JP2005265724A - 振動型角速度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 回路増幅率の影響を軽減しつつ、振動駆動振幅の異常をより高マージンにて検出できる振動型角速度センサを提供する。
【解決手段】振動型角速度センサ1は、各々振動型の第一の角速度センサユニット100及び第二の角速度センサユニット200を有する。第一の角速度センサユニット100及び第二の角速度センサユニット200の各振動子41a,41bの、基準方向への駆動振幅をそれぞれ検出して振幅モニタ波形を出力する第一及び第二の振幅モニタ部47a,47bを設ける。そして、第一の振幅モニタ部47aが検出する第一の振幅モニタ波形と、第二の振幅モニタ部47bが検出する第二の振幅モニタ波形とを、互いに逆相となる位相関係にて合成する逆相波形合成部16を設け、その逆相合成波形に基づいて駆動異常監視信号を出力する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、振動型角速度センサに関する。
特開2000−88578号公報
角速度センサ(ジャイロセンサ)の方式には、回転体の歳差運動を利用する機械式、筐体内で周回するレーザー光の筐体回転に伴う受光タイミング変化を利用する光学式、筐体内でセンシング用のガスを熱線に噴射し、その噴射量が筐体の回転により変化するのを熱線温度で検知する流体式などが知られている。他方、カーナビゲーションシステム等における車両方向検知用の角速度センサの需要が近年急速に高まっており、上記各方式と比較してより安価で軽量な振動式角速度センサが主流となりつつある。振動式角速度センサは、予め定められた基準方向に振動する振動子に角速度が作用したとき、基準方向と直交する検出方向へのコリオリ力に基づく新たな振動成分(以下、角速度振動成分という)を検出し、該振動成分に基づいて角速度情報を出力するものである。
従来、角速度センサを用いて車両制御を行なうシステムとして、車両の横滑りを検出し、各車輪のブレーキやトルクを最適に制御することにより、車両を正常状態に保つ車両安定制御システムや、車両の後輪あるいは前輪の舵角を制御する4輪舵角制御システム等が周知である。この種のシステムは、車両の横滑りといった車両の異常状態を角速度センサにて検出しており、この角速度信号の信頼性を高めることが求められている。
振動型角速度センサにおいて振動子の駆動振幅が規定範囲から外れた場合、角速度センサ出力のゼロ点や感度に異常が発生しうるので、その駆動振幅を検出してこれが規定範囲に収まっているかを否かを判定する必要がある。具体的には、特許文献1のごとく、振動子の駆動振幅を圧電素子で検出して電荷電圧変換し、さらに整流してDC化した信号を振幅モニタ信号として用い、この振幅モニタ信号のレベルが規定範囲に収まっているかどうかにより異常検知を行なっている。
また、振動型角速度センサにおいては、角速度検出中に車両に並進的な加速度が加わった場合、コリオリ力に基づく角速度検出波形にノイズとして重畳することになる。特許文献1には、逆相駆動される2組の振動型センサユニットを組み合わせ、逆相出力される各センサユニットの出力を差動増幅することで、加速度成分をキャンセルする方式が採用されている。この場合、2つのユニットの振動子は同期駆動する必要があり、振動駆動部における振幅制御においては、各ユニットから個別に取り出した振幅モニタ信号を同相加算することにより振幅モニタ信号の感度を上げるようにしている。そして、異常検知に際しても、その加算後の振幅モニタ信号を用いている。
ところで、センサユニットに異常が生じた場合は、加算後の振幅モニタ信号は、正常動作時に期待される規準振幅に、異常振幅成分が重畳されることになる。上記のように2つのセンサユニットを組み合わせて使用する場合、加算された振幅モニタ信号を異常検出に用いると、図5の左に示すように、異常振動成分αを、2倍に増幅された規準振幅成分Aとともに同じ信号増幅率Gにて検出しなければならない。しかし回路の動作電圧の関係上、信号増幅率Gには制限があり、規準振幅Aに対する異常振幅成分αの許容重畳マージンに制約が発生し、精度よく異常を検出することができない問題点がある。
