JP2015203604A - 高性能化が図られた振動型ジャイロ - Google Patents

高性能化が図られた振動型ジャイロ Download PDF

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Karebu Suzuki
カレブ 鈴木
小林 健二
Kenji Kobayashi
健二 小林
智洋 福田
Tomohiro Fukuda
智洋 福田
石田 晃三
Kozo Ishida
晃三 石田
徳永 隆志
Takashi Tokunaga
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Abstract

【課題】クワドラチャーエラーの発生を抑制できるとともに、スケールファクターの変動も抑制し、広い周波数応答帯域と高いS/N比が得られる高性能の振動型ジャイロの提供。【解決手段】抑制信号生成部68は、位相検波回路66からの第1の検波信号及び第2の検波信号の少なくとも一方に基づいて、AC補正用電極50及び52に印加すべきAC抑制電圧に対応するAC抑制信号を生成する。AC抑制信号は、AC抑制電圧によってAC補正用電極50及び52により生じる静電力が、入力角速度等によって検出質量体14に作用する力又はトルクを相殺するように生成される。AC抑制信号に含まれる制御振幅値が、振動型ジャイロ1に入力されている角速度として検出され、角速度信号として出力される。【選択図】図4

Description

本発明は、振動型ジャイロに関し、特には、MEMS技術によって製造され、高感度、高S/N比、高帯域、さらには高線形性を有する振動型ジャイロに関する。
1990年代から急速に発展したいわゆるマイクロマシニング技術によって、例えば、絶縁膜を有するシリコン基板やガラス基板上に接合されたバルクシリコンウェハを、湿式エッチングやドライエッチング等の化学的なエッチングにより処理し、メカニカルなセンサ構造体を形成して、一度のプロセスで大量のセンサ構造を製造する手法が確立されている。このような微小電気機械システム(MEMS)技術によるセンサとしては、加速度センサ及び振動型ジャイロ等があり、例えば自動車、慣性ナビゲーション、デジタルカメラ、ゲーム機他、多くの分野において利用されている。
中でも振動型ジャイロは、一方向に振動する可動物体が回転運動を受けるときに発生するコリオリ加速度を利用している。振動する可動質量体が回転運動を伴うとき、該可動質量体は振動方向及び回転軸方向の双方に直交する方向に作用するコリオリ力を受け、この結果該可動質量体はコリオリ力の作用方向に変位する。該可動質量体は、この方向の変位を可能にするばねにより支持され、該可動質量体の変位量からコリオリ力及びそれを生じさせる角速度の値を検出することができる。可動質量体の変位は、例えば、一方が固定されかつ他方が可動質量体と共に変位可能な一対の平行平板構造又は櫛歯構造を備えた、平行平板型コンデンサ又は櫛歯型コンデンサを使用し、その容量変化から求めることができる。
振動型ジャイロの出力安定性を向上させるための1つの手段として、いわゆる不要出力(クワドラチャーエラー等)を低減又は排除する手段を設けることが挙げられる。以下に示す先行技術文献には、振動型ジャイロの出力安定性改善のために、不要出力を抑制する補正手段を備えた振動型ジャイロが開示されている。
特許文献1には、第1共振器(1)を有し、上記第1共振器(1)が第1および第2の線形発振器(3,4)からなる結合系として設計されており、上記第1発振器(3)が、第1バネ素子(5−5)によって上記コリオリの角速度計の角速度計フレームに取り付けられており、上記第2発振器(4)が、第2バネ素子(6,6)によって上記第1発振器(3)に取り付けられているコリオリの角速度計が開示されている。この角速度計は、上記双方の発振器(3,4)のアライメントを相互に変更することのできる静電場(11’,11’,10−10)を生成し、この静電場は、上記角速度計フレーム(7,7)に対する上記第1バネ素子(5−5)のアライメント角度、および/または、上記第1発振器(3)に対する上記第2バネ素子(6,6)のアライメント角度を変更する定荷重(Gleichkraft)を生成する装置と、コリオリの角速度計の直交バイアスを決定するための装置(45,47)と、上記決定された直交バイアスが最小になるように、上記静電場の強度を上記決定された直交バイアスに応じて制御する制御ループ(55,56,57)とを有する、とされている。
また特許文献2には、左右の駆動質量体の駆動振動により検出質量体が直接駆動されない構造において、構造的アンバランスによる検出質量体の検出方向の回転変位を相殺する補正用電極を設けることにより、製造ばらつき等に起因する構造的非対称性により発生する漏れ出力(クワドラチャーエラー)を排除又は抑制することを企図した振動型ジャイロが記載されている。ここでは、駆動質量体の構造的・力学的非対称性に起因する回転変位振動を、検出質量体に隣接配置した補正用電極に適切な位相のAC電圧を印加するか、駆動質量体に隣接配置した補正用電極にDC電圧を印加することにより生じる静電力により、角速度入力がゼロのときのバイアス出力を低減でき、ジャイロとしての安定性を飛躍的に向上させることができる、とされている。
特表2007−513344号公報 特開2013−253958号公報
特許文献1に記載の角速度計は、基板面に平行なX方向(X1方向)に変位可能となるように4本の折り曲げ梁(第1バネ素子)で第1共振器(第1振動体)を支持し、第1振動体の内側に、基板面に平行かつなX1方向に垂直なY方向(X2方向)に変位可能となるように2本の梁(第2バネ素子)で支持された第2共振器(第2振動体)を設けた構成である。ここで第1振動体がX方向に駆動変位振動されているときに、Z軸回りの角速度が入力されると、コリオリ力に起因して第2振動体にY方向の変位振動が生じ、このY方向の振動変位を検出することでZ軸回りの角速度を求めることができる。なお特許文献1では、その図3に示すように、第1及び第2の振動体を有する構造体が左右に配置され、第1振動体同士が連結バネで結合されており、逆相の駆動振動が行われる。ここで、角速度入力時に第2振動体の逆相変位を検出することにより、角速度に比例した誤差の少ない変位出力を得ることができると解される。
特許文献1に記載の角速度計では、第1振動体がX方向へ互いに逆位相で駆動されるとき、各構成要素の製造ばらつき等による構造的アンバランスにより、内部の第2振動体がコリオリ力の検出方向であるY方向に振動してしまう。この原因は、駆動方向(X方向)と検出方向(Y方向)との直交性が保たれていないこととされており、故に引用文献1では、第2振動体の中央付近に、上記直交性を維持できるように(すなわち振動方向のアライメントを調整するために)励起電極による補正構造を採用している。具体的には、センサ信号処理回路を経て得られるバイアス出力電圧に応じた補正用のDC電圧を励起電極に加えることで、静電力により上記アライメントが補正される。但し、引用文献1では、第1振動体の駆動振動によって、その振動体内部に懸架されている第2振動体も、第1振動体と同量だけX方向に励振されるため、製造ばらつきを伴う構造では、Y方向変位を検出するための検出用固定電極とのギャップすなわち形成容量が変化してしまう。従って引用文献1の構造は、アライメント誤差がなく直交性が維持されているという理想的状況でも、不安定なバイアス発生要因を内包するものとなっており、補正誤差の要因となっている。
