JP2000163795A - 情報記録装置及び情報再生装置 - Google Patents
情報記録装置及び情報再生装置Info
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Abstract
る。 【解決手段】基板3上に複数の記録層1を積層した記録
媒体4と、複数の記録層1のそれぞれに基板3側から光
を収束させて情報を3次元的に記録または再生する光学
系を有する3次元記録再生装置において、 λ/4≦(1/8NB)(1/NB2−1)NAF4Δd ただし、λ :光の波長 NB :基板3の屈折率 NAF:光を収束させる絞り込みレンズ8の開口数 Δd :光を収束させるべき記録層が存在する光軸方向
の位置範囲 を満足することを特徴とする3次元情報記録再生装置。 【効果】多層膜構造のディスクの各層に光スポットを絞
り込み、高い信頼性を持って、データの高密度記録再生
できる。
Description
ープ,光カードなどの光学的情報記録装置及び情報再生
装置に係り、特に高記録密度を目的とした情報記録装置
及び情報再生装置に関する。
の方法は、従来2次元的な記録媒体平面上の記録面密度
を向上させることであった。しかし、装置の小型化から
ディスクなどの情報記録媒体の大きさは限定され、平面
上での高密度化では限界が生じる。
化を達成させる方法として、深さ方向を含めた3次元記
録再生方法が必須である。3次元記録再生では、公知例
「特開昭59−127237号」に示すように、多層膜構造のデ
ィスクを設け、各層に光スポットを絞り込み、データの
記録再生する手段がある。しかし、この公知例では、具
体的ディスク構造,光学定数の規定、さらには、記録条
件の設定方法は述べられておらず、信頼性のある記録が
困難である。また、データの読みだし方法についても、
受光光学系の構成が不明瞭であり、信頼性のある再生が
困難である。
開昭60−202554号」では、各層に回折限界の光スポット
を形成するためのディスク膜厚,焦点あわせの方法につ
いて述べている。しかし、前者については、明瞭な規定
が与えられていない。また、後者については、焦点あわ
せの原理について述べているが、実際に目標の層に焦点
を合わせるためのアクセス方法については述べられてい
ない。さらに、ディスク作成法として、トラッキングの
ための案内溝を公知例では不可能としており、各層ごと
にレーザ露光する方法を示しているが、この方法では、
生産性がない。本発明の目的は、記録過程,再生過程に
おいて安定に記録再生できる光スポット絞り込み光学
系,ディスク構造,光検出光学系を検討し、さらに、特
に問題となる隣接層間のクロストークを抑制する符号化
方式,クロストークキャンセル方式、さらに、3次元デ
ータフォーマット、それに伴うディスク作成方法,3次
元アクセス方法を検討することである。
に、局所的な光照射によって、光学的性質が局所的に変
化する記録膜層と、記録膜層の働きの補助として反射防
止,多重反射,光吸収,記録膜層の光学的局所変化の転
写,断熱,吸熱,発熱または補強を目的とした層、また
は層の重ねあわせである中間層膜を光学的に透明な基板
の上に多層に積み重ねたディスクを有し、各層に絞り込
まれた光スポット照射によって各層の局所的光学的性質
を2次元的に(独立に)変化させることで、変調後のデ
ータ“1”,“0”に対応した記録を行う。さらに、上
記局所的光学的性質の変化を各層への光スポット照射に
よって反射光量(または透過光量)の変化として検出
し、データを再生する3次元記録再生装置において、 1.ディスクの構造を、光学的に透明な基板の屈折率を
NB、厚さをd0とする。さらに、中間層と記録膜層を
一つの層として区ぎり、上層から順に1からN層割り当
てる。各層間の距離は隣あう記録膜層k番目と(k−
1)番目の膜厚中心間の距離dkで示す。また、任意の
k番目の記録層と中間層の膜厚をdFk,dMkさらに屈折
率の実数部をそれぞれ、NFk,NMkとする。また、
各層の平面上での局所的光学的性質の変化の周期b[μ
m]とする。絞り込み光学系は、光源として、例えば波
長λ[μm]の半導体レーザを用い、コリメートレンズ
によって、平行光に変換し、偏向ビームスプリッタを介
して、絞り込みレンズに入射させる。ここで、絞り込み
レンズの開口数をNAF,有効半径をa[mm],焦点距
離をfF(≒a/NAF)とする。また、ディスクから
の反射光は、絞りレンズを通り、ビームスプリッタによ
って受光用の像レンズに導かれる。像レンズの焦点付近
に位置する光検出器によって、反射光量の変化を電気信
号に変換する。像レンズの開口数をNAI,焦点距離を
fI(≒a/NAI)とする。光検出器の受光面直径を
Dとした場合、k番目の層を目標層とし、焦点を合わせ
たときの目標層からの反射光は、像レンズの焦点位置に
結像され、この焦平面上のスポット径Uk′は、 Uk′=λ/NAI=λ×(fI/a) m;受光光学系の横倍率 次に、k番目の目標層から層間距離d離れた隣接層(k
±1)番目の層からの焦平面でのスポット径U(k±
1)′は、 上式より光検出器の直径Dを、 D=Uk′=λ/NAIとし、 検出される他の層からの反射光量は、目標k層と他のj
層の間の透過率δjk、及び反射率の比αjkとして光検
出器での、n層からの反射受光量をInとすると
る。
nを(λ/NAF)とし、2次元周期bの最大値bma
xを(d×NAF)よりも小さくする。
記録再生を行う目標層面内と、光学的距離d[μm]離
れた隣接層面内のそれぞれの光学的特性関数(OTF)
H0(S),H1(S)を図4にそれぞれ、直線13,直
線14で示す。
的特性関数H1(S)について、H1(S)=0となるS
より、上記周期bの最大繰返しbmaxを規定する。この
ように、層面上の局所的光学的性質の変化の周期bとデ
ィスク構造、及び受光光学系の関係を規定することで、
層間クロストークの成分を局所的光学的性質の変化の周
期bよりも、長くする。
(2d×NAF)の領域に含まれる局所的光学変化(マ
ーク)の領域の総面積が常に一定値である符号を用い
る。
NBであるとする。多層ディスクのN層番目までの厚さ
dが
W40について W40=|(1/(8×NB))×((1/NB2)−1)×NAF4×Δd| (数3)
層の厚さdk,総数Nを組み合わせる。なお、W40の
右辺の絶対値の中は通常は負となる(NB≧1の場
合)。
数は、透過率Tk,反射率Rk,吸収率Akとする。こ
こで、Tk+Rk+Ak=1の関係が成り立つ。記録に
よって、局所的光学的性質が変化した場合の光学定数に
は、以下、ダッシュ記号「′」で表わす。一般に、熱記録
における、熱構造変化が生じるためには、必ずエネルギ
ーしきい値Eth[nJ]が存在する。記録目標層に回
折限界に絞り込まれた光スポットが線速度V[m/s]
でディスク上を走査している。
を局所的に生じさせるために、ディスクに入射する光強
度P(記録パワー)[mW]、ここで、線速度Vと照射
時間tが与えられた場合、各層の記録膜についての光強
度密度しきい値Ith[mW/μm2]とする。
強度密度Ikについて、スポット径はλ/NAFである
から、 Sk;k層に焦点をあわせた場合での1/e2スポット
面積 Sk=π(0.5×λ/NAF)2 k層における光強度Pk[mW]は
記録層の間の透過率である。
は1層までの透過率) (数6)式より、k層で記録できるために必要な最小の
記録パワーPminは、 Pmin≧Ikth×Sk/δk (数7) また、k層に記録を行うため、k層に焦点を合わせた時
の、j層での光強度密度Ijk[mW]は
ないため記録パワーの上限Pmaxは次式で与えられる。
ット面積であり、
ように絞り込み光学系,ディスク構造,記録条件を設定
する。
録再生する層と共に、ROM(Read Only Memory)層ま
たはWOM(Write Once Memory)を設ける。
タ状態、例えば、データの有無,エラー管理,有効なデ
ータ領域,書替え(オーバーライト)回数を随時、記録
しておく。
りを検出した層のかわりに情報を入れる。
おける管理フォーマットとして、セクタとトラックを設
け、1→k→N層と上層から順に記録を行う。ただし、
各層ではすべてのユーザセクタとトラックに情報を記録
してから次の層に記録する。
行う。ただし、各層ではすべてのユーザセクタとトラッ
クに情報を記録してから次の層に記録する。
ラックに情報を記録してから次の層に記録するが、記録
する層の順番はランダムアクセスとする。
スとするが、ひとつの層においてある当該セクタ内にす
べてデータ記録してから、次の層の当該セクタを埋めて
いき、すべての層の当該セクタを埋めてから、次のセク
タのデータを記録する。
ンダムアクセスを行う。この場合、セクタによる固定ブ
ロック管理ではなく、可変長ブロックを適用する。
機構として、絞り込みレンズを層方向とディスク半径方
向に駆動する2次元アクチゥエータ、または、絞り込み
レンズを層方向だけに駆動する1次元アクチゥエータと
絞り込みレンズに入射させる光束をディスク半径方向に
偏向するガルバノミラーを組み合わせたものにおいて、
レイヤー番号検出回路において、プリフォーマット部に
ある層アドレスを 読み取るとることで現在いる層の番
号を認識し、現在焦点を結んでいるj番目の層から上位
コントローラからの指令であるk番目の目標層まで、上
下どちらの(sign(k−j))方向に、どれだけの
(|k−j|)層数をスポット移動させれば良いかを認
識し、レイヤージャンプ信号発生回路にジャンプ強制信
号を発生させ、AFアクチゥエータドライバに入力させ
る。
1層間の移動にたいし、+−極性のパルスの1対のパル
スで構成され、上下の移動方向によって、+−のパルス
を入れ替わる。先頭のパルスはスポットを移動方向にお
よそ移動距離分だけ駆動させるために用い、次の極性反
転パルスはスポットが行き過ぎないように静定するため
のものである。また、移動する層数の対のパルスをドラ
イバ回路に入力する。次に、レイヤー番号を検出し、j
=kとなることを確認する。
のゼロクロスパルスと、総光量パルスをゲートとして用
い、各記録層についての合焦点検出を検出するクロスレ
イヤー信号検出回路を設ける。
ルスと総光量パルス、2種のパルスからアップパルスと
ダウンパルスを生成しカウントすることで、常にレンズ
がどの層に位置づけられているかを認識し、ディスクに
対してレンズが移動する方向を認識する。
ク最上層から、最下層まで少なくとも移動するように、
AFアクチゥエータ移動信号発生回路からのこぎり波を
発生させ、AFアクチゥエータを駆動する場合におい
て、上記クロスレイヤー信号検出回路により、N個の層
の合焦点をカウントし、レンズを上側に移動させたとき
のアップパルスの上限から、最上層(n=1)または、
レンズを下側に移動させたときのダウンパルスの下限か
ら、最下層(n=N)を認識し、ディスク層方向におけ
る焦点位置を常に認識する。
に安定に記録する場合、k層までの透過率(ΣTn(n
=0,1,2,…k−1))を考慮して記録パワーP
(光強度)を設定する。
を、層アドレス認識に対して設定する。
