JP2004301575A - 角速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】S/N比が優れた角速度センサを提供すること。
【解決手段】基板上に形成され、基板表面に対して略平行な平面に配置される一対の半導体薄膜からなる第1可動部と、第1可動部と同一の平面に形成される少なくとも一対の第2可動部と、一端が基板に固定され、他端が第1可動部に接続される第1の梁と、平面の第1軸(x軸)方向に変位可能であり、一対の前記第2可動部に両端が接続される第2の梁と、一端が第1可動部に接続され、他端が第2可動部に接続される第3の梁とを有しており、第1可動部および第2可動部は、第1軸および第1軸と直交する第2軸(y軸)に対して変位可能であり、第1可動部は第1軸および第2軸の変位を検出する手段を有するとともに、第2可動部は、第1軸の方向に力を付加する。
【選択図】 図1
【解決手段】基板上に形成され、基板表面に対して略平行な平面に配置される一対の半導体薄膜からなる第1可動部と、第1可動部と同一の平面に形成される少なくとも一対の第2可動部と、一端が基板に固定され、他端が第1可動部に接続される第1の梁と、平面の第1軸(x軸)方向に変位可能であり、一対の前記第2可動部に両端が接続される第2の梁と、一端が第1可動部に接続され、他端が第2可動部に接続される第3の梁とを有しており、第1可動部および第2可動部は、第1軸および第1軸と直交する第2軸(y軸)に対して変位可能であり、第1可動部は第1軸および第2軸の変位を検出する手段を有するとともに、第2可動部は、第1軸の方向に力を付加する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体薄膜を用いた角速度センサの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ製造されたジャイロスコープとして例えば、特表2002−515976号公報記載の技術が公知となっている。この技術では、基板の表面に平行な軸周りでの回転を測定するためのマイクロ製造されたジャイロスコープが示されている。このジャイロスッコープは、基板に対して平行な面内で質量体を駆動振動させ、基板に対して垂直方向(z軸)を軸とするコリオリ力により誘起される基板に、平行かつ駆動方向に対して直交する(y軸)方向の振動を検出する方式のセンサである。より具体的には、交互に噛合するように配置された櫛歯状の可動質量体に形成された電極と固定電極間に周期的な電圧を加えることにより、静電引力を働かせ質量体をx軸方向に振動させている。前記特表2002−515976号公報の図14に代表的なジャイロスコープが示されている。
【0003】
【特許文献1】
特表2002−515976号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術には次の問題点を有する。上記した角速度センサの質量体、特に、センサ内の駆動電極がxy平面内で可動であり、櫛歯状の駆動電極の構造上、検出に必要なx軸のみの振動ではなく検出には不要な成分となるy軸方向の振動が誘起されると、駆動振動がy軸方向の成分を持ちやすい。このため、角速度のないときにも角速度の検出軸となるy軸方向の振動成分を有するため、検出精度の低下を招いていた。
【0005】
したがって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、角速度センサにおいて、センサのS/N比が向上できる構造を提供することを技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、基板上に形成される一対の第1可動部と、該第1可動部間に形成された一対の第2可動部と、一端が前記基板に固定され、他端が前記第1可動部に接続される第1の梁と、前記平面の第1軸方向に変位可能であり、一対の前記第2可動部に両端が接続される第2の梁と、一端が前記第1可動部に接続され、他端が前記第2可動部に接続される第3の梁とを有しており、前記第1可動部および前記第2可動部は、前記第1軸および前記第1軸と直交する第2軸方向に変位可能であり、前記第1可動部は前記第1軸方向および前記第2軸方向の変位を検出する手段を有し、前記第2可動部は前記第1軸方向に駆動力を付与する駆動手段を備えた角速度センサとしたことである。
【0007】
