JP4586096B2 - 多層光ディスクおよびその記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の記録層を有する光ディスクおよび複数の記録層を有する光ディスクの記録方法に関する。
図2は従来の多層光ディスクの断面構造と各記録層の情報を選択的に記録再生する原理を模式的に示したものである。本従来例では、記録媒体は合計5つの記録層(第1の記録層411、第2の記録層412、第3の記録層413、第4の記録層414、第5の記録層415)を備えている。この5層媒体を用いて、例えば、第2の記録層412上の記録情報にアクセスするためには、対物レンズ30の位置を制御し、光スポット32の位置を第2の記録層412上に位置づける。その際、対物レンズによって絞り込まれる途中の収束光31は、半透明の第1の記録層411を透過するが、この第1の記録層上では、収束光31の光束径は、第2の記録層412上での光スポット32の直径と比べて十分に大きく、このため、半透明の第1の記録層411上の記録情報を分解して再生することができない。半透明の第1の記録層411上では光束径が大きいため、単位面積あたりの光強度が相対的に小さくなり、記録時に第1の記録層411の情報を破壊する心配はない。このようにして第1の記録層の影響を受けずに第1の記録層よりも奥の第2の記録層の情報記録再生を実現している。
同様に第5の記録層415上の情報を記録再生する場合は、対物レンズ30の位置を制御し、光スポット32の位置を第5の記録層415上に位置づける。ここで、記録再生の目的とする層に隣接する層の光束径は、層間の間隔をd、対物レンズの開口数をNA、光の波長をλとし、層間透明層の屈折率をnとしたとき、2×d×(NA/n)/(1-(NA/n)^2)^(1/2)となる。例えばdが8μm、NAが0.85の場合には光束径は約10μmとなり、波長λが400nmの時の目的層での光スポット32の径 λ/NA=470nmと比べて直径で20倍以上、面積で400倍以上となる。このようにして、他の層の影響なく、複数の記録層を有する光記録媒体上に記録再生を行う条件に関しては、特開平5-101398(特許文献1)に詳細が記載されている。
このような複数層光ディスクにおいては、光入射側から見て奥の層に情報を記録する場合に、手前の層上の未記録領域を通して奥の層に記録する場合と、手前の層上の記録済み領域を通して記録する場合では、手前の層の実効的な透過率の違いのために、奥の層に到達するレーザパワーが異なってしまうという問題がある。図5を用いてこの問題を模式的に示す。図5(a)は第n番目の記録層(第n層)に光スポットが合焦された様子を示し、図5(b)は、第n層に光スポットが合焦された際に、第n層よりも手前側の記録層(第m層)を透過する光束の様子を示す。図中の縦線は第n層に形成される記録トラックを示す。領域431が情報が何も記録されていない領域(未記録領域)を、領域432が何らかの情報が記録された領域(記録済み領域)を意味する。ブルーレイディスクの場合、トラックピッチは0.32μmであり、第n層からの距離にもよるが、第m層に入射した光は、およそ100本程度のトラックを含む範囲に広がって第m層を透過する。記録領域と未記録領域とでは透過率が異なるため、同じ光束が透過する場合であっても記録領域と未記録領域とでは透過光量が異なることになる。すなわち、第m層の実効的な透過率は、第m層に存在する記録流域と未記録領域の面積の比によって変化することになる。
この問題に対して、特開2003-109217号公報(特許文献2)では、手前の層の未記録部分と記録済み部分の透過率の差が一定値以下になるように記録媒体を構成することにより、手前の層の記録状態によらず、奥の層に対して一定の記録パワーで記録できるようにしている。
特開2003-109217に記載のように、手前側の層(第m層)の光学設計を行う際には、未記録領域と記録済み領域で、透過率が変化しないようにすることが望ましい。しかしながら、媒体の製造のバラツキ、設計誤差を始めとする種々の要因により未記録領域431と記録済み領域432の間に数%から10%程度の透過率差が生じてしまうのが通例である。また、たとえ手前の透過率を同じにできたとしても反射率が異なるため、手前の層からの反射光の影響により奥の層の再生信号品質が変化することがある。
従って、実際の媒体では、未記録領域431と記録済み領域432の間に若干の透過率差が存在し、図5に示したように手前側の第m層の未記録領域431を通して奥側の第n層に記録する場合と、手前側の第m層の記録済み領域432を通して奥側の第n層に記録する場合とでは、第m層の実効的な透過率の違いのために、第n層に到達するレーザパワーが異なってしまう。より正確に言うと、光スポット321が奥の第n層に合焦している時の、手前の第m層の実効的な透過率は、手前の第m層が未記録であるか記録済みであるかによって二値的に変化する訳ではなく、手前の第m層上の光ビーム322に占める未記録部分と記録済み部分の面積比に応じて連続的に変化する。