荷時(または設計値)のk層までの透過率ΣTn(n=
0,1,2…k−1)と、記録直前のk層までの透過率
ΣT′n (n=0,1,2,…k−1)の比、すなわ
ち透過率の変化分Gを考慮して記録パワーを設定する。
理層を設け、どの層が記録されているのかを記録し、目
標層記録前に管理層を再生して、記録直前のk層までの
透過率ΣT′(k−1)を認識し、透過率の変化分Gを
認識する。
前に、あらかじめ記録すべき領域を再生し、透過率の変
化Gを求める。
べき領域を再生する方法としては、記録モードで初めの
ディスク1回転で再生チェックを行ってから、次の回転
で記録を行い、次の回転で記録エラーチェックを行う。
い、先行スポットで上記再生チェックを行う。
は、先行スポットについての受光した再生信号C′k
(t−τ)を用いる。ここで、τは、先行スポットと記
録用スポットのスポット間距離を時間換算したものであ
る。ここで、透過率変化分Gを、記録目標層であるk層
に焦点を合わせた状態での再生信号Ck′とディスク出
荷時での設計上の再生信号Ckとの比の平方根として求
める。
は、再生信号Ckの値は、ディスクフォーマットとし
て、あらかじめチェック領域として、層方向に対して記
録しない領域をディスク面内に設けておく。
検出器については、請求項1の形状にする。
て、目標層からの反射光成分の検出に加え、特に層間ク
ロストークの大部分を占める隣接層からの反射光成分も
検出し、両者が互いに含んでいる成分を演算によって取
り除く。
を、k層に焦点を合わせたときの受光面側での目標層
k,隣接層(k+1),(k−1)の結像面に位置づけ
る。光検出器の形状は、直径D=(λ/NAI)とす
る、または、ピンホールによる受光面積の制限を行い、
k層の光検出器についての再生信号Ck,(k−1)層
の光検出器についての再生信号C(k−1)と(k+
1)層の光検出器についての再生信号C(k+1)につ
いて、次式の演算を行う。
に対する比C(k−2)R,C(k+2)Rは、十分小
さく、周波数成分も低いので無視できる。よって、 F≒(1−2γβ)×CkR+(β−γ)×C(k−
1)R+(β−γ)×C(k+1)R ここで、演算係数γ≡β<1とすると、 F≒(1−β2)×CkR 上式の演算機能を用いたことによって、目標層の信号成
分だけを求める。
いる。k層に焦点づけた時の隣接層上の焦点ずれスポッ
トと同じスポット径のスポットを2つの隣接層に、スポ
ットに先行させて走査し、再生信号を求め、項30の演
算を行う。
に、絞りを挿入して、絞り込みレンズについての実効的
開口を小さくする。すなわち、有効径a′を[λ/(2
d×NAF2)×a]にする。
て、先行する2つの光学系の絞り込みレンズの開口数を
小さくする、すなわち、NAF′=λ/(2d×NA
F)とする。
の再生信号にスポットの強度分布であるガウシアン分布
を三角分布に近似して得られる重み関数を掛けて積分を
行う。 35.項30において、各演算係数γ(≡β)を設定す
る重み設定回路において、ディスクフォーマットとし
て、少なくても上下3層間でマーク記録領域が、同一光
束に含まれないように配置し、h(k−1)/hk,h
(k+1)/hをβ(−1),β(+1)とする。
い、各々の層について焦点を合わせることで、2つ以上
の層について同時に記録再生を行う、すなわち、並列記
録再生を行う。
加する記録媒体を用いる。
る各層面内の案内溝,アドレス等のプリピットは、各層
ごとに紫外線硬化樹脂層に設け、各層ごとに透明な型を
用いて型の面から光を入射させる2P法によって形成す
る。
長板層を設ける。
所的に変化する記録膜層と、記録膜層の働きの補助とし
て反射防止,多重反射,光吸収,記録膜層の光学的局所
変化の転写,断熱,吸熱,発熱または補強を目的とした
層、または層の重ねあわせである中間層膜を光学的に透
明な基板の上に多層に積み重ねたディスクを有し、各層
に絞り込まれた光スポット照射によって各層の局所的光
学的性質を2次元的に(独立に)変化させることで、変
調後のデータ“1”,“0”に対応した記録を行い、さ
らに、上記局所的光学的性質の変化を各層への光スポッ
ト照射によって反射光量(または透過光量)の変化とし
て検出し、データを再生する3次元記録再生装置におい
て、 1.ディスクの構造を、光学的に透明な基板の屈折率を
NB、厚さをd0とする。さらに、中間層と記録膜層を
一つの層として区ぎり、上層から順に1からN層割り当
てる。各層間の距離は隣あう記録膜層k番目と(k−
1)番目の膜厚中心間の距離dkで示す。また、任意の
k番目の記録層と中間層の膜厚をdFk,dMkさらに屈折
率の実数部をそれぞれ、NFk,NMkとする。また、
各層の平面上での局所的光学的性質の変化の周期b[μ
m]とする。絞り込み光学系は、光源として、例えば波
長λ[μm]の半導体レーザを用い、コリメートレンズ
によって、平行光に変換し、偏向ビームスプリッタを介
して、絞り込みレンズに入射させる。ここで、絞り込み
レンズの開口数をNAF,有効半径をa[mm],焦点距
離をfF(≒a/NAF)とする。また、ディスクから
の反射光は、絞りレンズを通り、ビームスプリッタによ
って受光用の像レンズに導かれる。像レンズの焦点付近
に位置する光検出器によって、反射光量の変化を電気信
号に変換する。像レンズの開口数をNAI,焦点距離を
fI(≒a/NAI)とする。光検出器の受光面直径を
Dとした場合、k番目の層を目標層とし、焦点を合わせ
たときの目標層からの反射光は、像レンズの焦点位置に
結像され、この焦平面上のスポット径Uk′は、 Uk′=λ/NAI=λ×(fI/a) (数14) m;受光光学系の横倍率次に、k番目の目標層から層間
距離d離れた隣接層(k±1)番目の層からの焦平面で
のスポット径U(k±1)′は、 U(k±1)′≒a×m2d/fI =NAI・m2d (数16) 上式より光検出器の直径Dを、D=Uk′=λ/NAI
とし、検出される他の層からの反射光量は、目標k層と
他のj層の間の透過率δjk、及び反射率の比αjkとし
て光検出器での、n層からの反射受光量をInとすると
ることによって、他の層からの反射光の漏れ込みを低減
する。
bminを(λ/NAF)とし、2次元周期bの最大値
bmaxを(d×NAF)よりも小さくする。
記録再生を行う目標層面内と、光学的距離d[μm]離
れた隣接層面内のそれぞれの光学的特性関数(OTF)
H0(S),H1(S)を図4にそれぞれ、直線13,
直線14で示す。
的特性関数H1(S)について、H1(S)=0となるS
より、上記周期bの最大繰返しbmaxを規定する。このよ
うに、層面上の局所的光学的性質の変化の周期bとディ
スク構造、及び受光光学系の関係を規定することで、層
間クロストークの成分を局所的光学的性質の変化の周期
bよりも、長くすることで、目標層の信号成分だけを検
出することができる。
ト径(2d×NAF)の領域に含まれる局所的光学変化
(マーク)の領域の総面積が常に一定値である符号を用
いることによって、目標層を再生しているときに含まれ
る隣接層からのクロストーク成分を直流成分一定値に
し、直流分を取り除くことで目標層の信号成分だけを抽
出する。
NBであるとする。多層ディスクのN層番目までの厚さ
dが
W40について W40=|(1/(8×NB))×((1/NB2)−1)×NAF4×Δd| (数3)
層の厚さdk,総数Nを組み合わせることによって、各
層間での光学的距離が変化することによって生じる球面
収差を許容値内に押さえ、各層において回折限界の光ス
ポットを形成する。なお、W40の右辺の絶対値の中は
通常は負となる(NB≧1の場合)。
光学定数は、透過率Tk,反射率Rk,吸収率Akとす
る。ここで、Tk+Rk+Ak=1の関係が成り立つ。
記録によって、局所的光学的性質が変化した場合の光学
定数には、以下、ダッシュ 記号「′」で表わす。一般
に、熱記録における、熱構造変化が生じるためには、必
ずエネルギーしきい値Eth[nJ]が存在する。記録
目標層に回折限界に絞り込まれた光スポットが線速度V
[m/s]でディスク上を走査している。
を局所的に生じさせるために、ディスクに入射する光強
度P(記録パワー)[mW]、ここで、線速度Vと照射
時間tが与えられた場合、各層の記録膜についての光強
度密度しきい値Ith[mW/μm2]とする。
強度密度Ikについて、スポット径はλ/NAFである
から、 Sk;k層に焦点をあわせた場合での1/e2スポット
面積 Sk=π(0.5×λ/NAF)2 k層における光強度Pk[mW]は
記録層の間の透過率である。
は1層までの透過率) 上式より、k層で記録できるために必要な最小の記録パ
ワーPminは、 Pmin≧Ikth×Sk/δk (数7) また、k層に記録を行うため、k層に焦点を合わせた時
の、j層での光強度密度Ijk[mW]は Pjk=Pk×δjk =P×δj (数9) δjk=Π/Π(=(j番目の層までの透過率/k番目の
層までの透過率))である。
ないため記録パワーの上限Pmaxは次式で与えられる。
ット面積であり、
構造,記録条件を設定することによって、目標層に安定
に記録でき、かつ、その時に他の層を破壊しないための
入射記録パワーを設定する。
録再生する層と共に、ROM(Read Only Memory)層ま
たはWOM(Write Once Memory)を設けることによっ
て、ユーザデータ以外の情報を扱う。
タ状態、例えば、データの有無,エラー管理,有効なデ
ータ領域,書替え(オーバーライト)回数を随時、記録
しておくことをによって、データの更新及び、アクセス
を敏速に行う。
りを検出した層のかわりに情報を入れることによって、
データの信頼性を保証する。
おける管理フォーマットとして、セクタとトラックを設
け、1→k→N層と上層から順に記録を行う。ただし、
各層ではすべてのユーザセクタとトラックに情報を記録
してから次の層に記録することによって、ユーザデータ
記録再生の管理を行う。
行う。ただし、各層ではすべてのユーザセクタとトラッ
クに情報を記録してから次の層に記録することによっ
て、ユーザデータ記録再生の管理を行う。
ラックに情報を記録してから次の層に記録するが、記録
する層の順番はランダムアクセスとすることによって、
ユーザデータ記録再生の管理を行う。
スとするが、ひとつの層においてある当該セクタ内にす
べてデータ記録してから、次の層の当該セクタを埋めて
いき、すべての層の当該セクタを埋めてから、次のセク
タのデータを記録することによってユーザデータ記録再
生の管理を行う。
ンダムアクセスを行う。この場合、セクタによる固定ブ
ロック管理ではなく、可変長ブロックを適用することよ
ってユーザデータ記録再生の管理を行う。
機構として、絞り込みレンズを層方向とディスク半径方
向に駆動する2次元アクチゥエータ、または、絞り込み
レンズを層方向だけに駆動する1次元アクチゥエータと
絞り込みレンズに入射させる光束をディスク半径方向に
偏向するガルバノミラーを組み合わせたものにおいて、
レイヤー番号検出回路において、プリフォーマット部に
ある層アドレスを 読み取るとることで現在いる層の番
