JP4765171B2 - 振動ジャイロおよび振動ジャイロの自己診断方法 - Google Patents

振動ジャイロおよび振動ジャイロの自己診断方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動ジャイロおよび振動ジャイロの自己診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の姿勢制御や横転検出のような安全装置や、自動車のナビゲーションシステムなどに用いられる振動ジャイロには、その異常を自己診断する機能が求められている。自己診断に関する公知文献としては、特開平3−159877号公報、特開平4−215017号公報、特開平5−133755号公報、特開平6−58760号公報、特開平6−207946号公報、特開平9−281138号公報、特開平11−51655号公報、特開2000−2542号公報などがある。
【0003】
公知文献における自己診断方法としては、(1)振動子の駆動信号および差動出力信号をモニターして、そのレベルが所定の範囲を超えると異常と判断する、(2)差動回路と同期検波回路の間に同期検波信号に同期した信号を印加して出力信号をモニターし、その値が所定の範囲を超えると異常と判断する、というものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の自己診断方法(1)では、異常かどうかの診断はできるが、振動ジャイロのどこにその異常の原因があるのか分からないという問題があった。
【0005】
また、従来の自己診断方法(2)では、差動回路の後に同期検波信号に同期した信号を印加するため、その信号を印加した位置より後段の回路の異常は診断できるが、振動子そのものの異常、例えば振動子の複数の検出電極の短絡あるいは開放などは診断できないという問題があった。また、この方法では付加する回路が多く、回路規模が大きくなり、コストや信頼性の面でも問題になりやすい。
【0006】
本発明は上記の問題点を解決することを目的とするもので、振動子とその周辺回路の異常をより安価に、より信頼性高く自己診断することのできる振動ジャイロおよび振動ジャイロの自己診断方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の振動ジャイロは、複数の検出電極を有するとともに駆動信号および印加される角速度に応じた振動をする振動子と、該振動子を振動させるための駆動信号を前記振動子に印加する振動子駆動手段と、前記振動子の振動によって前記複数の検出電極に発生する電荷をそれぞれ電圧信号に変換する複数の電荷電圧変換手段と、前記複数の電圧信号から角速度に応じたコリオリ信号を出力するコリオリ力検出手段とを備えた振動ジャイロであって、前記複数の電荷電圧変換手段が、制御信号に応じて前記複数の電圧信号の中の少なくとも1つの電圧信号の直流バイアスを印加されたりされなかったりと切り換えられる直流バイアス切換手段を備え、前記コリオリ力検出手段が、角速度および直流バイアスを検出可能な検波手段を備え、前記直流バイアスが切り換えられることによる前記コリオリ信号の変化が、所定の範囲内に入っているかどうかから正常か異常か自己診断し、診断結果を出力する自己診断手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の振動ジャイロは、前記直流バイアス切換手段が、前記複数の検出電極の中の少なくとも1つの検出電極の印加電圧を切り換えることによって、その検出電極に対応する前記電圧信号の直流バイアスを切り換えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の振動ジャイロは、前記自己診断手段が、前記直流バイアスが切り換えられることによる前記コリオリ信号の過渡特性が、所定の範囲内に入っているかどうかから正常か異常か自己診断し、診断結果を出力することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の振動ジャイロの自己診断方法は、複数の検出電極を有するとともに駆動信号および印加される角速度に応じた振動をする振動子と、該振動子を振動させるための駆動信号を前記振動子に印加する振動子駆動手段と、前記振動子の振動によって前記複数の検出電極に発生する電荷をそれぞれ電圧信号に変換する複数の電荷電圧変換手段と、前記複数の電圧信号から角速度に応じたコリオリ信号を出力するコリオリ力検出手段とを備えた振動ジャイロの自己診断方法であって、御信号に応じて前記複数の電荷電圧変換手段から出力される前記複数の電圧信号の中の少なくとも1つの電圧信号の直流バイアスを印加されたりされなかったりと切り換え、直流バイアスが切り換えられることによる前記コリオリ信号の変化が、所定の範囲内に入っているかどうかから正常か異常か自己診断し、診断結果を出力することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の振動ジャイロの自己診断方法は、直流バイアスが切り換えられることによる前記コリオリ信号の過渡特性が、所定の範囲内に入っているかどうかから正常か異常か自己診断し、診断結果を出力することを特徴とする。
