JP2000173750A - 発熱体封入ヒータ - Google Patents
発熱体封入ヒータInfo
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Abstract
確実に封入することができ、しかも安価に製造でき、半
導体製造プロセスにおけるウエハ等の熱処理用等にに好
適に使用されるダスト発散等が抑制されたクリーンで高
耐久性の発熱体封入ヒータを提供する。 【解決手段】 平坦面上に形成された溝4内に発熱体3
を配設した第1の石英ガラス部材2bと、前記第1の石
英ガラス部材2bの平坦面に密着可能に形成された平坦
面を有する第2の石英ガラス部材2aとの、前記平坦面
同志を融着させて一体化した発熱体封入ヒータ1であっ
て、前記第1の石英ガラス部材2bの1430℃におけ
る粘度が3.0×1010ポイズ以上、かつ、前記第2の
石英ガラス部材2aの粘性が、前記第1の石英ガラス部
材の粘性の0.05乃至0.85倍であることを特徴と
している。
Description
入ヒータに関し、より詳細には、発熱体を石英ガラス部
材中に封入した発熱体封入ヒータであって、半導体製造
プロセスにおけるウエハ等の熱処理用に好適に使用され
る発熱体封入ヒータに関する。
いてシリコンウエハ等に種々の熱処理が施される。これ
らの熱処理には厳密な温度管理が求められると共に、熱
処理雰囲気を塵芥等のパーティクルが存在しないクリー
ンな雰囲気に保つことが要求されている。このため、熱
処理に用いられる加熱用ヒータには、均熱性及びより迅
速な昇・降温制御性能に優れ、かつ、パーティクル等の
汚染物質を放出しない等の諸要件を満たすことが求めら
れている。このような、半導体製造用ヒータの一つとし
て、発熱体を非酸化性雰囲気ガスと共に石英ガラス部材
等の支持部材中に封入した構造のヒータが知られてい
る。
ヒータとして、極細いカーボン単繊維を束ねたカーボン
ファイバー束を複数束編み上げて作製したカーボンワイ
ヤー発熱体を用い、これを石英ガラス支持部材中に非酸
化性ガスと共に封入した構造の半導体熱処理装置用ヒー
タを開発し、既に、特願平10−254513号として
提案している。前記カーボンワイヤー発熱体は、金属発
熱体等に比べて熱容量が小さく昇降温特性に優れ、ま
た、非酸化性雰囲気中では高温耐久性にも優れている。
しかも、細いカーボン単繊維の繊維束を複数本編んで作
製されたものであるため、むくのカーボン材からなる発
熱体に比べフレキシビリティに富み、種々の構造、形状
に容易に加工できるという利点を有している。従って、
この発熱体を高純度な石英ガラス部材等のクリ−ンな耐
熱性支持部材内に非酸化性ガスと共に封入したヒータ
は、パーティクル等を発生させることがなく、前記した
ように半導体製造用ヒータとして極めて好適である。
辺雰囲気を非酸化性雰囲気に保つためには、発熱体を封
入する技術が特に重要となる。ところが、発熱体を石英
ガラス板等で挟み、外周を溶接する従来の封着方法で
は、部分的な加熱により接触面に歪みや変形が生じ、溶
接固定部に応力が集中して石英ガラス板が破損する等の
不都合がしばしば発生した。また、例えば、石英ガラス
部材を2個以上、目的とする所定形状に融着一体化ヒ−
タにあっては、使用時の石英ガラスの過度の変形を阻止
する必要から、粘性の高い石英ガラスを用いなければな
らなかった。
にも変形しにくいために融着面間を完全に密着させるに
は、より高温に加熱して処理しなければならず、コスト
高になるという課題があった。しかも、粘性の高い石英
ガラス同志の融着は未融着部分を発生させることが多
く、前記未融着部分が存在すると、急激な温度変化によ
ってその部分に割れが発生することがあった。この未融
着部分の発生を防止するため、接合すべき融着面の徹底