号を認識し、現在焦点を結んでいるj番目の層から上位
コントローラからの指令であるk番目の目標層まで、上
下どちら の(sign(k−j))方向に、どれだけ
の(|k−j|)層数をスポット移動させれば良いかを
認識し、レイヤージャンプ信号発生回路にジャンプ強制
信号を発生させ、AFアクチゥエータドライバに入力さ
せることによって、目標層に焦点を合わせる。
1層間の移動にたいし、+−極性のパルスの1対のパル
スで構成され、上下の移動方向によって、+−のパルス
を入れ替わる。先頭のパルスはスポットを移動方向にお
よそ移動距離分だけ駆動させるために用い、次の極性反
転パルスはスポットが行き過ぎないように静定するため
のものである。また、移動する層数の対のパルスをドラ
イバ回路に入力する。次に、レイヤー番号を検出し、j
=kとなることを確認することによって、目標層kにス
ポットを位置ずける。
のゼロクロスパルスと、総光量パルスをゲートとして用
い、各記録層についての合焦点検出を検出するクロスレ
イヤー信号検出回路を設けることによって、レンズを層
方向に移動したときに焦点位置が各層を横切る信号を得
る。
ルスと総光量パルス、2種のパルスからアップパルスと
ダウンパルスを生成しカウントすることで、常にレンズ
がどの層に位置づけられているかを認識し、ディスクに
対してレンズが移動する方向を認識する。
ク最上層から、最下層まで少なくとも移動するように、
AFアクチゥエータ移動信号発生回路からのこぎり波を
発生させ、AFアクチゥエータを駆動する場合におい
て、上記クロスレイヤー信号検出回路により、N個の層
の合焦点をカウントし、レンズを上側に移動させたとき
のアップパルスの上限から、最上層(n=1)または、
レンズを下側に移動させたときのダウンパルスの下限か
ら、最下層(n=N)を認識し、ディスク層方向におけ
る焦点位置を常に認識することによって、層アドレスを
設けなくても、層アクセスを可能とする。
に安定に記録する場合、k層までの透過率(ΣTn(n
=0,1,2,…k−1))を考慮して記録パワーP
(光強度)を設定することによって、目標層に最適な記
録パワー条件で記録する。
を、層アドレス認識に対して設定することによって、目
標層に最適な記録パワー条件で記録する。
荷時(または設計値)のk層までの透過率ΣTn(n=
0,1,2…k−1)と、記録直前のk層までの透過率
ΣT′n (n=0,1,2,…k−1)の比、すなわ
ち透過率の変化分Gを考慮して記録パワーを設定するこ
とによって、目標層までの層に記録された層があること
によって透過率が変化していてもそれを考慮して、目標
層に最適な記録パワー条件で記録する。
理層を設け、どの層が記録されているのかを記録し、目
標層記録前に管理層を再生して、記録直前のk層までの
透過率ΣT′(k−1)を認識し、透過率の変化分Gを
認識することによって、目標層までの層に記録された層
があることによって透過率が変化していてもそれを考慮
して、目標層に最適な記録パワー条件で記録する。
前に、あらかじめ記録すべき領域を再生し、透過率の変
化Gを求めることによって、目標層までの層に記録され
た層があることによって透過率が変化していてもそれを
考慮して、目標層に最適な記録パワー条件で記録する。
べき領域を再生する方法としては、記録モードで初めの
ディスク1回転で再生チェックを行ってから、次の回転
で記録を行い、次の回転で記録エラーチェックを行う。
い、先行スポットで上記再生チェックを行うことによっ
て、回転待ちを行わなくても良い。
では、先行スポットについての受光した再生信号C′k
(t−τ)を用いる。ここで、τは、先行スポットと記
録用スポットのスポット間距離を時間換算したものであ
る。ここで、透過率変化分Gを、記録目標層であるk層
に焦点を合わせた状態での再生信号Ck′とディスク出
荷時での設計上の再生信号Ckとの比の平方根として求
めることによって、反射光学系において、透過率の変化
を求める。
は、再生信号Ckの値は、ディスクフォーマットとし
て、あらかじめチェック領域として、層方向に対して記
録しない領域をディスク面内に設けておくことによっ
て、ディスク間,ディスク内の透過率バラツキの影響を
低減する。
検出器については、請求項1の形状にすることによっ
て、目標層からの反射成分を特定して検出し、より高精
度な透過率変化Gを求める。
て、目標層からの反射光成分の検出に加え、特に層間ク
ロストークの大部分を占める隣接層からの反射光成分も
検出し、両者が互いに含んでいる成分を演算によって取
り除くことによって、目標層の反射光成分を抽出する。
を、k層に焦点を合わせたときの受光面側での目標層
k,隣接層(k+1),(k−1)の結像面に位置づけ
る。光検出器の形状は、直径D=(λ/NAI)とす
る、または、ピンホールによる受光面積の制限を行い、
k層の光検出器についての再生信号Ck,(k−1)層
の光検出器についての再生信号C(k−1)と(k+
1)層の光検出器についての再生信号C(k+1)につ
いて、次式の演算を行う。
さく、周波数成分も低いので無視できる。よって、 F≒(1−2γβ)×CkR+(β−γ)×C(k−
1)R+(β−γ)×C(k+1)R ここで、演算係数γ≡β<1とすると、 F≒(1−β2)×CkR 上式の演算機能を用いたことによって、目標層の信号成
分だけを求める。
いる。k層に焦点づけた時の隣接層上の焦点ずれスポッ
トと同じスポット径のスポットを2つの隣接層に、スポ
ットに先行させて走査し、再生信号を求め、項30の演
算を行うことによって、目標層の信号成分だけを求め
る。
に、絞りを挿入して、絞り込みレンズについての実効的
開口を小さくする。すなわち、有効径a′を[λ/(2
d×NAF2)×a]にすることによって、隣接層に焦
点を結ぶ先行スポットのスポット径を(2d×NAF)
にする。
て、先行する2つの光学系の絞り込みレンズの開口数を
小さくする、すなわち、NAF′=λ/(2d×NA
F)とすることによって、隣接層に焦点を結ぶ先行スポ
ットのスポット径を(2d×NAF)にする。
の再生信号にスポットの強度分布であるガウシアン分布
を三角分布に近似して得られる重み関数を掛けて積分を
行うことによって、実効的に焦点ずれスポットがマーク
列を走査している場合の再生信号を得る。
β)を設定する重み設定回路において、ディスクフォー
マットとして、少なくても上下3層間でマーク記録領域
が、同一光束に含まれないように配置し、h(k−1)
/hk,h(k+1)/hをβ(−1),β(+1)と
することによって、上下層についての、重みをそれぞれ
求める。
い、各々の層について焦点を合わせることで、2つ以上
の層について同時に記録再生を行う、すなわち、並列記
録再生を行うことによって、転送速度を大きくする。
加する記録媒体を用いることによって、下層に記録する
ときに与える光強度を低減し、さらに、下層からの反射
光を大きくすることで、高効率記録,高SN比再生を行
う。
る各層面内の案内溝,アドレス等のプリピットは、各層
ごとに紫外線硬化樹脂層に設け、各層ごとに透明な型を
用いて型の面から光を入射させる2P法によって形成す
ることで、各層ごとに、トラッキングのための案内溝,
層の位置を示す層アドレスなどのプリピットを形成し、
データの記録再生を行う。
板層を設けることにより、隣接層からの反射光の偏光方
向が異なるため、干渉がなくなり、隣接層間のクロスト
ークを低減できる。
を示す。局所的な光照射によって、光学的性質が局所的
に変化する記録膜層1と、記録膜層の働きの補助として
反射防止,多重反射,光吸収,記録膜層の光学的局所変
化の転写,断熱,吸熱,発熱または補強を目的とした
層、またはこれらの層の重ねあわせである中間層膜2を
光学的に透明な基板3の上に多層に積み重ねたディスク
4を有し、各層に絞り込まれた光スポット照射によって
各層の局所的光学的性質を2次元的に、かつ各層間で独
立に変化させることで、変調後のデータ“1”,“0”
に対応した記録を行い、さらに、上記局所的光学的性質
の変化を各層への光スポット照射によって反射光量(ま
たは透過光量)の変化として検出し、データを再生す
る。
的に透明な基板3の屈折率をNB,厚さをd0とする。
さらに、中間層2と記録膜層1を一組の層として区切
り、上層(光入射側)から順に1からNまで番号を層割り
当てる。各層間の距離は隣あう記録膜層k番目と(k−
1)番目の膜厚中心間の距離dkで示す。また、任意の
k番目の記録層と中間層の膜厚をdFk,dMkさらに
屈折率の実数部をそれぞれ、NFk,NMkとする。ま
た、各層の平面上での局所的光学的性質の変化の周期b
[μm]とする。絞り込み光学系は、光源として、例え
ば波長λ[μm]の半導体レーザ5を用い、コリメート
レンズ6によって、平行光に変換し、偏向ビームスプリ
ッタ7を介して、絞り込みレンズ8に入射させる。ここ
で、レンズ8の開口数をNAF、有効半径をa[mm]、
焦点距離をfF(≒a/NAF)とする。各層に焦点を
結ばせることで回折限界の光スポット11を各層に照射
する。
を例として示す。ディスク4からの反射光は、レンズ8
を通り、ビームスプリッタ7によって受光用の像レンズ
9に導かれる。レンズ9の焦点付近に位置する光検出器
10によって、反射光量の変化を電気信号に変換する。
像レンズ9の開口数をNAI、焦点距離をfI(≒a/
NAI)とする。光検出器10の受光面直径をDとす
る。本発明では、光学系として、図2aに示す平行光学
系を例に示したが、図2bに示す拡散光学系でも同様に
効果を得ることができる。また、受光光学系として、透
過光検出系でも本発明と同様の効果を得ることができ
る。
ための第1の課題は、各層において、光スポットを回折
限界まで絞り込むことである。従来の光ディスクでは、
一般に記録膜保護のため、基板3越しの1層記録面に光
スポットを回折限界で絞り込む。そこで、球面収差が生
じて光スポットがひずまないように、基板3の屈折率と
膜厚を考慮して、絞り込みレンズ8の設計仕様を行う。
ところが、多層ディスク4では、各層の膜厚の影響が無
視できず、たとえば公知例「久保田 他:光学、14
(1985)、光ディスクにおけるアイパターンのジッ
タ解析I〜V」に示してあるように、層の数が増えるほ
ど球面収差が増加し、回折限界まで絞れない。そこで、
本発明では、記録再生に十分な範囲の光スポットが得ら
れるための絞り込みレンズの設計,ディスク構造を示
す。設計方法を簡単にするため、記録膜層1の膜厚dF
kは、中間層2の膜厚dMkに対して十分薄く無視でき
るとする。すなわち、 dk=dF(k−1)+dMk+dFk≒dMk (数1) かつ、中間層2は各層とも、基板3と同じ屈折率NBで
あるとする。この場合、多層ディスクのN層番目までの
厚さdは
スポットのピーク強度が無収差時の80%が保証される
球面収差量W40=λ/4を許容値として与える。
dによって生じる球面収差量W40は以下のように表わ
される。
の設計,ディスク構造を決定する。なお、W40の右辺
の絶対値の中は通常は負となる(NB≧1の場合)。一