【0013】
このように構成することにより、本発明の振動ジャイロおよびその自己診断方法においては、振動子とその周辺回路の異常を自己診断することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の振動ジャイロの一実施例の概略ブロック図を示す。図1において、振動ジャイロ1は、振動子の一種である圧電振動子2、抵抗R1およびR2、加算回路3、移相回路4および17、増幅回路5、差動回路7、半波整流タイプの同期検波回路8、平滑回路9、直流増幅回路10、スイッチ13、およびバイアス電圧を発生する電圧源14から構成されている。
【0015】
ここで、図2に圧電振動子2の構成を示す。圧電振動子2は、厚み方向に分極されるとともに一方主面に検出電極2L、2Rが形成された圧電体基板2Uと、厚み方向に分極されるとともに一方主面に共通電極2Cが形成された圧電体基板2Dが、中間電極2Fを介して他方主面同士で貼り合わされて構成されている。
【0016】
図1に戻って、このように構成された圧電振動子2の検出電極2Lは、抵抗R1を介してスイッチ13の共通端子に接続されている。スイッチ13の切り換え端子の一方側は直接基準電位に接続され、他方側は電圧源14を介して基準電位に接続されている。また、圧電振動子2の検出電極2Rは、抵抗R2を介して基準電位に接続されている。このうち、抵抗R1、R2、スイッチ13、および電圧源14は電荷電圧変換手段16を構成している。スイッチ13は直流バイアス切換手段を構成している。2つの検出電極2L、2Rは、加算回路3に接続され、その出力は移相回路4と増幅回路5を順に介して圧電振動子2の共通電極2Cに接続されている。また、同じく2つの検出電極2L、2Rは、差動回路7に接続され、その出力は同期検波回路8、平滑回路9、および直流増幅回路10を介して出力端子12に接続されている。加算回路3の出力は移相回路17を介して同期検波回路8にも接続されている。制御信号入力端子15はスイッチ13の制御端子に接続されている。
【0017】
このように構成された振動ジャイロ1において、2つの検出電極2L、2Rに発生する電荷は電荷電圧変換手段16の抵抗R1、R2によって電圧に変換され、加算回路3に入力されて加算され、移相回路4で位相が調節され、増幅回路5で増幅されて共通電極2Cに印加される。これによって、圧電振動子2は厚み方向(圧電体基板2U、2Dの厚み方向)に屈曲振動するように自励発振で駆動される。したがって、加算回路3、移相回路4、および増幅回路5は圧電振動子駆動手段6を構成している。なお、スイッチ13の共通端子は通常は切換端子の一方側に接続されているため、検出電極2Lに印加されるバイアス電圧は基準電位となっており、検出電極2Rに印加されるバイアス電圧と一致している。そのため、角速度の印加されない状態においては、2つの検出電極2L、2Rで発生する信号およびその直流バイアスに差はない。なお、これ以降、「検出電極で発生する信号」と言うような場合は、「検出電極で発生する電荷を電荷電圧変換手段で電圧に変換して得られる信号」を意味するものとする。
【0018】
このような振動ジャイロ1の厚み方向に屈曲振動する圧電振動子2に、その長手方向に平行な軸を回転の軸とする角速度が印加されると、圧電振動子2はコリオリ力によって幅方向(圧電体基板2U、2Dの幅方向)にも屈曲振動する。これによって、2つの検出電極2L、2Rで発生する信号にも、コリオリ力に応じて互いに逆方向の変化が生じる。
【0019】
2つの検出電極2L、2Rで発生した信号は差動回路7にも入力されて、その差の信号(差動信号)が出力される。この差動信号はコリオリ力に応じたものとなる。差動信号は同期検波回路8で移相回路17から入力された同期信号によって同期検波され、平滑回路9で平滑され、直流増幅回路10で増幅されて出力端子12から出力される。したがって、移相回路17、差動回路7、同期検波回路8、平滑回路9、および直流増幅回路10はコリオリ力検出手段11を構成している。なお、ここでは、この出力端子12から出力される信号をコリオリ信号と称する。
【0020】
振動ジャイロ1において、スイッチ13が制御信号入力端子15から入力される制御信号に応じて切り換えられることによって、検出電極2Lに電圧源14の電圧、すなわちバイアス電圧が印加されたりされなかったりする。その結果として、電荷電圧変換回路16から差動回路7に入力される信号の直流バイアスが切り換えられる。