した鏡面仕上げが不可欠とされていた。この作業は、こ
の種のヒータ製作において、高い加工コストを必要とす
るものであり、安価なヒ−タの製造を阻害するものであ
った。
み、発熱体を石英ガラス等の支持部材内に封入する際の
石英ガラス部材の融着一体化について種々検討した。そ
の結果、一体化すべき石英ガラス部材の一方を、融着加
工温度付近で特定値以上の粘性を有する高粘性石英ガラ
スとし、他方を、該高粘性石英ガラスに対し特定割合の
粘性値を有する低粘性石英ガラスとすることによって、
使用時の過度の部材変形を抑止すると共に、両部材の融
着を容易に行え、安全かつ確実に石英ガラスを接合一体
化できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成
した。
なされたものであり、発熱体を石英ガラス支持体内に容
易に、かつ確実に封入することができ、しかも安価に製
造でき、半導体製造プロセスにおけるウエハ等の熱処理
用等にに好適に使用されるダスト発散等が抑制されたク
リーンで高耐久性の発熱体封入ヒータを提供することを
目的とするものである。
入ヒータは、平坦面上に形成された溝内に発熱体を配設
した第1の石英ガラス部材と、前記部材の平坦面に密着
可能に形成された平坦面を有する第2の石英ガラス部材
との、前記平坦面同志を融着させて一体化した発熱体封
入ヒータであって、前記第1の石英ガラス部材の143
0℃における粘性が3.0×1010ポイズ以上、かつ、
前記第2の石英ガラス部材の粘性が、前記第1の石英ガ
ラス部材の粘性の0.05乃至0.85倍であることを
特徴としている。
mのカーボンファイバーを束ねたファイバー束を複数束
編み上げてなる編紐形状のカーボンワイヤー発熱体であ
ることが望ましい。また、前記カーボンファイバーの含
有不純物量が灰分重量として10ppm以下であること
が望ましい。発熱体を上記構成にすることによって、ヒ
ータ部材としての高温時の引張強度が確保され、またカ
ーボンファイバーの密着性がその長さ方向において均一
になり、よって長さ方向での発熱ムラが低減される。
の各々の直径を5〜15μmとしたのは、5μm未満で
は1本1本のファイバーが弱く、これを束ねて所定の縦
長形状に編み込んだ発熱体とすることが困難となる。ま
た、ファイバーが細いため、所定の抵抗値を得るための
ファイバー本数が多くなり実用的でない。また、15μ
mを超える場合には、柔軟性が悪く複数本束ねたカーボ
ンファイバー束を編み込むことが困難なばかりか、カー
ボンファイバーが切断され、強度が著しく低下する、と
いった不具合が生ずるためである。
で10ppm以下に制限したのは、不純物が10ppm
を超えると、微量の酸素でも酸化され易くなり、このた
めに異常発熱を起こし易くなるからである。実際、不純
物が灰分で10ppmを超える場合には、800℃の大
気中で10分間で異常発熱を起こし、窒素中に100p
pmの酸素が存在する雰囲気においては800℃で10
時間使用すると異常発熱を起こすことが確認されてい
る。
合には、窒素中に100ppmの酸素が存在する雰囲気
において800℃で50時間以上使用しても異常発熱を
起こさないこと、及び、800℃の大気中においては1
0分未満であれば異常発熱を起こさないことが確認され
ている。なお、不純物は灰分で3ppm以下であること
がより好ましい。この場合には、特に異常発熱を抑える
効果が大きくなり、より長寿命化を達成できる。
ンファイバーを100〜800本を束ねて、この束を3
本以上、好ましくは6〜12本束ねてワイヤー形状やテ
ープ形状のような縦長形状に編み込んだものであること
が好ましい。カーボンファイバーを束ねる本数が100
本未満では所定の強度と抵抗値を得るために6〜12束
では足りなくなり、編み込みが困難である。また、本数
が少ないために部分的な破断に大して編み込みがほぐ