例として、基板3として屈折率NB=1.5 のガラス基
板を用い、中間層として、ガラスとほぼ屈折率の等しい
紫外線硬化樹脂を用い、絞り込みレンズ8のNAF=
0.55 とした場合、(数3)式より、Δd≦50μm
である。ここで、 d0=1.2mm−Δd=(1.15〜1.2mm),
層の厚さdk,総数Nを組み合わせることで、従来の光
ディスクに使用していた基板厚さ1.2mm 用の絞り込み
レンズをそのまま適用して、1番目からN番目の各層に
記録再生に十分な光スポットを形成することができる。
一つの組合せ解として、中間層の厚さdMk=10μ
m,記録層の厚さdFk=200Åでは、d0=1.1
5mm,Σdk=100.4μm≒100μm,総数N=
10が可能である。
ロであり、最上層と最下層で許容値内で最大の球面収差
が生じる。これをさらに補正することもできる。波動光
学によれば、球面収差は焦点位置をずらすことで補正す
ることができる。その条件は、W40=−W20=−
0.5×NAF2Δz,Δz=−2/NAF2×W40。
ここで、W20は焦点ずれによる収差、Δzは焦点ずれ
である。上記の例では、5層目からの層間距離Δdk=
(k−5)×dでのk層番目で生じる球面収差Wk40
は、(数式3)より得られ、この収差を補正する焦点ず
れ量Δzkは、Δzk=−2/NAF2×Wk40とな
る。
り、最上層(k=1)では−1.4μmの焦点ずれをオ
フセットとして与えればよい。
は、熱記録過程にある。記録での規定条件は次の2つの
項である。
定な記録パワー密度を与えることができること。
層のデータを破壊しないこと。
わってくる熱伝導によるものに分けられるが、ここで
は、前者について述べる。後者については、中間層2に
断熱効果を持たせることで対処できるがこの方法につい
ては記録媒体実施例の項で示す。
として、第1に、ディスク構造と絞り込み光学系を最適
化する。
として、基板3及び中間層2は透過率100%とする。
また、k番目の記録膜層1の光学定数は、透過率Tk,
反射率Rk,吸収率Akとする。ここで、Tk+Rk+
Ak=1の関係が成り立つ。また、記録によって、局所
的光学的性質が変化した場合の光学定数には、以下、ダ
ッシュ記号「′」で表わす。一般に、熱記録では、記録
膜の光吸収による発熱、及びこれを熱源とした熱拡散現
象に支配される温度上昇によって、記録膜の熱構造変化
が生じる。穴あけ形記録媒体では溶融による記録膜の移
動,相変化形記録媒体では結晶化と非晶質化,光磁気記
録媒体では垂直磁化の反転に対応する。この熱構造変化
が生じて、局所的光学的特性変化となる。記録膜の種類
にかかわらずに、熱構造変化が生じるためには、必ずエ
ネルギーしきい値Eth[nJ]が存在する。記録過程
では、記録目標層に回折限界に絞り込まれた光スポット
11が線速度V[m/s]でディスク上を走査してい
る。変調後の2値化信号に対応して熱構造変化を局所的
に生じさせるために、ディスク面に照射する光強度P
(記録パワー)[mW]を時間t[s]で変調する。こ
こで、線速度Vと照射時間tが与えられれば、エネルギ
ーしきい値Ethを光強度密度しきい値Ith[mW/
μm2]で議論できる。
点をあわせた場合でのk層での光強度密度Ikについ
て、(数5)式が成り立つとよい。
m2) Sk;k層に焦点をあわせた場合での1/e2スポット
面積 Sk=π(0.5×λ/NAF)2 ただし、回折限界に絞り込まれた光スポット径をλ/N
AFとする。
記録層の間の透過率、Tnは、n層の透過率である(n
=0の時は1層までの透過率)。Pkは図3aに示すよ
うになる。(数5)(数6)式より、k層で記録できる
ために必要な最小の記録パワーPminは、 Pmin≧Ikth×Sk/δk (数7) 一般に、光強度が最も小さくなるのは、最下層Nで、n
=1〜N−1が記録され、透過率Tnがすべて低下する
媒体を用いた場合→Tn′(記録後の透過率)である。
うため、k層に焦点を合わせた時のj層での光強度密度
Ijk[mW/μm2]は、(数8)が成り立てば良
い。
ないため記録パワーの上限Pmaxは次式で与えられ
る。
ト面積であり、層間距離dが波長λ以上なら幾何光学的
に求めることができる。
bのようになる。図3aと図3bから光強度密度Ijk
[mW/μm2 ]が得られ、図3cのようになる。
に絞り込み光学系,ディスク構造,記録条件を設定する
ことで、各層で信頼性の高い記録が可能となる。一例と
して、図10aに示す3層ディスクについて、記録可能
な層間距離dを求める。ただし、絞り込み光学系は、波
長λ=0.78μm,NAF=0.55とし、各層の光学
定数は、R1=R2=R3=0.1,T1=T2=T3
=0.8,A1=A2=A3=0.1とする。また、線速
度v=7m/s,照射時間t=100ns〜500nsと
し、この時の記録層の光強度密度しきい値は、I1th
=I2th=I3th=2.53(mW/μm2)とする。こ
こで、記録可能な層間間隔d=d1=d2=d3と、記
録パワーの範囲を求める。
ない場合について、各層にスポットを絞り込んだ場合に
ついて、ディスクに照射する記録パワーと各パワーに対
応していられる再生信号の変調度を示している。ここ
で、変調度は、各層面に形成された局所的光学的性質変
化(マーク)の大きさの目安を示し、絞り込みスポット
径ほどの十分大きなマークになると変調度は飽和の傾向
を示す。縦軸は各層について変調度の飽和値を1として
規格化したものを示している。図において、第1層にマ
ークを形成できるしきい値パワーは、4mW(=Ith
×S1)、第2層では、5mW(=Ith×S2/δ
2)、第3層(k=3)では、これが最小パワーPmi
nを決定し、(数5)(数6)(数7)式より
16mW(P3max=10mW)となり、図10bに
示すように、信号が十分なマークを記録することができ
る。このように、設計することで他の層を破壊しない
で、かつ目標層に信頼性高く記録できる。
は、再生過程にある。再生での規定条件は次の項であ
る。
は、層間クロストークノイズの低減である 。
る。
す。
を最適化することで、目標層以外からの反射光量を十分
小さくすることで、層間クロストークを低減し、SN比
の大きい再生を行うものである。図1において、実線で
示すように、再生しようとする層からの反射光量は像レ
ンズ9の焦点上に置かれた光検出器10によってすべて
検出される。一方、隣接層からの反射光は、点線で示す
ように像レンズの焦平面12で拡がっている。そこで、
光検出器9の大きさを図1のように制限することで隣接
層からの反射光を低減することができる。
ときの光スポット11のピーク強度値の1/e2の強度
となる直径、すなわちスポット径はUk=(λ/NA
F)である。そして、目標層からの反射光は、像レンズ
9の焦点位置に結像される。この焦平面12上のスポッ
ト径Uk′は、 Uk′=mUk=m×(λ/NAF)=(NAF/NAI)×(λ/NAF) =λ/NAI=λ×(fI/a) (数14) m;受光光学系の横倍率次に、k番目の目標層から層間
距離d離れた(k±1)番目の層からの焦平面でのスポ
ット径U(k±1)′を求める。(k±1)層からの反
射光が像レンズ9で焦点を結ぶ位置と焦平面との距離
d′は、 d′=Y×d=m2×d (数15) Y:縦倍率 U(k±1)′=d′×tanφI=d′×a/(fI+d′) =m2d×a/(fI+m2d) ここで、fI≫m2dならば U(k±1)′≒a×m2d/fI=NAI・m2d (数16) 上式より光検出器の直径Dを、D=Uk′=λ/NAI
とすれば、光検出器の径を制限しない場合と比較して、
面積比ε=(D/U(k±1)′)2で、隣接層からの反射
光量を低減できるので、目標層からの反射光量の変化を
高いSN比で検出できる。
は、目標k層と他のj層の間の透過率δjk、及び反射
率の比αjkを考慮にいれる。ここで、信頼性の高い信
号検出のために必要な層間クロストークノイズ量を−2
0dB(1/10)とすると、一般に次式が成り立てば
良い。
をInとすると
接層(k−1)層だけについて考慮する。他の層からの
影響も同様に考慮できるがその値は、十分小さい。
0mmとして(NAI=0.075,m=7.33,m2=
53.8)において、D=Uk′≒10.4μm図10を
例にとると、δ23=1.25 ,α23=1より、反射
光量の抑制率は、ε×δ223×α23となる。
と、
響を考慮したが、第1層からのクロストークの影響も同
様に計算でき、その値(I1/I3)=0.024(=−32
dB)と十分小さく無視できる。
/NAIとしたが、光検出器の位置ずれも含めて、層間
のクロストークがある値になるように設計の自由度があ
る。次に、(C)項を達成するための第2の方法を示
す。
の変化(マーク)の周期bとディスク構造、及び受光光
学系の関係を規定することで、層間クロストークの成分
を局所的光学的性質の変化の周期bよりも、長くする。
すなわち、データの信号帯域よりも層間クロストークの
周波数成分小さくすることで、目標層面上のデータを高
いSN比で再生するものである。この方法の原理につい
て図1と図4を用いて説明する。第1の方法と区別する
ために光検出器の径に制限をいれないが、併用すること
で、より高いSNが得られる。
されているため、2次元周期bがスポット径(λ/NA
F)程度あれば、十分分解できる。すなわち、2次元周
期bの最小値bminを(λ/NAF)とすれば、信号
成分が十分大きくとれる。これが、(D)項の成り立つ
条件である。なお、図4でH0(S)=0の時には分解
不可能となり、このときのbの値はスポット径λ/NA
Fの1/2の時である。一方、隣接層でのスポット径
は、焦点がずれているために、層間距離dとすると、
(2d×NAF)となり、光学的分解能が低下する。そ
こで、この特性を利用して、2次元周期bの最大値bm
axを隣接層におけるスポット径(2d×NAF)の1/
2すなわち(d×NAF)よりも小さくすれば、隣接層
からの信号成分の漏れ込みすなわち層間クロストークの
周波数成分は、信号帯域(1/bmax〜1/bmi
n)よりも小さくなり、フィルタまたはAGC(オート
ゲインコントロール)を用いて、取り除くことができ
る。
下すなわち、信号変調度の低下を光学的理論から求め
る。
を行う目標層面内と、光学的距離d[μm]離れた隣接
層面内のそれぞれの光学的特性関数(OTF)H0
(S),H1(S)を図4にそれぞれ、直線13,直線
14で示す。横軸は、物体の繰返し周波数に対応し、縦
軸はその変調度に対応する。ここで、Sは規格化空間周
波数である。
(S)は、直線13のようになる。この場合、光学的分
解能がゼロとなる遮断周波数は、S=2となる。実際の
記録再生装置では、レーザノイズ,アンプノイズなどの
ノイズ成分が含まれ、さらに、焦点ずれ以外の収差を光
学系自体が持っているために、遮断周波数S=2に対応
する周期bまでは、検出が困難である。そこで、変調度
が半分(−6dB)を変調度の許容値とする。その時、
S=1となり、上記周期bの最小繰返しbminを規定
する。
特性関数H1(S)について、H1(S)=0となるS