この現象が記録学習に及ぼす影響の一例を次に示す。図3は、2層追記型光ディスクにおいて、奥側のL0層に記録・再生を行った時の記録パワーとジッタの関係を、手前側のL1層が未記録であった場合と、L1層が記録済みであった場合に分けて示したものである。再生信号を評価する際の信号処理方式としてはブルーレイディスクで標準に使われるリミットイコライザを適用し、信号ジッタ値の大小として信号を表わしている。この測定では、手前のL1層の全領域が未記録であった場合、最適記録パワー、すなわちジッタが最小となる記録パワーは7.1mWであり、この時のジッタは6.7%であった。一方、手前のL1層の全領域が記録済みであった場合には、最適記録パワーは7.5mWであった。すなわち、L1層が記録済みであった場合の最適記録パワーは、L1層が未記録であった場合と比較して約7%高パワー側にシフトした。仮に、L1層が記録済みの場合に、L1層が未記録の場合の最適記録パワー7.1mWを用いて記録するとすれば、ジッタは7.0%となり、最適記録パワーを用いる場合よりも、0.3%増加することになる。
この結果は、例えば次のようなことを意味する。L0層に対する記録学習を行う際に、L1層上のレーザ光が通過する部分が未記録であったとし、この状態で決定した最適記録パワーを用いて、L0層全体に記録するものとする。そうすると、L1層上のレーザが通過する部分が未記録の場合は問題なく記録できるが、そこが記録済みの場合には、L0層に記録されたデータの再生信号のジッタが増加してしまう。すなわち実効的な記録パワーマージンが縮小してしまう。したがって、特許文献2の方法では、記録パワーマージンが小さくなるため、一定の記録パワーを用いて奥の層全体に渡って高い信頼性で記録を行うことは困難であった。
この問題を回避するための従来例、特許文献3(特開2005-038584号公報)や特許文献4(特開2004-327038号公報)では、複数層の記録学習のための領域が互いに重ならないようにして、常に手前側の層が未記録の状態で学習を行うようにしていた。また、特許文献5(特開2008−192258号公報)では、他の層が記録状態である場合と未記録状態である場合の両者で記録パワーを学習し、その平均をとるという方式で、記録パワー学習の誤差の問題を回避している。
特開平5-101398号公報(米国特許5414451号) 特開2003-109217号公報 特開2005-038584号公報(米国公開特許2004/0264339号) 特開2004-327038号公報 特開2008-192258号公報
しかしながら前述した複数の記録層のパワー学習のためのテスト領域の半径位置が互いに異なるように設定する特許文献3及び特許文献4に記載された方式において3層以上の複数層の記録層を持つ多層光ディスクに適用する場合は以下の課題があった。多層ディスクでは製造上の重ね合わせ誤差により異なる層のトラックは互いに偏心している。また、製造時の基板やスタンパの熱収縮・拡大により、半径自体もある程度の誤差を持つことになる。このN層の媒体でN箇所の異なる半径位置にテスト領域を配置する際には、この偏心分D、熱変形による半径誤差分Δ、さらに他の層でのスポットサイズ拡大分Aを考慮して、(2D+2Δ+A)×(N-1)の領域を余裕として確保しなければならない。D、Δ、Aはたとえばブルーレイディスクの場合の典型的な値はそれぞれ、50μm、50μm、25μm程度であるため、たとえば4層光ディスクの場合(2×50+2×50+25)×(4-1)=675μm の半径領域を確保する必要があり、さらにテスト領域を各層毎に200μmずつ確保した場合、675μm+4×200μm=1.475 mmもの半径領域をOPCのために確保する必要があり、その分ユーザデータ領域が減少してしまう問題があった。
手前の層が記録済みの場合と未記録の場合の両者を学習する特許文献5の方式において、3層以上の複数層の記録層を持つ光ディスクに適用する場合は、記録・未記録の組み合わせが層の数に応じて指数的に増大し、学習に時間がかかる問題があるとともに、記録済み、未記録の両者の領域を確保するために実質的なユーザデータ容量が減少してしまうといった問題があった。
本発明の第1の目的は、3層以上の記録層を有する多層光ディスクにおいて、ユーザデータ領域を削ることなく十分なテスト領域を確保することである。
また、本発明の第2の目的は、3層以上の記録層を有する多層光ディスクにおいて、各層のレーザ照射パワーを適切に制御して記録するための記録方法を提供することである。
本発明の第1の目的を達成するために以下の手段を用いた。
(1)N層(Nは3以上)の書換型または追記型の情報記録層を有する光ディスクにおいて、各情報記録層には記録や再生の条件を調整するためのテスト領域が設けられており、該テスト領域の半径位置の少なくとも一部は異なる層間で互いに重なっており、各層のテスト領域には複数の小領域を有し、各層の小領域のうち1/N以下の数の小領域を記録テスト用小領域とし、残りの小領域は情報を記録しない未記録小領域とした。
これにより、ディスク上でのテスト領域の半径位置が異なる層間で互いに重なることになり、層の数を増やしてもユーザ領域を狭めることなく十分なテスト領域を確保することが可能となる。かつ、記録の際に、記録の対象となる層以外の他の層(N-1層)が記録済みであるか再生済みであるかの影響を1層あたり最大でも1/N以下とすることができる。すなわち、他の全ての層の影響を加えても影響の総和は (N-1)/N、すなわち1未満に抑えられる。このことは、3層以上の光ディスクにおいても他の層の影響が2層光ディスクと同等未満に抑えられることを意味する。ここで、透過光を考えた場合、影響の総和は本来、掛算で表されるはずであるが、ここで、単純に足し算としている理由は、記録と未記録の透過率変動の差は通常10%以下と小さく、本発明の方法の場合さらにその1/Nに抑えているため十分に近似が成り立つからである。