また特許文献2に記載の振動型ジャイロでは、補正用電極へのAC電圧又はDC電圧の印加によって生じる静電力を利用してバイアス出力を低減することができるが、クワドラチャーエラーの温度依存性を考慮した補正を行う場合はメモリに予め記憶したデータを使用しており、すなわち補正信号はオープンループ制御によって生成される。従ってクローズドループ制御に比べ、検出精度がやや劣る傾向がある。
また特許文献2に記載の技術は、角速度が入力されていないときに不要な信号を相殺してバイアス出力を低減するものであるが、大きな角速度が入力されている場合の不具合を考慮していない。つまり、角速度入力が大きい場合は検出質量体の変位(振幅)も大きくなり、スケールファクターの線形性が悪化する。ジャイロの感度を向上させるには高いQ値の素子を用いて駆動系共振周波数と検出系共振周波数との周波数差(Δf)を低減し又はゼロにする(いわゆるモードマッチを行う)方法もあるが、この場合は周波数応答帯域が狭くなり、角速度入力に対する信号出力の大きさが増加し、フルスケールレンジが小さくなるという課題もある。
そこで本発明は、クワドラチャーエラーの発生を抑制できるとともに、スケールファクターの変動も抑制し、広い周波数応答帯域と高いS/N比が得られる高性能の振動型ジャイロを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願第1の発明は、駆動振動する駆動質量体と、角速度により発生するコリオリ力よって変位するように構成された検出質量体と、を備えた振動型ジャイロであって、前記検出質量体の変位を表す検出信号から、第1の位相を有する第1の検波信号、及び前記第1の位相と位相が90度異なる第2の位相を有する第2の検波信号を生成する位相検波回路と、前記第1の検波信号及び前記第2の検波信号の少なくとも一方に基づいて、AC抑制信号を生成する抑制信号生成部と、前記検出質量体に隣接配置され、前記AC抑制信号に応じて印加されたAC抑制電圧によって静電力を生じさせるAC補正用電極と、を有し、前記抑制信号生成部は、前記AC補正用電極により生じる静電力が前記検出質量体に作用する力又はトルクを相殺するように前記AC抑制信号を生成し、前記AC抑制信号に含まれる制御振幅値が、前記振動型ジャイロに入力されている角速度として検出される、振動型ジャイロを提供する。
第2の発明は、第1の発明において、前記抑制信号生成部は、前記第1の検波信号に基づいて前記AC抑制信号を生成するとともに、前記第2の検波信号に基づいてDC抑制信号を生成し、前記振動型ジャイロは、前記駆動質量体に隣接配置され、前記DC抑制信号に応じて印加されたDC抑制電圧によって静電力を生じさせるDC補正用電極をさらに有し、前記抑制信号生成部は、前記DC補正用電極により生じる静電力が、角速度信号に対して90度異なる位相を有する不要信号を相殺するように前記DC抑制信号を生成する、振動型ジャイロを提供する。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記検出質量体の検出系共振周波数を調整するために、印加されたDC電圧によって静電力を前記検出質量体に作用させるように構成された周波数調整用電極をさらに有する、振動型ジャイロを提供する。
第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記検出質量体は、第2の支持梁により支持基板に固定され、角速度により発生するコリオリ力よって平面に直交する軸線回りに回転励振されるように構成され、前記駆動質量体は、前記平面内の一方向に駆動振動できるように、前記検出質量体の内側に第1の支持梁によって懸垂支持された左右の駆動質量体と、を備え、前記左右の駆動質量体は、互いに逆相で振動する逆相振動モードを有するように、前記駆動振動の方向に弾性を有する連結ばねによって互いに連結され、前記検出質量体は、前記左右の駆動質量体の駆動振動によっては前記駆動振動の方向に励振されないように構成されている、振動型ジャイロを提供する。
本発明によれば、クローズドループ制御を使用し、角速度が入力されていても検出質量体が回転変位しないように、検出質量体に実際に作用している力又はトルクを打ち消すような静電力を生じさせるAC補正用電極を使用する。従ってオープンループ制御を行う必要がなく、また検出質量体は実質変位しないので、スケールファクターの線形性が悪化することもなく、広い周波数帯域に亘ってスケールファクターを一定に維持し、高いS/N比を実現することができる。
AC抑制制御に加え、クワドラチャーエラーの相殺を目的としたDC抑制制御も行うことにより、より高性能の振動型ジャイロを提供することができる。
AC抑制制御に加え、共振周波数の調整(モードマッチ)も行うことにより、ジャイロの回路ノイズを低減でき、S/N比を高めることができる。
駆動質量体と検出質量体とを、駆動振動と検出振動とが実質的に分離されるように構成することにより、より高性能の振動型ジャイロを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る振動型ジャイロを示す平面図である。 図1のジャイロのII−II線に沿う断面図である。 図1のジャイロのIII−III線に沿う断面図である。 図1のジャイロにおいて使用可能なフィードバック系回路を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る振動型ジャイロを示す平面図である。 図5のジャイロの左側の駆動質量体内部の補正用電極の詳細を示す平面図である。 図5のジャイロにおいて使用可能なフィードバック系回路を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る振動型ジャイロを示す平面図である。 図8のジャイロのIV−IV線に沿う断面図である。 図8のジャイロの、左側駆動質量体の内側構造の詳細を示す平面図である。 図8のジャイロのV−V線に沿う断面図である。 図8のジャイロにおいて使用可能なフィードバック系回路を示すブロック図である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る振動型ジャイロ1の基本構造を示す平面図であり、図2及び図3はそれぞれ、図1のII−II線及びIII−III線に沿った切断面を示す断面図である。
各図において、参照符号2はガラス等の絶縁材料からなる支持基板を示しており、振動型ジャイロ1の他の構造部材はシリコンの単結晶から作製される。図1に示す振動型ジャイロにおいて、支持基板2の上に、シリコンの単結晶からなる左右の駆動質量体4及び6(左側を4とする)の各々が、Y方向に延びる少なくとも1つ(図示例では4つ)の駆動支持梁8及び10に支持される。駆動支持梁8及び10は、駆動質量体4及び6が基板2の面内方向かつ左右方向である駆動方向(X方向)に可動となるように、その剛性が他方向の剛性に比べ低くなるように構成されている。また左右の駆動質量体4及び6は、弾性結合要素である中央連結ばね12により互いに結合されている。