本発明の課題は、回路増幅率の影響を軽減しつつ、振動駆動振幅の異常をより高マージンにて検出できる振動型角速度センサを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の振動型角速度センサは、
予め定められた基準方向に振動する振動子と、該振動子を一定の振幅で駆動する振動駆動部と、振動子に角速度が加わるに伴い、基準方向と交差するように定められた角速度検出方向への被検出振動成分を検出し、該被検出振動成分に基づいて角速度検出波形を生成する検出波形生成部とをそれぞれ有する第一の角速度センサユニット及び第二の角速度センサユニットと、
第一の角速度センサユニット及び第二の角速度センサユニットの各振動子の、基準方向への駆動振幅をそれぞれ検出して振幅モニタ波形を出力する第一及び第二の振幅モニタ部と、
第一の振幅モニタ部が検出する第一の振幅モニタ波形と、第二の振幅モニタ部が検出する第二の振幅モニタ波形とを、互いに逆相となる位相関係にて合成する逆相波形合成部を有し、その逆相合成波形に基づく駆動異常監視信号を出力する駆動異常監視信号生成出力部と、を備えたことを特徴とする。
上記本発明の構成によると、2つの角速度センサユニットの振動振幅の異常検出を行なうために、第一の振幅モニタ波形及び第二の振幅モニタ波形を敢えて逆相となる位相関係にて合成し、その逆逆相合成波形に基づく駆動異常監視信号を出力するようにした。このようにすると、図5の右に示すように、両センサユニットからの振幅モニタ波形に含まれる規準振幅成分A同士が互いにキャンセルするので、異常振幅成分αのマージンが大幅に増大し、精度よく異常を検出することができるようになる。
特に、逆相波形合成部または該逆相波形合成部の出力下流側に、逆相合成波形の増幅処理を行なうアナログ演算増幅回路が設けられている場合は、振幅異常検知に対し、該アナログ演算増幅回路の動作限界電圧の制約が加わる。図5を用いて説明すると、従来の方式では、回路動作限界電圧に応じて定まる信号マージンのうち、規準振幅成分Aの2倍に相当する部分(2A×G)が、いわば始めから食いつぶされている形になり、異常判定可能な電圧範囲が著しく縮小される。その結果、異常振幅成分が少しでも過大になると、その寄与(α×G)によりアナログ演算増幅回路の出力がすぐに飽和し、正確な異常検知は非常に困難になる。しかし、本発明によると、上記2A×Gの部分がキャンセルによりほとんど消滅し、その分だけ異常振幅成分αのマージンを大幅に増加させることができる。つまり、アナログ演算増幅回路の出力範囲を一杯に活用した正確で高感度な異常検知が可能となる。
具体的には、駆動異常監視信号生成出力部に前記逆相合成波形を直流化する整流部を設け、該整流部を、アナログ演算増幅回路を含むもの(例えばアクティブフィルタ)として構成することができる。この構成によると、逆相合成波形を直流化することで、これを用いて行なう異常検知処理の簡便化を図ることができる。また、該整流部に入力される逆相合成波形の異常振幅成分αを大幅に増加させることができるので、整流部がアナログ演算増幅回路を含んでいるにもかかわらず、正確で高感度の異常検知が可能となる。
この場合、上記整流部のレベル出力を用いた異常判定を外部にて行なうようにしてもよいし、該レベル出力を入力とする異常判定回路を設け、その出力を異常判定信号の形で外部に取り出すようにしてもよい。
第一の角速度センサユニット及び第二の角速度センサユニットの振動子が同期駆動される場合、第一の振幅モニタ波形と第二の振幅モニタ波形を、互いに同相となる位相関係にて合成する同相波形合成部を有し、その合成波形の振幅に基づいて振動駆動部による第一の角速度センサユニット及び第二の角速度センサユニットの駆動振幅を制御する振動駆動制御部を設けることができる。この場合は、振動駆動制御の基準として用いるの同相合成波形の振幅であり、正常時であれば、前述の規準振幅成分Aの2倍の信号レベルを振動駆動制御に使用できるのでノイズマージン等が増加し、振幅制御の精度向上に寄与する。この場合、本発明では、駆動異常監視信号生成出力部の逆相波形合成部を、振動駆動制御部の同相波形合成部の前段側に設ける。つまり、同相合成波形はあくまで振動駆動制御専用とし、その振動駆動制御用の同相波形合成部の前段側で振幅モニタ波形とを分岐させて、異常検知専用の逆相波形合成部に入力する。これにより、振幅制御の精度は維持しつつ、逆相合性波形により異常検知も高感度にて行なうことが可能となる。
