JP2001124563A - 振動ジャイロ用自己診断回路 - Google Patents
振動ジャイロ用自己診断回路Info
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- G01C19/56—Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
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Abstract
ターンのショートに対しても異常検出の効果を有する振
動ジャイロの自己診断回路を提供する。 【解決手段】 振動子1の検出電極1Lと1Rにはイン
ピーダンスZ1,Z2を介してオフセット電圧V1,V
2が与えられ、振動子1の複数の検出信号は差動増幅器
2によって差動演算される。正常時には差動増幅器2の
出力にはV1−V2のDCオフセット電圧が出力され、
ショートなどの異常時には、差動増幅器2の出力のDC
オフセットがなくなる。これにより、ショートの有無を
判別できる。
Description
己診断回路に関し、特に、高信頼性の要求される車両姿
勢制御などに使用される車載電装用の振動ジャイロの短
絡事故を診断できるような自己診断回路に関する。
ルフ振動子の一例を示す外観図であり、(a)は平面図
を示し、(b)は側面図である。図9において、バイモ
ルフ振動子1は、圧電素子を分極方向逆向きにして2枚
貼り付けて断面が四角形となるように形成したものであ
る。この振動子1を面垂直方向(X軸方向)に屈曲振動
モードで振動させておき、軸方向(Z軸方向)にある角
速度(Ω)で回転させると、コリオリ力によって駆動面
と垂直方向(Y軸方向)に屈曲振動モードで振動が生ず
る。
これを利用して角速度の値が検出される。振動子1には
左右の検出電極1L,1Rと全面電極1Cが設けられて
いて、左右の検出電極1L,1RからL出力とR出力の
信号が出力される。
の振動波形を示し、特に(a),(b)は角速度が印加
されていないときの波形図を示し、たとえば1.5Vの
振動入力に対して1Vの駆動出力を得た場合を示す。
(c),(d)は角速度が印加されているときの波形図
を示し、たとえば0.2Vのコリオリ信号が発生した場
合を示している。
全面電極1Cに与えられると、R側出力とL側出力は図
10(b)に示すように同相のsin波となる。このと
き、振動子1はX軸方向に曲げモードの振動をしてい
る。しかし、Z軸まわりの角速度は加わっていないの
で、コリオリ力は発生せず、Y軸方向の曲げモードの振
動は発生しない。振動子のL側出力とR側出力はX軸方
向のみの変位に対して生じ、結果として同一の信号が出
力される。
印加されると、ΩとX軸方向の速度vxに比例した−Y
方向の力が発生する。これがコリオリ力である。このコ
リオリ力により振動子1はY軸方向に曲げられ、X軸方
向の曲げ振動と同じ周波数の−Y軸方向の曲げ振動が発
生する。すると、このY軸方向の曲げ振動に応じて、R
側とL側の出力には逆相のコリオリ信号が発生する。こ
のコリオリ信号は角速度に比例して、図10(c),
(d)では一定の大きさの直流の角速度が加わった場合
を示している。
リ信号成分を抽出するためには、R出力とL出力に同相
で含まれる駆動出力成分を差動増幅器にて除去する。こ
れによって、RとL出力に逆相で含まれるコリオリ信号
は駆動出力信号とは反対に2倍になって出力される。ま
た、R出力とL出力の和をとると、RとLに逆相で含ま
れるコリオリ信号は互いに打ち消し合い、駆動出力信号
は2倍となって出力される。この出力を自励発振に用い
ることができる。
分を持つ)な角速度が加わった場合には、発生するコリ
オリ信号も角速度と同じ交流成分を持つ。差動増幅器の
出力に現れるコリオリ信号は、X軸方向の曲げモード発
振周波数のsin波が角速度の交流成分でAM変調され
た波形となる。図11(a)は印加された角速度を示
し、図11(b)は差動出力に現れた発振周波数のsi
n波がAM変調された波形になることを示している。
基本機能制御に関わるため、異常検出機能や自己診断機
能が不可欠なものとして扱われてきた。その異常検出の
手段として、振動子発振ループの振幅や周波数をモニタ
する構成や、検出回路内の差動増幅器の出力振幅をモニ