より、上記周期bの最大繰返しbmaxを規定する。
H1(S)は、矢印15の方向に変化し、bmaxも大
きくできる。
周波数成分はfmin(=1/bmax)以下であり、
図4に示すような追従特性16を持つオートゲインコン
トロール回路を用いれば、隣接クロストーク成分を吸収
できる。
関係は次式で表わせられる。
め、bmaxを求めた。
m B1=−λ d=10μmの場合→bmax=7.9μm B1=−1.5λ また、bmin=(λ/NAF)=1.42μm 例えば、図20のように、スポット走査方向に、可変長
の符号である2−7符号を用い、トラックピッチ1.5
μm 一定のディスクについて、公知例「特開昭63−537
22 号」に示すピットエッジ記録方式を用いた場合、再
生可能な最小ビットピッチq(μm)と層間距離dを求
めると、図4に示すように、最短パターン繰返し周期
は、 3q=bmin=1.42μm q=0.47μm ここで、最長パターン繰返しは8qであり、 8q=3.76μm≦bmax また、ディスク半径方向のマーク周期は、トラックピッ
チ1.5μm 一定であり、1.5μm≦bmaxである
必要がある。よって、d≧5μmで十分である。
法を示す。第2の方法では、層間クロストークノイズの
周波数成分は、fmin以下であるが、変調方式のよっ
ては、局所的光学的性質の変化の粗密によって、目標層
からの信号が変動してしまう。上記例で用いた2−7変
調符号もそのひとつであり、その変調信号のパワースペ
クトル特性86を図4に示す。fmin以下に、わずか
に成分を持つ。これは、先に述べたようにフィルター,
AGCで抑圧できるが、このような回路を用いなくて
も、粗密の変動をなくし、直流成分一定値にすること
で、層間クロストークノイズを抑圧することができる。
第3の方法の原理は、隣接層におけるスポット径(2d
×NAF)の領域に含まれる局所的光学変化(マーク)
の領域の総面積が常に一定値である符号を用いる。この
ようにすることで、スポットを走査したときの再生信号
への層間クロストーク量は常に直流一定値なる。第3の
方法と第1の方法を併用することもできる。
章:ディジタル・オーディオ」にあるEFM変調方式を
用いた場合についての変調信号のパワースペクトル87
は、図4に示すように低域成分のスペクトルが急激に低
下する特徴を持つ。よって、スペクトルの急激に低下す
る折れ点88が、隣接層の光学的特性関数H1(S)に
ついて、H1(S)=0となる遮断周波数と一致するよ
うに層間間隔dを設定すれば良い。
q=1.7μm≧bmin=1.42μm,10.36q
=6.2μm≦bmax,折れ点88での繰返し周期は
24μmであり、層間距離d=22μmとする。この
時、隣接層におけるスポット径(2d×NAF=24μ
m)に含まれるマークの占有率はほぼ50%一定であ
り、検出される再生信号に含まれる隣接層からの反射光
量の成分は常に一定値となる。
記録を行う場合について、本発明を適用したものであ
る。2次元記録再生方式は、先願特願平3−11916
号「情報記録再生方法及び装置」に示してある。先願で
は、図21に示すように、例えば、2×2の4格子点を
一つのブロックとして用い、格子点にマークを記録する
組み合わせで、24=16 、4ビットのデータを表わ
し、高密度化を行う。この場合、第1,第2の本方式を
適用できる。また、図22に示すように、4×4の格子
ブロック内の格子点に必ず同数個のマークが含まれるよ
うに(図では1個)する。さらに、隣接層でのスポット
径(2d×NAF)に格子ブロックが多く含まれれば、
スポット内に含まれるマークの数、さらにはマークの占
有面積はほとんど一定値であり、第3の方法が適用でき
る。
スポットを各記録層面に形成するが、図2に示した各光
学系では、ある値dmの焦点ずれが生じると、顕微鏡の
結像系の条件が満たされ、受光面上に記録膜面の像が形
成され場合がある。例えば、目標層に回折限界のスポッ
トを形成し受光している場合、他の層までの距離がdm
である場合、受光面上にこの層上のマーク列パターンが
形成され、目標層上の情報信号に信号帯域のクロストー
クノイズが乗る可能性がある。そこで、層間距離がdm
にならないように、ディスク構造を設計するのが望まし
い。
が同一のため、層間の距離が可干渉距離程度に小さくな
ると、反射光同士が干渉する。その結果、層間のクロス
トークノイズを受光面上での目標層と他の層からの受光
量比で表わせなくなる。すなわち、干渉が生じるため
に、最悪、層間クロストークノイズが、受光量比の平方
根で現われてしまう。この影響が実際に問題になるの
は、隣接層間の場合である。
7に示す。この実施例の原理は、隣接層から反射してく
る光の偏光方向を替えることで、干渉を起こさせないこ
とにある。偏光方向を変える手段のひとつとして、図2
7では、各中間層2に1/4波長板層201を備える。
1/4波長板層201は、層の深さ方向に向かって、進
行する光の電場の波について、層面の2次元方向につい
て、位相差を90度異なる、すなわち2つ方向について
の光学的厚みの差を1/4波長分だけ変えるものであ
る。このようなディスク構造にすることで、例えば図に
示すように、照射光の偏光方向をE偏光とした場合、互
いに隣あう層からの反射光は、1/4波長板層201を
往復する差、すなわち1/2波長,180度位相差分だ
け異なるため、偏光方向が交互にE偏光、H偏光と直交
する。そのため、隣接層間の反射光成分は干渉しないた
め、単純な受光面上での受光量比で表わせ、層間のクロ
ストークを低減することができる。さらに、受光系にお
いて、図27に示すように、偏光ビームビームスプリッ
タ202を挿入し、反射光の偏光方向によって、検出す
る光検出器203,204を分離する。このようにする
ことで、少なくても隣接層からの反射光は検出されない
ため、前述の第1の再生方式において、光検出器の大き
さのバラツキの許容値を大きくすることができる。
録再生方法の原理を達成する装置について示す。
タ管理 図5に、多層ディスク4のフォーマットの一例を示す。
光を入射させる基板3から、光の進行方向に向かって、
1〜n層とする。k層でのデータフォーマットはディス
クを放射線上に区切ったセクタm,半径方向のデータ位
置を管理するトラックl、以上、3個のアドレス(l,
m,n)でデータを管理する。ある任意のトラックl,
セクタmにおけるフォーマットは、図に示すように、記
録再生のタイミングや、アドレス情報をあらかじめ作り
つけたプリフォーマット領域と、ユーザデータを記録再
生し、さらに、データの有無、読みだしの禁止などを記
録し管理するデータ領域からなる。また、各層の役割と
して、図に示すように、ユーザデータを記録再生する層
と共に、ROM(Read Only Memorey)層またはWOM
(Write Once Memorey)を設け、上位コントローラのO
S(Operating System)、または、後述するように、各
層での記録または再生の条件などを、ディスク作成時に
プリフォーマット化しておくか、出荷時に記録すること
もできる。また、層データの管理層として、各層のデー
タ状態、例えば、データの有無,エラー管理,有効なデ
ータ領域,書替え(オーバーライト)回数を随時、記録
しておくこともできる。また、交替層として、記録誤り
を検出した層のかわりに情報を入れ直すこともできる。
のような組み合わせがある。
う。ただし、各層ではすべてのユーザセクタとトラック
に情報を記録してから次の層に記録する。
て、記録後の透過率が増加する特性を持つものを用いる
ことでさらに信頼性の高い記録再生を行うことができ
る。すなわち、下層の記録層までの透過率が増加するの
で、上層に記録するのに必要な光強度とほぼ等しい光強
度照射で下層の目標層に十分記録に必要な光強度を与え
ることができる。また、再生においても、目標層からの
反射光成分がほとんど減衰されずに検出器に戻ってくる
ので、SN比の高い再生信号が得られる。上記と特性を
持つ記録媒体のとして、例えば、穴あけ形記録媒体があ
る。この媒体は記録することによって、反射膜に穴があ
き、反射率が低下、すなわち透過率が増加する。
う。後は(a)と同じ。
ックに情報を記録してから次の層に記録するが、記録す
る層の順番はランダムアクセスとする。
とするが、ひとつの層においてある当該セクタ内にすべ
てデータ記録してから、次の層の当該セクタを埋めてい
き、すべての層の当該セクタを埋めてから、次のセクタ
のデータを記録する。
ダムアクセスを行う。この場合、セクタによる固定ブロ
ック管理ではなく、磁気ディスクのデータ管理である可
変長ブロックを適用することで、磁気ディスクのシリン
ダを層に対応させ、磁気ディスクのデータフォーマット
をそのまま適用することができる。
記録時に記録した領域にアクセスしないように、上位コ
ントローラによって情報記録領域の管理を行っても良い
し、前述した管理領域によって管理してもよい。
る場合は、ユーザデータ17を変調回路18通して、変
調後の2値化データ19を得る。変調後の2値化データ
は、記録条件設定回路20を通り、光スポットが位置づ
けられている位置での最適な記録条件で、強度変調され
るように、レーザ駆動回路21が駆動され、光ヘッド2
2内の半導体レーザの光強度が変調され、ディスク4へ
の記録を行う。
の層,トラック位置に光スポットを位置づけ、微弱光を
照射し、反射光の強度変化を光検出器10で電気信号に
変換し、再生信号23,24を得る。再生信号23,2
4は、再生制御回路25を通して、層間クロストークを
抑制したのち、AGC(オートゲインコントロール)回
路26を通り、データ帯域よりも低周波数の変動を吸収
し、後の回路で動作する絶対レベルに信号を合わせる。
り、データパターンによる波形歪み(振幅の劣化,位相
のずれ)の改善を行い、整形器28で2値化信号に変換
する。整形器28には、振幅スライスによって2値化す
るもの、微分によるゼロクロス検出するものがある。
り、データからのクロック抽出を行う。位相同期回路2
9は、位相比較器30,ローパスフィルタ(LPF)3
1,電圧制御発振器32からなる。位相同期回路29で
生成されたクロックによって、2値化信号から、データ
の‘1’,‘0’の判定する弁別器33を通り、復号器
34によって、ユーザデータ17に変換される。以上の
記録再生のため、上位コントローラからの指令で、目標
の層及び層面内の目標位置に光スポットを位置づけるた
めには、光ヘッド22からの焦点ずれ、トラックずれ信
号検出35を行い、補償回路36によって、サーボ制御
に最適な信号に補償し、駆動回路37を通して、光スポ
ット位置決め機構を駆動する。
層方向とディスク半径方向に駆動する2次元アクチゥエ
ータ、または、絞り込みレンズ8を層方向だけに駆動す
る1次元アクチゥエータと絞り込みレンズ8に入射させ
る光束をディスク半径方向に偏向するガルバノミラーを
組み合わせたものがある。
ためにランダムアクセスを行う場合について、第1に目
標層kに焦点を結ばせる方法について述べる。焦点ずれ
信号検出のためには、目標層からの反射光スポットの大
きさが、焦点ずれによって変化するので、公知例「特開