第一の角速度センサユニット及び第二の角速度センサユニットの各振動駆動部は、各振動子を基準方向において互いに逆位相にて同期振動させることにより、角速度検出波形を、互いに位相反転した第一及び第二の角速度検出波形として生成することができる。そして、これに対応して、上記の第一の角速度検出波形と第二の角速度波形との差分波形を演算することにより、それら角速度検出波形に重畳する同相加速度波形成分が相殺された波形を角速度信号として出力する差分波形演算手段を設けることができる。このように構成すると、振動型の角速度センサ部の角速度出力から並進的な加速度成分を、互いに逆相となる2つの角速度波形の差信号を取ることで、両波形において同相に重畳する角速度成分を効果的に相殺でき、かつ、2つの角速度波形は結果的に互いに加算されて振幅を増すので、最終的に得られる角速度信号に残留する加速度成分の影響を大幅に縮小することができる。
上記の構成において、両センサユニットの振動子の駆動位相に対応して、第一の振幅モニタ波形と第二の振幅モニタ波形とが互いに逆相同期する形で出力される場合、駆動異常監視信号生成出力部の逆相波形合成部は、それら第一の振幅モニタ波形と第二の振幅モニタ波形との加算演算部を含むものとして構成できる。逆相波形合成部を単純な加算演算部として構成できるので、センサシステムの電気的構成の簡略化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である振動型角速度センサ1の回路図である。該回路は、振動ユニット4、振動駆動部6及び角速度検出部7とを有する。図2に示すように、振動ユニット4は第一のセンサユニット100及び第二のセンサユニット200を備える。各センサユニットは、予め定められたX方向(基準方向)に振動する振動子41a,41bを備え、それら振動子41a,41bに角速度が加わるに伴い、X方向と直交するように定められたY方向(角速度検出方向)への被検出振動成分を検出するものである。具体的には、図1に示すように、検出波形生成部75,76が該被検出振動成分に基づいて角速度検出波形を生成する。なお、被検出振動波形は、並進的な加速度が加わっている場合は角速度波形成分に加速度波形成分が重畳したものとなる。第一のセンサユニット100と第二のセンサユニット200とは、振動子41a,41bの逆相振動駆動により、それらの被検出振動波形が、角速度波形成分とこれに重畳する加速度波形成分との一方において互いに同相となり、他方において互いに逆相となるように(すなわち、加算又は差分により、加速度波形成分又は角速度波形成分の一方をキャンセルできるように)、上記の基準方向と角速度検出方向とが定められている。本実施形態においては、第一のセンサユニット100と第二のセンサユニット200とはX方向に互いに隣接して配置され、該X方向において振動子41a,41bとが鏡映的な対称関係にて振動駆動されるようになっているが、これに限られるものではない。
該振動ユニット4は、例えばSi等の半導体マイクロマシニングの技術を用いて形成される。図2に例示した構成では、第一のセンサユニット100の振動子41aは梁42aにより、第二のセンサユニット200の振動子41bは梁42bにより、一体のフレーム40に対し、それぞれ互いに直交するX方向とY方向とに独立に振動可能に結合されている。
