JP2018021850A - バイアス補正機能を有する振動型ジャイロ、及び振動型ジャイロの使用方法 - Google Patents

バイアス補正機能を有する振動型ジャイロ、及び振動型ジャイロの使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バイアス安定性が高い振動型ジャイロ、及び振動型ジャイロにおいてバイアスを補正した正確な角速度信号を得るための使用方法を提供する。【解決手段】振動型ジャイロは、多重化駆動信号を生成する駆動信号生成部58と、第1及び第2の検波信号をそれぞれ生成する第1及び第2の位相検波回路64、66と、第1及び第2のフィードバック振幅信号をそれぞれ生成する第1及び第2の制御回路68、70と、第1のフィードバック振幅信号を第1の周波数で変調した第1のフィードバック信号と第2のフィードバック振幅信号を少なくとも1つの第2の周波数でそれぞれ変調した少なくとも1つの第2のフィードバック信号とを多重化して、第1の多重化フィードバック信号を生成するフィードバック信号生成部90と、第2のフィードバック振幅信号を第1のフィードバック振幅信号から減算して角速度信号を出力する減算器78とを有する。【選択図】図11

Description

本発明は、振動型ジャイロに関し、特には、MEMS技術によって製造され、バイアス補正機能を有する高性能の振動型ジャイロ、及び該振動型ジャイロの使用方法に関する。
1990年代から急速に発展したいわゆるマイクロマシニング技術によって、例えば、絶縁膜を有するシリコン基板やガラス基板上に接合されたバルクシリコンウェハを、湿式エッチングやドライエッチング等の化学的なエッチングにより処理し、メカニカルなセンサ構造体を形成して、一度のプロセスで大量のセンサ構造を製造する手法が確立されている。このような微小電気機械システム(MEMS)技術によるセンサとしては、加速度センサ及び振動型ジャイロ等があり、例えば自動車、慣性ナビゲーション、デジタルカメラ、ゲーム機他、多くの分野において利用されている。
中でも振動型ジャイロは、一方向に振動する可動物体が回転運動を受けるときに発生するコリオリ加速度を利用している。振動する可動質量体が回転運動を伴うとき、該可動質量体は振動方向及び回転軸方向の双方に直交する方向に作用するコリオリ力を受け、この結果該可動質量体はコリオリ力の作用方向に変位する。該可動質量体は、この方向の変位を可能にするばねにより支持され、該可動質量体の変位量からコリオリ力及びそれを生じさせる角速度の値を検出することができる。可動質量体の変位は、例えば、一方が固定されかつ他方が可動質量体と共に変位可能な一対の平行平板構造又は櫛歯構造を備えた、平行平板型コンデンサ又は櫛歯型コンデンサを使用し、その容量変化から求めることができる。
振動型ジャイロの出力安定性を向上させるための1つの手段として、直交バイアス値(クワドラチャーエラー、90°成分)や平行バイアス値(0°成分)を低減又は排除する手段を設けることが挙げられる。例えば特許文献1−3には、直交バイアス値の補正手段を有する振動型ジャイロが開示されており、駆動質量体の構造的・力学的非対称性に起因する回転変位振動に関し、検出質量体に隣接配置した補正用電極に適切な位相のAC電圧を印加するか、駆動質量体に隣接配置した補正用電極にDC電圧を印加することによって生じる静電力により、直交バイアス値の出力を低減でき、ジャイロとしての安定性を飛躍的に向上させることができる。
また特許文献4には、平行バイアス値の補正手段を有する振動型ジャイロが開示されており、複数の周波数を含む多重化駆動信号を用いて振動型ジャイロを駆動することにより、不要な駆動力による不要駆動力信号や、寄生容量によるカップリング信号等の不要信号のみを含む補正信号を生成することができるので、これをレート信号から減算することで極めて正確な角速度信号(レート出力)を得ることができることができる。
特開2013−253958号公報 特開2014−178195号公報 特開2015−203604号公報 特開2015−230281号公報
特許文献1−3に記載の振動型ジャイロはいずれも、角速度信号に対して位相が90°ずれている直交バイアス値(クワドラチャーエラー、90°成分)を抑制又は補正する手段を有するものであるが、振動型ジャイロから出力される信号には、クワドラチャーエラーのような角速度信号に対して位相が90°ずれた信号(90°成分)だけでなく、角速度信号と位相が等しい不要信号(0°成分)も含まれる。
一方、特許文献4に記載の振動型ジャイロは、第2の周波数を有する第2の駆動信号で振動型ジャイロを駆動して、その応答信号を検出することで、角速度信号に対して位相が同相の平行バイアス値(0°成分Bとする)のみを補正信号として検出し、第1の周波数を有する第1の駆動信号で振動型ジャイロを駆動して、その応答信号より検出された平行バイアス値(0°成分Aとする)を含む角速度信号から0°成分Bを減算して補正する手段を有するものであるが、この手段は、0°成分Bと0°成分Aとの検出ゲインが異なるため、減算して補正する前に、0°成分Bをゲイン回路によって増幅又は減衰して検出ゲインを一致させる必要があり、このゲイン回路の調整精度が低い場合に、十分な補正効果が得られない可能性がある。
そこで本発明は、振動型ジャイロにおいて、角速度信号に対して位相が同相の平行バイアス値(0°成分)を検出する手段を有し、かつ、検出される角速度信号(平行バイアスを含む)と平行バイアス値(0°成分)の検出ゲインとを高精度に一致させる手段を有し、この平行バイアス値(0°成分)を角速度信号(平行バイアスを含む)から減算・補正することで、正確な角速度信号(平行バイアスを含まない)を検出することができる、バイアス安定性が高い振動型ジャイロ、及び振動型ジャイロにおいてバイアスを補正した正確な角速度信号を得るための使用方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願第1の発明は、駆動振動する駆動質量体と、角速度により発生するコリオリ力によって変位するように構成された検出質量体と、を備えた振動型ジャイロであって、前記駆動質量体の共振周波数である第1の周波数を有する第1の駆動信号と、前記第1の周波数とは異なる少なくとも1つの第2の周波数を有する少なくとも1つの第2の駆動信号とを多重化した多重化駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記検出質量体の検出信号から、前記第1の周波数で検波された第1の検波信号を生成する第1の位相検波回路と、前記検出質量体の検出信号から、前記少なくとも1つの第2の周波数で検波された少なくとも1つの第2の検波信号を生成する少なくとも1つの第2の位相検波回路と、前記第1の検波信号から第1のフィードバック振幅信号を生成する第1の制御回路と、前記少なくとも1つの第2の検波信号から第2のフィードバック振幅信号を生成する第2の制御回路と、前記第1のフィードバック振幅信号を前記第1の周波数で変調した第1のフィードバック信号と、前記第2のフィードバック振幅信号を前記少なくとも1つの第2の周波数でそれぞれ変調した少なくとも1つの第2のフィードバック信号とを多重化して、第1の多重化フィードバック信号を生成するフィードバック信号生成部と、前記第2のフィードバック振幅信号を前記第1のフィードバック振幅信号から減算して角速度信号を出力する減算器と、を有する、振動型ジャイロを提供する。