(2)上記の各小領域を、K個の記録単位ブロック(Kは1以上の整数)で構成した。
これにより、テスト領域に一部し記録しなくても、通常の記録ブロックとしての記録・再生条件の評価が可能になるため、テスト(学習)の信頼性・精度が確保できる。
(3)記録層の層間距離の最小値をd、記録層間のスペース層の屈折率をn、記録再生に用いる光ピックアップの対物レンズの開口比をNA、トラックピッチTpとし、小領域の位置する半径をrとしたとき、上記の各小領域の円周方向の長さを、[d×(NA/n)/{1-(NA/n)^2}^(1/2)]/Tp×(2πr)を超えない長さとした。
まず、上記式の意味を説明する。[d×(NA/n)/{1-(NA/n)^2}^(1/2)]は、ある記録層に合焦しているときの、層間隔dだけ離れた別の記録層での光ビームの半径である、それをトラックピッチTpで除した値は、他の記録層上での光ビーム内に入るトラック数であり、したがって、記録小領域の円周方向の長さが、
[d×(NA/n)/{1-(NA/n)^2}^(1/2)]/Tp×(2πr) 以下だとすると、小領域は光ビームの直径の半分以下となり、光スポットには必ず小領域が2個以上含まれることになる。このため、記録/未記録の違いは分解されず、記録領域と未記録領域の面積比のみが影響することになる。(1)の構成により記録領域の割合は1/N以下に抑えられているので、記録の際に、記録の対象となる層以外の他の層(N-1層)が記録済みであるか再生済みであるかの影響を1層あたり最大でも1/N以下とすることができる。すなわち、他の全ての層影響を加えても影響の総和は (N-1)/N すなわち1未満に抑えられる。このことは、3層以上の光ディスクにおいても他の層の影響が2層光ディスクと同等未満に抑えられることを意味する。
(4)N層(Nは3以上)の書換型または追記型の情報記録層を有する光ディスクにおいて、各情報記録層には記録や再生の条件を調整するためのテスト領域が設けられ、該テスト領域の半径位置の少なくとも一部は、異なる層間で互いに重なっており、各層のテスト領域の記録ブロックアドレスをLとしたとき、Nよりも大きい整数M、b ≦ M/N を満たす自然数b,a+b<Mを満たす整数aを予め定め、(L+a) mod M<bを満たすアドレスのブロックにのみテスト記録を行いその他の記録ブロック記録は未記録ブロックとすることとした。
これも、上記(1)と同様に、異なる層のテスト領域の半径位置が互いに重なっているため、層の数を増やしてもユーザ領域を狭めることなく十分なテスト領域を確保することが可能であり、かつ、記録の際に、記録の対象となる層以外の他の層(N-1層)が記録済みであるか再生済みであるかの影響が、1層あたり最大でも1/N以下とすることができる。すなわち、他の全ての層影響を加えても影響の総和は(N-1)/Nすなわち1未満に抑えられる。また、(2)と同様に、ブロック単位で記録済み/未記録領域を分けているので、通常の記録ブロックとしての記録・再生条件の評価が可能になるため、テスト(学習)の信頼性・精度が確保できる。さらに、テスト領域のうちテスト記録可能なブロックと未記録ブロックを予めアドレスによって定めることができるため、複数のドライブで記録・再生する場合においても、テスト領域の使用の仕方を同一とできるため、装置互換性が向上する。
(5)N層(Nは3以上)の書換型または追記型の情報記録層を有する光ディスクにおいて、各情報記録層には記録や再生の条件を調整するためのテスト領域が設けられ、該テスト領域の半径位置の少なくとも一部は、異なる層間で互いに重なっており、Nよりも大きい整数M、b ≦ M/N を満たす自然数b を予め定め、各層のテスト領域には、bブロックのテスト領域とM-bブロックの未記録領域とからなるMブロックの長さのセグメントを繰り返して配置することとした。
これの効果は、上記(4)と基本的には同等では有るが、テスト領域内の連続するブロックとに連続したアドレスがつけられていない場合や、アドレスと記録ブロックの対応が1:1である場合などにも適用可能であり、汎用性が向上する。
(6)N層(Nは3以上)の書換型または追記型の情報記録層を有する光ディスクにおいて、各情報記録層には記録や再生の条件を調整するためのテスト領域が設けられ、該テスト領域の半径位置範囲は異なる層間で実質的に同じであり、各層のテスト領域には複数の小領域を有し、各層の小領域のうち1/N以下の数の小領域を記録テスト用小領域とし、残りの小領域は情報を記録しない未記録小領域とした。
これにより、異なる層のテスト領域の半径位置が実質的に同じであるため、層の数を増やしてもユーザ領域を狭めることなく十分なテスト領域を確保することが可能であり、かつ、記録の際に、記録の対象となる層以外の他の層(N-1層)が記録済みであるか再生済みであるかの影響が、1層あたり最大でも1/N以下とすることができる。すなわち、他の全ての層の影響を加えても影響の総和は(N-1)/Nすなわち1未満に抑えられる。このことは、3層以上の光ディスクにおいても他の層の影響が2層光ディスクと同等未満に抑えられることを意味する。
