JP2007248327A - 加速度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】外乱ノイズ対策を施しセンサ感度を向上しつつ故障検知が可能な加速度センサを提供することを目的としている。
【解決手段】加速度に起因して可動する可動電極4a、4bとこの可動電極4a、4bに対向配置させた2つの検出電極2a、2bとを有する検知素子6と、交流バイアス電圧信号を可動電極4a、4bに入力するドライブ回路7と、2つの検出電極2a、2bから出力された2つの検出信号に基づいて加速度信号を出力する検出回路17とを備え、この検出回路17において、2つの増幅器8a、8bに入力する基準電圧信号とは別に、検知電圧印加部18から検知電圧信号を増幅器8a、8bに入力して、差動検出器9から出力される検知差動信号に基づいて故障を検知する故障検知手段を設けた構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は、加速度を検出する加速度センサに関するものである。
近年、車両の加速度を検知してナビゲーションにおける高精度化、車両の安全制御を行うシステムが普及してきている。その中、車両の慣性量である加速度、あるいは角速度を検出するための様々なセンサが提供されてきており、今後、安価で高機能のセンサを提供するために複数のセンサを複合化する兆しも見え始めてきている。
従来の静電容量式の加速度センサとしては、印加された加速度に応じて変位するカンチレバーの近傍に配置された対向電極との間に生じる二つの静電容量(つまり2個のコンデンサの容量)の変化として捕らえるものであった。
図4に示すように、2つのコンデンサ19、20を直列にブリッジ接続し、このコンデンサ19、20からなるブリッジに発信器21より交流バイアス電圧信号を入力する。加速度が生じるとカンチレバーが変位するので、このカンチレバーの変位に対応したブリッジの接続点22に発生する分圧電位を増幅器23により検出し、次に整流器24により整流し、最後にLPF25により増幅して加速度信号を得ている。
しかしながら、上記静電容量式の加速度センサでは、静電容量式の検出素子または信号処理回路に外乱ノイズが発生した場合、外乱ノイズ成分が重畳した加速度信号が出力されるので外乱ノイズ対策を施す必要があった。
そこで、例えば、2つのコンデンサを直列に接続した中点に交流バイアス電圧信号を入力し、2つのコンデンサの両端より出力される2つの検出信号を差動検出器に入力して差動信号として出力し、この差動信号を回路処理して加速度信号として出力することによって、外乱ノイズ成分の重畳を抑制して加速度信号を得ていた。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1や特許文献2が知られている。
特表平4−504003号公報 特開2005−114394号公報
上記構成では、外乱ノイズ成分は抑制してセンサ感度を向上できるが、検知素子が壊れていたり、検出回路が壊れていたりしても、それを検知できず誤った加速度信号を検出する恐れがあるという問題点を有していた。
本発明は上記問題点を解決するもので、外乱ノイズ対策を施しセンサ感度を向上しつつ故障検知が可能な加速度センサを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明は、特に、検出回路には、検出信号および基準電圧信号を入力して増幅信号を出力する2つの増幅器と、前記増幅信号から差動信号を出力する差動検出器を設け、故障検知手段は、前記基準電圧信号とは別に検知電圧信号を前記増幅器に入力して前記差動検出器から出力される検知差動信号に基づいて故障を検知する手段とした構成である。
上記構成により、故障検知時には、基準電圧信号とは別に検知電圧信号を増幅器に入力して差動検出器から出力される検知差動信号と、正常の差動信号とを比較すれば故障検知が可能となる。
図1は本発明の一実施の形態における加速度センサのブロック図、図2は同センサの検知素子の等価回路図、図3は図1のA点〜H点の信号波形を示す特性波形図である。
図1において、本発明の一実施の形態における加速度センサは、加速度に起因して可動する可動電極4a、4bとこの可動電極4a、4bに対向配置させた2つの検出電極2a、2bとを有する検知素子6と、交流バイアス電圧信号を可動電極4a、4bに入力するドライブ回路7と、2つの検出電極2a、2bから出力された2つの検出信号に基づいて加速度信号を出力する検出回路17とを備えている。