第2の発明は、第1の発明において、前記少なくとも1つの第2の周波数は、前記第1の周波数及び前記検出質量体の共振周波数よりも高い周波数Afと、前記第1の周波数及び前記検出質量体の共振周波数よりも低い周波数Bfとの2つの周波数を含み、前記少なくとも1つの第2の駆動信号は、前記周波数Afを有する駆動信号Adrsと、前記周波数Bfを有する駆動信号Bdrsとの2つの駆動信号を含み、前記少なくとも1つの第2の検波信号は、前記周波数Afで検波された検波信号Adesと、前記周波数Bfで検波された検波信号Bdesとの2つの検波信号を含み、前記第2の制御回路は、前記検波信号Ades及び前記検波信号Bdesを加算した信号を用いて前記第2のフィードバック振幅信号を生成し、前記少なくとも1つの第2のフィードバック信号は、前記第2のフィードバック振幅信号を前記周波数Afで変調したフィードバック信号Afsと、前記第2のフィードバック振幅信号を前記周波数Bfで変調したフィードバック信号Bfsとの2つのフィードバック信号を含む、振動型ジャイロを提供する。
第3の発明は、第2の発明において、前記検波信号Ades及び前記検波信号Bdesを減算処理して得られた信号から、第3のフィードバック振幅信号を生成する第3の制御回路と、前記第3のフィードバック振幅信号を多重化駆動信号の周波数によって変調した第2の多重化フィードバック信号を生成する変調器と、前記第2の多重化フィードバック信号を前記検出質量体の検出信号から減算し、得られた信号を前記第1及び第2の位相検波回路にフィードバックする減算器と、をさらに有する、振動型ジャイロを提供する。
また本願第4の発明は、駆動振動する駆動質量体と、角速度により発生するコリオリ力によって変位するように構成された検出質量体と、を備えた振動型ジャイロの使用方法であって、前記駆動質量体の共振周波数である第1の周波数を有する第1の駆動信号と、前記第1の周波数とは異なる少なくとも1つの第2の周波数を有する少なくとも1つの第2の駆動信号とを多重化した多重化駆動信号を生成することと、前記検出質量体の検出信号から、前記第1の周波数で検波された第1の検波信号を生成し、前記検出質量体の検出信号から、前記少なくとも1つの第2の周波数で検波された少なくとも1つの第2の検波信号を生成することと、前記第1の検波信号から第1のフィードバック振幅信号を生成し、前記少なくとも1つの第2の検波信号から第2のフィードバック振幅信号を生成することと、前記第1のフィードバック振幅信号を第1の周波数で変調して第1のフィードバック信号を生成し、前記第2のフィードバック振幅信号を前記少なくとも1つの第2の周波数でそれぞれ変調して少なくとも1つの第2のフィードバック信号を生成することと、前記第1のフィードバック信号と前記少なくとも1つの第2のフィードバック信号とを多重化して、前記振動型ジャイロにフィードバックされる第1の多重化フィードバック信号を生成することと、前記第2のフィードバック振幅信号を前記第1のフィードバック振幅信号から減算して角速度信号を出力することと、を含む、振動型ジャイロの使用方法を提供する。
第5の発明は、第4の発明において、前記少なくとも1つの第2の周波数は、前記第1の周波数及び前記検出質量体の共振周波数よりも高い周波数Afと、前記第1の周波数及び前記検出質量体の共振周波数よりも低い周波数Bfとの2つの周波数を含み、前記少なくとも1つの第2の駆動信号は、前記周波数Afを有する駆動信号Adrsと、前記周波数Bfを有する駆動信号Bdrsとの2つの駆動信号を含み、前記少なくとも1つの第2の検波信号は、前記周波数Afで検波された検波信号Adesと、前記周波数Bfで検波された検波信号Bdesとの2つの検波信号を含み、前記使用方法は、前記検波信号Ades及び前記検波信号Bdesを加算した信号を用いて前記第2のフィードバック振幅信号を生成することをさらに含み、前記少なくとも1つの第2のフィードバック信号は、前記第2のフィードバック振幅信号を前記周波数Afで変調したフィードバック信号Afsと、前記第2のフィードバック振幅信号を前記周波数Bfで変調したフィードバック信号Bfsとの2つのフィードバック信号を含む、振動型ジャイロの使用方法を提供する。
第6の発明は、第5の発明において、前記検波信号Ades及び前記検波信号Bdesを減算処理して得られた信号から、第3のフィードバック振幅信号を生成することと、前記第3のフィードバック振幅信号を多重化駆動信号の周波数によって変調した第2の多重化フィードバック信号を生成することと、前記第2の多重化フィードバック信号を前記検出質量体の検出信号から減算することと、をさらに含む、振動型ジャイロの使用方法を提供する。
本発明によれば、複数の周波数を含む多重化駆動信号を用いて振動型ジャイロを駆動して、フィードバック制御を実施することにより、不要な駆動力による不要駆動力信号や、寄生容量によるカップリング信号等の不要信号のみを含む補正信号を生成することができるので、この補正信号を、不要信号を含む角速度信号から減算・補正することで極めて正確な角速度信号を得ることができる。
(a)本発明に係る振動型ジャイロの基本構造の一例を示す平面図であり、(b)(a)のII−II線に沿った切断面を示す断面図であり、(c)(a)のIII−III線に沿った切断面を示す断面図である。 振動型ジャイロにおける駆動系の周波数伝達特性を示すグラフである。 振動型ジャイロに駆動系共振周波数の駆動信号が入力された場合の、ジャイロの駆動系での伝達特性を示すブロック図である。 振動型ジャイロに駆動系共振周波数より高い周波数の駆動信号が入力された場合の、ジャイロの駆動系での伝達特性を示すブロック図である。 モードマッチ状態の振動型ジャイロにおける検出系の周波数伝達特性を示すグラフである。 モードマッチ状態において、振動型ジャイロに駆動系共振周波数の駆動信号が入力された場合の、ジャイロの検出系の伝達特性を示すブロック図である。 モードマッチ状態において、振動型ジャイロに駆動系共振周波数より高い周波数の駆動信号が入力された場合の、ジャイロの検出系の伝達特性を示すブロック図である。 非モードマッチ状態の振動型ジャイロにおける検出系の周波数伝達特性を示すグラフである。 非モードマッチ状態において、振動型ジャイロに駆動系共振周波数の駆動信号が入力された場合の、ジャイロの検出系の伝達特性を示すブロック図である。 非モードマッチ状態において、振動型ジャイロに駆動系共振周波数より高い周波数の駆動信号が入力された場合の、ジャイロの検出系の伝達特性を示すブロック図である。 振動型ジャイロにおける、電気的なカップリングによる周波数伝達特性を示すブロック図である。 モードマッチ状態において、振動型ジャイロに駆動系共振周波数の駆動信号が入力された場合の信号出力を示すブロック図である。 図1の振動型ジャイロの左側駆動質量体の部分拡大図である。 