れ、形状を維持することが困難となる。また、前記本数
が800本を超えると、所定の抵抗値を得るために束ね
る本数が少なくなり、編み込みによるワイヤー形状の維
持が困難となる。
抗値を1〜20Ω/m・本とすることが好ましい。その
理由は、一般的な半導体製造装置用加熱装置において、
従来からのトランス容量にマッチングさせる必要がある
からである。すなわち、抵抗値が20Ω/m・本を超え
る場合には、抵抗が大きいためヒータ長を長くとること
ができず、端子間で熱が奪われて温度むらが生じ易くな
る。
は、反対に抵抗が低いためヒータ長を必要以上に長くと
らなければならず、カーボンワイヤーやカーボンテープ
のような細長のヒータ部材の組織むらや雰囲気のむらに
より温度のばらつきが生じる虞れが大きくなる。尚、上
記発熱体の1000℃での電気抵抗値は、上記特性をよ
り高い信頼性で得るためには、2〜10Ω/m・本とす
ることがより好ましい。
が、前記第1の石英ガラス部材の粘性の0.35乃至
0.55倍であることが望ましく、また第1の石英ガラ
ス部材が、前記平坦面を有する厚さ3乃至20mmの石
英ガラス部材であって、平坦面に深さ2〜5mmの溝が
形成されている石英ガラス部材であることが望ましい。
更に、前記第2の石英ガラス部材が、前記平坦面を有す
る厚さ1乃至5mmの薄肉体からなることが望ましい。
の石英ガラス部材の平坦面上の溝内に発熱体が配設され
ていること、また第1の石英ガラス部材が特定値以上の
粘性を有する高粘性石英ガラス部材であること、更に、
第1の石英ガラス部材と融着する第2の石英ガラス部材
が、第1の石英ガラス部材である高粘性石英ガラスに対
し特定割合の粘性を有する低粘性石英ガラス部材である
ことが顕著な特徴である。
タは、発熱体を石英ガラス支持部材内に封入するに際
し、前記発熱体が収容配置される溝を備えた主部材、即
ち前記第1の石英ガラス部材には前記特定高粘性石英ガ
ラスを用い、それを封じる封止用蓋部材、即ち前記第2
の石英ガラス部材には前記特定の低粘性石英ガラスを用
いることにより、融着時、使用時における過度の変形を
防止したものである。また、本発明にかかる発熱体封入
ヒータは、接合面に未融着部分を極力抑制して所定形状
に一体化し、急激な温度変化による割れを防止したもの
である。更にまた、接合すべき融着面の徹底した鏡面仕
上げを不要とし、安価にヒ−タを製造することができる
ものである。
は、細いカーボンファイバーを束ねたファイバー束を複
数束編み上げてなる編紐、あるいは組紐形状のカーボン
ワイヤーを発熱体として用いている点が顕著な特徴であ
る。
は、細いカーボンファイバーを束ねて編み上げたもので
あるため、従来この種の発熱体封入型ヒータに用いられ
ている線状、板状、細帯状等に形成されたむくのカーボ
ン材から成る発熱体に比べて自由度に富み、発熱源とし
ての構造、形状をその目的に最も適合するように自在に
配置することができる。また、局所的な温度ムラを極力
抑えることができ、また石英ガラスと接触しても、反応
して劣化することが少ないため、耐用性に優れている。
更に、前記したように、発熱体が含有不純物として灰分
基準で10ppm以下のカーボンファイバーからなる場
合には、カーボンワイヤー発熱体の局部的異常発熱を抑
制することができ、ウエハ等の熱処理に好適に使用する
ことができる。
更に詳細に説明する。なお、図1及び図2は、本発明の
発熱体封入ヒータの一実施形態を示す図であり、図1は
平面図、図2は図1のX−X線での断面図を示す。図
1、2に示されている発熱体封入ヒータ1は、加熱面が
矩形平板状に形成されており、石英ガラス支持体2内に
カーボンワイヤー発熱体3が封入された構造になってい
る。前記石英ガラス支持体2は、図2に示されているよ
うに、前記カーボンワイヤー発熱体3の周辺部に実質的
