JP4380641B2 - 光記録媒体、光記録媒体の評価方法、情報再生方法及び情報記録方法。 - Google Patents
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Description
ここで、記録再生の目的とする層の隣の層の光束径は、層の間隔をL、対物レンズの開口数をNA、光の波長をλとしたとき、
L*NA/(1-NA^2)^(1/2)
となる。例えばLが5μm、NAが0.85の場合には8μmとなり、波長λが400nmの時の、目的層での光スポット32の径 λ/NA=470nmと比べて直径で約17倍、面積で300倍となる。このようにして、他の層の影響なく、複数の記録層を有する光記録媒体上に記録再生を行う条件に関しては、特開平5-101398(特許文献1、対応US5414451)に詳細が記載されている。
(1)3層以上の記録層を有する多層光記録媒体において、記録再生のための光の入射側から見て裏面側の光反射率が表面側からの光反射率と比較して小さい記録層を有するようにした。
(2)光入射面から最も遠い側に位置する2つの層を除くすべての記録層の裏面側の光反射率を表面側の光反射率よりも小さくした。
(3)3層以上の記録層を有する多層光記録媒体において、光入射面から最も遠い側に位置する層を除く任意の隣接する2層の記録層を選び、光入射面に近い側から第1の記録層、第2の記録層としたとき、第1の記録層の裏面側の光反射率と第2の記録層の表面側の光反射率の積が0.0025以下となるようにした。
したがって、信号光は第n-1層表面での反射率に比例し、クロストーク光は第n-1層表面での反射率の2乗に第n-2層の裏面反射率を乗じたものとほぼ等しくなる。第n-1層表面の反射率が共通であることから、クロストーク光の信号光に対する比は、第n-1層表面での反射率に第n-2層の裏面反射率を乗じたもの、すなわち、第1の記録層の裏面側の光反射率と第2の記録層の表面側の光反射率の積に等しくなる。この比を通常の信号光の最小振幅と最大振幅の比の約半分である1/20の2乗すなわち、0.0025程度に抑えることで、多重反射による層間クロストークの再生品質への影響を抑えることができる。
(4)上記、光反射率の積を0.001以下とした。
(5)任意の記録層に光スポットの焦点がある場合の当該層からの反射光によって検出される信号出力に対し、当該層から1ミクロン以上焦点がずれた位置で検出される当該層からのクロストーク信号の最大値の比を0.0025以下とした。より望ましくは0.001以下となるようにした
当該層の信号と、他の層に焦点を会わせた際の他の層の信号はほぼ同レベルであるため、当該層の信号が他の層の位置で及ぼすクロストーク量は、他の層での信号に対するクロストークの比とほぼ等しい従って、前記(3)(4)と同様の効果が得られる。
(6)記録層毎に異なる信号が記録された領域を有する媒体を用い、焦点位置を移動させた際の任意の記録層の信号成分の信号強度最大値に対して、焦点位置が当該層からずれた位置で検出される当該層信号の第2ピーク出力の比が0.0025以下、より望ましくは0.001以下となるようにした。
(7)前記の記録層毎に記録された異なる信号として、周波数の異なる信号を用いた。
(8)前記の記録層毎に記録された信号として、溝またはピット列のウォブル信号を用いた。
このウォブルをアドレス情報用のウォブルと共用又は重畳し、差動信号出力としてウォブル信号を検出することにより、無駄な領域を用いることなし、各層の分離検出のための信号を得ることができる。すなわち、データ効率に優れる。また未記録の媒体の場合でも、予備記録する必要がなく、データへの悪影響もないという利点がある。
(9)一つの記録層にのみ信号が記録されており、他の層には信号が記録されていない領域を有する媒体を用い、焦点位置を移動させた際の当該記録層の信号成分の信号強度最大値に対して、焦点位置が当該層からずれた位置で検出される当該層信号の第2ピーク出力の比が0.0025以下でとなるようにした。より好ましくは0.001以下となるようにした。
(10)複数の記録層を持つ光記録媒体の各層に、層毎に周波数が異なり層内では一定周波数になるような信号をあらかじめ記録しておき、各層の周波数信号成分を分離して検出し、焦点位置を全ての層を横切るように移動させ、各層の周波数信号成分の最大強度に対する副次ピーク出力の比を測定することにより各層からのクロストーク量を同定することとした。これにより複数の層有する記録媒体において、他の層の影響を受けずに正確にクロストーク量を測定・比較することが可能となる。この様な測定により、媒体の記録再生特性を精密に規定することが可能となり、結果として、高品質な光記録媒体を提供できる。