両センサユニット100,200の各フレーム40には、X方向(つまり振動駆動方向)の端部内面に、X方向の単位電極がY方向に一定間隔で配列した櫛歯状の駆動側固定電極56a,56bが取り付けられている。また、振動子41a,41bのX方向側端面には、X方向の単位電極がY方向に一定間隔で配列した櫛歯状の駆動側可動電極66a,66bが、駆動側固定電極56a,56bとの間に隙間をもって交互に配列する形で取り付けられている。
一方、両センサユニット100,200の、Y方向(つまり角速度検出方向)の各端部(都合4箇所)には振動検出用コンデンサ45a1,45b1,45b2,45a2が設けられている。具体的には、フレーム40のY方向の各端部内面に、Y方向の単位電極がX方向に一定間隔で配列した櫛歯状の検出側固定電極55a,55bが取り付けられている。また、振動子41a,41bの対応するY方向側端面には、Y方向の単位電極がX方向に一定間隔で配列した櫛歯状の検出側可動電極65a,65bが検出側固定電極55a,55bとの間に隙間をもって交互に配列する形で取り付けられている。これら検出側可動電極65a,65bと検出側固定電極55a,55bとが、上記振動検出用コンデンサ45a1,45b1,45b2,45a2を形成している。なお、Y方向の互いに反対側に位置する振動検出用コンデンサ(45a1と45b1及び45b2,45a2)同士は、角速度波形成分も加速度波形成分も互いに逆相となって表れる。
さらに、両センサユニット100,200の各振動子41a,41bにはY方向のモニタ用キャビティ45hがそれぞれ形成され、該キャビティ45h内に、駆動振動数をフィードバック制御するための振幅モニタ用コンデンサ47a,47bが設けられている。具体的には、各キャビティ45hの内部にY方向の電極支持用ステム57sが挿通されている。電極支持用ステム57sは図示しない位置にて一端がフレーム40に固定され、その片面に、X方向の単位電極がY方向に一定間隔で配列した櫛歯状のモニタ側固定電極57a,57bが取り付けられている。また、モニタ用キャビティ45hの対応するX方向側端面には、X方向の単位電極Y方向に一定間隔で配列した櫛歯状のモニタ側可動電極67a,67bが、モニタ側固定電極57a,57bとの間に隙間をもって交互に配列する形で取り付けられている。これらモニタ側可動電極67a,67bとモニタ側固定電極57a,57bとが、上記振幅モニタ用コンデンサ47a,47bを形成している。
振動子41a,41bは、その表面に形成された各電極65a,66a,67a,65b,66b,67bとともに、梁42b及びフレーム40を介してGND端子G1,G2に接続され、外部でGNDに接続されるようになっている。また、フレーム40の表面には、駆動側固定電極56a,56bに接続される駆動端子D1,D2、検出側固定電極55a,55bに接続され角速度波形検出端子S1,S2,S3,S4、及びモニタ側固定電極57a,57bに接続される振動モニタ端子Mが形成されており、アイソレーション部60で互いに電気的に分離されている。
図1に戻り、振動検出用コンデンサ45a1,45a2は、その蓄積電荷を電圧変換する電荷電圧変換器20aとともに検出波形生成部75を構成する。また、振動検出用コンデンサ45b1,45b2も同様の電荷電圧変換器20bとともに被検出振動波形生成部76を構成する。これら電荷電圧変換器20aと電荷電圧変換器20bと、それらの出力同士を差動増幅する差動増幅器21(差分波形演算手段)と、予め定められた周波数帯域の加速度成分を抽出する同期検波部22と、該同期検波部22の出力から高調波などの不要高周波成分を除去するローパスフィルタ23とが角速度検出部7を構成する。
振動駆動部6は、振幅モニタ用コンデンサ47a,47bの蓄積電荷を電圧変換する電荷電圧変換器10、その振動交流電圧出力を直流変換するAC/DC変換器(整流部)11、AC/DC変換器11の出力電圧を振幅モニタ値として、その基準電圧Vrefを与える基準電圧発生部12、振幅モニタ値と基準電圧Vrefとの差分を増幅する差動増幅器13、電荷電圧変換器10からの振動電圧出力を90°移相する移相器14、差動増幅器13と移相器14との各出力を乗算する乗算器15とを有する。乗算器15の出力が振動駆動電圧波形として、第一のセンサユニット100及び第二のセンサユニット200の各駆動端子D1,D2に入力される。