本発明の第1の実施形態に係る振動型ジャイロの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態が適用可能な例として、カップリングが無視できる場合の信号出力を示すブロック図であり、駆動質量体をモードマッチ共振周波数で駆動した場合を示す。 第1の実施形態が適用可能な例として、カップリングが無視できる場合の信号出力を示すブロック図であり、駆動質量体をモードマッチ共振周波数より高い周波数で駆動した場合を示す。 本発明の第2の実施形態に係る振動型ジャイロの構成を示すブロック図である。 第2の実施形態が適用可能な例として、カップリングが無視できない場合の信号出力を示すブロック図であり、駆動質量体をモードマッチ共振周波数より高い周波数で駆動した場合を示す。 第2の実施形態が適用可能な例として、カップリングが無視できない場合の信号出力を示すブロック図であり、駆動質量体をモードマッチ共振周波数より低い周波数で駆動した場合を示す。 本発明の第3の実施形態に係る振動型ジャイロの構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に関連し、駆動質量体を非モードマッチ共振周波数で駆動した場合の信号出力を示すブロック図である。
図1(a)は、本発明に係る振動型ジャイロ(MEMSジャイロ素子)1の基本構造の一例を示す平面図であり、図1(b)及び図1(c)はそれぞれ、図1(a)のII−II線及びIII−III線に沿った切断面を示す断面図である。
図1において、参照符号2はガラス等の絶縁材料からなる支持基板を示しており、振動型ジャイロ1の他の構造部材はシリコンの単結晶から作製される。図1に示す振動型ジャイロにおいて、支持基板2の上に、シリコンの単結晶からなる左右の駆動質量体4及び6(左側を4とする)の各々が、Y方向に延びる少なくとも1つ(図示例では4つ)の駆動支持梁8及び10に支持される。駆動支持梁8及び10は、駆動質量体4及び6が基板2の面内方向かつ左右方向である駆動方向(X方向)に可動となるように、その剛性が他方向の剛性に比べ低くなるように構成されている。また左右の駆動質量体4及び6は、弾性結合要素である中央連結ばね12により互いに結合されている。
駆動質量体4及び6に接続されていない駆動支持梁8及び10の他端は、駆動質量体4及び6を囲繞するように設けられた略リング形状の検出質量体14に接続されている。検出質量体14は、少なくとも1つ(図示例では4つ)の検出支持梁16に支持され、各支持梁16の他端は基板2に接合された周辺部アンカー18に接続されている。なお図中において、黒く塗り潰した部分は基板2に固定されている部分(不動部分)を示し、他の部分(斜線等)は基板に固定されていない又は可動部分を示す。
検出質量体14を支持する検出支持梁16は、検出質量体14が基板2の面に垂直なZ方向回りに回転振動が可能となるように、その回転方向の剛性が他方向の剛性に比べ低くなるように構成されている。なお、断面図2及び断面図3に示すように、駆動質量体4及び6、駆動支持梁8及び10、中央連結梁12、検出質量体14、並びに検出支持梁16は、基板2と所定の間隔を有して対向配置されている。
図1(a)に示すように、左側の駆動質量体4は、略矩形の枠状部材であり、その外側寄りの側(中央に遠い側)から中央側に向けて延びる櫛歯状の電極22を有し、これに対向する左側駆動用櫛歯固定電極24が基板2に固定配置されており、これにより左側の質量駆動体4を左右方向(X方向)に駆動振動させることができる。同様に、右側の駆動質量体6は、略矩形の枠状部材であり、その外側寄りの側(中央に遠い側)から中央側に向けて延びる櫛歯状の電極26を有し、これに対向する右側駆動用櫛歯固定電極28が基板2に固定配置されており、これにより右側の質量駆動体6を左右方向(X方向)に駆動振動させることができる。
左側の駆動質量体4は、その中央寄りの側から反中央側に向けて延びる櫛歯状の電極30を有し、これに対向する左側駆動モニタ用櫛歯固定電極32が基板2に固定配置されており、これにより左側の駆動質量体4の変位量を測定できる。また右側の駆動質量体4は、その中央寄りの側に設けられたフレーム34の反中央側から中央側に向けて延びる櫛歯状の電極36を有し、これに対向する右側駆動モニタ用櫛歯固定電極38が基板2に固定配置されており、これにより右側の駆動質量体6の変位量を測定できる。
ここで、振動型ジャイロ1にZ軸回りの角速度が入力された場合、検出質量体14とともに左右の駆動質量体も回転振動するため、左右の駆動質量体に設けた櫛歯電極30及び36も回転変位し、駆動モニタ用櫛歯電極32及び38との位置関係が変化し、それに伴い対向する櫛歯間の容量も変化してモニタ出力に影響する。従って上述の左右駆動質量体のモニタ機構(すなわち櫛歯電極30、32、36及び38)は、検出質量体14の中央に可能な限り近い位置に設けることが好ましい。
また図1(a)からわかるように、左側の駆動質量体4におけるモニタ機構すなわち櫛歯電極30及び32と、右側の駆動質量体6におけるモニタ機構すなわち櫛歯電極36及び38とは、左右対称(Y軸に関して対称)とはなっていない。これは、左右のモニタ機構をいわゆる差動式とするためであり、具体的に言えば、左右の駆動質量体が中央側に移動したときは左側のモニタ機構では対向する櫛歯間の距離が拡大し、逆に右側のモニタ機構では対向する櫛歯間の距離が縮小する。駆動用櫛歯固定電極24及び28に駆動AC電圧が印加されると、周囲に存在する浮遊容量(寄生容量)によってカップリング電流としてモニタ用櫛歯電極に流れ、不要なモニタ出力として現れることがあるが、このような影響を上記差動式の構成によって排除又は抑制することができる。
また上述のように左右のモニタ電極を左右対称の構造としなかったことにより、左右の駆動質量体のモーメントに差異が生じるので、図1(a)に示すように、左側の質量駆動体4にもフレーム34と左右対称となるフレーム40を設け、さらに左右の駆動質量体が左右対称構造となるように、電圧印加されないダミー櫛歯電極42を設けることが好ましい。
図1(a)に示すように、検出質量体14は径方向外側に延びる櫛歯状の電極44を有し、これに対向する検出モニタ用櫛歯固定電極46及び48が基板2に固定配置されている。詳細には、X−Y平面の第1象限及び第4象限に跨る右側領域に、該右側領域内の櫛歯電極44に対向する検出モニタ用櫛歯固定電極46が固定配置され、X−Y平面の第2象限及び第3象限(図1の左部)に跨る左側領域に、該左側領域内の櫛歯電極44に対向する検出モニタ用櫛歯固定電極48が固定配置される。さらに、検出モニタ用櫛歯固定電極46及び48は、差動式モニタ機構を構成しており、具体的に言えば、検出質量体14がZ軸回りに時計方向に回転したときは、右側領域内では対向する櫛歯間の距離が拡大し、逆に左側領域内では対向する櫛歯間の距離が縮小する。これら2つの櫛歯間の容量変化の差を利用する差動構成により、検出質量体自体に発生している同相のノイズを相殺することができ、より高精度の測定を行うことができる。図1に示す振動型ジャイロは、左右の駆動質量体の駆動振動によって検出質量体が類似の振幅で振動(励振)するものではなく、駆動振動と検出振動とは実質的に分離されているため、漏れ出力を大きく低減することができ、漏れ出力によるバイアス値やその変動を抑制することができる。