上記した構成によれば、第1軸方向、第2軸方向に対して有効に機能する可動部が設けられ、雑音成分を相殺することができるようになり角加速度を精度良く検出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1には本発明における実施の形態を示す。図1はマイクロマシニング技術を用いた半導体薄膜の角速度センサSENであり、基板1に対して平行な面内で図1示の縦方向(x軸方向)に駆動振動させると、基板1に対して垂直な方向(z軸)を軸とする角速度に対して、基板に平行かつ駆動方向(x軸方向)に対して垂直な方向(y軸方向)の振動を検出する。
【0009】
基板1上には半導体薄膜で形成された一対の第1可動部2が、基板1に対して略平行に配置されている。この一対の第1可動部2は、図1示x軸方向に対して対称に配置されており、基板1上のxy平面にそれぞれの軸方向に変位可能となる構成となっている。この第1可動部2は、一端が基板1上に固定され、他端が第1可動部2に接続された梁4により保持されている。
【0010】
第1可動部2に対して、基板1上にはさらに半導体薄膜よりなる第2可動部3が配置が配置されている。この第2可動部3は、対向する一対の第1可動部2の図1示内側に対称に一対で配置され、第1可動部2と同様にxy平面でそれぞれの軸方向に変位可能となるように配設されている。
【0011】
対向する一対の第2可動部3は、互いに、少なくともx軸方向のみに変位可能となるように2つの梁15により連結されている。そしてまた、第2可動部3は、一端が第1可動部2に接続され、他端が第2可動部3に接続された梁14により保持されている。第2可動部3には、駆動するための可動部側電極12及び基板1に固定された固定電極13aが具備されており、第2可動部3はこの両電極間の静電引力により駆動される。
【0012】
一対の第1可動部2、一対の第2可動部3、梁4、梁14、および梁15は、x軸方向に対して対称に配置されている。
【0013】
図1において、第2可動部3の固定電極13aに周期的な一定電位が印加されており、第1可動部2、および第2可動部3のx軸方向への音叉振動の共振周波数に一致した周期的な力が働くようになっている。この固定電極13aに周期的な電圧を印加することでx軸方向に音叉振動させる。
【0014】
第1可動部2には駆動方向への振動を検出する櫛歯電極6、7aが配置されており、これらの電極により検出された信号を基に共振周波数に第1可動部2の振動を追従させて振動時の振幅を一定にする。この状態において基板1の面に対して垂直なz軸を回転軸とする角速度が加わると、コリオリ力が発生し、第1可動部2、および第2可動部3の振動体には逆相でy軸方向への振動が誘起される。
【0015】
以上の結果、第1可動部2がy軸方向に駆動振動し、第1可動部2よりx軸方向に延在する検出電極9と固定部側検出電極11間の距離(間隙)が変動するので、電気的にこの変動を検出することにより角速度が検出できる。
【0016】
第1可動部2、および第2可動部3を音叉振動させるため、機械的外乱によるノイズを回路上でキャンセルすることが可能である。また、対となる第2可動部3の可動部側電極12と固定電極13aとの間隔は非常に狭く、第1可動部2の可動部対及び第2可動部3の可動部対を含む振動体の音叉振動を行う共振周波数で駆動することにより、第2可動部3の振動振幅に対して第1可動部2の振動振幅を大きくとることができる。
【0017】
可動部側駆動電極12、固定部側駆動電極13aは、図1示ではy軸方向に伸びた平行平板の電極であるが、第1可動部2の可動部側櫛歯電極6、固定部側櫛歯電極7aの駆動電極の場合でも、製造プロセスに起因する電極部の精度のばらつきが生じても、検出方向への力は可動部の対で同じ方向に発生しやすく回転力として発生しにくい。そのため、本発明のセンサの特性上、第1可動部2の対がy軸方向で逆相で振動する場合には電気信号として検出されるが、同相で振動した場合には電気信号としてキャンセルされるため、この不要な振動によるセンサの温度特性の劣化を抑制できる。
【0018】
以上より第2可動部3の駆動力に起因する、第1可動部2のy軸方向への振動が低減され、音叉構造とすることにより信号のS/N比の向上が図れる。なお、梁4の形状は第1可動部2、および第2可動部3を連結する梁14の形状と同様な形状でもよく、また、xy方向に変位可能であれば他の形状で形成されても良い。また、梁14の形状は梁4のようなL字型でもよくxy方向に変位可能であれば他の形状でも良い。
【0019】