駆動質量体4及び6に接続されていない駆動支持梁8及び10の他端は、駆動質量体4及び6を囲繞するように設けられた略リング形状の検出質量体14に接続されている。検出質量体14は、少なくとも1つ(図示例では4つ)の検出支持梁16に支持され、各支持梁16の他端は基板2に接合された周辺部アンカー18に接続されている。なお図中において、黒く塗り潰した部分は基板2に固定されている部分を示し、他の部分(白抜き等)は基板に固定されていない又は可動部分を示す。
検出質量体14を支持する検出支持梁16は、基板2の面に垂直なZ方向回りに回転振動が可能となるように、その回転方向の剛性が他方向の剛性に比べ低くなるように構成されている。なおこの場合、図示例の中央連結ばね12は上下各3つの梁からなり、上下それぞれにおける3つの梁のうちの中央の梁が、基板2の中央部に固定された中央アンカー20に接続されている。このように中央連結梁12の中央部の梁を中央アンカー20に固定することにより、Z方向の共振モード周波数を向上させることができ、外力による不要なZ方向変位を抑制できる。なお、断面図2及び断面図3に示すように、駆動質量体4及び6、駆動支持梁8及び10、中央連結梁12、検出質量体14、並びに検出支持梁16は、基板2と所定の間隔を有して対向配置されている。
図1に示すように、左側の駆動質量体4は、略矩形の枠状部材であり、その外側寄りの側(中央に遠い側)から中央側に向けて延びる櫛歯状の電極22を有し、これに対向する左側駆動用櫛歯固定電極24が基板2に固定配置されており、これにより左側の質量駆動体4を左右方向(X方向)に駆動振動させることができる。同様に、右側の駆動質量体6は、略矩形の枠状部材であり、その外側寄りの側(中央に遠い側)から中央側に向けて延びる櫛歯状の電極26を有し、これに対向する右側駆動用櫛歯固定電極28が基板2に固定配置されており、これにより右側の質量駆動体6を左右方向(X方向)に駆動振動させることができる。
左側の駆動質量体4は、その中央寄りの側から反中央側に向けて延びる櫛歯状の電極30を有し、これに対向する左側駆動モニタ用櫛歯固定電極32が基板2に固定配置されており、これにより左側の駆動質量体4の変位量を測定できる。また右側の駆動質量体4は、その中央寄りの側に設けられたフレーム34の反中央側から中央側に向けて延びる櫛歯状の電極36を有し、これに対向する右側駆動モニタ用櫛歯固定電極38が基板2に固定配置されており、これにより右側の駆動質量体6の変位量を測定できる。
ここで、振動型ジャイロ1にZ軸回りの角速度が入力された場合、検出質量体14とともに左右の駆動質量体も回転振動するため、左右の駆動質量体に設けた櫛歯電極30及び36も回転変位し、駆動モニタ用櫛歯電極32及び38との位置関係が変化し、それに伴い対向する櫛歯間の容量も変化してモニタ出力に影響する。従って上述の左右駆動質量体のモニタ機構(すなわち櫛歯電極30、32、36及び38)は、検出質量体14の中央に可能な限り近い位置に設けることが好ましい。
また図1からわかるように、左側の駆動質量体4におけるモニタ機構すなわち櫛歯電極30及び32と、右側の駆動質量体6におけるモニタ機構すなわち櫛歯電極36及び38とは、左右対称(Y軸に関して対称)とはなっていない。これは、左右のモニタ機構をいわゆる差動式とするためであり、具体的に言えば、左右の駆動質量体が中央側に移動したときは左側のモニタ機構では対向する櫛歯間の距離が拡大し、逆に右側のモニタ機構では対向する櫛歯間の距離が縮小する。駆動用櫛歯固定電極24及び28に駆動AC電圧が印加されると、周囲に存在する浮遊容量によってカップリング電流としてモニタ用櫛歯電極に流れ、不要なモニタ出力として現れることがあるが、このような影響を上記差動式の構成によって排除又は抑制することができる。
また上述のように左右のモニタ電極を左右対称の構造としなかったことにより、左右の駆動質量体のモーメントに差異が生じるので、図1に示すように、左側の質量駆動体4にもフレーム34と左右対称となるフレーム40を設け、さらに左右の駆動質量体が左右対称構造となるように、電圧印加されないダミー櫛歯電極42を設けることが好ましい。
図1に示すように、検出質量体14は径方向外側に延びる櫛歯状の電極44を有し、これに対向する検出モニタ用櫛歯固定電極46及び48が基板2に固定配置されている。詳細には、X−Y平面の第1象限(図1の右上部)の領域に、該第1象限内の櫛歯電極44に対向する検出モニタ用櫛歯固定電極46が固定配置され、X−Y平面の第2象限(図1の左上部)の領域に、該第2象限内の櫛歯電極44に対向する検出モニタ用櫛歯固定電極48が固定配置される。さらに、検出モニタ用櫛歯固定電極46及び48は、差動式モニタ機構を構成しており、具体的に言えば、検出質量体14がZ軸回りに時計方向に回転したときは、第1象限内では対向する櫛歯間の距離が拡大し、逆に第2象限内では対向する櫛歯間の距離が縮小する。これら2つの櫛歯間の容量変化の差を利用する差動構成により、検出質量体自体に発生している同相のノイズを相殺することができ、より高精度の測定を行うことができる。
またX−Y平面の第3象限(図1の左下部)内及び第4象限(図1の右下部)内には、それぞれ、検出質量体14の櫛歯電極44に対向するAC補正用櫛歯電極50及び52が基板2に固定配置される。該補正用櫛歯電極の形状自体は上述の検出モニタ用櫛歯固定電極と同等でよいが、その機能は、検出質量体14の検出信号(検出モニタ用櫛歯固定電極46及び48の出力)に基づいて、検出質量体に14に作用する力又はトルクを相殺する(つまり検出質量体14が変位又は振動しないようにする)ことである。これについては後述する。
第1の実施形態に係る振動型ジャイロは、以下のようなマイクロマシニングプロセスを適用して作製することができる。
先ず、ガラス支持基板2とジャイロの可動部材との間に所定の間隙(図2、図3参照)が形成されるように、RIE(反応性イオンエッチング)装置等を利用したドライエッチング処理をシリコン基板に施す。但し、ドライエッチングされてはいけない領域として、間隙を形成する部分以外については、半導体フォトリソグラフィ技術等を適用して、例えばレジストマスクを予め形成しておく。
次に、ガラス支持基板とシリコン基板とを陽極接合手法等により接合する。この段階で、シリコン基板側から研磨を行い、該シリコン基板を所定の厚さにするとともに、ボンディング用パッドとして必要とされる領域に、Cr&Au等の導電性メタルの選択的スパッタリングを行い、電極パッド(図示せず)を形成する。
さらに、接合されたシリコン基板の表面側(研磨側)に、フォトレジスト等のマスク材料を利用して、図1の平面図で示されるレジストパターンを、フォトリソグラフィ技術を利用して作製する。この場合も、エッチングされてはいけない領域がレジストマスクにより保護される。
次に、RIE装置等を利用したドライエッチングにより、シリコン基板の厚さ方向に貫通エッチングを行う。以上のようなマイクロマシニング技術を適用した製造プロセスにより、振動型ジャイロの基本構造を作製することができる。
このようにジャイロを構成する材料として必要なものはシリコン基板及びガラス基板のみであり、シリコン基板とほぼ同一の線膨張係数を有するガラス材料を使用することで、温度変化に対して構造的ひずみ(熱ひずみ)や応力(熱応力)が発生しにくくなり、構造的に安定かつ特性的にも優れた振動型ジャイロが提供可能となる。
次に、振動型ジャイロの動作について説明する。例えば、X軸方向に速度Vxで振動する質量Mの検出質量体にZ軸回りの回転(回転角速度Ωz)が加わった場合に生じるY軸方向のコリオリ力Fyの絶対量は、