図1に示す振動型ジャイロ1は、以下のようなマイクロマシニングプロセスを適用して作製することができる。
先ず、ガラス支持基板2とジャイロの可動部材との間に所定の間隙(図1(b)、(c)参照)が形成されるように、フッ酸等を利用したウェットエッチング処理をガラス基板に施す。但し、エッチングされてはいけない領域として、間隙を形成する部分以外については、半導体フォトリソグラフィ技術等を適用して、例えばレジストマスクを予め形成しておく。
次に、ガラス支持基板とシリコン基板とを陽極接合手法等により接合する。この段階で、シリコン基板側から研磨を行い、該シリコン基板を所定の厚さにするとともに、ボンディング用パッドとして必要とされる領域に、Cr&Au等の導電性メタルの選択的スパッタリングを行い、電極パッド(図示せず)を形成する。
さらに、接合されたシリコン基板の表面側(研磨側)に、フォトレジスト等のマスク材料を利用して、図1(a)の平面図で示されるレジストパターンを、フォトリソグラフィ技術を利用して作製する。この場合も、エッチングされてはいけない領域がレジストマスクにより保護される。
次に、RIE装置等を利用したドライエッチングにより、シリコン基板の厚さ方向に貫通エッチングを行う。以上のようなマイクロマシニング技術を適用した製造プロセスにより、振動型ジャイロの基本構造を作製することができる。
このようにジャイロを構成する材料として必要なものはシリコン基板及びガラス基板のみであり、シリコン基板とほぼ同一の線膨張係数を有するガラス材料を使用することで、温度変化に対して構造的ひずみ(熱ひずみ)や応力(熱応力)が発生しにくくなり、構造的に安定かつ特性的にも優れた振動型ジャイロが提供可能となる。
次に、振動型ジャイロの動作について説明する。例えば、X軸方向に速度Vxで振動する質量Mの検出質量体にZ軸回りの回転(回転角速度Ωz)が加わった場合に生じるY軸方向のコリオリ力Fyの絶対量は、
Fy=2ΩzMVx
で表される。このため、コリオリ力Fyによる該検出質量体の変位を検出することで角速度を検出する振動型ジャイロでは、駆動質量体を速度Vxで励振させる必要がある。このための方式として、例えば静電力によるコームドライブ方式が利用される。
左側駆動質量体4と左側駆動用櫛歯電極24との間、及び右側駆動質量体6と右側駆動用櫛歯電極28との間に、DC電圧VDCとAC電圧VACとの和を印加すると、VACの電圧周期と等しい駆動力が発生する。一方、左右の駆動質量体4及び6は弾性の中央連結ばね12により互いに連結されているので、互いにX方向に近づき又は離れる、いわゆる逆相振動の共振モードを有する。従って、VACの周波数をこの逆相振動モードの共振周波数と一致させて振動させることで、駆動質量体4及び6は、互いに接離する逆相振動を呈する。この振動の速度Vxは、左右の駆動モニタ用櫛歯電極32及び38により、静電容量変化として電気回路を通じて検出され、駆動振動振幅を一定にするためのAGC制御(Auto Gain Control)に利用される。
左右の駆動質量体4及び6が上記のようにX方向に逆相振動する場合、角速度Ωzが図1(a)の紙面に垂直な方向(Z方向)に作用すると、左右の駆動質量体には逆相のコリオリ力FyがY方向に生じる。このコリオリ力によって検出質量体14にはZ軸回りの回転トルクが作用し、検出質量体14はZ軸回りに回転変位振動する。この結果、検出質量体14に設けた櫛歯電極44と第1及び第2の検出モニタ用固定櫛歯電極46及び48との間の静電容量が差動で変化し、その差動容量変化を電気的に読み出すのであるが、本願発明では後述する多重化した駆動信号を用いて純粋な角速度信号を抽出する処理を行うことで、極めて正確な角速度Ωzを検出することができる。
以下、本願発明の前提となる基礎概念(駆動質量体と検出質量体の周波数伝達特性等)について、図2〜図8を参照しつつ説明する。先ず図2は、駆動系の周波数伝達特性を示すグラフである。同図における「出力信号の大きさ」を示すグラフ(上段)より明らかなように、駆動系共振周波数ωxの駆動信号が入力された場合には、非常に大きな信号が出力される(図2のA部)。このとき、入力信号に対する駆動変位(駆動モニタ)出力の信号位相は−90°となり、駆動速度の信号位相はゼロとなることがわかる(各位相グラフ(中段、下段)参照)。このときの伝達特性を示すブロック図が図3aである。なお以降、出力信号等の位相についての表記(−90°等)は、いずれも入力信号の位相に対する出力信号の位相のずれを意味する。
一方、駆動系共振周波数よりも高い周波数(例えばωx+ωα)の駆動信号が入力された場合には、駆動系共振周波数ωxの駆動信号が入力された場合と比較して、非常に小さな信号が出力される(図2のB部)。この信号強度は、通常検出すべき信号強度に対して非常に小さいため、ほとんどの場合無視することができる。このような無視できる信号を点線で示したブロック図が、図3bである。なお、このほとんどの場合無視できる信号の出力位相は、駆動変位(駆動モニタ)が−180°となり、駆動速度が−90°となる(各位相グラフ(中段、下段)参照)。なお、以降に説明するブロック図についても、無視できる信号については点線で図示するものとする。
次に図4は、検出系の周波数伝達特性を示すグラフである。検出系の周波数伝達特性は、駆動系のそれと概ね同様の形を示すが、ここでは検出系のQ値(共振特性の鋭さを示すクオリティファクター)が駆動系に比べて低い場合について図示している。また図4は、駆動系共振周波数ωxと検出系共振周波数ωyが一致(モードマッチ)している場合を示している。ここで、駆動系共振周波数ωxの信号が入力された場合の伝達特性を見ると、検出変位を示す信号の位相は−90°となることがわかる(図4のC部)。このときの伝達特性を示すブロック図が図5aである。
一方、駆動系共振周波数(及び検出系共振周波数)よりも高い周波数(例えばωx+ωα)の駆動信号が入力された場合は、信号の位相は−180°遅れて出力されることがわかる(図4のD部)。このときの伝達特性を示すブロック図が図5bである。
次に図6は、図4に類似するが、検出系共振周波数ωyと駆動系共振周波数ωxとが異なる場合(ここではωx<ωy)、すなわち非モードマッチ状態における、周波数伝達特性を示すグラフである。振動型ジャイロでは、駆動系の共振周波数で駆動し、角速度を検出するため、検出系に入る信号の周波数は通常、駆動系共振周波数ωxである。従って、振動型ジャイロを駆動系共振周波数ωxで駆動した場合の検出系の信号の位相はほとんど変化せず、すなわち検出変位はほぼ0°となる(図6のE部)。このときの伝達特性を示すブロック図が図7aである。
一方、駆動系共振周波数(及び検出系共振周波数)よりも高い周波数(例えばωx+ωα)の駆動信号が入力された場合は、信号の位相は−180°遅れて出力されることがわかる(図6のF部)。このときの伝達特性を示すブロック図が図7bである。