上記の検知素子6において、1は固定部、3a、3bは第1、第2の検出電極2a、2bから電荷を取り出す第1、第2の出力端子、4は対向する第1、第2の検出電極2a、2bのほぼ中間に固定部1から延出された可動部、4a、4bは可動部4の両表面上に第1、第2の検出電極2a、2bに対向するように配置された第1、第2の可動電極、5は第1、第2の可動電極4a、4bに交流バイアス電圧信号を伝えるための可動部4の固定部1側に設けられた入力端子である。
検出信号は検出電極2a、2bに発生する電荷量に基づいて出力されており、一方の検出電極2aに発生する電荷量が増加する場合は他方の検出電極2bに発生する電荷量が減少し、一方の検出電極2aに発生する電荷量が減少する場合は他方の検出電極2bに発生する電荷量が増加するように、可動電極4a、4bを介して2つの検出電極を2a、2bに対向させている。
また、上記のドライブ回路7には、交流バイアス電圧信号を発信する内部発信器12と、交流バイアス電圧信号の振幅を調整し、入力端子5を介して可動電極4a、4bに一定振幅の交流バイアス電圧信号を入力する調整器13を設けている。この調整器13は、内部発信器12から出力された交流バイアス電圧信号の減衰率を任意に設定することが可能である。
また、上記の検出回路17において、8a、8bは第1、第2の検出電極2a、2bに発生する電荷がそれぞれ入力され増幅信号を出力する増幅器、9は2つの増幅信号を入力しその差動信号を出力する差動検出器、11は差動信号を入力しその位相を90度ずらした位相遷移信号を出力する位相遷移器、14は調整器13から出力された交流バイアス電圧信号によって位相遷移信号を同期検波し検波信号を出力する同期復調器、15は検波信号を入力し平滑、出力調整して加速度信号を出力する増幅器、16は加速度信号を外部に出力するためのセンサ出力端子である。
図2において、検知素子6は、第1の出力端子3aに接続された第1の検出電極2aと、この第1の検出電極2aに対向配置された第1の可動電極4aとによって静電容量(C1)を有する第1のコンデンサ部を形成し、第2の出力端子3bに接続された第2の検出電極2bと、この第2の検出電極2bに対向配置された第2の可動電極4bとによって静電容量(C2)を有する第2のコンデンサ部を形成し、第1の可動電極4aと第2の可動電極4bを互いに接続し、さらに入力端子5に接続している。通常、静電容量(C1)と静電容量(C2)は等しくなるように初期調整している。
図3(a)〜(h)は図1のA点〜H点における信号波形を示す特性波形図である。加速度が生じる前後において、各(a)〜(h)の信号波形は変化するものである。
まず、内部発信器12により生成される交流バイアス電圧信号(図3(a))が調整器13に入力され、一定振幅に減衰された出力信号(図3(b))が調整器13より出力され、入力端子5を介して第1の可動電極4aと第2の可動電極4bに入力される。
次に、図1に示す検出軸方向に加速度が生じると可動部4が検出軸方向に撓み、この可動部4の撓みに起因して、例えば、第1の可動電極4aと第1の検出電極2aの間の距離が接近した場合は、静電容量(C1)が増加し電荷(Q1)が増加する。と同時に、第2の可動電極4bと第2の検出電極2bの間の距離が遠ざかり、静電容量(C2)が減少し電荷(Q2)が減少する。可動部4の撓みが、上述の場合と逆の場合は、電荷(Q1)、(Q2)の増減の減少は逆となる。
次に、第1の出力端子3aを介して第1の検出電極2aから出力された検出信号(図3(c))は、第1の増幅器8aの反転入力端子に入力される。非反転入力端子には基準電圧信号(例えば、2.5Vの仮想グランド)が入力され、出力端子からは第1の増幅信号が出力される。また、第2の出力端子3bを介して第2の検出電極2bから出力された検出信号(図3(d))は、第2の増幅器8bの反転入力端子に入力される。非反転入力端子には基準電圧信号(例えば、2.5Vの仮想グランド)が入力され、出力端子からは第2の増幅信号が出力される。このとき、図1のC点、D点の電流値は、それぞれi1=dQ1/dt、i2=dQ2/dtとなる。
次に、これら第1、第2の増幅信号が差動検出器9に入力され、差動信号(図3(e))が出力される。次に差動検出器9の出力は位相遷移器11により90度位相が進められ、かつ増幅され位相遷移信号(図3(f))が出力される。
次に、位相遷移器11から出力された位相遷移信号(図3(f))は同期復調器14に入力され、調整器13から出力された交流バイアス電圧信号(図3(b))によって同期検波され、同期復調器14から検波信号(図3(g))が出力される。
最後に、増幅器15により同期復調器14から出力された検波信号(図3(g))が平滑され、出力調整後に加速度信号(図3(h))が出力される。