図1は本発明の1実施例の記録媒体の断面構造を模式的に示したものである。記録媒体4は基板40上に第5の記録層415、第4の記録層414、第3の記録層413、第2の記録層412、第1の記録層411の計5層の記録層が積層されてなる。各々の記録層間の間隔は約6μmである。その上に約70μmのカバー層が形成され、入射面42側から収束光31が照射され、記録層上に光スポット32が形成される。各々の記録層の入射面側からの反射率51と、その裏面側からの反射率52は異なる。図中、第1、第2、第3、第4、第5の記録層の光入射裏面の反射率はそれぞれ、511、512、513、514、515であり、第1、第2、第3、第4、第5の記録層の光入射裏面の反射率はそれぞれ、521、522、523、524、525である。また第1、第2、第3、第4、第5の記録層の光透過率は、それぞれ、531、532、533、534、535である。
図5には本発明の第2の実施例としての6層の記録層を持つ再生専用形記録媒体の断面構造を模式的に示したものである。記録媒体4は第1の記録層411、第2の記録層412、第3の記録層413、第4の記録層414、第5の記録層415、第6の記録層416の計6層の記録層からなる。各々の記録層間の間隔は約5μmである。カバー層厚は約75μmである。各々記録層は反射層61、干渉層62、吸収層63、干渉層64の4つの層が積層されてなる。この干渉層と吸収層により、裏面の反射率を抑えるように光学多重干渉を考慮して設計した。
本実施例では、光ヘッドでの実効的な反射率(入射面表面42の影響を除く)を約3%になるように設計した。この時、2層上の層の裏面で反射して光ヘッドに戻る光の実効反射率、信号光との強度比(クロストーク比)及び光学波動干渉を考慮した干渉の影響を表6に示す。
(Rn-1表)×(Rn-2裏)×(Rn-1表)x (第n-1層直前までの往復の透過率)
に等しい。一方、表5の信号光の実効反射率は第n層、第n-1層とも約3%となるように設定しており、その値は、第n-1で見ると
(Rn-1表)× (第n-1層直前までの往復の透過率)
となる。したがって、不要光反射率との比(クロストーク比)は、
(Rn-1表)×(Rn-2裏)と等しくなる。
したがって、手段の項で説明したように、光入射面から最も遠い側に位置する層を除く任意の隣接する2層の記録層を選び、光入射面に近い側から第1の記録層、第2の記録層としたとき、第1の記録層の裏面側の光反射率と第2の記録層の表面側の光反射率の積を十分小さくすることでクロストーク比を低減できる。前述の干渉を考慮すると、この比は、最密・最租再生信号振幅比である1/20の2乗すなわち、0.25%以下程度である必要があり、再生信号への影響が無視できるレベルとしては、1/30の2乗すなわち0.1%以下程度であるのが望ましい。
(実施例3)
多層媒体の品質の把握のために、各層のクロストークの影響を個別に評価する必要がある。しかしながら多層媒体でのクロストーク、特に裏面反射によるクロストークでは、図4に示したように、本来の目的層とは、別の層に不要光スポットが形成されてしまい、検出器上での分離が困難である。これは、不要光スポットと本来の光スポットからの反射光がほぼ同じ経路を通って、光ヘッドに戻るためである。そこで、本実施例では、各層に特徴的な信号を配置することにより、各層からの信号を分離する方法を提供する。
(実施例4)
各層のクロストークの識別評価のための別の実施例を図7に示す。図7では、ディスクの一部分に一層だけに信号を記録した領域を各層が重ならないように配置しておく。この際、収束光の広がりを考慮して、無信号領域13を配置しておくことが肝要である。
(実施例5)
他の層の裏面からの反射によるクロストークの影響を評価するために、ここでは、他の層からの直接反射による信号を確実に分離できるように、図8に示した構成の光ヘッドを用いた。すなわち、サーボ信号検出部と再生信号検出部を分離し、再生信号検出部の検出器の直前にピンホールを配置し、いわゆる共焦点構成にすることにより、他の層から直接反射してくる光が検出器に混入するのを防いでいる。
(実施例6)