【0021】
ここで、検出電極2Lから差動回路7に入力される信号の直流バイアスが切り換えられる前後の動作について図3を参照して説明する。
【0022】
検出電極2Lから差動回路7に入力される信号の直流バイアスが切り換えられる前の状態においては、検出電極2Lと2Rから差動回路7に入力される信号は、圧電振動子2の厚み方向の屈曲振動に対応する信号と、それに重畳したコリオリ力に対応する信号であるため、図3に示すように直流バイアスがゼロでわずかに振幅の異なる正弦波となる。ここでは、検出電極2Lから差動回路7に入力される信号を実線で、検出電極2Rから差動回路7に入力される信号を破線で示している。差動回路7からは2つの信号の振幅の差に相当するコリオリ力に対応した正弦波が出力され、同期検波回路8からはその正弦波が半波長ごとに出力される。同期検波回路8からの出力が半波長毎になるのは、直流バイアス成分の検出が可能なように、半波整流タイプの同期検波回路としているためである。そして、それを平滑・増幅した信号が直流増幅回路10から出力される。
【0023】
ここで、制御信号入力端子15から入力される制御信号にしたがってスイッチ13を切り換えて、共通端子を切換端子の他方側と接続することによって、検出電極2Lにバイアス電圧を印加した状態を考える。検出電極2Lにバイアス電圧を印加すると、図3に示すように、検出電極2Lから差動回路7に入力される信号(実線で示す)の直流バイアスが切り換えられ、印加されたバイアス電圧の分だけシフトする。一方、検出電極2Rから差動回路7に入力される信号(破線で示す)には変化はない。そのため、差動回路7からはその差に応じた信号、すなわちコリオリ力に対応した正弦波をバイアス電圧の分だけかさ上げした信号が出力される。この信号は直流バイアス成分の検出が可能な半波整流タイプの同期検波回路8で同期検波され、かさ上げされた正弦波が半波長毎に出力され、平滑回路9で平滑され、直流増幅回路10で増幅されて出力端子12にコリオリ信号として出力される。
【0024】
この、検出電極2Lにバイアス電圧を印加することによって出力端子12に出力されるコリオリ信号は、印加されたバイアス電圧に応じた大きさだけ変化するが、この変化は電圧源14の電圧などからあらかじめ予測される、あるいは測定し得るものである。そこで、出力端子2に接続される何らかの回路によって、このコリオリ信号の大きさの変化が所定の範囲に入っているかどうかを確認することによって、振動ジャイロ1が正常に動作しているかどうかを自己診断することができる。
【0025】
例えば、検出電極2Lにバイアス電圧を印加したときのコリオリ信号が所定値より大きかったり小さかったりすると、コリオリ力検出手段11のどこかに異常があるということが分かる。
【0026】
また、2つの検出電極2Lと2Rが短絡している場合には、バイアス電圧が2つの検出電極2L、2Rに同時に印加されることになるため、本来検出電極2Lへのバイアス電圧の印加によって変化すべきコリオリ信号が変化しないということになる。このように、振動ジャイロ1においては、バイアス電圧を検出電極に印加することによって、圧電振動子2自身の異常についても診断することができるようになる。
【0027】
図4に、本発明の振動ジャイロの別の実施例の概略ブロック図を示す。図4において、図1と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
【0028】
図4において、振動ジャイロ20は、図1に示した振動ジャイロ1に加えて、直流増幅回路10の出力に接続された自己診断手段である自己診断回路21を備えている。自己診断回路21の出力は診断結果出力端子22に接続されている。
【0029】
このように構成された振動ジャイロ20においては、振動ジャイロ20自身が自己診断回路21を備えており、外部に自己診断のための回路を新たに設ける必要がない。
【0030】
図5に、本発明の振動ジャイロのさらに別の実施例の概略ブロック図を示す。図5において、図1と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
【0031】
図5に示した振動ジャイロ30において、検出電極2LはオペアンプQ1の反転入力端子に接続されている。オペアンプQ1の非反転入力端子はスイッチ31の共通端子に接続されており、スイッチ31の切り換え端子の一方は直接基準電位に、他方はバイアス電圧を発生する電圧源32を介して基準電位に接続されている。オペアンプQ1の出力端子は抵抗R3を介して反転入力端子に接続されるとともに、差動回路7および加算回路3にそれぞれ接続されている。制御信号入力端子15はスイッチ132の制御端子に接続されている。一方、検出電極2RはオペアンプQ2の反転入力端子に接続されている。オペアンプQ2の非反転入力端子は基準電位に接続されている。オペアンプQ2の出力端子は抵抗R4を介して反転入力端子に接続されるとともに、差動回路7および加算回路3にそれぞれ接続されている。ここで、オペアンプQ1、Q2、抵抗R3、R4、スイッチ31、および電圧源32は電荷電圧変換手段33を構成している。また、スイッチ31は直流バイアス切換手段を構成している。