Fy=2ΩzMVx
で表される。このため、コリオリ力Fyによる該検出質量体の変位を検出することで角速度を検出する振動型ジャイロでは、駆動質量体を速度Vxで励振させる必要がある。このための方式として、例えば静電力によるコームドライブ方式が利用される。
左側駆動質量体4と左側駆動用櫛歯電極24との間、及び右側駆動質量体6と右側駆動用櫛歯電極28との間に、DC電圧VDCとAC電圧VACとの和を印加すると、VACの電圧周期と等しい駆動力が発生する。一方、左右の駆動質量体4及び6は弾性の中央連結ばね12により互いに連結されているので、互いにX方向に近づき又は離れる、いわゆる逆相振動の共振モードを有する。従って、VACの周波数をこの逆相振動モードの共振周波数と一致させて振動させることで、駆動質量体4及び6は、互いに接離する逆相振動を呈する。この振動の速度Vxは、左右の駆動モニタ用櫛歯電極32及び38により、静電容量変化として電気回路を通じて検出され、駆動振動振幅を一定にするためのAGC制御(Auto Gain Control)に利用される。
左右の駆動質量体4及び6が上記のようにX方向に逆相振動する場合、角速度Ωzが図1の紙面に垂直な方向(Z方向)に作用すると、左右の駆動質量体には逆相のコリオリ力FyがY方向に生じる。このコリオリ力によって検出質量体14にはZ軸回りの回転トルクが作用し、検出質量体14はZ軸回りに回転変位振動する。この結果、検出質量体14に設けた櫛歯電極44と第1及び第2の検出モニタ用固定櫛歯電極46及び48との間の静電容量が差動で変化し、その差動容量変化を電気的に読み出すのであるが、本願発明では後述する位相検波回路等を用いてこの差動容量変化を打ち消す処理を行うことで、角速度Ωzを検出する。
図1に示す振動型ジャイロは、特許文献1に示したような構造のものとは異なり、左右の駆動質量体の駆動振動によって検出質量体が類似の振幅で振動(励振)するものではない。詳細には、特許文献1では、第1発振器(駆動質量体)の駆動振動により第2発振器(検出質量体)が駆動質量体と同程度に変位し、さらに検出質量体は固定電極と挟ギャップを形成して対向配置され、検出用の静電容量を形成している。このような構造では、ジャイロの製造プロセス、特にシリコンエッチングの誤差等により、上記狭ギャップにばらつきが生じ、左右検出質量体の共振周波数が異なることからも、駆動振動による容量変化によってクワドラチャーエラー(漏れ出力)が発生する。これに対し本実施形態では、駆動振動と検出振動とは実質的に分離されているため、角速度入力がないときの漏れ出力を大きく低減することができ、漏れ出力によるバイアス値やその変動を抑制することができる。
本発明の主たる特徴は、角速度が入力されているか否かに関わらず、検出質量体14に作用する力又はトルクを相殺するための手段を有することであり、本実施形態では、該力又はトルクを相殺する逆トルクを検出質量体14に与えるために、検出質量体14に隣接させて設けた第1のAC補正用櫛歯電極50及び第2のAC補正用櫛歯電極52を利用する。
詳細には、AC補正用櫛歯電極50及び52に、AC抑制電圧を印加して検出質量体14に作用する力又はトルクを相殺する静電力(静電引力)を発生させる一方で、該AC抑制電圧の制御振幅値を、ジャイロに入力されている角速度として検出することができる。なお図1に示すように、本実施形態では第3象限(左下)及び第4象限(右下)にそれぞれ補正用櫛歯電極を設けているが、該補正用櫛歯電極にAC電圧を印加したときに、第3象限内では反時計回り、逆に第4象限内では時計回りのトルクが発生するように補正用櫛歯と検出質量体の櫛歯との位置関係が規定されており、これにより検出質量体の両方向の回転変位振動を効率よく抑制できるようになっている。
図4は、図1に示した振動型ジャイロ1、及び後述する振動型ジャイロ101に適用可能なフィードバック系回路を示すブロック図である。デジタル制御系に入る信号はADC(アナログ/デジタル変換器)を通じて入力される。駆動系制御部(図示例では駆動系制御回路)60(PLL(Phase Locked Loop)&AGC)が駆動用櫛歯電極24及び28に関連付けられており、第1CV変換器62がモニタ用櫛歯固定電極32及び38に関連付けられている。駆動系制御回路60及び第1CV変換器62により、駆動質量体4及び6が、規定された逆相周波数及び振幅で駆動制御される。
なお駆動系制御回路60及び第1CV変換器62の機能については、特許文献2に記載のものと同等でよいので、詳細な説明は省略するが、図中、「CV」は静電容量を電圧に変換する変換器、「AD」はアナログ/デジタル変換器、「DA」はデジタル/アナログ変換器、参照符号63は乗算器を表す。また「PI」はPI制御器を表すが、これは他の制御器(例えばPID制御器等)でもよい。
一方、検出質量体14の回転変位に伴う櫛歯電極44と検出モニタ用櫛歯固定電極46及び48との間の容量変化は、第2CV変換器64によって電圧に変換され、検出信号として位相検波部(図示例では位相検波回路(復調器))66に送られる。位相検波回路66は、検出質量体14の変位を表す検出信号から、第1の位相を有する第1の検波信号と、第1の位相と位相が90度異なる第2の位相を有する第2の検波信号とを生成し、これらの検波信号を抑制信号生成部68に送る。
抑制信号生成部68は、第1の検波信号及び第2の検波信号の少なくとも一方(図4の例では双方)に基づいて、AC補正用電極50及び52に印加すべきAC抑制電圧に対応するAC抑制信号を生成する。具体的には、第1の検波信号及び第2の検波信号が、それぞれPI制御器(他の制御器(例えばPID制御器等)でもよい)70及び72を経て、対応する位相の正弦波が乗算器74及び76によって乗算された後、加算器78によって加算され、AC抑制信号として生成される。生成されたAC抑制信号は、検出質量体14に隣接配置されたAC補正用電極50及び52に送られ、AC抑制信号に応じた差動のAC抑制電圧がAC補正用電極50及び52に印加される。つまり、生成されたAC抑制信号は差動信号に変換され、その後AC補正用電極50及び52にそれぞれ差動で印加される。
ここで、AC抑制信号は、AC抑制電圧によってAC補正用電極50及び52により生じる静電力が、入力角速度等によって検出質量体14に作用する力又はトルクを相殺するように生成される。すなわち第1の実施形態では、角速度が入力されているか否かに関わらず、検出質量体14が回転変位しないようにAC抑制信号を生成する制御がなされ、AC抑制信号に含まれる制御振幅値が、振動型ジャイロ1に入力されている角速度として検出され、角速度信号(レート)として出力される。このようにして、角速度Ωに対応した出力が得られる。
このように本発明では、クローズドループ制御を使用し、検出質量体に実際に作用している力又はトルクを打ち消すような静電力を生じさせるAC補正用電極が設けられる。また検出質量体は実質変位しないので、スケールファクターの線形性が悪化することもなく、広い周波数帯域に亘ってスケールファクターを一定に維持し、高いS/N比を実現することができる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る振動型ジャイロ101の基本構造を示す平面図であり、図6は、ジャイロ101の左側の駆動質量体104内部の補正用電極の詳細を示す平面図である。第2の実施形態は左右の駆動質量体の内部構造を除けば第1の実施形態と同様である。故に第2の実施形態では、第1の実施形態と同等の構成要素についてはその参照符号に100を付加した参照符号で表示し、詳細な説明は省略する。また第2の実施形態に係る振動型ジャイロ101も、第1の実施形態において説明したようなマイクロマシニングプロセスを適用して作製することができる。