本発明の第2の目的を達成するために以下の手段を用いた。
(7)N層(Nは3以上)の書換型または追記型の情報記録層を有する光ディスクにおいて、各情報記録層には記録や再生の条件を調整するための複数の記録ブロックからなるテスト領域が設けられており、各層のテスト領域にテスト記録を行う際に、テスト領域内の全ブロック数のうち1/N以下の数の記録ブロックにのみテスト記録を行い残りのブロックには情報を記録しないようにした。
これにより、記録の際に、記録の対象となる層以外の他の層(N-1層)が記録済みであるか再生済みであるかの影響が、1層あたり最大でも1/N以下とすることができる。すなわち、他の全ての層の影響を加えても影響の総和は(N-1)/Nすなわち1未満に抑えられる。このことは、3層以上の光ディスクにおいても他の層の影響が2層光ディスクと同等未満に抑えられることを意味する。
(8)N層(Nは3以上)の書換型または追記型の情報記録層を有する光ディスクの各情報記録層には記録や再生の条件を調整するためのテスト領域が設けられ、該テスト領域の半径位置の少なくとも一部は、異なる層間で互いに重なっており、各層のテスト領域内の記録ブロックのアドレスをLとしたとき、
Nよりも大きい整数M、b ≦ M/N を満たす自然数b , a+b<Mを満たす整数aを予め定め、
(L+a) mod M < bを満たすアドレスのブロックにのみテスト記録を行いその他の記録ブロック記録は未記録領域とするように記録を行い、その記録の順序は、アドレスが降順あるいは昇順となるように行うこととした。
これにより、上記(7)と同様に、記録の際に、記録の対象となる層以外の他の層(N-1層)が記録済みであるか再生済みであるかの影響が、1層あたり最大でも1/N以下とすることができる。すなわち、他の全ての層からの影響を加えても影響の総和は(N-1)/Nすなわち1未満に抑えられる。さらに、テスト領域のうちテスト記録可能なブロックと未記録ブロックを予めアドレスによって定めているため、テスト領域の使用の仕方を同一とでき、さらに、その記録順序も定めているため、複数のドライブで記録・再生する場合においても、テスト領域の個々のブロックが記録済みか未記録であるかの判別が容易になり、装置互換性が向上する。
図13は本発明の効果を示したものである。図13(a)は、本発明の追記型光ディスクを用いて、テスト領域で記録パワー調整を行った場合と、従来の光ディスクの記録方法の場合とのパワー調整結果を比較したものであり、図13(b)は記録データのエラー率を示したものである。横軸は、ユーザデータ領域のうちの記録済み領域の割合であり、2種のディスクには同一の条件で、準ランダムな順序で、複数の層に記録を行い、また、一定の間隔でロード・アンロードを行うことにより強制的に記録パワー調整を行わせている。本発明では、記録済み割合によらず記録パワー学習結果がほぼ一定しているのに対して、従来例では、記録済み割合が増えるにしたがって、記録パワーの学習結果のバラツキが大きくなるとともに、記録パワーも高パワー側にシフトしている(図13(a))。すなわち従来の方法では記録するにしたがって本来の記録パワーではなく、高パワー側にシフトした誤った記録パワーに調整されることを示している。
図13(b)は本発明の記録方法で記録した場合と従来の記録方法で記録した場合とでの記録データの品質を評価したものである。縦軸はシンボルエラー率であり、エラー率が低いほど良い記録品質である。本発明では、記録済み割合によらずエラー率が常に10のマイナス5乗程度以下に保たれ、良好な記録品質を維持しているが、従来例では記録済み割合が増えるにしたがいエラー率が増加している。これは、従来例では記録パワーの学習制度が悪くなり、過剰な記録パワーで記録したために、記録品質が低下していることを示している。
以上のように本発明によれば、記録パワーの学習時に、他の層が記録済か未記録であるかの差による影響をほとんど受けないため、記録パワーの学習の精度を向上させることができる。また、その際に、実質的に同一の半径位置に各層の記録パワー学習領域を重ねて配置することができるため、ユーザデータ容量の減少を招くことがない。すなわち、3層以上の記録層を有する多層光ディスクにおいて、ユーザデータ領域を削ることなく十分なテスト領域を確保でき、かつ、各層のレーザ照射パワーを適切に制御して記録するための記録することが可能となるため、記録品質、記録データの信頼性が向上する。
本発明の多層光ディスクの記録調整領域の配置を示す図。 多層光ディスクの構造と各層に独立して記録再生を行う原理を示した図。 従来の多層光ディスクの問題点を説明する図。 本発明の多層光ディスクの記録再生装置の例。 従来の多層光ディスクの問題点を説明する図。 本発明の光ディスクのテスト領域とユーザデータ領域の配置を示す図。 記録パワー調整のための指標であるアシンメトリの検出方法を説明する図。 記録パワー調整のための指標であるβの検出方法を説明する図。 従来の多層光ディスクの記録パワー調整領域での記録特性を示す図。 従来の多層光ディスクで記録パワー調整結果を示す図。 本発明の多層光ディスクの記録パワー調整領域での記録特性を示す図。 本発明の多層光ディスクの記録パワー調整領域での記録パワー調整結果を示す図。 本発明の効果を示す図。 従来の5層光ディスクの記録パワー調整領域での記録特性を示す図。 本発明の5層光ディスクの記録パワー調整領域での記録パワー調整結果を示す図。