振動駆動部6においては、振動子41a,41bのX方向の振動が、振幅モニタ用コンデンサ47a,47bの容量変化により、振動モニタ信号としてモニタ端子Mから取り出される(以上、第一及び第二の振幅モニタ部が形成されている)。図2では、両センサユニット100,200にて振幅モニタ用コンデンサ47a,47bの可動側電極67a,67bは、固定側電極57a,57bに対し、振動方向(つまりX方向)においてどちらも同じ側(図2では左側)に配置されている。従って、振動子41a,41bがX方向に互いに逆相で同期振動すれば、振幅モニタ用コンデンサ47a,47bからの振動モニタ波形も互いに逆相となる。
振幅モニタ用コンデンサ47a,47bからの第一及び第二の振幅モニタ波形は、電荷電圧変換器9,9にて電圧信号に変換され、さらに差動増幅器10にて差分演算される。逆相波形の差分を取ることは同相波形の加算を取ることと同じであり、2つのユニット100,200の振幅モニタ信号は差動増幅器10にて振幅が加算合成され、信号レベルが高められる。つまり、差動増幅器10は同相波形合成部を構成している。この合成後の振幅モニタ信号を、移相器14及び乗算器15を介して駆動端子D1,D2に帰還させることにより自励式振動駆動機構が構成される。
移相器14は、梁60を介した振動子41a,41bの共振点付近での機械的振動を持続させる役割を果たす。また、差動増幅器10からの合成後の振動モニタ信号は、別途AC/DC変換器11で平滑化されて振幅レベル信号とされ、制御振幅レベルに対応した基準電圧発生部12からの基準電圧信号との差分が差動増幅器13にて演算される。この差動増幅器13の出力を振幅補正信号として、乗算器15にて振動モニタ信号と乗ずることにより、駆動振幅が一定に制御されることとなる。なお、第一のセンサユニット100と第二のセンサユニット200との駆動端子D1,D2は、フレーム40に対し、X方向にて互いに異なる端部側に形成されており、乗算器15からの駆動出力が同相入力される。これにより、両ユニット100,200の振動子41a,41bは、X方向において、その共振周波数で互いに逆位相で振動駆動される。
上記の状態で、X,Y両方向のいずれとも直交するZ方向(例えば自動車搭載の場合は、路面と直交する向き)周りに角速度が入力されると、振動子41a,41bにはコリオリ力により、その角速度の大きさに応じた振幅でY方向の角速度振動成分が互いに逆位相にて発生する。この振動は、振動検出用コンデンサ45a1,45b1,45b2,45a2の容量変化として検知され、端子S1,S2及び端子S3,S4から取り出された後、電荷電圧変換器20a,20bにて電圧変換され、角速度検出波形Sa,Sbとして出力される。
なお、コリオリ力はそれぞれの振動子41a,41bに対し互いに逆方向に作用するため、第一のセンサユニット100の振動検出用コンデンサ45a1,45b1と、第二のセンサユニット200の振動検出用コンデンサ45b2,45a2とは、Y方向における互いに反対側に位置するもの同士、すなわちコンデンサ45a1,45a2(端子S1,S2)とコンデンサ45b1,45b2(端子S1,S2)とが、図3に示すように、それぞれ互いに同相の角速度検出波形を生ずる。そして、それら互いに同相となる角速度検出波形同士(図1において、端子S1,S2同士及びS3,S4同士)は、振幅加算された形で、図1の電荷電圧変換器20a,20bにそれぞれ入力され、角速度検出感度を高める工夫がなされている。
角速度検出部7においては、電荷電圧変換器20a,20bからのそれぞれの角速度検出波形信号Sa,Sbは互いに逆位相となっているので、差動増幅器21により差分演算することで、これら2つの波形信号がさらに振幅加算され、角速度検出感度が一層向上する。また、逆相振動駆動される両ユニット100,200においては、図4に示すように、Z方向周りに角速度が加わった時にY方向に発生するコリオリ力は互いに逆方向に検知されるが、回転遠心力や突発振動などによるY方向への並進的な加速度波形成分は同一方向に検知され、角速度波形成から見れば一種のノイズ成分となる。しかし、両ユニット100,200間において、重畳加速度波形成分が互いに同相であり、角速度波形成分が逆相となる波形同士を差分演算すれば(あるいは、重畳加速度波形成分が互いに逆相であり、角速度波形成分が同相となる波形同士を加算演算すれば)、この加速度成分はキャンセルされ、角速度波形のみを取り出すことができる。