図2に第2可動部3の可動部側駆動電極12に対して固定部側駆動電極13a、13bを相補的に配置する別の実施の形態を示す。固定部側駆動電極13a、13bを対で配置することで、駆動電圧の交流成分を固定部側駆動電極13a、13bで反転した信号で入力することが可能となり固定部側検出電極10、11及び固定部側櫛歯電極7a、7bへの駆動電圧の交流成分のクロストークの低減が可能となりS/N比の向上及び温度特性の向上が可能となる。
【0020】
図1、2に示すようにxz平面よりなる第1可動部2の可動部側検出電極9と固定部側検出電極11を互いに近傍にかつ平行平板となるように配置することにより高感度な検出が可能となる。なお、第1可動部2の可動部側検出電極9と固定部側検出電極11の間隔はミクロンオーダーであり、駆動時に発生する不要振動の振幅はサブミクロン以下である。またコリオリの力により発生する振動は0.1μm以下なので、検出感度の直線性は十分である。
【0021】
図3に第1可動部2の可動部側検出電極9に対して、固定部側駆動電極10、11を相補的に配置する別の実施の形態を示す。固定部側駆動電極10、11を対で相補的に配置することで、駆動信号や外乱に起因する電気的ノイズが対となる電極に同相で混入し、コリオリの力等による機械的な動きは逆相の電気信号として検出されるため、電極に入力される検出信号は回路の出力側に配置される差動増幅(図5参照)で電気的ノイズの除去が可能となる。その結果、センサのS/N比の向上及び温度特性の向上が可能となる。
【0022】
図1、図2、および図3に示すように第1可動部2の駆動振動を検出する電極を第1可動部2側電極6と固定電極7aのように櫛歯状の電極を互いにかみ合わせ、駆動振幅に対して常に櫛歯状電極6a、7aの各電極の一部がかみ合い、かつ櫛歯状電極6、7aが第一の可動部2及び固定部8と干渉しないように配置することにより第1可動部2の振動の検出に対して大きな振幅まで対応でき、かつ直線性の高い検出が可能となる。
【0023】
図4に第1可動部2の駆動振動を検出する可動部側櫛歯電極6に対して固定部側櫛歯電極7a、7bを相補的に配置する別の実施の形態を示す。このように構成することで、駆動信号や外乱に起因する電気的ノイズが対となる電極に同相で混入し、駆動振動等の機械的な動きは逆相の電気信号として検出されるため、櫛歯電極7a、7bの回路の出力側にチャージアンプ回路を構成すれば、電気的ノイズの除去が可能となり、駆動振動の検出のS/N比が向上する。その結果、駆動振動が安定しセンサのS/N比の向上及び温度特性の向上が可能となる。
【0024】
なお、第1可動部2に対して検出方向の共振周波数を静電引力により調節する機構、及び駆動時にx軸方向からの振動のずれを補正するためのサーボ機構を加えても良い。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、第1可動部と第2可動部を質量体として有する加速度センサにおいて、第2の可動を所定の軸方向に音叉振動させて、その振動による変位を第1可動部で検出する。このときyz平面よりなる駆動電極を用いるので、
製造時に発生する基板の反りや、プロセス上の形状のばらつきに起因するy軸方向の力の誘起が低減されるので、第1可動部2の検出部の検出方向への不要な振動が抑制され、不要な振動に起因するセンサ出力のオフセットが抑制され、その結果、センサの温度特性の向上が図れる。
【0026】
また、駆動電極と固定電極はyz平面よりなる平行平板の電極で構成し、駆動電極と固定電極の間隔を、第2可動部3の変位可能だけ狭く形成するので、y軸方向に伸びた電極により電極面積を大きく取れる。電極間距離が狭いので駆動力が大きく取れ、第1可動部2(振動子)と第2可動部3(振動子)の間の梁14により第1の振動子2と第2の振動子3を含む振動体の共振周波数で駆動力を与えることにより第1の振動体2は大きな振幅で振動できる。
【0027】
またさらには、対となる固定電極を可動電極に対して複数の対で構成することにより、変位の検出回路の出力側にチャージアンプ回路を構成すれば、電気的ノイズの除去が可能となり、駆動振動の検出のS/N比が向上する。その結果、駆動振動が安定しセンサのS/N比の向上及び温度特性の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における構成を示す概略図である。
【図2】本発明の別の実施の形態を示す概略図である。
【図3】本発明の別の実施の形態を示す概略図である。
【図4】本発明の別の実施の形態を示す概略図である。
【図5】増幅回路の一例を示す概略図ある。
【符号の説明】
1 基板
2 第1可動部
3 第2可動部
4 梁(第1の梁)
5 アンカー(梁と基板の接続部)
6 可動部側櫛歯電極
7a 固定部側櫛歯電極
7b 固定部側櫛歯電極