(実施例1)
図6は本発明の多層光ディスクにおいて、ユーザデータ領域11と記録パワーなどの記録再生条件を学習・調整するためのテスト領域12の配置の仕方の概略を示したものである。本実施例では、テスト領域12は、ユーザデータ領域11よりも内周側に配置されている。
図1は、多層ディスク(本実施例では5層)上に、各領域がどのように配置されるかの詳細を示したものである。図1(a)ではユーザ領域11とテスト領域12、さらにはディスクの最内周付近に光ヘッドを位置づけるためのリードイン領域14、領域間の緩衝領域であるバッファ領域や管理情報記録領域等を記録する領域13が、複数の記録層にどのように配置されているかを示している。図で、左側がディスク内周側、右がディスク外周側である。第0層は光入射面から最も遠い側に位置し、第4層は光入射面に最も近い。すなわち、図2の第5の記録層415が本実施例の第0層、図2の第1の記録層411本実施例の第4層と対応する。各記録層の層間の間隔は、層間クロストークの影響が最小になるように層毎に違えてあるが、層間間隔の最小値は約16μmである。テスト領域11は、本実施例の多層ディスクでは記録のためのパワーを最適に制御するための学習領域という意味で、Optimum Power Control領域(OP領域)と呼ばれている。各層のテスト領域11はほぼ同一の半径位置に位置する。
図1(b)は、テスト領域内の細分を示したものであり、記録可能なテスト領域121と記録禁止領域122の組で構成されるセグメント123が、複数個配置されている。各セグメント123は図1(c)に示したように複数の記録単位ブロック124からなる。本実施例では記録単位ブロックの長さは、内周部のテスト領域付近では、一周の2/3程度の長さ(2/3トラック)であり、記録可能なテスト領域121に属する6個の記録単位ブロック124と、記録禁止領域122に属する28個の記録単位ブロック124の、合計32個の記録単位ブロック124で、セグメント123が構成されている。従って、記録可能な記録単位ブロック124の数はテスト領域121全体に属する記録単位ブロック124の数の6/24=0.1875である。すなわち、本実施例では記録層の数Nは5であるので、記録可能な記録単位ブロックの割合 0.1875は、1/N=1/5=0.2よりも小さい。
本実施例で、テスト領域の先頭の記録ブロックのアドレスは1900hであり、各セグメントは32個の記録ブロックからなるため、各セグメントの先頭の記録ブロックのアドレスは1900h+20h×n(nは0以上の整数)である。先頭から6つの記録ブロックのみが、記録可能ブロックであるため、記録可能ブロックのアドレスは1900h+20h×n+m (m=0,1,2,3) であらわされる。これを別の形で式であらわすと
記録可能ブロックのアドレスをLとして L mod 20h < 4 となる、これの式は、a=0、b=4とすると、M=32(=20h)なので、(L+a) mod M < bと等価であり、またN=5なので、b ≦ M/N、a+b<Mを満たす。すなわち、手段(4)の条件を満たす。
ここで、aやbなどのパラメタはすべての層で同一である必要はなく、層ごとに変えてもよい。
図1(d)は、ある小領域123に属する記録可能な単位ブロックのうち一部(図では4個)のみが記録済ブロック125で残り(図では2個)が未記録の記録可能ブロックとなった状況を示している。この例では、記録可能ブロックは、内周側(図では左側から)順次つかわれていく。
このような、テスト記録領域の使い方をした場合、テスト記録領域内では、6ブロックの記録済み領域432、24ブロックの未記録領域431が交互に配置されることになる。トラック数に換算すると、1ブロックが約2/3トラックなので、6×2/3=4トラック分の記録済み領域432と24×2/3=16トラック分の未記録領域431が交互に配置されることになる。本実施例の媒体ではトラックピッチは、ブルーレイディスクと同じ0.32μmであるので、結果として約1.3μmの記録済み領域と。約5.1μmの未記録領域とが交互に配置されることになる。
このように記録されたテスト領域を通して層間隔dだけ離れた別の層に記録する場合を考える、層間隔の最小値d=16μmであるから、対物レンズのNA0.85、層間のスペーサ層の屈折率n=1.6を用いると、層間隔d離れた層でのビーム半径は[d×(NA/n)/{1-(NA/n)^2}^(1/2)]≒10μmとなるため、このビームは10x2/0.32≒60トラックにまたがることになる。約1.3μmの記録済み領域と5.1μmの未記録領域が混在していたとしても、直径20μmの大きな光ビームでは影響は積算され、1.3μmと5.1μmの比のみが影響することになる。 この例で、[d×(NA/n)/{1-(NA/n)^2}^(1/2)]/Tp×(2πr) を計算すると、31×(2πr)となる、すなわち、記録小領域(この例では記録単位ブロック)の長さは、31トラック分、すなわち半径にして10μmを超えなければ良いことが分かり、本実施例は、手段(3)に記載した条件を満たしている。
(実施例2)