差動増幅器21からの角速度信号の出力は、同期検波部22にて振幅変調された角速度波形が復調され後、ローパスフィルタ23でリップルが除去され、入力角速度に比例した直流の信号Vyとして出力される。同期検波部22の参照周波数信号は、本実施形態では移相器14からの振動モニタ信号が流用される。コリオリ力は、振動子の速度と加わる角速度とのベクトル積に比例して発生するので、駆動振動波形に対し、コリオリ力の検出波形は必ず90°進角して検知される。従って、移相器14にて90°進角した駆動振動波形はコリオリ力の検出波形(つまり、角速度波形)と位相が一致し、同期検波用の参照周波数信号として好適に採用できる。
次に、電荷電圧変換器9,9にて電圧信号に変換された第一及び第二の振幅モニタ波形は、同相波形合成部をなす差動増幅器10の前段側で各々分岐し、加算演算部をなす加算器16に入力される。前述の通り第一及び第二の振幅モニタ波形が逆相のため、加算器16は逆相波形合成部として機能する。この逆相合成された加算器16の出力信号が駆動異常監視信号としてAC/DC変換器7に入力される。該AC/DC変換器7は、前述のAC/DC変換器11とともに、本実施形態ではアナログ演算増幅器を含んだアクティブローパスフィルタとして構成されている。
2つのセンサユニット100,200の駆動振幅がいずれも正常であれば、2つの振幅モニタ波形の振幅もほぼ同じとなり、それらの逆相合成波形として生成される駆動異常監視信号の振幅は中立点に近いレベルを示すことになる。しかし、どちらかのセンサユニット100,200の駆動振幅に異常を生じていれば、駆動異常監視信号の振幅値は中立点からシフトする。従って、上記中立点を包含した基準電圧範囲[Vref2,Vref3]を有するウィンドコンパレータ8に上記駆動異常監視信号を入力することで、該駆動異常監視信号が規定範囲内か否か、つまり異常かどうかを異常検知信号Vdとして該ウィンドコンパレータ8から出力することができる。
本発明においては、駆動異常監視信号を第一及び第二の振幅モニタ波形を逆相合成して生成している点に特徴がある。駆動異常監視信号のマージンは、例えば、AC/DC変換器7を構成するアクティブフィルタの演算増幅器7aの動作限界電圧の制約を受け、加算器16の出力が過大になると演算増幅器7aの出力が飽和して正確な異常検知ができなくなる。図5に示すように、従来のごとく第一及び第二の振幅モニタ波形を同相合成した波形(つまり、振動駆動制御部の差動増幅器10の出力と等価である)では、異常が存在しなくても、2つの振幅モニタ波形の増幅加算振幅2A×Gが互いに加算された形で居座っているため、演算増幅器7aの出力電圧の大半が該2A×Gにより食いつぶされて、異常判定は残りの僅かな電圧マージンで行なわなければならないから、異常振幅成分α×Gが少しでも過大になると、演算増幅器7aの出力が飽和し、正確な異常検知が困難になる。しかし、本発明のように、逆相合成波形を駆動異常監視信号として用いると、両波形のA×Gの部分がキャンセルによりほとんど消滅し、異常振幅成分αのマージンを大幅に増加させることができる。つまり、演算増幅器7aの出力範囲を一杯に活用した正確で高感度な異常検知が可能となる。
なお、図4に示すように、フレーム40の内面を利用する等の形で、両センサユニット100,200にて振幅振幅モニタ用コンデンサ47a,47bの可動側電極67a,67bが、固定側電極57a,57bに対し、振動方向(つまりX方向)において互いに逆となるように配置することもできる。この場合、振動子41a,41bがX方向に互いに逆相で同期振動すれば、振幅モニタ用コンデンサ47a,47bからの振動モニタ波形は互いに同相となる。この場合は、図1の差動増幅器10を加算器により、加算器16を差動増幅器により置き換えれば、それぞれ同相波形合成部及び逆相波形合成部として活用でき、図1と等価なセンサ機能が実現する。