7c 固定部側櫛歯電極
8 櫛歯電極固定部
9 可動部側検出電極
10 固定部側検出電極
11 固定部側検出電極
12 可動部側駆動電極
13a 固定部側駆動電極
13b 固定部側駆動電極
14 梁
15 梁
16 配線
17 電極パッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体薄膜を用いた角速度センサの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ製造されたジャイロスコープとして例えば、特表2002−515976号公報記載の技術が公知となっている。この技術では、基板の表面に平行な軸周りでの回転を測定するためのマイクロ製造されたジャイロスコープが示されている。このジャイロスッコープは、基板に対して平行な面内で質量体を駆動振動させ、基板に対して垂直方向(z軸)を軸とするコリオリ力により誘起される基板に、平行かつ駆動方向に対して直交する(y軸)方向の振動を検出する方式のセンサである。より具体的には、交互に噛合するように配置された櫛歯状の可動質量体に形成された電極と固定電極間に周期的な電圧を加えることにより、静電引力を働かせ質量体をx軸方向に振動させている。前記特表2002−515976号公報の図14に代表的なジャイロスコープが示されている。
【0003】
【特許文献1】
特表2002−515976号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術には次の問題点を有する。上記した角速度センサの質量体、特に、センサ内の駆動電極がxy平面内で可動であり、櫛歯状の駆動電極の構造上、検出に必要なx軸のみの振動ではなく検出には不要な成分となるy軸方向の振動が誘起されると、駆動振動がy軸方向の成分を持ちやすい。このため、角速度のないときにも角速度の検出軸となるy軸方向の振動成分を有するため、検出精度の低下を招いていた。
【0005】
したがって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、角速度センサにおいて、センサのS/N比が向上できる構造を提供することを技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、基板上に形成される一対の第1可動部と、該第1可動部間に形成された一対の第2可動部と、一端が前記基板に固定され、他端が前記第1可動部に接続される第1の梁と、前記平面の第1軸方向に変位可能であり、一対の前記第2可動部に両端が接続される第2の梁と、一端が前記第1可動部に接続され、他端が前記第2可動部に接続される第3の梁とを有しており、前記第1可動部および前記第2可動部は、前記第1軸および前記第1軸と直交する第2軸方向に変位可能であり、前記第1可動部は前記第1軸方向および前記第2軸方向の変位を検出する手段を有し、前記第2可動部は前記第1軸方向に駆動力を付与する駆動手段を備えた角速度センサとしたことである。
【0007】
上記した構成によれば、第1軸方向、第2軸方向に対して有効に機能する可動部が設けられ、雑音成分を相殺することができるようになり角加速度を精度良く検出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1には本発明における実施の形態を示す。図1はマイクロマシニング技術を用いた半導体薄膜の角速度センサSENであり、基板1に対して平行な面内で図1示の縦方向(x軸方向)に駆動振動させると、基板1に対して垂直な方向(z軸)を軸とする角速度に対して、基板に平行かつ駆動方向(x軸方向)に対して垂直な方向(y軸方向)の振動を検出する。
【0009】
基板1上には半導体薄膜で形成された一対の第1可動部2が、基板1に対して略平行に配置されている。この一対の第1可動部2は、図1示x軸方向に対して対称に配置されており、基板1上のxy平面にそれぞれの軸方向に変位可能となる構成となっている。この第1可動部2は、一端が基板1上に固定され、他端が第1可動部2に接続された梁4により保持されている。
【0010】
第1可動部2に対して、基板1上にはさらに半導体薄膜よりなる第2可動部3が配置が配置されている。この第2可動部3は、対向する一対の第1可動部2の図1示内側に対称に一対で配置され、第1可動部2と同様にxy平面でそれぞれの軸方向に変位可能となるように配設されている。
【0011】