さらに、上記構成の加速度センサには故障検知手段を設けている。検出回路17において、2つの増幅器8a、8bに入力する基準電圧信号とは別に、検知電圧印加部18から検知電圧信号を増幅器8a、8bに入力して、差動検出器9から出力される検知差動信号に基づいて故障を検知する手段である。正常時の差動信号と比較することにより故障検知が可能となる。
検知電圧印加部18から互いに電圧値の同じ交流または直流の検知電圧信号を各々の増幅器8a、8bに入力すれば、加速度が生じていない状態となるので、差動検出器9からは加速度が生じていない状態において出力される差動信号(正常時の差動信号)と同等の検知差動信号が出力されれば正常となる。
一方、検知電圧印加部18から互いに電圧値の異なる交流または直流の検知電圧信号を各々の増幅器8a、8bに入力すれば、見かけ上、加速度が生じている状態となるので、差動検出器9からは加速度が生じている状態において出力される差動信号(正常時の差動信号)と同等の検知差動信号が出力されれば正常となる。この電圧値の異なる検知電圧信号を増幅器8a、8bに入力すると、検知素子6の可動部4に配置された第1、第2の可動電極4a、4bと、固定部1に配置された第1、第2の検出電極2a、2bとの間隔が変化するため、第1、第2の検出電極2a、2bから出力される検出信号も異なって、増幅器8a、8bから電圧値の異なる2つの増幅信号が出力されることとなり、見かけ上、加速度が生じている状態を発生させることができる。
なお、正常時における差動信号は予め検出してメモリに格納し、故障検知時に正常時における差動信号をメモリから読み出して、検知差動信号と比較して故障を検知してもよい。
上記構成により、故障検知時には、基準電圧信号とは別に検知電圧信号を2つの増幅器8a、8bに入力して差動検出器9から出力される検知差動信号と、正常の差動信号とを比較するので、両者の差動信号が一致すれば正常であり、不一致であれば故障であり、故障検知が可能である。特に、検知素子6に重畳した外乱ノイズ、他回路からの静電的な結合等による同相ノイズ成分は、差動検出器9を用いることで大幅に低減可能であるので、外乱ノイズ対策を施しセンサ感度を向上しつつ故障検知を可能にするものである。
また、正常時における差動信号は予め検出してメモリに格納し、故障検知時に正常時における差動信号をメモリから読み出して、検知差動信号と比較して故障を検知するようにすれば、自動制御で故障検知診断が可能となる。
本発明にかかる加速度センサは、センサ感度を向上しつつ故障検知を可能としているので、各種機器に用いることができる。
本発明の一実施の形態における加速度センサのブロック図 同センサの検知素子の等価回路図 図1のA点〜H点の信号波形を示す特性波形図 従来の加速度センサのブロック図
符号の説明
1 固定部
2a 第1の検出電極
2b 第2の検出電極
3a 第1の出力端子
3b 第2の出力端子
4 可動部
4a 第1の可動電極
4b 第2の可動電極
5 入力端子
6 検知素子
7 ドライブ回路
8a 増幅器
8b 増幅器
9 差動検出器
11 位相遷移器
12 内部発信器
13 調整器
14 同期復調器
15 増幅器
16 センサ出力端子
17 検出回路
18 検知電圧印加部
19、20 コンデンサ
21 発信器
22 ブリッジの接続点
23 増幅器
24 整流器
25 LPF

Claims (3)

  1. 加速度に起因して可動する可動電極と前記可動電極に対向配置させた2つの検出電極とを有する検知素子と、交流バイアス電圧信号を前記可動電極に入力するドライブ回路と、2つの前記検出電極から出力された2つの検出信号に基づいて加速度信号を出力する検出回路と、故障を検知する故障検知手段とを備え、前記検出信号は前記検出電極に発生する電荷量に基づいて出力されており、前記検出回路には、前記検出信号および基準電圧信号を入力して増幅信号を出力する2つの増幅器と、前記増幅信号から差動信号を出力する差動検出器を設け、前記故障検知手段は、前記基準電圧信号とは別に検知電圧信号を前記増幅器に入力して前記差動検出器から出力される検知差動信号に基づいて故障を検知する手段とした加速度センサ。
  2. 一方の検出電極に発生する電荷量が増加する場合は他方の検出電極に発生する電荷量が減少し、一方の検出電極に発生する電荷量が減少する場合は他方の検出電極に発生する電荷量が増加するように、前記可動電極を介して2つの前記検出電極を対向配置させた請求項1記載の加速度センサ。
  3. 正常時における差動信号を予め検出してメモリに格納し、故障検知時に正常時における差動信号を前記メモリから読み出して、前記検知差動信号と比較して故障を検知する請求項1記載の加速度センサ。
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