【0032】
このように構成された振動ジャイロ30において、オペアンプQ1の反転入力端子の電圧は、イマジナリショートの原理で非反転入力端子の電圧と同じになる。そのため、検出電極2Lにはスイッチ31の状態に応じて基準電位もしくはバイアス電圧が印加されることになる。そのため、オペアンプQ1の非反転入力端子にバイアス電圧が印加された場合には、オペアンプQ1から出力されて差動回路7に入力される信号もバイアス電圧の分だけシフトすることになる。オペアンプQ2の反転入力端子の電圧も、同じくイマジナリショートの原理で非反転入力端子の電圧、すなわち基準電位となる。そのため、オペアンプQ2から出力されて差動回路7に入力される信号は特にシフトしない。
【0033】
このように、検出電極2Lに電圧源32で発生するバイアス電圧を直接印加する構成とせず間接的に印加する構成としても差動回路7に入力される信号の直流バイアスを切り換えることができ、図1に示した振動ジャイロ1の場合と同様に、出力端子12からは切り換えられた直流バイアスに応じたコリオリ信号が出力され、同様に自己診断を行うことができる。
【0034】
また、図示は割愛するが、図1に示した振動ジャイロ1に対する図4に示した振動ジャイロ20のように、図5に示した振動ジャイロ30において自己診断回路を備えても構わないもので、振動ジャイロ20の場合と同様の作用効果を奏するものである。
【0035】
なお、図1、図4、図5に示した振動ジャイロ1、20、30においては、検出電極2Lから差動回路7に入力される信号の直流バイアスを切り換えていたが、直流バイアスを切り換える方法はこれに限られるものではなく、2つの検出電極2L、2Rから差動回路7に入力される信号の直流バイアスを互いに異なるようにできるものであれば、例えば検出電極2Rから差動回路7に入力される信号の直流バイアスを切り換えたり、あるいは検出電極の一方をプラスにバイアスするときには他方をマイナスにバイアスするするなど、どのような構成でも構わないもので、検出電極2Lからの信号の直流バイアスを切り換える場合と同様の作用効果を奏するものである。
【0036】
ところで、上記の各実施例においては、電荷電圧変換手段から出力される電圧信号の直流バイアスを切り換えた時に出力端子から出力されるコリオリ信号の大きさを確認することによって自己診断を行う場合について説明してきたが、直流バイアスを切り換えることによるコリオリ信号の過渡特性から自己診断をすることも可能である。その点について以下に示す。
【0037】
振動ジャイロ1、20、30のコリオリ力検出手段11においては、同期検波回路8の後段に、平滑回路9の一部として図6に示すような高域の周波数を減衰させるためのローパスフィルタ40が設けられる。
【0038】
図6において、ローパスフィルタ40は、オペアンプQ3と入力端子inとオペアンプQ3の反転入力端子の間に接続された抵抗R5と、オペアンプQ3の出力端子と反転入力端子の間にそれぞれ接続された抵抗R6およびコンデンサC1から構成されている。オペアンプQ3の非反転入力端子は基準電位に接続され、出力端子は出力端子outに接続されている。
【0039】
このようなローパスフィルタ40において、制御信号によって直流バイアスが切り換えられると、その入力端子inの信号レベルが例えば0Vから所定の電圧までステップ状に上昇する。しかしながら、出力端子outの信号レベルは最終的には一定のレベルに達するものの、ステップ状に変化することはなく、図7に示すように抵抗R6、コンデンサC1の時定数によって立上り時間が異なる。そこで、この立上り時間や立上り波形、すなわち過渡特性と電圧変動量を確認することによって、抵抗R5、R6やコンデンサC1の値の変化があったかどうかを確認することができる。また、出力信号が立ち上がらなかったり電源電圧にクランプされた状態になった場合には、抵抗R5、R6やコンデンサC1の短絡や開放があったかどうかを確認することができる。
【0040】
このように、コリオリ力検出手段に入力される電圧信号の直流バイアスが切り換えられたときのコリオリ信号の過渡特性を確認することによって、振動ジャイロの回路における異常のある場所を推定することもできる。
【0041】