に中空の空間が形成されており、この空間部を除いて、
一体化された構造となっている。なお、図中、符号3a
は端子である。
複数本のカーボンファイバーを束ねたファイバー束を複
数束用いてワイヤー状に編み込んだもの等を用いる。前
記カーボンワイヤー発熱体3は石英ガラス支持体2の面
に、いわゆるジグザグ形状に配置されている。なお、前
記カーボンワイヤー発熱体3の平面配置パターンは、前
記のようにジグザク形状に配置するものに限定されず、
渦巻状やその他の形状でも良い。また、ヒータ形状も矩
形平板状に限られるものではなく、円形平板状などのそ
の他の形状でもよい。
しては、直径5乃至15μmのカーボンファイバー、例
えば、直径7μmのカーボンファイバーを約300乃至
350本程度束ねたファイバー束を9束程度用いて直径
約2mmの編紐、あるいは組紐形状に編み込んだもの等
を挙げることができる。前記の場合において、ワイヤー
の編み込みスパンは2乃至5mm程度、カーボンファイ
バーによる表面の毛羽立ちは0.5乃至2.5mm程度
である。なお、前記毛羽立ちとは、図10の符号3aに
示すように、カーボンファイバーが切断されたものの一
部が、カーボンワイヤーの外周面から突出したものであ
る。
このようなカーボンワイヤー発熱体3を複数本用いても
良く、複数本用いた場合は、発熱特性に関わる品質をよ
り安定させることができる。発熱性状の均質性、耐久安
定性等の観点及びダスト発生回避上の観点から、前記カ
ーボンファイバーは、高純度であることが好ましく、特
に、ヒータ1が、半導体製造プロセスにおけるウエハ等
の熱処理用に用いられるものである場合には、カーボン
ファイバー中に含まれる不純物量が灰分重量として10
ppm、より好ましくは3ppm以下であることが好ま
しい。
前の組立状態を示す断面図である図3に示すように、カ
ーボンワイヤー発熱体3が内部に収容される溝4を上面
に形成した板状石英ガラス部材(主部材)2bと、前記
溝4を上から封止するための蓋部を構成する石英ガラス
部材(封止用蓋部材)2aとから形成される。すなわ
ち、石英ガラス支持体2は、板状石英ガラス部材(主部
材)2bと蓋部を構成する石英ガラス部材(封止用蓋部
材)2aとを、カーボンワイヤー発熱体3を前記溝4内
に配設し、前記溝4内を非酸化雰囲気とした後、両部材
の接合面で融着して作製したものである。
する石英ガラス材として、その溶融軟化温度、即ち、1
430℃における粘性が3.0×1010ポイズ以上、よ
り好ましくは3.1×1010乃至3.4×1010ポイ
ズ、の高粘性石英ガラスを選択して使用する。前記主部
材2bを構成する石英ガラスには、半導体の熱処理等の
用途に用いる加熱用ヒータ1の発熱体支持部材として、
高温での安定した形状保持性、即ち所定温度での耐熱変
形性を備えることが必要とされるからである。また、封
止用蓋部材2aを構成する石英ガラス材として、その粘
性が、前記主部材2bの粘性の0.05乃至0.85
倍、特に好ましくは、0.35乃至0.55倍、の範囲
にある低粘性石英ガラスを使用する。
スに、封止用蓋部材2aの特定低粘性石英ガラスを組み
合わせることにより、両者の融着時に過度の変形が生ず
ることなく、しかも接合面に未融着部分が生ずることな
く所定形状に一体化することができる。また、未融着部
分の存在が極力抑制されるため、急激な温度変化にる割
れが防止される。なお、接合すべき融着面の徹底した鏡
面仕上げは不要となり、ある程度の鏡面仕上げで十分に
融着することができる。
ラスの粘性が、主部材2aに用いる石英ガラスの粘性の
0.05倍より小さい場合は、融着時の粘性が低すぎる
ため、封止用蓋部材2aが撓んで、主部材2bの発熱体
を収容する溝4の上面から内部に垂れ下がってしまい、
溝4内に収容配置されているカーボンワイヤー発熱体3