対向する一対の第2可動部3は、互いに、少なくともx軸方向のみに変位可能となるように2つの梁15により連結されている。そしてまた、第2可動部3は、一端が第1可動部2に接続され、他端が第2可動部3に接続された梁14により保持されている。第2可動部3には、駆動するための可動部側電極12及び基板1に固定された固定電極13aが具備されており、第2可動部3はこの両電極間の静電引力により駆動される。
【0012】
一対の第1可動部2、一対の第2可動部3、梁4、梁14、および梁15は、x軸方向に対して対称に配置されている。
【0013】
図1において、第2可動部3の固定電極13aに周期的な一定電位が印加されており、第1可動部2、および第2可動部3のx軸方向への音叉振動の共振周波数に一致した周期的な力が働くようになっている。この固定電極13aに周期的な電圧を印加することでx軸方向に音叉振動させる。
【0014】
第1可動部2には駆動方向への振動を検出する櫛歯電極6、7aが配置されており、これらの電極により検出された信号を基に共振周波数に第1可動部2の振動を追従させて振動時の振幅を一定にする。この状態において基板1の面に対して垂直なz軸を回転軸とする角速度が加わると、コリオリ力が発生し、第1可動部2、および第2可動部3の振動体には逆相でy軸方向への振動が誘起される。
【0015】
以上の結果、第1可動部2がy軸方向に駆動振動し、第1可動部2よりx軸方向に延在する検出電極9と固定部側検出電極11間の距離(間隙)が変動するので、電気的にこの変動を検出することにより角速度が検出できる。
【0016】
第1可動部2、および第2可動部3を音叉振動させるため、機械的外乱によるノイズを回路上でキャンセルすることが可能である。また、対となる第2可動部3の可動部側電極12と固定電極13aとの間隔は非常に狭く、第1可動部2の可動部対及び第2可動部3の可動部対を含む振動体の音叉振動を行う共振周波数で駆動することにより、第2可動部3の振動振幅に対して第1可動部2の振動振幅を大きくとることができる。
【0017】
可動部側駆動電極12、固定部側駆動電極13aは、図1示ではy軸方向に伸びた平行平板の電極であるが、第1可動部2の可動部側櫛歯電極6、固定部側櫛歯電極7aの駆動電極の場合でも、製造プロセスに起因する電極部の精度のばらつきが生じても、検出方向への力は可動部の対で同じ方向に発生しやすく回転力として発生しにくい。そのため、本発明のセンサの特性上、第1可動部2の対がy軸方向で逆相で振動する場合には電気信号として検出されるが、同相で振動した場合には電気信号としてキャンセルされるため、この不要な振動によるセンサの温度特性の劣化を抑制できる。
【0018】
以上より第2可動部3の駆動力に起因する、第1可動部2のy軸方向への振動が低減され、音叉構造とすることにより信号のS/N比の向上が図れる。なお、梁4の形状は第1可動部2、および第2可動部3を連結する梁14の形状と同様な形状でもよく、また、xy方向に変位可能であれば他の形状で形成されても良い。また、梁14の形状は梁4のようなL字型でもよくxy方向に変位可能であれば他の形状でも良い。
【0019】
図2に第2可動部3の可動部側駆動電極12に対して固定部側駆動電極13a、13bを相補的に配置する別の実施の形態を示す。固定部側駆動電極13a、13bを対で配置することで、駆動電圧の交流成分を固定部側駆動電極13a、13bで反転した信号で入力することが可能となり固定部側検出電極10、11及び固定部側櫛歯電極7a、7bへの駆動電圧の交流成分のクロストークの低減が可能となりS/N比の向上及び温度特性の向上が可能となる。
【0020】
図1、2に示すようにxz平面よりなる第1可動部2の可動部側検出電極9と固定部側検出電極11を互いに近傍にかつ平行平板となるように配置することにより高感度な検出が可能となる。なお、第1可動部2の可動部側検出電極9と固定部側検出電極11の間隔はミクロンオーダーであり、駆動時に発生する不要振動の振幅はサブミクロン以下である。またコリオリの力により発生する振動は0.1μm以下なので、検出感度の直線性は十分である。
【0021】
図3に第1可動部2の可動部側検出電極9に対して、固定部側駆動電極10、11を相補的に配置する別の実施の形態を示す。固定部側駆動電極10、11を対で相補的に配置することで、駆動信号や外乱に起因する電気的ノイズが対となる電極に同相で混入し、コリオリの力等による機械的な動きは逆相の電気信号として検出されるため、電極に入力される検出信号は回路の出力側に配置される差動増幅(図5参照)で電気的ノイズの除去が可能となる。その結果、センサのS/N比の向上及び温度特性の向上が可能となる。
【0022】