図8は、電気的なカップリング(寄生容量)による周波数伝達特性を示すブロック図である。電気的なカップリングによる周波数特性の理解は非常に容易であり、振動型ジャイロに用いる周波数帯域においては、寄生容量によるカップリング信号の位相は実質変化しないと考えてよい。すなわち、入力された信号はそのままの位相で出力される。また信号の大きさも寄生容量の値のみに依存し、周波数によらず一定の大きさで出力される。
図2〜図8を参照して説明した内容を総合すると、駆動振動する駆動質量体(駆動系)4、6と、角速度により発生するコリオリ力によって変位するように構成された検出質量体(検出系)14とを有する振動型ジャイロ1において、駆動系共振周波数ωx(=ωy)の駆動信号を入力した場合(モードマッチ)の信号出力は図9のようになる。先ず、ジャイロ1に駆動系共振周波数ωxの信号を入力すると、該信号が駆動櫛歯によって駆動力に変換され、駆動系に入力される。すると駆動系(駆動質量体4、6)が振動を開始し、この振動の振動変位xは−90°の位相を持ち、駆動速度vは0°の位相を持つ。
次に、検出系に作用する信号について考える。第1は、コリオリ力による信号である。ジャイロ1が角速度Ωで回転すると、駆動速度vと角速度Ωに比例したコリオリ力2MvΩ(Mは駆動系の質量)が発生する。このコリオリ力の位相は、駆動速度vと同じ0°である。第2は、クワドラチャーエラーによる信号である。ジャイロ1では、プロセスばらつき等によるMEMS素子の非対称性のために、駆動変位xと同位相のいわゆるクワドラチャーエラーが発生するが、このクワドラチャーエラーの位相は駆動変位xと同じ−90°である。第3は、駆動信号が直接的に検出系に作用することによる、不要な駆動力による信号である。この不要な駆動力は例えば、図1の振動型ジャイロの左側駆動質量体4の部分拡大図である図11に示ように、駆動櫛歯間(可動櫛歯電極22と固定櫛歯電極24との間)のギャップが、通常はg3=g4となるように設計されているのに対して、プロセスばらつきや応力ひずみの影響により、g3≠g4となることによって発生する。この不要な駆動力の信号の位相は、駆動信号と同じ0°である。
上述した各信号が検出系を通過することによって、図9に示すように、検出系から出力されるそれぞれの信号の位相は、クワドラチャーエラー信号が−180°、角速度信号が−90°、不要な駆動力による不要駆動力信号(不要0°信号)が−90°となる。さらに、MEMS素子がもつ寄生容量によって、駆動信号が電気的カップリングを直接通過することにより得られるカップリング信号も併せて出力され、その位相は0°となる。
これら4種類の信号は、位相検波回路に送られて検波処理される。ここでは、角速度信号を検波によって取り出すために、位相検波回路が角速度信号の位相−90°に調節され、図9に示すように、位相検波回路に送られた信号は、0°信号と90°信号に分離され、検波信号(復調信号)として出力される。
ここで、クワドラチャーエラー信号及びカップリング信号はいずれも、位相検波回路での復調位相(−90°)と位相が90°異なるため、90°信号として出力され、角速度信号の検出値(角速度信号)には直接的に影響を及ぼさない。しかし、図9に示すように、不要な駆動力に基づく不要駆動力信号(不要0°信号)は角速度信号と同位相であるため、0°信号(不要0°信号)として出力され、角速度信号と区別ができず、正確な検出の妨げとなっている。また後述するが、非モードマッチ状態では、カップリング信号も角速度信号と同位相となることがある。そこで以下に説明する実施形態では、クワドラチャーエラー信号以外の不要信号(不要0°信号及びカップリング信号)の影響を排除又は低減し、バイアス安定化を図る。
なおクワドラチャーエラー信号は、検出すべき角速度信号に比べて極めて大きいことが多く、故に角速度信号の検出精度に影響し得るため、クワドラチャーエラーについても補正が必要となる場合がある。しかし、その補正方法については多くの先行技術があり、上述の特許文献1−3もその例であるので、本願明細書では詳細には言及しない。
図11は、本発明の第1の実施形態に係る振動型ジャイロの構成を示す図であり、上述のジャイロ素子1に適用可能なフィードバック系回路を示すブロック図である。駆動系制御部(図示例ではPLL(Phase Locked Loop)制御回路50及びAGC(Auto Gain Control)制御回路52)が駆動用櫛歯電極24及び28に関連付けられており、駆動質量体4及び6が、規定された逆相周波数及び振幅で駆動制御される。CV54及び56はいずれも、静電容量を電圧に変換する変換器であるが、CV54はモニタ用櫛歯固定電極32及び38に関連付けられ、その出力は駆動質量体の振動制御に使用される。一方CV56は、検出質量体14の回転変位に伴う櫛歯電極44と検出モニタ用櫛歯固定電極46及び48との間の容量変化を電圧に変換し、変換された電圧は検出信号として後述する位相検波回路(復調器)に送られる。
PLL制御回路50は、駆動質量体4及び6の共振周波数ωxを有する第1の周波数を出力し、AGC制御回路52は、駆動質量体4及び6が規定された振幅で駆動するように調整された駆動振幅信号を出力し、第1の周波数と駆動振幅信号は、駆動信号生成部58に送られる。駆動信号生成部58は、駆動質量体の共振周波数である第1の周波数を有する第1の駆動信号Iと、第1の周波数とは異なる少なくとも1つの第2の周波数(図11の例では、第1の周波数より高い周波数(ωx+ωα))を有する少なくとも1つの第2の駆動信号IIとを多重化した駆動信号を生成する。より具体的には、駆動波形生成器60が、第1の周波数に基づく駆動波形(sin(ωx))と、第2の周波数に基づく駆動波形(sin(ωx+ωα))とを多重化(加算)した多重化駆動波形を生成し、変調器62が駆動振幅信号を多重化駆動波形で変調することによって、多重化駆動信号が生成される。
図11に示すように、第1の実施形態は、検出系(検出質量体)の出力信号から、第1の周波数で検波された第1の検波信号を生成する第1の位相検波回路64と、検出系(検出質量体)の出力信号から、第2の周波数で検波された少なくとも1つの第2の検波信号を生成する第2の位相検波回路66と、第1の検波信号から第1のフィードバック振幅信号を生成する第1の制御回路68と、少なくとも1つの第2の検波信号から第2のフィードバック振幅信号を生成する第2の制御回路70と、第1のフィードバック振幅信号を第1の周波数で変調した第1のフィードバック信号と、第2のフィードバック振幅信号を少なくとも1つの第2の周波数でそれぞれ変調した少なくとも1つの第2のフィードバック信号とを多重化して、第1の多重化フィードバック信号を生成するフィードバック信号生成部90と、第2のフィードバック振幅信号を第1のフィードバック振幅信号から減算して角速度信号を出力する減算器78とを有する。さらに、フィードバック信号生成部90は、第1のフィードバック振幅信号を第1の周波数で変調して第1のフィードバック信号を生成する第1の変調器72と、第2のフィードバック振幅信号を少なくとも1つの第2の周波数で変調して少なくとも1つの第2のフィードバック信号を生成する第2の変調器74と、第1のフィードバック信号と少なくとも1つの第2のフィードバック信号を多重化して第1の多重化フィードバック信号を生成する加算器76とを有する。