と接触する。そして、この接触部において、石英ガラス
(SiO2 )とカーボンワイヤー発熱体3の炭素(C)
とが高温で反応して発熱体自体や溝部4の石英ガラスの
劣化を招来し、この結果、発熱体3の長さ方向における
発熱ムラを生じさせたり、その耐久性を低下させる。し
たがって、封止用蓋部材2aに用いる石英ガラスの粘性
が、主部材2bに用いる石英ガラスの粘性の0.05倍
以上が好ましく、特に、主部材2aに用いる石英ガラス
の粘性の0.35倍以上が好ましい。
溝4の内部において主部材2bとも接触している。しか
し、カーボンワイヤー発熱体3のカーボンワイヤー外周
面には毛羽立ち3aが存在する。この毛羽立ち3aはカ
ーボンワイヤーが切断されたものが外周面から突出した
ものであり、前記カーボンワイヤー発熱体3は、溝4の
内部において、毛羽立ち3aのみが主部材2bと接触
し、カーボンワイヤー発熱体3の本体は接触していな
い。そのため、前記したような石英ガラス(SiO2 )
とカーボンワイヤー発熱体3の炭素(C)との高温で反
応が極力抑えられ、石英ガラス質の劣化、カーボンワイ
ヤーの耐久性の低下は抑制されている。これに対し、封
止用蓋部材2aの粘性が低すぎると、前記したように主
部材2bの発熱体を収容する溝4の上面から内部に垂れ
下がってしまい、溝4内に収容配置されているカーボン
ワイヤー発熱体の本体と接触しするため、カーボンワイ
ヤー発熱体3の寿命を短くする。
スの粘性が、主部材2bに用いる石英ガラスの粘性の
0.85倍より大きい場合は、既に述べたように両部材
に同質の石英ガラスを用いるのと同じ状態となり、接合
すべき融着面の徹底した鏡面仕上げが必要となるばかり
でなく、石英ガラス支持体2の形状を所定に維持して接
合部を完全融着することが困難となる。したがって、封
止用蓋部材2aに用いる石英ガラスの粘性が、主部材2
bに用いる石英ガラスの粘性の0.85倍以下が好まし
く、特に主部材2bに用いる石英ガラスの粘性の0.5
5倍以下が好ましい。
蓋部材2a及び主部材2b、特に、封止用蓋部材2a
は、肉厚が1乃至5mmの範囲にある薄肉体であること
が好ましい。前記肉厚が、1mm未満では、封止用蓋部
材2aが変形し、本発明の発熱体封入ヒータ1上面に凹
凸が形成されてしまい、ヒータ1の面内均一発熱性が損
なわれる危険性が生ずる。一方、肉厚が5mmを越える
場合には、発熱体3からヒータ1加熱面である上面迄の
間隔が長く、ヒータ1上部の熱容量が大きくなるため
に、熱効率及び熱伝達の応答性が不十分となってしま
う。
うに発熱体3収容溝4の厚さを含まない主部材2bの厚
さt2 は、封止用蓋部材2aの厚さt1 にほぼ等しく設
定されている。しかし、両部材2a、2bが必ずしも同
一の厚さを有する必要はなく、図6、図7に示したヒー
タ1のように、この主部材2bの厚さt2 を厚く、封止
用蓋部材2aの厚さt1 を薄く、例えば、t1 の厚さ
を、t2 の厚さ(発熱体収容溝の厚さを含まない)の1
/2以下としても良い。このような厚さ比を有するヒー
タ1は、発熱体3とヒータ上面との距離が短く電熱応答
を速くでき、ヒータ主部が厚いため全体が変形し難く、
かつ、ヒータ1の底面温度が上面温度ほど高くならない
利点がある。
bの厚さt2 が3mm乃至20mmであるのが好まし
い。主部材2bの厚さt2 が20mmを越えると熱容量
が大きくなるため電熱応答が遅くなり、また主部材2b
の厚さt2 が3mmより小さいと機械的強度が不足する
ためである。なお、このとき主部材2bに形成される溝
4の深さdは2mm乃至5mmである。
微細閉気孔を有する不透明(または発泡)石英ガラス部
材2cをヒータ面の反対側に配設した形態としても良
く、この不透明石英ガラス部材2cにより輻射熱のヒー
タ1の下部への伝達が抑制される。
入ヒータ1作製における石英ガラス部材等の融着処理に