第2の実施形態では、参照符号150及び152で示す櫛歯固定電極が機能的には、図1の実施形態のAC補正用櫛歯電極50及び52に相当するが、第2の実施形態ではさらに、角速度信号に対して90度異なる位相を有する不要信号(クワドラチャーエラー)を相殺するために、DC補正用櫛歯電極151a、151b、155a及び155bを使用する。
具体的には、左側DC補正用櫛歯電極151a及び151bを左側の駆動質量体104に隣接させて(図示例では枠状の駆動質量体104の内周部近傍に)基板102に固定配置し、これらにそれぞれ対向する櫛歯電極153a及び153bを左側の駆動質量体104を構成する枠状部材の内周部に設けている。同様に、右側DC補正用櫛歯電極155a及び155bを右側の駆動質量体106に隣接させて(図示例では枠状の駆動質量体106の内周部近傍に)基板102に固定配置し、これらにそれぞれ対向する櫛歯電極157a及び157bを右側の駆動質量体106を構成する枠状部材の内周部に設けている。
通常、図6においてギャップg3及びg4で示すように、駆動用櫛歯固定電極124と駆動質量体に設けた櫛歯電極122との間のギャップは均等(g3=g4)となるように設計される。駆動質量体104は、駆動支持梁108及び110に支持され、X方向にのみ可動となるように構成される。しかし、製造ばらつきによりg3とg4との間に有意差が生じると、ギャップの小さい側のY方向(図6では上下方向)についての静電力が大きくなり、X方向だけでなくY方向にも駆動力が生じてしまう。また、製造ばらつきにより駆動支持梁108及び110の剛性にばらつきが生じると、駆動質量体104がY方向にも微小に可動となることがある。このY方向に生じる駆動力や可動量の方向(符号)が左右の駆動質量体において逆であったり、同符号であっても大きさが異なったりすると、検出質量体114を回転させるトルクが生じる。
そこで、図6においてギャップg1及びg2で示すように、左側補正用櫛歯電極151a及び151bと、これらに対向する櫛歯電極153a及び153bとのギャップが不均等となる(図示例ではg1<g2)となるようにこれらの櫛歯電極が構成される。このようにすると、左側の補正用櫛歯電極151a及び駆動質量体104にそれぞれ電圧V1及びVmが印加されている場合、DC電圧差(V1−Vm)によって左側の駆動質量体104には−Y方向の力が作用する。一方、補正用櫛歯電極151aより−Y方向側に配置された左側の補正用櫛歯電極151b及び駆動質量体104にそれぞれ電圧V2及びVmが印加されている場合、DC電圧差(V2−Vm)によって左側の駆動質量体104には+Y方向の力が作用する。
ここで、クワドラチャー変位の方向に応じて両DC電圧差(すなわちV1及びV2)を調整することにより、クワドラチャー変位の原因となっている駆動用櫛歯電極124で発生するY方向静電力による回転トルクを打ち消す補正トルクを発生させることができる。また右側補正用櫛歯電極155a及び155bについても同様のことができ、故に4つの補正用電極において各補正用電極と駆動質量体とのDC電圧差を調整することにより、効率的なクワドラチャーエラーの補償が可能となる。また補正トルクの位相に関しては、駆動質量体の駆動変位により、補正用櫛歯電極とこれらに対向する駆動質量体の櫛歯電極とのオーバーラップ面積が同相で増減するため、その面積に応じた静電力は駆動周波数にて発生する。従って第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、クワドラチャーエラーに対する補正トルクの位相調整が不必要となる利点がある。このことは、単に位相調整の工程が不要となるだけでなく、駆動系制御回路160が有する位相誤差や位相調整ミスによるクワドラチャーエラー補正誤差の発生をも防止できることを意味している。
なお駆動用櫛歯電極124及び126により発生するY方向の力は駆動質量体に回転トルクを与えるが、駆動用櫛歯電極124及び126の位置(すなわちY方向力の発生位置)と回転中心との距離が大きいとトルクも大きくなり、クワドラチャー回転変位も大きくなる。つまり、駆動用櫛歯電極124及び126は回転中心に近い方が好ましく、図5及び図6に示すように駆動質量体内部の中心寄りに設けられている。一方、補正用櫛歯固定電極151a、151b、155a及び155bは、なるべく低いDC電圧で高い補正トルクを生じさせる方が好ましいので、駆動質量体内部の回転中心からなるべく離れた位置に設けられている。
図7は、図5に示した振動型ジャイロ101に適用可能なフィードバック系回路を示すブロック図である。デジタル制御系に入る信号はADC(アナログ/デジタル変換器)を通じて入力される。駆動系制御部(図示例では駆動系制御回路)160(PLL(Phase Locked Loop)&AGC)が駆動用櫛歯電極124及び128に関連付けられており、第1CV変換器162がモニタ用櫛歯固定電極132及び138に関連付けられている。駆動系制御回路160及び第1CV変換器162により、駆動質量体104及び106が、規定された逆相周波数及び振幅で駆動制御される。
なお駆動系制御回路160及び第1CV変換器162の機能については、特許文献2に記載のものと同等でよいので、詳細な説明は省略するが、図中、「CV」は静電容量を電圧に変換する変換器、「AD」はアナログ/デジタル変換器、「DA」はデジタル/アナログ変換器、参照符号163は乗算器を表す。また「PI」はPI制御器を表すが、これは他の制御器(例えばPID制御器等)でもよい。
一方、検出質量体114の回転変位に伴う櫛歯電極144と検出モニタ用櫛歯固定電極146及び148との間の容量変化は、第2CV変換器164によって電圧に変換され、検出信号として位相検波部(図示例では位相検波回路(復調器))166に送られる。位相検波回路166は、検出質量体114の変位を表す検出信号から、第1の位相を有する第1の検波信号と、第1の位相と位相が90度異なる第2の位相を有する第2の検波信号とを生成し、これらの検波信号を抑制信号生成部168に送る。
抑制信号生成部168は、第1の検波信号に基づいて、AC補正用電極150及び152に印加すべきAC抑制電圧に対応するAC抑制信号を生成する。具体的には、第1の検波信号が、PI制御器(他の制御器(例えばPID制御器等)でもよい)170を経て、対応する位相の正弦波(sin(θ))が乗算器174によって乗算された後、AC抑制信号として生成される。生成されたAC抑制信号は、検出質量体114に隣接配置されたAC補正用電極150及び152に送られ、AC抑制信号に応じた差動のAC抑制電圧がAC補正用電極150及び152に印加される。つまり、生成されたAC抑制信号は差動信号に変換され、その後AC補正用電極150及び152にそれぞれ差動で印加される。