昭63−231738号,特開平1−19535号」に示す前後差動焦
点ずれ検出法を用いることができる。図24aに、ディ
スク面に対して絞り込みレンズの位置を層方向Zに走査
させたときに得られるAF誤差信号35を示す。各層に
ついての焦点ずれ誤差信号及び合焦点位置であるゼロク
ロス点105が順に得られるのがわかる。
1の実施例のブロック図を図23に示す。回転するディ
スク4に対し、AF(オートフォーカス)アクチゥエー
タ移動信号発生回路93でのこぎり波106を発生さ
せ、AFアクチゥエータドライバ91を駆動させ、絞り
込みレンズ8をディスク面に対し+Z方向(ディスクに
レンズを近づける方向)に動かす。この時、AF検出回
路89ではAF誤差信号35が得られる。この信号は引
込み点判定回路92でゼロクロス点105を検出され、
ある層面に合焦点であることをAFサーボ系コントロー
ラ94に伝える。判定回路92では図24aに示すよう
に、ゼロスライスレベルより少しずれたスライスレベル
103によって、図24bに示すAFパルス37を作
り、その立ち下がり104を検出することでレンズ8が
合焦点を通り過ぎる直前のタイミングをコントローラ9
4に送る。
からの指令で焦点引込み状態であることを認識し、上記
タイミングの入力と共にスイッチ97を切り替え、AF
サーボ回路90をAFアクチゥエータドライバ91につ
なげサーボループを閉じさせる。この状態では、AFサ
ーボ回路90は、AF信号検出回路89でえられるAF
誤差信号が常にゼロになるようにAFアクチゥエータを
駆動させる。よって、ディスク4が回転時に上下振れし
てもある層に回折限界のスポットを安定に形成させるこ
とができる。
て、図5で示したプリフォーマット部にある層アドレス
を読み取るとることで現在いる層の番号を認識し、コン
トローラ94に送る。コントローラ94では、現在焦点
を結んでいるj番目の層から上位コントローラからの指
令であるk番目の目標層まで、上下どちらの(sign
(k−j))方向に,どれだけの(|k−j|)層数を
スポット移動させれば良いかを認識し、レイヤージャン
プ信号発生回路96にジャンプ強制信号107を発生さ
せ、AFアクチゥエータドライバに入力させる。
いし、+−極性のパルスの1対のパルスで構成され、上
下の移動方向によって、+−のパルスを入れ替わる。先
頭のパルスはスポットを移動方向におよそ移動距離分だ
け駆動させるために用い、次の極性反転パルスはスポッ
トが行き過ぎないように制定するためのものである。ま
た、移動する層数の対のパルスをドライバ91に入力す
る。次に、レイヤー番号を検出し、j=kとなったとこ
ろで、目標層kにスポットが位置づけられる。ランダム
アクセスのために他の層にアクセスするときも、上記と
同様に、レイヤージャンプを行えば良い。
例のブロック図を図25に示す。
8をディスク面に対し上下させる。この時に上記AF誤
差信号35が得られ、さらに、光検出器(ディテクタ)
10で検出され、総光量検出回路102から出力された
総光量36は図24aに示すように、各記録層に合焦点
時にピークを持つ。そこで、図24cに示すクロスレイ
ヤー信号検出回路101の中のパルス化回路98でスラ
イスレベル103,108によって、AFパルス37と
総光量パルス38を検出する総光量パルス38をゲート
として用い、AFパルスの立ち下がりを検出することで
さらに確実な合焦点検出が可能である。さらに、ディス
クに対してレンズが移動する方向を認識するために、こ
れらの2種のパルスからクロスレイヤーパルス発生器9
9によってアップパルス109とダウンパルス110を
生成しカウントすることで、常にレンズがどの層に位置
づけられているかを認識することができる。
層から、最下層まで少なくとも移動するように、AFア
クチゥエータ移動信号発生回路93からのこぎり波を発
生させ、AFアクチゥエータを駆動する。この時、回転
するディスクの上下振れ量よりも十分大きければ確実で
ある。クロスレイヤー信号検出回路101より、N個の
層の合焦点をカウントし、レンズを上側に移動させたと
きのアップパルス109の上限から、最上層(n=1)ま
たは、レンズを下側に移動させたときのダウンパルス1
10の下限から、最下層(n=N)を認識する。上位コ
ントローラからの指令で、目標とする順番の層にスポッ
トの焦点が結ぶ直前にスイッチ100を切り替え、サー
ボループを閉じれば良い。このように制御することで、
層アドレスを設けなくても、層アクセスを可能とするこ
とができる。
の変化する媒体を用いた場合、AF誤差信号及び、総光
量は、記録された層付近では、図26aに示すように、
図25とは異なる信号123,124が得られる。これ
は、マークの存在する部分をスポットが走査したときに
光量が変化し、マークの存在しない部分にスポットがか
かると光量が正規の値に戻ること示している。このよう
に、信号が変動するために、サーボ帯域での信号につい
ても、信号の低下が生じ、AFサーボ系のゲインの変
動,AFオフセットが発生し、記録された層で焦点ずれ
が生じる。このような場合、光検出器上で検出された信
号成分中、常に、マークの記録されていない部分の信号
をホールドすることで、図26に示す理想のAF誤差信
号、及び、総光量が得られる。
は、図23,25におけるAF検出回路89,総光量検
出回路102を示したものである。前後差動型AF誤差
信号検出光学系の原理図における前後の光検出器11
1,112は、受光面119,120または121,1
22からなる。前後光検出器面111,112での光ス
ポット113,114の大きさが同じくなれば合焦点で
ある。各検出器についての和信号は、マーク列をスポッ
トが走査する帯域、すなわちデータ記録再生周波数帯域
を持つ前置増幅器115,116で得る。次に、サンプ
ルホールド回路117,118によって、マーク上走査
部分での信号を検出し、サーボ帯域の期間ホールドす
る。このように得られた信号の差信号をAF誤差信号3
5,和信号を総光量36として得る。サンプルホールド
回路117,118は、光量の最大点をサンプルするピ
ークホールドでもよいし、あらかじめサンプル領域とし
て、マークが記録されない領域をフォーマットとして設
けておき、サンプルタイミング用ピットなどにより、サ
ンプル領域を認識し、その領域での信号をホールドして
も良い。
差動方式を示したが、他の焦点ずれ検出方法である非点
収差法,像回転法を用いてもよい。
面でディスク半径方向の位置決めすなわちトラック位置
決めを行う。トラックずれ信号検出は、図20に示すよ
うに、各層に案内溝39を設けることで公知例であるプ
ッシュプル法を適用できる。この方法では、目標層以外
の層の溝からの回折光は、焦点がずれているために、溝
にあたる光の波の位相が乱れているので、光検出器上で
は一様な光量分布になり、目標層についてのトラックず
れ信号に影響は与えない。また、図22に示すように、
各層にあらかじめウォーブルピット40をトラック方向
に作りつけておくことで、公知例であるサンプルサーボ
法を適用できる。以上説明したスポット位置決めの技術
は、公知例「特開昭63−231738号,特開平1−19535号,
319000034」に示してある。ディスク上の案内溝,ウォ
ーブルピットの作成法については後述する。
を達成する記録制御方法について述べる。(1)で述べ
たように、記録目標であるk層に安定に記録するために
は、k層までの透過率42を考慮して記録パワーP(光
強度)を設定しなければならない。そこで、図6に示す
ように、記録条件設定回路20はアドレス認識41と記
録目標であるk層までの透過率42を用いる。これを詳
細に示した回路ブロック例を図7に示し、信号例を図9
に示す。
上のマーク43として記録する場合、記録位置による記
録条件の違い、データパターンによる記録状態を考慮し
て、アドレス認識41(l,m,k)に対して記録条
件、例えば記録パルス幅設定,記録パワー設定条件をR
OM44,45に入力しておくことでD/A変換器46
の出力に対応した光強度変調信号P(t)47が得ら
れ、理想の記録状態47のマークが記録できる。このよ
うな図7aの実線で示した回路構成は次の場合に適用で
きる。
(b)の場合、または、(1)(C)項を達成するため
の第3の方法を用い、かつ(2)(a)の場合におい
て、目標層までの透過率42(ΣTn(n=0,1,2
…k−1))は、ディスク作成時で決まっているので、
層アドレスkが入力されば、既知として扱うことができ
る。
透過率42は、既知ではない。このような場合、図7a
の回路に点線で示した回路を付加する。パワー設定RO
M45にはすべての層が未記録状態におけるk層までの透
過率を考慮した記録パワー設定値を入力しておく。
時(または設計値)のk層までの透過率ΣTn(n=
0,1,2…k−1)と、後述する方法で検出した記録
直前のk層までの透過率ΣTn′(n=0,1,2…k
−1)42を割算回路47に入力し、透過率の変化分G
をゲインコントロール回路48に入力し、最適な記録パ
ワーに設定されるようにする。
す。(2)節で述べた「層データの管理層」を設け、そ
の内容をあらかじめ記録前に再生して認識しておき、か
つ(1)(C)項を達成するための第3の方法を適用し、
(2)節(c),(d)のデータ管理を行った場合、ど
の層が記録されているのがわかれば、各層での光スポッ
ト内の記録後の透過率一定値で既知であるので、k層ま
での透過率ΣTn′(n=0,1,2…k−1)42を
求めることができる。
めスポットを走査して透過率の変化Gを求める方法であ
る。
としては、記録モードで初めのディスク1回転で再生チ
ェックを行ってから、次の回転で記録を行い、次の回転
で記録エラーチェックを行う。もう一つの方法は、図8
に示すように複数スポットを用い、先行スポット49で
再生チェックを行う方法である。ここでは、後者を例に
とって、説明する。再生チェックでは、先行スポット4
9についての受光した再生信号C′k(t−τ)を用い
る。ここで、τは、先行スポット49と記録用スポット
51のスポット間距離を時間換算したものである。ここ
で、透過率変化分Gを、図7bに示すように、記録目標
層であるk層に焦点を合わせた状態での再生信号Ck′
とディスク出荷時での設計上の再生信号Ckとの比の平
方根として、演算器52を用いて求める。これは、再生
信号は、反射光を用いているので、k層までの透過率変
化は2乗で再生信号に現われるからである。
ォーマットとして、あらかじめチェック領域として、層
方向に対して記録しない領域をディスク面内に設けてお
くことで、ディスク間のバラツキ,ディスク内での光学
的バラツキを吸収して検出できる。よって、精度の高い
記録パワー制御が可能となる。また、再生信号を得る光
検出器10については、(1)節(C)項を達成する第
1の方法で述べたように、図1の形状にすることで、他
の層からの反射光の影響を低減でき、目標層からの反射
成分を再生信号として検出できるので、より高精度な透
過率変化分Gを求めることができる。図9に示すよう