付いて説明する。図4に示すように、カーボン製の下部
材5の上に石英ガラス板2b(主部材)と2a(封止用
蓋部材)を配置し、その上にカーボン製の上部材6を載
せ、更にその上にカーボン材からなる重り7を載せて熱
処理炉内にセッティングする。なお、下部材5の上面
と、上部材6の下面には、鏡面加工が施されている。
に用いられるものである場合には、これらのカーボン部
材は全て、不純物5ppm以下の純化品を使用する。ま
た、本発明における融着処理において、石英ガラス各部
材が完全に融着し、支持体が一体化するためには、上記
カーボン部材が均質であること及び石英ガラス部材と接
する部分の表面粗度が適当であることが重要である。こ
の表面粗度と均質性を適切なものとするには、例えば、
上記カーボン材に開気孔率が15%以下で、かつ嵩密度
が1.8乃至2.0g/cm3 のものを用い、これをバ
フ研磨乃至鏡面研磨して仕上げる。これによって、カー
ボン部材による石英ガラス支持体への均一な加圧が可能
となり、また石英ガラスとカーボンの熱膨張係数の違い
に伴う製造時の石英ガラス中への熱歪みの残留を防止す
ることが可能となる。
ち、1300乃至1600℃で0.5乃至5時間熱処理
して、2枚の石英ガラス板2a、2bの接合面を融着す
る。この熱処理は温度が低い時は長く、高い時は短く
し、状況に応じて適宜変更して行う。この工程におい
て、カーボンワイヤー発熱体の周囲の雰囲気、即ち溝内
の雰囲気は、減圧あるいは非酸化性雰囲気になるように
する。冷却に際しては、石英ガラスの歪み点である11
50℃付近での冷却を穏やかに行う。1150℃付近で
の冷却速度は、例えば50乃至150℃/時間程度の設
定する。このような熱処理によって、石英ガラス支持体
2、即ち、2枚の石英ガラス2a、2bの接合面全体を
融着して実質的に一体化する。即ち、上記カーボンワイ
ヤー発熱体3の周辺部に実質的に中空の空間が形成され
ており、この空間部を除いて実質的に一体化される。
する方法、つまり、外部からの加熱手段を採用している
が、これのみならず、所定炉内で石英ガラス板をカーボ
ン部材によって挟み、石英ガラス板中のカーボンワイヤ
ーを通電発熱させ、石英ガラス板を融着する方法を採用
することができる。このような内部からの加熱手段によ
る加熱であると石英ガラス板の外周からではなく、中心
側より融着が進むため、石英ガラス板間に存在するガス
を融着時に取り込んで、気泡を残存させる不都合を避け
ることができる。また、例えばカーボン部材の替わりに
AlN等の部材によって挟み、高周波誘導加熱によって
石英ガラス板中のヒータ1部材を発熱させる方法等を採
用することもできる。
1の使用態様を例示したものである。カーボンワイヤー
発熱体3の端部が、ヒータ面1aに対してほぼ垂直に引
き出され、カーボン端子20を介してMo端子線21に
接続されている。これらは石英ガラス管24内に配置さ
れている。そして、Mo端子線21はMo箔22を介し
て2本のMo外接線23に接続されている。なお、Mo
箔22はピンチシールされている。
ガラス板試料A、B、C(50×50×3t mm)を用
意した。
この測定方法は、ビームベンディング法(石英ガラス試
料に3点曲げ荷重をかけ熱処理後の撓み変形値から、粘
性を換算により算出)により行った。なお、このときの
測定温度は、1430℃である。そして、上記A、B、
C3種の石英ガラス試料板の一面を鏡面研磨加工し、融
着温度1430℃、融着時間2時間、炉圧0.1tor
r、融着時加重0.1kg/cm2 の件下に同種試料板
の前記研磨面同志、及び異種試料板の研磨面同志を融着
した。各試料の組合せによる融着状態を表2に示す。
熱体を封入する支持部材が、特定値以上の粘性を有する
高粘性石英ガラス部材と、前記高粘性石英ガラスに対し
