抗(41d、41e)とを有し、
    前記オペアンプ(41a)における非反転入力端子に基準電圧(VREF)が入力されるように構成されており、
    前記入力信号が前記ハイパスフィルタに入力されると、該ハイパスフィルタにより、前記入力信号の交流成分の位相が反転した信号を抽出するようになっていることを特徴とするセンサ回路。
  2. 前記抵抗(41d、41e)は、互いに直列接続された第1抵抗(41d)と第2抵抗(41e)とを有して構成され、
    前記第1抵抗(41d)と前記第2抵抗(41e)の間に、第3抵抗(41f)を介して前記基準電圧(VREF)が印加されるように構成されていることを特徴とする請求項に記載のセンサ回路。
  3. 前記抵抗(41d、41e)は、互いに直列接続された第1抵抗(41d)と第2抵抗(41e)とを有して構成され、
    前記第1抵抗(41d)と前記第2抵抗(41e)の間に、コンデンサ(41g)を介して安定的な所定電圧が印加されるように構成されていることを特徴とする請求項に記載のセンサ回路。
  4. 前記直流成分抽出手段(42)は、前記入力信号に対して、前記ハイパスフィルタによって抽出された前記入力信号の交流成分を足し合わせることにより、前記入力信号の直流成分を抽出する加算器であることを特徴とする請求項2または3に記載のセンサ回路。
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