次に、各種光ディスクを、図4に示した記録再生装置により再生評価する例を示す。ヘッド3の一部であるレーザ光源34(本実施例では波長約405nm)から出射された光はコリメータレンズ331を通してほぼ平行な光ビームへとコリメートされる。コリメートされた光ビームはビームスプリッタ36を透過し収差補正素子78及び対物レンズ30を通して光ディスク1上に収束光31として照射され、スポット32を形成する。ディスクからの反射光は、ビームスプリッタ36やホログラム素子39などを通して、検出レンズ332及び333によりサーボ用検出器351及び信号検出器352へと導かれる。各検出器からの信号は加算・減算処理されトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号などのサーボ信号となりサーボ回路79に入力される。サーボ回路は得られたトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号をもとに、対物レンズアクチュエータ78や光ヘッド3全体の位置を制御し、光スポット32の位置を目的の記録・再生領域に位置づける。検出器352の加算信号は信号再生ブロック2へ入力される。入力信号は信号処理回路25によってフィルタ処理、周波数等化処理後、デジタル化処理される。ディスク上にグルーブ(溝部)のウォブルなどの形で形成されているアドレス情報は分割検出器352からの差動信号として検出され、信号再生ブロック2中のウォブル検出回路22へと入力される。ウォブル検出回路22は、ウォブル信号と同期したクロックを生成し、ウォブル波形を弁別する働きを持つ。ウォブル検出回路22により検出されたウォブル信号はアドレス検出回路23によってデジタル情報に変換され、その後、復号回路26によってエラー訂正などの処理を行ってアドレス情報として検出される。検出されたアドレス情報をもとに、記録再生処理の開始タイミング信号などが生成されユーザデータの復調回路24が制御される。同時にアドレス情報は制御回路(マイクロプロセッサ)27にも送られ、アクセスなどに用いられる。
このような光ディスク記録再生装置で、多層光ディスクに記録再生を行う方法は、(背景技術)に記載した方法と基本的には同じである。たとえば実施例1に示した5層の記録層を持つ記録媒体にアクセスする場合、対物レンズ30の位置を制御し、光スポット32の位置を目的の記録層(たとえば第2層)上に位置づける。すなわち目的の記録層上では合焦状態である。その際、対物レンズによって絞り込まれる途中の収束光は、手前側にある半透明の別の記録層(たとえば第4層や第3層)を透過するが、別の記録層上では、収束光31の光束径は、目的の記録層上での光スポット32の直径と比べて十分に大きく、このため、半透明の記録層上の記録情報を分解して再生することができない。すなわち、別の層の記録情報の影響を受けずに目的の層の情報再生することが可能である。記録時にも目的の層以外の記録層上では光束径が十分に大きいため、単位面積あたりの光強度が相対的に小さくなり、記録時にも目的以外の記録層の情報を破壊する心配はない。このようにして、複数の層の光ディスクでの情報記録再生を実現している。
このような装置を用いて記録パワーを学習する方法としては、図7や図8に記載したような信号の非対称性を検出する方法や、信号の振幅(変調度)のパワー依存性を評価する方法が一般的である。
図7は一般にアシンメトリと言われる指標で、信号のアイパターンの中心と信号の上下の包落線までの振幅を測定する方法を示したものである。上側(スペース側)包落線とアイパターンの中心までの振幅をA、下側(マーク側)包落線とアイパターンの中心までの振幅をB、とした時、アシンメトリは(A-B)/(A+B)で定義され、記録パワーが大きくなるにしたがって、アシンメトリは負から正に変化する。最適パワーの記録条件でのアシンメトリは、光ディスク記録膜の特性によって若干(数%)のオフセットがある場合もあるが、およそはゼロ付近である。図8はβと呼ばれる評価指標で、この場合はアイパターンの中心を求める代わりにハイパスフィルタを用いてDC成分を取り除き、AC結合したゼロ点を基準に上下の包落線振幅A1、A2を求め、β=(A1-A2)/(A1+A2)を求めるものである。2つの手法は若干の違いがあるものの、どちらもゼロ付近が最適パワーとなる点で共通しており、装置の回路系の構成によって、いずれかを選択して用いられることが多い。信号の振幅(変調度)のパワー依存性を評価する方法は、ここでは説明しないが、DC振幅を検出するため、多層光ディスクのように漏れ光・迷光の影響が出やすい系では検出精度が悪化しやすい。
(実施例3)
実施例2に記載の装置を用いて、3層追記型光ディスクの再生信号品質をジッタとして評価した例を図9に示す。この例では、手前側に位置する2つの層が記録状態の場合と未記録状態の場合とで、目的とする奥の層の記録特性(記録マージンカーブ)が異なっている。この原因は、再生特性ではなく、多層光ディスクにおいて、光入射側から見て奥の層に記録する場合に、手前の層上の未記録領域を通して奥の層に記録する場合と、手前の層上の記録済み領域を通して記録する場合では、手前の層の実効的な透過率の違いのために、奥の層に到達するレーザパワーが異なってしまうためである。すなわち実効的に記録感度が異なり、実効的な記録パワーが変化してしまうことが、記録特性変化の原因である。