ここで、AC抑制信号は、AC抑制電圧によってAC補正用電極150及び152により生じる静電力が、入力角速度等によって検出質量体114に作用する力又はトルクを相殺するように生成される。すなわち第2の実施形態でも、角速度が入力されているか否かに関わらず、検出質量体114が回転変位しないようにAC抑制信号を生成する制御がなされ、AC抑制信号に含まれる制御振幅値が、振動型ジャイロ101に入力されている角速度として検出され、角速度信号(レート)として出力される。このようにして、角速度Ωに対応した出力が得られる。
一方、抑制信号生成部168は、第2の検波信号に基づいて、DC補正用電極151a、151b、155a及び155bに印加すべきDC抑制電圧に対応するDC抑制信号も生成する。具体的には、第2の検波信号が、PI制御器(他の制御器(例えばPID制御器等)でもよい)172を経て、DC抑制信号として生成される。生成されたDC抑制信号は、左側駆動質量体104に隣接配置されたDC補正用電極151a及び151b、並びに右側駆動質量体106に隣接配置されたDC補正用電極155a及び155bに送られ、DC抑制信号に応じた差動のDC抑制電圧がこれらのDC補正用電極に印加される。つまり、生成されたDC抑制信号は差動信号に変換され、その後DC補正用電極151a及び151b並びに155a及び155bにそれぞれ差動で印加される。DC抑制信号は、DC抑制電圧によってDC補正用電極により生じる静電力が、角速度信号に対して90度異なる位相を有する不要信号(クワドラチャーエラー)を相殺するように生成される。
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様のAC抑制制御に加え、クワドラチャーエラーの相殺を目的としたDC抑制制御も行われるので、より高性能の振動型ジャイロを提供することができる。なお、図5に示したジャイロ101においてAC抑制制御のみを行うことも可能であり、その場合は抑制信号生成部68で生成されたAC抑制信号がAC補正用電極150及び152に送られる(図4)。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る振動型ジャイロ201の基本構造を示す平面図であり、図9は、図8のIV−IV線に沿った切断面を示す断面図である。各図において、参照符号202はガラス等の絶縁材料からなる支持基板を示しており、振動型ジャイロ1の他の構造部材はシリコンの単結晶から作製される。図8に示す振動型ジャイロにおいて、支持基板202の上に、シリコンの単結晶からなる左右の駆動質量体204及び206(左側を204とする)の各々が、Y方向に延びる少なくとも1つ(図示例では4つ)の駆動支持梁208及び210に支持される。駆動支持梁208及び210は、駆動質量体204及び206が基板202の面内方向かつ左右方向である駆動方向(X方向)に可動となるように、その剛性が他方向の剛性に比べ低くなるように構成されている。また左右の駆動質量体204及び206は、弾性結合要素である中央連結ばね212により互いに結合されている。
駆動質量体204及び206に接続されていない駆動支持梁208及び210の他端は、駆動質量体204及び206を囲繞するように設けられた略リング形状の検出質量体214に接続されている。検出質量体214は、少なくとも1つ(図示例では4つ)の検出支持梁216に支持され、各支持梁216の他端は基板2に接合された周辺部アンカー218に接続されている。なお図中において、黒く塗り潰した部分は基板202に固定されている部分を示し、他の部分(白抜き部分等)は基板に固定されていない又は可動部分を示す。
検出質量体214を支持する検出支持梁216は、基板2の面に垂直なZ方向回りに回転振動が可能となるように、その回転方向の剛性が他方向の剛性に比べ低くなるように構成されている。なおこの場合、図示例の中央連結ばね212は上下各2つの梁からなる。なお、断面図9からもわかるように、駆動質量体204及び206、駆動支持梁208及び210、中央連結梁212、検出質量体214、並びに検出支持梁216は、基板202と所定の間隔を有して対向配置されている。
図8の破線枠内の詳細構造を表した図9に示すように、左側の駆動質量体204は、略矩形の枠状部材であり、その外側寄りの側(中央に遠い側)から中央側に向けて延びる櫛歯状の電極220を有し、これに対向する左側駆動用櫛歯固定電極222が基板202に固定配置されており、これにより左側の質量駆動体204を左右方向(X方向)に駆動振動させることができる。同様に、右側の駆動質量体206は、略矩形の枠状部材であり、その外側寄りの側(中央に遠い側)から中央側に向けて延びる櫛歯状の電極(図示せず)を有し、これに対向する右側駆動用櫛歯固定電極(図示せず)が基板202に固定配置されており、これにより右側の質量駆動体206を左右方向(X方向)に駆動振動させることができる。なお図8からわかるように、左右の駆動質量体204及び206は、中央線Bに対して互いに概ね対称となっている。
左側の駆動質量体204は、その中央寄りの側から反中央側に向けて延びる櫛歯状の電極224を有し、これに対向する左側駆動モニタ用櫛歯固定電極226が基板202に固定配置されており、これにより左側の駆動質量体204の変位量を測定できる。また右側の駆動質量体は、その中央寄りの側に設けられたフレーム228(図1参照)の反中央側から中央側に向けて延びる櫛歯状の電極(図示せず)を有し、これに対向する右側駆動モニタ用櫛歯固定電極(図示せず)が基板202に固定配置されており、これにより右側の駆動質量体206の変位量を測定できる。
図8に示すように、検出質量体214は径方向外側に延びる櫛歯状の電極230を有し、これに対向する検出モニタ用櫛歯固定電極232及び234が基板202に固定配置されている。詳細には、X−Y平面の左側(−X方向側)の領域に、櫛歯電極230に対向する検出モニタ用櫛歯固定電極232が固定配置され、X−Y平面の右側(+X方向側)の領域に、櫛歯電極230に対向する検出モニタ用櫛歯固定電極234が固定配置される。さらに、検出モニタ用櫛歯固定電極232及び234は、差動式モニタ機構を構成しており、具体的に言えば、検出質量体214がZ軸回りに時計方向に回転したときは、左側では対向する櫛歯間の距離が縮小し、逆に右側では対向する櫛歯間の距離が拡大する。これら2つの櫛歯間の容量変化の差を利用する差動構成により、検出質量体自体に発生している同相のノイズを相殺することができ、より高精度の測定を行うことができる。
また基板202の+Y方向側には、検出質量体214の櫛歯電極230に対向する周波数調整用櫛歯固定電極236が固定配置される。周波数調整用櫛歯固定電極236の形状は、上述の検出モニタ用櫛歯電極232及び234とは異なり、角速度入力がない状態において、対向する櫛歯230の各々と、これに隣接する両側の櫛歯236との間隔が等距離となる(すなわち、隣接する櫛歯236間の中央に櫛歯230が位置する)ように構成される。周波数調整用櫛歯固定電極236の機能は、検出系共振周波数を調整して駆動系共振周波数に一致させることであるが、これについては後述する。
第3の実施形態に係る振動型ジャイロ201も、第1の実施形態において説明したようなマイクロマシニングプロセスを適用して作製することができる。