図11に示す構成は、特許文献4の図11に記載のものと類似するが、第1及び第2の制御回路68及び70を含むフィードバック経路が追加されており、特許文献4の図11に記載のゲイン(70)及びこれによる調整が不要となっている。換言すれば、特許文献4の図11に記載の構成はオープンループによる補正回路を有し、本願明細書の図11に記載の構成(第1の実施形態)はクローズドループ(フィードバック)による補正回路を有する。また後述する第2及び第3の実施形態も、クローズドループ(フィードバック)による補正回路を有するものである。
図12a及び12bは、第1の実施形態が適用可能な単純な例として、カップリングが存在しない(又は無視できる)場合の信号出力を示すブロック図であり、より具体的には、図12aは駆動質量体をモードマッチ共振周波数で駆動した場合を示し、図12bは駆動質量体をモードマッチ共振周波数より高い周波数で駆動した場合を示す。この例では、共振周波数(ωx)の駆動信号の入力(図12a)と、共振周波数よりも高い周波数(ωx+ωα)の駆動信号の入力(図12b)とを同時に行えばよい。すなわち、図11に示したように、周波数ωxとωx+ωαの2つの信号を多重化した信号で駆動質量体を駆動し、各周波数で検波を行えば、図12a及び図12bに示すような出力信号が得られる。図12bにおいて、0°出力としては実質的に不要0°信号のみが出力されているから、この値を図12aの0°出力である不要0°信号と角速度信号の合計値から減算することで、角速度信号を正確に求める補正が可能となる。
なお、図2を参照して説明したように、図12a及び図12bの例から出力される信号の強度は異なる。そこで第1の実施形態では、図11に示すように、図12a及び図12bで得られる0°出力を、それぞれ第1の制御回路68及び第2の制御回路70、並びに第1の変調器72及び第2の変調器74を介して、振動型ジャイロ素子の検出系にフィードバックする。これにより、図12a及び図12bで示す不要な駆動力を打ち消すように、第1及び第2の制御回路が動作する。この場合、不要な駆動力の大きさは、周波数が違っても(同じ振幅の駆動信号で駆動していれば)同じであるから、不要な駆動力を打ち消すように生成されるフィードバック振幅信号の大きさも、周波数ωxによる場合と、周波数ωx+ωαによる場合とで一致する。
上述のようにして生成される、周波数ωxによる第1のフィードバック振幅信号には、角速度信号と不要0°信号が含まれており、周波数ωx+ωαによる第2のフィードバック振幅信号には、不要0°信号のみが含まれている。よって、第1のフィードバック振幅信号(補正前の角速度信号)から第2のフィードバック振幅信号(補正信号)を減算することによって、純粋な角速度信号(補正後の角速度信号)を得ることができる。なお、この例では共振周波数よりも高い周波数を多重化した場合について説明したが、共振周波数よりも低い周波数を多重化した場合も、同様の方法で補正が可能である。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る振動型ジャイロの構成を示す図であり、上述のジャイロ素子1に適用可能なフィードバック系回路を示すブロック図である。なお第2の実施形態では、主に第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と同様の構成要素については、同一の参照符号を付与して詳細な説明は省略する。
PLL制御回路50は、駆動質量体4及び6の共振周波数ωxを有する第1の周波数を出力し、AGC制御回路52は、駆動質量体4及び6が規定された振幅で駆動するように調整された駆動振幅信号を出力し、第1の周波数と駆動振幅信号は、駆動信号生成部58′に送られる。駆動信号生成部58′は、駆動質量体の共振周波数である第1の周波数を有する第1の駆動信号Iと、第1の周波数とは異なる少なくとも2つの第2の周波数(図13の例では、第1の周波数より高い周波数Af(ωx+ωα)と、第1の周波数より低い周波数Bf(ωx−ωα))をそれぞれ有する少なくとも2つの第2の駆動信号II(Adrs及びBdrs)とを多重化した駆動信号を生成する。より具体的には、駆動波形生成器60′が、第1の周波数に基づく駆動波形(sin(ωx))と、第2の駆動信号II(Adrs及びBdrs)に基づく駆動波形(sin(ωx+ωα)及びsin(ωx−ωα))とを多重化(加算)した多重化駆動波形を生成し、変調器62が駆動振幅信号を多重化駆動波形で変調することによって、多重化駆動信号が生成される。
第2の実施形態は、検出系(検出質量体)の出力信号から、第1の周波数で検波された第1の検波信号を生成する第1の位相検波回路64を有し、第2の位相検波回路として、検出系(検出質量体)の出力信号から、周波数Afで検波された第2の検波信号Adesを生成する位相検波回路66と、検出系(検出質量体)の出力信号から、周波数Bfで検波された第2の検波信号Bdesを生成する位相検波回路66′とを有する。従って第2の実施形態では、第2の位相検波回路が複数(図示例では2つ)設けられ、第2の検波信号が複数(図示例では2つ)の検波信号Ades及びBdesを含み、第2の制御回路70は、検波信号Adesと検波信号Bdesとを加算器80で加算して得られた信号から第2のフィードバック振幅信号を生成する。
さらに第2の実施形態は、第1のフィードバック振幅信号を第1の周波数で変調した第1のフィードバック信号と、第2のフィードバック振幅信号を少なくとも2つの第2の周波数でそれぞれ変調した少なくとも2つの第2のフィードバック信号とを多重化して、第1の多重化フィードバック信号を生成するフィードバック信号生成部90′と、第2のフィードバック振幅信号を第1のフィードバック振幅信号から減算して角速度信号を出力する減算器78とを有する。さらに、フィードバック信号生成部90′は、第1の制御回路68が生成した第1のフィードバック振幅信号を第1の周波数で変調して第1のフィードバック信号を生成する第1の変調器72を有し、第2の変調器として、第2のフィードバック振幅信号を周波数Afで変調して第2のフィードバック信号Afsを生成する変調器74と、第2のフィードバック振幅信号を周波数Bfで変調して第2のフィードバック信号Bfsを生成する変調器74′とを有し、第1のフィードバック信号、並びに第2のフィードバック信号Afs及びBfsを多重化して第1の多重化フィードバック信号を生成する加算器76′とを有する。
図14a及び14bは、第2の実施形態が適用可能な例として、カップリングが無視できない場合の信号出力を示すブロック図であり、より具体的には、図14aは駆動質量体をモードマッチ共振周波数より高い周波数で駆動した場合を示し、図14bは駆動質量体をモードマッチ共振周波数より低い周波数で駆動した場合を示す。
図9を参照して説明した例では、位相検波回路からの0°出力が角速度信号と不要0°信号を含んでいるが、図14a及び14bの位相検波回路からの0°出力では、いずれもカップリング信号と不要0°信号を含み、カップリング信号は、符号が互いに逆でかつ大きさ(絶対値)が等しくなっている。そこで、図13に示した第2の実施形態に記載の構成を用いて、図14a及び14bの0°出力信号を加算器80で加算処理することによって、カップリング信号を除去することができる。その後、第1の実施形態と同様の方法で第2のフィードバック振幅信号を生成することができる。