一番奥の層(第0層)のユーザデータ領域へ記録した記録情報のβ値を評価した例を図10に示す。手前の2層に記録してある場合は、β値が低下する。すなわち最適記録パワーが相対的に高い側にシフトし、実効的な記録感度が低下する。この変化は、本実施例の光ディスクでは記録パワーにして最大10%である。
図11は本発明を適用して記録調整のためのテスト領域で記録特性(ジッタ)を評価したものである。手前の2つの層へ記録をした後にも、未記録の場合とほとんど変わらない記録特性が得られており、手前の層の記録/未記録の違いの影響が抑制されていることが分かる。
図12は本発明を適用して記録調整のためのテスト領域でβ値を評価したものである。手前の2つの層へ記録をした後にも、未記録の場合とほとんど変わらない記録感度特性が得られており記録パワーが正確に求められることがわかる。実際にユーザデータ領域に記録を行う場合は、このようにして求めた正確な記録パワー(12.1mW)の5%増の記録パワーを用いる。その理由は、ユーザデータ領域では、手前の層の記録状態によって、最大10%記録感度が低下(最適パワーが増大)するため、約5%増の記録パワーで記録することにより、記録感度最大の領域(手前の2層が未記録)と記録感度最低の領域(手前の2層が記録済み)のどちらにとっても5%以下のパワー誤差で記録できることになる。すなわち、図10の2つのジッタカーブのどちらにとっても、ジッタカーブのボトム付近に当たる12.7mW程度のパワーを用いて記録することにより、手前の層の記録状態によらずほぼ最適なパワーで記録することが可能となる。
図13(a)は、本発明の追記型光ディスクを用いて、テスト領域で記録パワー調整を行った場合と、従来の光ディスクの記録方法の場合とのパワー調整結果を比較したものであり、図13(b)は記録データのエラー率を示したものである。横軸は、ユーザデータ領域のうちの記録済み領域の割合であり、2種のディスクは同一の条件、かつ、準ランダムな順序で、複数の層に記録を行い、また、一定の間隔でロード・アンロードを行うことにより強制的に記録パワー調整を行わせている。本発明では、記録済み割合によらず記録パワー学習結果がほぼ一定しているのに対して、従来例では、記録済み割合が増えるにしたがって、記録パワーの学習結果のバラツキが大きくなるとともに、記録パワーも高パワー側にシフトしている(図13(a))。すなわち従来の方法では記録するにしたがって本来の記録パワーではなく、高パワー側にシフトした誤った記録パワーに調整されることを示している。
図13(b)は本発明の記録方法で記録した場合と従来の記録方法で記録した場合とでの記録データの品質を評価したものである。縦軸はシンボルエラー率であり、エラー率が低いほど良い記録品質である。本発明では、記録済み割合によらずエラー率が常に10のマイナス5乗程度以下に保たれ、良好な記録品質を維持しているが、従来例では記録済み割合が増えるにしたがいエラー率が増加している。これは、従来例では記録パワーの学習制度が悪くなり、過剰な記録パワーで記録したために、記録品質が低下していることをしめしている。
以上のように本発明によれば、記録パワーの学習時に、他の層が記録済か未記録であるかの差による影響をほとんど受けないため、記録パワーの学習の精度を向上させることができる。また、その際に、実質的に同一の半径位置に各層の記録パワー学習領域を重ねて配置することができるため、ユーザデータ容量の減少を招くことがない。すなわち、3層以上の記録層を有する多層光ディスクにおいて、ユーザデータ領域を削ることなく十分なテスト領域を確保でき、かつ、各層のレーザ照射パワーを適切に制御して記録するための記録することが可能となるため、記録品質、記録データの信頼性が向上する。
(実施例4)
実施例2に記載の装置を用いて、実施例1に記載の追記型5層光ディスクにおいて、一番奥の層(第0層)のユーザデータ領域へ記録した記録情報のアシンメトリを評価した例を図14に示す。手前の層に1層でも記録してあるとアシンメトリが低下する。すなわち最適記録パワーが相対的に高い側にシフトし、実効的な記録感度が低下する。この変化は手前の4つの層全てに記録した場合に最大となり、パワーにして最大12%変化する。
図15は本発明を適用して記録調整のためのテスト領域でアシンメトリを評価したものである。手前の4つの層へ記録をした後にも、未記録の場合とほとんど変わらない記録感度特性が得られており記録パワーが正確に求められることがわかる。
求めた記録パワーを用いてユーザ領域に実際に記録を行う場合には求めた最適パワーの約6%増の記録パワーを用いて行う。これは、手前の層が全て未記録の場合と比べて、全て記録の場合は必要パワーが12%増大することを考慮したものである。本発明の適用によりテスト領域での学習で求まる記録パワーは常に手前の層が未記録の際の記録パワーに同等なものとなる。しかしながら、ユーザデータ領域では、手前の層の記録状態によって、最大12%記録感度が低下(最適パワーが増大)するため、約6%増の記録パワーで記録することにより、記録感度最大の領域と記録感度最低の領域のどちらにとっても最大でも6%以下のパワー誤差で記録できることになる。本発明の多層光ディスクでは、記録パワーマージンは±13%程度あるので、この6%の誤差は許容できるが、本発明の記録方法を適用しない場合は、12%のパワー誤差が生じることになるためマージンがほとんどなくなり、ディスク傾きなど他のストレスでエラーを生じる原因になってしまう。ここでは、ユーザ領域の記録パワーをテスト領域で求めたパワーの何倍にするかは、予めディスク毎、層毎の特性を評価しておき、対照表としてドライブ内に格納しておく方法と、ディスクのコントロール情報領域に記載しておく方法があるが、互換性の観点からはディスクのコントロール情報領域に予め記載しておくのが望ましい。