図10は左側駆動質量体204の内部構造の詳細を示し、図11は図10のV−V線に沿った断面図を示す。上側のDC補正用櫛歯固定電極240aは、左側駆動質量体204の内側であって、検出質量体の回転中心Cから最も離れた駆動質量体204の部位(ここでは枠状の駆動質量体204を構成する4辺のうち検出質量体の回転中心Cから最も離れた辺204aの+Y方向寄りの部位)から回転中心側に向けて延びる櫛歯電極242aと対向するように構成された固定櫛歯電極244aと、枠状の駆動質量体204を構成する4辺のうちX方向に延びる、上側の辺204bから−Y方向に延びる部材204cから、反中央側に向けて延びる櫛歯電極246aと対向するように構成された固定櫛歯電極248aとを有する。
同様に、下側のDC補正用櫛歯固定電極240bは、左側駆動質量体204の内側であって、検出質量体の回転中心Cから最も離れた駆動質量体204の部位(ここでは枠状の駆動質量体4を構成する4辺のうち検出質量体の回転中心Cから最も離れた辺204aの−Y方向寄りの部位)から回転中心側に向けて延びる櫛歯電極242bと対向するように構成された固定櫛歯電極244bと、枠状の駆動質量体204を構成する4辺のうちX方向に延びる、下側の辺204dから+Y方向に延びる部材204eから、反中央側に向けて延びる櫛歯電極246bと対向するように構成された固定櫛歯電極248bとを有する。すなわち補正用櫛歯固定電極240a及び240bの各々は、左右の駆動質量体の駆動振動方向であるX方向について、互いに反対方向に延びる対の櫛歯構造を有する。右側の駆動質量体についても同様である。
このように、左側駆動質量体204の内部に設けた2つのDC補正用櫛歯固定電極240a及び240bは、基板202に平行かつ駆動質量体の振動方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)に並列配置され、補正用櫛歯固定電極240a及び240bの各々が、駆動質量体204がX方向に変位した際に、駆動質量体204に設けた櫛歯電極とのオーバーラップ長Lが増加する部分と減少する部分の双方を具備している。さらに、上側の補正用櫛歯固定電極240aの櫛歯電極244aと駆動質量体の櫛歯電極242aとの間のギャップは、これら電極間にDC電位差を有する場合において、駆動質量体204に対して−Y方向の静電力を発生させるように、一方のギャップが狭く設計されている。また上側の補正用櫛歯固定電極240aの櫛歯電極248aと駆動質量体の櫛歯電極246aとの間のギャップは、これら電極間にDC電位差を有する場合において、駆動質量体204に対して+Y方向の静電力を発生させるように、一方のギャップが狭く設計されている。
一方、下側の補正用櫛歯固定電極240bの櫛歯電極244bと駆動質量体の櫛歯電極242bとの間のギャップは、これら電極間にDC電位差を有する場合において、駆動質量体204に対して+Y方向の静電力を発生させるように、一方のギャップが狭く設計されている。また、下側の補正用櫛歯固定電極240bの櫛歯電極248bと駆動質量体の櫛歯電極246bとの間のギャップは、これら電極間にDC電位差を有する場合において、駆動質量体204に対して−Y方向の静電力を発生させるように、一方のギャップが狭く設計されている。
また図10に示すように、左側の駆動質量体204の補正量櫛歯固定電極240a及び240bは、駆動質量体204の内部の最も左側(反回転中心側)の領域に、かつY方向に(A−A線に沿って)整列配置されることが好ましい。この理由は、補正用トルクTは静電力Fと回転中心Cまでの距離Laとの積となる(T=F×La)ので、Laをなるべく大きくすれば少ない対数の補正用電極でも大きなトルクが得られるからである。右側の駆動質量体についても同様である。
また図8に示すように、振動型ジャイロ201は、第1の実施形態におけるAC補正用電極50及び52、並びに第2の実施形態におけるAC補正用電極150及び152と同等の機能を有するAC補正用櫛歯電極278及び280を有する。図8の例では、AC補正用電極278及び280は、検出質量体214の櫛歯電極230に対向する櫛歯を有するとともに、中央線Bに関して互いに左右対称となるように基板202に設けられる。
図12は、図8に示した振動型ジャイロ201に適用可能なフィードバック系回路を示すブロック図である。デジタル制御系に入る信号はADC(アナログ/デジタル変換器)を通じて入力される。駆動系制御部(図示例では駆動系制御回路)260(PLL(Phase Locked Loop)&AGC)が駆動用櫛歯電極222及び252に関連付けられており、第1CV変換器262がモニタ用櫛歯固定電極226及び256に関連付けられている。駆動系制御回路260及び第1CV変換器262により、駆動質量体204及び206が、規定された逆相周波数及び振幅で駆動制御される。
なお駆動系制御回路260及び第1CV変換器262の機能については、それぞれ第1の実施形態における駆動系制御回路60及び第1CV変換器62と同等でよいので、詳細な説明は省略するが、図中、「CV」は静電容量を電圧に変換する変換器、「AD」はアナログ/デジタル変換器、「DA」はデジタル/アナログ変換器、参照符号263は乗算器を表す。また「PI」はPI制御器を表すが、これは他の制御器(例えばPID制御器等)でもよい。
一方、検出質量体214の回転変位に伴う櫛歯電極230と検出モニタ用櫛歯固定電極232及び234との間の容量変化は、第2CV変換器264によって電圧に変換され、検出信号として位相検波部(図示例では位相検波回路(復調器))266に送られる。位相検波回路266は、検出質量体214の変位を表す検出信号から、第1の位相を有する第1の検波信号と、第1の位相と位相が90度異なる第2の位相を有する第2の検波信号とを生成し、これらの検波信号を抑制信号生成部268に送る。
抑制信号生成部268は、第1の検波信号に基づいて、AC補正用電極278及び280に印加すべきAC抑制電圧に対応するAC抑制信号を生成する。具体的には、第1の検波信号が、PI制御器(他の制御器(例えばPID制御器等)でもよい)270を経て、対応する位相の正弦波(sin(θ))が乗算器274によって乗算された後、AC抑制信号として生成される。生成されたAC抑制信号は、検出質量体214に隣接配置されたAC補正用電極278及び280に送られ、AC抑制信号に応じた差動のAC抑制電圧がAC補正用電極278及び280に印加される。つまり、生成されたAC抑制信号は差動信号に変換され、その後AC補正用電極278及び280にそれぞれ差動で印加される。
ここで、AC抑制信号は、AC抑制電圧によってAC補正用電極278及び280により生じる静電力が、入力角速度等によって検出質量体214に作用する力又はトルクを相殺するように生成される。すなわち第3の実施形態でも、角速度が入力されているか否かに関わらず、検出質量体214が回転変位しないようにAC抑制信号を生成する制御がなされ、AC抑制信号に含まれる制御振幅値が、振動型ジャイロ201に入力されている角速度として検出され、角速度信号(レート)として出力される。このようにして、角速度Ωに対応した出力が得られる。