タする構成がとられている。
75号には、音片型振動ジャイロの発振信号振幅と検出
信号(検出回路差動増幅器の出力)振幅を整流回路を用
いて同時にモニタし、発振停止や検出回路信号線の断線
を検出するための回路手段が開示されている。
は、検出回路差動増幅器の出力振幅をモニタすることで
断線検知を行なう構成が、特開平6−18270号公報
には発振回路信号の共振周波数をモニタすることで、発
振回路の異常検出を行なう構成が開示されている。
時の発振ループ信号の振幅や周波数が一定となること
や、検出回路の出力振幅が正常動作時には一定値以上に
大きくならないこと、といった振動ジャイロに固有の技
術的な知識に基づいた検知回路の構成が述べられてい
る。
出可能な故障モードは、「ジャイロ振動子の発振停止」
と、「検知回路部の断線」のみであり、たとえば高温多
湿のような環境下で発生し得るジャイロ内部回路配線パ
ターン材やジャイロ振動子の電極材のマイグレーション
現象による「検知回路部のショート」については十分な
検知機能を有さない構成となっていた。
知回路部分の断線のみならずショートに対しても異常検
出の効果を有する振動ジャイロ用自己診断回路を提供す
ることである。
振動子をX軸方向に励振させ、Z軸まわりに回転したと
きにY軸方向に発生したコリオリ力による振動を検出す
る振動ジャイロにおいて、振動子に設けられてコリオリ
力による振動を検出する複数の検出手段と、複数の検出
手段から出力される出力信号間の差動をとる差動演算手
段と、複数の検出手段から出力される信号の少なくとも
1つにオフセット信号を重畳するオフセット信号源と、
差動演算手段の出力信号中に含まれるオフセット信号に
起因する信号成分の有無を検出する信号検出手段を備え
て構成される。
の構成に加えて、オフセット信号源はオフセット信号と
してオフセット電圧を出力する電圧信号源を含む。
の構成に加えて、オフセット信号源はオフセット信号と
してオフセット電流を出力する電流信号源を含む。
の構成に加えて、さらに差動演算手段の出力電圧とその
位相とに基づいて異常を検出する手段を含む。
の自己診断回路の回路図である。図1において、振動子
1には、複数の検出手段となる左側の検出電極1Lと右
側の検出電極1Rとが設けられていて、これらの検出電
極1Lと1Rから左右の検出信号が出力され、抵抗Rs
1,Rs2を介して差動増幅器2の−,+入力に与えら
れる。差動増幅器2の+入力には抵抗Rf1を介して基
準電圧が与えられ、−入力と出力との間には抵抗Rf2
が接続される。
参照するためにインピーダンスZ1,Z2を介してオフ
セット電圧V1,V2が与えられる。
−V2の直流オフセット電圧が出力されるが、左右の検
出電極1L,1Rが短絡したような異常時には、電極1
L,電極1Rには同じオフセット電圧が印加されるた
め、差動増幅器2の出力の直流オフセット電圧がなくな
る。これを検出することによって、左側の検出電極1L
と右側の検出電極1Rの短絡の有無を判別することが可
能となる。
断回路の回路図である。図2において、振動子1には、
振動子1を自己励振させるための駆動信号が与えられる
全面電極1Cが設けられている。この全面電極1Cには
駆動回路3から駆動信号が与えられる。駆動回路3は2
つの検出電極1L,1Rに発生される各検出信号を加算
回路4で加算した和信号を基準信号として、この和信号
が一定になるようにするためのAGC回路と、自己励振
の発振ループが継続するのに最適な位相状態を付与する
ための移相回路とから構成されている。
動すると、振動子に角速度が印加された場合に振動子の
2つの検出電極1L,1Rに発生する検出信号をもと
に、差動増幅器2から角速度信号が得られる。この差動
増幅器2の出力は、駆動回路3の駆動信号に同期した検
波回路を経て平滑・直流増幅され、最終的には角速度の
大きさに応じた直流電圧信号として出力される。
号は、駆動信号により励起された駆動モード振動に起因
する交流信号と、角速度の印加により振動子1に発生す
るコリオリ力により励起された検出モード振動に起因す
る交流信号の2種類である。そして、この信号はいずれ
も振動子1の共振周波数と同じ交流信号である。また、
振動子1の検出電極は回路側から見ると圧電体により構
成されたコンデンサとして機能する。駆動モードならび