本発明の効果は以上説明した実施例に限られるものではない。たとえば、光ディスクの記録層として、追記型の他に、書き換え型の記録層をもちいることも可能である。書き換え型の記録層の場合はアシンメトリやβ値では、必ずしも正確なパワーがもとまらないことがあるので、記録パワー調整OPCの指標として、変調度やε、γ、κなどの指標を併用するのが望ましい。
また、テスト領域のうち記録可能領域の割合は、すべての層で同じである必要はなく、また、必ずしも全ての層で1/Nの条件を満たす必要はない。たとえば、記録状態と未記録状態とでの透過率変化が大きい層では、記録可能領域の割合を小さくし、変化の少ない層では割合を小さくする方法が考えられる。あるいは、記録状態と未記録状態とでの透過率変化が大きい層のみにおいて、記録可能領域の割合を1/N以下とするのも、テスト領域の効率利用には有効である。
また、記録可能領域の割合を制限する本発明の考え方は、テスト領域に適用するだけでなく、記録管理情報や欠陥管理情報などが記録される管理領域に適用するのも有効である。この場合、通常のユーザ情報領域と比べて管理上領域高の記録を高品質・高信頼で行うことが可能となるため、ディスク全体の記録信頼性が向上する利点がある。
1…記録媒体、11…ユーザデータ領域、12…テスト領域、121…記録可能なテスト領域、122…記録禁止領域、123…セグメント、124…記録単位ブロック、125…記録済ブロック、126…未記録の記録可能ブロック、13…バッファ領域、管理領域、…、14…リードイン領域、22…ウォブル検出回路、23…アドレス検出回路、24…復調回路、25…信号処理回路、26…復号回路、27…マイクロプロセッサ、28…レーザドライバ、29…メモリ、3…光ヘッド、30…対物レンズ、31…収束光、32…光スポット、321…合焦光スポット、322…手前の層での光ビーム、331、332、333…コリメタ−レンズ、34…レーザ、351…サーボ用検出器、352…信号検出器、36…ビームスプリッタ、37…収差補正素子、39…ホログラム素子、411、412、413、414、415…第1、第2、第3、第4、第5の記録層、431…未記録領域、432…記録済み領域、76…回転制御回路、77…モータ、78…レンズアクチュエータ、79…サーボ回路、81…差信号、82…和信号、99…ホスト。

Claims (4)

  1. N層(Nは3以上の整数)の書換型または追記型の情報記録層を有する光ディスクであって、
    各情報記録層には記録や再生の条件を調整するためのテスト領域が少なくとも設けられ、
    前記テスト領域の前記光ディスク上での半径位置の少なくとも一部は、異なる層間で互いに重なっており
    各層の前記テスト領域は複数の小領域により構成され、
    当該小領域のうち1/N以下の数の小領域は記録テスト用小領域であり、残りの小領域は情報を記録しない未記録小領域である多層光ディスクにおいて、
    前記情報記録層の層間距離の最小値をd、前記情報記録層間のスペース層の屈折率をn、記録再生に使用される光ピックアップの対物レンズの開口比をNA、トラックピッチをTp、前記小領域の半径位置をrとしたとき、前記各小領域の光ディスク周方向の長さは、[d×(NA/n)/{1-(NA/n)^2}^(1/2)]/Tp×(2πr)を超えない長さであることを特徴とする多層光ディスク。
  2. 前記各小領域はK個の記録単位ブロック(Kは1以上の整数)で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の多層光ディスク。
  3. N層(Nは3以上の整数)の書換型または追記型の情報記録層を有し、
    各情報記録層には記録や再生の条件を調整するためのテスト領域が少なくとも設けられ、
    前記テスト領域の前記光ディスク上での半径位置の少なくとも一部は、異なる層間で互いに重なっており、
    各層の前記テスト領域は複数の小領域により構成され、
    当該小領域のうち1/N以下の数の小領域は記録テスト用小領域であり、残りの小領域は情報を記録しない未記録小領域である多層光ディスクの記録方法において、
    前記情報記録層の層間距離の最小値をd、前記情報記録層間のスペース層の屈折率をn、記録再生に使用される光ピックアップの対物レンズの開口比をNA、トラックピッチをTp、前記小領域の半径位置をrとしたとき、前記各小領域の光ディスク周方向の長さは、[d×(NA/n)/{1-(NA/n)^2}^(1/2)]/Tp×(2πr)を超えない長さである多層光ディスクに、情報を記録することを特徴とする多層光ディスクの記録方法。
  4. 前記各小領域はK個の記録単位ブロック(Kは1以上の整数)で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の多層光ディスクの記録方法。
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