具体的には、図13に示すように、第1の制御回路68が生成した第1のフィードバック振幅信号を第1の周波数で変調して得られた第1のフィードバック信号と、第2の制御回路70が生成した第2のフィードバック振幅信号を第2の周波数Af及びBfでそれぞれ変調して得られた第2のフィードバック信号Afs及びBfsとから、加算器76′を用いて第1の多重化フィードバック信号を生成し、これを振動型ジャイロ素子の検出系にフィードバックする。加算器80を経た第2のフィードバック振幅信号(補正信号)は、カップリング信号が相殺されて不要0°信号のみを含むので、第1のフィードバック振幅信号(補正前の角速度信号)からこれを減算することによって、純粋な角速度信号(補正後の角速度信号)を得ることができる。
図15は、本発明の第3の実施形態に係る振動型ジャイロの構成を示す図であり、上述のジャイロ素子1に適用可能なフィードバック系回路を示すブロック図である。なお第3の実施形態では、主に第2の実施形態と異なる部分について説明し、第2の実施形態と同様の構成要素については、同一の参照符号を付与して詳細な説明は省略する。
第3の実施形態は、第2の実施形態と同様、第2の検波信号が2つの検波信号A及びBを含み、第2の制御回路70が、検波信号Adesと検波信号Bdesとを加算器80で加算して得られた信号から第2のフィードバック振幅信号を生成する。第3の実施形態はさらに、検波信号Ades及び検波信号Bdesの一方から他方を減算する減算器82と、減算器82での減算処理によって得られた信号から第3のフィードバック振幅信号を生成する第3の制御回路84と、第3のフィードバック振幅信号を、多重化駆動信号の周波数(多重化駆動波形)によって変調して第2の多重化フィードバック信号を生成する第3の変調器86と、第2の多重化フィードバック信号を検出質量体14の検出信号から減算する減算器88とを有する。
第3の実施形態は、第2の実施形態に、カップリング信号に関するフィードバックループを付加したものに相当する。図9を参照して説明したようなモードマッチ状態(駆動質量体と検出質量体の共振周波数が一致しており、駆動質量体をその共振周波数で駆動した場合)では、カップリング信号は、角速度信号とは90°異なる位相で出力されるので、本来は不要信号として検出されることはない。しかしながら、図16に示すように非モードマッチ状態では、カップリング信号と角速度信号とが同位相で出力され、補正が必要となる場合がある。また、モードマッチ状態において、カップリング信号が角速度信号と90°異なる位相で出力されていても、カップリング信号が過度に大きい場合には、その影響が現れて補正が必要となることがある。
そこで、第3の実施形態は、第2の実施形態に加えて、図15に示すように、図14a及び14bの信号(又はこれらに相当する信号)を減算器82で減算処理した信号を用いて、第3の制御回路84で第3のフィードバック振幅信号を生成し、第3のフィードバック振幅信号を第3の変調器86によって多重化駆動信号の周波数(多重化駆動波形)で変調して、減算器88で検出系の出力信号から減算するように構成されている。
第3の実施形態における処理は、第2の実施形態で図14a及び14bの信号を加算処理して不要0°信号のみを取り出したのと同様の考え方から、図14a及び14bの信号を減算処理すると、カップリング信号が取り出せることを利用している。ただし、図14a及び14bにおける不要0°信号の大きさは、必ずしも一致しているとは限らないため、単純に減算処理しただけでは、不要0°信号を取り除いて、純粋なカップリング信号のみを取り出すことができない可能性がある。そこで第3の実施形態では、第2の実施形態の場合と同様に、図14a及び14bの信号を加算処理して得られた信号を検出系14にフィードバックすることで、検出系手前の不要な駆動力を打ち消すように回路が構成されている。このようにすることで、不要な駆動力に関する出力信号である、不要0°信号は、検出系の手前でその補正が完了し、位相検波回路から出力されない状態となる。
上述の処理の結果、図14a及び14bにおいて位相検波回路の0°から出力される信号はカップリング信号のみとなるので、これらを減算処理(図14a及び14bのカップリング信号は位相が180°異なる差動出力なので、実質的にはカップリング信号を加算している)することによって、カップリング信号のみを検出することができる。さらに、このようにして検出したカップリング信号を、第3の制御回路84を介して位相検波回路の手前にフィードバック(検出系出力の直後で減算補正)することによって、位相検波回路の手前でカップリング信号が取り除かれ、各位相検波回路はカップリング信号を含まない値を検出することができる。以上のようにして、カップリング信号が好適に補正されるので、その他の回路、処理に関しては、第2の実施形態と同様に行うことができ、これにより純粋な角速度信号(補正後の角速度信号)を得ることができる。
上述の第1−第3の実施形態に係る振動型ジャイロは、角速度信号を検出するために駆動質量体の共振周波数に整合するように調整された周波数の第1の駆動信号と、不要成分の信号を検出・補正するために駆動質量体の共振周波数とは異なる1つ以上の周波数の第2の駆動信号とを多重化した信号によって駆動され、検出質量体の検出信号が、各周波数の信号でそれぞれ位相検波され、さらに、各検波信号が検出系に多重化してフィードバックされる。これにより、不要信号を含む角速度信号と、不要信号のみを含む補正信号とがそれぞれ検出可能となり、角速度信号から不要信号を減算・補正することによって、純粋な(極めて正確な)角速度信号を得ることができる。
なお図9等の信号出力を示すブロック図において、主要な(無視できない)信号は実線で示され、十分に小さく無視できる信号は点線で示されている。また各(交流)信号名称の後の「:」の後ろの数字は、出力位相を示す。一方、位相検波回路通過後の信号は直流信号であるため、「:」の後ろはその正負を示す。さらに、位相検波回路通過後の信号のうち、十分小さく無視できる信号には「(微小)」なる記載を付した。
以上、本発明の好適な実施形態として、角速度により発生するコリオリ力によって回転励振されるように構成された検出質量体と、該検出質量体の内側に設けられ、互いに逆相で振動する一対の駆動質量体とを有する振動型ジャイロが説明されたが、本発明の適用対象はこのようなジャイロに限られず、角速度入力によって変位し得る検出質量体を有するものであればどのような振動型ジャイロにも適用できる。また、駆動質量体と検出質量体が実質一体の構造体となっており、当該構造体が駆動質量体と検出質量体の双方の機能を具備するようなタイプの振動型ジャイロも本発明の適用対象に含まれる。
また本発明は、特許文献1に記載のような、クワドラチャーエラー抑制のためのAC櫛歯電極及びDC櫛歯電極を有した振動型ジャイロにも適用可能である。すなわち、本発明のバイアス補正と、クワドラチャーエラー抑制とは同時に行うことが可能である。
1 振動型ジャイロ