に、ゲインコントロールを行わない場合の記録状態53
は理想の記録状態47と異なるが、記録パワーのゲイン
コントロールを行いG×P(t)で記録をおこなうこと
で、理想記録状態47を得ることができた。
御回路25を詳細に説明する。ここでは、(1)節で示
したような第1から第3の方法である層間クロストーク
を低減する再生の原理に加え、さらに層間の距離を縮め
て高密度化を図る場合に生じるデータ信号帯域の層間ク
ロストーク成分または、光学系の理想状態からのずれが
生じた場合に生じる層間クロストーク成分を抑圧する第
4の方法について示す。第4の方法は、第1の方法で示
したような目標層からの反射光成分の検出に加え、特に
層間クロストークの大部分を占める隣接層からの反射光
成分も検出し、両者が互いに含んでいる成分を演算によ
って取り除くことで、目標層の反射光成分を抽出する。
成は、図1と同じであるが、さらに、光検出器54と5
5をk層に焦点を合わせたときの受光面側での隣接層
(k+1),(k−1)の結像面に位置づける。ただ
し、図17aの配置では、お互いに遮光してしまうの
で、図17bに示すように、結像系にハーフミラーまた
は、ビームスプリッタ56,57を挿入する。光検出器
10,54,55の形状は直径D=(λ/NAI)とす
るが、図17Cのように、ピンホールを用いてもよい。
この場合の各光検出器で検出される再生信号を図14に
示す。
号Ck,光検出器55についての再生信号C(k−1)
と光検出器54についての再生信号C(k+1)を示
す。再生信号を得るための回路を図13に示す。ただ
し、図17の系では、積分回路59,60,遅延回路6
1,62は必要ない。図14に示すように、第1〜第3
の方法を満足する隣接層と目標層との間隔よりも小さく
なった場合、k層面のマーク配列71をスポット69が
走査したときに得られる層間クロストークのない再生信
号73が、再生信号72のように変動する。これは、k
層面でのスポット69の走査とともに、隣接層に焦点が
ずれて照射されているスポット70が隣接上のマーク配
列74を走査してために検出される再生信号64ともう
一方の隣接層についての再生信号63の成分が、再生信
号73に対して無視できないくらい含まれるためであ
る。そこで、図13に示すように、演算回路66で次式
の演算を行う。
生信号成分を表わす。ここでβ<1が成り立っている。
上式より、 演算 F≡Ck−γ×C(k−1)−γ×C(k+1) ≒CkR+β×C(k−1)R+β×C(k+1)R −γ×{C(k−1)R+β×CkR+β×C(k−2)R} −γ×{C(k+1)R+β×CkR+β×C(k+2)R} (数23) C(k−2)R,C(k+2)Rは、十分小さく、周波
数成分も低いので無視できる。よって、 F≒(1−2γβ)×CkR+(β−γ)×C(k−1)R +(β−γ)×C(k+1)R (数24) ここで、γ≡β<1とすると、 F≒(1−β2)×CkR (数25) となり、層間クロストークを抑制でき、演算後の再生信
号68は、図14に示すように、再生信号73と一致す
る。以上の第4の方法を達成する別の構成として複数ス
ポットを用いた例を以下に示す。図14において、焦点
ずれスポット70と同じスポット径のスポット75を2
つの隣接層に、スポット69に先行させて走査し、再生
信号を得る。ただし、図13に示すように、スポット間
隔に相当した遅延回路61,62を挿入して、上記と同
様の演算を行う。この構成に用いる光学系の一例を図1
8に示す。図では、光学系の原理を示すため光軸を3つ
に分けて示してあるが、絞り込みレンズ8を共用した場
合も可能である。先行する隣接層に焦点を結ぶスポット
75,82のスポット径を(2d×NAF)にするため
の手段として、一つは、図に示すように、絞り83を挿
入して、絞り込みレンズ8についての実効的開口を小さ
くする。すなわち、有効径a′をλ/(2d×NAF2)
×aにすればよい。もちろん、3つの光軸に分けて、先
行する2つの光学系の絞り込みレンズの開口数を小さく
しても同様の効果が得られる。すなわち、NAF′=λ
/(2d×NAF)とする。
示すスポット形状75に限定したが、例えば、図15に
示すスポット形状76、または、図16に示す3個のス
ポット77,78,79でも同様の効果が得られる。そ
のために、図13の回路に積分回路59,60を挿入す
る。図15において、先行スポットからの再生信号にス
ポットの強度分布であるガウシアン分布を例えば、三角
分布に近似して得られる重み関数80を掛けて積分を行
うことで、実効的にスポット75がマーク列74を走査
している場合の再生信号を得ることができる。図16に
ついても、2次元方向のスポット強度分布を考慮して重
み関数81を用いればよい。
7において、βを求める方法を述べる。図19に示すよ
うに、ディスクフォーマットとして、少なくても上下3
層間でマーク記録領域84が、同一光束に含まれないよ
うに配置することで、図14に示すように、h(k−
1)/hk,h(k+1)/hをβ(−1),β(+1)
とすることで上下層についての、重みをそれぞれ求める
ことができる。
について、記録再生を行う場合について述べたが、複数
スポットを用い、各々の層について焦点を合わせること
で、2つ以上の層について同時に記録再生できる、すな
わち、並列記録再生が可能となり、データの転送レート
を高くすることができる。複数スポットを形成するため
の手段は、複数の光ヘッド22を同一ディスク上に位置
づけても良いし、複数の光源をひとつの光ヘッドに組み
込んでも良い。また、異なる波長の光源を複数光源とす
ることで、波長による記録層の選択記録が可能であり、
さらに、波長フィルタによる再生分離が可能である。
法 図11に示すように、直径130mm,厚さ1.1mm のデ
ィスク状化学強化ガラス板の表面に、フォトポリメリゼ
ーション法(2P法)によって、1.5μm ピッチのト
ラッキング用の案内溝と、一周を17セクターに分割し
各セクターの始まりで溝と溝の中間の山の部分に凹凸ピ
ットの形で層ののアドレス,トラックアドレスやセクタ
ーアドレスなどのプリピット(この部分をヘッダー部と
呼ぶ)とを有する紫外線硬化樹脂層を形成したレプリカ
基板を作製した。
性,再現性のよいスパッタリング装置を用いて、窒化シ
リコンの反射防止層402を約50nmの厚さに形成し
た。次に、同一スパッタリング装置内でIn54Se43T
l3 の組成の記録膜403を10nmの厚さに形成し
た。この上に、透明な型を用いて型の側から光を入射さ
せる2P法によって、トラッキング用の案内溝と、層の
アドレス,セクターアドレス,トラックアドレスなどの
プリピットを有する紫外線硬化樹脂層404を、多層と
の断熱効果を考慮して、30μmの厚さに形成した。
で窒化シリコンの反射防止層405を約50nmの厚さ
に形成した上にIn54Se43Tl3 の組成の記録膜4
06を10nmの厚さに形成し、この上に2P法によっ
て、トラッキング用の案内溝と層のアドレス,トラック
アドレスやセクターアドレスなどのプリピットとを有す
る紫外線硬化樹脂層407を30μmの厚さに形成し
た。さらにこの上に、上記スパッタリング装置内で窒化
シリコンの反射防止層408を約50nmの厚さに形成
した上にIn54Se43Tl3 の組成の記録膜409を
10nmの厚さに形成した。
401′上に、窒化シリコン反射防止層402′,In
54Se43Tl3記録膜403′,紫外線硬化樹脂層40
4′,窒化シリコン反射防止層405′,In54Se43
Tl3 記録膜406′,紫外線硬化樹脂層407′,
窒化シリコン反射防止層408′,In54Se43Tl3
記録膜409′、を順次形成した。このようにして得た
2枚のディスクを層409及び409′側を内側にして
接着剤層410によって貼り合わせを行った。接着剤層
410の厚さは、50μm程度である。このようにディ
スクを作成することで、1枚のディスクで、両面からそ
れぞれ記録再生が可能となる。
ルトラッキング用の案内溝39について説明したが、サ
ンプルサーボ法に用いるウォーブルピット40について
も、上述のプリピットと同様の方法で作成できる。
射によって記録膜構成原子の原子配列変化を生じさせる
ことにより、光学定数を変化させ反射率の違いを利用し
て読み出しを行なうものである。ここでの原子配列変化
は結晶,非晶質間の相変化である。
録膜構成元素がまだ十分に反応しておらず、また、非晶
質状態である。本ディスクを追記型として用いる場合に
は、ここに記録用レーザ光を照射して結晶化記録を行な
うか、または、予めArレーザ光照射またはフラッシュ
アニール等で記録膜を加熱し、各元素を十分反応,結晶
化させた後、パワー密度の高い記録用レーザ光を照射し
て非晶質化記録を行なう。ここで、結晶化記録するのに
適当なレーザパワーの範囲は、結晶化が起こる温度より
高く、非晶質化が起こる温度より低くなる範囲である。
また、非晶質化記録するのに適当なレーザパワーの範囲
は、結晶化する温度より高く、強い変形を生じたり穴が
あく温度よりも低い範囲である。また、本ディスクを書
き換え可能型として用いるには、予めArレーザ照射ま
たはフラッシュアニール等で記録膜を加熱し、各元素を
十分反応、結晶化させた後、結晶化するのに適当なレー
ザパワーと非晶質化するのに適当なレーザパワーとの間
で変調した記録用レーザ光を照射してオーバーライトを
行なう。
せ、半導体レーザ光(波長780nm)を記録が行われな
いパワーレベル(1mW)に保って、記録ヘッド中のレ
ンズ(NA=0.55)で集光して基板を通して一層の記
録膜に照射し、反射光を検出することによって、トラッ
キング用の溝と溝の中間に光スポットの中心が常に一致
するようにヘッドを駆動した。溝と溝の中間を記録トラ
ックとすることによって溝から発生するノイズの影響を
避けることができる。このようにトラッキングを行いな
がら、さらに記録膜上に焦点が来るように自動焦点合わ
せをして、記録・再生を行う。記録を行う部分を通り過
ぎれば、レーザパワーを1mWに下げてトラッキング及
び自動焦点合わせを続けた。なお、記録中もトラッキン
グ及び自動焦点合わせは継続される。この焦点合わせは
上記ディスク中の記録膜403,記録膜406,409
それぞれ独立に合わせることができる。
転数1800rpm,半径42.5mm)として、基板側
から順に下層に向かって記録する場合を示す。まず、記
録膜403に焦点を合わせ、記録周波数5.5MHz で
90nsの記録パルスを照射して記録した。この時の再
生信号強度の記録パワー依存性を以下に示す。
を合わせて記録した。この時の再生信号強度の記録パワ
ー依存性を以下に示す。
記録膜409に焦点を合わせて記録した。この時の再生
信号強度の記録パワー依存性を以下に示す。
z、および記録膜409に5MHzの信号をそれぞれ記録
した後、記録膜403,406および409に焦点を合
わせて再生信号を読み出した結果を以下に示す。
い、測定条件として、分解周波数幅30kHzとした各
キャリア周波数におけるCN比(ノイズ成分対キャリア
成分比)の測定結果で示す。
接記録膜からの層間クロストークが−25dBより小さ