図1、図2、および図3に示すように第1可動部2の駆動振動を検出する電極を第1可動部2側電極6と固定電極7aのように櫛歯状の電極を互いにかみ合わせ、駆動振幅に対して常に櫛歯状電極6a、7aの各電極の一部がかみ合い、かつ櫛歯状電極6、7aが第一の可動部2及び固定部8と干渉しないように配置することにより第1可動部2の振動の検出に対して大きな振幅まで対応でき、かつ直線性の高い検出が可能となる。
【0023】
図4に第1可動部2の駆動振動を検出する可動部側櫛歯電極6に対して固定部側櫛歯電極7a、7bを相補的に配置する別の実施の形態を示す。このように構成することで、駆動信号や外乱に起因する電気的ノイズが対となる電極に同相で混入し、駆動振動等の機械的な動きは逆相の電気信号として検出されるため、櫛歯電極7a、7bの回路の出力側にチャージアンプ回路を構成すれば、電気的ノイズの除去が可能となり、駆動振動の検出のS/N比が向上する。その結果、駆動振動が安定しセンサのS/N比の向上及び温度特性の向上が可能となる。
【0024】
なお、第1可動部2に対して検出方向の共振周波数を静電引力により調節する機構、及び駆動時にx軸方向からの振動のずれを補正するためのサーボ機構を加えても良い。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、第1可動部と第2可動部を質量体として有する加速度センサにおいて、第2の可動を所定の軸方向に音叉振動させて、その振動による変位を第1可動部で検出する。このときyz平面よりなる駆動電極を用いるので、
製造時に発生する基板の反りや、プロセス上の形状のばらつきに起因するy軸方向の力の誘起が低減されるので、第1可動部2の検出部の検出方向への不要な振動が抑制され、不要な振動に起因するセンサ出力のオフセットが抑制され、その結果、センサの温度特性の向上が図れる。
【0026】
また、駆動電極と固定電極はyz平面よりなる平行平板の電極で構成し、駆動電極と固定電極の間隔を、第2可動部3の変位可能だけ狭く形成するので、y軸方向に伸びた電極により電極面積を大きく取れる。電極間距離が狭いので駆動力が大きく取れ、第1可動部2(振動子)と第2可動部3(振動子)の間の梁14により第1の振動子2と第2の振動子3を含む振動体の共振周波数で駆動力を与えることにより第1の振動体2は大きな振幅で振動できる。
【0027】
またさらには、対となる固定電極を可動電極に対して複数の対で構成することにより、変位の検出回路の出力側にチャージアンプ回路を構成すれば、電気的ノイズの除去が可能となり、駆動振動の検出のS/N比が向上する。その結果、駆動振動が安定しセンサのS/N比の向上及び温度特性の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における構成を示す概略図である。
【図2】本発明の別の実施の形態を示す概略図である。
【図3】本発明の別の実施の形態を示す概略図である。
【図4】本発明の別の実施の形態を示す概略図である。
【図5】増幅回路の一例を示す概略図ある。
【符号の説明】
1 基板
2 第1可動部
3 第2可動部
4 梁(第1の梁)
5 アンカー(梁と基板の接続部)
6 可動部側櫛歯電極
7a 固定部側櫛歯電極
7b 固定部側櫛歯電極
7c 固定部側櫛歯電極
8 櫛歯電極固定部
9 可動部側検出電極
10 固定部側検出電極
11 固定部側検出電極
12 可動部側駆動電極
13a 固定部側駆動電極
13b 固定部側駆動電極
14 梁
15 梁
16 配線
17 電極パッド
Claims (1)
- 基板上に形成される一対の第1可動部と、該第1可動部間に形成された一対の第2可動部と、一端が前記基板に固定され、他端が前記第1可動部に接続される第1の梁と、前記平面の第1軸方向に変位可能であり、一対の前記第2可動部に両端が接続される第2の梁と、一端が前記第1可動部に接続され、他端が前記第2可動部に接続される第3の梁とを有しており、前記第1可動部および前記第2可動部は、前記第1軸および前記第1軸と直交する第2軸方向に変位可能であり、前記第1可動部は前記第1軸方向および前記第2軸方向の変位を検出する手段を有し、前記第2可動部は前記第1軸方向に駆動力を付与する駆動手段を備えた、ことを特徴とする角速度センサ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-03-28 JP JP2003092875A patent/JP2004301575A/ja active Pending
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