なお、本発明の振動ジャイロとしては、検出電極に発生する交流電荷を交流電圧に変換するための電荷電圧変換手段を有するものであれば振動子の構成に関しては何等限定されるものではない。上記の各実施例においては、圧電体からなる振動体に複数の検出電極を形成してなる振動子を用いて説明してきたが、例えば金属などの圧電体ではない振動体に面状の圧電体を貼りつけて構成された振動子でも構わないものである。なおその場合には、圧電体の、振動体に貼りつけられる面ではない面に形成される電極が検出電極となる。
【0042】
また、振動子の形状も、上記の各実施例のような形状に限られるものではなく、三角柱などの多角柱状や円柱状でも構わず、音叉状でも構わないものである。
【0043】
【発明の効果】
本発明の振動ジャイロおよび振動ジャイロの自己診断方法によれば、制御信号に応じて検出電極から電荷電圧変換手段を介してコリオリ力検出手段に入力される信号の中の少なくとも1つのバイアス電圧を切り換え、そのときのコリオリ信号の変化を検出することによって、振動ジャイロの自己診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動ジャイロの一実施例を示す概略ブロック図である。
【図2】図1の振動ジャイロにおける圧電振動子を示す斜視図である。
【図3】図1の振動ジャイロにおける自己診断時の信号を示す波形図である。
【図4】本発明の振動ジャイロの別の実施例を示す概略ブロック図である。
【図5】本発明の振動ジャイロのさらに別の実施例を示す概略ブロック図である。
【図6】本発明の振動ジャイロに用いられるローパスフィルタを示す回路図である。
【図7】図6のローパスフィルタの出力の過渡特性を示す波形図である。
【符号の説明】
1、20、30…振動ジャイロ
2…圧電振動子
2L、2R…検出電極
3…加算回路
4…移相回路
5…増幅回路
6…圧電振動子駆動手段
7…差動回路
8…同期検波回路
9…平滑回路
10…直流増幅回路
11…コリオリ力検出手段
13、31…スイッチ
14、32…電圧源
15…制御信号入力端子
16、33…電荷電圧変換回路
21…自己診断回路
40…ローパスフィルタ
R1、R2、R3、R4…抵抗
Q1、Q2…オペアンプ

Claims (5)

  1. 複数の検出電極を有するとともに駆動信号および印加される角速度に応じた振動をする振動子と、該振動子を振動させるための駆動信号を前記振動子に印加する振動子駆動手段と、前記振動子の振動によって前記複数の検出電極に発生する電荷をそれぞれ電圧信号に変換する複数の電荷電圧変換手段と、前記複数の電圧信号から角速度に応じたコリオリ信号を出力するコリオリ力検出手段とを備えた振動ジャイロであって、
    前記複数の電荷電圧変換手段が、制御信号に応じて前記複数の電圧信号の中の少なくとも1つの電圧信号の直流バイアスを印加されたりされなかったりと切り換えられる直流バイアス切換手段を備え、
    前記コリオリ力検出手段が、角速度および直流バイアスを検出可能な検波手段を備え、前記直流バイアスが切り換えられることによる前記コリオリ信号の変化が、所定の範囲内に入っているかどうかから正常か異常か自己診断し、診断結果を出力する自己診断手段を備えたことを特徴とする振動ジャイロ。
  2. 前記直流バイアス切換手段が、前記複数の検出電極の中の少なくとも1つの検出電極の印加電圧を切り換えることによって、その検出電極に対応する前記電圧信号の直流バイアスを切り換えることを特徴とする、請求項1に記載の振動ジャイロ。
  3. 前記自己診断手段は、前記直流バイアスが切り換えられることによる前記コリオリ信号の過渡特性が、所定の範囲内に入っているかどうかから正常か異常か自己診断し、診断結果を出力することを特徴とする、請求項2に記載の振動ジャイロ。
  4. 複数の検出電極を有するとともに駆動信号および印加される角速度に応じた振動をする振動子と、該振動子を振動させるための駆動信号を前記振動子に印加する振動子駆動手段と、前記振動子の振動によって前記複数の検出電極に発生する電荷をそれぞれ電圧信号に変換する複数の電荷電圧変換手段と、前記複数の電圧信号から角速度に応じたコリオリ信号を出力するコリオリ力検出手段とを備えた振動ジャイロの自己診断方法であって、
    御信号に応じて前記複数の電荷電圧変換手段から出力される前記複数の電圧信号の中の少なくとも1つの電圧信号の直流バイアスを印加されたりされなかったりと切り換え、直流バイアスが切り換えられることによる前記コリオリ信号の変化が、所定の範囲内に入っているかどうかから正常か異常か自己診断し、診断結果を出力することを特徴とする振動ジャイロの自己診断方法。
  5. 直流バイアスが切り換えられることによる前記コリオリ信号の過渡特性が、所定の範囲内に入っているかどうかから正常か異常か自己診断し、診断結果を出力することを特徴とする、請求項4に記載の振動ジャイロの自己診断方法。
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