に検出モードにより発生する交流信号は、このコンデン
サと並列に接続された交流電流源とみなすことができ
る。
動モードによりそれぞれの検出電極1L,1Rに発生す
る交流信号は振幅と位相が一致しており、角速度が印加
されない状態でオフセット信号がない場合には、差動増
幅器2の出力は基準電圧に等しくなる。
合には、差動増幅器2の出力には上述の駆動モード振動
や検出モード振動に起因する交流信号の他に、オフセッ
ト電圧V1およびV2に起因する直流信号が重畳するこ
ととなる。この直流信号の大きさV0は、差動増幅器2
のアンプを理想アンプとすると、基準電圧に対して次式
で与えられる。
場合を考える。この場合ショートした検出電極1L,1
Rの電位は、オフセット電位V1,V2の値によらず同
じ値となり、その結果差動増幅器2の出力の直流信号V
0は差し引き0となり、差動増幅器2の直流電圧は基準
電圧に等しくなる。
どちらかがたとえば基準電圧電位にショートした場合に
は、ショートしていない方のオフセット電位に応じた直
流電圧V0が出力されることとなる。たとえば、右側の
検出電極1R側が基準電圧電位にショートしたとする
と、直流電圧V0は基準電圧に対して次式で与えられる
値となる。
V0は検出電極の状態にそれぞれ対応した値をとること
が可能となり、直流電圧V0をモニタして検出電極の状
態を把握することが可能となる。そのような具体例につ
いて図3および図4に示す。
出電極の状態を把握する実施形態を示す図である。図3
において、差動増幅器2の出力には複数のウィンドウコ
ンパレータ51,52…の+入力が接続される。各ウィ
ンドウコンパレータ51,52…の−入力にはそれぞれ
異なる電位の基準電圧Vc1,Vc2…が与えられる。
これらの基準電位は、図2の実施形態で説明したよう
に、検出電極1Lと1Rがショートした場合に差動増幅
器2から出力される直流電圧を識別できる電位に設定し
たり、検出電極1Lまたは1Rのいずれかがたとえば基
準電圧電位とショートした場合に差動増幅2から出力さ
れる直流電圧を識別できる電位に設定しておくことによ
り、複数の原因の検出が可能となる。各ウィンドウコン
パレータ51,52の出力はANDゲート6に与えら
れ、状態検知出力が得られる。
する実施形態を示す回路図である。図4において、差動
増幅器2の出力の直流電圧はA/Dコンバータ7に与え
られてデジタル信号に変換され、MPU8へ与えられ
る。MPU8は、デジタル信号に変換された直流電圧を
判別し、図3で説明した複数の原因を判別する。
路図である。この図5に示した自己診断回路は、図2に
示したオフセット電圧V1,V2に代えてオフセット電
流源I1,I2を用いるようにしたものであり、その他
の構成は図2と同じである。この場合、オフセット電流
は負荷抵抗RLを介して検出電極1L,1Rにそれぞれ
オフセット電圧I1×RLとI2×RLを発生させる。
L,1Rが正常な状態にある場合には、差動増幅器2の
出力電圧V0は基準電圧を基準として次式の値を出力す
る。
した場合には、差動増幅器2の出力電圧V0は基準電圧
をVrefとすると、 V0=Vref となる。また、たとえば検出電極1Rが基準電圧にショ
ートした場合には、差動増幅器2の出力V0は基準電圧
を基準として V0=−I2×Rf となる。したがって、図2と同様にして検出電極の状態
のモニタが可能となる。
路図である。この実施形態は、図2に示した直流オフセ
ット電圧V1,V2を交流オフセット電圧V10,V2
0に変更したものである。ただし、この実施形態では、
差動増幅器2の出力に現れる信号が交流であるため、図
2とは異なった検出方法が必要となる。すなわち、具体
的には、差動増幅器2の出力に接続されるモニタ回路
は、それぞれのオフセット電圧V10とV20に同期し
た検波回路によって構成される。
2t とすると、正常動作時には差動増幅器2の出力V0は振
動子1の自励振ならびに角速度検出に起因する交流信号
に重畳する形でV10およびV20に起因する信号が出
力される。したがって、差動増幅器2の出力に2つのオ
フセット信号と同期して駆動される検波回路を接続して
おけば、正常動作時にはV10およびV20それぞれに
起因する交流信号を検出することができる。
信号と同期して駆動される検波回路を示す図である。図