一方、抑制信号生成部268は、第2の検波信号に基づいて、DC補正用電極240a、240b、270a及び270bに印加すべきDC抑制電圧に対応するDC抑制信号も生成する。具体的には、第2の検波信号が、PI制御器(他の制御器(例えばPID制御器等)でもよい)272を経て、DC抑制信号として生成される。生成されたDC抑制信号は、左側駆動質量体204に隣接配置されたDC補正用電極240a及び240b、並びに右側駆動質量体206に隣接配置されたDC補正用電極270a及び270bに送られ、DC抑制信号に応じた差動のDC抑制電圧がこれらのDC補正用電極に印加される。つまり、生成された単相のDC抑制信号は差動信号に変換され、その後DC補正用電極240a及び240b並びに270a及び270bにそれぞれ差動で印加される。DC抑制信号は、DC抑制電圧によってDC補正用電極により生じる静電力が、角速度信号に対して90度異なる位相を有する不要信号(クワドラチャーエラー)を相殺するように生成される。
クワドラチャーエラーの補正指針として利用する直交バイアス値は、角速度入力が交流的(AC的)である場合は、駆動系共振周波数と検出系共振周波数との周波数差(Δf)に依存して、AC角速度入力に応じた誤差を発生させる。このため、バイアス変動の抑制には、Δfを調整してゼロにすることが多大な効果を奏する。そこで第3の実施形態ではさらに、駆動系共振周波数と検出系共振周波数との周波数差(Δf)を低減し又はゼロにする(いわゆるモードマッチを行う)手段を有する。具体的には、周波数調整用固定電極236に関連付けられた周波数調整部282を設け、周波数調整用固定電極236に、検出質量体214とは異なるDC電圧を加えることにより、検出系の共振周波数を低い値に調整することができる。なお駆動系共振周波数は例えば、左右の駆動用櫛歯固定電極222及び252に駆動電圧を加え、第1CV変換器262の出力をモニタし、駆動電圧との位相関係が90度遅れとなる駆動周波数を調べることで特定可能である。一方、検出系共振周波数は例えば、第2CV変換器264の出力をモニタし、駆動電圧との位相関係が90度遅れとなる駆動周波数を調べることで特定可能である。このような周波数調整手段を用いてΔfを最小化することにより、角速度入力Ωが交流(AC)的である場合においても、制御誤差が抑制される。
また、共振周波数の調整(モードマッチ)を行うことにより、検出質量体の応答振幅が大きくなり、角速度入力Ωに対して大きな信号を検出することが可能となる。その結果、相対的に第2CV変換器264及びその他の検出系回路の回路雑音の影響を低減でき、S/N比を高めることができる。一方、モードマッチを行った場合には、検出質量体の応答振幅が大きくなる代わりに、角速度入力Ωに対する応答振幅の線形性の悪化や、角速度入力Ωが交流(AC)的である場合には応答速度の低下による周波数帯域の狭小化が起こるが、本発明ではAC抑制制御及びDC抑制制御によって検出質量体が実質変位しないような制御を行うことによって、線形性の悪化を抑え、広い周波数帯域を実現することができる。
第3の実施形態では、第1及び第2の実施形態と同様のAC抑制制御と、第2の実施形態と同様のDC抑制制御に加え、共振周波数の調整(モードマッチ)も行うことができる。モードマッチを行うことにより、ジャイロの回路ノイズを低減でき、S/N比を高めることができる。なお、図8に示したジャイロ201においてDC抑制制御を行わない形態も可能であり、そのような形態は、図12における抑制信号生成部268が、第1の実施形態における抑制信号生成部68と同等のものに置換することで実現可能である。
以上、本発明の好適な実施形態として、角速度により発生するコリオリ力よって回転励振されるように構成された検出質量体と、該検出質量体の内側に設けられ、互いに逆相で振動する一対の駆動質量体とを有する振動型ジャイロが説明されたが、本発明の適用対象はこのようなジャイロに限られず、角速度入力によって変位し得る検出質量体を有するものであればどのようなジャイロにも適用できる。また、駆動質量体と検出質量体が実質一体の構造体となっており、当該構造体が駆動質量体と検出質量体の双方の機能を具備するようなタイプの振動型ジャイロも本発明の適用対象に含まれる。
1、101、201 振動型ジャイロ
2、102、202 基板
4、6、104、106、204、206 駆動質量体
12、112、212 中央連結ばね
14、114、214 検出質量体
24、28、124、128、222、252 駆動用櫛歯固定電極
32、38、132、138、226、256 駆動モニタ用櫛歯固定電極
46、48、146、148、232、234 検出モニタ用櫛歯固定電極
50、52、150、152、278、280 AC補正用櫛歯電極
60、160、260 駆動系制御回路
62、64、162、164、262、264 CV変換器
66、166、266 位相検波回路
68、168、268 抑制信号生成部
151a、151b、155a、155b、240a、240b、270a、270b DC補正用櫛歯電極
236 周波数調整用櫛歯固定電極
282 周波数調整部

Claims (4)

  1. 駆動振動する駆動質量体と、角速度により発生するコリオリ力よって変位するように構成された検出質量体と、を備えた振動型ジャイロであって、
    前記検出質量体の変位を表す検出信号から、第1の位相を有する第1の検波信号、及び前記第1の位相と位相が90度異なる第2の位相を有する第2の検波信号を生成する位相検波回路と、
    前記第1の検波信号及び前記第2の検波信号の少なくとも一方に基づいて、AC抑制信号を生成する抑制信号生成部と、
    前記検出質量体に隣接配置され、前記AC抑制信号に応じて印加されたAC抑制電圧によって静電力を生じさせるAC補正用電極と、を有し、
    前記抑制信号生成部は、前記AC補正用電極により生じる静電力が前記検出質量体に作用する力又はトルクを相殺するように前記AC抑制信号を生成し、
    前記AC抑制信号に含まれる制御振幅値が、前記振動型ジャイロに入力されている角速度として検出される、振動型ジャイロ。
  2. 前記抑制信号生成部は、前記第1の検波信号に基づいて前記AC抑制信号を生成するとともに、前記第2の検波信号に基づいてDC抑制信号を生成し、
    前記振動型ジャイロは、前記駆動質量体に隣接配置され、前記DC抑制信号に応じて印加されたDC抑制電圧によって静電力を生じさせるDC補正用電極をさらに有し、
    前記抑制信号生成部は、前記DC補正用電極により生じる静電力が、角速度信号に対して90度異なる位相を有する不要信号を相殺するように前記DC抑制信号を生成する、請求項1に記載の振動型ジャイロ。
  3. 前記検出質量体の検出系共振周波数を調整するために、印加されたDC電圧によって静電力を前記検出質量体に作用させるように構成された周波数調整用電極をさらに有する、請求項1又は2に記載の振動型ジャイロ。
  4. 前記検出質量体は、第2の支持梁により支持基板に固定され、角速度により発生するコリオリ力よって平面に直交する軸線回りに回転励振されるように構成され、
    前記駆動質量体は、前記平面内の一方向に駆動振動できるように、前記検出質量体の内側に第1の支持梁によって懸垂支持された左右の駆動質量体と、を備え、
    前記左右の駆動質量体は、互いに逆相で振動する逆相振動モードを有するように、前記駆動振動の方向に弾性を有する連結ばねによって互いに連結され、
    前記検出質量体は、前記左右の駆動質量体の駆動振動によっては前記駆動振動の方向に励振されないように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動型ジャイロ。
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