特定割合の粘性値を有する低粘性石英ガラス部材とを融
着接合してなるため、粘性特性の同じ石英ガラスを融着
する従来の場合とは異なり、融着時、使用時において過
度の変形を生ずることがなく、また接合面に未融着部分
が生ずることもない。また未融着部分の存在が極力抑制
されるため、急激な温度変化による割れが防止される。
更にまた、接合すべき融着面の徹底した鏡面仕上げは不
要となり、安価にヒ−タを製造することができる。
は、細いカーボンファイバーを束ねたファイバー束を編
み上げてなるカーボンワイヤーを発熱体として用いてい
るため、従来この種のヒータに用いられているむくカー
ボン材から成る発熱体に比べてフレキシビリティーに富
み、発熱源としての構造、形状をその目的に最も適合す
るように自在にアレンジすることができる利点を有す
る。また、本発明にかかる発熱体封入ヒータは、細いカ
ーボンファイバーを束ねたファイバー束を編み上げてな
るカーボンワイヤーを発熱体として用いているため、局
所的な温度ムラを極力抑えることができ、また石英ガラ
スと接触しても、反応して劣化することが少ないため、
耐用性に優れている。更に、発熱体が含有不純物として
灰分基準で10ppm以下のカーボンファイバーからな
る場合には、カーボンワイヤー発熱体の局部的異常発熱
を抑制することができ、ウエハ等の熱処理に好適に使用
することができる。
ータは、目的とする所定形状に完全融着されているた
め、均熱性、昇降温制御性及び清浄性に優れ、かつ耐久
性にも極めて優れている。
態を示す平面図である。
ある。
状態を示す断面図である。
る。
る。
立状態を示す断面図である。
形態を示す断面図である。
状態を示す断面図である。
形態を示す断面図である。
られるカーボンワイヤー発熱体を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 平坦面上に形成された溝内に発熱体を配
設した第1の石英ガラス部材と、前記第1の石英ガラス
部材の平坦面に密着可能に形成された平坦面を有する第
2の石英ガラス部材との、前記平坦面同志を融着させて
一体化した発熱体封入ヒータであって、 前記第1の石英ガラス部材の1430℃における粘度が
3.0×1010ポイズ以上、かつ、前記第2の石英ガラ
ス部材の粘性が、前記第1の石英ガラス部材の粘性の
0.05乃至0.85倍であることを特徴とする発熱体
封入ヒータ。 - 【請求項2】 前記発熱体が、直径5乃至15μmのカ
ーボンファイバーを束ねたファイバー束を複数束編み上
げてなる編紐形状、あるいは組紐形状のカーボンワイヤ
ー発熱体であることを特徴とする請求項1に記載された
発熱体封入ヒータ。 - 【請求項3】 前記カーボンファイバーの含有不純物量
が灰分重量として10ppm以下であることを特徴とす
る請求項2に記載された発熱体封入ヒータ。 - 【請求項4】 前記第2の石英ガラス部材の粘性が、前
記第1の石英ガラス部材の粘性の0.35乃至0.55
倍であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
れかに記載された発熱体封入ヒータ。 - 【請求項5】 前記第1の石英ガラス部材が、前記平坦
面を有する厚さ3乃至20mmの石英ガラス部材であっ
て、平坦面に深さ2〜5mmの溝が形成された石英ガラ
ス部材であること特徴とする請求項1乃至請求項4のい
ずれかに記載された発熱体封入ヒータ。 - 【請求項6】 前記第2の石英ガラス部材が、前記平坦
面を有する厚さ1乃至5mmの薄肉体からなることを特
徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された
発熱体封入ヒータ。
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