本発明の振動型角速度センサの一実施形態を示す回路図。 第一及び第二のセンサユニットの構造を模式的に示す図。 図1の各電極からの角速度検出波形と、それらの同相信号を加算する概念を説明する図。 第一及び第二のセンサユニットの構造の変形例を模式的に示す図。 本発明の効果説明図。
符号の説明
1 振動型角速度センサ
41a,41b 振動子
7 角速度検出部(検出波形生成部)
7a 演算増幅器(アナログ演算増幅回路)
10 差動増幅器(同相波形合成部)
16 加算器(加算演算部:逆相波形合成部)
21 差動増幅器(差分波形演算手段)
47a,47b 振幅モニタ用コンデンサ(第一及び第二の振幅モニタ部)
100 第一のセンサユニット
200 第二のセンサユニット

Claims (5)

  1. 予め定められた基準方向に振動する振動子と、該振動子を一定の振幅で駆動する振動駆動部と、前記振動子に角速度が加わるに伴い、前記基準方向と交差するように定められた角速度検出方向への被検出振動成分を検出し、該被検出振動成分に基づいて角速度検出波形を生成する検出波形生成部とをそれぞれ有する第一の角速度センサユニット及び第二の角速度センサユニットと、
    前記第一の角速度センサユニット及び第二の角速度センサユニットの各前記振動子の、前記基準方向への駆動振幅をそれぞれ検出して振幅モニタ波形を出力する第一及び第二の振幅モニタ部と、
    前記第一の振幅モニタ部が検出する第一の振幅モニタ波形と、前記第二の振幅モニタ部が検出する第二の振幅モニタ波形とを、互いに逆相となる位相関係にて合成する逆相波形合成部を有し、その逆相合成波形に基づく駆動異常監視信号を出力する駆動異常監視信号生成出力部と、
    を備えたことを特徴とする振動型角速度センサ。
  2. 前記逆相波形合成部または該逆相波形合成部の出力下流側に、前記逆相合成波形の増幅処理を行なうアナログ演算増幅回路が設けられている請求項1記載の振動型角速度センサ。
  3. 前記駆動異常監視信号生成出力部には前記逆相合成波形を直流化する整流部が設けられ、該整流部が前記アナログ演算増幅回路を含む請求項2記載の振動型角速度センサ。
  4. 前記第一の角速度センサユニット及び第二の角速度センサユニットの前記振動子は同期駆動されるものであり、
    前記第一の振幅モニタ波形と前記第二の振幅モニタ波形を、互いに同相となる位相関係にて合成する同相波形合成部を有し、その合成波形の振幅に基づいて前記振動駆動部による前記第一の角速度センサユニット及び第二の角速度センサユニットの駆動振幅を制御する振動駆動制御部が設けられ、
    前記駆動異常監視信号生成出力部の前記逆相波形合成部は、前記振動駆動制御部の前記同相波形合成部の前段側に設けられている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の振動型角速度センサ。
  5. 前記第一の角速度センサユニット及び前記第二の角速度センサユニットの各前記振動駆動部が、各前記振動子を前記基準方向において互いに逆位相にて同期振動させることにより、前記角速度検出波形が、互いに位相反転した第一及び第二の角速度検出波形として生成され、
    前記第一の角速度検出波形と前記第二の角速度波形との差分波形を演算することにより、それら角速度検出波形に重畳する同相加速度波形成分が相殺された波形を角速度信号として出力する差分波形演算手段が設けられ、
    前記第一の振幅モニタ波形と前記第二の振幅モニタ波形とは互いに逆相同期する形で出力されるものであり、前記駆動異常監視信号生成出力部の前記逆相波形合成部は、それら前記第一の振幅モニタ波形と前記第二の振幅モニタ波形との加算演算部を含む請求項4記載の振動型角速度センサ。
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