7において、差動増幅器2の出力には同期検波回路91
と92が接続される。同期検波回路91と92には、そ
れぞれ交流オフセット電圧V10,V20が与えられ
る。同期検波回路91,92はこれらのオフセット電圧
V10,V20に同期して差動増幅器2の出力を検出す
る。すなわち、正常動作時には、オフセット電圧V1
0,V20のそれぞれに起因する交流信号を検出し、検
出電極1Lまたは1Rが基準電圧などにショートした場
合には、それぞれのオフセット信号の検波出力が0とな
ることにより、ショート状態の検出が可能となる。
極1Lと1Rとがショートしても差動増幅器2の出力に
はそれぞれのオフセット電圧の合成信号が出力されるた
めに、ショートを検出することはできない。ショート検
出には、同期検波回路91,92の後段に検波信号の直
流レベルモニタ回路を設ける必要がある。
己診断回路の回路図である。この図8に示した実施形態
は、図5に示したオフセット信号源の直流電流源I1,
I2を交流電流源I10,I20に変更したものであ
る。この実施形態の場合、差動増幅器2の出力には図6
に示した実施形態と同様にして、2つの交流信号源I1
0とI20の周波数成分を含んだ信号が出力される。し
たがって、図7に示したような周波数ごとの同期検波回
路91,92を設けることにより、検出電極1Lと1R
の状態検知を行なうことが可能となる。
イモルフ型の圧電振動子に適用した場合について説明し
たが、これに限ることなく、金属の四角柱や三角柱に圧
電素子を貼り付けた振動子や、円柱状の圧電素子を使用
した振動子、さらには音叉型の振動子などのようにL/
R信号が出力され、基準信号と励振電圧や和電圧が現れ
る圧電振動ジャイロにすべてこの発明を適用できる。
動ジャイロであってもこの発明を適用することができ
る。
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
子のコリオリ力による振動を検出して出力される信号の
少なくとも1つにオフセット信号を重畳し、検出出力の
差動をとる差動演算手段の出力信号中に含まれるオフセ
ット信号に起因する信号成分の有無を検出することによ
って、これまで困難であった検出電極相互のショートや
検出電極と接地電位または電源電圧ならびに回路基準電
位との間のショートを検出することが可能となる。これ
によって、従来以上に高い自己診断能力と信頼性を有す
る振動ジャイロを実現できる。
回路図である。
回路図である。
状態を把握する実施形態を示す図である。
形態を示す図である。
回路図である。
示す回路図である。
期して駆動される検波回路を示す図である。
路の回路図である。
の一例を示す外観図である。
を示す図である。
わった場合に差動出力に現れるコリオリ信号を示す波形
図である。
2 差動増幅器、3駆動回路、4 加算器、6 AND
ゲート、7 A/Dコンバータ、8 MPU、51,5
2 ウィンドウコンパレータ、91,92 同期検波回
路。
Claims (4)
- 【請求項1】 振動子をX軸方向に励振させ、Z軸まわ
りに回転したときにY軸方向に発生したコリオリ力によ
る振動を検出する振動ジャイロにおいて、 前記振動子に設けられて前記コリオリ力による振動を検
出する複数の検出手段、 前記複数の検出手段から出力される出力信号間の差動を
とる差動演算手段、 前記複数の検出手段から出力される信号の少なくとも1
つにオフセット信号を重畳するオフセット信号源、およ
び前記差動演算手段の出力信号中に含まれるオフセット
信号に起因する信号成分の有無を検出する信号検出手段
を備えた、振動ジャイロ用自己診断回路。 - 【請求項2】 前記オフセット信号源は、オフセット信
号としてオフセット電圧を出力する電圧信号源を含むこ
とを特徴とする、請求項1に記載の振動ジャイロ用自己
診断回路。 - 【請求項3】 前記オフセット信号源は、オフセット信
号としてオフセット電流を出力する電流信号源を含むこ
とを特徴とする、請求項1に記載の振動ジャイロ用自己
診断回路。 - 【請求項4】 さらに、前記差動演算手段の出力電圧と
その位相とに基づいて異常を検出する手段を含むことを
特徴とする、請求項1に記載の振動ジャイロ用自己診断
回路。
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