く、信頼性の高い再生が可能な信号を得ることができ
た。
9としてGe14Sb29Te57の組成の薄膜を2nmの厚
さに形成し、反射防止層402,405および、408
としてZnSの薄膜を50nmの厚さに形成し、その他
の構成は上記ディスクと全く同じディスクを作製した。
このディスクでは、記録した後の層の透過率が低下する
特徴を持つ。そのため、基板側の層から記録していくこ
とで、上記構成のディスクを線速度8m/s(回転数1
800rpm,半径42.5 mm)として、下層から、基
板側の上層に順に記録する場合について示す。まず、記
録膜409に焦点を合わせ、記録周波数5.5MHz で
90nsの記録パルスを照射して記録した。この時の再
生信号強度の記録パワー依存性を以下に示す。
を合わせて記録した。この時の再生信号強度の記録パワ
ー依存性を以下に示す。
記録膜403に焦点を合わせて記録した。この時の再生
信号強度の記録パワー依存性を以下に示す。
z、および記録膜403に3MHzの信号をそれぞれ記録
した後、記録膜403,406および409に焦点を合
わせて読み出した再生信号の各キャリア周波数における
CN比の測定結果を以下に示す。
接記録膜からの層間クロストークが−25dBより小さ
く、信頼性の高い再生が可能な信号を得ることができ
た。
化ガラス円板の他に、射出成形で作製したポリカーボネ
ート,アクリル樹脂等のプラスチック円板を用いても同
様な結果が得られた。
l系の他に、Ge−Sb−Te系,Ge−Sb−Te−
M(Mは金属元素)系,In−Sb−Te系,In−S
b−Se系,In−Se系,In−Se−M(Mは金属
元素)系,Ga−Sb系,Sn−Sb−Se系,Sn−
Sb−Se−Te系等を用いても、同様な結果が得られ
る。
化を利用したものの他に結晶,結晶間相変化を利用した
In−Sb系等を用いても、同様な結果が得られる。
直径20nmのBi置換ガーネット(YIG(Y3Bi3
Fe10O24))粒子を有機バインダーに分散させたもの
をスピンコートして作製した。直径20nmのBi置換
ガーネットは共沈法で作製し、その後600から800
℃で熱処理して結晶化させた。有機バインダーは屈折率
が25のものを用いた。スピンコートした記録膜の膜厚
は約1.5μm で、反射率,透過率,吸収率は、波長5
30nmでそれぞれ、R=8%,T=12%,K=80
%であった。Bi置換ガーネットのバインダー中での体
積比率が約60%であるため、このときの反射光の偏光
面の回転角は、約0.8 度であった。紫外線硬化樹脂層
を間に設けて多層に積み上げる方法,二枚のディスクを
張り合わせる方法,記録再生方法は前述の実施例と同様
にした。ただし、光源の波長はλ=530nmとする。
て、記録再生実験を行った例について述べる。図12
(a)は情報記録媒体の断面図の一部分を示す図であ
り、図12(b)は記録層の部分の断面図を示す図であ
る。
ラス基板(411)上に、トラックピッチ1.5μm のレ
ーザ光案内溝を厚さ50μmの紫外線硬化樹脂層(41
2)で形成した。次に、記録層(413)を真空蒸着法で
積層した。記録層は図10(b)に示すように、厚さ8μ
mのSb2Se3層(414)で厚さ3μmのBi層(415)
をサンドイッチした構成とした。さらにその上に、レー
ザ光案内溝を設けた厚さ30μmの紫外線硬化樹脂層
(412)と、記録層(413)の組を2層積層した。すな
わち記録層を3層設けた。最上部には記録層を保護する
目的で厚さ100μmの紫外線硬化樹脂層を設けた。記
録層は基板に近い側から順に、第1記録層,第2記録
層,第3記録層と呼ぶことにする。
とグルーブ部の幅はそれぞれ0.75μmとした。記録はラ
ンド部またはグルーブ部のいずれに行っても良いが、本
実施例の場合には、グルーブ部に記録を行った。
合わせて照射し、反射率を測定したところ、記録前の第
1記録層,第2記録層,第3記録層の反射率はそれぞ
れ、8.5%,5.8%,4.4%であった。記録は各記
録層に6.0mW以上のレーザ光を照射することによっ
て行った。第1記録層,第2記録層,第3記録層の記録
レーザ光を照射した部分の反射率はそれぞれ、18.5
%,13.0%,9.4%であった。
化する理由は、記録層の合金化によるものである。すな
わち記録レーザ光の照射によって、Sb2Se3とBiの
3層からなる記録層の一部分が昇温されると、SeとB
iの拡散反応が生じ合金化する。この結果、記録層に光
学定数の異なった領域、すなわち記録点が形成される。
なお、本実施例で用いたSb2Se3とBiからなる記録
層の場合には、合金化のよって反射率と透過率の両方が
増加し、吸収率が減少する。
ランド部に連続レーザ光を照射しておけば、ランド部が
合金化し、記録層一層当たりの平均の光透過率が10%
上昇する。したがって、上で述べた記録前後の反射率が
それぞれ増加するので、トラッキング等を行う際都合が
良い。また、ランド部とグルーブ部の両方に記録を行っ
ても同様に、記録層一層当たりの平均の光透過率を上昇
させることができる。記録層はSb2Se3とBiの組合
せに限られるものではなく、昇温により合金を生じる組
合せであれば良い。
おいて安定に記録再生できる光スポット絞り込み光学
系,ディスク構造,光検出光学系、さらに、特に問題と
なる隣接層間のクロストークを抑制する符号化方法,ク
ロストークキャンセル方法、さらに、3次元データフォ
ーマット、それに伴うディスク作成方法,3次元アクセ
ス方法を提供できるので、多層膜構造のディスクの各層
に光スポットを絞り込み、高い信頼性を持って、データ
の記録再生できる。
再生方式の原理図)。
光学系の例、bは拡散光学系の例。
る光強度を示す図、bはk層に焦点を合わせた場合につ
いての他の層でのスポット面密度を示す図、cはk層に
焦点を合わせた場合についての他の層でのパワー密度を
示す図。
図。
を示す図。
3層膜構造の一例、bは記録特性。
用媒体の構造を示す断面図。
断面図。
系の一例、aは光学系の原理図、bは実際の光学系。
系の一例。
図。
構造。
ク図。
ク図。
図、aは記録された層における焦点ずれ信号、bは本発
明の焦点ずれ検出を示す図。
方法の説明図。
…半導体レーザ、8…絞り込みレンズ、9…像レンズ、
10…光検出器、11…光スポット、12…焦平面、1
3…目標層についての無収差時光学的特性関数、14…
隣接層についての光学的特性関数、15…焦点ずれが増
加した場合の特性関数の変化する方向、16…AGCの
周波数特性、20…記録条件設定回路、23,24…再
生信号、25…再瀬制御回路、26…AGC回路、35
…AF誤差信号、36…総光量、39…案内溝、40…
ウォーブルピット、41…アドレス認識、42…k層ま
での透過率、43…マーク、44,45…ROM、46
…D/A変換器、47…理想の記録状態のマーク、49
…先行スポット、51…記録用スポット、52…演算
器、53…ゲインコントロールを行わない場合の記録状
態、54,55…光検出器、56,57…ビームスプリ
ッタ、59,60…積分回路、61,62…遅廷回路、
63,64,68…再生信号、67…重み設定回路、6
9…k層面に焦点ずけられたスポット、71…k層面の
マーク配列、72,73…再生信号、74…マーク列、
75,76,77,78,79,82…隣接層に焦点を
結んだスポット、80,81…重み関数、83…絞り、
84…マーク記録領域、86…2−7変調方式を用いた
場合の変調信号のパワースペクトル、87…EFM変調
方式を用いた場合の変調信号のパワースペクトル、88
…スペクトルの折れ点、91…AFアクチゥエータ移動
信号発生回路、92…引込み点判定回路、95…レイヤ
ー番号検出回路、100…スイッチ、101…クロスレ
イヤー信号検出回路、103…スライスレベル、105
…ゼロクロス点、109…アップパルス、110…ダウ
ンパルス、111,112…光検出器、113,114
…前後光検出器面での光スポット、115,116…前
置増幅器、117,118…サンプルホールド回路、1
19,120,121,122…受光面、123…記録
された層付近でのAF誤差信号、124…記録された層
付近での総光量、401,401′…レプリカ基板、4
02,402′,405,405′,408,408′
…反射防止層、403,403′,406,406′,
409,409′…記録膜、404,404′,407,
407′…紫外線硬化樹脂層、410…接着剤層、41
1……ガラス基板、412……紫外線硬化樹脂層、41
3……記録層、414……Sb2Se3層、415……B
i層。
Claims (5)
- 【請求項1】複数の記録層を積層した記録媒体を用い、
上記記録層に光を収束させる光学系を具備し、 Pmin≧Ikth×Sk/δk Pmin:上記記録媒体の光入射面から最も遠い記録層
における光強度 Ikth:上記記録媒体の光入射面から最も遠い記録層
における情報の記録が可能な光強度密度閾値 Sk :上記記録媒体の光入射面から最も遠い記録層
に焦点を合わせた場合の光スポットの面積 δk :上記記録媒体の光入射面と光入射面から最も
遠い記録層の間の透過率を満たすことを特徴とする情報
記録装置。 - 【請求項2】複数の記録層を積層した記録媒体を用い、
上記記録層に光を収束させる光学系を具備し、 (Pk×δjk)/Sjk≪Ijth Pk :任意のk番目の記録層における光強度 δjk :任意のj番目の記録層までの透過率/任意の
k番目の記録層までの透過率 Sjk :任意のk番目の記録層に焦点を合わせた時の
任意のj番目の記録層での光スポット面積 Ijth:任意のj番目の記録層における情報の記録が
可能な光強度密度閾値を満たすことを特徴とする情報記
録装置。 - 【請求項3】複数の記録層を積層した記録媒体を用い、
上記記録媒体の光照射側からk番目の記録層をk層とし
たとき、上記記録媒体の反射光を結像する像レンズと、
上記記録媒体のk層からの反射光の上記像レンズの焦点
付近に配置された直径Dの光検出器とを具備し、 【数17】 δjk:j層までの透過率/k層までの透過率 αjk:上記記録媒体のj層とk層の間の反射率の比 Uj’:上記光検出器の配置された平面におけるj層か
らの反射光のスポット径 を満たすことを特徴とする情報再生装置。 - 【請求項4】複数の記録層を積層した記録媒体を用い、
上記記録層に局所的に光学的性質の変化したマークが形
成されることにより記録された情報を再生する情報再生
装置において、上記記録層に光を収束させる光学系を具
備し、上記記録媒体の任意の層に光を収束させた時に上
記任意の層の隣接層におけるスポット径の領域に含まれ
る上記マークの総面積が、略一定であることを特徴とす
る情報再生装置。 - 【請求項5】複数の記録層を積層した記録媒体を用い、
波長λの光源と、上記記録媒体からの反射光を結像する
開口数NAIの像レンズと、上記像レンズの焦点付近に
配置された直径D=λ/NAIの光検出器とを具備する
ことを特徴とする情報再生装置。
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