次に、各種光ディスクを、図3に示した記録再生装置により再生評価する例を示す。ヘッド3の一部であるレーザ光源34(本実施例では波長約405nm)から出射された光はコリメータレンズ331を通してほぼ平行な光ビームへとコリメートされる。コリメートされた光ビームはビームスプリッタ36を透過し収差補正素子78及び対物レンズ30を通して光ディスク1上に収束光31として照射され、スポット32を形成する。ディスクからの反射光は、ビームスプリッタ36やホログラム素子39などを通して、検出レンズ332及び333によりサーボ用検出器351及び信号検出器352へと導かれる。各検出器からの信号は加算・減算処理されトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号などのサーボ信号となりサーボ回路79に入力される。サーボ回路は得られたトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号をもとに、対物レンズアクチュエータ78や光ヘッド3全体の位置を制御し、光スポット32の位置を目的の記録・再生領域に位置づける。検出器352の加算信号は信号再生ブロック2へ入力される。入力信号は信号処理回路25によってフィルタ処理、周波数等化処理後、デジタル化処理される。ディスク上にグルーブ(溝部)のウォブルなどの形で形成されているアドレス情報は分割検出器352からの差動信号として検出され、信号再生ブロック2中のウォブル検出回路22へと入力される。ウォブル検出回路22は、ウォブル信号と同期したクロックを生成し、ウォブル波形を弁別する働きを持つ。ウォブル検出回路22により検出されたウォブル信号はアドレス検出回路23によってデジタル情報に変換され、その後、復号回路26によってエラー訂正などの処理を行ってアドレス情報として検出される。検出されたアドレス情報をもとに、記録再生処理の開始タイミング信号などが生成されユーザデータの復調回路24が制御される。同時にアドレス情報は制御回路(マイクロプロセッサ)27にも送られ、アクセスなどに用いられる。
Claims (10)
- 3層以上の記録層を有する多層光記録媒体であって、記録または再生のための光の入射側から見て裏面側の光反射率が表面側からの光反射率と比較して小さい記録層を少なくとも有することを特徴とする光記録媒体。
- 前記光の入射側から最も遠い側に位置する2つの層を除くすべての記録層の裏面側の光反射率が、表面側の光反射率よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記記録層毎に異なる信号が記録された領域を有する媒体を用い、焦点位置を移動させた際の任意の記録層の信号成分の信号強度最大値に対して、焦点位置が当該層からずれた位置で検出される当該層信号の第2ピーク出力の比が0.0025以下であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 前記第2ピーク出力の比が0.001以下であることを特徴とする請求項3に記載の光記録媒体。
- 前記記録層毎に記録された異なる信号とは、周波数の異なる信号であることを特徴とする請求項3に記載の光記録媒体。
- 前記記録層毎に記録された信号は、溝またはピット列のウォブル信号であることを特徴とする請求項3に記載の光記録媒体。
- 前記多層光記録媒体で、一つの記録層にのみ信号が記録されており他の層には信号が記録されていない領域を有する媒体を用い、焦点位置を移動させた際の当該記録層の信号成分の信号強度最大値に対して、焦点位置が当該層からずれた位置で検出される当該層信号の第2ピーク出力の比が0.0025以下であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 前記第2ピーク出力の比が0.001以下であることを特徴とする請求項7に記載の光記録媒体。
- 3層以上の記録層を有する多層光記録媒体であって、記録または再生のための光の入射側から見て裏面側の光反射率が表面側からの光反射率と比較して小さい記録層を少なくとも有する光記録媒体を用い、前記記録層に前記光を照射することにより、前記記録層に記録された情報を、再生することを特徴とする情報再生方法。
- 3層以上の記録層を有する多層光記録媒体であって、記録または再生のための光の入射側から見て裏面側の光反射率が表面側からの光反射率と比較して小さい記録層を少なくとも有する光記録媒体を用い、前記記録層に前記光を照射することにより、情報を記録することを特徴とする情報記録方法。
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