2 基板
4、6 駆動質量体
12 中央連結ばね
14 検出質量体
24、28 駆動用櫛歯固定電極
32、38 駆動モニタ用櫛歯固定電極
46、48 検出モニタ用櫛歯固定電極
50 PLL制御器
52 AGC制御器
54、56 CV変換器
58、58′ 駆動信号生成部
60、60′ 駆動波形生成器
62、72、74、74′、86 変調器
64、66、66′ 位相検波回路
68、70、84 制御回路
76、76′、80 加算器
78、82、88 減算器
90、90′ フィードバック信号生成部

Claims (6)

  1. 駆動振動する駆動質量体(4、6)と、角速度により発生するコリオリ力によって変位するように構成された検出質量体(14)と、を備えた振動型ジャイロであって、
    前記駆動質量体の共振周波数である第1の周波数を有する第1の駆動信号と、前記第1の周波数とは異なる少なくとも1つの第2の周波数を有する少なくとも1つの第2の駆動信号とを多重化した多重化駆動信号を生成する駆動信号生成部(58、58′)と、
    前記検出質量体の検出信号から、前記第1の周波数で検波された第1の検波信号を生成する第1の位相検波回路(64)と、前記検出質量体の検出信号から、前記少なくとも1つの第2の周波数で検波された少なくとも1つの第2の検波信号を生成する少なくとも1つの第2の位相検波回路(66、66′)と、
    前記第1の検波信号から第1のフィードバック振幅信号を生成する第1の制御回路(68)と、前記少なくとも1つの第2の検波信号から第2のフィードバック振幅信号を生成する第2の制御回路(70)と、
    前記第1のフィードバック振幅信号を前記第1の周波数で変調した第1のフィードバック信号と、前記第2のフィードバック振幅信号を前記少なくとも1つの第2の周波数でそれぞれ変調した少なくとも1つの第2のフィードバック信号とを多重化して、第1の多重化フィードバック信号を生成するフィードバック信号生成部(90、90′)と、
    前記第2のフィードバック振幅信号を前記第1のフィードバック振幅信号から減算して角速度信号を出力する減算器(78)と、
    を有する、振動型ジャイロ。
  2. 前記少なくとも1つの第2の周波数は、前記第1の周波数及び前記検出質量体の共振周波数よりも高い周波数Afと、前記第1の周波数及び前記検出質量体の共振周波数よりも低い周波数Bfとの2つの周波数を含み、
    前記少なくとも1つの第2の駆動信号は、前記周波数Afを有する駆動信号Adrsと、前記周波数Bfを有する駆動信号Bdrsとの2つの駆動信号を含み、
    前記少なくとも1つの第2の検波信号は、前記周波数Afで検波された検波信号Adesと、前記周波数Bfで検波された検波信号Bdesとの2つの検波信号を含み、
    前記第2の制御回路は、前記検波信号Ades及び前記検波信号Bdesを加算した信号を用いて前記第2のフィードバック振幅信号を生成し、
    前記少なくとも1つの第2のフィードバック信号は、前記第2のフィードバック振幅信号を前記周波数Afで変調したフィードバック信号Afsと、前記第2のフィードバック振幅信号を前記周波数Bfで変調したフィードバック信号Bfsとの2つのフィードバック信号を含む、
    請求項1に記載の振動型ジャイロ。
  3. 前記検波信号Ades及び前記検波信号Bdesを減算処理して得られた信号から、第3のフィードバック振幅信号を生成する第3の制御回路(84)と、
    前記第3のフィードバック振幅信号を多重化駆動信号の周波数によって変調した第2の多重化フィードバック信号を生成する変調器(86)と、
    前記第2の多重化フィードバック信号を前記検出質量体の検出信号から減算し、得られた信号を前記第1及び第2の位相検波回路にフィードバックする減算器(88)と、
    をさらに有する、請求項2に記載の振動型ジャイロ。
  4. 駆動振動する駆動質量体(4、6)と、角速度により発生するコリオリ力によって変位するように構成された検出質量体(14)と、を備えた振動型ジャイロの使用方法であって、
    前記駆動質量体の共振周波数である第1の周波数を有する第1の駆動信号と、前記第1の周波数とは異なる少なくとも1つの第2の周波数を有する少なくとも1つの第2の駆動信号とを多重化した多重化駆動信号を生成することと、
    前記検出質量体の検出信号から、前記第1の周波数で検波された第1の検波信号を生成し、前記検出質量体の検出信号から、前記少なくとも1つの第2の周波数で検波された少なくとも1つの第2の検波信号を生成することと、
    前記第1の検波信号から第1のフィードバック振幅信号を生成し、前記少なくとも1つの第2の検波信号から第2のフィードバック振幅信号を生成することと、
    前記第1のフィードバック振幅信号を第1の周波数で変調して第1のフィードバック信号を生成し、前記第2のフィードバック振幅信号を前記少なくとも1つの第2の周波数でそれぞれ変調して少なくとも1つの第2のフィードバック信号を生成することと、
    前記第1のフィードバック信号と前記少なくとも1つの第2のフィードバック信号とを多重化して、前記振動型ジャイロにフィードバックされる第1の多重化フィードバック信号を生成することと、
    前記第2のフィードバック振幅信号を前記第1のフィードバック振幅信号から減算して角速度信号を出力することと、
    を含む、振動型ジャイロの使用方法。
  5. 前記少なくとも1つの第2の周波数は、前記第1の周波数及び前記検出質量体の共振周波数よりも高い周波数Afと、前記第1の周波数及び前記検出質量体の共振周波数よりも低い周波数Bfとの2つの周波数を含み、
    前記少なくとも1つの第2の駆動信号は、前記周波数Afを有する駆動信号Adrsと、前記周波数Bfを有する駆動信号Bdrsとの2つの駆動信号を含み、
    前記少なくとも1つの第2の検波信号は、前記周波数Afで検波された検波信号Adesと、前記周波数Bfで検波された検波信号Bdesとの2つの検波信号を含み、
    前記使用方法は、
    前記検波信号Ades及び前記検波信号Bdesを加算した信号を用いて前記第2のフィードバック振幅信号を生成することをさらに含み、
    前記少なくとも1つの第2のフィードバック信号は、前記第2のフィードバック振幅信号を前記周波数Afで変調したフィードバック信号Afsと、前記第2のフィードバック振幅信号を前記周波数Bfで変調したフィードバック信号Bfsとの2つのフィードバック信号を含む、
    請求項4に記載の振動型ジャイロの使用方法。
  6. 前記検波信号Ades及び前記検波信号Bdesを減算処理して得られた信号から、第3のフィードバック振幅信号を生成することと、
    前記第3のフィードバック振幅信号を多重化駆動信号の周波数によって変調した第2の多重化フィードバック信号を生成することと、
    前記第2の多重化フィードバック信号を前記検出質量体の検出信号から減算することと、
    をさらに含む、請求項5に記載の振動型ジャイロの使用方法。
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